グラフィックデザイナーで一児の母でもある、杉本雅代さん。3月の大震災以降、身体にいい「酵素シロップ」をいろいろな人に知ってもらいたいと、葉山、湘南を中心に酵素シロップ教室を開催しています。そんな杉本さんは酵素シロップをどのように生活に取り入れているのか、その魅力と共にお話を伺いました。簡単で気軽に作れる「酵素シロップ」とは 杉本さんが酵素を生活に取り入れるようになったきっかけは、友達に酵素のワークショップに誘われたことだといいます。 「話を聞いて、こんなに素晴らしいものがあるんだと思いました。ごはんの前に必ず飲むようになってから便秘がなくなったし、風邪も引きにくくなりましたね。食生活を見直すきっかけにもなりました。ワークショップをしたことがない私が教えるのも……と思いましたが、地震以降すぐにできることは身体の免疫力を上げることだと思い、酵素シロップのワークショップを始めることにしたんです」 そもそも酵素とは消化吸収や筋肉を動かしたり、呼吸をするなど、身体の動きに必要なもの。発酵食品に多く含まれ、酵素が不足すると免疫力が低下してしまいます。酵素シロップは季節のフルーツや野菜、野草などに砂糖を入れ、手でかき混ぜることで発酵させて作り、味噌やぬか漬けなどよりも簡単に作れることから注目されています。 「フルーツの皮をむいたり、スライスしていると香りが良くてリラックスできます。子どもがいない午前中の一人の時間に作る、この作業が楽しいんです」と杉本さん。 杉本さんの酵素シロップは、おいしくて見た目もかわいく、飲みやすいことを心がけています。 「冬は柑橘がおいしいのでメインに、あとは味にあまり影響のないにんじんやかぼちゃ、さつまいもを入れたり、どんぐりやハーブ類など面白いものをちょっと入れます。ショウガを加えたり、梅だけで作る酵素もおいしいです。また発酵補助剤として玄米を少し入れます。常に4種類ほど作っていますね」 また、酵素シロップに使うフルーツや野菜には、発酵しやすいものと発酵しにくいものとがあるそう。りんごやなしは発酵しにくく、初心者には柑橘系やキウイ、かりんがおすすめ。だいこんやかぶ、きゅうり、なす、白菜、葉っぱ類は少し漬け物のようなにおいがして飲みにくいのだとか。「酵素シロップ」作りの基本の「き」とは?「酵素シロップ」には「皮」も「種」もすべて使う ここで酵素シロップづくりの基本を。フルーツや野菜の皮は全て入れますが、柑橘は皮をむいたほうが飲みやすくなります。むいた皮は乾かしてお風呂に入れたり、ピッチャーに水と一緒に入れてレモン水などにして使いましょう。材料はできるだけ無農薬に近いものを選び、地元のものや季節のものを使います。 「そのときに飲みたいなと思うものは、身体が欲しているものなので、地元のものが揃わなくてもいいとワークショップでも伝えているんです。酵素は頭で飲むではなく、五感や直感で飲むものなんです」 できあがった酵素シロップは、レモンを少ししぼって水で割ったり、豆乳で割って飲むのがおすすめ。1日に60ccまで(子どもはその半分)にして、空腹時に飲むようにします。 冬は47℃以下のお白湯で割ったり、オリーブオイルと塩を混ぜてドレッシングに、また寒天に入れてゼリーにしてもいいとのこと。杉本さんのお子さんもジュース代わりに飲んでいるおいしい酵素シロップ。最後におすすめのレシピを教えてもらいました。「酵素シロップ」のレシピをご紹介!● ゆずとレモンの酵素シロップ【材 料】・ゆず 2個・レモン 1個・しょうが 一片・にんじん 1/3本・タイム・玄米、大豆、小豆、黒豆、どんぐり 適量・上白糖【レシピ】1.材料を水で洗う。水を汲み置きしておく。2.レモンの皮をむき、スライスする(白い部分はえぐみになるので取る)。ゆずの皮を手でむき、適当な大きさに分ける。にんじんとしょうがは、皮付きのままスライスする。3.すべての材料をボウルに入れ、重さを量る。材料に対して1,1倍の重さの上白糖を用意する。※重量の割合がポイント。また酵素シロップ作りには「上白糖」を使います4.1リットルの広口瓶に砂糖、材料の順番に交互に入れ、砂糖でふたをする。空気が通るようガーゼなどでふたをして、人のいるところに置く(17~20℃が最適)。5.6~7日間、1日に1、2回砂糖を溶かすように手でかき混ぜる。6.1週間後(冬なら2~3週間後)、ざるで漉し、一昼夜置く。ガーゼで二度漉しする。7.瓶などに入れ替え、風通しのよい冷暗所に置く。※ 発酵しにくいときのアドバイスはこちら。 杉本雅代さんインタビュー(2)「酵素シロップ」活用術 はこちら ≫ 取材/赤木真弓
2011年12月29日