佐藤江梨子と柳楽優弥主演の『すべては海になる』が1月23日(土)に公開初日を迎えた。佐藤さん、柳楽さん、そして山田あかね監督による舞台挨拶が都内劇場で行われ、先日結婚式を挙げたばかりの柳楽さんへの祝福ムードで大きな盛り上がりを見せた。どこかで寂しさを感じている書店員の夏樹(佐藤さん)と崩壊した家庭を一人、立て直そうとする高校生の光治(柳楽さん)の「本」を介してのつながりを描いた本作。佐藤さんは、公開初日を迎えての気持ちを尋ねられ「昨日、生まれて初めて流れ星を見たんですよ!まあ…ただのコバエだったんですけど(苦笑)。そのときに『願いごとしなきゃ!』と思って、『たくさんの人が来てくれますように』とお願いしました」と語り、満席の客席を見て喜びの表情を浮かべた。そして「うちの姉と弟は2人とも書店で働いた経験があって、私も働いてみたかったので、夢がかないました!」とニッコリ。実際の本屋での撮影について「貸し切り状態で、本が読み放題だったので、雑誌から芸能人本まで読みました」と語ったが、司会者からの「じゃあ、撮影中にそこのあった本は全部読んだんですか?」という珍妙な質問に思わず「そりゃ無理だろ!」と怒気を含んだツッコミを入れ、次の瞬間ハッと正気に返って「それはムリでしょう?」と優しい笑顔を浮かべて言い直し、会場は笑いに包まれた。柳楽さんが挨拶しようとすると、すかさず客席から「結婚おめでとう!」という祝福の声が。柳楽さんは「ありがとうございます」と笑顔で返した。今回の役について「僕は本を読まないし、2年ぶりの演技ということで、監督に『本読みをやりたい』とメールしました。でも、監督と2人で本読みをやると、監督が相手役を演じるので僕の芝居を見れないんです(苦笑)。監督はそれに気づいて『助監督呼んでいいですか?』って。それから佐藤さんや白井晃さんとかいろんな人が入ってきて、結果オーライでした」とふり返った。監督は柳楽さんについて、というか柳楽さんの結婚について「ウブな少年の役になりきっていて、ガールフレンドの気配を全く見せなかった」と証言。佐藤さんもこれにすかさず「(事前に何も言わなかったことを)責めてない。責めてないよ。でもびっくり!触ったら壊れそうな少年を演じてたので、少し距離を置いて接してたら…『あれー?』って感じ」とやっぱり責めてる?さらに、この映画をどんな人に観てほしいか?という質問に柳楽さんが「ヨメに…」と答えると、佐藤さんは「オー!!」と歓声を上げ、「私も(柳楽さんの奥さんと同じ)エリーだよ!」と興奮した様子でよく分からないアピール。会場には拍手と笑いがわき起こった。『すべては海になる』は新宿バルト9、梅田ブルク7ほか全国にて公開中。■関連作品:すべては海になる 2010年1月23日より新宿バルト9、梅田ブルク7ほか全国にて公開©「すべては海になる」パートナーズ■関連記事:サトエリ&柳楽優弥、カンヌで「運命の出会いをした」『すべては海になる』完成披露世界最大のお化け屋敷“戦慄迷宮”が、清水崇監督&柳楽優弥主演で映画化
2010年01月23日5年前、『誰も知らない』で鮮烈映画デビューを飾り、カンヌ国際映画祭・最優秀男優賞を日本人初、史上最年少で受賞した俳優・柳楽優弥。その後も『星になった少年 Shining Boy & Little Randy』『シュガー&スパイス 風味絶佳』、『包帯クラブ』と主演を重ね、現在19歳──。あどけない少年からたくましい青年に成長した。そんな彼が「ハリウッド3D映画元年」と言われる2009年に挑んだのは、『呪怨』の清水崇監督が手掛ける日本初のデジタル3D実写長編映画『戦慄迷宮3D』。富士急ハイランドにそびえ立つお化け屋敷「戦慄迷宮」を舞台にしたアトラクション・ムービーだ。スリラー特有の演技に初挑戦「時間のあるときは1日にDVDを3本観る」というほど映画好きな彼だが「ホラーやスリラー映画は苦手」だと言う。ということは『戦慄迷宮3D』はかなりの挑戦だったに違いない。「最初に(富士急ハイランドの)『戦慄迷宮』に足を踏み入れたとき、ここで2週間か…きついなって思いましたね。ホラー映画やお化け屋敷が苦手っていうのもありますけど、周りに何もないんですよ。僕の大好きなレンタルビデオ屋がないじゃん!って(笑)。でも、スタジオに作られたセットではなく、本物のお化け屋敷での撮影はテンションが全然違いました。本気になりやすかったです」と現場をふり返り、今回の挑戦のひとつに“リアクション”があったと説明する。「僕、普段のリアクションが薄いんですよ。プライベートの柳楽優弥は反応が薄い(笑)。だけど、今回の映画はスリラーだからリアクションを大きくしなくちゃならなくて…それってどうしたらいいんだろうってずっと頭を悩ませていたんです。悲鳴をあげる演技はこれまでやったこともないし、自信もなくて、やるのが嫌だった。で、監督にあらかじめジャブを打っておこうと思って『このシーンは悲鳴をあげないで、震えながら失神するっていうのはどうですかね?』って提案してみた。でも、『いや、ここは悲鳴をあげよう』って、あっけなくカウンターくらいました(笑)。さらにストレートが飛んできて『そのシーンで泣いてくれるかな』って言われて…」と、苦笑い。けれど、結果的には「俳優“柳楽優弥”としての財産になった」と笑みを浮かべ、こう続ける。「やってみると、叫びながら泣くっていうのは、気持ちを表現する上で、もの凄くやりやすいんです。心の底から悲鳴をあげる芝居に挑戦できて新鮮でした」。そんな彼の言葉と同じく、観客もまた俳優・柳楽優弥の新しい一面を見ることになるだろう。スリラーもの、ホラーものというと、1980年代に流行った『13日の金曜日』のようなスラッシャー・ムービーを思い浮かべる人も多いかもしれないが、本作にはジェイソンのような殺人鬼は登場しない。そこにあるのは、人間の本質、心の奥底に潜む怖さだ。主演の柳楽をはじめスリラー・ホラー系作品が初挑戦だった5人のキャストたちは『ローズマリーの赤ちゃん』や『エクソシスト』といった映画を参考に、単に叫ぶだけではない本当の心理からくる恐怖を体現してみせた。「個性的な役柄ではなかったので、特別な役作りはしなかったけれど、彼の性格とか心情の変化を台本に書き込んでいましたね。あとは、現場の空気感や監督の演出でつかんでいった感じです」と、やりやすい現場だったと話す。もしも、好きな人にお化け屋敷に誘われたら…?また、その目力が与える印象なのか、大人以上の落ち着きを放ちクールなイメージの強いが、実は人なつっこい性格のようだ。警戒心が解けると「撮影の初日の前日は緊張して寝られないタイプ」「役者ではない普段の柳楽優弥は地味でオタクっぽい」「子供の頃は遊園地が大好きだったけれど、ジェットコースターみたいな勢いのあるアトラクションは苦手だった」など、自分自身や家族との思い出を無邪気に語る。そして、ときおり見せるキリッとした力強い目にドキッとさせられる──そのドキッとする一瞬に魅力的な男性(俳優)に成長していると実感する。最後に「怖いのが苦手」だという彼にあえてこんな質問を投げかけてみた。ものすごく好きな人がお化け屋敷に行きたいと誘ってきたら?「もしもですよ、マライア・キャリーが『togetherしようよ』って言ってきても『ノー!』って断ります。大好きな歌手の安室奈美恵さんが『一緒に行こうよ』って言っても『ノー!』、大好きな女優さんの宮崎あおいさんが『どうしても行きたいんだけど…』って言っても『ノー!』。誰に誘われても『ノー!』ですね」。本当に怖いのが苦手らしい。ハリウッドから『戦慄迷宮3D』のようなホラー・スリラー作品へのオファーがあっても「ノー!」なのだと、茶目っ気たっぷりに答える。ということは、柳楽優弥を「戦慄迷宮」に2週間止まらせた清水監督は、彼にとってものすごく偉大な監督ということになる。19歳の若手実力派が「怖いけれどしっかりしたストーリー」だと太鼓判を押す『戦慄迷宮3D』のスリルと恐怖をぜひ映画館で確かめてほしい。(text:Rie Shintani)柳楽優弥プロフィール1990年3月26日生まれ2004年『誰も知らない』で第57回カンヌ国際映画祭にて日本人初史上最年少となる最優秀男優賞を受賞。その後、『星になった少年 Shining Boy & Little Randy』(’05)、『シュガー&スパイス〜風味絶佳〜』(’06)、『包帯クラブ』(’07)に主演。昨年11月には著書「止まない雨」を発表、次回作『すべては海になる』(2010年1月23日公開)の公開を控える。オフィシャルサイト:■関連作品:戦慄迷宮3DTHE SHOCK LABYRINTH 2009年10月17日新宿バルト9、梅田ブルク7ほか全国にて公開© ショック・ラビリンス・フィルム・コミッティ2009■関連記事:3連休は新感覚を先取り!『戦慄迷宮3D』見どころ凝縮のフッテージが無料で上映『戦慄迷宮3D』世界配給決定!柳楽優弥は映画祭よりも観光で海外に行きたい?清水崇ティーチイン付き!『戦慄迷宮』3D特別試写会に5組10名様をご招待清水崇、アジア代表でヴェネチア入りジャパニーズ3Dホラーに1,000人驚愕!『戦慄迷宮3D』撮影快調!柳楽優弥「暗いところは本当に怖い…」
2009年10月09日