佐野勇斗主演、三木孝浩監督最新作Amazon Originalドラマ「僕の愛しい妖怪ガールフレンド」の配信が決定した。本作は、妖怪とオタクカルチャーをオリジナル脚本で描いた連続ドラマ。恋人が欲しくて仕方ないゲームオタクの大学生・ハチと、500年越しの復讐の使命を背負った妖怪の女の子・イジーが出会い、なし崩し的に男女の契りを交わしたことから物語はスタート。男性と肉体的な関係を持つことでしか生き延びるためのエネルギーを得られない妖怪のイジーと、彼女に強く迫られ関係を持ってしまったハチ。ある人間一族への復讐を果たすために殺人も厭わないイジーに対して、ハチはなんとか穏便に問題を解決しようと奮闘。そんな2人の奇妙な関係と復讐劇に周囲の人々が巻き込まれていく、バトルアクションあり、ミステリーありの、ユニークな妖怪ラブコメディ。主人公のオタク大学生・犬飼忠士(通称:ハチ)を演じるのは、デビュー作『くちびるに歌を』(’15)以来、9年ぶりの三木監督作品となる佐野さん。本作のヒロインでハチが恋する美しい妖怪・イジー役は、現在放送中の「マルス-ゼロの革命-」でもヒロインを演じている吉川愛が務める。佐野さんは「物語の題材が、妖怪と恋?! と思われる方もいらっしゃるはずです。まさに僕もこのお話をいただいた時に思いました…笑 ジャンルは、ラブ×アクション×コメディ×ホラー という感じで、贅沢に全てが詰め込まれています!ぜひ、皆さん配信を楽しみにしていてください!」と呼びかける。吉川さんは「妖怪と聞くと少し怖いイメージもありますが、私自身も大好きなラブコメ要素も入っていて、時にはキュンとしたり、ウルっときたり、色々な感情になりながら飽きずに楽しめる作品になっていると思います。古風な言葉遣いの一風変わった妖怪の女の子・イジーを演じるうえで、カッコいいバトルシーンにもチャレンジしているので、ぜひ配信を楽しみにしていてください!」とメッセージを寄せている。また、不安そうな表情のハチと妖艶なイジーをとらえたキービジュアル、それぞれのキャラクタービジュアルも公開された。なお、制作総指揮・企画・オリジナル脚本は、「エクスパッツ ~異国でのリアルな日常~」「NCIS:Hawaii」のヤルン・トゥと、「Grace」のザック・ハインズが手掛ける。Amazon Originalドラマ「僕の愛しい妖怪ガールフレンド」は3月22日(金)よりPrime Videoにて世界独占配信(本編8話)。(シネマカフェ編集部)
2024年02月13日「2024年エランドール賞授賞式」が2月8日(木)、都内にて開催され、磯村勇斗、今田美桜、眞栄田郷敦、小芝風花、目黒蓮、堀田真由の6名が新人賞を受賞、喜びのスピーチを行った。「エランドール賞」は1956年にスタートした、優れた映画テレビの作品、プロデューサー、俳優を顕彰する制度。協会員は選考基準に基づき、候補者及び参考作品を投票によりノミネートし、エランドール賞委員会はその投票結果を参考に候補者を選出、理事会に答申。理事会はその答申を受けて、検討の結果、受賞者を決定する。なお、新人賞は一年を通じて最も活躍した将来有望な新人俳優に贈られる賞となる。磯村さんは、「昨年、たくさんの作品に携わることができて、たくさんの人たちと出会い、裏で今までお世話になったプロデューサー、製作陣と久々にお会いして。本当にここまでくるのに周りの人たちに助けていただいて、支えていただいて、この場に立てていると。本当に人との出会いを大切にしたいと改めて実感しました」と周りへの感謝をスピーチ。そんな磯村さんのお祝いに駆け付けたのは、『ヤクザと家族 The Family』以来、共演を重ねてきた綾野剛。満面の笑みで祝福し、驚く顔の磯村さんをぎゅっとハグ。綾野さんは、磯村さんのほうに「よいしょ」とマイクを向け、語り掛けた。「普段呼ばせていただいているお名前で話します、勇斗、おめでとう。あなたのあくなき姿勢と、いっときも諦めない精神力、何より心震わせるお芝居は、勇斗の作品に対する愛と、圧倒的な努力が生んだと心から思ってます」と磯村さんのお芝居への姿勢をたたえ、「敬愛と敬意と感謝をこめて。綾野剛でした」と結んだ。今田さんは「昨年は本当にたくさんの作品、スタッフの皆さまに出会って、あらためて振り返ると、とても愛ある皆さまに支えていただきながら、いろいろな作品に参加していたんだなと思います。まだまだ未熟ですが、皆さんに支えていただきながらですけど、自分のできること、丁寧に向き合って作品に携わっていけたらと思います」とスピーチ。ゲストには「ラストマン-全盲の捜査官-」で共演した同じ福岡出身の吉田羊が登場、今田さんへの愛を花束とともに送った。眞栄田さんは登壇後、深々と長く一礼。スピーチでは「正解のない表現の世界で、こうしてご評価いただけることはすごくうれしく、自信になります。またこうした場に立てるように、役と作品に丁寧に請け負っていきたいなと思います」と真摯に話す。ゲストでは「エルピスー希望、あるいは災いー」で共演した鈴木亮平が笑顔で登場。「彼の先には明るい未来しかないのではと信じて、今も出ている作品を楽しみに見ています」とエールを送っていた。続けて、小芝さんが登場し、「昨年は本当に学びの多い1年でした。賞をいただけて本当にうれしく思います!出会わせていただけた関係者の皆さまに感謝の気持ちでいっぱいです。この賞に恥じないように、精進します」と誓う。お祝いゲストには、「波よ聞いてくれ」で共演した北村一輝が登場。とにかく小芝さんの台詞量と、NGの出さなさがすごかったとトークを繰り広げ、小芝さんもはじけた笑顔を見せていた。目黒さんは「歴史ある新人賞を受賞できたこと、本当にうれしく思っています。ここにくるまで、本当にたくさんのスタッフの皆さん、共演者の皆さん、何より作品を愛してくださった皆様に支えられてここまでこられたので、すべての方に感謝しています」とひたむきな瞳でスピーチ。ゲストには「silent」で共演した川口春奈が登場し、目黒さんを喜ばせた。川口さんは「ひたむきに向き合う姿、忙しくてもぶれない強い芯を持っていて、すごく刺激的でまぶしかったです。チャレンジングな作品でしたし、タイトなスケジュールの中4か月間一緒に走り切れて、勝手に戦友だと思っています」とお祝いの言葉にかえていた。最後に登場したのは堀田さん。「昨年はたくさんの作品に携わって、いろいろな経験・挑戦をさせていただきました。これまでは自分自身がお芝居が好きな気持ちがそばにあったんですけど、昨年は芝居をしていて楽しいなと思える瞬間がたくさんありました。支えてくださるスタッフさん、共演者さん、応援してくれている家族のおかげだと思っています」とスピーチし、これからも恩返ししていきたいと話した。ゲストには「大奥」で共演した福士蒼汰が登場、堀田さんを喜ばせた。また、プロデューサー奨励賞映画部門を受賞した『福田村事件』では、花束ゲストに主演の井浦新が登場。小林三四郎、井上淳一、片嶋一貴に向かって「最初、テアトル新宿で直接声をかけていただきました。僕一人だけ(キャストが)決まって、キャストは全員揃うのかと不安も最初はありました。でも蓋を開けたら、自ら手をあげて参加してきたスタッフ・キャストみんなが集まった」と少しずつ輪が広がり、全員で向き合った映画だと語った。そしてプロデューサー奨励賞テレビ部門は「大奥」が受賞。藤並英樹、船田遼介に、主演の冨永愛が花束を持ち華やかに登壇。富永さんは、「人生の中で絶対心に残る作品になったな、代表作になったなと確信しています。それほどこの作品が素晴らしかったですし、素晴らしいキャストとスタッフの皆さんで作り上げました。今思い返しても一瞬一瞬が鮮明によみがえってきます」と目を細めていた。なお受賞作品、受賞者は以下の通り。●プロデューサー賞・映画部門『怪物』川村元気、山田兼司・テレビ部門「VIVANT」飯田和孝●プロデューサー奨励賞・映画部門『福田村事件』小林三四郎、井上淳一、片嶋一貴・テレビ部門「大奥」藤並英樹、船田遼介●特別賞・『THE FIRST SLAM DUNK』Film Partners 松井俊之・「ブラッシュアップライフ」制作チーム水野格、小田玲奈、榊原真由子、柴田裕基・『名探偵コナン 黒鉄の魚影』製作委員会近藤秀峰、汐口武史、岡田悠平・『ゴジラ-1.0』プロデュースチーム臼井央、山田兼司、岸田一晃、守屋圭一郎、阿部豪●新人賞磯村勇斗、今田美桜、眞栄田郷敦、小芝風花、目黒蓮、堀田真由(シネマカフェ編集部)
2024年02月08日一年を通して優秀な活躍をした俳優や映画・ドラマ等を表彰する「2024年エランドール賞」の授賞式が8日、都内ホテルで開催。目黒蓮(Snow Man)、今田美桜、磯村隼斗、眞栄田郷敦、小芝風花、堀田真由が新人賞を受賞した。目黒は「名誉ある歴史のあるエランドール賞新人賞を受賞できたことが本当にうれしく思っています」と喜び、「本当にたくさんのスタッフの皆さん、共演者の皆さん、そして何より作品を愛してくださった皆様に支えられてここまでこられたと思うので、すべての方に感謝しています」と感謝。今田は「このたびは素晴らしい賞をありがとうございます。まさか自分がこのように名誉ある賞をいただけると思ってもみなかったので、とてもうれしいですし驚いています」と心境を語った。
2024年02月08日FANTASTICS・八木勇征さんに質問!バレンタインの思い出も語ってくれました。八木勇征(FANTASTICS)Q. どんなチョコレートが好き?チョコは何でも好きです!!なかでも一番好きなのはホワイトチョコレートです。Q. チョコ以外でいまハマっているスイーツは?最近は一周回ってマカダミアナッツのアイスクリームをよく食べています(笑)。Q. バレンタインの思い出を教えてください。毎年お母さんがチョコブラウニーを作ってくれていたんです。“バレンタインになるとあれが食べられる!”というイメージでしたね。そのブラウニーを牛乳と一緒に楽しむのが大好きでした。Q. チョコのように甘~いメンバーといえば誰?けいちゃん(木村慧人)。見た目もそうですが、性格も優しくて全体的に甘いイメージです(笑)。Q. ドラマ『婚活1000本ノック』で幽霊役に挑戦されていますが、お化けになってメンバーを驚かすなら誰?(佐藤)大樹くんを一日中驚かせまくりたいです!大樹くんならどのタイミングでも新鮮なリアクションをくれそうです。めちゃくちゃビビリだから(笑)。Q. ファンの方に甘~いメッセージをお願いします。いつも応援してくれてありがとうございます!みなさんはバレンタインくれるのかな?もしくれるとしたら、ホワイトデーのお返しは僕で大丈夫?(ハート)Q. 体づくりのために食べるものは制限している?マジでしてないかも。お菓子もめっちゃ食べるし、ジュースも飲むし…。好きなものばっかり食べてますね。それでも特に太らないのは、やるべきこと(運動)をちゃんとやっているからっていうのがあると思います。Q. 俳優としても活躍を続ける今、グループに対して感じることは?お芝居の共演者の方と話していると、役者業一本でされている方たちは「どんなに現場で仲が良くなっても、作品が終わるとそれぞれがまた新しい現場に向かっていく。プライベートで関係を続けていく人もいるけれど、“自分の家”みたいな感覚を持つことはないんだよね」ってみなさん言うんです。でも僕の場合、作品が終わった時に必ず帰る場所がある。それがFANTASTICSなんです。戻ってくるたびに“あったかい場所だな”って改めて感じますし、そういう存在がいてくれることがすごくありがたいですね。Q. 人との出会いで大切にしていることは?人と出会った時は、相手のことをしっかりと見て“どういう自分でいたら、この人と繋がりを持てるだろうか”って考えます。といっても、キャラを変えたり偽ったりするわけじゃないですよ。相手に少しでも心を開いてもらうことを優先したいから、自分らしさはあとからちょっとずつ出していけばいいかなって。最近はたくさんの出会いに恵まれて年上の兄貴や可愛い後輩たちが増えましたが、振り返ると誰かと出会ったことで悪い意味で変わったことってひとつもないんです。自分にとって、全ての出会いがすごくプラスになっているなって感じます。やぎ・ゆうせい1997年5月6日生まれ、東京都出身。FANTASTICSのボーカル活動に加え、俳優としても活躍。ドラマ『婚活1000本ノック』(フジテレビ系 毎週水曜22:00~)に出演中。ジャケット¥148,500(エー レザー/エー ブティック TEL:070・3223・7530)イヤーカフ¥13,200(プリュイ/プリュイ トウキョウ TEL:03・6450・5777)ネックレス(上)¥38,500(スキャットscat.official.info@gmail.com)ネックレス、中¥12,100下¥23,100(共にミクシマイ)リング¥19,800(ユルイエ) 以上ショールーム シャルメール TEL:03・6384・5182その他はスタイリスト私物※『anan』2024年1月31日号より。写真・森山将人(TRIVAL)スタイリスト・藤長祥平ヘア&メイク・大貫希代美取材、文・真島絵麻里(by anan編集部)
2024年01月31日東京・六本木にある森アーツセンターギャラリーで、「キース・ヘリング展アートをストリートへ」がはじまりました。東京展のスペシャルサポーターと音声ガイドナビゲーターを務めるのは、俳優の磯村勇斗さん。昔からへリングが大好きだったという磯村さんに、展覧会のご感想やアートについて、お聞きしてきました!磯村勇斗さんがスペシャルサポーター!磯村勇斗さん。キース・ヘリング作《ブループリント・ドローイング》の展示室にて【女子的アートナビ】vol. 320本展は、世界的アーティスト、キース・ヘリング(1958-1990)のアートを体感できる大規模な回顧展です。キース・へリングは、アメリカ・ペンシルベニア州生まれ。1978年にニューヨークのスクール・オブ・ビジュアル・アーツに入学し、1980年代初頭にニューヨークの地下鉄駅構内にある広告板にグラフィティ・アートを描きはじめ、注目を集めます。やがて次々と展覧会が開かれて国際的にも評価が高まり、日本でも展覧会やワークショップを開催。精力的に制作を続けますが、1988年にエイズと診断されます。その後はエイズ予防のメッセージをアートで訴えるなど、31歳で亡くなるまで、アートをとおして社会的な活動も行いました。本展では、初期のサブウェイ・ドローイングや、誰もが見たことのある人気のモチーフが登場する《イコンズ》、6メートルもある大型作品など約150点を展示。絵画だけでなくオブジェクトもあり、展示空間もドラマチックに演出されています。そんな楽しい展覧会の東京展スペシャルサポーターと音声ガイドナビゲーターを務めるのは、磯村勇斗さん。内覧会に登壇した磯村さんにインタビューも行い、展覧会やアートのことなど、いろいろお聞きしてきました!ビビッときました!――昔から、キース・へリングが大好きだったとのことですが、どんなきっかけで好きになられたのですか?磯村さん大学で美術を専攻していまして、アメリカのポップカルチャーを勉強していました。アンディ・ウォーホルや草間彌生さんなどのアーティストのなかにキース・へリングもいて、教科書に載っていたキースの絵を見て、ビビッときたんです。この絵好きだ!と思いました。そこから、彼の絵をどんどん見るようになりました。――どんなところにビビッときたのですか?磯村さん学生時代のことで、作品名をしっかり覚えてはいないのですが、人の集合体のような作品で、人がシンプルに描かれているだけで、絵は止まっているはずなのに、なんで人が動いて見えるのだろう?と思いました。線の効果や、人のちょっとした動き具合だと思うのですが、止まっている絵をこんなにも楽しく見せることができるのだな、と衝撃を受けました。――そんな大好きなアーティストの展覧会でスペシャルサポーターに選ばれて、いかがですか。磯村さん率直にうれしかったです。今まで取材などでキース・へリングが好きですという話をしていたのですが、それが今回このような形でオファーをいただけて、すごくうれしく思いました。はじめての展覧会スペシャルサポーターがキース・へリングなんて、光栄でありがたいです。好きな気持ちを乗せて…――今回、音声ガイドナビゲーターも担当されています。収録はいかがでしたか。磯村さん緊張しました。キース・へリング自身、自分の作品についてあまり説明していなくて、彼が当時どのような思いで生きていたのか明かされていないまま今に至ります。音声ガイドでは、そんな彼の言葉や思いをセリフのように自分が語る部分があります。自分の気持ちをどのくらい入れたらいいのだろうと悩みながら収録しました。特に、セリフの部分をキースに寄せるのか、自分自身の言葉でやるかを悩みましたが、そこはキースを好きな気持ちを乗せながら、自分らしくやりました。――音声ガイドで、印象に残っているストーリーなどはありますか?磯村さんキースの言葉で、「鑑賞者もアーティスト」というのがあり、それが僕たちの仕事も同じだと思いました。映画は映像として完成した時点では90パーセントで、劇場で公開して、お客さまに見ていただき、ようやく100パーセントになると思っています。それと一緒だなと思いましたし、キースの感覚と近いものを感じられました。すべて自分たちで解決して満足するのではなく、余白を残して、しっかり鑑賞者であるお客さまにゆだねるという心が大事だなと思いました。――今回の展示で、特にお気に入りの作品はありますか?磯村さん本当に絞るのが難しいのですが、特によかったのは《ブループリント・ドローイング》の作品群です。暗い展示室の中にモノクロ版画の作品が並んでいるのですが、展示空間づくりも含めてお気に入りです。キースが死の宣告を受けたあと、彼が今までやってきたアート人生を振り返りながら制作したもので、悲しい部分を感じつつも、パワフルで、皮肉な部分もあります。それらを暗く描くのではなく、明るく描いているのがすごく僕の中でしびれました。ぜひ注目していただきたいポイントです。友だちになれそう(笑)――本展では、キース・ヘリングの生涯についても詳しく触れられています。この点について、どう思われましたか。磯村さんキースはパートナーを亡くし、自分がエイズであることも知り、死を感じながら創作活動をしていました。死を知りながら、何かものづくりをするというのは、どんな気持ちだったのだろうか、とすごく考えます。当時描いていた絵を見ると、ものすごくエネルギーがありながらも、どこか寂しさもある。でも、それを悲しく描くのではなく、最後まで色を使って明るく描いて、明るく生きていこうとしていたのではないかと僕は感じました。鑑賞者の立場になり、アートはみんなのため、という想いを最後まで心の中に秘めながら描いたのではないかと思いました。――キースのアーティストとしての活動期間は約10年間でした。磯村さんもデビューして約10年ですが、今回彼の作品を観られて、改めてどう感じられましたか。磯村さん10年という短いなかで絵を描き、それが今の世界でみんなに知られている。彼がもし今生きていたら、どんなふうに作品を作って世の中にメッセージを届けていたのか気になります。キースの作品にはセクシャルな部分など社会的なメッセージもあり、現代でも通用するものです。彼の生きてきた時代と今は全然変わっていないし、彼の絵が僕らにも刺さるということは、今もその問題に向き合わなければならないことだと僕たちに教えてくれます。彼は20代で、すでにいろいろな問題が見えていた。それは、考えられないくらいすごいことだと思います。――磯村さんにとって、キースはどんな存在ですか?あこがれの人でしょうか。あるいは、友だちになりたい人ですか?磯村さん友だちになれそうな感じがします(笑)親しみやすい方なのではないかな、と思います。キースは、小さいころから絵を描くことが大好きで、親にやめなさいと言われても描き続け、どんどん手が止まらず描いてきた人だった。自分も、役者をやりたいといって、反対されながらもずっと口にしてやり続けてきたので、その辺のマインドみたいなものはすごく共感できます。もし今の時代にキースが生きていたら、こういう話をして「わかる、わかる!」と言い合いたいですね(笑)。いい友だちになれそうな気がします。――キースなどのアートを見ることは、役作りに何か影響していますか?磯村さん俳優業にどうつながっているかはわかりませんが、やはり絵は自分の世界を広げてくれるものでもあり、想像力を掻き立てられて豊かにしてくれるものです。役者も想像力が豊かでないとできないので、それを養う力がアートにはあると思います。グッズも持っています!――ちなみに、キースのグッズもお持ちですか?磯村さんグッズはいろいろ持っていて、ステッカーやファイル、ポーチ、Tシャツ、ジャケット、「光りを放つ赤ちゃん」と「吠える犬」のオブジェクトもあり、全部で十数点は持っています。――お部屋に飾って楽しんでいるのですか?磯村さん赤ちゃんと犬のオブジェクトは自分のなかのお気に入りで、それは部屋の観葉植物の下に置いています。配置を工夫して、気分によって犬に追われている赤ちゃんにしたり、赤ちゃんが追う犬にしたりしてシーンをつくり、寂しい遊びをしています(笑)。観葉植物はヤシ科の大きな葉があるもので、その下に置いているのですが、意外にかわいくて合います。――アートがお好きなんですね。磯村さん小さいころからアートは好きで、家族で旅行に行ったりするときは、必ず美術館に寄るくらいでしたので、その影響で自分も絵が好きになっていました。美術館で絵を見るのも好きですけど、その空間も好きなんです。部屋にアートを飾ると、その好きな空間を家の中で味わえて、自分のプライベートの時間が充実するし、落ち着きます。――最後に、展覧会を楽しみにしている方にメッセージをお願いします。磯村さんキース・へリングの作品は、今の若い人たちも見たことがある人がほとんどだと思います。でも、キースがどんな人なのかを知っている人は少ないと思います。今回の展覧会では、彼がどういう人でどんな人生を歩んできたのか、みなさんが見たことがある絵の背景にはどういった思いがあるのか、といったことを知ることができるチャンスだと思います。ここまでキース・へリングの裏側を解説していく展覧会はなかったと思うので、ぜひ、みなさんに来ていただけるとうれしいです。――ありがとうございました!取材を終えて…キース・ヘリングのTシャツがお似合いだった磯村さん。ご自身でも絵を描いているそうで、アートにも大変詳しく、楽しいお話を聴かせてくださいました。取材後、会場で音声ガイドを聴きながら作品を観たのですが、キースの人生や彼の言葉が紹介され、まるでドキュメンタリー映画を見ているような感覚で作品を鑑賞できました。特に、エイズと診断されたあとのキースの想いや、死について語る部分では涙腺が崩壊。彼の作品と磯村さんの声が重なり、すばらしい鑑賞体験ができました。ぜひ音声ガイドを聴きながら、キースの作品をご覧になってみてください。All Keith Haring Artwork ©Keith Haring FoundationInformation会期:~ 2024年2月25日(日)会場:森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)時間:10:00~19:00※金曜日・土曜日は20:00まで※年末年始(12月31日~1月3日)は11:00~18:00※入場は閉館の30分前まで休館日:会期中無休観覧料:一般・大学生・専門学校生¥2,200中高生¥1,700小学生¥700※事前予約制(日時指定券)音声ガイド貸出価格:¥650(税込)※お一人様一台につき撮影:山本倫子
2023年12月23日西島秀俊と内野聖陽がカップルを演じる「きのう何食べた? season2」の11話が12月15日に放送。航がテニスを嫌がる理由に、「可愛すぎる」や「名言出ました」などの声が上がっている。よしながふみの同名漫画が原作の本作は、史朗と賢二カップルのささやかな日常を描いた物語。弁護士の史朗を西島秀俊、史朗と同棲中で店長になった美容師・賢二を内野聖陽、史朗たちの友人・航を磯村勇斗、小日向を山本耕史、史朗の分けっこ仲間・佳代子を田中美佐子、佳代子の夫・富永さんを矢柴俊博が演じている。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。史朗(西島秀俊)と航(磯村勇斗)は、小日向(山本耕史)や富永さん(矢柴俊博)が所属するテニスサークルの試合を観戦していた。本当は試合後、賢二(内野聖陽)も合流して富永家で食事会をする予定だったが、富永さんがギックリ腰を患い食事会は中止に。楽しみにしていた航は拗ねてしまうが、その後、代理でコートに立つことになりミラクルを起こす。試合後、小日向と航が史朗の家に来ることになり、賢二も早上がりして帰宅。「リコッタチーズのパンケーキが食べたい」という航の要望で、パンケーキパーティーをすることに。ハニーコームバター、フルーツ、生クリームにチョコレートソース。賢二と航のわがままにも応えつつ完成した、史朗と小日向お手製のふわふわパンケーキを見たふたりは大はしゃぎ。そしてとある日の夕方。スーパーアキヨシで、佳代子(田中美佐子)は長らく会いたかった賢二を見つけるも、声を掛けられず、逃げるように去ってしまい――というのが11話の展開。ずっと会いたかった賢二を見つけたものの、話しかけられなかった佳代子は、改めて史朗と賢二を夕食に誘う。感激する佳代子と冨永さんだが、賢二はそこで史朗が普段ふたりに自分のことをたくさん話していることを知る。そして佳代子は賢二に「あたし、幸せもお裾分けしてもらってるって感じかなー」と言うのだった。史朗が賢二のことを愛情いっぱいに話している姿にSNSでは「ねぇ、泣いちゃうよ、シロさんのエピソードも、それを聞かされてるケンジも」や「無意識にケンジへの想いが口に出ちゃってるシロさんかわいい。好きな人には美味しいものたくさん食べて欲しいもんね~」、「ほんとシロさん、いつもケンジを思って料理してるんだよね。表に出さない優しさが沁みる…」などの声が。また、物語の序盤で小日向のプレーを見ていた航は、史朗に「なんでラブが0なの?」と不満そう。テニスで0点のことをラブと呼ぶことが気に入らない様子だった。そしてその後、史朗と賢二だけで富永家を訪問したことを知った航は、小日向に駄々をこねる。その中で出た「ラブが0とか悲しいからイヤ」という発言に、「名言でました」や「ラブがゼロなの悲しいからイヤって思う航くん可愛い。それを無償の愛に例える小日向さんと結局ワケ分からん「航ラブ」になるのホント最高」、「ラブが0とか悲しいから嫌!は名言だし、可愛すぎるだろジルベール……そういうとこだぞ」などの声が上がっている。【最終話あらすじ】母・久栄(梶芽衣子)と父・悟朗(田山涼成)に付き添って八王子の老人ホームの見学に行ってきた史朗(西島秀俊)。両親は、この施設を気に入った様子だが、史朗は都心に近いところを勧める。そして、高い費用を懸念するふたりに「貯金が底をついたら自分が出す」と言うが、ふたりは「10~20年先は史朗が老人ホームを考える歳」「“老いじたく”をそろそろ本気で考えなきゃダメ」と一蹴。史朗は、自分の老後もそう遠くないことに気づかされる。現実を突きつけられつつ帰宅した史朗は、誕生日が迫った賢二(内野聖陽)にプレゼントの希望を尋ねる。ところが「欲しいものは特にない」との返事。さらに渡しそびれた史朗への誕生日プレゼントも考えているという。そして「プレゼントしあいっこしたい!」「シロさんが選んでくれるものならなんでもいい!」と押し切られてしまい、プレゼント選びで悩むことに。そんなある日、帰宅した史朗は慌てる賢二を目撃。実は賢二は史朗へのプレゼントとのお揃いを自分にも買っており、嬉しくてつい開封してしまっていた。それを見た史朗は、“お揃い”にまつわるふたりのやりとりを思い出し――。「きのう何食べた? season2」は毎週金曜23時12分~テレビ東京系にて放送中。(シネマカフェ編集部)
2023年12月16日女優の松岡茉優、山田杏奈、俳優の磯村勇斗、映画監督の是枝裕和、歌手のアイナ・ジ・エンドが11日、都内で行われた「ELLE CINEMA AWARDS 2023」に出席した。ファッション誌『ELLE(エル)』(ハースト婦人画報社)が、独自の視点でその年のナンバーワンの映画を選ぶ「ELLE CINEMA AWARDS」。9回目を迎えた今年は、「エル ベストアクトレス賞」に松岡茉優、「エル メン賞」に磯村勇斗、「エル・ガール ライジングスター賞」に山田杏奈、「エル ベストディレクター賞」に『怪物』の是枝裕和監督、「FENDI賞」に『キリエのうた』のアイナ・ジ・エンドがそれぞれ選ばれた。対象作品となった『愛にイナズマ』で「エル ベストアクトレス賞」に輝いた松岡は「とてもうれしいです。やはり俳優というのはこういう場所で評価していただいた時に誰かに届いたんだなと思えるので」と受賞を喜び、受賞作となった『愛にイナズマ』について「イチ観客としては1人じゃないんだと感じた作品で、私だけでなく他にもそういう思いを抱えた人がいるんだなと。反逆するファミリーのラブコメですが、もしまだ見ていない方がいらしたら是非見ていただきたいと思います」とアピールした。本作では佐藤浩市や若葉竜也、池松壮亮らと家族を演じ、「家族を演じるのは私にとって俳優のお仕事でも特別なこと。心の中で尾を引いてしまうような愛情が生まれます」と未だに影響があるという。また、今年を漢字一文字で「愛」と表し、「『愛のイナズマ』も愛がテーマ。愛を持ってすれば苦手だとする人も愛がある人だと思えば争いは起こらないと思うので信じたいです」とその理由を説明した。続けて、来年の抱負について「(作品を)何本やったということではなく、現場現場によって出会う人、チームの中で旗を振る人が現場によって違うことが近年私の楽しみになっています。来年出会えるチームがあったら、そこでの生活を存分に楽しみたいと思っています」と新たな出会いに期待を寄せた。宮沢りえ主演の『月』で「エル メン賞」に選ばれた磯村は、『月』以外にも『正欲』での演技も高く評価された。「ともに社会的なテーマのある作品なので、このような賞をいただけて報われたような気持ちです」と喜びもひとしおで、「今年はたくさんの映画に出演させてもらい、非常に映画の年だったと思います。『月』と『正欲』は僕の俳優人生にとってターニングポイントになる作品。今年は俳優人生の中でも節目だと思います」と今年は充実した年だったという。来る2024年は「また新たな種まきから始め、新たな俳優人生を歩んでいきたいと思います」とさらなる活躍に意欲を見せた。新世代を牽引する映画人に贈る「エル・ガール ライジングスター賞」には、『山女』に出演した山田杏奈が受賞。「『山女』を評価していただき、2度うれしいというか、すごく有り難いと思った1年でした」と笑顔を見せ、「撮影したのは2年ほど前だったんですが、当時は本当にリアルに山の中にずっといたりして私が演じた凛の人生を役とともに生き抜きました」とやりきった様子。また、今年を漢字一文字で「ご縁の"縁"。色んな人とのつながりを大事にして暮らしていきたいと思った1年だったので」と振り返り、来年の抱負は「一つ一つの仕事に真摯に向き合って一つ一つの役を生き抜いていきたいと思います。周りの人への感謝も忘れない1年にしたいですね」と目を輝かせていた。なお、作品賞は、文化人やジャーナリスト、エル・ディレクターなどの投票によって2023年に公開された映画の中からベスト映画を決定する「ELLE CINEMA AWARDS」の第1位にグレタ・ガーウィグ監督の『バービー』、今年新設された特別賞の「ELLE ACTIVE!賞」にヴィム・ヴェンダース監督作品で役所広司主演の『PERFECT DAYS』が選ばれた。
2023年12月12日望海風斗のドラマティックコンサートツアー『Hello,』のゲストが発表された。本ツアーは、昨年開催の『Look at Me』に続く第2弾として、2024年3月から4月にかけて東京・福岡・愛知・大阪で開催される。このたびゲストとして、2024年3月24日(日) の東京公演には、2024年1月15日(月) に開幕するミュージカル『イザボー』で初共演を果たす上原理生、2024年4月25日(木) の大阪公演には、宝塚歌劇団在団中に切磋琢磨し、公私ともに望海と交流の深い朝夏まなとが出演することが決定した。<公演情報>望海風斗ドラマティックコンサート『Hello,』演出・振付:桜木涼介音楽監督:武部聡志プロデューサー:渡辺ミキ【出演】望海風斗井上望、碓井菜央、加賀谷真聡、神谷直樹、齋藤 駿、仙名立宗、中道杏菜、半山ゆきの※五十音順【ゲスト】東京公演3月24日(日) 12:00公演/17:00公演:上原理生大阪公演4月25日(木) 13:00公演/18:00公演:朝夏まなと【東京公演】2024年3月20日(水)〜3月25日(月)会場:東京・日本青年館ホール【福岡公演】2024年3月30日(土)・31日(日)会場:福岡・キャナルシティ劇場【愛知公演】2024年4月20日(土)・21日(日)会場:愛知・東海市芸術劇場大ホール【大阪公演】2024年4月24日(水)~28日(日)会場:大阪・SkyシアターMBS公式サイト:
2023年12月08日朝井リョウによるベストセラー小説を映画化した『正欲』よりメイキング映像と写真が解禁された。11月10日より絶賛公開中の本作を早くも鑑賞した観客からは、「今年観た邦画の中でも屈指の傑作」「思いが溢れて涙が止まらなかった。キャストの皆さん、本当に素晴らしかったです」「苦悩する人物を演じ切った俳優陣が素晴らしく、繋がりの尊さと多数派の視野の狭さを問う秀作だった」「顕在化した深層が溢れ出て、本当に観る前の自分に戻れない」など、SNSを中心に絶賛の声が相次いでいる。そんな本作よりこの度、豪華キャスト陣が登場する貴重な撮影メイキング画像と映像が到着。メイキング映像では、検察官の啓喜役の稲垣吾郎や、秘密を共有し合う夏月と佳道を演じた新垣結衣と磯村勇斗が、それぞれ岸監督に演出を受ける様子が映し出されている。風船の膨らませ方について細やかな仕草を提案する稲垣さんや、セリフの言い方についてニュアンスをすり合わせていく磯村さんなど、現場で岸監督とディスカッションを重ねながら撮影している様子が収められている。本作でメガホンを取った岸監督も「この作品ではみなさんとじっくり話しながら作っていくことができ、とても充実した作品になったと思います」とコメントしており、本作がキャスト陣との入念な話し合いが非常に重要だったことを明かしている。そして、劇中でも印象的な、着衣のままプールに浮かぶ夏月のシーンの裏側では、スタッフたちに囲まれながら撮影に挑む新垣さんの姿が。ほかにも、笑顔が飛び交う撮影の合間の様子も収録。まるで夏月と佳道のように穏やかに談笑する新垣さんと磯村さんや、大学のシーンで共演した佐藤寛太、東野絢香、坂東希と岸監督が、劇中のシリアスな役柄とは打って変わって楽しそうに写真撮影に望む姿は、本編を観た後だとさらに味わい深いものになるはず。そしてメイキング映像の最後には、主演を務めた稲垣さんのクランクアップ時の挨拶の様子が映し出される。岸監督を始めとするスタッフや共演者たちの姿から「この作品にかける情熱と思いがすごく伝わってきた」と語る稲垣さんは、「みなさんが妥協することなくワンカットずつ丁寧に粛々とものづくりをされている姿に、やっぱり映画の現場っていいなと思いました。こういうところでお仕事ができるというのは、俳優として本当に幸せなことだと思っています」とコメント。花束を抱えながら笑顔で語る姿からも、本作の撮影が充実したものであったことが伝わってくる。『正欲』は全国にて公開中。(シネマカフェ編集部)■関連作品:正欲 2023年11月10日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開ⓒ 2021 朝井リョウ/新潮社ⓒ 2023「正欲」製作委員会
2023年11月18日西島秀俊と内野聖陽がカップルを演じる「きのう何食べた? season2」の7話が11月17日に放送。史朗の50歳を祝う航(ジルベール)からのサプライズに「流石ジルベール」や「ジルベール性格悪くて最高w」など喜びの声が上がっている。よしながふみの同名漫画が原作の本作は、史朗と賢二カップルのささやかな日常を描いた物語。弁護士の史朗を西島秀俊、史朗と同棲中の美容師・賢二を内野聖陽、史朗の同僚・志乃を中村ゆりか、史朗の事務所のボス・美江を高泉淳子、史朗たちの友人カップルの航を磯村勇斗、航の恋人・小日向を山本耕史が演じている。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。仕事中の史朗(西島秀俊)の様子を見ていた小山志乃(中村ゆりか)は、ずっと贈りたいと思っていたと老眼鏡を渡すが、史朗は頑なに受け取ろうとしない。しかし「素直にお認めなさい」と上町美江(高泉淳子)に一蹴され、仕方なく掛けてみることに。そして想像以上の効果を感じた史朗は、その日の夜、賢二(内野聖陽)から誕生日プレゼントの希望を聞かれ、「老眼鏡」と即答するのだった。そんな折、史朗のもとに、大学の同級生・金森が亡くなったとの知らせが入る。誕生日当日が告別式のため、お祝いは見送ることにした史朗。式には金森の子供3人もおり、すでに全員20代でさらには孫の姿も。参列した同級生たちも自分の子供の結婚話を口にして、史朗は思わず無言になる。金森の妻・諒子(相築あきこ)の話では、金森の闘病生活は3年に及んだという。本人が誰にも知らせないで欲しいと懇願したといい、悪化した最後の2か月までは元気だったようだ。旅行に行ったりもし、心の整理は出来ていたとはいうものの、諒子の表情はやはり寂しそう。そんな話を聞いた史朗は、帰宅後、賢二にある提案をし――というのが7話の展開。以前、賢二からもう誕生日は祝わなくて良いと言われていた史朗は、ふたりの誕生日を一緒に祝う合同誕生日会をしようと提案。「お前の誕生会も一緒にやりたい。それが俺の望みだ」「己のパートナーが大きな病気や怪我もなく無事ひとつ歳をとったんだよ。めでたい以外の何がある」と言う史朗の言葉に、SNSでは「2人分の誕生日を一緒に。大きな病気や怪我せずに年重ねられるってありがたいよなと、しみじみ」や「誕生日って生まれてきたことの祝いじゃなくて、また1年生き延びたってことの祝いね。それなら納得するかも。なんで生まれてきたんだって思ってる勢からすると自分の誕生日も「よくやったな自分!」って盛大に祝えるかもな」など共感の声が。また、誕生会の最後に航たちからサプライズのプレゼントが届くが、それは「50」という史朗の年齢がわかる大きなバルーンが刺さった花束だった。実は賢二は史朗の言葉が嬉しく、航に自慢。その時に史朗の年齢も伝えてしまっていた。航の悪意のこもったサプライズに「ジルベール性格悪くて最高w」、「少ししか出てないけど、流石ジルベール、存在感凄い。シロさんの事は、胃袋つかまれちゃったし、本当は大好きだけど、ちょっかい出したいんだろうな。それがジルベールなりの愛情表現という事で、そんなジルベールとシロさんのやり取りも、見ものなのよね~」などの声が上がっている。【第8話あらすじ】娘の大学の入学式に出席したという三宅祐(マキタスポーツ)と玲子(奥貫薫)が、夫婦揃って盛装で美容院に現れる。しかも、ひと段落着いたのを機に仲良く2人でベトナム旅行に行くらしい。離婚間近と思っていた賢二たちは関係が修復したと安堵するが、田渕剛(坂東龍汰)だけは「人の気持ちは簡単に修復しない」と否定的。その頃、史朗は離婚の相談を受けていた。依頼者の北林敏子(村岡希美)は、夫・盛綱(桜井聖)から浮気相手と結婚したいと離婚を突きつけられたが、別れたくないという。状況的に慰謝料をもらって離婚したほうがいいと勧める史朗に敏子は「私もそう思う」と意外な反応。実は盛綱は国際ロマンス詐欺にあっており、送金額も半年で1000万円にのぼっていた。そして本人が被害を認めない限り警察に対応してもらえないため、「騙されていることを夫に認めさせて欲しい」という敏子。そこで史朗は盛綱と対面するが、盛綱は浮気相手を盲信しており「彼女の夢の応援をしたい」の一点張り。新たな送金依頼もあったため、史朗は強行手段に出ることにし――。「きのう何食べた? season2」は毎週金曜23時12分~テレビ東京系にて放送中。(シネマカフェ編集部)
2023年11月18日飛ぶ鳥を落とす勢いの若手俳優・磯村勇斗は、ここ数年で人気と実力が一致する稀有な俳優へと進化を遂げた。「きのう何食べた?」シリーズで、かわいさと絶妙な小憎たらしさを兼ね備えたジルベールを好演していたかと思えば、公開中の映画『月』では、心やさしいさとくんが一線を超えていってしまう工程を演じた。そのふり幅、作品によって使い分ける顔の違い、実力は推して知るべしと言える。最新出演映画『正欲』では、磯村さんは佐々木佳道を演じた。佳道は、両親の事故死をきっかけに、横浜から中学3年まで暮らしていた広島に戻ってきた男。新垣結衣演じる桐生夏月の中学時代の同級生で、夏月とは誰にも言えない秘密を共有している。なかなか人に理解されない、言えない指向を持ちながらも何とか大多数に混じろうと生きてきた佳道の葛藤、変化していくグラデーションの体現はさすがの一言に尽きる。(c) 2021 朝井リョウ/新潮社(c) 2023「正欲」製作委員会インタビューでは、悩みながらもまっとうした佳道という役についての解説と、自らを「ハングリーマン」と言い切る、お茶目な表現で俳優という職業への入れ込みまで語ってくれた。演じた役は「すごく理解と共感ができた」――『正欲』で演じられた佐々木佳道は、いわゆるマイノリティに属する人間として描かれていました。どう読み解き、演じていったんでしょうか?佳道の性的指向の部分に関しての理解が、やはり一番難しいところでした。岸監督、プロデューサーと「どういう感覚に近いんだろう?」と、ああでもない・こうでもないと話し合いました。結果、佳道が持っている指向に関して「コレ」というものは見つからなかったけれど、人には隠しているマイノリティというところに、僕はすごく理解と共感ができたんです。なので、その感覚を大事にしたほうがいいんじゃないかと、最初に佳道を作っていった…近づけていったような感じでした。――生きづらさを抱えながらも、マジョリティに寄っていこうとしていた佳道ですが、夏月と再会し彼女と対話を重ねることで移り変わっていきますよね。佳道は最初、生きる上でカメレオンのように周りに溶け込んで生活をしなければならないみたいなことを考えたと思うんです。(大多数に)染まらなければいけないというのは、おそらくマジョリティの圧だとは思うんですけれど。世間の目みたいな部分で、彼なりになるべく馴染もうと、頑張ろうとしていたと思うんですね。でもそれはやっぱり自分を苦しめてるだけであり、自分らしさはなくなってしまうので、葛藤はすごくあったと思います。その狭間でかなり闘っているんだろうし、そこで生きている人だな、というのは感じていました。新垣結衣、稲垣吾郎との共演――夏月を演じられた新垣さんと磯村さんの空気感が、すごくぴったりでした。初共演ですよね?はい、そうです。新垣さんは僕がデビューする前からテレビでずっと見てきた方なので、最初はちょっと幻かな?と思いました。僕たちはガッキー世代なので(笑)!そういう方と対面してお芝居する不思議さは、どことなくありましたね。新垣さんご本人は、ものすごく柔らかい空気感をお持ちの方なんです。誰にでも優しいですし、おそらく感受性がとても豊かな方なんだろうなと、お芝居を一緒にやっていてすごく感じました。特に受けのお芝居が魅力的だなと思っていました。(c) 2021 朝井リョウ/新潮社(c) 2023「正欲」製作委員会――主演の稲垣吾郎さんに関しては、少ないシーンでしたがご一緒していました。いかがでしたか?稲垣さんとの撮影は本当に1日だけだったんです。しかも、かなりヘビーなシーンでご一緒したので、挨拶を交わしたくらいでした。そしてお芝居の演出上、(セットの)テーブルを挟んで2人とも無言で座っていて、お互い集中し合っている、みたいな感覚で緊迫していたので「稲垣さんは怖い方なのかもしれない…」という印象だったんです。だけど、撮影が終わって最近取材でご一緒したときに、すごくフランクにお話しさせていただいて「あれ!?全然怖くなかった!」みたいな(笑)。趣味も似ていたのでお話も弾みました、すごく楽しい方という印象に変わりました。また共演できる機会をいただけたら、そのときはもっといろいろお話したいです。「自分は自分でいい」「今の自分自身を認めてあげよう」――夏月と佳道の関係性については、どう解釈していきましたか?佳道にとって、夏月が一番の理解者であり支えてくれる存在なので、やはり逢うべくして出逢ったような運命的な二人だと思いました。再会の仕方も、ちょっと変わった出逢い方をしているじゃないですか。必然性も感じたので、導かれているものを大事にして二人の時間を紡いでいきたいなとやっていました。佳道として演じていて、夏月といる間はやっぱりいい時間が流れていたんですよね。今まで佳道が歩んできた社会の棘のあるような空気とはまったく違って、なんか…まろやかな時間になっているなあと感じました。しかも、恋愛にいくわけでもなく、お互いの指向だけで理解し合えている。その不思議な感じが、居心地が良かったんですよね。そこだけでつながることもできるんだな、という発見もありました。――恋愛ではないが強固な結びつきということですよね。磯村さんご自身も感じるところがあったんでしょうか?そうですね。佳道と夏月の出逢い方は、僕の中でも新しかったんです。その感覚で通じ合えて一緒に過ごすことができるのは、今の時代だからこその形なのかもしれないなあって。ただ、すべては本人次第で他人がああだこうだいうことじゃないな、というのはすごく感じています。ここ数年、作品を通したり、出会った人と話す中で共通して思うのはそこです。すべて本人たちがよければ、それが一番の幸せなんじゃないかと感じています。――磯村さんご自身は『正欲』という映画を、どんな風に受け取りましたか?観終わった感覚で言えば、ものすごく温かい気持ちになったんです。「自分は自分でいいんだな」と思わせてくれたというか、救われるというか。観終わった後にホワーッとする感覚になれる映画でした。人とのつながりの大切さ、今の自分自身を認めてあげようというメッセージを僕は受け取りましね。常にハングリーマンで「貪欲さは大事に」――劇中では、「人生の通知表」という言葉が出てきました。磯村さんが現段階でご自身の人生に通知表をつけるなら、どうなりますか?「5」がマックスだったら、「2」「3」ぐらいじゃないかな?――え!どうしてそんなに低いんですか?だって「5」にしたら面白くないじゃないですか!――なるほど!伸びしろですね。そうです、伸びしろです!やっぱり、「5」にしちゃうと、先がないのでつまらないですよね。登っていくほうが面白いと僕は思うんですよ。なので今は「2」「3」がバーっといろいろある感じかなあと思います。そのほうが自分はまだ挑戦していけますし。…逆に「5」なんて作りたくないって思うんです。それぐらいがちょうど役者は楽しいんじゃないかなあと。ずっとなんかもうひとりの自分を追いかけている、みたいな。その追いかけっこみたいなのが楽しいと思ってます。僕は、ハングリーマンです(笑)。――「5」にならずずっとハングリーでい続けるために、今後の自分に期待したいことは何ですか?例えば、10年後に同じことを聞いていただいたときに「5ですね(きりっ)」とか言わない自分でいたいです。万が一、「5だね」とか言ったら、過去の自分が殴り行きますよ。「お前、そんなことを言うようになったか!!」って(笑)。それぐらいの貪欲さは、何年経ってもずっと取っておきたいというか、大事にしておきたいなとすごく思っています。【磯村勇斗】スタイリング:笠井時夢/メイク:佐藤友勝(text:赤山恭子/photo:You Ishii)■関連作品:正欲 2023年11月10日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開ⓒ 2021 朝井リョウ/新潮社ⓒ 2023「正欲」製作委員会
2023年11月13日映画『正欲』の公開記念舞台あいさつが11日、都内で行われ、稲垣吾郎、新垣結衣、磯村勇斗、佐藤寛太、東野絢香、岸善幸監督が出席した。2009年『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞、2013 年『何者』で直木賞を受賞した朝井リョウが、作家生活10周年で書き上げた原作小説を、『あゝ、荒野』(2017年)、『前科者』(2022年)の岸善幸監督が映画化した本作。息子が不登校になって教育方針を巡り妻と度々衝突している検事の寺井啓喜(稲垣吾郎)、中学の時に転校した佐々木佳道(磯村勇斗)が地元に戻ったことを知る販売員の桐生夏月(新垣結衣)など、家庭環境や性的指向、容姿などが異なる背景を持つ人たちを同じ地平で描写しながら、人が生きていくための推進力になるのは何なのかというテーマを炙り出していく。前日に初日を迎えたこの日は、キャスト陣と岸監督が登壇して舞台あいさつ。本作は先の東京国際映画祭で最優秀監督賞と観客賞を獲得し、冒頭では稲垣から岸監督に花束が手渡された。稲垣は「本当に自分のこと以上にうれしかったんですけど、その知らせを聞いて、一刻も早く監督に『おめでとうございます』と伝えたかったんです」と岸監督を祝福し、新垣も交えてのスリーショットをカメラマンに要望する場面も。続けて稲垣は「今日集まってくださった共演者の皆さんはもちろん、来られなかった皆さんも演技が本当に素晴らしくて、一人ひとり色んなモノを考えて大変なご苦労で臨んだと思います」と共演者の労をねぎらい、「素晴らしい監督を始め製作スタッフに仕上げていただいたので、1人でも多くの方に届けたい気持ちです」と観客にアピールした。稲垣は、息子が不登校になって教育方針を巡り妻と度々衝突する検事の寺井啓喜を演じている。「僕自身の中では新しい挑戦というか、だんだん(啓喜の)心が崩れ、自分の正義とは何なのかと綻び始めます。そういうのをなるべくはっきりとした表現ではなく、静かに緩やかなグラデーションをつけて演じていければと思ってやりました。新しいチャレンジで楽しかったですね」と満足げ。また、新垣に対しては「ガッキーじゃない目の輝きで違った光り方でしたよ」といつもとは異なる新垣の姿が印象に残ったという。一方の新垣は磯村扮する佳道と偽装結婚をして愛情のない共同生活を送る夏月を熱演している。2人の関係性を問われた新垣は「手を取り合ってこの先未来を一緒に乗り越えていくという意味では、何ら変わりないというか偽装ということでもないような気がしたので、2人の形は不自然なことだと思っていませんでした」とコメント。相手役の磯村も「僕も何ら違和感もなく家族とか家庭は色んな形があると思うので、こういう2人の関係性で過ごすというのは今の時代だからあるべきだと思います。実際に暮らしている人もいると思うので、2人の時間が愛おしかったですよ」と新垣の意見に同意していた。
2023年11月11日西島秀俊と内野聖陽がカップルを演じる「きのう何食べた? season2」の6話が11月10日に放送。航と小日向カップルが再登場し、お正月を4人で楽しく過ごす姿に「やっぱりいいなぁ」や「こんな仲間がいるっていいな」などの声が上がっている。よしながふみの同名漫画が原作の本作は、史朗と賢二カップルのささやかな日常を描いた物語。弁護士の史朗を西島秀俊、史朗と同棲中の美容師・賢二を内野聖陽、史朗たちの友人カップルの航(ジルベール)を磯村勇斗、小日向を山本耕史が演じている。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。12月30日の昼。ひとり大掃除をしていた賢二(内野聖陽)は、仕事から帰宅した史朗(西島秀俊)に、航(磯村勇斗)から初詣の誘いがあったことを報告。「初詣=親と昼間に行くもの」だった史朗は、大晦日の夜に集まると知って驚く。史朗は寒い夜に人混みの中で徹夜するのはイヤだと拒否するが、珍しく語気強めに反論する賢二を見て相当行きたいのだと悟り、初詣の誘いを受け入れる。そして大晦日の夜。集合した4人は、無事一緒に新年を迎える。だがお参りを終えた後、テンション高めの賢二に対し、3人は早くも帰るムード。オールで夜遊びを満喫したい賢二の意見は却下され、結局一旦解散し昼から小日向(山本耕史)と航の家でパーティーをすることになる。ふたりの家に着くと、老舗料亭のお取り寄せおせちがずらり。伊勢えび・アワビ・ローストビーフが並ぶ姿に、不服そうだった賢二も目を輝かせる。一方手作りの黒豆と豚の角煮を用意していた史朗は、キッチンを借りて最後の仕上げをする。そんな正月ならではのごちそうをほおばりながら、話題はやがて家族の話に。「兄弟が結婚して孫がいるから気がラク」という会話に、ひとり息子の史朗は複雑な表情を浮かべて――というのが6話の展開。年末年始に皆が実家に帰らないことを知った航は、「そうだ、これから毎年、このお正月パーティー恒例にしない?」と提案する。航の毒舌にもすっかり慣れ、彼の本心を掴めるようになった史朗たち。うまくバランスのとれた楽しい時間を過ごす4人に、SNSでは「4人…やっぱりいいなぁ。幸せが続きますように」や「こんな仲間がいるっていいな」、「正月に集まれる仲間がいるって羨ましいなぁ」などの声が。その後、自分の大家さんの依頼で、賃貸の未払い問題を担当していた史朗は、賢二が恋人かと聞かれ「私の恋人です」と答える。そんな史朗の姿に「どうどうとけんじを恋人と紹介するシロさん、素敵すぎた」や「前のシロさんだったら、ケンジさんとの仲を恋人って言えなかったよなぁ」など史朗の変化を感じる声が上がっている。一方で、パートナーシップ制度はあるものの、日本ではまだ同性での結婚ができない現状に、「「結婚したい人はいるよ」「恋人です」の切ない響きよ」や「パートナーシップ条例「結婚できるわけじゃないから」…胸にずんときた…」などの声も多く上がっている。【第7話あらすじ】仕事中の史朗の様子を見ていた小山志乃(中村ゆりか)は、ずっと贈りたいと思っていたというものをデスクに置く。それは100円ショップの老眼鏡だった。明らかに老眼の仕草をしていた史朗。しかし史朗は、それが何か察しつつも認めたくないのか頑なに見ようとも受け取ろうともしない。だが「素直にお認めなさい」と上町美江(高泉淳子)に一蹴され、仕方なく掛けてみると認めざるを得ないほど視界が開ける。そしてその日の夜、賢二から誕生日プレゼントの希望を聞かれた史朗は、「老眼鏡」と即答するのだった。そんな折、史朗のもとに、大学の同級生・金森が亡くなったとの知らせが入る。誕生日当日が告別式のため、お祝いは見送ることにした史朗。式では金森の子供3人と挨拶するが、すでに全員20代後半で孫の姿も。参列した同級生たちも自分の子供の結婚話を口にして、史朗は思わず無言になる。妻・諒子(相築あきこ)の話では、金森の闘病生活は3年に及んだという。本人が誰にも知らせないで欲しいと懇願したといい、悪化した最後の2か月までは元気だったようだ。その2か月で心の整理は出来たとはいうものの、諒子の表情はやはり寂しそう。そんな話を聞いた史朗は、帰宅後、賢二にある提案をし――。「きのう何食べた? season2」は毎週金曜23時12分~テレビ東京系にて放送中。(シネマカフェ編集部)
2023年11月11日稲垣吾郎、新垣結衣、磯村勇斗らが出演する朝井リョウ原作映画『正欲』が、11月10日(金)本日公開。この度、新垣さんと磯村さんが共演する、劇中の印象的なワンシーンが到着した。家庭環境、性的指向、容姿――様々に異なる背景を持つ人たちを同じ地平で描写しながら、人が生きていくための推進力になるのは何なのかというテーマを炙り出していく衝撃的な物語を映画化。今回公開されたのは、夏月(新垣さん)と佳道(磯村さん)、同級生のある会話シーン。大人になってから思わぬ形で再会し、やがて互いに“ある秘密”を抱えていることを共有する仲になるふたり。公開中の予告編で、「自分がどういう人間か、人に説明できなくて息ができなくなったことってありますか?」(夏月)、「誰にもバレないように、無事に死ぬために生きてるって感じ」(佳道)と語るように、ある秘密のためにどこか生きづらさを感じている。そこで佳道は、「これで擬態できないかな、世間並みに」と夏月に指輪を差し出し、「この世界で生きていくために、手を組みませんか?」と提案し、夏月も笑顔で応える。今回の出演について磯村さんは、「非常に難しい役と出会ったという印象でした。岸監督やプロデューサーと何度も話し合ったぐらい、掴むのが難しかった。でもこの作品が届けたいメッセージは非常に今の時代に合っているし、何か救いになるのではないかと思いました」と苦労を明かす。新垣さんは「夏月ひとりの場面の撮影はずっと重くて、苦しいなという感覚でした」と語るも、「磯村さんがクランクインされて、佳道とふたりの場面になったら本当にホッとしたんです。夏月たちも実際にこういう気持だったのかもしれないなって、そのときにすごくリアルに感じました」と磯村さんとの充実した撮影をふり返っている。『正欲』は全国にて公開中。(シネマカフェ編集部)■関連作品:正欲 2023年11月10日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開ⓒ 2021 朝井リョウ/新潮社ⓒ 2023「正欲」製作委員会
2023年11月10日本日11月10日(金) より公開された映画『正欲』より、新垣結衣と磯村勇斗の共演シーンが公開された。本作は、第34回柴田錬三郎賞を受賞した朝井リョウによる同名小説の映画化作品。家庭環境、性的指向、容姿など“選べない”背景を持つ人たちを同じ地平で描写しながら、人が生きていくための推進力になるのは何かというテーマを炙り出す。キャストに稲垣吾郎、新垣結衣、磯村勇斗、佐藤寛太、東野絢香らが集結し、『あゝ、荒野』(2017)、『前科者』(2022) などを手掛けた岸善幸監督がメガホンを取った。公開されたのは、新垣演じる夏月と磯村演じる佳道のある会話シーン。中学時代の同級生だったふたりは大人になってから思わぬ形で再会し、やがて互いに“ある秘密”を抱えていることを共有する仲になる。“ある秘密”のためにどこか生きづらさを感じているふたり。そこで佳道は、「これで擬態できないかな、世間並みに」と語りながら夏月に指輪を差し出し、「この世界で生きていくために、手を組みませんか?」と“提案”を持ちかけ、夏月も「いいね、それ」と笑顔で答えるのだった。この先、夏月と佳道を待ち受けるものとは──?本編が待ち遠しくなる映像となっている。磯村は今回の出演について、「非常に難しい役と出会ったという印象でした。岸監督やプロデューサーと何度も話し合ったぐらい、掴むのが難しかった。でもこの作品が届けたいメッセージは非常に今の時代に合っているし、何か救いになるのではないかと思いました」と役作りにおける苦労を語った。一方新垣は、「夏月ひとりの場面の撮影はずっと重くて、苦しいなという感覚でした」と語るも、「磯村さんがクランクインされて、佳道とふたりの場面になったら本当にホッとしたんです。夏月たちも実際にこういう気持だったのかもしれないなって、そのときにすごくリアルに感じました」と、磯村との充実した共演を振り返った。映画『正欲』本編映像「この世界で生きていくために、手を組みませんか?」<作品情報>映画『正欲』公開中(C)2021 朝井リョウ/新潮社(C)2023「正欲」製作委員会関連リンク公式サイト::
2023年11月10日11月1日に閉幕した第36回東京国際映画祭で観客賞と最優秀監督賞の2冠に輝いた岸善幸監督の『正欲』が、10日(金) に全国公開される。稲垣吾郎、新垣結衣、磯村勇斗はじめ、人気俳優が顔を揃える作品だが、多様性について改めて考えさせられるシリアスな群像劇。50万部を超える朝井リョウのベストセラー小説の映画化だ。『正欲』LGBTQのような性的マイノリティの人への偏見や差別をなくそうという考えが社会の主流になり、さまざまな性的指向を個性と認め合う多様性の時代だ。一方で、反社会的な小児性愛からみの事件や、スキャンダルも後をたたない。そんな中で、この映画は、「マイノリティの中のマイノリティ」を取り上げた。ここまで深い部分にスポットをあてた作品は、観たことがない。昔、酒席でたまたま高名なSM作家と話す機会があったときに「1000人いれば、1000人のフェチがある」といわれ、そんなものかな、とすこし違和感を覚えた記憶があるが、世の中の片隅で息を潜めていた人たちの存在が、SNS全盛となって、すこしずつ水面に浮かび上がってきた。この映画は、まさにそういう時流の象徴かもしれない。5人の男女をメインにした群像劇だ。稲垣吾郎、新垣結衣、磯村勇斗、佐藤寛太、東野絢香が演じている。別々の場所で生活し、境遇も違う彼らの日々が並行して描かれ、時間の経過とともに、交差し、からみ合い、そして事件がおきる、という展開。この5人の日常のなかで、フェティシズム、同性愛、小児性愛、男性恐怖症、ルッキズム、そして不登校といった現代の諸相も、映し出す。脚本は、『あゝ、荒野』に続き岸善幸監督とタッグを組んだ港岳彦が手がけ、朝井リョウの原作小説とは少し構成を変えている。稲垣吾郎が演じる横浜地方検察庁の検事・寺井啓喜は、不登校で引きこもりの息子を抱え、妻との関係はあまりよくない。ごく“普通”の、つまり大多数の指向をもった中年男性、という設定だ。検察事務官(宇野祥平)と共に担当する事件の中で、世の中のさまざまなマイノリティと関わりを持つことになるが、今回の事件によって彼の中にも、ある変化が訪れる。桐生夏月(新垣結衣)は、地元広島のショッピングモールで働くアラサーの独身。彼女は、中学の同窓会で佐々木佳道(磯村勇斗)と再会し、中学時代から抱いていた不思議なシンパシーを思い出す。実は、ふたりには忘れられない鮮烈な過去の出来事があったのだ……。そして、横浜の大学に通う学生・神戸八重子(東野絢香)。性的トラウマを抱え、男性に嫌悪感を抱いているが、大学で行われるフェスで、ダンスサークルに所属する諸橋大也(佐藤寛太)と出会い、無機質な彼の魅力に惹きつけられていく……。観ているうちに引き寄せられ、目が離せなくなるのが、夏月と佳道。ふたりは再会して、実は性的指向が共通であり、お互いにとって初めての理解者だとわかるのだ。その後、彼らが選んだ生き方、ライフスタイルには、率直に言って驚かされてしまう。岸監督はあるインタビューで、「今の“多様性”ですくい取れないマイノリティーで、社会から疎外され、なじめない生き方をしてきたふたりがどう結ばれるか、大きなテーマだった」と語っている。原作のなかに、「社会からほっとかれるためには社会の一員になることが最も手っ取り早い」という一節がある。夏月と佳道は、ノーマルな市民生活に溶け込んでいたのだが……。思いもかけない展開。ラストは、希望が見えた、とはいわないが、ほんの小さな灯りがともる。ところで、『正欲』には『(ab)normal desire』という英語タイトルがついている。なるほど、これは面白い。(ab) という言葉が意味深だ。「ノーマルな欲望とアブノーマルな欲望、どちらも同じ欲望にほかならない……」と読み取った。自分ではごくノーマルと思える指向も、別の角度からみたらアブノーマルということはある。普通の男を演じた中で、稲垣吾郎がふっと見せる軽い狂気。難役にチャレンジし複雑な心のひだを絶妙に表現した新垣結衣。そして、まさに旬、ノリにのる磯村勇斗。年末年始発表される映画賞に、どんな風にからむかも楽しみ。文=坂口英明(ぴあ編集部)【ぴあ水先案内から】笠井信輔さん(フリーアナウンサー)「……人と違う生き方が否定され苦悩する“個性的”な人たち。「普通って何?」という問いかけが胸に刺さる……」笠井信輔さんの水先案内をもっと見る()中川右介さん(作家、編集者)「……稲垣吾郎演じる検事だけが、自分こそ普通だと確信しているのだが、一番異常に見えてくる皮肉……」中川右介さんの水先案内をもっと見る()平辻哲也さん(映画ジャーナリスト)「……出演者でも際立つのは、磯村勇斗だ……」平辻哲也さんの水先案内をもっと見る()(C) 2021 朝井リョウ/新潮社(C) 2023「正欲」製作委員会
2023年11月06日俳優の佐野勇斗が3日、都内で行われた「2023年ヒット商品ベスト30」「2024年ヒット予測30」先行発表会に出席した。1987年の創刊以来、その年のヒット商品をランキング化し、誌面にて発表している日経トレンディ。今年の活躍ぶりから来年はブレイクが期待される"来年の顔"には俳優やボーカルダンスグループ・M!LKのメンバーとして活躍している佐野勇斗が選ばれた。今年はNHK総合の『おとなりに銀河』で主演を、『トリリオンゲーム』(TBS系)で目黒蓮のバディ役として出演した佐野。また劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~』が上半期の実写映画で1位になるなど大ヒットを記録した。来年はさらなる飛躍が期待される。"来年の顔"に選ばれた佐野は「今回来年の顔に選んでいただき、すごく光栄に思っています」と喜びつつ、「すごくうれしいんですけど、ちょっとプレッシャーですよね。来年になって"今年の顔"に選んでいただけたらうれしいんですけど、選ばれなかったらと今年何だったんだと思うので、期待に応えられるように頑張りたいと思います」と吐露。MCから「今まで選ばれた方は例外なく大活躍された方ばかり」と指摘されると、「本当ですか? うれしいです! 頑張ります!」と力を込めた。「2023年ヒット商品ベスト30」ということで、今年1年自身がハマったモノを問われ、「テントサウナというモノがあって、自宅でできるんですよ。自宅でテントの中にサウナができる機械を使って、お風呂に氷水を張ってやるのが僕の癒やしです」と自宅でのテントサウナがブームだといい、「サウナ用の冷凍庫を買って、家でめちゃくちゃ氷を作っています」と自宅で本格的なサウナを楽しんでいるんだという。続けて、今年1年を「今年はドラマや映画にも出させていただきましたが、M!LKとしてグループで初めて横浜アリーナでライブをさせてもらいました」と充実した1年だったといい、「将来的にはドームツアーをしたいので、そこに近づけるようにアリーナツアーが出来るように頑張りたいと思います」とさらなる活躍を誓っていた。また、今年の顔にはラグビー選手の松田力也、モデルで女優の生見愛瑠が選ばれた。
2023年11月03日俳優の磯村勇斗が2日、都内で行われた映画『正欲』(11月10日公開)の学生限定試写会に出席。高校生や大学生などからの質問に真摯に回答した。本作は、累計50万部突破の朝井リョウ氏による同名小説を、映画『あゝ、荒野』や『前科者』などの岸善幸監督が映画化。家庭環境、性的指向、容姿――様々に異なる背景を持つ人たちを同じ地平で描写しながら、人が生きていくための推進力になるのは何なのかというテーマを炙り出す。磯村は、両親の事故死をきっかけに広島に戻ってきた夏月(新垣結衣)の同級生・佐々木佳道を演じた。高校生や大学生など学生85人が映画を鑑賞したあとのイベントに参加した磯村。昨日まで開催されていた第36回東京国際映画祭コンペティション部門に出品され、最優秀監督賞と観客賞をダブル受賞したことに「監督賞はイコール作品賞だと思う」と高い評価に笑顔を見せると「観客賞がとてもうれしい。観ていただいた人の評価が一番」と多くの支持を集めたことに喜びを見せる。この日は映画を観た学生たちが直接磯村に質問するコーナーも。「あってはならない感情なんて、この世にはない」という言葉が印象的な本作にちなみ、磯村にとって「こんな感情があったんだ、と思ったことは?」と質問されると「今まで一人でいることが好きなタイプで、人に誘われても嫌だと断りがちだったのですが、最近人恋しくなった。どこかに出掛けたいというよりは、誰かに会いたいという気持ちが湧いてくるようになった」と回答。さらに「呼吸のようになければならないものは?」という質問に磯村は「人」と即答。続けて「自分一人で生きていけるところもありますが、周りの人によって人格は形成されるもの。人との出会いはなくてはならないものだと思います」と語った。また芸能の仕事を「欲の対象になる側」と定義した大学生は、本作で磯村が演じた佳道を「欲を消費する側」とし、正反対の役柄を演じたことで感じたことについて問いかけると、磯村は「なんて鋭い質問なんだ」と驚き顔で「僕は自分を商品と呼ばれることが嫌いなのですが、消費されていく仕事であり、誰かの欲の対象になるという側面は理解しています」と述べる。さらに磯村は「敢えて“商品”という言葉を活かすなら、ちょっとフレーバーを変えつつ、長く愛される“商品”でいたい。消費される生き物であるならば、ゼロにはさせたくないです」と素直な気持ちを吐露していた。その後も、学生からの鋭い質問は続き、作品にちなみ「これまでかけてもらった言葉でうれしかったものは?」という質問には映画『ヤクザと家族 The Family』で作品を共にした藤井道人監督から「監督と役者は夫婦」と言われたことをあげる。磯村は「夫婦はぶつかるし理解し合える。そうやって歩んでいきたいと言われて肩の荷が下りた」と振り返ると「役者は監督の指示に従うものという面はありますが、相談してもいいんだと言ってくれているのだなと。それはスタッフ同士でも、役者の先輩でも。そうやって話し合える関係性でモノづくりができることは素敵ですよね。いまの若い子にもそういう場を作っていきたい」と思いを語っていた。
2023年11月02日稲垣吾郎、新垣結衣、磯村勇斗、佐藤寛太らが出演する、朝井リョウ原作映画『正欲』が、「第36回東京国際映画祭」コンペティション部門観客賞&最優秀監督賞をW受賞した。家庭環境、性的指向、容姿――様々に異なる背景を持つ人たちを同じ地平で描写しながら、人が生きていくための推進力になるのは何なのか、というテーマを炙り出していく衝撃的な物語を、原作とは違い、ある種のラブストーリーとして、『あゝ、荒野』『前科者』の岸善幸監督と脚本家・港岳彦が映画化。稲垣さん主演映画の本映画祭での観客賞受賞は、『半世界』(阪本順治監督)、『窓辺にて』(今泉力哉監督)に次ぐ3度目となり、本映画祭が開催されて以降、主演作が3度の観客賞を獲得するのは初めてとなった。また岸監督は、初の国際映画祭コンペティション部門出品にして、監督賞受賞というこちらもWの快挙。プレゼンターのアルベルト・セラ監督は本作を「ソーシャルメディアに支配された社会のなかで、アイデンティティを確立することの難しさ、複雑さを描き出した」と評した。授賞式に出席した岸監督は、「東京国際映画祭の審査員のみなさん、本当にありがとうございます。この作品は『すべてのひとが自由で自分を偽らずに生きていける社会とは何か』ということを問いかけています。日本のみならず世界中が自分のアイデンティティを確立するのがなかなか難しい時代です。この映画を観て『多様性』の意味を考えていただけたら嬉しいです。素敵な賞をいただけて幸せです」とメッセージ。妻と息子と3人で暮らす検察官・寺井啓喜を演じた稲垣さんは「東京国際映画祭で『正欲』が監督賞と観客賞をダブル受賞できたことを大変嬉しく思います。岸監督、おめでとうございます」と喜び、ショッピングモールで契約社員として働く桐生夏月役の新垣さんも「監督賞、観客賞、受賞おめでとうございます!作品に関わる一人として本当に嬉しいです」「この受賞をきっかけに映画『正欲』がさらに多くの皆さんに観ていただけること願っています。改めて、おめでとうございます!」とコメントを寄せている。『正欲』は11月10日(金)より全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:正欲 2023年11月10日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開ⓒ 2021 朝井リョウ/新潮社ⓒ 2023「正欲」製作委員会
2023年11月02日第36回東京国際映画祭コンペティション部門正式出品である映画『正欲』が、11月10日(金) に公開される。このたび、本作のメガホンを取った岸善幸監督のQ&A付き上映会が、10月31日(火) にTOHOシネマズ 日比谷で行われた。読者の価値観を激しく揺さぶる内容が多くの読者の支持を得てベストセラーとなり、発行部数はすでに50万部を突破している、朝井リョウの同名小説を映画化した本作。メガホンを取った岸監督は、「個人的に原作が衝撃的な内容だったので、“マイノリティ中のマイノリティ”の人々がどう世界を見ているのか、自分自身も知りたいと思い、色々調べました。物語の骨格は原作で、そこに刻まれている素敵な言葉と、現実を見つめる視点を大切にしながら、キャストやスタッフとも議論を重ねて作り上げていきました」と、あらためて映画化への思いを語った。観客から、原作を読んで受けた衝撃について問われた岸監督は、「理解する側や受け入れる側で、多様性という言葉を認識していた自分がいる、ということを気付かされたのが何よりも衝撃でした」と、あらためてそのインパクトについて回答。そんな原作を映画化するにあたり、本当に必要なものは何かをシンプルに考え、原作者の朝井や脚本の港岳彦、プロデューサーたちとは何度も打ち合わせを重ねていったという。「特に朝井さんは、映画化で大切にしてほしいことについて、都度意見をいただいて、それを守りながら脚本も進めていきました」と、原作者含め製作陣の入念な話し合いのもと、映画作りが進められたことを明かしている。また、稲垣吾郎、新垣結衣、磯村勇斗といった本作の出演者についての質問が上がると、岸監督はまず、「とにかく各キャスト全員と、話し合いながら進めていきました」と一貫して俳優陣と向き合ってきたことを語った。検事の寺井啓喜役で主演を務めた稲垣については、「稲垣さんの出演する映画を観て、僕がお願いしました」と岸監督が熱望していたことを明かし、「啓喜役は、観る人やその時の状態によって、共感もできるし悪役のようにも見えるという、非常に難しい役どころ。稲垣さんは本当にジェントルマンでエレガントなのですが、どこか狂気性のようなものも垣間見える方で。啓喜は“普通”の側に立つ検事ですが、だんだんと“普通”の価値観が揺らいでいき、狂気性が出てくるキャラクターなので、そういう意味で稲垣さんはピッタリでした」とキャスティング意図についてコメント。「最初にご本人にお会いした時も、“観客は稲垣さんを基準に映画を観て、やがて自分たちのことに翻って、あれ?と疑問が持てるような存在として演じていただきたい”とお伝えしました。啓喜役が稲垣さんですごく良かったと思っています」と、主演の稲垣を絶賛する一幕も。“ある秘密”を抱える桐生夏月役を演じた新垣については、岸監督は「プロデューサーが企画の段階で新垣さんに交渉していて、新垣さんがその後原作を読まれて、ぜひやりたいと言っていただけたんです」と出演経緯についてコメント。「夏月役を演じていただくことで、新垣さんに対する世間のイメージを覆すほどの存在感が示されて、映画にも相乗効果があると思いました。新垣さんには、感じたことを表現しながら演じることを最優先してもらいましたね」と、新垣に大きな期待を寄せていたことを明かした。夏月と秘密を共有する中学時代の同級生・佐々木佳道を演じた磯村については、『前科者』(2022)に続いての監督作出演ということもあり、確かな信頼を感じているという岸監督。「磯村さんは感情表現が豊かで、表情だけでなくて目や全身も使い、表現にグラデーションを感じるんです。自分でも演技設計をされていると思うのですが、相対する役者や芝居に対してもまた磯村さんの表現が生まれてくるというか、とても信頼しています」とコメント。さらに、「佳道という人物は、ノーマルとアブノーマルが分けづらいというか、日常的にある意味社会に紛れて暮らしています。そういう根幹に、生きづらさを感じている役なので、どう表現するかは磯村さんにまず演じてもらって、その度に対話しながら作り上げていきました」と、役作りのプロセスについても語った。さらに観客からは、映画のキーアイテムとして重要なシーンで度々登場する、“水”の描き方についての質問も。岸監督は、「水をどう撮ろうかということは、スタッフともよく話し合いました。水には美しいという大前提がありますが、暴力性もある。登場人物たちの心の表現のように、まるで水だけれど“乾いている”ような捉え方をしたいということを議論しましたね」と、水の表現について強いこだわりを持っていたことを語った。また、水の音についてもスタッフと議論を重ねたといい、「赤ちゃんを包み込む羊水のように、水を通して母親の心臓の音を聴くものであったり、水の音には命の源という考え方もある。一方で、暴力的な水もあるなと思ったので、そうしたことをそれぞれのシーンで、音楽とは別に、加工した水の音をつけたりしていきました」と、映画に深みを与えるために細部までこだわり抜いていたことを明かした。<作品情報>映画『正欲』11月10日(金) 公開(C)2021 朝井リョウ/新潮社(C)2023「正欲」製作委員会(C)2023 TIFF関連リンク公式サイト::
2023年11月01日来年1月放送予定のTBS新金曜ドラマは、宮藤官九郎脚本・阿部サダヲ主演の「不適切にもほどがある!」に決定。さらに仲里依紗、吉田羊、磯村勇斗も出演することが分かった。宮藤官九郎が脚本を手掛ける本作は、昭和のダメおやじの不適切発言が、令和の停滞した空気をかき回す、意識低い系タイムスリップコメディ。阿部さん、宮藤さんと本作のプロデューサー・磯山晶が組んだTBSドラマは「池袋ウエストゲートパーク」(2000年)、「木更津キャッツアイ」(2002年)、「タイガー&ドラゴン」(2005年)と、今も愛される作品ばかり。「タイガー&ドラゴン」から19年の時を経た令和の時代で3人が新たな作品を生み出していく。なお、阿部さんと宮藤さんが主演と脚本としてコンビを組むのは民放ドラマでは今作が初となる。TBSドラマにレギュラー出演するのは金曜ドラマ「恋する母たち」ぶりとなる阿部さん。本作で演じるのは、ひょんなことから1986年から2024年の現代へタイムスリップしてしまう“昭和のおじさん”小川市郎。中学の体育教師であり、野球部の顧問で、“地獄のオガワ”と恐れられている市郎は、言葉遣いが荒く、不適切な言動を繰り返す。一方で、妻を病気で亡くしており、家では一人娘の非行に手を焼く普通の父親でもある。しかし、そんな市郎の極論が、コンプラで縛られた令和の人々に考えるきっかけを与えていくことに。妻を亡くした市郎とその一人娘、そしてタイムスリップしたことで出会う人々との絆を描くヒューマンコメディでもある。令和で出会うシングルマザー・犬島渚を演じるのは仲さん。時空を超えて出会った市郎と渚がどのような関係性を築いていくのかも大きな見どころのひとつ。そして市郎と同じ86年に生き、とあるアイドルに心酔するあまり、その身なり言動すべてを完コピする、“ムッチ先輩”こと秋津睦実を磯村さんが演じる。昭和に残された市郎の娘が密かに想いを寄せる相手だ。市郎とは逆に、2024年から1986年に息子と共にタイムスリップする、社会学者の向坂サカエ役で吉田さんが出演。サカエは性差別やジェンダー問題の論者としてメディア露出もしているフェミニズムの旗手。令和時代の代弁者として、市郎たち昭和の人間の破天荒さにするどくツッコんでいく役を担う。なお、吉田さんと磯村さんが宮藤さん脚本の作品に出演するのは今作が初となる。コメント全文・阿部サダヲ2020年以来のTBSドラマへのレギュラー出演ですし、宮藤さんが脚本のドラマも久しぶりなので、お話をいただけてうれしかったです。脚本を読んで、宮藤さんはやっぱり面白いことを考えるなと思いました。挑戦するところもあるドラマで、今の時代だからできるようなドラマになるだろうと思っています。今回演じる小川市郎という役は、昭和を知っている方たちが見ると「懐かしい。こういう人いたな」と思うような体育教師なので、僕自身もそういう先生いたなと思いながら役作りをしていこうと思っています。そして、今の時代の方々にも「こういう人っていていいんじゃないか」と思わせてくれるようなキャラクターになれたらいいなと思っています。皆さん(仲、吉田、磯村)とは2020年の金曜ドラマ「恋する母たち」でも共演していて、色んな役を演じられる方たちなので、今回もどういう芝居になるのか、今から撮影が楽しみでしょうがないです。昭和を生きてきた方たちが楽しめるのはもちろん、平成から令和を過ごしている若い方たちにも「こんな時代があったんだな」「こんな時代もかっこよかったな」と思っていただけるようなドラマになると思いますので、ぜひ楽しんで観ていただければと思います。・仲里依紗「恋する母たち」以来、本当にお久しぶりなみなさまと共演できるということで、前もあたたかい現場だったので、今回も撮影がすごく楽しみです。ポスター撮影のときから「絶対面白くなるな」っていう確信が持てました(笑)。私の役どころは、2024年で市郎さんに出会うシングルマザーでバラエティ番組のAPさんです。私もシングルマザーではないですけど母親なので、ちょっと共感しながら演じられる部分があるのかなと思っています。脚本を読んで、本当に読む手が止まらなくて…。まだ言えないんですけど、「どうやって撮るの?」とすごくワクワクするシーンがいっぱい組み込まれていました。今から撮影が楽しみでもあるし、上手にできるかなというプレッシャーもすごくあります(笑)。すごく元気をもらえるドラマになると思っています。昭和・令和それぞれの世代の方たちが見てもプラスな気持ちになれる、みんなの笑顔につながるようなドラマになればいいなと思っています。頑張ります!・磯村勇斗またみなさまと共演できるのですごく楽しみです!宮藤官九郎さん脚本の作品に参加するのは初めてなので、そこも含めて今からワクワクしています。この時代だからこそ描けるテーマに、宮藤さんの生み出す掛け合いや言葉がすごく面白いので、自分の役がこれからどうなっていくのか楽しみです。「この表現どうするんだろう?」と思う部分もあって、僕らも挑戦的なことをするやりがいのある3か月になりそうだなと思っています。僕の役は、昭和の1986年に生きていて、あるアイドルに憧れているという人物・・・もうそれ以上言えることはないです(笑)。役を通して昭和の時代を体験できるというのも楽しみです。日々、悶々としていたりちょっと悩んでいたり、そういったものが吹っ飛んでいくようなドラマになっていくと思います。登場人物みんなが個性的ですごく魅力的なので、たくさん笑って楽しんでもらえたらうれしいです。・吉田羊宮藤さん脚本のドラマは好きで拝見していたので、選んでいただけてうれしい気持ちでいっぱいです。私が演じるのは令和時代を生きるフェミニストの社会学者です。令和の正義を振りかざしながら市郎さんに斬り込んでいく役どころ。そして、それはきっと視聴者の方の目線と近くなると思うので、私を通して視聴者の方はこのドラマをご覧になっていく、そういう存在になるのかなと思っています。この4人は「恋する母たち」で共演をしたメンバーなので、配信でサイドストーリーをやるのかなと思ったほど(笑)。緻密な計算したお芝居もできる一方で、アドリブで爆発する瞬間的なお芝居もできる方々なので、シーンが膨らんでいくのもすごく楽しみです。令和と昭和を行き来するかなりハチャメチャなドラマですが、非常に面白いです。令和という時代に、その感性を持って生きながらも「でもこれってどうなんだろう?」って思ってらっしゃるような方がいたとしたら、それにほんの少し、もしかしたらヒントをくれるようなドラマになるかもしれません。ぜひ最後までご覧いただけたらと思います。・脚本:宮藤官九郎阿部くんも僕も53歳。思春期に『夕やけニャンニャン』と『毎度おさわがせします』と『ビートたけしのオールナイトニッポン』で倫理観を設定され、不適切に不適切を塗り重ねて生きてきた世代にとって、日々アップデートを強いられる令和はなかなか生きづらい。「昔は良かった」なんて口が裂けても言いたくない。昭和もそこそこ生きづらかったし、戻りたいとは思わないけど、あの頃の価値観を「古い」の一言で全否定されるのは癪なんです。だって楽しいこともあったし、大人が自由で元気だったし、若者は携帯電話を使わずに友達と待ち合わせできてたし、カセットテープのレーベルを自己流でレタリングするのに命かけてたし。そんな瑞々しく甘酸っぱい記憶を無かったことにはしたくないし、「知らねーし」の一言で片付けてほしくない。だからこんなドラマを考えました。市川森一先生がご存命だったら、こんなタイトルを付けたんじゃないでしょうか。『正しいのはお前だけじゃない』自分と違う価値観を認めてこその多様性。第1話を読んだ関係者から「スカッとした」「痛快です」「溜飲が下がった」などの感想を頂きましたので、おそらくそんな肌触りのドラマになると思います。仲里依紗さん、磯村勇斗くん、そして吉田羊さんが、持ち前のコメディセンスで多少の不適切は笑いに転化してくれそう。楽しみです!宮藤でした。・プロデュース:磯山晶常日頃、出来るだけ適切な言動を心掛けています。特に、高いコンプライアンス意識が必要とされる昨今は、ますます自分の言動が気になってしまう毎日です。だから「昭和から来たおっさん」が、自分の発言のリフレクションを恐れず、傍若無人に意見を言うことで、令和の人々が「今はそんなこと言っちゃダメなんだよ!」と呆れながらも「でもそれってちょっと真理ついてるかも」と考えるきっかけになるような物語を作りたいと思って企画しました。そんな昭和の意識低い系主人公・小川市郎を阿部サダヲさんに演じてもらえることになり、心の底から楽しみです。阿部さんだったら、今は言っちゃダメだけど、本当はちょっと言ってほしいことを言っても許されるキャラクターにしてくれるはずです。阿部サダヲさんという役者を一番光らせるのは、宮藤官九郎脚本だと心から思うし、そんな阿部さんと宮藤さんの信頼関係のフルスイングを間近で見られるなんて幸せです。仲里依紗さん、磯村勇斗さん、吉田羊さんという人気と実力を兼ね備えた役者陣の振り切った演技にもご期待ください。市郎さんがどんな極論を言っても、驚いたり、癒やされたり、突っ込んだりしながら3人が全てを受け止めてくれると信じています。コメディだとか時空を飛ぶとか関係なく、4人の名優が織りなす演技の丁々発止を楽しんでいただけたらうれしいです。今、この世に生み出すべき作品となるよう、精一杯頑張りますので、何卒よろしくお願いいたします。「不適切にもほどがある!」は2024年1月、毎週金曜日22時~TBSにて放送予定。(シネマカフェ編集部)
2023年10月27日俳優の磯村勇斗が25日、都内で開催中の「第36回東京国際映画祭」(TIFF)内で行われた映画『正欲』(11月10日公開)のワールドプレミア舞台挨拶に、主演の稲垣吾郎、新垣結衣、佐藤寛太、東野絢香、岸善幸監督とともに登壇した。コンペティション部門に選出されている『正欲』は、朝井リョウ氏による同名小説が原作。家庭環境、性的指向、容姿――異なる背景を持つ人たちを同じ地平で描写しながら、人が生きていくための推進力になるのは何なのかというテーマを炙り出していく。検察官として横浜検察庁に務め、妻と息子と3人でマイホームに暮らす寺井啓喜を稲垣、広島のショッピングモールで契約社員として働く桐生夏月役を新垣、両親の事故死をきっかけに広島に戻ってきた夏月の同級生・佐々木佳道を磯村、ダンスサークルで活動し、大学の準ミスターに選ばれるほどの容姿を持つ諸橋大也を佐藤、大也と同じ大学に通う神戸八重子を東野が演じた。磯村は本作で稲垣と初共演。「稲垣さんとのシーンはわずかだったんですけど、忘れられないぐらい、稲垣さん演じる寺井が空気も含めて怖かったです」と振り返り、「とても助けていただいたというか、あの空気を出していただいたので、もう何もしなくてよかったという感じでした。それぐらい引っ張っていただきました」と感謝した。稲垣も、新垣と磯村と初共演した感想を聞かれると「普段からいろんな作品で拝見している素晴らしい俳優さんたちなので共演できるというのは本当にうれしく思いました」と喜びを述べ、「普段見させてもらっている表情と違った、映画の登場人物になりきった、新垣さんなら夏月、磯村さんなら佳道としてそこに存在していたので、僕も自然とその世界に誘われて気持ちよく演じることができました」と称賛していた。
2023年10月25日第36回東京国際映画祭にて、映画『正欲』ワールドプレミア舞台挨拶が10月25日(水)、都内劇場にて開催され、出演する稲垣吾郎、新垣結衣、磯村勇斗、佐藤寛太、東野絢香、そして岸善幸監督が登壇した。『正欲』は、第34回柴田錬三郎賞を受賞した朝井リョウ同名原作を映画化。横浜に暮らす検事の寺井啓喜(稲垣さん)、広島のショッピングモールで販売員として働く桐生夏月(新垣さん)、両親の事故死をきっかけに広島に戻ってきた夏月の同級生・佐々木佳道(磯村さん)など、異なる背景を持つ人々を同じ地平で描写。「人が生きていくための推進力になるのは何なのか」というテーマを炙り出していく物語。稲垣さんは新垣さん&磯村さんらと初共演。感想を尋ねられると、稲垣さんは「普段からいろいろな作品で拝見している素晴らしい俳優さんたちなので、共演できるのをうれしく思いました。現場では新垣さんや皆さんは、普段の表情と違った映画の登場人物になりきった人になっていて、そこに存在してくれて。自然といざなわれて気持ちよく演じることができました」と絶賛。すると、ぺこっと新垣さんが会釈をした。新垣さんも「(稲垣さんと)ご一緒できたシーンが本当に濃密というか、シリアスというか、重要なシーンだったので、濃い時間をともに過ごしました。ひとつのシーンを作り上げるのに、一緒に力を尽くすことができてとても光栄でした」と丁寧に語り、稲垣さんも照れたようにぺこりと会釈で返していた。すでに行われているマスコミ試写では、キャストの演技が話題になっている。新垣さんの芝居について、稲垣さんは「僕もイメージを覆されたというか、映画の現場で会ったときは普段の新垣さんとまったく違っていて本当にびっくりしました。皆さんもびっくりするのでは、と思います」と太鼓判を押す。この日は映画祭上映とあって、英語の通訳が入る構成になっていた。キャストがしゃべった後英語の通訳が入るたび、稲垣さんたちは何だかそわそわ。佐藤さんが「会話のテンポが難しいっすよね!」と口火を切ると、稲垣さんは強くうなずき、「僕もワンセンテンスが長かったかなって!ずっと1個1個(佐藤さんに)聞いてたんですよね!」と話していた。映画『正欲』は11月10日(金)より全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:正欲 2023年11月10日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開ⓒ 2021 朝井リョウ/新潮社ⓒ 2023「正欲」製作委員会
2023年10月25日映画『正欲』(11月10日公開)に出演する稲垣吾郎、新垣結衣、磯村勇斗、佐藤寛太、東野絢香が23日、東京・日比谷で行われた「第36回東京国際映画祭」(TIFF)のレッドカーペットに登場した。コンペティション部門に選出されている『正欲』は、朝井リョウ氏による同名小説が原作。稲垣吾郎、新垣結衣、磯村勇斗、佐藤寛太、東野絢香を出演者として迎え、家庭環境、性的指向、容姿――異なる背景を持つ人たちを同じ地平で描写しながら、人が生きていくための推進力になるのは何なのかというテーマを炙り出していく。フォーマルな衣装でレッドカーペットに登場した5人。稲垣は「すごい華やかですね。華やかな映画祭の祭典、東京国際映画祭にお招きいただきありがとうございます」と挨拶し、本作について「出演者みんなそれぞれ覚悟の必要とした作品だったのですが、それが報われる素晴らしい作品に仕上げていただきました。ぜひ映画館で見ていただきたいと思います」と自信をのぞかせた。今年の「東京国際映画祭」は、10月23日から11月1日の10日間、昨年に引き続き日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区にて開催。上映作品数は昨年の174本から219本に増加し、海外ゲスト数も昨年の104人から600人以上と大幅に増える見込みとなっている。コンペティション部門は、114の国・地域から寄せられた1942本の中から15作品が選ばれ、日本からは『正欲』(岸善幸監督/稲垣吾郎主演)、『曖昧な楽園』(小辻陽平監督/奥津裕也主演)、『わたくしどもは。』(富名哲也監督/小松菜奈&松田龍平主演)の3作品が選出されている。撮影:蔦野裕
2023年10月23日朝井リョウによる原作小説を、稲垣吾郎、新垣結衣、磯村勇斗らを迎えて映画化した『正欲』。豪華キャストの集結でも話題を集める本作において、中心人物の1人である諸橋大也を演じるのは、ドラマと劇場版で人気を博した「HiGH&LOW」シリーズなどで知られる佐藤寛太。本作への出演や役柄について、佐藤さんがコメントした。近年は映画『軍艦少年』(2021)、ドラマ「あせとせっけん」(2022)で主演、また今年は舞台「サンソン-ルイ16世の首を刎ねた男-」にも出演するなど、幅広い分野で活躍を見せている佐藤さん。最新出演作となる本作『正欲』では、大学のダンスサークルで活動し、準ミスターに選ばれるほどの容姿を持ち、一見華やかな場所にいるように見えるにも関わらず、人との交流を避けている大也を熱演。公開中の予告編では、涙を流す姿や、「あんたが想像もできないような人間が、この世界にはたくさんいるんだよ」というセリフ、そして抜群の身体能力を活かしたダンスシーンも登場。大也はひとりで何を抱えているのか、一体どんな青年なのか?事情を抱えた役柄も相まって、ファンからの期待値も高まっている。佐藤さんは本作への出演について、「自分の身体の目に見えるところに傷をつけられたような、今後一生自分が向き合っていくことになるものだと気づかされた」とコメント。「杭を一本一本打ちながら登っていく力強さを大也に感じたから、それは誰にでもあるものじゃないから、勇気をもらうじゃないけど、今までにない感じ方をした役柄でした」と、大也役が自身の新たな挑戦になったことを明かしている。本作でメガホンを取った岸善幸監督は、そんな佐藤さんについて「オーディションに現れたときはちょっとふてぶてしい印象でしたが(笑)、台詞を読んでもらったら、それとは真逆のセンシティブな演技を見せてくれて、とてもよかった」と、その表現力を絶賛。「大也役は、見た目が繊細に見えるだけじゃなくて、ダンスや身体の動きも大切だったので、トータルで繊細さを表現できる人が欲しかった。そういう意味で、彼に興味を持ちました」として、まさに大也役がハマり役となったことを語っている。映画本編では、佐藤さんの迫力満点のダンスシーンはもちろん、岸監督が絶賛する繊細な演技にも注目だ。佐藤さん自身、「この作品、この役に悔いを残したく無いなと思いました。この映画観てくれたひとがみんな傷つけばいいのに、傷ついてハッとして人にやさしくなればいいのにって思います」と語るように、並々ならぬ思いで挑んだ本作。佐藤さんの新境地である大也の生き様はもちろんのこと、それぞれのキャラクターたちの人生がその後どこに向かうのかも気になる言葉となっている。映画『正欲』は11月10日(金)より全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:正欲 2023年11月10日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開ⓒ 2021 朝井リョウ/新潮社ⓒ 2023「正欲」製作委員会
2023年10月21日西島秀俊と内野聖陽がカップルを演じる「きのう何食べた? season2」の3話が10月20日に放送。主人公カップルの友人である小日向と航(愛称:ジルベール)の登場に「楽しすぎて堪らない」や「ジルベールと小日向さん出てくるだけで笑顔になっちゃう」など喜びの声が上がっている。よしながふみの同名漫画が原作の本作は、史朗と賢二カップルの日常を描いた物語。弁護士の史朗を西島秀俊、史朗と同棲している美容師の賢二を内野聖陽、史朗たちの友人・小日向を山本耕史、小日向の恋人・航を磯村勇斗が演じている。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。10月31日。史朗(西島秀俊)と賢二(内野聖陽)は小日向(山本耕史)と航(磯村勇斗)にお呼ばれし、指定通り盛装でふたりの家へ向かう。ハロウィンパーティーのため、凝ったコスプレで出迎える小日向たちに対し、史朗と賢二は普通のスーツ。しかし実は、刑事とラブラブな弁護士のパートナー(家に帰るとご飯を作って待ってくれている)という賢二が決めた詳細な裏設定があった。さらにパーティーの最中、史朗たちは小日向と航の劇的な馴れ初めを知ることになる。数日後、史朗は両親の室内墓地見学に付き添う。一方、賢二は背徳感たっぷりの一人メシを満喫しており――というのが3話の展開。第3話での待望の小日向・航カップルの登場に、SNSでは「楽しすぎて堪らない」や「ジルベールと小日向さん出てくるだけで笑顔になっちゃう。可愛いーーー!!!」など喜びの声が。またふたりの気合いの入ったコスプレに対しては「可愛すぎて狼に見えないジルベール」や「山本耕史のアメリカンポリス様になってるんだよな~」、「ムキムキすぎるアメリカンポリスと子猫すぎるオオカミ。あんなにいかついのにジルベールにはデレデレで相変わらず小日向さん面白いな」といった声が上がっている。また大学生の小日向が、航が12歳の時に家庭教師として出会ったことや、そこから18歳になるまで待っていたこと、きっかけは航からだったことなど、ふたりの馴れ初めが明かされた。それに対し「小日向さんと航くんの出会いがそんなにドラマチックだったとは」や「ジルベールと小日向さんの出会いは情熱的」といった声が。また馴れ初めシーンを見たファンからは「でた!!!!映画で出てた馴れ初めシーンWW」という声も上がっている。ラストは史朗の両親と賢二の間に、少し雪解けを感じさせる展開もあった第3話。今後のストーリーからも目が離せない。【第4話あらすじ】11月。賢二の同僚で、腕は確かだが毒舌キャラな田渕剛(坂東龍汰)にも顧客が増え始める。そんなある日、店長の三宅祐(マキタスポーツ)は久々に予約が入った顧客の対応を田渕に代わって欲しいとお願い。祐は当日予定があると言うが、名前を聞いた賢二たちは、相手が1年前に別れた祐の浮気相手だと気づいて驚く。もちろん祐の妻の玲子(奥貫薫)も勘づいており、店内は凍り付くが、祐だけは全く気づかない。そんな中、賢二は田渕から珍しく食事に誘われるが、「話したいことがある」と何やら深刻そうな様子の彼を見て、「店を辞めるのではないか」との不安がよぎる。一方、史朗(西島秀俊)はボスである美江(高泉淳子)の顧問先へ同行。社内のパワハラ問題がどうにか和解できた経緯を社長(岡部尚)に説明する。と同時に、美江は先方に突然「今後は筧史朗が担当する」と明言。初耳の史朗は取り繕いつつ内心かなり戸惑うが、追い打ちをかけるように「事務所のボスになる覚悟をしておいて」と釘を刺されてしまい――。「きのう何食べた? season2」は毎週金曜23時12分~テレビ東京系にて放送中。(シネマカフェ編集部)
2023年10月21日5人組ダンスボーカルグループ・M!LKの佐野勇斗と曽野舜太が19日、都内で行われた「Calvin Klein グローバルイベント in TOKYO」に出席した。同イベントは、アメリカ発のデザイナーズ・ライフスタイル・ブランドであるカルバン・クラインによる、一夜限りの音楽&ファッションイベントで、テーマは「MUSIC MEETS FASHION」。国内外の著名人がカルバン・クラインのファッションを身にまとって参加した。佐野は、インナーにハーフジップのスウェットをセレクトしたジャケットスタイルで登場。曽野は、カルバン・クラインのアイコンであるデニムのセットアップに、テーラージャケットとスカーフと合わせたコーディネートを披露した。イベントには、池田エライザ、imase、UTA、ジョングク(BTS)、SKY-HI、仲里依紗、西内まりや、ブライト、本田仁美、森星、山本舞香らも出席した。
2023年10月19日望海風斗のドラマティックコンサートツアー『Hello,』のビジュアルと公演詳細が本日17時に解禁された。日本青年館ホール(東京)を皮切りに、キャナルシティ劇場(福岡)、東海市芸術劇場大ホール(愛知)、SkyシアターMBS(大阪)を巡るツアーの全日程も発表。ビジュアルは「五感の解放、そして新しい望海風斗やお客様自身との“出会い”をテーマにした」というポップなものが届いた。ドラマティックコンサート『Hello,』ビジュアル(表)ドラマティックコンサート『Hello,』ビジュアル(裏)宝塚・雪組トップスターとして『ファントム』や『fff-フォルティッシッシモ-』に出演したほか、現役トップスターとして初の「anan」表紙に抜擢、ナオト・インティライミプロデュースの楽曲「夢をあつめて」を配信リリースしiTunesチャート1位を獲得するなどの快挙を成し遂げた望海。退団後は『next to normal』、『ガイズ&ドールズ』、ブロードウェイ・ミュージカル『DREAMGIRLS』、『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』などに出演。圧倒的な表現力で第30回読売演劇大賞優秀女優賞、第48回菊田一夫演劇賞を受賞。2024年にはミュージカル『イザボー』の主演も決定するなど、変わらぬ人気を誇りつつ自身の活躍の場を広げている。本ツアーは、昨年開催の『Look at Me』に続く第2弾。望海はコンサートに向け、「前回は様々な私をお見せする!そんな挑戦のステージでしたが、今回は来てくださった皆さんの心のマスクを外してもらえるような、春にぴったりな温かいコンサートにしたいと思っております。(中略)『Hello,』どんな自分に出会えるのか、私自身も楽しみです!」とコメントしている。望海風斗のドラマティックコンサートツアー『Hello,』は、2024年3月20日(水)東京・日本青年館ホールよりスタート。チケットの一般発売は2024年2月17日(土)10時より。<公演情報>望海風斗ドラマティックコンサート『Hello,』演出・振付:桜木涼介音楽監督:武部聡志プロデューサー:渡辺ミキ出演:望海風斗井上望、碓井菜央、加賀谷真聡、神谷直樹、齋藤 駿、仙名立宗、中道杏菜、半山ゆきの※五十音順【東京公演】2024年3月20日(水)〜3月25日(月)会場:東京・日本青年館ホール【福岡公演】2024年3月30日(土)・31日(日)会場:福岡・キャナルシティ劇場【愛知公演】2024年4月20日(土)・21日(日)会場:愛知・東海市芸術劇場大ホール【大阪公演】2024年2024年4月24日(水)~28日(日)会場:大阪・SkyシアターMBS公式サイト:
2023年10月19日主演の宮沢りえ、磯村勇斗、二階堂ふみ、オダギリジョーらキャスト4名と石井裕也監督が、映画『月』の公開記念舞台挨拶に登壇。実際の障害者殺傷事件をモチーフにしている本作に臨んだ覚悟や、第28回釜山国際映画祭ジソク部門にてワールドプレミア上映された感触などについても語った。10月14日(土)、新宿バルト9の客席は満員。その衝撃的な内容に、映画上映後もその余韻に浸っている様子の観客の前に立った宮沢さんは、「皆さまの映画を観た余韻を打ち消してしまうようで、申し訳ない気持ちもありますが。でも皆さまのとても貴重な時間をつかってこの作品を選んでくださって。本当にありがとうございます」と挨拶。石井監督も「一時は完成および、劇場公開さえ危ぶまれていましたので、今日ここに立っているのが特別な気持ちというか、いつもとは違うしあわせな気持ちと、誇らしい気持ちでいっぱいです」と初日を迎え、晴れやかな顔を見せた。本作は映画『新聞記者』などで知られる映画会社スターサンズの故・河村光庸プロデューサーが生前「もっとも挑戦したかった題材」と情熱を傾けていた1本。石井監督が「やっぱり怖かったですよね。ただ比喩でも誇張でもなく、人類全体の問題と僕は理解したので、これは逃げられないなと思いました」とその覚悟を語ると、重度障害者施設で働く主人公・洋子を演じた宮沢さんも「内容的には賛否両論ある作品になるだろうなと思いましたけど、ここから逃げたくないという気持ちが強く湧いたので参加しました」とコメント。「でも撮影中は河村さんという核がいなくなったので、やはりスタッフは混乱しましたが、その魂を引き継いで、絶対に作品にしたいという不思議な熱気に満ちていて。すごく背中を押されて演じることができたなと思っています」としみじみ。この日のキャスト、監督ともに、ただならぬ覚悟で参加したという熱い思いが口々に語られた。また、実際に完成した作品について宮沢さんは「監督が本当に真剣に向き合ってかかれた台本は、最初にスッと読んだだけですぐに理解できるようなものではなくて。(自身が演じる)洋子が持っている葛藤とか不安とか、そういうものを情緒を乱して演じてほしいと監督から現場では言われていたので、映画を観て、情緒をかき乱して演じた時の、本当にもがいていた自分を思い出しました」とふり返る。主人公・洋子の同僚で、正義感の強いさとくんを演じた磯村さんは「企画書をいただいて。直感的に参加しないと駄目だなという思いはあったんですけど、それだけではやれないというか。覚悟を持つまでに時間がかかりましたし、それだけのエネルギーがある作品でもあり、役柄でもあったので、そこは慎重に監督と話し合いながら決めました」と述懐。さらに完成した映画を観て「現場でつくっていくときには、キャスト陣もスタッフも同じ気持ちを持ちながら。この作品に対して責任を持ってつくったので。それは完成した作品に丁寧に映し出されていたのかなと思います」と語り、「どこか平和ボケしてしまう現代ですが、その平和というのは危険と紙一重なところで生活しているのかなと。そういうことも感じ取れたので……言葉があまり出ないですが、そういう作品になったかなと思います」とかみ締めるようにコメントした。同じく主人公・洋子の同僚で、作家を目指す陽子を演じた二階堂さんは、「わたしは事件が起こった当日のことを覚えていて。企画書をいただいたときに、社会的にも、その事件を受けたわれわれも昇華できていないものを作品にしていいのか、というのは正直すごく考えさせられたんですけど、みんなの関心が徐々に薄れてしまったり、考えるのをやめたりなってしまう時に、わたしたちは当事者として受け止めないといけないのではないかと思い、社会に生きる当事者としてこの作品に参加して考えたいなと思いました」と本作のオファーを受けた時のことをふり返って語る。映画の感想を問われると、「とにかく、いろんな方に観ていただいて、考え続けるしかないなとわたしは思いました」と語った。そして主人公・洋子のことを「師匠」と呼ぶ夫の昌平を演じたオダギリさんは「何より石井さんがこれに向き合ってつくろうという挑戦があるなら、そこにのらないわけにはいかないという気持ちで参加させていただきました」とコメント。映画を鑑賞したときを「観た後に誰かとこの作品について話し合いたいという気持ちになれなくて」と話し、「それだけ感情が先に立つというか。それだけ言語化するのが難しいし、受け止めるのに時間がかかったなという感想でした」と語った。本作は第28回釜山国際映画祭、ジソク部門(Jiseok部門)にてワールドプレミア上映されたばかり。映画祭に参加した石井監督は「いちばん驚いたのが若い女性がかなり反応していたということ。聞くところによると、韓国で#MeToo運動が高まった時に、弱者への目線の向け方が日本とはちょっと違うものがあって。特に障害者問題、福祉問題に対する関心がそもそも強いので、この作品に対してもまっすぐに向き合ってくれたなというのが印象に残りました」とふり返った。それぞれの登壇者たちが、本作に向き合う覚悟をもって、正面からその思いを語り続けたこの日の舞台挨拶。最後に「今日はすごくドキドキしていて。手に汗をかいてしまいました」と切り出した宮沢さんは、「日々生きていく中で、見たくないもの、聞きたくないもの、触れたくないものという箱が世の中にはゴロゴロとあって。そのふたを開けるのは勇気がいることだし、すごくエネルギーがいることだけど、そのふたを開けて向き合った時に、それはけっしてポジティブなものではないかもしれないですが、そういう中から考えるきっかけ、そのことについて話し合えるきっかけになるような映画であってほしいです」とコメント。「皆さんの記憶にべったりとこびりつく作品として広がってほしいなと思います」と期待を込めてメッセージを送る。そして石井監督も「とにかく皆さんの覚悟が違う」と切り出し、「出演者の覚悟、スタッフもひとりひとり、真摯にこの作品とテーマに向き合ってつくりあげた作品なので、熱気が違います。まったく誰も手を出してないところに踏み込んだので、新しい映画になったと自負しています。賛否いろんな意見が出てしかるべきですし、そうなってほしいんですけど、ものすごく強い、強烈な表現ができたとかみ締めております」と改めて語っていた。『月』は全国にて公開中。(シネマカフェ編集部)■関連作品:月 2023年10月13日より新宿バルト9、ユーロスペースほか全国にて公開(C)2023『月』製作委員会
2023年10月15日映画『月』(10月13日公開)の公開記念舞台挨拶が14日に都内で行われ、宮沢りえ、磯村勇斗、二階堂ふみ、オダギリジョー、石井裕也監督が登場した。同作は辺見庸氏による同名小説の実写化作。深い森の奥にある重度障害者施設で新しく働くことになった元・有名作家・堂島洋子(宮沢)は、彼女を「師匠」と呼ぶ夫の昌平(オダギリジョー)と、ふたりで慎ましい暮らしを営んでいる。施設職員の同僚であり作家を目指す陽子(二階堂ふみ)や、絵の好きな青年・さとくん(磯村勇斗)、そして入所者“きーちゃん”との出会い。洋子は他の職員による入所者への心ない扱いや暴力を目の当たりにし、そんな世の理不尽に誰よりも憤っているさとくんの中で増幅する正義感や使命感が、やがて怒りを伴う形で徐々に頭をもたげていく。○映画『月』、韓国での反応に驚きも本作は映画『新聞記者』などで知られる映画会社スターサンズの故・河村光庸プロデューサーが生前「もっとも挑戦したかった題材」と情熱を傾けていた1本。石井監督が「やっぱり怖かったですよね。ただ比喩でも誇張でもなく、人類全体の問題と僕は理解したので、これは逃げられないなと思いました」とその覚悟を語ると、重度障害者施設で働く主人公・洋子を演じた宮沢も「内容的には賛否両論ある作品になるだろうなと思いましたけど、ここから逃げたくないという気持ちが強く湧いたので参加しました。でも撮影中は河村さんという核がいなくなったので、やはりスタッフは混乱しましたが、その魂を引き継いで、絶対に作品にしたいという不思議な熱気に満ちていて。すごく背中を押されて演じることができたなと思っています」としみじみ。この日のキャスト、監督ともに、ただならぬ覚悟で参加したという熱い思いが口々に語られた。主人公・洋子の同僚で、正義感の強いさとくんを演じた磯村は「企画書をいただいて。直感的に参加しないと駄目だなという思いはあったんですけど、それだけではやれないというか。覚悟を持つまでに時間がかかりましたし、それだけのエネルギーがある作品でもあり、役柄でもあったので、そこは慎重に監督と話し合いながら決めました」と述懐。さらに完成した映画を観て「現場でつくっていくときには、キャスト陣もスタッフも同じ気持ちを持ちながら。この作品に対して責任を持ってつくったので。それは完成した作品に丁寧に映し出されていたのかなと思います。どこか平和ボケしてしまう現代ですが、その平和というのは危険と紙一重なところで生活しているのかなと。そういうことも感じ取れたので……言葉があまり出ないですが、そういう作品になったかなと思います」とコメントした。本作は第28回釜山国際映画祭、ジソク部門(Jiseok 部門)にてワールドプレミア上映されたばかり。映画祭に参加した石井監督は「いちばん驚いたのが若い女性がかなり反応していたということ。聞くところによると、韓国で#MeToo運動が高まった時に、弱者への目線の向け方が日本とはちょっと違うものがあって。特に障害者問題、福祉問題に対する関心がそもそも強いので、この作品に対してもまっすぐに向き合ってくれたなというのが印象に残りました」と振り返った。最後に「今日はすごくドキドキしていて。手に汗をかいてしまいました」と切り出した宮沢が、「日々生きていく中で、見たくないもの、聞きたくないもの、触れたくないものという箱が世の中にはゴロゴロとあって。そのふたを開けるのは勇気がいることだし、すごくエネルギーがいることだけど、そのふたを開けて向き合った時に、それはけっしてポジティブなものではないかもしれないですが、そういう中から考えるきっかけ、そのことについて話し合えるきっかけになるような映画であってほしいですし、皆さんの記憶にべったりとこびりつく作品として広がってほしいなと思います」とメッセージ。そして石井監督も「とにかく皆さんの覚悟が違うので、こんな重苦しい舞台挨拶というのは初めてですし。それは観ていただければ一目瞭然だと思います。出演者の覚悟、スタッフもひとりひとり、真摯にこの作品とテーマに向き合ってつくりあげた作品なので、熱気が違います。まったく誰も手を出してないところに踏み込んだので、新しい映画になったと自負しています。賛否いろんな意見が出てしかるべきですし、そうなってほしいんですけど、ものすごく強い、強烈な表現ができたとかみ締めております。何か感じるところがあれば、友人、知人に薦めていただけたら」と観客に呼びかけた。
2023年10月15日