35歳の私は、数年前に甲状腺ホルモンのバランスが乱れる「甲状腺機能低下症」と診断されました。さらに、年々倦怠感やふらつきなど、甲状腺が原因だと思われる症状が増えています。そこで、35歳になったタイミングで甲状腺専門のクリニックを受診することを決意しました。すると、医師から思いがけない打診を受け、緊張の時間を味わうことになったのです……。この不調は甲状腺が問題かも?35歳の春、朝からちょっとしためまいや頭痛を感じる日がありました。いつもとは少し違う体調に不安を抱きながらも、娘を保育園に連れて行き、その後は仕事をスタートさせました。初めのうちは大丈夫だろうと思って仕事をしていましたが、午後になっても体調が回復する気配はありません。そんな状態に、徐々に不安が募っていきました。夫にもLINEで伝えたところ、「病院に行ってきたほうがいいよ」との返答が届きます。そこで、どこの科を受診するべきか……と考え始めました。そのときに浮かんだのが、不妊治療をしていた数年前に甲状腺ホルモンのバランスが乱れる「甲状腺機能低下症」といわれたことです。インターネットで検索してみると、貧血やだるさなどの症状は、この疾患でも見られるとわかりました。「もしかしたらこの症状の原因は甲状腺にあるのかも……」そう考えた私は、その場で内分泌内科・内分泌外科を掲げる甲状腺専門クリニックに電話し、予約を取ることにしたのです。血液検査の結果は問題なし、しかし…週末、予約していた14時にクリニックを訪れました。問診表を記入し終えると、すぐに診察室へと呼ばれ「まずは血液検査からおこないましょう」と医師から指示が出されます。先に血液検査をおこない、結果を待つ間にエコー検査をするのが、このクリニックの流れのようです。医師の診察を終えて待合室に向かうと、さすがは週末とあって患者が増えており、椅子が空いていません。私は比較的早めの受診だったものの、スムーズだったのは血液検査までで、エコー室へと呼ばれたころには血液検査から1時間ほどたっていました。診察台に座ると、エコーを担当する看護師さんは「少しヒヤッとしますよ」と断りを入れ、すぐさま私の首筋に機器を当てて上下に繰り返し動かし始めます。そして、首の付け根に近い部分だけを入念にたしかめ始めたのです。神妙な面持ちで複数の角度から4枚ほど画像を撮影した後、「ちょっと先生を呼んできますね」と足早にその場を去っていきました。すると、今度は5分もしないうちに、最初に診察してくれた医師が現れました。そして、開口一番「甲状腺ホルモンの数値に問題はありませんでしたよ」と、血液検査の結果を告げたのです。エコー検査をしている間に血液検査の結果も出たとのこと。その診断にひとまず安堵しました。しかし、安心したのもつかの間、エコーで首筋を確認し始めた医師から「首に小さな腫瘍(しゅよう)がありますが検査しますか?」と、思いがけない質問を投げかけられました。先ほどの看護師さんが繰り返しエコーを動かしていた箇所に、小さな腫瘍があるというのです。そんなものがあると想定していなかった私は、心拍数が上がるのを感じながら「お願いします」と返答し、腫瘍の組織を注射で採取する検査をさらにおこなうことになりました。検査結果は1時間後に…ドキドキが止まらない組織の採取は、針を刺す瞬間にチクリとしたもののすぐに終わり、首元に出血止めのテープを貼って終了でした。長かったエコー室での検査を終えて部屋を出ると、患者でにぎわっていた待合室にも空席が目立ち始めています。空いている席に腰かけると、先ほど医師から聞いた「腫瘍」という言葉が、繰り返し脳裏に浮かんできました。「悪性だったらどうしよう」と、スマホに「首の腫瘍悪性」と入力して情報を集めていくと、そこに並ぶ疾患の数々に不安はさらに募ります。「もしかしたら、子どもの成長を見られなくなるのかな……」「そのときは夫になんて言おう」「親は悲しむかな……」自分がどうなるかよりも、周囲に与える変化を思うと、いたたまれなくなりました。そんな最悪の事態も考えながら過ごすことさらに1時間、診察室から患者番号が呼ばれました……。「結果は、良性の腫瘍でしたよ」診察室に入るなり、医師は朗らかな笑顔でそう告げました。「気になっていためまいや頭痛の症状も、甲状腺は関係していないので大丈夫です。今後は経過観察しながら様子を見ていきましょう」とのこと。今回に関しては不測の事態にはならずに済んだのだと、心から安堵した瞬間でした。まとめ腫瘍の発見から検査、そして結果を待つ時間は、これまで想像もしなかったことばかりが脳裏をよぎっていきました。自分のことでありながらも、子どもや夫に与える変化のほうが圧倒的に怖いと感じたのはこのときが初めてです。だからこそ、これまで仕事や子育てに追われて自分の体調を後回しにしていたことを猛省しました。結局、今回の検査でめまいや頭痛の原因は判明しなかったため、不安は残ります。しかし、娘の成長を夫婦や親族とこれからも見守っていくためにも健康は重要だと改めて気付いたため、定期的に病院を受診し自分の体も大切にしていこうと考えています。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。著者/さとうのりこ(35歳)産後のからだの変化に驚愕しながら、日々どうにかしようと奮闘する1児の母。体験談をはじめ、幅広い記事を執筆しています。
2023年10月25日昔から汗かきで「私、顔にも汗をかくから恥ずかしくて……」と語っていた友人。とはいえ新陳代謝もいいし産後だから普通だと思っていたそうですが、母親の更年期のホットフラッシュを目の当たりにして自分も病気かもしれないと悩みます。そして後に体調不良で受診した病院で、まさかの病気であることが判明したのです。その病気とは……。化粧も崩れるほどの汗をかく友人これは友人が35歳のころの話です。友人は学生時代ソフトボール部に所属していたバリバリのスポーツ女子。大人になってからもヨガやピラティス、時にはフットサルを楽しんでいたそうです。昔から筋肉質でスリムな体形は、「どれだけ食べても太らない」とのことで、うらやましかったのを覚えています。「新陳代謝が良くて、昔から汗かきだったの」と話す彼女は、たくさん食べてたくさん消費するタイプと公言していました。しかし友人は第1子を産んですぐのころから、時折クーラーを入れていても顔から吹き出るように汗が出てしまうのだそうです。「いくら暑いからって、クーラーも入っているのにこんなに汗をかくなんて…… 新陳代謝が良すぎるのかな」と思っていたようです。しかし、化粧をしている最中にも、抑えたファンデーションが汗で崩れてしまうのだそう。私が出産祝いを渡した日にも「私、顔汗がひどくない? 最近やばいんだよね」と話していました。その日は暑かったので私は「そうでもないよ、今日暑いからさ」と答えましたが、たしかに顔に汗の粒が浮かぶくらい汗をかいていました。もしかしてもう更年期…?産後から3カ月ほど帰省していた友人は、実家で両親とゆっくり過ごしていました。ある日、母親が「顔が熱いわ」と汗をだらだらかいているのを目の当たりにしたそうです。「お母さんも顔汗ひどいんだね。私もすごいよ~。これって遺伝なのかな?」と聞くと、母親は「私は更年期だからホットフラッシュとかいうものみたい。若いころはそんなに気になるほどではなかったから、遺伝ではないと思うけど……」と言ったそうです。友人はそれを聞いて「そっか、じゃあ遺伝じゃないよね」と答えました。しかし内心ではまさかと思いつつも「私の汗がひどいのも、何か異常があるのかもしれない……。若年性更年期障害も聞いたことがあるし」と不安に駆られたと話していました。たしかに友人は当時体調不良を感じていたそうです。生理もないし、疲れやすくイライラして、寝つきもよくなかったとのこと。赤ちゃんの授乳のために夜も起きて対応することが多く、産後は体調を崩しやすいものだと思っていたのだそうです。産後だから普通だと思っていた症状も「もしかしたらほかに原因があるのでは?」と、どんどん不安が募っていったのだそうです。そして友人は出産時にお世話になった産婦人科に併設されている内科へ相談することに。検査の結果わかったのは想像もしない病気子どもを親に預け、友人は早速産婦人科へ向かいました。そこでは生理の頻度や有無、疲れやすさやストレスなど詳しく問診があった後、血液検査があったそうです。すると数値を見た医師から「甲状腺の数値が気になります。ここでは専門的な検査はできないから、甲状腺の病院にかかってみては?」と勧められ、友人は後日、紹介状を持って甲状腺の専門病院へ行くことになりました。そこでまた問診と血液検査やエコー検査を受け、医師から聞いた診断結果は「出産後甲状腺機能異常症」。出産を機に何らかの異常が起きて甲状腺ホルモンが多く出てしまっていた状態だったのです。寝つきの悪さや、イライラしやすくなったことなど、問診で聞かれた項目は多くが当てはまったものの、「産後は体調が悪いのは当たり前だ」と考えていた友人。まさか自分の甲状腺に異常があるとは思わなかったそうです。しかし友人の症状は比較的軽かったようで、甲状腺を直接治療する前に対症療法で様子を見ることになったとのこと。ひとまず脈を抑える薬や漢方薬を処方されました。無理をせずゆったり過ごし、疲れたら休むことを指導され、定期的に検診を受けていたら、数カ月で甲状腺の数値も通常に戻ったそうです。数値が戻るのと同時に、多すぎる汗も治まっていったと言っていました。まとめ産後の体調の変化は人によって千差万別です。しかし、その体調の変化が出産と関係あるかどうかは個人では判断しきれません。友人も甲状腺に異常が起きるなんて考えたこともなかったそうです。そして「あのとき、考え過ぎかもしれないと思い込まないで、ちゃんと病院に行ってよかったよ」と話していました。これからは体調に違和感を覚えたら、たとえ何か心当たりがあったとしても自己判断だけでやり過ごすのではなく、きちんと病院を受診して診てもらうことを心がけようと友人から学んだ出来事でした。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。イラスト/さくら著者/田川 ゆうこ(36歳)体形の悩みは出産がきっかけなのか自分がきっかけなのか……悩む三姉妹の母ライター。今年こそダイエットを卒業したいです。
2023年10月12日人気マンガ家・イラストレーターの和田フミ江さんがステキなおばあちゃんを目指すマンガ連載「ときめけBBA塾(ばばあじゅく)」。ある日、喉の異変に気付いた和田さん。念のため、耳鼻科を受診してみると、どんどん大ごとになっていき……。★前の話喉仏に出っ張りがあり、少し痛みも…喉仏を触ると出っ張りがあることに気付いた和田さん。少し痛みもあったので耳鼻科を受診することに。すると思いがけない展開が待ち受けていました。今年の2月のこと。喉がイガイガする日があり、なんとなく喉を触って異変があるのに気が付きました。喉にゴルフボールのような突起があったのです。その日まで自分も家族もまったく気付きませんでした。念のためと思い耳鼻科を受診しましたが、私は内服薬ですぐ治るようなものだろう、と思っていました。しかし耳鼻科の先生には「甲状腺が腫れている」と言われ、「おそらくウイルスで炎症を起こしているか、水がたまっているのだと思うけれど、念のため内科も受診したほうがいい」と紹介状を渡されました。「甲状腺」と聞いて少し不安になりつつ、すぐに中規模の個人病院を受診しました。いくつかの検査を受けたあとにやってきたのは、今にも踊りだしそうな陽気な医師。検査結果を見てすぐに、紹介状を書いて予約するので、もっと大きな病院で検査してください、と明るく言われてしまいました。また違う病院へ行くの!?しかも病院の規模が大きくなっている……。ちょっと喉が腫れているだけだと思ったのに、どんどん大ごとになっていってしまい、自分の体に一体何が起きているのかと、ものすごく不安になりました。--------------「念のため」というような軽い気持ちで受診したのに、どんどん大きな規模の病院を受診することになった和田さん。ちょっとした異変だと思ったことが大ごとになっていくと、気持ちが付いていかなくて、より不安を感じてしまいそうですね。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。著者/和田 フミ江(46歳)イラストレーター・漫画家・二児の母。女偏差値43。極度の運動不足・シミ・シワ・白髪・腰痛・片頭痛などなど問題山積みで、ネタに困る気がしない。「ステキなおばあちゃん」を目標に、これから頑張りたい! 雑誌『フォアミセス』で「朝子のムジカ!!」連載中。
2023年08月30日ふと鏡を見て「首が太くなっている?」と思ったことはありませんか。年を取ると首まで太くなるのか……とため息をつく前にちょっと待って。もしかすると、意外な病気が潜んでいる可能性があります。しかも、それは女性がかかりやすい病気。一体どんな病気なのでしょうか。産婦人科医の駒形依子先生に聞きました。教えてくれたのは…監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。★関連記事:だるい・疲れやすい=更年期症状と決めつけはNG!更年期症状と勘違いしやすく女性がかかりやすい病気なぜ首が腫れる?「甲状腺」が腫れている可能性が太く見え、腫れているように見えるのは首ではなく、首の前にある臓器の可能性があるそうです。「首の前部、喉仏のあたりにある臓器を甲状腺といいます。甲状腺は甲状腺ホルモンを作り、分泌する臓器。甲状腺ホルモンは体のさまざまな機能を活性化させるもので、女性ホルモンと似た働きをします。甲状腺が腫れているのは、甲状腺ホルモンの分泌が何らかの原因で、急激に減ったり増えたりしているサイン。甲状腺が腫れている人は他にもさまざまな症状を感じているはずです」(駒形先生)。甲状腺異常にはどんな病気がある?代表的な病気はバセドウ病と橋本病「甲状腺異常にはさまざまな病気がありますが、代表的なものはバセドウ病と橋本病です。バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまう病気で、橋本病はその逆で甲状腺ホルモンの分泌が少ないことで起こる病気です。ともに、男性より女性の患者が多い病気です」(駒形先生)。【バゼドウ病の主な症状】暑がり多汗動悸がする体重が減る食欲旺盛手足が震えるイライラする頻便眼球が出る息切れしやすいかゆみがあるコレステロール値が低い生理不順【橋本病の主な症状】冷え症低体温うつっぽい貧血むくみやすい体重が増えるやる気が湧かない物忘れしやすい筋力低下便秘がち体が思うように動かない眠気を感じやすい皮膚がかさつく声がかれる足がつりやすい生理不順コレステロール値が高い「どんな症状が出るかは個人差があり、程度も人それぞれです。20代から発症する人も多いので、40代、50代に多いというわけではありません。ただ、若いころから発症していたものの軽くて気が付かず、40代、50代になって加齢で症状が重くなったことで気付くケースがあります。バセドウ病、橋本病の共通する症状は倦怠感です。倦怠感だけではなかなか受診に結び付かないことも多いですが、首の前部に腫れやしこりがある場合は、受診して血液検査を受けたほうが良いでしょう」(駒形先生)。甲状腺の検査はどこで受けられる?内分泌内科で詳しく検査を甲状腺の病気が気になるときは、どこを受診すると良いのでしょうか。「人間ドックなどでおこなう一般的な血液検査では、甲状腺ホルモンは調べません。甲状腺ホルモンの詳しい数値を調べてもらえるのは、内分泌内科です。甲状腺外来でも良いでしょう。血液検査だけでなくエコーでも検査してもらえるので安心です。甲状腺の病気の原因は、まだよくわかっていません。ただ、遺伝の可能性は指摘されていますので、親族に甲状腺の病気がある方がいる場合は受診するとき医師に伝えてください」(駒形先生)。まとめアーティストの絢香さんがバセドウ病を公表して休業に入ったニュースが記憶にありますが、まだまだマイナーでよく知られていない甲状腺の病気。症状が軽く、自覚症状がほとんどない人も多いそうです。しかし、これからは加齢とともに体のいろいろな機能が衰える時期。気になる症状があれば早めに検査を受けましょう。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。取材・文/岩崎みどり(49歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重顎が悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。著者/監修/駒形 依子 先生2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。
2023年08月28日寝ても疲れが取れない、体が重いといった症状は、誰しも経験があるのではないでしょうか。さらに、40代を過ぎてその頻度が増すと「年のせい」「更年期だから」と老化や年齢が原因と考えがちです。けれど、その思い込みから意外な病気を見逃してしまうことも。更年期症状と思い込まれやすく、かつ、女性がかかりやすい病気について、産婦人科医の駒形依子先生に聞きました。教えてくれたのは…監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。★関連記事:「私の疲れは何が原因?」見過ごされがちな副腎疲労。しんどさの理由は更年期症状だけではなかった!つらい症状=更年期とは限らない「40代、50代の女性は何かつらい症状があると更年期症状や加齢のせいにしがちです。しかし、そこには思わぬ病気が潜んでいることがあります。まずは病気の可能性をできる限り否定し、その上で更年期症状や加齢を疑ってほしい」と駒形先生は言います。この症状は何の病気?以下の症状は、ある病気のものです。生理不順冷え症、低体温暑がり、多汗うつっぽいイライラする動悸がする貧血むくみやすい体重が急に増える、または激減するやる気が湧かない物忘れしやすい疲れやすい、体が思うように動かない眠気を感じやすい皮膚がかさつく便秘がち頻便眠気を感じやすい皮膚がかさつく、かゆみがある声がかれる足がつりやすい「ここに挙げたのは甲状腺異常による症状の例です。どの症状が出るかは病気によって異なり、個人差があります」(駒形先生)上に挙がっている症状は、誰もがよく感じやすそうなものばかりに見えます。甲状腺とは何なのでしょうか?甲状腺とは?女性ホルモンと似た甲状腺ホルモンを分泌「甲状腺とは、甲状腺ホルモンを作り、分泌する臓器です。甲状腺ホルモンは主に体の代謝を調整する働きをし、女性ホルモンと似た働きをします」(駒形先生)。【甲状腺ホルモンの働き】筋肉の維持・強化心臓の働きを活性化思考や反応を活性化新陳代謝の促進、体温調整脂質代謝を上げ、コレステロールを下げる糖代謝を促進骨量を上げて骨を強化「脳において、甲状腺に指令を出す部分と卵巣に指令を出す部分は隣り合わせになっています。甲状腺が狂うと生理も狂い、生理が狂うと甲状腺も狂いやすくなる。2つのホルモンはとても関係が深いのです。生理不順や無月経、不妊の原因を調べる過程の血液検査で甲状腺ホルモンの異常が見つかることも多いです」(駒形先生)。自分でできる見分け方は?首の前をチェック血液検査で甲状腺の異常はわかるということですが、「だるい」「疲れやすい」だけで受診や検査を受けるのはハードルが高いことも。「甲状腺異常の代表的な症状は首の前の腫れやしこり。先に挙げた症状があり、首の前の喉あたりが腫れていたり、触れてみてしこりがあったりするときは更年期症状ではなく、甲状腺異常が原因の場合があります。内分泌内科や甲状腺外来など、専門外来を受診すると血液検査やエコーで詳しく調べてもらえます」(駒形先生)。まとめつらい症状があったら我慢でしないで、まずは医師に相談してみることが大切です。甲状腺異常の原因は今のところ解明されていないということですが、遺伝は一因とされています。親族に甲状腺の病気を持つ方がいる場合は、定期的に検査をしたほうが良いということです。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。取材・文/岩崎みどり(49歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重顎が悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。著者/監修/駒形 依子 先生2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。
2023年08月26日20代で甲状腺がん(甲状腺ろ胞がん)、アラフィフで子宮筋腫(子宮内膜症、子宮腺筋症も)により子宮全摘出をした菜留子さん。その経験をマンガにされています。子宮筋腫を取る手術をすることになった菜留子さん。子宮のMRI検査をしたところ、子宮内膜症と子宮腺筋症もあることがわかりました。その後、採血や採尿などさまざまな検査もおこない、いよいよ結果を聞くことに……。★前の話がんを判断する腫瘍マーカー検査も子宮のMRI検査で、子宮が筋腫によって通常の2倍くらいの大きさになっていると言われた菜留子さん。さらに、子宮腺筋症と子宮内膜症にもなっていることがわかりました。次はエックス線検査(レントゲン)、採尿、採血、腫瘍マーカー検査など、手術前のさまざまな検査。結果が出るまでの2週間は……。次はエックス線検査(レントゲン)、採尿、採血など、手術前の身体検査のようなものをおこないました。手術前に何回も病院へ行くのは、貧血だしホットフラッシュもあって大変でした。このとき、腫瘍マーカー検査もしました。がんを判断する検査の一つですが、腫瘍マーカーの値だけでがんと判断できるものではないそうです。結果が出るまで2週間くらいあったでしょうか。20代のときに甲状腺がんを体験しているので、「次は子宮がんかも……?」と考えると、いろいろな不安がブワーっと出てきて怖くなりました。なるべく考えないようにして、「きっとがんじゃない」と心の中で繰り返していました。そして結果は……「問題なかったので手術できます」とのこと!がんじゃなくてよかった〜!-----------------------がんサバイバーの菜留子さん。体験しているだけに、「またなったら……」という恐怖感は、本当にリアルで大きかったことでしょう。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/天神尚子先生(三鷹レディースクリニック院長)日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。著者/菜留子20代で甲状腺がん(甲状腺ろ胞がん)、アラフィフで子宮筋腫(子宮内膜症、子宮腺筋症も)で全摘出。現在は、更年期障害でいろいろなことが面倒くさいアラフィフ独身、高齢の母と暮らしている。
2023年06月14日イラスト付きで甲状腺をわかりやすく女性の健康に大きく関わっている甲状腺や甲状腺ホルモン、その疾患、症状、診断、治療などについて解説している新刊『オンナたちの甲状腺』が現代書林から発売された。同書には「イラストでよくわかる症状と治療法」という副題が付けられており、著者は日本甲状腺学会認定専門医で、内分泌外科専門医、医療法人山内クリニック理事長の山内泰介(やまうちたいすけ)氏であり、A5判、96ページ、価格は1,540円である。年2万人診療の甲状腺専門外来医が解説甲状腺はのどぼとけの下に位置し、蝶が羽を広げたような形の小さな臓器である。甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンは、成長や生命維持に欠かせないホルモンで、甲状腺疾患の患者の多くは女性である。山内泰介氏は東京女子医科大学内分泌外科や、内分泌・甲状腺専門医療機関で診療を行い、現在は埼玉県さいたま市にある日本甲状腺学会認定専門医施設の山内クリニックにて、年間2万人の甲状腺専門診療に専念している。新刊では女性の人生の節目節目に重要な働きをする甲状腺と甲状腺ホルモンを解説。女性のホルモンに大きな影響を与える甲状腺の仕組みや、バセドウ病、橋本病といった甲状腺疾患について、女性たちのエピソードを通じて詳しく解説されている。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※オンナたちの甲状腺 - 現代書林 【夏目坂の出版社 現代書林のホームページです】
2021年07月21日2013年に甲状腺機能亢進症との闘いを公表したジェット・リー。「The Hollywood Reporter」によれば当時、医者には「今後、(アクション)映画を作り続けられるか、残りの人生を車いすに座って過ごすことになるか、どちらに転ぶ可能性もある」と告げられたという。過去に映画の撮影中に負った、脊椎と足のケガの後遺症にも悩まされ、「背中を丸めないと長時間立っていられない」と本人が病気とケガの二重苦を語ったこともある。それから5年、先日チベットを訪れた現在の彼の姿にファンが動揺を見せている。「55歳という実年齢より、20歳から30歳年上に見える」と中国・香港のSNSに激震が走った。わずかに残っている頭髪は白く、顔や手には5年前までにはなかった深いしわが刻まれている。熱心な仏教徒の彼は、チベットの寺院に参拝したとのこと。その場にいた学生たちには「おじいちゃん」と呼びかけられてしまったそうだ。ジェット・リーは闘病のため、2014年の『エクスペンタブルズ3ワールドミッション』以降はハリウッド映画から遠ざかり、中国でのチャリティー活動に力を注いできた。あまりに衝撃的なルックスの変化を遂げたが、2020年の実写版『ムーラン』でドニー・イェンやコン・リーらとの共演が決まっており、皇帝役を演じるといわれている。(Hiromi Kaku)
2018年05月22日突然眠気に襲われる、肌が乾燥するようになった、食欲がない、いくら食べても痩せていく。このような症状がある人は甲状腺異常の可能性があります。気になる方は、お医者さんに相談したほうがよいかもしれません。甲状腺の影響で眠気に襲われる?眠気が起こり、頭がぼーっとしてしまい、活動的でなくなる症状がでる病気のひとつに甲状腺機能低下症があります。甲状腺機能低下症は、甲状腺のホルモン量が減少し、新陳代謝の能力も低下するため、老化現象のようなものが起こります。ほかには身体全体がむくんだり、髪が抜けたり、皮膚が乾燥によってカサカサになることがあります。この甲状腺機能低下症の代表といわれているのが橋本病です。橋本病は甲状腺臓器特異性自己免疫疾患と呼ばれるものの1つで、身体が甲状腺を異物とみなしてしまい、抗体が攻撃をすることで甲状腺機能低下症になってしまうものです。甲状腺とは何か?そもそも甲状腺とは一体どのようなものなのでしょうか?甲状腺は喉の下部に蝶が羽を広げて気管を包むような形をしています。甲状腺の主な働きは、食物の中のヨードと呼ばれるものを材料に甲状腺ホルモンをつくることです。甲状腺ホルモンは新陳代謝を促すホルモンで、成長を促進するうえで欠かせない物質ですが、分泌量が多すぎると心臓などの内臓に負担をかけたり、下痢をしやすくなったりしてしまいます。甲状腺ホルモンが少なくなると、上記で説明したように、代謝能力が低下するため、常にだるい、つらい、疲労感、眠気、意欲低下などの症状を招きます。つまり、適量であることが大切なホルモンなのです。甲状腺異常チェックリスト眠気のほかにも、甲状腺の異常の可能性が考えられる症状には下記のようなものがあります。・運動していないのに、心臓がドキドキすることがよくある・急に暑がりになり、水を大量に飲み、汗をかくようになった・落ち着きがなくなり、イライラしやすくなった・起床すると、顔や手がむくんでいることがある・つねに身体が重く、だるさが抜けない・ちゃんと一日三食たべているのに、痩せていっている・日中も眠気に襲われて、我慢できずに寝てしまう・肌が乾燥しやすくなり、カサカサになったいかがでしょうか?このような症状がある方は、ひとりで悩みを抱え込まず、まずは病院へ行き、お医者さんに相談してみましょう。Photo by Avenue G
2014年10月16日