マット・デイモンが俳優を1年間休業するとアメリカのTV番組で語った。8月に『ボーン』シリーズ最新作『ジェイソン・ボーン』(10月7日(金)公開)のプロモーションで来日予定のマットだが、このところ休みなく映画出演が続いていた。撮影には、基本的に妻と4人の娘たちを同行するが、子どもたちを世界中連れ回す生活を一段落させたいという。マットは「4本続けて撮影して、もう1本撮影する作品がある。家族はみんな明るいし、旅を楽しんでいるけど、僕としては今年の仕事を終えて1年間休み、家族のために過ごすのを楽しみにしている」と「Today」で語った。映画出演のオファーが来ると、家族が撮影に同行できるのを条件に引き受けるというマット。「すごい冒険になるときもある。去年は中国に半年間暮らしたし、『ジェイソン・ボーン』ではロンドンに滞在した。家族にとっては大旅行になった」と言う。同行が不可能な場合は2週間に1度は家族と会う時間がとれることを条件にするそうだ。15歳の長女を筆頭に、9歳、7歳、そして末娘は5歳。来年は彼女たちとゆっくり過ごす1年になりそうだ。(text:Yuki Tominaga)
2016年07月29日いま、多くの人が親の老後に不安を感じている時代。実際、オウチーノ総研が20~49歳までの男女741人に「親の介護について考えているか、不安はあるか」アンケート調査したところ、不安を感じている人は81.0%もいるとの結果が出ています。なかでも親の認知症介護は、誰にとっても他人事では片づけられない問題ですよね。だからこそ参考にしたいのが、きょうご紹介する『医者は知らない! 認知症介護で倒れないための55の心得』(工藤広伸著、廣済堂出版)です。著者は、介護ブログ「40歳からの遠距離介護」で生計を立てながら、家族の介護をしているという人物。40歳のとき、祖母(要介護3)が子宮頚がんで余命半年と宣告されたことを契機に介護離職。現在も、認知症が発覚した母(要介護1)とのダブル介護を行っているのだそうです。つまり本書では、そんな経験から得た認知症介護のノウハウを明かしているわけです。本書によると、介護には「魔の3大ロック」といわれるものがあるのだとか。身体を拘束する「フィジカルロック」、薬で抑えつける「ドラッグロック」、言葉で圧力をかける「スピーチロック」がそれ。その一方、著者を含めた介護者も、実はいろいろなものに「ロック」されているのだといいます。■介護の魔の3大ロック(1)マネーロックまずは「マネーロック」。住宅、教育ローンなど固定された支出が多くなり、金銭的に身動きが取れない状態を指した、著者の造語。というのも認知症介護をしていると、想定外の手術、施設への入所、リフォーム費用など、突然の出費が多いものなのだそうです。(2)タイムロック次にタイムロック。本来の意味は「時計錠」ですが、これも著者の造語。勤務時間がキッチリ決まっていて、通勤時間も2時間かかるなど、日常が「自由度のないタイムスケジュールになってしまっている状態」を指すものです。「認知症の人が徘徊して警察に呼ばれてしまった」「下の世話に1時間以上かかってしまった」「デイサービスに行きたくないといいだした」など、介護をしていると予想外のトラブルが発生することになります。そんなとき、仕事に行けなくなってしまったりしたら、そのフラストレーションを認知症患者本人にぶつけてしまうことになったりもするとか。つまり、それはタイムロックが原因だということ。ちなみに著者の場合は、祝業をフリーランスにしたため、タイムロックはほとんどないのだといいます。お母さんの妄想に30分以上つきあうこともあるそうですが、イライラしていないので気持ちに余裕があるのだそうです。それは、とても大切なことであるはず。つまり介護をするにあたっては、なんらかのかたちでタイムロックから自分を解き放つことが必要なのでしょう。(3)常識ロックそして最後は常識ロック。これは介護者が、「まわりのみんながそうしている」という意識から、自らをロックしてしまうことを指すのだといいます。少しわかりにくいかもしれませんが、「みんなすべて自分の手で介護している。他人に頼るなんてもってのほか」という“常識”にとらわれすぎている介護者が、本当に多いというのです。もしかしたら、日本では家事も育児もすべて自分でやる人が多いという現実が、介護にも影響しているのかもしれない。著者はそう分析しています。また、崩れつつあるとはいえ、「介護は女性がするのが当たり前」という幻想もいまだ根強いのだとか。しかし、介護をアウトソーシングしてなにがいけないのでしょうか?そんな疑問を投げかけている著者も、週2回のデイサービス、ゴミ捨てなどの訪問介護、週1回の訪問リハビリ、隔週での訪問看護など、アウトソーシングをしているといいます。■自分の手で解除しようまた、「介護でタイムロックされている人は大変な思いをしているから偉い」と尊敬され、自分の時間をつくり出そうとしている人は尊敬されないというのも不思議な話だと著者。たしかに私たちは苦労を尊敬の対象にしがちですが、そういうものではないはずです。だからこそ、そういった「常識ロック」を自分の手で解除すべきだと著者は主張します。そうすれば、介護の幅が広がり、孤独からも解放されるというのです。アウトソーシングしていると親戚から文句をいわれることもあるでしょうが、大切なのは「介護者が主体的であること」だからです。見るべき方向は「世間やみんな」ではなく、認知症の人ご本人、そして介護者自身。認知症の人ご本人には「介助」が、介護者には「ロックの解除」が必要だといいます。*当然のことながら、介護には、つらく苦しいものというイメージがあります。たしかに、それは事実なのでしょう。しかし本書の魅力は、著者がそういった被害者意識とは別の場所にいることです。「わたし自身、認知症介護は4年目に突入しました。もちろん、悩みはあります。しかし、思ったほど悩みは深くなく、『しれっと』介護ができています。『しれっと』とは、何ごともないかのような状態のことです」(「はじめに」より)この記述からもわかるとおり、決して悲観的ではないのです。だからこそ本書を読んでみれば、絶望的なものとして語られがちな認知症介護を、もう少し広い視野で眺めることができるようになるはずです。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※工藤広伸(2016)『医者は知らない! 認知症介護で倒れないための55の心得』廣済堂出版
2016年07月17日女優高島礼子さん(51)の夫で、元俳優の高知東生容疑者(51)が2016年6月24日、覚せい剤取締法と大麻取締法(所持)の疑いで逮捕された件について、テレビ各局の情報番組では、高知容疑者への批判や高島さんへの同情の声が相次いでいます。6月26日の『サンデージャポン』(TBS系)では、女医・タレントの西川史子さんが『介護を隠れ蓑にしたっていうことがまず許せない』と怒りをあらわにし、高島さんはすぐにでも離婚するべきだと発言しました。2015年秋、高知容疑者は、パーキンソン病を患っている高島さんの父の介護に専念するという理由で芸能界を引退。当時は献身的な夫の美談として語られていました。ところが、2016年3月に舞台の制作発表会で、高知容疑者の介護の近況を尋ねられた高島さんは「(介護はヘルパーがしており)主人は難しい書類仕事を率先してやってくれています」と、実質的な介護への参加が感じられないコメントを残しています。また、2016年5月にはエステ店をオープン。起業によって活躍しようという思惑があったものと思われます。●高知東生の介護はウソ!? ネットでは「介護なめんな」「のりピーと一緒」と批判殺到これに対しネットでは、『最低なヒモ!』『今から思えば介護そのものが本当のことだったのか疑われるレベル。全部ウソだったのかもしれない』『高島礼子さん、気付いてたから引退して介護するようにすすめたのかな?もしそうだったらしんどかっただろうね……』『頼むから 介護と薬物をセットにしないでおくれ〜!のりピーの時からイメージ悪い……』『酒井法子も高知東生も介護を隠れ蓑にする、介護を舐めてるとしか思えない』『高知東生所詮のりピーひゃら(笑)と一緒じゃないか。「介護」という言葉を使って逃げ道の理由にしてほしくないわ!』『高島礼子はのりピーみたいにならないよね?』など、高知容疑者への怒りの声が集まっていました。また、“薬物と介護”つながりとして、覚せい剤取締法違反罪で有罪判決を受けた後、介護の仕事をしたいとコメントしながら本格的な芸能活動を再開させつつある酒井法子さん(45)へ飛び火している様子。決して楽ではない介護をしている人々にとって、安易なイメージアップの口実として用いられてはたまりませんよね。この事件に関して、妻である高島さんのコメントが待たれます。【画像出典元】・noboru絆(@noboru.t)(Instagram)/(文/パピマミ編集部)
2016年06月27日ゲスの極み乙女。のボーカル・川谷絵音(27)との不倫騒動で芸能活動を休業していたタレントのベッキー(32)が、13日に放送されたTBS系バラエティ番組『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(毎週金曜20:57~)で104日ぶりにテレビ復帰。休業中の引きこもり生活を語った。番組でベッキーは、中居正広を相手に、不倫を認め謝罪。川谷の元妻への謝罪の経緯も説明した。元妻への謝罪は5月2日に実現。それを受けて番組側は、今回のロケの放送を決めたという。ベッキーが参加したのは、4月30日に茨城で行われた毎年恒例「ひとり農業」のロケ。番組の出演メンバーが田植えや野菜の収穫を行い、ベッキーは収穫後の調理から加わった。調理中に、中居が「3カ月間何やってたの?」と質問すると、ベッキーは「お料理勉強したり、読書したり。ずっと家で」と説明。「太陽浴びたの3カ月ぶり」と話した。そして、中居が「今まで3カ月も休んだことないじゃん? 絶対旅行行っちゃうけどな俺、余裕で」と言うと、ベッキーは「そういう意味の休みじゃないんで」と反省を込めた。中居に不倫騒動の真相を語り謝罪した場面では、号泣したベッキーだが、調理や食事の場面では笑顔も見せていた。
2016年05月14日「おむつなし育児」を知っていますか?聞いたことはあるけれど、大変そう?私も第一子の育児中は、「無理!」と決めつけてまったくチャレンジしませんでした。でも、第二子の育児でゆる~くチャレンジ。今思えば、二人目の育児がとても楽だったのは、「なんちゃっておむつなし育児」のおかげかもしれません。「おむつなし育児」ってなに?「おむつなし育児」とは、「なるべくおむつをつけないで排泄させる育児法」です。近年、日本でも「おむつなし育児」が広まりつつあるようです。「おむつなし育児」の本を読むと、「ホーロー容器やおまるを用意しましょう」「排泄のパターンを記録しましょう」「家にいる時はおむつなしで」などと書いてあって、ハードルが高そう。「ただでさえ忙しいのに部屋が汚れそうだし、お出かけもするから無理!」としり込みしてしまいますよね。でも、普通におむつをつけて生活していても、無理なくできる「おむつなし育児」があります。実践!「なんちゃっておむつなし育児」わが家で試したのは、「赤ちゃんが小さいときから、ひんぱんにトイレに座らせる」ということだけ。生後3カ月ごろから、気がついたときに赤ちゃんをヒョイと抱えて、トイレの上に乗せていました。うまくタイミングがあえば、赤ちゃんは気持ちよさそうにおしっこやうんちをしてくれます。当たればラッキー。それだけで、おむつ交換の手間が減ります(おむつはパンツタイプを使用。汚れていなければ、パンツと同じ感覚で同じおむつをはかせても大丈夫です)。だんだん、条件反射のように、座る→出るというパターンができて、成功率も上がりました。ダントツで当たる確率が高いのは、寝起きです。大人も同じですよね。そのほか、授乳前後、お着替え前後、抱っこやおんぶから降ろしたあとも出やすいようです。夜の就寝時は無理をしません。ママも赤ちゃんも、ぐっすり眠ることが大事なので、普通におむつをつけて寝ます。外出するときも、もちろんおむつで。ママがお手洗いに行くときに、ついでに赤ちゃんも座らせてみるだけです。赤ちゃんとのコミュニケーションも「おむつなし育児」は世界的にみても珍しくない育児法です。 私は第一子を中国で育てていたのですが、中国人も、生後2~3カ月の新生児を洗面器の上に座らせて「シーシー」とやっていました。おむつなしで、おしりの上から直接「股割れズボン」をはいている赤ちゃんの姿も珍しくありません。アメリカでは、おむつなし育児はEC(Elimination Communication=排泄コミュニケーション)と呼ばれ、「排泄を通じて赤ちゃんとコミュニケーションをとる手段」とされています。たしかに、成功率を上げたくて、自然に赤ちゃんを観察したり、「出る?」「出ない?」とコミュニケーションを取ったりしていたように思います。私は、赤ちゃんに「おしっこ出たね」「うんち出たね」と話しかける際、おしっこならお腹の下をポンポンと叩く、うんちならおしりをポンポンと叩くサインを見せていました。そうすると、いつの間にか、赤ちゃんが自分でポンポンとジェスチャーしてくれるようになり、とってもかわいかったですよ。成功しました!!「なんちゃっておむつなし育児」さて、「なんちゃっておむつなし育児」の結果、わが子は1歳以降うんちをトイレでできるようになりました。2歳で夜の就寝中を除いておむつがほぼ必要なくなりました。おかげで子育ての負担が随分減ったと思っています。おむつやおしりふきシートの節約にもなりますね。良いことづくめでストレスフリーな「なんちゃっておむつなし育児」、気軽にチャレンジしてみては!?<文:フリーランス記者鯰美紀>
2016年04月28日最近、「親の介護のため仕事を辞めざるをえなくなり、生活が苦しい」とか、「両親の介護費用のために貯蓄が減ってしまった」という話を聞くことがあります。自分たちの介護にかかるお金の準備をするより先に、両親の介護にかかるお金が心配だという方も少なくないでしょう。しかし実際問題として、介護の費用はどのくらいかかるのでしょうか?今回はみなさんの気になる疑問を解明していきたいと思います。■公的介護保険から保障を受けられる!公益財団法人 生命保険文化センターが、「年代別人口に占める要支援・要介護認定者の割合」というデータを発表しています。これによると、日本人が老後の介護状態になる確率は、80~84歳では29.9%、85歳以上で60.3%。確率は75歳をすぎたあたりから急速に上がりはじめます。平均寿命が女性86.41歳、男性79.94歳(2012年)という世界一の長寿国に生まれ育った私たち。人生の最終コーナーのあたりで、どうしても介護状態になる確率が高くなるようです。介護にかかる費用については、国の公的介護保険が導入されたため、介護保険の対象サービスを受けた場合の自己負担は1割で済むようになりました(2015年8月より一定収入以上の方は2割)。つまり居宅サービスを例にとると、もっとも多く介護サービスを受けることができる要介護5の人でも、自己負担の上限金額は36,065円というわけです。さらに、健康保険の高額療養費制度と同様介護保険にも「高額介護サービス費」という制度があり、一般世帯の場合であれば、37,200円を上限としてそれ以上自己負担が増えないようになっています。ただ、介護の状態や環境によっては、支給限度を超えたサービスが必要になる場合もあり、それは全額実費となってしまいます。すると、次に気になるのは実費がいくらになるのか、ですよね?これについては、同じく公益財団法人 生命保険文化センターの「介護保険からの給付と自己負担額(1ヶ月分)」にある介護費用例からイメージできるようになっています。あくまで例ですが、月額サービスの利用合計金額が277,070円(訪問看護40,700円、訪問介護85,360円、デイケア100,360円、ショートステイ25,650円、福祉用具貸与25,000円)で、要介護度別の支給限度額(本事例は要介護3)が269,310円。つまり、277,070円から269,310円をひくと7,760円になるので、7,760円の自己負担があるということになります。■本当に毎月25万円以上もかかるのかこう見てみると、「それほど介護費用がかかるのか?」という疑問が生まれますよね。介護の話になると「施設に入れば毎月25万円以上はかかる」というような話をよく聞きます。しかし、これは「有料老人ホーム」に入所した場合なのです。同じ施設でも「特別養護老人ホーム」であればこんなに費用はかかりません。ただし東京をはじめ各地とも、「特別養護老人ホーム」は定員がいっぱい。順番待ちも相当な人数です。つまり、ここに介護の問題があるわけです。「介護が必要な両親がいる。でも費用の安い施設は定員がいっぱいで入れない。かといって高額な有料老人ホームに入れることはできない。結果、自宅で介護をせざるをえない」こんな図式なのです。自宅で介護となれば、働き方にも制限が出る場合があります。そのため収入が減り、生活苦という悪循環に陥るのです。近年は、10万円台で入所できる有料老人ホームも増えてきました。10万円台であれば、両親の年金を考慮すると多少の負担で預けられるかもしれません。親の年金受給額を早めに把握し、有料老人ホームの情報にもアンテナを張っておくことお勧めします。(文/ファイナンシャルプランナー・岡崎充輝) 【参考】※介護や支援が必要な人の割合はどれくらい?-公益財団法人 生命保険文化センター※介護保険制度の改正について-神奈川県ホームページ※実際にかかる介護費用はどれくらい?-公益財団法人 生命保険文化センター
2016年04月27日3児の父親であり、自らも育児休業を取得した青野慶久社長率いるサイボウズ。「育児休業最長6年」「選択型人事制度」の導入など画期的な働き方改革を行い、2005年に28%だった離職率を、2013年には4%にまで改善させた。いわゆるIT業界の「7K」(きつい、帰れない、給料が安い、規則が厳しい、休暇が取れない、化粧がのらない、結婚できない)を克服し、子育てしながらも働きやすい環境を実現するために、どのような取り組みをしてきたのか。同社事業支援本部 人事部マネジャーの松川隆さんに話をうかがった。○社長自ら会社の制度を”フル活用”男性の多いIT企業としては珍しく、女性社員が4割を占めるサイボウズ。離職率の改善などを実現できた背景には、画期的な人事制度の改革がある。例えば、2006年に導入した「最長6年間」の育児休業制度は、男女問わず妊娠判明時から取得が可能。子どもが生まれてから小学校に就学するまでの間、何度でも取得できるという画期的な取り組みだ。しかし、どんなに素晴らしい制度を打ち出しても、活用できる風土がなければ社員は使いづらい。「やはり、導入当初は休暇を取ることに引け目を感じる社員もいました。しかし、社長の青野が育児休業を取得したことで、社内の空気が大きく変わりました」と松川さん。青野社長は、3人の子どもを持つ父親。労働時間も子どもの都合に合わせてフレキシブルにするなど、同社の制度をフル活用している。トップが率先して制度を活用することで、積極的に育休を取得する雰囲気が生まれ、最近では1カ月の育休を取る男性社員も出てきた。また、最長で4年8か月の育休を経て復職した女性社員もいるという。同制度は最長6 年間取得可能であるが、実際には1年程度で復職する女性がほとんど。もちろん、会社が早期復職を促しているわけではない。1年程度で復帰しても、安心して働き続けられる環境が整っているからだ。それが、2007年にスタートした「選択型人事制度」である。○働き方は「月単位」で選べる「選択型人事制度」とは、ライフステージの変化に合わせて、希望の働き方を自由に選べる制度。「PS2(ワーク重視型)」「PS(ワークライフバランス型)」「DS(ライフ重視型)」の3種類から選択できる。具体的には、「PS2(ワーク重視型)」は裁量労働制を適用し、月40時間のみなし残業をつける。「PS(ワークライフバランス型)」は、月間残業時間40時間以内で働く人が対象となる。「DS(ライフ重視型)」は、残業なしで短時間勤務も可能。希望に応じて労働時間を自由に設定できる。「ちなみに『PS』はプレイステーション、『DS』は任天堂DSの略称です。好きなゲームを選ぶのと同じ感覚で、自分の好きなワークスタイルを自由に選ぶ。働き方で優劣をつけることなく、お互いの価値観を尊重しようというメッセージを込めています」と松川さん。現在は、働く場所の自由度3種類(オフィス中心、在宅中心、その中間)と、前述した時間の自由度3種類を掛け合わせた合計9種類の中から月単位で希望の働き方を選べるようになっている。さらに柔軟な働き方を可能にするべく2012年に「ウルトラワーク」も導入。「選択型人事制度」が長期的な働き方の選択であるのに対し、「ウルトラワーク」は、単発で働く時間と場所を自由に選べるというものだ。例えば、「子どもが急に熱を出したので家で仕事をしたい」「保育園の行事の前後に業務をこなしたい」「深夜に自宅で海外のクライアントとWeb会議をしたい」など、必要に応じて事前にスケジュールに登録するだけで、いつでも誰でも利用できる。制度導入後の社員の反応はどうだったのだろうか。「さまざまな働き方を選ぶ人が増えてきて、子育て中の在宅勤務に対する理解度が深まったと思います。また、働き方を自由に選ぶということは、『覚悟をもつ』ということ。理想の働き方を”責任をもって”選択することで、より一人ひとりが自分の人生に真剣に向き合うようになったのではないでしょうか」と松川さん。実際、女性だけでなく男性の中にも、積極的に子育てに参加しながら、自宅で仕事をする社員も増えてきたという。こうした取り組みを実施することで、同社では妊娠・出産を機に退職する社員はゼロとなり、育児休業からの復帰率も100%を達成した。新制度の導入により、「子育てしながら働きやすい職場」を実現したサイボウズ。後編では、多様な働き方をする社員がいる中で、どのような人事評価を行っているのかをお伝えする。
2016年03月29日こんにちは。医療カウンセラーのyoshiです。介護保険を利用したいが、具体的にどのようなことから始めれば良いのか分からない、という人は少なくありません。極端なことを言ってしまえば、 何も分からない状況であっても市役所の“介護保険を担当してくれる窓口” に相談をすれば、手順を教えてくれます。この窓口を見つけることができなければ、市役所の総合受付に尋ねればすぐに場所を教えてくれるはずです。できるだけスムーズに手続きをしておきたい人は、少し詳細を知っておくと便利です。●介護保険を申請する手順申請→調査→一次判定→二次判定市役所の介護保険担当窓口に申請をすれば、そこで申請自体は終わりになります。そもそも申請に必要な書類がわからないという場合、書類が欲しいということを窓口で伝えれば必要な書類を手に入れることは可能です。※年齢、状態によって必要な書類は変わってきますが、1から全て説明をしないと書類をもらえないことはなく、年齢、申請をしようとする理由などを説明できれば、適した書類を受け取ることは可能です。必要になる書類として要介護・要支援認定申請書というものがありますが、ここには、主治医の氏名や医療機関などを記入していきます。ここで、「主治医なんかいない、どうすればいいの……?」と大きな疑問を感じてしまう人がいるかもしれません。介護保険を利用していく場合には、主治医の診断が必要になりますが、いない場合には市町村が決める主治医に診断をしてもらい、氏名を記入してもらうため、あらためて主治医を見つけていく必要はありません 。この後、調査、判定があるのですが、自分で行動を起こしていくのは、ほとんどの場合“申請”までとなります。意外と感じてしまうかもしれませんが、調査から判定に関しては、専門家が進めていくことがほとんどです。----------ただ、最後に注意しておきたいのが“判定結果に納得できない場合”です。この場合には、再度自分で、あるいは被保険者になる人の関係者が行動を起こしていく必要があります。納得できない場合には、不服申し立てができることを知っておくと良いでしょう。【参考リンク】・サービス利用までの流れ | 厚生労働省()●ライター/yoshi
2016年03月11日こんにちは。医療カウンセラーのyoshiです。介護保険を利用していくときの基本になる存在として、“ケアプラン”があります。これは介護保険を利用する人の状況を調査し、綿密に決めていくものであり、サービスの利用範囲を決めていくもの になります。基本的にケアマネージャーが作成をしていきますが、実はケアプランは個人で作ってしまうこともできます。ただこの場合、サービス利用料や単価についての知識が必要であり、それらを調べながら作成をするため専門知識がないとなかなか難しいのが現実です。個人で作れるメリットとしては、ケアプランの内容を全て把握できる、風通しの良い介護保険を利用することができる、などがあります。●要支援と要介護でのケアプラン要支援というのは、比較的症状が安定していて身体的状況もそれなりに良い状態であり、介護状態になってしまうことを予防する意味 も持っています。このような支援のケアプランは、地域包括センターと連携をして作っていきます。要介護の人の場合、施設を利用する場合には施設のケアマネージャーなどとプランを作っていくことになり、在宅サービスの場合には居宅介護支援事業者と契約をしてケアプランを作成していきます。●ケアプランは介護を必要とする人のためのもの要注意点として、最後に説明をしておきます。ケアプラン作成のときに起きてしまいがちな問題としては、“ケアプランがただのスケジュールのようになってしまう”ということです。これは分かりやすく言ってしまうと、支援をする人のためのスケジュールということになります。介護を必要とする人、またはその家族の意見や状態がうまく反映されていない状況のケアプランは、作成されても十分な支援を受けることができない ことにつながります。具体的に言ってしまうと、介護内容が具体的になっておらず、曖昧なもの、または不可能なものなどです。必ず内容をケアマネージャーの人に説明してもらい、家族や介護を必要とする人が納得できるケアプランを作ってもらう必要があります。介護保険のサービスに関するトラブルとして、ケアプランの内容に関するトラブルというのは決して少なくありません。【参考リンク】・地域包括支援センターの手引きについて | 厚生労働省()●ライター/yoshi
2016年03月09日こんにちは。医療カウンセラーのyoshiです。介護保険制度というのは社会的にも定着してきている現代ですが、「そもそも介護保険制度って何なのか」ということがよくわからない人もいると思います。高齢者が増えてきている日本においては、 非常に重要な制度であることは理解しておくといいでしょう。介護保険制度を理解していく上で重要になるのが、“保険者 ”“被保険者 ”“制度を利用したサービス ”になります。保険者は、主に国や市町村と考えておいて問題はありません。被保険者は、第1号保険者(65歳以上の人)、第2号保険者(40歳以上65歳未満の医療保険加入者)になります。制度を利用したサービスというのは、特定の介護施設や介護サービスなどになります。被保険者と保険者の関係は、被保険者から保険者に向けての保険料の支払いや介護保険の申請になり、保険者から被保険者に向けて保険証の交付や申請に対する認定ということになります。被保険者と制度を利用したサービスの関係は、サービスの提供と利用料の支払いになります。そして保険者と制度を利用したサービスの関係性は、保険者から介護報酬の支払いを受けるという関係になります。この3つの関係が成り立つことで、介護保険制度は社会的に機能していることになります。●介護保険制度の複雑な面は“制度によるサービス”が影響介護保険制度を利用していく場合、被保険者と保険者の関係というのはわかりやすいことが多いのですが、“制度によるサービス”に対して理解が難しくなってしまうことがあります。それは、“制度によるサービス”に関する施設やサービスが多種多様にあり、似たような名前になってしまっていることが多いからです。これを理解していくためには、ある程度、専門的な知識が必要になります。“制度によるサービス”で迷ってしまった場合、頼りになるのがケアマネージャーであり、このケアマネージャーを探したいと思った場合、市区町村の窓口 に相談をするか、地域包括支援センター という場所に相談をすることになります。【参考リンク】・介護保険制度の概要 | 厚生労働省()●ライター/yoshi
2016年03月08日こんにちは。医療カウンセラーのyoshiです。今回は介護保険の保険料について紹介をしていきます。介護保険は制度的にも知名度的にも大変有名になりました。介護保険を利用することで、通常負担しなければいけない費用を、1割負担にすることができるなど、大きなメリットがあります。しかし、意外と関心を持たれることが少ない部分として、保険料があります。保険料はどのようなものになっているのか、介護保険はどのような財源になっているのかということを知っておく必要はあります。●介護保険の財源介護保険は、国、都道府県、市区町村などの負担が50%、保険者による保険料が50%を占めることになります。そのため、直接保険料として意識をするのは、保険者による保険料50% になります。保険者には、第1号保険者と、第2号保険者がおり、それぞれ条件や保険料が異なります。非常に分かりやすく言ってしまうと、第1号保険者は65歳以上の人が対象になり、保険料は所得や年金の受給額によって変わってきます。第2号保険者は、40歳以上65歳未満の人で、特定の疾患などを抱えている人が対象になります。第2号保険者の場合、国民健康保険による保険料の支払い、または医療保険ごとによって決められた、利率と給与などによって額が決まってきます。●保険料は住んでいる市町村によって変わってくるため確認が必須保険料というのは、所得などが絡んでくるため、支払う金額は人によって変わってきます。また、市町村などの規定の影響も受けることになるため、できれば無関心でいるよりもしっかりと保険料を把握しておいたほうが良いです。第1号保険者の場合、年金の受給額が一定以下である場合、自分で市役所のほうに納めていく必要が出てきます(通常は自動的に差し引かれることがほとんどです)。自分で納める場合に、金額について疑問を感じた場合、市役所などに確認を取ってみると良いでしょう 。保険料についての詳細を知ることができるはずです。【参考リンク】・「介護保険」の基礎知識 | 知るぽると(金融広報中央委員会)()●ライター/yoshi
2016年03月05日こんにちは。医療カウンセラーのyoshiです。介護用品を利用しようと思い、情報を集めたものの、いざ利用しようとしたときに、誰かに相談をしたいと思うことはないでしょうか。そのときに、誰に相談をすれば良いのかというのが、いまいちよく分からないものです。介護用品の情報は見つけられても、相談についての情報が見つからない場合はあるものです。●まずはリハビリの専門職に介護用品について相談する場合、介護保険を利用していればケアマネージャーを通せば良いのですが、利用していない場合、リハビリの専門職に相談をしてみましょう。リハビリ科のある病院 などであれば、受付をしていることもあります。また、より気軽に相談できる場所としては、“福祉機器展示コーナー”があります。地域の展示コーナーなどを利用すれば、介護用品についての相談を受け付けてくれる場合や、そこから専門機関につなげていくことができる場合もあります。また展示コーナーということで、どのような福祉機器があるのかを知ることができるので、用具に対する理解を深めることもできます。●より手軽に相談をしていきたい場合より手軽に、確実に相談をしていきたい場合、介護用品を扱っている、レンタルなどを行っている会社に相談をする方法があります。レンタル業などを行っている会社であれば、ほぼ必ず相談も受けつけているものです。ただ、この際、多種多様な会社があるため、どの会社を利用していくのかをよく検討していく必要はあります。・身体機能 などを考慮して、用具を選んでいきたい場合には「リハビリ職への相談」・どのような用具 があるのかを知りつつ気軽に相談をしたい場合には「福祉機器展示コーナー」・レンタルや、介護保険 を利用していきたいと思っている場合には「介護用品を扱っている会社」を選択していくと良いでしょう。上記のどこか1つで相談することで、他の2つと効率よくつながっていくこともあるため、一番相談したいことは何であるのかを考えて、相談をすると良いです。【参考リンク】・はじめての福祉機器の選び方・使い方 | 保健福祉広報協会()●ライター/yoshi
2016年03月04日転職会議は11月30日、育児・介護の休暇制度が充実している企業のランキングを発表した。同ランキングは、同社が運営しているサイトに寄せられたクチコミに基づくもの。今回、同率で第1位にランクインしたのは資生堂、ルネサス・エレクトロニクス、イケア・ジャパン、ケイ・ウノ。ランキングにおける1位から20位までの企業を見ると、グローバル企業と大手企業に加え、女性社員比率が高い企業が上位を占めている。今回、第5位にランクインしたTISでは、「中学校就学までに通算7年間、勤務時間を短縮可能(分割取得も可能)」「子の看護休暇」といった取り組みが行われている。クチコミとして、「産休育休が充実していて、女性にとって働きやすい会社だと思います(30代/女性/アプリケーション設計)」「福利厚生など整っており、出産や結婚をしても職場に戻ってきて働く人は少なくない。(30代/男性/アプリケーション設計)」といった意見が寄せられている。
2015年12月01日富士通マーケティングはこのほど、「仕事と介護の両立」に関するアンケート調査の結果を発表した。調査はインターネット上で9月18~21日の期間に行われ、家族を介護している30歳以上の会社員200名から回答を得た。はじめに、現在介護をしている形態について質問したところ、「在宅型」が76.5%と「施設型」(23.5%)を超える結果となった。また、介護保険や介護サービスに関する情報収集に関しては、「自治体の窓口を訪れて」(35.5%)が最も多くなった。次いで、「自治体からのお知らせを見て」(32.0%)、「自治体のホームページを見て」(29.5%)が続き、自治体から情報収集する項目が上位となった。次に、介護休業制度の利用状況について調査した。結果は、「利用した」と答えた人が11.5%にとどまったうえ、19.0%が「会社に制度があるのかわからない」と回答。同社は「職場の支援制度についての認識不足も読み取れる」と分析している。さらに、仕事と介護の両立で困ったり大変に思ったりすることについて聞いてみると、結果は1位が「精神的疲労」(60.5%)となった。2位が「留守中に介護する人の様子や状態が心配」(55.0%)、3位が「経済的負担」(51.0%)となるなど複数の悩みを抱えていることがわかる。最後に、将来自分が介護を受けるときのために備えておきたいと思うことをあげてもらったところ、76.0%の人が「介護にかかる費用」と答えた。次いで、「生活費のための貯蓄」(63.5%)と答えた人も6割以上いて、お金に関わる項目が上位に入っている。同社は介護休業制度について、「分割取得できる法改正と、介護休暇を取得しやすい環境づくりが必要ではないだろうか」とコメントしている。
2015年10月27日富士通マーケティングは22日、「仕事と介護の両立」に関する調査結果を発表した。対象は、家族を介護している30歳以上の会社員200名。期間は、9月18日~21日。○介護企業制度、介護をする会社員の9割が「現在利用していない」介護企業制度の利用状況を聞いたところ、「会社に制度がないので利用していない」(31.5%)が最多となった。以降、「会社に制度があるか、利用していない」(30.0%)、「会社に制度があるのかわからない」(19.0%)と続き、現在利用していない割合は合計88.5%となった。「会社に制度はあるが、利用していない」と回答した人に理由を聞いたところ、33.3%で「今後、現在より休業が必要な状況が来るかもしれないから」が最多となった。次いで、「仕事が忙しく休めないから」(26.7%)、「休業すると今後のキャリアに影響があると感じるから」(10.0%)だった。「仕事と介護を両立する中で困ったり、大変に思うこと」を聞くと、1位は「精神的疲労」(60.5%)だった。次いで、2位は「留守中に介護する人の様子や状態が心配」(55.0%)、3位は「経済的負担」(51.0%)という結果となった。「在宅型」と「施設型」で介護をしている人で比較したところ、「在宅型」では、「身体的疲労」の割合が高くなり、「施設型」においては、「施設での介護の実態が見えないこと」の割合が高くなった。
2015年10月25日介護事業および保育事業を展開するベネッセスタイルケアは10月24・25日、「ベネッセの介護展2015」を愛知県名古屋市の今池ガスビル内で開催する。「ベネッセの介護展2015」は、老後の病気や暮らしについて学べるイベント。名古屋第二赤十字病院・心臓血管外科の田嶋一喜部長が、心臓病について講演するなど、さまざまなセミナーが開かれる。また同イベントには介護業界に関わる企業も参加していて、展示ブースでは介護用品の体験や相談も可能。世界初の感情認識パーソナルロボット「Pepper」も登場し、そのソフト開発について知ることができる。さらに、企業が行うミニ講座では、腰痛・肩こり・頭痛に効くツボ治療や、シニアのお化粧のコツなどが学べる。開催時間は10~18時となっている。
2015年10月23日スウェーデン大使館は10月16日、「子どもの権利と父親の積極的な育児参加を支えるスウェーデン社会の現状」をテーマに講演会を開催した。登壇したのはスウェーデンで子ども、高齢者、男女平等担当大臣を務めるオーサ・レグネール氏。父親の育児参加が盛んな"子育て先進国"はどのように作られ、どんな課題を抱えているのか。最新の状況が伝えられた講演の様子をご紹介する。○父親が育児休業を取らないと損をする国レグネール氏が第1に語ったのは、スウェーデンの家族政策が「仕事と家庭の両立を実現するための支援」を中心にすえているということだ。このうちの1つ、育児休業は両親があわせて480日間を取得できると法律で定められていて、子どもが満4歳になるまで利用することができるという。さらに注目すべきは、父親の取得を促進させるための法整備も進んでいるということ。スウェーデンでは、480日間の休業のうち、60日間を「父親のみが取得できる休業」と定めた。要するに、60日分は父親が取得しなければ権利が消滅してしまうのだ。結果として、父親(※1)の約半数が60日以上の育児休業を取得するという驚くべき実績を残している。※1 2009年に生まれた子どもを育てている父親○子どもの権利は男女平等を実現することで守られるしかしそれでもレグネール氏は、父親の育休取得が不十分だと指摘する。問題視しているのは実際に父親が取得している休業期間の短さだ。男女別の平均休業期間を調査すると、女性が約15カ月なのに対して、父親は約4カ月にとどまっている。レグネール氏は、「子どもたちには、父親と母親、両方と平等に接触する権利がある」と主張。この課題を解決するために、父親のみが取得できる育児休業を60日間から90日間に引き上げる法律がこの秋にも成立する予定だという(2016年1月1日施行予定)。○必要なのは「政治決定」と「社会全体の議論」父親の育休取得率に関して言えば、わずか2.03%(※2)にとどまっている日本。両親が平等に子育てに取り組む社会をどのように実現していけばいいのか。これについてレグネール氏は、「政治決定」と「社会全体の議論」の両方が必要だと訴えた。例として労働時間の短縮をあげ、「父親の育児参加を進めるために労働時間を減らすことが必要であれば、企業に任せるのではなく、政府が法律を設けなければ変わらない」と指摘。さらに、それだけで自動的に父親が家事や育児に携わるかといえば必ずしもそうではなく、「男女平等というのは別の次元でのディスカッションが必要だ」と主張した。「子どもを育てるのに父親がまったく介在しない社会でいいのか、それが自分たちの欲しい社会なのか。少なくとも北欧においては議論が巻き起こって変わってきた」と語ったレグネール氏。母親だけでなく、もっと家族との時間が欲しいと考えている父親は多いはず。子どもや家族にとって、理想的な社会とはどんなものか。課題に対して諦めず、現状を変えてきたスウェーデンの前向きな姿勢を日本も見習うべきなのかもしれない。※2 厚生労働省「平成25年度 雇用均等基本調査」による
2015年10月19日「介護医療保険(以下、「介護保険」)」とは、民間の保険会社が取り扱う介護に備える保険です。公的介護保険は、要介護状態により介護サービスを受ける「現物給付」です。介護サービスを受けた場合には、一定の費用が自己負担になります。民間の介護保険は、要介護状態になった場合に「一時金」や「年金」等のかたちで現金が支払われる「現金給付」です。この点が、公的な介護保険と民間の介護保険の違いです。保険金が支払われる状態とは介護保険では、被保険者が要介護状態になった時に保険金が給付されますが、保険金給付の対象となる要介護状態の基準は保険会社により異なり、以下の2つに分類されます。(1)公的介護保険制度に連動するタイプ公的介護保険の要介護度は、要支援は1と2、要介護度は1~5まであります。いずれも数字が大きいほど重度の支援・介護が必要になります。保険金給付の基準が公的介護保険の要介護度に連動している場合、商品によって「要介護度2以上」、「要介護度3以上」などと決められています。(2)保険会社独自の基準があるタイプ保険会社独自の基準を設けているタイプもあります。この場合、保険会社が決めた所定の要介護状態になったとき保険金が支払われます。保険金の受け取り方法介護保険の保険金は、前述のように「一時金」や「年金」で受け取れます。年金の受け取り方も、一生涯受け取れるものや、10年間など一定期間のものがあります。どちらの受け取り方がよいか考えるには、どこで介護を受けるか?ということで判断するのも一つの方法です。それは、在宅で介護を受けたい場合は一時金で保険金を受け取り、リフォーム等に活用し、施設で介護を受けたい場合は年金で受け取り、毎月の施設利用料に充てる、というような活用法ができるからです。介護にかかる費用というのは、人それぞれです。介護してくれる身内の方がいる人もいればいない人もいます。まず、どこで誰に介護をしてもらうかを、自分なりに想定することから始めましょう。その想定により、かかる費用と預貯金を考慮して民間の介護保険を検討しましょう。そうすることで、保険金額に設定がより適切なものになります。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年10月08日損保ジャパンは2日、「ワタミの介護」の完全子会社化について、同社親会社であるワタミとの合意に至ったことを発表した。○介護サービス市場の拡大を見据えワタミの介護は、外食チェーン大手であるワタミの子会社。2015年3月末時点では、首都圏を中心に111カ所の介護付有料老人ホームを運営している。損保ジャパン日本興亜は、高齢化に伴う介護サービス市場の拡大を見据え、2012年より介護関連企業のグループ会社化や資本・業務提携を実施。今回のワタミの介護買収により、介護サービス事業への本格参入を目指す。同社は「グループが有する広範なネットワークやグループ事業を通じて培った経営資源やノウハウを生かして、介護事業における、より高い『安心・安全・健康』に資する新たなビジネスモデルの構築を目指し、様々な介護ニーズに対応するサービスを総合的に提供する」としている。株式の譲渡日は12月1日、取得株式数は6万4,429株で価額は210億円(見込み)。
2015年10月05日もしも両親に介護が必要になったら、介護費用は大丈夫ですか?いま、親の介護のために会社を辞めたり、住宅ローンの支払いが苦しくなったりする「介護貧乏」が急増しているのだとか。「うちの両親はまだまだ元気」と思っていても、ある日突然降りかかってくるのが介護問題。今回は、他人事といっていられない介護とお金の現実を調べてみました。■介護保険制度を利用しても金額が追いつかない!介護保険制度とは、市町村や特別区(東京23区)が運営主体になっている保険制度。65歳以上の人が介護や支援が必要になったとき、介護保険を適用し、状態に応じて入浴や食事、身支度などのサービスが「自己負担1割で」受けられるというものです。そのためには要支援1~2、要介護1~5までの7段階のうち、どの段階に該当するかの「要介護認定」を受ける必要があります。たとえば「要介護1」は、立ち上がりや歩行は不安定で部分的な介護が必要ではあるけれど、排泄や食事はだいたい1人でできる状態。「要介護2」は立ち上がりや歩行に支えが必要なうえ、排泄や入浴などにも介助や見守りが必要な状態。当然月額利用の限度額も異なり、要介護1の上限額は月50,030円、要介護2は104,730になります。生活全般に全面介護が必要な要介護5になると月360,650円に。「お金的な支援ってけっこう充実しているじゃん」と思った人は要注意。なぜなら、この金額が追いつかないのが介護の現実なのです。■在宅介護の自己負担平均はなんと月69,000円!家計経済研究所が2011年、親を在宅で介護している人を対象に行った調査では、月の平均介護費用は37,000円!(介護保険制度を利用し自己負担で支払った金額)そして、医療費や介護用品代など介護サービス以外の費用は32,000円。つまり、合計で月々69,000円もの出費があることが判明したのです。高額になっていく理由は、介護保険の上限額を超えると全額自己負担になるから。その月平均はなんと24,000円……!ほとんどの人が介護保険の上限額を使い切り、自腹で介護サービスを利用していることが明らかになっています。こんな状態が3年、5年と長引けば大変な負担に……。蓄えていたお金も底をつき、月収や親の年金だけでは生活自体が成り立たなくなる「介護貧乏」に追い込まれてしまう危険性もあるのです。■特別養護老人ホームの入居には数百万もかかる「孫の世話をしつつ余生をおくる」という老後像は昔の話。いまでは親のほうが施設を望むケースが増えているのだとか。公益財団法人 生命保険文化センターによる「生活保障に関する調査」(2013年度速報版)では、約6割の人が施設介護を望むという結果に。そこで気になるのが費用と順番待ちです。代表的な常時介護施設、特別養護老人ホームの費用は月30,000~130,000円程度と比較的リーズナブル。しかしその反面、100人単位の順番待ちも珍しくありません。受け入れ条件も、「要介護3以上」と厳しいのが特徴です。有料老人ホームは、建っている場所やサービス内容により1ヶ月の利用料は200,000円~400,000円、さらに数百万円から数千万円の入居一時金がかかるところもあります。認知症がある場合は、スタッフと共同生活するグループホームも選択肢のひとつ。費用は月額120,000~250,000円で入居金が必要な場合も。高額だけれど比較的待たずに入所できるようです。施設介護のよいところは、親の介護のために会社を退社せずに済んだり、仕事を休んで社内の評価を落とさずに済むこと。身を削り、心も体もくたくたになることは、両親とも望んでいないはずです。「がんばらない介護」は、ベターな選択なのかもしれません。ちなみに厚生労働省の調査によると、要介護認定を受け始める平均年齢は75歳。損害保険会社などの介護保障保険等に加入できる年齢であれば、いまのうちに加入しておくのも手です。いつ訪れるかわからないことだけに、金銭面での備えを早めにつくり、介護貧乏になるのを防ぎましょう。(文/渋谷ふみ)【参考】※公益財団法人 家計経済研究所※公益財団法人 生命保険文化センター
2015年08月26日トレンド総研はこのほど、20~60代の男女500名を対象に実施した「介護と生活」に関する調査結果を明らかにした。調査期間は8月6日~10日。自分の家族の介護をした経験、または、今後家族の介護をする可能性はあるか尋ねたところ、51%が「介護に関わった経験がなく、今後も介護に関わる可能性はないと思っている」と回答した。2人に1人は、介護は"人ごと"と感じていることがわかる。一方、「自分が中心となって介護をしていた経験がある」は9%、「介護の補助をしていた経験がある」は14%だった。また、33%は今後、自分が中心となって介護したり、補助したりする可能性があると回答している。自分の親が要介護状態になったとき、誰が中心となって介護をすると思うか(したか)聞くと、56%が「自分」と回答した。「自分の配偶者」と回答した人は、女性がわずか2%だったのに対して、男性は17%だった。自分の親の介護にかかる費用の総額のイメージを聞くと、「見当がつかない」(44%)が半数弱を占めた。具体的な金額としては、22%が「100万円~500万円未満」、11%が「500万円~1,000万円未満」と回答している。自分の親の介護費用として、現在貯金をしているか尋ねると、85%が「していない」と回答した。「介護」には費用がかかると思っているにもかかわらず、ほとんどが自分では費用を準備できていないことが分かる。交際中に自分が家族の介護をしていたら、恋人との結婚をためらうと思うか尋ねたところ、66%が「そう思う」と回答した。交際中に恋人が家族の介護をしていたら、恋人との結婚をためらうと思うかという問いでも、57%が「そう思う」と答えている。いずれの場合も、結婚をためらうという回答が多く、「介護」が結婚に踏み切れない要因になり得ることが明らかになった。
2015年08月24日カシオ計算機は29日、Androidスマートフォン向けの無料アプリとして、介護のコミュニケーションを促進する介護情報シェアツール「DaisyCircle」(デイジーサークル)を発表した。7月7日からGoogle Playにて公開する。アプリ自体は無料だが、サービス利用は有料となる見込み。2015年7月7日から同年12月31日まで、利用料無料のトライアルサービスを実施する。また、iPhone向けのDaisyCircleアプリも提供される予定だ。DaisyCircleは、親と離れた場所で暮らしている家族と、親の介護を行う介護スタッフのコミュニケーションツール。家族はいつでも、介護スタッフの書き込みや投稿画像を閲覧して介護状況を確認できる。介護を受ける人物ごとに、サークル(グループ)作成・サークル員の招待などを介護サービス事業者が行う。ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)感覚のシンプルな操作性ながら、専用ツールならではの優れた安全性を備えたとしている。主な機能として、介護の見える化を促進する「フィード」、確実な連絡手段「メッセージ」がある。前者は、介護を受けている人物に関係する全員が参加する、画像の貼り付けも可能な電子掲示板。訪問介護スタッフ、デイサービス(通所介護)スタッフ、ケアマネジャー(介護支援専門員)の三者と、介護を受けている人物の家族による、日常的な情報共有を実現する。これによって介護の見える化を促進し、関係者の一体感を高める。家族の近況写真を、介護スタッフを通じて親に知らせるといった使い方も可能。後者の「メッセージ」は、相手を特定して文字で連絡できるツール。連絡する相手は、サークル内の一名でも複数名でも自由に選べる。
2015年06月29日保険ショップ「保険クリニック」はこのほど、20歳~60歳までの男女を対象に実施した「介護に関するアンケート」の結果を明らかにした。調査期間は2014年10月1日~10月3日で、有効回答者数は500名。自分は介護を受けることになると思うか尋ねたところ、46.2%が「なると思う」、53.8%が「なると思わない」と回答した。年代別に見ると、40歳~60歳では約50%、20歳~39歳でも約43%が「なると思う」と回答しており、若い世代でも介護は自分に身近な問題として捉えているようだ。自分や家族に介護が必要になった場合の心配なことは何か聞くと、最も多い回答は「お金」だった。そこで、介護資金の準備はしているか尋ねたところ、90.2%が「していない」と答えた。多くの人が介護の心配は「お金」と答えているにもかかわらず、実際に介護資金の準備をしている人は1割にも満たないことがわかった。介護経験の有無について尋ねたところ、現在介護している人は5.0%、介護経験がある人が16.2%だった。年代別に見ると40歳~60歳までが多く、現在介護している人は8.0%、介護経験者は18.4%で、3.7人に1人が介護経験を持つことが明らかとなった。介護をしていて困ったことを聞くと、最も多い回答は「自分が自由にできる時間がない」、次いで「介護にかかる費用の確保」、「先の見通しが立たない」だった。「精神的ストレス」「自分の休息ができない」という回答も寄せられている。生命保険文化センターの調査(平成24年度生命保険に関する全国実態調査)によると、介護期間は平均56.5カ月(4年9カ月)。1カ月当たりの平均介護費用は7.7万円だった。この結果からも、介護には時間と費用がかかることがわかる。
2015年05月19日ここ数年の間に20代の出産率が低下し、30代の出産率が上昇。厚生労働省が発表した「H22年度 出生に関する統計の概況」を見ると、平成22年度調査では、出産時の年齢が35~39歳の女性は、1970年には5%弱でしたが、2009年には20%になっています。「晩産化」という言葉も当たり前に使われるようになり、同時に「高齢育児」も増加しています。高齢育児をしているママに実際の育児について聞いてみると、「体力がついていかない」「親の介護と育児が同時で疲れる」「兄弟をつくってあげたいけど…2人目を産んで育てられるか不安」「周りのママに比べて老けて見える」「年齢的に子どもの将来きちんとサポートできるか不安」など、ネガティブな意見も多く聞かれます。たしかに心配はごもっともですが、日々成長する子どもを前に、悩んでいる暇はありません。見方を変えれば、高齢のママでもポジティブな子育てができる面をたくさん持っていることを忘れないでください。■この年齢に達したママを選んだのはお子さんです! 「赤ちゃんはママを選んで生まれてきた」という話を聞いたことがあるでしょう。そうです! お子さんは、あなたを自分の意志でママとして選んで、生まれてきたのです。そう考えるとどうでしょう? 少し自信が湧きませんか? 高齢出産をしたママの中にはきっと、これまで仕事を頑張ってきたという人も少なくないでしょう。仕事で成功した経験や、やりたかったポジションに抜擢されたこともあるはず。でも、「赤ちゃんに選ばれた」というのは、どんな仕事で成功し、選ばれたことよりも嬉しいことだと思いませんか? 仕事の場合、あなたの代わりがいるかもしれませんが、子どもさんのママはあなたしかいません。これだけ誰かに必要とされたことはありますか? ■周囲に大手を振って頼れる、高齢育児高齢育児は、自分1人で何とかしようと思っても、体力的にも無理なことが多いです。まずは、夫やパートナーに頼りましょう。というよりも、頼らざるを得ないので、基本的に夫婦2人での育児が不可欠になります。その結果、自然と夫婦の絆が深まっていくことでしょう。また、若い夫婦より経済的な余裕があることが多いため、行政や地域、民間の育児や家事サポートサービスも利用しやすい状況にあるはず。体力を使う、など自分ができない部分は周囲に頼っていいのです。子育ては母親1人でやる時代はとっくに終わっていますし、子どもが多くの手の中で育てられることにはメリットも存在します。キャリアを重ねてきたママにとっては、周囲に頼ることがなかなか難しいかもしれませんが、大手を振って頼れるのは子どもが小さいうちだけ! やらなきゃ損です。■実は、子どもを伸び伸びと育てることのできる、気持ちの余裕がある私の周囲にも何人か高齢育児をしているママがいます。そのママたちに共通しているのが、「子どもをあまり怒らない」ということ。「怒ることってあるの?」と思うほど怒らないのです。「かわいくて怒れない」というのが本音のようですが、とはいえ、おさえるべきポイントはしっかりおさえて注意しています。そのため、どの子も伸び伸び育っている印象を受けます。自分の気持ちを親がきちんと受け止めてくれることが、周囲への寛容さを生み出しているのかもしれません。勉強面でも、友だちへの接し方についても、どこか間違ったところがあれば、周囲に言われてではなく、自分で気がつくことが多いようです。高齢出産を経ての高齢育児の場合、不安や疲れなどが先に立ってしまうことが多いものですが、ママ自身が気にしすぎていると、子どもにも影響が出る可能性があります。せっかくですから、ぜひポジティブに育児を楽しんでくださいね。
2015年03月11日損保ジャパン日本興亜ホールディングス(SOMPOホールディングス)はこのたび、大手介護事業者であるメッセージと両社の経営資源活用を通じた介護サービスおよび介護関連サービス等の提供と拡大を目的とする資本・業務提携契約を3月9日付で締結したと発表した。SOMPOホールディングスは、顧客の安心・安全・健康に資する最高品質のサービスの提供をグループ経営理念とし、保険を基盤として幅広い事業分野への積極的な拡大を図っている。介護分野においては、「超高齢社会」の到来により表面化するさまざまな社会的課題や新たなニーズに応えるべく、これまで培ったノウハウや資源を活かした新たなサービスの創造を目指し、取組みを加速している。一方、メッセージは、1997年の設立以来「たとえ介護が必要になっても高齢者自身が住みたいと望む場所(住まい)で、自分らしい暮らしを続けられる環境の提供」に取り組み、サービス付き高齢者向け住宅や介護付有料老人ホーム等の「住まいの提供」、定期巡回・随時対応サービスや訪問介護等の「在宅介護サービス」など、高齢化社会におけるさまざまな時代のニーズに対応した介護の複合サービスを展開している。両社はこのたび、SOMPOホールディングスが有する広範なネットワークおよび高い信用力とメッセージが有する介護事業における高品質のサービス力・ノウハウの融合を通じ、超高齢社会が抱えるさまざまな課題や介護ニーズの変化に対応するサービスを総合的に提供し、高齢者とそのご家族が暮らしに安心・安全を感じられる、世界に誇れる豊かな高齢化社会の実現をともに目指すため、資本・業務提携契約の締結に至ったとしている。資本・業務提携契約の締結に伴い、9日付でSOMPOホールディングスの子会社損害保険ジャパン日本興亜は、メッセージ創業者である橋本俊明氏から、同社普通株式703,500株(発行済株式総数の3.5%)を取得することについて合意したという。○メッセージの概要商号:株式会社メッセージ本社所在地:岡山県岡山市南区西市522番地1代表者の役職・氏名: 代表取締役会長橋本俊明氏、代表取締役社長古江博氏事業内容:有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅・グループホームの運営、居宅サービス事業など創業年月:1997年5月資本金:39億2,516万円発行済株式総数:20,080,000株SOMPOホールディングスおよびメッセージは今後、介護サービスや介護関連サービスの提供拡大、ひとり暮らしの高齢者に対応した「在宅老人ホーム」サービスの普及・拡大、介護離職問題に対応した相談・コンサルティングサービス等の開発、高齢化社会に対応した新たな保険商品など、幅広い事業領域における協力を検討・協議していくとしている。SOMPOホールディングスは、メッセージとともに介護・ヘルスケア分野における顧客の安心・安全・健康に資する最高品質のサービスを提供し、社会に貢献していくとしている。
2015年03月11日2015年8月、一定以上の所得がある高齢者が、介護保険サービスを利用したときの自己負担割合が1割から2割に引き上げられます。理由は、いわゆる「団塊の世代」(昭和22(1947)~24(1949)年に生まれた人)が高齢期に達することで、要支援・要介護認定者が急増し、介護保険制度の存続が危ぶまれるからです。2014年9月末の要支援・要介護者は約598万人で、5年前に比べて約120万人も増えています。世界に類を見ないスピードで少子高齢化が進む日本で、介護問題にどう向き合えばいいのでしょうか。介護保険制度改正の概要と介護費用データなどをもとに、介護への備えについてお話します。施行以来の大幅改正 2015年介護保険制度改正のポイント介護保険制度は2000年4月に施行されて以来、3度の改正を経てきました。2025年には団塊の世代が75歳以上になるため、高齢化が急速に進むことから、それを見据えて今回大幅な改正を実施するとして、注目を集めています。改正のポイントは大きく5つあります。2015年 介護保険制度改正ポイント一定以上の所得のある利用者の自己負担割合を1割から2割に引き上げ(2015年8月から)特別養護老人ホームの入居基準を要介護1以上から、原則として要介護3以上に変更(2015年4月から)介護保険施設(特別養護老人ホーム、老人保健施設、介護療養型医療施設)入居者のうち、低所得者向けの「食費・居住費の補助」適用基準の引き下げ(2015年8月から)要支援1・2向け介護予防サービスの一部を市町村に移管(2015年4月~3年かけて)低所得者の介護保険料負担軽減(平成27年4月1日より)大きな目玉は介護サービスを利用したときの利用者負担の改正です。一律1割負担から、一定の所得以上の人は2割負担に変わります(ただし、「高額介護サービス費」制度があるため、見直し対象全員の負担が2倍になるわけではありません)。一定以上の所得とは「年間の合計所得金額が160万円以上」になる見込みです。65歳以上で収入が年金のみであれば、年金収入280万円以上の人が該当します。年金収入には、企業年金や確定拠出年金から支払われる年金(公的年金等控除の対象となるもの。遺族年金、障害年金)も含まれる見込みです。一定以上の所得者に該当する場合は、これまで払っていた利用料の2倍の金額になるわけですが、無制限に負担が増えるわけではありません。先ほども述べた高額介護サービス費があるからです。この制度は、その月(月初~月末)の利用者負担(1割または2割負担分=区分ごとの自己負担限度額の範囲の利用料)が一定額を超えた場合に超過分が払い戻されるものです。介護保険サービスでは、要介護者等が、自宅に手すりを取付ける等の住宅改修するときや福祉用具の購入するときの、支払額の9割(支給限度額の9割が上限)が支給されますが、高額介護サービス費には、住宅改修費や福祉用具の購入費、特別養護老人ホームなどの介護施設での食費の標準負担額など、対象にならないものもあります。しかし、利用者の所得に応じた負担となるように工夫されています。2015年1月20日現在の高額介護サービス費による1カ月あたりの自己負担限度額は次の表の通りです(2015年8月以降は住民税課税世帯の区分が細分化され、公的医療保険の自己負担割合が3割の現役並みの所得のある高齢者については、自己負担限度額が4万4,000円になる予定です)。高額介護サービス費の自己負担限度額(1カ月あたり)資料:厚生労働省 老健局総務課「公的介護保険制度の現状と今後の役割」をもとに執筆者作成介護保険は健康保険に似ています。要介護・要支援に認定されても、現金給付が受けられるわけではなく、介護が必要になったときに低額の自己負担でサービスが利用できる制度です。ただし、1割または2割負担で利用できる介護サービスは要介護・要支援状態区分によって上限額が設定されています。在宅サービス費の支給限度額(1カ月あたり)資料:(公財)生命保険文化センターホームページ「在宅サービスの支給限度額と利用のめやす(平成26年4月現在)」をもとに執筆者作成自分に介護が必要になったときにお世話をしてくれる家族がいるか、どんな介護サービスを利用するかによって介護の経済的負担は違います。たとえば、若年性認知症の妻を、働きながら1人で在宅介護を続けているAさんは、介護保険サービスを利用しています。しかし、Aさんの勤務中はデイサービスで過ごすため、1割負担の範囲を超えた利用となっています。一方、両親と同居しながら父親の介護をしていたBさんは、夫婦ともに会社員ですが、母親が家にいて父親の日常の世話ができるので、介護費用は毎月1~2万円程度ですんでいるようです。介護が必要になったときにどこで暮らしたいか介護が必要になったとき、サポートしてくれそうな人はいるか介護への備えは、まずは、この2つの質問を自分自身に問いかけることから始めましょう。おのずとどんな備えが必要かがみえてくると思います。介護の経済的負担に備えるためには家族に介護が必要になったとき、「肉体的」「精神的」「経済的」な負担がかかります。これらをゼロにすることはできませんが、事前に備えておくことで、3つの負担を軽くすることができます。備えには次のような方法があります。1つは、介護人脈を築いておくことです。介護が必要なときに、どこに相談に行けばいいのか、そうなったときに介護の一部を頼める相手をたくさん作っておくことで介護の負担を軽くすることができるかもしれません。主婦のDさんは親や自分に何かあったときに備えて、近所の介護施設でボランティア活動を始めました。親に介護が必要になったときにどんなサポートをすればいいかを身に付けられるから、というのがきっかけでしたが、親はもちろん、自分に何かあったときの介護生活もイメージでき、想定外だったと笑っていました。もう1つは、経済的な備えをしておくことです。資産にゆとりがあれば、お金を払って介護保険の対象外のサービスをプロに任せることができます。特に、誰の世話にもなりたくないなら、介護施設への入所を意識した資金計画を立てることが重要になります。介護に備える手段の1つに、民間の介護保険があります。所定の要介護状態に該当した場合に、年金もしくは一時金が支払われる保険です。公的介護保険の要支援・要介護認定に連動しているものが主流ですが、どの要介護状態区分から支給されるかは保険商品によって異なります。民間の介護保険で介護に備える場合はどの要介護状態区分に該当したら給付が受けられるのかを必ず確認しましょう。介護のお金はいくらかかるか、なかなか予想することはできません。長生きすることがリスクにならないよう、若いうちから、資金にゆとりがあるときに介護保険等を使って対策をとっておきましょう。ただ、心配だからと貯蓄が乏しくなるほど保険に入ることのないように気をつけてくださいね。コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年02月17日あなたの家庭では両親の介護をしていませんか?介護疲れの中年女性の間には、睡眠不足に悩まされている人が多いのだとか。でも、ぐっすり眠れない理由は肉体的に疲れているからだけではないらしいのです。介護疲れで女性の寝不足は加速仕事と介護の両立は難しいといわれています。法律上、年間最大93日まで介護休暇を取得することが認められていますが、実際の利用者の割合は東京都で1割未満。利用率の低さは、周囲の理解が進んでいないからという声もあります。働きながら両親の介護をしている人のなかには、自分も体調を崩してしまったという人もいます。特に、介護疲れによる体調悪化は女性に多いといいます。独立行政法人労働政策研究・研修機構によると、男性27.3%に対して、女性は47.9%が不調を感じているそうです。実は、介護は不眠に関する病気の原因になるものだという意見も。具体的な理由をみてみましょう。介護による寝不足の原因は精神的ストレス介護疲れをした人は、精神生理性不眠症や概日リズム睡眠障害などを引き起こすケースが少なくないようです。実は、その理由はおむつ交換や痰の吸引など、深夜に起きて介護を行うことに対する肉体的負担だけではないのです。塩見利明著『眠れないあなたに睡眠科による不眠の医療』によると、介護における最大の精神的負担は「孤独感」なのだとか。周囲の人から、介護の大変さへの理解が得られないストレスによって、睡眠に関する病気を発症しやすくなるのだそうです。また、両親の介護を行う年代の女性は、更年期障害や空の巣症候群など、不眠に悩まされやすい年代だといわれています。介護からくる寝不足を解消するには、周囲の協力が欠かせません。家族は、行動を手伝うだけでなく、優しい言葉を掛けてあげるようにしましょう。ぐっすり眠れば介護疲れも乗り切れる!介護疲れでぐっすり眠れないというあなた。よく眠れない原因は、家族に相談できずに一人で介護を抱えてしまっているからかもしれません。さらに、短時間で質の低い睡眠を続けていることから、体調不良になりやすいのです。なんとなく眠りが浅いと感じたとき、良い眠りのポイントは、体の負担だけでなくストレス解消を意識すること。そのためには、夫がお休みの日は介護を交代してもらう、デイケア等を利用するなど、介護の方法を工夫してみましょう。また、家族と相談するだけでも、心がスッキリするかもしれません。心身ともに負担を軽減すればぐっすり眠れるようになるはず。良い睡眠サイクルで介護疲れを乗り切りましょう!Photo by Ulrich Joho
2015年01月26日もし自分の家族に何かあったら、その時みなさんはどうしますか?実は、30代後半の女性にとって、家族の介護のことは身近な問題です。いざというときのために、今から少しずつ知っておきたい介護のことを紹介したいと思います。30代女子でも多数!! なめてはいけない30代での介護経験30代で家族の介護なんて、まだまだ現実味がない人は多いと思います。でも親世代に限らず、家庭の事情によっては祖父母世代の介護をすることになる場合もあるでしょう。総務省が平成24年に行った調査では、40歳未満女性の実に30万人以上が在宅介護をしていることがわかりました。この数字は決して他人事ではないレベル。いつ自分がその立場になってもおかしくありません。親世代の晩婚化や少子化の影響で、アラサー世代も介護を担う可能性が高くなっているようです。そこで実際にアラサーで介護を経験したという編集部のN女史に、介護をすることになったときに覚えておきたいポイントを伺いました。30代介護経験者が語る「介護に潰されないための心構え」その1. 一人で抱え込まないN女史いわく、一番大切なことは「一人で抱え込まない」ことだそう。でもアラサー世代には介護の問題を共有できる友人がいる人は多くはありません。そのため介護の辛さを一人で溜め込んでしまう傾向があるのだとか。N女史の場合は、介護の悩みを抱える人たちが集うサイトなどを利用したそうです。身近に相談できる人がいなくても、こうしたサイトを利用することで同じような悩みを抱えた仲間に出会うことができます。たとえ介護の状態は改善しなくても、誰かにわかってもらうことで心が楽になることがポイント。その2.割り切ることも必要高齢者の介護は、若いときの病気とは違い、どんなにケアをしても快方に向かうとは限りません。N女史の場合、被介護人である祖母は認知症で、介護しているN女史のことすら忘れてしまうこともあったのだとか。「せっかく介護しているのに、何のためにやっているのかわからなくなりました」と。しかし、そういう病気なのだと割り切って介護に臨むことにしたそう。割り切るにあたりN女史は、次のように考えたと言います。「生きていくれているだけでも十分と思う」「小さい頃から育ててくれた恩返しと思うことにした」大切な家族だからこそ介護をしているのに、肝心の被介護人にはそのことすら伝わっていないというのは辛いことです。そんなときにも、介護コミュニティサイトは役立ったそうです。その3.自分にもリフレッシュタイムを設ける介護が長引く中では「もう無理だ」と思う瞬間もあったと言うN女史。そんな時は、在宅介護サービスを利用して、ひとりきりになる時間を作っていたそう。介護中は被介護人への配慮から、自分が楽しむことに罪悪感を感じる人は多いと言います。しかし、いくら介護中でも全ての時間を介護だけに使っていては、自分の心が壊れてしまいます。介護中は外の世界と遮断されやすいので、意識して外に出て、リフレッシュタイムを作るようにしたいものです。辛い時こそ、思い出を蘇らせて!介護が辛い理由は、回復の見通しのない病状や長い拘束時間、体力的な疲労、など様々あると思います。そんな辛い時は、昔元気だった時にくれた手紙などを読み返していたと言います。元気な時の様子や、優しくしてもらったことを思い出すことで、かけがえのない家族であることを再認識して介護に臨んだのでしょう。だからといって、介護の辛さが吹っ飛ぶわけではありませんが、できるだけ長く被介護人に対して愛情を注ぎたいという気持ちを感じました。介護者が、人生を楽しむために必要なこと紹介したのは、介護する側の心構えとでもいう内容です。でも「自分は一人じゃない」ということに、追い詰められた当事者は気づくことが難しいことも事実。また心構えだけでも、介護の問題は解決できません。昨年、NHKのクローズアップ現代で放送された「介護で閉ざされる未来」では、介護によって就職や結婚を諦めざるを得ない状況に追い込まれた若者が紹介されました。放送後、番組に寄せられたコメントには、同じように介護のために人生に希望を見出せない人たちのリアルな声が寄せられていました。先の見えない介護生活に、恋愛も結婚も、出産も諦めたというコメントも。アラサーでこんな苦しみを抱えた女性がいるということを、わたしは知りませんでした。番組では国によるシステム作りの重要性などが語られていますが、高齢化が進む日本では誰にも起こり得ることとして、多くの人が関心を持つことも大切ではないでしょうか。どんな問題も無関心が一番の敵。少し周りに目を向けてみようかな、コラムを書きながら、わたしもそう思った一人です。
2015年01月25日国が違えば、子育ての方法もかなり違います。私自身も以前、インドのおばあちゃんが生後3ヵ月のお孫さんの足首を片手で持ち、さかさまにしてベビーマッサージをするという姿を見て、驚がくしたことがあります。これはなかなかハードな例ですが、世界の国々には、さまざまな思想や価値観のもと、たくさんの育児の仕方があります。今回は、「フランスの子育て法」を紹介します。フランス人が子育てにおいて重視しているのは、小さいうちから「忍耐」と「社会性」を学ばせることだそう。一体どのような子育て法なのでしょうか。■フランスでは、夜泣きをする子どもがいない!?日本のママが抱える子育ての悩みとして、常に上位にくるのは「夜泣きがひどい」「なかなか寝ない」の2つ。ですから、「フランスでは夜泣きをする子どもがいない」と聞いて、驚くママは多いのではないのでしょうか?赤ちゃんが夜泣きをした時、日本ではまず、泣いている赤ちゃんを抱き上げて、赤ちゃんが何を要求して泣いているのかを考え、赤ちゃんが要求しているであろうおっぱいをあげたり、おむつを替えたりすることを行います。しかし、フランスではまったく違います。泣いている赤ちゃんを抱き上げることなく、5~10分間ほど、そのまま観察します。これは、「赤ちゃんには2時間という睡眠サイクルがあり、今はその睡眠サイクルをつなげる学習をしている最中。数分で泣き止むようであれば、睡眠サイクルがうまくつながらないことが夜泣きの原因。それを親が、お腹を空かせている、おむつが濡れていると先回りして抱き上げると、赤ちゃんの睡眠サイクルをつなげる練習を邪魔してしまう」という考え方によるもの。抱き上げて泣き止ませることよりも「赤ちゃんが上手に眠る術を身につけようとしているのを、邪魔せず見守ることが親の愛情」と考えているのです。そのせいか、フランスでは生後2~3ヵ月経つと、一晩中ぐっすり眠る子が多いのだとか。■フランスの子どもは間食をせず、食事を完食する子が多い!?日本のファミリーレストランでは、子どもが食べることに飽きて走り回ったり、駄々をこねたりしている光景をよく見かけます。しかし、フランスではこうした光景はほとんど見られないそう。さらに、間食をしないので、食事の時間にしっかりお腹が空いていて、好き嫌いなく完食する子がほとんどだそうです。これはフランスの親が、子どもが小さいうちから「食べることを楽しむこと」を一番に教えるからです。「子どもに生まれつき好き嫌いはない。食べ物の味や風味を楽しむことを学ばせよう」という考えのもと、調理法を変えたり、ユーモアを交えたりして、子どもが食べられるようになるまでさまざまな工夫をするそうです。また、保育園(託児所)や幼稚園でも、レストランで提供されるような食事が出されます。そして、園児にもきちんと料理の説明をし、「完食しなくてもいいけれど、すべての食事をテイスティング(味見)して、味や香りを楽しみなさい」と教えているそうです。決して、「栄養があるから!」と無理に食べさせはしないのです。■子どもへの叱り方も日本とは違う!?日本では、「子どもは親の所有物」のように扱われてしまうケースがありますが、フランスでは生まれた時から子どもに対し、「小さなおとな」として接しています。ですから、子どもを叱る時も、家庭や社会の枠組みの観点から叱ることが多いそうです。たとえば、子どもがお友達の行動を気に入らなくて叩いた場合、「痛いでしょ」「嫌な気持ちになるからダメでしょ」という言い方ではなく、「あなたには○○くんを叩く権利はない」という叱り方をします。買い物時、会計が済んだ後に、勝手に子どもが商品を持ってきてしまった場合は、どんなにスーパーが広くても、どんなにその子が小さくても自分で戻しに行かせるそうです。そのほかにも、子どもがやってはいけないことの境界線がはっきりしていて、その境界線の中では子どもは何をしてもいいけれど、境界線を越えた時、親は子どもを躊躇(ちゅうちょ)なく厳しく叱ります。そうすることで子どもに、社会生活の中でいかに自分をコントロールするかを徹底して教えているのです。なるべく子どものうちにたくさんのことを経験させてから、ルールを身につけさせようという考えの米国、日本、中国とは違い、子育てにおいてはなによりもまず、社会性が優先されるようです。【参考文献:『Bringing Up Bebe(「赤ちゃん」を育てるということ)』Pamela Druckerman・著(Penguin Books)】ご紹介した内容には、共感できる部分もできない部分もあると思いますが、ママ自身がいいなぁ! と感じた部分は、今後の子育ての参考にしてみるのもよいのではないでしょうか。子育てに完璧なレシピや考え方はありません。さまざまな事例を参考に、ぜひあなただけの子育て法を作っていってください。
2014年11月19日このところ「おむつなし育児」という育児法が話題になっています。多くのママは、「おむつなし」と聞くと、まった全くおむつをしないの? 床や部屋が汚れはしないのかな? などと疑問に思うかもしれません。そこで今回は話題の育児法、「おむつなし育児」について解説、検証してみます。■「おむつなし育児」は、かつては日本でもやっていた「おむつなし育児」は、決して目新しいものではなく、布おむつも紙おむつもなかった時代、当たり前にやっていた方法です。いつのまにか日本では途切れてしまいましたが、今再び注目されています。簡単に言えば、「おむつの中でおしっこやうんちをすることを当たり前にせず、なるべくおむつの外でさせることで、赤ちゃんのうちに排せつの気持ちよさを伝えてあげる方法」です。言い換えれば、「おむつでうんちやおしっこをすると気持ち悪い」という感覚を当たり前にすることだといえます。■おむつをまったくしないわけではありません「おむつなし」とは言っても、普段はおむつをしています。赤ちゃんをよく観察して、おしっこやうんちが出そうかな? というタイミングでおむつを外し、なるべくおまる・トイレなどでさせてあげるのが、おむつなし育児の基本です。とはいえ、何がなんでもおむつなしで! と気合いを入れ過ぎる必要はありません。家ではおまるでしていても、外出時は紙おむつでしてOK! くらいの緩やかな気持ちで取り組むことがポイントです。「おむつを外す」ことが目的ではなく、赤ちゃんの頃から排せつの仕組みや楽しさを親子で共有することが最も大切な目的。そこが、いわゆるトイレトレーニングとは違うところでもあります。歌を歌ったり、掛け声をかけたり、時には遊んでみたりと、コミュニケーションしながら行うのもおすすめです。■ママにとって子育ての自信につながります! 出産してすぐは、赤ちゃんがどうして泣いているのか、何を求めているのかがわからなくて戸惑うママがほとんどです。でも、時間を重ねて赤ちゃんに向き合っていくうちに、だんだんと赤ちゃんの欲求に気付きやすくなっていきます。これと同じように、おむつなし育児を続けていくと、徐々に子ども自身のサインやタイミングが、自然にわかってくるようになるそうです。しかも赤ちゃんは自分の欲求がすぐに満たされるとご機嫌な時間が長くなります。それは、ママにとって育てやすさを感じることにも繋がります。また、排せつ以外の欲求も気付きやすくなることが多く、結果的に子育ての自信に繋がることにもなります。とある国では、生後数ヵ月間は、家の床に赤ちゃんを置いてはいけないという風習があり、赤ちゃんはずっと、スリングのような布の中でママに抱っこされて過ごすそうです。すると、赤ちゃんとママがずっと密着しているため、五感で感じ合うようになり、排せつのタイミングがわかるようになる、という話を聞いたことがあります。おむつなし育児とは、まさにこうした感覚なのでしょうね。■おむつなし育児を実践しているママに聞いてみました!「いつの間にか子どもの排せつのタイミングがわかるようになって、親として自信が持てたような気がします!」(6ヵ月の子のママ)「ずっと便秘がちでしたが、おむつの外に出すほうがたくさん出るようで、便秘も自然に解消できました!」(7ヵ月の子のママ)「以前は布おむつを使っていましたが、だんだんおしっこの量が増え、洗濯が大変になってきたので、おむつなし育児に切り替えました。今では助かっています」(5ヵ月の子のママ)「オムツ代が節約できます! しかもエコですよね」(8ヵ月の子のママ)「トイレでうんちやおしっこをすることに抵抗を感じることがなかったので、トイレトレーニングに苦労せずに済みました」(1歳6ヵ月の子のママ)おむつオムツなし育児とはつまり、赤ちゃんとじっくり丁寧に向き合うこと、そして、親子のコミュニケーションを豊かにするためのひとつの方法だと感じました。軽い気持ちで構わないので、興味がある人はぜひ実践してみてはいかがでしょうか。
2014年09月19日