今回は筆者の勤務時代の実体験を基に、どんな点をチェックするのかを解説していきたいと思いますので、住宅ローンを検討中の方は是非ご覧ください。確実に聞かれる「ヒアリング7項目」まず、住宅ローンを申し込む際に「事前審査」があると前回記事では書きました。その際に、申込用紙に記載していく項目(ヒアリング項目と筆者は呼んでいました)に必ず書かなければならない必須項目があります。まずそこを押さえておきたいと思います。確実に見ておかなければならない項目がこちらになります。借入時年齢健康状態担保評価勤務先(就業形態・役職含む)年収勤続年数連帯保証少なくとも7項目は確実に見られます。というか記入しなければなりません。ここから一つずつ「なぜこんな事記入しないといけないのか?」を貸し手側の理論で説明していきますので、ご覧になっている皆さんも「貸し手側」になったつもりで見て下さい。1.借入時年齢原則、住宅ローンは完済時の年齢が80歳と決められている銀行が殆どです。よって借入をする際に年齢を記入しますが、最長35年で組んだ場合、完済の年齢が見えてきます。35歳の方であれば70歳に完済、40歳の方であれば75歳といった具合になります。昨今定年退職の年齢が引き上げられる様になってきていますが、一般的に65歳以降も支払いは可能かを判断する為でもあり、住宅ローンはなるべく若い年齢で組む事の方が有利と言えそうです。2.健康状態筆者が勤務していた時代に「貸付規定」と呼ばれる、融資に際してのルールブックのようなものがありました。その中に「入院中の方には貸出禁止」と記載があったのを記憶しています。理由はお察しの通りですが、健康でなければ仕事ができない=返済できないという懸念が出てくる訳です。入院中などは論外でした。また、銀行で住宅ローンを借りる際に「団体信用生命保険(通称:団信)」という保険に入らなければ、お金を借りる事が出来ないのです(住宅支援機構で借入の場合は任意加入となります)。この保険は、ローン契約者が返済中に万が一亡くなった場合などに、残りの残債を保険で一括清算するもので、借り手側からすると、住宅ローンを遺族が払わなくて良いというメリットと、貸し手側は融資金額の回収が確実に出来るというメリットが発生します。但し「保険」という文字が付いていますので、加入に際して健康状態が良くなければ「保険」に加入できません。健康でなければ、融資も難しいですし、保険にも加入できない。こんな所まで銀行は見る訳です。3.担保評価これは、今回購入予定の物件や土地の事を調べます。融資する際、建物や土地に「抵当権」という権利を設定します。ここで簡単に「抵当権」について解説しておきますね。抵当権とは、お金を借りた人が返さない等、返済が滞ってしまった場合に「抵当権」の付いてある物件を競売にかけて売却し残債を回収する権利の事何とも物々しい権利ですが、これも融資実行の際には必須となります。建物と土地に対して付けるのが一般的です。しかしながら、最近では担保評価自体あまり重要視されない傾向にもあります。なぜなら、建物自体は購入直後から担保価値が下がるからです。自動車でもそうですが、一旦新車で手に入れても、すぐに売却するとなると価値が下がっていますよね。これと同じ理屈です。つまり、残債が満額回収できるとは考えにくいと考える訳です。とは言え設定は必須となります。銀行はあらゆる貸し倒れリスクを軽減しなければなりません。重要視されないのであれば見る必要あるのか?という解釈もできますが、決して見ていない訳ではありませんし、担保評価に代わり重要に見る項目が次の勤務先です。4.勤務先(就業形態・役職含む)これは、借りる方がどの会社に勤務しているのか?を調査します。サラリーマンなのか?自営業なのか?会社経営者なのか?です。サラリーマンですと、会社名を聞けば誰もが知っている会社かもしれませんし、中小、零細企業かもしれません。ここで重要なのは、就業形態です。就業形態とは主に「正社員・嘱託・契約社員・派遣社員・パート・アルバイト」を指します。筆者が勤務していた時代は「正社員」のみが対象となっていました。今でも同じく「正社員」が住宅ローンでは必須の様です。理由は書類上、安定した雇用である事の判別を付ける為です。(もちろん転職等考えられますが、そこまでは審査範囲ではありません)嘱託、契約社員や派遣社員、パート、アルバイトは審査する上で非常に厳しいと言わざるを得ません。見るべきポイントは返済能力です。たとえ大手の勤務先でも契約社員や派遣社員であればいつまで在職できるのか?と思われ35年に渡って雇用されるかどうかシビアに見られます。貸し手側に立つと回収の判断が一つのポイントと言えそうです。また、役職とありますが、係長や課長、部長といった形で年収や今後の勤務において長くいるのかどうか?という判断にヒアリングしてもいました。後述する年収にも直結する部分でもあります。ここで、先程「担保評価」で触れた関連性ですが、審査は担保評価と人物評価共に行われます。担保評価は先程記載した通りです。人物評価とは勤務先の知名度や役職における地位等を考慮し返済出来るかどうかを重要視する傾向が高くなっているという事です。担保価値は年々下がる事もあり、先々返済が難しくなった際の回収リスクを考えると、人物評価に重きを置く傾向であるという事を覚えておいていただければと思います。貸し手側の考えでは担保も人物もどちらも回収を考えると重要で、序列を敢えて付けるなら、人物⇒担保という順番です。5.年収年収は絶対に見られます。年収に対しどれ位まで融資可能なのかを判断しますが、一般的に年収の8倍までは融資可能と判断する銀行は多い様です。また年収に対する住宅ローンの返済割合(これを返済負担率と言います)も合せて見られます。貸し手側にもある一定のルールがあり、年収に応じて返済負担率が決まっておりその範囲内でしか融資はできません。参考までに住宅支援機構と民間の銀行の返済負担率を表にまとめてみました。表の見方ですが、例えば銀行で借りる場合、年収600万円以上だったら、600万円×40%=240万円以下が1年間に返済可能であるとみなされます。240万円を12ヶ月で割ると1ヶ月20万円のローン負担は問題ないと判断されます。年収で判断される事は致し方ありませんが、最近ではご夫婦での合算年収で審査してもらったり、夫婦それぞれが借主になる事もあります。ご希望の融資額を得る為に貸し手側からのアドバイスもありますので、前もって聞いてみるのも良いでしょう。ここで1点注意頂きたいのは、筆者が金融機関に勤務していた頃は、あくまで希望融資額の貸出が出来るかどうかに尽きました。つまり、貸した金額が返ってくる可能性だけを見て審査に出す訳です。ところが、その他支払い関連等はあまり見られなかった事を思い出します。何かと言うと、お子様の学費や生涯通じて大きなお買いもの(例えば自動車等)の事は見ていませんでした。住宅ローンの返済だけでなく、学費や自動車購入など、トータルの支払いを考えて物件価格の設定はしておいた方が得策だと思います。住宅ローン通った!これで家を購入できる!と思っていても、学費の捻出が厳しい等の状況に陥らない様にする為にも、事前に支出の想定をライフプランで算出してみて下さい。6.勤続年数勤続年数は転職を繰り返していたり、短かったりすると審査に通りにくくなります。銀行側としては、「長続きしない」などの憶測で見てしまい、結果返済が滞る可能性に繋がります。少なくとも勤続年数は2年以上が望ましいと言えます。また必要書類に健康保険証の提出がありますが、これは勤務先や入社年月日を確認できる書類でもあります。記入するだけの書類に勤務年数を偽って書いても、裏付け書類で確認が入りますので、気を付けておきましょう。7.連帯保証最後の項目ですが、これは「保証人」の意味ではなく、「保証会社」から保証を受けれられるかどうかの事です。審査がほぼ問題無く通るケースで、最終的に保証会社の審査もある訳です。これは返済が滞ったら、代わりに保証会社が返済を立て替えてくれる、有難いものです。それに伴い保証料を支払わなければなりません。但し、立て替えてくれるから助かった!ラッキー!では済まないんです。なぜか?あくまでも、支払いの肩代わりを行っただけで、返済が免除になる訳ではありません。結果銀行から、保証会社へ債権者が代わり、保証会社から返済の督促等がやってきます。いずれにせよしっかりと返済は行わなければならないという事ですね。まとめ今回、筆者の経験を基に貸し手側の理屈、理論で審査項目を細かに説明してきました。大きなお金を貸すという事は、それだけ審査も厳しくなります。しかし絶対に通らない訳ではありません。購入をお考えの方は前もってチェックされるポイントがクリアできるか、確認してみましょう。
2018年12月13日来年から大手保険会社がそろって自動車保険の「家族割引」を廃止。「本人限定割引」が導入される。そんな来年からの自動車保険の割引制度について、経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれた――。来年から、多くの自動車保険の割引制度が変わります。大きな変更は、東京海上日動、三井住友海上、損保ジャパン日本興亜、あいおいニッセイ同和損保の大手4社がそろって、「家族割引」を廃止することです。家族割引とは、運転者を夫婦とその子どもなどに限定するもので、これまでは保険料が1%引きされていました。その代わりに、多くの保険会社が「本人限定割引」を導入します。運転者を、契約時に届け出た「記名被保険者」1人だけに限定するもので、三井住友海上は8%引き、損保ジャパン日本興亜は7%引きで来年から新設されます。また、あいおいニッセイ同和損保は’04年からすでに導入済みで、来年は8%引きになります。さらに、夫婦で運転する人には、「本人・配偶者割引」があります。大手4社は来年、割引率を7%から6%に引き下げますが、本人限定に次いで高い割引率です。地方では、車は1人に1台という家庭も多いでしょう。運転者を本人限定にすると、保険料が節約できます。自動車保険は1年更新がほとんどですから、来年以降の更新時か新規加入時から、新しい保険内容や割引制度が適用されます。現在、家族限定割引を受けている方への更新案内には、「運転者の限定なし」として保険料の見積もりが出ていると思います。そのままにせず、運転者の範囲を見直しましょう。たとえば、Aさん(53歳)は、同居する23歳の子どもが運転するため、来年からは運転者を限定せず、年齢区分も21歳以上を選ぶつもりでした。この場合の保険料は、年間で8万2,370円です(損保ジャパン日本興亜、トヨタヴィッツ、対人対物無制限、人身傷害5,000万円、ゴールド免許、車両保険なし)。ところが、子どもが転勤になり独立。自動車保険はほかの補償などを一切変えず、運転者を本人限定にし、年齢区分を35歳以上に変えただけで、保険料は年5万3,590円。約3万円も安くなりました。なかには、たまに乗る子どものために、家族限定を選んでいた方もいるかもしれません。そういう方は、本人限定か、本人・配偶者限定に変えて、子どもが運転するときは「1日保険」を利用するとよいでしょう。1日保険はスマホからも簡単に加入できて、保険料はそのつど、500円程度です。また、車を借りる人が、自分の車を持っていて自動車保険に加入している場合、「他車運転特約」を付けていると、借りた車で事故を起こしても自分の自動車保険が補償してくれます。補償の条件など詳しくは保険会社にお問い合わせください。以前は、どの保険会社でも補償内容や保険料が横並びで、ほとんど変わりませんでした。ですが最近は、インターネットで申し込む通販型自動車保険も増えて、保険料や割引制度もさまざまです。次の更新の際は、早めに各社で見積もりを取って、保険会社を変えることも含めて検討してみてはいかがでしょうか。
2018年12月07日家を購入する、もしくは建てる場合はほとんどの方が住宅ローンを利用されるのではないでしょうか。金利が低い今、ローンを利用するのは当たり前になってきています。ただ、全員が全員、住宅ローンをスムーズに借りられるのかといえば、それはNOです。実は住宅ローンの審査に引っかかってしまう人は意外に多いのです。借りられるだけの年収は十分にあるし、普通に働いているのに、なぜ?と思う方も多いのではないでしょうか。そのことを事前に知らず、そしてそれがローンの審査に引っかかるものだと思っていないため、ハウスメーカーや不動産会社の営業マンに伝えない方がたくさんいます。それ故に、ローンの審査に引っかかってしまい、家づくりの計画が狂ってしまうことも多いのです。今回はそうならないためにも、「ローンを借りる前に確認しておきたいこと」を3つご紹介します。1.「車のローン」を抱えていませんか?まず、車のローンを抱えている方が審査に引っかかるケースが多くあります。pixelcat / PIXTA(ピクスタ)最初に車のローンを抱えている方のケースをご紹介します。世帯年収が700万円であれば5,000万円くらいのローンは組めそうだと思い、それに合わせた家探しをするとします。ただ、車のローンを抱えていると本来借りられる金額よりも下がってしまうため、その金額に合わせて再度計画をしなければいけません。もとくん / PIXTA(ピクスタ)なかには「車のローンを上乗せしてしまう」なんてことも聞きますが、基本的にそれはできませんし、してはいけませんので注意してください。もしすでに車のローンがあるという方は、現金で支払ってしまうか、親に一時的に借りるのもありでしょう。まだ購入前でしたら、現金で購入するか、家を建ててから借りるようにしましょう。2. クレジットカードやキャッシングに注意住宅ローンを借りる際に、クレジットカードやキャッシングの利用歴も見られます。あんみつ姫 / PIXTA(ピクスタ)滞納していたり、借りすぎてしまっている履歴が残っていると、その人自身の信用度が落ちてしまい借りられなくなるケースもあります。また、過去に家族に内緒でキャッシングしてしまい、いざローン審査に入ったときに発覚するケースがよくあります。Naoaki / PIXTA(ピクスタ)それがきっかけで夫婦で揉めてしまう、なんてこともあります。せっかくの楽しい家づくりなのに、お金のことで険悪なムードになりたくありませんよね。それに、クレジットカードなどが原因で借りられなかったり、希望額よりも減額されてしまうことなんてことは避けたいところです。カードの使い方には注意しておきましょう。3.「糖尿病」で団体信用生命保険に入れないことも糖尿病だと、その症状によっては、団体信用生命保険(以下「団信」)の審査に落ちてしまう場合があります。Naoaki / PIXTA(ピクスタ)民間の住宅ローンだと、団体信用生命保険に加入できなければ、ローンを借りられない銀行が多いです。なのでその場合は団体信用生命保険に加入しなくても借りられるところを探すことになります。団体信用生命保険の審査の際には、しっかり告知しましょう。■ まとめNaoaki / PIXTA(ピクスタ)住宅ローンを借りるには、その人の「信用度」が大切です。今までクレジットカードを何度も滞納してしまっていたり、高額なキャッシングしていた方などは、こうした大事な時に借りられなくなってしまうので、気を付けておくべきです。また車のローンなども、「つい欲しくて買ってしまった」ということもありますが、将来的に住宅購入を検討されているのならば、計画的にお買い物をするようにしましょう。この機会に、ご自身は大丈夫か確認してみてはいかがでしょうか?
2018年12月06日これまで、住宅ローンに関する「金利」や「返済プラン」等を数回に渡ってご紹介してまいりました。今回からは実際に借りる段階のお話に触れていきます。タイトルにもあるように、何を審査されるのか?気になりますよね。これから借りようかな?と計画されている方は是非ご覧ください。住宅ローン審査とは?住宅ローンを借りる際、いきなり「貸して下さい!」「はい!分かりました!」という訳にはいきません。なぜなら「高額」であるから他なりません。また個人間でのやり取りでもありませんので、少し時間がかかる訳です。時間がかかる訳は「この方に貸して返済してくれるかな?」という点において細かくチェックします。これが「審査」なんですね。では住宅ローン審査に追ってみます。本審査の前に事前審査まず最初に「事前審査」というものがあります。住宅ローンを借りる場合はこの「事前審査」に臨まなければなりません。何を調べるのかと言いますと、「年収から判断し、物件購入できるのか?」「融資した金額に対して返済余力は十分あるのか?」「融資実行しても問題ないのか?」等調べていきます。何だか尋問みたいですが、当然銀行も大きな金額を融資するので、「貸したお金が返ってこない!」なんてリスクを負うわけにはいかないのです。この段階で、申込した方の返済能力や信用力、借入に対する返済プラン等が確認される事になります。必要な書類って何?事前審査に必要な書類をまとめてみました。こちらになります。源泉徴収票(1年~2年分)※サラリーマンの場合確定申告書(3期分)※自営業者の場合決算書(3期分)※会社経営者の場合本人確認書類(免許証等)健康保険証物件に関する書類他ローン明細等(他に借入がある場合)大体こんな感じですが、就業形態によって提出書類も異なります。ここからは就業形態別に触れていきます。サラリーマンの場合サラリーマンの方であれば源泉徴収票が必要になります。この書類には年収が記載されていますので、口頭での申告でなく裏付けが取れますよね。銀行によっては2年分提出を求める所もあるようです。2年分請求されても大丈夫にしておくために、しっかり保管しておきましょう。自営業者の場合次に自営業を営んでいらっしゃったり、歩合給や保険外交員報酬での就業形態の方は確定申告書が必要になります。しかも3年分必要になります。理由は、サラリーマンと違って、毎月、毎年の売り上げが異なるケースが多いからです。返済が出来るかどうかを判断する為には少なくとも3年分は必須の様です。ここで、筆者の所にご相談に来られた実際のケースをご紹介します。自営業者の気を付けておきたいポイント相談者(以下Aさん)は確定申告するに当たって経費をどれだけ申告して、納税を安くするのか?等、先々を考えずに申告していました。(それが決して悪いという事ではありません)ところが、最近になってお子様が大きくなってきた事、個室が欲しい等の環境が変化した為、家を購入しようとなった訳です。そこで、物件を見ていざ銀行に!確定申告書の3年分提出を求められました。ここで、事前審査に通らなかったんですね。理由は、先程も書きましたが、経費をかなり申告していた為、所得を著しく低くし過ぎていたからなんです。家を買う事が分かっていれば・・・3年前からきちんと考えて申告したのに・・・・。残念ではありますが、家を買うのはもう少し先延ばしになりました。実はこの様なケースは実は少なくありません。確定申告は、自分で出来るので、意外とざっくりやってしまう方も少なくないんです。(過去筆者も自分でやっていた事はありました)しかし、ざっくりすぎて審査に影響が・・・とまで考えないですよね。住宅購入においては、これまで何度も言いましたが、「ライフプラン」を立てて、お子様の成長や、将来の計画や予測を立てて考えた方がいいと思います。会社経営者の場合次に決算書3期分ですが、会社経営者の方に求められます。上記と同じ内容ではありますが、会社経営の売り上げや役員報酬などを見て判断されます。やはり自営業や、会社経営となると、シビアに見られます。これは貸し手側からすると、回収できるかどうかを判断する材料になりますので従わざるを得ませんね。その他書類は共通他の書類は共通です。本人確認書類や健康保険証等は必須となりますので、しっかり提出できるようにしておきましょう。また引っ越しなどで、免許証の裏書(住所書き換え)等もやっていなければ突っ込まれますので、審査前にはしっかり済ませておきましょう。筆者の経験上のお話をさせて頂きます今回は「審査」をテーマに話を進めていますが、私自身、過去に金融機関に勤務しておりまして、主に融資業務を担当していました。その時の経験や、貸し手側の考え等をお話させて頂きたいと思います。雑な書類や性格は審査に響く!?私が勤務していた時代も同じくローン申し込みはありました。しかし、今ほどネットが普及していませんでしたので、店頭に来て、申込書等を記入して頂く必要があった訳です。そこで、見ていたポイントですが、書類の数字だけでなく、人物評価も行っていました。例えば、横柄な態度だったりすると、もし貸した後に返済に関してトラブルがあったとしたら、スムーズに回収できるだろうか?といった懸念に代わる訳です。また、申込書の字が乱雑な場合等も(ここでは走り書きをイメージして下さい)若干マイナスポイントではありましたね。金融機関はクリーンで健全なイメージですので、ちょっとした書類の不備や、フリガナ漏れ等、何度も取り直しを行った記憶もあります。この繰り返しによって、審査が完全にダメだといった事はありませんでしたが、審査部に出す仲介役でもあるので、「このお客さんは大丈夫なの?」と何度か言われた事もありました。また、先程も書きましたが、免許証の裏書。これも行っていなければ、印象は悪くなります。裏書自体必須ではないのかもしれませんが、無いというだけで、「詐欺」というとんでもなく飛躍した考え方に行き着いてしまうんです。もちろん、ちゃんと現住所と一致さえしていれば何の問題もありませんので、引っ越し等した際には、きちんと裏書を行っておいて損は無いかと思います。他ローンの申告は嘘をつかない事!先程、必要な書類に他ローン明細等と書きました。これは他にローンがあるのか、無いのかを判断する為ですが、自動車ローンや教育ローン、またはカードローン等も審査対象に含まれます。これも経験談ですが、自動車ローンや教育ローンの申告は正しいのですが、カードローン(キャッシング)等の申告は結構アバウトだったりもするお客様は多かったです。借入を人に知られたくないからなのかもしれませんが、実は、申告した数字と他社借入を調べた結果が一致しなければ、ほぼアウトだと考えても良いと思います。借入の件数や残高等、たとえ1件でも違っていれば厳しいです。事前審査でローン明細を求める事はほぼ少なかったですが、今どれくらいの残高があって、いくら毎月返済して、何年残っているという事も織り込んで住宅ローンと合わせて審査します。いくら口頭で言ったとしても、調べた結果と一致しなければ、金融機関を欺く行為と見なされてしましますので、一気に心証は悪くなります。ローン審査に臨む場合は、決して嘘偽りない様にしておかなければ、審査を通る事は難しいとお考え下さい。まとめ今回は審査に関してお話をさせて頂きました。今回のお話はほんの一部に過ぎません。大事なことは、高額なお金を借りるのだから、きちんと正確にお話お伝えする事が最も大事だという事です。次回も審査に纏わるお話をさせて頂きたいと思います。今回はここまでといたします。
2018年12月06日住まいを購入する際には、住宅ローンを組む人が大半です。そして、住宅ローンには控除があります。住宅ローン控除とは、年末の住宅ローン残高または住宅の取得対価のうちの少ない方の金額の1%が10年間に渡り所得税の額から控除されるというものです。控除は入居した年分の所得税から適用されます。申請には要件がありますので、すべての条件を満たしていないと控除が受けられません。売買契約が終わってから、要件から外れている物件だと分かり、慌てる人もいます。どんな場合だと控除が受けられないのか、チェックポイント3つをご紹介いたします。■ 1. 床面積は何平米か?住宅ローンは控除が適用されるのは、延床面積、または専有面積が50平米以上、240平米以下までです。IYO / PIXTA(ピクスタ)少しでもここから外れてしまうと控除は受けられません。物件を購入するときは、あらかじめ何平米あるのかをチェックしましょう。面積は登記事項証明書に記載されている広さで判断します。吉野秀宏 / PIXTA(ピクスタ)店舗や事務所と併用の住居の場合は、床面積の1/2以上は居住用であることも要件に加わってきますので、図面等で確認をしましょう。マンションの場合は、要注意です。購入するときにもらう、物件資料に記載されている面積と、登記事項証明書に記載されている面積が異なるケースが多いからです。面積の違いは、面積の測り方の違いにより起こります。freeangle / PIXTA(ピクスタ)床面積の表示方法は「内のり面積」と「壁芯面積」によるものがあります。「内のり面積は」は、壁の内側から水平方向の壁の内側までを測り、「壁芯面積」は、壁の中心から水平方向の壁の中心までを測ります。登記事項証明書に記載されている面積は、内のり面積です。■ 2. 築何年の物件か?耐用年数を超えている物件は、住宅ローン控除にならないので気を付けましょう。木造は20年、それ以外の鉄筋コンクリートは25年となっています。ABC / PIXTA(ピクスタ)自分が購入しようとする物件がどちらに当てはまるかわからない人は、建物の登記事項証明書の「構造」欄に記載されていますので確認を。中古マンションを購入して、リノベーションを考えている人は要注意です。ABC / PIXTA(ピクスタ)安いからといって、あまりに古い物件を購入すると住宅ローンが使えないばかりか、固定資産税評価額が下がるため、あまり融資してもらえなくなります。■ 3. 「居住開始期間」と「税制優遇措置」を確認!居住開始時期と居住期間も控除を受けるための要件になっています。住宅取得の日から6か月以内に居住し、適用を受ける各年の12月31日まで居住し続けていることが必要となります。xiangtao / PIXTA(ピクスタ)また、ほかの税制優遇措置を受けていると控除が受けられない場合があります。この特別控除を受ける年分の合計所得金額が3,000万円(給与収入で3,230万円)を超える、買い換えの人は、居住年の前後2年間の計5年、以前住んでいた自宅の売却について「3,000万円特別控除」や「居住用財産の買換え特例」の適用を受けていると控除が受けられません。■ まとめこの他にも、「取得する不動産は自己の居住用である」「ローン返済方法は10年以上である」「連帯保証人は住宅ローンを受けられない」「親族から個人的な借入れをしてない」など、基本的な条件も確認しましょう。Naoaki / PIXTA(ピクスタ)中古住宅の場合は、親族などから購入したり、贈与で取得したりすると要件から外れます。チェックポイントが多すぎて分からない人は、銀行や不動産会社だけでなく、ファイナンシャルプランナー、税理士などの専門家に相談してみるものよいでしょう。多面的に住宅購入を検討することをオススメします。【参考】※国税庁マイホームの取得や増改築などしたとき
2018年10月28日住宅ローン控除の歴史は、1972年に導入された住宅取得控除までさかのぼります。一方の住まい給付金は、平成26年から始まった新しい制度です。どちらも住宅購入者には嬉しい制度です。これらの制度を最大限に活用するために、制度の内容をおさらいしましょう。■ 住まい給付金と住宅ローン控除の違いGraphs / PIXTA(ピクスタ)住宅ローン減税は、控除金額を所得税から差し引く制度です。控除金額は、ローン残高をもとに計算するため、融資金額が少ない収入が低い人は、収入が多い人に対し、節税効果が少なくなります。2019年に消費税率の引き上げが予定されています。それにより、同じ住宅なのに、購入金額は消費税率上昇分だけ高くなり、低収入の人にとっては、金銭的負担が増えます。負担軽減させるためにできたのが、住まい給付金です。目的が違う2つの税制優遇制度は、条件さえ満たせば、同時に受けることができるのです。■ 住宅ローン控除とは?ABC / PIXTA(ピクスタ)住宅ローン控除は、年末のローン残高の1%を所得税から控除する制度です。10年間継続して控除を受けることができるため、節税効果も大きくなります。所得税から控除しきれない場合は、翌年の住民税から一部控除することも可能です。控除を受けるには…取得する不動産は自己の居住用であるローン返済方法は10年以上である連帯保証人はなくローンを借り入れた本人であること住宅取得の日から6か月以内に居住し、適用を受ける各年の12月31日まで居住し続けていること親族から個人的な借入れをしてない床面積の合計は50平米以上240平米以下である床面積の1/2以上は居住用であるその年の所得金額が3,000万円以下居住した年の前後にほかの税金の優遇措置を受けていない耐用年数を超えていない。または超えた場合耐震基準を満たす親族などから購入していない贈与で取得していないというすべての要件を満たす必要があります。■ 住まい給付金とは?住まい給付金とは、消費税率引上げによる金銭的負担を緩和するために創設された制度です。給付額は、収入額によって異なります。給付金額は「給付基礎額×登記上の持分割合」により算出します。給付基礎額は、市区町村発行の個人住民税の課税証明書により決定します。すまい給付金を受け取るためには、給付申請書を作成し、確認書類を添付して申請することが必要です。新築住宅の場合ABC / PIXTA(ピクスタ)床面積が50平米以上(床面積は登記事項証明書に記載してある平米数)住宅ローンを利用している場合は、新築なら、検査を受けている住宅(住宅瑕疵担保責任保険へ加入した住宅または住宅性能表示制度を利用した住宅など)住宅ローンの利用がない場合は、新築なら、施工中に検査を受けていることに加え、フラット35Sと同等の基準を満たす住宅中古住宅の場合TATSU / PIXTA(ピクスタ)床面積が50平米以上(床面積は登記事項証明書に記載してある平米数)売主が宅地建物取引業者である中古住宅。売り主が個人の場合は、消費税が課税されないので除外既存住宅売買瑕疵保険への加入など、売買時に検査を受けている住宅ローンの利用がない場合、年齢が50才以上の者が取得する住宅が対象。年齢は、引き渡しになった年の12月31日時点の年齢で判別する消費税が10%になったときは、収入額の目安が650万円以下(都道府県民税の所得割額が13.30万円以下)の要件が追加される予定■ 制度を受けるときの注意点は?ふじよ / PIXTA(ピクスタ)住宅ローン控除も住まい給付金も、受けるための要件が細かく規定されているので、契約前に購入しようとする物件が適用になるかをチェックすることが大切です。また現在のところ、平成26年4月1日以降、平成31年6月までに入居完了した住宅が対象となっています。住まい給付金は収入が一定以下であることが要件となります。消費税が8%のとき収入額の目安は510万円以上、10%のときは775万円以上の人は、住まい給付金の給付対象外となるので自分の課税所得を確認しておきましょう。これらのことに注意して、上手に物件選びを行い、両方の制度を利用しましょう。【参考】※住まい給付金国土交通省
2018年10月13日住まいを購入する際、多くの方が「住宅ローン」を利用することになります。住宅ローンについては様々な分類ができますが、ここでは「提携ローン」(以下「提携」)と「非提携ローン」(以下「非提携」)の2つに分けます。今回はその違いを改めてご説明しようと思います。■ 「提携」と「非提携」とは?saki / PIXTA(ピクスタ)「提携」とは、住まいを供給する不動産会社と各金融機関が「提携」している、ということです。この提携によって、各金融機関から金利優遇などを受けることができます。その提携を利用し、不動産会社を通じて金融機関から融資を受けるのが「提携」です。一方の「非提携」とは、直接金融機関に申し込みをするなど、不動産会社を通さずに融資を受けるものです。この2つには細かい点で様々な違いがありますが、ここでは重要なポイントを3つ挙げたいと思います。■ 違いその1.「ローン特約」の有無khukri / PIXTA(ピクスタ)「ローン特約」とは、買主の責によらずに住宅ローンの借入ができなかった際に、売買契約を白紙解約できる契約条項です。白紙解約ですので、それまでに支払った手付金や中間金は返還されます。一般的に「提携」を利用すればこの「ローン特約」を利用することができます。しかし、「非提携」の場合は利用できないことが多いです。なぜなら「非提携」は不動産会社を通さないため、不動産会社が内容を把握できないことがあるためです。内容が把握できないのに、「ローンの審査が通らなかった」という理由で解約になることを避けたいのです。特にローンの審査に不安があるという方は気を付けましょう。■ 違いその2. ローン手続きの主体と「手数料」KazuA / PIXTA(ピクスタ)どちらも最終的には「買主」と「金融機関」がローン契約を結ぶのですが、その手続きの進め方に違いがあります。「提携」の場合、基本的には不動産会社が両者の間に立って手続きを進めます。一方「非提携」は原則、買主自身で銀行とやりとりをする必要があります。つまり、「提携」であれば手続きにかかる手間を省くことができ、「非提携」であれば自分で自由に商品を検討することができるわけです。また、「提携」の場合は、不動産会社が間に立つことで、「事務手数料」などの名目で費用が発生することが多いです。金額は3万円だったり、10万円だったりと業者によって差がありますので注意が必要です。■ 違いその3. 最終決済の方法コーチャン / PIXTA(ピクスタ)「非提携」の場合、物件の引き渡しと同時にローンが実行され、買主の口座に振り込まれます。それを買主は、改めて売主の口座に振り込む必要があります。しかし「提携」の場合は物件の引渡し前に、金融機関から融資金を直接売主(提携先)に振り込むことができます。金融機関からすれば、「提携」ではまだ引渡しが行われていないのに融資金を振り込むというリスクを負います。これも「提携」による不動産会社との契約による保証があるためです。したがって「提携」の方が手続きを簡略化できます。「提携」だと、金曜日にローン実行し、土曜日に物件の引渡しを受けることも可能です。しかし「非提携」の場合はローンの実行と物件引渡しは同時に行います。なので、銀行の平日の営業時間内で決済を行う必要があります。■ それぞれの違いを理解して、ベストな選択を!makaron* / PIXTA(ピクスタ)そのほかにも細かな違いがたくさんある「提携」と「非提携」ですが、ここでは特に大切な点を3つ挙げました。不動産会社は手続きを自分たちで進めたいので「提携」を勧めてくることが多いです。しかし、それぞれにメリット・デメリットがあります。担当営業や金融機関にも積極的に質問し、吟味することをオススメします。
2018年09月05日一生で一番大きな買い物となる住宅ローン。知識があるのとないのとでは、将来の返済額に大きな差が出る可能性があります。上手に住宅ローンを組むには、どんな点に注意を払えばよいのでしょうか。「これだけは知っておきたい!」住宅ローンに関する基礎知識をまとめて紹介します。住宅コンサルタント兼住宅セカンドオピニオンである寺岡孝さん著、『学校では教えてくれない!一生役立つ「お金と住まい」の話』から、そのポイントを解説していきます。あわせて、人には聞けない”ローンが通らない人に共通している3つの項目”もチェックしてみてくださいね。■ 借り入れ額、頭金の目安は?知っておくと心強い裏技も!MaCC / PIXTA(ピクスタ)住宅をキャッシュで購入できる人はほんのわずか。ほとんどの人が利用するのが、住宅ローンです。しかし、一口に住宅ローンといっても、種類や金利、借入期間などによって、月々の返済額や総返済額などが大きく変わってきます。人生設計や生活スタイルに合わせて最適な返済プランが選べるように、事前に基礎知識を頭に入れておきましょう。こちらの記事では、住宅コンサルタント兼住宅セカンドオピニオンである、寺岡孝さん著の最新刊『学校では教えてくれない!一生役立つ「お金と住まい」の話』を参考に、住宅ローンの基礎知識を紹介しています。ローンの借り入れを行うとき、まず最初に考えるのは予算決めですが、「いくら借りられるか」で決めてしまうと、後々の返済で困る可能性が高くなります。「いくらなら払えるか」という視点で計画的にローンを組むと安心ですよ。このほか、「頭金の目安は住宅購入額の○%以上」や「40代、50代でローンを組む裏技」、「お得な借り換えのテクニック」など、気になる情報が満載です!「「住宅ローン」の選択や知っておきたい仕組みのポイント」はこちら■ 営業マンのトークに要注意!賢い消費者になるために必要なことsasaki106 / PIXTA(ピクスタ)住宅ローンを検討するとき、営業マンに翻弄され、冷静な判断ができなくなるケースがあります。このとき営業マンが使うのが「ポジショントーク」です。これは「自分の立場で自分に有利(有益)になる発言」のこと。営業マンが商品を売りたいために公平性を欠いた論理を展開し、商品の良さを引き立たせるトークテクニックで、その話に素直に耳を傾けると、あたかも自分にとって必要な商品のように思えてしまいます。ポジショントークに乗せられないためには、やはり知識をしっかり持つことが大切です。知識の数が多いほど判断材料が増え、客観的に物事を見つめることができるはずです。契約したあとで「あれはポジショントークだった」と気づくとショックですが、その場合もご安心を。こちらの記事では、一度契約してしまった住宅ローンの軌道修正の方法もご紹介しています。大きな契約となる住宅ローンでは不安を感じることも多いですが、自信を持って進めていくためにも、ローンや業界の仕組みを積極的に学んでいきましょう!「仕組みを知ることで、ポジショントークに促されないポイント」はこちら■ 携帯料金の支払いが住宅ローン審査に響くってホント!?money/pixabay住宅ローンには審査があり、それに通らないと家を購入するための資金を得ることができません。では、その審査の内容とは一体どんなものなのでしょうか?実は、住宅ローンの審査は、普段の生活の中身に大きく左右されます。そのひとつが「携帯電話の分割支払い」です。携帯電話の分割支払いは一般的に行われていることで、多くの人が該当すると思います。しかし、あまり知られていないことですが、「銀行口座の残高が少なくなっていて、携帯電話料金の引き落としができなかった」なんてうっかりミスが「支払いの延滞」として履歴に残ってしまい、住宅ローンの審査に影響を与えてしまうことがあるのです。気になる、ローンが通らない人に共通している3つの項目とは?ぜひチェックしてみてくださいね!「「住宅ローン」が通らない人に共通していることって?」はこちら
2018年07月28日たくさんの物件を見学して、オンリーワンの住まいが見つかったら、次は「住宅ローン」の申し込みです。住宅ローンにはいくつかの種類がありますが、どれを選ぶのが一番「お得」なんでしょうか?■ 金利の種類を知ろう!MaCC / PIXTA(ピクスタ)住宅ローンの金利には、変動金利と固定金利の2種類があり、さらに固定金利には、一定期間の金利を固定する「固定金利特約型」と、完済まで固定の「全期間固定金利型」の2種類があります。ここでは全期間固定金利型についてご紹介します。まずはそれぞれの特徴やメリット・デメリットをみていきましょう。■ 「変動金利」ってどんなもの?変動金利のメリット変動金利の大きな魅力は、固定金利より低い金利設定です。「変動」と聞くといつも金利が変わって返済額が安定しないイメージがありますが、変動金利の仕組みを知ると、実はそうではないことが分かります。saki / PIXTA(ピクスタ)変動金利の場合、その利率は年2回(4月1日、10月1日)見直されますが、しかし、その都度毎月の返済額が変わるわけではなく、返済額は5年間一定となります。5年後、年2回ずつ見直された金利がトータルで上昇または下降していれば、それが返済額に反映されます。そこで大幅に返済額が増えてしまうとその支払いが困難になる場合もありますので、金融機関はどんなに金利が急上昇しても5年後の返済額は、「現在の返済額×125%」を上限にするというルールを設けているのです。変動金利のデメリットKY / PIXTA(ピクスタ)固定型より安い金利、返済額が5年間一定、125%ルールなど、メリットの多い変動金利ですが、デメリットもあります。さまざまなルールを設けていても、金利の上昇はやはりリスクです。たとえば金利の急上昇が続き、5年後の返済額を125%まで上げても、払いきれない利息が発生した場合、それは「未払い利息」となり、元金の残高が減らない・通常の返済が終了しても未払いの利息ローンが続く・ローン期間終了後に未払い分を一括返済しなければならない、などの可能性もあるのです。■ 全期間固定金利型の代表「フラット35」TOSHI / PIXTA(ピクスタ)全期間固定金利型住宅ローンの代表といえば、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供している「フラット35」ですが、このローンにもメリット・デメリットがあります。フラット35のメリットフラット35の最大のメリットは全期間固定金利で返済プランが安定することに加え、融資利率が「低利」であることです。また、保証人が不要で保証料や繰り上げ返済手数料が無料なのも大きな魅力です。フラット35のデメリットさわだゆたか / PIXTA(ピクスタ)変動金利の基準金利は現在2.475%ですが、多くの金融機関では基準金利から-1.7%や-1.85%の金利を優遇し、実際の貸し出し金利は0.7%前後で推移しているのが現状です。フラット35の金利は2018年7月現在、返済期間15年~20年が1.290%、返済期間21年~35年が1.340%(融資割合90%以下、いずれも最頻金利)と、変動金利の倍近くで推移していて、この傾向が続くようなら最終支払総額は変動金利の方がかなり少なくなる可能性があります。makaron* / PIXTA(ピクスタ)また、多くの金融機関ではフラット35の融資にあたり融資手数料を徴収しており、それを融資金額の2%前後に設定している金融機関もあったりします。保証料無料のメリットをうたっているフラット35ですが、融資手数料がかかることでその分が相殺されてしまっているのです。■ 結局、お得な住宅ローンはどれ?日本銀行の公表データによると、変動金利の基準となる短期プライムレート(企業向け最優遇貸出金利)は1.475で、2009年1月から変わっていません。さらにさかのぼって1995年までの短期プライムレートを見ても最高で1.875(2007年3月~2008年11月)となっていますのでその変動幅は大きくありません。変動金利型住宅ローンの基準金利は短期プライムレートに連動しており、その短期プライムレートが約22年という長い期間あまり変動していないことを考えれば、融資実行金利が0.7%前後という超低水準で推移している変動金利型住宅ローンが「今なら」お得といえるかもしれません。しかし、この短期プライムレート、1990年にはなんと「8.25」まで上昇したこともありますので、変動金利を選ぶリスクがゼロではないことも覚えておきましょう。Naoaki / PIXTA(ピクスタ)金利上昇のリスクを「最重要視」するなら全期間固定金利型住宅ローン以外に選択肢はありません。「どっちがお得か」だけではなく「自分に向いているのはどちらか」を考えて住宅ローンを選びましょう!
2018年07月24日気に入った物件が見つかり、いざ「契約に進もう」とする前に不動産業者(仲介業者等)から住宅ローンの事前審査を促されることがあります。実はこの事前審査がとても重要で、この事前審査が通ればかなりの確率で本審査も通ります。まずは、「事前審査」の具体的な内容と審査を通過するポイントを解説。また、事前審査が通過しない人の共有ポイントもあわせてお伝えします。■ 事前審査でのポイント1. 「審査金利」euro/Pixabay住宅ローンの事前審査で金融機関がチェックするポイントはまず、年収に占める返済額の割合である「返済比率」です。この返済比率の算出方法は金融機関によりさまざまで、多くの金融機関は実際に適用される金利で返済比率を算出するのではなく審査のために設定した金利(審査金利)で算出した返済額によって審査します。例えばA銀行の住宅ローン金利適用が1.5%だとしても、その審査金利は3~4%等と「高く設定している」場合が多いのです。freeangle / PIXTA(ピクスタ)そのため住宅ローンのパンフレット等に「返済比率20%以内であれば融資可」と記載されている場合に、実際の適用金利で算出した返済比率はその範囲内であったとしても、審査金利で算出した返済比率はそれをオーバーしている場合があります。事前に返済比率を確かめたい場合は、利用したい金融機関の審査金利を不動産業者を通じて確認してください。ネット上には無料で利用できる「返済シュミレーション」のサイトがたくさんあり、そこで各項目を入力すると返済率を自動的に計算してくれるものもありますので一度利用されてみてはいかがでしょうか?■ 事前審査のポイント2. 「個人信用情報」money/pixabay事前審査のもうひとつのポイントは個信(個人信用情報)です。これはローン借り入れ時などに利用される情報(クレジットカード等の借入状況、借入金額、最終返済日等)ですが、ここでの審査基準も金融機関によってまちまちです。一般的には既存の借り入れが多額であったり、返済金の延滞が続いているような場合はここで落とされてしまう場合が多くみられます。最近は携帯電話を分割払いで購入するケースが増えており、この支払いが延滞するとその履歴が登録されることもあるようです。この個信が心配な方は、次の3つの個人信用情報機関でそれぞれ個人情報の開示請求ができますので各ホームページでその方法等を確認してみてください。(株)シー・アイ・シー全国銀行個人信用情報センター (株)日本信用情報機関■ ローンが通らない人に共通している3つのことこれまで住宅ローン申し込みのお手伝いをさせていただいたなかで、事前審査・本審査ともに通らなかった(通りにくかった)のは下記のような人です。1.クレジットカードをたくさん持っているSatoshi KOHNO / PIXTA(ピクスタ)意外と知られていませんが、キャッシング機能がついているカードの場合、そのカードを持っていれば「いつでも」キャッシングが可能です。なので、実際に借り入れしていなくても借入金があると判断され、既に借り入れをしていることと同様の評価となってしまう場合があります。2.高額なカーローンが残っているmuku / PIXTA(ピクスタ)カーローンの返済金額は住宅ローン審査時の「返済比率に組み込まれてしまう」ため、高額なカーローンの残債がある場合、住宅ローンの審査にはかなりのマイナスになります。3.現在借り入れ金等がある場合、その内容をあまり把握していない、もしくは正直に申告しない住宅ローン審査の申込書には、現在の借り入れ金等を記入する欄があり、ここに正確な記入がされなかったり、その内容を正直に申告しないと審査が通りづらくなる場合がありますのでご注意ください!money/pixabay住宅ローンは金融機関ごとに審査の基準があり、その内容は不動産業者がおおまかに把握しているはずなので、物件の情報だけでなく、住宅ローンについても分からないこと・不安なことがあれば不動産業者に相談されてみると良いと思います。
2018年06月19日住宅ローンを借りるとき多くの人はメガバンクやネットバンク、住宅金融支援機構などで金利面などを比較して住宅ローンを検討する人が多いでしょう。しかし、多くの人が見過ごしている住宅ローン借入先があります。実は、見過ごされがちなのは「地方銀行」なのですが、地銀で契約すると、人によってはメガバンクやネットバンク、住宅金融支援機構などよりも有利に住宅ローンを契約することができます。地銀は見過ごされがちな、優良な住宅ローン提供業者そもそも地方銀行とは、そのそれぞれのエリアに本社を構える銀行となっており、「横浜銀行」や「千葉銀行」「京都銀行」や「静岡銀行」など銀行の名前にも地域名が付されているような銀行になります。これらの地方銀行から住宅ローンを借りる場合には、他のメガバンクなどと同様に、まずは銀行の窓口に赴き、そこで住宅ローンの相談を行うことができます。実はファイナンシャルプランナーである筆者も関西の地方銀行である「京都銀行」で自身の住宅ローンを契約しています。筆者の例ではネットバンクはもちろん、メガバンクから住宅金融支援機構まで様々な銀行や金融機関の住宅ローンを検討しましたが、総合的に最も良いと考えたのが地方銀行である「京都銀行」であったため、京都銀行で契約をすることになったのです。それでは、具体的に地方銀行の住宅ローンがどのような点でメリットがあるのかをご紹介します。【メリット1】対面でコミュニケーションができるので、安心&便利地方銀行の一つ目のメリットとしては対面でのコミュニケーションが出来る点です。もちろん、これはメガバンクや住宅金融支援機構などでも同じように対面でコミュニケーションができるため、地方銀行に限ったメリットではありませんが、これは大きな点です。特に住宅ローンの契約などの場合、審査に必要な書類だけでなく、抵当権を入れる際の手続きや火災保険に関する書類など住宅ローンを契約する際に必要な書類は非常に多くなっています。これらの膨大な書類を一つ一つ揃え、確認をするためには対面でコミュニケーションをする方が便利です。ネットバンクの場合には、郵送などで書類のやりとりをすることが多くなりますが、「どこに判子を押すのか」「どの書類が必要なのか」を随時メールなどで確認をするのはストレスにもなります。そういった意味ではまず、対面で住宅ローンのやりとりが出来るという点が大きなメリットとなります。【メリット2】臨機応変な対応をしてくれるそして、二つ目のメリットが地方銀行ならでのメリットである「臨機応変な対応をしてくれる」という点です。具体的な臨機応変メリットとしては、不動産会社などへの支払いのタイミングを分けて融資をしてくれる点にあります。特に筆者の場合だと注文住宅を建築したため、支払いのタイミングが数多く分断されてしまっていました。まず「土地を購入したとき」に土地の支払い、注文住宅を契約したときに「契約金」を払うだけでなく、住宅が半分程度できあがったときに「上棟金(中間金)」。そして、建物が完成したときに支払う「完成金」、庭などの外構を作ったときに支払う「外構費」そして最後に引き渡しを行うときの「引き渡し金」と合計で6回も支払いを行わなければならなかったのです。このような場合、メガバンクなどの場合には建物に抵当権を入れてからでないと、住宅ローンを下ろせないため、最後の「引き渡し時」しか住宅ローンを支払ってくれなかったのです。そのため、メガバンクで契約を行う場合には、正式な住宅ローンが決裁される前に各支払毎に「ブリッジローン」が必要となり、そのブリッジローンの金利や手数料などが割高となってしまったのです。しかし、地方銀行であれば全ての地方銀行が対応してくれる訳ではありませんが、住宅ローンに積極的な地方銀行であれば、ブリッジローンの必要がないようにその都度ローンを決済してくれる銀行もあります。実際に筆者はこの地方銀行の柔軟な対応のおかげでブリッジローンの会社に支払う手数料や割高な金利分を含めて100万円近くの金額を圧縮することに成功しました。【メリット3】金利も低めで手数料も安いまた、柔軟な対応だけが地方銀行のメリットではありません。実際に金利も低めで手数料も安くなっていました。筆者の例ではメガバンクの提示してきた金利や手数料よりも地方銀行の方が安くなっていました。ただし、ネットバンクの金利や手数料と比べるとネットバンクの方が安かったのですが、中間金決裁などの臨機応変な対応や対面で住宅ローンの手続きが出来る手軽さを考慮して、地方銀行と住宅ローンを契約することになりました。最後にこの記事では、多くの人が見過ごしがちな「地方銀行」の住宅ローンについてを解説しました。地方銀行の場合、銀行によっては住宅ローンなどに力を入れていないような銀行もありますので、本記事で紹介したメリットを全ての地方銀行が実現出来るわけではありません。ですが、地域によってはメガバンクよりも強い地方銀行などであれば、この記事で紹介をしたようなメリットを得ることができるケースもあるため、現在住宅ローンを検討している人は地方銀行も選択の一つに検討してみはいかがでしょうか。
2018年03月07日住宅ローンの繰り上げ返済とは、住宅ローンを契約していた返済計画を前倒して返済をすることで利息の支払額を抑える方法のことです。 この住宅ローンのの繰り上げ返済の方法には2種類の方法があります。それぞれの方法によって、利息の削減の効果が異なる一方で、今後の返済計画も大きく変わりますので、自分自身のライフスタイルにあった方法を選びましょう。まず、一つ目は、月々の返済額は同じ額のまま、残りの返済期間を短くすることによって利息の支払い額を抑える「期間短縮型」があります。 そして二つ目が、残りの返済期間は同じ期間のまま、月々の返済金額を少なくすることで利息の支払額を抑える「返済額軽減型」の2種類があります。どちらの場合でも、当初住宅ローンを契約していた際に予定されていた支払利息よりは金利負担を減らすことができます。それでは具体的に「期間短縮型」と「返済額軽減型」のそれぞれの繰り上げ返済の方法を解説し、どちらの方がより多くの利息の支払い額を減らすことができるのかや、それぞれの繰り上げ返済の方法のメリット・デメリットを解説していきます。月々の返済額がラクになる「返済額軽減型」返済額軽減型は、繰り上げ返済をした金額を毎月の返済額に充当する方法になります。つまり、毎月の返済額が少しずつ安くなるようになるため、利息の減少額も少なくなるのです。例えば、住宅ローンの金額が1,000万円で10年のローンがあった場合、100万円の繰り上げ返済を返済額軽減型で行ったとします。その場合1年目の返済額から10年目の返済額までが毎月均等に安くなるのです。そのため、実質的に「前倒し」で返済できている期間や金額としてはあまり多くはありません。返済額軽減型のメリットとしては、やはり月々の返済が楽になるという事で生活面が楽になるのが最大のメリットです。特に住宅ローンの返済は毎月固定の金額になるため、その返済額を少しでも低くすることができれば生活面でも余裕が出てきます。また、繰り上げ返済を行ったばかりの場合は貯金を取り崩しているケースもあるため、生活に余裕がないケースが多くなっています。そのようなことを踏まえると、返済額軽減型は月々の返済額をラクにしてくれながら、住宅ローンの利息の総支払額も軽減される、バランスの良い繰り上げ返済の方法といえます。大きく返済額を減らせる「期間短縮型」次に月々の返済額は変えずに期間を短縮する期間短縮型について解説をします。期間短縮型については繰り上げ返済分を残りの借入期間から短くする方法です。例えば、住宅ローンの金額が1000万円で10年だと仮定した場合、繰り上げ返済で100万円を「期間短縮型」で返済した場合には、毎月の返済額は変わらい代わりに約1年ほど返済期間が短くなります。つまり、この「期間短縮型」の場合は繰り上げ返済を行った100万円の金額の約10年分の金利を丸ごと支払う必要がなくなるのです。その結果、小分けで毎月少しずつ安くする「返済額軽減型」と比べると利息の支払い額を大きく減らせるため、期間短縮型の方が有利になるのです。次に期間短縮型のメリット・デメリットについて解説します。期間短縮型のメリットについては何といっても金利の削減効果が大きいことです。大きく利息の支払い額を減らすことができるため非常に有利に住宅ローンの返済を進めることができます。一方で期間短縮型のデメリットとしては、月々の返済額は変わらないことから繰り上げ返済をしているにもかかわらず生活面での余裕はあまり生まれてきません。むしろ、住宅ローンの繰り上げ返済をする際に貯金を取り崩すことがあるため、期間短縮型で返済をすると一気に家計に余裕がなくなってしまうデメリットがあります。繰り上げ返済をするときは住宅ローン減税のタイミングも考えよう!また、繰り上げ返済をするときにはここで紹介をした繰り上げ返済の方法だけではなく、繰り上げ返済のタイミングも考えましょう。というのも、繰り上げ返済を行った場合には期間短縮型や返済額軽減型のどちら場合でも「住宅ローン減税」の減税額が少なくなってしまうため、注意しましょう。住宅ローン減税は、その年末の住宅ローンの残額が減税の基準になります。そのため住宅ローンの残高が多ければ多いほど減税額も多くなり、住宅ローンの残高が少なければ少ないほど減税額も少なくなるのです。これらの点を踏まえて、住宅ローン減税を使うといくら減税されるのか、そして繰り上げ返済をすることでいくら金利の支払額が減るのかをシミュレーションを行って、繰り上げ返済を行うようにしましょう。また、一般的には住宅ローン減税には10年間という期間がありますので、その10年を超えたタイミングで一気に繰り上げ返済をするのが最も有利なタイミングと言われています。ただし、人によっては住宅ローン減税の減税額をフルに使えていない人などもいるため、自身がどれだけ住宅ローン減税の恩恵を享受出来ているのかなどを確認するようにしましょう。最後にこの記事では繰り上げ返済の方法である「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類を解説しました。また、「期間短縮型」の方が金利の支払いを大きく減らせて有利に繰り上げ返済ができると解説してきました。ただ結局のところ、期間短縮型の方が支払計画が大変になりますので、どちらの方法がトクするのか、損をするのかと言うわけではありません。「期間短縮型」の方が早く多額の住宅ローン分を返済しているため、利息の減少額も多額になっているに過ぎません。そのため、どちらがトクなのか、損なのかではなく、自分の人生設計においてどちらが良いのかという軸で「期間短縮型」と「返済額軽減型」を選ぶようにしましょう。
2018年02月23日「念願だったマイホームをいよいよ購入したい!」そんなときに考えるのが住宅ローンですよね。もともと、住宅ローンの借り主の多くは夫でした。しかし共働きが一般的である今、さまざまな借りかたがあるのをご存知ですか?今回は「共働き夫婦のため」の住宅ローンについてご紹介します。 1. 共働き夫婦の住宅ローンは3種類共働き夫婦の住宅ローンには、「連帯保証」・「連帯債務」・「ペアローン」があります。主の債務者を「夫」としたこの3つの特徴は以下のとおり。連帯保証夫婦の収入を合わせた「収入合算」で、夫が住宅ローンを組む債務者となり、妻が連帯保証人になります。夫の返済が滞った場合は、妻に返済の義務が生じます。連帯債務夫婦の収入を合わせた「収入合算」で、夫が主債務者となり、妻が連帯債務者となります。住宅ローンを夫婦で借りる形になるので、夫婦どちらも同額の返済義務を負うことになります。ペアローン夫婦がそれぞれ別の住宅ローンを組みます。夫のローンの連帯保証人は妻となり、妻のローンの連帯保証人は夫となります。返済が滞った場合は、連帯保証人に返済の義務が生じます。 2. それぞれのメリット・デメリット3種類の借りかたのメリット・デメリットをご紹介します。 連帯保証メリット一人では借りられない額の住宅ローンも、収入合算することで借りられるデメリット住宅ローン控除は債務者だけが受けられる団体信用生命保険は債務者だけが加入できる住宅ローンを借りた分の所有権は債務者のみ※団体信用生命保険とは、住宅ローン専用の生命保険のことです。債務者が返済中に死亡したり、高度障害状態(介護が常に必要など、日常生活が極めて困難になった状態)の際に、保険金として住宅ローンの残額分が金融機関に支払われます。つまり、この場合は連帯保証人に万が一の事があっても、保険金は支払われません。 連帯債務メリットひとりでは借りられない額の住宅ローンも、収入合算することで借りられる住宅ローン控除が夫婦ともに受けられる所有権はそれぞれ持つことができる必要な書類や手数料は1人分だけデメリット団体信用生命保険は債務者だけが加入できる(夫婦加入が可能のローンもある)民間金融機関では取り扱っている金融機関が極めて少ない ペアローン メリット夫婦それぞれ住宅ローン控除が受けられる団体信用生命保険も夫婦それぞれ適用される所有権はそれぞれ持つことができるデメリットローンを2本組むため、作業と諸費用が倍になる離婚したときに、名義や残高処理等が複雑・片方が死亡した場合、自分の分のローンは残る(※ただし、団体信用生命保険に特約をつけることで、夫婦どちらかが死亡した際に住宅ローンの残高がなくなることも可能。金利等や名称は取扱金融機関によって異なります) 3. 「片方の収入がなくなった」「離婚した」ときは住宅ローンは30年近くも一緒に払っていくもの。一方で、暮らしていく上で必ずしも収入が一定とは限らないのが「夫婦」ですよね。夫婦で住宅ローンを考えているのなら、必ずそういったことも話し合った上で決めるようにしましょう。子育てに専念したいから仕事をお休み、またはパートなどにしたいとき、はたまた離婚したら、それぞれの借りかたはどのように変化するのでしょうか。妻が育休・仕事を辞めた「連帯債務」と「ペアローン」の場合妻が税金を納めていないと住宅ローンの控除が受けられません。育休の場合は復帰すれば再び受けられるようになりますが、仕事をセーブすると控除額も少なくなります。さらに妻が退職した際には、夫が妻名義の分も返済することになるため、贈与税の課税対象となる恐れも。それを避けるために登記の持分変更をしたり、住宅ローンの借り換えをすることも可能ですが、手間も費用もかかります。離婚した離婚をしても、住宅ローンの契約に変更はありません。連帯保証の場合元夫の支払いが滞ると、連帯保証人である元妻に返済請求が届きます。連帯債務の場合元夫と元妻どちらも、借り入れ全額の債務を負うことは変わりません。また住宅ローン名義は解消されないため、家を独断で売却できません。ペアローンの場合自分がローンを支払っていても、元夫もしくは元妻の住宅ローンの返済が滞ると、連帯保証人である自分に返済請求が届きます。離婚が決まったら、上記のことを避けるために家を売却して住宅ローンを完済させる、ペアローンは1つのローンに借り換えをするなど、夫婦で話し合っていく必要があります。 ひとりでは希望額が借りられなかったとしても、共働き夫婦で住宅ローンを契約することで借入額を増やすことができます。ただし、「妻が働けなくなる」「離婚する」などの理由で、多く借りられたローンによって支払いが苦しくなってしまうといったリスクがあることを忘れてはいけません。「夫婦で住宅ローンを」と考えているのなら、さまざまなパターンを想定しながら、夫婦に合った借り入れ方法を選択してくださいね。 参照: 共働き夫婦のための住宅ローン講座(1)我が家はどうする?基本編共働き夫婦が賢く住宅ローンを借りる方法団体信用生命保険(団信)の特約は付けるべき?扶養に入っても住宅ローン控除は受けられる?退職の可能性視野に選択共働き夫婦の住宅ローン共稼ぎ世帯に人気の収入合算・ペアローン。デメリットが多いって本当?
2018年02月20日民間の金融機関でローンを組む際に“必須”となっている団信(だんしん)への加入ですが、団信には種類があることをご存じでしょうか?ここでは、そもそも団信とはどういうものか、種類や保険料、また団信に加入できない場合の対策などを解説します。全額弁償してくれる、団信(だんしん)とは?住宅ローンを組んだ際は長期に渡りローンの返済をすることになりますが、長年の間には万が一の不幸に襲われる可能性も考えられます。ローン債務者に万が一のことがあった場合に、保険会社が債務者に代わって残債の全額を支払う制度が団体信用生命保険(通称:団信)です。銀行はこの保険によって債務を回収することができ、残された家族にとってもローンの負担がなくそのまま住み続けることができるため、双方にとって有意義で重要な保険でもあります。民間銀行の住宅ローンは、融資の際に団信加入が条件となっていますから、持病などがある場合は審査によって団信に加入できないこともあり、ローンが組めなくなる可能性があります。団信の種類と保険料団信には、一般的な「団信」のほかに、「ワイド団信」「ガン保障特約付き団信」「3大疾病付き団信」「7大疾病、8大疾病付き団信」などがあります。以下は団信の種類別保障内容や保険料などのご紹介です。・団体信用生命保険(一般的なもの)保障内容は保険期間中(住宅ローンの返済期間と同じで35年ローンの場合は保証期間も35年になる)の死亡と所定の高度障害状態になった場合です。保険料は銀行側が負担することになっているため、加入者は無料です(実際はローン金利に含まれている)。・ワイド団信加入条件が緩和された団信です。糖尿病や高血圧症などの持病を持っていても比較的加入しやすくなっています。保障内容は一般的な団信と同じ死亡と高度障害状態になった場合ですが、保険料は基準金利に0.2%~0.3%程度上乗せされます。・ガン保障特約付き団信一般的な団信の保障にガン保障がプラスされた保険(保障期間は借入日より91日目から)になります。ガン診断給付金が支払われるのは生まれて初めてガンに罹患し、医師によって診断確定された場合です。保険料は基準金利に0.2%~0.3%程度上乗せされます。・3大疾病保障付き団信3大疾病付き団信は、一般的な団信の保障にガン・急性心筋梗塞・脳卒中を罹患し、所定の状態となった場合にも保障がプラスされた保険です。保険料は基準金利に0.3%程度上乗せされます。・7大疾病、8大疾病保障付き団信7大疾病保証付き団信は、3大疾病のガン・急性心筋梗塞・脳卒中に加え高血圧性疾患・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変など、4つの生活習慣病に罹患した際にも保障される保険です。8大疾病保保障付きの場合は、上記の疾病に慢性膵炎が含まれています。保険料は借入時の年齢や借入の条件、また金融機関によって異なりますが、基準金利に0.3%程度上乗せになります。団信に加入できない場合はどうしたらいい?健康に問題があり一般的な団信に加入できない場合は、加入条件が緩和されたワイド団信を検討してみましょう。審査基準は明らかにされていませんが、糖尿病や高血圧・肝臓機能障害などの持病がある人でも審査が通りやすくなっています。また、団信加入が必須ではないフラット35を利用する方法があります。フラット35は団信加入が任意になっているため、加入しなくてもローンを組むことができます。しかし万が一のこともあるため、健康状態が良好な時期に加入している借入金額相当の生命保険がある場合などが望ましいでしょう。他にも、連帯保証人を立てる(連帯保証人に返済能力が必要)とか、配偶者が正社員の場合は配偶者名義で住宅ローンを申し込むなどの方法があります。団信にはいくつかの種類があり、特約付きはほとんどが0.3%程度の金利上乗せになります。0.3%の金利の上乗せは月々の支払いはわずかのように感じるかもしれませんが、総額となると数百万円になります。ご自分でかけている他の保険なども無駄がないか見直してみて、本当に必要だと思われる保険を賢く選択することをおすすめします。
2018年02月06日住宅ローンを利用して家を買う場合、無理のない返済計画をもとに購入予算を設定することが重要です。しかし、いざ物件を見ているともう少しだけ予算をアップさせたい、という場面に出くわすことがあるかもしれません。そんなときの対処法を紹介します。まずは頭金を使った予算アップの方法です。1.購入予算の算出方法と、頭金購入予算の算出方法を確認してみましょう。図にあるように、頭金+住宅ローンの借入額が購入予算です。(図1)購入予算の設定方法(住宅ローン利用時)住宅ローンの借入額は、無理のない返済額の上限まですでに借りていることが前提です。この場合、予算を増やすには頭金を増やすほかに、方法はありません。現在の貯蓄額など家計の中身を改めて確認し、頭金を増やせないか計算してみましょう。頭金が準備できるまで、購入時期を見直すというのも考え方のひとつです。頭金を増やす方法として、親からの資金援助を得るやり方があります。平成33年までは「住宅取得等資金の贈与税の非課税」という特例で、一定額の贈与に対しては非課税とする措置がとられていることもあって、頭金を増やすメジャーな方法のひとつになっています。2.頭金があると、借入額が増えることも物件価格に対する住宅ローン借入額の占める割合を融資率と言います(例:3,000万円の物件に対し2,700万円借り入れする場合の融資率は90%。残り300万円が頭金に該当)。住宅ローンの中にはこの融資率によって金利が変わる商品があります。代表的なものはフラット35で、融資率が9割以下か9割超かによって適用金利が異なります。2017年11月現在でその差は0.44%(※)で、融資率が低い9割以下のほうが低金利で住宅ローンを借り入れることが可能になっています。※新機構団信付きの【フラット35】等の借入金利水準(2017年11月)より、【フラット35】 借入期間:21年以上35年以下の「取扱金融機関が提供する金利の最も多い金利」で融資率9割以下と9割超の場合を比較。金利が低い住宅ローンでの借り入れが可能になれば、同じ毎月返済額でも借入額は大きくなります。具体的な数値で見てみましょう。(図2)頭金と金利、借入額の関係上の例では、購入予算を増やすことを分かりやすくするため、毎月返済額は変えずに借入額を増やしましたが、購入予算を変えない場合であれば、頭金を入れたメリットは借入額の減少と低金利の2つの効果から、毎月返済額が減るという形であらわれます。例の場合、購入予算3,513万円に対して、Aの毎月返済額は11.3万円(借入額3,513万円)、Bの毎月返済額は9.1万円(借入額3,013万円)になります。3.頭金の計算は諸費用・予備資金を差し引いて頭金は無理のない返済額を維持しながらも購入予算をアップできるという意味で非常に魅力的です。しかしながら、自己資金のすべてを頭金として使ってしまうと、住宅取得に必要な諸費用の支払いができなくなったり、不測の事態に対して予備資金が全く残らないという問題が生じます。それぞれ必要な金額を算出したうえで、頭金がいくら用意できるのかを確認してみましょう。
2018年02月01日住宅の購入予算を算出するためには、毎月返済額と住宅ローンの借り方(条件)がそれぞれ必要になります。この記事では、実際の住宅ローンのシミュレーションを行い、購入予算を設定・確認していきます。1. 住宅ローンシミュレーションを使ってみよう今回はフラット35のホームページにある、「毎月の返済額から借入可能金額を計算」するシミュレーション機能を使います。まずは次のページを開いてください。フラット35「毎月の返済額から借入可能金額を計算」(図1)フラット35の住宅ローンシミュレーション①毎月返済額小数点第1位まで入力できます。今の住宅費などから考えて、返済に無理のない金額を入力しましょう。②融資金利適用金利のことです。ここでは①の毎月返済額が完済時まで変わらない場合の借入可能額を算定したいので、「全期間固定型」の金利を入力しましょう。③返済期間返済期間は、それぞれの状況に応じて変わってきます。定年時の年齢から今の年齢を引いた年数を入れてみるのもひとつの方法です。まだ決まっていない段階であればとりあえず「35」を選択しましょう。④返済方法特に理由がなければ、「元利均等」のままにしておきましょう。上記項目をすべて入力・選択したら、「計算する」をクリックすると、図のように計算結果が表示されます。(図2)試算結果※各種数値は次の条件をもとに設定しています。毎月返済額:9.7万円/金利:1.800%/返済期間:35年/返済方法:元利均等返済※シミュレーション結果の詳細は、こちらのフラット35のページをご確認ください。借入額のシミュレーションはできたでしょうか。大切なのは「毎月返済額」と「金利」を自分で判断し、入力できているかどうかです。2. 購入予算=「頭金」+「住宅ローン借入額」借入額が分かれば、後は頭金分をプラスすれば購入予算が算出できます。(図3)購入予算の設定方法(住宅ローン利用時)頭金についてはこれまで説明をしてきませんでしたが、購入予算を決定するうえで、非常に重要になります。また、これまで「購入予算=物件価格」という前提で話をしてきましたが、家を買う場合は、物件価格とは別に住宅取得にかかる諸費用・税金が存在します。頭金は、これらの費用を除いて算出するようにしてください。3. 住宅ローンは「借りられる額」ではなく「返せる額」まず、知っておいてほしいこととして、住宅ローンは「借金」であり、利息がつく分、総返済額は借入額よりもかなり高くなるということを忘れないでください。実際に家探しを始めると、どんどん条件のいい家に目がいって、これまでに経験したことがない数千万円という単位の買い物ゆえに冷静な判断ができなくなり、高額なローンを組んでしまいがちです。現在の仕組みでは高額なローンを借りることも意外とできてしまいます。しかし、住宅ローンは「借りられる最大額」ではなく、「返せる額」を借り入れるということを、基本的な考え方としてください。ここまで、家探しを始める前に最低限必要と思われる住宅ローンの知識・情報を、購入予算の設定と関連付ける形で説明してきました。実際の物件を探し始める前に住宅ローンを学んでおくことの大切さが、多少なりとお分かりいただけましたでしょうか。まだまだ、住宅ローンのすべてを説明できているわけではありません。物件探しをしながらも、さらに住宅ローンへの理解を深めて、納得のいく商品プランを見つけていただければと思います。また、今から金融機関のホームページを見ることやシミュレーションの使い方に慣れておくこともお勧めします。
2018年01月30日住宅ローンを利用して家を買う場合に必要な住宅ローンの条件のひとつである「金利」が総返済額や毎月返済額にどのような影響を与えるのか、実際の数値を使って見ていきたいと思います。1. 総返済額に占める利息の割合まずは、住宅ローンを利用する場合の総返済額に占める元金と利息の割合を見てみましょう。(図1)「住宅ローンの借り入れと返済の内訳」※各種数値は、次の条件をもとに設定しています。金利:1.800%/返済期間:35年/返済方法:元利均等返済※分かりやすさを優先し、一部端数処理等を行っています。図を見ると分かるように、3,000万円を金利1.800%、35年返済で借りた場合の総返済額は4,046万円です。利息額は1,046万円なので、総返済額の25.9%。つまり、返済額のうち4分の1は利息分ということになります。このように長期間借り入れをする住宅ローンの場合、総返済額に占める利息額の割合はかなり大きくなります。金利が高くなればさらにその割合はさらに増すので、わずかな金利差も無視できません。2. 金利でここまで変わる!借入額別の総返済額一覧下の図は、借入額別・金利別の総返済額を計算したものです。総返済額から借入額を引いたものが、利息額になります。同じ借入額でも、金利によって総返済額がずいぶん違うことが分かります。(図2)「借入額別・金利別の総返済額(単位:万円)」※各種数値は、次の条件をもとに設定しています。返済期間:35年/返済方法:元利均等返済※分かりやすさを優先し、一部端数処理等を行っています。3. 総返済額を毎月返済額に置き換えて確認金利による総返済額への影響を体感できたでしょうか。次は、実際に自分が住宅ローンを利用することを前提に、この表を活用してみましょう。総返済額(借入額+利息額)だけを見ても、無理なく返済できるかどうか判断は難しいので、上の表の総返済額に毎月返済額を追記しました。今度は、現時点で想定している毎月返済額を中心に表を見てください。(図3)「借入額別・金利別の毎月返済額(上段)と総返済額(下段)(単位:万円)」※各種数値は、次の条件をもとに設定しています。返済期間:35年/返済方法:元利均等返済※分かりやすさを優先し、一部端数処理等を行っています。毎月返済額がほぼ同じでも、金利との組み合わせ次第で借入額・総返済額に様々な可能性があることが分かったでしょうか。この表を見て、「とにかく金利が低いにこしたことはない」と考える人も多いと思います。「住宅ローン=金利の低い商品」を求めることは、あながち間違いではありません。ただし、金利の低さだけを追い求めて住宅ローンを選ぶと大きなリスクが生じます。このリスクは購入予算の設定にも影響するため、家探しの最初の段階で把握しておかないと、後戻りができなくなるほど危険をはらんだものなのです。【訂正】サブタイトルの一部に誤りがありましたので修正いたしました。
2018年01月19日家を買う場合、ほとんどの人は住宅ローンを利用しますが、住宅ローンについて調べ始めるのは、家探しの終盤、物件がほぼ決まってからというケースが多いようです。結論から言うと、これでは遅すぎます。住宅ローンの知識・情報は家探しの最初、購入予算を決める段階から必要です。1. 借入額よりも重要な返済額住宅ローンを利用して家を買う場合、購入予算は「頭金」と「住宅ローンの借入額」の足し算によって決まります。考え方として初めに購入予算があって、それを「頭金」と「住宅ローンの借入額」に分解していくのではなく、まず「頭金」と「住宅ローンの借入額」を明確にし、2つを足したものが購入予算になるというものです。家探しはその予算をもとに行います。住宅ローンは、端的に言ってしまえば借金です。借りた金額(借入額)に対し発生する利息額を合わせて返済しなければなりません。つまり、住宅ローンではいくら借りたかよりも、いくら返すのかという「返済」の指標が重要になるのです。返済額には、返済する総額(総返済額)と毎月の返済額があります。(図1)「住宅ローンの借入額と総返済額の違い」※各種数値は、次の条件をもとに設定しています。借入額:3,000万円/金利:1.800%/返済期間:35年/返済方法:元利均等返済※分かりやすさを優先し、一部端数処理等を行っています。3,000万円の住宅ローンを借りる場合を例に考えてみましょう。金利と返済期間については一般的なものを使用していますので、現段階ではそういうものとして考えてください。上図のように金利1.800%、返済期間35年でローンを組んだ場合、借入額は3,000万円でも、利息が約1,046万円上乗せされ、実際に返済する金額(総返済額)は4,046万円にもなります。今、現金ならば3,000万円で買える家でも、全額ローンだと4,046万円で購入することになってしまうということです。そして、その返済は35年など、かなり長期にわたって行われるものです。さて、例では借入額3,000万円、利息額1,046万円、総返済額4,046万円という3つの金額が分かりました。住宅ローンを借り入れる場合、その返済を無理なく行えるかが重要なポイントになります。では、この3つの金額を見て、無理なく返済できる金額かどうかを判断することはできるのでしょうか?2. 返済の程度を判断できる「毎月返済額」借り入れた住宅ローンが無理なく返済できるかどうかを判断するには、どのような数値があればよいのでしょうか。借入額3,000万円は、「みんなそのくらい借りているような気がするけど、自分たちに適切かどうかは分からない」といった認識でしょうか。総返済額が4,046万円と言われても、すぐにはピンと来ませんね。では、毎月の返済額が97,000円と言われたらどうでしょう。それなら今の住宅費と比較できるので、毎月払えるかどうか分かりやすいのではないでしょうか。住宅ローンを利用して家を買うときは、自分にとって無理のない毎月の返済額がいくらなのかをはっきりさせ、借り入れにあたっての判断基準として使えるようになっておくことが大切です。(図2)「無理なく返済できるかを判断するために必要な数値」3. 毎月返済額は同じなのに借入額が減る?住宅ローンの借入額が適正かどうかは、毎月の返済額を基準に判断すべきであることを説明してきました。ところが、毎月の返済額が同じでも、住宅ローンの選び方によっては借入額自体が変わるということが起こります。住宅ローンの借入額が変わってしまったら、購入予算の設定にも影響が出てきます。(図3)「住宅ローンの違いによる購入予算の変化」※各種数値は次の条件をもとに設定しています。返済期間:35年/返済方法:元利均等返済※分かりやすさを優先し、一部端数処理等を行っています。この図は毎月の返済額を97,000円とし、返済期間35年でローンを借りた場合に、借入額がいくらになるかを計算したものです。金利が1.800%の場合の借入額は3,020万円になります。では、金利が2.400%になるとどうなるでしょうか?借入額は2,754万円と、266万円もの差が生じることになります。この例では毎月の返済額が同じでも、金利2.400%の住宅ローンBで借り入れをした場合、購入予算が266万円もマイナスになってしまう可能性を示したものです。いったん整理をしてみましょう。家を探すには購入予算の設定が不可欠ですが、その購入予算の設定に必要なのが住宅ローンの借入額です。借入額を算出するには「毎月返済額」と「住宅ローンの諸条件(返済方法・金利・返済期間等)」の2つの情報を前もってそろえておかなければなりません。この順番を間違えると、物件価格ありきで返済計画に無理があるようなローンを組んでしまう、不動産屋さんに勧められるままに提携ローンを組んでしまうケースも出てきてしまうのです。
2018年01月18日住宅ローンは一般的に借り入れの金額が大きくなることから長期間の返済を余儀なくされてしまいます。例えば、住宅金融支援機構が提供するフラット35などは35年間返済を行うことになりますが、それだけの長い間安定して返済を行わなければなりません。病気、リストラ、減給などの予期せぬ理由によって、返済計画に支障が生じてしまうようなこともないとは限りません。住宅ローンを延滞・滞納してしまった場合にはどうなってしまうのでしょうか?住宅ローンの延滞・滞納後の流れ延滞・滞納を行ってしまった場合の流れは以下のようになります。住宅ローンの返済期間中には、一時的に住宅ローンの返済用の口座の残高が少なくなってしまっていて引き落としが行われないなど、返済の滞りが生じてしまう場合があります。最初の1回程度の滞納に対しては銀行などの金融機関も「入金が確認できなかったので、確認してくださいね」というような入金が行えていないことに対する支払い請求程度で済みますが、その通知を無視して延滞・滞納から2~3ヶ月経過すると請求書から催告書へと変わります。催告書に変わるとどうなるのでしょうか?催告書では、これ以上延滞・滞納を行うと期限の利益といって住宅ローンの分割返済を認めないという内容になります。この催告書を無視して延滞・滞納から3~6ヵ月経過してしまうと期限の利益喪失通知が届き、返済期日が先であったとしても一括返済を行わなければなりません。期限の利益喪失通知が到着してからは、代位弁済通知といって住宅ローンを契約した際の保証会社が銀行に対して代わりに返済を行ったという通知書が届きます。保証会社が返済を行ってくれたからといって返済がなくなるわけではなく、返済先が銀行から保証会社に変わることになります。保証会社が代位弁済を行ってしまうと、保証会社は建物を競売にかけることによって返済を肩代わりした分を回収しますが、いきなり競売が行われるわけではなく、まずは保証会社から競売を開始するための競売開始決定通知が届きます。競売開始決定通知が届くとどうなってしまうのでしょうか?競売と競売を防ぐための任意売却とは?競売開始決定通知が届くと、いよいよ住宅ローン対象の物件が競売にかけられることになってしまいます。競売にかけられてしまうと以下のようなデメリットがあるので注意が必要です。・普通に売却する場合によりも安く買いたたかれてしまう。・競売が行われてしまうと出ていかなくてはならなくなる。競売開始決定通知が届いてから実際に競売が行われるまで6ヵ月程度の期間がありますが、その間に何とかして競売を防ぐ方法はないのでしょうか?競売を防ぐ方法として任意売却を行うという手段が挙げられます。任意売却によるメリットは以下の通りです。・リースバック方式によって住み続けることができる。・競売よりも高い価格で売却できる可能性が高い。任意売却によって購入した人が同意してくれた場合には、賃料を払うことによって住み続けることが可能になります(リースバック方式)。任意売却は保証会社の許可を得る必要があるので、なるべく早く申し出た方が良いでしょう。まずは銀行に相談してみる住宅ローンは契約当時の世帯年収などを基準にして返済計画を立てますが、必ずしも返済計画通りに返済が進むとは限りません。体調を崩してしまったことによって一時的に返済が滞ってしまったり、出産による産休や退職して育児に専念するために専業主婦になったりなど様々な理由によって返済計画に支障が生じる可能性があります。一時的に支障が生じた場合にはどうすればいいのでしょうか?まずは銀行に現状を伝えることをおすすめします。銀行からすれば信頼して住宅ローンの契約を行ったにもかかわらず、独断で延滞・滞納を行われてしまった場合には、後から理由を伝えたとしても配慮の余地がありません。しかし、返済計画の支障が一時的な理由である場合には、返済計画の見直しによって一時的に返済額を引き下げてくれるなど、競売を免れることができる可能性があるため、まずは銀行に相談してみましょう。まとめ住宅ローンの延滞・滞納を続けた場合には、住宅ローンの対象の物件を競売で失ってしまうことを覚悟しておかなくてはなりません。しかし、延滞・滞納を行ってしまったからといって即座に競売が行われるわけではありませんので、延滞・滞納に陥ってしまったとしても放っておかずに、任意売却やその他の解決策を模索するようにすることができるので、まずは銀行に相談など解決策を検討するようにしましょう。
2018年01月12日マンションを買い替えたいと思っても、ローンが残っている場合は誰もが慎重になるでしょう。マンションを売却した後に住宅ローンの残債が出てしまうケースがあるからです。しかしこうした事態を解消してくれる金融商品があります。それが金融機関で取り扱っている「住み替えローン」です。今回はこの住み替えローンについて掘り下げていきましょう。マンションの住み替えローンって何?買い替えを検討する場合、不動産会社にマンションの査定をしてもらうのが一般的です。その際、ローン残高を完済できる査定金額が出ればいいのですが、残債が出そうといったケースでは「売りたいが売れない」という状況に陥ります。通常、抵当権が設定されているマンションを売却する場合、売却によって得られるお金でローン残債をすべて返さなければ抵当権を外すことができないからです。こうした状態を専門用語では「担保割れ」と言いますが、ローン返済期間の半分を過ぎていない場合、多くの方が「担保割れ」の状態になります。しかし「住み替えローン」を上手に活用すれば、こうした担保割れの状態でもマンションの買い替えがスムーズにできるのです。住み替えローンとは、その名の通り、マンションの買い替えの際に利用できるローン商品です。各金融機関によって内容は異なりますが、マンション売却時のローン残債と、諸経費を含む新しいマンションの購入資金をまとめて貸してくれるのが一般的です。この住み替えローンを取り扱っているのは主に都市銀行や地方銀行などの金融機関です。マンションを査定してもらった不動産会社に相談し、住み替えローンの利用を告げ、手続きなどの準備を進めてもらいます。ちなみに住み替えローンを利用できるのは、現在居住中のマンションを売却したとしてもローン残債が出る場合だけです。マンションの価格を無料査定してみる自己資金がなくても買い替えができる?住み替えローンを利用するメリットは、担保割れの状態でも「自己資金なしでマンションの買い替えができる」ことです。住み替えをすることは新しい生活を始めることですから、借金を若干多く抱えてしまってもいいという人にとっては非常に使い勝手のいいローンです。ちなみに、国土交通省の「平成25年住生活総合調査(確報集計)結果」によると、過去5年間に実施した住み替えの目的の上位は、1:就職、転職、転勤などに対応(21.7%)2:親、配偶者などの世帯からの独立(21.2%)3:住宅を広くする、部屋を増やす(17.7%)4:子育て・教育の環境を整える(17.6%)5:通勤、通学などの利便の向上(13.3%)となっています(複数回答可)。この結果を見ると、人生の中では思いがけず住み替えの必要に迫られることが多いのが分かります。住み替えの理由の1位が「就職、転職、転勤など」ですし、2位も「親や配偶者などの世帯から独立」となっています。しかし、こうした場合でも新しい生活をスムーズに始めることができるのが住み替えローンの大きなメリットなのです。借入金が膨らむなどデメリットにも注意!マンションの買い替えを希望する方にとっては非常に便利な住み替えローンですが、一方でデメリットやリスクもあります。買い替えたいという気持ちが強いと、無理をしてしまいがちですので、的確に判断するようにしましょう。まず無理な返済プランを立ててしまいがちになることです。どうしても借金が増えてしまいますが、それでも「ボーナスは全部返済に回そう」「レジャーは少し控えよう」といったように返済額を増やすために少々無理をしてしまいます。住居は生活の拠点として重要ですが、生活自体が楽しめなくなるのはいけません。これでは高級な財布を持っていても、中に入れるお金がないのと一緒です。また、マンションの売却が決まるまで、新しいマンションを購入できないのもデメリットのひとつです。それは住み替えローンを利用するには、マンションの売却と新居の購入を同時に行わなければならないからです。正確な住宅ローンの金額を把握するために必要なことですが、そのために「新居をゆっくり選べない」「現在のマンションを早く売るために価格を下げてしまう」などデメリットが新しいデメリットを生んでしまうといった危険もあるのです。利用者からすると便利な住み替えローンですが、金融機関からすると担保評価以上の資金を提供することになります。そのため通常の住宅ローンよりも金利の条件が悪くなる傾向があります。またローンの返済能力も厳しく見られますので、審査のハードルが高くなるのが一般的です。これらもデメリットのひとつになります。まとめ住宅ローンを利用している場合は完済後に買い替えるのが鉄則ですが、住み替えローンを活用する手もあります。どうしても買い替えをしたいという方にとって便利な金融商品ですからぜひ覚えておきましょう。ただし借入額が大きくなってしまうなど、デメリットやリスクもあります。専門家に相談するなどして適切に活用するようにしましょう。まずはマンションの価格を無料査定してみる
2017年11月15日マンション購入にローン返済はつきものです。しかし、突然の転勤や家族が増えて手狭になってしまったなどの事情で、ローンを残した状態でマンションの買い替えが必要になる人は多いのではないでしょうか。そんなときに気になる、「ローンを返済してなくてもマンションの買い替えはできるの?」という疑問に、注意点とともにお答えします。マンションはローンを完済してからの買い替えが基本マンションの買い替えは現在のローンを完済してから行い、その上で新たに購入した物件のローンを組むのが通常です。ローンの完済が間に合わない場合は、マンションの売却で得たお金を返済に充てることになります。例えば20,000,000円のローンが残っていて、マンションが25,000,000円で売れた場合は、ローンを完済した上で、差し引いた5,000,000円を新規住宅の購入費用に充てることができます。ほとんどの人は、このような形で買い替えできるのが理想と考えるでしょう。しかし、20,000,000円のローンが残っていた場合に売却で15,000,000円しか得られなかった場合は、逆に5,000,000円のローンが残ってしまいます。さらに貯蓄などの自己資金をプラスしてもローンを完済できないと、抵当権を外すことができなくなります。抵当権とは、住宅ローンなどを組む際に金融機関が確保しておく担保のことです。「抵当権がついている=ローンを完済していない」と判断されてしまい、新たなローンを組むことができません。買い替え自体ができなくなってしまうことになるのです。また、仮にローンを完済できたとしても、子どもの学費や万が一のための貯金など、手元に残しておきたい資金まで支払いに使ってしまっては意味がありません。そんな時のために、実はローンが残っている状態でも新たにローンを組む方法が用意されています。ローンが残ったままでも買い替えをする方法とは?ローンが完済できない場合に利用できるのが、「買い替え(住み替え)住宅ローン」です。新しく購入する=買い替えるマンションの金額と現在残っているローンを合算して組むことができるローンのことで、居住中のマンションの住宅ローンを完済していなくても利用できます。先程の例でいけば、20,000,000円のローンが残っていた場合に、売却で15,000,000円しか得られず5,000,000円のローンが残った場合も、その5,000,000円を含めてローンを組むことができることになります。新しく購入したマンションが30,000,000円であれば、合計35,000,000円の借り入れです。買い替え住宅ローンは、担保割れした費用だけでなく引っ越しにかかる諸費用に対しても有効なため、実質的には購入マンションの価格の1.5~2倍の融資が可能になります。ここで覚えておかなければいけないのは、決してローン負担が軽くなったり、優遇措置があったりするものではないということです。利用する際にはいくつか注意が必要です。マンションの価格を無料査定してみる買い替え住宅ローンの利用には十分な資金計画を!【注意点1】審査が厳しい通常の住宅ローンよりも借入総額が高くなるため、金融機関の審査は当然厳しくなります。年収はもちろん、勤務先の規模、勤続年数、健康状態、団体信用生命保険への加入など、あらゆる要素が審査基準になることを覚えておきましょう。【注意点2】返済期間を延ばすと危険住み替えを検討するのは、マンションを購入してから少なくとも10~20年以上経過してからという人が大半でしょう。30代前半でマンションを購入したとしたら、住み替え時には40代以上ということになります。初めて購入した時の感覚でローンの返済期間を30年や35年に設定してしまうと、返済完了時には70代を迎えることになってしまいます。定年退職後もローンが続くと経済的負担はかなり大きくなるので、安易に返済期間を延ばすのは危険が伴います。【注意点3】毎月の返済額が高くなるかといって、返済期間を短くすれば毎月の返済額は割高になります。逆に言えば、ローンの返済額が高くなることによって支払いに支障をきたすようであれば、購入するマンションを見直すか、なんとか現在のローンを完済するなどの対応が必要ということです。例えばマンション購入時よりも世帯年収が増えているなど、経済的な余裕がある場合は返済額が増えても支払い自体には問題ないでしょう。ただし、支出が増えることは間違いないので、せっかくより良いマンションに住み替えたのに生活が苦しくなってしまった……という事態になっては本末転倒です。「買い替えローンがあるから大丈夫」と安易に買い替えを決めるのではなく、現在の家庭の経済状況を鑑みた慎重な資金計画を立てるようにしましょう。まとめ住み替えの際に、ローンを一括で完済できることに越したことはありませんが、必ずしも住宅の売却だけで賄えるとは限りません。住み替え住宅ローンは、そうした一人ひとりの状況に合わせて選べる選択肢のひとつ。住み替えで担保割れしてしまう場合は、一度検討してみると良いでしょう。まずはマンションの価格を無料査定してみる
2017年11月13日こんにちは、ママライターのましゅままです。住宅ローンの借り換えは、住宅ローンの返済をうまく減らしていくための重要な手段。しかし、せっかく借り換えをしたのに、やり方を間違ったために大きく損をしてしまった……なんてこともあるのです。今回は、住宅ローンの借り換えのポイントと注意点についてご紹介します。●住宅ローン借り換えポイント住宅ローンは以下の条件3つを満たす方に効果が出るといわれています。・新規借入との金利差が年1.0%以上・借入残存期間が10年以上・ローン残高が1,000万円以上現在は歴史的低金利となっており、必ずしも3つの条件を満たしていなければ損、というわけではないので、現在借りている金利より安いようなら検討の余地があります。まずは、借り換えることで経済効果がわかる、“借り換えシュミレーション”をしてみましょう。毎月の支払いが万単位で低くなり、総支払額が数百万単位で節約できる 効果が期待できることもあります。●住宅ローン借り換えの注意点3つ●(1)1つの債務に対して、債務残高が500万以上ないと借り換えられない銀行もあるペアローンで組まれている方は特に注意。銀行によっては、借り換えの際債務残高の上限を設けている ところがあるのです。たとえば、夫が債務残高500万・妻が300万という場合、妻の残高が500万に満たないため、借り換えを断られてしまう銀行が多くなってしまうのです。●(2)団信の補償は借入時より手厚く借り換えをするということは団信や火災保険もすべてリセットされることになります。当然健康状態は借入時よりも懸念材料が多くなり、疾病に対する現実味も増していますよね。金利ももちろん重要ですが、団信を借入時より手厚く、最低でも現状維持の条件 の銀行を選ぶようにしましょう。●(3)銀行のシュミレーションを鵜呑みにしない銀行は自分の銀行に借り入れをしてもらうために、借り入れ当初はとても安い金利を提示してきます。しかし、当初優遇が終わったのちは前の銀行のほうがお得な金利だった、なんて事態もありうるのです。とくに安い変動金利は、いつまでも続く保証はない ので、そのリスクも加味する必要があります。●住宅ローン借り換え体験談『ガン特約があった銀行から、金利の安さにひかれて借り換えをしましたが、借り換え先はガン特約がありませんでした。なのに、借り換え後に主人に悪性腫瘍が見つかり、ショックを受けました。借り入れ当初から20年経っていて、健康状態がまるで違う ということを思い知らされました』(50代/主婦)現在、金利はどこの銀行も安く、融資金利以外のメリットもよく検討する必要があります。また、現在借り入れている銀行に、安い他行へ借り換えるようとしていることを話し金利交渉をすると、借り換え先よりも優遇された条件に恵まれることもあるようです。『借り換える際、諸費用がいることはわかっていましたが、借り換え先の諸費用ばかり気にして、前の銀行にし支払う諸費用が盲点 でした。数万円程度ですが、完済手数料や抵当権抹消の手数料などです。購入の際同様に事前審査があり、提出する必要書類がとても多く疲れました』(40代/営業)借り換え先の銀行からは、前の銀行に支払う金額のことまでは説明してくれることは少ないので、忘れずに計算に入れておきましょう。また、単に借り換えと言っても、事前審査の手続きを踏んだのち、前の銀行のローンを借り換え先の融資でいったん全額返済するという流れをこなすので、たくさんの書類を用意し、記入し、いくつも印鑑を押す手間がかかります。『少しでも返済を楽にしようと、当初優遇金利の低さにひかれて、飛びつくように借り換えをしました。しかし、優遇金利の期間はごくわずか。それが終わると前の銀行のほうが返済額が安く済んだ 、ということが分かってしまいました』(30代/主婦)銀行の提示する当初優遇金利は、とても安く謳ってあっても、その期限が切れてからはどのように金利が上がるのか確認しておく必要があります。また、固定金利から安い変動金利に借り換えた場合、上がってしまった金利に備えられないという事態も考えられますので要注意です。●住宅ローンの借り換えは労力が必要いかがでしたか?住宅ローンの借り換えは多くの時間と労力を要します。そこまでしたのに「結局、総支払額は前のほうが少なく済んだ……」ということは防ぎたいですね。長い住宅ローンの返済は、少しでもラクにしたい!という心理が働くものですが、慎重にすすめるようにしましょう。【参考リンク】・住宅ローンの借換えをご検討のかたへ | 住信SBIネット銀行()●ライター/ましゅまま(ママライター)●モデル/前田彩(桃花ちゃん)
2017年09月18日車の維持費は思った以上に家計を圧迫するものです。効果的な節約方法があればぜひ実践したいですよね。また普通車と軽自動車それぞれの場合の維持費を比較して、車の買い替えを検討するのも手かもしれません。今回は車の維持費について詳しく解説していきましょう。■車の維持費の内訳は?車の維持費としてはどのようなものがかかってくるのでしょうか。以下で内訳を見てみましょう。【自動車税(軽自動車税)】自動車税は、車を所有するすべての人に対してかかる税です。車を持っている人はナンバープレートを登録することにより納税義務者となります。納税額は自動車の排気量によって決まります。後述する軽自動車を除いた1,000cc未満から6,000cc超まで500ccごとに納税額が変わる仕組みです。さらに自家用か営業用か、貨客兼用車かなどによっても納税額が変わってきます。納税先はナンバープレートを取得した都道府県です。納税方法は、毎年1回納税通知書が送られてくるため、その内容にしたがって納税します。軽自動車の場合は、自動車税とは別に軽自動車税を支払います。軽自動車税の対象となる法律上の「軽自動車等」の定義は、660cc以下の自動車および二輪車、小型トラクターなどの小型特殊自動車です。納税額は自動車税と同様、排気量によって決まります。納税先は市町村です。納税方法は、毎年1回送られてくる納税通知書にしたがいます。【自動車重量税】自動車重量税は自動車の重量区分にもとづいて課税される税金です。もともと、「重い車が走ることによる公道の劣化を補填するための税」という位置づけで、使途も道路特定財源に限られていました。ただし現在では道路特定財源が一般財源化されているため、使途は限定されていません。納税対象は公道を走るすべての車です。車を持っているだけでは課税されませんが、車検を通すために自動車重量税を払う必要があるため、必然的に公道を走る車はもれなく納税することになります。納税額は自動車の重量によって決まります。普通車は500キログラム以下から3,000キログラムまで、500キログラムごとに6段階の納税額が設定されています。軽自動車は重量によらず一定です。なお自動車重量税にはエコカー減免があり、エコカー以外では車を所有する年数によって納税額が上がっていきます。納税方法は、車検のときに車検料金とあわせて納税します。【自賠責保険料】交通事故を起こしてしまった際に被害者へ保証するための保険です。自動車を取得した人全員に加入が義務づけられています。車検のタイミングで車検料金と一緒に支払います。【自動車保険料】交通事故に対する損害賠償に備え、任意で加入する保険です。自賠責保険だけでは補填できないことも多いため、加入がすすめられます。【車検費用】おもに検査・登録費用、車検整備・点検費用、登録代行費用がかかります。また劣化した部品を交換する必要が出てきた場合には、その際の部品代もかかってきます。【燃料費】自動車の燃料となるガソリンの料金です。【駐車場代】駐車場を借りる場合に必要な料金です。一般的に月極めで支払います。【日常点検・整備費】消耗品や修理、点検にかかるお金です。おもな消耗品には、エンジンオイルやタイヤが挙げられます。洗車を依頼する場合にはその料金も含まれます。■普通車と軽自動車の維持費を比較すると?車の維持費を考えるとき、軽自動車のほうが普通車より安く抑えられるというイメージがあるかと思います。実際にはどのくらい維持費が違ってくるのでしょうか。以下で1年間にかかる費用を比較して見ましょう。なお普通車は2,000ccクラスの想定です。ガソリン代は年間10,000キロの走行距離で、1リットル当たり140円のガソリン代、燃費はリットル当たり15キロという数字で試算しています。駐車場代は月10,000円とします。自賠責保険料と自動車重量税は2年分をまとめて払うことになっていますが、2で割って1年分を算出します。【普通車の場合】自動車税は、排気量1.5リットル超~2リットル以下の車で39,500円です。自動車重量税は、1トン超~1.5トン以下でエコカー減税対象外、登録から13年未満の車の場合は、2年間で24,600円、2で割って1年で12,300円の計算になります。自賠責保険料は15,520円です。自動車保険料は一般的な契約内容で考えた場合70,000円程度になります。車検費用は60,000円程度が目安です。燃料費は、10,000キロ÷15×140≒93,000円程度になります。駐車場代は、10,000円×12か月=120,000円です。日常点検・整備費は多めに見積もって年間50,000円程度かかります。合計は460,320円です。【軽自動車の場合】軽自動車税は平成27年4月1日以後に最初の新規検査をした場合、年間10,800円です。自動車重量税は、エコカー減税対象外で登録から13年未満の場合、年間6,600円÷2=3,300円の計算になります。自賠責保険料は15,130円です。自動車保険料は一般的な契約内容で50,000円程度です。車検費用は40,000円程度になります。燃料費は普通車の場合と同様に計算して約93,000円です。駐車場代も普通車の場合と同様に計算して120,000円です。日常点検・整備費は多めに見積もって年間30,000円程度になります。合計は362,230円です。【普通車と軽自動車の違い】以上を見てみると、税金関係、保険料、車検費用、日常点検・整備費など、軽自動車のほうが安く抑えられていることがわかるでしょう。年間98,000円程度差があります。毎月10,000円未満の差ですが、積み重なると大きな差になるでしょう。■都内と全国平均の維持費の違いは?維持費のうち、駐車場代と自動車保険料は地域差があります。以下で詳しく見ていきましょう。【駐車場代】駐車場代は地代によって変化するため、地域差があります。都道府県別に平均の駐車場代を見てみると、都市部ほど駐車場代が高くなっているのがわかります。もっとも高い東京では30,000円超、次いで大阪は20,000円台後半です。また宮城、千葉、埼玉、神奈川、愛知、広島、京都などが10,000円台となっています。その他の地域は4,000円台~6,000円台で、都内と比べると25,000以上の差があることがわかるでしょう。なお同じ都道府県内でもエリアによって駐車場代は異なってきます。たとえば東京都内でもっとも駐車場代が高いのは港区や中央区で、月50,000円程度かかってきます。これに対して荒川区、葛飾区、練馬区などは料金が低めで、月20,000円程度です。【自動車保険料】自動車保険料は、加入者ごとに事故リスクが細かく分析されて算出されます。その際、地域も事故リスクの分析対象になっているため、地域ごとに保険料が変わる仕組みです。たとえば東京都の平均自動車保険料は48,536円となっています。47都道府県のなかでもっとも自動車保険料が高いのは愛知県で、平均53,698円です。一方もっとも保険料が低いのは沖縄県で38,770円という調査結果でした。このように地域によって10,000円以上の差が出ることがあるのが現状です。■必見!車の維持費を節約する方法!車の維持費はどう節約すればいいのでしょうか。税金や駐車場代などは節約が困難ですが、その他の項目については以下のように節約が可能です。詳しく見ていきましょう。【自動車保険の節約】自動車保険は適宜見直しをしましょう。最初に保険を申し込んだときに比べて、より現状に見合った保険が出てきている可能性もあります。場合によっては、月々の保険料が10,000円近く安くなることもあり、定期的なチェックが必要です。なお自動車保険を抑えるには、代理店を通さず申し込むのもおすすめです。「ダイレクト系」の保険と呼ばれ、電話やインターネットなどで直接申し込めます。【車検費用の節約】車検費用は申し込む事業所によってさまざまです。相見積もりを出し、安い事業所を厳選して申し込むようにしましょう。一般的に、ディーラーは安心感があるかもしれませんが、車検料金は高めです。フランチャイズ店やカー用品店、ガソリンスタンドなどは料金を安く抑えられたり、割引キャンペーンを利用できたりします。また民間の整備工場に当たってみるのも手です。さらに最近ではユーザー車検も注目を集めています。ユーザー車検とは、車の所有者自らが検査場に行って車検に通すシステムです。手数料がかからず法定費用のみであるため、車検費用を安く抑えられます。ユーザー車検を受けるためには、自動車検査証、自賠責保険証明書、自動車納税証明書、自動車重量税納付書などの必要書類を集め、インターネットで申し込みましょう。【燃料費の節約】ガソリン代を節約するためには、まず安いガソリンスタンドを利用するのが基本です。特にセルフスタンドは人件費を抑えられるため、1リットル当たり1~5円安くなっています。またガソリンスタンドでは、プリペイドカードやクオカードを活用しましょう。たとえばクオカードであれば、5,000円のカードで5,050円分、10.000円のカードで10,150円分使えるなど、数円分お得になることがあります。さらに車の走らせ方で燃費をよくすることも大切です。アイドリングストップを徹底する、急発進や急加速をやめる、エンジンブレーキを活用するなどして、燃費の向上に努めましょう。ガソリンを入れるたびに燃費を記録して意識するだけでも効果が期待できます。整備をきちんとしておくことも燃費の向上につながります。エンジンオイルの劣化やタイヤの空気圧不足は燃費を悪くしてしまいます。エンジンオイルは走行3,000キロから5,000キロで交換しましょう。またタイヤの空気圧はガソリンスタンドに行ったときなどにこまめにチェックしてください。なおもし古い車で燃費が悪いなと感じたら、燃費のよい車に買い替えるのもひとつの手です。初期費用はかかりますが、長い目で見て節約できる方法を選ぶのも重要でしょう。【日常点検・整備費の節約】急を要する修理の場合は別として、消耗品を買ったり定期点検を行ったりする際は、比較して安い店を利用するのが基本です。なかでもインターネットを利用すると費用を安く抑えられる傾向にあります。ポイントを上手に活用したり、オークションを活用してみたりするとよいでしょう。また自分でカーメンテナンスをするのも有効な方法です。洗車やワイパーゴムの交換といった気軽なところから始めてみましょう。また少し知識をつければ、タイヤに空気を入れたり、エンジンオイルやバッテリーを交換したりということもできるようになります。ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。【その他高速道路代などの節約】高速道路代はETCを活用して節約しましょう。ETCには時間や曜日ごとに割引があります。おもな割引の時間は以下のとおりです。高速道路を利用する際は、この割引の時間帯や曜日を中心にするとよいでしょう。・平日朝夕割引:地方部で、平日朝6時~9時、夕方17時~20時に割引されます。ETCマイレージサービスに登録している人限定ですが、利用回数に応じて無料通行分がつくお得な割引です。・休日割引:地方部で土曜・日曜・祝日に30%割引されます。普通車と軽自動車等限定です。・深夜割引:すべての車種について、毎日0~4時に30%割引されます。■まとめ今回は車の維持費について、その内訳や節約方法を詳しく解説しました。いかがでしたか?これまでなんとなく納税通知や請求書にしたがって維持費を払っていた、という人は、維持費の内訳を意識するだけでも費用を節約できるかもしれません。さらに今回ご紹介した節約方法もぜひ実践してみましょう。維持費を抑えて、負担の少ない快適なカーライフを過ごしてみてくださいね。
2017年05月12日車両盗難や車上荒らしなど、車を狙った被害は後を絶ちません。このような被害では貴重品や車が盗まれるだけでなく、ローンだけが手元に残ってしまったり、盗まれた運転免許証やクレジットカードを悪用されたりなど、さらに被害が拡大する可能性もあります。今回は近年の車を狙った被害について、狙われやすい車種や被害件数の多い場所、時間帯など様々な観点からご紹介します。ご自身が被害者にならないためにもぜひ参考にしてみてください。車両盗難被害の多い車種は?被害に遭いやすい車種には傾向があります。以下では、2014年に盗難被害件数の多かった車種のワーストランキングを見てみましょう。【ワースト1位】トヨタハイエース2014年時点で7年連続のワースト1位は、海外で人気の高いハイエースでした。海外の窃盗団による被害が非常に多く、盗難されたハイエースが海外現地でバスとして使用されていることも少なくありません。【ワースト2位】トヨタプリウスハイエースと並んで盗難被害の定番になっているのが、プリウスです。近年はハイブリットカーやコンパクトカーの人気が高まり、ランキング翌年の2015年には1位のハイエースの盗難被害件数を上回りました。【ワースト3位】トヨタランドクルーザーこちらも海外で非常に人気の高い車種で、これまでに何度もワースト1位を記録しています。高級車でもあるため、十分な防犯対策が必要な車です。【ワースト4位】トヨタセルシオ現在は販売が終了していますが、人気が衰える様子はなく未だ盗難被害が頻発している車種です。【ワースト5位】トヨタクラウン知名度の高さからも人気をうかがうことができます。盗難件数が毎年比較的多く、今後も被害が高いと予想されている車種です。上記のランキングを見て、盗難被害は圧倒的にトヨタメーカーが多いことにお気づきでしょうか?トヨタは特に海外で人気が高く、ランキング6位以降にも「マークX」や「ハリアー」などトヨタ車の名前が挙がっています。そのほか、「スバルインプレッサ」「いすゞエルフ」「ホンダインテグラ」も盗難件数が多く、「インプレッサ」は車体だけではなくパーツが狙われることもあるほど人気があります。ただし、上記のランキングにご自分の車種が無かったからと言って油断は禁物です。ハイブリットカーやコンパクトカーをはじめ、軽自動車やミニバンの盗難被害も近年は増えつつあるので、車種に関わらず防犯対策はしっかりと行いましょう。愛車が盗まれるかも?!車両盗難の手口を知ろう車両盗難は、無施錠などによって車の鍵を挿した状態で盗まれる「キーつき盗難」と、鍵を抜いて施錠した状態で盗まれる「キーなし盗難」に分けられます。盗難の被害に遭う車のうち半数以上が「キーなし盗難」とされており、その被害件数は年々増加傾向にあります。犯行はグループで行われていることが多く、盗難の計画から実行、盗難後の車体修理や改造、転売まで多くの段階を踏んでいます。盗難車はナンバープレートを替えたり、車体番号や車検証を偽造したりして国内で転売されることも多いようですが、海外への不正輸出も増えています。では、キーなし盗難には具体的にどのような手口が見られるのでしょうか?以下で詳しく見てみましょう。【手口その1】持ち逃げクレーン車やレッカー車などで狙った車を吊り上げ、移動するという非常に大胆な手口です。この手口は、防犯装置が備わった車に使用されるケースが多くなっています。【手口その2】ピッキングドアのキーシリンダーに金属でできた特殊なヘラのようなものを2本差し込み、開錠する手口です。さらに特殊な工具を使えばエンジンを作動させることもできるので、車の鍵が無くても持ち去ることが可能です。同じ手口でターゲットの玄関を開錠して侵入し、あらかじめ車の鍵を盗んでおく場合もあります。【手口その3】合鍵を作成トランクに備わっているキーシリンダーを取り外し、それを利用して合鍵を作る手口です。別の場所に合鍵を作りに行く方法が主流ですが、その場で合鍵を作って車を盗み出すケースもあります。上記のような車両盗難を防ぐためには、「イモビライザー」の装備がおすすめです。イモビライザーとは、車の鍵に内蔵されたIDと車体内部のコンピューターが一致することでエンジンが作動する仕組みです。電子的な照合が必要なので、たとえ不正に車のドアを開けることができても、正しいIDが内蔵された鍵が無い限りエンジンはかかりません。そのため、車両盗難の防止装置として非常に安全性が高いと評価されています。これまでは、高級車やスポーツカー以外は後付けタイプを購入するのが一般的でしたが、最近では新車の約7割がイモビライザーを標準装備しています。しかし、近年では上記でご紹介した持ち逃げによる犯行や、イモビライザーの機能を無効にする「イモビカッター」を使用した犯行もあるため、イモビライザーを装備しているからといって過信してはいけません。GPS機能の搭載や防犯カメラの設置など、防犯対策は常に怠らないようにしましょう。車上荒らしの傾向を知ろう近年の車上荒らしの発生件数は、2004年が約440,000件だったのに対し、2015年は約97,000件と4分の1近く減少しています。この数字は社会全体での防犯意識が高まったことを表しています。主な要因としては街に防犯カメラが増えたことや、車の持ち主による防犯対策が挙げられます。また、2006年の道路交通法改正によって、路上などの違法駐車に対する取り締まりが強化され、路上での犯行が減ったことも大きく影響していると言えるでしょう。しかし、被害件数が減少しているとは言え、車上荒らしの被害は毎日のように全国各地で報告されています。そのような被害の傾向を知ることも防犯対策のひとつではないでしょうか?そこで、近年に発生した車上荒らしの被害について様々な傾向を見てみましょう。【車上荒らしの多い都道府県】2015年の車上荒らし被害のうち最も件数の多かったのは大阪府で、被害件数は約17,000件でした。次いで被害が約9,000件の愛知県、約7,000件の東京都と続きますが、この2つと比べても大阪府の被害件数の多さがうかがえます。反対に同年の被害件数が最も少なかったのは、被害が約180件の島根県でした。【車上荒らしに狙われやすい場所】車上荒らしの被害が多かった場所は、「自宅以外の駐車場」「自宅の駐車場」「道路上」の3ヶ所でした。中でも、長時間側を離れることが多い飲食店など、店舗の駐車場での被害が多く、同じ理由で屋外にある月極の駐車場でも被害が目立ちました。また、魚釣りやサーフィンの盛んな場所では、路上に停めた車に貴重品などを置いたまま海辺へ移動してしまい、被害に遭う方が多いようです。「ここは安全」「自分は大丈夫」と油断せず、狙われるかもしれないという意識をいつも持っておいた方が良いでしょう。【車上荒らしで盗まれやすい物】盗難の被害に遭ったものとして、金銭や携帯電話、カバンなどの貴重品をイメージされる方が多いのではないでしょうか?ところが2015年に起きた車上荒らしの報告では、最も多く盗まれたものはタイヤやドアミラー、バンパーなどの「外装部品」でした。外装部品は高く売れるため、転売目的で盗まれることが多いようです。金銭類などと違って犯行に時間を要する場合が多いため、駐車場に防犯カメラやライトを設置しておくと防ぎやすくなるでしょう。【車上荒らしに狙われやすい時間帯】被害に遭う時間帯は0~6時が約1,600件、6~12時が約3,200件、12~18時が約5,500件、そして18~0時が約4,400件であるのに対し、時間帯が不明というものが約98,000件もありました。「朝仕事に行こうとしたら車上荒らしの被害に気がついた」「被害には気がついたけれど、いつ被害に遭ったか分からない」など、明確な犯行時間が分からないケースは多く見られます。長時間車から離れた場合には、乗車時にいつもと変わった所がないか、無くなったものはないかなど異変をチェックすることが大切です。【車上荒らしの曜日別発生件数】2014年の被害報告をもとに、車上荒らしの被害を曜日別に見てみましょう。・月曜日…約6,400件・火曜日…約6,400件・水曜日…約7,000件・木曜日…約6,600件・金曜日…約6,500件・土曜日…約7,000件・日曜日…約7,000件曜日による件数の差はあまり無いように思えますが、実は「被害に遭った曜日が分からない」といった被害が約66,000件もあります。時間帯より大きな単位であるにも関わらず、なぜいつ車上荒らしの被害に遭ったのか分からないのでしょうか?それは犯行の手口が関係しています。車両盗難と同じく、車上荒らしの手口もとても巧妙です。窓ガラスが割られたり、ドアを壊したりなどして被害に遭った場合には早い段階で被害に気付くことができますが、ピッキングや合鍵による被害の場合は数日経って初めて異変に気付くこともあります。特にトランクやダッシュボードなど、あまり開閉しない場所が荒らされていたために発見が遅れ、いつ被害に遭ったのか分からないという方は多く見られます。防犯対策のポイントを押さえよう大切な愛車を被害から守るためには、徹底した防犯対策が重要です。防犯が習慣になるよう、日頃から意識しておくようにしましょう。以下では、車上荒らしに遭わないための対策をご紹介していきます。【対策その1】確実に施錠をする施錠は防犯の基本です。車を離れる時にはキーを抜いてハンドルロックやドアロックをするのはもちろん、窓も完全に閉めましょう。コンビニなど車を離れるのが短時間の場合には、つい油断をして無施錠のまま店に入ってしまう方も見られますが、車上荒らし犯はどこでチャンスを狙っているか分かりません。少しの隙が被害の原因になってしまうかもしれないので、気をつけましょう。【対策その2】車内に貴重品を置かない短時間だからといって、車内に現金やカバン、パソコンなどの貴重品を置いたまま離れるのは危険なので止めましょう。また、金品でなくても個人情報が記載された書類なども要注意です。【対策その3】防犯グッズを活用する次はホームセンターやインターネット通販などで手に入る、便利な防犯グッズをご紹介します。・ロック(ハンドル/タイヤ)安い費用で防犯対策になるのが、ハンドルやタイヤのロックです。防犯対策をしていることが見た目で分かるので犯罪の抑止力になります。ハンドルロックは3,000円程度、タイヤロックは10,000円程度で購入できます。・防犯カメラ駐車場に防犯カメラを設置する方法も効果があります。犯罪の防止になるだけでなく、万が一被害に遭ってしまった場合にも、犯人や車の早期発見につながる可能性が高まります。無線LANで映像をパソコンやスマートフォンに送って確認できるタイプもあり、7,000円程度で購入できます。防犯性に優れていますが電源の確保が必要なので、駐車場によっては設置が難しい場合があります。カメラの設置が難しい場合には、ダミーカメラや「防犯カメラ作動中」などのシールによる警告も効果的です。ダミーカメラは2,000円程度で販売しています。・防犯アラーム車の振動やドアを開けられた時などに大きな音が鳴る防犯アラームは、相手を威嚇するという面でとても効果があります。車両盗難はもちろん車上荒らしの対策としても使え、費用も3,000円程度と安く抑えられるのでおすすめです。【対策その4】スペアキーを置かないスペアキーをバンパーの裏やダッシュボードなどに隠す方も見られますが、車上荒らしだけでなく車両盗難につながる可能性もあるので、この行為は非常に危険です。スペアキーは自宅に保管しておきましょう。【対策その5】安全な駐車場を選ぶできるだけ防犯カメラのある駐車場や、警備員のいる安全な駐車場を選びましょう。長時間車を離れる時には路上駐車もリスクになります。自宅のガレージにはライトを付けるのも良いでしょう。ホームセンターなどでは、1,000~5,000円程度で購入できるものもあります。【対策その6】防犯情報の配信メールを活用する各都道府県警が配信している防犯情報メールの配信サービスに登録をしておくと、住んでいる地域の犯罪情報や防犯情報などをメールで受け取ることができます。各都道府県警のホームページから簡単に登録できるので、積極的に活用してみましょう。まとめいかがでしたか?どれだけしっかりと防犯対策をしていても、被害に遭ってしまう可能性はゼロではありません。もしもの事態に備え、車のナンバーや車台番号、車種、車の特徴をすぐに伝えられるよう手元に控えておいたり、車検証のコピーを取っておいたりすると良いでしょう。大切な愛車を守るために、できることから始めることが大切です。
2017年03月30日自動車保険の乗り換えどきは、今加入している保険を高いと感じたとき。しかし、いざ乗り換えようと思うと気になってくるのは、いま加入している自動車保険の解約です。実は保険が満期を迎える前に乗り換えると、思いがけないところで損をすることがあります。そこで今回は、自動車保険を満期前に解約する際の注意点と、ベストな乗り換えタイミングについて解説していきましょう。自動車保険を途中解約すると返戻金はある?任意加入の自動車保険は、1年間まとめて前払いする契約で加入している人が多いのではないでしょうか?加入から1年経っていない満期の前に保険を解約すると、一般的な保険ではお金が返ってきます。これは加入していない保険期間の前払い分が返金されるものであり、「返戻金」と呼ばれています。新しい保険に加入するときの元手にもなるため、保険乗り換えのタイミングでお金を受け取れるのは嬉しいところです。しかし、払戻金は「月割り計算」にはなりません。例えば、年間100,000円の自動車保険に加入した6ヶ月後、満期まであと半分のところで保険を解約する場合は、月割りで半分の50,000円が戻ってくるはずです。しかし、実際に払い戻しされる金額は30,000円程度になるでしょう。これには、自動車保険の中途解約にかかるペナルティ「短期率」が関係しています。短期率とは短期率とは、全ての自動車保険で適用される中途解約に対する返戻金の計算方法です。満期前の解約の際、保険会社は前払いされた金額から短期率をかけた分を取り、残りを保険加入者に払い戻します。短期率は加入期間に合わせて、階段式にパーセンテージが上がります。掛け率は保険会社によって変わりますが、全ての保険会社で共通するのは「早く解約したほうがより損をする仕組み」になっていることです。加入7日後の解約の場合、短期率は10~15%であることが多くなっています。6ヶ月後の解約の場合は、70%程度。11ヶ月後には90~95%になります。例えば、年間100,000円(1日あたり保険料274円)の保険に加入すると、返戻金は以下のようになります。・加入の7日後(短期率15%)に解約する場合…返戻金85,000円、保険会社への支払い金額15,000円、1日あたり保険料2143円・加入から6ヶ月(短期率70%)で解約する場合…返戻金30,000円、保険会社への支払い金額70,000、1日あたり保険料383円・加入から11ヶ月(短期率95%)で解約する場合…返戻金5,000円、保険会社への支払い金額95,000円、1日あたり保険料285円携帯電話の2年縛り契約を解約するときなどに請求される「違約金」とはお金の流れが異なるため、負担している実感がわきにくいのですが、「予想より返ってくる額が小さい」ということは「予想外の出費」を意味するでしょう。自動車保険の中途解約には、金銭的なペナルティがあると考えることが大切です。さて、ここで短期率だけを見ると「満期が近づけばいつ解約しても構わない」ような気がしてきませんか?しかし、「ほとんど満期」のタイミングでの中途解約には、短期率以外のデメリットが見られます。自動車保険を途中解約するデメリット返戻金の短期率以外にも、自動車保険の満期前解約にはデメリットがあります。以下で詳しく見ていきましょう。【その1】新保険に加入できない可能性もある具体的な例としては、現在の契約中に等級ダウンとなる事故を起こしていた場合です。特に直近で事故を2回以上起こした人や、3等級以下の「割増等級」になっている人の場合、保険会社から引き受けを断られる可能性があります。割高でも現在の保険契約を継続し、無事故での満期更新を何年か繰り返して、等級が6以上まで戻ってからの乗り換えを検討しましょう。【その2】保証内容の変更に注意過去に入っていたお得な特約が、現在の保険で販売されていない場合があります。過去の契約を継続している期間中は特約も適用されていますが、保険の乗り換えによって新しく契約するときに、廃止された特約をつけることはできません。具体的な例をあげると、事故を起こしても等級が下がらないようにする「等級プロテクト特約」や、同居する子どもに合わせて運転者全員の年齢制限を引き下げなくても済むようにする「子供特約」などです。これらはかつて人気の高い特約でしたが、保険会社にとって収益性が悪いため、現在では販売が終了している可能性があります。【その3】等級アップが遅れる自動車保険料の負担額に大きく関わるのが「等級」です。保険の契約期間中、無事故で満期を迎えると次回の更新で等級が上がり、等級に応じた保険料の割引を受けることができるようになります。特に保険に入りたてで等級が低い人は、一刻もはやく等級を上げて割引を受けたいところでしょう。自動車保険の等級は、保険加入のタイミングからカウントが始まり、満期をもって反映されます。つまり、自動車保険を満期前に解約すると、等級のカウントがリセットされてしまうのです。等級が上がって保険料の割引を受けられるのは、新しく加入した保険が満期となる一年後になるでしょう。では、割引を受けられない期間の保険料を出費として具体的に計算すると、差額はどの程度になるでしょうか?等級割引はすべての保険会社で共通して、以下のように設定されています。・6等級…19%・7等級…30%・8等級…40%・9等級…43%たとえば6等級で100,000円の保険に加入する場合、6等級と7等級の差は11%、つまり11,000円です。保険の満期前乗り換えによって等級のカウントがリセットされると、この割引が受けられなくなります。等級は満期のたびに1つずつしか上がらないため、翌年以降も影響は続き、4年単位で見ると24,000円ほどの差が出ます。さらに、万が一事故を起こしてしまったときの、等級ダウンによる保険料値上がりの影響も大きくなるでしょう。「速やかに保険を乗り換えたい、ただし等級アップも急ぎたい!」という場合は、乗り換え先の保険に「保険期間通算特則」という特約があるかを確認しましょう。この特約をつければ、等級のカウント期間を通算できます。乗り換え前の保険が満期になるタイミングに合わせて新保険を短期契約することで、乗り換え先での等級アップを最速化できます。自動車保険を中途更改したときの扱いは?等級の引き継ぎはどうなる?自動車保険を満期前に中途更改した場合、それまでの等級は引き継がれます。ただし、解約前の等級によって、引き継がれる期間や条件が異なります。以下で詳しく見ていきましょう。【ケース1】等級が6以上の場合6等級以上の「割引等級」の場合は前契約を解約した後、7日間に限って等級の引き継ぎができます。8日目以降の新規加入は基本的に「6等級」にリセットされてしまいます。無事故無違反の状態で長期間自動車を運転し、最高の20等級で割引を受けていた人でも、特別な手続きをせずに無保険状態が7日間を過ぎると、次の契約からは6等級になってしまいます。それでは、20等級から6等級にリセットされた場合、割引率の違いによる保険料の差はどの程度になるでしょうか?6等級の割引率は19%、20等級の割引率は63%です。100,000円の保険に加入する場合、6等級の場合の支払い金額は81,000円、20等級の場合は37,000円です。その差額は44,000円であり、実に2倍以上の差になります。また、等級は1年に1つしか上がりません。6等級から20等級に戻るためには、最短でも14年間は無事故で更新を続ける必要があります。その間の出費をずっと20等級で割引を受け続けた場合と比較すると、トータルの差額は246,000円にもなります。日頃から生活の中でクルマを使っている人は、無保険期間を作らないためと等級引き継ぎを確実に行うため、現在の保険の解約日と新しい保険の契約日を必ず揃えましょう。【ケース2】等級が5以下の場合5等級以下の場合、解約後7日を過ぎても6等級へのリセットはされません。保険解約後13ヶ月間は履歴が残り、他社の保険に乗り換えるときも引き継がれます。14ヶ月目以降には悪い等級の履歴が消えるため、6等級に戻って新規で保険に加入することができるようになります。悪い等級を引き継ぎたくない場合は、13ヶ月間車に乗らないことを検討してみましょう。【ケース3】7等級以上の特別な処置「中断」7等級以上のドライバーで「海外への長期赴任」や「車を手放す」といった事情のある方に向けて、保険会社は「中断証明書」を発行しています。中断証明書とは、名前の通り「保険の一時中断」を証明する書類です。中断証明書は保険を解約する時点で、保険をかけていた車が「車検が切れている」「すでに売却済み」などの理由から乗れない状態になっていることを条件に、保険解約から13ヶ月以内の申し込みによって発行されます。中断証明書の有効期限は10年間です。発行から10年以内に車を買い替えれば、中断されていた等級からの保険加入が可能になります。自動車保険を満期前に解約してメリットがあるケース以上から、自動車保険の解約はよほどのことがない限り、満期で契約更新をするタイミングに合わせたほうが良いことが分かります。しかし、上記のペナルティを受けたとしても、中途更改によってメリットが生じる場合もあります。では、どのようなメリットが生じるのか詳しく見ていきましょう。【その1】見積の結果、とても大きな差が出た返戻金の短期率や等級アップの遅れによる損を考えても、トータルの出費が抑えられるのであれば、それは乗り換えても全く問題のない「お得な保険」です。目安としては、概算見積で現在の保険料から15%以上の値下がりがある場合は、満期前の乗り換え検討をしても良いでしょう。6等級(19%割引)で中途更改した際、等級アップが遅れて20等級(63%割引)になるまでに支払うおおよその差額は、年額保険料のおよそ45%となります。返戻金の短期率にもよりますが、乗り換え後の保険料が15%以上安くなれば、その契約を3~4年程度継続することで中途更改のコストをペイできる計算になります。なお、満期前に乗り換えることで、保険契約やその後の対応に差が出ることはありません。「高いけれど、お世話になってきた保険会社に申し訳ない…」といった人情は、この際忘れてしまいましょう。【その2】車を買い替えた車の買い替えで新車を購入した場合、保険乗り換えのメリットが増します。新車は大切に乗る人が多いことから事故率が低く、保険の使用率も抑えられています。新車ドライバーは保険会社にとって優良な顧客ということになり、保険会社によっては「新車割引」がつきます。新車割引は「購入後25ヶ月以内の保険契約」を対象にしているので、車の購入と同時に保険契約をすれば、最長で3年間の新車割引を受けることができます。細かい内容は保険会社によって異なりますが、5~10%程度お得になります。車の乗り換えに合わせて、保険の乗り換えを検討してみても良いでしょう。【その3】等級が高い、満期が近い現在の等級がすでに充分高く、等級アップを焦らなくても良い場合は、保険乗り換えのハードルが下がります。目安としておすすめしたいのは、11等級(47%割引)以上です。11等級(47%割引)から19等級(55%割引)までは、割引率の伸びは1%ずつになります。100,000円の保険に加入したとすると、11等級から19等級まででお得になるのは「年間1,000円」ずつ。11等級で保険を乗り換え、20等級(63%割引)まで無事故で等級が上がったときの差額は16,000円です。これは10年間かけて等級が上がったトータルの差額なので、実際に負担を意識することはほとんどないはずです。また、等級の高い人は前払いしている保険の金額も低いため、短期率の影響を受けにくいようにできています。例として、18等級(54%割引)の人が100,000円の保険に入り、6ヶ月(短期率70%)で解約したときのケースを計算すると、以下のようになります。・支払い金額…46,000円(100,000円の54%引き)・返戻金…13,800円(短期率70%)・短期率による出費…9,200円(6ヶ月分の実質保険料-返戻金)・等級アップ遅延による割引額の差…10,000円(2年間トータル)・合計の負担額…19,200円この程度の差額であれば、乗り換え先の保険料によっては充分に元が取れてしまうのではないでしょうか?まとめ以上、満期前に自動車保険会社を乗り換える際のデメリットと注意点について解説しました。テレビCMやネットの一括見積などで様々な自動車保険を目にしますが、目先のお得感につられて予想外の損をしてしまわないように気をつけるようにしましょう。
2017年03月27日住宅ローンは多くの人にとって初めてのローンです。審査に通るかが不安ですよね。なかなか通らずに苦戦している人もいるかもしれません。今回は住宅ローン審査について、基準や項目を中心に、審査に通りやすくするためのポイントも含めてご紹介します。■住宅ローン審査の基準・項目住宅ローン審査ではどのような基準や項目が見られているのでしょうか。国土交通省が行った「平成26年度民間住宅ローンの実態に関する調査」では、日本全国の金融機関を対象に、「融資を行う際に考慮する項目」について質問しています。以下は、同調査に対して回答のあった1,407の金融機関のうち、50%以上が「融資を行う際に考慮する」としている項目です。それぞれ解説していきましょう。【完済時年齢・借入時年齢】年齢に関する審査基準については、借入時の年齢が20歳以上65歳未満かつ完済時の年齢が80歳未満、というケースが一般的です。ただし、上記の基準を満たしていれば必ずしも容易に借入できるというわけではありません。たとえば50歳で、返済期間30年のローンを申し込もうとした場合、ほとんどの返済期間が定年後に当たることになり、審査に通りにくくなることが考えられます。返済期間を短くするなどして対処しなければならないこともあるため注意しましょう。【返済負担率・年収】収入に関する基準については、年収そのものよりも返済負担率を見られます。返済負担率とは、1年間の住宅ローン返済額を年収で割った数値のことです。返済負担率の数値が低いほうが返済の負担が軽いことを意味しますので、金融機関は「安心して貸し出せる」ということになります。具体的な返済負担率の基準としては、多くの場合、年収によって25~35%以内に定められています。たとえばある銀行では、年収2,500,000円未満の場合は返済負担率25%以下、年収2,500,000円以上4,000,000円未満の場合は返済負担率30%以下、年収4,000,000円以上の場合は返済負担率35%以下で貸出する、という基準が設けられています。収入が高いから安心、ということではなく、返済期間や借入額との関係もよく考慮してローンの組み立てを考えましょう。【勤続年数と雇用形態】就業状況については、安定して継続的に収入があることが証明できるかがポイントです。雇用形態については一般的に、会社員より公務員、自営業より会社員のほうが「安定している」とみなされる傾向にあります。派遣社員や契約社員は融資対象外とすることが多いようです。また会社のなかでも、中小企業より大企業に勤めているほうが、金融機関の安心度は高めです。勤続年数は長いほど審査に有利になります。基準としては、勤続年数1年以上としている金融機関が多くみられます。3年以上であればより安心でしょう。たとえば大企業に勤めていてもさまざまな会社を転々としている場合は、中小企業で長期間務めている場合よりも審査で不利になる可能性があります。なお自営業の場合も、事業継続年数3年以上が目安です。【健康状態】健康状態は、住宅ローン借入の際に条件となる団体信用生命保険(団信)の加入とかかわっています。団信とは、住宅ローンの返済中に、ローンの契約者が死亡したり高度障害になったりした場合に、生命保険会社が住宅ローン残高に相当する保険金を支払う制度です。団信は生命保険であるため、健康状態が悪いと加入できないことがあります。たとえばがんや糖尿病、高血圧、肝炎である場合や、精神系の病気で通院している場合などは団信への加入が困難です。もし健康状態に不安のある場合は、引受条件緩和型の団信(ワイド団信)を取り扱っている金融機関を当たってみましょう。通常より金利は高くなりますが、病気を持っていても一定範囲内で加入できることがあります。さらに一部ですが、住宅ローンの借入に団信の加入が不要な金融機関もあります。このような金融機関の住宅ローンの場合は、連帯保証人が必要だったり、既存の生命保険でカバーする必要があったりします。なお夫婦で住宅ローンを組む場合は、健康状態の良好なほうの名義でローン審査を出す方法も有効です。【融資率】融資率とは、購入を予定している住宅の価格に対する借入金の割合です。融資率が少ないほうが頭金が多いということですから、審査では有利になります。融資率80%未満がひとつの目安になるでしょう。【カードローンなどの他の債務の状況や返済履歴】カードローンや自動車ローンなど他の借金がある場合は、審査で不利になる可能性があります。これは、先述した基準のひとつである返済負担率が、住宅ローンだけでなくほかの借入に対する返済額も合わせて計算されるためです。借入額が減らされてしまうこともあるため、他のローンはすべて返済してから住宅ローンを組むようにしましょう。またカードローンや自動車ローンなどで返済が滞った履歴があった場合も審査で不利になります。さらに各種ローンだけでなく、クレジットカードや公共料金、家賃、奨学金の支払い遅延・未払いの履歴もチェックされます。なおDVDやCDをレンタルした際の返却の遅延などについても履歴に残るため、小さなことでも注意が必要です。【国籍】多くの金融機関では、「日本国籍を持っていること」もしくは「日本の永住権を持っていること」が住宅ローン借入者の条件となっています。もし永住権を持っていなくても、日本人である配偶者が連帯保証人になれば、住宅ローンを借入れられることがあります。その場合、在留期間や日本での勤続年数などの条件が付加されることが一般的です。【金融機関の営業エリア】地方銀行の場合、その銀行の営業エリア内に居住していること、あるいは勤務地があることが住宅ローン審査の条件になることがあります。地方銀行でローンを組む場合は、居住地や勤務地が営業エリアに含まれている銀行を選びましょう。なお、全国展開の銀行に住宅ローンを申し込めばこの心配はありません。【連帯保証】住宅ローンの場合、基本的には連帯保証人は不要で、信用保証会社を利用することが一般的です。ただし、以下の場合は連帯保証人を求められることがありますので、万が一のときのために準備をしておきましょう。・夫婦などで収入合算をする場合・土地や建物が共有名義の場合(共有者が連帯債務者)・ペアローン、親子リレーローンなど複数の債務者形式となる場合・親名義の土地に住宅を建てる場合・自営業者の場合・審査の内容がよくない場合【担保評価】以上の借入者に関する条件のほか、購入する住宅の評価も住宅ローン借入の条件になります。これは、購入予定である不動産が住宅ローンの担保になるためです。住宅ローンを借入れた際、金融機関はその土地と建物に抵当権を設定します。それによって、万が一ローン借入者が支払いをできなくなっても、金融機関は貸出分を回収できる仕組みです。このため、その土地や建物を売ったときの価値、つまり担保評価が住宅ローン借入の条件として重要になります。担保評価額以上の借入を申し込んでしまうと、審査に通るのが困難になるでしょう。担保額は、築年数や土地・建物の面積、立地などによって決まります。たとえば中古物件の場合、築年数が20年以上になると、担保としてほとんど評価されなくなってしまうこともあります。また施工会社も担保評価にかかわることがあるため注意が必要です。大手住宅メーカーに施行を頼んだ場合と、無名の工務店などに施行を頼んだ場合では、前者のほうが審査で有利になる可能性があります。さらに権利状況や法規上の問題についても注意しておきましょう。住宅ローンの借入者が必ずしも物件の保有者と一致するとは限らないため、物件を購入した場合の名義が誰になるのかははっきりさせておく必要があります。また中古物件の場合は、現行の建築基準法や都市計画法の規制に抵触しないかどうかチェックしておきましょう。■住宅ローン審査にかかる日数は?住宅ローン審査にかかる日数は、事前審査に1日~1週間程度、本審査に3~10日程度であることが一般的です。ただし、先述した審査項目に照らし合わせて、金融機関側に疑問が出てきた場合は審査が長引くことがあります。その際には追加の書類を求められることもあるため心づもりをしておきましょう。追加提出を求められる書類には、国民健康保険の支払証明書や、預金通帳残高などがあります。もし審査項目に対して不安な要素がある場合は、引っかかりそうな項目に関する書類を事前に添付したり、説明書きをつけたりするとよいでしょう。なお審査が遅れているからといって審査に落ちるとは限りません。審査が長引いているのはむしろ審査が進んでいる証拠です。落ち着いて審査が終わるのを待ちましょう。■仮審査(事前審査)と本審査の違い仮審査(事前審査)は、購入予定の物件価格や工事請負金額が決まってきたタイミングで、銀行などの金融機関が行う審査のことをいいます。これに対して本審査とは、事前審査終了後に、信用保証会社がさらに詳細に行う審査のことです。事前審査を受けずに本審査、ということはできません。なお「仮」審査という名前はついていますが、仮審査もちゃんとした住宅ローン審査プロセスのひとつです。したがって、「どこの審査に受かるかわからないから、とにかくたくさんの銀行に申し込んでみよう」というのはよくありません。たとえばA銀行とB銀行に仮審査を申し込んだ場合、A銀行の住宅ローン審査に出したという履歴はB銀行で参照されます。すると、「この申請者はA銀行の審査に落ちたからうちのB銀行に審査を申し込んだのだろう。A銀行で落ちたということは何か問題があるに違いない」という印象を持たれてしまって、審査で不利になる可能性があります。仮審査を出すのは多くても3行程度にとどめておきましょう。■個人信用情報を取り寄せてみると安心自分の金融履歴に不安がある場合は、個人信用情報を取り寄せてみましょう。個人信用情報とは、クレジットやローンなどの申し込みや契約に関する情報のことです。個人信用情報をチェックすることで、住宅ローンの審査に出す前に、審査で不利になる可能性のある点をあぶり出しておけます。日本にはCIC、KSC、JICCの3つの個人信用情報センターがあります。機関によって収集情報に若干の差があることもあるため、すべての機関から信用情報を取り寄せることをおすすめします。もし信用情報履歴に問題があった場合、対処方法は2つあります。1つは、履歴が更新されるのを待つことです。信用情報は5年~10年に1度更新されます。たとえ信用に関する問題が履歴として残っていても、5年経てばその履歴は更新され、なかったことになります。住宅ローンを申し込む際には、履歴がクリアーな状態になるまで待つのもひとつの手です。2つ目の方法は、審査書類を提出する際に、「支払遅延、未払いなどになってしまった理由と、今後の予防方法」を説明する文書を添付することです。支払遅延や未払いなどが故意でない場合は、きちんと説明すれば事情をわかってもらえることもあります。説明文書があれば金融機関の心証も変わりますので、実践してみてはいかがでしょうか。なお個人信用情報はインターネット、郵送、窓口などで開示の申し込みができます。手数料は500円~1000円程度です。■まとめ今回は、住宅ローンの審査について審査項目や項目ごとのポイントを中心にご紹介しました。いかがでしたか。住宅ローンの借入を検討している場合は、今回ご紹介した内容を参考に、可能な限り通るよう対策を整えておいてください。また事前に個人信用情報を取り寄せ、審査に響く可能性のあるポイントを自覚しておくことも重要です。念願のマイホームを無事手に入れられるよう、住宅ローン審査に万全に備えてくださいね。
2017年03月16日去年はやたらとその名前を聞くことが多かった『ドローン』。でもドローンって何!?そんな疑問を晴らすべく、ミニタイプのドローンを実際操ってみることに。何ができるの?操作性は?誰でもできるの???ドローンの謎に迫る。 人間は、広い世界のほんの一部で生きている。全てを知ることはできない。世界のどこかには、自分の知らない何かを熱狂的に愛してる人がいる。研究する人がいる。そんな人が集まると、小さなブームになる。誰かの世界を、少しだけ覗いてみちゃおう。それが「うさこの覗いた世界」なのだ…! 一時期ニュースを賑わせまくった『ドローン』という言葉を覚えているだろうか。 「ドローン無許可飛行」「お祭りをドローン撮影し逮捕」 ドローンという馴染みのなかった言葉は、突然わたしたちの前に現れメディアの話題をさらっていった(ように見えた)。しかしニュースを見ながら「で、ドローンてなんやねん」と思った人も多いだろう。 そもそもドローンは人を乗せずに飛ぶ無人航空機のこと。決して最近の技術ではなく、軍事用として初登場したのは1944年にも遡るらしい。以来、今日に至るまで世界中で開発が進められ人件費がかからず渋滞にも巻き込まれない配送サービス、倉庫の在庫チェックや農薬の散布など人間では危険すぎることや大変なことをドローンが肩代わりしてくれる事例も増えてきているようだ。 その中でも、昨今注目を浴びたのはカメラ付きドローン。ドローンを飛ばすことで全体が掴めるような高いところからの撮影ができる。俗にいう『空撮』だ。テレビ番組やスポーツの試合、ミュージックビデオなどで映像や画像を見る機会も増えたがわたしたちにとっても『ドローン』はまるで無関係な話ではない。ニュースを見てても分かる通りめちゃくちゃ法で規制されまくってはいるが、200グラム未満のものなら許可なく操縦することができるのだ。 それを聞きつけたわたしは、「それならやってみよう!」とミニタイプのドローンを用意した。『ホビードローン』と呼ばれる軽量タイプのものは、1万円もあれば購入することができる。 いざドローンとご対面…!箱の中には本体、バッテリー(2個つき安心タイプ)、リモコン、箱の裏側にはまるで隠し特典のように謎のサングラスまで封入されていた。 やっぱ空とか見るしね。必要だよね。サングラス。 機体は片手でも簡単に持ち上げられるフワッした重量。これが?飛ぶの?本当に??? 200グラム以下のものであっても ・周囲30メートル内に人や物(建物含む)がないところで行うこと・日中にできること・必ず目視すること など、細かくルールがあるのでわたしは人のいない河川敷に向かった。 本体にはばりばりに充電済みのバッテリー、リモコンには単三電池を突っ込み準備万全。このドローンにはカメラが内蔵されており、Wi-fiでスマートフォンと接続することでスマートフォンから写真を撮るなどの操作ができる。 (一目もはばからずアスファルトの上でスマホとドローンを同期する様子) 訳も分からずリモコンを操作する。レバーをくいっとあげると一気に機体が上昇!!! 天高く舞い上がるドローン!これはやばい!!!操作が難しすぎる!!!!初めて操作したドローンは、風に煽られ悲しく地面へと落下していった。 改めて説明書を読む。海外で作られたこの製品、実は説明書の日本語や情報があやふやすぎるところから難易度が高め。 なんとか解読し、ドローンを飛ばすもわたしに出来るのは 浮遊させて そよ風に煽られさまようドローンを全力で追っかけ 翻弄されることだけ…。撮った写真を確認するがドローンである意味がまるでないものばかり。 この写真ドローン使わんでも撮れるわ!!!!!どうしよう。ドローンのドの字も味わえてない。絶望感でいっぱいになったところ、撮影チームからやってみたいというお申し出があったので委ねることにした。 するとどうだろう。 軽さのあまり風には勝てないものの、安定して漂うドローン…! ドローンによって撮影されたのがこちらの写真だ。 画質こそ懐かしくなる90年代的なものだが、高いところからだからこそ撮れる爽快感…!これが空撮…!わたしはドローンに遊ばれてばかりだったが、こうでもない、ああでもないとリモコンをいじりながらドローン操縦を上達させていく。ドローンで遊ぶってこういうことだったんだ…。 ひとつ分かったことがある。ホビードローンは誰にでも触わることができる。ただし扱えるのはセンスがある者のみということ…!根気よくやればセンスがなくても上達するかもしれない、わたしは完全に放棄した。何故なら夢中になってめきめき上手くなる姿を見て、見ているこっちも楽しかったからだ。近寄って目をキラキラさせるちびっこも多かったので、お子さんがいるご家庭のお母さんは、ドローンでデジタル英才教育を受けさせてみてはいかがでしょう。
2017年03月08日こんにちは、FPライターのyossyです。家を購入する際、多くの人は住宅ローンを利用するかと思います。でも、住宅ローンの種類について理解している人は、意外と少ないものです。『フラット35』って何?銀行のローンと何が違うの?といった疑問を抱えている人も多いでしょう。ここでは、住宅ローンの種類について解説します。●(1)銀行ローン最もメジャーなのが銀行で借りる住宅ローンでしょう。各銀行がそれぞれの特色をもって商品を展開しているので、金利や諸費用、繰り上げ返済のしやすさなど、条件にバリエーションがあります 。物件を購入する不動産会社と提携しているローンがあることも。手続きがスムーズになったり、金利がお得になったりするケースもあるため、まずは提携ローンについて確認しておくといいですね。金利のタイプは、主に次の3種類があります。・変動金利型(半年ごとに適用金利が見直され、5年ごとに返済額が見直される)・固定期間選択型(一定期間金利が固定され、その後は原則変動金利に)・全期間固定型(完済するまで金利が一定に保たれる)なお、『団体信用生命保険』(返済途中で死亡、もしくは高度障害になった場合、残高を保険会社に支払ってもらえる)への加入は必須となっています。自分にとってベストな選択肢を選びたいと思う人は、バリエーションの多い銀行ローンの情報を集めて検討してみるといいでしょう。●(2)フラット35住宅金融支援機構と民間金融機関とが連携して融資を行うのが、『フラット35』です。基本的に商品は全国共通ですが、金利や手数料、手続き等の条件は、取り扱う金融機関によって変わります。・金利は全期間固定型のみ・保証料・保証人が不要・繰り上げ返済手数料無料・団体信用生命保険は任意加入といった特徴があります。団体信用生命保険への加入が必須だと、場合によっては病気等の理由で加入ができないこともあるでしょう。フラット35は団体信用生命保険への加入が任意なので、銀行ローンよりもより幅広い人に向けて門戸が開かれている といえるでしょう。●(3)財形住宅融資財形貯蓄制度を1年以上利用しており、残高が50万円以上ある人は、財形住宅融資を利用できる場合もあります。たとえば、・満70歳未満である・勤務先から住宅に関する援助を受けられるなどの条件を満たす必要があるため、検討している人はよくご確認を。返済しているあいだ、5年ごとに適用金利が見直されます(5年固定金利制)。一定の条件を満たした場合、子どもがいる世帯は当初5年の金利が年0.2%引き下げられる優遇制度 があります(平成30年3月の申し込みまで)。他の住宅ローンと併用できる、といったメリットも。----------住宅ローンの仕組みは何かと複雑ですが、大きな額を借り入れるケースが多いからこそ、ベストな選択をしたいですね。ぜひ参考にしてみてください。【参考リンク】・住宅・マイホーム購入におけるローンの種類 | SUUMO ()・いまさら聞けない住宅ローンの種類 | ミサワ分譲ナビ()・【フラット35】とは | 長期固定金利住宅ローン【フラット35】()・財形住宅融資 | 住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)()●ライター/yossy(フリーライター)●モデル/KUMI(陸人くん、花音ちゃん)
2017年02月08日2016年4月に改正景品表示法が施行されてから、初めて同法違反で三菱自動車に約4.8億円の課徴金支払い命令が下されました。三菱自動車は実際の燃費とはかけ離れた広告を出していたとのことです。景品表示法は、一般消費者の利益の保護を目的に作成されましたが、そもそもそどんな法律なのでしょうか?具体例と共にご紹介していきたいと思います。*画像はイメージです:■景品表示法の概要とNG例景品表示法とは、正式には、不当景品類及び不当表示防止法といい、不当な表示や過大な景品類を規制し、公正な競争を確保することにより、消費者が適正に商品・サービスを選択できる環境を守ることを目的とする法律です。特に不当表示については、景表法第5条で3つの類型を示し、それぞれを禁止しています。 (1)優良誤認表示の禁止我々弁護士の例で言えば、「弊事務所は離婚事件を得意とするベテラン弁護士ばかりである」とさしたる経験もない弁護士しかいないにもかかわらず偽りを述べたり、「勝訴率100%」と根拠もなく数字を入れ込んだりする場合をいいます。 (2)有利誤認表示の禁止「離婚事件が今だけセットで着手金が10万円!」と謳いながら、いつも同じ宣伝文句を掲げていたり、「都内で弁護士費用が一番安い」と調査も根拠もなく謳っている場合をいいます。 (3)その他誤解されるおそれのある表示の禁止わかりやすいところでは、不動産屋の「おとり広告」がこれです。広告を見て実際に店舗に出向くのですが、実は取引がなく、単なるおとりだったという場合をいいます。 ■今回の課徴金について今回の三菱自動車の件は、実際の燃費が販売用のカタログの数値を下回っているのに、上回る数値を示していたということですので、(1)の優良誤認表示にあたります。なお、課徴金の額は不当表示をした商品などの売上額に3%を掛けて算出することになっています(景表法第8条)。三菱自動車は、相当不当表示でもうけた計算になりますね。 *著者:弁護士 小野智彦(銀座ウィザード法律事務所代表。手品、フルート演奏、手相鑑定、カメラ等と多趣味。エンターテイメント法、離婚、相続、交通事故、少年事件を得意とする) 【画像】イメージです*takemaru / PIXTA(ピクスタ)
2017年01月31日●連載の目次は こちら から●住宅ローンのマッピングが頭に入って、金利の大枠についても把握した。そうなると、残すは「住宅ローンの返済期間を、どう決めるか?」という問題だ。引き続き、住宅ローンに詳しいファイナンシャルプランナーの浅井秀一さんに、お話を伺った。■住宅ローンは60歳~65歳で完済が理想多くの住宅ローンの最長返済期間は35年で設定されている。しかし、仮に40歳で住宅を購入し35年返済を選ぶと、完済は75歳。ローンの残りを一括返済するために退職金を使ってしまうと、最悪の場合、その後は年金だけで生活することにもなりかねない「住宅ローンの返済は、定年を迎える60歳~65歳くらいまでに終わらせる計画を立てるのが理想です」(浅井さん)■返済期間の設定で違ってくる返済総額返済期間を長くすれば月々の返済額が減るので、さしあたっての生活は楽。けれども、返済期間を短くできれば、下記のごとく返済総額は少なくなる。 ■金利上昇リスク軽減の効果もまた、下図の「変動金利型」や「固定金利選択型」のローンの場合は、返済期間が短いほど、将来的な金利上昇リスクを抑えることができる。■「とりあえず35年で」はNG!「今の生活を大切にしたいから、長期間で返済にする」「リスクを軽減したいから、ちょっと返済は頑張ってみる」など、人によって選択は違ってくるだろう。「35年借りられるなら、とりあえずそれで」というのではなく、返済期間は自分のライフサイクルや価値観を反映しながら、選びたいものだ。次回は、「フラット35」の賢い利用方法について、住宅ローンのプロに聞いてみよう。
2016年08月16日