パティシエの鎧塚俊彦が監修する新たなスイーツカフェ「ソン・ド・メール(Son de Mer)」が、2020年11月3日(火)に愛知・ラグーナテンボス内フェスティバルマーケットにオープンします。今回オープンする「ソン・ド・メール」は、鎧塚こだわりのフレンチトーストを主役とする新たなスイーツカフェ。ラグーナテンボス内に鎧塚が監修するスイーツカフェがオープンするのは、2015年に開業した「ラルブルヴェール」に続く2店舗目となります。メニューには、「フレンチトースト プレーン」「フレンチトースト チョコバナナ」といった、スイーツタイプのフレンチトーストのほか、サルサチーズやソーセージを合わせたフード系フレンチトーストもラインナップ。カフェタイムだけでなく、ランチなど食事での利用にもぴったりです。また、フランス語で“海の音”という意味を持つ店名の通り、店内からは三河湾を見渡す事が可能。美しい景色と共に絶品のフレンチトーストを味わう、優雅な時間を過ごすことが出来ます。なお、店頭には月に1回、鎧塚本人が来店し、写真撮影やイベントを開催する予定。スポット情報スポット名:ソン・ド・メール住所:愛知県蒲郡市海陽町2-2(ラグーナテンボス フェスティバルマーケット内)<メニュー例>フレンチトースト プレーン 780円+税、フレンチトースト チョコバナナ 1,100円+税、フレンチトースト 季節のフルーツ 1,200円+税、フレンチトースト エビアボカドサラダ 1,300円+税、フレンチトースト ソーセージ 1,300円+税、フレンチトースト サルサチーズ 1,300円+税【問い合わせ先】ラグーナテンボス インフォーメーションセンターTEL:0570-097-117(9:00~16:00)
2020年11月01日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。星空の片隅で1日の長さは、1年に0.000017秒ずつ伸びている。月は1年に3.83ずつ地球から遠ざかっている…ということを、多くの人は知っているのだろうか…。と、冒頭から疑問を投げてしまいましたが、0.000017秒など感じられない時間とは言え、私が(これが1年)と思っている長さが不変のものでなかったのは、結構な衝撃でした。物理学者の全卓樹は著書『銀河の片隅で科学夜話』(朝日出版)の中で、1日の時間が延びるのは、毎日の潮の満ち引きのときに海水と海底の摩擦が起こり、これが地球の自転を遅らせている原因だとつづっています。そして月はその反作用で地球から遠ざかる…そして500億年後、1日は45日ほどの長さになるらしい。月は小さく見えて、潮の満ち引きもなくなるでしょう。もっともその頃には膨張した太陽から宇宙線が降り注ぎ、人間は住んでいられない環境に。とても想像の出来ない未来がそこにあります。先日、車の中でラジオを聞いていたら、国立天文台の教授が超新星爆発について解説していました。超新星爆発とは星の終わり。質量の大きな恒星がその一生を終えるときに大爆発を起こし、数ヶ月から数年にわたり太陽のように大きく明るく見える。今、オリオン座の右肩にあるベテルギウスが暗くなり始めたために、終焉が近いのではないかと考えられているそうです。宇宙は不思議に満ち溢れています。教授の話を聞いていると、その超新星爆発がこの数年のうちに起こりそうなかんがあります。ラジオを聞きながら何だかわくわくしてきました。ナビゲーターの女性もうきうきした声で「何時頃起こるのでしょうか?来年あたりですか?」と質問すると教授は「1、2万年のうちに…だと思います」と。ああ、私は宇宙時間の中にいるのだった…。「近いうち」の桁が違いすぎます。この果てしない宇宙の時空間の中に生きている私たち、なんて小さな存在でしょう。でも、そんな小さな存在である私たちの悲しみや孤独は時にとても深い。生きようとする力は強く、その愛はとてつもなくあたたかい。宇宙の時の流れの一雫にも満たない時間を生きる命の重さを、しみじみと思うのです。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年10月25日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。五行詩の中の宇宙雪が降っていて手鏡をそっと差し出す母がいて「点滴ポール生きるという旗印」岩崎航(ナナロク社)ーより引用これは筋ジストロフィーを患い、人工呼吸器をつけながら詩人として活動する岩崎航さんの五行詩です。たった21文字の言葉の中に、岩崎さんと母の人生がある。この詩に出会ったとき私は言葉の持つ可能性に打ちのめされた。言葉の奥にある『宇宙』を感じたのです。宇宙というと大袈裟に聞こえるかもしれません。果てしなさとでもいうのでしょうか。人の心の深淵を見たような感慨があったのです。詩を解説するのは無意味なことです。ただこの詩を何度も読み、心に湧き起こる自分の感覚や感情を味わうことで、私たちは自分の心の深淵へと入っていくことができるのです。五行詩は世界観をぎゅっと凝縮し、行間にふくらみを持たせるように書く…と私は考えます。また、余韻をとても大切に。そこには文字数が制限されている歌詞に通じるものがあります。歌詞は伝えたいこと、描きたい世界を音数に合わせて書きます。伝えたいからと言って説明的な言葉だと、歌から離れていきます。歌詞も行間にふくらみを持たせ、説明しなくてもその世界を感じとれるように書くことが求められます。また五行詩にはそれぞれのリズムがあり、声に出して読んでみるとよりしっくりと心に入ってきます。古来、和歌を嗜み親しんできた日本人には、馴染みのある言葉のリズムがあるのです。大学で担当している作詩研究のクラスで、毎回五行詩を書くことを取り入れました。学生たちは、前期の初めの頃は長々とした五行詩を書いていましたが、後期に入ると心と思いと言葉の中に宇宙を見いだしかのようにぎゅっと凝縮された詩を書けるようになってきました。時代の空気感をそれぞれの内面に映し出した世界がそこにあります。それは、世界を、自分を『見つめる目』が変わってきたことを表しているのです。この変化が作詞にどう現れるか、それは後期の試験の楽しみでもあります。詩を書くことは新しい扉を開く鍵になるかもしれません。日記のように、その日感じたことを五行詩に。心の深淵へ入っていくのは、自分と出会っていくことでもあります。「自分の力で見出したことが暗闇を照らす灯火になる」岩崎航さんのこの言葉に勇気をもらいます。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年10月18日パティシエの鎧塚俊彦が監修する新たなスイーツカフェ「ソン・ド・メール(Son de Mer)」が、2020年11月3日(火)に愛知・ラグーナテンボス内フェスティバルマーケットにオープンする。今回オープンする「ソン・ド・メール」は、鎧塚こだわりのフレンチトーストを主役とする新たなスイーツカフェ。ラグーナテンボス内に鎧塚が監修するスイーツカフェがオープンするのは、2015年に開業した「ラルブルヴェール」に続く2店舗目となる。メニューには、「フレンチトースト プレーン」「フレンチトースト チョコバナナ」といった、スイーツタイプのフレンチトーストのほか、サルサチーズやソーセージを合わせたフード系フレンチトーストもラインナップ。カフェタイムだけでなく、ランチなど食事での利用にもぴったりだ。また、フランス語で“海の音”という意味を持つ店名の通り、店内からは三河湾を見渡す事が可能。美しい景色と共に絶品のフレンチトーストを味わう、優雅な時間を過ごすことが出来る。なお、店頭には月に1回、鎧塚本人が来店し、写真撮影やイベントを開催する予定だ。【詳細】ソン・ド・メールオープン日:2020年11月3日(火・祝)営業時間:10:00~20:00住所:愛知県蒲郡市海陽町2-2(ラグーナテンボス フェスティバルマーケット内)席数:約40席(予定)定休日:施設に準ずる<メニュー例>フレンチトースト プレーン 780円+税、フレンチトースト チョコバナナ 1,100円+税、フレンチトースト 季節のフルーツ 1,200円+税、フレンチトースト エビアボカドサラダ 1,300円+税、フレンチトースト ソーセージ 1,300円+税、フレンチトースト サルサチーズ 1,300円+税【問い合わせ先】ラグーナテンボス インフォーメーションセンターTEL:0570-097-117(9:00~16:00)
2020年10月16日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。若者の敬語と大人の責任「若者の敬語はなってない」こんな批判をよく耳にします。多くの場合、次に「今の若者は軟弱」とか「礼儀を知らない」といった話になります。言葉という観点に立つと、私もそのように思ったことがあります。しかし、週に一度大学の授業で若者たちと接するうちに、若者を批判するのは重箱の隅を突くようなものだと思うようになりました。若い人たちの敬語なり丁寧語の使い方が間違っている場面によく出くわします。二重敬語だったり、敬語と謙譲語がごちゃ混ぜになっていたり。心の中で(ああ…)と思うこともしばしばです。でもよく考えてみると、彼らは丁寧に接しようと努めている。ただ、ちゃんと学んでいないだけです。もしかしたら、まわりの大人がきちんと話せていない環境にいたのかもしれません。敬語や謙譲語を教科書や本で学ぶこともありますが、育っていく中で身についていくものです。ですから、若い人たちが間違った敬語の使い方をしているのを聞いたら、職場の上司は指導すべきです(…べき、という言葉は使いたくありませんが)。丁寧に接したいという気持ちがあるのですから、そこを大切にしながら伝えてほしいと思います。音楽大学で作詞について教えているので、多くの学生たちと接します。今年は新型コロナウイルスのために前期はオンライン授業となり、後期はオンラインと対面のハイブリッドの授業を行なっています。直接顔を合わせずに一年終わってしまう学生たちがほとんどなのですが、オンライン授業での利点がありました。毎週の課題提出、歌詞の添削など、学生と直接メールでのやりとりがあります。54名の学生ほぼ全員のメールの文体は丁寧で、とても清々しいことに感心しています。大学生だからそれは当然のこと…と思う人もいるかもしれません。言葉はその人を語ります。丁寧であるかカジュアルであるかということではなく、言葉にはその人の心の温度が現れる。そういう意味で、学生たちの言葉には作詞をすることへの真摯な気持ちを感じるのです。すると、言葉も真摯になります。むしろ、大人たちの言葉のほうがぎすぎすと批判的になっているような、清々しさを失っているような感があります。言葉は時代とともに変わります。私世代の言葉を、親世代は受け入れがたかったかもしれません。変わりゆく言葉、その一方で変わらない言葉、変わってはならない言葉があります。日本語の美しさは日本人の精神文化です。言葉の乱れを糾すよりも、日本語が私たちの精神文化であることを知ることが大切なのではないでしょうか。そしてその精神文化を伝えていくのは、大人世代の責任なのです。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年10月11日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。秋の実り、人生の実り収穫の秋、実りの秋を迎えました。実りの喜びを味わう時期です。人の一生を季節にあてはめる。若い働き盛りの時期を過ぎて、人生の秋は50代、60代を過ぎた頃から…でしょうか。種を蒔き、耕して、そして実りとなる。人生の大きな実り。そして、こうして過ごしている中でも繰り返されるのでしょう。人生の実りを味わえる年代を迎えましたが、種蒔きの日々は続きます。小さな種、大きな種。なんかこう、畑に一粒ずつ種を蒔いて、丁寧に土をかぶせて水をやっている……そんな日々です。仕事のことで言えば、一つ一つの仕事を大切にすることも種を蒔くこと。何かを学ぶことも、人間関係を丁寧に紡ぐことも種を蒔くこと。日々のささやかなことをも大切にすることが、蒔いたものを耕すことになり、心のあり方が栄養を与えることになる。いつも意識しているわけではないですが、丁寧に育てることの大切さを今しみじみと感じます。それも人生の秋を迎える年代になったからでしょうか。自分の実りは何があるだろうと考えたとき、真っ先に浮かぶのは家族かもしれません。父はもうすぐ90歳に、母が亡くなってからひとりで暮らしています。私と妹たちはすぐ近くに住んでいますから、毎日電話で話したり食事をしたり。娘たちが近くにいると言っても、衰えていくことへの不安を抱えながら生きているのだと思います。それぞれの家族にはさまざまな事情があります。問題のない家族はないでしょうし、家族だからこそうまくいかないこともある。自分の年齢だけ家族の歴史があるのですが、それだけの時間をかけて耕して、いま、実ったのかなと思っています。芽が出て、育っていく間に雨で流されたり、干ばつで枯れてしまったり、踏み荒らされたり。いろいろなことがありましたが、耕すことを諦めなかったからいまがある。これは私にとっての大きな実りなのです。仕事の成功や、目に見えるもの、形あるものに実りを求めてしまいがちですが、自分自身の心の中に実りを感じていけたら、小さなことにも喜べるのではないでしょうか。忙しく、瞬く間に過ぎていく日々の中でこぼれてしまった種の中に、本当に大切なものがある……そんなことに気づいていく感性を磨いていきたい。それがいつか人生の秋を迎えたとき、きっと豊かな実りとなるに違いありません。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年10月04日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。人はいつか自分の言葉、行いに出会う「人はいつか自分の言葉に出会う」…というよく言われる言葉があります。因果応報とも、情けは人のためならず、とも言うのでしょうか。悪口を言えば、どこかで悪口を言われる。相手を批難した同じ言葉をいつか言われる。反対に、ポジティブな言葉を心がけていると、ポジティブな状況が開けてきます。めぐりめぐって自分の元に還ってくるというわけです。これは言葉に限ったことはありません。ずいぶん前にこんなことがありました。まだ娘と手をつないで歩いていた頃ですから20年近く前のことです。散歩をしていたとき、雨がポツポツと振り出し、次第に雨脚が強くなっていきました。雨宿りをしようにも、そのような場所がありません。急いで引き返そうとしたとき、透明のビニール傘を2本持っておじさんが歩いてきました。おじさんは私たちを見ると1本のビニール傘を「ほら、どうぞ」と差し出してくれたのです。この出来事の何ヶ月か前、車で家へ帰る途中、急に雨が降り出したことがありました。前方から制服を着た女の子が鞄を頭にのせて速足で歩いてきました。思わず助手席の窓を開け、ビニール傘を差し出しました。女の子はびっくりしていましたが、傘を受け取ってくれました。誰かの役に立つこと、それはいつか自分も助けられるということ。世界は決して難しい法則の上に成り立っているのではないのですね。自分が差し出したものを、いつか受け取る。ただそれだけのことです。いまの社会状況は複雑な様相を呈しています。その中で私たちは不安になり、先が見えなくなり、途方に暮れることもあります。でもそんなとき、いつか自分の言葉に出会うこと、自分の行いに出会うことを忘れずにいたいものです。いま、この瞬間にできること。それを自分の軸にするとで、何をするべきか見えてくるでしょう。2ヶ月前、転んで手首の骨を折ってしまったときのこと。近くにいたおじいさんが駆け寄り、すぐに救急車を呼んでくれました。私の重い荷物を持ってくれ、救急車に乗せてくれたのです。お礼をしたく名前と住所を教えてくださいとお願いしたのですが、「あたりまえのことをしただけです」と。私は病院に向かう救急車の中で、おじいさんが健やかで幸せであるように祈りました。ひとりだけで生きていける人はいません。誰かに支えられ、誰かを支えながら生きている。優しさがめぐりめぐる社会、よい種を蒔いていく。いま、こんな状況だからこそ実感するのです。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年09月27日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。かけがえのないものたち夜9時すぎに仕事が終わり、軽く食事をして帰ろうと自宅近くのお蕎麦屋さんに行きました。10時10分ほど前だったでしょうか。そのお蕎麦屋さんは深夜0時まで営業しているので、仕事で遅くなったときにはよく利用しています。ところが、東京都の営業時間自粛要請のためにすでに閉店時間。もちろん、近くのお店も同様です。このような時間にしか食事をとれない人もいるはず。日常が日常でなくなっていることへの理不尽、お腹が空いていたので余計に感じてしまいました。日常…それは本当にあたりまえのように私たちのまわりにありました。インフラが整っているのもあたりまえのように。マーケットにあふれるほど商品が並んでいるのもあたりまえ。家族がいるのも友達がいるのも、日常の中に溶け込んでいるよう。元気でいられることも。若い頃は『いま、ここにあること』のありがたさに無自覚でした。しかし、子どもが生まれ、日々成長していく姿を見ていると、一日一日の尊さが胸に迫るようになりました。子どもが生まれたときに、この世界にこれほど愛しい存在があっただろうか、と心が震えました。親であれば、誰もがそのような感慨を抱くでしょう。かけがえのない子供の成長の一瞬一瞬が、かけがえのないものになっていきました。22歳になったいまも、それは変わることはありません。同じように、高齢の両親(母は4年前に旅立ちましたが)に対しても感じるのです。あたりまえのように過ごしている日々は、あたりまえではない。いつか別れる日が来る。誰もが限りある時間を生きています。その終わりがいつ訪れるのか誰にもわからない。明日かも、一年後かもしれない。私たちはかけがえない存在、時間を与えられているのです。かけがえのないもの。唯一無二、世界に一つしかないもの。かけがえのない、愛するものを持っている幸せ、それは愛するものを失う怖さと表裏でもあるのです。子どもがまだ赤ちゃんだった頃、抱っこして子守唄を歌っているときにふっと心をよぎったことがあります。「もしもいまこの子を落としたら、死んでしまうかもしれない」命を守ることの静かな怖れは、「かけがえのない」ということの重みでもありました。あたりまえではなくなった日常が、いつの日かあたりまえになっていくのでしょうか。そんな時代や状況の変化の中にあっても、かけがえのないものは変わらない。かけがえのないものを大切にし、愛することは生きる上での柱になる。それは、私たち一人ひとり、自分自身でもあるのです。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年09月20日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。今日、ふらりと旅に出ようふらりと旅に出たい。木々を震わせながら吹く風を感じたい。何も考えずに波の音を聞いていたい。ぽっかりと海に浮かんでいたい。渓流の水の冷たさ、草原の匂い。ほとんどの時間を家で過ごすのは決して苦痛ではありませんでしたが、自然の中に身を置きたいという思いは、旅への渇望をつのらせます。実際、それなりに移動をし、何も気にすることなく旅を楽しんでいる人たちもいます。14歳になるシニア犬がいること、この夏は手首を骨折してすっかり体力が落ちてしまったことなど、社会の事情に加えてふらりと出かけられない事情が重なってしまいました。つのる思いを叶えられないことが、さらに気力を奪っていく。少しずつ空気が抜けていく風船のように、自分が萎んでいくのです。遠くへ行けないなら、近くの行けるところへ行こう。真昼の暑さを避け、午後4時すぎに車で15分ほどの広い公園へ行きました。その公園は広い芝生の緑地の中にソメイヨシノ、ヤマザクラ、ケヤキ、クヌギ、コナラ、ミズナラなど多くの木が心地のいい木陰を作ります。四季折々の光景を楽しめ、我が家から一番近い、自然を感じられる場所です。子どもたちがボールを追いかけている。若いお父さんが、よちよち歩く幼子を見守っている。ベンチで寄り添う恋人たち。木陰で本を読んでいる男性。おしゃべりに興じる女性たち。公園という場にそれぞれの時間が流れている。そんな時間の尊さをふと思う。いつもならなんとも思わないあたりまえの日常のありがたさを感じるのは、自分の体が思うように動かないという体験があったからかもしれません。散策していると、ユニークな枝振りの百日紅の木がありました。小さな赤い花が手毬のように。枝がくねくねと曲がりながら広がっています。その木陰で、おじいさんとおばあさんがお昼寝をしていました。こうして年を重ねて、二人して公園で寛ぐ時間を楽しめる。なんでもない日常なのでしょうが、なんでもないことを「できる」ということが、実はしあわせなのだと思うのです。何度も歩いたことのある公園ですが、気持ちの持ち方で発見することも変わります。目に映るすべてのものが語りかけてくる…そんなスイッチが入ったようです。一回りして、先ほどの百日紅の木のあたりに戻ると、お昼寝していたおじいさんとおばあさんは、フリスビーに興じていました。お互いにキャッチできずに、拾っては投げ、拾っては投げを繰り返し、おばあさんの高らかな笑い声が空に吸い込まれていくようです。ふらりと旅に出たい。広い緑地の真ん中に寝転んで、空の広さを抱きとるように。ほんの2時間、近くの公園をふらりと。すっかりリフレッシュしました。願いを、ささやかでも行動に移してみましょう。心と身体を喜ばせるように、楽しませるように。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年09月13日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。小さな感謝が明日を作る電車の中でお年寄りに席を譲るとき、私は父や母のことを思ったものでした。父も母もこうして席を譲ってもらえるように。祈るような気持ちで、座席を立ちました。母は4年前に亡くなり、父も89歳。父も滅多に電車に乗ることはなくなりましたが、必要としている人に必要としているものが届きますように、という思いで席を立ちます。車を運転しているとき、車線変更をしようとしてもなかなか入れてもらえないことがあります。そんなときに車間を開けてくれる車をサイドミラーに見つけると、感謝が湧き上がります。少々大げさに聞こえるかもしれませんが、我先にとばかりにスピードを上げて追い抜いていくドライバーの中にあって、譲ってくれる人には心の大きさを感じてしまうのです。(譲ってくれた人に、今日いいことがありますように)ハザードランプを点滅されて「ありがとう」を伝えながら、小さく祈ります。先日、友人が交番で道を尋ねたときのこと。彼女はマスクを忘れたために、交番の中に入らずに外から尋ねたそうです。すると中にいた警官から「マスクをしなさい!」と怒鳴られたそうです。この出来事に現れているように、多くの人の中に感染への不安が広がり、ピリピリとした雰囲気があります。マスクをしていないことで暴力を受けたり、排除される。これは、明らかに行き過ぎた傾向だと思います。マスク警察、社会不安によって人を裁く方向へ向かうのは、決して好ましいとは言えません。いま、この閉塞感のある時期、大切なのは本当にささやかな幸せに気づくことであり、ささやかなありがたさを感じること、小さな感謝を伝えることではないでしょうか。言葉で伝えられなくても、心の中でちゃんと伝える。人と人をつなぐのは批判ではなく、あたたかい心の通い合いです。自由に人の行き来ができない分断されたときだからこそ、目に見えても見えなくても、言葉にしてもしなくても心で伝えていくことだと思うのです。それは確実に、次の社会を作る小さな礎になるのです。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年09月06日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。母は幸せで、せつなくて〜空港にて思うこと8月半ば、娘が留学先のニューヨークに戻りました。コロナ禍の中、ほとんどのフライトは欠航で、羽田空港の国際線ターミナルは閑散としていました。午前9時から11時の間にある27便のうち、飛んでいたのは、パリ、ヘルシンキ、バンコク、ダラス、ニューヨーク行きの5便。人々のざわめきはなく、レストラン、お店は全部閉まっています。世界が分断されていることを、肌身で感じました。空港は、出会いと別れの場です。そこには、一人ひとりのドラマがあります。旅立つ人、見送る人。出発ロビーにも到着ロビーにも、それぞれの人の思いがあります。年に2回、見送り、出迎えをするようになって8年が経ちました。保安検査場に入っていく娘の背中を何度見送っても、慣れることはありません。体の一部を持っていかれるような痛みに、毎回、少し泣いてしまいます。8月の終わり、お正月明けの出発ロビーには、留学生らしい学生たちとその家族を多く見かけます。子どもが保安検査場に入り、その姿が見えなくなってもその場を離れずに立っている母親たち。私もそんな親の一人なのですが、(さあ、帰りましょう)と切り替えることができません。子どもがまた手の届かないところに行ってしまったことを噛み締める…そして、次の日常にリセットするための時間なのかもしれないなあと思うのです。お盆とお正月に故郷に帰る。子どもが帰ってくるときには、お母さんはきっとご馳走をたくさん作って待っていることでしょう。それを作っているときの母親の気持ち。久しぶりの再会を楽しみに、静かにわくわくし、子どもの好きなものをたくさんこしらえるでしょう。その同じ気持ちを私も味わっています。楽しみで仕方がないのですが、同時に母親とはせつないものだとも思うのです。私はいつも、展望ロビーから機影が見えなくなるまで見送ります。これも、私のリセット法のひとつなのかもしれません。飛行機に乗っているすべての人が無事にそれぞれの目的の場所に着くように、激しく祈ります。猛暑、じりじりと肌を刺すような炎天下の展望ロビーには、ニューヨーク便を見送る人がたくさんいました。ずっと動画を撮っている女性、孫を見送るおじいさんとおばあさんもいました。しがみつくように金網につかまり、じっと見送っている女性もいました。みんな、愛する人を見送っている。それぞれのドラマを生きているのです。夏空に小さくなっていく機影を追いながら、母親である幸せとせつなさを深く味わったのでした。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年08月30日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。オンライン御供養というリアルZOOMでの盂蘭盆法要。おそらく今年初登場の法要スタイルかと思われます。『密』を避ける一つの対策、そしてこの猛暑の中に外出せずに御供養できるという利点もありますね。夫の両親の法要をお願いしているお寺さんからお知らせをいただき、旧暦お盆のZOOM法要をお願いしてみました。本来なら、たとえZOOMであっても法要のときはお寺での作法を守ることが肝要でしょう。ところが、午後1時からの法要…うっかりお昼ごはんを食べながら…という…。もちろん仏壇にお燈を灯し、お線香を上げていたのですが、とんでもなく礼を欠いた法要になってしまいました。新型コロナウイルスは、私たちのライフスタイルに多大な影響を与えています。この不自由さに、ストレスを感じない人はいないでしょう。重ねてこの暑さ。でも、今はどうしようもないこと、腹を括って新しい方法を創造的に、前向きに作っていくしかありません。さまざまなことを制限された中、最新のテクノロジーを使って何ができるか。これまでにないサービスの創造、生きやすさを大切にした働き方など。新しい価値を作り出す好機と捉え、前に進んでいくのみです。オンラインお墓参りに続き、タクシーの運転手さんによるお墓参り代行サービスも登場しました。運転手さんがお墓の掃除をし、供花をし、お参りをする。県を越えて移動するのが難しい中、これもありがたいサービスに違いありません。私の実家のお墓は、都内から車で1時間ちょっとの都下にあります。小高い丘の上にあり、遠く相模湾が見える気持ちのいい場所です。年2回のお彼岸には欠かさずお参りに行きますが、ただ儀礼、先祖供養のためだけはなく、自分自身のためにあるように感じます。墓石の掃除をし、雑草を取りながら、心を磨いているような…。掃除し終わった後の清々しさは、目に見えるきれいさだけではないのです。ただただ墓石の汚れを落とし、磨く。無心になることで心が清められていくような感があります。大切なのは先祖供養そのものだけでなく、こうした心にこうした小さな変化がもたらすことが大切なのだと思います。それが果たしてオンライン法要で成されるのかどうか。仏壇をきれいにし、部屋を掃除し、それから臨みましょうか。オンラインという二次元の空間にどれだけ『リアル』という価値を見いだせるか。私たちの感性と御供養ということに対する心の持ち方が試されるところです。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年08月23日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。癒しは自分の内側から空間を感じる。何もない空間を味わう。『「何もない」がある』という空間を体験してきました。東京、世田谷美術館で開催されている『作品のない展示室』は、この世界的なコロナ禍で海外からの作品の借用が困難になっただけでなく、国内作品の企画展も開催できなくなった状況の中にあって原点回帰とも言える『アート展』です。世田谷美術館は、緑豊かな砧公園の中にあり、この自然環境の中に溶け込むように建っています。公園を散歩している流れで美術館に。自然とアートが違和感なく一体となっているのを感じます。展示室に入ると大きな窓、そして公園の緑の光景。窓がフレームとなり、絵画のようです。実は、この展示室のこと、そこで感じたことについて多くを語るのは控えたい。人それぞれの感性の世界で遊んでほしいなと思うのです。誰とも話をせず、情報を知ろうとせず、ただただその場の静寂に身を沈め、大きな窓の向こうに立つヒマラヤ杉をぼーっと眺めてみて下さい。頭の中のおしゃべりをやめて、ただただ、その場にいることを感じる。心を空っぽにする時間です。唯一展示されているのは、建築デザインをした内井昭蔵氏の言葉です。「私は、宇宙そのものが非常に装飾的だと思う。つまり、宇宙の構造に美を感じる。地球の回りに月があり、地球が太陽系の中で回っているという、一つの大自然の秩序は物理学と同じで、その秩序感に美を見出すことができる」「今日の建築に魅力がないのは建築から自然のメッセージが消えてしまったからである」今、世界はこれまでの日常を送れない状況になっています。来年、再来年、この日常がどうなっているかはわかりません。私たちは今、エアポケットのような時間の中にいるように感じます。自然を感じる場所に身を寄せる。自然とつながることは、自分自身とつながること。なぜなら、私たちも『自然』の一部だからです。『作品のない展示室』は8月27日までの開催ですが、何もないことの豊かさを意識する時間、遠出をせず自然を感じられる場所で静けさを味わう時間を持ってみて下さい。誰かに癒されるのではなく、自分の内側から癒されるのを感じるでしょう。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年08月16日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。「まあ、いいか」―言葉が心を変えていく「まあ、いいか」「まっ、いっか」声に出してみて下さい。それぞれの言葉に、どんな感じがするでしょうか。「まあ、いいか」と言葉には、どこか投げやり的な、諦めがあるような、スルーしない方がいいことをスルーするようなニュアンスがあります。「まっ、いっか」と言葉にしてみると、どこかカラッとした、諦め、切り替えの早さを感じます。いいかげん…という感もありますが、さっぱりしたものです。同じ意味でも、ちょっとした言い方で『ニュアンス』が違ってきます。『ニュアンス』には、『色彩、音色の微妙な違い』『言葉にしていない意図』という二つの面があります。日本語には、それを現実にするエネルギー、『言霊』が宿っていると言われます。この観点で言うと、言葉の持つ『ニュアンス』には、話し手のエネルギーが宿っていると考えられます。実際、このような言葉は口にすることもあるし、心の中でつぶやくこともあります。(まあ、いいか)と流したら、そのような結果になる。少し後悔が残りそうです。そのときの自分の気持ち、感覚を味わってみることで、「まあ、いいか」ではないリセット法が見つかるかもしれません。例えば、友達にラッキーな出来事が起こったとします。そのとき、「いいね!」という言い方と、「いいわねぇ」という言い方ではどうでしょうか。若干言い方は違いますが、そこには本音の大きな違いがあります。同じうらやましい気持ちだったら「いいなあ!」と言ったほうが、からっとしています。たとえ(うらやましい…)と嫉妬が垣間見えたとしても、あえてからっと伝える。そうすることで、気持ちもリセットされます。思わず発した言葉に、意識していなかった自分の本音が現れる。発した言葉を取り戻すことはできません。(あ!)と思った瞬間、胸の奥から湧き上がった恥ずかしさでいっぱいになるのです。しばしば、SNS上での誹謗中傷の言葉が話題になります。どんなルールを課しても、責任を持たない言葉があふれているのを抑えることはできないでしょう。そのような言葉は相手を傷つける以上に自分を卑しめていることに一人ひとりが気づくしかないのでしょう。よく「人は言葉でできている」と言われます。心の表れが言葉となり、言葉が心を育てる。(まあ、いいや)のニュアンスを意識してみると、(まあ、いいや)と思うことがなくなりました。難しいことはひとつもない、ささやかな意識を。日頃使っている何気ない言葉こそ、私たちの心を高める礎となるのです。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年08月09日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。世界はサインにあふれている(転ばないようにしよう)3ヶ月ぶりの友人たちとの会食、プラットフォームのサンダルを履きながらそう思いました。厚底のそのサンダルは、爪先の返りもあり歩きやすく、お気に入りの一足です。いつも以上に気をつけて、レストランに向かいました。そのレストランはJR山手線の駅から歩いて10分、その途中に私が医療保険を契約している保険会社の本社ビルがありました。最近、営業担当の人と話すことがあったので、(ああ、ここにオフィスがあるんだ)などと考えながら歩いていました。川沿いの道をいくのですが、川の手前をいくか、渡った側をいくか、一瞬迷いました。そして私は橋を渡り、右に曲がりました。ほんの少し、そう、20メートルほど、レストランに近かったからです。そこには路上喫煙所があり、煙草の匂いが漂っていました。息を止めて通り過ぎようとしたとき、体が斜めになっていることに気づきました。そう、転んだのです。右手を見ると、手首が見たこともない曲がり方をしていました。親切なおじさまに助けられ、救急車で病院へ。翌日から入院、手術となりました。その前日、家の近くで松葉杖の大学生を見かけました。さぞ痛くて、不自由だろうなあと思い、横断歩道を渡るとき、少し離れたところから見守りました。まさか翌日に、こんなことになるとは…思うわけもなく。実は、骨折は2回目です。15年前に娘をスケートに連れて行ったとき、軽く手をついてしまったときに、右肘の骨をやってしまいました。その日、何かあったときのために保険証を持っていったことをよく覚えています。入院中、思考力も気力もダウンしたのですが、ただひとつ、胆で決めたことがあります。「野性の勘を取り戻す!」転ぶ前にいくつもあったサイン。そこにもっと注意を向けていたら、避けることができたかもしれません。サインを見逃してしまうのは、(まあ、いいか)という慢心であったり、我であったり、過度な情報が邪魔しているのです。ふとよぎる予感、目の前に現れる現象の中に、ヒントがある。その勘を研ぎ澄ますためには、予感やサインが現れたときに、受け止める、そして自分に確認、問うてみることです。これからの時代、私たちに備わっている本能を発揮していくことが、身を守る助けになると思います。野性の勘を取り戻す。そんな私の決意をよそに、家族によりヒールの高い靴禁止令が出ました。…はい、それが即効性のある対処であります…。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年08月02日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。小さなプレゼントのしあわせいつの頃からか、友人たちと食事をするときに、小さなプレゼントを持っていくことが多くなりました。友人たちもそれぞれに小さなものを。1000円から2000円くらいのお菓子や、何か美味しいもの。ちょっとめずらしいもの、旅行したときのお土産など。価格だけでなく、大きさも小さな手つきの紙袋に入るくらいのもの…相手に負担をかけない程度のものを選びます。プレゼントをもらうことはもちろんうれしい。でもプレゼントを贈ることもうれしい。どちらの場合も「うれしい」ということでは同じですが、そのタイプは違います。言い方を変えると、愛を受け取ったうれしさと、愛を与えたうれしさ。「与える」こと、giveすることで、脳内で快感ホルモンが分泌されるように、人間はできているそうです。与えるということは、言い方をかえると「役に立つ」ということです。プレゼントに限らず、力になること、助けること…誰かのために、見返りなど考えずに役に立つ何かをすること。「与える」「役に立つことをする」「人を喜ばせる」ということは、実は自分の運を強くすることにもつながるのです。中国から伝わった占術である算命学では、12年間に2年、天の守りがなくなる『天中殺』という期間があります。この時期には引っ越し、新築、会社の設立、結婚など、自らの意志で新しいことを始めるのは避けた方が良いとされています。大難を小難に、小難を無難に。天中殺は怖い…と恐れる人が多いのですが、天中殺の影響を和らげる方法があります。それが「与える」ということなのです。算命学の宗家高尾義政先生の著書によると、「人にごちそうしなさい」と。金銭的に『損』をすることで、災難を前もって買ったことになる。そうすると影響が薄まるというのです。もちろん、これはひとつの例えで、プレゼントも、誰かに力を貸すことも含まれます。一見、現実的な方法に見えますが、要は「徳を積む」ということなのです。少しずつでも徳を積むことで、運を強くする。そしてその積み方も、さりげなく、目立たぬように。これが陰徳です。そしてさらに言うなら、陰徳を積むなどと意識せず、運を強くするなど考えず、人を喜ばせることをしあわせに思う自分でありたいものです。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年07月19日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。「犬は無償の愛を教えてくれる天使」「犬は無償の愛を教えてくれる天使よ」10年前、我が家のトイプードルのラニが肺炎で緊急入院をし、弱気になった私にジュディ・オングさんがかけてくださった言葉です。ジュディさんは大変な愛犬家で、当時、子どもようにホワイト・テリアのパールちゃんに愛を注いでいました。その姿を、誌面などを通して知っていたので、つい泣き言のメールを送ってしまったのです。無償の愛を教えてくれる天使…飼い主を信じて、何も疑わない、ただただ慕ってくれる。愛しかない…ということを、わんこたちは命いっぱいで表している…。ラニが私たち家族に何の疑いも持たず、100パーセントの信頼を寄せる姿そのものに無償の愛を感じます。愛するとは?信じるとは?人は一点のエゴもなく誰かを愛し、信頼することができるだろうか。親との関係ですらギクシャクすることが多いというのに。無償の愛だなんて大袈裟な…と思う人もいるかもしれません。私たちが学ぶのは、教師や本からだけではありません。私たちの心を育てるのは、偉い人の名言でも、最先端のテクノロジーでもありません。まわりにいるすべての人から、あらゆる出来事から、私たちは学ぶのです。世界のありよう、自分の感情の『感じ方』に、自分自身の心のありようが鏡のように映し出されます。そこで自分を振り返り、成長することができるのです。ラニはもうすぐ14歳になります。人間の年齢にすると75歳くらいでしょうか、老犬と呼ばれる年齢です。2.53の小さな愛らしい姿に、どうしても老犬という印象はありません。でも、この自粛期間のある時から、急に弱くなってしまいました。つい前日まで喜んで散歩に出ていたのに、行きたがらなくなり、喜んで食べていたごはんを食べなくなりました。検査してみると初期の心臓弁膜症と腎臓が弱っていることがわかりました。いつか弱る時が来ると思ってはいたものの、いざこのような状況になると不安で仕方がない私がいたのです。失いたくないという気持ち、少しの変化にぐらぐらとしてしまう…そんな私の不安をラニが受けてしまうことをわかっていても、覚悟のできない自分がいます。ラニは、そんな弱虫な私を鏡のように見せてくれているのです。犬は無償の愛を教えてくれる天使。老いて弱くなっても、犬が飼い主に寄せる信頼に変わりはありません。限られた時間を生きる。それは命あるものの宿命です。これからの時間がどれだけ尊いものになるか。愛することは不安や悲しみを超えていくことなのだと、これから私の大きな学びが始まります。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年07月12日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。『自分だけの応援歌』を!久しぶりにNHKの朝ドラ『エール』を観ています。昭和を代表する作曲家、古関裕而氏の物語。戦前から戦後へ、日本人を励まし続けた歌とともに辿る物語は、純粋に音楽を生み出していくことの大切さを教えてくれます。古関裕而氏は早稲田大学の応援歌『紺碧の空』、プロ野球の応援歌、高校野球の『栄冠は君に輝く』、そして1964年の東京オリンピックの『オリンピックマーチ』など、多くの応援歌を作曲されました。改めてこれらの応援歌を聴いてみると、雲ひとつない青空のような真摯なさわやかさを感じます。その当時の日本人の、希望を見出しながら生きていく澄んだ精神を感じるのです。そう、私たちの人生にも応援歌があるといいです。大好きで聴いている音楽が、その人の応援歌になるのでしょう。元気を出したいとき、背中を押してもらいたいときの歌、いろいろあると思いますが、「これ!」という歌を決めるのです。10年前、手術を受けました。命に別状のない手術でしたが、やはりお腹を開けるのには少し怖さもありました。看護師さんが迎えに来る直前までヘッドフォンをして、大音量で繰り返し聴いていた歌があります。チャカ・カーンの『I‘m Every Woman』。「私はすべてを持っている女よ!」と、自分に叩き込むように何度も何度も聴きました。胸の奥から、わあーっとやる気を起こさせるように。怖さを蹴散らすように。そして気持ちが整い、盛り上がったところで「よっしゃ!」という気合いで手術室に向かいました。もう一曲、「落ち込んでいる場合じゃないぞー」と引っ張り上げてくれる歌があります。アンドレア・ボッチェリの歌う『大いなる世界』です。前半のオリエンタルなコード進行のメロディーが胸に響き、それからサビの大きな展開で一気に視界が開けていくような感があるのです。音楽は空気の震えです。その震えは私たちの体に響きます。この音楽が好き、元気が出る、と感じるのは、私たちが発している何かとその音楽が発している何かが合致した瞬間なのではないかと思います。単に、好みだけの問題ではなく。自分の体と心にフィットした音楽、モチベーションを上げてくれる音楽、泣ける音楽など、『持ち歌』のように持っているのはどうでしょう?歌の力をもっと活用できたらと思うのです。最近では、ストリーミングで気軽に多くの音楽を手に入れることができます。これは著作権で生活をしている私たちからすると困った時代になったのですが、それでも多くの人が音楽を楽しめるようになるのは素晴らしいこと。一人ひとりの元気が社会全体の元気につながるのです。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年07月05日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。ピンチが新しい日常を作る家にいる時間が長くなり、多くの人が家でできる楽しみを見出すようになりました。大掃除、『断捨離』に精を出し、お料理、レストランからのお取り寄せなどのお楽しみもありました。通常、テイクアウトなどしていないレストランが、お店と同じメニュー、また特別にお弁当などを提供しています。それも経営を存続させるひとつの方策、私たちにとっても楽しみなことです。食べることが唯一の楽しみになった3ヶ月、私も料理ばかりしていました。しまいこんでいた器を出しました。亡くなった母が集めた器、もったいなくて箱に入れたままにしていたのですが、使ってこそ器、楽しむのがいちばん。ぎゅうぎゅう詰めの食器棚を整理して、なんとか納めました。普通の焼き魚も、少しいいお皿にのせるだけで気持ちが上がります。若芽と胡瓜の酢の物も、古伊万里の小鉢にいれるだけでちょっと特別に見えました。インターネットでお料理屋さんの盛り付け方など参考にしながら、毎日の夕食がなんとなくごちそうに。いま、ここにあるものを使い、創意工夫次第で楽しみを見出せる。限られた中で、どれだけクリエイティブに日々を過ごせるかということが試されました。制限されたからこそ、知恵を出せたと言えるでしょう。家の中の楽しみということだけでなく、仕事の仕方、子どものこと、保育のことなど、これまでのやり方を変えなければならないとき、困った困ったと言っているだけではたち行かない現実があります。ピンチのときに活路を見出していく、ここは自身の底力が試されているところです。私も、大学の授業がオンラインになりました。まず、オンラインの仕組みを学び、クラスルームを作り、55人の学生の登録を手作業で。テキストを作り直し、パワーポイントでスライドを作るなど、通常の授業よりも何倍もの手間がかかりました。ところが実際にオンライン授業をしてみると、学生たちの学びが進んでいるような感じがします。少し考えさせる課題を出しているのですが、ほぼ全員がしっかりとした作品を書いてきます。クラス全体の雰囲気がどうなのかわからないのですが、少なくともひとりひとりのモチベーションは高くなっているのは確かです。これから、世の中がどのように変化していくかわからない中、この状況の中でどのように進化していくか考え、実践していくこと。創意工夫と、もっと楽しいことをできないかな、という気持ちが、新しい社会を作っていくきっかけになる。それはきっと、ひとりひとりの創造性と実行力という底力と、この日常から始まるのです。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年06月28日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。『見えない友達』と夢の中にいるような時間と(いつか大人になるのだから、急いで大きくならなくてもいいよ)幼い子どもたちを見ているとき、ふっとそんな言葉をかけたくなります。子どもにとっても、大人にとっても、「大きくなる」ことは喜び。ひとつひとつ、階段を昇るような成長を見守る。それは子育ての醍醐味でもありました。娘が4歳くらいまで、見えないお友達がいました。『もったん』と『いっちゃん』です。言葉を発するようになった頃からか、誰もいない空間に向かっておしゃべりをしているので、「誰とお話ししてるの?」と聞いてみました。「もったんといっちゃんと遊んでるの。ママ、見えないの?」と不思議そうな顔をします。ママには見えないなあ、というと、驚いた顔をして、「そこにいるよ。ねー」と、部屋の一隅に向かって笑いかけました。ときどき、「もったんといっちゃん、いま遊びに来てる?」と聞いてみました。「うん、来てるよ」「いま、そこに座ってる」と、頻繁にいる様子。幼稚園に通い始めた4歳の頃から、もったんといっちゃんが遊びにくる回数が少なくなったようでした。そして6歳になった頃には、もう来なくなったのです。同じように、娘の幼なじみの男の子には、『おーばい』という見えない友達がいました。二人で遊ぶときには、それぞれの見えない友達も一緒だったようです。『見えない友達』を精神医学用語で『イマジナリーフレンド』というそうです。人間関係を作ることに慣れていない子どもが、気持ちを共有したいときに『空想の友達』に話しかけるようになるそうです。この体験は豊かな創造性を育む上で大切なプロセスで、親は受け入れて見守ることが大切です。創造性こそ、生きることを豊かにする源ですから。幼稚園や保育園、そして学校に通うようになり、子どもたちは現実の人間関係の中に入っていく。子どもにとっては大きなチャレンジの始まりです。人との関わりが心を育てていく。そしてそれは、子どもたちの夢のような心の空間が薄らいでいく始まりでもあるのです。思い出してみると、この頃の子育ては、娘の夢のような心や感性を通して私も豊かな時間を過ごしました。絵本の読み聞かせをしながら、私も物語を一緒に味わいました。子育ては、やはり大変です。体、そして時には心も疲弊します。でも、あの頃の時間は何ものにも変えがたい宝物です。(いつか大人になるのだから、急いで大きくならなくてもいいよ)ときどき、自分にもそう言いたくなる時があります。心のどこかに、夢の中のような場所を。それは、大人になった私たちにとっても、シェルターのような場所になるのです。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年06月21日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。ハードロックを歌って体を強くする!体を強くする三つの方法。1.フルーツ、野菜をたくさん食べる。2.お風呂に入る。バスタブに浸かる。3.歌を歌う。今朝の番組の中で、免疫学者が指摘していたポイントです。新型コロナウイルスの予防法として手洗い、うがい、マスク、三密を避ける…などが提唱されています。なぜか食生活については触れられないことが多いのですが、何よりの予防は「体を強くする」ことに尽きます。そのために、食生活を見直し、よりよくしていくことは必須です。フルーツ、野菜を食べる。なぜ野菜か。食物繊維、ビタミンを摂ることはもちろんのこと、もっとも大切な目的は「血液をサラサラにする」ということです。そのために、野菜の中でも特にレタス、クレソン、セロリ、生の人参を多く摂ること。そして造血に効果的なビーツも、最近注目されている野菜です。食生活を見直す目的は、栄養のバランスをとることだけではありません。これからの食事は、「血液をサラサラにする」ということを意識することが肝要です。血液は身体中の細胞に酸素、栄養を送るのですから、ここが健康を保つための要になるのです。血液の浄化を意識してみると…食べたいものと、食べるべきものが違うことに気づくのではないかと思います。ここは、本当につらいところですね。おいしいものは、heavyなものが多いですから。歌を歌う!これは呼吸器を鍛える効果、そして横隔膜を刺激することによって、腹部の血流がよくなるそうです。そしてなんとハードロックを歌うと、その効果がさらに上がるとのこと。おそらく、ただシャウトするだけではなく、ちゃんとした呼吸法をとりながらハードロックを歌うということでしょう。私が受けている声楽のレッスン、正しいポジションでの発声を15分するだけで、じんわりと汗をかきます。そして、歌曲のレッスンではさらに。確かに、歌っていると体全体を使っている感覚が、私のような初心者でもあります。ハードロックのハードルは高いですが、バラードでも丁寧に発声を意識しながら歌うと血流をよくする効果がありそうです。同時に歌も上達しそうですね。この数ヶ月、新型コロナウイルスについてのさまざまな報道にストレスを覚えている人も多いのではないでしょうか。そんな中、この三つの方法は、楽しみながらできそうなことばかりです。思いきりハードロックを歌ったら…ストレスも発散できますね。私は、『六本木心中』から始めたいと思います!※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年06月14日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。自分にとって『本当に大切なこと』を選択する時代に緊急事態宣言が段階的に解除となり、近くの小学校に子どもたちが戻ってきました。3月に入ってから、この小学校の入り口の花壇にはたくさんのチューリップが植えられ、また校舎に沿ってたくさんの種類の花が植えられていました。卒業生を見送り、そして新入生を迎えるはずだった花は、きれいに咲いて、大きく開いて、そして散って行きました。学校が再開された時には、すべてきれいに刈り取られていました。近所の私たちは散歩の途中でお花を楽しんだのですが、同時に目的を果たせないでいることのせつなさも感じました。農業、漁業、食品加工業者……。レストランやホテルが休業、催事やイベントが中止になったことで消費者の元に届かずに多くの食糧が廃棄処分になったことでしょう。Facebook上ではこのような生産者をサポートするグループが立ち上がり、多くの食品がリーズナブルな価格で販売されました。Facebookページの支援者の数は36万人。生産者を守り、経済を少しでも動かそうとボランティアで始まったプロジェクトが支えている生産者の数も大きなものになっています。私も無農薬の野菜や、魚などいくつか注文し、作った人の顔が見えることの安心感を知りました。緊急事態宣言が解かれ、夜の繁華街には人が戻ってきているようですが、さあ出かけよう!という気持ちにはなりにくいものです。6月末に研修のために10人ほどで地方へ行くことになっているのですが、ここで気持ちの揺れについて気づきがありました。いま、発表れている東京での感染者は減少している。行く先のエリアからも感染者は多く出ていない。行く場所は『密』にならない場所である。研修を秋にしてもいいのですが、そのときに状況がよくなっているという『保証』はない。行くのならば、落ち着きかけている『いま』がいいのではないか。このような判断をしているのですが、まだ怖い、仕事の職種の関係上、用心したい…という意見。そして、何か罪悪感のような思いがあることにも気づきました。なんの心配もなく行動できる時代ではなくなりました。不自由な時代なのかもしれません。その不自由さの中で、私たちは自分の本当の気持ち、本当にやりたいことを最優先するというフェーズに入ったのだと思います。たくさんの選択肢の中で、これまでもしかしたら自分にとっての『本当のもの』が後回しになっていたかもしれません。この数ヶ月、私たちは「身を守る」「自分を大切にする」ことを体験しました。そして、タイミングが重要であることも体験したのです。アフターコロナの日常は、決して悲観するものでなく、自分にとっての『本当のもの、本当のこと』を選択していく。ある意味、自分自身を生きる機会が与えられたのです。小学校の花壇のように、目的を果たせずに終わるということがないように。心して。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年06月07日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。新しい日常をおいしく、爽やかに日常が日常でなくなったこの3ヶ月。その間に新しい日常を私たちは試行錯誤しながら過ごしています。マスクをする、手洗いうがい、除菌を徹底する。いくつかの方策の中で最も悩ましいのが、人と距離をとるということではないでしょうか。緊急事態宣言が解かれた後の日常について、多くの報道番組などで取り上げられています。例えば、レストランなどでは横並びに。人と人の間にシールドを張る。そしてモニターを通して会話をしながら食事をする。また、劇場はソーシャルディスタンスをとり、2席空けて座る。すると、劇場はガラガラです。このような方策を、番組ではシリアスに取り上げます。さて、これを観ている人たちはどんな気持ちになるでしょう?不安にならないですか?もし不安を覚えたら、そこで我にかえりましょう。情報をまともに受け取らない。よく考えてみましょう。不安にさせられるような情報には要注意です。これが本当にこれからの日常になるのでしょうか?シールド越しに友達と食事をする?それが現実的な日常なのでしょうか。ソーシャルディスタンスがそのまま人間関係の距離にならないか。コミュニケーション、ぬくもりを伝え合うことで得られた安心感を、もう得ることはないのか。真夏、気温35℃近い日にマスクをしなければならない?アフターコロナの日常で最も大切なことは、自身の体を強くすることです。免疫力を高めること。体が強ければ、少しくらいのウイルスには対抗できます。今回、お亡くなりになった人たちの多くには、持病があったと言われています。さまざまな情報の中で、留意すべきはこの点です。では体を強くするためにはどうしたらいいのか。それは、食生活の改善です。人は、食べたものでできています。新鮮な野菜を多く食べ、血液をきれいにする。これが基本です。食生活を見直し、改善する点があれば改善する。目が食べたいものばかり食べず、体が求めているものを食べる。食に関する情報もさまざまですから、自分で学ぶことが大切です。調べて、学んで、深く合点がいった方法をとる。また体質は人それぞれです。消化力が弱い人、アレルギー体質の人…自分の体質を把握する。そして、自分に合った食事法を選ぶことが大切です。アフターコロナの時代、政治や経済も変化を求められるでしょう。食品添加物、農薬問題など、人の口に入るものについて厳格な基準を設けていかないと、病気を引き起こす原因になります。この変革は、小手先のシールド作戦よりも、大きな成果を上げると思うのです。新しい日常は、決して悲観するものではないし、そういう日常にしないよう一人ひとりが考えていくのです。まずは不安にさせる報道に疑問を持つこと。そして、サラダを山盛り、おいしく食べること。今、ここからできることばかりです!※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年05月31日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。今更ながら、ITの必要性を実感中久しぶりにスケジュール帳を開いてみました。4月、5月に予定していた会合、クラスはすべてキャンセル。週に一度の買い物、不要不急の用事で3回出かけた以外は家にこもっています。なんと57日間。単調な日々にもかかわらず、1日は瞬く間に過ぎていきます。特にどこかを片付けたとか、勉強がはかどったということはないのに、気づくと夕方になっている。これまでの日常よりも、この2ヶ月の時間の流れが速く感じるのは意外でした。音楽大学ではオンライン授業が始まりました。これまでインターネットといえばメールとSNSと調べもの、それとスライドを作るパワーポイント、音楽……このくらいはこなせていました。そこにオンラインでの授業、配信、それも学生がいるので失敗は避けなければなりません。サポートを受けながら何とかクラスルームを立ち上げましたが、自分のITリテラシーの低さを痛感しました。昨年だったか、小中学生にタブレット端末を配布するという話題が出ました。そのとき私は、子どもにタブレットを持たせてバーチャルの中で学ばせるのはどうなのかと、かなり疑問を持ちました。子どもは自然に多く触れ、人とのコミュニケーションの中からたくましく学びとる方がよいと。ところが、実際にこのような状態になったとき、学習を進めるためにはどうしてもインターネットの環境が必要になってくる。オンラインによる授業しか受けられないときに、パソコンもタブレットもスマホもありませんでは、どうしようもないのです。逆の言い方をすると、インターネット環境を整え、その使い方をしっかりと身につけたら、学ぶ機会が多くなり、多くの情報を得ることができるということです。新しい世界、可能性が広がります。もちろん、そのためにはインターネットの正しい使い方を学ぶことが前提となります。ネット上の情報は玉石混淆(ぎょくせきこんこう)ですから、見極める力も必要です。と同時に、インターネット上でのコミュニケーションの取り方、言葉の使い方、マナー……便利に使える反面、身につけることがたくさんあります。そしてそれは、子どもを指導する者にも求められることでもあります。顔が見えない、匿名性もある、クリック一つで大きなお金も動かせてしまえる世界。人と会わずに生きていこうと思えばできてしまう。このテクノロジーの進歩と、目に見えないウイルスで命を落とすこともある人間とどのように融合していけばいいのか。リモートワーク、オンライン授業のことを通して、今回のSTAY HOMEは考えさせられることが多くありました。この期間が終わった先に、これまでと同じ日常はないでしょう。経済も仕事も教育も、そして人とのコミュニケーション、心のあり方も、おそらく違ったものになっていくでしょう。その中で、私たちがより自分らしく、楽しく、世界をよりよい方向にしていくこと。これは、これからひとりひとりが担っていくことなのです。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年05月24日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。シニアのペットが教えてくれること8月で14歳になる我が家のトイプードルのラニ。お腹が弱く、ときどき動物病院に駆け込むことはありましたが、シニアと言われる年になってからも元気で生きる気力にあふれている感がありました。2.33、片手でひょいと抱えられる大きさ。すばしっこく走り回るその姿は、パピーの頃と変わらないように思えていました。しかし、最近になり次のフェーズに入ったように見えます。耳が遠くなってきたこと、目がうっすらと白くなったこと。こほこほっと咳なのか、吐きそうになっているのか、そんな症状が時おり見えます。歩くのもゆっくりになってきました。それらが一時的な体調の崩れならいいのですが、どうもそんな感じではない。ラニ自身がこの自分の急激な変化に戸惑っているような感があるのです。もっと早く歩けたのに、どうしたのだろう。すぐに疲れてしまうのはどうして?そんな戸惑いが伝わってくるのです。(ママ、どうしよう)と言いたげな目で私をじーっと見ている姿に、せつなくなります。そして、戸惑うと同時に、自分の変化を受け入れようとしているようにも見えるのです。私もまた、そんなラニの変化に戸惑っています。受け入れたくないほど、悲しい。でも私自身がラニの変化、老化を受け入れることは、私自身が年を重ねていくことを覚悟することにつながることなのだ……。このことに気づいたとき、胸の奥からせつなくあたたかい思いがあふれて、泣きました。ラニが自分の体を通して私に伝えている……無償の愛のあり方を教えてくれているのです。体を持って「生きる」ということを伝える……4年前に亡くなった母は、自分の体を通して教えてくれました。脳梗塞で倒れ意識がなかったとき、何本もの管をつけた母が光に包まれているように見えたのを思い出しました。よく見なさい。これが生きるということよ。母の圧倒的な愛がそこにありました。強い覚悟がそこにありました。犬は、人間に無償の愛を与えてくれます。人間がかわいがる以上に、愛することの無垢を教えてくれます。ラニもまた、母のように生きることの意味を、体を通して伝えているのです。私もその愛を全身で受け止めたいと、もふもふの小さな背中をなでながら思うのです。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年05月17日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。「意識の高さ」で乗り越える!肌寒かったり、暖かかったり。雨が降り、強い風が吹き。1日、2日ごとに変わるお天気に体調管理がしんどい時期です。3月から4月の天気の変化に、つくづく「冬から春になる大変さ」を思います。冬の間、植物たちは冷たい土の中で春への準備をし続けています。そしてほぼほぼ暦通りに芽を出し、花を咲かせ、新葉を芽吹かせます。私たち人間が知らない間に冬の厳しさに耐え、その厳しさを成長の糧として、自然は開花の春を迎えるのです。人生にも春夏秋冬があります。それを一生の流れとして見ることもあれば、そのときどきの状況を表すこともあります。人間関係や仕事などで落ち込む時期もあるし、何をしても順調に進む時期、人生にはそのようなリズムがあります。困難な中にあるとき、それはまさに冬の時期のようです。寒さをしのぐために厚着をし、コートを着る。暖房をつけて、お風呂で体を温める。言ってみれば、困難のときにできることを考えて対処する。具体的に行動します。それでも、本格的な『春』はなかなか来ない。油断をすれば寒さがぶり返す。雨風に晒される……。これまで、私にもそのような時期が何回もありました。30代の初めの頃の『冬のトンネル』を抜け出すのに4年ほどかかりました。その間に、自分を変えるためのありとあらゆることをしました。セミナーや講演会を聞き、本を読み、イルカと泳いだり、パワースポットをめぐったり。でも、心底、変わることはできなかった。言ってみれば、これは寒さをしのぐために厚着をしているようなもの。その場を楽になる対症療法でしかなかったのです。自然は、厳しい寒さの中で眠っているわけではありません。春を迎えるため、芽吹くために必要な養分を蓄えています。冷たい土の中での静かな営みが、春を迎えるためには必要なのです。人との接触を減らす、不要な外出はしない。手洗い、うがいを徹底する。マスクをする。ゴーグルをする……。具体的にできることをする。これは対症療法的ですね。と同時に、この厳しい状況の中、私たちはもっと強くならなければなりません。自然界のように、この状況の厳しさを養分、糧にする強さを持たなければ乗り越えられないのです。危機意識とともに必要なのは、意識の高さです。絶対に不要な外出をしないという心の強さです。私たちも自然の一部、その自然の法則に倣っていまは怺えましょう。本格的な春、そして晴れ晴れとした夏を迎えるために!※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年04月26日ミスタードーナツは、スイーツブランド「Toshi Yoroizuka」などを展開するオーナーシェフ・鎧塚俊彦と、宇治茶専門店「祇園辻利」と3社共同開発したドーナツ「抹茶の、頂シリーズ」を、2020年4月10日(金)から期間限定で、ミスタードーナツ全店にて発売する。ミスド×鎧塚俊彦×祇園辻利の3社共同開発ドーナツ「misdo meets 祇園辻利 Toshi Yoroizuka」の新作「抹茶の、頂シリーズ」では、「祇園辻利」の一番摘み宇治抹茶を、自身も宇治出身である鎧塚俊彦の発想で進化させたドーナツを展開。抹茶とショコラの多彩な組み合わせや、生地とクランチを重ねた食感など、細部にこだわりの光る6種のドーナツを揃える。もちもち食感の「ポン・デ・宇治抹茶 ショコラアーモンド」など「ポン・デ・宇治抹茶 ショコラアーモンド」は、宇治抹茶を練り込んだもちもち生地にチョコレートをコーティングし、その上から宇治抹茶パウダーをトッピング。ダイレクトに抹茶とショコラの調和を楽しむことができる。さらに、ミルククランチを飾った「ポン・デ・ダブル宇治抹茶 ミルククランチ」や、宇治抹茶生地に宇治抹茶ホイップとチョコクリーム、2種類のクリームをサンドした「ポン・デ・宇治抹茶& ショコラクリーム」もラインナップ。ティラミスをサンドした「ティラミス宇治抹茶ホイップ」もデザート感覚で楽しめる「ティラミスショコラホイップ」「ティラミス宇治抹茶ホイップ」は、ティラミスをサンドした斬新な発想のドーナツ。「ティラミス宇治抹茶ホイップ」は、ココアを練り込んだふんわり生地に宇治抹茶ホイップとティラミスを挟み、アーモンドで食感をプラスした。その他、ココアを練り込んだパイ生地で、宇治抹茶チョコとチョコクリームを包み焼き上げた「宇治抹茶ショコラパイ」も販売される。【詳細】misdo meets 祇園辻利 Toshi Yoroizuka 「抹茶の、頂シリーズ」発売日:2020年4月10日(金) ※期間限定、順次販売終了予定。取扱店舗:ミスタードーナツ全店 ※一部ショップを除く。・ポン・デ・宇治抹茶 ショコラアーモンド 160円+税 ※~6月上旬まで販売・ポン・デ・ダブル宇治抹茶 ミルククランチ 160円+税 ※~6月上旬まで販売・ポン・デ・宇治抹茶& ショコラクリーム 180円+税 ※~6月上旬まで販売・ティラミスショコラホイップ 200円+税 ※~5月上旬まで販売・ティラミス宇治抹茶ホイップ 200円+税 ※~5月上旬まで販売・宇治抹茶ショコラパイ 220円+税 ※~5月上旬まで販売【問い合わせ先】ミスタードーナツお客さまセンターTEL:0120-112-020
2020年04月09日残すところあと少しとなった19年。元号も「平成」から「令和」へと変わった激動の1年だったが、芸能界も大きく変化した1年だった。本誌が目撃した驚きのスクープから特に反響の大きかったものを今一度お届けしたい。昨年、結婚25周年を迎えた田原俊彦(58)と元CanCamモデルの向井田彩子(48)。田原の“ビッグ発言”が炎上した時も献身的に支えてきた彩子夫人だが、なんと1年ほど前から密かにバイトを開始していた。妻が語った、驚きの夫婦生活の実態とは——。(以下、2019年4月2日号掲載記事)「1年ぐらい前から、彩子さんは自宅近くにあるバーで、週1回、働き始めたんです。食器洗いから配膳、接客までやっています。昔と変わらないスタイルで、美貌もモデル時代の面影がいまも強く残っています。彼女を目当てに、40〜50代の男性がよく通ってきていますね。“あやちゃん”という愛称で呼ばれていて“看板娘”といった感じです」(常連客)田原俊彦(58)は今年、芸能生活40周年を迎える。私生活では、93年10月に元『CanCam』モデルの向井田彩子(47)と結婚。翌94年2月には長女を授かった。だが、ジャニーズ事務所から独立後、「僕くらいビッグになると」と語った長女誕生会見が“ビッグ発言”として激しいバッシングを浴びた彼は表舞台から姿を消してしまう。「長らく苦節の日々が続きましたが、そんな田原さんを献身的に支えてきたのが、彩子夫人でした。次女も生まれ、2児の子育てに追われつつも、奥さんは地道なライブ活動などで再起を懸ける田原さんを文句ひとつ言わず励ましてきたといいます」(音楽関係者)50代突入の11年、田原は人気番組『爆報!THEフライデー』(TBS)で初MCに挑戦して再ブレイク。2年前の本誌の取材で、夫婦関係についてこう告白していた。《妻とは、夫婦として、もう23年ですからね。落ち着いてきたかな。ケンカもたまにね。ちょっとした言葉の行き違いとか、翌日忘れているようなこと。結婚を考えてつき合い始めたときから、彼女には仕事を辞めて、家庭に入って、子どもの世話をしてほしいと言ってました》昨年10月、2人は銀婚式を迎えていた。亭主関白な田原の意を酌んで、ずっと専業主婦だった彩子夫人。だが、昨年からひそかにバイトを始めていたのだ。田原家の知人は言う。「約4年前の不倫報道を機に、夫婦には大きな亀裂が生まれたんです。実は3年ほど前に田原さんは自宅マンションを出てしまったと聞いています」15年4月、28歳年下の女優との不倫疑惑が『FRIDAY』で報じられた。この記事によれば、田原は足繁く彼女の自宅マンションに通っていたという。バーの常連客は最近、彩子夫人が夫婦関係について本音を漏らすのを耳にしたという。「3月上旬のことでした。顔なじみと思われる40代男性客がバイトを終えた彼女をカウンターに呼び寄せ、お酒をごちそうしていたんです。いつしか夫婦の話題になって。男性がふと『旦那とは会ってるの?』と聞くと『もう3年は顔を合わせてないんです』と……」この顔なじみの男性は「旦那さんはどこにいるか知ってる?」と聞くと、彼女は「知らないんです。私が何をしているかもたぶん、あっちは知らないと思う。娘たちも私たち夫婦に気を使ってお互いのことを言わないようにしているんだと思います。旦那は優しいんです。夫婦にはね、こういう形もあるんです」苦笑交じりにそう語っていたという。田原の所属事務所に夫婦別居生活について聞くと、「コメントはありません」と答えた。前出の知人は神妙に語る。「彩子夫人は田原さんのことを決して嫌いになったわけではなく、まだ夫婦としてやっていきたい気持ちはあるようです。いつかはまた必ず、自分の元に戻ってきてくれると待っているのでしょう。田原さんから生活費はもらっていると聞いています。ただ、ずっと家にいると気がめいってしまう。だから働き始めたそうなんです」果たして田原が、長年の苦労を分かち合った夫人の待つ自宅に戻る日は来るのだろうか。
2019年12月28日絆の考え方は人それぞれ。決まったかたちがないものです。ミュージシャン・高見沢俊彦さんが思う「私の絆論」を教えてもらいました。絆は見えないけれど、確認するものじゃない。音楽って、“音を楽しむ”と書きます。“バンドにとっての絆”を考えたときに僕が最も大事だと思うのは、一緒に音を楽しめるかどうか。楽しめなくなったら、つまらなくなったら終わりなんです。僕は桜井と坂崎とギターを弾いてコーラスをすることが、45年経った今でも楽しい。二人がそう思ってくれているかどうか、正確なところはわからないけれど(笑)、でもたぶん、同じように考えてくれているんじゃないかな。ファンの方はご存じだと思いますが、アルフィーは、もともと桜井が高校時代に組んでいたフォーク・グループがベースになっているバンドです。別の高校に通っていた坂崎が先に加入、大学1年のときにキャンパスでばったり会った僕を坂崎が誘い、それで3人が揃った。当時の僕は大学がまったく楽しくなく、暗黒状態で、そんなときに坂崎から、「明日ライブなんだけど、ギターが抜けちゃって困ってる。よかったら手伝ってくれない?」と言われ、深い考えもなく参加しギターを弾いたら、とても気持ちが良かった。フォーク・ミュージックは初めてでしたが、彼らとギターを弾いてコーラスをしたのが新鮮で、高校時代にやっていたロックバンドでは感じたことのない楽しさがあった。もし桜井と坂崎がメタル好きだったら?こんなに長く続かなかっただろうね。フォークという、それまでまったく接点がない音楽だったからこそ、3人の間にここまでの絆が生まれたのかもしれないです。でも最初から絆があったわけでも、上手くいったわけでもない。デビュー後、オリジナル曲を作り始めたのですが、もともと僕らは主義主張があるわけでもない、ただ一緒に歌うのが楽しいだけの3人だったから、曲作りはかなり難題でしたね。いつの間にか桜井と坂崎が挫折、気がついたら曲を書いているのは僕だけに。でも曲がなければバンドは続けられないし、僕は彼らとバンドをやりたかったから、必死で書きましたよ。結局最初のヒットが出るまでに9年かかった。今思えば、つらい時間を共有し共に乗り越えたことも、絆をより強くした一因だったと思います。当時一人になると、「このままじゃヤバいな、学校に戻ろうかな」と揺れていたのは事実。でも3人で集まって歌っていると、そんなことどうでもよくなっちゃう。それこそが最大のバンドの利点、強さなんです。音楽を続けてこられたのは、バンドという形だったから。そういう意味で、二人にはとても助けられたと思っています。45年続けてきて、今なおこの3人でバンドをやるのが楽しい理由…、それはたぶん、僕が二人をミュージシャンとして認め、尊敬しているから。僕ができないことを彼らは、彼らができないことを僕はやっているという自負がある。バンドは総合力があってこそ。アルフィーは誰かが突出しているバンドではないからこそ、総合力が大事。とはいえ、「互いをリスペクトしてる」とか、言葉で確認したことは一度もないですね。絆は確認し合うものじゃない。愛も夢もそうだけど、目に見えないものは、確認してしまうと違う方向にいってしまう。それよりも、一緒に音楽をやる喜びだけを感じていくことが大事なんだと思います。ちなみに、以来アルフィーの曲は結局僕が全部書いていて、「あれ、俺、結局二人に書かされた…?」と思わないこともない(笑)。でも、二人に上手く乗せられてこうなったとしても、それはそれ。その曲をステージで最もかっこよく再現できるのは、あの二人なわけですから。そこに僕は、絶大な信頼を持っています。たかみざわ・としひこ1954年生まれ、埼玉県出身。桜井賢(Vo&Ba&Gu)、坂崎幸之助(Vo&Gu)をメンバーとする、THE ALFEEのボーカル&ギター。アルバム『Battle Starship Alfee』(ユニバーサル ミュージック)が発売中。※『anan』2019年11月13日号より。文・三浦天紗子©Malte Mueller(by anan編集部)
2019年11月09日校内暴力や暴走族が社会問題となっていた ’80年、音楽業界に突如現れたリーゼントにサングラスの4人組。アウトローな見た目から繰り出される“本物感”と親しみやすくキャッチ―な音楽のギャップで一気にスターダムを駆け上がり、短期間で完全燃焼した伝説のグループがオリジナルメンバーで再結成!アラ還の“ツッパリ”たちが当時の思い出から現在の心境までを本音で語り合った。「音楽をやってるだけで十分楽しかった。だから、女のコにモテたいとかまったくなくて。有名になって、好きな車に乗れたら最高だなぁと思っていたよ(笑)」(翔・61)活動期間は3年3カ月と短かった。しかし40年がたった今も、’80年代の不良文化の代名詞として語り継がれる元祖ツッパリ「横浜銀蝿」。リーゼントに革ジャン、サングラス、とその風情は健在。「高校生のときの服が着られます」とJohnny(61)が言えば、高校時代から彼を知る翔は、「全員、シワは増えたけどな。でも、笑って生きてきた証しだよ」とうれしそうにメンバーの顔を眺める……。’80年9月、シングル『横須賀Baby』でレコードデビュー。『ツッパリHigh School Rock’n Roll(登校編)』などのヒット曲を連発した。「初めてもらった給料は100万円だったかな。嵐さんが指をなめながら札を数えて平等に分けたんだ」と振り返るTAKU(58)。初給料で全員、念願の車を購入したという。「俺はシボレー・コルベット・スティングレイ。“売れたら、絶対買おう”って決めていた」(翔)’80年代といえば、歌番組の全盛期。『ザ・ベストテン』(TBS系)や『夜のヒットスタジオ』(フジテレビ系)といった人気番組の常連組に横浜銀蝿も名を連ねた。「俺らも、トシちゃん(田原俊彦)や聖子ちゃん(松田聖子)と同じく花の’80年デビュー組。でも、全然仲よくなれなかったね。廊下とかですれ違うときも必ずマネージャーが間に入ってきて、まったく近づけなかった。異様だったよ」そう語る翔だが、アイドルと付き合ったりして?とツッコむと、「家の電話番号が書かれたメモを何枚かもらったよ(笑)」とまさかの告白。驚く一同は、「初めて聞いた!」(Johnny)、「40年後にそんな話を聞くなんて!」(TAKU)と大興奮。「ラジオ番組で2人きりになったとき、デスクの下からメモを渡されて。でも、返事はしなかったよ。彼女がいたし、俺、いちずなのよ(笑)」バレンタインデーともなれば、トラックでチョコレートが届いた。「Johnnyがいちばん多かった。2万個は来たよ」(翔)そんな人気絶頂のなか、わずか3年あまりでグループは解散。「デビューするときから2年間で解散する約束だった。シングル1位、アルバム1位、日本武道館を満タン。この3つの目標のなかでシングル1位だけ取れなくて、悔しいからもう1年やろう、と。俺たちのトップを阻んでいたのは、シャネルズと寺尾聰さん。みんなサングラスをかけていたね(笑)」(翔)公言していた目標を達成。’83年の大みそかのラストライブで完全燃焼した4人はそれぞれの道へ。結成40周年を迎える’20年。解散後、37年の時を経て、初めてJohnnyを加えたオリジナルメンバーで再結成する。「今、楽しくてしょうがない」と喜び全開の翔。いっぽう、再結成の誘いに最初は戸惑ったというJohnny。心境を語った。「ギターを20年以上も弾いてなかった俺が、いまさらステージに立てるわけがないと思いました。でも、死ぬほど練習すれば、なんとかまた、みんなの仲間にしてもらえるかなぁって。ゴルフクラブをギターに持ち替え、目下猛練習中です。この気持ちは、デビュー前のワクワク感と似ていますね」その言葉にうなずくTAKUは、「役者がそろった」と表現。「こうして並んで座っているだけでも実感する。銀蠅はこの4人なんだと。素直にうれしいですね」そして、誰よりもこのときを強く願っていた嵐(64)は抱負を語った。「来年は、TAKUも60歳になって全員60代になる。“ツッパリ”に少々疲れも見えますが、相撲の土俵際のような“うっちゃり”をお見せしたいなぁと思います(笑)」’20年2月にはオリジナルアルバムを発売予定。’20年の年末まで全国ツアーをはじめ精力的に活動する。
2019年09月15日