この度、宮﨑駿が製作を務め、高畑勲が監督を務めた唯一のドキュメンタリー作品である「柳川堀割物語」を、Morc阿佐ヶ谷(所在地:東京都杉並区阿佐谷北2-12-19-B1F)にて2023年6月30日(金)から7月27日(木)まで再上映します。『柳川掘割物語』チラシ「柳川堀割物語」は、阿佐ヶ谷で設立された「二馬力」で企画・制作された作品です。2023年3月のMorc阿佐ヶ谷での上映では、20数年ぶりの劇場上映ということもあり、度重なる満席を記録しました。7月半ばに宮﨑駿監督による新作が公開されますが、重なるタイミングで「柳川堀割物語」を上映できることは、当館にとって大変光栄です。新作の公開が待ち遠しい中、ぜひ「柳川堀割物語」も併せてご覧いただければ幸いです。『柳川掘割物語』カット1【『もうひとつのナウシカ』】『風の谷のナウシカ』('84)のヒットに続き、次のアニメーション作品の舞台を福岡県柳川市の水郷にしようと模索していた宮﨑駿と高畑勲。その際、水路を埋め立てる計画を、役所の一係長が止め、浄化と市民の手による清掃を提案し、柳川の水が見事に甦った話を知る。この話に感銘を受け、永年記録映画に興味を持っていた高畑が監督を、宮﨑は製作を務め、前作『ナウシカ』と製作・監督の役割を入れ替えた形で本作が制作された。人と水のかかわり合いを美しい実写とアニメーションで描いた本作は、その経緯と内容から『もうひとつのナウシカ』と呼ばれる。『柳川掘割物語』カット2【上映内容】『柳川堀割物語』1987年/167分/日本■監督・脚本:高畑勲■製作 :宮﨑駿(C) Studio Ghibli上映期間 : 2023年6月30日(金)~2023年7月27日(木)料金(税込) : 一般 1,500円/シニア・学生 1,300円/会員 1,200円上映時間の詳細: Morc阿佐ヶ谷 外観【Morc阿佐ヶ谷概要】■所在地 : 東京都杉並区阿佐谷北2-12-19-B1F■ホームページ: ■Instagram : morc.asagaya ■Twitter : @morc_staff ■サービスデー: 毎週月曜日と木曜日、毎月1日、一律税込1,000円(一部例外有)■座席数 : 41席(補助席込み45席) 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年06月16日水郷の町として知られる福岡県の柳川。映画『柳川』は、ここを人生に迷う大人たちが漂う。『福岡』(2019年)を撮ったチャン・リュル(張律)監督が、中国のスター3人を主演に、日本から池松壮亮と中野良子を迎えて撮った中国映画だ。チャン監督に、製作の経緯や日本人キャストに対する印象などについて話をうかがった。『柳川』は、自分の命の期限を知ったドン(チャン・ルーイー)が、疎遠だった兄チュン(シン・バイチン)を誘い、かつて2人が恋した女性リウ・チュアン(ニー・ニー)がいる柳川へ旅に出るという物語。兄弟が滞在する宿の主人を池松さんが、3人と交流する居酒屋の女将を中野さんが演じている。中国に暮らす少数民族の1つに数えられる朝鮮族という背景から、朝鮮族を主人公にした作品などを中国で撮ったあと、韓国に軸足を移して映画を撮ってきたチャン監督。加えて、韓国の大学で約10年間教鞭をとり、中国に戻ったあとも映画祭の若手監督育成プロジェクトでメンターを務めるなど、後進の指導に当たってきた豊富な経験から、国境を越えて映画を撮ること、中国の若手監督の現状などについても語ってくれた。柳川は、嘘偽りのない感情が生まれる場所――柳川で映画を撮りたいと思った理由は?10年ほど前にアジアフォーカス・福岡国際映画祭に行った際、柳川を訪れて、非常に美しく、静かな所だと思いました。こういう所では、嘘偽りのない感情が生まれ得るのではないかと感じたことが、この映画を撮ったきっかけです。「柳川」という地名も美しい。中国人の姓にも「柳」があります。あのような美しい所から連想するなら、男ではなく美女ですよね(笑)。なので柳川(リウ・チュアン)という女性が柳川という街にやって来るという設定にしました。そこで生じる感情を、私は映画で表現できると思ったのです。池松壮亮を気に入り、年齢設定を変更――中年男女の愛の物語という落ち着いた作品のトーンと、柳川の少し物寂しい雰囲気がよく合っていると思いました。宿の主人を演じる池松壮亮さんは、3人とのバランスを考えると、年齢的に少し若いですよね。池松さんを選んだ理由は?当初は兄のチュンと同じ50歳近い男性の設定だったのですが、東京で池松壮亮さんに会って、一目で彼のことが好きになりました。彼も出演したいと言ってくださったので、設定を変えたのです。本作に登場する3人の男性の中で、彼の役は一番若いのですが、人生経験はほかの2人に劣らない。70、80歳で気持ちが若い人もいれば、30過ぎで老成している人もいますよね。――池松さんのどういうところに魅力を感じたのですか?まず彼の目です。演じている時、非常に集中した眼差しをしていて、心を乱されない力がある。それに彼の話しぶりや立ち居振る舞いも、実際の年齢より落ち着いています。ご本人も物静かな人で、劇中のドンと似ているところがあると思いました。――中国の俳優たちとの掛け合いも、とても自然でした。事前に交流する時間を設けたりしたのですか?事前の交流は特にありませんでしたが、キャスティングがうまくいったということでしょう。池松さんはとても自然で、役柄そのものでした。私は運がよかったのです。何も難しいことはありませんでした。「夢にも思っていなかった」中野良子との仕事――中野良子さんの出演に驚く日本の観客は多いと思います。どのような経緯で出演が決まったのですか?私がファンだったからです(笑)。40歳以上の中国人で、中野良子さんを知らない人はいません。中国で『追捕』(『君よ憤怒の河を渉れ』の中国語題)が公開されたのは、ちょうど改革開放(1978年に開始された経済政策)が始まった頃で、中国人は外の世界がどういうものか知らなかった。映画を通して、東京の街や日本の様子を知ったのです。特に、高倉健さんと中野良子さんが街の中を馬で駆けるシーンは忘れられません。中野さんと仕事ができる日が来るなんて夢にも思っていませんでしたが、オファーをしたら快諾してくださいました。今回、撮影に参加した若いスタッフたちは中野さんのことをよく知らなかったらしいのですが、オールアップの時、皆がサインや記念撮影を求めに行ったので、なぜかと思えば、親や祖父母から頼まれたそうです(笑)。――中野さんのセリフは、まるでご自身の言葉で話されているように聞こえました。特に終盤、リウ・チュアンとの会話は、お互いが思うままに話しているようで、かみ合っていません。あれも演出ですよね?あのシーンは私が現場でセリフを書き、通訳を通して中野さんに意味を伝えてもらいました。その意味をくんで、中野さんに自由に話していただいたという形です。(リウ・チュアン役の)ニー・ニーの話した内容とはかみ合っていませんが、面白いシーンだと思っています。――チャン監督は中国人(朝鮮族)ですが、韓国でも長年映画を撮り、日本でもこれが2本目となります。中国、韓国、日本で映画を撮ってきた経験は、ご自身の作風や仕事の仕方にどう影響していると思いますか?中国にいた頃は、韓国で映画を撮るのは難しいと思っていたし、韓国にいた頃は、日本で撮るのは難しいと思っていました。でも後に、どこで撮るのも変わらないと気づいた。人も大して変わらない。もちろん、文化や歴史的な背景の違い、個人の性格や態度の違いはあります。でも人は基本的に変わりません。だから、映画監督たちは恐れることありません。どこでもいい、感情が生まれた所で撮ればいいのです。その場所に行って撮らなければ、その土地の人情や人々の様子は分からない。だから3つの国で映画を撮れたというのは私にとって贈り物のようなものです。違う国で撮れば、より多くのことを学ぶことができますから。留学経験者が増えている中国の若手監督――2022年、中国の若手監督の登竜門的映画祭「FIRST青年電影展」(青海省西寧)で、映画人育成を目的としたトレーニングキャンプのメンターを務められましたね。次世代を担う中国の若手監督を指導してみて、どんな感想を持ちましたか?選抜された7人の若手監督が3日で短編を撮るというプログラムだったのですが、ほとんど海外留学の経験者だと気づきました。東京藝術大学の大学院修了生の作品が一番よかったですね。東京藝大のことはよく知りませんが、うまく教えておられるのだと思いました。――以前は、中国の映画監督といえば北京電影学院の出身者が多かった印象ですが、ずっと国内で学んできた監督と、留学経験者の監督たちとの間に、何か違いは感じますか?違いはそれほど感じません。コロナの影響でここ3年ほど無くなっていますが、最近の若い人は、長期休暇の時に海外に行ったり、中国にも留学生が来たりと、国内にいても、国際的な経験を積んでいるので、海外がどんな様子かは皆分かっています。私たちの世代とは違いますね。私が初めて外国を知ったのは40になってからですから。留学経験の有無にかかわらず、映画監督にとって視覚と聴覚は重要です。若い世代はスマホが体の一部になっていて、とりあえず何でも、まずスマホで撮りますよね。映像を撮り慣れていて、いろいろなアイデアを持っているというのは、大きな強みだと思います。でも、最後に映画の深度を決めるのは、世界や人に対する考え方です。そこはまだ若いので、ゆっくり培っていけばいいと思います。(text:新田理恵)■関連作品:柳川 2022年12月16日よりKBCシネマにて公開、12月30日より新宿武蔵野館ほか全国にて公開
2023年01月02日日本から池松壮亮が参加した最新作『柳川』が公開される名匠チャン・リュル監督の日本未公開作『フィルム時代の愛』が、映画配信サービス「JAIHO(ジャイホー)」にて配信開始。『別れる決心』パク・ヘイル、『三姉妹』ムン・ソリらが登場する予告編、場面写真、本国版ビジュアルが解禁された。『キムチを売る女』(05)、『慶州ヒョンとユニ』(14)、『春の夢』(16)、そして最新作『柳川』(21)など、中国朝鮮族3世として韓国、中国、日本で活動する監督チャン・リュルが2015年に発表した、フィルム撮影による映画製作と愛をテーマにした実験的作品『フィルム時代の愛』。精神病院を舞台にした映画の撮影現場から始まり、4章構成となっている本作はパク・ヘイル、アン・ソンギ、ムン・ソリ、ハン・イェリといった韓国映画界を代表するスター俳優たちが豪華共演を果たしている。劇中には、彼らの代表作である『殺人の追憶』(パク・ヘイル)や『光州5・18』(アン・ソンギ)、『ペパーミント・キャンディー』(ムン・ソリ)、『帰郷』(ハン・イェリ)が無声映画として登場する、韓国映画ファンにはたまらない演出も。この度解禁された予告編は、精神病院を舞台にした映画の撮影中にパク・ヘイル演じる照明スタッフが「映画の何もわかってない」と監督に怒りをぶつけるシーンを皮切りに、空気が凍りついた現場の中、飛び出した照明スタッフにただ1人拍手を送る女優(ムン・ソリ)や、アン・ソンギとハン・イェリが共演する美しいモノクロ映像などが映し出されていく。最後には、“愛と映画の新しい形”という本作のテーマとともにパク・ヘイルの「愛を信じますか?」という問いかけで映像は締め括られ、モノクロとカラーが混在する演出と温かみのある音楽が監督独特の世界観をより引き立たせる仕上がりとなっている。第8回ソウル国際シニア映画祭のオープニング作品としてプレミア上映、フェロー諸島映画祭2015でゴールデン・ムーン賞(最優秀監督賞)を受賞するなど世界からも高い評価を得た本作。チャン・リュル監督を代表する1作として日本独占初公開となる。『フィルム時代の愛』は映画配信サービス「JAIHO」にて配信中(※60日間配信)(text:cinemacafe.net)
2022年12月25日学校法人柳商学園柳川高等学校(以下 柳川高校)とNTTコミュニケーションズ株式会社(以下NTT Com)は、2022年10月24日からメタバースを活用した実証実験(以下 本実験)を開始します。株式会社NTTコノキューが提供するXRプラットフォーム「NTT XR Space WEB(DOOR)」を活用して、柳川高校の校舎や教室をメタバース空間に再現することで、メタバース上で国際交流授業や国内向けのオープンキャンパスなどが実現可能となり、実際の校舎にいなくても、まるでその場にいるかのような体験ができます。本実験により、教育ICT分野でのメタバースの活用効果について検証します。1. 背景柳川高校では、ICTツール・サービスを活用してコミュニケーションスキルの育成をめざす「スマート学園構想」を掲げています。今回、メタバース上で、通常授業やオープンキャンパスに加え学外交流を行うことで、時代に即したコミュニケーションスキルの育成をめざします。また、柳川高校では、国境を越えた異文化交流などを目的とした「グローバル学園構想」にもとづく取り組みも行っています。例年タイの附属中学校と交流があったものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響でWeb会議のみとなり、リアルでは当たり前であった雑談が起こりづらく、「近くにいる」ことを感じられないといった課題がありました。これを解決するため、メタバース上で国際交流授業を行います。2. 本実験の概要(1) 期間2022年10月24日~2024年3月31日(予定)(2) 目的「国や距離を超えた教育の可能性」や、「次世代コミュニケーションスキルの育成可能性」など、メタバースの教育現場における活用効果を検証します。(3) 内容以下 -1 ~ -5 の空間をメタバース上に構築することで、国や場所を問わず集まることができ、イベントや授業などを可能にします。-1. 柳川高校校舎空間:学校関係者と外部の方が自由に交流できる空間-2. 学校紹介空間:学校の良さを発信したり、柳川高校をめざす生徒と柳川高校関係者が交流したりできる空間-3. 日本の教室空間:通常授業やタイとの国際交流授業で利用する空間-4. タイの教室空間:日本との国際交流授業で利用する空間-5. 日本の魅力発信空間:日本語や日本文化の魅力を全世界に発信する空間参加者はアバター(分身)の姿で、メタバース空間内の回遊や他のアバターとのチャットや音声によるコミュニケーションを体験することができます。その際、アバター同士の距離に応じて声の大きさが変化することで、他の参加者との「距離感」をより感じることができ、実際の校舎にいなくてもその場にいるような体験が可能となります。また、VRゴーグルを着用することで、視覚的にも立体的な空間を味わうことができるため、より臨場感をもった体験効果が見込めます。(4) 各関係者の役割-1. 柳川高校・(3)における各メタバース空間の活用・定例会による効果検証の報告-2. NTT Com・メタバース空間の構築・メタバース空間の運用支援・定例会による効果検証の把握・考察3. NTT XR Space WEB(DOOR)についてNTT XR Space WEB(DOOR)は、バーチャル空間でイベントの開催やコンテンツの展示などに活用できるXRプラットフォームです。自分好みのアバターで3D空間内を自由に動き回れることでその場の臨場感を味わえるほか、多人数でも現実空間のようにスムーズなやり取りが行えるなど、Web会議とは違ったコミュニケーションを体験することができます。4. 今後の展開本実証実験の成果をもとに、柳川高校はメタバースを活用した「スマート学園構想」「グローバル学園構想」の推進を、NTT ComはXRを活用し時間と空間を超えた新たな学校体験のさらなる支援をめざします。__________________________________________NTTドコモ、NTT Com、NTTコムウェアは、新ドコモグループとして法人事業を統合し、新たなブランド「ドコモビジネス」を展開しています。「モバイル・クラウドファースト」で社会・産業にイノベーションを起こし、すべての法人のお客さま・パートナーと「あなたと世界を変えていく。」に挑戦します。 NTT Comは、事業ビジョン「Re-connect X(R)」にもとづき、お客さまやパートナーとの共創によって、With/Afterコロナにおける新たな価値を定義し、社会・産業を移動・固定融合サービスやソリューションで「つなぎなおし」、サステナブルな未来の実現に貢献していきます。 関連リンク・柳川高等学校 ・NTT XR Space WEB(DOOR) ・株式会社NTTコノキュー 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年10月21日中国で絶大な人気を誇るニー・ニーが主演を務め、チャン・ルーイー、シン・バイチン、池松壮亮ら日中の俳優が共演する『柳川』より、予告映像と場面写真が解禁された。柳川を舞台に、死や消失を受けて喪失感にとらわれた人々の心の揺れ動きを、寄り添うようにしてフィルムにおさめていく本作。物語は、中年になり自分が不治の病であることを知ったドン(チャン・ルーイー)が、長年疎遠になっていた兄・チュン(シン・バイチン)を柳川への旅に誘うことから始まる。柳川は北京語で「リウチュアン」と読み、2人が青春時代に愛した女性「柳川(リウ・チュアン)」と同じだった。20年ほど前、チュンの恋人だったチュアン(ニー・ニー)は、ある日突然姿を消してしまったが、いまは柳川で暮らしているという。誰にも理由を告げずに消えた彼女の存在は、兄弟の中で解けない謎になっていた。そして2人は、柳川でついにチュアンと再会する。物語の中心人物である兄弟のドンとチュン、ヒロインのチュアン、そして兄弟が宿泊する宿の家主の男。4人はすべからく身近な者の早すぎる死や、突然の消失を経験している。予告編では、そんな4人が心の奥底にしまいこんだ喪失感を埋め合わせるかのうように、宿や店内で語り合う姿が切り取られ、様々な表情をみせる「柳川」という不思議な街に流れる穏やかな時間が映し出されている。予告編のナレーションは、リュル監督の『福岡』に出演している女優・山本由貴が務めた。『柳川』の日本公開を受け、リュル監督は「監督として、喜ばしくもあり、緊張もしています。柳川で撮影した映画をついに日本の皆さんに届けられると思うと嬉しい反面、この作品で描いた愛が皆さんに受け入れられるか緊張してもいるのです。皆さんの感想を待つしかないですね。気に入ってもらえることを願っています」とコメントしている。なお、最新作『柳川』の公開を記念して、<福岡三部作>としてチャン・リュル監督の近作『群山』(2018)、『福岡』(2019)も一部劇場にて同時期に公開予定。本日10月14日(金)より通販サイト「メイジャー」及び新宿武蔵野館をはじめとする劇場窓口にて、先着特典ポストカードセット付き全国特別共通鑑賞券が販売開始される。【チャン・リュル監督コメント】12月に『柳川』が日本公開を迎えます。監督として、喜ばしくもあり、緊張もしています。柳川で撮影した映画をついに日本の皆さんに届けられると思うと嬉しい反面、この作品で描いた愛が皆さんに受け入れられるか緊張してもいるのです。皆さんの感想を待つしかないですね。気に入ってもらえることを願っています。柳川は美しい水郷であり、映画に登場する美しい中国人女性も柳川といいます。柳川という娘が柳川という街にやって来て、物語と愛が水路のように流れていくのです。『柳川』は12月30日(金)より新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開、12月16日(金)よりKBCシネマにて福岡先行公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:柳川 2022年12月16日よりKBCシネマにて公開、12月30日より新宿武蔵野館ほか全国にて公開
2022年10月14日ニー・ニー、チャン・ルーイー、シン・バイチン、池松壮亮らが出演する中国映画『柳川』のポスタービジュアルが完成した。『キムチを売る女』(’07)、『慶州(キョンジュ)ヒョンとユニ』(’14)、『春の夢』(’17)などが日本でも劇場公開されたチャン・リュル監督の最新作となる本作は、ベルリン国際映画祭フォーラム部門に出品された『福岡』(’19)に続き、日本を舞台にした第2弾作品。九州・柳川を舞台に、死や消失を受けて喪失感にとらわれた、男女の心情を静かに映し出す人間ドラマだ。中国で絶大な人気を誇るニー・ニーが主演を務めるほか、『空海 KU-KAI 美しき王妃の謎』に出演したチャン・ルーイーとシン・バイチン、日本からは池松壮亮が主要キャストとして参加している。なお、本作の公開を記念して、<福岡三部作>としてチャン・リュル監督の近作『群山』(’18)、『福岡』(’19)も一部劇場にて同時期公開する予定だ。『柳川』は12月30日(金)より新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開、12月16日(金)よりKBCシネマにて福岡先行公開。(cinemacafe.net)■関連作品:柳川 2022年3月10日より梅田ブルク7「第17回大阪アジアン映画祭」にて公開
2022年09月04日凸凹中学生コンビが挑む謎解き青春アドベンチャー映画『都会のトム&ソーヤ』に市原隼人、本田翼、森崎ウィン、玉井詩織(「ももいろクローバーZ」)が出演していることが明らかに。合わせて、本予告映像と本ポスタービジュアルも公開された。新たに発表された4名が演じるのは、街中にリアルRPGゲーム<エリアZ>のゲームを仕掛け、主人公たちの前に立ちはだかる正体不明の天才ゲームクリエイター集団“栗井栄太”。市原さんがゲーム作りに命をかけるリーダー・神宮寺直人、本田さんが表向きは売れっ子冒険作家、怒らせたら誰にも止められない最恐のシナリオ担当・鷲尾麗亜、森崎さんが喧嘩と料理は最強の美大生、音楽・グラフィック担当の柳川博行、玉井さんが最も負けん気が強い天才プログラマーのジュリアス・ワーナーを演じる。そしてポスタービジュアルは、内人(城桧吏)と創也(酒井大地)の前に立ちはだかる栗井栄太からの挑戦状ともとれるコピーが添えられ、本格的な謎解きアドベンチャーの世界が表現されている。さらに、創也がゲームを作っている砦に内人がたどり着くところから始まる今回の予告編では、栗井栄太が作った新作ゲーム「エリアZ」に2人が招待されるシーンが登場。美晴(豊嶋花)と共にゲームの会場に入った内人と創也は、街が「エリアZ」として封鎖され、出現した「Z」が人々を襲う姿を目の当たりにし、街を時間内に救うため、壮大な冒険へと走り出す。謎の数列、タロットの秘密、封印されし匂玉と、次々と難解ゲームに挑む様子や、栗井栄太のメンバーの危険な雰囲気も感じ取ることができる。また映像にも挿入されている本作の主題歌は、若者からの熱い支持を集める男女混合4ピースバンド「緑黄色社会」の書き下ろした楽曲「アーユーレディー」に決定。映画主題歌は『初恋ロスタイム』に続く2作目となる「緑黄色社会」は、「曲タイトルになっている『アーユーレディー』は映画から引用したものですが、曲に込めた『アーユーレディー』は他の誰でもない"自分自身への問いかけ"です。なかなか一歩が踏み出せずどこか悶々とした日々を過ごしている人が、いま一度自分の夢ややりたいこと、生きがいと向き合うきっかけになったら嬉しいです」と思いを明かしている。新キャストコメント市原隼人とても楽しい現場で、もっとこの現場でお芝居をしたいと物足りなさを感じるほどでした。夢に向かって努力し、仲間が出来ることの素晴らしさや、誰もが思うまたあの時に戻りたいという懐かしさのようなものが感じられる作品になっていますので、是非その世界観を味わってもらいたいです。本田翼映画を見ながら謎解きゲームに参加しているような感覚を楽しんだり、内人や創也たちの友情や成長に感動したりできる作品になったのではないかと思います。ゲームの魅力が詰まった好奇心がくすぐられる冒険のような映画になったと思いますので、是非お楽しみください。森崎ウィン監督とみっちり話ながら、見た目から役作りして臨んだ現場でしたが、とても刺激をもらいました。原作もそうですが、台本を読んでいるだけでも純粋にワクワクする作品なので、映像という立体感の中でキャラクター達と一緒に、未知なる冒険を楽しんで頂きたいと思います。玉井詩織都会を舞台に冒険が繰り広げられる本作には、何歳になっても夢を大事にしてほしいという思いが込められています。未来は無限大だし、自分の好きなように進んでいけるというのはすごい冒険だと思います。この作品に出演して、自分自身も未来に向かって冒険していきたいと思いました。『都会のトム&ソーヤ』は7月30日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:都会のトム&ソーヤ 2021年7月30日より全国にて公開©️2020マチトム製作委員会
2021年05月24日デザイナー・柳川 荒士氏が2003年に立ち上げ以降、日本のファッション界を代表するブランドの1つして輝き続けている「ジョン ローレンス サリバン(JOHN LAWRENCE SULLIVAN)」。メンズファッションからスタートし、現在ではレディースも展開。海外でコレクションを発表して、世界のファッショニスタをも魅了する同ブランドの2020年秋冬コレクションがついに展開される。今回は、9月2日から15日まで行われる、伊勢丹新宿店メンズ館2階=メンズクリエーターズでのプロモーションに合わせて、コレクションについて紹介すると共に、柳川氏にコレクションに至る背景、そして“今”のファッションについての想いを伺った。2020秋冬コレクション今シーズンは、ドイツの映画監督、ヴィム・ヴェンダース(Wim Wenders)氏の作品と、ドイツのコンテンポラリーダンスの振付師であり、ダンサーでもあったピナ・バウシュ(Pina Bausch)氏 のパフォーマンスにインスパイアされたコレクション。ヴィム・ヴェンダース氏の“Wings of Desire”の世界観を、伝統的なブリティッシュヘリンボーンウールや、しなやかなイタリアンウールにウエストを強調するようパールボタンで折り目を飾ったり、ウエストにステッチでギャザーを入れるミリタリーディテールを取り入れて表現。花柄と幾何学模様のプリントはハンドペイントでデザインされており、サイドにボックスプリーツの入ったワイドトラウザーズは、極端なフレアシルエットを作り、ボタンディテールのチェスターコートとオーバーサイズニットを使ったスタイリングで、ピナ・バウシュ氏 のパフォーマンスの流動性を表現した。常にジョンローレンスサリバンの中心にあるインダストリアルミュージック、ダーク・サブカル チャーからボンテージストラップを取り入れ、クロコダイル、リザード、オーストリッチ柄をエンボス加工したレザーシューズにはパールを配置し、仕上げた。 パールアクセサリーは、梶谷好孝氏が手掛けるアクセサリーブランド、ヨシコ クリエーション(YOSHiKO CREATiON) と、サングラスはロンドン発のアイウェアブランド、ブライザック(BLYSZAK)とコラボレーション。また、「Last Waltz」「Dance with Me」「Floating Emotions」のワードで、ヴィム・ヴェンダースとピナ・バウシュの世界観に落とし込まれたジャガードスカーフは、ニューヨーク発のスカーフブランドのモンマルトル ニューヨーク(MONTMARTRE NEY YORK)とのコラボレーションによるもの。今回のコレクションについて柳川氏に伺った―――Wim Wenders氏 の作品やPina Bausch氏のパフォーマンスとの出会いとは柳川「15年くらい前、友人が誕生日プレゼントとしてPinaのPalermo,PalermoとFull Moonを観に連れて行ってくれました。その頃、東京コレクションを行なっていた自分は、総合演出のあり方や今後目指すべき表現を観たような気がして、無意識のうちに涙を流していました。それ以来、ニューヨーク、ロンドン、様々な場所で彼女の作品を観劇しました。Wimは中学生か高校生の頃、知り合いの勧めで、PARIS TEXASを観て知ったと思います。PARIS TEXASとPinaは好きで、今でもDVDで繰り返し観ています」―――Wim Wenders の作品やPina Bauschのパフォーマンスからインスパイアされて、実際にファッションに落とし込む上での拘り柳川「映画やパフォーマンスから感じたムードを、素材の色やテクスチャー、シルエットのボリューム感などに反映させました」―――“今”、ファッションについて思うこと、そして伊勢丹メンズのお客さまにプロモーションを通して感じて欲しいこと柳川「今までと変わらず、人の心を揺さぶり刺激するような、挑発的なもの作りを心がけています。僕が初めてPina Bauschを観た時のような何かを、私たちの洋服から感じてもらえたら嬉しいです」柳川荒士やながわあらし●ジョンローレンスサリバンデザイナー。2003年、同ブランドを設立し、テーラードを軸としたメンズウェアを展開。強さとエレガントさを持ち合わせた男性像を基本的なコンセプトとしている。また、2010年SSシーズンよりレディースラインも展開しており、メンズテーラードの技術を駆使したシャープな印象が特徴的である。2003年〈JOHN LAWRENCE SULLIVAN〉設立2007年 2007SS~2010年AW 東京コレクション参加2008年 旗艦店を中目黒にオープン2010年 2010SSより「WOMEN’S」ラインスタート三越伊勢丹オンラインストア〈ジョン ローレンス サリバン〉商品一覧はこちらから【イベント情報】ジョン ローレンス サリバンプロモーション会期:9月2日~9月15日会場:メンズ館2階=メンズクリエーターズお問合せメンズ館2階=メンズクリエーターズ03-3352-1111(大代表)記事提供元ISETAN MEN’s netPhoto&Text:ISETAN MEN‘S net
2020年09月05日直木賞作家・黒川博行の小説が原作の舞台『上代裂(じょうだいぎれ)』の東京公演が2月20日(水)より東京・赤坂RED/THEATERで開幕する。Team337の第3回公演で、阪神タイガースOBで俳優の嶋尾康史が演出を担当する。どんな舞台になるのか、出演者の柊子と田中大地に話を聞いた。【チケット情報はこちら】気ままなフリーター生活を送る玲美(柊子)が、絢也(田中大地)というイケメンホストに引っかかり、借金を背負う羽目に。困った玲美は、美術雑誌の副編集長をしている叔父・佐保(森崎正弘)に助けを求める。絢也がホストになる前は画廊に勤めていたと聞いた佐保は、玲美を騙したホストから金を取り返すべく、染織品である「上代裂」を使って一計を案じ、コンゲーム(信用詐欺)を仕掛けていく…という物語だ。すでに1月20日に大阪公演を終え、柊子は「満員御礼で千秋楽を迎えることができて、とても充実した公演期間になりました」と振り返る。原作にはいないキャラクターを追加するなど手を加えながら、全体的にコメディタッチの作品に仕上がっているといい、柊子は「黒川先生が大阪公演を観にきてくださって、面白かったよ!と仰ってくださって、その言葉を信じて、東京公演に臨みたいです」と意気込む。今回、Team337に初参加した田中大地は「キャストの皆さんも演出の嶋尾さんも素敵な方で、稽古場でも本番期間でも楽しく濃い時間を過ごさせていただきました」と感想を語る。イケメンホストという役柄については「今までに経験がない役で新鮮な気持ちで演じています」と話し、「Team337、一致団結して、東京のお客様にも喜んでいただきたいです。せっかく観ていただけるからには、感動したり、笑ったり、ちょっと突き刺さるものがあったり、何かお土産を渡せるようなお芝居にしたいと思っています」と抱負を語る。柊子は「私たちのTeamがつくるのは、お客様にほっこりして帰っていただけたり、クスッと笑えたり、幸せな気持ちになったりする作品。黒川先生のファンの方や、これまでTeam337の作品を見たことがない方にも、ぜひ劇場に足を運んでほしい」と話す。公演は2月24日(日)までの全6ステージ。チケット発売中。文・写真:五月女菜穂
2019年02月01日ともに関西出身の佐々木蔵之介と「関ジャニ∞」横山裕をW主演に、大阪在住のベストセラー作家・黒川博行の直木賞受賞作「破門」が映画化されることが決定。同じく大阪出身の小林聖太郎監督のもと、ボケとツッコミのような史上最強の(?)凸凹コンビが誕生することになった。舞台は大阪。弁は立つが、うだつの上がらない建設コンサルタントの二宮啓之(横山裕)は、“サバキ”と呼ばれる建設現場での暴力団対策の仕事を主な収入としていた。だが、この仕事を通じて二蝶会の強面ヤクザの桑原保彦(佐々木蔵之介)と知り合ったのが運のつき。ある日、小清水という映画プロデューサーが持ち込んだ映画企画に、二蝶会の若頭・嶋田が出資をすることを決め、桑原が実務を担当することになる。しかし、小清水は金を持ったままドロン。これは、もしや出資詐欺!? 映画製作の出資金を持ち逃げされた桑原と二宮は、資金回収のため、関西、そしてマカオを奔走するも、巨額の資金をめぐる争いはやがて組同士のトラブルにまで発展!追いかける二人が、いつの間にか追われることに!?貧乏建設コンサルタントが“疫病神”の最凶ヤクザと出会ったことから、儲け話にダマされる…。黒川氏の大人気“疫病神”シリーズで第151回直木賞を受賞した「破門」が待望の映画化。“疫病神”となってしまう強面ヤクザの桑原に、『超高速!参勤交代リターンズ』『エヴェレスト 神々の山嶺』も控える佐々木さん。また、口だけは達者な非モテ独身建設コンサルタントの二宮には「関ジャニ∞」の横山さんと、それぞれ京都、大阪出身の2人がW主演。メガホンをとるのは、『毎日かあさん』『マエストロ!』の小林監督。黒川作品とは、今年7月、WOWOWの連続ドラマW「煙霞~Gold Rush~」に続いて2作目のタッグとなる。大阪からマカオまで、圧倒的アクションとともに面白さ満載の掛け合いで繰り広げられるノンストップな2人の珍道中に、いまから期待していて。<以下、コメント>■佐々木蔵之介狂犬のようで、それでいて喋りはおもろく、でもやっぱり強面な、とてもチャーミングな主人公にゾッコンです!最高に痛快でカッコイイ原作を得て、監督や横山さんと、この作品に身を置けると思うと血が騒ぎます。■横山 裕原作の圧倒的な世界観に魅了され、「ぜひ参加したい!」とすぐに思いました。バイオレンスの要素がありつつも、二人の軽妙なやり取りが基盤になっていますので、佐々木蔵之介さんとボケとツッコミのような関西の「ノリ」も出していけたらと思っています。小林監督にどう料理していただけるか、撮影が楽しみで仕方ありません!■小林聖太郎監督不思議な縁と申しましょうか、計画したわけではないのですが、今年は黒川作品の映像化に続けて関わることになりました。アメリカ村からマカオのカジノまで、狂犬ヤクザとぐうたら貧乏の凸凹コンビが繰り広げる珍道中。肩肘張らずに楽しんでいただければ嬉しく思います。■原作者:黒川博行いやぁ、わくわくします。小説と映像が異質のエンターテインメントであると知りつつ、そこをどう具現化して見せてくれるか愉しみでなりません。俳優陣も実力派ぞろいで文句なし。佐々木さんと横山さんが疫病神コンビをどんなふうに演じてくれるのでしょう。原作者として、とてもうれしく思います。小林監督の本領発揮。一級のロードムービーになることに間違いありません。映画『破門』(仮題)は2017年、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年10月19日NTT西日本と福岡県柳川市はこのほど、公衆無線LAN利用環境の整備並びに利用促進に向けた協定を締結した。観光案内所や市役所などの公共施設や柳川ワイファイ応援隊に賛同した店舗や飲食店、観光施設等において10月上旬以降、公衆無線LANサービスである「Yanagawa Free Wi-Fi」のサービス開始を予定している。同協定は柳川市を訪れる国内外の観光客に対し、利便性の向上によるおもてなしの充実と災害時の通信手段の確保、観光をはじめとした情報発信力の強化を目的とし、市内に公衆無線LANサービスの利用環境を整備する。柳川市公衆無線LAN整備事業では、公共施設における公衆無線LANの整備を進めるとともに「おもてなし柳川市民会議」と連携しつつ、同事業の推進に賛同する店舗や飲食店、観光施設などを柳川ワイファイ応援隊として募集し、柳川市内のYanagawa Free Wi-Fiの展開を推進。一方、NTT西日本は柳川市公衆無線LAN整備事業においてYanagawa Free Wi-Fiの整備推進事業者として、柳川市と締結した同協定に基づき柳川市内における公衆無線LAN利用環境の整備・促進に取り組む。今後、両者では柳川市における公衆無線LANを活用した観光振興などの施策について協力しながら推進していく方針だ。
2015年09月08日私の母が作る料理で大好きだったのが、豚肉とごぼうで作る「柳川もどき」です。ごぼうの香りが苦手だった私でも、この料理は何度もお代わりするほど好きでした。ずいぶん後になって、「本当の“柳川鍋”とは、どじょうで作ったもの」だと知りました。社会人になってから初めて、ドキドキしながら本物の柳川鍋を食べましたが、母の作る柳川もどきにはかないませんでした。きっと母の愛情がたくさん詰まっていたから、おいしさもひとしおだったのでしょう。私も母のように、子どもたちの記憶に残る料理をたくさん食べさせてあげたいと思っています。さて、話を柳川もどきに戻しましょう。作り方はとても簡単。材料を土鍋に入れて、あとはグツグツ煮るだけです。使う豚肉は、薄くスライスしてあるもののほうが、ごぼうや卵と絡んで、小さな子どもでも食べやすくなります。■煮るだけで完成! 豚肉とごぼうの柳川もどきのレシピ<材料> 4人分豚肉薄切り 200gごぼう 大1本卵 2個(常温)ショウガ スライス1~2枚(豚肉の臭み抜きに。なくても可)出汁 1カップしょうゆ 大3きび砂糖 大2みりんまたは甘酒 大2<作り方>1.ごぼうはたわしや毛の固いブラシなどで土を洗って、皮をむかずにスライサーで薄くそぎ切りにします。大事な栄養素が抜けるのでアク抜きは不要ですが、色が気になる場合はさっと水で洗いましょう。長い時間酢水に漬け込むといった行程はいりません。2.土鍋に出汁を入れて軽く煮立たせ、ごぼう、豚肉、ごぼう、豚肉…と、交互にミルフィーユ状に重ねていきます。卵以外の調味料を入れてフタをずらしてふきこぼれないようにし、15分ほど煮てください。時々アクを取り除きましょう。3.ごぼうが柔らかくなったら溶き卵を入れ、フタをして1~2分煮て、卵が半熟になったらできあがりです。このお料理は脂身のある豚肉のほうが、より甘みが増しておいしいのですが、脂身には有害物質が溜まりやすいのが悩ましいところ。できるだけ良質なえさや環境で育った豚を選ぶようにしましょう。一度軽く湯がいて、余計な脂分を取り除くのもいいですね。ごぼうの黒ずみは、美容には欠かせない抗酸化作用のあるポリフェノールなのでアク抜きは不要ですが、色が気になる場合はさっと水で洗う程度にしましょう。
2014年10月25日北原白秋の生誕地としても有名な柳川は、日本最大の干潟・有明海の近くにある。この海には、ムツゴロウやワラスボ、クツゾコ、イソギンチャクなど不思議な生き物がすむが、柳川にはそれらを使った郷土料理が多数存在する。一体どんな料理でどんな味がするのか調査してみた。訪ねたのは、有明海の新鮮な魚介類を食べさせてくれる「夜明茶屋」。同店はもともと、柳川で古くから続く網元で、明治23年(1890)に海産物商として創業した。店名は夜明けと同時に出漁する漁師に酒を振る舞っていたことに由来する。これは、漁の安全と大漁を願っての行いで、酒でありながら「お茶」と称して振る舞っていたという。4代目のご主人である金子英典さんに話を聞いたところ、ムツゴロウやワラスボなどの料理を出し始めたのは約15年前。金子さんから先代に、この地方に伝わる「故郷の味」を店で提供したらどうかと提案したのがきっかけという。というのも、金子さんによると、その昔“宝の海”とも呼ばれた有明海だが、近年は漁獲量が減っているのだとか。漁獲量が減ると、当然それに反比例して魚介の値は上がる。そのことによって、かつては頻繁に食卓に登場していた料理が消えていったのだ。「いつも食べていた料理が食卓から消えてしまうのって寂しいですよね」。その思いが金子さんを突き動かし、網元としてスタートした「夜明茶屋」が食事処を併設するに至ったのだ。こうして一風変わった素材が食べられると話題になり、地元の人から観光客まで多くの人で賑(にぎ)わう夜明茶屋。金子さんは、ムツゴロウやワラスボ、ワケノシンノス(=有明海沿岸で食用とされるイシワケイソギンチャクの地方名)の料理を見た時のお客さんの反応が面白いという。みんなそろって「オーッ」という声を上げるらしいのだ。「地元の人は、オー、懐かしいのオーッ!!観光客は、こりゃスゴイのオーッ!!ですね」と金子さん。なるほど、なるほど。では、こちらも「オーッ!!」というかどうか分からないけれど、試食させていただくことにした。まず運ばれてきたのは、ムツゴロウとワラスボの刺し身。ここでレポーターはやはり、オーッ!!といってしまった。だって、どちらもその姿が強烈なのだ。それにしても、ムツゴロウが刺し身で食べられるとは意外だった。愛嬌(あいきょう)のある姿をしているけれど、いただいてみると白身魚のような絶妙な味。エイリアンのような顔付きをしたワラスボも、独特の歯ごたえがあってうまい。お次はシャコの仲間「マジャク」の唐揚げにトライ。殻のパリパリッとした食感と甲殻類独特の濃厚な味が楽しめ、何度でも食べたくなる一品だった。そして、今回の主目的である珍味中の珍味、イソギンチャクの登場だ!ちなみにこの地方ではイソギンチャクは、若者の尻の穴を意味する「ワケノシンノス」という名で呼ばれている。そのみそ煮をいよいよいただくことに。ひと口、口に含む。ん、あ、これはナマコのよう。コリコリッとした食感だ。そして、ふた口、み口。うむ、イソギンチャクはどうやら食感を楽しむもののようだ。金子さんに聞くと、身にはほとんど味がないので、みそと砂糖で甘辛くしたり、みそ汁に入れたりして食べるのが一般的だそうだ。こうして初・イソギンチャク体験というか、初・有明海珍味体験は終了。いただく前はオーッ!!だったけれど、見かけの奇妙さとは裏腹に、どれも大変美味だった。これらの珍味は夜明茶屋のウェブサイトから購入もできるが、刺し身はお店でしか食べられない。やはり、その土地のものはその土地で味わいたいもの。柳川へ旅する際、こちらのお店に立ち寄ってはいかがだろう。新鮮な食体験ができるはずだ。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月25日