私が閉経したのは50歳のとき、その数年前から睡眠がちゃんと取れていないと思う日が増えてきました。寝付きは良いのですが、早朝に目が覚めてしまうのです。私は夫の仕事の都合で朝5時には起床しますが、ひどいときには目覚まし時計が鳴る1時間以上前から目が覚めるようになってしまいました。私が睡眠の悩み解消のためにおこなった生活習慣の見直しとその結果を紹介します。50歳前からしっかり睡眠が取れないように年齢とともに睡眠の質が下がり、睡眠時間も徐々に短くなると思っていました。ですが、同年代の友人に尋ねても、皆「そんなことはない」と言うばかり。たしかに50歳前から、睡眠が取れなくなるというのは私にとっても考えにくく、どこか自分はおかしいのではないかとまで考えるようになりました。昼間は眠くてたまらず、昼寝をする回数も増えていきました。諦めて早朝から起き出すと、今度は疲労が激しくなり、困った毎日が続きました。更年期の悩みにはさまざまな種類があるため、自分の症状が当てはまるのかがわからず、睡眠の悩みが更年期と結び付きませんでした。私が相談したのは同年代の友人だけ。母親や周りの年上の女性たちにちゃんと話を聞いておけば、もっと早く悩みが軽くなったかもしれないと残念に思っています。更年期と睡眠の関係について知り…当時、自分が更年期に突入しているのかどうかわからなかったため、閉経の前に婦人科で診察を受けました。そのとき医師にすでに更年期に入っていること、もうすぐ閉経を迎えることを教えてもらいました。いろいろな不調は出て来るけれど、自分で我慢ができるならそれほど心配はしなくても良いと言ってもらいました。自分の体の状態をわかっていると、睡眠の悩みについても心配し過ぎずに済みました。更年期に起こることに対して、前向きに対処できるようになったようです。そして、睡眠の悩みが更年期と関係あるのではないかと考えるようになったのは、閉経してから5年目のこと。だんだんとその悩みが気にならなくなってきたからです。ネットで調べてみると、女性ホルモンは睡眠中枢と大きな関係があり、更年期で女性ホルモンが減ることで、睡眠に影響が出る人もいるということがわかりました。これがわかったことで自分は異常ではない、ちょっと更年期で睡眠のリズムが乱れただけなんだと前向きに考えることができるようになりました。3つの対処法で睡眠が改善私が睡眠の悩み解消のためにおこなったことは3つありました。1つ目は、生活習慣の見直しです。まず、昼寝の習慣を見直しました。早朝から目が覚めてしまう私にとって昼寝は大切でしたが、寝付いたところに玄関でチャイムが鳴ったりして、昼寝ができないことがストレスになることもありました。そのため、昼寝は諦めて就寝時間を1時間早くして、起床時間もその分早めることにしました。結果として全体の睡眠時間は同じでも、夜早い時間に眠れていると、体の負担がかなり軽減されていると実感できました。 2つ目は、お酒を飲む日を減らしたことです。私はお酒を飲むと夜中にトイレに起きることもあったため、1週間の半分はお酒を飲まないようにしました。お酒を飲まないと眠れないと思っていましたが、実際は飲まないほうが翌朝にスッキリと起きられ、睡眠の質が良くなったように感じました。 3つ目は、寝る前の腹式呼吸です。寝る前におこなうとリラックスできると知人に勧められて始めましたが、本当にその通りでした。腹式呼吸をしていると呼吸することに集中するので、眠れるかどうかをあまり気にしなくなりました。結果的にそれが睡眠によかったのだと思います。まとめ私の周りでは年上の女性たちが集まると、更年期の悩みや睡眠の悩みについての話をしていました。よく聞いておけば、自分の更年期の悩みに対する知識がもっと早く得られたのにと今も残念です。 ただ私も生活習慣を見直すことや夜寝る前の腹式呼吸で、薬に頼ることもなく無事に生活ができています。地味で小さなことですが、毎日の生活は小さな積み重ねで良くできると実感しています。 ※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/粒来 拓先生(よしかた産婦人科分院綱島女性クリニック院長)日本産科婦人科学会 専門医・指導医。日本女性医学学会 女性ヘルスケア認定医・指導医。日本女性心身医学会 認定医。患者一人ひとりの症状と考え方に寄り添い、サポートしている。著者/ゆみこ(55歳)20年以上専業主婦をしており、成人した娘が2人。5年ほど前から、体のお悩みがいろいろと出て来るようになったが、自分なりにうまくやり過ごしている。
2024年04月16日大人気マンガシリーズ『夫が見ている時だけ”夜泣きしない娘”の真相』を紹介します。医師により、ユリちゃんが睡眠薬を飲まされていたかもしれないことを告げられたカリンさん。夫が知っているのではと言われ、問い詰めます…!どういう事!?出典:エトラちゃんは見た!大人用の強い睡眠薬出典:エトラちゃんは見た!まさか…出典:エトラちゃんは見た!ユリが悪い出典:エトラちゃんは見た!睡眠薬を飲ませた出典:エトラちゃんは見た!【次回予告】出典:エトラちゃんは見た!医師とカリンさんから問い詰められついに夫が認めました。我が子を危険に晒した自分勝手な理由とは?!出典:YouTube※本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。※作者名含む記事内の情報は、記事作成時点でのものになります。(愛カツ編集部)
2024年03月03日50歳になって睡眠障害に気付きました。朝はとにかく眠くて、ベッドに戻って二度寝。仕事に支障が出始めたので夜は早く寝たところ、今度は真夜中に1、2回目が覚めてしまい、眠りが浅いせいか翌朝また眠くなるという悪循環です。これ以上、日中に眠気が来ると何もできないため、内科を受診した体験談を紹介します。★関連記事:浅い眠りをダラダラはNG!睡眠は時間より深さが大切!更年期症状を緩和する眠りワザ3選【医師監修】睡眠障害に気付き、内科を受診朝ごはんが終わるとベッドに逆戻り更年期になって疲れやすくなり、若いときに比べて日々こなせる仕事量が一気に減ってしまいました。そんな私に次なる問題が持ち上がりました。睡眠障害です。 私は在宅でライターをしており、子どもたちを送り出したらパソコンの前に座るのが本来あるべき姿です。ところが朝から仕事をしようとしているのに、眠くて眠くてたまりません。子どもに朝ごはんを食べさせ学校に送り出した後に、またベッドに戻って寝てしまい、気が付けば昼。まったく仕事ができないまま昼ご飯を食べ、少し仕事をして夕食から夜の子どもの世話などをし、夜10時を過ぎるとすでに眠いのです。結局仕事ができる時間が1日2~3時間になってしまい、どうにも回らなくなってきました。早く寝ると夜中に何度も目が覚めてしまうもともと私は緊張するタイプ。朝早く起きてお弁当を用意して、子どもに持たせなければならない学校の遠足や社会科見学……その前の日から翌朝起きられるか不安で何度も何度も起きてしまうようなことがよくありました。ただ最近は、遠足前というわけでもないのに途中で覚醒し、スマホを見るとまだ2時、まだ4時。朝までぶっ続けで眠れず、2時間刻みぐらいで起きていることに気付きました。結局、朝シャキッと起きるために夜早く寝ても、真夜中に何度も起きてしまいます。眠りが浅いせいか昼間も常に疲労感でいっぱい。とにかく深い眠りをと思って、今まで興奮や緊張で眠れなくなると飲んでいた睡眠サポートサプリを試しましたが、今回はまったく効き目が感じられず……。もうサプリメントで対処するレベルを超えたのかもと感じました。睡眠導入剤で夜中起きずに眠れるように夜の眠さも、生理前のときのように耐えられないほど眠い……。生理のときと同じような強烈な眠さだと気が付いて初めて、ひょっとしたら更年期症状の一つかもしれないと思うに至りました。ネットで検索するとやはり、不眠や中途覚醒は更年期症状の一つと書いてあります。内科に行って相談し、睡眠導入剤のマイスリーを処方してもらいました。就寝前に睡眠導入剤を飲むと、なんだかぼうっとしてまぶたを開くのもおっくうになり、気付いたら朝になっていました。中途覚醒がなくなり、しっかり眠れて疲れも取れている気がします。当初、マイスリー5mg1錠を処方されていたのですが、起床時のあまりの眠気からきっと私には量が多すぎると考え、半分に割って飲むことに。医師からも「半錠でいいなら、しばらく続けてみましょう」とGOサインが出たので、ここ2週間、毎晩半錠をずっと飲み続けています。夜すんなり眠れて一度も起きずに朝を迎え、すっきりと朝から活動できる……そんなことすら難しくなったかと思うとがっくりきますが、これが加齢なんでしょうね。まとめ今まで不眠や中途覚醒などは私には無縁だと思ってきましたが、日々の生活や仕事に支障が出て、初めてこれは本格的に対処しないとまずいと感じるようになりました。睡眠サポートサプリでは不十分で、今のところ睡眠導入剤をしばらく頓服的に使う以外の方法は見つけられていませんが、この薬が自分に合うのかの検証も含めて、更年期の自分の体と向き合っていくしかありません。早めに寝る努力はしないとと思いつつも、常に眠くて昼寝をしてしまうと、夜を仕事の時間に割くことになるため夜更かし気味になります。仕事を少し調節して、日々変化する自分の体調に生活を合わせていかなくてはと思っています。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。マンガ/しおみなおこ著者/みやまこ(49歳)夫と小学生2人、物忘れがひどくなりつつある実母との生活。高齢で産んだ子どもはまだまだ手がかかる、母は毎日同じことを聞いてくる、夫は「かまってちゃん」でてんやわんやのワンオペ状態。最近めっきり疲れやすいし、作業効率も落ちてきているし、目はしょぼしょぼで白髪もしっかり。家族に隠れてお菓子を食べながらサスペンスドラマを見ているときだけが唯一の休息。
2023年08月07日40歳で2人目を出産してからは、赤ちゃんのお世話で夜眠れない日々が続きました。かといって、昼間は上の子の遊びに付き合うため、昼寝をすることもできませんでした。1日中寝不足状態が続き、体力が回復する暇がないのです。元々体力に自信がなく40歳での出産で体はボロボロ、とにかく体を動かすことがつらい。それなのに眠れないのは耐えられない。限界に達した私が取った行動は。★関連記事:疲れているのに眠れない!40歳で不眠になった私が発想の切り替えで眠れるようになったのは【体験談】疲れているのに眠れない赤ちゃんのお世話で母親が眠れないのは仕方がない思いつつも、1日中子どもたちのお世話をして体は疲れ、睡眠時間は削られ、元気が出ない毎日を過ごしていました。家事は簡単にする、周りの人に助けてもらう、横になるだけでも良いなど寝るための対策をいくつか実践しましたが、元気になるほどの十分な睡眠は取れず、40歳を超えた体はすぐに回復することはありませんでした 。夜眠れない理由をネットで調べたところ、私に当てはまりそうなのは育児ストレスによるホルモンバランスの崩れ、産後うつでした。そして、とうとう順調だった母乳が止まり、これは予想以上に自分は大変な状況にあるのではと気付き、真剣に睡眠に向き合うことにしました。心療内科を受診し、医師に相談眠るためにはどうしたら良いのだろうと考えて、薬を飲むのはどうかと思いました。幸いにも母乳は出なくなったので薬を飲んでも支障がないのですが、車の運転や日中の生活にはどう影響するか不安で受診することに。心療内科で女性の医師に、疲れているのに眠れないこと、睡眠導入剤を飲むことに依存してしまうのではという心配があることを伝えました。先生は話をよく聞いてくれて「今、体力を回復するために眠れる方法を優先して考えましょう」と言って、薬を飲むことを一緒に決めました。薬についても弱い薬から試しましょうと説明してもらい、不安は収まりました。また、「必要なくなったら服用をやめて良いですよ」と言われ、ずっと飲むわけじゃないんだと安心できました。薬を飲んだ結果は…睡眠導入剤は、少ない量で様子を見ながら数回変更し、そのうち自分に合うよく眠れる薬が見つかりました。夜中にトイレに立つこともなく、朝までぐっすり。飼っている猫が毎朝起こしてくれるので寝過ごすこともありません。朝まで眠れるようになったおかげで、以前はソファに横たわっていることが多かった昼間に、たくさん動けるようになり、おろそかになっていた家事がはかどりました。とはいえ毎日薬を飲むのは少しだけ抵抗があるので、「飲む日はこの日! 予定がある前日に」と決めており 、それでも飲んだ日にはちゃんと効果があります。週に1~2回ほど、予定がある前日に薬を飲み十分な睡眠を取ることで体力を回復させると、当日しっかり動けるようになりました。先生にも飲みたい日に飲むスタイルにしていることは伝えており、それで良いですよとOKをもらっているのも心強いです。この先、薬なしで眠れるようになることが目標ですが、今は寝て体力を回復することに重点を置いています。先生のおかげで何が1番大事なのかに気付くことができました。信頼する先生に処方してもらえたことで安心して飲めています。まとめ疲れても眠れないことに悩みましたが、医師が処方してくれた睡眠導入剤を飲むことで解決しました。薬で朝までぐっすり寝ることで子どものお世話で疲れ切った体を回復することに成功。何より不眠について悩み調べるということから解放されたのがうれしいです。一つでも眠れる手段を持っていることが安心材料につながっています。この先も薬とうまく付き合いながら快適な睡眠を手に入れたいと思います。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。イラスト/塩り著者/れいこ (43歳)電化製品好きな夫、保育園児の子ども2人、猫と暮らしている。コーヒーと美容家電が好き。
2023年06月25日男性と女性の体の仕組みは違うとわかっていても、夫に少しぐらいわかってよ! とついイライラしてしまうのは、やっぱり更年期のせいなのかなと思う今日のこのごろ。激しく落ち込むこともありましたが、いつだって前向きな夫に負けたくない一心で、更年期でもポジティブに過ごせている私の体験談です。★関連記事:「動きたいのに動けない」半端ないだるさは更年期が原因? 私がつらい症状を克服できた理由更年期は寝付きの悪さが最悪だった私が更年期で一番つらかったのは、寝付きが悪かったことです。「あー、今日はすんなり眠れたなあ」と思っても、1時間もしないうちにパッと目が覚めてしまいます。うつらうつらではなく本当にシャキッと目がさえてしまうので、そこからなかなか寝付けなくて本当に苦しかったのです。寝付きが悪いと血圧も心配だし、動悸も気になりました。もともと私は高血圧で通院してたので、通院日に担当医に相談したら一度婦人科で診てもらうと良いと言われました。たしかに女性の更年期は婦人科だなと、その足で近所の婦人科へ出向きました。婦人科検診でお世話になってる先生のところだったので特に不安はありませんでした。とにかくぐっすり眠りたい一心で、今の体の状況と、眠れなくてつらいことも正直に伝えました。睡眠導入剤で朝までぐっすり眠れないつらさが長引くと仕事にも生活にも支障があります。あのまま不眠が続いてたら精神的にも追い詰められてたかもしれません。でも、病院で処方された睡眠導入剤が私の体質に合ったのか、少しずつ不眠の悩みは解消されていきました。睡眠導入剤は初めて飲むので少し不安でしたが、医師や薬剤師の説明が丁寧だったので不安はすぐ解消されました。何度も夜中に目が覚めて苦しかったのに、処方されたお薬のおかげで朝までぐっすり快眠です。私が病院で診察を受けようと思ったきっかけはママ友のアドバイスです。子どもの学校のつながりで親しくなったママたちは自分と同世代が多いので、更年期は共通の悩みのようです。みんな同じ地元で暮らしているので評判の良い病院や相性のよかった先生などの情報もアドバイスしてもらえるので、ママ友の存在はありがたかったです。ママ友から更年期のつらさは聞いてましたが、まさかこんなにしんどいとは想像もしていませんでした。まだ更年期らしき症状が出ていないママ友には、少しでも変だと思ったら受診したほうがいいよとアドバイスはしています。いつでも前向きな夫に救われる更年期の悩みは不眠だけではなく、体がだるくて重いとか、急に体がほてって汗が出るとか、一般的にいわれる更年期の症状がオンパレード。こうなるとやっぱり精神面がどーんと落ち込む日が増えてしまいます。そんなとき、いつだって前向きな夫の存在の大きさに気付きます。夫はいたって健康体なので、私の苦しみが伝わってるのかどうか疑問だったのですが、夫に救われる場面がいくつもありました。例えば、なかなか寝付けなかったときは「なんか温かいものでも飲む?」とか、仕事が休みの日は「お風呂を洗っといたよー」とか、そんなさりげない気づかいが本当にうれしかったのです。夫は普段からマイナスの言葉を言いません。結婚前からそうでした。私はマイナス思考なので、プラス思考の夫に惹かれたんだなあと、改めて今そう思います。私が更年期で苦しくても、それを否定するわけでもなく、また無理に理解しようと夫まで苦しむようなこともなく、「2人で一緒に楽しいことしよう」「しんどかったら俺がごはんも作る! 洗濯もする!」と張り切ってます。料理も掃除も苦手なのに……とちょっと申し訳なく思うこともありますが、素直に夫に甘えることも更年期を乗り越えるために必要なことなのかなあと感じています。前向きな夫に良い影響を与えられているのか、更年期でもポジティブに過ごすために少しずつ意識を変えてる途中です。まとめ意識を変えただけで更年期のつらさが解消されるわけではなくて、体のことなのでやっぱり専門の先生に診てもらうのが一番だなあと思ってます。夫の理解も、ママ友のアドバイスも本当にありがたかったです。あまり焦らず、時の流れに任せて更年期とじょうずに付き合おうと思えるのは、周りの人の支えがあるからだと実感しました。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。イラスト/おみき著者/さくらさくさく(53歳)子どもが巣立ち、夫婦二人暮らし。夫と同い年なので互いの体の不調は理解し合おうと思っててもなかなか理解し合えない現在、筋トレマニアの夫はいたって健康体、私は更年期真っただ中。凸凹夫婦だけどなんとかうまくやっている。
2023年05月18日夜、中途覚醒することが多くなったので睡眠導入剤を処方してもらい、ここ1、2カ月ずっと服用し続けている私。おかげで夜は起きなくなりましたが、しっかり寝ていてもなぜか日中も夜も眠すぎて仕事にならず、思い切って薬を変えた体験談です。中途覚醒で睡眠導入剤を服用中私の仕事はWebライターです。在宅で仕事をしているのですが、このところ解消できない悩みがあります。それは「朝も昼も夜も常に眠い」ということ。夜中に1、2度起きてしまうため睡眠不足を感じてクリニックを訪ね、マイスリーという睡眠導入剤を処方してもらってからほぼ2カ月。毎晩忘れずに服用し、夜中は起きなくなりました。ところが、しっかり寝ているはずなのに常に眠いのです。まず朝、小中学生の子どもを学校に送り出した直後から眠い。昼ごはんを食べた後、子どもたちの帰宅まで原稿を書こうとして眠くなる。夕食や家事を終えて夜遅くにパソコンの前に座ってもすでに眠い……。「私に仕事をさせたくないの? 何のために眠くなるの?」と自分自身に憤りを覚えるほどの眠さなのです。昼寝すればするほど仕事の時間が削られる思ったような文章を書くためには、眠さと戦うより一瞬でも寝たほうがきっといい。そう思って短時間の昼寝をすることにしました。最初のころ何度かは15分間のタイマーをセットすれば起きられましたが、しばらくすると体が昼寝に慣れてしまったのか、寝ると1、2時間は平気でワープするようになってしまいました。ワープした時間をその後の集中力で取り戻せればいいのですが、子どもが帰宅すればバタバタし、夕方になれば夕食作りをしなければなりません。さらに、夕食後は皿洗いや子どもの勉強を見たりお風呂に入ったりと大忙し。そんなこんなで22時ごろになるとすでに眠くて、昼寝でカットした仕事時間を取り戻せません。締め切りに余裕があればすぐに寝てしまい、締め切り間際だと眠気を我慢して必死に仕事しなくてはならず、なかなかつらい毎日でした。思い切って薬を切り替えたところ眠気が改善そんなとき、知り合いが「それはひょっとしたら薬が合わないのでは?」と言ってくれたのです。私は睡眠導入剤に「夜起きずに朝までぐっすり眠れる」という価値しか見ていなかったので、薬が合わないとは考えてもいませんでした。そのアドバイスが気になり出し、薬を処方してくれた内科を再度受診。すると「5~6時間は眠れているのに、まだ日中も眠いんですね? では別の薬も試してみますか。高齢者に処方されるデエビゴという薬ですが、朝起きたときにふらつかない薬なので、ひょっとしたら合うかもしれません」と医師から言われました。その夜からずっと飲み続け1週間がたちましたが、入眠のスピードも早く、日中の眠気も抑えられている気がします。まとめ私は当初、睡眠導入剤に「夜中起きずにずっと朝まで眠れる」という効果しか求めておらず、「日中に眠気が出る」ことについては仕方がない副作用だと諦めていました。しかし、今回薬を変えてみて、マイスリーより日中の眠気が出にくいデエビゴが私には合っていると感じています。医師からは「どちらも試してみて、良いほうを飲んでいけば良いと思いますよ」とアドバイスされたので、日々の体調を気にしながら自分に合う薬を決めていこうと思っています。処方された薬でも気になる副作用があれば、医者と相談して別の策がないかを考えていくことは大事だなと感じた経験でした。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/天神尚子先生(三鷹レディースクリニック院長)日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。著者/みやまこ(49歳)夫と小学生2人、物忘れがひどくなりつつある実母との生活。高齢で産んだ子どもはまだまだ手がかかる、母は毎日同じことを聞いてくる、夫は「かまってちゃん」でてんやわんやのワンオペ状態。最近めっきり疲れやすいし、作業効率も落ちてきているし、目はしょぼしょぼで白髪もしっかり。家族に隠れてお菓子を食べながらサスペンスドラマを見ているときだけが唯一の休息。
2022年06月15日私は睡眠薬を飲んでも布団に入ってから2時間以上寝るのに時間がかかることが多く、さらに寝ても2時間ごとに目が覚める状態の睡眠障害を持っていました。現在も2時間ごとに目は覚めますが、今はスッと眠りに入り起床後にスッキリした感じが得られるようになったのと、布団に入ってから15分ほどで寝られるようになりました。それは薬によるものではなく、睡眠についての情報を集めていろいろ試していった結果です。私が試してみてよかったものを紹介したいと思います。睡眠障害を患った理由睡眠障害を患った理由は、大切に思っていた妹が自ら命を絶ってしまったのがきっかけです。私が33歳のときでした。私は頭の中にあった「もっとこうできたはず」「なぜあんなことを言ってしまったのだろう」といった思いなど、あらゆる角度から自分を責め立てました。 そして、毎晩怖い夢を見るようになりました。それは戦争の場面だったり妹が黒い衣装を着て出てきたりするさまざまな怖いシーンで、非現実なことなのに私には悪いことが起こる前触れのように思え、目が覚めても恐怖感が続き、ほとんど睡眠が取れない状態になってしまったのです。あまりに不安定な日が続いたので、私は自分の意思で精神科を受診しました。 四十九日も済んでないころでしたので、妹の死で両親が憔悴(しょうすい)しきっていたこともあり、「私がしっかりしないと」と、そんな思いからでした。 案の定、医師の診断は「睡眠障害」でした。特に大きな驚きはなく、自分が寝られない理由がわかり、薬も処方されたので安心した記憶があります。ちなみに最初に処方されたのは「ロヒプノール」という強めの睡眠薬でした。その効果ははっきり覚えていませんが、薬を飲む前より寝られていた程度には記憶しています。39歳ごろから睡眠障害の状態が悪化さらに私が35~36歳のころ、病院を変えるのをきっかけに睡眠薬の処方も「ロヒプノール」から「マイスリー」に変わりました。そのころの私の状態はというと、怖い夢を見ることもほとんどなくなり、睡眠薬を飲んで30分ほどで寝られるようになっていました。薬を飲んでいれば普通の生活が送れる状態だったと思います。しかし39歳ごろから徐々に睡眠の質が悪くなり、44歳の現在では睡眠薬を飲んでも寝るのに2時間以上かかり、また、寝られても2時間おきに目が覚めることがほとんど。まとまった睡眠が取れない状態にまでなっていました。 朝起きても体は重く、頭もぼーっとしている状態。「しんどくて何もできない」の繰り返しで1日を無駄にするような日々が続いていました。睡眠の質が悪くなったきっかけはこれといって思い当たらなかったので、「長年、薬を飲んでいるから効きにくくなった」「年齢から来るもの」だと私は解釈しています。 寝られない日が続いたので、医師に相談して「マイスリー」のほかに「ベルソムラ」という睡眠薬も去年ぐらいから処方してもらっていますが、あまり効果は感じられず……。寝られないことが当たり前のようになっていました。 そんなとき、知り合いに寝られないことを話すと「寝る何時間前にお風呂に入っている?」と聞かれたのです。私は心の中で「えっ? お風呂に入る時間で睡眠が変わるの?」と半信半疑でした。ただ、ちゃんと睡眠を取るには朝に日光に当たったほうが良いなど睡眠と生活習慣に関する情報をよく耳にするのはたしかです。 よし、何か試してみよう。やっと私は重い腰を上げることができました。それから睡眠についてネットやYouTubeで調べ、いろいろ試してみることに。「あれっ、こんなことで本当に睡眠が良くなるんだ」。そんな驚きを感じたこともありました。睡眠障害を改善させた3つの行動私の睡眠改善への取り組みは朝から始まります。午前中に日光を浴びながらウォーキングするようにしました。太陽を浴びるのは体内時計をリセットするのに良いのだとか。人間は体内時計が狂うと寝つきが悪くなるとのこと。ウォーキングは日光も浴びられ、また適度な疲れも得られることから睡眠を良くしてくれるらしいです。 次にお昼寝は30分以上しないようにしました。眠いと感じたら30分のタイマーをかけて眠ります。なぜ30分以内かというと、30分を超える睡眠はノンレム睡眠(深い眠り)に入ってしまい、これが夜の睡眠にも影響を及ぼすといわれているからです。 そして、肝心の布団に入ってからですが、私はこの時間にYouTubeの動画を見ながら「寝るための瞑想」「寝る前のストレッチ」をおこなうようになりました。ストレッチは筋肉を緩めることで血流が良くなり、リラックスの効果があるのだとか。瞑想は考え過ぎる頭を休めてくれる効果があるようです。 私は「夜、眠い」という感覚があまりなかったのですが、瞑想やストレッチをしているうちに夜の11時ころには眠いという感覚が得られるようになり、またストレッチが終わると15分もせず自然と寝ていることが多くなったのです。今も同じ睡眠薬を服用しておりますが、薬が増えたわけではないのに効果を感じられました。多少夜に目は覚めますが、朝、熟睡していた感覚があるようになりました。それによって少し活動的にもなった気がします。まとめ睡眠がましになって感じたことは「知らない」ということは損だということ。睡眠を自分で改善する方法を知ることで、生活がこんなに変わるんだとわかりました。人それぞれではありますが、私の場合は知ろうという気持ちが睡眠改善にプラスに動いた気がします。前より睡眠が取れることで1日のだるさも頭のぼーっとした感じもだいぶましになりました。体調の良い時間が増えたので好きなドラマを見たり、家事に使ったりすることができるようになりました。こうしたことで1日の張り合いもでき、物事に前向きに取り込むことができるようになった気がします。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/天神尚子先生(三鷹レディースクリニック院長)日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。イラスト/サトウユカ著者/山田今日子(44歳)子どもなしの更年期に悩む主婦。目の疲れや腰痛と戦いながら、日々WEBライターの技術向上を目指し、頑張っている。
2022年06月02日50歳になって睡眠障害に気付きました。朝はとにかく眠くて、ベッドに戻って二度寝。仕事に支障が出始めたので夜は早く寝たところ、今度は真夜中に1、2回目が覚めてしまい、眠りが浅いせいか翌朝また眠くなるという悪循環です。これ以上、日中に眠気が来ると何もできないため、睡眠導入剤を飲むことにした体験談を紹介します。睡眠障害に気付き、内科を受診朝ごはんが終わるとベッドに逆戻り更年期になって疲れやすくなり、若いときに比べて日々こなせる仕事量が一気に減ってしまった私に、次なる問題が持ち上がりました。睡眠障害です。 私は在宅でライターをしており、子どもたちを送り出したらパソコンの前に座るのが本来あるべき姿です。ところが朝から仕事をしようとしているのに、眠くて眠くてたまりません。子どもに朝ごはんを食べさせ学校に送り出したあとに、またベッドに戻って寝てしまい、気が付けば昼。まったく仕事ができないまま昼ご飯を食べ、少し仕事をして夕食から夜の子どもの世話などをし、夜10時を過ぎるとすでに眠いのです。結局仕事ができる時間が1日2~3時間になってしまい、どうにも回らなくなってきました。早く寝ると夜中に何度も目が覚めてしまうもともと私は緊張するタイプ。朝早く起きてお弁当を用意して、子どもに持たせなければならない学校の遠足や社会科見学……その前の日から翌朝起きられるか不安で何度も何度も起きてしまうようなことがよくありました。ただ最近は、遠足前というわけでもないのに途中で覚醒し、スマホを見るとまだ2時、まだ4時。朝までぶっ続けで眠れず、2時間刻みぐらいで起きていることに気付きました。結局、朝シャキッと起きるために夜早く寝ても、真夜中に何度も起きてしまいます。眠りが浅いせいか昼間も常に疲労感でいっぱい。とにかく深い眠りをと思って、今まで興奮や緊張で眠れなくなると飲んでいた睡眠サポートサプリを試しましたが、今回はまったく効き目が感じられず……。もうサプリメントで対処するレベルを超えたのかもと感じました。睡眠導入剤で夜中起きずに眠れるように夜の眠さも、生理前のときのように耐えられないほど眠い……。生理のときと同じような強烈な眠さだと気が付いて初めて、ひょっとしたら更年期症状の一つかもしれないと思うに至りました。ネットで検索するとやはり、不眠や途中覚醒は更年期症状の一つと書いてあります。内科に行って相談し、睡眠導入剤のマイスリーを処方してもらいました。就寝前に睡眠導入剤を飲むと、なんだかぼうっとしてまぶたを開くのもおっくうになり、気付いたら朝になっていました。中途覚醒がなくなり、しっかり眠れて疲れも取れている気がします。当初、マイスリー5mg1錠を処方されていたのですが、起床時のあまりの眠気からきっと私には量が多すぎると考え、半分に割って飲むことに。医師からも「半錠でいいなら、しばらく続けてみましょう」とGOサインが出たので、ここ2週間、毎晩半錠をずっと飲み続けています。夜すんなり眠れて一度も起きずに朝を迎え、すっきりと朝から活動できる……そんなことすら難しくなったかと思うとがっくりきますが、これが加齢なんでしょうね。まとめ今まで不眠や中途覚醒などは私には無縁だと思ってきましたが、日々の生活や仕事に支障が出て、初めてこれは本格的に対処しないとまずいと感じるようになりました。睡眠サポートサプリでは不十分で、今のところ睡眠導入剤をしばらく頓服的に使う以外の方法は見つけられていませんが、この薬が自分に合うのかの検証も含めて、更年期の自分の体と向き合っていくしかありません。早めに寝る努力はしないとと思いつつも、常に眠くて昼寝をしてしまうと、夜を仕事の時間に割くことになるため夜更かし気味になります。仕事を少し調節して、日々変化する自分の体調に生活を合わせていかなくてはと思っています。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)東京女子医科大学医学部卒業。米沢市立病院入職後、再び東京女子医科大学に戻り、専門医を取得。同大学産婦人科に入局し産婦人科医として働きつつ、性科学を学び、また東京女子医科大学東洋医学研究所で東洋医学を学ぶ。2019年1月に地元山形県米沢市にて、こまがた医院を開業。マンガ/しおみなおこ著者/みやまこ(49歳)夫と小学生2人、物忘れがひどくなりつつある実母との生活。高齢で産んだ子どもはまだまだ手がかかる、母は毎日同じことを聞いてくる、夫は「かまってちゃん」でてんやわんやのワンオペ状態。最近めっきり疲れやすいし、作業効率も落ちてきているし、目はしょぼしょぼで白髪もしっかり。家族に隠れてお菓子を食べながらサスペンスドラマを見ているときだけが唯一の休息。
2022年04月27日アラフィフとなり、更年期真っただ中の今、「これも更年期の症状なの?」という症状に日々悩まされています。運動もしていないのに動悸がしたり、突然めまいがしてふらついたり、イライラしたり……。なかでも特に困っているのが、急に不安に襲われること。もともと少し心配性なのですが、昨年くらいからは、不安になり始めるとどんどん不安が押し寄せてきて、眠れなくなることもしばしば。そんな私の体験談と、私なりの解決策を紹介します。不安になるのが不安?私は仕事上、イベントの司会をすることがあります。そんなとき、40代までももちろん緊張はしましたが、なんとか無事にこなしていました。でも、アラフィフを過ぎてからのここ数年は、「もし本番中に更年期症状のめまいを起こしたらどうしよう」「体調が悪くて倒れたら迷惑をかけてしまう」「本番中セリフを全部忘れてしまったらどうしたらいいんだろう」などなど、一度考え出すと次から次へと不安が押し寄せてきて、どんどん不安の渦に巻き込まれていきます。また、夫が長期出張に行くとき、今までだったら「ごはん作らなくていいからラッキー♪」くらいな感じでした。でも今は、「夫が留守の間にもし泥棒か来たら?」「災害が起こったら?」「病気になったら?」などなど、不安要素が次々と浮かび、軽いパニック状態に。しかもこれが夜寝るときに始まってしまうと、もうすっかり意識が覚醒してしまって眠れません。眠れないのは大変つらく、そうなると、眠れないまま朝になってしまうかもしれないことがさらなる不安を引き起こして……という悪循環に陥ってしまいます。深呼吸をして頭を空にして落ち着くように不安が押し寄せてプチパニックになるのは、たいていがめまいやふらつきなどの更年期の症状が出ていて体調がすぐれないとき。そういう不調なときに、大きなイベントや夫の長期出張など日常とは違ったできごとが重なると、ちょっとしたプレッシャーが引き金となって不安になってしまいます。それならまずは更年期の不調を緩和しようと、更年期向けの市販薬を飲んだり、できるだけ規則正しい生活を送ったりするようにしました。また、プレッシャーにのしかかられそうになったときは、「大丈夫、大丈夫」と自分に言い聞かせるようにしました。深呼吸をして、呼吸だけに意識を集中して頭の中を空にします。前にテレビの情報番組で見た瞑想(マインドフルネス)の方法です。脳は常に動いているので、呼吸に合わせて頭を空にすることで脳がリラックスして、気持ちが安定してくるそうです。私も何度か挑戦しましたが、まだまだ瞑想の無の域には達していません。でも、パニックになる一歩手前で気持ちを落ち着かせることができるようになりました。内科で睡眠薬と精神安定剤を処方とはいえ、いろいろなプレッシャーや体調不良が重なってしまい、市販薬や瞑想だけで切り抜けられないことも。不安によって睡眠不足な上に食欲もなくなり、「心療内科で薬をもらったほうが良いのかな。でも少しハードルが高いな」と悩んでいました。そんなとき、友だちが「内科でも睡眠薬や精神安定剤を処方してくれるよ」と教えてくれました。友だちも、不眠やストレスで薬を処方してもらったことがあるそうです。私は早速、かかりつけの内科に行きました。先生に症状を話すと、睡眠薬と胃腸薬、そして軽い精神安定剤を処方してくれました。先生は「これをしばらく飲んで効かなければ、心療内科に行ったほうが良いかもしれない。でも、ちょっとしたストレスで気持ちがしんどいだけなら、これで大丈夫でしょう」とおっしゃいました。不思議なもので、先生とお話しして、薬を処方してもらっただけで、不安感がだいぶ薄れました。おかげで、結局睡眠薬と精神安定剤は1~2回飲んだだけ。薬を持っていることが「不安になっても薬があるから平気」という安心感につながり、悪循環から抜け出せた気がします。まとめ薬を処方してもらってから半年ほど過ぎましたが、今でもすっかり不安とサヨナラできたわけではありません。更年期の症状で急に気分が落ち込んだり体調が悪くなったりしたときに、不安が押し寄せてくることもあります。でも、私なりに不安との向き合い方、対処法を考えたことで、なんとかパニックにならずに踏ん張ることができています。これは私の場合であり、ずっと不安が続くなど、もっと深刻な状態だったら心療内科に相談したほうが良いかもしれません。でもかかりつけの内科でも、処方できる薬があることを知っていれば、それだけで安心できます。これからも安心の材料を少しずつ積み重ねていくことで、不安を遠ざけていきたいです。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。監修/粒来 拓先生(よしかた産婦人科分院綱島女性クリニック院長)★関連記事:「健康に自信があった私が記憶障害!?」更年期の不調を甘く見てはいけなかった!【体験談】★関連記事:「まさか私が?」48歳、更年期症状を受け入れ、不調緩和のためにおこなったこと【体験談】★関連記事:「ビバ閉経!と思ったら…」新たにデリケートゾーンの悩みが!【体験談】著者/山川 結希子(50歳)大学生二人の母。閉経間近の更年期真っ只中! 心も体も不調を日々感じまくっていますが、人生100年を見据えて、ただいま生きがいを模索しています♪
2021年11月13日■前回のあらすじ耳が聞こえなくても我が子の愛しさは変わらない、と前向きに過ごすことに。1ヶ月後の検査では問題がなく、生後3ヶ月の頃また検査することに…。新生児聴覚検査で再検査と言われた時のお話です。不安な心理描写も描かれておりますので、辛いと感じる方は閲覧をお控えください。※生後6ヶ月の時点で耳は正常にきこえています。生後1ヶ月の再検査に行けば全てが終わると思っていましたが、まだまだはじまりの段階でした。先生の口から出る言葉は、「睡眠薬」や「CT」など、私たちの想像を超えるものばかり。しかも「生後3ヶ月になってもまだわからないかもしれない」という絶望的な言葉まで…。次の検査まで耳が聞こえているか毎日確認し続けましたが、音への反応は鈍いままでした。次回へ続くこの記事に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は医師にご相談ください。
2021年04月02日「5時間くらいしか眠れないのって、不眠症かしら?」。高齢親がそんな話を切り出してきたら“睡眠薬を飲むのはちょっと待って!”と声をかけてあげるべきかも。「人間は老化に伴い、メラトニンという“睡眠ホルモン”を産生できなくなってきますし、とくにリタイア後の高齢者は体を動かす習慣が減ります。ですから、現役時代と比べて高齢者が眠れなくなるのは“当たり前”と言っていいんです。しかし現在、睡眠薬に頼ろうとする高齢者が増え、彼らに睡眠薬を安易に処方してしまう医師がいるのです」こう語るのは、菅原脳神経外科クリニックの菅原道仁理事長。高齢の外来患者が睡眠不足を訴えると、詳しく問診をされないままに、“じゃあ、お薬出しておきますね”と二つ返事で睡眠薬を処方されてしまうケースが多いのだとか。さまざまなビッグデータを抽出・研究している株式会社インテージテクノスフィアの医薬情報部の調査によると、加齢とともに睡眠薬の処方率は上がっているようだ。働き盛り世代(40~44歳)と比較して、リタイア世代(65~69歳)の処方率は、ほぼ倍にもなっている。睡眠薬は、その作用の持続時間によって、4つのタイプ(<1>超短時間作用型、<2>短時間作用型、<3>中間作用型、<4>長時間作用型)に分類される。「睡眠が浅く、途中で起きてしまうような人には長時間型。寝つきは悪いけれど、寝つければ朝まで寝られるという人には超短時間型、というふうに、その人の睡眠パターンや症状によって、薬の種類や摂取量を決めています」しかし、不眠を訴える多くの高齢者にとって、睡眠薬が正しい解決策でなく、“不必要”に処方されていることも少なくないという。「たとえば、夜中に何度もトイレで起きるのが嫌だから、ぐっすり眠るために睡眠薬が欲しい、という方もいます。そういう人には、睡眠薬よりも尿意をコントロールする薬のほうが適切な場合が多い。女性であれば、膀胱炎によって尿意が近くなっているケースもよく見られます。そんなときはまず、膀胱炎の治療に専念してもらいます」じっさい、睡眠薬など飲まなくても、“膀胱炎が治ったら寝られるようになったわ”という人もいるそうだ。「“眠れない”“深夜に目覚めてしまう”という場合、大きな病気が潜んでいる場合もある。すぐに睡眠薬を処方するのではなく、患者の現状をしっかりと問診することが医師にも求められているんです」ムダに処方されてしまう睡眠薬を飲むことで懸念されるのは、服用にともなう副作用や、過剰摂取による危険性だ。「いちばんの副作用は、注意力や集中力の低下。あるいは眠気が残ったり、ふらつき、頭痛、倦怠感、脱力感といった症状があらわれることもあります。本来必要でないのに、睡眠薬を過剰に摂取してしまった場合、記憶が抜けてしまうケースも。運転中に急に眠気に襲われ、事故を起こしてしまう……というリスクさえ考えられるのです」
2019年08月01日【2017年4月23日更新】<ドクターズインタビュー>不眠のことで困っていても「どんな病院に行けばいいのかわからない」「病院に行っても睡眠薬を出されるだけなのでは?」と悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。日本睡眠学会認定医として、精神科領域の病気や睡眠障害を幅広く専門的に診断・治療している新橋スリープ・メンタルクリニック院長の佐藤幹先生に、不眠症の診断や治療についてお話をうかがいました。【佐藤 幹(さとうみき)先生】新橋スリープ・メンタルクリニック院長東京慈恵会医科大学付属病院本院精神神経科外来非常勤勤務睡眠障害を中心に精神科領域全般における診療を行なう。睡眠学を専門とし、過眠症(ナルコレプシー等)、不眠症、睡眠時無呼吸症候群、時差ぼけなどの研究を行う。特に不眠症に関しては認知行動療法を取り入れた治療法を研究精神保健指定医、日本精神神経学会専門医日本睡眠学会認定医不眠の悩みは、認定医がいる病院へ睡眠の悩みでどんな病院に行けばいいかわからないという方は、まず学会の認定医がいる医療機関を選ぶようにするとよいでしょう。私自身も日本睡眠学会の認定医ですが、日本睡眠学会のホームページなどを見ていただくと、学会の認定医が全国のどこにいるかということがわかります。睡眠を扱っているクリニックはいろいろありますが、主に内科を専門としているクリニックでは睡眠薬や抗うつ剤はあまり出せません。そのため、精神科を求めて我々のクリニックに来院される方がいらっしゃいます。もちろん、現在は内科でも睡眠薬や抗うつ剤を処方していただける医師もいます。しかし、うつに限っていえば自殺などのリスクもあるため、やはり精神科の医師に任せたいというところもあるのではないかと思います。実際、私のところにもすでに内科にかかっていた、あるいは内科で睡眠薬だけ処方してもらっていたという患者さんはかなり来られています。不眠治療は、まず薬を使わない方法から薬を使わない改善方法としては、睡眠衛生指導や、眠くなるまで布団に入らないこと、そして起きる時間を一定にすることが挙げられます。睡眠時間制限法や刺激コントロール法と呼ばれるものです。しかし、睡眠時間自体が少ないと現実的にそうは言っていられません。特に社会人の方の場合、眠くなるまで布団に入らないといっても起きる時間は決まっているので、逆にプレッシャーにもなってしまいます。そうなると少し睡眠薬を使わなければならない場合もあります。順序としては、睡眠衛生をまず守っていただくようにします。そして、睡眠衛生の修正だけでは改善しない場合には、睡眠薬を使い、睡眠薬を使用しても効果が少ない場合は睡眠時間制限法や刺激コントロール法を試みます。最近では特に若い方の場合、睡眠薬を使うことにあまり抵抗がなく、とりあえずなんとかして寝て明日に備えたいという患者さんも多くなっていますが、安易に薬物治療に頼るべきではありません。睡眠薬は「必要な時にだけ使う」就寝直前に眠気がある日は、基本的に睡眠薬は使わないようにします。就寝直前になっても眠気がないとき、または眠気があって布団に入ってもその後20〜30分経っても眠れない、眠気がとんでしまって眠れそうにないというときに睡眠薬を使います。これを頓用(とんよう)といいます。睡眠薬は必要なときにだけ使うということが大事です。ただし、長年不眠を患っている方の場合には、最初からある程度の期間、薬を使っていただくこともあります。睡眠薬の副作用や依存性の心配は?私が診ている患者さんに関して言えば、不眠を主に訴えて受診される方のうち、3分の1から半分程度の方はリピーターとして来られることはありません。ほとんどの方は睡眠薬を1回処方して終わるため、薬に依存するようなケースはあまりありません。たとえば1回の処方で20回分の薬を出すと、その後まったく薬をもらいに来ない方も多いです。あるいは2〜3ヶ月後に来られて、3日に1回程度のペースで使っているとおっしゃる方、出張のときにだけ使っているという方もいらっしゃいます。いわゆるヘビーユーザーの方は月1回ぐらいの割合で薬をもらいに来ますが、そのような場合は神経症に近い病態であり、神経症の症状のひとつとして不眠が出ている可能性が高いと考えられます。治療期間は年単位になり、数年に及ぶこともあります。もしくは、睡眠時無呼吸症(SAS)など、睡眠の質を悪くするような別の要因が重なっている場合には、睡眠薬だけでは改善しません。原因疾患が治癒するまで、治療期間は長くなる傾向にあります。睡眠を専門とする医師の間では現在、薬物的な依存が強いといわれているベンゾジアゼピン系の薬は処方しないようにしています。使うのは非ベンゾジアゼピン系の薬か、オレキシン受容体拮抗薬(商品名:ベルソムラ)やメラトニン受容体作動薬(商品名:ロゼレム)といった薬です。強い不眠の方は睡眠薬を服用しないと眠れないので、その場合はある程度毎日服用してもかまいません。毎日服用しても問題がないように、依存性が少なくリバウンドしないような薬としてベンゾジアゼピン系以外のものを第一選択にしています。ベンゾジアゼピン系の薬は使い続けるうちに効きが悪くなり、量も増やさなければならなくなるケースが多く報告されています。また、ベンゾジアゼピン系の薬剤は他の薬に置き換えることが難しいため、最近では長期間にわたって服用するという場合も考えて、ベルソムラやロゼレムなど癖になりにくいものを選択するケースが多くなります。毎日服用する必要のない方の場合は、たとえば仕事がある前の日だけ服用して、週末は自力で眠る日を作るようにします。あるいは1日おきに服用していただくようにすると、自力で眠ることができている日もあるので、心理的にそれほど薬に頼らずにすみます。しかし、性格的に依存性が強い方も中にはいらっしゃいます。そうすると、たとえば「週5日だけ服用してください」と言っても毎日服用してしまい、すぐに薬をもらいに来ることになります。ですから、そういった方の場合には少し依存傾向があるということに注意を払いながら、必要以上に使わないように念を押しています。日本では1回に処方できる錠数も厳しく制限されているので、患者さんが薬を毎日服用したかどうかということはわかります。私自身も薬を多めに処方することはせず、患者さんが次回来られるまでの日数から計算してちょうど足りるくらいの数しか出していませんので、どのくらいのペースで服用しているのかということは把握しやすくなります。睡眠日誌で睡眠の状態と薬の服用状況を把握また、不眠の患者さんには睡眠日誌(睡眠表)で睡眠の記録をつけてもらうようにしています。睡眠日誌(睡眠表)には、睡眠薬を使った日に印をつけてもらう欄があり、床についた時間や起きた時間、途中で起きた時間や実際に眠れた時間などを表に記入するようになっています。それを2週間、1ヶ月というように一定期間書いて持って来てもらいます。日誌をつけると患者さんも自分のことがよくわかりますし、逆にそういったものがないと質問をしても曖昧な記憶だけで答えてしまうため、実際の状況が十分に把握できないからです。ただし几帳面な方の場合には、時間を分単位で正確に書こうとするなどあまりにも細かいところにこだわってしまい、逆に眠れなくなってしまうことになっても困ります。ですから、その都度時計を確認しなくてもよいので、朝起きた時の大まかな印象で書いてくださいとお伝えしています。自分自身の睡眠を長い目でみることによって、少しずつよくなっていることが実感できるというのも睡眠日誌のよい点です。検査のデータが「良好」でも「不眠症」の場合も実際に不眠症の方の脳波などを調べてみると、ほぼ全員が自己申告よりも客観的によく眠れています。しかし、それをご本人がどう受け取るかというところで反応が大きく2つに分かれます。「ああよかった、眠れているんだ」と安心する方は不眠症がよくなることが多いのですが、「いやいや、こんなに眠れているはずがない」という方たちは治療に時間がかかるという傾向があります。「不眠症とは何か」ということを考えるとき、検査をして睡眠のデータが悪くなければそれは不眠症ではないという考えもありますし、検査データが良好でもご本人が「眠れていない」と言っている、その主観を「不眠」というのだという意見もあります。私自身はおそらく後者が不眠というものであり、その状態をいわゆる不眠症の中核として扱うべきだろうと考えています。睡眠のデータ自体が悪い方たちについては、まず睡眠時無呼吸症(SAS)や周期性四肢運動障害(PLMD)などの可能性を考えなければなりません。そういうものがなくて眠れていない方たちには睡眠薬を使っていくことも必要です。しかし、実際に眠れているにもかかわらず眠れていないと思い込んでいる方たちをどうするかというところが問題です。こういった方たちは客観的には眠れているので本来ならば睡眠薬はあまり必要ないはずなのですが、その思い込みをどう治していくかというのが非常に難しいところです。高齢者にみられる睡眠の悩みの傾向ご自分が眠れていないという思いがどうしても強い方は、健康に不安があり病気ではないかと気になってしまうような、いわゆる心気的(しんきてき)な傾向がある方に多いです。特にご高齢の方に多くみられます。また、これまで長い間不眠で悩んでこられたような方は、SASやPLMDなど別の要因がないかチェックする必要もあります。それらの要因が何もないような方たちは、心気症(hypochondriasis)、いわゆるノイローゼなどに近い不眠症ということになります。睡眠日誌をつけていただくと、ご高齢の方の場合、眠くなくても早い時間に布団に入っているようなケースがかなり見られます。「年を取ると早く寝るようになる」と思っている方が多いのですが、眠気が来るまでは起きていても構わないのです。たとえば日頃から21時に就床している方達に、「23時まで起きているようにしてみましょう」というと皆さん驚かれるのですが、実際に眠くなるまで頑張って起きているように指導すると、それだけで不眠がよくなる方もいらっしゃいます。途中で目が覚めてしまうというのは、加齢による変化として当然起こりうることです。そこで中途覚醒や早朝覚醒に対して、どのくらい睡眠薬を使うかというのは難しいところですが、基本的には次の日に眠くて仕方ない、あるいは朝起きて倦怠感が残っているというようなことがなければ薬を使う必要はありません。いったん目が覚めても20分以内に再入眠できれば問題はないので、中途覚醒の回数自体はさほど気にする必要はないでしょう。不眠だけではなく「過眠」の方も多いクリニックを受診される方はビジネスマンが中心というわけではなく、高齢者や主婦、学生まで幅広い患者さんが来られています。その中には不眠症だけでなく過眠症の方も意外に多く、授業中に眠ってしまうという学生さんなどもいらっしゃいます。このようなケースは実は昔からあったもので、必ずしも最近患者さんが増えている傾向とはいえません。眠気のメカニズムがある程度学問的に解明され、新しい薬が開発されたことなどによって、これらの症状に診断がつくようになってきたのです。かつては怠けていると思われていたものの一部が、実は過眠症だったということがわかってきたのです。また、朝起きられない子どもたちの中には、睡眠覚醒リズム障害、つまり体内時計が狂ってきているようなケースがあることがわかってきました。こうした子どもたちも今では適切に治療することで学校にも行けるようになり、人生を取り戻すことができるようになっています。ADHD(attention deficit hyperactivity disorder:注意欠陥・多動性障害)の中には、眠気を訴える子どもたちが多いことが報告されています。臨床をしている中での印象ですが、将来的には、過眠症やナルコレプシー、ロングスリーパー、あるいはDSPS(Delayed sleep-phase syndrome:睡眠相後退症候群)と呼ばれる睡眠周期の延長や睡眠覚醒リズムの遅れなど、それぞれ別のものだと思われていた疾患についても、たとえば脳のノルアドレナリンやドパミンなどの神経伝達物質の分泌の偏りや、神経細胞の機能の個人差などを明らかにすることにより、病態の説明が可能になる時代が来るかもしれません。つまり、一部の過眠症状や睡眠覚醒リズム障害、ADHDなどが別々の疾患ではなく、ひとつの症候群なのかもしれないという仮説を自分なりに立てて患者さんを診察しています。夜型は必ずしも悪いことではない幼児でも遅くまで起きていて平気な子どもはいます。もちろん、20時ぐらいで寝てしまうというような子どものほうが多いのですが、それが教育や環境によるものなのかどうかというところははっきりしていません。おそらくそれは教育よりも、持って生まれた脳の特徴・性質的要素が大きいのではないかと考えています。また、発達障害の子どもには夜型が多く、宵っ張りのタイプが多いということも知られています。発達障害の例も含めて考えると、理想をいえば、睡眠リズムの個人差を重視し、その人が一番効率よく働ける時間帯を考慮してフレキシブルに出社できるような形が一番よいのかもしれません。もちろん、そういった勤務が可能な企業もすでにあるかもしれませんが、現実的には、標準的な勤務形態の中で縛られてしまうことのほうが多いのではないでしょうか。日本では一般に「早寝・早起き」が美徳とされていますが、必ずしもそれがすべての人にとってよいとは限りません。夜のほうが効率よく勉強できるという子どもはたくさんいます。私自身も夜中に勉強するタイプでした。ですから、全員に対して一律に朝活や朝練を求めるのは少し強引なのではないかという気もします。早朝も深夜も情報量が少なくなるという点では共通しています。外来で話を伺っていると、夜型の学生(中学生以降)の多くは、22時頃の時間帯に一度眠気が来てもそれを過ぎると元気になります。その後はどんどん眠気が少なくなり、23時から夜中の2時頃までとても元気になる傾向が見られます。ですから、こういったタイプの方は深夜に仕事や勉強が一番進むのではないでしょうか。日中の耐えられない眠気を伴う睡眠時無呼吸症(SAS)睡眠時間は足りているはずなのに昼間眠くてしかたがないという方は、睡眠時無呼吸症(SAS)の可能性もあります。このクリニックでは、SASの簡易検査を行なっています。本来は終夜ポリソムノグラフィー検査という泊まりがけの検査を受けていただき、睡眠中の脳波と呼吸状態をチェックした上で最終的に診断しますが、その場合は一泊入院が必要で、費用も高くなります。SASかどうかはっきりしないグレーゾーンの方には簡易検査として当院で機械を貸し出し、自宅で使っていただくようにしています。簡易検査の結果、さらに詳しい検査が必要な方は東京慈恵会医科大学附属病院にご紹介して、そこでCPAP(持続陽圧呼吸療法)を行うかどうかを決めるようにしています。一般的には肥満だと睡眠時無呼吸症になりやすいと言われています。しかし、痩せている人でも、骨格等の問題で無呼吸になるケースも考えられます。気道の周囲を取りまく舌、口蓋垂、軟口蓋が気道を塞ぐ場合鼻中隔の変形、慢性副鼻腔炎により空気の通りが悪い顎が小さい、後退している、上気道の空間そのものがもともと狭い脂肪沈着や扁桃肥大により喉や上気道が狭くなっている筋力がなく、気道自体がしっかりしていない閉塞型の無呼吸はこれらのいずれかの要因で起こりますが、顎が小さいことや鼻中隔湾曲など、顔面の骨格・構造によるケースが多くみられます。日本人は顎が小さいので、痩せてもあまりよくならない場合も多いと考えられます。また、慢性副鼻腔炎のある方は、その治療することによって無呼吸もよくなることがあります。中高年になってから多くみられるのは、筋力が低下して脂肪が増えるためです。男性の場合、睡眠時無呼吸症を発症している方は20歳の頃と比較すると15〜20kgぐらい体重が増えていることが多いです。また、女性の場合は閉経後に女性ホルモンの減少によって気道の筋力が弱まるため、いびきや無呼吸が多くなります。気道の筋力は鍛えられないので、上気道周りの脂肪を落とすことが有効な方法となります。睡眠時無呼吸症は、様々な疾患のリスク要因となります。(不整脈がある方は)止まっていた呼吸が再開するときに心臓の拍動が激しくなるため、そのときに不整脈が起こると血栓ができやすくなります。その血栓が心臓の血管に詰まると心筋梗塞になりますし、脳の血管に詰まると脳梗塞になりますので、そのリスクが上がることになります。また、血圧も上がりやすくなります。朝起きたときに血圧が高いというのは、無呼吸症の方に多くみられます。また、無呼吸症で起床時に頭が痛いのは、寝ている間に酸欠になっているからです。睡眠の質の改善に加え、こういった重篤な疾患を防ぐためにも、睡眠時無呼吸症の治療は重要です。佐藤幹先生のその他の記事を読む■うつ病と不眠症の原因・対策・改善
2017年04月14日NHKの健康情報番組内で、「睡眠薬で熟睡時間を増やせば血糖値を下げることができる」と、睡眠薬の服用を推奨しているような内容が放映されて医療従事者や視聴者から批判を浴びていました。併せて、番組内で副作用の少ない新薬として紹介された薬が特定できてしまうため、当該新薬のステマ(ステルスマーケティング)ではないかとの意見もあったようです。医師ではない筆者は熟睡時間と血糖値低下の因果関係については立ち入りませんが、上記放送内容の問題点について弁護士の立場から解説したいと思います。*画像はイメージです:■薬事法違反のおそれもある内容薬事法では、医療従事者や医薬品製造業者だけでなく、“何人も”医薬品の効能・効果等に関して、虚偽または誇大な記事を広告や流布してはならないと定められています(薬事法66条1項)。今回の番組内容は、「最新の研究の結果、熟睡時間を増やせば血糖値が下がる効果が指摘されています」という程度にとどまらず、「特定の新薬の服用によって安全に血糖値を下げることができる」と視聴者に誤解を与えるようなものだったようです。実際には、当該新薬の服用によって直接的に血糖値低下をもたらすことはなく、また、服用したからといって必ずしも他の薬よりも熟睡できる効果が高いとまではいえないとのことですから、薬事法違反のおそれがあります。 ■BPOによる検証の可能性もBPO(放送倫理・番組向上機構)の放送倫理検証委員会は、「放送倫理上問題がある」または「内容の一部に虚偽がある」と指摘された番組内容について調査し、調査、審議・審理した結果を公表しています。今回の情報番組についても、審議・審理の結果、放送倫理上問題があるとされてしまう可能性があります。 ■問題となるのは医薬品だけではない今回の番組は医薬品のケースでしたが、医薬品ではなく食品・健康食品の効能・効果についても薬事法や景品表示法違反となることがあるので注意が必要です。たとえば、特定の健康食品について「○○という疾病に効果がある。」、「体が疲れにくい」、「代謝低下改善」という表現を用いた広告は、薬効による増強や改善を明示的・暗示的に与えてしまいますので薬事法違反となってしまいます。また、薬効による増強や改善を避けた表現であっても、食品・健康食品等の商品について、実証されていないにもかかわらず「今までの同種商品よりも100倍の成分が含まれている」等の表示・広告を行うことは景品表示法違反となります。広告表現の法規制を知らないと違法となってしまうことがありますので、番組制作会社や健康食品等を販売する会社の方は放映・販売前にリーガルチェックを受けたほうがいいですね。 *著者:弁護士 木川雅博 (星野法律事務所。通信会社法務・安全衛生部門勤務を経て、星野法律事務所に所属。破産・再生・債務整理を得意とする。趣味は料理、ランニング)【画像】イメージです*freeangle / PIXTA(ピクスタ)
2017年03月04日眠れない、でも眠らなくてはいけない。処方された睡眠薬は怖くて飲みたくない!睡眠薬を実際に処方されている方でも、様々なところで耳にする副作用や依存性の話が気になって飲めないという方は意外に多くいらっしゃいます。ここでは、巷で言われているような睡眠薬の怖い副作用の疑問など、病院では直接聞けないような悩みの答えを紹介していきたいと思います。これを読んで賢く睡眠薬を使いこなしましょう! 副作用や依存性とはどういうことを言うのでしょうか?副作用とは、睡眠薬を飲んだ時に起こる体の不調をさしています。また、薬に対しての依存性とはその薬を飲まないと不安になったり、飲まないと寝られなくなることを意味しています。睡眠薬と一口に言っても、現在では様々な種類の睡眠薬がありますのでその副作用は様々です。また、自分に合った睡眠薬というのは中々難しく、医師も一人一人の患者さんに対して違った処方箋をその方の体調や既往歴などに合わせて調整していきます。そのため、初めて睡眠薬を飲む方は、ゆっくり眠れる日などを選び自分に合っているかどうかを確かめなくてはいけません。そして、合っていない場合は医師に伝え違った睡眠薬を出してもらうことも必要になってきます。 身体に合わない睡眠薬とは?では、どのようなことが起こる場合、睡眠薬が自分に合っていないのでしょうか?以下のようなことが起こる場合に合っていないと考えられます。また、最低でも3回以上は睡眠薬を飲んでみて試してみて下さいね。朝、眠くて(またはかったるくて)起きて仕事や学校へいけない午前中だるくて何も体が動かない、または頭が働かない逆に寝れなくなってしまった記憶がない、起きる時間のアラームの音が聞こえない眠る時間帯がずれてしまう(例:夜中の1時過ぎになると寝れるなど大幅に眠くなる時間がずれてしまう)睡眠以外に体調が悪くなる(例:腹痛、吐き気、頭痛、血尿、力が入らないなど)これらの症状が出た場合には(3日以上)使用をやめ、医師にその旨を伝えて違った薬を出してもらうようにしましょう。 睡眠薬は一度飲むとやめられなくなるの?じつは、結論は未だ研究段階であり、明確な答えは出ていない状態です。 2つの種類の依存性依存性には2つの種類があります。1.精神依存その薬を飲まないと不安になったりする症状をいいますが、睡眠薬の場合にはこの精神依存はあまり見られません。なぜならば、抗うつ剤などと違い睡眠薬を飲んでも不安の軽減や心がすっきりするなどの効果は得られないためです。2.身体依存睡眠薬はこの身体依存が一番の問題になってきます。身体依存とは、その薬を飲まないと眠れなくなくなり手放せなくなってしまうことを指します。これは、薬を飲んでいる時には感じませんが、睡眠薬の使用を止めた時に不眠などが再び起こり薬を手放せなくなってしまいます。これは「(薬の)離脱症状」と呼ばれます。 一番よく病院で処方されている睡眠薬現在の睡眠薬は「ベンゾジアゼピン受容体作動薬」とよばれる薬がメインの治療薬になっています。一般的には「ハルシオン」や「マイスリー」という名前で知られていると思います。この睡眠薬は脳の中の神経伝達物質であり、興奮を伝えるGABAという物質と複合体を形成しているベンゾジアゼピン受容体と結合し、GABAが中枢神経系に興奮を伝える働きを抑え眠気をもたらします。 睡眠薬と依存との関係海外では既に、「ベンゾジアゼピン受容体作用薬」などにおける依存性はないという実験結果も出ています。例えば、マイスリーという睡眠薬を継続して飲んだ場合に依存したかどうか実験では、プラセボグループ(薬を飲んでいないグループ)と同じだったという結果も出ています。(参照URL:)そのため、現在までの研究結果では以下のような結論が出されています。依存性がある人もいる誰にでも依存性ができるわけではない長期の服用は控える(6か月以上)、長期に服用すると依存傾向が強くなる睡眠薬はいつ飲むが一番いいの?ここでは、自分に合った睡眠薬という前提の下で話を進めます。なぜならば自分に合っていない睡眠薬であれば、時間通り飲んでも効かなかったり反対に効きすぎたりするためです。ベストな飲み方寝る30分から1時間前には飲みましょう。また、以下のような状況が起きそうな場合には飲むのを少し遅らせたり、飲まないでいましょう。急な用事で運転をするかもしれない家族が病気で深夜に病院へ行く可能性がある自分自身が吐き気があり、吐いてしまう可能性がある睡眠薬は医薬品ですので、自分の意思で自由に動くことも難しくなります。睡眠薬を飲んだ後の運転はできません。また、家族が病気の時には、起こしに来ても起きられず、お世話ができない状態です。さらに吐き気があり吐く可能性が高い場合には、眠ってしまいその吐しゃ物が気道に詰まり呼吸困難になってしまう可能性もあり大変危険です。 睡眠薬に依存しない方法5選睡眠薬は誰でも依存する可能性を持っています。そこで、ここでは睡眠薬を賢く使う方法5選を紹介したいと思います。 1.睡眠障害の原因を見つける睡眠薬を飲んでいても根本的な解決にはなりません。そのため睡眠障害に陥っている原因を見つけ出すことが大切です。例えば、暴飲暴食などは睡眠障害になりやすいです。逆に過激なダイエットで夕食を抜くことなども睡眠の妨げになる場合があります。また、無呼吸症候群などのために無意識の内に眠りが浅くなったり、無意識の体の不調のために眠れない可能性もあります。そのため、睡眠薬を飲む前に眠れなくなった本当の原因を探し出しその原因をしっかりと治すことが重要です。 2.眠れそうな場合には薬を使わない自然に眠れそうな場合には薬を飲まないことも大切です。また、眠気が襲ってきた場合にはとりあえず何もせずそのまま寝てしまうことをおすすめします。小さなお子さんを持っていらっしゃる方などは大変なことだと思いますが、それが習慣となれば睡眠薬に依存せずに自然な眠りに入れます。 3.眠れるようになってきたら短時間型の薬に変える睡眠薬にはその効き目の長さによって超短時間型から長時間型まで大きく4つの種類に分けられます。長時間型はどうしても長い時間眠れない人用の睡眠薬です。超短時間型は寝入りが悪い人用の睡眠薬であり持続時間が短いため次の日に残りません。そこで、長時間型の薬により眠れるようになった方は、担当の医師と相談し徐々に短時間型の睡眠薬に変えてもらうようにしましょう。 4.6か月間を1区切りにする依存性はないと言われますが、長い期間継続して睡眠薬を飲んでいれば依存性が高くなってきます。そこで、6か月間だけ睡眠薬を飲むと決めその間に自分の睡眠障害の原因を探してみてはいかがでしょうか。6か月を過ぎてもその睡眠薬を手放せないようであれば、依存性が高いので医師に相談してみるのをおすすめします。 5.どうしても眠れないと分かっている場合には、しっかりと睡眠薬を飲む皆さんの中には睡眠薬の副作用や依存性を気にしすぎて却って睡眠障害が酷くなってしあう方もいらっしゃいます。しかし、睡眠をとれないと副作用や依存よりも先に体調を壊してしまう場合が多いです。そのためどうしても寝れないと分かっているような場合には、睡眠薬をしっかりと飲んで睡眠を取ってください。例:30代女性の場合ふだんは睡眠薬なしでも眠れますが、生理中だけは2日間何をしても眠れないのでその2日間だけは寝る1時間前には睡眠薬を飲みます。例:20代女性の場合仕事が忙しい時期は深夜の帰宅が多くなります。それが終わると定時に帰れるのですが、どうしても眠れません。そのため、睡眠薬を飲み寝るようにしています。それが2~3日間続くと眠れるようになるので、睡眠薬を使わずに寝ます。このように、自分の生活習慣なども考慮して睡眠薬を使用してみてください。 睡眠薬を飲むうえで大切なことこの5つのルールは絶対に守りましょう!1.眠れないからと言って、指定された量以上は飲まない2.アルコールや他の薬と一緒に自己判断で飲まない3.体調の悪い日は飲まない4.あまり依存性や副作用を心配しない5.時間がある時は、飲まないように心がける睡眠障害でなくても誰にでも眠れないという場合はあります。睡眠薬を持っているからと言って安易に使用するのではなく自然な眠りを目標にしてみましょう。 <筆者プロフィール>ニックネーム:benichanカリブ海で内科医師をしています。最新機器がない島で最低限の技術で工夫して患者さんを診察しています。自分自身も入眠障害型の不眠症なので、皆さんと一緒に問題を解決していきたいと思っています。日本の医療技術は先進国の中でも高い技術を誇っていますので、その技術の恩恵を利用しない手はありません!不眠を改善し、朝までぐっすり眠りましょう!
2016年11月22日不眠症の治療には、一般にいわれる睡眠薬を使用することになりますが、何となく怖いというイメージを抱く人も多いのではないでしょうか。確かに、ひと昔前までは依存性の強いタイプの睡眠薬が使用されていましたし、最近でも睡眠薬の乱用といった問題も以前としてあるものです。しかしながら、睡眠薬は専門医の元で安全に使用すれば、不眠症の改善に役立つものです。 ■不眠症治療薬のメインは睡眠薬不眠症の治療薬に使用されるのは、睡眠作用のある睡眠薬です。睡眠薬の種類には、作用時間のタイプ別に以下のものがあります。・超短時間作用型:マイスリー、ハルシオン、アモバンなど超短時間作用型の睡眠薬は、1時間より短い時間で薬の効果が現れるので、寝付きが悪いタイプの不眠症に使用される睡眠薬です。ただし、薬の持続効果も2~4時間と短いため、夜中に途中に起きてしまうような中途覚醒タイプの不眠症の人には適していません。・短時間作用型:デパス、レンドルミン、レスミーなど中途覚醒タイプの不眠症の人に適しているのが、短時間作用型の睡眠薬です。このタイプの睡眠薬は、効果が現れるまで1~3時間ほどかかりますが、持続効果が6~10時間あります。・中間作用型:ロヒプノール、サイレース、ユーロジンなど中間作用型の睡眠薬は、効果が現れるまで1~3時間ですが、持続効果が24時間続くものもあり、早朝に早く目覚めてしまうタイプの不眠症に適しています。中途覚醒タイプの不眠症の人でも、起きる時間や効き目の強さによっては、中間作用型の睡眠薬が選択されることも。・長時間作用型:ドラール、ダルメート、ソメリンなど長時間作用型の睡眠薬は、効果が現れるのは3~5時間で、薬の効果の持続時間は24時間以上続きます。また、長時間作用型だから効果が強いとは一概に言えません。たとえば、こちらのタイプの薬は効果が現れるまで時間がある程度かかるので、入眠障害のある不眠症の人には不向きとなります。 ■薬の作用機序からみた睡眠薬の種類睡眠薬は、薬の作用機序から分類することもできます。具体的には次のタイプが挙げられます。・バルビツール酸系麻酔にも使用される強い催眠作用のある薬ですが、不整脈など重い副作用が出ることあり、依存性が高いことから最近では病院で処方されることはなくなりました。・ベンゾジアゼビン系:ハルシオン、レンドルミン、リスミー、デパス、サイレース、ロヒプノール、ドラール、ダルメートなどが、ベンゾシアゼピン系の睡眠薬です。バルビツール酸系の睡眠薬を比較して、安全が高く催眠効果も高い性質があります。・非ベンゾシアゼピン系マイスリー、アモバンなどが、非ベンゾシアゼピン系の睡眠薬です。ベンゾジアゼビン系では筋弛緩やふらつきなどの副作用が見られることがありましたが、このリスクを減らしたのが、非ベンゾシアゼピン系の睡眠薬です。ベンゾジアゼビン系の睡眠薬と効果は同じくらいでありながら、安全性が高くなります。 ■そのほかのタイプの睡眠薬最近では、睡眠に関するホルモンに作用する新しいタイプの睡眠薬も使用されるようになりました。具体的な以下のタイプの睡眠薬があります。・メラトニン受容体作動薬(商品名:ロゼレム)こちらはメラトニンという睡眠を促すホルモンの情報を受け取る部分を刺激する薬です。寝る時間帯がずれているなど、睡眠と生活のリズムにずれているタイプの不眠症に使用されます。・オレキシン受容体拮抗薬(商品名:ベルソムラ)オレキシンは覚醒を促すホルモンですが、このホルモンの働きをブロックすることで、覚醒を抑える作用のある薬です。先に説明した通常の睡眠薬と比べて効果は穏やかになりますが、体への習慣性がつきにくく、日中に眠気が残るが少なくなるというメリットがあります。 ■最後に最近では、重い副作用のない睡眠薬が使用されるようになりました。睡眠薬は専門医の元で正しい用法と用量で内服することが大切になります。薬の効果を得られないときは、安易に内服量を増やすのではなく、医師に相談して薬の種類を変えたり、そのほかの生活習慣を正すことが大切です。 参考:・『睡眠薬の適正な使⽤と休薬のための診療ガイドライン』・神奈川県の精神科医が運営するウェブサイト『せせらぎメンタルクリニック』・エーザイ株式会社『主な睡眠薬のプロフィール』 by kev-shine
2016年10月25日不眠症の治療法と聞くと、「睡眠薬を飲む」ぐらいしか思いつかない人が多いと思います。でも、実際はそうではありません。睡眠薬を用いる療法もあれば、用いない療法もあります。そこで今回は、不眠症の治療法を大まかに説明し、最近注目を集めている「BBTI」療法を紹介します。簡単にできるものもあるので、ぜひチェックしてみてくださいね!不眠症における2つの治療法不眠症の治療法にはさまざまなものがありますが、①薬物療法と②非薬物療法のふたつに大別することができます。① 薬物療法睡眠薬を使う方法。睡眠薬といっても、薬によって効果に違いがあるので、医師が患者の症状を見て、適切なものを処方する。②非薬物療法睡眠薬を使わない方法。食事や運動などの生活習慣を見直す、光を使う、睡眠に対する認識を改める認知行動など、いろいろな方法がある。不眠で悩んでいる方が病院へ行き、「不眠症」と医師に診断された場合は、このどちらかの療法によって治療に取り組むことが一般的です。眠れない日々を過ごしながらも「何をされるかわからず怖いから」と病院へ行かない方もいるかもしれませんが、治療法については医師からきちんと説明があるので怖がる必要はありません。早めに相談するようにしましょう。最近注目の治療法、「BBTI」って?今回紹介するのは、最近にわかに注目を集めている非薬物療法のひとつ、「BBTI」と呼ばれる治療法です。聞き慣れない言葉ですが、どのような治療法なのでしょうか?不眠症の原因は?BBTIとはBrief Behavioral Treatment of Insomniaの略語です。日本語では「短期睡眠行動療法」と呼ばれるもので、アメリカ・ピッツバーグ大学の教授などが提唱している治療法です。この方法はとてもシンプルなもので、誰もが簡単に生活に取り入れることができます。ポイントは、睡眠に欠かせないものである「ベッド」にあります。みなさんは、どんなときにベッドに行きますか? 睡眠のほかにも、本を読むとき、スマホをいじるとき、なんとなく疲れたとき、など日常の多くの時間をベッドで過ごしていることはありませんか?じつは、これが不眠症の原因になることがあるそうなんです。脳は場所と行動をセットで覚えるその理由は、脳の機能にあります。私たちの脳は非常に優秀で、「場所」と「行動」をセットにして覚えるようにできていると言います。そのため、ベッドで本を読んだり、スマホをいじっていたりすると、「ベッド=眠る場所ではない」と記憶してしまうのだとか。そうなると、当然ながらベッドに入ったらすぐに寝付くという習慣は身に付きません。「早く眠らなきゃ」と焦ってベッドに入っていた行動も仇になる可能性すらあるわけです。BBTIは、この脳の性能を理解したうえで対処法を提言しています。眠るとき以外にベッドには行かない!みなさんもすでにお気付きだと思いますが、その方法とは「眠るとき以外にベッドには行かない!」というものです。できれば、寝室も別室にして、睡眠のためのものと区切ったほうが効果的でしょう。「それだけで眠れるようになるはずないよ」と思う人は、騙されたと思ってしばらく続けてみてください。この方法で7割以上の人に効果が見られたと言われています。ベッドや布団は居心地がよく、リラックスできるものですが、今日から「眠るだけの場所」にチェンジしましょうね!起きる時間も固定する!「BBTI」では「起きる時間を決めて、毎日その時間に起きること」もすすめています。それは私たちの体内に“リズム”があるからで、不眠で悩む人はこのリズムが乱れていることが多いそうです。リズムが乱れる原因のひとつは、睡眠の時間が毎日バラバラであること。仕事が忙しい方や日勤と夜勤を繰り返すシフト制の方は、どうしてもこのような傾向があるのではないでしょうか。でも、快眠ライフを送るためには寝る時間と起きる時間を決めて、毎日それを崩さずに生活を続けることが大切と言われています。これだけでも不眠は解消されることがあるとのことです。逆に言えば、どんなに睡眠薬を飲んだところで生活リズムが乱れたままだと、一時的には眠れるようになったとしても、やがて睡眠薬は効かなくなって、再び不眠に戻ってしまうこともあるかもしれません。まずはできることからはじめてみましょう!photo by ウルフ
2016年06月14日不眠症で病院にかかったとき、最初の診察では睡眠薬を処方されましたか? それとも生活指導を受けましたか? 今の不眠症治療の現場では何が重視されているのか、日本とアメリカの医療現場を比較しご紹介し、これからの不眠症治療を考えてみましょう。成人の約30%に不眠症成人の約30%に不眠症状があると言われている日本ですが、睡眠薬を服用している人はどれぐらいの割合だと思いますか? あるデータによると、成人の20人に1人、およそ5%が睡眠薬を服用しているそうです。これが果たして多いのか、少ないのかは定かではありませんが、日本の病院は、不眠と聞くと比較的容易に睡眠薬を処方する傾向があるようです。その実態を調査するために行われた医師を対象としたアンケートによると、不眠を訴える患者への初回対応は、大きく分けて3つあることが分かりました。初回対応で用いられる3つの方法とは?3つの方法とは、①睡眠薬を処方する(約36%)、②生活指導を行い、睡眠薬を処方する(約34%)、③生活指導を行う(約27%)、というもの。このデータからは2つのことを読み取ることができます。ひとつは約7割(①+②)が初回対応の段階で睡眠薬を処方していること。もうひとつは、約6割(②+③)が生活指導を初回から行っていることです。約7割が睡眠薬の処方を受けているという調査結果から、「比較的容易に睡眠薬を処方している」という傾向が裏付けられたとも考えられますし、約6割が生活指導を行っていることからは「睡眠薬を処方すれば、それで良し」とは思ってていないと考えることもできます。アメリカではどうなっている?ちなみに、アメリカの睡眠医学会(AASP)では「成人の慢性不眠患者への一次治療として睡眠薬の使用を避ける」ことがガイドラインに示されているそうです。これは、必ずしも薬を使うことがいけないというわけではなく、薬を処方する前にまずは不眠の原因がなんなのかきちんと探ろうという考え方に基づくもの。もしかしたら何か睡眠が妨げられるような病気が隠れているかもしれませんし、生活習慣のなかに、不眠を引き起こす原因があるのかもしれません。その原因が見つかったなら、薬を処方するよりもその改善を目指す必要があるという考え方です。日本でも、上記のように最初の診察から生活指導を行う医師が6割いるということなので、今後も生活指導を優先する病院が増えていくかもしれませんね。photo by www.audio-luci-store.it
2015年09月06日世界で一、二を争うほど睡眠時間が短いとされる日本人。もはや限界……ということで睡眠薬を使っている人も多くいらっしゃるでしょう。そこで睡眠薬を利用しつつも依存し過ぎないため、睡眠薬にかかわる知識についてご説明します。もはや手放せない!なら依存症?眠れない辛さから、病院を訪れて睡眠薬を使っているという人は少なくないでしょう。そこで処方された睡眠薬に大いに救われて、「これさえあれば眠れる!」と安堵されたこともあるかと思います。でも、時が経つうちに「これがなければ眠れない!」と感じて、依存してしまうという人も多いとのこと。そうなる前に、できれば睡眠薬の量を減らし自分本来の力で眠れるようになれればいいですよね。そのために、その過程で生じ得ることを知っておくと過度の不安や期待を抱かずに済み、スムーズに減薬できるかもしれません。そこで反跳性不眠とは何かご紹介しましょう。反跳性不眠ってナニ?長い間不眠治療を受けている人の間でも、反跳性不眠という言葉を聞いたことのある人は少ないかもしれません。この反跳性不眠とは、急に睡眠薬を中断することによって以前より強い不眠が生じてしまう現象のこと。これは不眠症が治っていないといった理由から起きるのではなく、睡眠薬の適切でない使い方によるいわゆる副作用です。ですから、ある時睡眠薬を飲み忘れるなどして、その日は一睡もできなかったということが起きた場合、それは不眠が治っていないというよりは反跳性不眠が生じたということかもしれません。意外に多い?反跳性不眠による錯覚一精神科医によると、人は生きている限り眠る力がゼロになることはなく、睡眠薬を一生使い続けなければならないなどということはないそう。また、今日使用されている睡眠薬のほとんどは適切な時期に減薬する必要があり、際限なく処方し続けることはできないのだそうです。ですから、ある時あなたがかかっているお医者さんから「睡眠薬を減らしましょう!」と言われるのはもっともなことなのです。そんなとき、あなたならどう反応しますか?以前、反跳性不眠らしい経験をしたことがあれば、不安な気持ちにかられるのも無理もないのですが、お医者さんの指導のもと、反跳性不眠を起こさないよう上手に減薬することは可能です。少しでも睡眠薬の量を減らしたいと思っている人は、ぜひかかりつけのお医者さんに相談してみてくださいね!Photo by Edwinistrator
2015年05月25日自供された女性の殺人2009年8月におじを殺害したとして、すでに逮捕起訴されている男2人が、「横浜市でも女性を殺した」と供述していることが捜査関係者の話で分かった。11月4日に複数のメディアが一斉に報じた。再逮捕されるのは横浜市の内装工「新井竜太」被告41歳と、埼玉県の無職「高橋隆宏」被告37歳。殺害された疑いのあるのは横浜市の安川珠江さん、当時46歳。※画像はイメージ保険金は約3,600万円安川さんは新井被告の母親が経営している会社に勤めており、2007年には高橋被告と養子縁組して養母となっていた。報道によると、両被告は2008年に酒と睡眠薬を飲ませて安田さんを眠らせ、風呂に沈めて殺害。約3,600万円の保険金を高橋被告が受け取ったとされる。神奈川県警は当初、事件性はないとして司法解剖を行わなかった。
2010年11月07日