幼いころに癇癪を頻発し、自分として生きる大変さや自分の内面に悩み続けたすみかさんが、幼少期の記憶をたどります。小学4年生になり、水泳を始めたすみかさん。夏休みには初めて、大会に出場しました。仲間のことを全力で応援する水泳部のみんなを見て、私も応援したい!という気持ちに。このとき初めて、自分の家以外の場所で大声を出せました。そして5年生になると、他の子と同じ練習メニューをこなせるようになります。もうすぐお姉ちゃんとすみかさんの誕生日。お母さんに欲しいものを聞かれ、お姉ちゃんは縮毛矯正したいと答えます。お母さんはそんなもの必要ない!と大反対し、お姉ちゃんは不機嫌に……。翌朝、お姉ちゃんの髪型はベリーショートになっていました。すみかさんはお母さんに対し、お姉ちゃんの気持ちにもう少し寄り添ってほしいと思いますが、なかなか分かってもらえません。そして、すみかさんの行動にも口を出しーー。 自分のことを理解していない!?母の言葉 小学5年生になったすみかさんには、ノナちゃんという友だちができました。自分から行動を起こしたり、目立つことをしたりするのが苦手なすみかさん。「これやろ〜、あっちに行こ〜」とリードしてくれるノナちゃんは、一緒にいて安心できる存在でもあります。 ある日の演劇発表会の練習中。すみかさんはステージ袖から出る時の先頭に決められてしまいます。何度練習してもタイミングがつかめず、並び順を変更することに。そのことを何気なくお母さんに話すと、「あんたって情けない子ね!ちゃんとやりなさいよ!」と返されました。その言葉にショックを受けたすみかさんは、癇癪を起こします。本当はお母さんから「先頭じゃなくても大丈夫」という言葉が欲しかった……。でも想像と違う言葉が返ってくるから、学校で上手くできなかったことは秘密にしようと心に決めたすみかさんでした。 すみかさんは、発表会の並び順のことでお母さんに怒られた事をノナちゃんに話しました。すると、「スミカはスミカだよ!他の子と比べて落ち込まないの!」と元気づけてくれました。すみかさんは、ノナちゃんの優しさに感動したのでした。 慰めてほしい、分かってほしいと思って話したことに対し、真っ向から批判されると辛いですよね。お母さんの声かけも、すみかさんにもっと頑張ってほしいという思いから出ている言葉だとは思うのですが……。ノナちゃんがすみかさんの「個」を認めてくれる子でよかったです。 著者:マンガ家・イラストレーター すみか自身の体験をもとにエッセイ漫画を描いている主婦です。
2023年09月07日幼いころに癇癪を頻発し、自分として生きる大変さや自分の内面に悩み続けたすみかさんが、幼少期の記憶をたどります。小学4年生になり、学校の部活と習い事の両方で水泳を頑張っているすみかさん。夏の大会へ出場することになりますが、頭から水面に飛び込むなんて怖い……と不安になります。「怖いよね〜」とすみかさんの気持ちに寄り添ってくれる友だちの言葉を聞いて、みんなも初めは怖かったんだ……みんなに追いつきたいから頑張ろう!と前向きな気持ちになりました。迎えた水泳大会の当日。みんなが応援してくれる中、いよいよスタートのときを迎えます。結果、失格にならずに泳ぎ切ることができました。そして、仲間のことを全力で応援する水泳部のみんなを見て、私も応援したい!という気持ちに。このとき初めて、自分の家以外の場所で大声を出せました。そしてこの日を境に声を出すことへの抵抗がなくなり、合唱も怖くなくなります。どんどん成長するすみかさん。最近の家での様子はというと……。 子どもの気持ちを分かってくれない母 ある日、お母さんがお姉ちゃんとすみかさんに、誕生日プレゼントは何がいいか聞いてきました。お姉ちゃんは現金が欲しい、そして縮毛矯正をしたいと話します。しかし、お母さんは縮毛矯正はダメ!そのままで良い!必要ない!と大反対。 お姉ちゃんの髪はくせ毛のボンバーヘア。雑誌のモデルさんのような、さらさらヘアに憧れるのも分かる気がしました。お母さんに反対され、お姉ちゃんに同情したすみかさん。しかし、お母さんの理解は得られませんでした。 翌日。朝ごはんを食べているお姉ちゃんを見ると、髪型がベリーショートになっていました。縮毛矯正をかけられなかったことが関係しているのか、お姉ちゃんは少し反抗的に。お使いで買ってきた卵を割ってしまいますが、お母さんに謝ることなく自室へ。何あの態度……と納得のいかないお母さんに対し、わざとじゃないんだから怒らなくてもいいじゃんとすみかさんは返します。 結果、すみかさんはお母さんと言い合いになりますが、うまく言い返せずに自分の部屋へ。お母さんと口げんかしても腹が立つだけなので、無視して部屋に行く方がマシ!お姉ちゃんの対処法は正解なんだと思ったすみかさんでした。 中学生ぐらいになると髪型だけでなく髪質で悩んだり、ヘアケアに興味が出てきたりしますよね。お母さんはまだ早いと思ったのかもしれませんが、髪の悩みは人によって違うので難しいですね……。すみかさんはお母さんに対し、お姉ちゃんの気持ちにもう少し寄り添ってほしいと思ったようですが、親子だからこそ上手くいかないことってありますよね。 著者:マンガ家・イラストレーター すみか自身の体験をもとにエッセイ漫画を描いている主婦です。
2023年09月06日幼いころに癇癪を頻発し、自分として生きる大変さや自分の内面に悩み続けたすみかさんが、幼少期の記憶をたどります。3年生の頃は毎日のように本を読んでいたすみかさん。国語の問題を解くスピードが速くなり、テストの点数も良くなりました。作文のコンクールで入賞し、先生に褒められたことで、自分は書くのが得意なのかも!?と気づきます。少し自信がつき、授業中も挙手できるようになりました。4年生になり、水泳を頑張っているすみかさん。夏の大会への出場が決まりましたが、プールへ飛び込めるか、水面に頭から飛び込むなんて怖い……と不安になります。「怖いよね〜」とすみかさんの気持ちに寄り添ってくれる友だちの言葉を聞いて、みんなも初めは怖かったんだ……みんなに追いつきたいから頑張ろ!と前向きな気持ちに。そして、大会当日を迎えます。 不安を抱えつつ迎えた大会当日 大会当日。今日まで飛び込みの練習ができず、そして競技中の注意事項を聞いて、失格になるのでは…‥と不安になるすみかさん。みんなが応援してくれる中、いよいよスタートのときを迎えます。結果、失格にならずに泳ぎ切ることができました。 そして、仲間のことを全力で応援する水泳部のみんなを見て、私も応援したい!という気持ちに。このとき初めて、自分の家以外の場所で大声を出せました。この日を境に声を出すことへの抵抗がなくなり、合唱も怖くなくなります。 その後、プールの飛び込みにも挑戦したら、コツをつかんで上手く飛び込めるように。5年生になると、他の子と同じ練習メニューをこなせるようになります。夏は学校の水泳部とスイミングスクールの両方で泳いでいましたが、冬の間はスイミングスクールのみ。水泳部が恋しくなるすみかさんでした。 水泳部に入って素敵な仲間と出会い、表情や性格が明るくなってきたすみかさん。応援している仲間の姿に感化され、自分も応援したい!と思うようになりますが、声援の力って大きいですよね。大きな声を出せずに休んでいた音楽の授業も参加できるようになり、すみかさんの成長を実感しますね。 著者:マンガ家・イラストレーター すみか自身の体験をもとにエッセイ漫画を描いている主婦です。
2023年09月05日幼いころに癇癪を頻発し、自分として生きる大変さや自分の内面に悩み続けたすみかさんが、幼少期の記憶をたどります。プールが好きなすみかさんは、4年生になってスイミングスクールに通い始めます。学校では水泳部に入りましたが、周りは泳ぎが上手な子ばかり。泳げる子にいじめられるかも……と思いましたが、試合のときの水着をお揃いにしようと言ってくれたり、休み時間も一緒に遊んだりと仲良しに。転校後、いーちゃん以外に友だちができました。3年生の頃は毎日のように本を読んでいたすみかさん。国語の問題を解くスピードが速くなり、テストの点数も良くなりました。そして作文のコンクールで入賞した際、先生に褒められて自分は書くことが得意なのかも!?と気づきます。少し自信がついたことで、授業中も挙手できるようになったすみかさん。部活では水泳を頑張っていますが、ひとつ不安なことがあり……。 水泳大会への出場が決定 スイミングスクールでは進級し、水泳部では大会に出ることが決まり、他の子から「すごい!」と言われたすみかさん。夏の大会に出場することが決まりましたが、すみかさんには懸念していることがーー。それはプールへの飛び込み。 頭から水面に飛び込むのが怖い、と不安になるすみかさん。「怖いよね〜」とすみかさんの気持ちに寄り添ってくれる友だちの言葉を聞いて、みんなも最初は怖かったんだ……みんなに追いつきたいから頑張ろ!と前向きななりました。 以前はクヨクヨすることが多かったすみかさん。水泳を始めてから仲良しの友だちができ、落ち込んでいてもうまく切り替えられるように。コーチや友だちに励まされ、大会では上手に飛び込めるといいですね。 著者:マンガ家・イラストレーター すみか自身の体験をもとにエッセイ漫画を描いている主婦です。
2023年09月04日幼いころに癇癪を頻発し、自分として生きる大変さや自分の内面に悩み続けたすみかさんが、幼少期の記憶をたどります。4年生になったすみかさんは、一緒に帰っているいーちゃんと同じクラスに。いーちゃんはすみかさんが唯一話せる相手です。楽しい学校生活になるかと思いきや、ヨッシーという子が入ってきて3人組に。3人で遊んでいるとき、2対1とすみかさんがひとりになることが多く、居心地の悪さを感じていました。プールが好きなすみかさんは、4年生になってスイミングスクールに通い始めます。そして学校では水泳部に入りました。いざプールに行くと、みんな泳ぎが上手でびっくり。泳げる子にいじめられるかも……と思いましたが、試合のときの水着をお揃いにしようと言ってくれたり、休み時間も一緒に遊んだりと仲良くなりました。読書そして水泳も好きになったすみかさん。あることがきっかけで、特技に気づき……。 得意なことって何だろう… 3年生の頃は毎日のように本を読んでいたすみかさん。国語のテストの点数が良くなり、問題を解くスピードも早くなりました。とくに好きだったのが夏休みの宿題の読書感想文。どの本で書こうかな〜、一冊しか書いちゃダメなのかな〜、と毎回ワクワクして取り組んでいました。 そして、授業で書いた作文がコンクールで入賞することも。「楽しそうな気持ちが作文から伝わってきた」と先生に言われ、学校で初めて褒められたかも!?とうれしくなります。授業中、感想文が書けなくて困っている子を見て、自分は書くのが得意なのかもしれないと気づきました。特技を見つけたことで、少しだけ積極的に。授業中も手を挙げられるようになっていきます。 他の人より得意なことって、意外と自分では気付きにくいですよね。テストや作文のコンクールがきっかけで、国語が得意なことに気づいたすみかさん。授業にも積極的に参加できるようになったことで、学校生活を楽しめるようになるといいですね。 著者:マンガ家・イラストレーター すみか自身の体験をもとにエッセイ漫画を描いている主婦です。
2023年09月03日幼いころに癇癪を頻発し、自分として生きる大変さや自分の内面に悩み続けたすみかさんが、幼少期の記憶をたどります。学校ではおとなしいすみかさんですが、転校後も癇癪は治っていませんでした。むしろ学校で自分を抑えている分、家で感情を爆発。お母さんには「学校では大人しいフリをしているんでしょ!ほんとは喋れるくせに」と心ない言葉を言われます。暴言を吐くと怒られるので、見つからないよう自分の学習机をペンなどで傷つけてストレスを発散させる日々を送っていました。4年生になったすみかさんは、一緒に帰っているいーちゃんと同じクラスに。いーちゃんはすみかさんが唯一話せる相手です。楽しい学校生活になるかと思いきや、ヨッシーという子が入ってきて3人組に。3人で遊んでいるとき、2対1とすみかさんがひとりになることも多く、居心地の悪さを感じていました。あるとき、交換日記をやめたいと話したことで、ヨッシーから一緒に帰るのをやめたいと言われ、ひとりぼっちに……。ですが、部活に入ったことで環境が変わり始めます。 いじめられる…と思った水泳部 プールが好きなすみかさんは、4年生になってスイミングスクールに通い始めます。泳いでいるときは他の子と話す必要もないので、水泳はすみかさんに合っていたよう。そして、学校では水泳部に入りました。水泳部のプール解禁日、泳げる子が多くて驚いたすみかさん。コーチが教えてくれると分かり、安心しました。 泳げる子にいじめられるかな……と心配していましたが、そんなことはなく、みんなが話しかけてくれます。試合のときは水着をお揃いにしようと言ってくれたり、休み時間も遊びに誘ってくれたり、いろいろと気にしていたのは自分だけだったと気づきます。 水泳部のみんなと体育館に向かう途中、以前の担任の先生とすれ違いました。「先生のおかげで本が好きになり、そして今はひとりぼっちじゃないよ!」と心の中で思います。クラスの子と遊んでいる姿を先生に見せられて、うれしかったすみかさんでした。 水泳部に入って友だちができ、学校生活が充実してきたすみかさん。休み時間にひとりでいることを気にかけていた先生は、友だちと一緒にいるすみかさんを見て、うれしかったのではと思います。ひとりでいることも決して恥じることではありませんが、転校先の小学校で自分を変えたいと思っていたすみかさんにとって、入部はいいきっかけになったのではないでしょうか。 著者:マンガ家・イラストレーター すみか自身の体験をもとにエッセイ漫画を描いている主婦です。
2023年09月02日幼いころに癇癪を頻発し、自分として生きる大変さや自分の内面に悩み続けたすみかさんが、幼少期の記憶をたどります。学校にいるときのすみかさんは常に緊張状態。給食の時間も早食いはダメ、きれいに食べなきゃといろいろ考えてしまいます。ある日の給食ですみかさんのお箸が折れてしまい、それを見た先生が「困っている子がいるのにどうして無視するんだ!」とクラスの子を叱りました。私のせいでみんなが怒られてまた嫌われてしまう……と落ち込みます。学校ではおとなしいすみかさんですが、転校後も癇癪は続いていました。むしろ学校で自分を抑えている分、家で感情を爆発。お母さんには「学校では大人しいフリをしているんでしょ!ほんとは喋れるくせに」と心ない言葉を言われます。暴言を吐くと怒られるので、見つからないよう自分の学習机をペンなどで傷つけてストレスを発散させていました。そして、すみかさんは4年生に。クラス替えが行われ、友だち関係にも変化がみられます…。 仲良し2人組から3人組に… 転校前の学校で仲良しだったモモちゃんとは、手紙の交換が続いていました。同級生との会話は苦手ですが、手紙では自分のことを自由に伝えられます。4年生になったすみかさんは、一緒に帰っているいーちゃんと同じクラスに。いーちゃんはすみかさんが唯一話せる相手です。 一緒に楽しい学校生活が送れるかと思いきや、ヨッシーという子が入ってきて3人組に。ヨッシーがいると、思うように話せなくなるすみかさん。3人で遊んでいるとき、2対1とすみかさんがひとりになることも多く、居心地の悪さを感じていました。 そんなとき、ヨッシーが3人で交換日記をしようと提案。モモちゃんへの手紙はスラスラ書けますが、ヨッシーに苦手意識があるからか、筆が進みません。そして、面倒くさいという理由で交換日記をやめると伝えます。その後、ヨッシーから「一緒に帰るのをやめて良い?」と聞かれ、「うん」と答えたすみかさん。交換日記のことを面倒くさいと言ったからかな……と悩みながら、ひとりで帰りました。 いーちゃんと同じクラスになり、楽しい学校生活になるかと思いきや……、なかなか難しいですね。ただ、無理して交換日記を続けても心の負担になるので、「やめたい!」と伝えられたのはよかったですよね。 著者:マンガ家・イラストレーター すみか自身の体験をもとにエッセイ漫画を描いている主婦です。
2023年09月01日幼いころに癇癪を頻発し、自分として生きる大変さや自分の内面に悩み続けたすみかさんが、幼少期の記憶をたどります。学校ではみんなとおしゃべりできず、運動があまり得意でないすみかさんにとって、チームワークが必要とされる体育は苦手な授業でした。クラスメイトから「やる気あるの?」と言われたことをきっかけに、 やっていないと思われないよう自分のなかで独自のルールを考案します。マイルールをクリアできるか!?ゲームをしている感覚で参加すると体育が少し楽しめるように。ただ、日々の学校生活ではまだまだ悩むことも多く……。学校にいるときのすみかさんは常に緊張状態。給食の時間も早食いはダメ、きれいに食べなきゃといろいろ考えてしまいます。ある日の給食ですみかさんのお箸が折れてしまい、それを見た先生が「困っている子がいるのにどうして無視するんだ!」とクラスの子を叱りました。私のせいで怒られてまた嫌われてしまう……と落ち込みます。学校ではクヨクヨしがちなすみかさんですが、果たして家での様子は!? 学校でたまったストレスを家で発散!? 学校では思った事を言えないすみかさんですが、家ではお父さんに対して「ウザッ」と言ったり、物を乱暴に扱ったりと癇癪は治っていませんでした。むしろ学校で自分を抑えている分、家で感情を爆発。お母さんには「学校では大人しいフリをしているんでしょ!ほんとは喋れるくせに」と心ない言葉を言われます。自分の気持ちは誰にもわからない……。暴言を吐くと怒られるので、見つからないよう自分の学習机をペンなどで傷つけてストレスを発散させていました。 小学3年生になってお父さんイヤイヤ期を迎えますが、親子仲は良かったすみかさん。お母さんは怒ることもありますが、すみかさんの誕生日には毎年決まって生まれたときの話をしてくれました。お父さんとお母さんに望まれて産まれてきたことを確かめ、安心するすみかさんでした。 しつけに厳しいお父さん、感情表現豊かなお母さんに育てられたすみかさん。自身の生誕話を聞き、自分が生まれてきてよかったと思えるって素敵ですよね。親としては、聞きたいことを恥ずかしがらずに聞けるという環境作りを心がけたいですね。 著者:マンガ家・イラストレーター すみか自身の体験をもとにエッセイ漫画を描いている主婦です。
2023年08月05日幼いころに癇癪を頻発し、自分として生きる大変さや自分の内面に悩み続けたすみかさんが、幼少期の記憶をたどります。小学3年生になったすみかさん。音楽の授業中に「もっと大きな声で〜」と先生に言われ、その注意が「もっと!もっと!」と責められているように感じます。音楽のある日は学校に足が向かず、週1回は休むように。朝起きて「今日は休みたい……」とお母さんに伝えると、「行きなさい!」と怒られることもしばしば。ですが、なんとか休めるよう考えながら生活する日々を送っていました。音楽の授業と同じように苦手意識をもっていたのが体育。うまく動けずにいると、同じチームになったSくんから「やる気あるの?」と言われてしまいました。やっていないと思われないように、バスケはボールを追いかけて走っているフリをする……など独自ルールを考案します。マイルールをクリアできるか!?ゲームをしている感覚で参加すると体育の授業がちょっぴり楽しくなりました。ですが、日々の些細な事で悩んでしまい……。 自分らしく振る舞えず、些細な事が気になる 学校にいるときのすみかさんは常に緊張状態。給食の時間は、きれいに食べなきゃ!といつもに増して神経質に。大きなおかずをひと口で食べるのが恥ずかしいからと箸で切ろうとしたところ、力を入れすぎたのか箸が折れてしまいました。先生は困っている様子のすみかさんを見て、「困っている子がいるのに、なんで無視してるんだ!」とクラスの子を叱ります。私のせいでみんなが怒られてまた嫌われてしまう……しかも「ごめんね」って言えない。学校にいるときは思うように話せず、家での自分と比べて悩みます。 また別の日。すみかさんが消しゴムを拾おうとかがんだとき、Aくんの動かした椅子にぶつかって鼻血が出てしまいました。Aくんはすみかさんに謝り、先生にもすぐ報告したことで怒られず、ほっとしたすみかさん。これをきっかけにAくんとは少し仲良くなり、Aくんの前なら笑えるようになりました。 家の顔と外の顔。意識せずも使い分けている人が多いと思いますが、すみかさんの場合はそのギャップが大きく、自身も戸惑っているようです。そんななか、Aくんとは緊張せず話せるように。これをきっかけに、学校でのすみかさんの言動が変わるかも!?人生の転機って些細な事だったりしますよね。すみかさんの学校生活も過ごしやすくなるといいですね。 著者:マンガ家・イラストレーター すみか自身の体験をもとにエッセイ漫画を描いている主婦です。
2023年08月04日幼いころに癇癪を頻発し、自分として生きる大変さや自分の内面に悩み続けたすみかさんが、幼少期の記憶をたどります。読書のおもしろさに気づき、休み時間は図書室で過ごすようになったすみかさん。ようやく学校生活が楽しくなってきたとき、同じ班になった子が「すみかと一緒で最悪」と言っているのが聞こえました。そして話さずにいることも嫌がられるんだと気づき、悩み始めます。小学3年生になったすみかさん。音楽の授業中、先生の「もっと大きな声でー」と言う注意が「もっと!もっと!」と責められているように感じます。音楽のある日は学校に行けなくなり、週1回は休むように。お母さんに休みたいと伝え、スムーズに休める日は大アタリ、怒られたときはハズレ……。お母さんの機嫌に左右されますが、なんとか休めるよう考えながら生活する日々を送っていました。そして音楽以外の授業では「ある作戦」を実行していました。 できない事を悟られないように すみかさんですが、公園で遊ぶときは体を動かせても、学校にいるときは体が固まって思いっきり動かすことができませんでした。ぼーっと立っていると、体育大好きのSくんからは「やる気あんの?」と言われる始末。運動が苦手なことをバカにするSくんに対し、Sくんは漢字が苦手なくせに!と言い返したい、やり返したいという心が芽生えました。 そして考えたのが、体育の授業は透明人間のように自分を出さずに参加すること。ドッチボールでは密集している場所に紛れて標的になるのを避ける、バスケはボールを追いかけて走っているフリをする……などです。独自のルールを作って実践することで、すみかさんなりに体育を楽しめるようになりました。 得意、不得意は誰にでもありますが、チームワークを求められる球技などはできないと目立ってしまうことがありますよね。自分が傷つかないように独自ルールを作って参加する、というのも立派な処世術。不得意だなと感じている事にマイルールを導入し、逆手にとって楽しめたら素敵ですよね。 著者:マンガ家・イラストレーター すみか自身の体験をもとにエッセイ漫画を描いている主婦です。
2023年08月03日幼いころに癇癪を頻発し、自分として生きる大変さや自分の内面に悩み続けたすみかさんが、幼少期の記憶をたどります。転校先のクラスに馴染めないすみかさんですが、毎日一緒に帰る隣のクラスのいーちゃんとは話せるようになりました。そして「本」と出会い、すみかさんの学校生活は楽しいものに変わります。休み時間のたびに図書室へ行き、司書の先生とも仲良くなりました。たまにクラスメイトにイタズラをされることもありましたが、本の世界に没頭することであまり気にせず過ごしていました。読書にハマって楽しい学校生活を送っていたすみかさんですが、班決めで言われた一言をきっかけに心がモヤモヤし始めます。「すみかと一緒で最悪」と同じ班になった子から言われ、話さずにいることも嫌がられるんだと気づきました。みんなと話したい、おもしろいときは笑いたいと思いますが、なぜかクラスではそれができません。自分はおかしいのかな、二重人格なのかな……と考えることも。そして音楽の授業をきっかけに、すみかさんはある行動をとるようになります。 「もっと大きな声で!」先生の注意が気になり…… 小学1、2年生のころは「学校に行かないー!」と毎朝大騒ぎをしていたすみかさんですが、3年生になると行きたくないときは仮病を使うように。きっかけは音楽の授業中に「声が小さいよー、もっと大きな声でー」と言われたことでした。「もっともっと」と言われると責められているような気持ちになり、音楽の授業がある日はどうしても学校に行けず……。毎週休むようになりました。 音楽の授業がある日はお母さんに「休みたい」と伝えますが、これが毎回大変。お母さんの機嫌が良くてスムーズに休める日がある一方、「学校行けよ!マンガばっかり読んで!」と怒られることもしばしば。お母さんが怖かったので、休む日は多くて毎週1回までと決めて登校していました。 大人も仕事を休みたいと思う日はありますし、イヤなことがあれば憂うつになりますよね。こういうとき、親は悩みの種(すみかさんの場合は音楽の授業)を子どもに聞いて克服するよう動くのがいいのか、無理強いせずに学校を休ませるほうがいいのか、悩みどころですよね。子どもの様子を見ながら判断していくのがベストなのかもしれませんが、親もまた人間。感情のコントロールが難しいですよね。 著者:マンガ家・イラストレーター すみか自身の体験をもとにエッセイ漫画を描いている主婦です。
2023年08月02日幼いころに癇癪を頻発し、自分として生きる大変さや自分の内面に悩み続けたすみかさんが、幼少期の記憶をたどります。すみかさんは小学2年生になってモモちゃんという親友ができるも、新居が完成して引っ越すことに。転校先の学校では新しい自分になってやり直したいと考えますが、転校初日は緊張してうまく話すことができませんでした。最初のころは先生や同じクラスの子が話しかけてくれましたが、うまく話せない日々が続いて休み時間はひとりぼっち。休み時間がくるたび、退屈に感じていました。すみかさんは、家が近いという理由から隣のクラスのいーちゃんと一緒に下校しています。毎日一緒に帰るうちに、いーちゃんとは話せるようになりますが、休み時間は変わらずひとりぼっち。ただ時間が過ぎるのを待っている日々でした。そんな学校生活に希望を与えたのが「本」との出会い。図書室に通って司書の先生とも仲良くなり、毎日が楽しくなってきました。休み時間の居場所を見つけて学校に馴染んできたころ、クラスでの班決めをきっかけに心がモヤモヤし始めます。 班決めをきっかけに悩み始める すみかさんと同じ班になった子から「すみかと一緒で最悪」と言われ、話さずにいることも嫌がられるんだと気づきました。同じ班になった子からすると、サボっているように見えているかもしれないと思い、話せない自分がイヤになります。自分から輪に入ることもできず、話しかけられても頭が真っ白になって何て返事をすればいいかわからない……。みんなと話したい、おもしろいと思ったら笑いたいと思うのですが、なぜかクラスではそれができません。 一緒に下校しているいーちゃんとは話せるのに、なぜクラスの子とは話せないんだろうと悩んだり、家ではうるさいくらい元気だから自分は二重人格なのではと考えたり……。小学2年生のすみかさんは、悩みながらも毎日学校に通いました。 転校前の学校で意地悪をされた経験があるからでしょうか、同じクラスの子になかなか心を開けないすみかさん。ですが、いーちゃんという友だちができ、図書室という楽しい場所も見つけました。いくつになっても人間関係の悩みは尽きませんが、あまり悩みすぎず、ちょっとした楽しみを見つけながら生活することが大切ですよね。 著者:マンガ家・イラストレーター すみか自身の体験をもとにエッセイ漫画を描いている主婦です。
2023年08月01日幼いころに癇癪を頻発し、自分として生きる大変さや自分の内面に悩み続けたすみかさんが、幼少期の記憶をたどります。同級生のモモちゃんの家で遊ぶことになったすみかさん。おやつにケーキが出てくるモモちゃんの家庭環境に驚きを隠せません。マイペースで周りに振り回されず、すみかさんを手助けしてくれるモモちゃんに、すみかさんは惹かれます。しかし、内心では嫌なことがひとつでも起こることを恐れていました。そんなとき、すみかさん一家の新居が完成。小学2年生になる春に転校を控えたすみかさんは、誰も自分のことを知らない新しい学校でやり直そうと決意を固めるのでした。転校初日、自己紹介のときにとても緊張していたすみかさん。さらに、話したこともない人から陰口を言われ、落ち込んでしまいます。話しかけてくれる子たちにも、「嫌われたくない」「意地悪されたくない」という気持ちが先行してしまい、話せなくなってしまいます。気が付くと、すみかさんはいつもひとりぼっちで休み時間を過ごすように。しかし、あることをきっかけに、すみかさんはルンルンで登校するようになり……!? ただひたすら時間が過ぎるのを待つだけだ 転校初日から一緒に下校することになった、隣のクラスのいーちゃん。毎日一緒に下校するうちに慣れて、すみかさんもいーちゃんとは話せるようになりました。休み時間には担任の先生が気を遣って、同級生たちにひとりぼっちのすみかさんを仲間に入れてあげるように言いますが、すみかさん自身は「邪魔してごめん……」と申し訳なく思ってしまいます。 ある日、すみかさんは先生に図書室に連れて行ってもらいます。先生に見られながら何の気なしに選んだ一冊をきっかけに、すみかさんは読書にハマります。休み時間に退屈することもなくなり、図書室に行くためにルンルンで登校するようになったのです。たまにクラスメイトにイタズラされることはありましたが、本の世界に没頭しているすみかさんはあまり気にしないのでした。 すみかさんのつまらなかった学校生活は、ある一冊の本をきっかけにガラッと変わります。何にも邪魔されない自分だけの「好き」は、生きていくうえで最大の武器になることも。みなさんは人生や生活を一変させるような「好き」と出会ったことはありますか? 著者:マンガ家・イラストレーター すみか自身の体験をもとにエッセイ漫画を描いている主婦です。
2023年07月21日幼いころに癇癪を頻発し、自分として生きる大変さや自分の内面に悩み続けたすみかさんが、幼少期の記憶をたどります。学校が嫌いなすみかさんも、力の強いお父さんにはかないません。戦意喪失したすみかさんは、しばしばお父さんに車で学校まで送り届けられるのでした。クラスメイトから上履きを高いところに置かれたり、字を下手くそと言われたりする嫌がらせを受けましたが、相手を意気地なしだと思っていたため、相手にしていませんでした。しかし、嫌がらせはエスカレート。プールの授業の時に上から押さえつけられ、溺れそうになってしまいます。すみかさんは自分に向けられた悪意にただ戸惑うばかりでした。ある日、同級生のモモちゃんの家で遊ぶことになったすみかさん。誕生日でもないのに、おやつにケーキが出てくるモモちゃんの家庭環境に驚きを隠せません。マイペースで周りに振り回されず、すみかさんを手助けしてくれるモモちゃんに、すみかさんは惹かれます。しかし、内心では嫌なことがひとつでも起こることを恐れていました。そんなとき、すみかさん一家の新居が完成。小学2年生になる春に転校を控えたすみかさんは、誰も自分のことを知らない新しい学校でやり直そうと決意を固めるのでした。そして転校初日、すみかさんは新たな問題に直面し……!? 親切にしてくれた子にもありがとうが言えない… 新居への引っ越しとともに、転校することとなったすみかさん。転校後、お祭りで前の学校の担任の先生に出くわします。前の学校でのことを根に持っていたすみかさんは、親しげに話しかけてきた先生に対して「なんで私に会えてうれしいんだろう?私はうれしくないけど……」と思ってしまいます。さっきまで怒っていた親や先生がすぐに何もなかったように笑って話しかけてくることにも疑問を感じていましたが、「大人って忘れん坊なのかな?」と自分を納得させていました。 新居に引っ越しし、何の不安もなく過ごしていたすみかさん。しかし、転校初日の自己紹介のときに、とても緊張してしまいます。さらに、話したこともない人から陰口を言われ、落ち込んでしまうすみかさん。話しかけてくれる子たちにも、「嫌われたくない」「意地悪されたくない」という気持ちが先行してしまい、話せなくなってしまいます。気が付くと、いつもひとりぼっちで休み時間を過ごすようになっていました。 前の学校で受けた嫌がらせの経験から、新たな学校では極度に緊張してしまっているのかもしれません。話しかけてきてくれた人に対して、言葉を返せないのはもどかしいですよね。みなさんは、緊張から言葉をうまく話せなくなってしまった経験はありますか? 著者:マンガ家・イラストレーター すみか自身の体験をもとにエッセイ漫画を描いている主婦です。
2023年07月20日幼いころに癇癪を頻発し、自分として生きる大変さや自分の内面に悩み続けたすみかさんが、幼少期の記憶をたどります。小学生になると、怒ると叩いたり廊下に立たせたりする担任の先生を「オニ」と呼び、怖がっていました。持ち物検査や爪の長さをチェックされたり、さらに、すみかさんが描いたお父さんの絵にも「顔全部同じ色で塗って!」「子どもみたいな絵!」と文句をつけられたりしました。何が違って何が合っているのかを教えてもらえず、癇癪を起こしてしまったすみかさん。「みんな嫌い!全部嫌い!」「何も言われない普通の子になりたい」と大泣きしてしまうのでした。学校が嫌いなすみかさんも、力の強いお父さんにはかないません。戦意喪失したすみかさんは、しばしばお父さんに車で学校まで送り届けられるのでした。泣き虫でわがままだと自覚していたすみかさん。クラスメイトから上履きを高いところに置かれたり、字を下手くそと言われたりする嫌がらせを受けましたが、相手を意気地なしだと思っていたため、相手にしていませんでした。しかし、嫌がらせはエスカレート。プールの授業の時に上から押さえつけられ、溺れそうになってしまいます。すみかさんは自分に向けられた悪意にただ戸惑うばかりでした。しかし、そんなすみかさんにも心を許せる友達ができて……? 家にいるのが絶対安全なんだよ… ある日、同級生のモモちゃんの家で遊ぶことになったすみかさん。誕生日でもないのに、おやつにケーキが出てくるモモちゃんの家庭環境に驚きを隠せません。マイペースで周りに振り回されず、すみかさんを手助けしてくれるモモちゃんに、すみかさんは惹かれます。 毎朝学校に行くのを嫌がっていたすみかさんですが、楽しいことがあった日はにこにこして帰宅していました。しかし、内心では嫌なことがひとつでも起こることを恐れていたのです。 そんなとき、すみかさん一家の新居が完成。小学2年生になる春に転校を控えたすみかさんは、誰も自分のことを知らない新しい学校でやり直そうと決意を固めるのでした。 せっかく楽しい一日だったのに、たったひとつの嫌なことがあっただけで、台無しになってしまう経験は誰しもあるのではないでしょうか。嫌なことにとらわれすぎず、楽しかったことに焦点をあてられるようになるといいですね。 著者:マンガ家・イラストレーター すみか自身の体験をもとにエッセイ漫画を描いている主婦です。
2023年07月19日幼いころに癇癪を頻発し、自分として生きる大変さや自分の内面に悩み続けたすみかさんが、幼少期の記憶をたどります。幼稚園での退屈な時間が苦手だったすみかさん。退屈な話をする園長先生を敵と認識し、蹴ってしまうことも。当然ですが、先生から怒られてしまいます。そんなある日、幼稚園をズル休みしたすみかさんは、お母さんから「お休みしたクセに遊んで……」と小言を言われてしまいます。翌日、幼稚園の先生からも嫌味を言われ、幼稚園を休んではいけないということを知ります。小学生になると、怒ると叩いたり廊下に立たせたりする担任の先生を「オニ」と呼び、怖がっていました。持ち物検査や爪の長さをチェックされたり、さらに、すみかさんが描いたお父さんの絵にも「顔全部同じ色で塗って!」「子どもみたいな絵!」と文句をつけられたりしました。何が違って何が合っているのかを教えてもらえず、癇癪を起こしてしまったすみかさん。「みんな嫌い!全部嫌い!」「何も言われない普通の子になりたい」と大泣きしてしまうのでした。毎朝学校へ行き渋り……!? 泣き虫でわがままだから誰かに嫌われてるんだ 学校が嫌いなすみかさんは、毎朝行くのを嫌がるようになってしまいました。そんなすみかさんも、力の強いお父さんにはかないません。戦意喪失したすみかさんは、しばしばお父さんに車で学校まで送り届けられるのでした。 泣き虫でわがままだと自覚していたすみかさん。クラスメイトから上履きを高いところに置かれたり、字を下手くそと言われたりする嫌がらせを受けましたが、相手を意気地なしだと思っていたため、相手にしていませんでした。しかし、嫌がらせはエスカレート。プールの授業のときに上から押さえつけられ、溺れそうになってしまいます。すみかさんは自分に向けられた悪意に、ただ戸惑うばかりでした。 いじめられていることを親や先生に話すのは、多くの子どもにとって勇気がいることです。子どもたちが安心して大人を頼れるような環境をつくりたいものですね。もしも子どもがうまく周りの大人に言えないようならば、チャイルドラインの利用も検討してみてください。 ▼チャイルドライン18歳までの子どものための無料相談窓口です。名前や学校名を出さずに、いまの自分の思いや悩みを打ち明けられます。電話の他に、チャットでの相談も受け付けています。電話番号:0120–99-7777 著者:マンガ家・イラストレーター すみか自身の体験をもとにエッセイ漫画を描いている主婦です。
2023年07月18日幼いころに癇癪を頻発し、自分として生きる大変さや自分の内面に悩み続けた主婦のすみかさんが、幼少期の記憶をたどります。卒園を迎え、園長先生から「賢くなるよ」と頭を撫でられたすみかさん。もう幼稚園に行かなくていいんだと喜んだのも束の間、すみかさんは小学校に毎日通わなくてはならない事実にショックを受けます。寝起きの悪いすみかさんとお母さんの朝の戦いは、小学生になっても続くのでした。幼稚園での退屈な時間が苦手だったすみかさん。退屈な話をする園長先生を敵と認識し、蹴ってしまうことも。そんなある日、すみかさんは幼稚園をズル休みしました。お母さんから「元気なら幼稚園行けよ」と小言を言われてしまいます。翌日、幼稚園の先生からも嫌味を言われ、幼稚園を休んではいけないということを知ります。そんなすみかさんも卒園を迎え、敵だと思っていた園長先生から「賢くなるよ」と頭を撫でられました。もう幼稚園に行かなくてよいことを知り、喜んだのも束の間、すみかさんは小学校に毎日通わなくてはならない事実にショックを受けます。寝起きの悪いすみかさんとお母さんの朝の戦いは、小学生になっても続き……!? 何も言われない普通の子になりたい! 小学校に上がったすみかさん。怒ると叩いたり、廊下に立たせたりする担任の先生を「オニ」と呼び、怖がっていました。とくに恐れていたのは忘れ物。持ち物検査と同時に爪の長さもチェックされると聞き、すみかさんは恐怖から自分の爪を噛みちぎってしまいます。しかし、先生が指摘したのは鉛筆の少なさでした。次の持ち物検査の時には鉛筆を大量に用意していったすみかさんですが、今度は「こんなにいらないでしょ」と言われてしまいます。 担任の先生は、すみかさんが描いたお父さんの絵にも「顔全部同じ色で塗って!」「子どもみたいな絵!」と文句をつけました。すみかさんは戸惑いながらも肌をカラフルな色で塗りますが、当然「へんな色」と言われてしまいます。何が違って何が合っているのかを教えてもらえず、癇癪を起こしてしまったすみかさん。掃除をせずに帰ろうとすると、同級生からは引き止められ、上級生から「うるさい」と怒られてしまいます。すみかさんは「みんな嫌い!全部嫌い!」「何も言われない普通の子になりたい」と大泣きしてしまうのでした。 一昔前は体罰を課す教師も黙認されていたようです。しかし、学校は集団生活を学ぶ場でもあり、教師が恐怖政治を敷いていいところではありません。もしもすみかさんのように、教師を異常に怖がる子どもがいたら、周りの大人たちが話を聞いてあげられるといいですね。 著者:マンガ家・イラストレーター すみか自身の体験をもとにエッセイ漫画を描いている主婦です。
2023年07月17日幼いころに癇癪を頻発し、自分として生きる大変さや自分の内面に悩み続けた主婦のすみかさんが、幼少期の記憶をたどります。2つ年上のお姉さんといつも一緒に遊んでいましたが、イライラするとすみかさんはすぐに泣き出してしまいます。すみかさんが泣き出すと、お姉さんは何も言わずに部屋を出て行き、大人な対応を見せるのでした。そして、妹のミキカさんが生まれると、お母さんはミキカさんを優先します。頭ではわかっていても、お母さんを独り占めできないことにすみかさんはまた癇癪を起こしてしまうのでした。ある日、2階の自分の部屋でタバコを吸っているお母さんの姿を目撃したすみかさん。お母さんはすみかさんを押し出し、すみかさんの心は傷ついてしまいます。幼稚園に通うすみかさんは、思い通りにいかないことの連続で癇癪を頻発。2人組を作らなくてはいけないときでも、1人ぽつんと取り残されてしまいます。「自分から動くんだよ!」と先生にこんこんと説教をされながら、すみかさんは「またみんなと同じようにできなかった」と、子どもながらに思うのでした。そんなすみかさんは園長先生を見つけると……!? ずっとおうちにいて良いんじゃないの? 幼稚園での退屈な時間が苦手だったすみかさん。退屈な話をする園長先生を敵と認識し、蹴ってしまうことも。当然ですが、先生から怒られてしまいます。 ある日、すみかさんは幼稚園をズル休みしました。お母さんから「お休みしたクセに遊んで……」「元気なら幼稚園行けよ」と小言を言われてしまいます。翌日、幼稚園の先生からも「昨日ズル休みしたんだよねー?」と嫌味を言われ、幼稚園を休んではいけないということを知ります。 そんなすみかさんも卒園を迎え、敵だと思っていた園長先生から「賢くなるよ」と頭を撫でられました。もう幼稚園に行かなくてよいことを知り、喜んだのも束の間、すみかさんは小学校に毎日通わなくてはならない事実にショックを受けます。寝起きの悪いすみかさんとお母さんの朝の戦いは、小学生になっても続くのでした。 体調不良に限らず、誰しも休みたくなるときはあるものですよね。「休むことを悪いこととしない」という人もいると思いますが、もしわが子が「学校を休みたい」と言ってきたら、みなさんだったらどんな言葉をかけますか? 著者:マンガ家・イラストレーター すみか自身の体験をもとにエッセイ漫画を描いている主婦です。
2023年07月16日幼いころに癇癪を頻発し、自分として生きる大変さや自分の内面に悩み続けた主婦のすみかさんが、幼少期の記憶をたどります。自分の思い通りにならないと、どうすれば良いかわからなくなってしまうすみかさん。同じくらいの子どもから「変な子」と言われ、恥ずかしさや苦しさを感じるのに、自分ではどうしようもできないため、すみかさんはもどかしさを感じます。そんなすみかさんを案じて、お母さんはカルシウムの豊富な魚粉などをすみかさんに与えるのでした。2つ年上のお姉さんといつも一緒に遊んでいた、幼いすみかさん。しかし、イライラするとすみかさんはすぐに泣き出してしまいます。すみかさんが泣き出すと、お姉さんは何も言わずに部屋を出て行き、大人な対応を見せるのでした。すみかさんは寝る前にお母さんに絵本を読んでもらうのを楽しみにしていました。そして目が覚めた時に隣にお母さんがいないと、ショックを受けて泣き出してしまうこともしばしば。しかし、妹のミキカさんが生まれると、お母さんはミキカさんを優先します。頭ではわかっていても、お母さんを独り占めできないことにすみかさんはまた癇癪を起こしてしまうのでした。そんなお母さんには、ある秘密があって……!? 押された…お母さんが押した… すみかさんのお母さんは、2階の自分の部屋に行くとしばらく出てきませんでした。ある日、うまく描けた絵をお母さんに見せたくなったすみかさんは、お母さんの部屋の扉を開きます。すると、そこにはタバコを吸っているお母さんの姿が。お母さんはすみかさんを押し出し、すみかさんの心は傷ついてしまいます。 幼稚園に通うすみかさんは、思い通りにいかないことの連続で癇癪を頻発。2人組を作らなくてはいけないときでも、1人ぽつんと取り残されてしまいます。「自分から動くんだよ!」と先生にこんこんと説教をされながら、すみかさんは「またみんなと同じようにできなかった」と、子どもながらに思うのでした。 子どもたちのいないところでタバコを吸っていたすみかさんのお母さん。しかし、すみかさんはお母さんに押し出された記憶で、長年苦しめられてしまいます。大人にとっては些細なことでも、幼い子どもにとっては一生のトラウマになってしまうことも。子どもたちが苦しまないよう、周りの大人はしっかりと配慮しなければなりませんね。 著者:マンガ家・イラストレーター すみか自身の体験をもとにエッセイ漫画を描いている主婦です。
2023年07月15日主婦のすみかさんは、幼いころに癇癪を頻発。自分として生きる大変さや自分の内面に悩み続けた幼少期の記憶をたどります。生まれたばかりのすみかさんを抱っこした祖母は「この子は育てるの大変そうだねぇ」と予言めいたことを言いました。大人になったすみかさんはその言葉の意味を実感し、「自分として生きるのが大変だった」と半生を振り返ります。小さなころのすみかさんは、泣くとお母さんに抱っこを求めていました。しかし、すみかさんの泣き方は尋常じゃなかったらしく、耐えられなくなったお母さんはすみかさんを物置に閉じ込めます。ようやくお母さんに抱っこしてもらえても、「なんか……今じゃない……」と傷ついてしまうのでした。自分の思い通りにならないと、どうすれば良いかわからなくなってしまうすみかさん。頭に血がのぼると泣いて暴れ、物に当たったり、はだしで家から逃げたり……。悪いことだとわかっていてもやってしまうため、その後は後悔の念に苛まれます。言葉にすれば伝わることなのに、先に涙が出てしまうすみかさん。本当はお母さんとしっかり話して納得したいのに、泣いてしまい、その度にお母さんは怒り出してしまいます。同じくらいの子どもから「変な子」と言われ、恥ずかしさや苦しさを感じるのに、自分ではどうしようもできません。そんなすみかさんを案じて、お母さんはカルシウムの豊富な魚粉などをすみかさんに与えるのでした。一方、すみかさんの姉は大人びていて……!? 実に理不尽! 2つ年上のお姉さんといつも一緒に遊んでいた、幼いすみかさん。しかし、イライラするとすみかさんはすぐに泣き出してしまいます。すみかさんが泣き出すと、お姉さんは何も言わずに部屋を出て行き、大人な対応を見せるのでした。 すみかさんは寝る前にお母さんに絵本を読んでもらうのを楽しみにしていました。そして目が覚めたときに隣にお母さんがいないと、ショックを受けて泣き出してしまうこともしばしば。しかし、妹のミキカさんが生まれると、お母さんはミキカさんを優先します。頭ではわかっていても、お母さんを独り占めできないことにすみかさんはまた癇癪を起こしてしまうのでした。 自分より下の子が生まれると、お母さんがとられてしまったと感じて、赤ちゃん返りしてしまう子どももよくいるそう。赤ちゃんに手がかかるのは仕方ありませんが、上の子の気持ちを受け止め、たっぷりと愛情を伝える時間も確保できるといいですね。 著者:マンガ家・イラストレーター すみか自身の体験をもとにエッセイ漫画を描いている主婦です。
2023年07月14日自身の体験をもとにマンガを描いている主婦のすみかさん。幼いころに癇癪を頻発し、自分として生きる大変さや自分の内面に悩み続けた幼少期の記憶をたどります。生まれたばかりのすみかさんを抱っこした祖母は「この子は育てるの大変そうだねぇ」と予言めいたことを言いました。大人になったすみかさんはその言葉の意味を実感し、「自分として生きるのが大変だった」と半生を振り返ります。小さなころのすみかさんは、泣くとお母さんに抱っこを求めていました。しかし、すみかさんの泣き方は尋常じゃなかったらしく、耐えられなくなったお母さんはすみかさんを物置に閉じ込めます。ようやくお母さんに抱っこしてもらえても、「なんか……今じゃない……」と傷ついてしまうのでした。そんなすみかさんは小さいころから悩みを抱えていて――。 泣いて暴れ始めたら止められない 自分の思い通りにならないと、どうすれば良いかわからなくなってしまうすみかさん。頭に血がのぼると泣いて暴れ、物に当たったり、はだしで家から逃げたりは日常茶飯事。食事中でもイライラすると、手づかみで食べたり、スプーンでテーブルを傷つけたりしてしまいます。悪いことだとわかっていてもやってしまうため、その後は後悔の念に苛まされてしまうすみかさん。寝る前には「私のせいでおうち壊れちゃったらどうしよう…」と怖くなってしまうのでした。 言葉にすれば伝わることなのに、先に涙が出てしまうすみかさん。本当はお母さんとしっかり話して納得したいのに、泣いてしまい、その度にお母さんは怒り出してしまいます。同じくらいの子どもから「変な子」と言われ、恥ずかしさや苦しさを感じるのに、自分ではどうしようもできないため、すみかさんはもどかしさを感じます。そんなすみかさんを案じて、お母さんはカルシウムの豊富な魚粉などをすみかさんに与えるのでした。 子どもに限らず、大人でも感情が高ぶると言葉より先に涙が出てしまうことはありますよね。みなさんはそういうときに、どのようにして自分の気持ちを落ち着けていますか? 著者:マンガ家・イラストレーター すみか自身の体験をもとにエッセイ漫画を描いている主婦です。
2023年07月13日自身の体験をもとにマンガを描いている主婦のすみかさん。幼いころに癇癪を頻発し、自分として生きる大変さや自分の内面に悩み続けた幼少期の記憶をたどります。自分の内面に悩み続けた半生を振り返り、マンガを描いている主婦のすみかさん。小さなころから癇癪を頻発し、生きることの大変さを痛感しています。時はさかのぼり、すみかさんが生まれたばかりの頃。すみかさんを抱っこした祖母は、とある予言をしますが……!? この子は育てるの大変そうだねぇ 19××年の8月、3,600グラムで誕生したすみかさん。生まれたばかりのすみかさんを抱っこした祖母は「この子は育てるの大変そうだねぇ」と予言めいたことを言いました。大人になったすみかさんはその言葉の意味を実感し、「自分として生きるのが大変だった」と半生を振り返るのでした。 小さなころのすみかさんは、泣くとお母さんに抱っこを求めていました。しかし、すみかさんの泣き方は尋常じゃなかったらしく、耐えられなくなったお母さんはすみかさんを物置に閉じ込めます。物置で少し落ち着いたすみかさんはようやくお母さんに抱っこしてもらえるのですが、「なんか……今じゃない……」と傷ついてしまうのでした。 同じ親から生まれた姉妹でも、それぞれ性格は異なるもの。すみかさんは自分の生まれ持った性質に長年悩まされてきたようです。みなさんは兄弟や姉妹との性格の違いを感じたことはありますか? 著者:マンガ家・イラストレーター すみか自身の体験をもとにエッセイ漫画を描いている主婦です。
2023年07月12日漢方薬の「抑肝散」とは?神経発達症(発達障害)のある子どもにも処方される?自閉スペクトラム症には、イライラや過敏、癇癪など、その特性から生じる症状があります。これらを抑えるためには、環境を調整することが大切ですが、それでも難しい場合には、薬が用いられることがあります。抑肝散の「肝」は「怒り」を意味します。このことからも想像できるように、抑肝散は神経の高ぶりを抑える効果があるといわれている漢方薬です。神経の高ぶりを抑えることで、不眠の改善にも効果があります。もともと子どもの夜泣きに使われていたことで知られていますが、現在では大人の精神的な症状に対しても使われています。抑肝散は、神経が高ぶりやイライラを伴う不眠症、子どもの夜泣き、神経過敏などの精神症状に対して処方されます。筋肉の緊張を緩める働きもあるため、けいれんや手足の震え、ひきつけなどへの適応もあります。また、抑肝散によく似た名前の漢方薬に、「抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)」があります。これは、抑肝散にチンピ(陳皮)とハンゲ(半夏)という成分を加えたもので、胃腸にやさしく、長期服用しやすいのが特徴です。抑肝散の特徴、効能、効果抑肝散は、複数の漢方の生薬を配合した漢方薬です。ブクリョウ、ビャクジュツ(またはソウジュツ)、センキュウ、チョウトウコウ、トウキ、サイコ、カンゾウが配合されています。「抑肝散加陳皮半夏」は、これにハンゲを加えたものです。抑肝散には神経の高ぶりなどを抑えて、筋肉の「つっぱり」「こわばり」などを緩める効果があります。それにより心と体の状態を良いものにしていきます。・イライラ感・不眠などの精神神経症状・手足のふるえ、けいれん・子どもの夜なき、ひきつけ「疳」が強いと言われる子どもに用いられることが多く、腹直筋が緊張していることも使用の目安となります。抑肝散は乳幼児や子ども向けの漢方薬となりますが、神経症、不眠症、さらには認知症や統合失調症、躁うつ病、てんかん、パーキンソン病など、さまざまな精神・神経疾患の補助薬として処方されています。抑肝散を服用すると、脳内の神経伝達物質であるグルタミン酸の働きが抑えられるため、神経を落ち着かせてくれます。セロトニン受容体への作用もあり、攻撃行動や不安を改善して心身を穏やかな状態にします。また、サイコには熱や炎症をさまし、腹直筋など筋肉の緊張をゆるめる作用が、カンゾウには筋肉の緊張を緩める作用があります。このように、本来は神経痛や不眠症、子どもの夜泣きなどの改善に用いられていました。しかし、現在では怒りっぽい、興奮しやすいといった認知症の周辺症状への改善効果があることが認められており、認知症に対しても処方されています。抑肝散の用法、容量は?病院で処方してもらえるの?抑肝散は、市販薬として販売されているので薬局で購入できますが、病院でも処方されます。通常、成人ですと1日分の7.5gを2~3回に分けて経口服用します。年齢や体重、症状により適宜増減が必要です。薬の形状は、錠剤、顆粒、内服液があります。飲むタイミングは、食前と食間が基本です。抑肝散に限らず、漢方薬は、食前か食間に服用します。食事の約30分前や空腹時に飲むようにしましょう。しかし、空腹時に胃もたれなどの症状が起こるようでしたら、飲むタイミングを医師や薬剤師に相談し、タイミングを変えるとよいでしょう。一般的に漢方薬の服用量は、成人と比較して、・7歳以上15歳未満:3分の2・4歳以上7歳未満は2分の1・2歳以上4歳未満は3分の1・2歳未満で4分の1以下と規定されています。年齢のほか、体重から量を換算する場合があります。また、病院で処方される場合は、症状や経過を見て量を調整することもあります。自分で増減せず、医師に相談しましょう。また、漢方薬独特の匂いや苦みがありますので、感覚過敏のある自閉スペクトラム症の子どもの場合、長期服用が困難なことがあります。感覚過敏でなくても、子どもにとっては飲みにくい匂いや臭みがあるので、飲み方に工夫が必要です。次のような方法をためすとよいでしょう。・細かくつぶしてココアや溶かしたチョコレートにまぜる・1歳以上ならはちみつに混ぜる(1歳未満の子どもは、「乳児はちみつボツリヌス症」)を発症する恐れがあるため、摂取することはできません)・薬を飲むためのゼリーオブラートに包んで飲む・水に溶かして製氷機で凍らせてから口にふくむ・アイスに混ぜ込んで食べる抑肝散に副作用はあるの?副作用としては、発疹などの過敏症や、食欲不振・胃部不快感・吐き気といった消化器の症状、倦怠感などがあらわれることもあります。重い副作用はまれにしかないと言われていますが、配合されているカンゾウ(甘草)を大量に服用すると、むくみや血圧上昇などの副反応が起きる(偽アルドステロン症)場合があります。カンゾウはほかの漢方薬にも配合されていますので、複数の漢方薬を服用している場合も、注意が必要です。重大な副作用としては、「偽アルドステロン症」のほか、次の4つが挙げられます。・心不全(息苦しさ、動悸、疲れやすいなど)・横紋筋融解症(手足のしびれ、痙攣、力が入らないなど)・間質性肺炎(から咳、息苦しさなど)・肝臓の重い症状(怠さ、食欲不振、吐き気、発熱など)これらの重い副作用は、頻度は高くありませんが、万が一、体の不調を感じたり、このような副作用の恐れがあると感じたりしたときは、服用をすぐに中止して医師や薬剤師に相談しましょう。抑肝散はどのくらいで効果が表れる?即効性が期待できる漢方薬ではありませんので、ある程度の効果が実感できるまでには時間を要します。そのため、2~3ヶ月は継続的に服用するのがよいとされています。しかし、1ヶ月ほど服用しても症状がよくならないときは、医師や薬剤師に相談するとよいでしょう。抑肝散は自閉症スペクトラム症をはじめとした神経発達症の症状の改善に処方されますここでは、子どもの癇癪やイライラ、過敏などの症状にも効果がある漢方薬、抑肝散についてご紹介してきました。自閉スペクトラム症を根本的に治療する薬はありませんが、その特性からあらわれる癇癪やイライラなど、情緒面や行動面の症状をやわらげることはできます。漢方薬である抑肝散の服用もその1つです。抑肝散の歴史は古く、今から500年以上も前の中国の古典には「母子同服」といって、母子が同時に抑肝散を服用することで母子ともに気の高まりを鎮める効果があると記載されています。また、自閉スペクトラム症をはじめとする神経発達症の症状の改善には、環境の調整や、声かけの仕方・関わり方を変えるなどの取り組みもとても大切です。薬の服用と併せてほかの取り組みも行うことが大切だと言えるでしょう。漢方薬は、年齢や体重、症状によって服用する量を調整したり、服用する期間を決めたりします。効果がある薬には、副作用もつきものです。医師や薬剤師に相談し、一人ひとりに合わせて用いるようにしましょう。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月30日悪魔の3歳児?3歳児の癇癪がひどい理由は?2歳ごろのイヤイヤ期との違い癇癪(かんしゃく)とは、大きな声で泣いたり、激しく叫んだり奇声を発したりするなどの興奮を伴う混乱状態を指します。気持ちのコントロールがうまくできない幼少期に起こりやすいと言われており、コミュニケーションの手段として習慣化することもあります。乳幼児期(0~1歳)ごろはオムツが汚れている、お腹がすいている、眠いなどの生理的に不快な状況がきっかけで癇癪を起こすことが多いです。1歳を過ぎると自分のしたいことがだんだんと分かってきます。保護者のしたことが自分のしたいことと違う場合に癇癪を起こすことも増えてきます。2歳を過ぎると本格的な「イヤイヤ期」に入ってきます。「魔の2歳」なんて言葉も聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。発語も出てくるので、「いや!」と言葉で自分の主張をしてくることも増えるでしょう。3歳になるとより一層知識・思考力が高まり、自分の主張を言えるようになってきます。「魔の2歳」のときよりも言葉も増え、体力もついてきているので「悪魔の3歳児」と呼ばれているなんてことも。このコラムでは、・3歳児の発達の特徴・2歳のイヤイヤ期と3歳児の癇癪との違い・3歳児の癇癪の原因・ひどい癇癪は何歳まで?癇癪が落ち着く時期・定型発達の子どもの癇癪と発達障害のある子どもの癇癪の違い・癇癪がひどい場合の相談場所など、3歳児の癇癪にまつわるギモンから、子どもの癇癪にまつわる保護者のお悩みや困りごとなど専門家の先生のアドバイスを交えてご紹介します。【小児科医に聞く】3歳児の癇癪で気になるギモンに小児科医が回答ここでは、小児科医の藤井明子先生に3歳児の癇癪の原因や、ギモン、家庭や園、外出先での対応のコツについてお答えいただきます。(質問)イヤイヤ期がそろそろ終わるかと思ったら、3歳になって癇癪がパワーアップした気がします。3歳児の癇癪の原因は何ですか?癇癪はいつごろ落ち着くのでしょうか?(回答)3歳になると、言葉がふえ、短い文章で意思を伝えるようになり、感情の表現が豊かになります。運動面では、歩く/走るといった大きい運動(粗大運動)が向上するだけでなく、手先を使った細かい動き(微細運動)、たとえば積み木を積んだりといったことができるようになります。社会性も発達し、他者とのコミュニケーションが進み、自分の気持ち、人との関係性を意識するようになります。3歳の癇癪の原因は、2歳児よりもできることが増え、自分でやりたいという自己主張が増えたり、感情表現がはっきりすることで、癇癪となることがあります。3歳児は2歳児に比べて、言葉が発達し、感情コントロールも向上しているので、癇癪がへる傾向が見られます。しかし、3歳になって入園したり、習い事など集団生活に参加したりと環境の変化の機会もあり、それに伴いこれまでなかった癇癪が起こることもあります。癇癪は、気持ちの言語化ができるようになり、感情のコントロールが向上すると落ち着いてきます。3歳後半から4歳ごろになると落ち着いてくるお子さんが多いです。しかし、子どもの成長や発達は個人差があるため、癇癪が落ち着かない場合には、かかりつけ医に相談することをおすすめします。Upload By 発達障害のキホン(質問)無茶苦茶な要求をしては通らないと暴れます。親のしつけが悪いのでしょうか?(回答)癇癪が強いのは、お子さんの感情コントロールの発達の段階がまだ、成長過程だからです。親御さんのしつけのせいではありません。きょうだいを同じように育てても、癇癪が強い場合もあれば癇癪がほどんどない場合もあり、お子さんの個性はさまざまです。無茶苦茶な要求をされても、「〇〇ちゃんは、これをしたかったんだね」とお子さんの気持ちの言語化を代わりにしましょう。気持ちを受け止めつつ、「でも、今はできないよ」とできないことを伝えましょう。暴れてつらいと思われるかもしれませんが、癇癪を起こしたら、要求が通るという流れにならないように、できないことは、できないと冷静な態度を取るのが良いでしょう。そして、気持ちが落ち着いたら、それまでやっていた活動に戻り、穏やかな時間を共に持ちましょう。Upload By 発達障害のキホン(質問)わが子の癇癪がひどくてしんどいです。よい対応方法、やってはいけない対応方法はありますか?(回答)「〇〇ちゃんは、これをしたかったんだね」とお子さんの気持ちの言語化を代わりにしましょう。気持ちを受け止めつつ、「でも、今はできないよ」とできないことを伝え、気持ちが落ち着くのを待ちます。外だと癇癪はないのに、家庭内で癇癪が目立つというお子さんもいます。理由として、園などの集団生活では気を張って頑張っている分、家ではリラックスして気持ちを発散していることなどが挙げられます。その場合、家ではリラックスしやすい環境を整えることが大切です。家の中で癇癪を起こした場合には、安全な場所に一定の距離をもち離れ、クールダウンする時間を設けるのも良いでしょう。園でも、落ち着く環境に行き、クールダウンできるよう工夫しましょう。教室から離れて、職員室へ先生と2人で行く、机の下に潜るなど、落ち着く場所はお子さんによってそれぞれです。園の先生と対応について、相談することをおすすめします。外出先では、癇癪が起きた場所から少し離れて、気持ちが落ち着くのを待ちます。短い静かな時間を過ごして、元の活動に戻ります。癇癪が激しいと、お子さんの要求をかなえてあげたくなることがあるかもしれません。しかし、お子さんの要求を叶えると、癇癪を起こすことが、自分の要求を表現する仕方になってしまうので、気持ちの言語化をサポートしながら、落ち着くのを待ちましょう。【発達ナビQ&A】子どもの癇癪にもう限界…周囲の目も気になってしまい発達ナビのQ&Aコーナーでは、子育てに関する疑問や知りたいことを質問するとほかの発達ナビ会員の方々が実体験などをもとに答えてくれます。癇癪に関する質問とその回答をご紹介します。いつもお世話になってます。診断はまだですが自閉症スペクトラムであろう3歳半の娘がいます。少しでも気に障ったり気に入らないことがあると「バイバイ!!」と言って原因のものを自分から遠ざけます。積み木をしていて、崩れたりすると自分の目の届かないところに持っていかせます。今朝保育園に傘を持っていって、お迎えのときに雨が降っていなかったので、うっかり忘れてしまいました。でも10メートルくらい歩いてすぐ気づいたので「傘忘れたね!取ってこようか」と声をかけたらパニックになってしまいました。傘を取ってきて「バイバイ!」と私に言ってきても、その辺に捨てるわけにもいかず、家まで持って帰ろうとしても大泣きで動いてくれませんでした。その間お友だちやママさんがたくさん通ってすごく辛かったです。まだ言葉の理解が弱く、すぐ癇癪を起こします。いつか落ち着く日はくるのでしょうか。こちらの質問には以下のような回答が寄せられました。引用:(略)幼稚園での出来事についてはしかたないとして、傘とかは、じぶんできづけは、偉いねですが、普段はお母さんが確認してもって帰ってくることにしてはどうでしょうか?お帰りにもう一度戻る、きっと耐えがたい気分なのだと思います。人前で混乱させないには、イレギュラーな出来事に遭遇させないことだと思います。(略)引用:(略)やはり事前告知が一番安定します我が家の場合、長男が文字を読むのが好きだったので、折り紙などの裏にボールペンで予定を2通り書いて選ばせたりしていました例えば、遊びに行く場合だと、11:00が今、お昼は何時かな?(12時!と答えてくれる)、じゃあ12:00〜13:00までお昼だよね。13:00〜遊びだね。と時間軸を横に置いてスケジュールを見える化します。ママはこっちの方がいいと思うんだ!と言いながら、11:00(今)〜12:00をお昼、13:00〜ずーっと遊び。みたいにパッと見ても先にご飯食べた方が途中抜けしないで遊べるよ!とメリットを感覚で理解しやすいように伝えました。(略)参考:発達ナビQ&A(解説)発達障害のお子さんの癇癪は、定型発達のお子さんに比べて、癇癪が強い傾向にあります。それは、こだわりが強かったり、気持ちのコントロールが未熟だったり、見通しが立たないことに不安を感じやすいなどの、特性が関係していることがあります。気持ちの言語化を図り、落ち着かせようとしても、なかなか落ち着かないなどある場合には、発達障害か否かを悩むよりも、かかりつけ医や保健センター、発達相談センターなどに相談することをおすすめします。Upload By 発達障害のキホン癇癪についての関連コラムはこちらコラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月22日聴覚過敏があるタケル音に過敏で、家の外から聞こえてくる車のクラクションや、排気音、家族が話している声にもいちいちイライラし、時には火のついたように泣いていたタケル。しかし、幼稚園に行くころには、自分が不快な音を聞いたときにひどく怒りを感じたり、泣いたりしていることに気づいたようです。イライラしてくると「何か嫌な音があるのかもしれない」と、自分でその場を離れたり、耳を塞いだりするようになりました。Upload By 寺島ヒロ調子が悪いといつもは平気な音でもダメになる何デシベル以上はダメとか決まっているわけではなく、ある程度の本人の調子の波があり、同じような音でも気にならないときと、気に障って仕方がないときがあるようです。例えば、私と夫が会話している場合、普段は目の前で話していても全く気にしていませんが、調子が悪いときには隣の部屋からでも「ちょっとうるさいよ!」と言ってきます。わが家ではこんなとき、タケルがつらくないよう会話を中断し、連絡事項があった場合はメールなどで伝達することにしています。癇癪を起こす息子に「それは理不尽だ!」なるべく息子に負担をかけないようにしようと心掛けている私ですが、「さすがにこれには…」と思う出来事がありました。息子は4〜5歳のころから眠れなくて困ったり、逆に起きようとしても身体が自在に動かなかったりと、睡眠に困難を抱えるようになりました。9時か10時ごろには布団に入るのに、それから深夜12時か1時まで眠れません。「本を読もうか?」「一緒に寝てあげようか?」などと声掛けしても「自分で眠れる!」と頑なに拒否します。私も夜は漫画の仕事をしていたので、あまり構っている余裕がなく、ふすま越しに隣の部屋で様子をうかがうだけでした。タケルは眠れないでいる間、ずっとゲームをプレイしているときの音楽と効果音を頭の中でリプレイして口ずさんでいます。声が聞こえなくなって、そっと見に行くと、疲れ果てて眠っているといった具合でした。Upload By 寺島ヒロその夜も、9時ごろには布団に入りましたが、全く眠気が来ていないようでした。そしてそろそろ深夜12時になろうかというころ、不意に唸るような声が聞こえてきました。耳を澄まして聞いてみると...どうやらタケルは泣いているようでした...!部屋に入って行って「どうした?キツい?熱測ろうか!」と言うと、タケルは真っ赤な顔でバタバタっと跳ねると「熱ない!うるさくて眠れないんだよ…!」と叫びました。うるさい?いえいえ、もう深夜ですから家の前に車は走ってないし、誰も喋っていませんよ?Upload By 寺島ヒロ背中をさすりながらしばらく話を聞いてみると、タケルは込みあげてくる自分の嗚咽の声が「不快」なのだと言うのです。なんと自分の声がうるさくて眠れなくてパニックになっていたのでした。眠れないプレッシャーで…真面目な性格のタケルは眠れないことを気に病んでいたのでしょう。そのせいで普段なら意識しない自分の声を「不快な音」として脳が捉えてしまったのかなと思いました。結局、その日は幼稚園は休んで良いことにして、一緒に紅茶をいれ夜のおやつを食べました。テーブルに着いたときはコップを持つ手が震えるほどでしたが、コップが空になるころには落ち着き、深夜3時ごろには笑顔で眠りにつくことができたのでした。執筆/寺島ヒロ(監修:初川先生より)タケルくんの聴覚過敏にまつわる「ちょっと面白い(?)」エピソードをありがとうございます。そうか、自分の声(嗚咽)がうるさく感じられて眠れなくなってしまったのですね。私もそのことだけ聞くと、なんと興味深いと思ってしまいますが、当時のタケルくんはそれで本当につらかったのでしょうから、興味深く思ったり、面白がったりしている場合ではないのかもしれないですが…。コンディションの良くないとき(おそらく体は疲れてたでしょうし、そんな状態のときも含め)は、自分の声すら引き金になってしまうのですね。さて、眠りに関して、うまく寝つけない場合、寝つけないことでより一層気持ちが焦ってしまうことなど、さまざま難しさを抱えているお子さんはいますね。生活リズムとして寝る時間はある程度一定にしたいし、ただ、眠くないのに寝ようとしてもつらいしといったところで悩まれる保護者の方も多いように感じます。発達に関する主治医の先生をお持ちの方はその方に、また、主治医がいなくても気になる場合は小児科でご相談されてもいいかもしれません。日中の過ごし方を工夫したり、寝る前にいわゆる入眠儀式としてルーティンを組むといった工夫をしたり。寝ること自体をどう捉えるかを話し合ってみたり(寝ないと幼稚園行けないよ!というルールだと余計焦ってしまうタイプの子もいるかもしれないですね)。いろいろと工夫できるところはあるかもしれませんが、それは長期的な話で、今夜明日どうするというところで言えば、翌日は幼稚園を休むことにしてまずはおだやかな時間を取られた(夜のおやつでほっと一息、気分転換した)とのこと、よかったです。調子の悪いときがあると、それがずっと続くのではないかなどの不安が保護者の方の頭をかすめることもあるとは思いますが、今はそういう時期かもしれないと付き合う(様子を見る)ことで変化していく場合もあります。しかしなかなか様子が変わらない場合は相談や受診をしてみましょう。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年05月26日通園・通学ルートや食事にこだわり、気持ちの切り替えができず癇癪など…発達障害があるわが子の「こだわり・癇癪」体験談丸山さとこさんの中学2年生の息子・コウ君にはASDとADHDがあります。幼少期、「ルーティーン」へのこだわりが強かったコウ君の癇癪を防ぐために、できるだけ「ルーティーンになったら困ること」を避けていたそうです。しかし、コウ君が安心して過ごすためには、「いつもと同じ」であることも重要で…。丸山さんは、どのようにバランスを取っていたのでしょうか?SAKURAさんの娘・あーさんには自閉スペクトラム症があります。SAKURAさん夫婦は、あーさんに発達障害があると知ってから、あーさんが自己肯定感を損なうことのないよう気をつけながら育ててきたそうです。その甲斐あって、あーさんは失敗しても落ち込んだり、自信を失ったりすることなく成長。ところが思春期に差し掛かった今、思わぬ結果に…!?カタバミさんの息子・まちゃ君は特別支援学級に通う小学1年生。知的障害と自閉スペクトラム症があり、幼いころはおとなしく、癇癪やこだわりと感じられることは少なかったと言います。ところが、小学生になって一変!通学路にはまちゃ君のこだわりポイントがたくさんあって・・・。星河ばよさんの息子さんは発達障害グレーゾーン。保育園時代は気持ちの切り替えが難しく、思い通りにならないと泣き暴れ・・・毎日が癇癪の連続だったそうです。小学2~3年生になったころ、友達と遊ぶ予定がなくなってしまったときのこと。癇癪を起こすのかと思いきや、息子さんがとった行動は・・・?みんさんの息子・P君には知的障害を伴う自閉スペクトラム症があります。療育園に通っていたころ、新学期の環境変化にとまどい、癇癪を起こす姿が見られていました。そして、不安になるのは親も同じ。なんとか息子の癇癪を防ぎたいと、みんさんはP君の担任の先生に、お気に入りのおもちゃを出してもらえないか聞いてみました。すると、先生の答えは意外なもので・・・。さいごに今回の「こだわり・癇癪」特集では、発達ナビライターさんからさまざまな体験談をお寄せいただきました。「うちの子も、同じようなこだわりがある!」「わが子の癇癪の原因も、もしかしたら○○なのかも?」などと参考になるエピソードも多かったのではないでしょうか。わが子の「こだわり・癇癪」は、困ってしまうこともあるけれど、子どもの自己表現のひとつの形でもありますよね。うまく付き合いながら、親子共に、もっと過ごしやすくなる方法が見つかるといいですね!コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年05月01日癇癪を起こすのは子どもではなく…母である、私!?Upload By 丸山さとこ最近はほとんど癇癪を起こさなくなった息子のコウです以前はパニックになったり癇癪を起こしたりして周りも本人も振り回されることの多かったコウですが、小学5年生で「もしかして、自分の表現って人より激しいのかな…?」と気づいたことをきっかけに大分落ち着いてきました。人との違いに気がついて自分を客観視できたから落ち着いたのか、落ち着いたから人の様子や自分の姿を見れるようになったのか、どちらが先なのかは今振り返ってもよく分かりません。いずれにせよ、それらの変化はコウにとってよい循環を産んだようです。「0か100か」の白黒思考で極端な発想にいきついたときも、時間を置くことで「さっきの僕は思い込みが激しかったかもしれない」と気づくことが増えたそうです。そんな風にコウが落ち着いてきた一方で、私は癇癪を起こしやすいままだな~と思うことはしばしばです。実は私もコウと同じくASDとADHDがあり、見通しを立てることや物事の優先順位をつけることが苦手です。表面上は大人である保護者として振舞うため『はた目から見て分かりやすい癇癪』は少ないかもしれません。私が「玄関片づけて。服は脱いだらハンガーにかけるかカゴへ。水筒持ってきた?もう3日目ですが?」とガミガミうるさく言う姿は、よくある『イライラしているお母さん』だと思います。ですが、そんなときの私は『親として怒ったり叱ったりしている状態』というよりも、『自分の思うようにならないことに苛立って、ただ文句を言っている状態』になっているのだろうと思います。Upload By 丸山さとこ脱ぎっぱなしの服、出ない提出物、学校に置き忘れた水筒などなど…何度も言い聞かせたり工夫したりするだけではどうにもならず、難しさを感じることは多いです。コウ自身が「どうにかしよう」と思わないと変化は起きにくいだろうなと思います。とはいえ、ASDの特性からセルフモニタリングが難しく、ADHDの特性から注意の向かう先があっちこっちにいきやすいコウにとって、「どうにかする必要があるのだ」と実感することは難しいと理解はしています。ですが、「理解しているかどうか」と「スルーできるかどうか」はまた別の話です。ガミガミ言っても仕方がないと分かりつつ、私自身が子どものころに感じていた『イライラして癇癪を起こしているとき』と同じ気持ちで、イライラして癇癪を起こしてしまう私です。今の私は幼児のようなもの(かもしれない)このようなとき、私は「今の自分って幼児みたいなものなんだろうな」と思うことがあります。「型はめパズルのピースが思うように入らなくてイライラしてる幼児ってこんな気持ちなのかもな」と幼児に一方的に共感することもあります。Upload By 丸山さとこ『こうしたら入るはずだろう』と思ってピースをグリグリと回転させているとき、『こんなに工夫しているのに、何で!?』と思うのかな?と想像したりします。すると、「今の私は、複雑な形のピースを丸や三角形と同じように捉えてやきもきしているのかもしれないな」と思い至ります。「そうであれば、ひたすら同じ働きかけをしても変化がないのは仕方がないことだな」と考えることで、コウに対して「今の自分は強引ではなかったか?」と振り返る気持ちがほんの少し生まれます。このように幼児を通して自分を振り返ってみると、「今すぐどうにかならない現状」を受け入れつつ「どうにかなっていく可能性」を諦めないでいられることが、幼児とは違う大人らしさなのかもしれないな、と思います。焦りや不安から「0か100か」の白黒思考が強まると行き詰りやすくなるのは、コウだけではなく私も同じだな~と感じます。せっかちに結論を焦らず、投げ出さず、自分自身も含めた現状の変化をゆっくり待てるようになりたいなと思います。Upload By 丸山さとこ執筆/丸山さとこ(監修:初川先生より)母の癇癪かもしれないという思索のシェアをありがとうございます。拝読して、私はなんと鋭い視点なのだ…!と驚愕しています。それは、「母の癇癪」をさとこさんはご自身の発達障害に由来するものとして捉えていらっしゃいますが、そこは今はいったん置いておくとして、「親として怒ったり叱ったりしている状態」か「自分の思い通りにならないことに苛立っている状態」か、そこを客観視しているということが鋭く、そして素晴らしいなと感じました。ここ、ドキリとしながら読んだ方、多いのではないでしょうか(私もその一人です…)。わが子を叱る際(叱れているならまだしも、感情的に怒ってしまうこともありますね)、それが子どもにとって必要だから叱っているのか、それとも、自分の家事育児が円滑に進むようにとか、自分の虫の居所が悪くてとか、そうした自分のためにわが子を叱っているのか。ときどき、その線引きができなくなっているときって、きっと皆さん心当たりがあるのではと感じます(私は今、私自身のためにわが子を怒ったことを思い出し、一人静かに反省しています…)。子育てをしていると、また子どもが成長していることに気づいていくと、子どもの様子に照射される形で、自分自身の得意不得意やよくやる気持ちの置き所のパターンが見えてくることがありますね。今回、さとこさんはご自身の発達的な特性によるものなのではと考えてみたり(おそらくそういった面もあるのかもしれないですね)、幼児が型はめパズルに苦戦するときの気持ちが思い浮かんだり、改めてふと考えてみると、保護者である自分自身のありようについての視野が広がったのでしょう。日常にまみれたり、一生懸命になりすぎたりしていると、視野は狭くなるのでそうしたことには気づかなかったかもしれません。コウくんの成長を感じたことが今回の気づきにつながったように感じるので、そうした子どもの育ちと親の気づきとの相互作用はとても興味深く感じます。子どもは自分とは別の人間なので、思ったようには動きません。どうしてもはまらない型はめパズルのピースのように、子どもは親の思ったような形になるものではないということです。でも、パズルのピースとは違って、子どもは育つし、変化する存在でもありますね。そうした大事な視点を今回のコラムから再認識させてもらったように感じました。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年05月01日発達障害とは知らずに過ごした乳幼児のころうちの息子タケルは2000年生まれ。親の私が発達障害を疑い始めたのは2005年ごろ、実際に診断を受けたのは2008年になってからです。赤ちゃんのころから、ちょっとしたことでもよく泣いていたタケル。小さな音に敏感で、家の外から車のクラクションの音がすれば泣き、幼稚園で友達から肩を叩かれては泣き、スプーンが落ちた音でも泣いていました。しかも、ひっくり返ったり、突っ伏したりして、それはそれは長く長く泣いているのです。Upload By 寺島ヒロタケルが幼稚園生だった当時は、まだ発達障害という言葉もあまり知られていませんでしたし、私もまさかわが子に発達障害があるとは思わず、「この子は繊細だなあ。こんな調子では大きくなって苦労するだろう。たくましく育てなければ!」と思っていました。泣き+暴れ激しい癇癪にビックリしかし、3歳になっても4歳になっても、音に驚いて泣き出すクセが治ることはなく、身体が大きくなり声も大きくなったことで、より暴れ方が激しくなってきました。「うおー!うおー!」と叫び声をあげて倒れ、そのまま身体をよじりながら泣き続けます。時には1時間も2時間も泣き続けていることもあります。故意に人や物に暴力を加えることはありませんが、机には体当たりするし、床に置いてあったものは粉々です。「どうしたの?何かあった?」と聞いても「あった」とはいうものの、それ以上の説明はわあわあという泣き声に紛れて要領を得ません。そのは私も少し「この子には発達障害があるかも...」と疑っていたので、聞きかじりの知識で「これが癇癪ってやつなのかな!?」と思っていました。癇癪を起こしたときの対処法はうちのタケルの場合は、ずっと感情が爆発して泣いている様子ではあるのですが、得物をもって暴れたりはしなかったので、疲れて小休止を取っている隙を狙いすまして、毛布などで包んで、暗い部屋に放り込むということをやっていました。Upload By 寺島ヒロしかし、泣きやんでから何があったのか、どうして怒ったのかを聞いても、本人はほとんど覚えていないのです。憑き物(つきもの)が落ちたようにケロッとして自分の遊びに戻っていってしまいます。どうしてこんなに激しく怒るのか、そもそも何をそんなに怒っているのかは、ずっと謎のままでした。小学生になっても感情爆発!は止まらない小学生になったタケルは、泣きながら床を転がることこそなくなりましたが、周囲には理解できないことで怒り、何時間も泣いているような「泣き怒り」がしばしばありました。家では布団にくるんでおけば安全ですが、小学校で癇癪が起きると、校庭や廊下で棒立ちのままワンワン泣き続けてしまったり、勝手に家に帰ってきてしまいます。学校で迷惑をかける...ということもあるのですが、泣きながら公道を走って帰宅するわけなので、とにかく事故に遭わないかが心配でした。ですので、息子が学校で泣き始めたら電話をもらうことにして、その都度私が学校まで迎えに行き早退させていました。今思い返してもこの時期が1番忙しかったし、「なんでこんなことしちゃってるんだろう?」と私自身も混乱していたと思います。予定通り進まないと怒るのはASDの特性!?いろいろな謎が解けたのは、2008年以降、タケルに発達障害(アスペルガー症候群、現在はASDに統合)があると分かってからです。発達障害について詳しく知りたいと読んだ本の中に、ASDのある子どもは予定通りに物事が進まないと激しい癇癪を起こす場合があると書いてあるのを見て、私は「これだ!」と膝を打ちました。小さかったころのタケルは「ただ音に驚いたから泣いていた」と私は思っていました。でも、もしかしたら「音が聞こえたことで、自分の心の中の予定が変わったり、やろうとしていたことを忘れたから怒っていたんじゃないか?」と気がついたのです。その日も家で癇癪を起こしたタケルに、早速「何かやろうとしていたことがあったんじゃないの?」と聞いてみました。すると「そうだよ!頭の中に全部できてたのに、お父さんがつけたテレビがうるさいからもう台無しなんだよ!!」と言うではありませんか!ビンゴ!!Upload By 寺島ヒロ発達障害の息子の「自分にとっては当たり前なこと」「いつもそれで怒ってたの?どうして予定通り進まないのが嫌だったと言わなかったの?」と聞くと、「予定が崩れるのは誰だって嫌なものでしょう?」とタケル。学校ではよく先生からの声かけや、子ども同士のボディタッチがありますが、それがタケルにとってはいちいち煩わしく「邪魔をされている」と思っていたようなのです。本人からすると、それはあまりに当たり前のことで、説明する必要もないこと。だから余計「なぜボクがこんなに理不尽な目に合っているのに分かってくれないんだ!」と怒りが募っていたのでしょう。息子のように発達障害のある子どもは「普通の(多くの)人だったら平気」が分かりません。タケルにとっては「自分だったら不愉快だ」が当たり前で「ほかの人もそうだろう」なのです。こういうことは、意外と見過ごしがちになってしまうところだなあ...と反省しました。息子自身が障害を理解することで癇癪を軽減「ほかの多くの人は声かけや音などで邪魔が入ったとは思わないし、することも忘れない」ということを知ったので、タケルは「意地悪されているわけじゃなかったんだ」と他人に怒りを向けることがなくなりました。学校での「泣き怒り」も、ぴたりと止まりました。また「中断がこんなにも不愉快なのは障害の特性」ということを、息子自身が理解したことで、集中して考えたり、手順の多い作業をするときは、静かな環境をつくってリスクを減らしてから取り掛かることができるようになりました。残念ながら、22歳になった今でも「何か邪魔が入ると忘れてしまう」という特性自体がなくなったわけではありません。たまに「あー!考えが飛んでったー!」と言いながらイライラしていることもあります。それでも子どものころに比べたら、本当にたまにのことになりました。一生解決しない問題なのかもしれませんが、うまく折り合いをつけていって欲しいと祈るばかりです。執筆/寺島ヒロ(監修:藤井先生より)タケルさんの癇癪、泣き怒りの理由が、とても長い時間を経て分かったのですね。2000年生まれだと、今よりも発達障害や発達障害の特性について知る機会が少なかったかもしれません。その状況の中、寺島ヒロさんが毛布にくるんでクールダウンする環境を整えたり、泣き怒りの理由を一緒に探ろうと質問されたことで、対処法を探ることができましたね。2~3歳ごろの癇癪スタートの年齢では、癇癪の理由をお子さんが言葉にすることは難しいですが、このように実際のエピソードを共有していただくことで、癇癪の対応に苦慮されている親御さんの手立てになりそうですね。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月25日かるた大会の練習で泣く発達グレーの長男が以前通っていた保育園では、お正月にかるた大会がありました。当時長男は4歳になったばかり。長男はひらがなが読めるかも怪しい段階だったため、「かるたなんてできるの…?」と少し不安でした。とりあえず家庭で練習をしておこうと思い、私が読み手となってかるたを始めると…長男は最初はちんぷんかんぷんな様子で、やり方を教えてもなんだか分かっていない様子。私も始めのうち優しく教えていましたがいつまでたってもできなくて、長男はできない自分にイライラしながらべそをかき始め、私もだんだんイライラ。最後はギャンギャン泣きわめいて終了。かるたの練習をするたびにいつもそんな調子だったのでお互いに疲れてしまいました。かるた大会当日はもちろん上位の成績ではなかったけれど、3枚ほど取っていたので健闘を讃えたいと思います(笑)。Upload By 星河ばよ近所のお友達と遊んだ帰りに癇癪を起こす近所には同年代のお友達が多く、土日はよくお互いの家に行き来して遊んでいました。ですが、長男が年少~年長のころは帰るときが鬼門で。それまでは楽しく遊んでいたのに、「お友達が帰る」もしくは「自分が帰る」ことに気持ちを切り替えられず、癇癪を起こしていました。お友達のママさんパパさんは優しくなだめてくれましたが、私は申し訳ないやら、毎度変わらぬ長男の様子にイライラするやら。そのうち、お友達と遊ばせるのがなんとなく憂うつになっていました。「バイバイするのが寂しいのね」「また遊ぼうね」などと長男の気持ちをくんだ声かけをすればよかったかもしれませんが、当時の私はとにかく余裕がありませんでした。Upload By 星河ばよお友達と遊べなくて…長男が小学2~3年生になったころのこと。近所のお友達と遊ぶため外に出て行ったのですが、すぐに家に帰って来ました。長男はリビングに入ってくるなり、無言のままソファの隅に腰を下ろしました。理由はお友達と遊べなかったからだったのですが、長男なりに気持ちの切り替えを行なっていたようです。それからもお友達の家に行って断られたときは、家のソファの隅にしゃがみこむことが何度もありました。今までだったら癇癪を起こしていたかもしれませんが、気持ちの切り替えが少しずつできるようになってきたように感じました。Upload By 星河ばよ現在も癇癪はつづく…現在小6の長男。ゲームで負けても泣きわめかなくなり、お友達とバイバイするのもスムーズにできるようになりました。でも起床が少し遅れていつもの時刻に登校できないときは、あからさまに不機嫌をまき散らしてきます。「もう今日は学校行きたくない」ということもしょっちゅう。また、楽しみにしている予定が突然なくなったりするのにも耐えられないようで、心が暴走を始めます。まれに近くの物に当たったりもします。あらかじめ「急な予定変更があるかもしれない」ことを伝えることを心がけ、長男の心の持ち方に振り幅を持たせたいと思っています。執筆/星河ばよ(監修:鈴木先生より)私たちでも予定が急に変わったり、思い通りにいかなかったりすると不安になり、イライラするのと同じなのです。ただ、ASDの特性があると子どもでも大人でもその閾値(いきち)が低く程度が強いことがあります。自分の内側で納めきれずに衝動性も加わって自分の外側へ攻撃してしまうことがあるのです。我々はこれをASDによる易刺激性と診断しています。これは、アリピプラゾール(エビリファイ)のような抗精神病薬で調整は可能です。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月12日発達ナビ大賞へのご応募ありがとうございました!発達が気になるお子さんを日々育てている中、「子どもの癇癪に困ってしまった…」そんな経験はないでしょうか?発達ナビ会員のみなさんをはじめ、多くの方からお寄せいただいたエピソードの中から、印象的だった5つのエピソードを発達ナビ編集部が選びました。また、あわせてお読みいただきたいコラムもご紹介します!※LITALICO発達ナビ「みんなのアンケート」にてご応募をいただいたエピソードについては上記より遷移し、ご覧いただけます息子の癇癪、理不尽に思えることにも理由があるから癇癪と暴言・問題行動と長年向き合っています。困った事だらけで…。大変だったエピソードが多すぎ…(笑)雪が降ったからイライラする。雨が降ったからイライラする。TVを付けたからイライラする。ご飯のタイミングが遅いからイライラする。こどもの声が嫌だからイライラする等々…。こちらからしたら理不尽に思える事も息子からしたらちゃんと理由があるんですよね…。言葉で上手く伝えられないもどかしさ。ストレスが溜まってもうまくガス抜きができない。感情のコントロールを上手くできない。折り合いの付け方が難しい。上手くクールダウンできない。本人が一番きつい。でも、対応する周りもきつい。癇癪が出る前に上手くコントロールできるようになれば理想的です。でもそれが難しい。そしてそれが息子の特性。(HARUKAさん)息子さんの癇癪やイライラなどに長年向き合っているというHARUKAさん。一見理不尽に思えることでも、本人には本人なりの理由がある…。理解できても、日々対応しなければならないのは大変ですね。一人で悩まずに、医療機関、療育機関など、第3者へ相談することも選択肢の一つかもしれません。発達ナビには、癇癪にまつわる疑問を小児科医の藤井先生にお答えいただいたコラムもありますので、ぜひご覧になってみてください。スーパーでの買い物中に癇癪!レジで後ろに並んでいた人の言葉が胸に刺さり…3歳の自閉スペクトラム娘は、視覚的な記憶が強く、いつもと違う状況にひどく戸惑います。例えば、スーパーでの買い物。一度行くとスーパーの売場の地図のようなものが頭に入り、棚に並んでいるものの位置も覚えてしまうようです。そのため、次に行ったときに陳列が変化しているとたちまちパニックに。元のとおりに戻そうと勝手に品物を動かし始めます。本人は正しいことをしていると言わんばかりのドヤ顔で…先日もスーパーのレジ前のお菓子が引き金に。いつもと違っていたようで、せっせと動かし始め、ほかのお客さんにもお店にも迷惑だからやめさせようとするも、おさまらない。そしてレジの順番がきて強制終了となり、床に転がりバタバタしながら泣き騒ぎ始めました。後ろのおばさんの「お菓子買ってあげたらいいのに」という一言が私に刺さる刺さる…「買っておさまるならいくらでも買うよ」とぼやきたいのを我慢しながらレジ通過。棚の並べ方が気に入らずパニックになっているのであって、何か1つ買ったところでおさまらない。そしてそもそも娘は偏食でお菓子は一切食べない…。なかなか一般の方々には伝わらないよなぁ。欲しいお菓子買ってもらえてないって映るんだなぁ。そして会計を終えても癇癪は続き、袋詰めのところでカゴの中身を投げ始め、床にヨーグルトをぶちまけ、ポテトサラダは容器から飛び出し…ほかのお客さんに当たらなかったのが不幸中の幸い。本人も生きづらくつらいんだろうと思うけれど、日常の買い物も癇癪の種にあふれ、いつも緊張状態でいなきゃいけないのは正直つらい!(プラムさん)「いつもと違うといや」で並べ替えたい――お子さん本人がつらいのはもちろんですが、日々の買い物にも神経を使う状況のプラムさん、おつらいですね…。買い物など外出中での癇癪・パニックは、たまたま居合わせた事情を知らない方には、一見「ただのわがまま」に思われてしまうということも、保護者のみなさんが困ってしまう原因の一つだと思います。発達ナビライターのSAKURAさんも、お子さんが小さいころ、外出時の癇癪に悩んでいたそうです。しかし、子どもが癇癪を起こしたときの自分の中の「ルール」を作ったことで、少し気持ちが楽になったとのこと!ぜひ参考にしてみてください。癇癪中に虐待だと思われて児童相談所に通報今は中学1年の息子。癇癪がとにかくひどい子で未だにあります。自分の思い通りにならないときなど酷く、テレビを破壊されたり壁に穴を開けられたりドアが凹んだり、コンセント部分も凹んだり時計を投げつけて壊されたり(涙)ギャーという声がまた全力…。最悪なのは、窓が開いてるのに気づかず癇癪中にこちらも怒鳴っていたら、虐待だと思われて児童相談所に通報されました。ちゃんと話をして納得して同情されましたが、通報までされたことがあまりにも悲しくて相談員の方の前で泣いてしまいました。癇癪中はその場から離れるというアドバイスをドクターからしてもらい実行しましたが、その場を離れている間も暴れて壁に大きな穴を開けられました(泣)息子からしてみると見捨てられたと感じたようです。ドクターからのアドバイスでもその子によって効かない事もあるんだと身をもって感じた瞬間でした。少しづつ良くはなってきましたが、ゼロになる日がくるのかはわかりません。段々と成長してもうすぐ私の身長を抜かします。そうなったときにまだ続いていたらもう止められないので、そのときは警察や児童相談所のお世話になることを覚悟していますし、本人にもいざとなったら警察に通報するから、とは伝えています。そうならない事を祈るばかりです…。(空色さん)虐待を疑われて児童相談所に通報されてしまい、悲しみのあまり涙してしまったという空色さん。さらに「癇癪中はその場を離れる」というお医者さんからのアドバイスに従ったら、壁に大きな穴が開いてしまったとのこと…。保護者としてどのように接したら良いのか、悩まれている方も多いのではないでしょうか。また、ご近所さんとの関わり方も、気になるところだと思います。空色さんと同じように、癇癪中のお子さんとの向き合い方や、ご近所との関わり方に悩んだというユーザー体験談をご紹介します。お友達を嚙んでしまった!頭を下げ続ける日々1人目が軽度発達障害と言われ落ち込んでいたころ(20年以上前です)、2人目(3歳ぐらい?)を近所にできたショッピングモールに連れて行きました。よくテレビとかで見る、これ買ってくれないと嫌だ~!と地面に寝っ転がって地団駄踏むことを30分近くしてくれました…。1人目とは違う特性だったので、この子どもたちは一体何なんだろう?と本当に悩み疲れ果てていました。そのショッピングセンターには半年行きませんでした。(行けませんでした?)遠いところまで買い物に行ったことを思い出します。2人目を連れて行ったのは3年後のことです。あと、幼稚園でのべ6人のお友達をかみました!(一度にじゃないですよ)自分は人様に迷惑をかけたこともないし、謝ったこともなく、子どものためにどれだけ頭を下げまくったか…(遠い目…)。そんな子どもたちも、まだまだ特性がありますが、もう自立できる歳になりました。まだ、3人目が中学生、3人ともそれぞれ違う特性で、いろいろ私にたくさんの経験をさせてくれました。いい思い出とは言えませんが、20年以上たつと親もあきらめることができるようになります(笑)(ゆうママさん)3人のお子さんそれぞれの特性に違いがあり、癇癪だけではなく他害にも悩まれたというゆうママさん。乗り越えられてきた数々の苦労も、いまは思い出となり、お子さんたちも自立できる年齢まで成長されたとのこと。現在進行形で悩んでいらっしゃる方々の励みにもなるエピソードをありがとうございました!発達ナビライターのかなしろにゃんこ。さんの息子・リュウ太くんも、中学生のころまで癇癪が激しかったそうです。そんな「怒りモード」を鎮めるために、リュウ太くん本人が考え出したイライラとの向き合い方とは…?「自分のお金で」ゲームができず癇癪!息子が小3のとき、アーケードゲームをやりたくて自分のお財布を持って行ったはずが、お財布を家に忘れてきてしまいました。「お金貸してあげるから」と、私がお金を出してゲームをやり、一件落着…のはずだったのですが、食料品売り場で買い物をしようとしたら、どうも息子の様子が怪しい。仕方なく買い物を諦めて帰ろうとしたら、暴れながら私の服を掴んで何度も連れ戻すので、大急ぎで買い物をして車に乗り込みました。そこから家までの10分余り、息子は車の中で全力で泣き叫び、私はうるさくて耳が痛い中、とにかく事故を起こさないように必死でした。家に帰ったら、今度は走って家から逃げるし。自分のお金でゲームをしたかったのに、それができなかったこと、買い物をするはずなのに、買い物をせずに帰ろうとしたことが、自分の予定と違っちゃったんでしょうね。その後もゲームセンターへ行くのに忘れ物をして、何度かパニックになったりしましたが、徐々に自分で折り合いをつけられるようになりました。(なまちゃんさん)自分の予定や見通しがかなわなかったことでパニック、癇癪に繋がってしまった、なまちゃんさんの息子さん。少しずつ折り合いをつけられるようになってきたとのこと、良かったですね。発達ナビライターのウチノコさんの息子、ADHDと自閉スペクトラム症のあるむっくんも、小さなころから今から何をするのか分からない状況や急な予定変更が苦手でした。しかし、「見通し」を伝えることを学んでからはずいぶんと過ごしやすくなったそうです。おわりにわが子の癇癪に「困った!」となってしまう場面にも、子どもなりの理由を理解しながら対処されている保護者のみなさまに、頭が下がるエピソードばかりでした!ご紹介したエピソードの中に、みなさんも、共感したり気づいたりしたことがあったのではないでしょうか。大賞に選ばれた5人の方々には、人気エッセイ本をプレゼントいたします。どうぞお楽しみに!発達ナビでは、これからもみなさんに楽しんでいただけるような企画をしていきたいと思っています。次回の発達ナビ大賞もどうぞご期待ください!コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年03月01日