第25回東京国際映画祭(以下、TIFF)の開幕を前に実現した、映画祭プログラミング・ディレクターの矢田部吉彦とモデルの雅子による対談<後編>をお届け!今年で創設5年目を迎え、雅子さんが審査員を務めることになった「natural TIFF」の魅力、さらに矢田部さんを毎年、刺激しつつも苦しめるコンペティション作品15本の選定のプロセスとは――?雅子:矢田部さんがTIFFに関わるようになったのは第何回からですか?矢田部:15回目からですね。トム・クルーズが『マイノリティ・リポート』(’02)のプレミアで渋谷の街を歩きました。その年はエイドリアン・ブロディも来日しました。選定に関わるようになったのは18回目からですが、最初は日本映画でした。徐々に海外作品にも携わるようになり、コンペティションに関わるのは今回で6回目です。雅子:作品選びは慣れていくものですか?矢田部:慣れませんねぇ…。でも作品の選び方は変わってきたと思います。初めて選んだコンペ作品と見比べてみると、良い作品だと思いつつもいまだったら選ばないかもというものもありますね。――矢田部さんの中では選ぶ上での基準などはあるんですか?観客層を想定したり、あるいはとことん作品の質を重視したり…。矢田部:そこは両方意識してます。15本の中で、完全なアート映画で作家の個性が炸裂しているけど、万人受けしなくてもいいから入れようと思う作品もある。でも、15本全てそんな作品が揃うと偏ってしまうので、クオリティを重視しつつ、よりオープンな作品を入れてバランスを取ったりします。雅子:年ごとの全体のテーマがあるわけではないんですね?矢田部:ないです。結果的に、例えば昨年は移民問題を描いた作品が多かったりというのはありますし、今年は安楽死を扱った作品が多いですが、選んでる最中は意識してないですね。雅子:選ぶ際は候補作をふるいにかけていく感じですか?矢田部:そうですね。今年は1,000本以上あったんですが、それを50本くらいに絞って。30本くらいになれば、後はパズルのような感じですね。「この2本はどちらも良いけどカブっているのでこちら」とか。あとは国のバランスです。今年はチリ映画で面白いものがいくつもあったんです。でも東京の映画祭のコンペに3本もチリの作品が入ってるのも不自然でしょ?そのチリ映画には全く罪はないし、違う年や国だったら入ってもおかしくないけど泣く泣く外したり…。8月中はそんな感じでずっと胃が痛いです(苦笑)。夢の中でもとり憑かれてます。雅子:頭の中を覗いてみたいですね(笑)。一晩、考えに考えた末に外したりとか?矢田部:もちろんあります。雅子:夜中に書いたラブレターを朝になって読み返すような(笑)。矢田部:背負いきれなくなったら周りに観てもらって、「いいよね?」と背中を押してもらいます。非常に孤独な作業であると同時に共同作業なんです。ただ合議制で選べば全てが中途半端になってしまうので、最終的には誰かが個性を汲んで選ばないといけないとは思ってます。――先述の『最強のふたり』もそうですし、『アーティスト』で今年のアカデミー賞を制覇したミシェル・アザナヴィシウス監督の『OSS 117 私を愛したカフェオーレ』(TIFF上映時の邦題は、『OSS 117 カイロ、スパイの巣窟』)が2006年のTIFF(第19回)でグランプリに輝いたり、TIFFで注目を浴びて、その後、世界的な飛躍を遂げる作品や監督、俳優も大勢います。矢田部さんが関わってきたこの10年ほどの中でもいろいろな思い出があるのでは?矢田部:アザナヴィシウス監督が受賞した際は、僕はまだ選定の責任者ではなかったのですが、『これがコンペ作品?』という声もある中で僕の前任のディレクターが選んだんです。その後の化けっぷりを見ると、その才能を見抜いていた前任者、そしてTIFFはそのことを誇っていいと思うし、オスカーを獲ったときは本当に嬉しかったです。雅子:『最強のふたり』は選ぶ過程でもこれまでと違う感触がありましたか?矢田部:正直、コンペに入れるかどうか1か月くらい悩んだんです。もっとアート寄りのフランス映画を入れるべきか?それとも観た後の爽快感を重視してこれを入れるか?コンペの性質が変わってくるので、そういう意味で最も悩んだ作品と言えるかもしれません。その後のヒットも含めて印象深いです。矢田部:さて、そんな我々が今年、これまで以上に強い思いで取り組んだのが「natural TIFF」部門です。エコロジーグリーンを映画祭のテーマカラーとして5年目になります。最初は「エコロジーと映画って相性がよくないかも…」という思いもあって、あまりガチガチなエコロジーにこだわらず、“自然と人間の共生”を描いた作品を幅広く選んできました。今年はもっとアピールしようと、どの部門よりも早めに選考に入ったんですが、観始めるとメチャクチャ面白いし、勉強にもなる。何より「このままじゃ地球がヤバい!」って思うようになりました。そこで中途半端なエコロジーではなく、ガチなエコ映画を入れて8本を揃えました。その審査員の一人を雅子さんに務めていただくことになりまして。雅子:コンペ、ワールド・シネマと同様に注目している部門で、昨年もいくつかの作品を観ています。審査員のお話をいただいたときは単純に嬉しかったし、とても光栄なことです。やはり昨年の震災以降、環境問題やエコに興味を持っている人が非常に多くなってきたと思います。特にファッション界とエコロジーは手を結ぼうという流れもありします。いまは正直、どんなに過酷な現状を見せられてもビックリしないんですよね。少し前なら「こんなのを見せるの?」と思われていたのが、実際に震災で惨憺たる現実を見せられましたから。矢田部:これをきっかけにファッションやライフスタイルなど映画とは違う世界にアピールできればと思います。いわばほかの映画、部門とは違う戦略で売り出していけたら。審査員という立場なので言えないことも多いと思いますが、ラインナップをご覧になっていかがですか?雅子:環境を扱ったもの、動物を描いたもの、それから夢を売るような作品と3つくらいのタイプに分かれてますね。エコロジーについて描く作品はすでに山ほどありますが、だからこそどんな切り口で来るのか、観るのが楽しみです。すんなりと心に入ってきたものを感じたい。全てドキュメンタリー作品ですが、映像の美しさにも期待しています。もうウソは見たくない、真実を知る発見がありますから。矢田部:こういう作品の難しさって扱っているテーマは重要だけど、作品としてつまらないことも多いということ。「この問題は伝えたいんだけど…」と思っちゃう。その点、今回はそういった部分で悩む必要のない作品が揃ってますので期待してください!雅子:はい、楽しみにしてます!(photo/interview:Naoki Kurozu)第25回東京国際映画祭は10月28日(日)までTOHOシネマズ六本木ヒルズほかにて開催中。特集「東京国際映画祭のススメ2012」■関連作品:アーティスト 2012年4月7日よりシネスイッチ銀座、新宿ピカデリーほか全国にて公開© La Petite Reine - Studio 37 - La Classe Americaine - JD Prod - France 3 Cinema - Jouror Productions - uFilmOSS 117カイロ、スパイの巣窟第25回東京国際映画祭 [映画祭] 2012年10月20日から10月28日まで東京にて開催最強のふたり 2012年9月1日よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開© 2011 SPLENDIDO/GAUMONT/TF1 FILMS PRODUCTION/TEN FILMS/CHAOCORP
2012年10月24日アジア最大規模の映画の祭典であり、今年で25回目を迎える東京国際映画祭(以下、TIFF)がいよいよ明日、開幕!これを記念して、映画祭のプログラミングディレクターとしてコンペティション部門の作品選定の重責を負う矢田部吉彦と今年の「natural TIFF」部門で審査員に名を連ねるモデルの雅子の対談が実現した。現在、共にシネマカフェでブログを執筆する2人だが、若き日には知られざる接点が!?映画の道にハマることになったきっかけからTIFFの思い出までたっぷりと語り合った。雅子:シネマカフェのブロガー同士の対談は初めてということで(笑)、よろしくお願いします。もうすぐ開幕ですね、お忙しいんじゃないですか?矢田部:忙しいですが、夏頃の殺人的な忙しさと比べたらこれで少しは落ち着きました(苦笑)。シネマカフェのブログでお隣になるまで、僕は雅子さんを詳しく存じ上げなかったんですが、ここまでフランス映画がお好きな方がいて、しかもこんな風にお話しできるようになるとは…。ここ1~2年で僕の中で最大級の感動的なイベントです!プロフィールにもフランス映画がお好きとありますが、TIFFの話の前に、雅子さんの映画にまつわるルーツをぜひ教えていただけますか?雅子:私は育ちが日本橋で銀座まで歩いて行ける距離だったので、昔のテアトル東京などは頻繁に通いました。TVの日曜洋画劇場なんかもよく観ていたこともあり、いわゆる“名画”と呼ばれる作品は小学生の頃に一通り観てました。中学生になって、家族と行くのではなく自分でお金を出して観るようにもなって、『風と共に去りぬ』とか『太陽がいっぱい』などは名画座で観ました。特にフランス映画を観るようになったのは高校生のとき。学校が飯田橋にあったんですが、午前中に映画館に行ったり…(笑)。矢田部:佳作座(※飯田橋にかつて存在した名画座)ですね。僕も中学と高校が飯田橋でしたからよく行きましたが、基本は放課後か土日でした。佳作座でお会いしてるかと思ったけど時間帯が違ったみたいですね(笑)。雅子:「明日は4限目から授業に出るから」なんて宣言して(笑)。何となく古い映画を観ていたし、モデルの仕事をするようになった頃は、フランス文化と共にフランス映画がたくさん入ってきた時期でもあり、新旧作含め、等身大ですごく影響を受けました。矢田部:ではそろそろTIFFのお話を。80年代からフランス映画のエスプリをたっぷりと浴びてきた雅子さんが、去年のTIFFで鑑賞し、その後も合わせて計3回も観たという作品があるそうですね(笑)?雅子:はい(笑)、『最強のふたり』(※昨年の東京サクラグランプリ受賞作で現在、劇場公開中)です。去年の映画祭の2日目ぐらいに観たんですが、私の中で勝手にグランプリと決めたくらい、もう『うわっ!』っていう嬉しい衝撃でした。矢田部:コンペティション作品として選んだとき、「観客賞」は獲るだろうとは思ったんです。ああいう作品を選ぶと幅が広がるんですが、一方でおカタい筋からそこまで評価されるかなという不安が若干ありました。でも会期中にいろんな方に『面白かった』と言っていただけて、徐々に手応えを感じました。雅子:最初からやられました!奇跡的なくらい爽やかで嫌みがない作品でしたね。矢田部:正直、何十年に1本という作品だと思います。その後の劇場公開でのヒットを見てもそう思いますが、いろんな方に『今年もああいう作品を楽しみにしてます』と言われるとプログラミング・ディレクターとしてはプレッシャーを感じます(苦笑)。――雅子さんはコンペ以外の部門も含め、かなり多くの作品をご覧になってらっしゃるそうですね?雅子:“ワールド・シネマ”は世界中の映画が観れるので、毎回楽しみなんです。矢田部:ありがとうございます。あの部門は配給の付かない洋画作品の“受け皿”をという思いで僕が企画した部門なので(笑)、嬉しいです。雅子さんはどういうところを重視して観る作品を選んでますか?僕がよく聞かれて困る質問なんですが…(笑)。雅子:そうですねぇ、国や監督、それから知ってる俳優がいるかな?とチェックしたり。パンフレットの写真や文章も参考にしますし、邦題と原題を見比べて気になるものには印を付けておきます。矢田部:「どれを観たらいいですか?」とよく聞かれますが、僕はズルいので「なるべく、普段観ない映画を選んだ方が世界が広がりますよ」と言ってます。僕自身は全体を総合的に見ようと思うんですが、意外とファッションや細部については見てなかったなと思うんです。雅子さんはその点は見ているんだろうなと。雅子:特に女優のファッションは重視します。基本的に女性は同性に厳しいので(笑)、つい気になっちゃう。そこは男女の見方の違いかもしれないですね。矢田部:今年、その点で注目なのがコンペティションの『メイジーの知ったこと』という作品。子役の女の子がものすごくかわいいんですけど、全シーンで違うんじゃないかっていうくらい何度も衣裳を変えるんです。子供服のカタログの全ページかってくらい(笑)!小さなお子さんのいる親やこれから子供がほしい女性にぜひ観てほしいです。ほかに気になっている作品はありますか?雅子:まずオリヴィエ・アサイヤス監督の『5月の後』(ワールド・シネマ部門)。矢田部:これは彼の最高傑作だと思います!!雅子:それからレイモン・ドゥパルドン監督の新作(『レイモン・ドゥパルドンのフランス日記』)も気になりますね。矢田部:これも僕は今年の全出品作品の中でもかなり好きな作品です。ぜひ観てください!徐々にヒートアップしてきた映画談議。<後編>では、雅子さんが審査員を務める“natural TIFF”の魅力や矢田部さんのコンペティション作品15本を選定する上での苦悩(?)などについて語ってくれています。「第25回東京国際映画祭」開催期間:10月20日(土)~28日(日)会場:TOHOシネマズ六本木ヒルズ・シネマート六本木・TOHOシネマズシャンテほか公式サイト:特集「東京国際映画祭のススメ2012」■関連作品:第25回東京国際映画祭 [映画祭] 2012年10月20日から10月28日まで東京にて開催
2012年10月19日難しい漢字が書けたらモテるかも?いまは亡き女優・夏目雅子さんが夫の伊集院静さんについて「どんな人ですか?」と尋ねられ、「薔薇や憂鬱なんていう難しい漢字をすらすら書ける人」と答えたのは有名なエピソード。最近は、パソコン・携帯電話などが簡単に漢字変換してくれるので、読めても書けないという人も多いのでは?そこで、どんな漢字が書けないかをマイナビの男性会員416名にお尋ねしました。>>女性編も見るQ.読めるけど書けない漢字を教えてください(複数回答)1位薔薇(ばら)74.8%2位檸檬(れもん)57.5%3位葡萄(ぶどう)54.1%4位蒟蒻(こんにゃく)53.9%4位痙攣(けいれん)53.9%6位林檎(りんご)52.2%■薔薇(ばら)・「最近は、もっと簡単な漢字も書けなくなっている」(28歳/自動車関連/技術職)・「何度練習しても覚えられない」(30歳/金融・証券/専門職)・「目で覚えている感じがする」(31歳/機械・精密機器/技術職)■檸檬(れもん)・「書き方を覚えても、使い道が思いつかないから」(33歳/商社・卸/事務系専門職)・「何かかっこいい」(29歳/学校・教育関連/事務系専門職)・「これはわかりません」(35歳/運輸・倉庫/営業職)■葡萄(ぶどう)・「果物系は弱いです」(41歳/ソフトウェア/技術職)・「漢字検定1級レベルの難易度です。これ、書ける人の方が少ないと思いますよ」(36歳/印刷・紙パルプ/技術職)・「読めるけど書けない」(22歳/食品・飲料/技術職)■蒟蒻(こんにゃく)・「無理」(22歳/小売店/営業職)・「字は基本的に書けないものが多いです……」(29歳/団体・公益法人・官公庁/営業職)・「変換に頼ると大変なことになるなと思った」(23歳/学校・教育関連/営業職)■痙攣(けいれん)・「新聞や小説で見たことがあったから」(20歳/自動車関連)・「漢字は苦手です」(44歳/情報・IT/事務系専門職)・「画数が多すぎる」(41歳/その他)■番外編:イメージと現実が「乖離」しすぎて書けません・乖離(かいり)/甕(かめ)「乖離は読めるけど書けないです。日常使わない漢字は書けないです。甕も無理、書けません。字がぐちゃぐちゃになると思います」(56歳/機械・精密機器/事務系専門職)・顰蹙(ひんしゅく)「使わないから書けない」(26歳/運輸・倉庫/事務系専門職)・髑髏(どくろ)「骨骨しすぎ」(25歳/医療・福祉/事務系専門職)総評栄えあるというよりも、残念な1位に選ばれてしまったのは、「薔薇(ばら)」です。読めても書けない漢字の定番ということで、覚えようとチャレンジした方も少なからずいらっしゃいました。わかっているのに、いざ書こうとすると書けないという意見の一方で、書く必要のない漢字だと断言する声も多々見られました。2位は「檸檬(れもん)」です。中国語「檸檬(ネイモウ)」が由来とのこと。レモンを檸檬と表記することはあまりなく、喫茶店の名前か、梶井基次郎の短編小説のタイトルくらいしかなじみのない言葉。しかし、半数以上の方が書けなくとも読めたということは、素晴らしいですね。3位も果実の「葡萄(ぶどう)」でした。果物屋さんや、「葡萄酒」のようにワインのラベルなどでは見かける漢字ですが、日常で書くことはありませんものね。果実では「林檎(りんご)」も52.2%の支持を獲得。皆さん、果実系の漢字が苦手のようですね。「蒟蒻(こんにゃく)」と「痙攣(けいれん)」が同率で4位。「蒟蒻」は、「蒟蒻ゼリー」「蒟蒻畑」で視覚的になんとなく覚えているものの、書けと言われると、あいまいもことして書けないようです。「痙攣」は、日常会話では発するものの、漢字で書くことはまずありませんから、書けないのも当然かも。メールやSNSなど、文章を打つ(書く)機会が多く、仕事の書類もほとんどがパソコン頼りになっているなか、実際に手書きで文章を書く機会は少なくなりました。読めても書けない漢字が多くなるのは当然かもしれませんね。(文・OFFICE-SANGA花澤和夫)調査時期:2011年5月21日~2012年5月25日調査対象:マイナビニュース会員調査数:男性416名調査方法:インターネットログイン式アンケート■関連リンク【男性編】言われるとむかっとするつなぎ言葉ランキング【男性編】思わず言ってしまう短い言葉ランキング【男性編】ビジネスで使う絶対実現しない社交辞令だと思うフレーズランキング完全版(画像などあり)を見る
2012年07月06日上下巻合わせて累計340万部を超える妹尾河童のミリオンセラー小説を、巨匠・降旗康男監督、水谷豊主演で実写映画化した『少年H』。5月頭の千葉でのクランクインを皮切りに物語の舞台である神戸市内や京都、奈良、静岡、千葉など全国各地での撮影が敢行された本作がついにクランクアップを迎えた。異国情緒あふれる神戸を舞台に、戦争という激流の渦に巻き込まれながらも勇気、信念、愛情を持って生き抜いた名もなき家族の姿を描く本作。国内での撮影のほかにも、映画『ブラザーフッド』やドラマ「エデンの東」の撮影も行われた韓国・ハプチョン映像テーマパークにて、映画冒頭のタイトルバックともなる戦前の旧外国人居留地のシーンと、空襲後、焼け野原と化した神戸という全く異なる2つのシーンが撮影された。日本からの撮影スタッフに加え、約40人の韓国人スタッフを結集しての1日限りの大規模な撮影となったようだ。一家の父親・妹尾盛夫を演じた水谷さんは、本作で30数年ぶりとなる降旗組参加。2日間にわたって、セットを燃やして再現された空襲後の火と煙が立ち上る焼け野原状態の神戸を茫然と歩くというラストカットの撮影に臨んだが、「撮影が終わってしまった寂しい気持ちと、作品が完成するのが楽しみな気持ちを同時に味わっています。降旗組での毎日は遠足のようでした」と名残惜しそうに撮影をふり返る。実際に再現された焼け野原の中での撮影はさぞ熱かったのではないかと想像されるが?「ここまで大規模な撮影は初めてだったので、演じているときはあまり熱さは感じなかったのですが、終わってみると熱かったなと(笑)」と飄々と語る水谷さん。熱さもものともしない役者魂はさすがの一言に尽きるが、“少年H”こと息子・肇役の吉岡竜輝からは「いつもおやじギャグを言ってくれる楽しいお父さんでした」と、普段のクールなイメージとは異なる素顔も暴露され、照れ笑いを浮かべていた。7月3日(火)には茨城・ワープステーションでオールクランクアップを迎えた本作。水谷さんが役者魂を見せつけたシーンは一体どのように仕上がっているのだろうか?公開を楽しみに待ちたい。『少年H』は2013年夏、全国東宝系にて公開。■関連作品:少年H 2013年夏、全国東宝系にて公開
2012年07月05日荻原浩の人気小説を実写映画化したファミリー映画『HOME愛しの座敷わらし』が4月28日(土)、全国で封切られ、主演を務める水谷豊を始め、安田成美、濱田龍臣、橋本愛、草笛光子、メガホンを取った和泉聖治監督(「相棒」シリーズ)が東京・有楽町の丸の内TOEIで初日舞台挨拶を行った。本作で“一家の大黒柱”を演じた水谷さんは、映画のPRのために24都道府県でキャンペーンを実施中。ロケ地となった岩手県を皮切りに、この日までに新潟、大阪、福岡、広島、札幌、福島、宮城、山形、そして東京と約7,400キロを移動している。これには水谷さん本人も「残忍なスケジュールですよね」と思わず苦笑。さらに、ゴールデンウィーク中も全国行脚は続き、ゴール地点は5月6日(日)の沖縄!全移動距離は約12,000キロで、この数字は日本列島を4回縦断する距離に匹敵するのだとか…。それでも「多くの方に観ていただきたい作品。いい作品を携えて全国を飛び回っているので、苦労はありません!」と本作の出来栄えに自信のほどをのぞかせていた。東北地方ゆかりの「座敷わらし伝承」を基に、仕事で東京から岩手への転勤を命じられたサラリーマン一家が、幸福をもたらす“座敷わらし”が住む古民家で絆を育んでいく姿をユーモアたっぷりに描く。水谷さんは「家族5人でいつも雑談しながら笑っていた。何を話したかは覚えていないほど」。妻を演じた安田さんも「撮影初日から、当たり前のようにそこにいるナチュラルな家族だった」とアットホームな現場の雰囲気をふり返った。一方、長女役の橋本さんは「ずっと緊張していて、雰囲気に馴染めていなかった」と先ほどの安田さんの発言を全否定?弟を演じる龍臣くんとの共演に「年下ですけど(芸能界の)先輩なので、どう接したらいいのかと…。でも中身は“ただの小5(年生)”だったので、安心しました」と安堵の表情。その龍臣くんは、水谷さんに対して「硬いイメージがあった」とぶっちゃけ、これには水谷さんも苦笑い。親の心子知らずならぬ、子の気持ち親は気づかず?橋本さん&龍臣くんの“本音”が初日舞台挨拶を大いに盛り上げた。『HOME愛しの座敷わらし』は全国にて公開中。■関連作品:HOME愛しの座敷わらし 2012年4月28日より全国にて公開© 2012「HOME 愛しの座敷わらし」製作委員会■関連記事:『HOME 愛しの座敷わらし』橋本愛×濱田龍臣笑顔の絶えない“姉弟”の関係水谷豊&安田成美が“夫婦”役で初共演、後押ししたのは木梨憲武家族が繋がる場所はきっとある『HOME 愛しの座敷わらし』試写会に30組60名様ご招待水谷豊、ロケ地・岩手に凱旋!「座敷わらしは本当にいると確信した」岩井俊二×北川悦吏子によるラブストーリーも東映、多彩なラインナップを発表
2012年04月30日荻原浩の人気小説を原作に、サラリーマン一家の再生をユーモアたっぷりに描いた家族映画『HOME愛しの座敷わらし』の完成披露試写会が4月12日(木)、都内で行われ、主演の水谷豊、安田成美、濱田龍臣、橋本愛、草笛光子、メガホンをとった和泉聖治監督(「相棒」シリーズ)が舞台挨拶に登壇した。東北地方ゆかりの「座敷わらし伝承」を基に、仕事で東京から岩手への転勤を命じられたサラリーマン一家が、幸福をもたらす“座敷わらし”が住む古民家で絆を育んでいく姿を描く。。昨年6月から約1か月にわたり、岩手でロケを敢行。東北の美しい大自然も大きな見どころとなっている。一家の大黒柱である父親・晃一を演じる水谷さんは「こうして家族みんなが再集合できて、本当に嬉しい」と満面の笑み。「本当にね、家族で集まって笑い合っていたことしか覚えていないほど」と撮影をふり返った。その言葉通り、壇上では水谷さんを中心に、キャスト全員が“家族の顔”を垣間見せ、和気あいあいとした空気が流れていた。安田さんが演じるのは、夫の能天気さに不満を抱いている妻・史子役。以前から水谷さんとは親交があると言い、今回“夫婦”役で念願の初共演が実現した。「実は(木梨)憲武とも長い付き合いなんですよ。それで憲武が台本を読んで『あっ、豊さんと一緒なの。いいね、やるよね』って安田さんに言ってくれたんですよ」(水谷さん)。なんと、本作での初共演を後押ししたのが、安田さんの夫である木梨憲武だと明かされ、場内は大盛り上がり。安田さんも「自由勝手に演じさせていただいた。常に現場を盛り上げてくれた」と水谷さんとの共演にも、大満足の様子だ。一方、認知症の疑いがある晃一の母・澄子を演じる草笛さんも、水谷さんとは長年の付き合いで、草笛さんに出演オファーを出したのも水谷さん本人だったのだとか。ちなみに2人が親子役で共演するのは、なんと37年ぶり!「(オファーを受けてから)早速、原作を読んで、主人公のキャラクターが豊さんにピッタリだと思った。でも、私の役が認知症とは一言も言わなくて(笑)」と草笛さん。これに対し水谷さんが「監督やスタッフを代表して、僕がお願いしただけ。僕ならきっと、草笛さんもお断りにならないだろうって」と“手の内”を明かすと、草笛さんも「そういう魂胆だったのね」と納得の表情。キャスティングに隠された意外な裏話が次々と飛び出す舞台挨拶となった。『HOME愛しの座敷わらし』は4月28日(土)より全国にて公開。「LOVE,HOME,CINEMA~愛すべき日本映画~」特集■関連作品:HOME愛しの座敷わらし 2012年4月28日より全国にて公開© 2012「HOME 愛しの座敷わらし」製作委員会■関連記事:家族が繋がる場所はきっとある『HOME 愛しの座敷わらし』試写会に30組60名様ご招待水谷豊、ロケ地・岩手に凱旋!「座敷わらしは本当にいると確信した」岩井俊二×北川悦吏子によるラブストーリーも東映、多彩なラインナップを発表
2012年04月12日女性の性欲の波には、生理が関係あるらしいですが、それは本当なんでしょうか?私のクリニック目白の平田雅子先生に、女性の生理周期と性欲について教えていただきました。(以下、平田雅子先生)確かに、女性ホルモンの中には性欲を強くさせる作用のあるホルモンが存在します。このため人によっては、生理周期により性欲が左右される場合も。まず生理周期について説明すると、生理が始まった日を1日目とし、次の生理が始まる前日までを一周期として考えます。生理周期は、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という卵巣から分泌される2つの女性ホルモンにより作り出されています。一周期は分泌されるホルモンにより、大きく3つに分けることができます。■生理中エストロゲン、プロゲステロン共に、分泌量が少ない時期。身体が冷えて血行が悪く、皮脂量も少ないため、肌や頭皮が乾燥して敏感になりやすい時期です。■生理終了から排卵までエストロゲンの分泌が最も盛んな時期。エストロゲンは生理の終わるころから分泌量が増え始め、排卵前に分泌量がピークになります。エストロゲンには性欲を増進させる働きがあるため、分泌量の一番多い排卵前は性欲が強くなる女性も。そのほか、エストロゲンにはコラーゲンやヒアルロン酸の生成をうながし、肌にハリやツヤを与えてくれる働きがあるの。また、副交感神経の働きも活発になるため気分的にも安定します。つまりこの時期は、肌のコンディションも良く、心身ともに一番安定している時期といえるでしょう。■排卵後から生理が始まるまで排卵を境に、エストロゲンの分泌量が急激に減少し、プロゲステロンの分泌が多くなる時期。ホルモンのバランスが急激に変化するため、精神的に不安定な状態になりやすいようです。プロゲステロンには、皮脂分泌を活発にする作用があるため、ニキビなどの肌トラブルが多くなりがち。ムクミや便秘などが起こりやすく、心身ともに不安定な時期といえます。このように女性は生理のリズムによって、体だけでなく心にも大きな影響が。デートや飲み会などのスケジュールは、生理周期にあわせて立てると良いかもしれませんね。(ビューティ&ダイエット編集部)
2012年03月19日今年も花粉の季節が到来。でも、ビルしかない都会でも、花粉症になってしまうのはどうしてなのでしょう?私のクリニック目白の平田雅子院長にお聞きしました。(以下、平田雅子先生)花粉症とは、花粉によって引き起こされるアレルギー性疾患です。主な症状は「くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみ」など。ひどくなると「ぜんそく・咽頭(いんとう)炎・頭痛・不眠・消化不良・食欲不振」などの症状を引き起こすこともあります。花粉症は本来、スギ・ヒノキ・ブタクサなどの花粉によるアレルギー症状。でも原因となる草木が少ない大都市に住む人の方が、花粉症になりやすい傾向があるんです。その理由を、原因別に説明します。■大気汚染花粉症が発症するメカニズムは現代の医学では解明されていません。でも、花粉症の原因に大気汚染が関与するという説があります。花粉症で症状が現れる部位は鼻、のど、目などの粘膜組織。大気汚染や乾燥した場所にいると、これらの粘膜組織が傷つき、抵抗力が低下してしまいます。抵抗力が低下した粘膜組織には、アレルギー物質が入り込みやすいため、花粉症を引き起こすのではと考えられているのです。■ヒートアイランド現象ヒートアイランド現象とは、都市中心部へ近づくほど気温が高くなる現象のこと。都市では、道路やビルなどにより地面の大部分がアスファルトやコンクリートで覆われているため、太陽の熱が蓄熱されやすくなっています。ヒートアイランド現象により温度の高くなった空気は空高く上昇。すると、上空に向かった空気を補うように、周辺地域から空気が流れ込んできます。この時、都市近郊の山林から舞い上がった花粉も一緒に、都市に入り込んでしまうのです。■コンクリートコンクリートとアスファルトばかりの都会では、花粉が土に吸収されません。すると風により何度も舞い上がる、「再飛散」が起こります。このように、都会でも花粉症の原因がさまざまあるのです。花粉症になってしまったら、最近では予防のワクチンなど治療法も色々と研究されていますので、早めに専門のクリニックを受診してくださいね。(ビューティ&ダイエット編集部)
2012年03月17日第139回直木賞候補に選出された荻原浩の人気小説を原作に、サラリーマン一家の再生をユーモアたっぷりに描いた家族映画『HOME愛しの座敷わらし』。3月13日(火)、本作の撮影が行われた岩手県の人々への感謝の意味を込めて、同県にある盛岡ピカデリーと岩手県民会館にて先行上映会が行われ、主演の水谷豊と和泉聖治監督が登壇した。東北地方ゆかりの「座敷わらし伝承」を絡めながら、仕事で東京から岩手への転勤を命じられたサラリーマン一家が、引っ越してきた新たな家で絆を育んでいく姿を描いた本作。昨年6月から約1か月にわたり、岩手をロケ地に撮影された美しい大自然も見どころとなっている。主人公・晃一を演じる水谷さんは「僕(晃一)は東京本社から転勤を命じられて岩手にやってきましたが、今日は自分の意思で盛岡にやってきました」と挨拶。ホームドラマへの出演は長年の夢だったそうで、妻役の安田成美や子供役の橋本愛、濱田龍臣、そして母役の草笛光子との心温まるやり取りが印象的だが、「今回、特に話し合いをしなくてもロケ現場に入って気がついたら“家族”になっていました。座敷わらしというものが何なのか知り、“本当にいる”と確信しました」と撮影をふり返った。東日本大震災から約3か月後での撮影となったが、「撮影をしていいのか悩みましたが、岩手の多くの方に『岩手で撮影してください』との声をいただいて撮影を決めました」と監督。水谷さんとは人気ドラマ「相棒」(テレビ朝日)で10年以上にわたりタッグを組んできた仲だが、「今回はどういう表情を撮ろうかと思いましたが、岩手に入ってすぐ“僕はただ見つめていればいいんだ”ということに気づきました」と明かす。また、本作の重要キャラである“座敷わらし”もCGを使っていないということなので、こちらも楽しみだ。さらにこの日、翌14日がホワイトデーということもあり、水谷さんから岩手の方々へ、巨大チョコ型映画フィルムのプレゼントも。集まった観客と一丸となって映画の門出を祝した。『HOME愛しの座敷わらし』は4月28日(土)より全国にて公開。■関連作品:HOME愛しの座敷わらし 2012年4月28日より全国にて公開© 2012「HOME 愛しの座敷わらし」製作委員会■関連記事:岩井俊二×北川悦吏子によるラブストーリーも東映、多彩なラインナップを発表
2012年03月14日上下巻合わせて累計340万部を超える妹尾河童のミリオンセラー小説「少年H」が巨匠・降旗康男の手で実写映画化することが決定。さらには本作で水谷豊、伊藤蘭夫妻が“夫婦初共演”を果たすことがこのほど明らかとなった。阪神・淡路大震災の1周期となる1997年1月17日に、神戸復興の思いを込めて出版され、そのユーモラスな文体と魅力的なエピソードで瞬く間にベストセラーとなった「少年H」。異国情緒あふれる神戸を舞台に、戦争という激流の渦に巻き込まれながらも、勇気、信念、愛情を持って生き抜いた名もなき家族の姿が描かれている。物語の主人公「少年H」こと肇少年の父親と母親を演じるのは、芸能界きっての“おしどり夫婦”としても知られる水谷豊と伊藤蘭。意外にも2人は本作が夫婦初共演作となる。発売から15年経ったいまも多くの人に読み継がれている名作の映画化について、水谷さんは「戦前戦後という激動の時代を、主人公ともなる名もなき『家族』が必死に健気に乗り越えていく姿に、時代を越えて心を動かされます」とコメント。さらに、「夫婦共演が実現したのも『少年H』の力にほかなりません。尊敬する降旗監督の下で『少年H』の世界を生きようと思います」と撮影に向けての意気込みを語る。一方、伊藤さんも「これまで想像もできなかった夫婦共演ですが、30年という月日を経て、また共に一つの目標に向かえるということは大きな喜びです」と、長年連れ添ったパートナーとの初共演に感慨深げといった様子。本作のメガホンを取るのは、『鉄道員』『ホタル』など数々の感動作を手がけてきた巨匠、降旗康男監督。今年公開となる高倉健主演作『あなたへ』の次作として取り組む。脚本を担当するのは、『ALWAYS三丁目の夕日』シリーズ前作を手がける古沢良太。降旗監督は「この時代だからこそ、家族で観てほしい映画を目指してまいります」とコメントを寄せている。撮影は5月にスタートし、神戸、千葉、静岡など全国各地での大規模ロケを敢行予定。さらに、空襲で一面焼け野原と化した神戸を再現するためにロケ地は韓国・ハプチョンにまで及ぶという。日本映画界の枠を超えたアジア最大級の撮影体制で製作されるだけに、作品の完成が待ち遠しい。『少年H』は2013年夏、全国東宝系にて公開。■関連作品:少年H 2013年夏、全国東宝系にて公開
2012年03月08日医学書院から写真家の宮崎雅子さんが撮影した妊娠・出産の写真・75点をまとめた写真集、『Mother』が刊行された。 二十数年にわたり妊娠・出産の写真を撮りつづけてきた写真家・宮崎雅子さん。いのちの誕生の写真は、一瞬で見る者の心を揺さぶる。巻末には、宮崎雅子さんが妊婦と、そして助産師と歩んできた歳月をつづった文章も掲載。 プライベートな空間に入ることを許された写真家が、その迫力と感動に迫った珠玉の75点。妊婦と家族、そして出産を介助する助産師へのやさしいまなざしが、すべての写真に投影されている。写真集刊行と連動し、月刊誌『助産雑誌』でも宮崎雅子さんの連載も開始(2012年1月号から6号連載予定)。連載では、写真集刊行に寄せた著者からのメッセージ、誕生の瞬間に携わる助産師の方々へのインタビューが掲載される予定だ。 また、写真集刊行に合わせた写真展『Mother』も各地で開催中。写真展の開催地・日時の詳細は、宮崎雅子さんの 公式webサイトへ 。宮崎雅子さん プロフィール写真家。長崎市で生まれる。長崎県立女子短期大学卒業。現代写真研究所にて写真を学ぶ。20歳代後半から出産、赤ちゃん、子どもなど、いのちをテーマにしたドキュメンタリー写真を撮りつづけ、新聞・雑誌・書籍などに作品を発表している。写真教室や講演なども行ない、音楽家とのコラボレーションも多数。写真集『Mother』仕様:A4変型 128ページ 写真75点価格:定価¥2,730(税込)取材/おうちスタイル編集部
2011年12月12日年齢も、生活環境も、社会的地位もまったく違う、2人の美しい女たちが出会ったことから始まる、危険な誘惑と官能のサスペンス映画『クロエ』。シネマカフェで映画に関するブログを執筆してくださっていて大の映画好きであるモデルの雅子さんは、シネフィルとして、また女性として、本作をどう観たのか。「愛する人のすべてを見てみたい?」というテーマで集まった、シネマカフェ女性読者からの意見をもとに、本作で描かれる恋愛・結婚観について、語っていただきました。「なかなか凄い映画だなという一言ですね。資料を読まずに映画を観たんですが、何かに似ているなと思ったら、そうだ、『恍惚』だと思って。後で資料を読んだら、やはり『恍惚』がベースでした。展開も、エンディングも全く違いますけれど。今回まず印象に残ったのは、人も羨む生活をしているキャサリンが、なぜこんなに焦燥感を覚えるのかということ。ある年齢までいくと彼女が感じたような孤独感ってあるのかなと考えたりしました。誰もが羨むような生活をしていても、人間って変な考えに囚われてしまうんですね。それが女性だからなのか、年齢のせいなのかは分かりませんが」。映画には、妻であり、母であり、医師でもあるキャサリンと、若く美しい娼婦・クロエという2人の女性が登場するが、雅子さんがより共感したのは、キャサリンだったという。「年齢的にやはり、20代のクロエではなく、キャサリンの気持ちに共感できるんです。でも、クロエを雇って夫の性生活を探るようなことをしますが、ここまで性的なものへの興味はないですし、周りを見回してもここまでひとつのものに固執するタイプの友人はいないので、こんなことってあるのかしらと不思議には思いました。ただ、友人の中には、子育てが一段落しかけている人、良い暮らしをしていて恵まれているのにどこか満たされていない人がいなくはないので、別世界のことではありませんでしたね」。男性とも社会とも、関わり方が全く違う2人の女性が描かれていますが、2人の心理劇をどう見たのだろう。「例えば、若い方がある程度の安定と社会的な地位を得た女性に憧れを持つ気持ちもあるでしょうし、その反対、つまり歳を重ねた女性が、若い女性を羨む気持ちもあるのでしょう。若さに固執する人も多いですから。お互いに、自分が持っていないものに惹かれる、興味を持つ気持ちが上手く描かれていました。それにしても、“若さ”という武器は強いのだなと思いましたね」。『恍惚』では、ファニー・アルダンとエマニュエル・ベアールという2人のキャストが、年齢の違いではなく、女としてのアピールの違いを強調していた。若さを最強の女の武器としていない語り口調は、いかにもフランスを感じさせていたのが印象的だ。「それがハリウッド映画となると、若さが絶対的な存在になるんですよね。あるもので読んだんですが、フランスでは最古の職業が娼婦なんだそうです。職業として娼婦が確立している文化と、若さが絶対的である文化の違い。どんなに、キャサリンのような美しい人でも、若さというものに負けてしまう。女性としての寂しさ、心理は複雑だなと改めて感じましたね。私はそうはならないと思っていても、いつ何時そうなってしまうかは分からないんですよね。そこから若い女性を雇って夫を誘惑させるに至るなんて、どんな心理なのかなと思いながら観ていました」。この作品には、“愛する人の全てを見たいか”というテーマも隠されている。結婚生活を送っていても、相手のことを全て知ることはできないものだが。「この作品を観て、若い人たちが、結婚っていったい何なんだろうと悩んじゃったらどうしようと思いますけれど(笑)。 “あなたは愛する人のすべて全てを見たいですか?”という問いについても、そこまですることないんじゃないかと思います。秘密を持って暮らすのがいいとか悪いとかではなく、全てを語る必要はないと思うんです。多少、ミステリアスな部分があっていいと思うし、それで女性も謎めいて見えるかもしれない。夫婦間であっても。うちは会話が多いほうなんですが、彼の知らない私もあるし、それはお互い様だと思うし、それでもいいと思うんですよね。それに、全てを知りたいと思い始めたらきりがない。いま、世の中では、何でもクリアにして、何でも知りたがる傾向にあるけれど…。あれもどうかと思うんです。知ったところで、どうなるのかなと思うこともありますし。相手は所有物ではもちろんないわけですから」。相手の全てを知りたいという気持ちは、支配欲、独占欲、嫉妬の表れ、と雅子さん。「特に日本人は嫉妬の文化と言われていますよね。キリスト教の七つの大罪にも入っている嫉妬ですから、そこまで嫌なものをわざわざ人に見せなくてもいいんじゃないかと思うんですよね。この映画は映像こそ美しいけれど、人間の愚かさや醜さがいっぱいなんですよ。そこに、ガラスや鏡という煌びやかなモチーフをちりばめ、冬から春にかけた季節特有のピーンと貼りつめた空気感で包み込んで、エゴヤン監督らしい映像美で仕上げていますから、ともすると綺麗な印象しか持たないかもしれません。でも、よくよく見ると人間の罪深さが見えてくる。実にエゴヤン監督らしい面白い演出ですね」。美男美女、社会的に成功し、幸せそうに見えるカップルでも、結婚生活を何十年も続けていけば、こういうこともあるというリアルな部分、つまり結婚の理想と現実も映し出される。「私の場合、いまの結婚は2度目なんです。自分も成長したのかもしれませんが、一番変わったと感じるのは、理想を押しつけないということ。結婚生活って、一緒にいる空間の心地良さを求めることだと思うんです。2人で何をするかというより、2人で一緒にいる空間を大切にしたほうが、結婚生活って上手くいくのかなと思いますね。全てを共有することは考えていません。お互いに仕事を持っていますし、一歩家から出れば、互いに自立する男女。例えば、夫が女性と2人でご飯を食べていても別に気にしないし、私も男友達と食事することはありますから。それについて、互いに携帯のメールをチェックし合ったりすることもないですよ(笑)」。最近は、パートナーの携帯メールを、つい勝手にチェックしてしまう人が案外多いとも聞くが…。「ああいう行為って、一度やってしまうと止められないんでしょうか?自分自身の嫉妬心や独占欲に囚われて。キャサリンも、一度夫を疑い、探り始めると最後まで行かずにはいられなくなる。人間の感情というのは、やはりコントロールできないもの。クロエの方も、“私は物じゃない”と訴えていましたよね。いくらお金が介在していても、生身の人間って、どのように、どんな感情を芽生えさせるか想像がつかない。人をコントロールできない、予想できないという意味では、パートナーとの関係もそうですね」。実は、シネマカフェで読者に「浮気の境界線は何ですか」というアンケートをとったところ、1位は肉体関係、2位は2人きりで出かける、3位はキス、4位は心・気持ちが移ったとき、5位は手を繋ぐ、との結果が。これを雅子さんに見ていただくと…。「2人きりで出かけたら浮気だと考える人が多いんですね。私にはよくあることなので、その感覚は私としてはちょっとありえないですね。2人きりで出かけた延長上に、3位、5位があると考えるのかもしれないですけれど。生活環境で感覚が違うのかもしれませんね。主婦や女性だけの職場で働く方などは、身近な異性はパートナーだけということも多く、異性=恋愛対象と考えやすいのかもしれません。男性のスタッフと出張にも出ることもある身としては、あれ?と思いますね。精神的に自立しないと、無駄な想像力を持ってしまうことになる(笑)。もっと良いことをイメージしたらいいと思いますね」。また、「恋人・夫婦間で、不安や孤独を感じる瞬間」についてもアンケートをとったところ、1人でいるとき、連絡が取れないとき、関心をもたれなくなったとき(無反応)、会話がないときなどに票が集まった。このことについては…「キャサリンほどではないにしろ、誰かと一緒に寝ていても孤独はあるもの。それは誰でもそうだと思いますので、個人的にも彼女が抱える孤独感を多少は理解できます。ただ、それとどう付き合うかが違うだけで。いまは携帯もメールもあるので、すぐに連絡が取れる。だからかえって、ちょっとでも連絡が途絶えたときの不安感は大きいのではないでしょうか。でも、孤独感って素敵なことなんですよ。否定的に語る必要は全くない。満ち足りた孤独は至福なりという、いい言葉があります。仕事をしていて、家庭を持っていても、やはり1人になる瞬間は必要。一緒にいて、会話がない時間を過ごすのもいい。俯瞰で状況を見て、孤独を味わって、ちょっとひとりで考える時間があると良いのではないでしょうか。ただ、関心をもたれなくなったと感じたら、それなりの選択をすることが大事だと思いますね。この場合は、嘆いているだけでなく、違う努力が必要な気がします」。キャサリンの場合は、夫から関心をもたれていないわけではない。劇中、キャサリンが感じた孤独感は、やはり年齢的な不安、女としての焦燥感がもたらしたものが大きいはずだと、雅子さんは分析する。「キャサリンが感じる焦燥感と孤独感が入り混じった感情は、20代のクロエには分からない心理でしょうね。若さから離れていく不安感は、歳を重ねれば誰にだって多少はあるもの。さらに歳を重ねるための通過儀礼なのかもしれません。アラフォー、アラフィフの女性が、そういった感情を乗り越えて、さらに魅力的な女性になっていくための。だから、きちんとそれを乗り越えないと、若さに固執しすぎた危ない、痛い女性になってしまう。キャサリンは、ちょうどその途中にあって、自分をコントロールできなかった例かもしれません」。だからこそ、女性たちにとっては、学ぶところは多いという。「同年代の女性にもぜひ観ていただきたいですね。若さには絶対的な価値があるけれど、危ういもの。それを経験し、危うさを知っているのに、なぜまたそこに固執し、年齢のワナに陥るのか。外国映画では、若さを性の対称として、歳を重ねた女性をその対象外とする描き方が多い。やはり、女の魅力として、性的魅力を比較とするのが、分かりやすいからでしょうか。でも、ヨーロッパ、特にフランスだと歳を重ねるほど魅力的で、40代、50代、60代になってやっと本当の女になると言われます。日本は、20代や10代の女性たちがもてはやされせる世界もある。日本は残念ながらどんどん幼児化していますね。残念です。いまだに、40歳過ぎたら終わりだと言われる。これほど、アラフォーの女性たちがキラキラしていて、頑張っているのに。本作では、悩む40代女性のリアルな姿が映し出されているので、共感しつつも、客観的に観てみると、学ぶところが多くある。この作品は、年齢を重ねながらどう輝くかということについて、考える良い機会を与えてくれると思います」。さらに、2人の女のコントラストを映し出す、インテリアやファッションも見どころ、と雅子さん。「冒頭のホームパーティのシーンも素敵です。キャサリンが、仕事へ行くとき、家でリラックスしているときのファッションも対照的でしたし、外で食事をするシーン、息子の演奏会に行くシーンなど、時と場合に応じて、衣裳もそれぞれ。知的階級の仕事を持つ裕福な家の女性ならではの洗練された生活スタイルが楽しめました。反対に、クロエのファッションが、若さと美貌を強調するものだったのも興味深かったです。もう、存在自体が眩しいような。そんな対比も楽しんでほしいですね」。(text:June Makiguchi)『クロエ』公開初日プレゼント5月28日(土)初回より、先着順にAVEDA「スムーズ インフュージョン ヘアケア システム」のミニセット&オリジナル小バックをプレゼント。(なくなり次第終了)※対象劇場:TOHOシネマズ シャンテ(東京・日比谷)※その他の劇場は『クロエ』公式サイトまで。■関連作品:クロエ 2011年5月28日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開© 2009 Studio Canal All Rights Reserved.■関連記事:ジュリアン・ムーア『クロエ』インタビュー「これは私たちの人生を描いた映画なの」『赤ずきん』女性監督が証言、『トワイライト』を超える新たな“恋のジレンマ”真似してみたい『クロエ』ファッション上品&誘惑的な着こなしで男性の心を虜に?あなたは愛する人のすべてを見たい?『クロエ』“美しい髪”セットを10名様プレゼント【シネマモード】鬼才アトム・エゴヤンが描く、2人の女
2011年05月27日映画『相棒−劇場版II−』の観客動員が1月18日(火)までに200万人を突破し同日、東京・銀座の丸の内TOEI1で主演コンビの水谷豊、及川光博、和泉聖治監督ら13人が舞台挨拶を行った。先月23日(木・祝)の公開初日から27日目で快挙を成し遂げた本作は、同日現在、興行収入が25億円を突破と好稼働中。200万人という数字に及川さんは「人生初めてのことなので想像がつきません」と飄々とした反応ながら「手応え?撮影期間中から、毎日のように感じていました。なんだかいける気がする!って」とニヤリ。「まだまだいけそうな気がする!」と観客をあおって沸かせた。水谷さんは、劇場版第1弾公開時に「部屋に並べるDVDが1枚だと寂しい」と第2弾製作に意気込みを感じさせるエピソードを司会者から持ち出され、2枚でいい?と第3弾への意欲を聞かれると、「こればっかりは僕ひとりの思いでは決められることではない」と冷静なコメント。和泉監督から「豊さんが続く限り、ついていこうと思っています。2本じゃ寂しいじゃないですかね?」と促されると、「監督と皆様が元気ならついていこうと」とヤル気をのぞかせ、観客を喜ばせた。一方、レギュラー陣のひとり、六角精児は、「初詣でおみくじをひいたら大吉でした」と話した及川さんに続き、「おみくじで、今年訴えられると出た。ビクビクしていまして、この幸せはいつまで続くんでしょう」と珍エピソードを吐露。会場の笑いを誘っていた。『相棒−劇場版II−』は全国にて公開中。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:相棒−劇場版II− 2010年12月23日より全国にて公開© 2010「相棒-劇場版II-」パートナーズ相棒−劇場版−絶体絶命!42.195km東京ビッグシティマラソン 2008年5月1日より全国東映系にて公開© 2008「相棒−劇場版−」パートナーズ■関連記事:『相棒II』公開10日間で100万人&10億超え!正月興行制す『相棒−劇場版II−』川原和久×山中崇史が明かす捜査一課の秘密(?)と魅力『相棒II』公開4日間で50万人動員!水谷豊は全国舞台挨拶まわりにボヤキ?水谷豊「相棒」レギュラーに小澤征悦をスカウトせず!?小西真奈美インタビュー緊張感と信頼感の中で生まれた名シーン
2011年01月18日映画『相棒−劇場版II−警視庁占拠!特命係の一番長い夜』(和泉聖治監督)の報告会を兼ねた舞台挨拶が26日(日)、東京・銀座の丸の内TOEI1で行われ、23日(木・祝)の初日から4日間で動員50万人を突破したことが発表された。配給元の東映は、公開4日間での同社邦画作品で歴代トップの興収51億円という記録を持つ『男たちの大和/YAMATO』との対比を発表。『男たちの大和/YAMATO』が4日間で動員39万人の興収5億円に対し、本作は動員で対比129%の50万人超、興収で130%の6.5億円を見込んでいるとのこと。同社歴代興収トップの記録更新にも期待が寄せられている舞台挨拶には、23日(木・祝)から全国39か所での舞台挨拶行脚中の主演コンビ、水谷豊と及川光博、共演でこの日49歳の誕生日を迎えた川原和久が出席。累計16回目の舞台挨拶で、あと2日の行脚をこなす予定の水谷さんは「東海、関西、東北…先ほど東京に帰ってきたのに、家に帰してもらえません」とボヤキ節。とはいえ「全国では泣いている人も何人かいました。衝撃的、圧倒的、泣きました、笑いました、『劇場版II』は衝撃作です」と手応えをしっかり得た様子。舞台挨拶が17回目の及川さんは「最近、舞台挨拶をし過ぎて水谷さんの癖が移っています」と軽妙な調子で切り出し、「自分のことながら年末のカウントダウンライヴも控えていますので、まだ観ていない方、よろしくお願いします!」とちゃっかり自身のPR。会場の笑いを誘っていた。『相棒−劇場版II−』は全国にて公開中。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:相棒−劇場版II− 2010年12月23日より全国にて公開© 2010「相棒-劇場版II-」パートナーズ■関連記事:水谷豊「相棒」レギュラーに小澤征悦をスカウトせず!?小西真奈美インタビュー緊張感と信頼感の中で生まれた名シーン『相棒』ファンの大歓声に水谷豊「サンキュ!」ミッチー「目頭が熱く」10周年記念『相棒』プレミア試写会&レッドカーペットに女性限定2組4名様ご招待あの2人が難事件に挑む『相棒−劇場版II−』パズル型コースターを3名様プレゼント
2010年12月27日映画『相棒-劇場版II-』が12月23日(木・祝)、初日を迎え、主演コンビの水谷豊、及川光博ら主要キャスト陣と和泉聖治監督の14人が全国39か所で舞台挨拶を行う「39ツアー」をスタートさせた。人気TVドラマシリーズの劇場版第2弾となる本作。この日、東京・銀座の丸の内TOEI1では上映後に14人が勢揃いして舞台挨拶を行った。水谷さんは「我々『相棒』チームの2つめの夢が叶いました」と感慨深げ。「機会があれば(劇場版ゲストの)宇津井(健)さん、小西(真奈美)さん、國村(隼)さんには、本シリーズの方にも…」とレギュラーに“スカウト”。すかさずただ一人、名前があがらなかった劇場版ゲスト、小澤征悦が「俺は?」と悲しそうな表情で詰問し、会場の笑いを誘った。及川さんは「今年1年、ずっと神部尊(かんべ・たける)でした。今年を漢字一文字で表すと“尊”です」と表現。引き続き会場を盛り上げた。“39ツアー”は、水谷さんの口癖「サンキュ!」にちなみ、前作時の36か所を上回って計画されたもの。水谷さんは「とりあえず家に帰れないので5泊6日の旅の準備をしてきてくださいって言われてるんです。みっちゃんもそうでしょ?」と問いかけ。及川さんは「はい、頑張ります。でもなるべくなら、上映前に挨拶をしたいですね」と苦笑いだった。ほかにシリーズレギュラーの岸部一徳、六角精児らが出席した。『相棒−劇場版II−』は全国にて公開中。(photo/text:Yoko Saito)特集「初心者のための『相棒−劇場版II−』講座」■関連作品:相棒−劇場版II− 2010年12月23日より全国にて公開© 2010「相棒-劇場版II-」パートナーズ■関連記事:小西真奈美インタビュー緊張感と信頼感の中で生まれた名シーン『相棒』ファンの大歓声に水谷豊「サンキュ!」ミッチー「目頭が熱く」10周年記念『相棒』プレミア試写会&レッドカーペットに女性限定2組4名様ご招待あの2人が難事件に挑む『相棒−劇場版II−』パズル型コースターを3名様プレゼント相棒劇場版ヒロイン小西真奈美に及川&小澤「いい匂いがする」
2010年12月23日映画『相棒−劇場版II−』のプレミアムイベントが12月14日(火)、東京・六本木ヒルズ内で行われ、主演コンビの水谷豊と及川光博らキャスト陣15人がファン約1,650人を沸かせた。六本木ヒルズアリーナでのレッドカーペット・イベントでは、約2時間かけてファン約1,000人に握手、サインなどのサービス。その後、ステージに上がった水谷さんは、ますます沸き起こる大歓声に「サンキュ!」と上機嫌。「これだけの人が喜んでいてくれるなんて、公開していないのに感無量です。僕たちにとって、嬉しい記念の一日になりそう」。及川さんも「40代になって、こんなにもドキドキワクワクするもんなんだなと、目頭が熱くなりました」とコンビ揃って感激しきり。及川さんが、水谷さん演じる警視庁特命係警部・杉下右京の2代目相棒の警部補・神戸尊として「相棒」シリーズに加入したのは、2009年3月放送のTVシリーズ「Season7」最終話からで、劇場版へは今回が初参加。「大きなチャンスを得ることは、大きな責任を背負うことになるんだと思いました」と大役の手応えを改めて口にした。ファンから「ミッチー!」の声援が飛び交ったが「ミッチーじゃないよ!」とこの日ばかりは神戸になりきっていた。その後はTOHOシネマズ 六本木ヒルズへ場を移し、試写会上映前に和泉聖治監督を加えた16人で、観客約650人に向けて舞台挨拶。今回のゲストで悪役を演じる小澤征悦は「『相棒』の世界観が大好きだった。スタイリッシュで大人のウィットに富んでいて」と出演の喜びを改めて吐露。また劇場版でヒロインを演じる小西真奈美は寒空の下、ノースリーブで一部シースルーのセクシーな黒のワンピースを身にまとって登場。シックな色気をふりまき、キャスト陣紅一点のお色気担当の役目を見事に果たして、カメラマンのフラッシュ放射を浴びていた。ほかに同じく劇場版ゲストの國村隼、シリーズレギュラーの岸部一徳、川原和久、山中崇史、六角精児らが出席した。『相棒−劇場版II−』は12月23日(木・祝)より全国にて公開。(photo/text:Yoko Saito)特集「初心者のための『相棒−劇場版II−』講座」■関連作品:相棒−劇場版−絶体絶命!42.195km東京ビッグシティマラソン 2008年5月1日より全国東映系にて公開© 2008「相棒−劇場版−」パートナーズ相棒−劇場版II− 2010年12月23日より全国にて公開© 2010「相棒-劇場版II-」パートナーズ■関連記事:10周年記念『相棒』プレミア試写会&レッドカーペットに女性限定2組4名様ご招待あの2人が難事件に挑む『相棒−劇場版II−』パズル型コースターを3名様プレゼント相棒劇場版ヒロイン小西真奈美に及川&小澤「いい匂いがする」10歳の誕生日を迎えた「相棒」シリーズ待望の劇場版続編の公開が決定!次のスピンオフは角田VS伊丹?おなじみのメンバーも駆けつけ『鑑識・米沢守』公開
2010年12月15日