2002年に脳溢血で倒れた後遺症から右半身不随となり、以降“左手のピアニスト”として新境地を開拓する舘野泉。その演奏生活50周年を記念し、記者会見が8月2日に東京都内で行われた。「館野泉 演奏生活50周年 記念公演」のチケット情報舘野泉は、東京藝大を首席卒業した1960年にデビュー。1964年よりヘルシンキに居を構え、日本と北欧5か国をはじめ世界各国で行ったコンサートは3000回以上、リリースされた録音作品は約100枚。特にシベリウスをはじめとする北欧の作曲家の作品への取り組みは、2006年にフィンランド政府より「シベリウス・メダル」を授与されているなど国際的評価も高い。2002年にフィンランドでのリサイタル中に脳溢血で倒れ、右半身不随となるも、2年余の闘病生活を経て、左手での本格的な演奏活動を開始。舘野泉自身のために書かれた新曲(左手のためのピアノ曲)ほかを演奏するリサイタルを各地で開催し、新境地を開拓している。今回の記者会見には、舘野泉ほか、トランペット奏者の北村源三、クラリネット奏者の浜中浩一、作曲家の末吉保雄(以上3人は舘野と藝大の同級生)、作曲家の吉松隆、舘野泉の現在唯一の弟子・平原あゆみが登壇。「今年もすでに45回のコンサートに行いました。病気をする前よりは数こそ減っていますが、活動は充実していますし、それには多くの作曲家の方々が左手のための新作を書いてくれることが非常に大きい。どの曲も非常に美しい作品ばかりですし、10月からの記念公演にも吉松さんと末吉くんが新曲を書いてくれます。恐らく、ふたりとも公演近くにならないと出来上がらないと思うけど(笑)。いまから楽しみですね。また同級生のクラリネットの浜中くんとトランペットの北村くんと、藝大卒業50年後に一緒に演奏できるのも嬉しく思うし、よい緊張感もあります」と舘野泉は記念公演への思いを語った。「2012年~13年には、左手のピアノ作品のシリーズを7夜に分けて開催したいと思っているんです。その時には77歳になっていますが、現役で頑張れるように努力していきたい」と今後への意欲も十分な舘野泉。演奏生活50周年記念公演は、11月10日(水)の東京オペラシティ公演など全国4公演を開催。チケットは発売中。また舘野泉の演奏生活50周年記念企画として、EMI ミュージック・ジャパンより『舘野泉EMIレコーディングス・コンプリートBOX(CD26枚組)』『舘野泉EMIレコーディングス・セルフ・セレクション』、エイベックス・クラシックスより50周年企画・第1作『記憶樹』が10月20日(水)にリリースされる。■舘野泉 演奏生活50周年 記念公演~彼のための音楽を 彼が弾く~「舘野泉左手の文庫」助成による 室内楽作品の新作世界初演□10月22日(金)札幌コンサートホール□10月26日(火)福岡銀行本店大ホール□11月10日(水)東京オペラシティ コンサートホール□2011年2月6日(日)いずみホール
2010年08月04日