東映創立60周年記念プロジェクト『北のカナリアたち』の製作発表会見が29日に都内で行なわれ、主演の吉永小百合、柴田恭兵、仲村トオル、里見浩太朗ら出演者と、阪本順治監督、撮影監督の木村大作、原案者の湊かなえらスタッフ、そしてオーデションで合格した5名の子役が登壇した。会見の模様映画『北のカナリアたち』は、湊の著書『往復書簡』に収録されている『二十年後の宿題』を原案に、20年前の小学校で合唱を教える先生と生徒たちに起こった悲劇の事故から、時を経て描かれる先生と教え子たちとの絆を描くサスペンス巨編。吉永は「『動乱』、『海峡』、『北の零年』と、北海道の雪中で撮影してまいりましたが、今回は一番大変になるのでは。初心に帰ったような思いでワクワクドキドキします」とあいさつし、阪本監督は本作を「痛ましい出来事と、天使の歌声という組み合わせは違和感あるように思われるかもしれないが、相乗効果で一級のエンターテインメントに作り上げたい」と説明。木村撮影監督は「美しさは、厳しさの中にしかない。今回は格好のロケーション」と意気込みを語った。また、柴田は「役者になったらいつの日か…と思っていた夢が叶いました。私が吉永さんの夫役ということで、ご不満の方も多いと思いますが、サスペンスなので勘弁してください」と恐縮し、島に赴任してくる警官役を演じる仲村は「“あぶ刑事”で大変お世話になった恭兵さんに恩を仇で返すような役ですが、僕を育ててくれた大先輩方に“まな板の上の全裸の鯉”のような気分でなされるがままに料理していただきます」とコメント。宮崎あおいは仕事のため会見を欠席したが、ビデオメッセージで「台本を開いて、吉永小百合さんを始めとする素晴らしいキャストの中に自分もいることがうれしくて幸せです」とコメントを寄せると、吉永は「先日『ツレがうつになりまして。』を拝見しました。実力があってとてもキュートな宮崎さんと2日からいきなり共演するのでとても楽しみです」と期待を寄せた。本作は、北海道北部にある離島・礼文島と利尻島で今冬から撮影を開始し、来年初夏クランクアップ、来秋以降に公開される予定。『北のカナリアたち』2012年秋以降全国ロードショー
2011年11月30日東映創立60周年記念作品として吉永小百合を主演に迎えた映画『北のカナリアたち』がついに始動。11月29日(火)に都内で開催された製作発表会見に吉永さんを始め、柴田恭兵、仲村トオル、里見浩太朗、森山未來、満島ひかり、小池栄子、勝地涼、松田龍平にメガホンを取る阪本順治、撮影監督の木村大作、原案となる小説の著者で「告白」(双葉社刊)の作者としても知られる湊かなえ、オーディションで出演が決まった5名の子役たちが出席。さらに、この日は都合で欠席となったが宮崎あおいの出演も発表された。湊さんの小説集「往復書簡」(幻冬舎刊)に収録されている「二十年後の宿題」を基にした本作。かつて北海道の離島で教師として働き、いまは東京の郊外で図書館の司書をしている女性と、奇跡の歌声を持った彼女の最後の教え子たちの運命の再会、20年前のある事件の真相を壮大なスケールで描き出す。撮影は北海道の最北端の稚内からフェリーで2時間の礼文島、利尻島で冬と夏に分けて行われる。これまで『北の零年』や『海峡』など北の地を舞台にした数々の作品に出演してきた吉永さん。7月に訪れたという利尻について「胸が震えました。日本の景色と思えないような感じがしました」とその美しさを語る。一方で「今回が一番大変になるのでは?」とクランクインを前に心情を明かした。吉永さんの夫役を演じる柴田さんは「役者を始めたときからいつの日か吉永小百合さんと共演したいと思ってました。夢が叶いました」と喜びを語る一方で、最初に共演を聞かされたときは「ちょっと待って!“サユリスト”の方々に申し訳ない、というのが心の声でした」と恐縮した面持ち。仲村さんは「まだ詳しく話すなと言われている」と役柄について言葉を濁したが、「柴田さんとは『あぶない刑事』でご一緒して、中華街で何百回と食事をご一緒しましたが一度としてお金を払ったことがなかった。そんな柴田さんのご恩を仇で返すような役と言っていいと思います」と苦笑いを浮かべていた。里見さんは「何十年も前になるのかな…?『キューポラのある街』という映画を観たら、かわいらしい少女がピョンピョンと跳ねるような芝居をしていて。それ以来、僕はサユリスト」と告白。今回は吉永さんの父親役だが「僕もいよいよ吉永さんの相手役をすることになったか?と思って喜んでいたら父親役でした」と笑いを誘いつつ「光栄です」と笑顔を見せた。吉永さんは今回の共演陣とは全員、初共演になるが「黄門さまに『あぶ刑事』と大人チームはバラエティに富んでます」とニッコリ。一方、吉永さん演じるはる先生のかつての教え子を演じる森山さん、勝地さん、満島さん、小池さんはいずれも、吉永さんを始めとする錚々たる先輩俳優との共演に「緊張してます」。満島さんは吉永さんとの初対面に「とっても優しい方で、それに甘えて(笑)、一生懸命頑張ります」と語り、小池さんも「あまりの美しさと優しさに圧倒されました。そして『はる先生がいる!』という、何とも言えぬ安心感も感じました」とふり返った。同じくかつての教え子のひとりを演じる松田さんは「楽しみです。(撮影の)木村さんもいるのでにぎやかな現場になりそうな予感がします」と期待を口にした。この日、欠席となった宮崎さんからも意気込みを語るビデオメッセージが到着したが、吉永さんは「先日、『ツレがうつになりまして。』を拝見しましたが、実力があってキュートな女優さんです」と宮崎さんを絶賛した。この豪華キャストの手綱を握る阪本監督は「みなさん、個性豊かなので架空の登場人物ではありますが、自分らしさをふんだんに出していただければ」と抱負を語る。長年、撮影監督で活躍し、監督デビュー作の『劔岳点の記』の映像が絶賛された木村さんは「美しさは厳しい中にしかない。過酷で厳しい中にいる人間は美しい。吉永さんは厳しい自然が好きな方なので、相当の映像が撮れると思う」と自信をのぞかせた。質疑応答に続いて、3千人を超えるオーディションで選ばれた、天使の歌声を持つ子供たちが吉永さんと共に登場。透き通るような歌声で「翼をください」を歌い上げた。『北のカナリアたち』は2012年秋以降、全国にて公開予定。■関連作品:北のカナリアたち 2012年秋、全国にて公開■関連記事:吉永小百合、主演最新作が決定!原案は「告白」の湊かなえ
2011年11月29日女優の深田恭子が10月21日(木)、東京・港区の青山迎賓館で行われたWOWOWの主演ドラマ「幻夜」の製作会見に、米高級宝飾ブランド、ハリー・ウィンストンの総額2億円ジュエリーを身に着けて出席した。同局の連続ドラマ枠「ドラマW」の最新作で、人気作家・東野圭吾の同名小説を原作に、野望のためには手段を問わない美貌の悪女・美冬(深田さん)と美冬に魅せられ悪事に手を染めていく男・雅也(塚本高史)、2人を追う刑事・加藤(柴田恭兵)の人間模様を描くサスペンス。劇中、宝石店販売員からのし上がっていく役どころであることから、ウィンストンとのタイアップが決定。同ブランドはこれまで、米アカデミー賞のノミネート女優への商品提供などはあったが、TV番組単体とタイアップするのは今回が初めて。レース状のネックレス、イヤリング、リング、ブレスレットで総額約2億円、あしらわれたダイヤモンドの総カラット数約113カラットのジュエリーと、海外セレブ御用達ブランド「BCBG Maxazria」の白いドレスと「Tsuru by Alessandra Stella」のピンヒールという装いの深田さんは「アカデミー女優気分です」と会場の笑いを誘いつつ「このアクセサリーのお陰ですごい強い気持ちで出られました」と妖艶な笑み。美冬の役どころについては「美しいものに惹かれる点は理解できますが、ほかは全く理解できません」と苦笑いを浮かべた。一方、塚本さんは初共演が実現した柴田さんについて「付いていきたい人ってこういう人なんだと思った。柴田さんに会えたことが今回の僕の収穫。これまでのスタイルとかいろいろなことを教えていただいた。役者としても人間としても尊敬できます」と惚れ惚れ。柴田さんも「お前は…」と照れながらも「塚本くんはとっても切なく哀しみを持った役者さん。声も好きだし、スッとしゃべり出す感じも大好き」と温かい視線を送っていた。「幻夜」は11月21日(日)22:00よりWOWOWにて放送開始。(photo/text:Yoko Saito)WOWOW ドラマW「幻夜」毎週日曜日22:00よりWOWOWにて放送。公式サイト:■関連作品:白夜行 2011年1月29日より全国にて公開© 2011 映画「白夜行」製作委員会 恋愛戯曲〜私と恋におちてください。〜 2010年9月25日よりヒューマントラストシネマ有楽町、シネセゾン渋谷、新宿武蔵野館ほか全国にて公開© 2010映画「恋愛戯曲」製作委員会■関連記事:映画のヒロインに変身!「TIFF」ヘアデザインショーモデル体験に1名様ご招待達人に聞く!『恋愛戯曲』監督・鴻上尚史の恋愛講座【恋愛継続編】シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第7回)映画で見てみたいカップルと言えば?深キョン&椎名桔平&塚本高史「結婚しても恋心」で意見一致深キョン&椎名桔平が原稿に埋もれ…『恋愛戯曲』特別画像&白熱の本編映像が到着
2010年10月21日「“当たり役”そういう捉えられ方があっても自分の中身が急成長するわけじゃない。じっくりゆっくりやるしかないです」──2007年のNHKドラマ「ハゲタカ」の主演に抜擢され、以後、映画版『ハゲタカ』(’09)、『笑う警官』(’09)、『ゴールデンスランバー』(’10)といった骨太な社会派作品が立て続き、かと思えば『スイートリトルライズ』(’10)のような恋愛ものもこなし、現在はNHK大河ドラマ「龍馬伝」のキーパーソン・武市半平太を演じている。ここ数年で俳優・大森南朋の名前が大きく羽ばたいたのは明らかだが、「じっくりゆっくり」という言葉が物語るように、彼がこれまでに出演してきた映画は70本以上、ドラマも合わせると100本以上、その積み重ねの結果がいまの大森南朋を創り上げている。そこで、大森南朋の名前を羽ばたかせるきっかけとなった主演作『ハゲタカ』について、改めてふり返ってもらった。鷲津の人間らしさが好き「ドラマ『ハゲタカ』のオファーが来たときにまず思ったのは、本当に自分が主役でいいのかということ。いろいろな役を演じてきたけれど、自分が主役で数字が取れると思っていなかったし、何よりも鷲津政彦のようなタイプを演じるイメージがその頃の僕には全くなく、どちらかというとぼんやりした青年、そんな役が多かった(笑)。だから、こんなふうに話題になるとは夢にも思っていなかったんです」と語る表情は、なんとも色っぽく、やわらかく、穏やかで、確かに『ハゲタカ』の鷲津のイメージとはほど遠い。けれど、いまでは鷲津のイメージが大森南朋のイメージ・キャラクターとなり、その定着したイメージを壊していくのが「楽しいです」と、いたずらっぽく笑う。そして、企業買収の天才・鷲津を演じるにあたっては、金融業界について学ぶことはもちろん、ファンドマネージャーとして働いている人の話を聞いたりしたそうだが、途中気づいたのは知識を詰め込むよりも鷲津という男のドラマに重きを置くことだった。「僕がどんなに金融の勉強をしたところで『ハゲタカ』のドラマ自体は変わらない気がして、人間ドラマを掘り下げる方がいいのかもしれないと思ったんです。けれど、毎回渡されるドラマの台本は(金融の専門用語を含めて)台詞が多くて(笑)。でも、その台詞をかみ砕いていく作業が鷲津というキャラクターの構築に繋がったと思います」。そこから大森さんが受け取った鷲津の男としての魅力は「自分の信念を持って生きているところ」だと分析を続ける。「鷲津は辛い思いをして負けかけたけれど、自分を奮い立たせてニューヨークへ行き、確信を得て日本に戻ってくる。けれど、それでもまた迷ってしまうんです。そういう人間の儚い感じというか、鷲津の人間らしさが好きなんです。まあ、ときどき強引なところもあるけれど(笑)。ドラマ、映画ともに鷲津を演じるうえで常に心に留めていたことは、やっぱり彼が背負っているものの大きさでした。悲しみを背負いながらどこまで自分が信じる正義を貫けるかということに尽きると思う。その鷲津像を大友監督と共有できたからこそ、あのドラマが出来上がったんだと思います」。次はラブコメに挑戦してみたい!?ドラマ「ハゲタカ」でタッグを組んだ大友啓史監督とは、その後の映画版『ハゲタカ』、大河ドラマ「龍馬伝」と続いていくわけだが、「言葉がなくても分かり合える監督と出会えたことが嬉しい」と、信頼できる監督との出会いがもたらした喜びは相当大きかったようだ。さらに、鷲津像をつかむヒントも現場で監督がさりげなく与えてくれたとエピソードを明かす。「大友監督は、たまにカットをかけないことがあるんです。芝居はひと通り終わっているはずなのに、ずーっとカメラを回しっぱなしにしていることがあって。何か意図があると思うからこちらも止めずに演じてはいるけれど、そのシーンは決して使われることはないんです(苦笑)。でも、その時間、その空間から感じ取るものは確実にあって、その感じたものが自然と役に反映されていたんじゃないかなと」。この大森さんの言葉から連想したのは、ジョニー・デップとティム・バートン監督の関係。彼らが互いを尊敬し合い、何度となくタッグを組み、ヒット作を連発するように、大森南朋と大友啓史監督も『ハゲタカ』、「龍馬伝」に続く作品を今後も生み出すような気が…。だからこそ聞いておきたい。「ハゲタカ」の鷲津政彦のイメージが強く定着したいま、次はどんな役柄で殻を破りたいのか。「ラブコメ…かな(笑)。実は最近、ちょうどその話をしていたんです。アメリカのB級映画のレベルなんだけど、ちゃんと筋立った脚本で、最後に感動させてくれるラブコメが日本にもあっていいよねと。ハリウッド映画なのにそれほどお金をかけていない映画というのか。そんな映画を作れたら日本映画界はもっと面白くなると思う。だから次はラブコメに挑戦してみたいです(笑)」。大森さんのラブコメ進出も気になるが、「えっ、あの大森南朋がラブコメ!?」というギャップを存分に味わうためにも『ハゲタカ』の鷲津役は必見!(photo:Toru Hiraiwa/text:Rie Shintani)日本映画専門チャンネル(スカパー!・ケーブルTV・ひかりTV他で放送中)で5月9日(日)ほかドラマ版と映画版の『ハゲタカ』を完全放送日本映画専門チャンネル公式サイト:■関連作品:ハゲタカ 2009年6月6日より全国東宝系にて公開© 2009 映画「ハゲタカ」製作委員会■関連記事:大森南朋『スイートリトルライズ』インタビュー揺れる男心「恋は一過性のもの」国内賞レースも本格化『ヴィヨンの妻』『沈まぬ太陽』など日本アカデミー賞最多受賞五月病?ならばコレを観よ! vol.1デキル男たちの“攻め”『ハゲタカ』“ハゲタカ”大森南朋、セリフの多さに悲鳴柴田恭兵は「あぶない刑事」気分で演技?数々の賞に輝く傑作ドラマ待望の映画化!『ハゲタカ』試写会に25組50名様をご招待
2010年05月07日