子どもの気持ちや発達に目を向けることが、食事の悩みを解消する一歩のようです。乳幼児の食事について、ママ向けに講演会を行っている上田玲子さんにお話を聞きました。illustrationATFT GRAPHICS.Q.嫌いなものも時間をかけず食べさせるには?2歳の娘はいつも好きなパンや果物から食べて、苦手な野菜(レタスやピーマン)を後からダラダラ時間をかけて食べます。何度注意しても直りません。嫌いなものも時間をかけ過ぎずに食べさせるためにはどうしたらいいですか?[東京都・なかじ]A.フルコースのように野菜から順番に出しましょう子どもが好きなものから食べるのは自然なことです。大人は栄養のバランスを考えて野菜も食べますが、子どもはまだそれができないので、フルコースのように1品ずつ出すのがお勧め。好きなものでおなかがいっぱいになり、必要な食品が食べられなくならないよう、出す順番を工夫してみてください。例えばおなかが空いているときに、栄養的に食べてほしい野菜を出し、次のおかず、そして最後に好きなものを出してみましょう。まだ手づかみで食べたい時期なので、せかさないで十分させてくださいね。手づかみで食べる経験がひと口量を覚え、前歯でかみ切り、歯茎や奥歯でかむ力をつけます。ダラダラ食べているように見えても、かむ力を育てるために必要な時間です。酸味や苦味のあるものを嫌うのは、危険を回避する人間の本能です。だから好き嫌いがあるのは自然なこと。酸味や苦味があっても安全なものがあると学んでいくことで、好き嫌いが減っていきます。また、2歳半~3歳ごろにならないと奥歯が生えそろわないので、硬いものやレタスのようにペラペラしたものをかみつぶせません。軟らかく煮たり、味噌汁に入れたりひと工夫する必要があります。保育園のご飯は年齢に合った調理法や味付けになっているので、ぜひ参考にしてくださいね。
2016年07月27日このところ「おむつなし育児」という育児法が話題になっています。多くのママは、「おむつなし」と聞くと、まった全くおむつをしないの? 床や部屋が汚れはしないのかな? などと疑問に思うかもしれません。そこで今回は話題の育児法、「おむつなし育児」について解説、検証してみます。■「おむつなし育児」は、かつては日本でもやっていた「おむつなし育児」は、決して目新しいものではなく、布おむつも紙おむつもなかった時代、当たり前にやっていた方法です。いつのまにか日本では途切れてしまいましたが、今再び注目されています。簡単に言えば、「おむつの中でおしっこやうんちをすることを当たり前にせず、なるべくおむつの外でさせることで、赤ちゃんのうちに排せつの気持ちよさを伝えてあげる方法」です。言い換えれば、「おむつでうんちやおしっこをすると気持ち悪い」という感覚を当たり前にすることだといえます。■おむつをまったくしないわけではありません「おむつなし」とは言っても、普段はおむつをしています。赤ちゃんをよく観察して、おしっこやうんちが出そうかな? というタイミングでおむつを外し、なるべくおまる・トイレなどでさせてあげるのが、おむつなし育児の基本です。とはいえ、何がなんでもおむつなしで! と気合いを入れ過ぎる必要はありません。家ではおまるでしていても、外出時は紙おむつでしてOK! くらいの緩やかな気持ちで取り組むことがポイントです。「おむつを外す」ことが目的ではなく、赤ちゃんの頃から排せつの仕組みや楽しさを親子で共有することが最も大切な目的。そこが、いわゆるトイレトレーニングとは違うところでもあります。歌を歌ったり、掛け声をかけたり、時には遊んでみたりと、コミュニケーションしながら行うのもおすすめです。■ママにとって子育ての自信につながります! 出産してすぐは、赤ちゃんがどうして泣いているのか、何を求めているのかがわからなくて戸惑うママがほとんどです。でも、時間を重ねて赤ちゃんに向き合っていくうちに、だんだんと赤ちゃんの欲求に気付きやすくなっていきます。これと同じように、おむつなし育児を続けていくと、徐々に子ども自身のサインやタイミングが、自然にわかってくるようになるそうです。しかも赤ちゃんは自分の欲求がすぐに満たされるとご機嫌な時間が長くなります。それは、ママにとって育てやすさを感じることにも繋がります。また、排せつ以外の欲求も気付きやすくなることが多く、結果的に子育ての自信に繋がることにもなります。とある国では、生後数ヵ月間は、家の床に赤ちゃんを置いてはいけないという風習があり、赤ちゃんはずっと、スリングのような布の中でママに抱っこされて過ごすそうです。すると、赤ちゃんとママがずっと密着しているため、五感で感じ合うようになり、排せつのタイミングがわかるようになる、という話を聞いたことがあります。おむつなし育児とは、まさにこうした感覚なのでしょうね。■おむつなし育児を実践しているママに聞いてみました!「いつの間にか子どもの排せつのタイミングがわかるようになって、親として自信が持てたような気がします!」(6ヵ月の子のママ)「ずっと便秘がちでしたが、おむつの外に出すほうがたくさん出るようで、便秘も自然に解消できました!」(7ヵ月の子のママ)「以前は布おむつを使っていましたが、だんだんおしっこの量が増え、洗濯が大変になってきたので、おむつなし育児に切り替えました。今では助かっています」(5ヵ月の子のママ)「オムツ代が節約できます! しかもエコですよね」(8ヵ月の子のママ)「トイレでうんちやおしっこをすることに抵抗を感じることがなかったので、トイレトレーニングに苦労せずに済みました」(1歳6ヵ月の子のママ)おむつオムツなし育児とはつまり、赤ちゃんとじっくり丁寧に向き合うこと、そして、親子のコミュニケーションを豊かにするためのひとつの方法だと感じました。軽い気持ちで構わないので、興味がある人はぜひ実践してみてはいかがでしょうか。
2014年09月19日