オダギリジョーの長編初監督作品であり、日本を代表する名優・柄本明が主人公のトイチ役を務める『ある船頭の話』の公開日が決定。併せて、第1弾ポスターと特報が解禁となった。今回解禁となった第1弾ポスターは、映画のキーカラーでもある「赤」をベースに、広大な河でひとり舟を漕ぎ進む船頭トイチの姿を切り取ったインパクトあるビジュアルとなっている。また、併せて解禁された特報では、ティグラン・ハマシアンによる弦とピアノの旋律に乗せて撮影監督のクリストファー・ドイルが捉えた日本の原風景が映し出され、まさに息を呑む美しさで映画の世界観が垣間見える。ひぐらしの鳴き声をバックに、こちらを見据えるトイチ(柄本明)の表情は何を物語っているのか?どこか懐かしさと切なさを感じさせる映像となっている。台詞の一切無いこの特報は、「一艘の舟。全てはそこから始まる。」というキャッチコピーとともに締め括られ、そこにはオダギリジョー監督の「舟に乗り込む客にはそれぞれに理由があり、船頭が彼らにどのように関わっていくのかを丁寧に描きたかった」という思いが込められているという。本作が長編初監督作品となるオダギリジョーさんは、移りゆく時代の中でなおも船頭を続ける男の物語をどのように描くのか?引き続き続報に注目したい。『ある船頭の話』は9月13日(金)より新宿武蔵野館ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ある船頭の話 2019年9月、新宿武蔵野館ほか全国にて公開予定© 2019「ある船頭の話」製作委員会
2019年05月15日映画の話になると、会話が止まらなくなる役者家族。家族の危機を救うのも映画だった。柄本明さん(70)がロケで家を空けることが多かった時期、長男の佑さん(32)が中学2年生で反抗期になり、妻の故・角替和枝さん(享年64)が手を焼いた。しかし、オーディションに受かって初主演した佑はロケの厳しさで“更生”して帰ってきたのだ。その後、次男の時生(29)も後を追って俳優に。年間500本の映画を見る長女は映画製作スタッフに。「子どもには興味ない」といいながら、父は映画の力を信じて子どもを育ててきた――。ドキュメンタリー映画『柄本家のゴドー』(4月20日、東京・渋谷ユーロスペースにて公開)。カメラは’17年1月、下北沢・ザ・スズナリで上演された舞台『ゴドーを待ちながら』の稽古初日から上演直前までを淡々と追う。演じるのは柄本明さんの長男・佑さんと次男・時生さんの兄弟で組むユニットET×2。明さんが演出を務める。『ゴドーを待ちながら』は、アイルランド出身の劇作家、サミュエル・ベケットによる有名な戯曲だ。2人の老人(佑さん演じるウラジミール、時生さん演じるエストラゴン)が、ゴドーという人物をひたすら待ちながら、とりとめのない会話を繰り返す。「退屈」「難解だ」などといわれる一方で、不条理演劇の傑作として演劇史にその名を残すこの作品は、多くの劇作家、俳優たちに強い影響を与えてきた。初演は’53年、パリ。日本では’60年に文学座で初上演され、明さんも’00年、石橋蓮司さんと組んで、エストラゴンを演じている。その舞台を当時13歳の佑さんが見ていた。ET×2でこの作品を初めて演じたのは、兄弟そろって人気俳優に成長した’14年のことだ。父に演出を依頼した理由を、佑さんは映画のなかで、こう話していた。「初めて2人で演じたとき、一生、時生と2人で付き合っていける戯曲と出合ったなという手応えを感じていて。だからこそ、早いうちに親父の演出でやってみたいなっていうのがあった」明さんは、家族のことを話すのが照れくさい。《世間的にみっともないよね。僕の演出で彼らが演じるってことだけでも》(映画『柄本家のゴドー』より)そんな明さんに代わって、『柄本家のゴドー』を監督・撮影した山崎裕さんが補足する。「映画の撮影中も、よく、下北沢の喫茶店で、家族でお茶を飲んでいました。もちろん角替さんも一緒です。そんなときは仲のいい親子です。ところが、いざ芝居となると、柄本さんは一線を引く。“芝居の鬼”になるんです」“芝居の鬼”の厳しさは、東京乾電池の女優でもあった角替さんにも向けられた。昨年2月、「座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル」でのインタビューで、佑さんは、こんなエピソードを披露している。「(乾電池の公演後)親父の顔が、目が、怖くなっているんです。母ちゃんは『怒られるぅ』って、顔が青くなっているし。それで、俺は、(自宅に)親父と2人だけの密室を作らないように、母ちゃんから人質に取られたんです。『一緒にいて』って(笑)」時生さんの思い出話も面白い。「幼いころは、学校から僕が悪いことをしたという内容の文章を受け取ると、親父が読み上げるんです。そして、それを急に渡されたと思ったら、2~3時間、声に出して読まされた。陰湿なんです」叱るというより、まるでセリフの練習ではないか。日常生活のなかで、兄弟は知らず知らずのうちに芝居の稽古をしていたようだ。明さんとて無意識だったことだろう。とはいえ、明さんは放任ではなく、むしろ繊細に、息子たちの成長を見守っている。「佑も時生も学芸会に積極的に出るタイプではないね。でも、下のガキは、一度、ジャンケンか何かで演出になっちゃって。学芸会に行って、見ましたね。パソコンのトラブルか何かで、たしか原稿がおかしくなった。それで手伝わなきゃいけなくなった」原稿直しだけで終わらず、舞台を見に行くところが、明さんだ。息子2人が俳優になったことについてはこう語る。「長男が中学のときに、事務所マネージャーがオーディションに出したいということで、出したら通っちゃった。下のガキもそんなことです。『お父さん、俳優になりたいんだけど……』なんてあらたまった話はなかったです、うちはね。ダラダラ、ダラダラと」それでも、子育てをするなかで、映画の仕事をしていてよかったという思いもある。佑さんがオーディションに通ったときのことだった。「佑は中2で、反抗期だったんです。俺も長期ロケで、家を空けることが多く、カミさんが手を焼いていた時期でした。で、夏休みの2カ月間、『美しい夏キリシマ』(’03年)の主役の少年役で、映画の現場に放り込んだんです。映画の世界は縦社会。周りは大人ばっかりでしょ。寂しくて、ひとりの部屋で泣いて電話をかけてきたりした」明さんは心配になって、撮影現場まで様子を見に行っている。「みっともない親でね。監督に迷惑かけましたけどね。(故・原田)芳雄さん、石橋蓮司さん、僕が尊敬する先輩がいるなかで『佑、佑』と呼ばれて、もまれてね。すっかりいい子になって戻ってきました」他人のなかに入る。社会人の枠のなかで生きていく。映画の現場での経験が、佑さんを大きく成長させ、“家族の危機”を救った。「その流れで、時生にもオーディションを受けさせて。うちは皆、姉ちゃんもそうだけど、映画というもの、映画館、撮影現場、それら映画に関する何かに触れて、学んでいって、反抗期を免れたって感じかなぁ。なんですかね、その『映画の力』というものは」
2019年04月22日「今度、神戸でドラマの撮影をやるんだ。10日間くらい取られるかな。今日から、忙しくなるよ」2月13日、都内の喫茶店に姿を見せた柄本明(70)は同席した劇団関係者らしき女性にそう語った。台本を手に持ちながら、これからについてゆっくりと話し始める。その顔には、すっかり笑みが戻っていた――。昨年10月27日、最愛の妻・角替和枝さん(享年64)が原発不明がんのために亡くなった。近所の喫茶店で談笑するのが、夫婦の日課だったという柄本。1月30日の「お別れの会」ではラブレターを読むかのように、妻との思い出を涙ながらに語っていた。「いっしょに行った喫茶店はまだ行けない。思い出しちゃって……」だが亡くなってから3カ月。妻とすごした場所ではないものの、喫茶店通いを再開したようだ。そんな“妻ロス”から回復できたのは、あのニュースも大きく影響したことだろう。息子の柄本佑(33)とその妻の安藤サクラ(33)が、「第92回キネマ旬報ベスト・テン」で主演男優賞と主演女優賞をダブル受賞したのだ。夫婦での受賞は史上初。2月10日の授賞式で佑は、「(母は)きっと会場のどこかにいると思います……」とスピーチ。安藤も亡き義母を思い、涙を流していた。そこで本誌は喜びの声を聞くべく、都内の自宅を訪れた。すると、近所の喫茶店に出かける柄本の姿を目撃したのだ。2時間後、店を出てきた柄本に記者は声をかけた。――佑さんご夫妻のダブル受賞、おめでとうございます。「いやいや、まあよかったですよ」穏やかな口調で語る柄本。受賞について聞くと照れくさいのか、人ごとのように語る。「そりゃあ、うれしいんじゃないですか」――ご夫婦そろって主演賞を受賞するのは、史上初の快挙だということですね。「なんか初めてみたいですね」――奥さまへのご報告はされたのでしょうか?「いや、まあ別にね。仏前に手を合わせて……だいたいそんなところです」安藤が角替さんを思い号泣していたことについて触れると、「ああ、そうなんだ……」と驚いたように声を上げる。そして安藤が出演中の朝ドラ『まんぷく』は、角替さんが出演を後押しした作品だ。「ご覧になっていますか?」と聞くと、「ええ、ええ」とうれしそうに答える。記者が「今回のW受賞の報せは、奥さまからのプレゼントかもしれないですね」と聞くと、柄本はこう答えた。「そうですね……」最後は恥ずかしそうに笑うと、記者に会釈をして家の中へと入っていった。徐々に明るさを取り戻しつつある柄本家。その様子を、天国の角替さんもきっと“萬福の”笑顔で見守ってくれていることだろう――。
2019年02月21日俳優の柄本佑が、「第73回毎日映画コンクール」で男優主演賞を受賞し14日、川崎・カルッツかわさきで行われた表彰式に登壇。妻で女優の安藤サクラも女優主演賞を受賞したが、NHK連続テレビ小説『まんぷく』の撮影のため欠席し、ビデオメッセージを寄せた。同賞は毎日新聞社とスポーツニッポン新聞社などが主催している映画賞。柄本は『きみの鳥はうたえる』、安藤は『万引き家族』での演技が評価されて受賞した。柄本は「この映画は自分の中で記念碑的な、これからの人生においても宝物。その作品でこの賞をいただいてうれしいです」と喜び、夫婦受賞について「うれしいです。でも恥ずかしいです」と照れ笑い。「でも、こんなことは一生に一度しかないことですし、家族にとっても、亡くなったうちの母ちゃんにとっても喜びは倍々ゲームで、非常にうれしいと思ってくれていると思います」と、昨年10月に亡くなった母で女優の角替和枝さんにも触れながら語った。安藤はビデオメッセージで、自身の受賞について喜びと感謝の思いを伝えてから、「夫が男優主演賞をいただくことになって、それが『きみの鳥はうたえる』という作品で、すごくうれしいというか、感慨深いというか、この作品の撮影中に娘が生まれたので。『万引き家族』は産後、お乳をあげながら参加した作品なので、家族にとっても特別な賞になりました。本当にうれしいです。ありがとうございます」と夫婦受賞を喜んだ。なお、安藤の代理として、『万引き家族』で共演した城桧吏と佐々木みゆが出席した。○「第73回毎日映画コンクール」受賞一覧■作品部門日本映画大賞:『万引き家族』是枝裕和日本映画優秀賞:『菊とギロチン』瀬々敬久外国映画ベストワン賞:『スリー・ビルボード』マーティン・マクドナー■監督・脚本部門監督賞:上田慎一郎『カメラを止めるな!』脚本賞:野尻克己『鈴木家の嘘』■俳優部門男優主演賞:柄本佑『きみの鳥はうたえる』女優主演賞:安藤サクラ『万引き家族』男優助演賞:塚本晋也『斬』女優助演賞:樹木希林『万引き家族』スポニチグランプリ新人賞:玉置玲央『教誨師』スポニチグランプリ新人賞:木竜麻生『菊とギロチン』田中絹代賞:白川和子■スタッフ部門撮影賞:月永雄太『モリのいる場所』美術賞:原田満生。堀明元紀『日日是好日』音楽賞:Hi’Spec『きみの鳥はうたえる』録音賞:吉田憲義『日日是好日』■ドキュメンタリー部門ドキュメンタリー映画賞:『廻り神楽』遠藤恊■アニメーション部門アニメーション映画賞:『若おかみは小学生!』高坂希太郎大藤信郎賞:『リズと青い鳥』山田尚子■TSUTAYA プレミアム映画ファン賞日本映画部門:『劇場版 コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』西浦正記外国映画部門:『ボヘミアン・ラプソディ』ブライアン・シンガー■特別賞特別賞:戸田奈津子(字幕翻訳家)
2019年02月14日数々の古典をレパートリーに持ち、多くの観客の心を掴んでいる東京バレエ団が、いま、新たな全幕古典作品『海賊』に取り組んでいる。ダイナミックな技や華やかな群舞にあふれた、見応えあるバレエだ。本番まで約1か月となった2月7日に開催された、公開リハーサル、記者懇親会の模様をレポートする。【チケット情報はこちら】この日は前半の主役を初日キャストの上野水香と柄本弾が、後半を2日目に登場する沖香菜子と秋元康臣が踊り、その他ソリスト役では今回大抜擢を受けた若手団員も大いに存在感をアピール。新作ならではの緊張感と意欲がみなぎる、熱い稽古が展開された。19世紀半ばにパリで誕生した『海賊』はその後、ロシアでマリウス・プティパが手がけた改訂版をもとにした様々なヴァージョンが上演されている。とくに、大スターたちの競演で知られるアメリカン・バレエ・シアター(ABT)の舞台は、映像化されて広く人気を得ているが、今回上演されるのはこれと同じアンナ=マリー・ホームズ振付の『海賊』だ。懇親会には、東京バレエ団で指導中のホームズも出席。ボストン・バレエの芸術監督時代に、ロシアの恩師ナタリア・ドゥジンスカヤから『海賊』の上演機会が少ないことを憂えていると聞かされ、「この作品の権利を買い、ボストン・バレエで上演、その後、世界中で『海賊』を指導しています。当初はもっと長い作品でしたが、ドゥジンスカヤに許しをもらい、少しカットしたり変更を加えたりもしています」と話した。ロシアの偉大なバレエ教師に学んだという共通のバックグラウンドを持ち、ホームズに親しみを感じるという斎藤友佳理芸術監督も、「彼女の『海賊』はシンプルでわかりやすく、ユーモアもあり、私が大切と思うキャラクターの踊りも残している。やるならこれしかないと思いました」と明かす。「それぞれの個性を活かしきる」ことができるかどうかも、作品選びの重要な条件という斎藤。ヒロイン、メドーラ役の上野水香は、「表現の余地のある役。自分なりのメドーラ像を作りたい」、ギュルナーラ役の川島麻実子も「どう捉えて踊るか、先生に意見を伺いながら取り組んできます」。また「男性ダンサーにとって憧れの全幕バレエ!皆で鼓舞し合いながらいい舞台に」と話すのはコンラッド役の柄本弾。その手下のアリ、奴隷商人ランケデムの2役を踊る宮川新大も、「ABTの映像の衝撃は大きかった。2役踊れるのはありがたいこと」と語った。多彩なキャラクターとコール・ド・バレエが活躍する、パワフルで疾走感たっぷりの舞台に期待したい。公演は3月15日(金)から17日(日)まで、東京・東京文化会館にて。チケットは発売中。取材・文:加藤智子
2019年02月13日第92回キネマ旬報ベスト・テン表彰式が10日に都内で行われ、安藤サクラ、柄本佑ら受賞者が登場した。『万引き家族』で主演女優賞を受賞した安藤サクラは、「どうしよう、うまく話せなくなっちゃった」と動揺を見せる。出産直後に撮影したという同作について「今までだったら背負っていたような、自分が大事にいつも持っていたものが、産後なくなったというか」と明かし、「一個、でかいものを出産とともに出したという感じがあって。これからもあの状態にはならないかもしれない。すごくおおらかな生き物でいたような気がして、なんだかちょっとどんな爆弾が飛んできても、ふわっと入れた気がします」と語った。妻である安藤の様子を見守っていた柄本佑(主演男優賞)は、「なんて言えばいいんだ」と苦笑し、関係者への感謝で言葉を詰まらせる場面も。さらに「昨年母(角替和枝)が亡くなりまして、直接は報告できませんでした」と振り返る。「きっと会場のどこかにいると思います。うちの母の口癖は『なんでもない日、万歳』でした。さすがに今日は、『なんでもなくない日、万歳』と言って喜んでくれていると思います」と笑顔を見せた。W受賞ということで改めて夫婦で並んだ2人だが、「もう一生ないから!」と涙を見せた安藤を、柄本が「ちょっと待て、夫婦で泣いてると、写真出るぞ!」となだめる。安藤は涙ながらに「ちゃんとしてなきゃいけないかなと思ったんですけど、もうお祭り騒ぎだからいいかなと思って」と訴え、柄本は「そんな目で見られても……!」と動揺していた。しかし、司会者が柄本に話を振ると、安藤は泣きながらも「そういうのはいいんです、男は」とその場を制していた。また、サプライズで安藤の父・奥田瑛二からの「旦那が賞をもらったことを何よりも何よりも一番喜んでいるのは、安藤サクラだと思っています。2人の日々の精進の結果だと思っています。父もまだまだガンガン攻めていきます。いやあ、エネルギーをありがとう、乾杯!」というコメントが読み上げられると、安藤は「ここまでくると恥ずかしくなってくる」と苦笑。同社のバックアップに、「賄賂とかは渡していないです。そこまでお金はございません」と弁解し、会場を笑わせていた。○受賞一覧&登壇者日本映画作品賞:『万引き家族』桑田靖(フジテレビジョン)外国映画作品賞/外国映画監督賞/読者選出外国映画監督賞:『スリー・ビルボード』マーティン・マクドナー監督 代理:平山義成(20世紀フォックス映画)文化映画作品賞:『沖縄スパイ戦史』三上知恵監督、大矢英代監督・個人賞主演女優賞:安藤サクラ主演男優賞:柄本佑助演女優賞:木野花助演男優賞:松坂桃李新人女優賞:木竜麻生新人男優賞:寛 一 郎日本映画監督賞:瀬々敬久 代理:川瀬陽太日本映画脚本賞:相澤虎之助/瀬々敬久 代理:坂口一直(スタンス・カンパニー)読者選出日本映画監督賞:是枝裕和監督 代理:依田巽(ギャガ)キネマ旬報読者賞:立川志らく特別賞:樹木希林 代理:内田也哉子
2019年02月10日俳優の草なぎ剛、満島真之介、柄本時生が12日、都内で行われたアニメーション映画『ムタフカズ』の初日舞台挨拶に登壇。草なぎと満島が自由すぎるトークを繰り広げた。同作は、『鉄コン筋クリート』で知られるSTUDIO4℃に、フランスのコミック『バンド・デシネ」作家のギヨーム“RUN”ルナールと、フランスの制作会社ANKAMAがラブコールを送り実現した日仏コラボレーション映画。犯罪者と貧乏人の吹き溜まり・DMC(ダーク・ミート・シティ)を舞台に、ダラダラと過ごしている訳ありの少年たちに様々な事件が起きる。主人公の少年アンジェリーノ(通称:リノ)の声を演じた草なぎは「とてもいい作品ができちゃいまして、参ったもんですよね!」とうれしそうに話し、「僕ら出演者の思いがぎゅっと詰まった作品。声からエネルギーがあふれ出ていると思うので、みなさんに必ず伝わるものがあると思います」と自信。また、「港区からやって来ましたアンジェリーノ役のツヨジェリーノです!」とあいさつして笑いを誘った。続いて、バカで臆病な友達・ウィリー役の満島真之介が「いやーうれしいです、僕のために集まっていただいて」とボケると、草なぎは「チェケラッチョ!」と反応。満島は「この草なぎさんもう一度見たかったんですよ、最高です」と、先月行われた完成披露舞台あいさつ同様の草なぎの弾けっぷりを喜び、「サンキューベリーマッチョ!「サンキューベリーマッスル!」と2人でポーズもつけて盛り上がった。この日は、ルナ役の上坂すみれ、そんは/クロコ役の成河、マカベ役の藤井隼、エル・ディアボロ役の桜庭和志、エスピリト役の中村大介、フェリツ役の所英男、西見祥示郎監督も出席。西見監督が挨拶の際に自分の名前をかむと、草なぎは「監督、滑舌悪いですね」といじり、すると満島が「草なぎさんもだいぶ悪いですけど」と突っ込み、会場から爆笑が起こった。ふざけまくりの草なぎだったが、同作ならではのポイントを聞かれると、「収録するときは1人で録りまして、それを監督が編集していただくとこんなにも息の吹き込んだものになるのかと驚いた。それぞれのみなさんのキャラクターが合っていてすんなり見れてしまう」と真面目にコメント。だが、満島から「草なぎさん真面目にやらないほうがいいですよ」と言われると、「アンジェリーノ!」とハイテンションに戻った。また、満島の「草なぎさん、(プロレス技を)かけてもらったらどうですか?」というひと声で、草なぎが桜庭和志、中村大介、所英男に技をかけられる場面もあり、会場は大盛り上がり。草なぎは苦しそうな表情を見せたが「手加減してくれてます。全然力入ってない」と明かした。その後、草なぎは柄本をターゲットにして、「茶色にスーツ似合ってますよ。茶色のスーツにこの柄ってすごい!」といじりまくり。柄本は「俺の色合いはいいから」と照れ、「進行あるから」と進行を気遣うと、司会を務めたニッポン放送アナウンサーでレポーター役の声を担当した吉田尚記が「ありがとうございます」と感謝した。
2018年10月12日6月下旬、ウラジーミル・ブルメイステルの振付・演出による『白鳥の湖』を上演する東京バレエ団がリハーサルを公開、その後の記者懇親会で斎藤友佳理芸術監督、主演の沖香菜子、宮川新大らが舞台への思いを語った。【チケット情報はこちら】公開されたリハーサルは第3幕。数あるヴァージョンのなかで特にドラマティックといわれるブルメイステル版ならではの、エネルギッシュな、独特の魅力にあふれた幕だ。ジークフリート王子の花嫁選びの舞踏会。次々と登場する各国の踊りのダンサーたちは、実は悪魔ロットバルトの手下という設定で、その踊りでジークフリート王子をじわじわと誘惑、宮川演じるジークフリート王子は、沖演じるオディールに心奪われ、ついには大切な女性オデットを裏切り、彼女を呪いから救うチャンスを失う──。東京バレエ団は2016年2月に本作をバレエ団初演。これを観た著作権保有者のナタリヤ・ブルメイステルが「(1953年の)初演を思い出した」と賞賛したという。とくにソリスト、群舞のダンサーたちが一体となってドラマを作り出すこの第3幕は圧巻で、今回の再演でも迫力の舞台が期待される。懇親会冒頭で「今回はこれを3キャストで上演、上野水香と柄本弾、川島麻実子と秋元康臣に加え、沖と宮川が初めて挑戦しますが、それぞれに全く違う良さがある。ぜひ全キャストを観ていただきたい」と話す斎藤。この春プリンシパルになったばかりの沖と宮川を、「そこで満足してほしくない。常にハングリーで、謙虚でいてほしい」と激励した。オデット/オディール役の沖は「この役にこうして取り組めることは奇跡。両役ともに私はどうしても幼くなりがちなので、初々しさの中にも大人っぽさが出せたら」、宮川は「これは(在籍していた)ダンチェンコ(モスクワ音楽劇場)で観て、『白鳥の湖』って面白い!と実感した版。振付のない部分、自分で作らなければならない部分は難しいが、幕があく最後の一秒まで突き詰めたい」と抱負をのべた。さらに「こんなに大変だと知っていたら、やらなかった(笑)」と斎藤が冗談をとばすのは、今回一新した衣裳のこと。ブルメイステルの演出意図にかなうものを、と初演時には装置をしつらえたが、今回は第1幕、第3幕の全衣裳を新製作。「これでいつでも好きな時に上演できるようなった。『白鳥の湖』はどうしてもそうしたかった」と思いを明かす。小物類も含めて200点ほどにものぼる衣裳のひとつひとつに、斎藤の、スタッフたちの強い思いが込められている。東京バレエ団公演ブルメイステル版『白鳥の湖』は、6月29日(金)から7月1日(日)まで、東京・東京文化会館にて上演。チケットは発売中。取材・文:加藤智子
2018年06月14日3月17日公開の映画『素敵なダイナマイトスキャンダル』の東京プレミア上映舞台あいさつが26日、東京・新宿のテアトル新宿で行われ、主演の柄本佑をはじめ、前田敦子、三浦透子、尾野真千子、原作者の末井昭、冨永昌敬監督が出席した。昭和後期のアンダーグランドカルチャーを牽引した雑誌編集者・末井昭の自伝的エッセイ『素敵なダイナマイトスキャンダル』を、映像作家・冨永昌敬監督が映画化した本作。バスも通らない岡山の田舎町に生まれ育った末井(柄本佑)の波乱に満ちた半生と、末井の周囲を描き出す。この日登壇した女優陣、前田敦子が末井の妻役、三浦透子が末井の愛人役、尾野真千子が末井の母役を演じており、それぞれ劇中では柄本とのシーンがほとんどだったという。そんな女優陣の印象について柄本は、初共演した前田について「僕のあっちゃん、私のあっちゃんにしたくなる魅力的の人だなと思いました。色気を漂わせた白いキャンパスみたいな」と例えると、前田は「いいキャッチフレーズをつけていただきましたね」と笑顔を見せた。また、劇中で柄本は本物のブラジャーやパンティーを身に着けて女装のシーンにもチャレンジ。そのエピソードとして前田が「明後日ぐらいに撮影するという時に、『絶対キレイだから俺』みたいにすごく自信があったみたいで、撮影が終わったらLINEで写真を『どうだ?』みたいな感じで送ってきたんですよ。すごい自信を持っていましたね」と暴露する場面も。続けて女装の出来を問われた前田は「キレイではなかったですけどね(笑)」と本音も明かし、会場の笑いを誘っていた。そんな柄本や前田らキャスト陣の熱演が見どころの本作は、冨永監督が長年映画化したいと望んだ作品だという。「末井さんに映画化させて下さいとお願いしたのが7~8年前で、そのさらに5年ぐらい前に末井さんの本を読んで、絶対に映画化しよう、人に映画化されたらまずいので早くやろうと思っていましたが、そこからようやくこの日を迎えて非常に感無量です。今回の映画が一番うれしくて、たくさんの方々に見ていただきたいですね」と念願の映画化に笑顔。原作者の末井は「2時間18分と長い映画ですが、全然飽きなかったし何回も何回も見て欲しいですね。熱量の高い映画だし、登場する女優さんたちが素晴らしい演技でした」と絶賛していた。映画『素敵なダイナマイトスキャンダル』は、3月17日より全国公開。
2018年02月27日俳優・柄本佑を主演に迎え、「写真時代」「ニューセルフ」など、伝説的なカルチャー・エロ雑誌を世に送り出した編集長・末井昭氏の自伝的エッセイを冨永昌敬監督が映画化した『素敵なダイナマイトスキャンダル』。このほど、本作の公開日が2018年3月17日(土)に決定、柄本さんが大和撫子に扮した(?)ティザービジュアルが到着した。本作は、7歳のときに隣の若者とダイナマイト心中した母を常に心のどこかで意識する青年時代の末井が、キャバレーの看板描きやイラストレーターを経て、優しい妻、魅力的な愛人、才能あふれる先輩やカメラマンたちと出会い、伝説の雑誌編集長となっていくまでを描く青春映画。柄本さんが演じる末井氏は、スキャンダルな内容ゆえに発禁と創刊を繰り返しながらも数々の雑誌を世に送り出し、70~80年代のサブカルチャーを牽引した伝説の編集長であると同時に、パチンコジャーナリスト“ゴンゾーロ末井”として出演した「女装振袖姿の“玉きゅん”CM」でも知られる。この度、到着したティザービジュアルでは、「女装をするときは、女性用の下着をつけると気持ちがはいっておすすめだよ」という末井氏本人のアドバイスに従って撮影に臨んだという、柄本さんによる“女装振袖姿”が公開に!さらに、柄本さん演じる“末井昭”を取り巻く素敵な人々を演じる前田敦子、三浦透子、峯田和伸、松重豊、村上淳、尾野真千子という豪華俳優陣の名前が列挙されている。幼くして母が心中するという壮絶な体験をした末井は、いかにして伝説のカルチャー・エロ雑誌編集長になったのか?これを観ずして、日本のサブカルチャーは語れない!?『素敵なダイナマイトスキャンダル』は2018年3月17日(土)よりテアトル新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年11月05日東京バレエ団公開リハーサルより(C)Kiyonori Hasegawaまもなく開幕の〈20世紀の傑作バレエ〉公演、『アルルの女』上演をもってローラン・プティの作品に初めてのぞむ東京バレエ団が、ゲストのロベルト・ボッレを迎えてのリハーサルを公開、その後の記者懇親会で、ボッレとヒロイン役を演じる同団プリンシパル上野水香が公演への思いを語った。東京バレエ団 チケット情報「来日できてとても嬉しい」と笑顔のボッレ。ミラノ・スカラ座バレエ団のスターとして世界的に活躍するボッレだが、「プティとの出会いは19歳か20歳の頃、『シャブリエ・ダンス』を踊った時でした。プティは私を成長させ、進化させ、バレエという芸術の深みを追求させてくれた振付家。プティ作品における表現はとても難しいが、自分の芸術的成長を助けてくれた。全編を踊るのは2008年以来2度目ですが、この10年、私もいろいろな経験を経て成長した。ぜひ舞台を楽しみにしていただきたい」と話す。ビゼーの音楽で踊られる『アルルの女』は、アルルの闘牛場で出会った女性に心を奪われるあまり徐々に正気を失っていく青年フレデリと、彼に献身的な愛を注ぐ婚約者ヴィヴェットの悲恋を描くプティの代表作だ(1974年初演)。リハーサルでは、次第に狂気にのみこまれていく青年の苦悩を鬼気迫る演技でみせたボッレ。その傍らには、報われない愛に苦しむヴィヴェット役の上野が常に寄り添う。「プティ先生に習ったことは、とても重大なことでした」と上野。ボッレとは「初めて踊ったプティ作品が『シャブリエ・ダンス』、と共通点が。2年前のモスクワでのガラで初共演が叶い、それがプティの『アルルの女』の抜粋であったことも運命では、と思う。“悲しむ人”を表現するのはとても難しいことだけれど、悲しみも人生の中の美しいこと──そういう表現を、したいと思っています」。当日はイリ・キリアン振付『小さな死』のリハーサルも公開。これも、今回が東京バレエ団初演だ。スタジオではプリンシパルの川島麻実子、柄本弾はじめ6組のカップルたちが、キリアンならではの複雑な振付、その独特の世界に真摯に取り組む様子が見られた。「キリアンの振付は天才的」とボッレ。「今回の公演では、プティとともにイリ・キリアン、モーリス・ベジャールの作品を上演されますが、これは三大振付家の、非常にレベルの高い、美しさでも抜きん出た3作品」と、このプログラムに太鼓判を押す。同時上演のベジャール作品は『春の祭典』。同団の代表的レパートリーのひとつであり、海外の劇場でも成功を収めてきた作品だけに、今回実現する新世代の主役ダンサーたちの活躍に、大いに期待したい。公演は9月8日(金)から10日(日)、東京文化会館 大ホールにて。チケット発売中。取材・文加藤智子
2017年09月04日お笑い芸人で芥川賞作家の「ピース」又吉直樹が企画・構成を担当し、俳優の柄本佑が主演を務めたWebムービー「元、落語家 ~話が下手な元噺家のハナシ~」がパーソナルアロマディフューザー「AROMASTIC(アロマスティック)」のブランドサイトにて公開。柄本さんが、古典落語の一つである「だくだく」の一節を披露した。本Webムービーの主人公は、“元落語家”の中村(柄本佑)。いまでは不動産屋の営業マンとして働いているが、仕事終わりの居酒屋では同僚や上司と上手くコミュニケーションをとることができず、会話も弾まず、同僚からは「元落語家のくせに」とからかわれてしまう始末。次の店に向かう彼らを尻目に、1人「お先に失礼します」と、飲み屋街を歩く中村。ふと「AROMASTIC」を取り出し、香りを吸い込む。すると、その瞬間、中村の目に映る世界が変わる。古典落語の1つ「だくだく」の一節を口にしながら、声を出して街を行く中村。泥棒と泥棒に入られた男の「~つもり」の応酬が笑いを誘う演目を喜々として演じながら、ふと、ノートに希望に満ちた1つの言葉を記す中村。「明日は、声を出す、つもり」。そして中村は、前を向く――。本作で又吉さんが描いたのは、日常の中で香りが人々に寄り添う世界。自分の落語家としての才能に見切りをつけ、不動産営業マンとなった主人公の中村が、上司につまらないとなじられても、舞台上のように饒舌に語れなくても、落語家の魂を持ちながら香りで気持ちを切り替えて前に進む姿を描いた、約10分間のムービーとなっている。中村を演じるのは、『追憶』をはじめ、公開待機作に『素敵なダイナマイトスキャンダル』、『Lovers on borders』(仮)、『君の鳥はうたえる』(いずれも’18年公開予定)など主演作が目白押しの柄本さん。冴えない営業マン風だった柄本さん演じる中村が、一転、ホンモノの落語家さながらに演目をそらんじる様子は必見。そんな柄本さんに、監督を務めた志真健太郎も「ご本人が落語好きということもあり、思い描いていた以上の迫真の演技を撮ることができ、現場の空気がどんどん研ぎすまされていきました。本当に現実と虚構の境目がわからなくなるぐらい、洗練された現場で貴重な経験をさせていただきました」と語っている。また、ムービー本編のほか、「AROMASTIC」開発チームの藤田修二と又吉さんによるスペシャル対談ムービーとスピンオフムービーが同時に公開。スペシャル対談ムービーでは、又吉さんが創作に秘めた想いや、お気に入りの香りにまつわるトークを繰り広げ、「みんな感じたことがあるかもしれませんが、楽しくないわけじゃないけど自分が思うようにいかないことってありますよね。もうちょっと自分を表現できるかも、と思っている人って多いと思うんですよ。そういうときに何かきっかけがあれば、ちょっと気持ちを変えて、一気に視点が変わると言うか、視界がクリアになるみたいなことがあるのかなと」と、作品に込めた思いをコメントする。なお、スピンオフムービーには、本編で主役を務めた柄本さんと、ヒロインとして新進気鋭の女優・玄理が出演。又吉さん独特の感性と世界観が存分に堪能できるWebムービーに、注目してみて。(text:cinemacafe.net)
2017年06月16日映画『追憶』に出演している俳優の柄本佑が、5月12日(金)今夜放送されるフジテレビ系バラエティ「ダウンタウンなう」にゲストで登場。自らの家族に関する事柄を始めとした数々のプライベートに関するエピソードを披露、トークを展開する。「ダウンタウン」の浜田雅功、松本人志と坂上忍の3人が、豪華ゲストたちとお酒を飲みながら本音で語り合う人気企画「本音でハシゴ酒」のゲストとして登場する柄本さん。今回は飲み仲間としてモデルの朝比奈彩も参加する。俳優・柄本明を父にもち、妻の安藤サクラは奥田瑛二の娘という柄本さん。そんな柄本さんならではの父・柄本明、義父・奥田瑛二に関する家族しか知り得ない素顔に関する“暴露”から、佑さんいわく「芝居のことにしか興味がない」という父・明さんの驚くべき教育方針。そして妻の安藤さんとの運命的な出会いや、彼女との結婚を意識した意外なポイントなどが語られていく。さらに筋力トレーニング仲間だという小栗旬をはじめとした俳優仲間に関するエピソードから、友だちがいなかったという学生時代の話まで、柄本さんがダウンタウン、坂上さんを前に語り尽くす。柄本さんが妻の安藤さん、筋トレ仲間だという小栗さんらと共演、「V6」岡田准一が主演を務めている映画『追憶』は現在現在全国東宝系にて公開中。同作は『鉄道員(ぽっぽや)』の降旗康男監督と撮影の木村大作氏が『憑神』以来9年ぶりにタッグを組んだヒューマンサスペンスで、幼少期をともに過ごした幼なじみの3人が、刑事、容疑者、被害者という形で25年ぶりに顔を合わせることから始まる物語が描かれる。刑事の四方篤を岡田さんが、容疑者の田所啓太を小栗さんが、被害者の川端悟を柄本さんが演じ、長澤まさみ、木村文乃、安藤さん、吉岡秀隆らが共演。川端悟は倒産寸前の会社と家族のため、金策に奔走していたが何者かによって殺されてしまった。その川端とともに25年前に親に捨てられた四方篤と田所啓太。当時、涼子が営む喫茶「ゆきわりそう」に身を寄せ、常連客の光男とともに5人はまるで家族のような間柄だったものの、現在は事件の容疑者田所を、富山県警捜査一課となった四方が追っている。会社の好転、妻の妊娠、と幸せの絶頂の中、事件の真相を語ろうとしない田所は、一体何を守ろうとしているのか。また、3人の過去に何があったのか――というストーリー。柄本さんをゲストに迎える「ダウンタウンなう」は5月12日(金)21時55分~フジテレビ系にて放送。(笠緒)
2017年05月12日公開初日を迎えた映画『聖の青春』の舞台あいさつが19日、東京・有楽町の丸の内ピカデリーで行われ、主演の松山ケンイチをはじめ、東出昌大、リリー・フランキー、柄本時生、森義隆監督、棋士の羽生善治が出席した。公開前から大きな話題を集めていた本作の初日舞台あいさつに、主演の松山ケンイチらキャスト陣と森監督が登壇。主人公の村山聖を演じた松山は、撮影以来の再会となったリリー・フランキーから「本当に痩せたよね。コロコロしている時の松山君の方が好きだな」と指摘されて「よく言われるんです(笑)。嫁(小雪)にも言われたんですけど、(太ったら)村山聖か相撲取りですよ」と自虐的だったが、本作については「原作と出会った時は5年に1本の作品になると思いました。それが撮影をしたら10年に1本となり、撮影が終わったら一生に1本だと思いました。人間としての原動力にもなりましたし、村山さんを愛すことができて幸せでしたね」と充実した表情を見せた。羽生善治役の東出も「将棋って映画になるのか不安でしたが、撮影では一気に吹き飛びました。こんなに素晴らしい台本に出会えたと思って撮影中は没頭できてすごく楽しかったです」と満足げ。舞台あいさつの途中から登場した羽生善治三冠も「映画を見た時に随所随所で村山さんが生活していた場所だったり時代背景だったりとリアルティーや臨場感を大切にして作られていたとひしひしと感じました」と絶賛した。その後、劇中での「もしも神様がいたら何を願う?」というセリフにかけ、登壇者にその答えを求めるコーナーも実施。最初は「パス」と回答を保留した松山だったが、登壇者が一通り回答すると発言を求めて「リリーさんに撮影中に言われてうれしかったのが、『子どもが3人もいるのに童貞臭がすごいよね』と言われ、それは村山さんと共通していると思ったので自信がつきました。確かに20代の頃から童貞俳優と言われてきて、僕自身柄本時生という俳優を発見してから、すごい童貞俳優がいると気づいたので、童貞俳優を取り戻したいです。僕の上を確実にいっていると思いますよ」と答えて会場の笑いを誘っていた。松山ケンイチ主演の本作は、天才棋士・羽生善治を追い詰めた伝説の棋士・村山聖の実話を元にした奇跡の物語。病と闘いながら全力で駆け抜けた村山の29年の生涯を描く。
2016年11月19日俳優の柄本時生が、17日に放送されたTBS系バラエティ番組『櫻井・有吉THE夜会』(毎週木曜21:57~22:54)にゲスト出演し、7年前に女優の高畑充希に告白してフラれたことを明かした。柄本は、池松壮亮、前田敦子、高畑の4人による集まり「ブス会」について話し、その中でも前田から週2回ペースで呼び出されていることを告白。そんな前田がVTR出演し、柄本を呼び出す理由について「害がないから」「お互い恋仲になることが絶対ないから呼び出しやすい」などと説明した。前田はまた、7年前に柄本が高畑に告白していたことを明かし、「『みっちゃんに本当にゾッコンだった。依存していた』って言っていた」と暴露。柄本は「ふざけんなよ」と苦笑するも、「告白してフラれました」と認めた。そして、「僕、映画を見に行くのが趣味で、銀座にすごい古い映画館があるって話をしたら、次の日見に行ってくれたんです。『時生くんの言ってることわかった』ってメールが来て、それで好きになっちゃった」ときっかけを打ち明けた。柄本は「池松とご飯行くんだけど一緒に行かない?」と高畑を何度もご飯に誘い、あるとき池松に「いい加減告白しろよ」と言われ、翌日に告白。ところが、「ごめんなさい。時生さんとは友達でしかいられへん」と断られたという。赤裸々な恋愛トークに、櫻井翔は「芸能人と芸能人の恋愛の話ってこんなにテレビでしていいものなの?」と驚いていた。柄本はまた、現在は4年半付き合っている一般人の彼女がいることも告白。芸能一家の柄本だが、「付き合った初日に(家族に)紹介した」と語った。
2016年11月18日俳優の柄本佑が、10月スタートのTBSドラマ『コック警部の晩餐会』(毎週水曜24:10~24:40)で連続ドラマ初主演を務めることがこのほど、明らかになった。また、今作でタレントの小島瑠璃子がドラマ初挑戦を果たす。この作品は、捜査一課特命警部で料理の腕前がプロ級の"コック警部"こと古久星三(こっく・ほしみつ)が、容疑者たちを晩餐会に招き、犯人をあぶり出すグルメミステリードラマ。コック警部の捜査方針は"料理はウソをつかない"。その一風変わった独自の理論でマイペースに捜査を進める。そして、古久とは性格も正反対で犬猿の仲である新人刑事・七瀬あずみと共に、絶妙なコンビ感で事件解明に挑む。"コック警部"こと古久星三を演じるのは、連続ドラマ初主演となる柄本佑。コック警部の相棒・新人刑事の七瀬あずみ役を、ドラマ初挑戦の小島瑠璃子が演じる。そして、コック警部を目の敵にしている刑事・猫田典雄役にえなりかずき、さらに、女優・歌手・作詞家・作曲家として数々の作品を作り上げてきた藤真利子が、コック警部の捜査に一目置いている刑事部長・一条千鶴を演じる。連ドラ初主演の柄本は「連続ドラマの主演をまさか自分がやることになるとは思ってませんでした。不安といえば不安です。楽しみといえば楽しみです。今、半々の状態です」と心境を告白。また、「今回は小島さんはじめ、えなりさん藤さんと初めて共演させてもらう方ばかりで、どんな現場になるのか、そこは楽しみだらけです。とにかくコツコツと頑張ります」と意気込む。ドラマ初挑戦の小島は「お話をいただいたときは『ついに来たか!』という気持ちでしたが、実際は不安が85%、ワクワクが15%で、とても不安です(笑)」と不安が多いよう。「わたしの役柄を通してコック警部の魅力などを伝えられたらなと思います。ストーリーの邪魔にならないようにしますので、広い心で見守っていただければと思います(笑)。最後には100%楽しかった、で終われるよう頑張ります!」と呼びかけている。(C)TBS
2016年08月28日この度NHK宮崎放送局は、地域ドラマ「宮崎のふたり」を制作する事を発表。本作には、柄本明、森山未來、池脇千鶴らが出演することもこのほど明らかになった。定年退職した男・幸彦(柄本明)は、ひとり宮崎にやって来た。悪態ばかりつく、かなり嫌なオヤジである。 幸彦はかつて新婚旅行で訪れて以来、40年ぶりの宮崎のようだ。妻の京子(原田美枝子)から送られてきた謎のハガキを手に旅する幸彦は、宮崎生まれのタクシー運転手・詠介(森山未來)とその彼女・咲耶(池脇千鶴)に出会う。そして詠介・咲耶のふたりと共に、新婚旅行の際に訪ねた宮崎の思い出の地をたどる中で、これまで犠牲にしてきた妻との時間を取り戻そうとするが…。物語の主な舞台は、新婚旅行の定番コースだった宮崎市・日南市。 異国情緒あふれる南国・宮崎の風景は、日本中の若者の憧れだった。1960年代から70年代にかけて、「新婚旅行ブーム」に沸いた宮崎県。全盛期には年間37万組もの新婚カップルが訪れたとか。そして、それから月日は流れ、いま団塊世代をはじめ、当時訪れた夫婦が新婚旅行の地を再び旅する“もう一度、ハネムーン”が人気となっている。そんな本作は、“もう一度、ハネムーン”を題材に、 新婚旅行から40年…連れ添い続ける夫婦の愛が描かれていく。キャストには、定年退職をし宮崎にやって来た男・幸彦役に、「竜馬がゆく」など時代劇ものから『ウォーターボーイズ』のオカマバーのママなど幅い演技を見せつける柄本さん。妻・京子役に『世界から猫が消えたなら』の公開を控える原田美枝子が演じ、地元のタクシー運転手・詠介、その彼女咲耶役に『苦役列車』で「日本アカデミー賞」優秀主演男優賞を受賞した森山さん、『ジョゼと虎と魚たち』『そこのみにて光り輝く』の池脇さんが好演する。そのほか市毛良枝も出演し、5月から宮崎県宮崎市、日南市ほかにてオールロケで撮影される。脚本は、「リッチマン、プアウーマン」「大切なことはすべて君が教えてくれた」などを手がけてきた安達奈緒子が担当。音楽は、 大河ドラマ「篤姫」などの吉俣良が手掛け、また劇中歌には、「NHK紅白歌合戦」にも出演し、宮崎の新婚旅行ブーム時に流行したデューク・エイセスの「フェニックス・ハネムーン」が使用される。「宮崎のふたり」は10月19日(水)22時~BSプレミアムにて放送開始。(cinemacafe.net)
2016年04月28日朝ドラ「あさが来た」では演じた役柄の奥深さから “惣兵衛ロス”なる言葉まで生まれた柄本佑と、公開中の<a href="">『ちはやふる』</a>や主演映画『森山中教習所』など話題作が控える野村周平が、高校時代からの“先輩&後輩”を演じる、カロリーメイト新CM「Mate」篇が到着した。本作は、プライベートでも仲がよく、リアルな先輩&後輩でもある柄本さん、野村さん2人がそろって登場する、新社会人に向けた応援メッセージともいえるCM。ともに野球に打ち込んでいた高校時代からの先輩&後輩が、社会人となったいま、“下積み”の大切さを噛みしめるというストーリーだ。高校の野球部時代のボール磨き、ストレッチ、ベンチからの応援と、社会人時代の資料作成、名刺交換、カラオケでの盛り上げ役など、2人の動きが2つの時代でリンクしており、いまも昔と変わらないところがありつつも、着実に成長している姿を描いている。ふだんの2人の姿を映し出したかのような自然体な演技をはじめ、部活を頑張る高校球児を演じるため、特殊メイクで坊主頭になった2人の姿にも要注目。CM撮影は、早朝の河川敷のシーンからスタート。ドラマ「若者たち2014」で兄弟役を演じ、ふだんから交流のある2人は、自然な演技でほぼ1テイクでOK。グラウンドでの撮影では、シーンと静まった空間に、柄本さん、野村さんの気合いの入った大声が響き渡り、その迫真の演技はまるで映画のワンシーンのようだったという。カメラが回っていないところでは、野村さんが柄本さんに抱きついたり、2人でふざけたりと終始明るい現場で、坊主頭の特殊メイクで現われたときは、最初はお互いにその姿をいじり合い、「実は坊主大好きなんだよね」と2人とも妙に気に入った様子だったとか。休憩時間には、柄本さんが「オレ、スポーツ苦手なんだよー」と言いながらも、野村さんとテンポよくキャッチボールを楽しんでいた。野村さんがカロリーメイトを投げて2人で分け合うという最後のシーンでは、元野球部という設定にも関わらず、うまくキャッチができなかった柄本さん。キャッチが決まったOKテイクの際には、うれしくて思わず笑ってしまっている可愛い一面も垣間見られたという。さらに、0度の寒空の下、土砂降りの中、大切なプレゼン資料を濡らさずに走るというシーンでは、野村さんが抱えていた紙筒がほぼ濡れていなかったというミラクルも起こっていた。まさに、2人の役者の魅力と底力がつまったCM。柄本さん「誰もが共感できるような内容で、昔そういう時期こういうことあったし、いまもその時と変わってないな、とにかく走るしかないと、勇気をもらえるCMとなっていると思います」とコメント。「ドラマでは兄弟だったので、上司と部下はちょっと恥ずかしかった」としながらも、そんな「2人の坊主姿にもぜひご注目ください」とアピールした。また、野村さんは、柄本さんとの共演を「先輩後輩の役柄は、初めて共演する方だとなかなか難しい部分もあるけど、佑さんとはすでにできているので、すごく入りやすかったです!でも、ドラマでも共演しているので、むず痒い、恥ずかしい部分もありました」と、同じようにテレがあった様子。さらに、社会人の下積みの大切さについて、「(俳優は)下積みの境界線がないので、ずっとしている感じ。まだ29歳なので、先輩たちもたくさんいらっしゃいますし。下積みのひとつとしてはたくさん映画を見て勉強していますね」(柄本さん)、「下積みは死ぬまで続くものだと思っています。地元には仲のいい友だち達がみんな大学卒業の歳なので、就活を頑張っている姿を見ると、自分はまだまだ足りないのではと思ったりもします」(野村さん)と、そろって謙虚に語っていたのが印象的だった。カロリーメイト新CM「Mate」篇は全国にてオンエア中。(text:cinemacafe.net)
2016年04月04日俳優の柄本明が、関西テレビ・フジテレビ系トーク番組『さんまのまんま』に初出演。柄本の話を受け、司会の明石家さんまが意外な過去を告白する。関西テレビはきょう2日(13:56~14:25)、フジテレビは17日(13:00~13:30)に放送される。年齢を聞かれると「67歳です。もう死にます」と答え、いきなりさんまを爆笑させる柄本。座長を務める「劇団東京乾電池」は今年で創立40周年を迎え、さんまは伝説の舞台『蒲田行進曲』を「東京まで見に行ったんですよ」と振り返る。そこから、柄本が舞台の大道具から俳優になったきっかけや、高田純次やベンガル、イッセー尾形といった劇団仲間との思い出話も語られる。そして、話題は俳優として活躍する息子たちのことに。柄本は長男・佑について「俳優デビューした良かった」と感じた、知られざるエピソードを明かす。さらに、柄本が「自分が出演した作品はあまり見ない」と話すと、出演番組を必ずチェックすることで有名なさんまは「僕も28歳まで、自分の作品を見るのが嫌だったんですよ」と意外な経験を告白しながらアドバイスを送る。
2016年04月02日綾瀬はるか、三浦春馬、水川あさみを迎えて贈るドラマ「わたしを離さないで」。この度、第7話に、柄本佑、水崎綾女の出演が決定。柄本さんは綾瀬さんと2004年の同枠ドラマ「世界の中心で、愛をさけぶ」以来、実に12年ぶりの共演となった。2005年の発表直後から話題になり、英国で100万部を超える日系英国人作家のカズオ・イシグロによるベストセラーを基に描く本作。世間から隔離された施設・陽光学苑で「良質な」教育を与えられ育てられてきた恭子、友彦、美和。子どもらしい生活、子どもらしい教育を享受し「普通の子ども」であったはずの彼らはある日、生まれながらにある使命を与えられた「特別な子ども」であると教えられ、自分たちの「本当の運命」を知らされる。本日19日(金)放送の第6話では、思わず友彦(三浦春馬)に好きだと言ってしまった恭子(綾瀬はるか)だったが、美和(水川あさみ)の知らないところで友彦と秘密を共有することに内心興奮していた。一方、友彦は龍子(伊藤歩)からの手紙によって「陽光出身者で、ある条件を満たせば提供が始まるまで3年間自由に過ごせる“猶予”を得ることが出来る」といううわさが本当で、それは絵を描くことでもらえるものだと確信し、恭子との猶予を獲得するため嫌いだった絵を描くことを決意する。そんなある日突然、真実(中井ノエミ)が恭子のもとへやって来た。「恭子の顔を見に来ただけ」と笑う真実だったが、普段との様子の違いに恭子は不安を覚える…。2月26日(金)放送の第7話に登場する柄本さんが演じるのは、綾瀬さん演じる恭子が介護人を務める提供者・加藤。すでに提供が始まっており、提供者としてある意味で達観している男。ほかの人には話せないような心のうちも不思議と加藤には話せてしまうなど、恭子にとって心のよりどころとなる人物だ。一方、水崎さんは三浦さん演じる友彦と新たに関わることになる女性・中村彩に扮する。陽光学苑とは別の施設で育ち、劣悪な教育環境だったものの、すれることなく心優しく友彦に寄り添う闊達な女性を好演する。三浦さんとは映画『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』以来の共演となる。柄本さんは綾瀬さんとの12年ぶりとなる共演に「綾瀬さんとお会いするのはほぼ『セカチュー』以来なのですが、何も変わらずに関係が続いていたかのようで、ちょっと同級生に再会した感じに似ていました。とても楽しいです」。さらに今回の役柄についても「監督から加藤は恭子が父性を感じるような男だと言われたので、それを意識しながら演じています。難しいテーマであり、なおかつ途中からの参加なのですが、なんとかドラマの世界に馴染めるよう頑張ります」と気合十分の様子。また水崎さんは、「ドラマは愛や友情など人間としての普遍的なテーマを根底に描きつつも臓器提供に関しても扱うお話です。重くとられてしまうかもしれませんが、生きる上で目を背けてはならないとても重要なテーマのドラマだと思いますので、私も生に向かって懸命に生きる彩という役を精一杯演じたいと思います」とコメントを寄せた。一度は途絶えたはずの恭子、友彦、美和の運命の歯車が再び動き出す、重要な回となりそうな第7話。柄本さん、水崎さんが新たに出演し、数々の謎が明らかになっていく最終章・希望編に注目だ。「わたしを離さないで」は毎週金曜日22時~TBSにて放送中。(text:cinemacafe.net)
2016年02月19日子供の頃から映画が中心の環境に身を置き、ご家族もみな俳優という柄本佑さん。まだ20代とは思えない達観したような雰囲気と映画やドラマでの不思議な存在感は唯一無二。数多くの作品に出演されており、大忙しの柄本さんですが、俳優を仕事としていこうと思ったのは、どうやら最近のようなのです…。* **――14歳で映画でデビューされた時から俳優になろうと思っていらしたんでしょうか?柄本:当時、将来の夢が映画監督だったんです。映画のオーディションの話があった時に言われた、「生で映画監督が見られるよ」って言葉に釣られまして。当時、ちょうど反抗期が始まった頃だったんですが、地方ロケで2か月間ずっと大人の世界に放り込まれて、こんな世界で親父たちはやっているんだってわかって、尊敬する気持ちが芽生えました。ただ、ロケから帰ってきてから、家族で外食に行っても、へんにお会計のこととかを気にする子供になってしまいましたけど(笑)。――そこから俳優になろう、と?柄本:その2か月が本当に刺激的で、普通に学校に行く生活が全然面白くなくなっちゃったんです。周りの同級生が妙に子供に見えたりもして、もう一回、映画をやってみたいと思ってしまったんですよね。ただ、学校を卒業して役者だけってなった時には、やっぱり不安はありました。どこか学生っていう身分が自分を社会につなぎとめてくれていたんです。それが役者だけになった時、それってどんな職業だよ、失業者と何が違うんだって考えてしまった。どうも、この役者っていう仕事がなんだかわからなくなっちゃったんですね。それで、普段の生活と、出勤して労働することのメリハリを意識するようになりました。朝起きて、料理して、朝ごはんを食べて、洗濯して、俺だったら映画をちゃんと観に行くとか、そういう普通の生活を土台にすることを大事にするようになりました。――ご両親が俳優ですし、そんな意識を持っていたとは意外です。柄本:親父とか母ちゃんとかの会話のなかで、耳年増になってわかったつもりになっていましたけれど、体験しないとわからないですね。ようやく俳優が職業だと思えるようになったのは、結婚してからだと思います。自分はこの仕事を続けていくんだなって、客観的に思うようになったというのかな。周りにとっては、大したことじゃないことだけれど、自分にとっては意外と大したことでした。◇えもと・たすく1986年12月16日、東京都生まれ。’01年に映画『美しい夏キリシマ』(’03年公開)の主役オーディションに合格。デビュー後は、映画やドラマ、舞台などで活躍。近作に舞台『桜の園』、映画『ピース オブ ケイク』『GONINサーガ』など。NHKドラマ『あさが来た』に出演中。◇柄本佑さんが出演するドラマ『女性作家ミステリーズ 美しき三つの嘘』(CX系)は、来年1月4 日午後9 時から放送予定。全3話によるオムニバスで、柄本さんは第2話の三浦しをんさん原作の『炎』で、土屋太鳳さん演じる主人公の担任の社会科教諭・木下を演じる。監督は映画『ヴァイブレータ』の廣木隆一さん。※『anan』2015年12月16日号より。写真・内田紘倫インタビュー、文・望月リサ
2015年12月14日