ろう学校で学んだ手話は、全国共通じゃなかった!編集部:前回は、学校生活について教えていただきました。ちょっと気になるのですが、ろう学校では授業をどんな風に進めるんですか?津田:学校独自の手話を使ってましたね。編集部:独自?津田:そうなんです。東京に来て「これは全国共通じゃないんだ」と気づいたんです(笑)舞台で難聴の女性の役をやらせていただいた時、これまで自分が使ってこなかった日本語対応手話を使うことになりました。とにかく覚えるのが大変で、4ヶ月くらい練習したのかな…編集部:手話にもいくつか種類があるんですか?津田:そう。日本手話と、日本語対応手話、と別れていたり、方言と同じように関西と東京で違ったりもするんですよ!関西での「水飲みたい」は東京だと「岩飲みたい」になってしまう(笑)編集部:そうなんですね!知らなかったです。津田:学校では口話や文字、学校独自の手話で勉強してたんですけど…なぜかあの頃は「手話は社会にでたら役にたたないんだ」と思っていました。生徒の中でそんな風潮も少しあったのかな…理由はわからないですけど。過去の自分を想うと「あと1歩踏ん張ろう」と頑張れる編集部:女優を辞めたいと思ったこと、ありますか?津田:あります!即答しちゃいましたね。(笑)お仕事を辞めたいと思ったとき、親は「頑張りなさい」じゃなくて「帰っておいで」と言ってくれました。その言葉を聞いて「いつだって受け入れてくれる暖かい家族がいるから頑張ろう、頑張りたい」と思いなおしました。編集部:なるほど。津田:家族の応援は本当に心強い。でも、映画の撮影現場に来てくれたときは、緊張して20回くらいNG出しました!現場は1人の方が良いですね。(笑)編集部:あはは(笑)出典 : 津田:家族の存在も私の支えですが、事務所に応募する前の自分自身を想うと「もう少し踏ん張ろう、辛いけどまだ頑張りたい」と強く前へ進めるんです。学校にも行けず、毎日に何も見いだせなくて、すごく辛かった時期がありました。「死のう」と思うこともありました。そんな過去の自分自身を振り返ると、今やりたい事があって挑戦できている。こんなに変われたんだ、と励まされるんです。だからあの頃を考えると、まだ頑張れる。もう一歩頑張ろう、頑張りたい、そう踏ん張れますね。自分を守れるのは自分だけですからね。編集部:なるほど。その想いが踏ん張るときのエネルギーになっているんですね。津田:はい。事務所に所属してすぐに週刊朝日の表紙をさせていただきました。私にとっての一番最初のお仕事です。そのときに「あぁ、勇気だして挑戦して、本当に良かった…」と自分の決断を認める事ができました。右も左も分からない最初のお仕事でそう思えるなんて、私は本当にこの仕事をやりたいんだと痛感した経験でしたね。今も昔も変わらない「興味にまっすぐな性格」が自分を支えている編集部:「やりたい」と思って実際に応募するまで行動ができる、というのは津田さんの突破力といいますか…津田:確かに、昔から興味のあることは、迷わずとことん調べたり動くタイプでした。例えば…坂本龍馬がブームの時期があったんですけど、歴史の授業には全く関係ないのに「龍馬龍馬龍馬…」って本も映画も調べて四六時中頭のなかは坂本龍馬。(笑)編集部:授業と関係ないのに。(笑)津田:そうなんです、もったいない。(笑)今も気になることがあればすぐウィキペディアです。小さいころ学校で勉強したことが、大人になってもっとよくわかる、というのは面白いですよね。編集部:興味のあることにまっすぐなんですね。津田:そうかもしれないです。逆に興味が無いと全く…。読書も好きですが、最初の1ページを読んで「入り込めないな」と思うとすぐやめてしまいます。もういいやって。編集部:わかります、わかります。津田:あ、入りこめるから女優が楽しいのかもしれませんね。夫は照明関係の仕事をしていて、よく舞台の台本を持って帰ってくるんです。それを読むのが特に好き。スッと入りこめて楽しいんです。編集部:なるほど、入りこめる、かあ。津田:台本を読んで、現場にいって、その空気を感じる瞬間がとっても好きです。自分がやるこの役は、こういう環境で育ってきたのかな、と思索したり研究したりする時間を大切にしています。答えはないけど、じっくり考える。もちろん頭でわかっていることと出来ることは違いますから、演じるのは難しいですけど、それは女優の面白さですね。
2016年07月18日療育が必要なことはわかったけれど…Upload By にのの次女がADHD(注意欠陥・多動性障害)と3歳で診断された時、医師から療育を受けることを勧められ「児童デイサービス」を探すことになりました。発達障害のある子の支援を考えた時に「どのサービスを利用するか?」悩む方も多いと思います。たとえ診断名が同じであっても子どもの特性はそれぞれ異なりますし、個別の家庭事情、価値観などから、デイ選びはそもそも「個別性が高い」ものだと私は思っています。いくら人に良いと勧められたデイでも自分たち親子には合わないこともあるかもしれません。では、どのような視点で選べばよいのでしょうか?そもそも児童発達支援事業「放課後等デイサービス」とは?出典 : 「放課後等デイサービス」とは、発達に心配のある子どもと家族を支える、児童福祉法に基づいた民間の療育専門事業の名称です。【対象児童】「児童発達支援事業」(いわゆる「児童デイサービス」)~就学前の子ども「放課後等デイサービス」〜小学生から高校生【概要】・手厚い人員配置〜子ども10名に対しスタッフ3名以上・基本通所日数月14日以内(例外規定有り)・日常生活の困り事支援・コミュニケーション支援・小集団遊びの仲介支援私の住む地域の療育施設と言えば、「児童デイサービス」「放課後等デイサービス」が中心で、公的療育機関はあまりありません。そして、現在自治体の検索システムに登録している児童デイサービスは245箇所あります。(h28.6.27現在)厚生労働省放課後等デイサービスガイドラインじゃあどう選ぶ?我が家の基準は…出典 : どこに相談しても「数は多くあれど内容はピンキリ」と言われ、どう選べば良いか最初は困りました。そのため、初めに選択基準を設けることにしました。【1】 病院または児童精神科医、臨床心理士等の専門家と連携がある。~サポート態勢の有無【2】個人経営等ではなく、社会福祉法人、NPO法人等が事業者である。~組織としての信頼性【3】家から近い、または送迎してもらえる。〜送迎負担の軽減【4】(某所)地区児童発達支援連絡協議会に加盟している。〜組織としての信頼性【5】同じ事業体に放課後デイもある。〜継続的な支援上記5点の基準をもとに私は3つの児童デイサービスを選び出し、見学に行きました。見学した結果、決めたポイントは出典 : 見学した3つの児童デイサービスは見事に療育方針や雰囲気が異なりました。上記5点の条件を全て満たすデイはなく、どの利点を優先させるか迷いましたが、最後に決め手としたのはスタッフの人柄・対応などでした。決めたデイのスタッフは・具体的にこちらの知りたいことについて簡潔・丁寧に説明する・スタッフ皆人柄が明るいまたは熱意をもって仕事をしている・責任者が気さくで頼りになる姉御肌(私が部下なら絶対ついていきたいタイプ)という特徴がありました。そのため、こんな雰囲気の良い職場はあまりお目にかかったことがない...とさえ思いました。スタッフそれぞれ伸び伸びと働いていますし、仕事に対する熱意が充分に感じられました。実際の活動の様子はというと、指導の目的が明確であり視覚支援が充実した内容。このため、次女は1度目の見学から抵抗なく活動に参加することができました。子どもに合った選び方ができれば、こんな活用も!Upload By にのの現在、私はデイを療育施設兼生活上の1つのツールとして利用しています。子どもが行くたびに「楽しかった!」と帰って来られるような場所であれば、家庭以外の居場所確保にもなります。デイを療育施設としてだけでなく「習い事」や「遊び場」のような1つのツールとして気軽に活用するのもおススメです。
2016年07月17日わらにもすがりたい母親の心境Upload By かなしろにゃんこ。息子は、家事をしていて少しでも音を立てるとすぐに昼寝から目覚めてしまう子でした。起きたとたん大声で泣きだし、足を激しくバタバタします。息子の鳴き声がヒステリックに感じてイヤだった私は、毎日音を立てずに家事をしていたのですが、それがとても疲れました。この大泣きは私が息子の側から離れるときも、抱っこから降ろすときもあり、「この子は一生抱っこしていなきゃならないのかも…」と思ったくらいです。今考えると、抱っこから降ろすと泣くのは、乳児期に自分で好きな場所に移動できないため、つまらなかったのが原因なのではないかと思います。夫は「疳の虫が強いんだよ、漢方を飲ませて様子をみよう」と言うので市販の漢方を与えてみましたが、息子の育てにくさは変わらず、なんとか楽にならないものか?という悩みは消えませんでした。よそのお宅の育児が楽しそうで輝いて見え、「あのお宅の育児は楽なのかな?幸せなのかな?」とぼんやり考えることも。義母の時代にあった、民間療法の話。あるとき、義母から「疳の虫が強い子の虫封じ」の話を聞きました。「昔は民間療法で疳の虫の強い子は虫封じをしてもらったりしたのよ」と義母は笑いながら話すのです。夫も育てにくい乳幼児だったようで、義母は困って地域に住んでいる、あるお婆さんを訪ねたそうです。「そのお婆さんは息子の身体から虫を本当に出したのよ!私ね、この目で見たの!にゅる~ってなんか出てきたんだから」本当かな〜と疑う私に義母は「でも、お婆さんは亡くなってるかも、30年前の話だから!でもね、そのあと気性の荒い息子が少しだけマシになったのよ!」と教えてくれました。精神的にも追い詰められていた時期、あのころの育児が1番キツかった。育てにくい子が少しでも穏やかになってくれるのならば眉唾な話ではありますが、民間療法だってなんだってすがりたくなる気持ちになるものです。それほど発達障害がある子の母親は、心もくたびれてしまうのですね…。さて、その「虫封じ」ですが…いったいどんな内容だったのだろう?とちょっぴり気になります。(笑)
2016年07月17日新生活の一番のネックは「人の名前を覚えること」Upload By 鈴木希望就職、進学、転居、転職―新生活を始めるとき、皆さんが1番気がかりなのはどんなことですか?アスペルガーとADDを持つ私の頭にまず浮かぶのは「人の顔と名前を覚えること」です。1週間毎日顔を合わせている人に「初めまして」と挨拶してしまうことはザラ。学校や職場で顔を合わせていた同級生や同僚が私服になった途端、いったい誰なのかわからなくなってしまうほどです。短期記憶力が弱いのはもちろん、軽度の相貌失認があるのかもしれません。相手に関心がないから覚えられないというわけでなく、興味がある人のこともなかなか覚えられないからこそ辛いのです。同じくアスペルガーでADDの息子も、やはり人の顔と名前を覚えるのが苦手。意気投合して仲良く遊んだ相手でも、顔と名前を1度で覚えられることはかなり稀です。保育園のころも、10人前後のクラスメイトを覚えるのに何ヶ月もかかっていました。人の顔が覚えられない「相貌失認」(失顔症)について知ってください記憶には苦戦、でもなぜか余裕の表情。Upload By 鈴木希望さて、4月から小学校に入学。クラスの人数は倍以上、20人超になります。それについて不安はないのかと何となく聞いてみたところ、「まあ、何とかなるし、何とかするしかないでしょう」と、頼もしいような呑気なだけような言葉が返ってきました。息子が余裕の表情を見せていたのもあり、私も大して心配はしていませんでした。入学後、クラスメイトの顔は存外早く覚えられた模様。問題は名前。「学校にいるときは名札があるから大丈夫なんだよねー。でも帰ってくると忘れちゃうんだよなー」と、苦戦気味の模様。それでも、「保育園のときだって、すぐにではないけど覚えられたんだし、まあ大丈夫だよ」息子がどう「大丈夫」なのかとワクワクしていた私は約1ヶ月後、予想外の対策方法を知ることになるのです…。その手があったか!こだわりを活かした記憶術Upload By 鈴木希望そしてゴールデンウィーク直前のある日のこと。学校から帰宅した息子は、満面の笑みで私にこう告げたのです。「今日は○年○組○番の子と●年●組●番の子と3人で帰ってきたよ!」そう、息子は数字にこだわりを持つ男。そこを活かしてまずは学年と組、番号を覚える作戦に出たのです!「人を番号で呼ぶって、お前は看守か!!!」私は大笑いしながら突っ込んでしまいましたが、「その手があったか!やるじゃん息子!」と心の中では感心しきりでした。しばらくすると「○年○組○番の子」という呼び方は「○年○組○番の(フルネーム)君」という呼び方に変わり、今では学年と組、番号を名前と並べて呼ぶことはほとんどなくなりました。スタンダードな記憶術に私が感激した理由。キーワードと関連付けて何かを覚えるというのは、昔からあるスタンダードな記憶術のひとつで、決して目新しいものではありません。私が感心したのは、息子が自分なりに、しかも特性を活かしてその方法を見つけ出してきたことです。「いやー、お前さんすごいな!天才だな!!」と、私が感嘆していたところ、何か勘違いしたのか「○○君は何年何組何番、●●ちゃんは何年何組何番で…」と、既に名前を覚えている友達の学年と組、番号を報告してくるようになりました。(笑)「私、正直君の友達の番号にはあまり興味がないんだよね」と息子に伝えたのですが、「数字を覚えて、のん(私の呼び名)に伝えるのが楽しいから、これからも言わせてよ!」とのことなので、日々報告を受けています。自分で対策を見つけてきた息子だから、これからもきっと大丈夫。Upload By 鈴木希望そうそう、友達の呼び名がいつまで経ってもフルネームなので、その辺について質問してみたところ、照れたように笑ってこう答えてくれました。「どこまでが苗字でどこからが名前か、まだ時々迷っちゃうんだよね」「あー、『三国志』読んでてさ、“諸葛亮公明、どこで区切ったらいいのかわからない!”みたいな感じ?」「それそれ。あ、ハルは『三国志』好きだし、諸葛亮孔明をどこで区切っていいのかはわかるよ!」「いやいや、今のは例えだって。で、それはどうするの?」「うーん、これも何とかなるし、何とかするしかないよね!」息子なら、また息子らしい、息子なりの対処方法を楽しみながら見つけるような気がしているので、私はただニヤニヤしながらその報告を待つばかりです。
2016年07月17日●連載の目次は こちら から●発達障害についての基本的な知識を持っておくことで、当事者(母や子ども)は、随分と楽になる。それは私が実体験を通じて感じていることだ。けれども、知識があったとしても、やっぱり発達障害の子を育てるのは大変! 最終回の今回は、私のそんな心境を綴ってみます。■「発達障害」の子育ては疲れます発達障害についての特集記事を、さもわかったように書いている私。けれども、私自身、いまだに「発達障害の子を育てること」と完全に折り合いがつけられているわけではない。発達障害の子を育てるのは、普通の子育てより疲れる。それは、紛れもない事実だ。少し息子の調子が良いと、その事実を忘れてしまう。そして、普通の子のようなつもりで接していると、ある日ドカンと現実を突き付けられ奈落の底に突き落とされる。そんなことの繰り返しだ。 ■専門家と繋がろう子どもに親が「キレる」ことが多くなったら、そろそろ限界値。赤信号が点滅していると思い、早めに周囲にSOSを出すよう心がけている。私が頼りにしている方々は、今のところこんな感じだ。・家族・保育園の園長をしている友人(専門知識のある一般人)・司馬先生(専門知識のある医師)・小学校の担任の先生・小学校の特別支援学級(通級)の先生(専門知識のある教員)最初に相談する相手は、発達障害についての知識がある人のほうが良いと思う。たとえば、ママ友に愚痴を言ってガス抜きをするのは大切なことだが(私も、よくやっている)、それはあくまで、「ガス抜き」でしかない。「うちの子、発達障害かも!?」と気になっているのであれば、 しかるべき相談窓口 に、一度行ってみたほうが回り道をすることなく、適切な対応策に辿り着けるのではないかと思う。 ■1人で抱え込まないで!「周囲に助けを求められるかどうか?」は、発達障害の子育ての肝だと思う。繰り返すようだが、「発達障害」の子育ては疲れる。「キレイごと」では、どうにもならない現実の毎日がそこにはある。「もうイヤだ!」と思うことがあるのは、当たり前だ。そんなときは「良いママでなければ!」と一人で抱え込まず、周囲に助けを求めよう。私は、夫や長男に「ママを閉店します」と言い置いてプチ家出をしたり、小学校に行って、「最近、大変です」と状況を正直に話して、担任や通級の先生に支援を仰いだりしている。月1回の司馬先生の診察は、自分を客観視できる良い機会になっている。先日、保育園の園長をしている友人にSOSを出したところ、物言いのストレートな彼女からは、「(虐待だと)通報されない程度に、頑張れ!(笑)」と言われた。「すごい励まされ方だなぁ」と笑ってしまったが、しんどいときは、うんとハードルを下げて自分の生活を眺めてみることも効果がある。「頑張りすぎないようにしよう」。そう日々、自分に言い聞かせている。頑張りすぎて、母の心が不安定になるようでは、本末転倒。お母さんの一番大切な役割は、毎日、機嫌よく過ごすこと。そして、わが子をいつくしむことだと思うから。
2016年07月17日●連載の目次は こちら から●発達障害についての基本的な知識を持っておくことで、当事者(母や子ども)は、随分と楽になる。それは私が実体験を通じて感じていることだ。今回は、私が質問されて答えに困った「発達障害の診断」について、軽度の発達障害クリニックの院長である、司馬理英子先生にお話を伺った。■診断はレッテルを貼るのではなく、対処法を知るため私は息子を支援学級に通わせていたので、ママ友から子育ての相談を受けることがある。そのときに、よく聞かれることは、「発達障害の診断を受ける必要ってあるの?」ということだ。発達障害は病気ではなく、「脳の発達のかたより」。そうだとすれば、「診断は本当に必要なのか?」と思ったり、「わが子に、発達障害のレッテルなんて貼りたくない」と思ったりするのは当然のことだと思う。「診断は子どもにレッテルを貼るためのものではなく、それによってどんなことで困っているのかを教えてくれるものです」(司馬先生)診断は、いわば大きな方向つけ。「これから何をするのか?」「どんな対処方法があるのか?」を考え始めるスタート地点の指標のようなものだ。もちろん、わが子を育てる作戦(司馬先生は、よく“作戦”という言葉を使われる)を立てるのに、診断を受けるだけでは充分ではない。 ただ、ADHDといってもどんなタイプなのか、その子の能力のどんなところにどう影響しているのか、それらがわかればわかるほど作戦(対策)は立てやすくなる。また診断することによって、子どもが専門家から的確なアドバイスを受けられるほか、親が本や勉強会などから、ピンポイントで情報を得ることもできるようにもなる。■診断を受けるための一般的な経路「発達障害かどうかが気になるのだけれど、誰にどんなふうに相談すればよいかわからない」これも、よく相談される内容だ。一般的には、まずは学校の担任の先生に相談するのが良いだろう。学校には、週に1~2回ほど来て、子どもや保護者の相談に乗ってくれるスクールカウンセラーという職種の人もいる。また、自治体の教育相談所や教育センターなどで、相談業務を行なっていることもある。最近では、発達障害の診断や治療の経験がある小児科の先生も増えているので、かかりつけの医院の先生に相談してみてもよいだろう。■大切なのは、早く気づいて二次障害を防ぐこと私が相談を受けたときに必ず言っていることは、「発達障害の子を育てるのは、すごく大変だし、一緒に生活するのはしんどいよね。でも、発達障害の子を育てる上で、一番大切なのは、二次障害を防ぐことだと私は思っている。診断を受けることで、子どもの特徴に早く気づければ、必要とする支援がわかり、より二次障害を防ぎやすくなると思うよ」ということ。二次障害とは、発達障害に対する対応が十分に行われないために、二次的に起こる問題のことだ。たとえば、学校に行くのをイヤがったり、学校に行けなくなったり、うつ状態になって元気がなくなったり、親にひどく反抗したりというのが二次障害だ。発達障害の子は何かにつけて叱られることが多く、「ぼく(私)はダメなんだ…」というように自尊心が低下しがち。いったん二次障害が起きると、もともとの発達障害そのものへの対応以上に、扱いが難しいこともよくあると言われている。次回は、最終回。「発達障害の子育ては疲れます」です。
2016年07月17日●連載の目次は こちら から●ひとことで「発達障害」と言っても、その状態はさまざま。基本的な知識を持っておくことで、当事者(母や子ども)は、随分と楽になる。今回はさまざまな発達障害について、軽度の発達障害クリニックの院長である、司馬理英子先生にお話を伺った。「 発達障害って、何? 」で、発達障害には、おもに以下の3つがあるとお伝えした。今回はその内容を、もう少し詳しく見ていこう 1.不注意・多動性・衝動性が目立つ 「ADHD(注意欠如・多動性障害)」2.人との関わりが難しい「アスペルガー症候群」など「自閉症スペクトラム障害」3.特定の領域の学習がうまくいかない「LD(学習障害)」「発達障害のわが子」と向き合う本(司馬理英子/大和出版) ■ADHD(注意欠如・多動性障害)とは?不注意・多動性・衝動性を特徴とする。たとえば、忘れっぽくて集中力が乏しく、宿題などをしているときに気が散りやすい。落ち着きがなく、いつもそわそわしていて、順番を待てずなんでも我先にとやりたい。こんなふうに、年齢に応じた「注意力や行動・衝動などのコントロール」がうまくできない。そのため、毎日の生活習慣や学校での活動を行うのに苦労をする。■「アスペルガー症候群」など「自閉症スペクトラム障害」とは?「アスペルガー症候群」を含む「自閉症スペクトラム障害」の特徴はおもに「人との関わりの困難さ」にある。言葉やしぐさなどコミュニケーションをする力にかたよりがあり、興味を持つ範囲が狭く、興味のない活動には取り組めない。こうしたこだわりの強さがあるため、毎日の生活がスムーズに進まないこともある。「広汎性発達障害」や「自閉症」も「自閉症スペクトラム障害」に含まれ、なかでも言葉の遅れが見られないものは「アスペルガー症候群」と呼ばれている。 ■LD(学習障害)とは?LDでは特定の学習能力の困難さが見られる。全体的な知的発達に遅れがないのに、特定の学習能力での遅れが、小学校の低学年では1年程度、高学年では2年程度見られる場合に診断される。文章を読むことが困難な状態を「読字(どくじ)障害」、鏡文字が多く見られ、漢字や作文などを書くことに関する遅れを「書字(しょじ)障害」、計算または文章問題など算数の学力がほかの科目に比べて低い場合「算数障害」と言いわれる発達障害は決してまれなものではなく、多くの子どもにみられる。ADHDは5%、アスペルガー症候群などの自閉症スペクトラム障害の子どもは1~2%、LD(学習障害)は10%程度いると言われている。わが子に、こういった傾向を感じるとしたら、まずは本などから子どもへの対応の仕方を学んでみるのも一手だ。たとえば、『「発達障害のわが子」と向き合う本』(司馬理英子/大和出版)は、「ADHDの子どもの特徴」「ADHDの子育てのヒント」「アスペルガー症候群の子どもの特徴」「アスペルガー症候群の子どもの子育てのヒント」と、こどもの傾向別に説明と対処法の項目が分かれており、とても読みやすい。本などから得た情報で、少しでも子育てが楽になったら、ハッピーなことだと思う。また、本を読むことが、子どもへの支援を次の段階に深めるキッカケになるかもしれない。<次回は、「発達障害の診断を受けることは必要?」です。>
2016年07月17日自閉症とは?出典 : 自閉症は先天的な発達障害の一つで、社会性と対人関係の障害、コミュニケーションや言葉の発達の遅れ、行動や興味の偏りの3つの特徴があると言われています。世界保健機関(WHO)の『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)では広汎性発達障害というカテゴリーのもと、自閉症という障害名が使われています。一方、2013年に発行されたアメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神障害のための診断と統計のマニュアル』第5版)において自閉症という障害名は廃止され、自閉症スペクトラムの障害名のもとに統合されました。そのため、今後自閉症という名称での診断は少なくなることが予想されますが、自閉症という名称は現在も一般的であり、また発達障害者支援法などの法律や文部科学省・厚生労働省などでも使用されています。以上をふまえ本記事では、下記の文部科学省の定義で示されるような概念における「自閉症」についてご紹介します。自閉症とは、3歳位までに現れ、①他人との社会的関係の形成の困難さ、②言葉の発達の遅れ、③興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする行動の障害であり、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。出典 : 自閉症の発現時期は分かっているの?出典 : 自閉症は生まれ持った脳機能障害により発現すると考えられています。しかし、その特徴は生まれてすぐに見られないことがほとんどです。脳や心身の成長と共に何らかの症状が出始め、3歳頃までに自閉症の症状が顕著になると言われています。家族が気づかなくても、保育園や幼稚園の先生に指摘されたり、乳幼児健診時に専門機関への受診をすすめられるケースもあります。ですが、周りや本人が症状に気づかない場合など、大人になるまで見過ごされている方もいるようです。つまり、自閉症を引き起こす脳機能障害の素因は先天的に発現しますが、自閉症の症状や特性は発達段階で現れ、それに気づいて初めて診断につながるのです。成長過程で、もしかしたら自閉症なのかも?と疑いを感じたら、身近な専門機関で相談し、必要ならば診断を受けることをおすすめします。相談ができる専門機関とは、児童の場合、各市区町村の保健センター、子育て支援センター、児童発達支援事業所等をさします。大人の場合は発達障害者支援センター、障害者・生活支援センター、相談支援事業所などへ行ってみましょう。相談してみて障害の疑いがある場合には専門医を紹介してもらえます。自閉症の原因は?出典 : 様々な議論が交わされていますが、自閉症の原因はいまだ特定されていません。しかし、何らかの生まれつきの脳機能障害であると考えられており、親のしつけや愛情不足が直接の原因ではないことがわかっています。脳機能障害を引き起こすメカニズムとして、遺伝的な要因の関与の可能性が高いと推測されています。その先天的な遺伝要因にさまざまな環境的な要因が重なり影響しあって脳機能の障害が発現するのではないかという説が有力です。関連する遺伝子や環境要因については、現在さまざまな研究が進められていますが、具体的にはまだ解明されていません。また複数の要因や組み合わせが存在すると考えられます。それらがさまざまな道筋をたどって、その人の自閉症の特性となって現れると言われているのです。そのため全ての人にあてはまる唯一の原因はないとも考えられています。参考書籍:鷲見聡/著『発達障害の謎を解く』(日本評論社,2015)参考書籍:服部 陵子/著『Q&A家族のための自閉症ガイドブック―専門医による診断・特性理解・支援の相談室』明石書店,2011年/刊自閉症は親から子どもへ遺伝するの?Upload By 発達障害のキホン自閉症に関しては、双生児研究や家族間での一致率に関する研究が活発に行われ、現段階で医学的な結論には至っていませんが、自閉症の発現に何らかの遺伝的要因が関係している可能性が高いと考えられます。一卵性双生児のうちの1人が自閉症の場合に、もう1人も自閉症である割合は、報告によって差がありますが91~96%、二卵性では0~24%と、大きな開きがあります。兄弟姉妹では、1人が自閉症と診断された場合その兄弟姉妹が自閉症である割合は一般よりも高く、5~10%くらいと言われています。(服部 陵子/著『Q&A家族のための自閉症ガイドブック―専門医による診断・特性理解・支援の相談室』明石書店,2011年/刊P.19より引用)遺伝子配列が同じ一卵性双生児で一致率が高いことが報告されていることから、やはり遺伝的要因の関与が推測されます。一方で、遺伝子配列が一致していても100%発現するのではないこともわかりました。これは遺伝要因と環境要因の相互影響説の根拠の一つとも言われています。また、これまでの研究で自閉症は単一の遺伝子が原因で起こる「メンデル型遺伝疾患」と呼ばれるタイプではなく、複数の遺伝子の変化が影響して起こる「多因子遺伝疾患」であるとも考えられています。つまり親の遺伝子が単純に子どもに遺伝して自閉症になるわけではないということです。自閉症の遺伝要因は原因の一部にすぎず、よって、親が「自閉症」だからといって、子どもにも100%同症候群が遺伝するとは限らないのです。自閉症のある親から、自閉症ではない子どもが生まれることもあれば、両親とも定型発達の場合でも自閉症のある子どもが生まれることもあるのです。遺伝する正確な確率については、現在のところ不明です。親が自閉症だった場合で子どもも自閉症である確率も、調査によって数値がまちまちで確かな結果は出ていません。このことも、遺伝要因と環境要因の相互影響が複雑で、偶然性に左右される部分が多いことを示唆していると言えるでしょう。自閉症を検査する方法はあるの?Upload By 発達障害のキホン現在の医学では妊娠中の羊水検査、血液検査、エコー写真などの出生前診断で判明することはありません。また、出生後も遺伝子検査や血液検査といった生理学的な検査では診断できません。これは自閉症の原因が完全には解明されておらず、またその原因も複雑で単一ではないと考えられるためです。生理学的な検査方法を確立するのはかなり難しいとも言われています。自閉症の人の多くが幼児の頃から12歳ぐらいの間に何らかの症状をきっかけに専門機関を受診し、医師によって自閉症だと診断されます。診断は問診と心理検査・知能検査などの様々な検査を総合的に判断して行われます。その他MRIを使い脳の器質的な疾病がないかを確認する場合もあります。検査や診察は一度ではなく、何度か行われたうえで慎重に診断が下されることが多いです。自閉症の治療法はあるの?Upload By 発達障害のキホン自閉症を根本的に治す薬や手術などの医療的な治療法は開発されていないため完治することはありません。ですが療育や環境調整を通して接し方や伝え方を工夫したり、二次障害や合併症の症状を緩和させる治療を受けることで、日常生活における本人の生きづらさを解消することができます。幼稚園や保育園、小学校に通うようになると、コミュニケーション能力が不足していることから、どうしても自分の思いをうまく伝えられなかったり、周りから孤立してしまったりと何かと不便を感じることがあると思います。上手にコミュニケーションをはかるためにも、日頃から自分の思いをどう伝えたら理解されるか、パニックにならないように落ち着いて生活するための訓練が必要になります。また、自閉症の子がのびのび生活するためには、周囲の理解と協力が必要不可欠です。パパ・ママはまず本人の性格や特性をよく理解し、根気よく周囲に説明をし続け過ごしやすい環境を整えてあげましょう。出典 : 自閉症は手術や薬などの医学的な方法で完治することはできません。しかし、小さいうちから療育センターに通うことで、精神的・身体的機能に対してある程度の効果が表れるようです。療育とは、以下のように定義されています。療育とは医療、訓練、教育、福社などの現代の科学を総動員して障害を克服し、その児童が持つ発達能力をできるだけ有効に育て上げ、自立に向かって育成することである。療育はできるだけ早く始めると効果が出やすいと言われています。療育センターに通い、お子さんの良い部分を伸ばしましょう。具体的な自閉症の療育方法は色々ありますが、一般的には「言葉や行動を理解しやすくする」「コミュニケーションをとる練習」の2つに大きく分かれます。■言葉や行動を理解しやすくする自閉症の特徴の1つとして言葉を理解するのが難しいというものがあります。この特徴を減らすために、言葉で説明するのと同時に、絵などの視覚的な手だてをつかって説明します。例えば歯磨きをして欲しい時は、「歯を磨きます」と短い言葉で説明し、歯磨きをしている絵を見せます。聴覚と視覚を同時に使うことで、自閉症の人は意味を理解しやすくなります。一度理解してしまうと、同じ時間に同じことをするのは得意なので、問題なく歯磨きができるようになります。この療育方法を繰り返すことによって、できることが増えていきます。■コミュニケーションをとる練習コミュニケーションをとる練習も効果的です。挨拶を繰り返す練習をしたり、幼稚園や小学校についたら先生のところに行き昨日のできごとを話したり、人と関わる練習をしていきます。慣れてきたら簡単な仕事を担当してもらいます。仕事をすると褒めてもらえる、喜んでもらえるなど、色々な感情も同時に感じてもらい、本人の情緒が成長できるように練習を繰り返します。自閉症はまだ原因がはっきりしていない先天性の脳機能障害です。そのため現在の医療で完治させることは難しく、治すための薬も開発されていません。薬が処方されることがありますが、これは自閉症そのものを治すための薬ではなく、不安障害を抑える薬や、パニックを抑える薬など、自閉症の症状を緩和するためのものです。その他にも医師によって個人に合った薬を処方されますので、信頼できる医師に困っている症状を相談し、服薬で改善されるのか、それとも療育方法で改善できるのかを確認しましょう。薬物療法は医師の指示のもと用法や用量を守って服用していかなくてはいけません。薬に頼り切って多用するのは避けましょう。薬の服用により特徴が緩和されている時には療育や教育の効果も上がりやすくなるとも言われています。自閉症の原因は一つではありませんUpload By 発達障害のキホン自閉症の原因はいまだわかっておらず、現在研究されています。自閉症の原因は一つではなく、人それぞれだという説が主流となりつつあります。また、母親の愛情不足やコミニュケーション不足が原因で発現はしないことははっきりしています。もし、身近な家族が自閉症と診断されても、家族の責任ではないのです。自閉症の原因やメカニズムが解明されれば、今後治療法なども発見される可能性もあるかもしれません。そのため多くの研究者が様々な研究を進めています。ですが、個々のケースにとって自閉症の原因をあれこれと考え悩むことは、子どもの成長や支援にとってはあまり有益ではないかもしれません。それよりも適切な対応法を周りが学ぶことによって、困ったことがあっても対処法も分かるようになり、本人にとって過ごしやすい環境を作ることができます。周りの人が自閉症と本人への理解を持ち、本人の気持ちに寄り添いながら、本人と一緒に最適な対応がとれるように学び、心がけましょう。
2016年07月16日素晴らしい才能も時には…ADHDの長男はほっとけばいつも動いています。「多動」とは良く言ったもので、本当に動きが多い!外に遊びに行けば、4~5時間ぶっ通しで走る!登る!跳ぶ!その上、全く疲れを見せません。私は長男のそんな動きと体力を、素晴らしい才能だと思っています。しかし、これほど動く子にとって長時間じっとしていることは非常にハードルの高いもの。けれど社会に出れば、たくさんのそういう場面を避けては通れません。いよいよ始まった卒園式の練習ある日、幼稚園の担任の先生から…Upload By ラム*カナ「今週から卒園式の練習が始まりまして、じっとしていなきゃいけない時間が増えるので、きっと息子くんストレスがたまっちゃうと思うんです。もし、息子くんから『やりたくない』とか『つらい』という声があったら、教えてください。」と言われました。卒園式の練習内容は、卒園証書を受け取りに行く練習以外はほぼ「静かに座る練習」なんですよね。これは、長男がもっとも苦手とする練習でした。(笑)しかも、静かに座る時間は1時間以上。それを卒園式当日までの1ヶ月以上こなさねばならなかったのです。今までも、幼稚園で行なう「やりたくないこと(運動会の練習やお遊戯会の練習など)」はたくさんあったけど、それでも動きのあるものだったから、どうにかできていました。ですが、卒園式の練習ばかりは親の私も「うへ~」と思うほど辛そうなものでした。どんな気持ちか本人に聞いてみたその日の帰り道、長男に聞いてみました。Upload By ラム*カナUpload By ラム*カナUpload By ラム*カナか、掛け算?!なんていい時間の潰し方を考えたんだ!息子の発想に私は感心してしまいました。3~4歳の頃、やりたくないことがあれば泣いたり逃げたりしていたこの子が、自分なりに「やりたくないことをやり過ごす方法」を考えたことに、純粋に感動したのです。現実逃避という荒業ではありますが。(笑)この時間潰しに掛け算をしていることは担任の先生に伝えました。「本人なりにじっとしている術を考えているみたいなので大目に見てくださると嬉しいです」ということも。ただ、好きなことに集中しすぎると立つタイミングなどを聞き逃すこともあるかも、と担任の先生は心配されていましたが「うまく声掛けしてみます」と言ってくださいました。これから社会に出て、大人になる過程にはたくさんの試練がまだまだたくさんあるでしょう。でも、今回のように自分なりに考えながらいろいろな場面で切り抜ける力を身に付けて欲しい。そう願う私なのでした。
2016年07月16日「自分に自覚がないのに突然叱られる」こんな経験ありますか?Upload By モビゾウ身に覚えの無いことを指摘されても「どうして叱られるのかわからない!」と、納得できないものですよね。それは子どもも同じこと。ADHDの診断を受けていた息子は、気になるものには弾丸のように突進していったかと思えば、寝っ転がって床をゴロゴロと転がっていきます。おまけに、みんなが振り向くぐらい大きな声で話をしたり、静かに過ごす時間にふざけて周りから変な目で見られたり…。その度に周囲は困った顔をして、これだけ注意されたり制止されたりしていたら、いつか自分で自分をコントロールできるようになるだろう…そう思っていました。ところが、息子のハイパーなテンションはいつまでもコントロールできませんでした。私は、「どうしてこの子は学ばないのか」と変わらない息子に苛立ったものです。息子がいつまでたっても変わらない理由がわかったUpload By モビゾウある日私は、息子が跳ねて回っている姿を携帯で撮影して、その動画を息子に見せてみたのです。そのとき、息子が「いつまでたっても学ばない」理由がわかりました。息子は動画に映し出される自分の姿を見て「誰、この変な動き方してる男の子?」と言ったのです。「これは君だよ」と私が答えると「えぇ~!!これは僕じゃないよ」と息子は言います。「僕、こんなに落ち着きなくないよ!!」と。息子は、自分の身体がどう動いているか、自分が周りから見てどの程度の音声で喋っているか、全く自覚がなかったのです。これは、発達障害の特性である「他者の目線を想像するのが苦手」であることと「ボディイメージの弱さ」が原因であると思われます。自覚がないものをどれだけ叱られたって分かりっこありません。むしろ息子は、「自分は何もしていないのに突然叱られる」という認識だったのです。これでは、反省どころか被害者意識が育つばかりです。現に息子は、被害者意識が非常に強くて困った時期があります。理不尽な思いを繰り返しても、何も学べない。Upload By モビゾウ「自分に自覚がないのに突然叱られる」これは本人の目線から見れば、とても理不尽なことだ、ということを忘れてはいけないと思います。このような理不尽なことを繰り返していても、本人は何も学べません。むしろ、いたずらに自尊心が傷つけられていくばかりだと思います。だとすれば、どうしたらいいのでしょう。それは、本人が自分のことを客観的に見ることができる工夫をしていくことが大切なのだと思います。我が家が採用している支援はシンプルに以下の3つだけです。これだけでも息子は相当変わりました。声の大きさを数字にして、自覚しやすいようにします。我が家では1から5までが書かれたボードを作りました。「今のあなたの声は4だよ。ここでは2にしよう。」などとボードの数字を指さしながら説明し、自分の声の大きさを自覚できるようにしました。Upload By モビゾウスイッチが入る前にクールダウンさせるようにすること。スイッチが入ってしまうと、自覚どころではなくなります。ふざけてしまう前に、「あと何分で終わるからもう少し頑張ろうか」と声をかける。そうすることで、「スイッチが入っていない自分」を定着させました。スイッチが入っていない「普通の状態」のときにすぐに褒めること。ただ座っているだけ、ただ手をつないで歩いているだけ、ただ黙ってテレビを見ているだけ、そんな普段は見過ごしてしまうような当たり前の状況のときに「今、座ってられているね、頑張ってるよ」と褒めるのです。そうすることで、自分のより良い状態というのが自覚することができるようになります。自分で気づけることは、本人も嬉しいこと!この3つを繰り返したことにより、息子は自分がふざけているときや、ヒートアップしてしまっている状態のときに自分で気づくことができるようになりました。療育でたまにふざけてしまったときに、私のほうを振り向いて「ママ、今の僕の態度はダメだよね~」とニッコリ笑う姿は、最高に頼もしいです!
2016年07月16日●連載の目次は こちら から●正しい自己認識を持つこと。つまり、発達障害についての基本的な知識を持っておくことで、当事者(母や子ども)は、随分と楽になる。それは私が実体験を通じて感じていることだ。そこで、「発達障害って、何?」という基本的な疑問について、軽度の発達障害クリニックの院長である、司馬理英子先生にお話を伺った。■発達障害は「しつけ」や「育て方」が悪いわけではないほかの子に比べ、手のかかるわが子。「やっぱり、私の育て方が悪いのかしら?」と思ってしまうママもいるだろう。「夫に『子どもを甘やかすからだ』と言われる」「忙しくて充分にかまってあげられないからかな?」など、子育てがうまくいかないと、ママは自分を責めがちだ。けれども、「発達障害は、しつけの問題ではありません。多くの場合、生まれつきのものです」と、司馬先生は言う。生まれつきといっても、もちろん、生まれてすぐわかるわけではない。たとえばADHDなら幼稚園や保育園くらいまでは「活発で元気な子」という印象で、小学校に入り、生活の中心が勉強になってくると特徴が目立つ。また、アスペルガー症候群の場合は、赤ちゃんの頃から手がかかる子もいるが、「ちょっと違和感があるな」くらいの子も多い。だからこそ、難しいのだと思う。なぜなら、早い段階から障害に気づければ、親の側も「そういうものだ」と思い、ある意味、納得して育てられる。けれども、「ちょっと変わっているかな?」くらいだと、子どもの問題なのか、親側(しつけ)の問題なのか? というあたりで、ママがひとりで問題を抱え込み、グルグルと悩んでいることも多いからだ。■発達障害は病気ではない 前回 でも話したとおり、「発達障害とは、脳の発達のかたより」だ。発達障害の子どもは、すべての能力に問題があるわけではなく、“特定のある部分の発達だけ”がほかの子どもに比べて遅れている。「発達障害は、病気というわけではありません。脳の発達にかたよりがあったとしても一生がそれで決まってしまうというものでもありません」(司馬先生) ■わが子の特徴に気づいて、必要なサポートをする一般的な発達をとげている子ども(定型発達の子ども)に比べて、ある能力の発達のかたよりが目立っていて、そのために子どもが「生きづらさ」を抱えている場合、学校や家庭での状況、発育歴などのさまざまな情報を元に、発達障害かどうか?を見てみよう。たとえば、「忘れ物」。ADHDの子によく見られる忘れ物は、どの子も多少あるものだが、毎日いくつも忘れものをしていれば、そのために困ることがたくさん出てくる。個性といって片付けてしまうには困難さが際立っている場合、発達障害の診断がつけられる。「発達のかたよりに気づき、早く対処することによって、日常において困ることをずいぶんと減らすことができます」(司馬先生)発達のかたよりは、裏を返せば長所となる場合も少なくない。かたよりに早く気がつけば、子どものいい部分を生かしたり、得意な分野をしっかり伸ばしたりすることに、親子でエネルギーを使うことができる。「だからこそ、早めにわが子の特徴に気づいて、必要としているサポートをしていくことが大切なのです」(司馬先生)次回は、「発達障害のさまざまな種類」を少し詳しくみていこう。
2016年07月16日●連載の目次は こちら から●正しい自己認識を持つこと。つまり、発達障害についての基本的な知識を持っておくことで、当事者(母や子ども)は、随分と楽になる。それは私が実体験を通じて感じていることだ。そこで「発達障害って、何?」という基本的な疑問について、軽度の発達障害専門クリニックの院長である、司馬理英子先生にお話を伺った。■発達障害は、いわば「発達のかたより」育てにくいわが子。私の気にし過ぎかもしれないけれど、ちょっと心配。ママ友に相談すると「うちもそうよ。大丈夫」なんて言われて、「そうかな?」と安堵する。けれども、また別の日には、「これって、やっぱり普通じゃないよな」と思う。「でも、これはこの子の個性で、私の我慢が足りないのかもしれない」。そんな無限のループを、頭の血管が擦り切れるほど何年もグルグルと考え続けていた私。そうした状況にあった私に、司馬先生の発達障害の説明は、非常に腑に落ちるものだった。まず、発達障害の定義だが、「発達障害とは、いわば“発達のかたより”です。最近の考え方としては、全体的な知能の発達には問題がなく、以下のような特徴がある子どもを発達障害としています」(司馬先生)1.不注意・多動性・衝動性が目立つ 「ADHD(注意欠如・多動性障害)」2.人との関わりが難しい「アスペルガー症候群」など「自閉症スペクトラム障害」3.特定の領域の学習がうまくいかない「LD(学習障害)」「発達障害のわが子」と向き合う本(司馬理英子/大和出版) 発達「障害」と書くと、「障害」という言葉から重々しい感じがするが、症状の度合いは重いものから、「診断名をつけるほどではないけれど、特徴が見られる」という軽いものまで幅がある。 ■「発達障害の特徴があるかもしれない」という見方をしてみるママたちがいちばん気になるのは「うちの子が発達障害なのかどうか?」ということかもしれない。けれども、発達障害であったとしても、なかったとしても、子育てがうまくいかないのであれば、子どもの特徴を把握し、ちょっとした工夫をすることで、日々の生活は随分と楽になる。つまり、「もしかしたら発達障害の特徴があるかもしれない」という見方をしてみるのだ。■子どもの特徴に合わせた丁寧な関わり方司馬先生が教えてくださった「発達障害の子育て法」は、子どもの気持ちを尊重し、子どもの特徴に合わせた、子どもへの、より丁寧な関わり方だ。発達障害のない子どもは、さほど手をかけなくても自力で成長していけるが、それでも関わり方を丁寧にしてやることに越したことはない。つまり、子どもが発達障害でなくても、ちょっと似た部分はあるけれど診断されるほどではないというレベルでも、発達障害であっても、同じように使っていける子育て法なのだ。「発達障害かもしれないと怖がってばかりいないで、その子の特徴を見極め、その子に合わせたオーダーメイドの子育てしてみては?」というのが、司馬先生からの提案なのである。<次回は、「発達障害は、“しつけ”の問題なの!?」です。>
2016年07月16日●連載の目次は こちら から●息子を、発達障害専門クリニックである司馬クリニックで診てもらうことにした私。クリニックを受診するための問診票を書いて、診断日当日を迎えた。診察を受けて、いよいよ診断を「宣告」されると思っていたが…。■診断を受けたときの様子(私の場合)軽度の発達障害専門クリニックである司馬クリニックで、わが家は以下のような流れで診断を受けた。(クリニックによって違いがあると思うので、参考程度に)・臨床心理士の親への聞き取り:約30分・子どもの認知力検査:約1時間~1時間半・医師と子どもの面談、診察(親が同席):約20分・親への話:約30分すべての診察が終わって、親への話の時に、司馬先生は、こんなふうにおっしゃった。「湧太くんをフォローする方法は、いろいろありますよ。クリニックに通って、少しその方法をお勉強してみますか?」いよいよ診断名を宣告されると思っていた私は拍子抜けして、思わず聞いた。「あの、先生、うちの子は発達障害なんでしょうか?」「まぁ、そういうことではありますね」と、サラリと先生はおっしゃった。■診断は、対処法を知るためのもの後になって、司馬先生に聞いてみたことがある。「最初の診断時、先生は私が聞かなければ診断名をおっしゃいませんでしたよね? あれはなぜですか?」と。先生曰く、「診断名を親御さんにお伝えするかどうかは、ケースバイケース」なのだそうだ。発達障害をフォローする方法論は、かなり確立されている。診断があることで「これから何をするのか?」「どんな方法があるのか?」が見えてきやすくなる。司馬先生は言う。「診断名をお伝えするということは、たとえるならば、“ここにいけば、便利な道具がたくさん売っているよ”という○○商店というお店屋さんの名前を紹介するような感じです」けれども、診断がついた(お店の名前を教えてもらった)ということに、とてもショックを受けるお母さんも、もちろんたくさんいる。「いろいろなお母さんがいらっしゃいますから、とくに診断名をお伝えしないのが私のスタイルなんですよ」と、先生は優しく教えてくれた。 ■いちばん最初に抱いた感情は「安堵」私自身は、診断を受けてどう思ったか? それを思い出そうとすると、ある情景が思い浮かぶ。それは、診察(診断)を受ける日の朝の景色だ。司馬クリニックは、ビルの4階にある。4階分の階段を上るので、私はちょっと息切れしていた。階段を上り切って、クリニックの扉が見えた。季節柄だったのだろうか、クリニックのドアが少し、風が入るような感じで開いていた。もし、あのとき、クリニックのドアがピッチリ閉じていたら、私は扉を開く気力があっただろうか? 多分、そんな気力はなかったと思う。深い森の淵にひとりでいるような、そんな心細さがあった。「できうる限りの方法で、湧太をフォローしたい」という気持ちは芽生えていたものの、それは余りにも頼りなく柔らかい“芽”でしかなかった。 それでも、私は自分から息子の診断名を聞くことを選んだ。「思わず聞いてしまった」という方が正しかったのかもしれない。私が息子の診断を聞いたときの気持ちを、的確に表現している文章があったので、引用しておこう。人間は、大人も子どもも、自分自身の欠陥について知ると、なぜか安心する。なぜなら、生まれて初めて、自分が学校や上司などの欲求に対応できずに苦しんでいた理由と、その問題を克服するにはどうすればよいかがわかるからだ。彼らは自分を許せるようになり、(中略)自分を罪人視しなくなった。正しい自己認識は開放であり、許しなのだ。メル・レヴィーン・著/『ひとり ひとり こころを 育てる』より 正しい自己認識は開放であり、許し。まさに、そんな感じだった。ずっと、ずっと、「どうして、(この子の子育ては)上手にいかないのだろう?」と思っていた理由がわかったとき、一番、最初に感じた感情は「ああ、だから、そうだったんだ」という安堵感だった。この経験を通じて、私は正しい自己認識を持っておくこと。つまり、発達障害についての基本的な知識を持っておくことは、当事者(母や子ども)の気持ちを落ち着かせるためにとても重要だと思うようになった。次回以降は、司馬先生の協力を得て「発達障害の基礎知識」について書いてみる。
2016年07月15日●連載の目次は こちら から●「就学相談のお知らせ」に書いてある電話番号(市役所の教育支援課)に電話をして、市の発達相談の窓口である教育支援センターに電話をした私。支援センターで検査をし、結果と今後のサポートについて聞いたが、何となく心もとない。そこで、軽度の発達障害を専門とするクリニックである、司馬クリニックを受診することにした。■診断結果を知りたい!教育支援センターで検査を受けて、検査結果と、湧太に対してのサポートの方法はわかった。けれども、私が知りたかったのは、「湧太が発達障害かどうか?」という「診断」だということに、自分で気がついた。教育支援センターで得られる検査結果だけでは、当時の私には心もとなかったし、支援センターは医療機関ではないので「診断」ができないのも知っていた。このあたりになってくると、表現は変かもしれないが「毒を食らわば、皿まで」という気分になっていた。「この状態が何なのか知りたい。知ったうえで、私ができうる限りの方法で湧太をフォローしたい」という気持ちが芽生えていた。そこで、教育支援センターの方に、軽度の発達障害の専門クリニックである司馬クリニックを紹介してもらったのだ。■「特別支援学級(通級)」と「発達クリニック」ここで「特別支援学級(通級)」と「発達クリニック」について、少し触れておきたい。特別支援学級の保護者会で、そこにいるママ友から、よく「発達クリニックに通っているの? どうして?」「発達クリニックに通って、何をしているの?」といったことを聞かれた。そのとき、私が思ったのは「子どもが特別支援学級に通っているからといって、発達クリニックを受診している家庭というのは、意外と少ないんだな」ということ。私は最初から発達クリニック受診まで突き進んだが、そうでないママたちもたくさんいる。「就学相談のお知らせ」に電話をすると、「発達障害の専門病院に行くのを勧められるのではないか?」と思っている人もいるかもしれない。でも、支援学級に通う子でも、必ずしも発達クリニックを受診しているわけではない。このことを知っていると、「就学相談のお知らせ」に電話をする心のハードルは、少し下がるのではないか? と思う。話を、私のクリニック受診に戻そう。 ■発達クリニックの診断の流れ(私の場合)司馬クリニックを受診するためには、診察の前に14ページにも及ぶ問診表を書いた。診断のためには、小さい頃からの発達の様子、学校での適応などを詳しく知る必要があるからだ。その資料を事前に送った上で、当日は下記のような感じで検査が進んだ。クリニックによって違いはあるだろうから、「こういった流れもあるんだな」という参考程度にして欲しい。・臨床心理士の親への聞き取り:約30分・子どもの認知力検査:約1時間~1時間半・医師と子どもの面談、診察(親が同席):約20分・親への話:約30分 <次回、「息子が発達障害の診断を受けたとき」に続きます。>
2016年07月15日疲れ切った心を癒す夏休みUpload By ヨーコ子どもたちの大きな楽しみの1つ、夏休み。それは不登校の子どもにとっても同様です。娘は不登校になってからというもの、本当に疲れ切って、どうしようもなくなって、体も心も動かなくなっていきました。それは、ただ「学校に行きたくないから」という理由だけではありません。行けなくなったときにはもう、エネルギーはマイナス状態になっていました。そんな娘にとって、夏休みはエネルギーをたくさん貯め込むチャンスかも!と私は考えました。楽しい気持ちの貯金をたくさんさせてあげたい!Upload By ヨーコ普段は「自分だけサボっている」と引け目に感じていても、夏休みはみんなも休みなので安心して友達と遊ぶことができました。娘は小2で不登校になりましたが、小3まで夏休みは一生懸命友達と遊んでいました。それくらいの年ごろまでは、友達もまだ無邪気で付き合いやすく、屈託なく遊ぶことができたようです。友達付き合いに困難さを抱えていた娘ですが、やはり「心の中では1番友達を求めていた」のだな、と感じました。楽しく遊ぶ姿を見て、「学校は行けないのに遊びには行けるのね」「これだけ元気なら2学期からは学校に行けるよ」といった学校と結びつける言葉をつい言いそうになりますが、私は言わないようにしていました。その言葉を聞いたとたんに、元気になった心もしぼんでしまうと思ったからです。また、楽しい気持ちの貯金をたっぷりさせてあげたい気持もありました。母子でキャンプに行きましたUpload By ヨーコ子どもの様子を見て、行けそうなら家族でレジャーに出かけるのもおススメです。我が家は母と娘の2人で、親子キャンプに参加しました。同じ学校からの参加者もいませんし、青少年スタッフたちもプロフェッショナル、私たちは安心して参加できました。着いてすぐに事情を話し、いろいろと配慮してもらいました。さりげない声掛けで娘は他の子たちと仲良くなったり、夜は親同士の飲み会に私だけ参加したり、プログラムに疲れたら2人で部屋で寝ていたことも。親子ともにリフレッシュできました。宿題など学校との関わりは?Upload By ヨーコとはいえ、不登校になって初めての夏休みは遊んでばかりもいられませんでした。プールや登校日、そして大量の宿題と、学校のイベントは盛りだくさん。当時、「娘に無理をさせない」という私の意志を貫き通すことができず、引きずられるようにして登校していた娘。宿題はすでに勉強が追い付けなかったのでほとんどできませんでした。その結果、2学期から完全に学校に行けなくなってしまったのです。この教訓を活かし、娘が4年生の時から宿題を含め、私は一切お断りして自由に過ごせるようにしました。学校へは戻れなかったけれど、おかげで夏休みにおびえることはなくなりました。勉強はいつでも取り戻すことができますが、子どもにとっての夏休みという時間は2度と戻っては来ません。娘にはせっかくの夏休み、思いっきり楽しんでほしいと思っています。楽しめる年齢はあっという間に過ぎてしまいますから。学校に行くタイミングは見守りたいUpload By ヨーコ楽しかった夏休みがいざ明けても、私は「きっとすぐ学校には行けないだろうな」と考えていました。不登校に至るまでにすり減ったエネルギーは、そう簡単には回復しないと思ったからです。不登校によって自責の念を背負った娘には「学校にも行けなくても大丈夫」「あなたは生きているだけでいい」、「親はいつだって見守っている」と思いながら接していました。不登校児を抱えた親御さんの中には、2学期を節目と考える方もいるかもしれませんが、子どもにとって節目はそれぞれです。高校進学が節目になる子もいれば、もっと早い段階で戻る子もいるでしょう。その子にとってのタイミングは1人ひとり違うと私は考えています。大人の都合で急かしたりせず、子どもにとってベストなタイミングを暖かく見守りたいものです。Upload By ヨーコ子ども達と素敵な夏休みを過ごしましょう!いつか心閉ざす時期があっても、家族との楽しい思い出は「子どもの心を支え、家族を信じる力」につながると私は考えています。夏休みにためたエネルギーはきっと将来の力になると私は信じています。
2016年07月15日「発達障害の原因分子の発見」という研究成果発表が話題に出典 : 月5日、大阪大学が「神経発達障害群の染色体重複による発症の機序を解明-注意欠如・多動症などの神経発達障害の新治療法に光-」というプレスリリースを発表し、日経新聞をはじめとしたメディア各社が報じました。ADHDや知的能力障害、自閉症スペクトラムといった発達障害は、特定の染色体が重複して存在すると引き起こされるということを、大阪大学の山下俊英先生(分子神経科学)のチームがマウス実験で突き止め、7月5日付で英科学誌「Molecular Psychiatry」に発表したニュースです。出典 : 記事を読むだけでは専門性が強く、理解が難しい部分があります。そこで、今回の研究を実施した先生方にインタビューを行い、その内容をわかりやすく解説していただきました。お話をしてくださったのは、今回の発見をした研究チームの、大阪大学大学院医学系研究科分子神経科学教授兼大阪大学大学院生命機能研究科教授の山下俊英先生と、 兵庫医科大学解剖学講座神経科学部門准教授の藤谷昌司先生です。この記事では、お二人のお話を交えながら、今回の研究発見の背景や内容、今後どのように実用化されていくのかなど、噛み砕いてお伝えしていきます。発達障害の原因について、わかった事は?出典 : 今までの研究成果では、発達障害が染色体の一部分の重複により生じることがわかっており、その領域が「16番染色体の16p13.11領域」だということまでは特定されていました。ですが、詳細なメカニズムまでは解明されていませんでした。今回の山下先生・藤谷先生の研究では、マウス実験を通じてそこから大きく3つの発見がありました。①16番染色体の16p13.11領域の中に、マイクロRNA484が存在する。②16p13.11が重複することで、マイクロRNA484が増加する。③マイクロRNA484が増加すると、脳機能の発達に異常をきたす。(発達障害を引き起こしうる)発達障害の原因分子の1つである、マイクロRNA484が発見され、さらに、マイクロRNA484が要因となる発達障害の発症メカニズムが解明された、というのが今回の研究成果です。具体的な研究方法は、公共のデータベースより得られた患者情報を元に、染色体の重複部位の中の遺伝子に着目し、それらの遺伝子の発現・働きをマウスの脳内で明らかにしました。さらに、BACトランスジェニックという方法を用いて、ヒトの染色体の重複部位をマウスゲノムに組み込み観察し、神経新生異常と発達障害の症状を確認するというものです。Upload By 発達障害のキホン発達障害の発症メカニズムとは?出典 : 領域が重複することで、16p13.11領域の中にあるマイクロRNA484が増加します。すると、プロカドヘリン19蛋白(たんぱく)の機能を過度に減らしたり弱めたりしてしまい、プロカドヘリン19蛋白のバランスが崩れます。プロカドヘリン19蛋白は脳の発達に重要な役割をはたしており、そのバランスが崩れることで、異常な神経回路が構築されてしまいます。その結果、神経発達障害が発症するのです。山下先生、藤谷先生は、この一連の流れ、つまり、発症メカニズムを解明し、その過程でマイクロRNA484が原因分子であると発見したのです。Upload By 発達障害のキホンマウス実験による研究成果、人間への応用可能性は?出典 : 今回発表された研究成果は、マウスを使った実験に基づくものでしたが、人間にも同様の発症メカニズムがあると言えるのでしょうか。この質問に対する山下先生、藤谷先生のご回答ですが、①ヒトの遺伝情報を元に研究している。②ヒトの遺伝子をマウスに入れて異常がおこるか確認している。ということから、人の発達障害に対しても応用可能性が高いと考えることができるとのことです。発達障害の原因解明、気になる今後の治療法開発は?出典 : 発達障害の要因分子マイクロRNA484と発症メカニズムを解明した今回の研究ですが、原因解明は今後の治療方法開発にどの程度貢献するのでしょうか。山下先生・藤谷先生は以下のように答えてくださいました。「発達障害という病態に関わる分子はおそらくたくさんあります。それらの分子が、どのように働いて、脳の機能異常をきたすのかということを理解しなければなりません。本研究成果は、ほんの小さなピースです。膨大な数の小さなピースを組み合わせていくことで、発達障害の全貌が少しずつ明らかになり、治療開発の戦略が生まれてくるのではないかと考えます。」今回の研究成果は一つの原因分子とメカニズムの発見となりましたが、すぐに発達障害の治療に役立つというわけではないようです。しかしながら、こうした小さな発見の積み重ねが、医学のレベルを進歩させ、やがては新たな治療法の開発につながっていくと期待されます。今後の研究の展望について出典 : お二方とも、発達障害の治療に役立つであろう研究を今後も実施していく方針のようです。山下先生は、発達障害に関連する様々な分子に着目し、それらの機能を明らかにし、動物モデルで神経回路の構築と症状を検査していくという方法で、発達障害とは何かという問いに答えていくための基礎研究を進めていくご予定です。藤谷先生は、兵庫医科大学の准教授として、今後は、患者さんのiPS細胞から作った脳細胞を作成し、神経の分化異常に作用する薬剤を探索しようと計画しています。そして、発達障害のモデル動物を用いて薬剤の効果を確かめるといった研究を進めるご予定です。また、山下先生、藤谷先生から発達ナビ読者のみなさんへのメッセージもいただきました。「発達障害は、現在の神経科学の最も重要なトピックスの一つとして、急速に研究が発展しています。それらの中から、治療開発に役立つ研究が、一日も早く出てくることを祈念しています。」編集部としても、今後の先生方の研究に注目していきたいと思います。大阪大学 大学院医学系研究科/生命機能研究家 分子神経科学神経発達障害群の染色体重複による発症の機序を解明|大阪大学ADHDなどの原因、特定遺伝子の重複阪大解明|日経新聞 電子版 chromosome 16p13.11 microduplication causes hyperactivity through dysregulation of miR-484/protocadherin-19 signaling|Molecular Psychiatry
2016年07月15日わが家の長男は、THE・偏食うちの長男は偏食があり炭水化物と乳製品以外ほどんど食べません。色々な物を作っては食卓に出してみますが、なかなか手をつけようとしません。もっとバランス良く食べさせなければ…いつも同じ物ばかり食べてしまう…悩んだ時に、私の頭をよぎる人がいます。Upload By モンズースーそれは元バイト仲間で、モンゴル出身のSさん。Sさんのお話によると、モンゴルでは昔、家畜の肉と乳で作った乳製品だけを食べていたそうです。家畜をまるごと残さず食べることで必要なビタミンなども摂取できるとか…。そういえば私のおばあちゃんの時代には、食事はほとんど米とつけものだけだったと聞いたこともありました。今の私たちは、米も小麦も卵も乳製品も肉や魚介類、野菜に果物…色々な物を食べるのは当たり前。だからこそ、偏食の息子をみて「何でも食べないといけない、どうしたら食べてくれるのだろう」といつも頭を悩ませていましたが、世界には限られた食品でも健康に生きている人たちもいるのだ、と思うと少し気持ちが楽になりました。「食べられるものが少なくても生きていけるのだな」と思ったエピソードでした。
2016年07月15日弟との関わり方が変わりつつあった娘感情の起伏が激しい娘は、弟と仲良くできずに困っていました。そんなときに「北風と太陽方式」を娘に伝えると、弟との関わりに変化が現れ、家の中のギスギスした雰囲気は少しずつ改善されたかに見えました。今回は、そんな娘の新しいキャラ「ふんわりちゃん」についてご紹介します。これは、娘の「変わりたい」という一言から始まったのです。新しい課題が見えてきた、娘のコミュニケーションいつものように、家中に響き渡る娘の怒鳴り声。ため息をつきながら子供部屋に向かうと、鉄棒の前で揉めている娘と息子の姿がありました。「だから!危ないから、ちょっと離れてって言ってるでしょ!お姉ちゃんの足が当たったら痛いでしょ!痛いのは嫌でしょ!あっちに行ったら当たらないから!早く安全な場所に移動しなさいっ!!!」Upload By GreenDays怒鳴っているけれど、娘の主張は間違っていません。家の中では、鉄棒をする人がいるときは危険なので離れるルールになっています。問題は、その伝え方です。「北風と太陽方式」の通り、強引に退かせることなく、きちんと相手が「退いた方がいいな」とわかる理由を述べてはいるのです。ですが、その内容を伝えるのに怒鳴り散らすのでしょう。怒鳴られれば怒鳴られるほど息子は頑なになり、その場を離れようとしません。ひとまず、息子を別の部屋に移し、娘とゆっくり話し合ってみました。娘は、いつも感情表現が極端だと気づいたUpload By GreenDays人を自分の思い通りに動かそうとすると、トラブルが起こること。正しいことを伝える時は、伝え方を工夫しなければ相手には届かないこと。いろいろと話し合っているうちに、あることに気付いて娘に聞いてみました。私:「ねえ、あなたの他人との接し方って、すごく極端じゃない?怒って威圧的になるか、すごく甘えてべたべたするか、どっちかしかないような気がするんだけど・・・?」娘:「う~ん、本当だ!言われてみれば、そうかも。ママには甘える、パパには怒る、弟にも怒る、女友達には甘える、男友達には怒る。確かにそう!」私:「それって、しんどくない?もちろん、怒ってばかりのあなたの相手をする方も大変だけど、一日中感情が上がったり下がったりするわけでしょ?ちょうど真ん中ぐらいの、普通の接し方を取り入れてみたらどうかな?イメージできる?」娘:「怒らず甘えず?こんな感じ?」私:「それは怖いよ。ちょっとだけ口角あげてごらん?」娘:「こう?」私:「そうそう、そんな感じで、怒らず甘えず普通に話すの。目標になるキャラクターとかいないかな?」と提案してみました。娘:「う~ん、じゃあ、今私の中で『ふんわりちゃん』っていうキャラクターを作ったから、それを思い浮かべてやってみるね!普通よりちょっとふんわりしてて、優しくお喋りできる女の子!」私:「いいね、ふんわりちゃん!」娘:「ママ、いつもいろんな方法を教えてくれてありがとう。私、変わりたいからみんなにも協力してもらう。みんなに『ふんわりちゃん宣言』をして、トゲトゲ怒ってるときは、『ふんわりちゃんになって』って声かけてもらうことにする!」Upload By GreenDaysそうして、娘家族みんなに『ふんわりちゃん宣言』をしに行ったのでした。これは画期的な変化です。娘は誰かに何かを指摘されると、それがどのような内容であれ、すぐに反発して怒ります。そんな娘が、自分から周りに協力を乞うなんて!!変わりたい、怒りから抜け出したい、という娘の気持ちが見えた嬉しい瞬間でした。娘自身の「ふんわりちゃん」宣言から、成長を感じるUpload By GreenDaysふんわりちゃん宣言から数週間が経ちました。トゲトゲ怒っている娘を見かけると、家族みんなが「ふんわりちゃ~ん!」と声をかけてくれるようになりました。娘も自分から協力をお願いしたため、今の自分を否定されていると感じることなく、素直に受け入れて「ふんわりちゃん」に変身しています。もちろん、疲れていて余裕のない時は怒りを爆発させていますが、家族とのトラブルの回数はかなり減ってきたと思います。Upload By GreenDays娘の他人とのコミュニケーション方法が「怒る」「甘える」の2通りしかない、ということになぜ今まで気がつかなかったのだろう。もっと早くに気づいてあげていれば、娘はもっと早くに楽になれていたかも知れないのにと、とても後悔しています。いつも一緒に過ごしていると見過ごしてしまう部分。でも、ほんの少しだけ立ち止って、その見えにくい部分を客観的に眺めてみてはどうでしょう?この子は、どんな風に他人と接しているのだろう?この子は、どんな時に笑い、どんな時に怒るんだろう?この子は、どんな事に幸せを感じるんだろう?時にはそんな風に距離をとって我が子を観察してみることで、問題解決への糸口が見つかるかもしれません。
2016年07月14日自閉症とは?出典 : 自閉症(Autism)は先天的な発達障害の一つで、社会性と対人関係の障害、コミュニケーションや言葉の発達の遅れ、行動や興味の偏りの3つの特徴が発達段階で現れると言われています。文部科学省によると、自閉症は以下のように定義されています。自閉症とは、3歳位までに現れ、①他人との社会的関係の形成の困難さ、②言葉の発達の遅れ、③興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする行動の障害であり、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。■ICD-10の分類における自閉症自閉症は、世界保健機関(WHO)の『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)の分類では広汎性発達障害に含まれます。広汎性発達障害のうち、知能指数が高い(IQ70以上)高機能自閉症の場合は「アスペルガー症候群」、知能指数が低い(IQ70以下)の場合は「カナー症候群」にあてはまります。自閉症の分類は分かりにくいですが、以下の図がわかりやすいので参考にしてください。Upload By 発達障害のキホン■DSM-5の分類における自閉症2013年に出版されたアメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神障害のための診断と統計のマニュアル』第5版)ではそれまでの診断基準であるアメリカ精神医学会の『DSM-Ⅳ-TR』(『精神障害のための診断と統計のマニュアル』第4版テキスト改訂版)における広汎性発達障害の分類に変更点がありました。変更点としては、広汎性発達障害のサブカテゴリーである自閉症やアスペルガー症候群が廃止され、レット障害を除くすべての障害名が自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害(Autistic Spectrum Disorder、略称ASD)に含まれるようになりました。これらは本質的には同じ1つの障害単位であると考えられており、症状の強さに従っていくつかの診断名に分類されます(そのため、spectrum=連続体と呼ばれています)。このようなことから、2013年以前に自閉症やアスペルガー症候群に分類された症状は、現在では自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害という診断名に分類されるようになりました。詳細は下の図をご覧ください。しかし『DSM-5』が未だ浸透していない場合もあり、『ICD-10』の診断基準を用いる医師もいることや、すでに自閉症の診断名を受けている人も多くいます。また、発達障害者支援法での障害名が「自閉症」であることから、この障害名を使い続けている人も多いのです。そのため本記事では文部省の定義に準拠し「自閉症」という名称を使用しながらご説明します。Upload By 発達障害のキホン自閉症の特徴的な3つの症状出典 : 自閉症の方は、対人関係を築くことが苦手なことが多いです。具体的な特徴としては、・目線を合わすことができない・周囲に関心がないように見える・相手の気持ちがわからない・その場の空気が読めないなどが挙げられます。自閉症の方は、会話をしていても目を合わすことが苦手です。無理に視線を合わせようとすると落ち着きがなくなったり、パニックになってしまいます。自閉症の方は環境の変化を敏感に感じることが苦手なため、このように対人関係が苦手だと受け止められてしまいます。自閉症の方はコミュニケーションや言葉の発達が遅れる傾向があります。具体的な特徴としては、・言葉を話すのが他の子と比べて遅い・人の話したことをオウム返しする・抽象的な言葉・比喩や皮肉の意味を理解できない・呼んでも反応しない・自分の話したいことだけ一方的に話すなどが挙げられます。自閉症の方は言葉を話し始めるのが遅く、言葉の意味を理解するのが困難です。言葉を話し始めても、意味のある言葉で会話をするのではなく、誰かの言葉をオウム返しし続ける場合も少なくありません。相手に自分の気持ちがうまく伝わらず、暴れてしまうこともありますが、正しい対処法をしていれば成長と共に落ち着いてきます。自閉症の方はある一定の行動をとる傾向があります。具体的な特徴としては、・落ち着きがなく、手を動かしたり、部屋の中を行ったり来たりする・毎日決まった行動をし、予定外の行動は取れない・1つのものに執着する・自分の興味があるものに対して、とても執着する・予定外のできごと・初めての人/場所/活動などに抵抗を示すなどが挙げられます。自閉症の人は、自分の興味のあることに対してとことん熱中する傾向があります。なので、自分の興味のある物事をとことん調べ、誰も教えていないのに専門家顔負けの知識を持っている方も珍しくありません。年齢別に見た自閉症の症状の現れ方出典 : 自閉症の症状は成長とともに変化していきます。自閉症の症状は人によって個人差が大きいのですが、大まかな年代別の症状を紹介します。自閉症スペクトラム・広汎性発達障害・アスペルガー症候群・自閉症については、以下のような共通の症状があります。これらの症状は、すべてがあてはまるわけではなく、症状の現れ方は人によって異なります。自閉症は発達障害のひとつですが、発達障害は、言語・認知・学習といった発達領域が未発達の乳児では、その特徴となる症状が分かりにくい場合があります。ですから、生後すぐに自閉症の診断がでることはありません。しかし、幼児期全体を通してみると、以下のような特徴的な行動をとっていたことが多いと言われています。以下にそれらの症状を紹介します。■周囲にあまり興味を持たない傾向がある視線を合わせようとしない子が多いです。また他の子どもに興味をもたなかったり、名前を呼んでも振り返らないことが多いです。定型発達の子が興味をあるものを指で指して示すのに対し、自閉症の子は指さしをして興味を伝えることをしない傾向があります。■コミュニケーションを取るのが苦手知的障害を伴う自閉症の子は、言葉の遅れや、オウム返しなどの特徴がみられます。会話においては、一方的に言いたいことだけを言ってしまったり、質問に対してうまく答えられないなどの特徴があります。定型発達の子が友達とのごっこ遊びを好むのに対し、自閉症の子は集団での遊びにあまり興味を示さないことが多いです。■強いこだわりを持つ興味を持つことに対して、同じ質問を何度もすることが多いです。また、日常生活においてあらゆるこだわりを持っていることが多いので、ものごとの手順がかわると混乱してしまうことが多いです。■集団になじむのが難しい年齢相応の友人関係がないことが多いです。周囲にあまり配慮せずに、自分が好きなことを好きなようにしてしまう子が多い傾向があります。人と関わるときは何かしてほしいことがあるときなだけのことが多く、基本1人遊びを好みます。人の気持ちや意図を汲み取ることを苦手とする子も多いです。■臨機応変に対応するのが苦手きちんと決められたルールを好む子が多いです。言われたことを場面に応じて対応させることが苦手な傾向にあります。■どのようになぜといった説明が苦手言葉をうまく扱えず、単語を覚えても意味を理解することが難しい場合があります。また、自分の気持ちや他人の気持ちを言葉にしたり、想像するのも苦手です。そのため説明がうまくできないこともあります。■不自然な喋り方をする抑揚がない、不自然な話し方が目立つ場合があります。■人の気持ちや感情を読み取るのが苦手上記でも述べましたが、コミュニケーション能力が乏しく、人が何を考えているのかなどを考えるのも苦手な傾向にあります。■雑談が苦手目的の無い会話をするのを難しく感じる人が多いです。■興味のあるものにはとことん没頭する広汎性発達障害の人は物事に強いこだわりをもっています。そのため、興味のあることにとことん没頭することが多いですし、その分野で大きな成果をあげられることもあります。自閉症の診断基準出典 : 自閉症について、気になる症状がある場合は医師に相談し、診断を受けることもできます。医療機関での診断は、『DSM-5』や『ICD-10』による診断基準によって下されます。医療機関での診断は、子どもの場合は、専門外来のある小児科、脳神経小児科、児童精神科などで行われることが多いです。また、18歳以上の場合は一般的に精神科や心療内科で診断がなされます。しかし、自閉症を診療できる専門の医療機関はまだまだ少ないのが現状です。各地域の「発達障害者支援センター」に相談をして、専門の医療機関を紹介してもらう方法をおすすめします。担当者との相性も大切なので、納得のいく医療機関を選ぶようにしましょう。医療機関では、診断基準に基づいたテスト、生育歴の聞き取り、その人のライフスタイルや困難についての質疑応答など、しっかりと問診をしたうえで総合的に判断されます。『DSM-5』では、広汎性発達障害の下にあったレット障害を除くすべての障害名が、自閉症スペクトラムという名称に統合されました。そのため、自閉症は現在では自閉症スペクトラムという診断名で診断されることが多くなっています。以下に『DSM-5』にある自閉症スペクトラムの診断基準をご紹介します。A. 複数の状況で社会的コミュニケーションおよび対人的相互反応における持続的な欠陥があり、現時点または病歴によって、以下により明らかになる(以下の例は一例であり、網羅したものではない)。(1)相互の対人的・情緒的関係の欠落で、例えば、対人的に異常な近づき方や通常の会話のやりとりのできないことといったものから、興味、情動、または感情を共有することの少なさ、社会的相互反応を開始したり応じたりすることができないことに及ぶ。(2)対人的相互反応で非言語コミュニケーション行動を用いることの欠陥、例えば、まとまりの悪い言語的・非言語的コミュニケーションから、視線を合わせることと身振りの異常、または身振りの理解やその使用の欠陥、顔の表情や非言語的コミュニケーションの完全な欠陥に及ぶ。(3)人間関係を発展させ、維持し、それを理解することの欠陥で、例えば、様々な社会的状況に合った行動に調整することの困難さから、想像上の遊びを他人と一緒にしたり友人を作ることの困難さ、または仲間に対する興味の欠如に及ぶ。B.行動、興味、または活動の限定された反復的な様式で、現在または病歴によって、以下の少なくとも2つにより明らかになる(以下の例は一例であり、網羅したものではない)(1)常同的または反復的な身体の運動、物の使用、または会話(例:おもちゃを一列に並べたり物を叩いたりするなどの単調な常同運動、反響言語、独特な言い回し)。(2)同一性への固執、習慣へのかたくななこだわり、または言語的・非言語的な儀式的行動様式(例:小さな変化に対する極度の苦痛、移行することの困難さ、柔軟性に欠ける思考様式、儀式のようなあいさつの習慣、毎日同じ道順をたどったり、同じ食物を食べたりすることへの要求)(3)強度または対象において異常なほど、きわめて限定され執着する興味(例:一般的ではない対象への強い愛着または没頭、過度に限定・固執した興味)(4)感覚刺激に対する過敏さまたは鈍感さ、または環境の感覚的側面に対する並外れた興味(例:痛みや体温に無関心のように見える、特定の音、感覚に逆の反応をする、対象を過度に嗅いだり触れたりする、光または動きを見ることに熱中する)C. 症状は発達早期に存在していなければならない(しかし社会的要求が能力の限界を超えるまで症状は明らかにならないかもしれないし、その後の生活で学んだ対応の仕方によって隠されている場合もある)。D. その症状は、社会的、職業的、または他の重要な領域における現在の機能に臨床的に意味のある障害を引き起こしている。E. これらの障害は、知的能力障害(知的発達症)または全般的発達遅延ではうまく説明できない。知的能力障害と自閉スペクトラム症はしばしば同時に起こり、自閉スペクトラム症と知的能力障害の併存の診断を下すためには、社会的コミュニケーションが全般的な発達の水準から期待されるものより下回っていなければならない。(『日本精神神経学会/監修『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』2014年 医学書院/刊P.49より引用)自閉症の疑いを感じたらどうすればいい?出典 : もし、上記の診断基準において当てはまる項目が多い場合や気になることがある場合は、専門機関での相談をおすすめします。誰かに相談することによって気持ちも楽になります。家族で悩んでいても、困難に対する改善策はなかなか見つかりません。できるだけ早期に小さい頃から自閉症に対する教育方法や療育などの対処法を始めると、その後の発育に大きな違いがみられます。はじめの一歩を踏み出すのには勇気がいるかと思いますが、一歩を踏み出すことによって色々な悩みが軽減されます。自閉症ではないと診断された場合でも、困難を乗り越えるための様々なアドバイスをしてもらえる場合が多いので、一度相談してみることをおすすめします。障害なのかな、と疑問を持った場合、いきなり自分で専門医を探すのは難しいので、まずはお住まいの地域の身近な専門機関に相談するようにしましょう。子どもか大人かによって行くべき専門機関が違うので、以下を参考にしてみてください。【子どもの場合】・保健センター・子育て支援センター・児童発達支援事業所・発達障害者支援センターなど【大人の場合】・発達障害者支援センター・障害者就業・生活支援センター・相談支援事業所など知能検査や発達検査は児童相談所などで無料で受けられる場合もありますし、障害について相談することも可能です。その他、発達障害者支援センターで障害についての相談ができます。自宅の近くに相談機関が場合には、電話での相談にものってくれることもあります。以下は小児神経学会が発表している、発達障害診療医師の名簿です。この他にも、児童精神科医師や診断のできる小児科医師もいます。まず身近な相談機関に行って、診断の疑いがあればそこから専門医を紹介してもらいましょう。日本小児神経学会 「発達障害診療医師名簿」自閉症の症状・特徴は人それぞれ出典 : 自閉症には様々な症状がありますが、その症状には個人差があります。早期にそれらの特性に気づき、一人一人に合った環境をつくること、早期療育や適切な教育を行っていくこと、苦手なことの対応方法を工夫していくことで、逆に特性を強みとして活かすこともできます。自閉症のある人の中でも、特性を活かして活躍している人がいます。特性を活かせるような環境づくりをすることで、本人の生活上の困難さを解消し、その人らしく生きることが可能になるでしょう。
2016年07月14日「おいで」と言っても振り向かない娘Upload By こころ自閉症の娘は、私が「おいで」と呼んでも側に来ることはありませんでした。「おいで」という言葉の意味がまだわからなかったのです。呼んでも一切来ないのは親として寂しい。それに、外に出ると勝手にどこかへ行こうとするので、せめて「おいで」という言葉の意味を理解していれば、危険から守ったり迷子を防いだりできるのではないかと思いました。どうにかならないものかと考えていた時、娘がこっちに向かってきたのでとっさに抱き締めて「ぎゅーっ」と言いました。そうだ、これだ!何か手応えを感じました。娘が側に来たタイミングで必ず「おいで」と言い、分かりやすいように手を広げ、抱き締めたら「ぎゅーっ」と言うやりとりを遊び感覚で毎日繰り返してみました。いまは、音の方がわかりやすいんだ!毎日この遊びを楽しく繰り返してるうちに、娘は「おいで」を理解し、声をかけると笑顔で側に来てくれるようになりました。Upload By こころこの「ぎゅーっ」、最初は私としか出来なかったのですが、すこしずつ義両親や他の人が声をかけても行くようになったのです。みんな、娘が「おいで」というと寄って来てくれることに喜んでいました。Upload By こころ何かに夢中になっていたりすると、声をかけても耳に入らないことがありますが、娘が自分から「じゅーっ」と抱っこを要求してくることもあり、擬音を使う作戦は大成功だったようです。
2016年07月14日人前で話すのがとても苦手な息子出典 : 発達障害のある息子は、とても不安が強い子どもで、小学校高学年の時には、その不安気質が目立つようになりました。人前で話すのを恐れ、いつも不安そうな顔をしていました。息子が不安を和らげる為に使っていたのがマスクや帽子。その姿は一見すると不良の様にも見え、印象は良くありませんし、周りはギョッとした目で息子を見ることもありました。でも、今では外しなさいとは言わず見守るようにしています。「子どもの行動には子どもなりの意味があるんだ」という事を知るきっかけになった時のことをお話します。人目を気にしすぎるあまり不自然に出典 : 息子は発達の凸凹から忘れ物をしたり授業がわからなかったり、と失敗ばかり繰り返していました。そして気が付けば、いつも目立たないように過ごす子どもになっていました。手を動かすのも顔を動かすのも最小限。その動きは周りから見れば不自然です。でも、彼にはそうする事しかできなかったようです。楽しいはずの修学旅行でさえも、とても疲れた顔で帰ってきたほどでした。息子は次第に外出する事自体がストレスになり、出かけるのを嫌がるようになっていきました。自宅ではとてもリラックスし、笑顔も笑い声もたくさん出ます。ですが、外出した途端に顔色が変わり、その表情はまるで周りをにらんでいるように見え、親の私でさえも、の顔にドキッと心を傷めるほどでした。息子は不安が強すぎて、周りに気を張り過ぎていたのでしょう。「おれ、マスクをしてたら安心するんよ」Upload By 多原美加息子は、いつも帽子を深々と被っており、帽子を忘れた時には上着のフードを被る時もありました。そんな中、風邪気味の息子にマスクをさせて外出した日以来、彼は外出時に必ずマスクを着用するようになりました。風邪が完治してもマスクを外すことはなかったので、「息苦しくないの?」と聞いてみると「おれ、マスクしてたら安心するんよ」と言うのです。なるほど、と納得しながら自分の気持ちを伝えるのがとても苦手だった彼が、自分の気持ちに自分で気付き、それを伝えられた事に成長を感じ、とてもうれしく想いました。アイテムのイメージが良くない?Upload By 多原美加安心して楽しく外出できるようになった事を喜んだ私は、その格好を反対しませんでした。むしろ堂々とさせていた程です。周りには、息子が不安を和らげる為にしている事だと、こっそり伝え、学校でも無理やりマスクを外される事はありません。おかげで、学校では無理なく過ごせるようになり、時には先生からの声かけにより、大事な席ではマスクを外して話すこともできるようになってきました。今も、息子の外出のお供にはマスクが欠かせませんが、昔のように深々と帽子をかぶり顔を隠すことはなくなりました。少しづつですが、成長しているのだと感じています。
2016年07月14日「うちの子って本当に手がかかって大変!」ママをやっていれば、そう思うことは多々ある。でも、そんな気持ちが続くと「これって普通なのかな? それとも普通じゃないのかな? もしかしたら、うちの子、発達障害かも!?」そんなふうに心配になることがあるかもしれない。■「通級で良い先生に出会えて良かった!」自身の経験から語る発達障害わが家には、小学校6年生の双子の男の子がいる。双子のうちの1人、湧太(仮名)は、幼稚園の年長の秋、「広汎性発達障害」の診断を受け、小学校1年生~2年生の間、特別支援学級(通級。以下「支援学級」)に通っていた。今は通常学級のみの在籍で、楽しそうに毎日学校に通っている。そんな今、思うのは、「早い段階で、専門知識のある先生に出会えて良かった!」ということ。本気でそう思っているので、今回は自分の経験から、子どもの発達障害についてお話ししたいと思う。■「就学相談のお知らせ」がすべての始まり湧太が幼稚園の年長だった年の6月あたり。「就学相談のお知らせ」という紙が幼稚園のお便りに交じっていた。その紙を見たときに私自身、なぜだかとても引っかかった。ほかのプリントと一緒に捨てるのがためらわれ、幼稚園関係の保存用ファイルにとっておくことにした。その後、幼稚園関係の書類を探すたびに、目に入る「就学相談のお知らせ」。ここに電話してみたら、ずっと胸にモヤモヤしている「何か」の解決になるのだろうか? でも、電話をするのは怖い…。「就学相談のお知らせ」を目にするたびに、気持ちは行ったり来たりして揺れた。 ■わが子はマイペースでかんしゃく持ちその書類が気になったのは、湧太がマイペースで癇癪(かんしゃく)持ちだったからだ。幼稚園では周囲への関心が薄く、集団行動をすると、とんちんかんな動きをすることが多いと保育士さんから指摘を受けていた。輪の中に入るのが嫌いで、幼稚園に登園すると1人で絵本を読んでいることが多いので、友達はほとんどいない。そのくせ家庭では、気に入らないことがあると地団駄を踏んで大泣きし、母や兄弟が辟易(へきえき)して折れるまで我を押し通す。そんな湧太を育てることに、当時の私は疲れ切っていた。■お泊り保育で集団の輪を乱す湧太が年長時の7月、幼稚園でお泊り保育があった。園をあげての行事なので、担任以外の先生とも生活を共にしたようだった。翌朝、お迎えに行くと、副園長先生から、こんな言葉をかけられた。「湧太くん、ビックリしたわ。すごく大変ね。お母さん、彼は気をつけてあげないと学校に入ったら大変よ」■ネットで発達障害を調べてみる「やっぱり、そうか……」。長男を育てたときとは違う湧太の子育てには、ずっと不安があった。幼稚園の担任の先生にも何度か「湧太、大丈夫でしょうか? 何か、違和感があるんです。しかるべき機関に相談に行ったほうがよいでしょうか?」と相談はしていた。けれども、ベテラン保育士のその先生は、「お母さん、考えすぎよ。大丈夫、もう少し大きくなれば落ち着くわよ」と、いつも笑って受け流してくれていた。「ベテラン保育士さんが、そう言うんだもの。大丈夫」。ずっと、そうやって自分に言い聞かせていた。今から思えば、もっと早くに自分で調べることもできたと思うが、調べることが怖かった。「もしそうだったら、どうしよう」と思ったからだ。<次回に続く>
2016年07月14日カサンドラ症候群とは?出典 : カサンドラ症候群とは、アスペルガー症候群がある人とのコミュニケーションがうまくいかないことによって、家族や友人など、アスペルガー症候群の人の身近にいる人に心身の不調が生じる二次障害のことです。特に妻や夫といったパートナーに起こる場合が多いと言われています。対人での関係性による障害であることから、状態として捉えられることもあります。2003年に心理学者がカサンドラ症候群と名付けましたが、まだ障害名としては確立しておらず、現在のところアメリカ精神医学会による診断基準である『DSM-5』(『精神障害のための診断と統計のマニュアル』第5版)などにも記されていません。そのため、カサンドラ症候群、カサンドラ情動剥奪障害、カサンドラ愛情剥奪障害などと呼ばれることもあります。今回はカサンドラ症候群という名称を用いて、身近にアスペルガー症候群の人がいる人が陥りやすい不調や対人関係の問題と、その対処法などについてご紹介します。カサンドラ症候群の症状出典 : カサンドラ症候群の症状としては、身体的なものと精神的なものがあります。症状の程度によっては、日常生活に困って医療機関を受診しなければならないほどまで、高いストレス状態に陥ってしまう場合があります。代表的な症状は以下のようなものがあります。・偏頭痛・体重の増加または減少・自己評価の低下・パニック障害・抑うつ・無気力・自律神経失調症など下記は、カサンドラ症候群に陥った方の体験談です。アスペルガー症候群の夫と生活を共にするうち、私のほうがカサンドラ症候群を患ってしまいました。娘が産後7カ月の時、私が鬱っぽくなり、産後鬱かと受診したところ、カサンドラ症候群だと診断されました。このように、うつ病などの疑いで受診し、カサンドラ症候群だと診断される場合もあります。また、『旦那(アキラ)さんはアスペルガー―奥(ツナ)さんはカサンドラ』(コスミック出版) の著者である野波ツナさんは実際に以下のようなことを経験したそうです。自宅の購入の際には野波さんに全てを任せきり。突然、仕事を辞めたときも、将来の話し合いはできなかった。揚げ句の果てには、300万円の借金が発覚した。夫の言動を周囲に訴えても「男の人ってそんなもの」などと言われて終わり。「自分が悪いのかもしれない」と思い詰め、抑鬱状態になった。離婚が頭をよぎる中、インターネットを検索していると、夫の言動がアスペルガーの人と一致していることに気づき、医療機関を受診。すぐに、診断がついた。『旦那(アキラ)さんはアスペルガー―奥(ツナ)さんはカサンドラ』 |野波ツナカサンドラ症候群の原因出典 : カサンドラ症候群を引き起こす発端には、身近な人のアスペルガー症候群の特性によるトラブルがあるといえます。では一体、カサンドラ症候群の発端となるアスペルガー症候群の特性とはどのようなものなのでしょうか。アスペルガー症候群には3つの症状があります。「コミュニケーションの問題」、「対人関係の問題」、「限定された物事へのこだわり、興味」の3つです。・コミュニケーションの問題表面上は問題なく会話できるのですが、その会話の裏側や行間を読むことが苦手です。明確な言葉がないと理解がむずかしく、比喩表現などをそのままの意味で鵜呑みにしてしまう傾向があるため、人の言葉を勘違いしやすく、傷つきやすい面があります。具体的な症状としては、曖昧な表現が苦手だったり、不適切な表現を使ってしまうことなどがあります。・対人関係の問題場の空気を読むことに困難さがあり、相手の気持ちを理解したりそれに寄り添った言動が苦手な傾向にあります。そのため、社会的なルールやその場の雰囲気を平気で無視をしたような言動になりがちで、対人関係を上手に築くことが難しいです。具体的な症状としては、相手の気持ちを理解することが苦手なことから、相手を傷つけたり、自己中心的と思われる言動や行動をしてしまうことなどがあります。・限定された物事へのこだわり、興味いったん興味を持つと過剰といえるほど熱中します。法則性や規則性のあるものを好み、異常なほどのこだわりを見せることがあります。その法則や規則が崩れることを極端に嫌う傾向があります。一方、この特性は逆に強みとして活かすこともできます。具体的な症状としては、自分のルールがあったり、興味のあることに対して話し続けてしまうことなどがあります。周囲の人たちは、アスペルガー症候群の特性だとわかっていても、アスペルガー症候群の人と接していくうちに、うまくコミュニケーションが築けないことに自信をなくしてしまったり、周囲に相談しても理解をしてもらえないため、孤独感を感じてしまう場合があります。家族は毎日の生活の中で接する機会は多いですし、パートナーであればなおさら、愛する夫・妻と心を通わせたいと思う気持ちは強いでしょう。それが難しいときストレスを感じるのは、ある意味当然のことかもしれません。その結果、体調不良や抑うつ症状といった症状に陥ってしまうのです。カサンドラ症候群になりやすい人は?出典 : アスペルガー症候群は、比較的男性に起こりやすい障害です。そのためカサンドラ症候群が起こるのは、アスペルガー症候群の男性を夫やパートナーに持つ女性に多いといわれています。しかし、夫婦やパートナー間のみにカサンドラ症候群が起こるのではなく、家族や友人、会社の同僚など、アスペルガー症候群がある人に関わる身近な人にも、カサンドラ症候群が起こる可能性があります。下記は、会社の上司や子どもにアスペルガー症候群がある場合の経験談です。アスペルガーの上司がいます。グループでする仕事なのでグループ内の同僚はアスペルガーと気づいていますが、他部署の人は気づきません。最近ストレスがひどいので距離を置いてます。そしたら他部署から仲が悪くて同僚2人でいじめをしていると言われました。(中略)毎日同じ動きをし、型にはまらないのに型にはめようとして失敗し、言い訳をしてきます。ストレスが限界なので、距離を置いているのにいじめをしていると言われて苦しいです。アスペルガーグレーの子どもによるカサンドラ症候群です。ずっと子どもからモラハラされているような違和感を知人に相談したら、カサンドラ症候群ではないかといわれました。(中略)一緒にいると、ガッカリさせられることが多く、うつっぽいので投薬中です。カサンドラ症候群の対処法はあるの?出典 : カサンドラ症候群の症状であるうつ病の症状を緩和するために薬物療法が行われることがあります。しかし、カサンドラ症候群はコミュニケーションという対人関係から起こるものなので、薬物によって症状の緩和ができても、根本的な解決につながっているとは限りません。ここではカサンドラ症候群の対処法についてご紹介します。お互いが相手の立場を理解しあうことが大切です。たとえば、アスペルガー症候群の人が察することを求めすぎず、「夫(妻)は相手のことを察することが苦手」だということを理解したり、発達障害専門のプログラムや病院での受診などを通して、本人がアスペルガー症候群であることを理解して受け入れることなどがあります。発達障害専門のプログラムを行っている病院があるので参考にしてみてください。発達障害専門プログラム|昭和大学付属烏山病院カサンドラ症候群は、周囲に悩みを相談しても理解してもらえず、孤独感を感じてしまうものですが、同じような悩みや辛さを抱えた者同士が、お互いに支え合い、励まし合うことで、問題の解決や克服を図る活動があります。それを自助グループといいます。自助グループではセミナーやワークショップなどを行っており、個別相談を行っている自助グループもあります。フルリールかながわ(神奈川)アスペルガーアラウンド(東京)アスペルガー夫の妻達(東京)あじさい会(大阪)サラナ(名古屋)わかば会(明石)また、同じ体験をしている人のブログなどから、アスペルガー症候群との向き合い方を理解しようとしている人もいます。ブログだけではなく自助グループのように、同じ悩みや辛さを抱え散る人たちがお互いに励ましあったり、情報を交換しているカキコミサイトもあります。ハートネット|NHK 福祉ポータル奥村隆「息子と僕のアスペルガー物語」(中略)わたし自身、カサンドラ状態ですが上記ブログを読んで、「アスペの人が、そういう不可解で衝動的な言動をする理由や心の特性」と「アスペの人を落ち着かせる言葉のかかけた」がわかってきて、希望がみえてきている気がしてきました。息子と僕のアスペルガー症候群|奥村隆アスペルガー症候群について理解していてもつらい場合も多いでしょう。体調が悪い、ストレスが強いときは、一人で抱え込まないことが大切です。心療内科や精神科といった医療機関、お近くの発達支援センターでも相談ができるので、まずは相談をしてみることをおすすめします。全国の発達支援センター|発達障害情報・支援センター他にも、ある程度の距離を置くことで、症状が改善する人もいます。夫婦や家族の場合、別居という形をとるなどしてストレスのもととなる対人関係から離れることで、気を休めることだけではなく、冷静になったり状況を見つめ直したりすることができる場合もあります。「私も夫も悪くない。夫の良いところも思い出せた。結婚は間違いではなかったと過去も肯定できました」。別居は続けているが、離婚はしておらず、「いい距離感」という。まとめ出典 : カサンドラ症候群は、アスペルガー症候群がある人とのコミュニケーションにおいて、家族や友人などの身近な人に起こる二次障害だといわれています。また、アスペルガー症候群がある人との向き合い方で悩んでいたり、カサンドラ症候群の症状があらわれている人は増えてきています。正式な診断名がないこともあり、自分とアスペルガー症候群がある人、二人の間の個人的な問題であると捉えられて理解が得られず、ひとりで悩みやつらさを抱え込む方も多いようです。もし、抱えている悩みやつらさがあったら、専門機関や自助グループを活用することをおすすめします。カサンドラ症候群は、どちらか一方が悪い、どちらか一方が正しいというものではないため、自分や相手を責めたり背負いすぎず、お互いに理解しあうための一歩を踏み出してみましょう。
2016年07月13日わが家の娘はキレイ好き。それはとても良い事なのですが…Upload By SAKURAUpload By SAKURA神経質で几帳面なのですが、今より小さい頃は「融通が利かない」ことに悩まされました。手が汚れていて「洗いたい。キレイに落としたい」と思ったら、キッチリ汚れを落とせるま気が済まないのです。「それ、油性ペンだから落ちなかったんだよ~」と伝えても、「イヤ…きたないのに…!」といつまでもゴネるのです…娘の辞書に「妥協」の2字は無い。Upload By SAKURAUpload By SAKURAお絵かきをしていて…お花をピンクで描きたかった娘。しかし、ピンクのペンがありません。赤を提案してみましたが、もちろん惨敗。5歳になった娘、柔軟になってきた!Upload By SAKURAUpload By SAKURA妥協しなければならない場面を少しずつ経験させたことで、現在5歳の娘は、ずいぶんと柔らかくなりました。しかし、神経質で真面目なところは健在…。ここは性格とあきらめています!
2016年07月13日子どもの頃から理解できなかった「母親」のこと出典 : 私にとって、母との関係ほど厄介なものはありませんでした。母のやることなすこと、いつも理解ができませんでした。「自分が変わる事でしか、状況を変えられない」これは、綺麗事なんかではなく一番の近道だと思っていました。発達障害のある家族と生まれたときから44年もの長い間、格闘してきた私の実感です。現在、家庭を持った私は自分自身の子どもにも発達障害があり、子育てに奮闘しています。ですが、私とわが家の場合、発達障害のある子を育てるよりも、発達障害のある親と過ごす方がずっと大変だったように感じます。ずーっと感じていた違和感は「大人の発達障害」にヒントが出典 : 私は物心ついたときから、周囲の感覚と何かがズレているように感じていました。息子が診断された時、この違和感は「私自身も発達障害かも」という疑いに変わりました。ですが、私は確かに忘れっぽいけれど、支援が必要なほど困った記憶はありません。集団に適応できなかったこともないし、コミュニケーションも得意ではないけど苦手な訳ではありません。一方発達障害がある息子は、集団への適応が難しく、相手の気持ちを理解することが苦手なため、コミュニケーションにも困難さを抱えていました。人それぞれ特性は違うとはいえ、息子の様子を見ていると、私と彼とでは「困り感」に大きな差があるように感じました。私が発達障害じゃないとしたら「この違和感は一体何だろう?」そうずっとモヤモヤしていました。Upload By kaoruそんなある日、大人の発達障害の再現ドラマが放映されていました。それを見て思ったのです。「もしかして、わたしのお母さんが発達障害?」再現ドラマは、遠足の日にお弁当を作り忘れる、という話でした。私の母は、再現ドラマと全く同じで、前日までお弁当を作る予定でいたのに当日の朝はすっかり忘れてしまうのです。お弁当の代わりに現金を持たされたこともありました。熱湯をプラスチックの水筒に入れてしまい、ボトルが溶けて変形していたり、間違えて空の汚れたお弁当箱を持たせられたり…そんな事は我が家で日常茶飯事でした。思い返すと、母は体調の悪い人の気持ちや辛さを全く理解できないところがありました。家族が体調を崩すと、病院へ連れて行くどころか「気合が足りない」「私への嫌がらせなの?」と相手を責めてしまうのです。母に「嫌がらせで体調が悪いフリをしている」と言われていた祖母を見かねて私が病院へ連れて行くと、心不全を起こしていたこともあったのです。そして、母は病院を選ぶことができませんでした。発疹が出ているのに整形外科に行ったり、骨折しているのに外科に連れて行かれたり、こうした間違いはしょっちゅうありました。診察科目ごとに診察内容が違うことを理解できなかったようです。母のことを「発達障害かもしれない」という視点で考えてみると、私が感じていた「違和感」の謎はスーッと解けていったのでした。母との厄介な関係は、まるでカサンドラ症候群!出典 : そう考えてみると、凸凹の激しい母の元で、私は子どもではいられなかったのだと思います。母と父が離婚したとき、私自身が結婚したとき、母との距離が遠くなるたびにどこかでホッとしている自分がいました。いつ感情が爆発して八つ当たりされるかもわからずに怯え、当たりちらされるたびに「今度こそ親子の関係を断ち切りたい」と思っては踏み留まり、親子なのに安らぎなど微塵も感じられない、というのが正直な気持ちです。こうした母との疲れる関係は、ずーっと私を苦しめ続けました。私と母は夫婦ではなく親子ですが、母の言動に疲れきっている私はまるでカサンドラ症候群のようでした。今でも母に対する複雑な感情は消えません。気持ちの浮き沈みが激しい母からの八つ当たりや、訳のわからないマイルールに辟易しています。なぜ理解しなくてはいけないのだろう。葛藤する気持ち出典 : 「母は息子と同じアスペルガー症候群である」と認めることは、本当に苦しいものでした。これまでの事をおもうと「どうして私から歩み寄らなければいけないのだろう」と、受け入れられない自分がいました。なにより、将来自分の息子が「母のようになってしまうのだろうか…」そう思うと不安になり、否定せずにはいられませんでした。それでも1歩を踏み出せたのは息子のおかげです。自分の親の発達障害を理解して受け入れたり、サポートできないなんて、本当に息子の事や息子の障害を受け入れたとは言えないのではないか…そう思ったのです。息子のことをより深く理解するために、「将来、こんな事で躓くことだってあるんだ」と母を1つの例として、息子と同じアスペルガーなんだという事を受け入れることが出来ました。出典 : 私はまず母に親であることを求めるのはやめました。そして彼女の行動を「アスペルガー症候群という凸凹があるんだ」という視点から判断しようと努めました。とても不思議なのですが、私が母の言動を肯定して受け止めると、あれほど悩まされていた八つ当たりはピタリと治まり、私の話を聞いてくれるようになりました。「理解者のもとでは、安心していられる」というのは本当だとあらためて実感しています。もちろん、全ての行動を何も言わずに受け止めるわけではありせん。お葬式で知り合いに再会した際に「楽しい」と口走ってしまったり、温泉に行けば泳いでしまったり、並んでいる列に割り込もうとしたり、見知らぬ人にマシンガントークで喋りかけたり…そんな事は今でもよくあります。すでに70歳を前にしていて、注意をしてもなかなか治らないのです。そんな母と一緒にいるときは、「私自身が気をつけて周囲とのトラブルを回避する」方が上手く行くという考えに至りました。「受け入れなきゃ」と無理をしない、ゆるやかな努力なら続けられる出典 : 私は現在、母とは車で30分ほど離れた場所に住んでいます。この程よい距離感が手伝って、ここまで譲歩できたのだと思います。カサンドラ症候群の方に、私は頑張れとは言えません。理解に苦しむ言動を「身内として受け止める辛さ」がどんなに耐え難いか知っていますし、きっと立場も様々でしょう。でも、もし発達障害のある方との関係を改善したい、と望まれるなら、こちらから歩み寄り理解することをおススメします。相手に変わってもらうのはとても難しいことだと思います。発達障害の有無に関係なく、そもそも人間が変わるのは大変ですから。私も歩み寄って理解しようと努めてはいますが、「吹っ切れたらどんな行動もOK!」というわけではありません。頭の中が真っ白になったり、母の言動にドン引きしてしまうこともあります。でも、家族としてもう少し頑張ってみようとゆるーい努力を続けています。受け入れ難いことは、どう頑張っても受け入れ難いのです、無理に「受け止めなきゃ」と自分を苦しめずに、それくらいのゆるさで実践することが、長く続く秘訣かもしれません。
2016年07月13日2016年4月1日から、障害者差別解消法という法律が施行されたことをご存知でしょうか?この法律では、行政や事業者へ障害者に対して不当な差別を禁止し、社会のなかのバリアを取り除くべく「合理的配慮」に努めるよう定めています。障害者が必要としている「合理的配慮」とは、いったいなんなのでしょうか?また、この法律ができたことで、障害者の人たちは暮らしやすくなるのでしょうか?そんな問いに答えてくださったのは、「きこえないママ×まちプロジェクト」代表で、自身も聴覚障害があるまつもとまつりさん。耳のきこえないママたちと、地域の人たちをつなぐ活動をしていらっしゃいます。以前、お子さんが夜中に熱性けいれんを起こしたときに自力で救急車を呼べず、近所の人に助けてもらったため、日ごろから地域の人たちとつながっている必要性を感じたのだとか。今回はまつもとさんに、「聴覚障害者」の視点に立ったお話をお伺いしました。■聴覚障害者は想像以上に不便に感じているまつもとさんは以前クレジットカードを落としてしまったとき、母親にカード会社に電話をかけてもらったことがあったのだそうです。ところがカード会社の人に、「本人でないとダメ」といわれてしまったというのです。「だから、わざわざ会社を休んでカード会社に行って手続きをしなければならなかったんですよ。普通の人だったら休憩時間にちょっと電話すれば済むことなのに」(まつもとさん)また、銀行のATMに不具合があっても備えつけの電話が使えないため、窓口に行って事情を話してもう一度列に並びなおさなければならなかったこともあるといいます。それだけならまだしも、障害者割引のある駐車場に入っても出るときにモニターに障害者手帳をかざさないといけないことがわからず、結局は正規料金を払わざるを得なかった……などと不便に感じていることは多々あるそうです。健常者にとっては当たり前にできることだからこそ、聴覚障害者が不便に感じていてもなかなか気づきにくいものなのかもしれません。■行政にはその人に合った配慮をしてほしい「きこえる」人たちは、「耳がきこえない」といわれると、「じゃあ手話で通訳できる人がいればいいのね」と思いがちではないでしょうか。「でも、聴覚障害者のなかには手話を知らない人もいるんです。だから『耳がきこえない=手話通訳の用意』と考えるのではなく、筆談で対応する、ゆっくり話す、流れの決まっている手続きであればフローチャートを用意して指差ししながら説明するなど、その人に合った配慮をしてほしいと思います」(まつもとさん)まず、「聴覚障害者はみんな手話を知っている」という思い込みをなくすことが必要なのですね。■私たちにもできるちょっとした配慮とは?聴覚障害のある人だって、スキルアップのための学びの場や職場の会議、町内会の話し合いに参加する機会を望んでいるもの。しかし、話の流れがわからない、資料を読んでいると知らないうちに話が進んでいる……など、ハードルが高くてなかなか参加しづらいのだとか。そんなとき、「きこえる」人たちが「きこえない」人たちのためにできることはなんでしょうか?たとえば講座に参加するときであれば、前もって資料をもらう、隣に座った人にはいま話しているところを指差ししてもらう、資料を読むのに夢中になっているとき、講師が話しはじめたら肩を叩いて教えてもらう。そういう、ちょっとした「配慮」をしてもらえたらだいぶ助かるとまつもとさんはいいます。「手話通訳になにからなにまで依頼することはできません。でも、『ちょっと配慮がほしい』という場面は日常的にたくさんあります。ちょっとしたことでも協力してもらえたら、とてもありがたいです」(まつもとさん)■障害者差別解消法だけで社会は変わるのか最後に、障害者差別解消法ができたことで障害者が生活しやすくなっていくかどうかについて意見をきいてみたところ、「5分5分」という答えが返ってきました。法律ができたことで、いままで「予算がない」という理由でやらなかったことに対して「やらなきゃいけない」という意識が芽生えることはあるかもしれない。しかし、だからといって具体的になにをすればよいか行政や事業者の人たちにはわからないだろうから、聴覚障害者自身がもっと「こうしてほしい」と声をあげなければいけないといいます。「行政などに直接声を伝えるのはなかなか難しい。だから、まずまわりの人たちに『こういう不便がある』ということを伝えたいと考えています。その話を聞いた人からアイデアを出てくるなど、なにかいい方向につながっていくと思うから」(まつもとさん)現在、聴覚障害で障害者手帳が交付されている人は全国で45万人。でも、手帳交付に至らない軽度の方も含めると、聴覚障害者は1,000万人以上いるといわれています。障害の程度に関係なく、不便に感じる人たちへの配慮が自然にできる社会になれば、障害者もそうでない人もお互いにもっと気持ちよく暮らせるのではないでしょうか。(取材・文/あさき みえ) 【取材協力】※まつもとまつり・・・「きこえないママ×まちプロジェクト」代表。3人の男児の母。横浜市戸塚区にある親子カフェ「こまちカフェ」を拠点に、「きこえないママ」と地域の人たちとの交流会を月1回(第2火曜日10:00~12:00)おこなっている。コミュニティFMラジオ「エフエム戸塚」の番組にゲスト出演経験もあり。 【参考】※ココロもカラダもぽっかぽか※こまちカフェ※障害を理由とする差別の解消の推進-内閣府※厚生統計要覧(平成27年度)-厚生労働省※難聴者の数は、どれくらい?という事で調べてみた-L.S.B.information
2016年06月25日起きたときに身に覚えのない傷が体にできていたという経験のある人はいませんか? それはもしかしたら睡眠障害かもしれません。睡眠障害は不眠だけでなく、さまざまな症状、タイプがあることで知られています。今回は海外で大きな話題を呼んだニュースから、どのような睡眠障害があるのかを探っていきたいと思います!睡眠障害の4つのタイプ睡眠障害にはいろいろな症状があります。大別すると、以下4つのタイプがあると言われています。不眠寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚めてしまう、予定時刻よりも早く目が覚める、浅い眠りが続くなど。過眠夜にしっかり睡眠時間をとっているのに日中に眠くなる。抗えないほどの強烈な睡魔に襲われることも。リズム異常寝る時間と起きる時間が毎日バラバラになる。寝ようと思った時間に眠れず、起きようと思った時間に起きられない。違和感寝ようとしてベッドに入ると足がむず痒くなる、睡眠中に呼吸が苦しくて目が覚めることがある。一言で「睡眠障害」といっても、このようにタイプがあるということを覚えておいてくださいね。気になる症状がある場合は、早めに医師に相談するようにしましょう。変わった症状もある上記に挙げたものは睡眠障害の一般的な症状ですが、なかには変わった症状が出る人もいるようです。今回はいくつかピックアップして、紹介します。自分の手を齧った!?中国で話題を呼んだのは、「睡眠中に自分の手を齧ってケガを負い、病院に担ぎ込まれた人がいる」というもの。ケガをするほど齧るとは相当の力だったんでしょうね……。このような症状の場合、考えられる睡眠障害は、睡眠中に歩きまわったりする夢遊病や異常行動をとるレム睡眠行動障害などですが、実際のところ、これだけではどの睡眠障害かは確定できないようです。きっと、この人も目が覚めたらシーツが血だらけになっていて、さぞビックリしたことでしょうね……。夢遊病とは上記症状の原因の可能性がある「夢遊病」と「レム睡眠行動障害」について詳しく説明しましょう。まずは、夢遊病から。正式名称は「睡眠時遊行症」で、本人には自覚がない状態で睡眠中に歩き出す症状がみられます。起きたときも、本人には歩きまわっていたという記憶はないそうです。この睡眠障害の怖いところは無意識で歩きまわるので、ケガをする可能性があるところです。家の中ならまだしも、着替えて外に出ていってしまうこともあるというので家族の人は心配ですよね。周囲にこの症状がみられる人がいたら、早めに病院でみてもらうようにしましょう。レム睡眠行動障害とは続いて「レム睡眠行動障害」です。この睡眠障害は浅い眠りであるレム睡眠中に、大声で話をはじめる、手足をバタバタさせる、歩きまわるなどの異常行動をとるものです。物を投げてしまうこともあるので、室内の家具が壊れてしまう場合もあると言われています。このレム睡眠行動障害も、夢遊病と同様に本人に自覚症状はありません。そのため、治療には家族の理解と協力が不可欠です。睡眠中の異常行動がみられた場合は、「いつか収まる」と安易に考えず、ケガをしたり、事故に巻き込まれたりする前に医師に相談しましょう。睡眠障害の検査は?睡眠障害の疑いで病院へ行った場合、症状のタイプによってさまざまな検査が行われます。代表的なものを紹介します。睡眠ポリグラフ検査病院に1泊して、体にセンサーをつけた状態で睡眠をとる。呼吸数や心拍数、夜間の睡眠状態を確認することで、原因を診断するために行うもの。CPAP圧設定検査睡眠中に何度か呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群の疑いがあると診断された場合に行う検査。病院に1泊して、マスクを装着して眠ることで呼吸の状態を調べる。脳波検査頭に電極をつけて、脳波を検査する。これによって、てんかんなどの疾患があるかどうかを検査する。検査は他にもたくさんあります。どれも実施する前には医師からきちんと説明があるものなので、睡眠で悩みを抱えている方は一度病院へ行ってみましょう。photo by acworks
2016年06月24日小さい子どものいる家庭って、毎日が戦争ですよね。とくに、朝や夕方の時間帯などはバタバタするあまり、子どもについ「早くしなさい!」と叱ってしまう方も多いのではないでしょうか?2015年の『保育科学研究』によると、全国の保育園・幼稚園などで保護者3,669名に社会福祉法人 日本保育協会 保育科学研究所がアンケートを実施したところ、子どもに「早くしなさい!」と言うことが「よくある」「時々ある」と回答した人が83%にものぼっています。でも、実は「早くしなさい!」と親が子どもに言うのは逆効果なんです。そこで今回は、7万部のベストセラーを記録した『発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ』(講談社)の著者shizuさんに、叱らなくても未就学児の子どもが自分から動いてくれる声かけのコツについてお伺いしました。■子どもも心地がいいと恩返しをしたくなるたとえば朝、子どもがなかなか起きないとしますね。その寝ぼけ眼なところで「じゃあ、絵本を読もうか」と親が声をかけて、その子が好きな絵本を読んであげる。目が覚めてきたところで、「お着替えができたら、もう1冊読もうね」と声をかけると、叱らなくても朝の準備がスムーズにいくのだとか。「子どもといえども、心地いい気分にさせてもらったら恩返しをしたくなるもの。モチベーションが上がれば、行動にもうつしやすくなるんです」とshizuさん。しかし、「もう1冊読んであげるから、着替えなさいよ」のような声のかけ方だと逆効果になってしまうので、言い方には注意が必要です。また、ホワイトボードを利用したお仕度表で視覚的に自分から取り組みやすくする方法もあります。■子どもが心の準備できるような声かけを!たとえば公園で遊んでいるときに、帰る時間になっていきなり「帰るよ」と言っても、子どもの心はついていきません。「子どもにも心の準備というものが必要なんです。『ママ、ご飯作らないといけないから、30数えたら帰ろうね』などと、事前に話をしてあげてください」とshizuさんは言います。ただしこのとき、子どもが聞き流していたら意味がありません。そのため、目線をしっかり合わせて言うのがコツなのだそうです。「わかった?」と子どもに質問して、しっかり「うん」という返事をもらいましょう。子どものほうも、「自分が言ったことには責任を持たなきゃ」と思うようになるので、ちゃんと約束を守ってくれるようになるのだとか。■非言語でほめることでも子どもは落ち着くshizuさんは著書の中で、「1日30回ほめる」ことを推奨されています。この数字だけ見ると、「1日30回もどうほめたらいいの?」と思われるかもしれませんね。しかし意外にも、回数は重要ではないとshizuさんは言います。「これはあくまでも目安。特に発達障害の子どもを抱えるママはどうしても子どもの『できない』部分に目が行きがち。だからその意識を変えたかった。30回は無理でも、『10回はできた!』なんて思ってもらえたらうれしいですね」(shizuさん)たとえば『宿題、がんばっているね』『○○ちゃんの笑った顔かわいいね』などの具体的な言葉はもちろんですが、子どもと目線が合ったときにニコッとしてあげるということも『ほめる』ことになるそうです。「そういった『非言語でほめる』ことも、子どもを認めてあげることにつながります。すると、子どもの絶対安心感が高まり、子どもは落ち着いて行きます」(shizuさん)言葉で表さなくても、「あなたを見ているよ」というメッセージを発することによって、「できる・できないに関係なく、あなたの存在自体が大事だよ」と伝えることができるんですね。■子どもの心に届きやすい声かけのコツとは子どもというのは、大きくなるにつれてだんだんと自我が目覚め、親の思い通りにはならなくなってくるもの。子どもに自ら行動してもらうようにするには、子どもも一人の人格として尊重した上で、声かけをしていくことが大切だとshizuさんは言います。「例えば、『早く着替えなさい!』という命令形の言葉は、『早く着替えようね♪』『お着替えできたかな~?』という丁寧語や疑問形に変えていくこともポイントです。そうすれば子どもも『責められている感』がなくなり、動作が早まります」(shizuさん)あとは、きちんとママの気持ちを説明することもいいそうです。「『ママね、◯◯ちゃんが××してくれないと、会社に遅れちゃうかもしれなくてドキドキしてるの』と話してあげると、子どものほうも『しょうがないなぁ。じゃ、やろうか』という気になるんですよ」(shizuさん)「キレイなママ」より、周りに何を言われても動じない「肝っ玉母ちゃん」になりたいというshizuさん。そんなshizuさんが本の中で紹介している声かけの方法は、どれもすぐに実践できるものばかり。全国のパパ・ママのみなさん、ぜひ今日から実践してみてくださいね。(取材・文/あさき みえ) 【取材協力】※shizu・・・自閉症療育アドバイザー、『発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ』(講談社)の著者。2児の母。講演会などで、子どものことで悩んでいる保護者に、日常生活のなかでできる楽しいかかわりや言葉かけを紹介している。 【参考】※shizu・平岩幹男(2013)『発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ』講談社※発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉:ABAで自閉っ子と楽しく生活※叱らなくても子どもがサクサクやることをしていく仕掛け(やること表)-発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉:ABAで自閉っ子と楽しく生活※ABAで発達障害の子どもと楽しく生活する7つのコツ-発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉:ABAで自閉っ子と楽しく生活
2016年06月17日【ママからのご相談】3歳の息子が他の子に比べて落ち着きがなく、ママ友に「発達障害も考えてみたら?」と言われました。発達障害と簡単に言っても一体具体的にはどのようなものがあるのでしょうか?●A. 小児科医師に聞いた3つの代表的な発達障害をご紹介します。こんにちは。ご相談ありがとうございます。ママライターのmomoです。たしかに発達障害といえども、実際どんなもの?というところがありますよね。今回は小児科医師に発達障害の具体的な特徴について聞いてみましたので、ご紹介します。●発達障害の主な種類3つ●(1)広汎性発達障害一般的に『自閉症』や『アスペルガー症候群』といわれるものが広汎性発達障害です。小児科の医師によると、具体的な特徴としては、・人と上手につきあうことができない・コミュニケーションをとりにくい・強いこだわりを持っている・歩き方や走り方などの動作がぎこちないなどが挙げられるそうです。これらの特徴が3歳くらいまでに現れる ことが多いとのこと。3歳くらいだと判断が難しいところですが、不安に思うことがあったら医師や専門家に相談してみましょう。●(2)注意欠陥多動性障害(AD/HD)自分の欲求など、コントロールをすることが難しくそれが行動に現れることで問題視される障害です。医師によると具体的な特徴は、・ひとつのことに集中することができない・落ち着きがなく、じっとしていることができない(多動性)・突発的な行動をとることが多い(衝動性)などが挙げられるそうです。周りの子に比べて落ち着きがなかったり、幼稚園などでいつもクラスから飛び出してしまったりなど、思い当たることがある場合は相談してみましょう。●(3)学習障害(LD)知的な遅れはない ので一見気づかれにくいのですが、幼稚園や小学校に入ると発覚しやすいのが学習障害です。医師によると具体的には、・聞くことが苦手・話すことが苦手・読むことが苦手・書くことが苦手・計算することが苦手などが挙げられるそうです。学習や日々の生活に困難を感じることが多く、周囲の人が早めに気づいて支援してあげることが大切です。----------発達障害は誰かの努力が足りず起きるものではなく、誰のせいでもありません。周囲の人が障害を理解して支えてあげることが大切です。少しでも自分の子に不安に思うことがあれば、医師や専門の人に相談してみましょう。●ライター/momo(ママライター、元モデル)
2016年05月07日【ママからのご相談】長男(10歳)の担任から発達障害を疑っているようなことを言われました。授業についていけていないなど、気になる部分がさまざまあるようです。障害と疑われるほど、うちの子は他と違うのかと不安です。今はただどうしたらいいか分からず悩んでいる状態です。●A. 発達検査を受けることで悩みを軽減させることができます。こんにちは。メンタル関連を中心に書いているメンタルケア心理士の桜井涼です。ご相談ありがとうございます。相談者様が不安になってしまうお気持ちはよくわかります。“障害”という言葉がつくものに関しては、たいていの人が「普通じゃない」と反応してしまいますよね。どうすればいいのかと不安になってしまうのも、親としてお子さんを大切に思っているからなのです。しかし、悩んでいるだけでは解決になりませんから、検査を受けることをおすすめします。●悩む前に発達検査を!こういった問題は、デリケートでショックも大きいものですから、いろいろ考え込んでしまいますよね。でも、悩んでいても解決にはならないと相談者様が一番良くおわかりだと思います。発達障害は、判断するための明確な線引きがありません 。決めるのは、発達障害の基準となる症状がどのくらい強く出ているかというところになります。相談者様にとっても、「うちの子は大丈夫」と思う気持ちと「もしかして……」と思う気持ちが入り乱れ、とても心に負担を感じていることと思います。親と子、両方を気持ちを楽にして、今後どのようにすればいいかの指針となるものがあると、気持ちの楽さがまったく違ってきます。そのため、発達検査を受けることをおすすめします。相談者様は、担任からお話があったということですので、自治体で発達検査を受けることができると思います。●発達検査は、子どもの二次障害や心の負担を軽くする検査を受けること自体、拒否をしてしまう方がいるのは確かです。「障害ではない!」という気持ちが強く表れてしまうのは親として当然でしょう。しかし、認めたくないという気持ちから、子どもに無理をさせてしまいがちになる こともあります。・勉強など本人が苦手としていることを無理にさせてしまう・できないことを叱って、がんばらせようとする・子どもの行動や気持ちを否定しまいがちになる親がこのような行動を取ることで、子どもはどんどん心を壊していきます。子どもも「がんばらなきゃダメだ」という気持ちで最初はがんばります。でも、親に言われたり先生に言われたりして自分が生きている価値のない子どもだと考えるようになります。その結果、精神不安になってしまうことや、うつ病を発症してしまうことがあります。最悪な場合、自殺を考えてしまうこともあるのです。このような心の状態が極端に低下してしまうことを二次障害 といい、発達障害より危険視されています。このような状態にならないように子どもを支えていくことが非常に大切です。●親も家族だけでがんばらない発達障害のような問題は、なかなか他人に相談できないことが多いです。しかし、家族内だけで話すだけでは今後どうすればよいかなどのことを含め、話が先に進まないという現状があると認識しています。相談者様にはできるだけ、ご家族だけでなく学校カウンセラーや自治体の相談窓口などを活用して知識を得て、心の内を聞いてもらうことをしていただきたいと考えています。誰にも相談できない状況は、子どもにプレッシャーを与えることにもつながります。ですから、家族だけでがんばらないで、専門家に頼ることも大切なのです 。----------発達障害であるかどうかを調べずに悩むのは苦しいことです。親も子も気持ちの部分で安定するために、まずは検査を受けていただきたいと思います。早くわかれば早い段階で対処することが可能です。そして、心配事を減らすことにもなります。こういった問題の場合は、親も子も心から楽になることが必要です。ご相談ありがとうございました。【参考文献】・『ストレスから子どもを守る本』富田富士也・著●ライター/桜井涼(フリーライター)
2016年05月04日