2016春夏シーズンのパリメンズコレクションでは、依然としてショーを開催するブランドが趨勢を占めていたが、客席を設けないプレゼンテーション形式でコレクションを発表するブランドが徐々にではあるが増えてきている。ブランド側にとっては、客席を設営する必要が無く、それに伴って大きな会場を借りる必要も無く、それらに掛かる警備費など、様々な経費を抑えることが出来、支出を削減できることが大きな利点だ。今季を見渡してみると、日本の2ブランドがプレゼンテーション形式で見せて強い印象を残した。パリではコレクション発表が2回目となる、相澤陽介が手がける、ホワイトマウンテニアリング(White Mountaineering)は、パリ中心にあるイベントスペース「アトリウム」を使用。ここは多くの若手デザイナーがショーやプレゼンテーションを行い、巣立っていった場所だ。パリでは新人扱いとなり、未来を嘱望される「ホワイトマウンテニアリング」には相応しい場所といえる。所々に植物を配したブロックを積み重ねたランウェイをモデル達が闊歩。色調を抑えたグレーイッシュでグラフィカルなアディダスとのコラボレーションアイテム10体と、ステンドグラスのようなプリントを使用したオリジナルラインのアイテムの対比が興味深かった。森川マサノリのクリスチャン・ダダ(CHRISTIAN DADA)は、マレ地区のガレージを舞台に映画のセットのようなプレゼンテーションを行った。それもそのはず。暴走族を描いてスキャンダルとなった1953年の映画『乱暴者』から着想を得ているのだった。バイクにまたがっているモデル達が、1人ずつ前方に出てポーズを決め、元の場所に戻る、というシンプルな演出。ラメのアーガイルチェックやタイガー、イーグルなどのモチーフをあしらいながら、何となくワルそうな雰囲気を見事に表現。天晴れと思わされた。フランスのイーチ × アザー(EACH × OTHER)とスウェーデンのアクネ ストゥディオズ(Acne Studios)は、それぞれマレ地区のギャラリーを使用してアーティなプレゼンテーションを開催。イラン・ドゥルイとジェニー・マナーハイムによるイーチ × アザーは、サン・クロード通り沿いのギャラリーを借り切り、ブレア・シバース、ロバート・モンゴメリー、ジャン・シャルル・ドゥ・カステルバジャックという3人のアーティスト、デザイナーを招いて、3名の個別の作品を展示しながらコラボレーションアイテムを交えたコレクションを発表。イーチ × アザーが掲げるファッションとアートの融合を見事に表現して見せていた。ジョニー・ジョンソンによるアクネ ストゥディオズはギャラリー街であるトンプル通りのギャラリーを使用。アーティスティックなオブジェの周りを、ハイヒールを履いたフェミニンなルックのモデル達が歩き、その対比が非常にシュールレアリスティックだった。プレゼンテーション形式のコレクション発表では、服を着たモデル達が並び、その周りをジャーナリストやバイヤーが自由に行き交うことができる。あるいは、ほんの数10cm程の距離でモデルが目の前を通り過ぎるため、ディテールまで凝視することが可能。つまりは、後日ショールームを訪れる手間が省け、時間を稼ぐことができるのだ。短い期間で多くのことをこなさなければならないジャーナリストにとってはとても有り難いことである。パリコレクション全てがプレゼンテーション形式の発表になってしまったら無味乾燥なものとなり、ジャーナリストもバイヤーも来なくなってしまうのだろう。しかし、会場選びや演出などで多くのことを表現可能にすることが実証されているのだから、現在のファッションを取り巻く経済状況に鑑みても、もう少し割合が多くなって良いのかもしれない。
2015年08月12日伊勢丹新宿店本館7階催事場にて、「ザ・ブラックセンス・マーケット・イン・イセタン(THE BLACK SENSE MARKET in ISETAN)」がオープンした。同期間限定ショップは雑誌『センス(SENSE)』が手掛ける特別受注企画「ザ・ブラックセンス・マーケット(THE BLACK SENSE MARKET)」と伊勢丹メンズ館とのコラボレーションによって誕生したリアル店舗で、2月に続いて2度目となる。期間は9月1日まで。今回のテーマは「The Riders Creation」。男の艶や嗜みを表現するエレガントなライダーススタイルがドラマチックに紹介され、総計60ブランド以上のアイテムが一堂に会す。会場には、「ファブリック」「レザー」「ビンテージ」「ミニマム」「デコラティブ」などのキーワードごとに集められたライダースが所狭しと並ぶ中「ハーレーダビッドソン(HARLEY DAVIDSON)」のバイクも展示され、着用して街を駆け抜けるシーンをも彷彿させる。また、イタリアバイク「ドゥカティ(DUCATI)」の横に並ぶのは、同ブランドと「ジョルジオブラット(GIORGIO BRATO)」とのコラボレーションによって誕生したアイテムの数々。日本初お披露目となるコラボレートアイテムは全16型で、イベント期間中に受注オーダーが出来る。価格帯は20万円台から60万円台。更に、会場奥に設えられた「THE BLACK SENSE LOUNGE」では、「タリスカー ストーム スパイシー ハイボール(TALISKER STORM Spicy Highball)」「アードバッグ 10年 ジンジャーハイボール(ARDBER TEN Ginger Highball)」「ロン サカパ モヒート(Ron Zacapa Mojito)」(各800円)に加え、「ヘネシーソーダ(THE Hennessy Soda)」(600円)などのプレミアムハイボールを楽しむことも出来る。8月31日の15時から17時には、『センス(SENSE)』編集長の守谷聡と、今回の企画に賛同した8名のデザイナー・ディレクターによるスペシャルトークショーが開催される。参加者は、「ファセッタズム(FACETASM)」の落合宏理、「ホワイトマウンテニアリング(White Moutaineering)」の相澤陽介、「ユリウス(JULIUS)」の堀川達郎、「バックボーン(BACK BONE)」の北原哲夫、「ミハラヤスヒロ(MIHARAYASUHIRO)」の三原康裕、「ファクトタム(FACTOTUM)」の有働幸司、「ベドウィン&ザ・ハートブレイカーズ(BEDWIN & THE HEATBREAKERS)」の渡辺真史、「アタッチメント(ATTACHMENT )」の熊谷和幸。トークは1名につき10分程度で入場無料。
2014年08月28日人気漫画を映画化した『ランディーズ』の完成披露試写会が11月4日(水)に都内で開催され、舞台挨拶に主演の川村陽介を始め、浅利陽介、木南晴夏、聡太郎、久保田悠来、増田修一朗、高橋努、脇知弘、伊崎央登に、原作者の永田晃一、そして藤原健一監督が勢揃い!思い思いに映画に込めた熱い気持ちを語ってくれた。池袋で“助っ人稼業”に精を出す主人公たちと、彼らと敵対するグループの抗争を激しいアクションを交えて描いた本作。映画初主演を果たした川村さんは「色々不安でしたが、同年代の仲間に囲まれてスカッとする映画になりました」と挨拶。さらに「最近、男ばかりの作品に出ていましたが、男ばかりの現場も楽しいですよ。でも、そろそろラブストーリーみたいな作品もやりたいです」と本音を漏らして会場を沸かせた。浅利さんも笑顔で「メイク室とか普段の会話の中から役を作っていける楽しい現場でした」と現場の仲の良さをうかがわせた。ヒロイン役の木南さんは「男の子ばっかりで、目の保養になりました(笑)。女の子一人だったけど、あまり女の子として扱ってもらえなかったかな…。でも、気さくに声をかけあえる仲の良い現場でした」とちょっぴり複雑な気持ち?聡太郎さんは自身の役柄について「純粋に、ピンサロ店長を演じました(笑)」と語り「男性陣のそれぞれ違ったかっこよさを見てください!」とアピール。久保田さんも「果物の鮮度など八百屋の店長としての気を遣いながら演じました」と役について語りつつ「男たちのかっこよさが詰まった作品に仕上がりました」と胸を張った。増田さんが演じたのは、売れない若手漫才師。「僕が登場したら“ほんわか”した雰囲気になるよう演じました」とふり返った。脇さんは自身の登場シーンの中の見どころを挙げ「ケンカのシーンではタイマンでプロレスやってます」と語った。伊崎さんは、川村さんらと敵対するグループのリーダーを演じたが「25年間、リーダーのポジションをやったことがなかったので想像出来ませんでしたが、役柄上、恐怖で支配出来るよう演じました」とふり返った。さらに、劇中のチーム名に引っ掛けて「“ジャイアンズ”のリーダーを演じましたが、阪神ファンです!」と訴え会場の笑いを誘った。原作者の永田さんも「監督に注文したのは『僕を楽しませてください』ということ。原作以上のハンパない映画になっています」と太鼓判。監督も「良い役者陣が揃い、みんなが一つになった映画です」と充実した表情で語った。『ランディーズ』は11月14日(土)よりユーロスペースほか全国にて順次公開。■関連作品:ランディーズ 2009年11月14日よりユーロスペースほか全国にて順次公開© 2009永田晃一・少年画報社/「ランディーズ」製作委員会■関連記事:川村陽介らキャスト舞台挨拶付き『ランディーズ』完成披露試写会に10組20名様ご招待
2009年11月05日