テクノロジーでお悩みを解決。自律神経を整えるコンディショニングギアをご紹介します。ここでは、「長時間のPC作業による姿勢の崩れを改善したい」というお悩みに注目。Q. 長時間のPC作業による姿勢の崩れを改善したい。A. 同じ姿勢が何よりNG。前傾で座れる椅子があると。PC作業に集中していると、猫背になるなどつい姿勢が崩れがち。ひいては体が痛くなることも。「改善には、長時間同じ姿勢でいないこと。また、少し前傾しているような椅子は骨盤が安定して背筋が整います。痛みは体から発せられる注意報。ただちに対処を」(東京疲労・睡眠クリニック院長・梶本修身先生)1日3分、首を伸ばしてストレートネック対策を。アルファックス『ネックストレッチピロー 頸律(けいりつ)』本来、S字を描いているはずの首が、前かがみの姿勢によりストレートネックに。その負担を解消するべく取り入れたいのがこれ。首にフィットする形状で、首を深くストレッチ。¥4,980(アルファックス TEL:06・4792・1193)横幅や厚みが選べるリストレストで手首の痛みや疲れを軽減。FILCO『Majestouch Wrist Rest“Macaron”』PC作業による手首の不調はクッション性のあるリストレストでガード。厚み、横幅などのサイズや、色の展開も豊富だから自分にピッタリの一つが選べる。その数48種類。¥1,813~*税込み(ダイヤテック TEL:03・5688・5778)座ると骨盤が安定して体を軽く支えられる。X‐BALANCE『ピースマット』特許技術による独自の設計で、体を三次元で包み込むように支えるマット。骨盤が安定して背骨が整うので、床に座ってのPC作業もこれならラク。L字に折って椅子に設置も可。¥6,700(ピーエーエス TEL:072・727・0521)梶本修身先生東京疲労・睡眠クリニック院長。著書に『疲労回復の名医が教える 誰でも簡単に疲れをスッキリとる方法』(アスコム)など。テレビなどメディア出演も多数。※『anan』2021年3月24日号より。取材、文・保手濱奈美(by anan編集部)
2021年03月19日ニューノーマルな暮らしに慣れたつもりでいても、意外と体は正直で、漠然とした不調や長引くお悩みはつきもの。人間工学やデジタルなどの進化したテクノロジーを活用して、睡眠と、日中のケアから自分のコンディションを整えましょう。まずは睡眠の質を改善。その上でお悩み別ケアを。リモートワークなどで家にいる時間が増えた人が多いこの一年。生活習慣の変化に伴い、体の不調を感じる人が増えているという。「その大きな原因と考えられるのが、睡眠の質の低下です。コロナ禍での生活は自己管理に委ねられがちですが、それにより寝る時間が後ろ倒しになった人が増加。その時間をSNSなどデジタルコンテンツの視聴に費やしている人が最も多いという調査結果もあります。デジタルコンテンツに触れていると、自律神経のうち日中の活動を司る交感神経が優位になるので、寝つきが悪くなるんです。また、夜中まで交感神経が優位な状態は自律神経を疲れさせてしまうため、眠りが浅くなってしまう。睡眠の質の悪化は、体にとってストレス。しかも自律神経が疲れていると血流が滞り、さまざまな支障が表れます」(東京疲労・睡眠クリニック院長・梶本修身先生)肩や首のコリ、むくみ、眼精疲労など身近な不調は、睡眠を整え、自律神経を回復させることで改善可能とのこと。まずは寝る90分前にはスマホやPCの使用をやめることが第一歩。また、過度な緊張などで日中に自律神経を疲れさせないことも大切に。その上で、お悩み別のケア法を先生がアドバイス。さらに編集部セレクトのグッズで、不調から解放されよう!Q. 朝の目覚めが悪く、起きても倦怠感が拭えません。A. 毎日同じ時間に、音ではなく光のアラームで起きてみること。実は音の目覚ましは、自律神経が驚いてしまい、体にとって負担に。「一番いいのは、光の刺激を活用すること。10~15分かけて徐々に明るくなると、眠りが浅くなり、自然に起きた心地がします。毎朝同じ時間に起きるのも、良好な目覚めに不可欠です」日差しを感知してカーテンを自動で開けてくれる!SwitchBot『SwitchBot カーテン』朝日を浴びて自然に早起きしたい人はコレ。カーテンレールに取りつけると、日の光を感知して自動でカーテンをオープン。タイマー設定もOK。¥8,980*税込み、編集部調べ(FUGU INNOVATIONS JAPAN TEL:045・228・8768)太陽光のような明暗を再現し、自然な目覚めをサポート。フィリップス『SmartSleep ウェイクアップ ライト』太陽光をヒントに開発された光目覚まし時計。徐々に明るくなり、まるで朝日を浴びて目覚めたような心地に。ライトの明るさは20段階に調節可能。¥13,600*編集部調べ(フィリップス・サポートセンター TEL:0120・479・156)日光浴を再現したアイウェアで乱れた体内時計をコントロール。ウェザリー・ジャパン『AYOLITE』光の力で体内時計を調整するメガネ型デバイス。朝スッキリ目覚められない、夜なかなか眠れない…という時は起きてすぐに装着。乱れた体内時計を約20分でリセット。¥19,800(ウェザリー・ジャパン TEL:03・4520・5430)梶本修身先生東京疲労・睡眠クリニック院長。著書に『疲労回復の名医が教える 誰でも簡単に疲れをスッキリとる方法』(アスコム)など。テレビなどメディア出演も多数。※『anan』2021年3月24日号より。取材、文・保手濱奈美(by anan編集部)
2021年03月19日株式会社パルコは、写真家 薮田修身が撮影した、Mr.Childrenの写真で構成をしたインスタレーション「THERE WILL BE NO MIRACLES HERE」を、東京・大阪・名古屋の3都市限定で開催いたします。2019年7月からロックダウン直前の2020年3月まで、London、LAで写真家 薮田修身が捉えたMr.Childrenのレコーディングドキュメンタリー。自分だけのSOUNDTRACKSを持ち寄り、感情に音を重ねて体験するインスタレーションを行います。さらに、同タイトルの写真集も会場にて発売予定です。展示内容、入場料およびチケット販売方法、写真集などの詳細情報は、展覧会公式HPにて後日公開いたします。開催概要タイトル :「THERE WILL BE NO MIRACLES HERE」<名古屋PARCO>会期 :2020年12月5日(土)‐12月20日(日)会場 :PARCO GALLERY(名古屋PARCO 西館6F)愛知県名古屋市中区栄3-29-1<渋谷PARCO>会期 :2021年1月15日(金)-2月1日(月)会場 :PARCO MUSEUM TOKYO(渋谷PARCO 4F) 東京都渋谷区宇田川町15-1<心斎橋PARCO>会期 :2021年2月11日(木祝)-2月28日(日)会場 :PARCO EVENT HALL(心斎橋PARCO 14F) 大阪府大阪市中央区心斎橋筋1丁目8-3主催 :PARCO制作 :W協力 :ENJING、TOY‘S FACTORY展覧会公式HP:art.parco.jp※新型コロナウイルスをはじめとする感染症拡大防止のため、営業日時の変更や入場規制を行う可能性があります。ご来場の際はPARCO営業日時をご確認ください。※企画内容は予告なく変更になる可能性がございます。Profile薮田修身 OSAMI YABUTA埼玉県出身。斎藤一男氏へ師事。W所属。ファッションフォトグラファーとして、雑誌、カタログ、広告、ムービー等を中心に活動。2015-16年にかけて国内巡回写真展「BLACK BOX –unpainted face of Mr.Children-」を開催WEB NEW ALBUMMr.Children前作より 2年2ヶ月ぶり、20 枚目のオリジナル・アルバム「SOUNDTRACKS」が遂にリリース決定!!3 月「映画ドラえもん のび太の新恐竜」W 主題歌「Birthday / 君と重ねたモノローグ」、4 月日本テレビ系朝の情報番組「ZIP !」の新テーマ曲「 The song of praise」、キリンビール「麒麟特製ストロング」CM ソング「others」、9 月TBS 系 火曜ドラマ「おカネの切れ目が恋のはじまり」主題歌「turn over?」など、超大型タイアップ曲など全10曲収録。Mr.Children20th Original Album「SOUNDTRACKS」2020.12.2 Release!企業プレスリリース詳細へ本記事に掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。FASHION HEADLINEが、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。掲載内容に関するお問い合わせは、株式会社PR TIMES()まで直接ご連絡ください。
2020年10月02日忙しい時期が続くと、どっと押し寄せてくる心身の“疲労”。実はそのほとんどは、脳の疲れが原因。そこで、疲労回復力を高める栄養素をご紹介。「忙しくて疲れが溜まって目覚めが悪い、体がだるい。その原因のほとんどは自律神経の疲れです」と指摘するのは梶本修身先生。「自律神経は脳の中枢で呼吸・心拍、体温調節、血流などを司る“体の司令塔”。ストレスで自律神経が過活動になると脳細胞が大量の酸素を消費し、細胞を酸化させる“脳のサビ”、活性酸素を排出します。このサビで細胞機能が落ちると自律神経が全身にアラートを出す。これが疲労の正体です」そのアラートは、気分が沈む、集中力が下がるといった心の不調として表れることも。「心と体両方の症状を見逃さず、休息を取ることが大切。その際、疲労回復効果の高い食事を摂れば、効率よくリカバリーできます」なかでもおすすめは、ここで紹介する4つの栄養素。毎日の食生活に取り入れて、疲れを速攻リセット。サビない体を目指そう。活性酸素除去に欠かせない!「イミダペプチド」ヒスチジンとβ-アラニンという2つのアミノ酸からなるイミダペプチドは活性酸素を除去する効果大。「しかもイミダペプチドは脳内で合成できる。元となる栄養を摂って脳に届ければ、抗酸化力が続くというわけです」。特に多く含まれるのは鶏むね肉。「含有量が高いので1日100g摂れば十分」。豚ロース肉、マグロもおすすめ。血流改善で、疲労回復の土台を作る「DHA&EPA」血流改善に効果的なDHA&EPA。「血流を良くする食材を摂れば、脳に十分に血が巡り酸素と栄養が行き渡るので、脳を守る役目を持つ自律神経の大きな助けになります」。サバやサンマなど青魚に豊富。「焼き魚ならサンマ1尾が1日の目安ですが、サバ缶も手軽でおすすめ。汁にも栄養が含まれるので、汁ごと摂れる献立を」体中の酸化にアプローチ「リコピン&カロテン」活性酸素が出た瞬間に叩く!体内に入れておけば疲れに先回りして効いてくれるのが抗酸化物質。トマトやにんじんなどの緑黄色野菜はその代表格。抗疲労効果は強力だけど摂り方にはコツが。「摂取して2時間ほどで効果が消えるので、こまめに摂ること。サラダや野菜ジュースなど、どんな形でもいいので頻繁に摂りましょう」現代人ならではの疲労に効果的!「クエン酸」エネルギー生産効率を高めるクエン酸は、食生活が偏りがちな人には効果的な成分。「特にダイエット中など、カロリー不足の傾向にある若い女性には有効です」。レモンなどの柑橘や、梅干し、酢に多く含まれている。またイミダペプチドと一緒に摂ると相乗効果が期待できるので、鶏むね肉とレモン、梅干しを合わせたレシピも。梶本修身先生「東京疲労・睡眠クリニック」院長として活躍する疲労回復の専門医。近著に『疲労回復の名医が教える誰でも簡単に疲れをスッキリとる方法』(アスコム)。※『anan』2020年4月29日号より。イラスト・かざまりさ取材、文・大澤千穂(by anan編集部)
2020年04月25日いま、私たちの体はどういう問題に向き合っているのか。健康の大切さを、日本中そして世界中の人々が実感している2020年。改めて、私たちのカラダを中から強くする方法について見つめ直します。私たちが高めたい、体内の力。【細胞力】鉄分をしっかり補給して全身の細胞を活性化させて。人間の体は37兆個もの細胞でできている。皮膚、神経、筋肉、血液など、それぞれの細胞が大切な役割を担い、体を適切に動かし、必要な物質をつくり、ばい菌などの侵入を防いでいる。その細胞の働きに関わる栄養素として注目されるのが、鉄分。鉄分不足の影響は貧血にとどまらず、細胞の力を低下させて心身にさまざまな弊害をもたらす。「鉄分は全身の細胞のエネルギーや神経伝達物質の産生に欠かせない重要なミネラルです。脳を含めたすべての臓器に影響を与え、肌や髪のハリ、集中力の低下やうつ症状などとも関わってきます」(山口病院副院長・奥平智之先生)生理のある女性は、慢性的に鉄分が不足している。貧血症状がなくても毎日鉄分を補給するのが理想だが、奥平先生によると、体内に炎症があると、鉄分を摂っても効果が表れにくいという。「ただ漫然と鉄分を補給するのではなく、炎症に心当たりのある人は生活を見直し、細胞のすみずみまで鉄分をいきわたらせる素地づくりを同時に行うことが肝要です。鉄の力で細胞の働きを活発にさせれば、心身ともに健康になり美しさにも磨きがかかるでしょう」【消化力】食べすぎない、よく噛む…食習慣の見直しで消化力UP。食べ物は口から入って即、栄養素として働くわけではない。しっかり口で咀嚼して、胃腸で消化・吸収された栄養素を、肝臓で利用しやすい物質に分解・合成して(代謝)、必要に応じてエネルギーに変換したり、全身の器官や臓器に送り出して初めて機能する。現代人は、食べすぎやよく噛まない習慣、不規則な食生活、添加物を含む食事などから消化力が低下していると、ハタイクリニック院長・西脇俊二先生は指摘。「消化・吸収・代謝という消化力が落ちると、栄養価の高い食事をしても体にうまく取り込まれません。その結果、消化液のコントロールが利かなくなりさらに消化力が弱まることに。また、未消化物が腸内に残ることで腸内環境が悪化する、相関関係にある脳に影響を与えて、免疫力を下げるといったトラブルも起こりやすくなります。一回一回の食事を正しく消化することは健康と美を保つうえでとても大切なことなのです」消化力を高めれば、食べ物の栄養素をスムーズに利用できるようになり、アレルギー症状や冷え症など、さまざまなトラブルが改善できるという。消化力の向上を目指し、食習慣を見直してみよう。【疲労回復力】食事やサプリで適切な栄養をチャージして疲れ知らずの体に。ストレスにさらされやすい現代人は、とかく疲労を溜め込みがち。東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身先生によると、疲労はすべて「自律神経の中枢の疲れ」から起きるという。「過度なストレスがかかると、交感神経が優位な状態が続いて自律神経が過活動になります。その状態が続くと、神経細胞に活性酸素が発生して細胞をさびさせてしまう。さびた細胞は本来の活動ができなくなり、自律神経の機能が低下する。これが疲労の正体です」疲労回復には、活性酸素による酸化ストレスを軽減する、抗酸化成分を豊富に含む食品を摂ることが効果的。野菜では、リコピンを含むトマトや、カロテンが豊富な緑黄色野菜がおすすめ。「リコピンやカロテンの抗酸化力は強いものの2時間ほどで効果が消滅するため、こまめに摂るのがベターです。科学的実証で、疲労回復にもっとも効果があるとされるのは鶏むね肉や豚ロース、マグロなどに含まれる『イミダペプチド』。一度摂取すると脳内で再合成され、抗酸化力が続いて持ちがいいのが特徴です」必要な栄養素を日常的に摂取して、疲れが溜まりにくい体をつくろう。【排出力】毒素排出のカギを握る、腸内環境。ビフィズス菌でしっかり整えよう。口から摂取した食物には、人の体には不要な成分も。腸は、まず小腸で食物の栄養を吸収し、大腸で体に不要で有害な物質を固形化して排泄するという、とても重要な器官です。しかし、近年、生活習慣が原因で、乱れやすいという現実が。そんな腸内環境を整えることは、人の健康のカギといえそう。「過度なダイエットや不規則な生活で食事を制限したり、ストレスが溜まって大腸の蠕動運動が弱まると便秘になりやすくなる。結果、腸内の環境が悪化して悪玉菌がはびこり腸壁を傷め、そこから有害物質が血液に乗って、全身に運ばれてしまうことも。肌の吹き出物や不快感などさまざまな全身の症状にもつながります。これを防ぐためにも、善玉菌の代表である“ビフィズス菌”と、そのエサになる食物繊維を積極的に摂ることがおすすめ。大腸内でビフィズス菌が元気に活動することで悪玉菌の増加を抑える役割もはたし、腸内フローラ(腸内で多種多様な細菌が生息する様相)を良い状態に保ちます。大腸が健康なら、本来規則的に排泄されるべき便がバナナ状に固形化され便通も改善。肌荒れやイライラも解消されます」(医学博士・松井輝明先生)【免疫力】ビタミンDで免疫力を強化。心も体も丈夫にしなやかに。免疫とは、体内で発生したがん細胞や外から侵入した病原菌を撃退して健康を保つ自己防衛機能のこと。免疫力が下がると、風邪やインフルエンザなどウイルス性の病気にかかりやすくなるほか、精神的にうつうつとしたり、やる気が低下したり、体にも心にも悪影響が及ぶ。免疫力をアップさせて元気で過ごすために摂るべき栄養素は、ビタミンD。これまでビタミンDは骨を強くする働きが注目されていたが、近年の研究で全身の免疫系細胞に影響を与えることがわかってきたそう。「さまざまな病気やアレルギーから身を守るためにも、ビタミンDの“免疫調整ホルモン”としての機能はとても重要です。しかし、日焼けを嫌う日本人は、日光を浴びてビタミンDを生成するチャンスが非常に少ないうえに、ビタミンDを豊富に含む鮭やイワシの摂取量も減っていて、ビタミンDの血中濃度が非常に低い。まずは、足りていないことをしっかり自覚しましょう。そのうえで、サプリメントで補給するという手段も選択肢に入れて、ビタミンDを摂取する意識を高めてください」(日本機能性医学研究所所長・斎藤糧三先生)※『anan』2020年4月29日号より。イラスト・micca 取材、文・熊坂麻美(by anan編集部)
2020年04月23日どんなに忙しくても、不規則な生活になっても、毎日やってくる睡眠時間。いい眠りとわるい眠りの差って、なに……?「起きたときから疲れてる」という作者・崎田ミナが一念発起!東京・疲労睡眠クリニック院長の梶本修身先生に話をうかがい、快眠に導くルーティーンに挑戦します。マンガ・文 崎田ミナ【がんばらない!体メンテ】vol. 8「質のわるい睡眠サイン12」にいくつも引っかかった作者。1番ツライのは「寝起きがメチャクチャ疲れている」こと!マンガの締め切り期間になると、なにもかもめんどくさくなり(風呂に入らずベッドに直行)(ベッドの上で心ゆくまでスマホ三昧)(眠れず夜更かし)(たまに寝酒)という「わかっちゃいるけどやめられない」悪循環を繰り返してしまうのです……。「質の良い睡眠」をとるための方法はたくさんあります。日光の浴び方、日中の短時間の昼寝や食べ物etc……。でもいきなり全部は試すのはタイヘン! そこでまずは、超簡単「寝る前・3つのルーティーン」(1)リラックス風呂(2)1時間さよならスマホ!(3)脱力ストレッチで【寝つきを良くする】ことを目標に実践開始! 毎日続けていくことで「これから眠りますよ~」と脳にクセづける効果も狙います!熱すぎるお湯に入ると「交感神経」の働きが高まって、体が覚醒状態になってしまうそう。どうしても熱風呂派の人は“のぼせ”に気をつけて、イラストと同じ半身浴を10分までがオススメ。飲酒した場合、シャワーのみが安全で良いそうです。もちろんスマホだけでなく、パソコンやタブレット・ゲームも。ちなみに「筋トレ」は筋肉も神経も頑張るので「交感神経」が活発になってしまいます。寝る前には、ゆっくりしたストレッチが良いそう。作者は「お風呂」「ストレッチ」「スマホなしのボーッとする時間」の順で過ごしました。お風呂の後は、足が冷えないようにレッグウォーマーを履いていました(くつ下だと眠るための体温の放熱ができないので、深く眠りにくくなるそう)。寝るまでの1時間、なるべく“リフレッシュ感”や“強い刺激”を入れないように、単純でカンタンだけど「力が抜けること」を重ねていきました。私はお風呂の後に白湯を飲むことで、より眠りやすくなりましたよ〜!今回の実践で確かな効果を感じ、課題もみつけました。もっと快適な睡眠ライフを目指して改善していきたいと思いますー!次回のテーマは「運動」。運動しない夫Kが「お尻まわり・ほぐしライフ」を実践していきます。お楽しみに……!Information監修プロフィール梶本修身(かじもと・おさみ)医学博士。大阪市立大学大学院疲労医学講座特任教授。東京疲労・睡眠クリニック院長。1962年生まれ。大阪大学大学院医学系研究科修了。2003年より産官学連携「疲労定量化及び抗疲労食薬開発プロジェクト」統括責任者。ニンテンドーDS『アタマスキャン』をプログラムして「脳年齢」ブームを起こす。著書に『すべての疲労は脳が原因』(集英社新書)などがある。「ホンマでっか!?TV」「世界一受けたい授業」「ためしてガッテン」など、テレビでも活躍中。作者プロフィール崎田ミナ(さきた・みな)イラストレーター、漫画家。1978年 群馬県生まれ。ヨガ通いによって、長年のうつ病を克服。著書に、シリーズ累計35万部のベストセラー『自律神経どこでもリセット!ずぼらヨガ』『自律神経どこでもリセット!も~っとずぼらヨガ』(飛鳥新社)、16万部突破の『職場で、家で、学校で、働くあなたの疲れをほぐす すごいストレッチ』(MdN)。本連載は「がんばらない!」をキーワードにお届けする、待望の健康図解マンガ。ananwebで、月2回更新予定!!【Twitter】@sakitamina【HP】崎田ミナ最新刊『自律神経どこでもリセット!も〜っとずぼらヨガ』(飛鳥新社)が好評発売中。
2019年09月26日体を見直したいアラフォー夫婦を描くマンガ連載「がんばらない! 体メンテ」第7回。健康というと、食事や運動ばかり気を取られがちですが、忘れてはならないのが「睡眠」。寝不足でツラい理由は、どうやら睡眠時間の問題だけではないらしい……。寝つきがいい人も、眠りの質は果たして!? 睡眠のスペシャリスト・梶本修身先生に、奥深い睡眠のしくみを教えてもらいます!マンガ・文 崎田ミナ【がんばらない!体メンテ】vol. 7起きた瞬間から疲れている。仕事や心配事に追われているとなかなか眠れないし、眠りも浅くなる作者・崎田ミナ。かたや、ベッドに入るとのび太寝(即寝)する主人Kは、いびき以外は眠りの悩みはなさそう……?「朝起きて疲れがスッキリ! 今日も1日がんばるぞ!」って理想的な朝を毎日迎えられたらなぁ~~。 Kと一緒に、東京疲労・睡眠クリニックの梶本修身先生に貴重なお話をたくさん聞いてきました!それぞれいったい何が問題なのでしょうか?【1】……「いびき」は気道が狭くなっているので、眠りながらも肺を動かすエネルギーがかなり必要になる。低酸素状態も引き起こし、休むはずの「自律神経」に負担大! かえって疲労を蓄積する。【2】【3】【5】【8】……「質の悪い睡眠」=寝不足状態になっているので、ストレスが蓄積して精神状態や体調に影響が出ている。【4】……体内時計のリズムでは「起床4時間後」はしっかり目が覚めている時間帯。眠くなるということは質の悪い睡眠の証。【6】……寝不足状態が続くと「自律神経」の機能が低下し、血圧や血糖値に影響が出る場合も。悪い睡眠のサインかも(血圧や心拍数の上昇はさまざまな要因があるので一概には言えない)。【7】……睡眠の「周期リズム」が崩れてしまう原因。【10】……めざましの突然の大きな音は、寝ているときの「副交感神経」優位の状態から「交感神経」優位の状態に強引に切り替えてしまう。「自律神経」にとって負担大!【11】……大量の寝汗をかくことにより、寝ている時に本来休むはずの「自律神経」が体温調節として酷使されてしまっている。【12】……枕や布団など寝具が体に合っていなかったり、寝返りしにくい状態で寝ているかも。1番意外なのが〈【9】ベッドに入るとすぐ眠れる!〉本来ヒトが睡眠に入るときは、少しずつ時間をかけて眠りに落ちていくもの。「どこでも眠れる」「寝つきが良い」は寝落ちしている状態。慢性的な睡眠不足の可能性大だそうです!《睡眠》には《自律神経》が大きく関係しているということ。〈質の良い睡眠〉=〈疲れがとれる〉=〈自律神経ケア〉はバッチリつながっているのですね!梶本先生から「快眠のための自律神経ケア」の方法もたくさん聞いてきました。次回は作者が「1時間前にするだけ! 入眠リラックス法」を10日間実践します! 小さな習慣を取り入れるだけで、スーッと深い眠りに落ちやすく……zzz。お楽しみに…。人によってベストな睡眠時間も、就寝時間帯も違うとのこと。勤務時間や家のことで眠る時間が不規則な人も、工夫次第で良い睡眠がとれるようになれるそうです!(参考文献)『スッキリした朝に変わる睡眠の本』(PHP)梶本修身著Information監修プロフィール梶本修身(かじもと・おさみ)医学博士。大阪市立大学大学院疲労医学講座特任教授。東京疲労・睡眠クリニック院長。1962年生まれ。大阪大学大学院医学系研究科修了。2003年より産官学連携「疲労定量化及び抗疲労食薬開発プロジェクト」統括責任者。ニンテンドーDS『アタマスキャン』をプログラムして「脳年齢」ブームを起こす。著書に『すべての疲労は脳が原因』(集英社新書)などがある。「ホンマでっか!?TV」「世界一受けたい授業」「ためしてガッテン」など、テレビでも活躍中。作者プロフィール崎田ミナ(さきた・みな)イラストレーター、漫画家。1978年 群馬県生まれ。ヨガ通いによって、長年のうつ病を克服。著書に、シリーズ累計35万部のベストセラー『自律神経どこでもリセット!ずぼらヨガ』『自律神経どこでもリセット!も~っとずぼらヨガ』(飛鳥新社)、16万部突破の『職場で、家で、学校で、働くあなたの疲れをほぐす すごいストレッチ』(MdN)。本連載は「がんばらない!」をキーワードにお届けする、待望の健康図解マンガ。ananwebで、月2回更新予定!!【Twitter】@sakitamina【HP】崎田ミナ最新刊『自律神経どこでもリセット!も〜っとずぼらヨガ』(飛鳥新社)が好評発売中。
2019年09月19日寝ても疲れがとれないのは、自律神経の疲れ=脳の疲れがとれないから。その疲れをとる唯一の方法が睡眠。3つのストレッチでぐっすり眠ろう!「全身の倦怠感、肩こり、目の疲れ……こうした疲労の原因は、筋肉ではなく脳にあります。眼精疲労解消のためホットタオルで目を温めれば、一時的にはよくなったと感じるかもしれませんが、脳の疲れをとらない限り根本的な解決には至らないのです」こう話すのは、東京疲労・睡眠クリニック院長で疲労回復専門医の梶本修身先生。梶本先生が疲労回復において注目するのは、脳にコントロールセンターを置く自律神経だ。「たとえば100メートル歩くとき、呼吸が速まり心拍数も上がりますが、これは自律神経の働きによるものです。また、座って作業していたとしても、緊張と集中力を維持するのは自律神経の役割。つまり、自律神経は日常生活の中のいたるところで活発に働いており、その活動に比例して疲れがたまっていくということです」自律神経の疲れは「脳」の疲れ。自律神経の疲れはどうすれば解消できるのだろうか。「その唯一の方法が、睡眠です。質のいい睡眠をとると翌朝には自律神経の疲れがリセットされ、スッキリと活動を始められます。ところが、睡眠が浅かったり短かったりすると、自律神経にたまった疲れが細胞の“サビ”となって蓄積されていきます」呼吸や歩行など、基本的な活動を行うだけで細胞は酸素を消費し、その1〜2%が活性酸素となる。この活性酸素が、細胞を“サビ”させ、組織の機能を低下させる。これが疲労の正体だ。自律神経の疲れが解消されず、サビが蓄積し続けるとシミやシワなどの老化の原因になるだけでなく、やがては糖尿病や高血圧などの生活習慣病を招くことになる。「どんなに寝ても疲れがとれないと感じるのは、自律神経の疲れがとれていない証拠。自律神経の機能は10代がピークといわれており、50歳を過ぎるころにはピーク時の半分以下に落ちてしまいます。機能が落ちたぶん、自律神経にかかる負担が大きくなるので、疲れが回復しにくくなるのです」こうした悩みを持つ人が注意したいのが、いびき。快適な睡眠を妨げる最大の敵だ。「寝ても寝ても疲れがとれないと訴える場合、いびきが原因であることが非常に多いのです。とくに女性のいびきは、男性よりも睡眠に及ぼす影響が甚大です」いびきをかいているとき、舌の根元や喉の筋肉などで気道がふさがれ、空気の通り道が狭くなっている。すると十分な酸素が取り込まれないので、自律神経は脳へ安定して酸素を送り込むために心拍数や血圧を上げる指令を出し続ける。「寝ているときは自律神経も休息すべきですが、これでは寝ながら運動しているのと変わりません。疲れが取れないのは当然です」女性の場合、いびきの音は小さいが、男性よりも肺活量が少ないため脳に酸素が行き渡りにくくなる。そのぶん、自律神経の働きも活発にならざるをえない。「体中に酸素を行き渡らせるのが、自律神経の重要な役割。ですから、酸素を運ぶ血流がスムーズであれば、自律神経にかかる負担が軽くなり、脳の疲労を軽減できます」そこで梶本先生が提案するのが、次に紹介する3つのステップのストレッチ。血流をよくし、いびきを防止する効果がある。【ステップ1】「太ももゆるゆる伸ばし20秒」血管やリンパ管の詰まりをとって疲労感を解消(1)ベッドや布団の上で横になる。腕は、力を抜いて体の横に置く。呼吸は深くゆっくりと。(2)両ひざを立てる。(3)太ももをできるだけ90度になるよう左右に開き、左右の足の裏をぴったりつける。そのままの姿勢で10〜15秒キープ。(4)ゆっくり太ももを閉じて、両ひざを立てた状態に戻す。【ステップ2】「ひざばたばたストレッチ30秒」寝返りの癖づけで、いびきを防止、眠りを深める(1)両ひざを立てた状態からスタート。(2)両ひざを一緒に、左側に倒す。このときはまだ、上半身は上を向いたまま。(3)右腕も一緒に、上半身も左側に倒す。(4)両ひざを立てた状態に戻したあと、右側も同様に行う。これを、左右交互に3秒ずつ、5回繰り返す。【ステップ3】「全身ゆったり伸ばし10秒」全身の関節を伸ばしてすっきりする(1)あおむけになり、深く、ゆっくりと鼻呼吸しながら、両手を上に伸ばす。目は自然に半分まぶたが閉じるくらいに。(2)ひざを伸ばし、足に力が入らない程度に両足首をまっすぐに伸ばす。(3)手首、ひじ、肩、首、腰、股、ひざ、足首という全身の関節が無理なくまっすぐ伸びていることを意識して、リラックスして10秒キープ。「ステップ1では、座っていると血流が滞りがちな股関節を伸ばし、血管とリンパ管の詰まりを解消。血流がよくなって自律神経にかかる負担が減ると、さらに血流がよくなるという好循環が期待できます。ステップ2では、寝返りの癖をつけることでいびき防止を狙います。最後にステップ3で全身の関節を伸ばし、全身の血流アップの仕上げを行ってリラックスしましょう。毎晩、寝る前に行うと熟睡できるようになり、翌朝、疲れがとれスッキリと起きられます。1回目から効果を実感する人もいますよ」簡単ストレッチで、今日の疲れは寝ているうちに解消しよう!
2019年09月19日「全身の倦怠感、肩こり、目の疲れ……こうした疲労の原因は、筋肉ではなく脳にあります。眼精疲労解消のためホットタオルで目を温めれば、一時的にはよくなったと感じるかもしれませんが、脳の疲れをとらない限り根本的な解決には至らないのです」こう話すのは、東京疲労・睡眠クリニック院長で疲労回復専門医の梶本修身先生。梶本先生が疲労回復において注目するのは、脳にコントロールセンターを置く自律神経だ。「たとえば100メートル歩くとき、呼吸が速まり心拍数も上がりますが、これは自律神経の働きによるものです。また、座って作業していたとしても、緊張と集中力を維持するのは自律神経の役割。つまり、自律神経は日常生活の中のいたるところで活発に働いており、その活動に比例して疲れがたまっていくということです」自律神経の疲れは「脳」の疲れ。それなのに私たちが「体」の疲れと思いこむ理由は、動物が本来持つ自己防衛本能にある。「自律神経に負担がかかりすぎると機能不全状態に陥るので、その前に活動をやめて休ませる必要があります。しかし、『自律神経が疲れた』という情報だけでは、確実に活動をやめるかわからない。そこで、わざと『体が疲れた』という情報を脳に与えて体の活動を止め、自律神経のオーバーワークを防ぐのです」それでは、自律神経の疲れはどうすれば解消できるのだろうか。「その唯一の方法が、睡眠です。質のいい睡眠をとると翌朝には自律神経の疲れがリセットされ、スッキリと活動を始められます。ところが、睡眠が浅かったり短かったりすると、自律神経にたまった疲れが細胞の“サビ”となって蓄積されていきます」呼吸や歩行など、基本的な活動を行うだけで細胞は酸素を消費し、その1〜2%が活性酸素となる。この活性酸素が、細胞を“サビ”させ、組織の機能を低下させる。これが疲労の正体だ。自律神経の疲れが解消されず、サビが蓄積し続けるとシミやシワなどの老化の原因になるだけでなく、やがては糖尿病や高血圧などの生活習慣病を招くことになる。「どんなに寝ても疲れがとれないと感じるのは、自律神経の疲れがとれていない証拠。自律神経の機能は10代がピークといわれており、50歳を過ぎるころにはピーク時の半分以下に落ちてしまいます。機能が落ちたぶん、自律神経にかかる負担が大きくなるので、疲れが回復しにくくなるのです」
2019年09月19日<ドクターズインタビュー>東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身先生は、長年にわたり疲労の研究を進め、東京・新橋のクリニックで疲労と睡眠に特化した診療を行っています。梶本修身先生に疲労のメカニズムと睡眠との関係についてお話をうかがいました。【梶本修身(かじもと おさみ)先生】大阪市立大学大学院疲労医学講座特任教授東京疲労・睡眠クリニック院長大阪大学大学院医学研究科卒業。医学博士・医師産官学連携「疲労定量化および抗疲労食薬開発プロジェクト」統括責任者著書『すべての疲労は脳が原因』(集英社新書)、『仕事がはかどる! 超高速脳のつくり方』(宝島社)など脳を疲れさせる寝汗といびき疲労回復に大切なことは、夜中に脳の自律神経が活動するような状況を避けることです。そのためには、ノンレム睡眠の深さを表す4つのステージでいえば3または4に相当するような深い睡眠を周期的に取る必要があります。まず悪い例として挙げられるのは、熱帯夜にエアコンをかけずに汗をびっしょりかくような寝方です。寝汗をかいているということは、体温調節のためにそれだけ自律神経が頑張っているという何よりの証拠です。いびきは睡眠中に運動をしているようなものそして、そのほかにもうひとつ、私たちが疲労の原因として、もっとも注目しているのは「いびき」です。睡眠中のいびきや無呼吸によって血液中の酸素飽和度が80%ほどに低下する方は多く、酸素が足りなくなると脳へ酸素を供給するために血圧を上げ、心拍を速くする必要があります。息を止めると心臓がドキドキしてきますが、それと同じことが深夜に起こっているのです。そうすると、眠りながら運動をしているような状況になり、自律神経は非常に疲れてしまいます。いびきをかいて眠っている人を見て、よく寝ているなというのは大間違いです。無呼吸はもちろんですが、いびきをかいているだけでも実は非常に自律神経を疲れさせているのです。女性はいびきに注意が必要女性の方の場合、男性に比べるといびきの音はそれほど大きくないことが多いのですが、むしろ自律神経へのダメージは深刻であるケースが少なくありません。女性は男性に比べて肺活量が少ないので、結果としていびきの音が小さい傾向がありますが、肺活量が小さいということは酸素を吸い込める量も少なくなります。また、女性の場合は貧血と低血圧を合併している人が多くみられます。貧血や低血圧があると脳に送られる酸素量はもともと少ない状態にあります。その結果、ちょっとしたことで酸素量が不足するので、脳に十分酸素を送るためには自律神経により負担がかかることになります。女性のいびきはホルモンの減少と関係また、女性の場合には更年期にさしかかる35歳から45歳の年代で、それまでほとんどいびきをかいてなかった方にいびきがみられるようになることがわかっています。これは女性ホルモンの減少と関係しているといわれています。一方、男性の場合にはいびきが気になりはじめるのはもう少し遅く、45歳から55歳の年代に多いという傾向があります。男性は豪快ないびきが多いため気づきやすいのですが、女性の場合はいびきの音が小さいことが多く、寝息といびきの区別がつかないような方が35歳から45歳の年代でだんだん増えてきます。ですから、女性の場合は少し寝息が大きいかもしれないという段階から注意していただいたほうがよいでしょう。いびきには簡易型PSG検査を睡眠や疲労を扱っているクリニックでは、簡易型PSG(睡眠ポリソムノグラフィー)という検査を行なっています。いびきが気になる方はまずこの検査を受けていただくことをおすすめします。簡易型PSG検査では病院に泊まって検査をする必要はありません。検査機器を宅配便でご自宅にお送りし、測定後に送り返していただくという形で検査が可能です。この検査を行うことによって睡眠時の無呼吸や低呼吸状態はもちろん、酸素飽和度や睡眠の時間や深さ、つまり睡眠の質がわかります。その検査結果は、ご本人が朝起きたときに疲れがとれている(あるいは疲れがとれていない)という感覚と非常によく相関しています。あなたのお疲れ度がすぐにわかる検査私たちのクリニックで実施している自律神経機能疲労度検査は、自律神経がどれだけ疲れているということがわかる検査です。自律神経機能検査で疲労度をみる方法は大きく2つあります。ひとつは交感神経と副交感神経のどちらがどれだけ優位になっているかという比をみるもので、もうひとつは交感神経と副交感神経を足した合計のトータルパワー値をみています。検査結果は縦軸と横軸で表されます。横軸はLF/HF(LF:交感神経系成分、HF:副交感神経系成分)と呼ばれるもので、交感神経と副交感神経の比を表しています。右に行くほど交感神経が優位なのでストレスが高いということになります。一方、縦軸はトータルパワー値を表していますので、上に行くほどほどトータルパワー値が高いということになります。縦軸のトータルパワー値は、年齢とともに顕著に低下します。また、年齢の平均値に比して下がっていると慢性的に疲労が強いということを意味します。一方、横軸のLF/HFの比は何か緊張するようなことが起こると高くなるので、日によって変わります。一般には、ストレスが高いと右にシフトし、交感神経が相対的に有になりますが、典型的な慢性疲労症候群の方のような場合には交感神経すら上がってこないことがあります。つまり、緊張した状況が作れないほど疲れているということがわかるのです。疲労の原因は、昼間の疲れか?夜間の睡眠か?私たちのクリニックには慢性的な疲労や、寝ても疲れがなかなかとれないという悩みを抱えた方が来られています。中には全国の大学病院からの紹介で来られる慢性疲労症候群の患者さんもいらっしゃいますが、こうした患者さんはすでに診断がついてから長い時間が経っていることが多く、治療も容易ではありません。しかし、そうではない方の場合にはまず疲れの原因を探り、それが昼間に起こっている原因なのか、それとも夜に起こっている原因なのかに分けて治療方針を決定します。夜に起こっている原因の可能性があるときには検査をして、実際にいびきがあればいびきを治していきます。それによって疲労が改善する方はかなり多くいらっしゃいます。いびきや睡眠時無呼吸に有効性が証明されているCPAPとは?いびきや睡眠時無呼吸の治療にはCPAP(持続的自動気道陽圧ユニット)という医療機器を使います。CPAPはきちんと装着すれば100%有効であることが証明されています。睡眠効率や中途覚醒など、睡眠の質を評価するパラメーターでみると100%の方に効果が出ていますし、疲労に関しても、疲れがとれた・軽くなったと感じている方が85%となっています。ただし、CPAPを装着すると圧迫感や違和感があるため、使うのをやめてしまう方も3〜4割おられます。そのため、私のクリニックではまずは1週間使っていただき、使用感に問題がないときに継続使用を勧めています。CPAPの保険適用基準は見直すべきCPAPを保険診療で使っていただくためには、PSG(睡眠ポリソムノグラフィー)という検査の結果が一定の条件を満たしている必要があります。現在の基準では1時間あたりの無呼吸・低呼吸の回数を示すAHI(Apnea Hypopnea Index)が簡易型PSG検査で40以上、終夜ポリソムノグラフィー検査で20以上となっています。しかし、実際にはAHIが5〜20の方であっても昼間の眠気による事故が通常より多いということはデータ上でも明らかであり、軽度だからといって治療をせずに放っておいてもよいということにはなりません。特に職業ドライバーの方が事故を起こすリスクを放置することは、社会的にも問題があると考えます。そして、いびき自体もやはりきちんと改善してさしあげたいということがあります。たしかにいびきだけの患者さんをすべて保険適用としてしまうと、対象となる方はかなりの人数になってしまうので健康保険財政上、厳しいところがあります。現在、私たちのクリニックでは、CPAPがいかに有効かということを多くの方に試していただくために、自費診療でも使っていただけるようにCPAPをご提供しています。軽度の患者さんにも有効な疲労回復CPAPの開発私自身、今よりも太っていた頃にいびきがあって調べてみたことがあるのですが、検査の結果無呼吸がそれほど多くなかったため、やはりCPAPの保険適用基準には該当しませんでした。しかしその当時、同じだけ寝ても以前に比べて疲れがとれなくなってきたという自覚があったのです。そこで自分でもCPAPを試してみたところ、それまでの目覚めと全く違ってスッキリとした朝を迎え、昼間の眠気も全く感じなくなったことは驚きでした。その後、自分でCPAPを購入していろいろ使い方を試してみましたが、それまで8時間は寝なければ疲れが取れなかったのが、今は5時間ぐらいの睡眠時間でも一日中仕事が出来るようになりました。こうした経験から、CPAPは睡眠の質を高め、結果的に疲れをとるという意味で優れているということを確信し、何人かの方に試していただいたところ、やはり非常によい結果が得られました。ただし、その当時のCPAPは無呼吸を検知して空気を送る圧を調整するような仕組みであったため、いびきを検知できるようなシステムに改良を加える必要があると考えました。そこで医療機器メーカーと相談して、現在はいびきによって送り出す空気の圧を調整する特殊なプログラムを組み込んでもらっています。疲れをとる自然な目覚め方とは?睡眠で重視すべきなのは時間ではなくて「質」です。そして、その「眠りの質」というのはまさに、自律神経をいかに休めるかということにポイントがあります。自律神経を疲れさせないという意味では、朝の目覚まし時計もできればやめておいたほうがよいでしょう。大きな音は人間に対しても動物に対しても恐怖心を呼び起こすものであり、強いストレスとなります。実際に目覚まし時計の音で起きたときの自律神経の働きを調べてみると、副交感神経から交感神経に一気に上がっていきます。その結果、心拍や血圧も15〜20%ぐらい上昇します。これでは朝一番でいきなり自律神経を疲れさせているということになってしまいます。理想的な起き方は、朝、少しずつ明るくなってきて自然に目が覚めるというものです。実は、私の自宅では照明とカーテンに少し仕掛けをしてあります。起床時間になると、最初の5分間は暗いところから桜色のライトがだんだん明るくなっていき、少しずつまぶたの上で光をゆっくり感じるようにしています。そして次にカーテンを自動で少しずつ開けていくという仕掛けになっています。この起き方をしていると自然に目覚めたような感じがするので、起こされたという感じがしません。まるで休日の朝のような目覚め方で毎朝起きることができます。そうすると、不思議なことに同じ時間でも熟睡感がかなり違ってきます。あくまでもよく眠った気がするだけなのですが、不快感なく起きるということは自律神経を疲れさせないためにも非常に大切であると考えます。そうした知見から、現在、このシステムはエコナビスタ株式会社から「快眠健康ナビ」というシステム名で商品化されています。自律神経が休まるには、「ゆらぎ」が必要眠るときの明るさについても、よく3ルクスの明るさがよいといわれています。真っ暗でもなく明るすぎるのでもなく、月明かり程度の明るさがちょうどよいというところから来ているのかもしれません。そういったこともすべて含めて、自律神経が一番休まる空間が望ましいのです。完全に締め切られた空間、まったくの無風で環境の変化がないところは動物にとって居心地がよくありません。たとえば家の中で飼っている犬は、どれだけ居心地がよくても2時間ぐらいで寝る場所を変えます。それは、家の中という「ゆらぎ」がない環境ではそよ風で匂いが運ばれることもなく、敵の侵入に気づくことができないからです。同じように、人間も環境が統一されて一定の状態にいることはリスクになります。ゆらぎがない空間というのはあまりに人工的すぎるため「何が起こっているのかわからない」と不安になり、ゆらぎがあるほうがむしろ安心できます。ですから、寝室もリビングもゆらぎを取り入れたほうが心地よく過ごせます。理想をいえばエアコンをつけて窓を開けるぐらいの感覚のほうがよいのですが、そういった自然なゆらぎの心地よさは、たとえば森の中であればお金をかけなくても手に入りますから、その意味では森林浴などはとてもよいと思います。リラックスのためには「五感が一致すること」が大切五感を一致させるということはとても重要です。たとえばスパやエステなど、リラクゼーションを提供する場所では、入った瞬間にたいてい少し暗くなっていて涼しいというつくりになっています。暗いところをあえて涼しくしているからこそ心地よく感じるのですが、それは私たちが経験上、日陰に入ると涼しい、つまり暗くなると涼しくなるということを知っているからです。逆に日陰に入って蒸し暑さを感じたら、それは近くに誰かがいるということを意味しています。このように、五感が一致していることは自然な状態であるという認識につながり、それがくい違っていると気持ちが悪いと感じます。たとえば海の香りは海の近くで感じるからこそ心地よいのであって、山で嗅ぐとあまりいい香りだとは思えないでしょう。コーラだと思って飲んだものが実はコーヒーだったら、普段好きで飲んでいるものでも一瞬吐き出したくなったりします。それと同じように、五感は常に一致していないと気持ちが悪いと感じてしまうのです。こうした感覚の一致というのは、過去の自分の体験や、もっと遡ればDNAに刻み込まれた記憶に由来するものです。それがずれているということは、何か普通ではないことが起こっていてその状況を本能的に怖がっているのだと考えられます。不自然な状態は、動物はとってはもちろん、人間に対してもリスクを与える可能性があります。ですから、不自然な状態が生じていると感じ取ったときには、自律神経が交感神経優位になって興奮する方向に働き、休まることができません。自律神経が休まるためにはむしろ副交感神経が優位になるような状況が理想的なのです。夕焼け色の照明は眠りにつくのを早める皆さんが仕事を終えて家に帰る頃、夕方の6〜7時になると空が夕焼けで赤い色に染まっていき、そして夜になります。多くの家庭ではリビングなどの照明に電球色が好まれますが、夕方の空があの色だということを遺伝子のレベルで知っているからこそ、家で過ごすときには無意識のうちにリラックスできる色を選んでいるのです。私たちも家に帰ったときに夕焼け色の照明を使うことを推奨していますし、実際に眠るときにも、あの夕焼け色からだんだん暗くなっていくようにすると寝つきが良くなります。眠る前にそうした夕焼け色の照明を2時間ぐらい浴びていると、入眠潜時(にゅうみんせんじ)といって、ベッドに入ってから眠るまでの時間が早くなるということも論文として発表しています。自然界に起こっていることを再現すると私たちは心地よいと感じます。電気のない時代には人も動物と一緒に自然のサイクルに従って生活をしていました。その記憶は遺伝子の中に深く刻まれているため、それに反することをしていると不安を自覚し、自律神経が交感神経優位に高ぶってしまうこともあるのです。自律神経をいたわるモニタリングが大切睡眠だけでなく、昼間の生活においても自律神経をいたわることは大切です。特に日本では、毎日の習慣だからといって疲れているときにも運動を欠かさないという方は多いのではないでしょうか。しかし、本来は疲れを自分でモニタリングして行動することがとても重要です。たとえば朝、ベッドから出た第一歩で疲れているな、足が重いなと思ったら、それは前日の疲れがまだ残っているという証拠です。日中の負荷が強ければ翌日に疲れが残りやすく、また睡眠の質が悪くても疲れが残りやすくなります。そのどちらかが(あるいは両方が)起こっているわけですから、その日は運動を控えるというようなことを考えてもいいはずです。また、本来は朝起きてから4時間後が一番覚醒している時間だといわれています。朝7時に起きる方なら11時、朝6時起床なら10時がもっとも覚醒した状態にあるというわけです。ですから、その時間に眠さを感じているようであれば、睡眠が足りていないか、あるいは前の日の疲れが過剰であったということになります。もし睡眠がちゃんととれているとしたら、前の日の運動や作業の負荷が普段より強かったのかもしれません。「なんとなく」の衝動を大切に患者さんへのアドバイスとして私がいつもお伝えしているのは「衝動を大切にする」ということです。「なんとなくしんどい」「なんとなく今日は歩きたくないからタクシーにしよう」「今日はなんとなく会社に行きたくないな」などと思うことは誰にでもあるのではないでしょうか。この「なんとなく」という、どこからともなく浮かんでくる衝動は、実は全身から上がってくるデータ集計であり、統計解析の結果なのです。私たち人間が実際に意識できることはごく一部であり、ほとんどのことは無意識のところで行われています。たとえば、「今日、カレーが食べたいな」と思っても、それがどこから浮かんできたのかわからないということはよくあります。人間のひらめきや行動の多くはそうしたものですが、実はこの「衝動」を無視し続けることは健康を害する恐れがあります。「今日はなんとなく運動したくないな」というときには、はっきりとした自覚がなくても疲れていたりするので、そんなときにはトレーニングジムに行かないほうがよいのです。これは怠け者の方がいいと言っているわけではありません。自分の感性に正直であるべきであり、その感性を隠してしまうことが一番危険だということです。意欲や達成感、楽しいことがあると隠れてしまうので、自分でモニタリングした感性はもっと大事にするべきですし、根拠がわからなくても、衝動として上がってくるものには実は意味があるのです。自分の体の状態を意識的にモニタリングすることはなかなかできません。たとえば熱っぽいかなということぐらいは感じ取れても、血圧すら自分ではわかりませんし、同じように疲労も自分ではよくわからないことがあります。「今日はなんだかやる気が出ない」というときには、体が何らかの警告を発しているのだから無視してはいけないという意識を持つべきでしょう。
2017年03月13日<ドクターズインタビュー>東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身先生は、長年にわたり疲労の研究を進め、東京・新橋のクリニックで疲労と睡眠に特化した診療を行っています。梶本修身先生に疲労のメカニズムと睡眠との関係についてお話をうかがいました。【梶本修身(かじもと おさみ)先生】大阪市立大学大学院疲労医学講座特任教授、東京疲労・睡眠クリニック院長大阪大学大学院医学研究科卒業。医学博士・医師産官学連携「疲労定量化および抗疲労食薬開発プロジェクト」統括責任者著書『すべての疲労は脳が原因』(集英社新書)、『仕事がはかどる! 超高速脳のつくり方』(宝島社)など疲れをとるには、睡眠が最適の手段私たちは疲労の専門家として、睡眠を専門としている先生方とは違う方向から睡眠の研究をしています。私はもともと大阪大学の精神神経科で睡眠を専門としていましたが、その後、疲労に関することをテーマに研究を行う中で、睡眠はあくまでも疲れをとるための「手段」であると考えるようになりました。したがって「よい睡眠とは何か」といえば、前の日の疲れがとれるということが私たちにとってのよい睡眠の定義となります。一般的に「今日はよく眠れた」という言い方をしますが、その場合の「よく眠れた」というのは、朝起きたときに前の日の疲れがとれているということであり、それがすなわち、多くの人々にとっても一番よい睡眠であるといえます。ですから、たとえば睡眠の質を調べるPSG(睡眠ポリソムノグラフィー)検査でまったく問題がなかったとしても、朝になって疲れが残っていたとしたらそれはよい睡眠とはいえません。私たちは疲労回復物質や疲労を起こしにくくする物質の研究をしていますが、もしも疲れをまったく起こさないようにできれば、あえて睡眠をとる必要はありません。しかしそうした夢のような物質が見つかるまでは、疲れをとるために睡眠は不可欠であり、できるだけ効率のよい睡眠をとることが最も適切であるということになります。私はちょうど今、寝てもなかなか疲れがとれない方のための本を書いています。これは、いわゆる不眠に関する本ではありません。実は、寝ても疲れがとれないと感じている方は非常に多くいます。もちろん、よく眠れないという方や不眠症の方のための情報も大切なのですが、今回は、「寝ても寝ても疲れがとれない方はいったい何を改善したらいいのか?」ということを中心にお話ししていきたいと考えています。慢性的な疲労の2つの要因慢性疲労を起こす理由は2つあります。ひとつは睡眠では回復できないほど日中の疲労の負荷が強すぎること。もうひとつは睡眠の質が悪く前日の疲労を十分に回復できないことです。つまり、慢性的な疲労を蓄積させないためには、昼間の疲労を軽減するか、夜に疲労の回復を促すか、この2つしか克服法はありません。一度起こってしまった疲労を昼間のうちに回復させることはできません。日常生活で疲れにくくするための方法はさまざまなものがありますが、それらは疲労を回復させているのではなく、それ以上悪化することを防いでいるだけです。つまり、疲労を回復させる手段は睡眠しかないのです。すべての疲れは脳が感じている「自律神経の疲労」だった私たちの研究の結果、運動疲労(肉体疲労)だけでなく、精神作業疲労と呼ばれるデスクワークの疲労や眼精疲労も含めて、昼間に起こっている疲れは自律神経の疲労であるということが明らかになってきました。たとえば運動をしたときには心拍や呼吸が早くなりますが、それを調節しているのは脳の中にある自律神経の中枢であり、汗を出して体温を調節しているのもまた自律神経です。ゴルフであれマラソンであれ、真夏の炎天下と11月では同じ時間・同じ距離であってもその疲れ方は大きく異なります。行動量には差がないのに、温度や湿度などの気候の差、すなわち体温コントロールを行う自律神経が疲れてしまうのです。自律神経は、発汗、心拍、呼吸、血圧などを秒単位で調整して、身体を常に安定した状態にする働きを司っています。真夏の場合にはその負荷が非常に強くなることから、自律神経が疲れると考えられています。もしも運動疲労の原因が筋肉そのもののダメージであるならば、真夏でも11月でも疲れは変わらないはずです。運動疲労というと体の疲れのように思われがちですが、実は体ではなく脳の中にある自律神経の中枢が疲れているのです。自律神経の疲れは活性酸素による細胞のサビ自律神経の疲れは活性酸素(かっせいさんそ)によるものです。私たちが何らかの作業をして自律神経の細胞が一生懸命働くときには酸素を消費します。すると、その過程で活性酸素が発生して神経細胞自体を錆びさせてしまいます。そしてその神経細胞が錆びると、全体を構成する自律神経の中枢自体の機能が落ちてしまいます。これが自律神経の疲れのメカニズムです。この自律神経の機能低下が起きると、その情報はちょうど眉間の裏側に位置する眼窩前頭野(がんかぜんとうや)という脳の部位にサイトカインという物質を通じて伝えられます。これがいわゆる「疲労感」として認識されます。そのときにあえて「体が疲れた」と感じさせることによって、これ以上作業をさせないようにして体を酷使することを防いでいるのです。ですから、本当は自律神経が疲れているにもかかわらず、私たちは「自律神経が疲れた」とは感じず、「体が疲れた」というように誤解させられているのです。そうしなければ作業をやめることなく、もっと頑張ろうとしてしまうからです。つまり、疲れは防御反応から来るアラート(警報)なのです。疲労と老化のメカニズムは同じもの疲れと老化は基本的には同じものです。細胞が活性酸素で一時的に錆びた状態が疲労。そのサビが固まってしまって取れなくなった状態が老化です。つまり、疲労と老化の違いは、サビが一過性かそうでないか、可逆的か不可逆的かということになります。これは脳の中の神経細胞で考えるとわかりにくいかもしれませんが、肌の変化を考えていただくとわかりやすいでしょう。たとえば海水浴などで日焼けをしても、それは一時的なものですぐに元に戻ります。日焼けした肌は疲れている状態ですが、それは数日経てば元の状態に回復します。言ってみればこれが肌の疲労ということになります。沖縄に住んでいる人や、さらにいえば東南アジアの赤道に近いところに住んでいる人たちは一年中強い日差しにさらされて生活しています。このように毎日肌を紫外線などによって疲れさせていると、結果的に肌のダメージが可逆的なものから不可逆的なものになり、単に色が黒くなるだけでなくシミやしわとして定着します。これが肌の老化です。つまり、可逆的な範囲にとどまっているのが「疲労」であり、それが不可逆的な段階に至ると「老化」となります。ですから、その意味では老化を防ぐアンチエイジングのもっともよい方法は疲れないようにすることであるといえます。疲れも老化もまったく同じ酸化ストレスが原因であり、その酸化ストレスがこびりついて取れなくなった状態が「老化」となっていくのです。「活性酸素がたまる」というのはウソ?よく「活性酸素がたまる」と言いますが、活性酸素の寿命は長くても数十秒です。その一瞬で細胞を錆びさせてしまうのです。周りのものを酸化して錆びると活性酸素自体は還元してなくなってしまうので、長い間とどまっていることはありませんし、それ自体を測ることもできません。酸化ストレスマーカーといって、尿の中に出てくる8-イソプラスタンや8-OHdGなどの物質を酸化ストレスの指標にすることがありますが、それらは酸化ストレスの結果代謝されたものが尿中に含まれる値をみています。ですから、ストレスマーカーはあくまでも活性酸素が悪さをした結果出てきた錆(サビ)を測っているようなものであり、活性酸素自体を測っているわけではありません。活性酸素に抗酸化物質は有効か?疲れの原因が活性酸素による酸化ストレスであるならば、抗酸化物質によってこれに対抗するということが考えられます。活性酸素が発生しては消えていくので常に抗酸化物質がそこに存在しなければならないということです。ビタミンCは強力な抗酸化物質のひとつですが、摂取してから体の中に滞在している時間は1〜2時間といわれています。いったん活性酸素をきれいになくすことができたとしても、ビタミンCが代謝されて体の中からなくなってしまえば、そのあとは効力がありません。抗酸化作用を持続させるためには、たとえば点滴のような形で体に入れるような工夫が必要となります。ブルーベリーに含まれるアントシアニンやリンゴに含まれるアップルフェノンなどのポリフェノール、そしてカテキンなども非常に優れた抗酸化物質ですが、やはり同様に2時間以内にほとんど消えてしまうといわれています。たとえばアントシアニンなどは代謝が早く、体内に取り入れてから30分ほどでピークになるといわれています。ですから、もしもサプリメントとして摂るのであれば、少量ずつこまめに摂るほうがよいかもしれません。抗疲労物質イミダペプチドのメリット私たちが推奨しているイミダペプチドという抗疲労物質がなぜいいかというと、先にお話しした脳の自律神経の中枢にそのイミダペプチドを合成する酵素、すなわちイミダペプチドを作る工場があるからです。つまり、材料さえ供給すれば自律神経の中枢で作ってはそこで効果を発揮するということをおよそ8時間にわたって継続することができます。実際の抗酸化力そのものは、先ほど挙げた抗酸化物質の中ではイミダペプチドは決して強力とはいえません。しかし、それが自律神経の中枢で作用するということが非常に重要なポイントです。イミダペプチドを作っている工場は骨格筋と自律神経中枢にあります。脳と血管の間には血液脳関門というものがあり、血管から脳への物質の移動を制限して分子量の大きい物質を通さないようにしています。イミダペプチドは体内に摂取した後アミノ酸に分解されるので、最小単位のアミノ酸の状態で関門を通過し、脳へ到達することができます。しかし他の抗酸化物質の場合は、比較的通過しやすいポリフェノール以外は関門に引っかかってしまって脳には届きません。疲れの原因は自律神経の中枢ですから、脳に届かなければ肝心の自律神経にはまったく作用しないということになります。眼精疲労も自律神経の疲労眼精疲労については90年代頃からさかんに研究されてきました。その結果、目や視神経の疲労だと思われていた眼精疲労も実は自律神経の疲労であるということがわかってきました。動物の脳は、活発に活動をしているときには交感神経優位の状態にあり、リラックスしているときには逆に副交感神経優位となります。自律神経はこのように交感神経と副交感神経がうまく拮抗してバランスをとっています。ですから、私たち人間も仕事をしているときには交感神経優位の状態を保っています。動物が、獲物を追いかけるときや逆に敵に襲われる危険があるときなどは、交感神経が優位となります。このようにリスクが高い状況では、遠くを見る必要があるため、目に交感神経の刺激が伝わると、眼球内の水晶体を薄くして屈曲率を下げ、遠くがよく見えるように調整されます。このことは私たち人間も含めて全動物に共通する仕組みです。一方、お母さんのおっぱいを飲んでいる赤ちゃんや、その赤ちゃんを抱いているお母さんが見ている対象はおおむね70cm以内のごく近い距離にあります。このように脳がリラックスしている場合には、副交感神経が高まります。目に副交感神経の刺激が伝わると水晶体のレンズが分厚くなって近くがよく見えるようになります。つまり、基本的にすべての動物は、仕事モードのときには交感神経優位でレンズを薄くして遠くを見るようにし、安心できるときはレンズを厚くして近くを見ているのです。50万年の人類の歴史の中でこの数十年だけは、仕事や勉強などで集中して近くを見る時間が多くなりました。その場合、脳は交感神経優位となっているにもかかわらず、目には副交感神経の刺激を出さなければ近くを見ることができません。この矛盾が眼精疲労を引き起こしているのです。眼精疲労は筋肉が痙攣しているときのような状態眼精疲労を起こしている方を調べてみると、実際、目のレンズの厚さを調節する毛様体筋が痙攣(けいれん)を起こしているときのような状態になっていることがわかりました。こむら返りで足がつったときなど、筋肉が痙攣しているときには、関節を曲げるように働く筋肉と伸ばす側の筋肉が同時に収縮しているということがみられますが、眼精疲労でもそれと同じようなことが起きていたのです。眼精疲労を起こしている方のほとんどは、パソコンのディスプレイなど近くを見て仕事をしています。逆にいえば、遠くを見て仕事をしていると眼精疲労を起こしにくいと考えられます。3D(三次元映像)などの技術を用いることによって、近い距離にあるディスプレイを見ていながら、たとえば3m先などもっと遠くに目の焦点距離を合わせることがごく自然に実現できれば、眼精疲労を軽減できるようになるかもしれません。慢性疲労は自律神経失調症と同じ症状が出る眼精疲労が進行すると自律神経失調症と同じ症状が出てくることはよく知られていますが、眼精疲労に限らず運動疲労も徹夜による疲労も、慢性化した疲労はすべて結果的には自律神経失調症と同じ状態になる可能性があります。頭が痛い・重い体がだるい耳が遠く感じる目がしょぼしょぼする・目が乾くろれつが回りにくくなるふらつく汗が止まらなくなるこれらはすべて自律神経失調症の症状に共通していますし、徹夜明けなどにも同じような症状がみられます。つまり、自律神経失調症と慢性疲労とはほぼ同じ状態が表れるということです。こうした疲労は自律神経の疲労によるものがほとんどですから、その自律神経の疲労を睡眠によっていかにとるかということが非常に重要なのです。
2017年03月12日5月 22日(金)~ 6月 15日(月)、渋谷・パルコミュージアムにて写真家・薮田修身がMr.Childrenの姿を収めた150点以上にのぼるスナップ写真を展示する「薮田修身写真展BLACK BOX - unpainted face of Mr.Children -」が開催中。薮田修身は、ファッションフォトグラファーとして、雑誌、カタログ、広告、ムービーなどを中心に活動しており、ライフワークとして個人撮影も精力的に行っている。薮田修身とMr.Childrenは、1999年NYのレコーディングスタジオで出会って以来、プライベートでも親交がある。そんな薮田修身が、2004年からアーティスト写真、アルバムジャケット、LIVEを撮り続けてきた。薮田修身だからこそ写し出し捉えてきた4人の素顔、誰も目にしたことのないMr.Childrenが垣間見れる。ミスチルファンはいうまでもなく、そうでない人も必見。Mr.Childrenの等身大の魅力を感じることができるはず。本展では、写真展会場で展示する作品に加え、未公開写真を多数収録した写真集「BLACK BOX -unpainted face of Mr.Children-」も先行販売される。また本展は、渋谷での開催以降、全国に巡回開催する。(text:Miwa Ogata)
2015年05月25日東京都・渋谷のパルコミュージアムは、写真家・薮田修身が捉えたMr.Childrenの素顔を公開する写真展「薮田修身写真展 BLACK BOX -unpainted face of Mr.Children-」を開催する。会期は5月22日~6月15日。開場時間は10:00~21:00(最終日は18:00閉場)。入場料は一般500円、18歳以下無料。同展は、2004年から2015年まで、撮影を通してメンバーと深い関係性を築いてきた写真家・薮田修身がMr.Childrenの素顔を捉えたスナップ写真150枚以上を展示するもの。会場では、展示作品を収めた写真集が先行販売される。同時に、写真集にも未収録の、会場でしか見ることのできない写真も多数展示されるということだ。同展の開催に際し、薮田氏は次のようにコメントを寄せている。「一番大事にしているものは何かと聞かれたら。野球のグローブでもカメラでもギターでもなく、僕は迷わず、写真データが詰まったハードディスクを選ぶ。いわば、自分にとってのブラックボックスのようなもの。ここには、Mr.Childrenがたどってきた11年間の軌跡がある。彼らを撮り続けることが、いつしか僕のライフワークの一つとなった。今回は音のない場所で、アーティストとしてのミスチルではなく、普段どおりの4人の素顔を見てください。特別なことは何もしていない、等身大の彼らの魅力を感じてほしい。ここにいるのは、"ただのミスチル"。」
2015年05月21日