サンスターはこのほど、日々の血糖値や食事内容などを記録できる「糖尿病管理手帳 WITHNOTE 2016」を抽選で1,000名にプレゼントすると発表した。「糖尿病管理手帳 WITHNOTE 2016」は、糖尿病患者の意見をもとに2014年版から製作されているもの。日々の血糖値や食事内容に加えて、血圧、体重、歩数などが記録でき、血糖値のコントロールに活用することができる。2015年版利用者へのアンケートでは、「自身の生活習慣改善のヒントが得られた」などの声が寄せられ、回答者の90%が糖尿病管理に役立っていると回答したという。2016年版では、糖尿病・歯科検診の検査結果に対しての目標記入欄や、糖尿病のお役立ち情報コラムなども付いている。メモページを追加したり、月間カレンダーの表示を改良したりするなど、さらに使いやすさを高めた仕上がりになっているとのこと。同社が運営するウェブサイトから応募が可能。締め切りは11月25日となっている。
2015年11月06日西友は10月28日、「西友、惣菜ビジネス戦略発表会・試食会」を東京都・八重洲にて開催し、日本糖尿病協会が監修した糖尿病になりにくい「8品目のヘルシー弁当」(398円・税別)の発売を発表した。○カロリーと塩分をおさえた弁当が発売同商品は糖尿病を予防したい人、健康志向の人などを対象にしたお弁当。カロリーや塩分をおさえ、野菜を中心とした栄養バランスのいいおかずを取りそろえている。商品づくりにあたってメニューを監修したのは、糖尿病予防の啓発活動などを行っている日本糖尿病協会。発表会では、実際に監修を担当した同協会理事で秋田大学大学院 医学系研究科教授の山田祐一郎氏が登壇し、どのような点に留意しアドバイスを行ったのか解説してくれた。まず指摘したのは「エネルギー量」だ。山田氏によれば、標準的な糖尿病患者の摂取エネルギー量は1食あたり500kcal。同商品はそれを下回る※464kcalに設定されている。さらに山田氏は低カロリーの効果について「長寿につながる」とコメント。「一般的な人が摂取している標準的な1日のエネルギー量は2,000kcalと考えると、1食あたりの(平均摂取エネルギー量と比較して)同商品のエネルギー量は2~3割減となり、 同商品は長生きにつながる健康食といえる」という。また塩分量は※2.3gに設定 。厚生労働省によれば、塩分摂取量の1日あたりの目標値は成人男性で8.0g、成人女性7.0gとなっていることから、毎日3食同商品を食べても目標値を達成できることになる。加えて、脂肪やたんぱく質、炭水化物のバランスも重視した。最後に山田氏は「糖尿病患者の食事というのは特別な病気の人に対する食事というよりは、一般の人にとっても健康にいい食事。結果として糖尿病にもなりにくいので、食事をとる際にどういうことに留意する必要があるか、意識づけるという意味でも食べていただけたらと思う」と述べた。※関東エリアで販売される商品の栄養成分値○薄味……かと思いきや、満足感たっぷり!さて、気になるのはそのお味だ。早速提供されたお弁当のふたを開けると、彩り豊かでボリュームたっぷりなメニューが並んでいた。品目は8種。野菜ばかりなのかと思いきや、お肉もしっかり入っている。メインディッシュの「チキントマト煮」は、「満足感を感じてもらいたい」とカロリー制限がある中でも味付けなどを工夫して盛り込んだという1品。実際に食べてみると、トマトの味がしみこんだジューシーな味わいが口の中に広がり、空腹を満たしてくれた。くわえて「小松菜のおひたし」や「野菜の煮物」は、塩分控えめながらしっかりとした味付けになっている。同社によれば「煮込みや冷やしこみの時間を工夫した」とのこと。ごはんも「十六穀米御飯」と「五種豆と五穀入り御飯 」の2種を用意。栄養価が高いだけでなく、かむ回数が増えることで腹持ちが良くなる効果もあるという。同商品は全国の西友341店舗で11月6~30日の期間販売される予定だ。○6人に1人が糖尿病&糖尿病予備軍「糖尿病が強く疑われる人」の割合は近年増加傾向にあり、男性で16.2%、女性で9.2%。このうち65歳以上の高齢者は73.3%を占めている(2013年国民健康・栄養調査: 厚生労働省)。さらに日本糖尿病協会によれば、日本の総人口の6分の1にあたる約2,210万人が糖尿病、またはその予備軍に該当するということで、予防のための食生活や食習慣の見直しがますます求められているといえるだろう。11月14日は「世界糖尿病デー」、11月9~15日は「全国糖尿病週間」となっている。この機会に、普段意識することが少ないかもしれない糖尿病について関心を持ってみてはいかがだろうか。
2015年10月29日九州大学はこのほど、マウスをモデル動物として妊娠前糖尿病が胎児に先天性心疾患を引き起こすメカニズムを解明したと発表した。同成果は同大学大学院医学研究院の目野主税 教授、蜂須賀正紘 医師らの研究グループによるもので、9月8日に「米国科学アカデミー紀要」に掲載された。これまでの研究から、妊娠前糖尿病が胎児・新生児に対し、臓器形態の左右非対称性の異常である内蔵錯位を伴う先天性心疾患の発症リスクを増大させることが知られている。臓器の左右非対称性は、胚発生初期に形成される左右軸によって確立されることから、今回の研究ではマウス糖尿病モデルおよび全胚培養によって糖尿病が左右軸・心臓形成に与える影響を解析した。解析の結果、糖尿病雌マウスでは、最初の左右非対象形態形成である心臓ルーピングなどの左右性が逆転した胚が出現し、臓器の左右情報に関わるPitx2という遺伝子の胚左側の発現が消失していた。Pitx2発現消失は、左側臓器形態の右側化および先天性心疾患につながることが知られている。さらに、左右軸異常に至るメカニズムを解析するため、グルコースを高濃度に添加した培養液で高血糖状態のマウス胚を発生させた結果、この高グルコース胚では、左右軸情報が生み出されるノードという構造におけるNodalという遺伝子の活性が激減していた。NodalはPitx2を誘導する遺伝子であるため、その活性が抑制されることが、左右軸形成異常に至る原因であることがわかった。また、Nodalなどの発現を誘導するNotchシグナルも抑制されていたことから、高グルコースは左右軸形成期のNotchシグナルを抑制し、これが妊娠前糖尿病における先天性心疾患を伴う内蔵錯位発症の一因になっている可能性があると考えられるという。同研究グループは「本研究から、ヒトにおいても血糖値の逸脱が一過的であっても先天性心疾患が発生する可能性が示唆されます。また、妊娠前糖尿病では様々な種類の先天異常の発症リスクが高まることが知られていますが、その原因の多くは不明のままです。本研究の知見が、他の局面における高血糖の作用を解明する糸口となり、妊娠前糖尿病における先天異常の予防につながることが期待されます」とコメントしている。
2015年09月14日イギリスでは、糖尿病患者が増えているそうです。肥満が原因となる糖尿病の場合、毎日の食生活で予防することができます。でも「健康な食事」といわれても、なかなかピンときませんよね。そこで参考にしたいのが、栄養士のケリー・マッケイブさんが考案した1日2,000kcalの平日5日分のメニューが紹介されている『The Guardian』の記事。このメニューを見ると、2,000kcalの食事がどれくらいの量で、なにが食べられるのかが具体的にわかります。2,000kcalというと「物足りないかな?」と思いますが、満足感もありそうなメニューばかり。栄養たっぷりで、お手軽なものも多いです。「多めにつくって翌日も食べる」など、実践的なアドバイスも盛り込まれています。おいしく健康に、糖尿病を予防しちゃいましょう!■1:月曜日朝食はベリーとナッツを入れたヨーグルト。ヨーグルトは100グラムくらいで、ミックスベリーをひとつかみ、ナッツはお好みで入れます。昼食はスモークサーモン、低脂肪のクリームチーズ、ほうれん草のサンドイッチ。パンは大豆とアマニのパンで、チェリートマトもひとつかみつけます。夕食はサツマイモとほうれん草、レンズ豆を煮込んだカレーです。多めにつくっておけば、翌日のランチにも食べられます。■2:火曜日朝食はバナナがゆ。オーツとスキムミルク、スライスしたバナナとブラジルナッツでつくります。昼食は前日の残りのカレーです。夕食はサーモンのパルマハム巻き。アスパラとペストソース、クレームフレーシュ、ジャガイモを添えます。■3:水曜日朝食は大豆とアマニのパンの上に、スクランブルエッグ、スモークサーモン、そしてアボカドを乗せます。昼食はお惣菜のトマトスープを買いましょう。ひとつかみのレンズ豆か、ささげ、そしてほうれん草を足します。栄養価がぐっとアップしますよ。夕食はチャーハンです。鶏モモ肉と大きめのエビ、卵を入れます。翌日の昼食用に2人前つくっておきましょう。■4:木曜日朝食は穀物やドライフルーツたっぷりのシリアル。リンゴジュースとヨーグルトを足してさっぱり仕上げます。昼食は前日のチャーハンをお弁当に持って行きましょう。夕食は野菜たっぷりのイタリア風オムレツ。玉ねぎとチェリートマト、ほうれん草、バジル、リコッタを卵に混ぜ込んで焼きます。卵6個で多めにつくっておけば、翌日も食べられます。ほうれん草とロケットのサラダも添えて栄養価を上げます。■5:金曜日朝食は月曜日と同じ、ベリーとナッツのヨーグルト。昼食は前日のオムレツとサラダです。夕食は淡水魚のティラピアをスパイシーに焼き上げます。つけ合わせにはインゲン豆とサツマイモをつぶしたものを添えましょう。*2,000kcalでもおいしそうな料理がたくさん。売っているお惣菜でも、少し野菜を加えるだけでぐっと栄養豊富になります。この通りにつくるのは難しくても、使えるメニューを1品からでも毎日の食事に取り入れて、健康な食事を始めましょう。(文/スケルトンワークス)【参考】※The anti-diabetes diet: a 2,000 calorie-a-day food planner-the guardian
2015年09月13日マキノ出版はこのほど、新刊『糖尿病は歯ブラシで治せる』を刊行した。糖尿病は、予備軍も含めると日本国内の成人6人に1人にあたる2,050万人もいると推定されている。糖尿病対策は、食事療法と運動療法が2本柱であったが、長続きせずに挫折する人が多かった。同書での著者は、全国の実証実験において、歯周病と糖尿病の相関関係に着目。以来、研究を重ね、「オーラルケアを徹底すると糖尿病が改善する」という結論を導きだした。同書では内科医と歯科医師による画期的なセルフケアを紹介している。同書では、歯の汚れが血糖値を上げる要因であるという点から、「歯周病‐脂肪肝‐糖尿病」の負のスパイラル、血糖値とプラークをコントロールするための食事と運動について解説。歯周病のセルフケアとして正しいブラッシングの方法、歯磨き剤の選び方、補助アイテムの使い方などをわかりやすく紹介している。価格は1,404円(税込)。
2015年08月26日サンスターはこのほど、同社が運営する「糖尿病とうまくつきあう」サイトにおいて募集していた「第3回 糖尿病川柳」の入賞作品を発表した。「糖尿病とうまくつきあう」は、糖尿病患者とその家族を支援することを目的に2012年に同社がオープンしたサイト。同サイトでは、6月2日~30日まで糖尿病に関わる川柳を募集していた。投稿テーマは糖尿病と関連していれば何でもありの「糖尿病×○」、糖尿病管理と食事についての川柳「糖尿病×食事」、糖尿病管理と運動についての川柳「糖尿病×運動」、糖尿病と関係している口腔(こうくう)の健康についての「糖尿病×口腔ケア」で、期間中は約430作品の応募があったという。その中から各投稿テーマにつき1点、「ザ・ベスト川柳賞」を選出した。「糖尿病×○」川柳で選ばれたのは、「減らないで 預金年金 インスリン」(韓流スターさん)。「糖尿病×食事」川柳で選出された作品は「ダメダメと 言われて増える 爆食いよ」(もりこさん)。「糖尿病×運動」のテーマでは、「ランニング コーチの妻は 肥満体」(かる太さん)が選ばれた。「糖尿病×口腔ケア」川柳で選出されたのは、「腹回り 歯周り注意 糖尿病」(八十日目さん)。そのほか、同社が発行している糖尿病管理手帳「WITH NOTE」の2016年度版に掲載する川柳として「WITH NOTE賞」受賞作品も選出した。同賞の作品は、「インスリン 打ってヒーロー 草野球」(モークンさん)、「断捨離で 甘い美味しい 断ち切るぞ」(ねこまるさん)、など50句。また、食事・運動・口腔ケアの各テーマから、抽選で「ありがとう賞」も選出。「おっかない 妖怪並みの 血糖値」(ナフナさん)、「ダイエット 説いてる妻は ビール腹」(nobuさん)、「ウォーキング 減らない体重 減るやる気」(さぼさん)など。このほかの川柳や入賞者の声は、「第3回 糖尿病川柳 ~糖尿病 川柳祭りで 楽しもう~ まとめページ」で紹介している。
2015年08月03日少し前に、猫ひっかき病で米国の女性が失明したというニュースが波紋を広げていました。猫ひっかき病とは、猫だけでなく人間にも感染する病気(人獣共通感染症)です。猫ひっかき病という名前ですがひっかくだけでなく噛まれても感染することがあります。眼症状は猫ひっかき病の一般的な症状ではありませんが、脈絡網膜炎を起こすことがまれに報告されています。このケースでは、「猫が自分の眼をなめた」と女性は話しています。猫ひっかき病の原因菌(バルトネラ・ヘンセラ)に限らず、眼に細菌やウィルスが感染した場合、失明することは起こり得ます。不衛生なものが入ったときはしっかり洗眼し、眼科医に相談した方が良いでしょう。猫ひっかき病は、ちょっとかわいらしい(?)名前の病気ですが、重症例では脳炎や数週間痛みが続くこともあるので気をつけなくてはいけません。猫ひっかき病の症状、感染ルートや危険性について解説していきましょう。○原因はバルトネラ・ヘンセラという細菌バルトネラ・ヘンセラ(Bartonella henselae)という細菌が原因菌です。猫自身はこの細菌に感染していてもほとんど症状を呈さないので、感染しているか否かは抗体検査や遺伝子検査をしてみないとわかりません。日本の報告では7.2%の猫が猫ひっかき病に感染していたという報告があり、外出する猫や3歳以下の若い猫で感染率が高いことがわかっています。この菌は猫の体内では赤血球の中に潜んでおり、感染猫の血液を吸ったノミによって、または喧嘩により猫から猫へ感染が広がります。○人間への感染ルート感染している猫にひっかかれる、咬まれることにより感染します。ノミの糞に含まれる細菌が猫の牙や爪につくのではないかと考えられています。そのため、創部を舐められることでも感染する可能性はあるでしょう。○症状上記の通り、猫は殆ど症状を示しませんが、発熱、食欲不振、傾眠などがみられることがあります。人間の症状の場合は、猫による受傷後3~10日目に虫刺されのように赤く腫れ、その後リンパ節が大きく腫れてくるのが典型的です。猫にひっかかれた直後に傷に沿って赤く腫れるのは物理的な刺激に対する炎症反応であり、猫ひっかき病の特徴ではありません。腕をひっかかれた場合はけい部、腋窩(えきか・わきの下)のリンパ節が腫れ、足の場合は鼠径部(そけいぶ・太もものつけね辺り)が腫れます。全身症状としては、発熱、悪寒、けん怠、食欲不振、頭痛など。その他の症状では、リンパ節炎を発症した後に脳炎、心内膜炎などに進行することもあります。多くの場合は自然に治癒しますが、重症例では数週間症状が続くこともあります。○まとめこの病気の特徴から、多くの猫と接触する仕事(シェルター、動物病院)で感染リスクが高いです。この細菌の抗体を持っている率が一般的な人では4.5%だったのに対し獣医師は11.0~15.0%であったというデータがあります。この細菌に対するワクチンはなく、ノミ予防の徹底、爪切り、猫を触った後は手を洗う、警戒心が強い猫に近づかないなどの基本的な対策が感染予防になります。免疫力が低い子供や高齢の方は特に気をつけましょう。■著者プロフィール山本宗伸獣医師。Syu Syu CAT Clinicで副院長を務め、現在マンハッタン猫専門病院で研修中。2016年春、猫の病院 Tokyo Cat Specialistsを開院予定。猫に関する謎を掘り下げるブログnekopediaも時々更新。
2015年07月14日新潟大学は6月18日、糖尿病治療で使われるインスリンなどの血糖降下薬による低血糖脳症に対し、新たな動物モデルを作成し、用いることで低血糖脳症の治療薬を発見したと発表した。同成果は新潟大学脳研究所神経内科の下畑享良 准教授を中心とする研究グループによるもので、6月18日の国際科学誌「PLOS ONE」に掲載された。低血糖脳症は、糖尿病の治療でインスリン注射や内服の血糖降下薬を用い血糖値を下げたときに、薬が効きすぎることで起きる。糖は脳にとってのエネルギー源であるため、低血糖脳症は重度の脳障害や認知症の原因となる。近年、その数が増えていることが問題となっているが、ブドウ糖注射を除くと治療薬がなく、治療薬の開発が望まれているが、良い動物モデルがないという課題があった。従来の動物モデルは低血糖におる脳のダメージによって呼吸が止まるため、人工呼吸器を使用していたが、難易度が高いという問題があった。今回の研究では、脳波をモニターしながら脳の傷害をチェックする方法を用いることで、人工呼吸器を使用しないで済む動物モデルを確立した。また、このモデルを用いることで、低血糖の治療として行うブドウ糖注射のあとに、脳内にアルデヒドのひとつである4HNEという物質が蓄積し、神経細胞を傷害すること、その障害の程度は低血糖の時間が長いほど高度になることを発見。アルデヒドを分解する酵素を刺激する薬剤「ALDH2 アゴニスト」をブドウ糖と一緒に注射したところ、脳内のアルデヒドが減少し、神経細胞の障害も抑制されることを確認した。このアルデヒド分解酵素刺激薬が実用化されれば、低血糖脳症患者の一部の予後を改善する可能性がある。同研究グループは今後、今回開発した動物モデルを用いて、さらに低血糖脳症の治療薬候補の同定を進め、最も効果が期待される治療薬を用いた治療の実用化を目指すとしている。
2015年06月18日慶應義塾大学(慶大)は6月16日、北里大学との共同研究で、遺伝性パーキンソン病患者由来のiPS細胞を樹立し、分化誘導した神経細胞を用いてパーキンソン病患者の脳内における病態を解明したと発表した。同成果は慶大学医学部生理学教室の岡野栄之 教授、北里大学医療衛生学部再生医療・細胞デザイン研究施設細胞デザイン研究開発センターの太田悦朗 講師(慶應義塾大学医学部共同研究員)、小幡文弥 教授らの研究グループによるもので、6月8日(現地時間)に医学誌「Human Molecular Genetics」に掲載された。同研究グループは全患者の10%を占める遺伝性パーキンソン病患者の発症メカニズム解明を目的に、原因遺伝子LRRK2に変異を有する優性遺伝性パーキンソン病家系内の患者2名からiPS細胞を樹立し、これらのiPS細胞から神経細胞のもととなる神経幹細胞を作製後、分化誘導した神経細胞について機能解析を行った。LRRK2に変異を持つ患者は、全患者の90%を占める孤発性パーキンソン病と臨床症状や発症年齢、治療薬に対する反応など似た特徴を示すことがわかっている。解析の結果、iPS細胞から誘導した患者の神経細胞群では、健常者の神経細胞群に比べ、酸化ストレスに対する脆弱性があったほか、ドーパミンの放出異常あること、細胞内のAKT/GSK-3βシグナル伝達経路の異常によってリン酸化タウが増加することも明らかとなった。また、iPS細胞を樹立したうちの1名の患者の死後脳を調べたところ、GSK-3β活性化によるリン酸化タウの増加、そしてそれが脳内に沈着して引き起こされる神経原線維変化が確認された。同研究グループは「今後、この患者由来のiPS 細胞を用いることで遺伝性だけでなく孤発性も含めたパーキンソン病の病態解明や治療のための新薬開発が期待される」とコメントしている。
2015年06月17日大阪市立大学の研究グループが、睡眠障害と糖尿病の関係性に関する新たな事実を発表しました。それによると、不眠の治療が心筋梗塞や脳梗塞の予防につながるかもしれません。この研究は、米オンライン科学誌プロスワンに発表されたもの。その研究内容についてご紹介します。睡眠障害と糖尿病今年4月に大阪市立大学医学研究科のグループは、「糖尿病によって血糖値をコントロールできなくなると、睡眠障害が起こることを脳波計による実験で立証した」と発表しました。以前から、睡眠障害を患っている人は糖尿病を抱えていたり、将来的に高確率で糖尿病を発症するということはわかっていたそうです。糖尿病患者には、健常者に比べて約2倍の不眠が見られると言われています。これは肥満による睡眠時無呼吸症候群を除いた数字で、これまでいろいろな原因が指摘されてきました。過去の研究では、睡眠障害と糖尿病の関連が示唆されていたものの、糖尿病による血糖コントロールと睡眠障害の直接の関与は明らかにされていませんでした。血糖コントロールとは?大阪市立大学の研究グループが、糖尿病の血糖コントロール指標のHbA1cが睡眠第1相の時間、および深睡眠である徐波睡眠の時間と関連があるかどうかを調べたそうです。この研究は、63人の糖尿病患者に脳波計をつけて、睡眠の質を測定し、血糖コントロール指標との関連を調べるというもの。その結果、血糖コントロール増悪により深睡眠の徐波睡眠相が減少すること、および深睡眠指標であるレム睡眠潜時の短縮をもたらすことが明らかになりました。この研究によって、深睡眠の障害(時間短縮)は動脈硬化の進展につながる可能性がある、ということが示唆されました。糖尿病の重要な治療方法になる可能性がある!睡眠障害の治療によって交感神経系疾患の改善がもたらされることや、それに伴い、血糖の改善が期待できるという結果も得られたそうです。ただ、今回の研究では、血糖コントロールについてのみの少数の症例による結果しか得られていないそうなので、現在は血圧や血管障害指標の改善の有無についても検討しているそうです。今後、研究が進展していき、睡眠障害の治療によって血糖コントロールの改善、高血圧の改善、血管障害の緩和を期待できる結果が得られた場合、睡眠障害治療が糖尿病の重要な治療方法になる可能性があると言われています。この研究が睡眠障害の治療目的を新たに位置づけるうえで、重要な研究になるかもしれないそうですよ。photo by Nuclear Refulatory Comm
2015年06月12日5月の連休明け、新入社員や新入生に多いといわれるのが五月病。何となくやる気がでなかったり、体がだるくなったりする症状です。でも、社会人にとっては、5月より6月が要注意。GWの余韻も消え去った今の時期に心身の不調を訴える人が多く、「六月病」とよばれているのです。■「六月病」とは一体どんなもの?六月病は、気持ちが沈んでやる気が出ない、体が重くてだるい、食欲がなくなる、なかなか寝付けない、不安やイライラなど、五月病と同じ症状があらわれます。六月病は、五月病と同様、真面目で責任感の強い人、内向的で自分の感情をあまり表に出さない人がなりやすいといわれています。さらに、真面目で几帳面な性格の人ほど、やる気が出ないのを自分のせいにしてしまったり、些細なミスで落ち込んでしまったり…と、症状を悪化させてしまうことが多いようです。五月病も六月病も正式な病名ではなく、医学用語でいうと「適応障害」にあたります。新年度から入社や異動、新プロジェクトなどで、これまでとは違った新しい環境がスタートし、その中でたまったストレスによって、心身の不調をきたしてしまうのです。■なぜ6月に不調があらわれるの?これまで一般的には五月病といわれていたこれらの症状が、6月にあらわれるようになったのには理由があります。新入社員の場合は、最近では新人研修期間を長く設ける企業が増えているため、6月頃に正式に配属が決定になり、実務につくことになります。また、たとえベテラン社員であっても、業務の専門化やIT化などによって、新しい仕事に慣れるまでには時間がかかります。新しい仕事や人間関係の中では、自覚はしていなくても、毎日を緊張状態の中で過ごすことになります。環境に慣れてきた今の時期に、緊張の糸が切れ、「何だかやる気が出ない…」という六月病となってあらわれてしまうのです。さらに6月は毎日雨が続く梅雨の時期。ジメジメとした天気が、憂うつな気分がさらに加速させてしまうのです。■六月病を解消する方法とは「もしかして六月病かも」と思ったら、まず見直したいのが食事と生活習慣。暴飲暴食や睡眠不足は、症状をさらに悪化させます。バランスのよい食事と、規則正しい生活を心がけてください。中でも、ストレスから体の細胞を守るとされるビタミンCを積極的にとるようにしましょう。朝食や間食にフルーツを食べるようにしたり、コーヒーの代わりに野菜ジュースを飲むのもおすすめです。休みの日に体を休めようと、“寝だめ”をするのはNG。普段と違う睡眠サイクルが体のバランスを崩し、逆効果になってしまいます。睡眠時間は5~8時間程度とるようにして、休日に寝坊する場合も普段のプラスマイナス2時間までにとどめましょう。また、「やる気が出ない」というときに有効なのが、新しい目標を立てることです。「毎週1冊ずつ本を読む」といったような、仕事とは関係ない目標であれば気分転換にもなります。適度な運動は六月病対策にも有効なので、「朝、出社前にウォーキングをする」「寝る前にエクササイズをする」という目標を立てれば、ダイエットにもなって一石二鳥です。六月病を放置していると、うつ状態が長引くことにもなりかねません。上手にストレスを発散させて、気持ちをスッキリさせたいですね。
2015年06月02日突然ですが、あなたは恋愛における「ナイナイ病」を知っていますか?恋愛エッセイストの潮凪洋介さんが提唱する「ナイナイ病」とは、女性が男性に対して起こす、「してくれない、成長しない、できない、謝れない、頑張らない、感謝しない」といった「ナイ」がつくマイナスアクションのこと。「私それ苦手なんだもん。できないよ」とほっぺたを膨らませてかわいくお願いすれば、たいていの男性は快く助けてくれる。もしあなたがそんな風に思っているとすれば、それは「ナイナイ病」にかかっている証拠です。そしてそれは逆に、女性のかわいらしさを台無しにしてしまう行為だと知っておくべきでしょう。今回は、潮凪洋介さんの著書、『「かわいい」と思われる女 50の習慣』より、かわいい女になるために卒業すべき「ナイナイ病」についてご紹介いたします。■1.~してくれない「(『してくれない』は、)すべて男性に何かをやってもらおうとする。やってもらうことによって男性からの愛を確かめる。自分の重要度を確かめるといったような悪い習慣です。」「電話もメールも返してくれない。私と仕事どっちが大事なの!?」と彼氏に詰め寄るような女性は、「自分を愛しているなら当然○○してくれるはずだ」と、相手の行動を勝手に自分への愛情の大きさにすり替えてしまっています。筆者も昔このパターンに陥りましたが、このような時はたいてい、自分がどれだけ愛されているのかということばかりに目がいって、相手を愛することはすっかり忘れているんですよね。■2.~できない「(『できない』に関しては、)何事もやる前から諦めてしまうような考え方です。向上心のある男性からすると、一緒にいてとてもつまらないと感じてしまいます。」苦手なことや分からないこと、考えるだけで気が重くなるようなことは誰にだってありますが、「できない」自分を認め、どう向き合い、どう乗り越えていくのか。そこにその人の強さや本来の姿が現れます。苦しい過程を放棄して、すぐ「できない」と口にする女性は、何でも人任せでやる気のない人だと思われてしまうでしょう。■3.謝れない「通る筋と通らない筋が大人になってまでわからない、そんな女性です。自分が悪いと思ったらスポーツのルールのように謝る。そして、次の行動に切り替えればいいところを絶対に謝らない。醜態を晒してしまう、そんな女性です。」ミスを犯した時、他人に迷惑をかけてしまった時、「ごめんなさい」「すみません」の一言を言えば収まるのに、最後まで意地を張っていたり、はたまた逆ギレしたり・・・いくら外見が良くとも、謝罪の言葉が言えない「面倒で自我の強い女」だと敬遠されてしまいます。■4.頑張らない「(次に、『頑張らない』は、)努力したり、目標を持ったりすることを全くしないという女性です。癒やしは、もちろん大切なのですが、頑張りどころを持たない女性は、男性から見て、徐々に物足りない存在へと変わっていくのです。」穏やかで平凡な毎日ももちろん大切ですが、時には仕事なり、スキルアップのための資格の勉強なり、自分に負荷をかけて踏ん張ることも必要です。目標に向かって頑張る姿を見て、お互いに高め合っていこうとする関係性を求めている男性の場合は特に、頑張らない女性では刺激が足りなくなってしまうのでしょう。■おわりにいかがでしたか?「女はでしゃばらずに男に甘えた方がかわいらしい」という考えをお持ちの方も多いのではと思いますが、このように何事も受け身な姿勢では男性に負担をかけるばかりで、そのうち捨てられてしまうかもしれません。してもらって当たり前、の「ナイナイ病」は卒業し、「自分でやる、努力する、人に与える」ことが自然にできるようになりたいですね。そのように自ら考え、アクションを起こせる女性は、男性の目には魅力的に映るのです。引用文献:潮凪洋介『「かわいい」と思われる女 50の習慣』(成瀬いづみ/ハウコレ)
2015年05月22日4月はやる気満々だったのに、5月を迎えたら、何となく気持ちが晴れない…ということはありませんか? あまりに不調であれば専門家に相談すべきですが、ちょっと落ち込んでいるくらいなら、気分をスカッと爽快にしてくれるDVDを観て、モチベーションをアゲましょう。“よっしゃ~っ!”っと弾みがつけばしめたもの。お薦めの映画3本をご紹介します。あり得ない展開に快哉を叫びっぱなし▼最強のふたり監督:エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ出演:オマール・シー、フランソワ・クリュゼ2012年公開のフランス映画ですが、“フランス映画界 歴代1位”という呼び声を聞かなければ、普段なら観ないかもしれないマッチョな邦題。原題はというと「intouchables」で、直訳だと「触れることのできないものたち」という意味です。舞台はパリ。不慮の事故で首から下がマヒした、大富豪フィリップの介護者選びの面接に、スラム街出身の黒人青年ドリスが、生活保護の申請に必要な不採用通知を目当てに訪れるところからスタートします。おためごかしを一切言わないドリスに新鮮味を感じたフィリップは、彼を採用。そこから展開する、背景も趣味も真逆の二人が織りなす破天荒な冒険譚のおもしろいこと! 最初は衝突ばかりだった二人が、次第に共犯者意識を深め、驚異のカーチェイスやパラグライダー体験も。「彼だけは私を対等に扱う」というフィリップの言葉が刺さります。おすすめは、フィリップが招いたオーケストラ演奏の後に、ドリスがアース・ウィンド・アンド・ファイアーをかけてダンスを見せつけるシーン。ドリス役のオマール・シーは、最初はテレていたのにいざとなったら体が自然に動いて、奇跡的なダンスシーンをワンテイクで決めたそう。実話がもとになっているというのが驚きの、元気になれる1本です。不自然なほど多発するホームラン数にスカッ!▼ナチュラル監督:バリー・レヴィンソン出演:ロバート・レッドフォード、ロバート・デュバル野球に特に関心もなく、スポーツオンチのわたしが唯一、ハマッたスポーツ映画が『ナチュラル』です。名優ロバート・レッドフォードが若い頃、といっても40代前半、訳あって30代半ばでメジャーリーガーになる夢を叶え、“伝説の人”となった野球選手を演じています。アメリカの作家バーナード・マラマッドの小説を映画化した、1984年の作品。天才野球少年だったロイは20歳になり、愛する女性アイリスにしばしの別れを告げた後、プロ球団のテストに向かう途中、とんでもない事件に巻き込まれます。10数年のブランクを経て、ようやくスカウトに見いだされ、最下位の球団に入団した彼は、とにかくホームランを打って打って打ちまくり、球団はトップに。ところが、なぜか女性の色香に迷うと打てなくなり、彼本来のナチュラルな生き方に戻ると、またホームラン…という展開。どこか神話めいたファンタジーを感じながらも、投げる球全部をホームランで打ち返すという、文句なしにスカッとする映像から目が離せません。アイリスとの再会、最後のバッターボックスの奇跡…レッドフォードゆえの誠実さ、真摯さがリアリティをもたらす感動映画です。武闘派シャーロックのカッコよさに脱帽▼シャーロック・ホームズ シャドウゲーム監督:ガイ・リッチー出演: ロバート・ダウニー・Jr.、ジュード・ロウロバート・ダウニーJr.扮するホームズ、その相棒ワトソンはジュード・ロウと、イケメン二人が登場する『シャーロック・ホームズ』(2009年)。『シャドウゲーム』(2011年)はその2作目となります。わたしはもともとコナン・ドイルの原作への思いが深く、「イマドキのチャラい映画だったら許さないぞ」みたいな色眼鏡で観たのですが、とんでもない! すっかりファンになってしまいました。1作目を観ていなくても問題なく楽しめます。世界各地で多発する連続爆破事件を追う、天才的名探偵ホームズは、“もう一人の天才”宿敵モリアーティ教授との決戦へ。書斎派探偵のイメージが強かったホームズが、武闘派のやんちゃさが強調され、ダイナミックな展開は007も真っ青のカッコよさ。ガイ・リッチー監督のセンスに度肝を抜かれたのは、銃口から向こう側を覗くなど、細部からズームする独特の映像美。そして、今まで見たことがないエッジの効いた森の中の銃撃シーン。全編をエキゾティックに彩るロマ(ジブシー)風の魅惑的な音楽。新感覚アクション・エンタテインメントと謳われるのも納得です。気分がアガること間違いなし!もちろんこの3本、五月病でない方もぜひご覧くださいね。・ 「最強のふたり」 ・ 「ナチュラル」 ・ 「シャーロック・ホームズ シャドウゲーム」
2015年05月21日座りっぱなしを長時間続けると、体に悪影響があります。腰痛はもちろん、心臓病や糖尿病にもつながります。「1日に6時間座っていると死のリスクが40%増大する」なんて話も有名ですよね。とはいえ、デスクワークはどうしても一日中座ったままになりがち。不健康だとわかっていても、なかなか改善できないですよね。しかし今回、そんなオフィスワーカー方に朗報があります!なんと、1時間にたった2分のウォーキングをするだけで、座りっぱなしが体に与えるダメージから解放されると海外で話題になっているのです。20分歩くのは難しそうですが、2分だけなら簡単ですぐにできますよね。この健康法の詳細を一緒に見ていきましょう。■2分ウォーキングで死亡リスクが33%減るユタ大学が、アメリカの健康栄養調査のデータを元に“1時間ごとに2分間、周囲を歩き回ることを続けるだけで、座りっぱなしの健康リスクから解放される”という研究結果を発表しました。座りっぱなしで体を壊さないようにするためには、スポーツや激しいエクササイズが必要なイメージがありますよね。でも、苦労や我慢は一切不要!1時間に2分のウォーキングを実践すると、病気による死亡リスクが33%も軽減するのです。こんなに楽で健康的な体になれるなんて、嘘みたいですよね。一体なぜだと思いますか?それは、トータルを換算すると、意外とカロリー消費しているからなのです。■2分ウォーキングが毎週400kcalの消費に睡眠時間を8時間として、それ以外の16時間に2分ずつのウォーキングを実践すると、1日32分ですよね。これを1週間続けると、ざっくり400kcalのエネルギーを消費することになります。この、週あたり400 kcalの消費が毎週見込める点が、健康維持におおいに効果を発揮するのです!ちなみに、1時間のエアロビクスで400~600kcal、水泳だと400~800kcalの消費になります。1時間に2分歩くだけで、意外とエネルギーが消費できていることがわかりますね。このミラクル健康法の最大の利点は、無理なく実践できること。毎週エアロビクスや水泳に通うのは、少々根気が要ります。なかなかハードルが高く、意志が弱いと続けられないですよね。しかし、1時間ごとに立ち上がって2分間、周囲を歩きまわるだけなら、覚悟も根気も要りません。職場で企画を考えながら、プレゼンの最終確認をしながらでも、家庭では子どもとおしゃべりをしながら、テレビを見ながらでもできます。注意するべきことと言えば、“忘れない”ということだけでしょうか。忘れっぽい人は、“毎時●分から2分間”などと時間を決めておきましょう。研究結果を発表したユタ大学の研究者は、「この1時間ごとに2分のウォーキングをベースに、週末などを利用して2.5時間ほどの無理のないエクササイズを組み合わせれば、なおよい」と語っています。2分のウォーキングは、健康へのリターンが絶大!さっそく、今から始めてみませんか?(文/よりみちこ)【参考】※Walking For Two Minutes An Hour Can Offset Damage Done By Sitting-AskMen
2015年05月16日札幌グランドホテルはこのほど、糖尿病やメタボリック予防を応援するランチメニュー(ブルーサークルメニュー)の提供をホテル内レストラン3店舗で開始した。販売するメニューは、糖尿病専門の「萬田記念病院」と共同開発したもの。ホテルの料理長と萬田記念病院の栄養士長とが、おいしく食べられることはもちろん、量や栄養バランスにも配慮したメニューに仕上げた。総カロリーは500kcal以上~600kcal未満、食塩相当量は3g未満に収めている。ガーデンダイニング 環樂(本館4F)では、旬のグリーンアスパラガスのごま和えやかつおのたたき、季節野菜の炊合わせ、かれいの素焼などがセットになった「カロリーコントロール御膳」(エネルギー505kcal)を用意する。価格は2,200円。チャイニーズダイニング 黄鶴(東館2F)では、油を抑えた中華料理のセット「カロリーコントロールランチ」(エネルギー588kcal)を提供。くらげのサラダや根菜と豚肉の蒸し物、肉を使用しない麻婆茄子豆腐などを食べることができる。価格は2,200円。北海道ダイニング ビッグジョッキ(別館1F)からは、ボリュームがありながらヘルシーな「カロリーコントロールランチ」(517kcal)が登場。豚しゃぶ肉と春雨のサラダや小海老とほうれんそうのスープ、帆立貝ときのこの昆布蒸しなどがセットになっている。1日10食限定で、価格は1,300円。同ホテルでは、開発途上国の子供たちの学校給食への支援を行う『TABLE FOR TWOプログラム』に参画している。これらのメニューの販売数に応じ、1食につき20円を同プログラムに寄付するとのこと。※価格は税込
2015年05月13日ゴールデンウィーク前後は、5月病を発症しやすい時期です。新年度がスタートして約1ヵ月、今までと違った生活を送ることで、無意識のうちに感じていた緊張やストレス。それが5月に入り、連休が続くことで緊張の糸が切れ、5月病を発症する、というケースも珍しくありません。家族を支えるママがダウンしてしまうと、家の中はパニックになってしまいます。家族のためにも、そして自分自身のためにも、5月病には要注意です。ママが5月病にならないように、気をつけておきたいポイントをまとめました。■ママの5月病対策(1)ストレスや疲れを溜め込まない連休中に溜まった家事を一気にしようとしたり、今までやり損ねたことに挑戦しようとしたりする気持ちがあるかもしれませんが、まずは今まで蓄積された疲労やストレスを発散することを考えましょう。せっかくの休みを満喫するには、しっかりと休息をとって、体調を整えておくことが大切。くれぐれも無理をし過ぎないようにしてください。■ママの5月病対策(2)リラックス効果のあることを心や体をリラックス、リフレッシュできる方法は人それぞれ。体を動かすことでストレスを発散できる人もいれば、おうちでスイーツを作ったり、睡眠をたっぷりとったりすることでリラックスできるという人もいるでしょう。子どもが小さいうちは、外出すると余計に疲れてしまうので、おうちでできるリラックス方法を考えてみては? たとえば、香りのよい入浴剤を入れて、お風呂でゆっくり過ごしたり、ハーブティーを飲んだり、アロマを焚いたりするのもよいかも。自分にピッタリな対処法で、心と体をリラックスさせれば、きっと5月病予防に繋がるでしょう。■ママの5月病対策(3)家族との関わりを大事にする5月病対策には、人との関わりを持つということも有効です。子どもとのコミュニケーションを普段よりも大事にしたり、パパと過ごす時間を多くつくったりして、家族との関わりを持つようにしましょう。一緒に過ごすうちに、悩みを相談したり、普段感じていることを素直に話したりすることができるようになり、心のモヤモヤが解消されて、5月病とは無縁の体を手に入れられるはずです。イライラしたり、不安になったりしたなと感じた時は、とにかく気分転換をして、感情を溜め込まない工夫をしましょう。今回挙げたポイントを押さえて、ゴールデンウィークを楽しく過ごしてくださいね!
2015年05月05日毎日忙しく過ごしていると、ついつい外食に頼りがち。一人暮らしの方は、特にその傾向が強いのではないでしょうか?そこでご紹介したいのが、『ズボラでも脱糖尿病 血糖値 上がらないのはどっち?』(板倉弘重、浅野まみこ著、アスコム)。「血糖値なんか気にする年齢でもない」という人は少なくないでしょうし、サブタイトルにある「糖尿病」に関しては、なおさら縁遠く感じても当然です。とはいえ、日ごろの健康管理は将来に影響を及ぼすもの。気をつけて損はないので、ふだん何気なくたべている料理やスイーツを徹底比較した本書が役立つわけです。◼︎パスタならどっち?ここで比較の対象になっているパスタは、カルボナーラ(700kcal、食物繊維2.2g、糖質59.7g)、ナポリタン(679kcal、食物繊維4.3g、糖質69.6g)、そしてミートソース(603kcal、食物繊維4.7g、糖質67.1g)。コッテリとしたカルボナーラがよくなさそうな気もしますが、意外なことにカルボナーラが安全メニュー。なぜなら、卵、生クリーム、ベーコン、チーズなどが使われているカルボナーラは、脂質の多いパスタだから。ただし野菜が少ないので、サラダなどで食物繊維を補うことも大切。なお、よくないのは、糖質の多いケチャップを使っているナポリタン。(42ページより)◼︎サラダならどっち?ここに登場するのは、シーザーサラダ(238kcal、食物繊維1.0g、糖質6.5g)と根菜の蒸しもの(119kcal、食物繊維6.0g、糖質20.0g)。やはり意外なことに、よいのはシーザーサラダなのだそうです。なぜならシーザーサラダはチーズやドレッシングがかかるのでカロリーは高めですが、糖が多いのはクルトン程度だから。メインになるレタスには食物繊維が含まれているため、血糖値の上昇をゆるやかにするのだといいます。一方の蒸し野菜はカロリーを抑えることができ、食物繊維も豊富ですが、問題は根菜中心になってしまうこと。いもや根菜、コーンなどは糖質が多いので、食べ過ぎると糖質の上昇につながるわけです。とはいえ、適量なら問題なし。◼︎ケーキならどっち?ケーキは、小麦粉とクリームの使用量が少ないものを。ショートケーキ(344kcal、食物繊維—-、糖質26.1g)やチョコレートケーキ(501kcal、食物繊維—-、糖質40.1g)には、砂糖やホイップした生クリーム、チョコレートなどがたっぷり。生地にも小麦粉や砂糖を多く使い、高糖質なので注意が必要。その点、チーズケーキ(249kcal、食物繊維—-、糖質24.9g)は、チーズを多く含み、一般のケーキよりも糖質が少し抑えることが可能。またチーズはビタミンを多く含み、脂肪代謝に欠かせないビタミンB2も含まれるそうです。よりよいのは、カロリーを抑えたベイクドチーズケーキ。レアチーズは、クッキー部分に糖質が多いので要注意。このように日ごろ食べ慣れているものを比較しているので、少しだけ意識するだけで、食生活を改善できそうです。(文/印南敦史)【参考】※板倉弘重・浅野まみこ(2015)『ズボラでも脱糖尿病 血糖値 上がらないのはどっち?』アスコム
2015年05月04日5月になると、なんとなく体がだるくなる、仕事へのモチベーションが下がってしまう……そんな方も多いですよね。この症状を一般的に「五月病」と呼んでいますが、そもそも何が原因で起こるものなのでしょうか?特に今年から社会人として働き始める新卒の方は、その原因を知って早めに対策をしましょう!五月病ってどうして起こるの?五月病が起こる原因は、いくつか考えられます。たとえば、4月から始まった仕事に対して張り詰めていた緊張感が、5月になって一気に緩んでしまう、というもの。また、ゴールデンウィーク中の休み気分が抜けずにそれを引きずってしまう、というのも原因の一つとされています。その他にも、3~4月の間に溜まった疲れが5月に一気に押し寄せる、季節の変わり目によって身体の調整がうまくできないなど、考えられる原因はさまざまです。五月病は、仕事のモチベーションを低下させるだけでなく、食欲不振やめまいなど、心身にさまざまな症状を引き起こすもの。悪化させないためにも、早めの対策が大切です。五月病は快眠で改善しよう!睡眠には、単純に身体の疲れを癒してくれるだけでなく、心の疲れやストレスも取り除いてくれる役割があります。生活環境が変わると、自分でも気付かないうちにストレスを溜めてしまうもの。それを解消してくれるのが睡眠なんですよ。もちろん、普段もしっかりと眠ることは大切ですが、季節や生活環境が大きく変化する4~5月はとりわけ、いつも以上に睡眠には気を配ってあげたいところ。とくに、新しい仕事を始めたばかりのときは、覚えることが多く、脳も疲労してしまうものです。新卒者の方は、できるだけ早めに眠ることを心がけましょう!新卒者は、快眠のための対策を!早く眠りたいのに、仕事や生活環境の変化などで気持ちが落ち着かず、なかなか寝付けない……という方もいるかもしれませんね。そんなときは、積極的に身体を動かすのがおすすめです。「運動習慣がない人は不眠になりがち」と言われるように、運動と快眠は密接に関係しているんです。大切なのは、1日だけではなくできるだけ毎日続けること。気持ちが疲れているときだからこそ、軽く運動をして、ぐっすりと眠れるように身体を整えましょう。またお風呂に浸かって心身をリラックスさせるのも効果的です。春なので、湯船に桜を浮かべた「桜風呂」を楽しむ、なんていうのも良いかもしれませんね。新卒者は、生活環境の大きな変化でストレスを抱えることもあるかもしれません。しかし、不眠で身体が不調になれば、心身ともにどんどんと疲れていってしまうもの。せっかくの新生活。入社後に五月病でダウンしないためにも、早い段階から対策をしていきましょう!Photo by Linzi
2015年04月24日中国では、近年、経済成長に伴なう所得の増加や、生活水準が向上し平均寿命が延びたことによる高齢化の進展、ライフスタイルの変化で糖尿病などの生活習慣病が増加したことなどにより、医療費が増加しており、ヘルスケア(医療)市場も急成長しています。医療へのニーズが拡大する一方、中国では「看病難、看病貴」(医療機関にかかることが難しく、その費用も高い)といわれる社会問題が生じており、その対応として政府は、国民皆保険制度の実現を進めるとともに、医療機関の整備や高度化、民間・外国資本の医療への参入規制緩和などで、医療へのアクセスを改善する政策を打ち出しています。また、新たな産業育成の観点から、バイオ医薬品や中国医学(漢方薬)の育成・支援なども掲げています。特にバイオ産業は重点分野とされ、複数の国家バイオ産業基地が建設されているほか、3月に米製薬大手と中国のバイオ医薬品会社が提携するなど、取り組みが進んでいます。一方、政府は増加する医療費を抑制するため、国家基本薬品制度を創設し、一般大衆に必要と判断した医薬品をリストアップして指導価格を示し、公開入札することで薬価の引き下げを図っています。そのため、一部の薬価が大幅に値下がりするなど、医薬品メーカーの価格競争は厳しくなっており、6,000以上あるとされる国内医薬品メーカーの競争力強化に向けた再編につながる可能性も指摘されており、今後の動向が注目されます。足元で、中国の経済成長率は鈍化傾向にあるものの、国民生活の変化や政府の医療改革などにより、今後も医療費は増加が続くと予想されているうえ、対GDP比でみた中国の医療費は、主要先進国と比べ低水準にあり、成長余地が大きいと考えられることなどから、中国のヘルスケア市場のさらなる拡大が期待されます。(※上記は過去のものおよび予想であり、将来の運用成果等を約束するものではありません。)(2015年4月17日 日興アセットマネジメント作成)●日興アセットマネジメントが提供する、マーケットの旬な話題が楽に読める「楽読」からの転載です。→「楽読」※1 当資料は、日興アセットマネジメントが市況等についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘資料ではありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。※2 投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産には為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。
2015年04月20日大阪市立大学は、糖尿病の血糖コントロールが悪化することで睡眠の質の劣化を伴う睡眠障害が引き起こされること、ならびに睡眠障害が早朝高血圧を起こすことで糖尿病の心血管障害の原因となることを明らかにしたと発表した。同成果は、同大大学院医学研究科代謝内分泌病態内科学の稲葉雅章 教授らによるもの。詳細は4月14日付でオープンアクセスジャーナル「PLOS ONE」に掲載された。糖尿病患者は、肥満に伴う閉塞性睡眠時無呼吸症候群を除いた場合でも一般人に比べ約2倍の不眠が見られると言われており、さまざまな原因が検討されてきた。また、近年の研究から、睡眠時間が短くなると糖尿病の有病率が上昇することや、睡眠障害を有する患者では2型糖尿病の発症確率が有意に高くなることから、睡眠障害による糖尿病増悪の可能性が示唆されていたものの、直接的な関与はよくわかっていなかった。今回、研究グループは、63名の2型糖尿病患者に対して脳波計を用いた精密な睡眠の質判定を実施。その結果、血糖コントロール指標であるHbA1cの増悪につれて、深睡眠の程度を示すレム睡眠潜時が短縮すること、ならびに血糖コントロール増悪により深睡眠の徐波睡眠相が減少することなどが判明したとするほか、深睡眠の障害が動脈硬化進展につながる可能性も示唆されたとする。これらの結果を受けて研究グループは、現在、睡眠障害により特異的に有効とされるオレキシン阻害薬を用いることで睡眠障害を改善させ、それによりどのような効果が得られるのかについての解析などを行っており、予備段階の研究では、睡眠障害による交感神経系の活動性低下や血糖コントロール改善が認められているとのことで、今後、患者数を増やして睡眠障害に対する治療の位置づけを確立することを目指した研究を進めていく計画だとしている。
2015年04月16日九州大学はこのほど、ウイルス感染による糖尿病発症に関わる遺伝子を発見したと発表した。同成果は九州大学大学院医学研究院保健学部門の永淵正法 教授と、生体防御医学研究所、宮崎大学医学部、佐賀大学医学部、大分大学医学部、愛知県衛生研究所、シカゴ大学医学部らの共同研究グループによるもの。4月7日付け(現地時間)の国際学術誌「Nature Communications」に掲載された。ウイスル感染によって糖尿病を発症する可能性はこれまでも指摘されており、糖尿病を誘発する脳心筋炎ウイルスD株(EMC-Dウイルス)が一部の系統のマウスのみに高率に糖尿病を誘発すること、さらにその感受性遺伝子は単一であることが知られていたが、その責任遺伝子はわかっていなかった。一方、近年の研究でEMC-Dウイルスの感染によって糖尿病になるかどうかは、自然免疫が重要であることが明らかとなっていた。今回の研究では、ウイルス感受性の高い系統のマウスでは、ウイルス感染の防御に働くインターフェロンの効果を発揮するために必要なTyk2遺伝子に異変が起きていることがわかった。また、これらTyk2遺伝子異変マウスの通常の細胞では、高濃度インターフェロン刺激によりウイルス抵抗性が回復したが、インスリンを作る膵臓のランゲルハンス島β細胞では回復力が少なかった。このことから、ウイルス感染を受けてもTyk2遺伝子が正常に働かず防御機能が低下し、インスリンを作るランゲルハンス島β細胞が破壊されてしまい糖尿病が発症していたことがわかった。今回の成果は、マウスに比べてよりウイルス感染に感受性が高いヒトにおいてもウイルス感染が糖尿病の危険因子の1つとなり得ることを示すもので、今後、ウイルス糖尿病の病態の解明、糖尿病を起こしやすいウイルスの発見、わらにはそのワクチンの開発につながることが期待される。
2015年04月10日理化学研究所(理研)と東京大学は4月9日、メタボリックシンドロームに関連する分子として注目されているアディポネクチン受容体の立体構造を解明したと発表した。同成果は理研横山構造生物学研究室の横山茂之 上席研究員と、東京大学大学院医学系研究科の門脇孝 教授、山内敏正 准教授らの共同研究グループによるもので、4月8日(現地時間)付の英科学誌「Nature」オンライン版に掲載される。アディポネクチン受容体は、細胞膜に存在する膜タンパク質で、脂肪細胞から分泌されるアディポネクチンというホルモンによって活性化し、細胞において糖と脂質の代謝を促進し、抗糖尿病、抗メタボリックシンドローム作用を発揮する。タンパク質の立体構造を知ることは、創薬において有用とされる。特に、膜タンパク質は細胞外からの情報を細胞内へと伝達する役目を担っているため、薬の標的分子として注目されている。しかし、アディポネクチンは試料調整が難しく、その立体構造情報を得ることができていなかった。同研究では、高純度の膜タンパク質を大量に製造する手法や、結晶化手法などを使い、アディポネクチン受容体の結晶化に成功。この結晶を大型放射光施設「SPring-8」を用いてX線解析することでその立体構造を調べたところ、同受容体は現在までに知られている膜タンパク質とは異なり、膜貫通部位に亜鉛イオンを結合するなど新規の構造をしていることが判明した。今回の研究成果はアディポネクチン受容体の情報伝達メカニズムの解明につながるだけでなく、メタボリックシンドローム・糖尿病の予防薬や治療薬の開発に有益な情報となることが期待される。
2015年04月09日長瀬産業は3月26日から29日まで岡山県で開催された「日本農芸化学会2015年度大会」において、発酵オタネニンジンによる血糖上昇抑制効果などに関する新知見を発表した。健康食品などに利用されているオタネニンジン(高麗人参、Panax ginseng C.A. Meyer)は、抗ストレスや抗がん、糖尿病改善などさまざまな効果をもつことが知られている。そして、これらの効果はオタネニンジンの含有成分「人参サポニン」の作用によるものと考えられている。代表的な人参サポニンのひとつである「Rb1」は、摂取された後に腸内細菌によって代謝された成分「M1」になってから血液中に取り込まれて、さまざまな生理機能を行う。ただ、腸内細菌のこの代謝活性には個人差があり、Rb1をM1に代謝できずに十分なニンジンの効果を受けられない人が少なからずいる。そのため、同社はあらかじめM1を高含有する機能性食品素材「発酵オタネニンジン」を開発したという。同社は発酵オタネニンジンのストレス下での睡眠障害改善作用など、脳神経系に関わる効果を見いだしてきた中で、今回は「インクレチン」による糖尿病改善効果に着目した。インクレチンとは、消化管より分泌されるホルモン。膵(すい)臓のβ細胞からのインスリンの分泌を促進して血糖値を一定に保つ役割をもつため、糖尿病の予防・改善を考える上で近年、注目されているとのこと。同社が培養細胞を用いて試験した結果、インクレチンのひとつである「GLP-1」の分泌促進活性は、オタネニンジン抽出物よりも発酵オタネニンジン抽出物の方が強いことが明らかになった。また単一成分で比較した場合、Rb1と比べてM1の方が強くGLP-1の分泌を活性化することも判明しているという。今学会ではさらに、M1によるGLP-1の分泌促進の作用メカニズムを解析した結果について発表。M1はMAPK(細胞分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ)などを活性化し、これらを通じた細胞内情報伝達によってGLP-1の分泌が活性化されていることが示唆されたとのこと。同社は「発酵オタネニンジンに含まれる人参サポニン代謝物・M1は、消化管からのGLP-1分泌を活性化し、糖尿病の予防と改善に寄与することが期待できます」としている。
2015年04月07日武田薬品工業4月3日、同社のホームページにて糖尿病治療薬「リオベル配合錠LD」に通常とは異なる識別番号の刻印が施された錠剤の混入が確認されため、一部製品を自主回収することを明らかにした。同社によると、錠剤を製造している大阪工場において、「リオベル配合錠LD」(識別番号:382)の識別番号を刻印するきねの交換作業時に、誤って「リオベル配合錠HD」(識別番号:383)のきねを打錠機へ装着し、「リオベル配合錠LD」を生産したことが今回のトラブルの原因だという。同社は今回の誤った刻印がされた錠剤を、「リオベル配合錠LD」として服用した場合、健康被害が生じることはないとの認識を持っている。ただ、「異なる識別番号の記載により、『リオベル配合錠HD』として処方・服用された場合、有効性に問題が生じる可能性が否定できない」との考えから、一部の「リオベル配合錠LDの100錠包装品」および「リオベル配合錠LDの500錠包装品」の自主回収決断にいたったとしている。なお、詳細は同社のホームページでも確認できる。
2015年04月03日塩野義製薬はこのほど、糖尿病患者3,580名と医師298名を対象に実施した「糖尿病患者と医師の治療行動に関する意識調査」の結果を明らかにした。調査期間は2015年1月。医師を対象に、患者に対して「脳梗塞や心筋梗塞を起こしやすくなる」というリスクについて説明しているか尋ねたところ、93.3%が「行っている」と回答した。しかし、「説明を受けたことがある」と回答した患者は49.1%だった。そのほか、「腎障害(透析)になることがある」「失明することがある」「足を切断することがある」という合併症などのリスクに関しても、医師の「説明している」より、患者の「説明をうけたことがある」が下回っており、リスクに関する医師の説明が患者に認識されにくいことが明らかとなった。治療継続について尋ねたところ、糖尿病の治療について「継続しなければならない」と回答した患者は89.4%だったが「患者自身が治療を継続しなければならないと思っている」と回答した医師は62.1%だった。また「治療を続けることで合併症を予防できる」という質問に「そう思う」と回答した患者は84.6%であるのに対し、「患者はそう思っている」と回答した医師は57.6%だった。患者は医師が思っているよりも、"治療継続意識・合併症予防の必要性"を認識しているようだ。続いて、患者に「医師に指示された運動や食事の管理をやっているか」と尋ねたところ、「運動をしっかりやっている」は30.3%、「食事の管理をしっかりやっている」は32.5%だった。いずれも約3割にとどまり、医師が期待するほど生活習慣の改善は実践できていないという結果になった。糖尿病治療に関して、「医師以外に関わりのある医療関係者はいるか」という問いに対し、64.9%が「いない」と回答した。医師以外の医療関係者(看護師・栄養士・薬剤師など)にもっと相談したいと思うか尋ねたところ、「相談したい」と回答した患者は21.7%だった。
2015年03月30日文化放送は、4月に「文化放送 糖尿病予防キャンペーン」を実施するのにあわせ、新コーナー『ラジオ糖尿病講座』を開始する。同キャンペーンは、自身や家族のため、糖尿病を正しく知って、正しく向き合っていくことを目的に実施する。キャンペーンスピーカーには野村邦丸アナウンサーを起用。野村アナは、キャンペーンスポットCMを放送するほか、『くにまるジャパン』(毎週月~金曜、9時00分~13時00分生放送)内にて新コーナー『ラジオ糖尿病講座』も担当する。同講座は、全16回にわたり、日替わりで糖尿病に詳しい医師をゲストに迎えて放送する。「どんな人が糖尿病になるのか」「自覚症状」「家族ができること」「糖尿病予防のメニューのポイント」「高齢者の注意点」など、さまざまなテーマで展開する。毎回、医師から糖尿病に関するクエスチョンが出され、それに野村アナが答える形で進行する。放送日程は、4月1~3日、6~10日、13~17日、27・28・30日。放送時間は12時18分頃~28分頃(『くにまるジャパン』内)。
2015年03月27日生活習慣病を予防する可能性のある新規化合物を研究するフレグライド研究会はこのほど、「8年熟成恒順香醋」から肥満などの予防効果が期待される新成分「FRAGLIDE1(フレグライド1)」を発見したことに関する記者発表会を開催した。香醋(こうず)とは、もち米を原料に製造された中国の「黒酢」のこと。江蘇省鎮江市の名産品であり、中国国内の80%以上の香醋を江蘇恒順社が生産・販売しているとのこと。江蘇恒順社の香醋の中でも最高級とされているのが、8年間熟成させて作ったという「8年熟成恒順香醋」。その特殊な製法は、中国の無形文化財に指定されているほど。さらに、生産量も鎮江市で製造される香醋年間総生産量の0.2~0.3%とごくわずかであるため、中国国内では市販されておらず、政府などの御用達の品として取り扱われているという。8年熟成恒順香醋は、体内ではつくることができない必須アミノ酸8種類を含む17種類のアミノ酸を含有。その中でも、体内での消化・吸収に優れるといわれる遊離アミノ酸は、総アミノ酸量の30%以上を占めている。そして、江蘇恒順社の日本総代理店および8年熟成恒順香醋の独占販売企業として、2001年に設立されたのが日本恒順だ。同社は日本国内で「恒順香醋 8年熟成」(10ml×14本・税別1,800円 / 150ml・税別1,800円 / 500ml・税別4,000円)を販売する傍ら、同商品に含まれる有用成分の研究を行ってきたという。その過程で、北陸先端科学技術大学院大学 マテリアルサイエンス研究科の辻野義雄教授らの研究グループが、肥満などの生活習慣病を予防する可能性のある新規化合物を発見。香醋(fragrance vinegar)の「FRAG」とButenolide化合物の「LIDE」、今後も同様の機能性物質が見つかることを期待した「1」を組み合わせて、「FRAGLIDE1(フレグライド ワン)」と名付けたとのこと。そして今回、辻野教授ら5名が発起人となってフレグライド研究会が発足した。日本恒順は同研究会の代表企業を務める。日本恒順代表取締役社長・桝谷文武氏は、「私はこの15年間、8年熟成恒順香醋を毎日飲んでいます。職業柄、1日5回ほど会食をしていますが、糖尿病にもならずに健康です」とコメント。そして、「肥満で苦しむ人は日本だけでも約2,000万人いるといわれますが、その方々が本当に欲しいと思っているものを届けたいと思って研究してきました。今回フレグライド1が発見されたことで、これまでの"見つけるため"の研究から、砂糖や塩のように"供給するため"の研究に転換していきたいと考えています」と語った。○8年熟成恒順香醋にしか含まれない新成分「フレグライド1」とは?発表会では、同研究会代表を務める辻野教授が、フレグライド1の細胞実験(2010年)と動物実験(2014年)の成果について発表した。細胞実験の結果、フレグライド1が「PPARγ」を活性化させることを確認。PPARγとは、脂肪組織の細胞核内に多く存在するタンパク質のこと。これが活性化すると、インスリンの抵抗性(インスリンが正常に働かない状態)の改善を促し、肥大化した脂肪細胞を減少させ、代謝しやすい小型の脂肪細胞の増加を誘導するという。「この働きにより、メタボリック症候群、動脈硬化、高脂血症などの生活習慣病の予防や改善が期待できます」と辻野教授。さらにフレグライド1のPPARγの活性化作用により、「白色脂肪細胞」を「褐色脂肪細胞」へ変化させる効果が示唆されたとしている。白色脂肪細胞は皮下や内臓に多く見られ、体内では消費できなかったカロリーを脂肪として蓄積するとのこと。一方で褐色脂肪細胞は、鎖骨、肩甲骨、胸まわりに多く分布し、脂肪を燃焼させてエネルギーに変換させる働きを持つとされている。しかし褐色細胞の数は、新生児の頃を最多として成長とともに徐々に減少し、成人する頃には4割程度しか残らないという。褐色脂肪細胞には、脂肪を燃焼させる"工場"としての役割を持つミトコンドリアが数多く存在し、それを動かしているのが、タンパク質「UCP-1」だという。フレグライド1は、このUCP-1の発現量を増やす働きをするため、脂肪をより効率よく燃やすことが期待できるとのこと。○体重や内臓脂肪の増加などを抑制3カ月にわたって実施した動物実験では、高脂肪食を与えたマウスを「高脂肪食・フレグライド1投与群(以下フレグライド1投与群)」と「高脂肪食・フレグライド1非投与群(以下コントロール群)」に分け、通常の食事を与えた「ノーマル群」とともに比較した。なおフレグライド1の投与量は、人が食品として摂取する場合に非現実的にならないように配慮し、1日に1kgあたり0.037~10μgと設定した。その結果、フレグライド1投与群は最小投与量0.037μgで、「体重変化」「内臓脂肪量」「血中アディポネクチン濃度」「レプチンの分泌量」「インスリンの分泌量」において、良好な結果が得られたという。まず体重に着目すると、コントロール群は実験期間中に継続して体重の増加が見られたのに対し、フレグライド1投与群は増加を約26%抑えることができた。また、フレグライド1投与群はコントロール群と比べて、そけい部の皮下脂肪の増加が約35%抑制されていた。加えて精巣周囲脂肪、腎臓周囲脂肪、腸間膜脂肪といった内臓脂肪の増加も、平均で約15%抑えられていた。さらに、脂肪細胞から分泌されるタンパク質である「アディポネクチン」の濃度にも変化が見られた。アディポネクチンは、細胞内の脂肪を減らしてインスリン受容体の感受性を上げる作用のほか、動脈硬化抑制、抗炎症などの作用が報告されている。その血中濃度を比較したところ、コントロール群では血中濃度が低下したのに対し、フレグライド1投与群では大きな減少は見られなかった上に、投与量の増加に比例して分泌量が増加することがわかった。続いて、レプチンの分泌量を比較。レプチンは肥満の抑制や体重増加の制御の役割を果たすペプチドホルモンだが、過剰分泌すると血圧を上昇させるといわれている。実験の結果、フレグライド1投与群で過剰な分泌は見られず、その副作用は起こらないと判断できるとのこと。最後に、血糖値の上昇を抑える働きを持つという「インスリン」の分泌量に異常がないかどうかを調べた。結果として、コントロール群では過剰分泌が確認されたのに対し、フレグライド1投与群では分泌量が下がり、あわせて血糖値の上昇を抑えることが示唆された。なお、投与量を変えて毒性の有無についても調査を行ったところ、1日の最大投与量を1kgあたり10μgにした群でも、副作用などの問題は見られなかったとしている。同研究結果は、3月28日に岡山大学・津島キャンパスにて開催する「日本農芸化学会2015年度大会」で発表予定。辻野教授は、「フレグライド1は、まだ実験や効果検証が始まったばかり」としながら、今後について「引き続き肥満や糖尿病について実験で効果を検証し、臨床実験では有効性や安全性を検証していく予定です。将来的には、健康食品や機能性食品、医薬品などにも展開できればと思っております」と期待を込めて話した。
2015年03月26日岐阜大学は3月3日、国際基準を満たす治験薬製造設備を設置し、同設備によりクロイツフェルト・ヤコブ病(ヤコブ病)の治験薬の開発を進めると発表した。治験薬製造には無菌状態が不可欠で、国際基準を満たす必要がある。今回設置された設備はそれを満たすもので、高温高圧下の環境で数十種類の有機化合物を合成して製薬し、無菌状態の設備内で分包することができる。こうした設備を大学で導入するのは世界で初めてとのことで、大学内で人体へ使用可能な治験薬を製造することが可能になる。ヤコブ病は数カ月にわたる進行性痴呆や視力障害、錯乱、めまい、無感情などの症状が見られ、発病から3~12カ月で死亡する希少難病。原因は神経細胞に存在する「プリオン」と呼ばれるタンパク質が破壊され、異常構造となり毒性を帯びて神経細胞を殺すためとされているが、現在のところ有効な治療法は確立されていない。同大学の大学院連合創薬医療情報研究科の桑田一夫 教授を中心とした研究グループはこれまでの研究で、プリオンタンパク質の正常構造を安定化させ、異常構造への変換を抑制する化合物「メディカルシャペロン」を治験薬として開発している。新設備の設置により人体への治験が可能となることで、ヤコブ病を始めとするプリオン病の治療法の確立へとつながることが期待されるほか、アルツハイマー病など他の認知症の治療薬研究にも役立つと考えられている。なお、ヤコブ病に対する治験は2年後を予定している。
2015年03月03日メニエール病という病気をご存知でしょうか? 最近、人気男性アイドルがメニエール病と診断されたというニュースが話題になったので、名前だけは聞いたことがあるという人もいるかもしれません。今回は、メニエール病と睡眠の関係についてお届けします。メニエール病とは?メニエール病は、めまい・耳鳴りなどの症状が繰り返し起こる病気で、場合によってはうつ病を併発することもあると言われています。冒頭の男性アイドルは、ある日を境にめまいなどによって立ち上がることもできなくなってしまったそうです。メニエール病は原因不明の病気と言われています。ただ、現在では耳の中にリンパ液が溜まることが一因という報告もあるのです。睡眠障害がメニエール病を引き起こす原因に?一見すると睡眠と関係なさそうなメニエール病ですが、この病がじつは「睡眠障害から引き起こされている可能性がある」という論文が発表されました。その論文の根拠になった実験は、メニエール病の患者、数十人に入院してもらい、睡眠中の呼吸や脳波を測定するというもの。その結果、睡眠時間は健康な人よりも30分ほど長かったものの、ノンレム睡眠(深い睡眠)が少なく、レム睡眠(浅い睡眠)が多いということがわかったそうです。このことから、メニエール病の患者は1~2割の確率で睡眠障害も併発している可能性がある、と考えられています。早期発見のためにも検査を!確かに、常にめまいや耳鳴りに襲われている状態を想像すると、ぐっすり眠ることはできなさそうですよね。この結果を踏まえてメニエール病患者に専用マスクと食事指導で治療を行ったところ、半年間ほどでめまいや睡眠時無呼吸などの症状は改善されたそうです。夜の睡眠中にはさまざまな難病を治すヒントが隠されているとも言われています。検査を受けることで、思わぬ病気の早期発見につながるかもしれません。気になる症状がある方は早急に医師に相談するようにしましょう。photo by Robo Educational Toys BV
2015年02月19日東芝は2月16日、糖尿病が重症化する可能性が高いハイリスク者を抽出・分析し、その結果に基づく保健事業の立案、実行、効果検証までのPDCAサイクル全体を支援するサービスを健康保険組合向けに2月末日から開始すると発表した。今回、保険者の健診データとレセプトデータを独自の手法により分析することで、糖尿病でありながら医療機関において十分な治療を受けていない、あるいは未受診であるハイリスク対象者を高精度に抽出する手法を開発した。また、透析治療、インシュリン治療、投薬治療の治療ステージごとの状態の人数変動を確率として算出し、保健事業にかかる費用を算定する手法も合わせて作成した。さらに、開発した手法を適用し、東芝健康保険組合と共同で糖尿病ハイリスク対象者の抽出および受診推奨などの介入を行う実証を実施した。その結果、高精度にハイリスク者を抽出することで介入の効率性が高まり、約90%の介入対象者が治療を開始するとともに健診値の改善が確認できたという。一方、厚生労働省は、全ての健康保険組合に対し、健康診査(健診)やレセプトなどの健康医療データの分析、それに基づく加入者の健康保持増進のための事業計画である「データヘルス計画」の作成・実施を義務化している。そこで今回、「データヘルス計画」を作成する健康保険組合を支援するための新サービスを開発したという。今後は、まず糖尿病ハイリスク者分析から保険者向け保健事業支援サービスに参入し対象疾病を拡大していくとともに、地域包括ケアも見据えた事業へと展開していくとコメントしている。
2015年02月17日