『映画けいおん!』(2011年)、『映画 聲の形』(16年)の山田尚子監督による新作長編アニメーション映画『きみの色』(8月30日公開)のボイスキャストが新たに発表され、やす子、悠木碧、寿美菜子、戸田恵子らの出演が明らかになった。完全オリジナル作品である本作は、スタジオジブリや京都アニメーションの数々の大ヒット作品を手がけ、山田監督とは「けいおん!」シリーズ以降、幾度となくタッグを組む吉田玲子が脚本を担当。メインキャラクターの日暮トツ子役を鈴川紗由、作永きみ役を高石あかり(※高=はしごだか)、影平ルイ役を木戸大聖、3人を導くシスター日吉子役を新垣結衣が演じる。新たに発表されたやす子、悠木、寿の3人が演じるのは、トツ子の寮のルームメイトで、温かみのある優しい自然色を放ち、”森の三姉妹”とトツ子が勝手に名付けた、さく・しほ・スミカの3人。大らかで芯が強く、食いしん坊の百道さくの声をお笑い芸人のやす子が担当。やす子は本作が自身にとっての夢の「声優デビュー」だったことを明かし、「とても緊張しました!同時にずっとやってみたかった声優さんができて本当に本当にうれしかったです!」と声優の仕事に喜びのコメント。「今私は25歳ですが40歳、60歳、と歳を重ねた際にまた観たいなぁと思いました。声優デビューがこの作品でよかったです!映画館に81回(はい〜)見に行きたいと思います!はい〜!」とユニークなコメントを寄せている。明るくておっとりしており、ちょっぴり変わったものが好きな七窪しほの声は、悠木が担当。『映画 聲の形』や『平家物語』で山田監督作品に出演したことのある悠木は「『平家物語』に引き続き、山田尚子監督の作品に参加できることを心からうれしく思います!本作も、繊細な演出で描かれた登場人物の心情がとても印象的で、きっと皆さんも上映後には心が温かくなるんじゃないかなと思います!」とアピール。「音楽と学生はさまざまな作品で描かれてきたテーマですが、山田監督の作品らしさ全開の個性的な1作になっています!」と監督作品出演経験のある悠木らしいコメントで太鼓判を押した。友達思いのギャルで、モノマネが上手い八鹿スミカの声を担当した寿は、山田監督作品「けいおん!」シリーズでは琴吹紬役を演じた。「山田さんは、とにかくキャラクターを愛して楽しく制作してくださるので、現場の雰囲気もとても温かく、作品にスッと入ることができました」とアフレコ現場を振り返り、「山田さんとも『こういう子居ますよね』と意気投合しながら臨ませてもらいました。山田さんは割とキャラと役者さんを重ねて見てくださることが多いので、自分にもそういった要素があって今回オファーしていただけたのだとしたら、とてもうれしいです(笑)」と、裏側のエピソードを明かしている。戸田は、主人公の一人・作永きみと2人で暮らす祖母・作永紫乃役を演じる。今回初めての山田監督作品出演となる戸田は「収録日に監督とも初めてお目にかかりました。監督然とはしてなくて、めちゃくちゃ可愛らしい方でした」と監督の印象を明かす。演じる紫乃は孫のきみが退学したことを知らない「綺麗でファンキーで優しいおばあちゃん」。「素敵なシーンがあり過ぎて上手く言えないのですが、テルミンの音色に癒されました。3人の演奏シーンは感動です。そして、物語のクライマックスに感涙します。トツ子ちゃんはとにかくキャワイイ。トツ子ちゃんにいつでも色が見えていますように願います」と、作品への期待値を高めるコメントを寄せている。さらに、今週16日より、毎月16日(いろ)の日に本作を彩る魅力について迫るYouTube企画【『きみの色』colorpallet】の連載が東宝MOVIEチャンネルにてスタート。初回は山田尚子監督のcolorpalletに迫る内容となる。■やす子のコメント収録当時は人生で初めての声優デビューでしたのでとても緊張しました!同時にずっとやってみたかった声優さんができて本当に本当にうれしかったです!お声掛けをいただいた際に、「あの『けいおん!』の山田監督!?」となるほど『けいおん!』が好きでしたので恐れ多くも大感激、テンションHIGH〜!でございました!『きみの色』は、美しく、繊細で、色とりどりでとても素適な映画です!今私は25歳ですが40歳、60歳、と歳を重ねた際にまた観たいなぁと思いました。声優デビューがこの作品でよかったです!映画館に81回(はい〜)見に行きたいと思います!はい〜!■悠木碧のコメント平家物語に引き続き、山田尚子監督の作品に参加できることを心からうれしく思います!本作も、繊細な演出で描かれた登場人物の心情がとても印象的で、きっと皆さんも上映後には心が温かくなるんじゃないかなと思います!そんな世界観の中で、主人公トツ子の友人・しほを演じさせていただいております。自分の学生時代を思い出しつつ、今学生だよという方にも、いつか学生だったよという方にも、ちょっと自分事に捉えてもらえたらいいなぁと思いながらアフレコしておりました。学校でいつも一緒にいる友人の安心感を感じていただければ幸いです!音楽と学生は様々な作品で描かれてきたテーマですが、山田監督の作品らしさ全開の個性的な1作になっています!間違いなく、人を好きになれる作品なので、ぜひ劇場でお楽しみください!■寿美菜子のコメント映画『きみの色』で、スミカを演じさせてもらいます寿美菜子です。今回は、大好きな山田監督作品に「けいおん!」ぶりに出演することができて、とってもうれしいです。山田さんは、とにかくキャラクターを愛して楽しく制作してくださるので、現場の雰囲気もとても温かく、作品にスッと入ることができました。私演じるスミカは、主人公・トツ子の仲良しグループの1人です。ギャル味がありますが根は優しい子。山田さんとも「こういう子居ますよね」と意気投合しながら臨ませてもらいました。山田さんは割とキャラと役者さんを重ねて見てくださることが多いので、自分にもそういった要素があって今回オファーしていただけたのだとしたら、とてもうれしいです(笑)今作はタイトルにもあるように「色」が本当に美しく、そして心に残る中毒性のある音楽。ぜひ劇場でお楽しみください。■戸田恵子のコメント山田尚子監督の作品に初参加です。大変うれしく思っております。収録日に監督とも初めてお目にかかりました。監督然とはしてなくて、めちゃくちゃ可愛らしい方でした。私のおばあちゃん役を気に入っていただけたようでホッとしました。おばあちゃんは綺麗でファンキーで優しいおばあちゃんです。映画は観ているとどんどん浄化されていく、そんな作品でした。とても柔らかなタッチで描かれていて、プリンシパルの3人は魅力にあふれていて、3様の面白さがありそして共通項もあります。収録した日の私は「水金地火木土天アーメン」このフレーズをずーっと歌ってました。映画を観て歌って帰るなんて素敵じゃないですか?素敵なシーンがあり過ぎて上手く言えないのですが、テルミンの音色に癒されました。3人の演奏シーンは感動です。そして、物語のクライマックスに感涙します。トツ子ちゃんはとにかくキャワイイ。トツ子ちゃんにいつまでも色が見えていますように願います。■山田尚子監督のコメントトツ子は寮生活をしているのですが、そのルームメイトにすばらしいお三方にご参加いただきました。おおらかで芯の強いさくちゃんにやす子さん、一見近寄りがたそうでいてとても責任感の強いスミカに寿美菜子さん、楽しくてちょっと変なことが大好きなしほに悠木碧さん。この方々がトツ子の毎日を彩ってくださいました。アフレコでは、とにかく楽しそうにさくと向き合ってくださったやす子さん。彼女から生まれるさくはなんともかわいらしく、幸福感に満ちていてアフレコ現場が笑顔であふれました。寿美菜子さんは、さすがの安定感ときりっとした色気をもってスミカを作り上げてくださいました。そして悠木碧さん。彼女は、トツ子を取り巻く音を丁寧に考えて、パズルのピースをはめていく様にしほを演じてくださいました。この可愛らしい 3 人のルームメイトのおかげでトツ子の毎日の生活がとても彩り豊かなものになったと思います。また、きみを支える彼女のおばあちゃん。紫乃さんに戸田恵子さん。紫乃さんは、きみのお母さんだったり、時にはお姉さんのようだったり、と前を行く女性のしなやかと可愛らしさがある人です。これは、戸田さんご本人が持っていらっしゃる魅力ととてもぴったりと合っていると感じてお願いしたのですが、やはり素晴しくて。瑞々しさと落ち着き、太陽と月を併せ持つような本当に魅力的な紫乃さんが誕生しました。
2024年05月13日山田尚子が監督を務める長編アニメーション映画『きみの色』が、現地時間6月9日(日) から15日(土) にフランス・アヌシーで開催されるアヌシー国際アニメーション映画祭2024の長編コンペティション部門に正式出品されることが決定した。山田監督にとって同映画祭への出品は、2017年の『聲の形』、2018年の『リズの青い鳥』での長編部門への出品に続いて、本作が3度目となる。出品の決定を受けて山田監督は「ひとつの色やことばでは収まりきらない、カテゴライズしてしまってはあふれてしまうようなひとりひとりの存在、その尊さを描いたこの物語を世界中の方々にも届けることができるのはこの上ないしあわせです」と喜びを語っている。併せて、“音楽×青春”をテーマとして描かれた本作の場面写真11枚が公開された。子どもの頃から人が「色」で見えるトツ子が、綺麗な「色」を見てうっとりしているカットや、トツ子と同じ学校に通っていたが突然中退してしまったきみがギターを弾いている姿、音楽好きで物静かな少年のルイがレコードを手にした姿、そしてとあるきっかけでバンドを組むこととなった3人が並んでアイスを食べている一幕など、物語の中心となる3人の性格が見えてくるような写真となっている。そのほかにも、3人を導く物語のキーパーソン・シスター日吉子が聖堂でトツ子と話しているカットや、朗らかな表情で踊るトツ子、色とりどりに花が咲く庭の中、軽やかな足元だけを写した、山田監督作品らしい繊細な色遣いへのこだわりを感じさせる印象的なカットも確認できる。■山田尚子監督 コメント全文きみの色は「好きなものを好きと言えるつよさ」を3人の少年少女がそれぞれの想いで歩いていくお話です。この思いは、私自身も作品を作っていく上でとても大切にしたい事だと改めてつよく感じたことでした。ひとつの色やことばでは収まりきらない、カテゴライズしてしまっては溢れてしまうようなひとりひとりの存在、その尊さを描いたこの物語を世界中の方々にも届けることができるのはこの上ないしあわせです。どうぞきみの色をよろしくお願いします!<作品情報>『きみの色』8月30日(金) 公開公式サイト:「きみの色」製作委員会
2024年04月26日研ぎ澄まされた技術と音色、深い作品理解を兼ね備え、幅広いレパートリーを誇るピアニストの河村尚子。世界を駆け抜け活躍する彼女だが、2022年にはその功績が認められ「第51回サントリー音楽賞」も受賞。益々の活躍が期待されるなか、デビュー20周年を迎え、記念リサイタルを行う。バッハにプロコフィエフ、ショパンなどの重厚なプログラムが予定されているが、まず目を引くのが委嘱作品だ。「《単彩の庭 IX》の作曲者である岸野末利加さんは、現在ケルンを拠点に活躍されている作曲家です。独奏曲にアンサンブル、オーケストラまで幅広く手掛けていらっしゃいます。『尾高賞』受賞作の《チェロとオーケストラのための「What the Thunder Said / 雷神の言葉」》でご存じの方も多いのではないでしょうか」今回岸野の作品をプログラムに入れたのは、ここ最近の河村の活動とも大きく関わっている。「サントリー音楽賞の記念演奏会でエイミー・ビーチのピアノ協奏曲を演奏したのですが、本当に素晴らしい楽曲でした。これをきっかけに、是非今後も女性作曲家の作品を積極的に取り入れていきたいと考えたのです。また同じ記念演奏会の別日程では矢代秋雄のピアノ・ソナタも弾き、邦人作曲家の作品の魅力にも改めて気が付きました。まさに岸野さんはいまの私が目標としていることに合致する方だったのです。もちろん作品自体も本当に素晴らしいので、多くの方にお聴き頂きたいですね」その他にはこれまでの積み重ねと新しいチャレンジという意味が込められている。「バッハ=ブゾーニの《シャコンヌ》は1月1日に発生した能登半島地震に想いを寄せて決めました。この曲を初めて弾いたのが東日本大震災の後の日本ツアーだったこともあり、復興の願いを込めて演奏したいと思います。プロコフィエフの《戦争ソナタ第7番》は争いの絶えない世の中に対する平和の願いです。そしてショパンのピアノ・ソナタ第3番は久しぶりに演奏します。新しい気持ちで向かいつつ、これまで勉強してきたものを発揮していけたらと思っています」ツアーにあわせて20周年記念アルバムの発売も予定されている。「ピアノという楽器は本当に色彩豊かです。様々な国や時代の作曲家が描く音世界を通して、“ピアノはこんな音も出せるんだ”ということをお伝えしたく、ジュエリーボックスのように様々な楽曲を収録する予定です。音にあらわれている各作曲家の話す言語や生きた時代を、皆様にしっかりとお届けできるように演奏したいです」取材・文:長井進之介河村尚子 ピアノ・リサイタル■チケット情報()()9月28日(土) 14:00開演兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール9月30日(月) 19:00開演サントリーホール曲目J.S.バッハ/F.ブゾーニ:シャコンヌ BWV1004岸野末利加:単彩の庭 IX(河村尚子委嘱作品)プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番「戦争ソナタ」 変ロ長調 Op.83***ショパン:即興曲第3番 変ト長調 Op.51ショパン:ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 Op.58
2024年04月25日山田尚子監督の完全オリジナルアニメーション映画『きみの色』の報告会にて、本作に新垣結衣が出演していることが分かった。『映画けいおん!』『映画 聲の形』の山田監督最新作は、青春期の物語。新垣さんが演じるのは、音楽で心を通わせていく3人を導くキーマンであるシスターの日吉子。新垣さんは「完成した作品を見たとき、全てが柔らかくて繊細で、心に淡い春色(はるいろ)の風がそよぐような優しい気持ちが、画面から溢れていると感じました」と作品の印象を明かし、「シスター日吉子は、物語の登場人物の中では、大人たちとトツ子たちの間にいる人だと監督から説明をいただきました。トツ子たちに対して、他の大人たちよりもひとつ心の距離が近いというか、静かに、でも熱く、いや実は“かなり”熱く、トツ子たちを見守っている人です。気持ちをわかりやすくストレートに表すセリフはあまりない印象だったので、日吉子がなにか言葉を飲み込んだときの、その奥の気持ちはどんなものかを想像するのも、とてもやり甲斐ある作業でした」とコメントした。監督は新垣さんの出演に関して、「新垣さんのことはテレビや映画のスクリーンを通してでしか知らないのですが、勝手な思い込みかもしれませんが彼女はきっとすごく芯が強くて、ものすごくぶっきらぼうなぐらい真面目な方なんじゃないかな、そしてすごくチャーミングな方なんじゃないかなという風に思っていました。それはまさに今回のシスター日吉子にぴったりなんです」と話している。本作の主演を務めるのは、オーディションを経て、大河ドラマ「どうする家康」に出演した鈴川紗由、『ベイビーわるきゅーれ』シリーズの高石あかり、この春放送予定の「9ボーダー」への出演が決定している木戸大聖に決定。トツ子「声優のお仕事はずっとやりたい目標の一つだった」という、人が色で見えるトツ子役の鈴川さんは、「最初に聞いた時は嬉しいという感情がまだなくて、信じられなくて、頭が真っ白になって涙が止まりませんでした」とふり返る。きみトツ子と同じ学校だったきみ役の高石さんは「山田監督の作品に出演させていただけるということが本当に嬉しくて、感動しました」と参加を喜ぶ。離島に住むルイ役の木戸さんも「不安とプレッシャーがありました。それと同時に山田監督の作品に出られる、という喜びが押し寄せてきました」と語っている。ルイまた今回、本編映像初公開となるスペシャルPVも合わせて到着した。『きみの色』は8月30日(金)より全国東宝系にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:きみの色 2024年8月30日より全国東宝系にて公開予定©2024「きみの色」製作委員会
2024年03月19日深くしなやかな音とこまやかな情感で聴き手を魅了する河村尚子。来日するオメル・メイール・ヴェルバー指揮ウィーン交響楽団とブラームスのピアノ協奏曲第1番を弾く。「ブラームスの協奏曲はスケールが大きく、交響曲的な構造。私はシンフォニーも大好きなので、第1番にも第2番にもすごく惹かれます。ピアノ協奏曲第1番には、若かりしブラームスの情熱と勢い、激しさ、悩みと愛情、あこがれ……。さまざまな思いが詰まっています。すごく張り切っているブラームス。いろんなことに挑戦してみたいという姿が、音楽を通して見えてくるようです」24歳のブラームスが完成した若き日の作品。はじめ2台ピアノの作品として着想したとか、当初の第2楽章は《ドイツ・レクイエム》に転用されたとか、完成した第2楽章はミサ曲から転用したものとされているとか、いろんな「物語」のある作品だ。「その第2楽章の讃美歌のような音楽など、伝統的な協奏曲の第2楽章のスタイルではありませんよね。ブラームスはオルガンも弾いていたり、いろんな分野からピアノ音楽にたどり着いた。ピアノだけを中心にしている人だったら、こんな音楽は書けないんじゃないかなと思うのです。オーケストラも書ける。宗教曲も書ける。ピアノ曲も書ける。室内楽も書ける。歌曲も書ける。そういういろんな引き出しを持った人だからこそできあがったピアノ協奏曲だと思います。それらすべてが編み込まれている感じです。その一方で、第3楽章の終わりにはフガートが書かれています。フガートって、協奏曲の第3楽章でよく出てくるんですよ。シューマンも書いているし、ベートーヴェンの第3番もそう。そういう伝統もちゃんと踏まえたうえで、自分の新しい音楽を作っていこうという意気込みが感じ取れます」(C)Marco Borggreveブラームスの作品は、「音楽の波が自然に、心地よく流れていく」と語る。「もちろん弾くのが大変なところはたくさんありますよ(笑)。でも弾いていて心地よいというか、音楽の波に自然に乗せられていくんです。ブラームスって、頭でっかちになりすぎないというか、頭と心、技巧的な部分とエモーショナルな部分のバランスが非常にいい。和声もとても巧みで、弾いても聴いても心地よい。ピアニストたちが弾きたい協奏曲のひとつだと思いますよね。そして、オーケストラにとっても弾きがいがある。ソロ・ピアノの伴奏としてではなく、一種の交響曲として弾くから、その意気込みがオーケストラ側からも感じられます。歌はすべての音楽の原点ですから。私は生徒に教える時、楽器ではなく、まずは自分の声で歌ってみてと言っています。自分も歌います。自分がどう歌う時に把握しないと自然さが出てこないですし、声を出して歌ってみると、ブレスの場所や呼吸の長さがわかってくる。もちろん、楽器でしかできない歌い方もあるので、両方を組み合わせて音楽を作っていければいいですね」指揮者ヴェルバーとは初共演。事前にウィーンでリハーサルをして来日する。(C)Julia Wesely「コンサートだけの指揮者ではなく、2025/2026シーズンからハンブルク州立歌劇場の音楽総監督に就任するなど、ブラームスと同じく、すごく広い分野から音楽を取り出している人物だと思います。アコーディオンを演奏されたり、新しい音楽の見方、コンサートのあり方をどんどん改革していく方なんじゃないかなと思っております」今年は日本デビュー20周年の節目の年。9月にはそれを記念したリサイタル・ツアーも予定している。「佐賀県の有田市を皮切りに、毎年のように演奏会をさせていただいている山形の白鷹町、故郷である兵庫県立芸術文化センター。そしてフィリアホールとサントリーホール。ショパンのソナタ第3番を後半のメインに、現代作曲家・岸野末利加さんに委嘱した《単彩の庭園 IX》の初演、そしてプロコフィエフのピアノ・ソナタ第7番。コンサートの始まりは、能登半島地震で被災された方々へ捧げる祈りとしてバッハ/ブゾーニの《シャコンヌ》を弾きます。やはりバッハは、心をゼロに戻して祈ることができる音楽だと思うのです。岸野さんの作品は彼女の《単彩の庭園(Monochromer Garten)》というシリーズの9曲目。「単彩の庭園」は日本庭園をイメージした作品シリーズで、彼女は京都のご出身でご実家がお寺さんなんです」女性作曲家の紹介は、近年彼女が手がけているプロジェクトの一環。また4月には、東京や山形で、フランスの近現代作品と矢代秋雄、武満徹を組み合わせた新しい取り組みも。21年目の新たな一歩を刻み始めた河村尚子から目が離せない。(宮本明)オメル・メイール・ヴェルバー指揮ウィーン交響楽団■チケット情報()3月13日(水) 19:00開演ブラームス:ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 Op.15[ピアノ] 河村尚子ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 Op.683月14日(木) 19:00開演ベートーヴェン:交響曲第8番 ヘ長調 Op.93ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 Op.92サントリーホール
2024年03月06日異なる個性、スタイルをもつ演奏家が舞台上で共演する東京芸術劇場の人気シリーズ「VS」の第7弾が11月14日(火)に開催される。今回は、ピアニストの河村尚子とアレクサンドル・メルニコフが出演。熱い演奏を繰り広げる。本シリーズは、ふたりのピアニストが、ピアノ・デュオ(2台のピアノ)演奏によって、熱狂的な空間を創造するリサイタル。ここでしか見られない演奏が人気を集めている。河村尚子 (c)Marco Borggreve河村尚子は、ミュンヘン国際コンクールで第2位、クララ・ハスキル国際コンクールで優勝し、ドイツを拠点にウィーン響、バイエルン放送響などにソリストして迎えられた音楽家。2019年秋公開の映画『蜜蜂と遠雷』では主役・栄伝亜夜のピアノ演奏を担当するなど、活動も多岐に渡っており、現在はドイツのフォルクヴァング芸術大学教授も務めている。アレクサンドル・メルニコフ (c)Marco Borggreve河村と共演するのはロシアのピアニスト アレクサンドル・メルニコフ。シューマン国際コンクール、エリザベート王妃国際音楽コンクールなど主要な国際ピアノコンクールで入賞を果たし、ロイヤル・コンセルトヘボウやライプツィヒ・ゲヴァントハウスなどの数多くの名門オーケストラと共演。古楽器とモダンピアノとを弾き分け、多彩なレパートリー、スケールの大きな表現力をほこるピアニストだ。当日は、ふたりのアイデアによりピアノ1台4手連弾の傑作「シューベルト/幻想曲 ヘ短調 D940」をはじめ、ドビュッシー自身の編曲による1台4手連弾版の交響詩『海』、2台ピアノ作品の金字塔「ラフマニノフ/交響的舞曲」が披露される予定。それぞれ異なるアプローチで楽曲に向き合うふたりの演奏が、ステージ上で重なり合う。トップソリストの共演は多くのファンの注目を集めそうだ。「ぴあ」アプリ限定 割引チケット販売中!芸劇リサイタルシリーズ「VS」Vol.7河村尚子×アレクサンドル・メルニコフ11月14日(火)19:00開演東京芸術劇場 コンサートホール(東京都豊島区西池袋1-8-1)出演河村尚子 (ピアノ)アレクサンドル・メルニコフ (ピアノ)曲目シューベルト/幻想曲 ヘ短調 D940ドビュッシー/交響詩『海』(作曲者による1台4手版)ラフマニノフ/交響的舞曲
2023年10月04日国内外で活躍するジャズ・ヴァイオリニストの寺井尚子が企画と原案を担当し、真琴つばさら宝塚歌劇OGが出演する、初のコラボレーション『ALL THAT ZZJAALL THAT ZZKA(オール・ザット・ズージャ/オール・ザット・ズカ)』。出演者から真琴のほか姿月あさと、湖月わたる、風花舞、そして昨年退団したばかりの天寿光希と晴音アキに本作への意気込みを聞いた。「ジャズの“扉”は開けられても“その先”に進むのが難しいと感じていたところだったので、出演できて嬉しい」と微笑むのは、昨年ジャズを歌うアルバムをリリースしたばかりの真琴だ。姿月も「自分のコンサートでジャズを歌うことは多いのですが、OG公演でシャンソンなどではなく、ジャズだけっていうのはなかなか無いですよね。それだけに、このメンバーでの共演が楽しみです」と話す。一方、ジャズダンスの魅力を「解放感」と表現するのは湖月。「そこにハマってたくさん踊ってきましたが、ジャズの歌のほうはまだまだ挑戦中。本作を通してさらに勉強できたら」と意気込む。「“ジャズ”と聞いて一番印象深いのは、歌劇団に在団中、NY公演(1992年)で踊ったベニー・グッドマン」という風花は、「今回は歌が多いので緊張しますが、寺井さんとご一緒できるのが何より嬉しい」と笑顔を見せる。さらに、意外にも在団中はジャズに触れる機会が少なかったという天寿は「他の組でジャズのシーンがあるとワクワクして観ていました(笑)。憧れの先輩たちからたくさん吸収したいです」と気合い充分。晴音もうなずきながら、「“宝塚とジャズ”ってたくさんの名場面が残っていますよね。退団後はジャズを勉強したいと思っていたので、出演できて夢のよう」と喜ぶ。2人とも在団中は“エトワール”(フィナーレでの独唱)経験者だけに、強力な助っ人となりそうだ。選曲については、「真琴さんたちと『せっかくだからハードルの高い曲に挑戦してみたいですよね』と相談しました」と茶目っ気たっぷりに明かす湖月。「まさかの選曲です」(姿月)、「女性同士でのデュエットも」(真琴)など、気になる発言が飛び出した。「宝塚歌劇出身者の声って独特だなと思うんですよ。そういう声を持った人たちが“ジャズ”という枠で歌ったときに新しいハーモニーが生まれる。ぜひ楽しみにしていてください」と語る真琴。「寺井尚子カルテット」の生演奏と、真琴らのパフォーマンスが融合して贈る新たなステージ。その開幕を楽しみに待ちたい。取材・文:藤野さくら【公演情報】ALL THAT ZZJA ALL THAT ZZKA東京:9/22(金)~9/24(日) 日本青年館ホール大阪:9/29(金)~10/1(日) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
2023年08月01日『映画 聲の形』や「けいおん!」の山田尚子監督のオリジナル作品「Garden of Remembrance」が、フランスで開催される世界最古・最大規模のアニメ映画祭「アヌシー国際アニメーション映画祭」にて特別上映されることが決定した。空のビール缶・ウィスキーグラスが床に置かれ、部屋の端には画材やエレキギターが並ぶ、少し散らかった「きみ」の部屋。携帯のアラームが鳴って、ぼんやりと起き上がり「きみ」1人の朝が始まる。「ぼく」が好きだったアネモネの花、それは「ぼく」との思い出を繋ぐ大切な花。ある日部屋のクローゼットを開けると「ぼく」との思い出が「きみ」を包み込んでいき…。これは「きみ」と「ぼく」、そして「おさななじみ」との“さよなら”を描く物語――。本作は、アネモネの花をテーマとして、「きみ」と「僕」と「おさななじみ」の3人の感情が揺れ動く様子を鮮麗に描いた、珠玉のハートフルショートアニメーション。制作は「サイエンスSARU」が担当、キャラクター原案は「花のズボラ飯」の作画を手掛けた漫画家・水沢悦子、音楽は「可愛くてかっこいいピチピチロックギャル」として活動するシンガーソングライター・ラブリーサマーちゃんが書き下ろす。なお、本作に加え、日本作品からは『BLUE GIANT』、『THE FIRST SLAM DUNK』、『名探偵コナン 黒鉄の魚影』などが特別上映される。「Garden of Remembrance」は2023年リリース予定。(cinemacafe.net)
2023年05月08日2月7日、大手自動車メーカー「スズキ」は社外取締役の候補者として、元陸上競技選手でスポーツキャスターの高橋尚子(50)を選任したと発表した。6月開催予定の第157回定時株主総会での承認を経て、正式決定となる。選任理由について、スズキは「高橋氏はスポーツ分野の第一人者であり、環境や社会貢献などへの取り組みを評価する『ESG』への対応などで知見を発揮してもらいたい」と語った。’00年のシドニー五輪女子マラソンで日本女子陸上史上初となる金メダル獲得という、偉業を達成した高橋。愛くるしいキャラクターもあって大ブレイクし、同年には国民栄誉賞も受賞した。’08年10月の現役引退以降は、マラソン解説者やスポーツキャスターとして数々の番組に出演で活躍。途上国の子供たちへの慈善活動などにも積極的に参加していた。“Qちゃん”の愛称で日本中から親しまれた高橋だが、あまり公言してない趣味があった。16年7月下旬、高橋が向かったのは、なんと千葉市内にある当時の自宅から10キロほど離れたパチンコ店。午前11時半ごろに入店すると、大きなマスクで顔を隠したまま、ホラー小説『リング』の台の前へ。黙々と打ち始めるやいなや10分ほどで大当たりを引くと、2時間後にはなんと “ドル箱”が14箱も積み上げられるほどに。その後はトイレ休憩以外、食事もとらずに黙々と打ち続ける。そして、午後8時頃にマネージャーも務める恋人男性が車で迎えに来ていたが、大当たり中だったからなのか、そのまま続行。結局、終わったのは午後10時40分ごろで、すでに他の客はすべて帰っていた。ぶっ通しで11時間もパチンコを打ち続けたその翌日、本誌が直撃すると、「月に何回かしか行かないです。昨日は休みだったので……あくまで息抜き(苦笑)」と明るく答えていた。現在、日本オリンピック委員会の理事や日本陸上競技連盟の常務理事も務めている高橋。社外取締役への選任も今回が初めてではなく、昨年6 月には、’19年からスポンサー契約を締結していた「スターツコーポレーション株式会社」の社外取締役にも就任が決定していた。激務の疲れをひそかにパチンコで癒やしているのかも?
2023年02月10日長編アニメーション映画『きみの色』が、2024年8月30日(金)に公開される。監督は山田尚子、脚本は吉田玲子。『映画 聲の形』山田尚子監督の新作映画映画『きみの色』は、『映画 聲の形』「けいおん!」「平家物語」などを手掛ける山田尚子が監督を務める新作映画。思春期の少女たち、それぞれが向き合う自立、葛藤、恋の模様を、“音楽×青春”というテーマを通じてまるで絵画のように美しい映像で描写する長編アニメーション作品だ。“感情の色”が見える少女の恋と青春物語の主人公は、長崎市内のミッション・スクールに通う高校生の少女・トツ子。人の感情が「色」として見える、不思議な能力を持っている。友達や家族の「色」を暗くしないため、気を遣い、空気を読み、その場を取り繕うようなウソをついてしまう彼女。そんなトツ子が、美少女のきみと、音楽好きのルイとともにバンドを組むことになる。主人公・日暮トツ子…鈴川紗由長崎市内の全寮制ミッションスクールに通う高校生。子供の頃から嬉しい色、楽しい色、穏やかな色など人が「色」で見える。唯一、自分自身の「色」だけは見えない。きみ、ルイと組んだバンドでピアノを担当。作永きみ…髙石あかりトツ子と同じ学校に通っていたが突然中退してしまった、美しい色を放つ少女。学校に行かなくなってしまったことを同居する祖母に打ち明けられていない。毎日学校へ行くふりをしながら古本屋でアルバイトをしている。トツ子とバンドを組むことになり、ボーカル、ギターを担当する。影平ルイ…木戸大聖街の片隅にある古書店で出会った音楽好きの少年。トツ子とバンドを組む。母に医者になることを期待されているが、隠れて音楽活動をしている。物語のキーマンに新垣結衣また、物語のキーマンであるシスター日吉子役は、映画『正欲』『違国日記』など話題作への出演が続く新垣結衣が声優として出演する。シスター日吉子…新垣結衣トツ子が通う学校のシスター。同校の卒業生でもあり、生徒たちにとっては良き相談相手。トツ子、きみ、ルイの3人を導く。トツ子のルームメイトに声優初挑戦のやす子、悠木碧や寿美菜子百道さく…やす子トツ子が住む寮のルームメイト。温かみのある優しい自然色を放つことから“森の三姉妹”とトツ子が勝手に名付けたうちのひとり。大らかで芯が強い。食いしん坊。七窪しほ…悠木碧“森の三姉妹”のうちのひとり。明るくておっとりした性格。ちょっぴり変わったものが好き。八鹿スミカ…寿美菜子“森の三姉妹”のうちのひとり。一見近寄りがたそうだが、友達思いのギャル。モノマネが上手い。作永紫乃…戸田恵子きみと2人で暮らす祖母。きみが退学したことをまだ知らない。脚本は吉田玲子&最強のスタッフが集結映画『きみの色』には、最強のスタッフが集結。脚本は、『猫の恩返し』「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」「若おかみは小学生!」の吉田玲子が担当。監督の山田尚子とは、「けいおん!」シリーズ以降、幾度となくタッグを組んでいる。音楽は、『映画 聲の形』『リズと青い鳥』や、「チェンソーマン」のサウンドトラックを担当する作曲家・牛尾憲輔。企画・プロデュースは、『君の名は。』『天気の子』『すずめの戸締まり』など新海誠作品を手掛けたSTORY inc.、制作・プロデュースは、『夜は短し歩けよ乙女』や「平家物語」のサイエンス SARUが担う。アヌシー国際アニメーション映画祭に出品なお、映画『きみの色』はアヌシー国際アニメーション映画祭2024の長編コンペティション部門へ出品。山田尚子にとっては、2017年の『聲の形』、2018年の『リズの青い鳥』に続き、同部門への3度目の出品となる。アニメ映画『きみの色』あらすじわたしが惹かれるのは、あなたの「色」。 高校生のトツ子は、人が「色」で見える。嬉しい色、楽しい色、穏やかな色。そして、自分の好きな色。友達や家族の「色」を暗くしないため、気を遣い、空気を読み、その場を取り繕うようなウソをついてしまう。そんなトツ子は、街の片隅にある古書店で出会ったとても美しい色を放つ美少女・きみと、音楽好きの少年・ルイの3人でバンドを組むことに。離島の古教会でバンド練習を重ね、音楽で心を通わせていく3人のあいだにはやがて、友情とほのかな恋のような感情が生まれ始める。周りに合わせ過ぎたり、ひとりで傷ついたり、自分を偽ったり。やがて訪れる学園祭、そして初めてのライブ。会場に集まった観客の前で見せた3人の「色」とは。【詳細】アニメ映画『きみの色』公開日:2024年8月30日(金)監督:山田尚子脚本:吉田玲子出演:鈴川紗由、髙石あかり、木戸大聖、新垣結衣、やす子、悠木碧、寿美菜子、戸田恵子音楽:牛尾憲輔キャラクターデザイン・作画監督:小島崇史キャラクターデザイン原案:ダイスケリチャード企画・プロデュース:STORY inc.制作・プロデュース:サイエンス SARU製作:「きみの色」製作委員会
2022年12月06日「けいおん!」シリーズの山田尚子監督と脚本・吉田玲子がタッグを組んだ完全オリジナルアニメーション映画『きみの色』の製作が決定。スーパーティザーPVが公開された。長崎市内のミッション・スクールに通う高校生の少女・トツ子は、人の感情が「色」として見える。友達や家族の「色」を暗くしないため、気を遣い、空気を読み、その場を取り繕うようなウソをついてしまう。そんなトツ子は、街の片隅にある古書店で出会ったとても美しい色を放つ美少女と、音楽好きの少年とバンドを組むことになる――。京都アニメーション作品『映画けいおん!』『映画 聲の形』を手掛ける山田尚子監督は、些細な日常を瑞々しく鮮やかに描く稀有な映像センスと、小さな心の揺れ動きさえ表現していく繊細な演出で、全世界から最も脚光を浴びるアニメーション監督の一人。待望の最新作となる『きみの色』のテーマは、山田監督が最も得意とする思春期の青春。少女たちそれぞれが向き合う自立、葛藤、恋の模様が、まるで絵画のような美しい映像で描かれる。脚本は、スタジオジブリや京都アニメーションの作品を手掛け、山田監督とは「けいおん!」シリーズ以降、幾度となくタッグを組んできた吉田玲子。音楽は『映画 聲の形』「チェンソーマン」のサウンドトラックを担当する作曲家・牛尾憲輔。企画・プロデュースは『君の名は。』『すずめの戸締まり』など新海誠作品を手掛けた「STORY inc.」が担当する。また、山田監督と共に伝統美と最先端の演出を組み合わせた「平家物語」を生み出し、日本を代表するアニメーションスタジオとなった「サイエンスSARU」が制作・プロデュースを担う。スタッフコメント▼監督・山田尚子人の外側と内側、そこから生みだされるそれぞれのかたちを描いてみたいというところから「きみの色」は始まりました。人はきっと、その時向いている方向に進んでいくわけで、それが前であっても後ろであってもどちらでも成り立っていくと思うのですが、できれば前に進んでいきたい。音楽を通じてお互いに共鳴していく主人公たちの、やわらかく力強い足取りを描いていきたいと思っています。吉田さんの書かれる彼らの物語はとてもやさしく、そしてとてもチャーミングです。悩んだり、何かを変えようとするときに起こる摩擦は、これからを切り開いていくためのとても大切な成長痛であって、その痛みがそれぞれの人が放つ色になっていくのかなと思うのです。たくさんの色が出会って、混ざり合った先にはどんな色の世界が待っているのでしょう。絵具を混ぜるパレットのような、または光を集めて分散させるプリズムのような、そんな物語を描いていきたいと思っております。よろしくおねがいいたします。▼脚本・吉田玲子『きみの色』は、山田監督の「こういうことやりたいなぁ、こういう子たちを描きたいなぁ」というメモをいただいて、そこから脚本を作り始めました。《色が見える女の子》というのは山田監督のアイディアで、すごく映像的で面白いなと感じました。山田監督の作品は、登場人物たちがおずおずと手と伸ばし扉を開いていくような感じがあって、今回もその感覚を大切にしました。そこにある世界と、自分。そこにある現実と、自分。触れると痛いような傷ついてしまうようなものの中で、楽しさや愛しさや生命力を見出していくことを意識しながら書きました。繊細な心模様と、そこに寄り添うような監督の演出を今回もとても楽しみにしています。『きみの色』はある意味、原点に戻ったようでもあり、今までの集大成的な面もありながら、さらに新しく踏み出していけるような作品になるのではないかと思っています。光の当たり方によって、濃く見えたり、淡く見えたりはしますが、誰もが自分の『色』を持っていると思います。観てくださった方が、それぞれの『色』を愛おしく思えるような映画になっていると、うれしいです。『きみの色』は2023年秋、全国東宝系にて公開予定。(cinemacafe.net)
2022年12月03日『映画けいおん!』『映画 聲の形』などを手掛けた山田尚子監督による最新オリジナル長編アニメーション映画『きみの色』の制作が発表された。2023年秋に劇場公開予定の本作のテーマは、山田監督が最も得意とする思春期の青春。少女たちそれぞれが向き合う自立、葛藤、恋の模様が、まるで絵画のような美しい映像で描かれる。脚本を務めるのは、スタジオジブリや京都アニメーションで数々の作品を手掛け、山田監督とは「けいおん!」シリーズ以降幾度となくタッグを組む吉田玲子。音楽は『映画 聲の形』『リズと青い鳥』など山田監督作品のほか、話題作『チェンソーマン』のサウンドトラックを担当する作曲家・牛尾憲輔が手掛ける。企画・プロデュースは日本映画史に残る金字塔『君の名は。』『天気の子』『すずめの戸締まり』など、新海誠作品を手掛けたSTORY inc.、そして『夜は短し歩けよ乙女』で第41回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞などを受賞、最近では山田監督と共に伝統美と最先端の演出を組み合わせたテレビアニメ『平家物語』を生み出し、日本を代表するアニメーションスタジオとなったサイエンスSARUが制作・プロデュースを担う。本作は「人の外側と内側、そこから生みだされるそれぞれのかたちを描いてみたいというところから始まった」と山田監督は明かす。そして吉田が山田監督の描きたい内容を聞き、脚本を作り始めた。吉田は「《色が見える女の子》というのは山田監督のアイディアで、すごく映像的で面白いなと感じました。繊細な心模様と、そこに寄り添うような監督の演出を今回もとても楽しみにしています。」と本作に期待を寄せる。また、脚本に対して「吉田さんの書かれる彼らの物語はとてもやさしく、そしてとてもチャーミング」という印象を持つ山田監督は「音楽を通じてお互いに共鳴していく主人公たちの、やわらかく力強い足取りを描いていきたい」と作品完成へ向けて抱負を語っている。<コメント>■山田尚子監督人の外側と内側、そこから生みだされるそれぞれのかたちを描いてみたいというところから『きみの色』は始まりました。人はきっと、その時向いている方向に進んでいくわけで、それが前であっても後ろであってもどちらでも成り立っていくと思うのですが、できれば前に進んでいきたい。音楽を通じてお互いに共鳴していく主人公たちの、やわらかく力強い足取りを描いていきたいと思っています。吉田さんの書かれる彼らの物語はとてもやさしく、そしてとてもチャーミングです。悩んだり、何かを変えようとするときに起こる摩擦は、これからを切り開いていくためのとても大切な成長痛であって、その痛みがそれぞれの人が放つ色になっていくのかなと思うのです。たくさんの色が出会って、混ざり合った先にはどんな色の世界が待っているのでしょう。絵具を混ぜるパレットのような、または光を集めて分散させるプリズムのような、そんな物語を描いていきたいと思っております。よろしくおねがいいたします。■吉田玲子『きみの色』は、山田監督の「こういうことやりたいなぁ、こういう子たちを描きたいなぁ」というメモをいただいて、そこから脚本を作り始めました。《色が見える女の子》というのは山田監督のアイディアで、すごく映像的で面白いなと感じました。山田監督の作品は、登場人物たちがおずおずと手を伸ばし扉を開いていくような感じがあって、今回もその感覚を大切にしました。そこにある世界と、自分。そこにある現実と、自分。触れると痛いような傷ついてしまうようなものの中で、楽しさや愛しさや生命力を見出していくことを意識しながら書きました。繊細な心模様と、そこに寄り添うような監督の演出を今回もとても楽しみにしています。『きみの色』はある意味、原点に戻ったようでもあり、今までの集大成的な面もありながら、さらに新しく踏み出していけるような作品になるのではないかと思っています。光の当たり方によって、濃く見えたり、淡く見えたりはしますが、誰もが自分の『色』を持っていると思います。観てくださった方が、それぞれの『色』を愛おしく思えるような映画になっていると、うれしいです。『きみの色』スーパーティザーPV<作品情報>『きみの色』2023年秋 全国公開監督:山田尚子『映画 聲の形』『リズと青い鳥』『けいおん!』『平家物語』脚本:吉田玲子『猫の恩返し』『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』『若おかみは小学生!』音楽:牛尾憲輔『映画 聲の形』『チェンソーマン』企画・プロデュース:STORY inc.『君の名は。』『天気の子』『すずめの戸締まり』制作・プロデュース:サイエンス SARU『夜は短し歩けよ乙女』『映像研には手を出すな!』『平家物語』
2022年12月03日ピアニスト河村尚子が、「シューベルト プロジェクト」の第2夜を開く[9月13日(火)紀尾井ホール]。シューベルト晩年のソナタ4曲を2回に分けたリサイタル。今年3月に続く今回は第20、21番の傑作2曲を軸に3曲の小品を組み合わせた。「晩年のソナタは音楽的にもドラマ的にも充実していますし、インテンシヴな瞬間がある、メッセージとしてすごい強い音楽です。病気に悩まされた晩年の苦しみや孤独が伝わってくるのを感じます。愛に憧れて、でも応えてもらえなかったシューベルト。孤独を感じることは誰にもありますが、シューベルトのように、それを音で表現した、〝孤独な音楽〟というのは多くありません。それが聴衆の心を摑むのだと思います」シューベルトを〝歌曲王〟のイメージで考えると、つい旋律に目が向くが、それだけではないという。「ものすごく挑戦的な和声を使っていたりするんですね。とても穏やかだったところで、えっ、こんな和声を使うの?という、突然すごく落胆するような表現をする。そこがスパイスになっているのがシューベルトの聴きどころだと思います。旋律の美しさだけではないのです」2018年から2年間、全4回のリサイタルで集中的にベートーヴェンと向き合った。その経験から、あらためて見えてきたシューベルト像もある。「晩年のシューベルトが、ベートーヴェンの作品から受けた刺激を、より意識するようになりました。たとえば調性。シューベルトの第20番はベートーヴェンの作品101(第28番)と同じイ長調。第21番と《ハンマークラヴィーア》(第29番)は変ロ長調です。3月の第1夜で弾いた第18番はピアノ協奏曲第4番と同じト長調で、始まり方もそっくり。シューベルトが、『ベートーヴェンは素晴らしい。でもここに僕がいるんだ!」とアピールしているのを感じます。あとは弾き方ですね。アーティキュレーションとかペダルとか。ロマン派に振り分けがちですが、より古典的な要素を持っているのを感じるようになりました」取材では、「シューベルトのことを話せてうれしい」と作曲家への愛を丁寧に語ってくれた。シューベルトに必要なのは、自然な声で歌える範囲の表現と、弦楽合奏をイミテーションしながら作る広がりのある音色だという。6年後の2028年には生誕200年を迎えるシューベルト。そのカウントダウンを彼女のコンサートから!第1夜を聴き逃した人もまだ間に合う。(宮本明)
2022年08月08日コロナ禍で数々の公演が中止となり、半年ぶりの帰国となるドイツ在住のピアニスト、河村尚子。充実した演奏活動を繰り広げ、今や日本を代表する実力と人気を兼ね備えたピアニストだ。待ちに待った日本での公演は、詩的なロマンにあふれた傑作・シューマンのピアノ協奏曲を披露する。14日間の待機の後、音楽の喜びを爆発させてくれるに違いない。指揮は、かつて日本フィルの正指揮者として数々の共演も記憶に残る沼尻竜典。リューベック歌劇場では音楽総監督として、びわ湖ホールでは芸術監督として成功を収めてきたが、2022年度からは神奈川フィルハーモニー管弦楽団音楽監督に就任することが決定している。メインプログラムはショスタコーヴィチの交響曲第5番。20世紀ソヴィエト体制下で抑圧されながらも芸術家として強い信念をもって作品を生み出したショスタコーヴィチ。緊張感と劇的なドラマ性を孕み、今を生きる私たちの魂をも強く揺さぶる作品は必聴だ。先日、久しぶりに指揮した日本フィルは、伝統である元気の良さや、音楽の楽しさをお客様に懸命に伝えようとする姿勢はいまだ健在でした。河村尚子さんと共演できることも、大きな喜びです。<河村尚子>18歳の頃から弾き続けているシューマンの協奏曲、読み返せば読み返すほど味が滲み出てきます。皆様に音楽を聞いて頂くのは半年振りです。精一杯演奏に集中しますので、音楽会をどうぞお楽しみに![公演情報]第366回横浜定期演奏会[ライブ配信あり]2021年4月16日(金)19:00開演 神奈川県民ホール第391回名曲コンサート2021年4月18日(日)18:00開演 サントリーホール指揮:沼尻竜典ピアノ:河村尚子シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 op.54ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 ニ短調 op.47
2021年04月08日世界初のティアラデザイナー紙谷太朗が展開する、ティアラ専門ブランド「TARO KAMITANI」(全国結婚式場・ドレスショップ他190店舗展開)は、ブランド初となる、ダイヤモンドリング『Stella Diamond Ring(ステラ ダイヤンドリング)』を発売する。2020年11月1日より、銀座エリア最大の商業施設『GINZA SIX』内の、国内外のファインジュエリーを取りそろえる『Maison de NADIA』で、世界先行販売される。【製品概要】TARO KAMITANI『Stella Diamond Ring』素材:ダイヤモンド総0.68カラット/プラチナ950/クラリティG-VS 価格:29万7,000円(税別)■公式ONLINEでは11月1日より予約受付開始▷store.tarokamitani.comティアラブランド『TARO KAMITANI』初のダイヤモンドリング【ステラ・ダイヤモンドリング】世界初のティアラデザイナー紙谷太朗がデザイン。ティアラデザイナーならではの美意識とこだわりが息づく、高度なクラフトマンシップが凝縮したリング。複数個のダイヤモンドを組み合わせ、多面的で複雑な光をデザイン。繊細に輝くストーンのあしらいで凛とした強さと女性らしい優しさを表現。洗練された輝きは、身につける女性の魅力を引き出します。素材は、ダイヤモンド総0.68カラット/プラチナ950/クラリティG-VS。ダイヤモンド鑑定士が小さいダイヤを、一粒一粒、光・照りの良さにこだわって選別。有名メゾンのリングやハイジュエリーも手がける職人工房の、クラフトマンシップの技が、細部に光ります。全国人気No.1のレンタルティアラ『ステラ』のデザイン&ストーリーを継承するリング「TARO KAMITANI」の数あるティアラコレクションの中でも、人気を誇るティアラ「ステラ」。星と花をモチーフとした上質で可憐なデザイン。ナチュラル、クラシカル、モード、どんなドレスやヘアスタイルとも合わせやすいフォルムを追求。『Stella Diamond Ring』は、その「ステラ」のデザイン、ディティール、ストーリーを継承した、ダイヤモンドリングです。【STORY】昔むかし、星空は神々がいる所と信じられていた頃。人々はその美しい神々の光の下に集い、祈りや誓いを立てたそうです。そんな頭上に輝く星空をイメージして生まれたのが「ティアラの起源」と言われています。輝く星ひとつひとつを紡いで「ステラ」は生まれました。ティアラデザイナー紙谷「指先のティアラで、明日への希望、絆を輝かせてほしい」自身の結婚式で、妻のためのティアラをデザインしたことがきっかけで、ティアラデザイナーとしてブランドをスタートした紙谷太朗は語ります。「先行きが不安なコロナ禍の、今だからこそ、心の中の希望や、大切な人との絆を、強く輝かせてほしい。指先にティアラを着けて、日常の中、ほんの一瞬でも、ロマンティックな気分に浸り、明るい未来へのパワーやエネルギーに変えてもらえたら。そんな願いを込めて、この指輪をデザインしました」TARO KAMITANI×Maison de NADIA 『ステラ ティアラ&リング特別試着会』が、G SIXで開催『Stella Diamond Ring』発売を記念して『TARO KAMITANI ステラ・フェア~ティアラ&リング特別試着会~』(期間:2020年11月1日~12月25日)を、G SIX 2F『メゾン・ド・ナディア』で開催。気軽にプリンセスに変身できるチャンス。【商品購入特典1】ティアラデザイナー直筆、あなただけの『ティアラポートレート』をプレゼント期間中、TARO KAMITANI『Stella Diamond Ring』をご購入いただいた方にはティアラデザイナー紙谷太朗直筆のポートレートをプレゼント。ティアラ着用の自画像を描いてプレゼントいたします。(先着5名様限定)【商品購入特典2】TARO KAMITANIステラ・ティアラセットを特別価格でレンタルTARO KAMITANI『ステラ ティアラ・ネックレス・イヤリング』を特別価格でお貸出しいたします。ティアラ16,500円・ネックレス10,000円・イヤリング4,000円(すべて税抜価格)。※『ステラ・ダイヤモンドリング』を含むメゾン・ド・ナディア内商品ご購入者様対象【世界初のティアラデザイナー紙谷太朗/TARO KAMITANI】世界初のオーダーメイド・ティアラデザイナー。自身の結婚式で妻に贈ったティアラをきっかけに、2008年からオーダーメイドのティアラ制作をスタート。これまで500名以上の花嫁のオリジナルティアラをデザイン。「女性の夢をデザインする」と言われる、その独創的なティアラとストーリーは、口コミで広がり、世界中のセレブリティ花嫁、女性達から支持を集めている。2010年にはモード誌でレディー・ガガ、ペネロペ・クルスらをイメージしたティアラを発表。優木まおみ、田村淳、南明菜等の結婚式のティアラ。セーラームーン、ウルトラマンゼロ、有名ホテル、映画、CM、有名ジュエリーブランド等のオリジナルティアラを数多く製作。2019年、日本橋三越本店でティアラ展が開催。同展は、世界的ラグジュアリー・フットウエアブランドのセルジオ・ロッシ〈sr1〉をイメージしたティアラも発表され話題を集めた。デザイン界のオスカーと呼ばれる「ニューヨークADC(hybrid部門)賞」を史上最年少で受賞。NHK WORLDでドキュメントTV番組が世界150ヶ国でアンコール放送。レンタルティアラブランド『TARO KAMITANI』が全国の結婚式場衣装室・ドレスショップ等190店舗で展開。年間4000組を越える、花嫁に選ばれるブランドへ成長している。2020年5月、コロナウィルスの影響で、結婚式が延期となってしまった花嫁の自宅まで、無料でティアラを届ける『おうちでティアラ』を実施した。■TARO KAMITANI ブランドサイト:■ティアラデザイナー紙谷太朗インスタ:tarokamitani_tiaradesigner■公式オンラインサイト:store.tarokamitani.com【Maison de NADIA(メゾン・ド・ナディア)】本物を知って愛し、自由な生き方を楽しむお客様に、豊かなジュエリーライフを提案するファインジュエリーブティックです。■東京都中央区銀座6 丁目10 番1 号 GINZA SIX 2 階 TEL : 0 3 - 6 2 6 4 - 5 5 4 1企業プレスリリース詳細へ本記事に掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。FASHION HEADLINEが、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。掲載内容に関するお問い合わせは、株式会社PR TIMES()まで直接ご連絡ください。
2020年11月03日ピアニストの河村尚子が栄えある「第51回サントリー音楽賞(2019年度)」を受賞した。サントリー音楽賞は、日本における洋楽の発展にもっとも顕著な業績をあげた個人または団体に贈られるもので、1969年の第1回以来、今回が51回目となる。過去の受賞者には、第1回の小林道夫(チェンバロ)を筆頭に、内田光子(ピアノ)や武満徹(作曲)など、日本の音楽界を代表する顔ぶれがずらりと並ぶ。今回の受賞理由として、2019年の「ベートーヴェン・ピアノソナタ・プロジェクト」の完結及び、CD「ベートーヴェン・ ソナタ集1、2」のリリース。そして新しいレパートリー開拓ともなった山田和樹指揮NHK交響楽団との共演 による矢代秋雄「ピアノ協奏曲」においての演奏で作品の再評価に貢献したことなどをはじめ、近年の目覚ましく充実した演奏活動が評価されての受賞となった。今後の日本での活動は、10月にオーケストラとの共演や各地でのリサイタルを予定。東京では10月13日(火)に紀尾井ホールで1年ぶりのリサイタルを行うことが発表されている。プログラムには、モーツァルト、シューベルト&ショパンに加え、映画『蜜蜂と遠雷』で話題となった藤倉大作曲による『春と修羅』も予定される。●河村尚子(ピアノ)(c)Marco Borggreve兵庫県西宮市生まれ。1986年渡独後、ハノーファー国立音楽芸術大学在学中にヴィオッティ(ヴェルチェリ)、カサグランデ、ゲーザ・アンダなどヨーロッパの数々のコンクールで優勝・入賞を重ねる。2006年には権威ある難関ミュンヘン国際コンクール第2位受賞。翌年、多くの名ピアニストを輩出しているクララ・ハスキル国際コンクールにて優勝を飾り、大器を感じさせる新鋭として世界の注目を浴びる。ドイツを拠点に、ヨーロッパ、ロシア、日本などで積極的にリサイタルを行う傍ら、ウィーン交響楽団、サンクトペテルブルグ・フィルハーモニー交響楽団、ロシア国立交響楽団、モスクワ・ヴィルトゥオーゾ、バーミンガム市交響楽団、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団、ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団などのソリストに迎えられている。また、「ルール・ピアノ祭」(ドイツ)、「オーヴェール・シュル・オアーズ音楽祭」(フランス)、「ドシュニキ国際ショパン・フェスティヴァル」(ポーランド)、日本では「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」や「東京・春・音楽祭」などの音楽祭に参加。2011年には、ドイツ・ワイマール近郊にあるエッタースブルク城での音楽祭でアーティスト・イン・レジデンスをつとめ、4夜にわたるソロ・リサイタルを開催し、絶賛を博す。室内楽では、ハーゲン・クァルテットの名チェリスト、クレメンス・ハーゲンとのデュオで好評を得ているほか、マキシミリアン・ホルヌング(チェロ)とロンドン・ウィグモアホール、ラモン・オルテガ・ケロ(オーボエ)とニューヨーク・カーネギーホールにデビューするなど、同世代の実力派アーティストとも積極的な活動を展開している。日本では、2004年小林研一郎指揮東京フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会でデビュー。以来、パーヴォ・ヤルヴィ指揮NHK交響楽団を含む日本国内の主要オーケストラと相次いで共演を重ねる一方、ウラディーミル・フェドセーエフ指揮モスクワ放送交響楽団、ファビオ・ルイージ指揮ウィーン交響楽団、ミハイル・プレトニョフ指揮ロシア・ナショナル管弦楽団、マレク・ヤノフスキ指揮べルリン放送交響楽団、イルジー・ビエロフラーヴェク指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団、山田和樹指揮バーミンガム市交響楽団などの日本ツアーに参加。その他、サー・ロジャー・ノリントン、ユーリ・テミルカーノフ、アレクサンドル・ラザレフなど多くの指揮者から度々再演の指名を受けている。現在、2019年の日本デビュー15周年に向けて、2年にわたり「ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ・プロジェクト」に取り組み、自ら厳選した14のソナタを全4回のリサイタルで披露している。2009年、名門RCA Red Sealレーベルより「夜想 (ノットゥルノ)~ショパンの世界」てメジャー・CDデビュー。 2011年9月、セカンド・アルバム「ショパン:ピアノ・ソナタ第3番&シューマン:フモレスケ」をリリース、各誌で特選盤に選定される。2013年秋、サード・アルバム「ショパン:バラード」のリリースを経て、2014年秋には、プラハ・ルドルフィヌムでのチェコ・フィルとの定期演奏会、およびドイツ・エルマウ城でのクレメンス・ハーゲンとの演奏会をライヴ収録した「ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番&チェロ・ソナタ」をリリースした。2018年には4年ぶりのソロ・アルバム「ショパン:24の前奏曲&幻想ポロネーズ」をリリースし、2019年4月、「月光」「悲愴」を含む待望のベートーヴェンCDをリリースする。その他のレコーディングとして、ソロでは仏ディスコヴェール(2002年/同レコーディン具はXRCD化され、日本伝統文化振興財団より2012年6月に再発売された)、独アウディーテ(2004年)、ルール・ピアノ音楽祭エディション(2008年/ライヴ録音)が、また日本コロムビアからシューマンのピアノ五重奏曲(2010年/トッパンホール)、京響レーべルからラフマニノフのパガニーニ狂詩曲(2009年/広上淳一指揮京響との共演)、独コヴィエロ・クラシックからモーツァルトのピアノ協奏曲第21番(2014年/ボストック指揮アルゴヴィア・フィルとの共演)がリリースされている。また、国際ピアノ・コンクールにおける若者たちの群像劇をリアルに描いた、作家・恩田陸の直木賞受賞小説を原作とした映画『蜜蜂と遠雷』(2019年10月公開)では主人公・栄伝亜夜のピアノ演奏を担当し話題をさらっている。文化庁芸術選奨文部科学大臣新人賞、新日鉄音楽賞 、出光音楽賞、日本ショパン協会賞、井植文化賞、ホテル・オークラ賞を受賞。これまで、ウラディーミル・クライネフ、澤野京子、マウゴルジャータ・バートル・シュライバーの各氏に師事。現在、 ドイツ・エッセンのフォルクヴァング芸術大学教授、東京音楽大学特任講師。
2020年04月04日シドニー五輪マラソン女子金メダリストの高橋尚子が、21日と28日放送のTOKYO FMのラジオ番組『TOYOTA Athlete Beat』(毎週土曜10:00~10:50)にゲスト出演し、パーソナリティの俳優・藤木直人とトークを繰り広げる。実は約20年前に、すでに対面していたという高橋と藤木。高橋は「お久しぶりです」と言い登場した。また放送では、双子の兄が陸上部だった影響で陸上雑誌をよく読んでいたという藤木が、かつて高橋の指導者だった小出義雄監督にまつわるコアな情報を披露し、高橋が「どんなマニア情報なんですか!」と突っ込みを入れる場面も。また、高橋がシドニー五輪でサングラスを投げたことをきっかけにラストスパートした時の知られざるエピソードや、「Qちゃん」というニックネームの由来、苦しい時に必ず聴いていた楽曲なども明かされる。さらに、藤木が今年の目標に掲げる「ハーフマラソンへのチャレンジ」に向けて、高橋が走る時に大切な3つのコツを伝授する一幕も見られた。
2018年04月19日東京大学(東大)は3月15日、ピロリ菌タンパク質「CagA」の発がん生物活性を抑制する酵素として「SHP1」を同定し、またエプスタイン・バールウイルス(EBウイルス)を感染させた胃の細胞ではDNAメチル化によりSHP1の発現が抑制され、CagAの発がん活性が増強することを見出したと発表した。同成果は、東京大学大学院 医学系研究科 畠山昌則 教授、紙谷尚子 講師、千葉大学大学院 医学系研究科 金田篤志 教授、東京大学大学院 医学系研究科 深山正久 教授、瀬戸泰之 教授らの研究グループによるもので、3月14日付けの英国科学誌「NatureMicrobiology」オンライン版に掲載された。cagA遺伝子を保有するヘリコバクター・ピロリの胃粘膜慢性感染は、胃がん発症の最大のリスク因子となる。一方、約10%の胃がん症例では、cagA陽性ピロリ菌感染に加え、EBウイルスが胃がん細胞に感染していることが知られている。しかし、ピロリ菌とEBウイルスの共感染が胃がんの発症に及ぼす役割については、これまで研究されていなかった。胃上皮細胞に進入したCagAは、チロシンリン酸化を受けた後、チロシン脱リン酸化酵素(ホスファターゼ)「SHP2」と特異的に結合し、SHP2を異常活性化することで胃がんの発症を促すと考えられている。このSHP2は、脱リン酸化酵素であるにもかかわらず、CagAを脱リン酸化する能力を持っていない。同研究グループは今回、CagAを脱リン酸化する酵素としてSHP2の兄弟分子であるSHP1を同定。CagA-SHP1複合体形成によりSHP1が活性化されることを明らかにした。さらに、CagAとSHP1を共発現させた細胞では、チロシンリン酸化依存的なCagAの発がん生物活性が抑制されることがわかった。これらの結果から、胃上皮細胞内におけるSHP1とSHP2の相対的な発現レベルが、ピロリ菌CagAの発がん活性を規定することが明らかとなった。また、EBウイルス陽性胃がんの特徴として、感染した胃上皮細胞のゲノムDNAに広範なメチル化が誘導されることが知られていたが、今回、CagAの発がん活性に関わる宿主細胞内分子に着目し、EBウイルス感染胃上皮細胞株におけるゲノムのメチル化解析を行ったところ、EBウイルス感染によりSHP1遺伝子のプロモータが高度にメチル化されることが明らかになった。また同メチル化の結果、SHP1mRNAならびにSHP1タンパク質の発現が低下した。そこで、EBウイルス非感染胃上皮細胞ならびにEBウイルス感染胃上皮細胞にcagA陽性ピロリ菌を共感染させたところ、EBウイルス感染細胞においてピロリ菌タンパク質CagAの生物活性が大きく増大することが判明した。つまり、EBウイルスによるSHP1の発現抑制により、CagAの発がん活性が増強されたといえる。同研究グループによると、ヒトのがん発症における発がん細菌と発がんウイルスの連携を明らかにしたのは今回が世界で初めてだという。
2016年03月15日ピアニストの河村尚子が、平成23年度(第62回)芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞した。「河村尚子」の公演情報文化庁主催の芸術選奨は、優れた業績をあげた者またはその業績によってそれぞれの部門に新生面を開いた者を選奨。芸術選奨文部科学大臣賞及び同新人賞をおくることで、芸術活動の奨励と振興につなげる。河村尚子は、世界を舞台に羽ばたく日本の若手ピアニスト。5歳で渡独し、数々の国際コンクールで優勝・入賞を重ね、2006年には権威あるミュンヘン国際コンクールで第2位受賞。続く2007年には、多くの名ピアニストを輩出しているクララ・ハスキル国際コンクールで優勝を飾った。日本よりも、むしろ世界が先に才能を認めた逸材だ。今回の同新人賞受賞は、2011年4月の東京オペラシティ リサイタルシリーズ「B→C バッハからコンテンポラリーへ」[131]における演奏の充実ぶりが評価されて決定。これからの活躍にもますます注目が集まる。河村尚子の今後の日本国内での演奏活動は、オーケストラ・アンサンブル金沢・定期公演(4月/石川)、仙台フィルハーモニー管弦楽団・定期公演(4月/仙台)、NHK交響楽団・定期公演(4月/東京)、ミハイル・プレトニョフ指揮ロシア・ナショナル管弦楽団・来日公演(6月/横浜・山口)などが予定されている。
2012年03月23日