最初に映画『佐々木、イン、マイマイン』の台本を読んだ時、面白すぎて、その世界観に飛び込めるのか不安になったという萩原みのりさん。同世代の役者たちが集まって生まれるお芝居合戦が楽しい。「主人公の悠二(藤原季節)と私が演じたユキは同棲をしているものの、恋愛は終わってしまっているという繊細な関係性。恋愛を経て生まれる感情や、長年一緒にいた二人の空気感を果たして説得力を持って演じられるだろうか…と考えました。でも今まで悩みをさらけ出してきて、一切カッコつけないでいられる季節くんとならいけるんじゃないかと思ったし、悠二が季節くんならユキは私がやるしかないと確信しました」藤原さんとは上京したての18歳の頃、ワークショップで知り合い意気投合。以来、兄のように慕っている存在だという。本作は、俳優の細川岳さんが内山拓也監督に「この映画が撮れないのなら俳優をやめようと思う」と持ち込んだ実話をもとにしたもの。細川さんの高校時代のクラスメイト、佐々木(細川岳)の話だ。「ユキ役は岳くん直々のオファーで、彼もまた、もともと付き合いのあった役者です。初めて見かけたのは、数年前のあるオーディション会場。その後、私の主演映画を観に来てくれた時に『すみません、名前を教えてください!』って逆ナンみたいなことして(笑)。だって、初めて観た時のお芝居があまりにも魅力的で、この役者さんを知らないといつか後悔するって思っていたから。この物語は、男の友情を描いた青春映画です。とはいえ佐々木の人柄や人生などを含め濃く深く描かれ、簡単には語れない。女子校だった私は、男子たちのじゃれ合うシーンも可愛くて仕方なかったり(笑)。女性でもきっと興味深く観てもらえるはずです」若手実力派の役者が多く出演し、萩原さんもそのひとり。「作品を重ねるごとに自信もつき、最近はお芝居を楽しめるようになったし、同世代の役者たちが集まって生まれるお芝居合戦がすごく楽しい。ようやく人に『今ちょっと忙しい』って言えるようになったけど、これがいつ終わるかわからないから、あまり大きな声では言えません(笑)」『佐々木、イン、マイマイン』俳優を目指しているが鳴かず飛ばずの日々を送っている27歳の悠二。ある日、高校の同級生と再会し、高校時代に存在感の強かった佐々木と、仲間たちの日々を思い起こす…。11月27日より全国公開。©「佐々木、イン、マイマイン」はぎわら・みのり1997年3月6日生まれ、愛知県出身。主演ドラマ『Memories~看護師たちの物語~』(BS日テレ)が放送中。代表作は主演映画『転がるビー玉』。来年公開予定の映画『街の上で』にヒロインで出演。※『anan』2020年12月2日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・早川すみれ(KiKi inc.)ヘア&メイク・石川奈緒記インタビュー、文・若山あや(by anan編集部)
2020年11月29日映画『滑走路』(公開中)の公開初日舞台挨拶が20日に都内で行われ、水川あさみ、浅香航大、寄川歌太、大庭功睦監督が登場した。あふれる才能を遺し、突然この世を去った歌人・萩原慎一郎のデビュー作にして遺作となった「歌集 滑走路」をモチーフに、オリジナルストーリーとして紡いだ本作。水川あさみが扮する翠(みどり)、浅香航大扮する若手官僚・鷹野(たかの)、そして新人・寄川歌太が扮する中学2年生の学級委員長、それぞれ“心の叫び”を抱えて生きる3人の人生が交錯し、現代を生きる若い世代が抱える不安や葛藤、それでもなお希望を求めてもがき生きる姿を鮮烈に描き出す。「今までに後悔したことは?」という質問に、水川は「面白い方の話になっちゃう」と苦笑しつつ、「無意識だった話なんですけど、20代前半くらいの時にオーディションを受けていたら、私の服の背中からタグが出てたんです。タグが出ているデザインの服だったんですけど、後ろに座ってた女優さんが、『タグ出てるよ』って、優しく声をかけてくれたんですが、私は関西から出てきたばかりだったので『出してんねん!』って言ったんですよ」とエピソードを披露する。「それを違う女優さんが見てて、私の中ではツッコミみたいな感じだったんですけど、後ろの子はすごく傷ついていたと言われて、なんでそんなことをしちゃったんだろって後悔があります。いまだによく思い出す」と語り、会場も爆笑となっていた。また大庭監督は今作の撮影時に「イライラが出ちゃった」と後悔。演技について、水川と意見の相違がありなかなかうまく進まなかったが、「水川さんがイライラを感じ取ってくれて、『監督、私、監督が行ってほしいんだったら行くわ!』と言ってくれて。おかげさまですごい好きなシーン、いいシーンになった」と感謝していた。
2020年11月20日「今回の役は萩原(慎一郎)さんの遺作を背負ってますし、撮影はこれまでになく身の引き締まる思いで挑みました」いじめ、非正規雇用などの経験をもとにした歌集を執筆後、32歳で命を絶った歌人・萩原慎一郎。その遺作をモチーフにした映画『滑走路』(11月20日公開)で、激務の中で理想を失い、無力な自分に悩む若手官僚・鷹野を、浅香航大(28)が演じた。「彼は仕事がうまくいかないストレスをため込んで、世間との関わりを絶った色みのない生活を送っているんですよ。演じるにあたって、細かい気持ちの変化や、上司や同僚との距離感は監督と緻密に話し合って役に入りましたね」(浅香・以下同)じつは取材した時点では、共演者とはほとんど会えていなかった。「鷹野が人との関わりがない生活を送っているということもあって、共演のシーンがほとんどなくて……じつは、(主演の)水川あさみさんとも、まだお会いしたことがないんですよ!これは共演っていうのかな(笑)。舞台挨拶でお会いしたら『はじめまして!』って言います(笑)」一人のシーンが多く、緊張感のあった現場では、20代前半での経験が生かされた。「俳優人生の転機になった、映画『桐島、部活やめるってよ』に出演したころは、社会で自分が置かれているポジションをより意識していたタイミングで。もともとメンタルの上下が激しくてナイーブな性格っていうのもあって、深酒することでストレス解消していました。そういった経験も思い出しながら演じられましたね」今では自分との付き合い方がわかってきて、ひとつの“ルーティン”を見つけたそう。「風呂とサウナとジムと飲み屋がそろって入っている建物があって、基本的に休みは1日そこにいます(笑)。風呂入って、好きなタイミングでトレーニングしてサウナ入って飲みに行くみたいな(笑)。撮影がある時期は(サウナの)休憩室で台本を読むと、めちゃくちゃセリフが入るんですよ!それがストレス解消になってますね」日々、さまざまな役者から刺激を受けているという浅香。最近、とくに感銘を受けた俳優が……。「ドラマ『梨泰院クラス』のパク・ソジュンってすごいなって思いましたね!作中、何年もたって年もとっているはずなのに、ビジュアルはなにも変えてないんですよ!僕も、そういうところを押し切れるだけの説得力をもった俳優になっていきたいですね」「女性自身」2020年11月24日号 掲載
2020年11月16日夭折の歌人・萩原慎一郎の遺作となった歌集を原作とした映画『滑走路』が11月20日(金)より公開。本作で主人公3人のうちのひとり、厚生労働省で働きながら自身の無力さに苦悩する若手官僚を演じた浅香航大に注目にした。連続テレビ小説「マッサン」「ひよっこ」、そして社会現象にもなった人気ドラマ「あなたの番です」の刑事役で人気を博し、2020年は3本の出演映画が公開、木ドラ25「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」も話題となり、若手俳優の中でも群を抜いた存在感であらゆる世代から関心を集めている浅香さん。本作では、厚生労働省で非正規雇用問題や働き方改革に取り組み、苦しむ人々を助けたいと思いながら、過重労働の中で自らも精神を病んでしまう心優しい鷹野役を繊細に演じ、新たな魅力を発揮している。浅香さんは、「台本を読んで、鷹野は純真でまっすぐな人という印象を受けたので、ナチュラルなお芝居を心掛けました」と言う。「心に病を抱えセラピーに通っているというキャラクターなのですが、大庭(功睦)監督をはじめ現場がいい雰囲気だったので、僕自身が落ち込んでしまうことは全くなく、むしろ穏やかだったほどです。作品が真面目なので、現場では常に皆が同じ方向を向いて『素晴らしい物を作ろう』という心地よい緊張感があったので、集中して鷹野の気持ちに寄り添うことができました」と有意義な撮影となった様子。今回到着したメイキング写真では常に真剣な表情を見せている浅香さんだが、「こんな社会派の映画に出られる機会はあまりないので、ぜひやりたい」と挑戦した貴重な社会派作品の撮影現場に手応えものぞかせる。この鷹野という役は映画のオリジナルキャラクター。“非正規歌人”である萩原慎一郎の原作を映画化するうえで、大庭監督は「原作が注目されるキーワードとなった『非正規』の要素を前面に出しすぎると原作が持つもっと多くの人に届く可能性を薄めてしまう」と、あえて職業としては非正規とは正反対のイメージであるエリート官僚をメインの登場人物のひとりに据えることを考えた。エリート官僚である鷹野がそのシステムの中で疲弊し、自身の無力さに苦悩するという状況を描き出すことで、より様々な立場の人に届くようなエピソードが生まれていった。映画を多くの人に届ける大事な役を担った浅香さんについて、大庭監督は「浅香さんは取り憑かれたようにお芝居をする人、憑依型ですね。同じ動作でもシチュエーションにあわせてその見え方をがらりと変えてくるすごさがありました」とコメント。監督も全幅の信頼をおいた、浅香さんの迫真の演技を堪能してみてほしい。『滑走路』は11月20日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:滑走路 2020年11月20日より全国にて公開ⓒ2020「滑走路」製作委員会
2020年11月15日女優の水川あさみが3日、東京・EXシアター六本木で行われた「第33回東京国際映画祭」(TIFF)特別招待作品『滑走路』(11月20日公開)の舞台挨拶に、浅香航大、寄川歌太、大庭功睦監督とともに登壇した。あふれる才能を遺し、突然この世を去った歌人・萩原慎一郎のデビュー作にして遺作となった「歌集 滑走路」をモチーフに、オリジナルストーリーとして紡いだ本作。水川あさみが扮する翠(みどり)、浅香航大扮する若手官僚・鷹野(たかの)、そして新人・寄川歌太が扮する中学2年生の学級委員長、それぞれ“心の叫び”を抱えて生きる3人の人生が交錯し、現代を生きる若い世代が抱える不安や葛藤、それでもなお希望を求めてもがき生きる姿を鮮烈に描き出す。コロナ禍において映画が公開される意義を聞かれ、主演の水川は「もしこのまま、この距離感を保ったまま、すべての物事……人との距離感も続いていくと思うと、心が折れそうになる瞬間がある」と不安を告白。「表現するお仕事をしている上で、ソーシャルをとることが当たり前になる世の中を受け入れてしまう怖さと、私たちも向き合いながらということを考えると、いまだにちょっと怖いなと思いながら生きています」と打ち明けた。その上で、「そんな中でこの映画にひょんなことから出会って、転がるように私のもとへ来てくれて、今やれってことなのかなと思ってこの映画をやると決めて、今ここに立たせてもらっています」と出演を決意した思いを明かし、「今日初披露して皆さんに見ていただくことで、少しでも心をそっとなでてくれるような映画になればいいなと思っています」と願った。さらに、「今のこの世の中って、人にとっての豊かさとか幸福なことが見えにくくなっていたり、わかりにくい時代だなと思うんですけど、そんな時代でも人のことを救うのは人だと。この映画を見て救われるような気持ちになってもらえたら。寄り添って肩を組んでくれるような映画だといいなと思います」と語った。
2020年11月03日異例のベストセラーを記録した歌集をモチーフにオリジナルストーリーとして映画化した『滑走路』よりロング版予告編が到着した。現在公開中の予告編よりももっと個々のキャラクターに迫った今回の映像。厚生労働省の官僚として非正規雇用の問題に向き合いながら、理想通りにはいかない現実に直面し精神的に追い詰められていく鷹野(浅香航大)。幼なじみを助けたことをきっかけに自らもいじめの標的となってしまった学級委員長(寄川歌太)。そして、切り絵作家の翠(水川あさみ)は妊娠が発覚した途端、夫から無責任な言葉を投げかけられる――。そんな3人の人生が、ひとりの人物の死をきっかけに絡み合っていく。優しさと希望が溢れる印象的なセリフの数々や、Sano ibukiの主題歌「紙飛行機」の温かな歌詞が、胸を打つ予告編が完成した。また、一足先に本作を鑑賞した原作者・萩原慎一郎の両親は「慎一郎が短歌に込めた想いを感じることが出来ました。そして、社会のさまざまな場所で頑張っている方々の横で、そっと寄り添ってくれるような映画でした」と感想を述べ、弟でギタリストの萩原健也は「全力で走る彼の姿に、十代の頃、不登校の僕を救い、勇気と希望をくれ続けた兄を想いました」とコメントを寄せた。『滑走路』は11月20日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:滑走路 2020年11月20日より全国にて公開ⓒ2020「滑走路」製作委員会
2020年10月15日上田慎一郎監督の待望の最新作が『メランコリック』の気鋭俳優・皆川暢二を主演に迎えた『ポプラン』に決定、2人からコメントが到着した。上田監督といえば、2018年に公開した『カメラを止めるな!』が公開後、新宿K’s cinemaで連日満席となり「札止め満員」記録を更新。その後、SNSで口コミが広がり全国350館以上での公開となり興行収入31億円を突破した映画業界の最注目人物。また、本作の田上達也役で主演を務めるのは、『メランコリック』で銭湯でアルバイトをする東大卒でニートの主人公・和彦を演じた気鋭の俳優であり、同作のプロデューサーでもある皆川暢二。『メランコリック』は第31回東京国際映画祭「日本映画スプラッシュ部門」で監督賞を受賞、さらに前年に『カメラを止めるな!』が観客賞2位(The Silver Mulberry Award)を受賞して話題となった「ウディネファーイースト映画祭」で新人監督作品賞に選出され、一部では“第2の『カメ止め』”とも評されて話題沸騰。日本映画の未来を背負う上田監督と皆川さんが本作『ポプラン』で初のタッグを組む。また、本作は、先日発表された「映画をもっと自由に」をモットーとした“映画実験レーベル”「Cinema Lab(シネマラボ)」が製作する1本。「Cinema Lab(シネマラボ)」は映画監督の「熱量」と「情熱」を込めた映画作品を届ける試みで、映画化の条件は「限られた制作予算」のみ。映画監督が自ら企画開発、脚本、キャスティング、ロケーション、演出までを自由に手掛け、いわば「監督絶対主義」で映画を製作、全てのクリエイティブは監督に基本一任される。上田監督のほか、本広克行、押井守、小中和哉が参画。日本映画界に少し違う角度から光を照らし、「映画をあまり鑑賞しない人」が映画に興味を持ってもらえたり、「映画好きな人が映画の面白さ」を再発見してもらえたり、「次世代の映画監督との出会い」があったり、日本映画界に少しだけ貢献できたら…という思いが込められている。「錚々たる巨匠達の中に混ぜて頂き、参加できる事を光栄に思います」と語る上田監督は、本作について「9年前に着想を得てから、ずっと温めてきたものです。自分の企画ストックの中でも一番の問題作で、今まで中々実現に至りませんでした。内容が発表されたら『なんじゃそりゃ!?』と驚かれると思います。そんな問題作にGOを出してくれたシネマラボの皆さんの勇気と寛容に感謝しています」とコメント。「主演の皆川暢二さんとがっつり肩を組んで、日々、共に悩み、迷い、もがきながら『まだどこにもないエンターテイメント』を追いかけてジタバタしています。『ポプラン』とは一体なんなのか?妄想を膨らませてお待ち下さい!」とアピールした。皆川さんも、「まず今回、クリエイター第一主義という理念を掲げて設立されたシネマラボには、純粋に凄いと思いました。そしてそんなシネマラボの中で、『ポプラン』という作品はシネマラボの理念を象徴するような作品になるのではないのかと感じています」と語る。上田監督とは「今回関わらせて頂く以前は作品、SNS上を通してでしか存じあげなかったのですが、そこから上田監督の考えと行動に対して勝手にシンパシーを感じていました。笑そんな上田監督とご一緒にできることは非常にワクワクしています!」とコメント、主演として「上田監督、キャスト、スタッフの皆さんと一緒に作りあげるという過程も大事にしたいと思います。全力でこの作品に向き合いたいと思います」と明かしている。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ポプラン(C)映画「ポプラン」製作委員会
2020年09月15日歌人・萩原慎一郎の遺作となった歌集を原作にした、水川あさみ、浅香航大、寄川歌太出演の映画『滑走路』。この度、本作の予告編とポスタービジュアルが到着した。萩原さんのデビュー作にして遺作となった「歌集 滑走路」は、いじめや非正規雇用を経験しながら、それでも生きる希望を託した歌が、苦悩を抱える人へのエールとして多くの共感を集め、歌集としては異例のベストセラーを記録。映画は、原作歌集をモチーフにオリジナルストーリーとして紡がれる。切り絵作家・翠(水川さん)、若手官僚・鷹野(浅香さん)、中学2年生の学級委員長(寄川さん)、それぞれ“心の叫び”を抱えて生きる3人の人生がやがて交錯していく――。今回到着した映像では、そんな彼らの人生が一人の人物の死をめぐり、交錯していく様子が映し出される。ラストには、タイトルの由来を想起させる「きみのため用意されたる滑走路 きみは翼を手にすればいい」という原作歌集におさめられた一首が登場し、Sano ibukiが本作のために書き下ろした主題歌「紙飛行機」の音源も初お披露目されている。また、青空に1機の飛行機が飛んでおり、歌と呼応してるかのようなポスタービジュアも同時に公開された。『滑走路』は11月、全国にて公開予定。(cinemacafe.net)■関連作品:滑走路 2020年11月、全国にて公開予定ⓒ2020「滑走路」製作委員会
2020年08月05日映画『滑走路』が、2020年11月20日(金)に全国で公開される。“非正規歌人”による魂の叫び - 滑走路原作となるのは、32歳で命を絶った“非正規歌人”萩原慎一郎の歌集「歌集 滑走路」でデビュー作にして遺作。彼は非正規の契約で働いていた自らの経験を基に短歌を発表し続けた歌人だ。「歌集 滑走路」に描かれる、生きる希望、そして苦悩は、多くの人々の胸に突き刺さり、多くの共感を集めた。映画『滑走路』では、原作となる歌集をモチーフにし、オリジナルストーリーとして繊細で濃密な人間の闇と美しさを描いていく。さまざまな人生が交差する群像を豪華キャストで描く物語は、将来への不安を抱える切り絵作家、非正規雇用問題に向き合う官僚、中学校でいじめにあう学級委員長、と3つの物語が重なり合いつつ進んでいく。翠(みどり) - 水川あさみ切り絵作家。30代後半にさしかかり将来への不安を抱える。若手官僚・鷹野 - 浅香航大非正規雇用問題に向き合う。官僚という仕事につき、膨大な仕事量、責任感などに圧倒されつつ苦悩する。学級委員長 - 寄川歌太中学二年。幼馴染をかばったことでいじめの標的にされる。大切なものを守ること、貫くことで自分が辛い状況に陥っていく。陽子 - 坂井真紀学級委員長の母。シングルマザーとして育てる。拓己 - 水橋研二翠の夫。高校の美術教師として働く。雨宮 - 吉村界人鷹野の同期。少し高飛車で表面的には強いサラリーマンだが本音をなかなか言えない繊細なところもある。明智役 - 染谷将太鷹野が死の原因を探る青年の元同僚。天野 - 木下渓学級委員長のクラスメート。包み込む様な優しい強さを持つ。裕翔 - 池田優斗学級委員長の幼馴染。親友を裏切りたくないが、かといって自分がいじめられてしまう怖さも持つ。脚本・桑村さや香×西谷弘監督『滑走路』の脚本を務めるのは、劇場アニメ『ジョゼと虎と魚たち』の公開を控える桑村さや香。また監督は、『マチネの終わりに』『シン・ゴジラ』といった数々の話題作品で、名助監督として活躍してきた大庭功睦が担当する。大庭監督は、オリジナルストーリーの着想源について「考案した企画の端緒となったのは、webに数多く書かれていた、原作読者の方々の書評でした。萩原さんの歌を、まるで自分自身の事が歌われたかのように感受した読者の方々が、自らを投影しつつ気持ちのこもったレビューを多数書かれているのを目にし、その深い交流に感銘を受け、“この読者の方々を登場人物に据えた群像として、ストーリーを紡げないか”と考えたのです」とコメント。さらに鑑賞者の期待を裏切らない作品を残したいと思いの丈を述べている。主題歌に、Sano ibukiの新曲「紙飛行機」なお本作の主題歌を務めるのは、アニメーション映画『ぼくらの 7 日間戦争』でも主題歌を務めたいシンガー・ソングライターのSano ibuk。以前より原作歌集を愛読していたという彼が、映画の製作途中から映像を何度も見返し、作品の世界観に寄添う新曲「紙飛行機」を書き下ろした。映画とのコラボレーションに関してSanoは「表面的な希望ではなくその奥にある絶望や妬み、悲しみを包み込む優しさのようなものを感じるこの作品に出会えたことで、僕自身救われたような気持ちになりました」とコメントを残している。『滑走路』ストーリー厚生労働省で働く若手官僚の鷹野。彼は激務の中で仕事への理想も失い無力な自分に思い悩んでいた。ある日、陳情に来たNPO団体から非正規雇用が原因で命を絶ったとされる人々のリストを持ち込まれ追及を受ける。そのリストの中から自分と同じ25歳で自死した青年に関心を抱き、その死の理由を調べ始める。■作品詳細映画『滑走路』公開日:2020年11月20日(金)原作:「歌集 滑走路」(角川文化振興財団/KADOKAWA刊)監督:大庭功睦脚本:桑村さや香出演:水川あさみ、浅香航大、寄川歌太、木下渓、池田優斗、吉村界人、染谷将太、水橋研二、坂井真紀主題歌:Sano ibuki「紙飛行機」(EMI Records / UNIVERSAL MUSIC)
2020年07月16日32歳で命を絶った“非正規歌人”萩原慎一郎による歌集「滑走路」が、水川あさみ、浅香航大、寄川歌太出演で映画化、秋に公開されることが決定した。厚生労働省で働く若手官僚の鷹野は、激務の中で仕事への理想も失い無力な自分に思い悩んでいた。ある日、陳情に来たNPO団体から、非正規雇用が原因で自死したとされる人々のリストを持ち込まれ追及を受けた鷹野は、そのリストの中から自分と同じ25歳で自死した青年に関心を抱き、その死の理由を調べ始めるが――。原作は、いじめや非正規雇用など、自らの経験をテーマに短歌を発表し続けた萩原氏の初の歌集にして遺作となった「滑走路」。この295首は、作者と同じように苦悩を抱える人へのエールとして多くの共感を呼び、初版500部、自費出版がメインの歌集において累計8刷30,500部と異例のヒットを記録。今回の映画では、劇場アニメーション『ジョゼと虎と魚たち』でも注目の桑村さや香が脚本を、西谷弘監督作品などで名助監督として活躍する大庭功睦が監督を務め、「滑走路」から着想を得てオリジナルストーリーとして映像化。非正規、いじめ、過労、キャリア、自死、家族――現代を生きる若い世代が抱える不安や葛藤、それでもなお希望を求めてもがき生きる姿を鮮烈に映し出していく。本作の主演を務めるのは、ヒロインを演じる舞台「リムジン」の上演を控える水川あさみ。30代後半に差し掛かり、将来への不安を抱える切り絵作家・翠を演じる。「心に響くエールをくれる」と萩原氏の短歌を語った水川さんは、「映画では、それぞれの人生が交差し行き交いながら葛藤し決断し立ち止まり、前に進む姿は誰しもの背中を押してくれる作品になったのではないかと思っています」と自信を見せる。また、非正規雇用者の自殺問題に向き合いつつ、自らも過重労働に苛まれる厚生労働省の若手官僚・鷹野役に、連続テレビ小説「ひよっこ」、『チア男子!!』、『劇場』の浅香航大。幼なじみをかばったことでいじめの標的にされてしまう中学2年生の学級委員長役を、もうすぐ公開予定の『燃えよ剣』では田村銀之助役で出演している寄川歌太が演じる。浅香さんは「僕が演じた鷹野は、厚生労働省に勤める若手エリート官僚で、官僚の仕事は、想像を超える仕事量と情報量、責任感などに圧倒されましたが、鷹野の苦悩や葛藤を演じるうえで重要なピースとなりました。撮影に入る前の打ち合わせから印象的に感じた大庭監督の熱量の高さと、キャスト・スタッフ共に高い緊張感のなか撮影を終えた今、仕上がりをとても楽しみにしています」と現在編集作業中だという本作の完成に期待を寄せる。そして寄川さんは「全ての撮影を終え、役から自分自身に戻った瞬間、涙が止まりませんでした。沢山の方に支えていただき、僕にとって大きな一歩となりました。是非観て感じていただきたいです」と、とても大切な一作となったと語っている。『滑走路』は秋、全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2020年03月25日雑誌「NYLON JAPAN」の創刊15周年プロジェクトとして製作した長編映画『転がるビー玉』より、“どこにも行けない”吉川愛、萩原みのり、今泉佑唯の3人の姿を映し出す予告編が公開された。再開発が進む渋谷の片隅にある古い家で共同生活する愛、瑞穂、恵梨香。悩み、もがきながらも夢を追い求める彼女たちだったが、ある日、部屋の立ち退き勧告の通達が届く。本作は、いずれ出て行かなくてはならないその部屋で3人が過ごした、ささやかな日常の物語――。今回到着した予告編では、吉川さん演じるモデル・愛、萩原さん演じる編集者の瑞穂、そして今泉さん演じるストリートミュージシャンの恵梨香が、期間限定の共同生活を送る様子が映し出されていく。花火をしたり、スイカ割りをしたり。様々な人たちと出会い、刺激や言葉をもらい、想いや感情を吐き出したり分かち合ったりしながら、何気ない日々過ごしていく3人。本作の主題歌は「きのこ帝国」佐藤千亜妃による書き下ろし楽曲「転がるビー玉」。今回予告編公開と併せて発表。予告編でもバックに流れており、3人を暖かく包み込む。佐藤さんは「生きていれば少しずつ傷が増えていくけど、同時に少しずつ重荷がとれていく。上手く言葉に出来ない想いを抱えている全ての若者に、この作品が届きますように!3人の感情に音楽で寄り添うことが出来たことを、とても光栄に思います」とコメントしている。『転がるビー玉』は2020年1月31日(金)よりホワイトシネクイントにて先行公開、2月7日(金)より全国にて順次公開。(cinemacafe.net)■関連作品:転がるビー玉 2020年1月31日より渋谷パルコ ホワイトシネクイントにて先行公開、2020年2月7日より全国にて順次公開
2019年11月15日俳優の吉沢悠がこのほど、都内のスタジオで特別ラジオ番組『追悼・萩原健一傷だらけの天使ラジオ~天使のビルに集う人たち』 (文化放送/27日19:00~20:00) のナレーション収録を行い、収録後に取材に応じた。3月26日に死去した俳優の萩原健一さんを偲ぶ同番組は、代表作であるドラマ『傷だらけの天使』(日本テレビ系)のロケ地であり、ファンの聖地として知られる東京・代々木会館、通称「傷だらけの天使ビル」(※現在は解体工事中)に集う人たちのインタビューをベースに展開されていく。吉沢は「これ、形見分けでいただいたんですよ」と言って、木の額縁に大切そうに保管された黄色のスカーフを見せてくれた。吉沢と萩原さんは、2016年に放送されたNHK BSプレミアムのドラマ『鴨川食堂』で共演した間柄。吉沢含めた『鴨川食堂』のメンバーは、萩原さんの訃報を受けて追悼式を行ったらしく、その時に関係者から譲り受けたという。収録を終えた吉沢は「改めて萩原さんのことを想う時間になりました」としみじみ。番組の中で様々な世代のファンが『傷だらけの天使』への思いを語っていたことに触れて、「これだけ時代が経ってても愛される普遍的な作品だったんだな」と感じつつ、「ファンの方にとってアンチヒーローというか、自分のできないことをやって、夢を見させてくれた人だったんだなと強く感じました」と話した。初めてごあいさつさせていただいたのは、『鴨川食堂』ドラマ撮影スタート時の主要キャストが一同に介するタイミング。そこで吉沢が見たのは、主演を立てて後ろのほうに位置取り、ニコニコと優しそうな笑みを浮かべている萩原さんだったという。恐る恐るあいさつすると、「そっか、そっか。お願いしますね」と気さくに応じてくれ、「何、この仏様みたいな方は!」と驚いたことを振り返った。しかし、いざ本番になると「ガラッと目の色が変わった」と言い、「あの時たしかご病気されていたと思うんですよ。身体の調子も100%じゃなかったと思うんです。それでも目の生きてる感じが、もう、映像で見た若い頃の萩原さんと変わらなかった」と証言し、「ちょっと目をそらしちゃうくらいの目力でしたね」と振り返った。そんな萩原さんを総じて「色気のかたまり」と形容した吉沢。「若い時はギラギラした色気、往年は座ってるだけ感じる色気というか…。この人の中で、いろいろな痛みとか楽しみとか、散々やってきてこうなってるのかな、みたいな。それもある意味、色気ですよね」と回顧していた。
2019年08月24日『カメラを止めるな!』のクリエイターが再集結、上田慎一郎オリジナル脚本映画『イソップの思うツボ』から、意味深なカウントダウンがはじまる特別予告映像が到着した。今回到着した映像では、「今度の親子には“裏”がある!!」という煽りから幕を開け、6秒から謎のカウントダウンがスタート。恋に勉強に大忙しな亀田美羽、兎草早織、戌井小柚と3人のヒロインたちの日常が映し出されるも、カウントがゼロになると「日常は、終わりを迎える。」という文字と共に“誘拐”や“復讐”といった言葉やカメなど、冒頭とは全く違った雰囲気の映像が流れ、波乱と混沌を予感させる。誰も予想できないというその結末は、ぜひ劇場で見届けて。『イソップの思うツボ』は8月16日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:イソップの思うツボ 2019年8月16日より全国にて公開©埼玉県/SKIPシティ彩の国ビジュアルプラザ
2019年07月30日ドラマ『3年A組―今から皆さんは、人質です―』で、教師と内通していた出席番号1番の生徒を演じ、人気上昇中の萩原利久さん。今夏、アーデンの森を舞台に、青年と前公爵の娘の恋愛模様を描いたシェイクスピアの恋愛喜劇『お気に召すまま』に挑む。シェイクスピア作品というと、やはり難解?「自分の中になかったものを表現したい欲が出てます」「僕も、“シェイクスピア=難しい”という固定観念を持っていたひとりでした。実際、聞き慣れない言葉もあって、簡単ではありません。でも、描かれている感情や欲はとてもシンプル。今回の翻訳では隠語もあって、いろんな解釈ができます。でもこれが正解ということはないので、感じたままを受け入れてもらえたら」演じるのは、羊飼いの娘に猛烈にアタックする羊飼いシルヴィアス。「これ以上ないくらい、欲望むきだし!僕が現代の日本であそこまで欲望のまま動いたら、絶対に嫌われてしまいます(笑)」満島ひかりさん、坂口健太郎さんと豪華なキャストにも注目が集まる本作品。その誰しもが稽古場では「可能性を探し続けている」そう。「僕以外の皆さんからは、初日からアイデアがポンポン出てくるんです。そうした刺激的な場にいると、自分の中になかったものを表現してみたい欲が出ますね。そしてすごく自由。失敗が怖くなくなったことがすごくありがたいです」20歳を迎えて、お酒を嗜むようになった萩原さん。特に酌み交わしてみたい共演者は?「(満島)真之介さん。二人ともNBAが好きだから、一回ぐいっと深いところまで話したい。僕、興味あることに対しては絶対に負けたくないんで、自分より知識があったらものすごく悔しいだろうな(笑)」はぎわら・りく1999年2月28日生まれ、埼玉県出身。’08年デビュー。’15年、『イノセント15』で映画初主演。『帝一の國』などにも出演。映画『アイネクライネナハトムジーク』が9月20日公開予定。『お気に召すまま』オーランドはロザリンドと恋に落ちるが、兄オリバーに命を狙われアーデンの森に逃げる。そこでは人間のあらゆる欲望がうごめいていた。7月30日(火)~8月18日(日)※追加公演も決定東京芸術劇場プレイハウス演出/熊林弘高出演/満島ひかり、坂口健太郎ほかS席8500円*税込み東京芸術劇場 TEL:0570・010・296※『anan』2019年7月31日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・小泉咲子(by anan編集部)
2019年07月26日映画『カメラを止めるな!』などを手掛けたことでも知られる上田慎一郎監督が20日、ツイッターを通じ、お笑いコンビ・雨上がり決死隊の宮迫博之、ロンドンブーツ1号2号の田村亮の謝罪会見についてコメントした。宮迫と亮は20日、都内で開いた会見で一連の闇営業騒動を謝罪。一方で、吉本興業から会見を阻止されるなど、圧力があったことを告発した。上田監督は会見後、「宮迫さん、亮さんは勇気を振り絞った」と2人を称え、「吉本、テレビ局、漢を見せてほしい。今こそ勇気を振り絞って欲しい。信じたい。時代を変えよう」とツイート。また、お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志が、「後輩芸人達は不安よな。松本動きます」とツイートしたことに触れ、「震えた…。松っちゃん、頼む!!」とメッセージを送っている。
2019年07月20日『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督が贈る待望の劇場長編第2弾『スペシャルアクターズ』から、ポスタービジュアルと場面写真が解禁となった。いままで映画の内容について明らかにされていなかったことで、公式Twitterでは映画の小道具写真などから「#スペアク妄想選手権」が開催され、完成を待ちのぞむ多くの上田監督ファンからどんな話になるのか妄想コメントが寄せられていた本作。ついにその内容も解禁となり、「緊張すると気絶する役者」VS「カルト集団」の一筋縄ではいかない、痛快エンターテインメントになることが分かった。今回解禁されたポスタービジュアルは、鮮やかなエメラルドグリーンをイメージカラーとし、メインとなる役者たちがイラストで描かれ、一度見たら忘れられないインパクトが炸裂したビジュアルとなっている。上田監督自らディレクションを行い、デザインは前作『カメラを止めるな!』と同じく上田監督の妻であり監督補のふくだみゆきさんが手掛けた。2人の共同作業は撮影中にとどまらず、このメインビジュアルでも「カメ止め!」の面白さを想起させながらも、新しい映画との遭遇を予感させる絶妙な「顔」を作り上げた。ボスタービジュアルと同時に場面写真4枚も解禁。プロアマ問わず公募をかけ、書類選考を経て1,500名の中からオーディションで選ばれた15人のキャストがどのようなストーリーを繰り広げるのか、妄想しながら公開を待ちたい。『スペシャルアクターズ』は10月18日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:スペシャルアクターズ 2019年10月18日より新宿ピカデリーほか全国にて公開(C) 松竹ブロードキャスティング
2019年07月17日6月30日放送のNHK大河ドラマ「いだてん」に萩原健一さん(享年68)が登場した。高橋是清役を演じた萩原さんにとって遺作となった同作。視聴者からは《萩原健一氏の威厳、「いだてん」史上最高の緊張感》《存在感が重厚で凄かった》《いだてんが最後だと思うと淋しい》など声が上がっている。そんななか、28日に萩原さんの代表作であるドラマ「傷だらけの天使」の舞台になった東京・代々木のビルが解体されると判明した。ファンにとっては“聖地”とも言える場所だ。ドラマの最終回では、ビルが解体されるストーリーだった。放送開始から45年がたち、ついに現実となってしまった。このドラマについて萩原さんは著書「ショーケン」で述懐していた。萩原さんはアイデアが浮かぶたび、監督の恩地日出夫氏や脚本家の市川森一さん(享年70)などに昼夜問わず電話をかけて相談をしていたという。さらに印象的なオープニングの“朝食シーン”は時間がなく、アドリブだったとも明かしていた。そんな萩原さんの思い出の場所が失われようとしている。ファンからは《あぁ、いよいよなくなるのかぁ》《ショーケンと共に去るのね》《目に焼き付けておきたい》と惜しむ声があがっている。
2019年07月01日「弟の急逝により、私たち親族の動揺はいまもおさまりません……」と語るのは、埼玉県内に住む故・萩原健一さん(享年68)の実姉。ショーケンという愛称で親しまれたスターの逝去から2カ月。彼を知る人々は、いまも寂寥感を募らせ続けている。実姉のもとにも、萩原さんを偲ぶファンレターが届いているという。「(ファンの方は)どうやって私の居場所を知ったものでしょうか。でも《ずっとショーケンさんの存在に励まされていました》《苦しいときには歌を聴いて力をもらいました》といった文面を拝読して、弟はいい人たちに応援されていたんだなぁとあらためて感じました。生前は(離婚や逮捕など)いろいろお騒がせしましたが、ファンでい続けてくれた人たちには本当に感謝しています」5月17日には、萩原さんの最後の著書である『ショーケン最終章』(講談社)が発売された。昨年10月から今年2月にかけて行われた9回のインタビューをまとめたものだ。著書の担当編集者は、出版の経緯について次のように語る。「昨年秋に萩原さんから、『自分の口で真実を語りたい』というお申し出がありました。すでに“余命1年半”という宣告を受けていらしたそうです。萩原さんは映画やドラマに関するご自分なりの演技論を持っているのに、それが世間にはうまく伝わっていないという思いを長年抱いていたようです。それから月に2回ほどのペースでご自宅に伺ってインタビューしましたが、声にも張りがあって、滑舌もしっかりしていました」『ショーケン最終章』には、往年の名作である『傷だらけの天使』『太陽にほえろ』から最晩年の作品までの制作秘話がつづられている。なかでも萩原さんが存命中に放映されたなかでは最後のドラマになった『不惑のスクラム』(NHK総合)にまつわるエピソードは非常に印象的だ。’11年に人間ドックに入ったことで発見されたGIST(消化管間質腫瘍)は、一度は切除手術が成功したものの、その4年後の’15年に再発し、萩原さんは抗がん剤による治療を続けていたという。『不惑のスクラム』出演のオファーがあったのは’18年のこと。“末期の胃がんを患っている初老のラガーマン”という役柄に萩原さんは不思議な因縁を感じたという。だが主治医は猛反対だった。《ドラマ出演の可能性を尋ねると、主治医からは即座に「ダメです」と否定された。「いますぐ入院していただきたい。そういう段階です」》(『ショーケン最終章』より)「自殺行為」とも言われた撮影だったが、妻のリカさん(57)は萩原さんの気持ちを尊重し、出演に賛成してくれたのだ。萩原さんはドラマの設定について、プロデューサーにこう提案したという。「好きなラグビーができるのは、家庭があってこそ、支える妻があってこそなんじゃないか」それは、自分が俳優という仕事に取り組めるのは妻の支えがあってこそ、という萩原さん自身の実感だったのだ。撮影は無事に終了したものの、《病状はその短期間で急速に進行していた》という。しかし著書からは命を削った最後のドラマへの満足感が強く伝わってくる。前出の担当編集者が続ける。「インタビューの際は奥様もいつも同席してくださいました。8年間の結婚生活については奥様のほうが詳細に記憶していて、補足してくださることもありましたね」冒頭でファンたちへの“お礼”を話してくれた萩原さんの実姉は、こんな“感謝の思い”も語っていた。「弟にとって最後の結婚になりましたが、リカさんには本当にお世話になりました。あの方がいたから、弟も闘病に耐えることができたのだと思います。とても甲斐甲斐しい看護で、私は弟に『奥さんの言うことを聞きなさいよ』と、言うぐらいでした」天国の萩原さんも“最期の花道”を飾らせてくれた愛妻に感謝していることだろう。
2019年05月24日社会現象を巻き起こした『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督による長編劇映画第2弾『スペシャルアクターズ』が、10月18日(金)に公開決定。すでに5月14日よりクランクインしていることが分かった。300万の製作費で、31億強の興行収入を得る大ヒットを記録した映画『カメラを止めるな!』。これに続く上田監督長編劇映画第2弾は、内容はまだ明らかにされていないが、奇想天外なエンタテインメント映画となる予定だという。なお、本作は松竹ブロードキャスティング製作「作家主義」と「俳優発掘」をテーマに上げるオリジナル映画プロジェクトの第7弾作品となるもの。過去には、『恋人たち』(第2弾/橋口亮輔監督)、『鈴木家の嘘』(第6弾/野尻克己監督)などがある。今回、プロアマ問わず公募をかけ、書類選考を経て1500名のオーディションを実行。選ばれた15人のキャストを上田監督があてがきしてオリジナル脚本を作り上げ、編集も手掛ける。上田監督は「『カメラを止めるな!』に続く監督作…。企画開発を始めた頃、正直、想像以上のプレッシャーに襲われ、一時期、大スランプに陥りました。しかし、仲間に助けられながら、その暗黒期を乗り越え、なんとかクランクインまで辿り着くことができました」とクランクインまでは苦労したと明かし、「映画の内容はまだ言えないのですが、このタイトルとロゴから妄想を膨らませてお待ちください。本作も自分の『好き』や『最高』がギッシリ詰まった映画になることは間違いありません」と自信を見せている。『スペシャルアクターズ』は10月18日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:カメラを止めるな! 2018年6月23日より全国にて公開©ENBUゼミナール
2019年05月16日映画『カメラを止めるな!』で、日本のみならず世界中で大旋風を巻き起こした上田慎一郎監督による長編劇映画第2弾『スペシャルアクターズ』が5月14日よりクランクイン。この度、上田監督と、本作の企画に携わった深田誠剛のコメントが公開された。本作は、松竹ブロードキャスティング製作で、“作家主義”と“俳優発掘”をテーマに掲げたオリジナル映画プロジェクトの第7弾作品となるもの。出演者はプロ・アマ問わず公募がかけられ、書類選考を経て1500名のオーディションを実行。選ばれた15人のキャストを、上田監督が当て書きしてオリジナル脚本を作り上げた。5月14日にクランクインを迎え、ポストプロダクション期間を経て、本年10月18日(金)より公開される予定だ。気になる作品の内容については未だ明らかとなっていないが、奇想天外なエンタテインメント映画となる予定らしい。わずか300万円の製作費で、2018年6月23日に2館で公開され、その後300館に拡大し、31億強の興行収入となった爆発的ヒット作『カメラを止めるな!』は今や伝説だ。第2弾となる本作では、どんなサプライズが用意されているのだろうか。■上田慎一郎(監督・脚本・編集)今作も、出演者はオーディションで選抜した、まだ無名の俳優たち。応募者1500人の中から選抜した15人の俳優たちと共に、企画開発から、つまり、ゼロから一緒に創り上げてきました。『カメラを止めるな!』に続く監督作……。企画開発を始めた頃、正直、想像以上のプレッシャーに襲われ、一時期、大スランプに陥りました。しかし、仲間に助けられながら、その暗黒期を乗り越え、なんとかクランクインまで辿り着くことができました。今は心底、この映画を信じています。映画の内容はまだ言えないのですが、このタイトルとロゴから妄想を膨らませてお待ちください。本作も自分の“好き”や“最高”がギッシリ詰まった映画になることは間違いありません。今の自分にしか撮れないもの。このキャスト、スタッフでしか撮れないもの。2度とは掴めない“奇跡”を拾い集めて、最高の娯楽映画を創ります。お楽しみに。■深田誠剛(企画)上田監督のことを知れば知るほど、映画を作ることを運命づけられた人だと感じます。映画への深い愛情や並外れた才能、チャーミングな人柄や優れたリーダーシップは、若くしてハリウッドの救世主となったスピルバーグに近いかもしれません。まさに映画の申し子です。私たちは今まで“作家主義”と“俳優発掘”を掲げて映画を作ってきましたが、上田監督は日本映画界では珍しいエンタテインメントに徹した作家だと思います。特に“笑い”に対するこだわりはすごい。『カメ止め』では観客の笑い声で劇場が揺れるという体験を何十年かぶりにしましたが、そんなことのできる監督はほかにいないし、『スペシャルアクターズ』もそういう映画になると信じています。また、この作品の出演者はオーディションで選ばれた無名の役者たちですが、彼らが個性豊かで素晴らしいのです。上田監督の卓越した演出で輝く彼らを観てほしいですし、この映画でスポットが当たってほしいと願っています。『スペシャルアクターズ』10月18日(金)より、新宿ピカデリーほか全国公開
2019年05月16日2018年最大の話題作『カメラを止めるな!』(以下、『カメ止め』)のクリエイター、上田慎一郎×中泉裕矢×浅沼直也のトリプル監督で贈る最新作のタイトルが『イソップの思うツボ』に決定した。本作は、動員数220万人以上、興行収入31億円超え、国内映画賞も席巻した『カメ止め』上田慎一郎監督と、同作では助監督を担当し、スピンオフ版「ハリウッド大作戦!」の監督も務めた中泉裕矢、同作でスチールを担当した浅沼直也の3人が共同で監督を務め、それぞれの特徴を生かして演出。『カメ止め』を超える“ネタバレ厳禁”がうわさされていた中、今回、上田・中泉・浅沼の3監督によるコメント動画にて、これまで明らかになっていなかった本作のタイトルが発表された。このコメント動画は、タイトル会議終了30分後に収録され、決定の喜び冷めやらない3監督の様子が伝わってきそう。3人の挨拶の後、まるで新元号の発表のように直筆文字で作品タイトルが発表に!決定したタイトルは…『イソップの思うツボ』。発表用の直筆色紙は「イソップの」を浅沼監督が、「思う」を上田監督が、「ツボ」を中泉監督が、それぞれ思いを込めて共同作業にて書き上げたという。動画内で中泉監督が触れたように、すでに明らかになっていた「三角関係」「復讐」「カメ」というキーワードに加え、新たに解禁となった『イソップの思うツボ』という作品タイトル、いったいどのような作品となっているのか…!?まだまだ謎の多い本作の続報に、これからも注目していて。『イソップの思うツボ』は夏、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2019年04月11日映画『カメラを止めるな!』で注目を集める上田慎一郎監督の次作のタイトルが、『イソップの思うツボ』に決定した。現在、今夏公開に向けて編集作業が進められている。上田監督のほか、『カメ止め』の助監督を務めた中泉裕矢氏、同じく『カメ止め』でスチールを担当した浅沼直也氏も監督として参加。上田監督は公開されたコメント動画で、「つい先ほど30分ほど前に最終確定いたしました」と明かし、新元号発表のように色紙でタイトルを発表した。ちなみに、色紙の直筆は「イソップの」を浅沼監督、「思う」を上田監督、「ツボ」を中泉監督が書いたという。中泉監督は「すでに発表している『三角関係』『復讐』『カメ』というキーワード、そしてこの『イソップの思うツボ』というタイトルから、みなさんは何を想像するでしょうか?」、浅沼監督は「まだまだ謎でいっぱいの本作、今後徐々に明らかになっていきます。続報をお待ち下さい」とそれぞれ呼びかけている。
2019年04月11日『カメラを止めるな!』の監督・上田慎一郎によるオリジナル脚本&トリプル監督作品のタイトルが、『イソップの思うツボ』に決定した。上田と共に監督を務めるのは、『カメ止め』で助監督を担当し、スピンオフ版の監督を手がけた中泉裕矢、同作でスチールを担当した浅沼直也。この度、3監督によるコメント動画が公開された。公開されたコメント動画は、タイトル会議の終了30分後に収録されたもの。興奮冷めやらぬ3監督の楽しげな表情が印象的だ。先日の新元号発表を彷彿とさせる、直筆色紙で発表されたタイトルは、『イソップの思うツボ』。ちなみに、こちらの文字は「イソップの」を浅沼が、「思う」を上田が、そして「ツボ」を中泉が、それぞれ担当して共同作業で書き上げたもの。すでに明らかになっている「三角関係」「復讐」「カメ」というキーワードに、今回明らかになったタイトルから、どんな作品が生まれるのか期待が高まる一方だ。作品ジャンルやキャスト、ストーリーなど、まだまだ謎だらけの本作。続報が待ち望まれる。『イソップの思うツボ』今夏、全国ロードショー!
2019年04月11日4月8日(月)深夜の日本テレビ「映画天国」枠では先日逝去した俳優の萩原健一氏を追悼して、萩原さんの代表作でもある探偵ドラマ「傷だらけの天使」の第1話と最終話を急きょオンエアする。「ザ・テンプターズ」のボーカルとして17歳で歌手デビューすると、解散後は映画の道へ。当初は裏方志向だったが1972年公開の『約束』での演技が評価され、「太陽にほえろ!」のマカロニ刑事役も大きな話題を呼び本格的に俳優の道を歩むことになった萩原さん。映画『青春の蹉跌』でキネマ旬報の最優秀主演男優賞を受賞し、勢いづいたところで出演したのが本作「傷だらけの天使」である。その後も黒澤明監督の『影武者』、鈴木清順監督の『カポネ大いに泣く』、深作欣二監督の『いつかギラギラする日』など日本を代表する監督たちと仕事を続け、現在放送中の大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」にも高橋是清役で出演するなど最近まで精力的に俳優業をこなしていた萩原さんだが、3月26日に68歳でその生涯に幕を下ろした。「傷だらけの天使」は1974年10月から75年3月まで放送され、萩原さん演じる探偵事務所「綾部情報社」の調査員・木暮修が、水谷豊演じる調査員の乾亨と権力や体制の理不尽さなど非情な社会と向き合っていくという作品。今回は第1話「宝石泥棒に子守唄を」と最終話「祭りのあとにさすらいの日々を」を放送。第1話は、修が貴子(岸田今日子)の命令で宝石店に押し入り多額の宝石類を強奪するが、子どもにケガをさせたことから仕事は思わぬ方向に進んでしまう…という展開。最終話は修が暮らすペントハウスが突然取り壊されることになり、綾部事務所も全員姿を消す。京子(ホーン・ユキ)から貴子が修を連れて海外へ逃亡しようとしていると聞きすがる亨を振り切って、出て行こうとするのだが…というストーリー。「映画天国」枠「傷だらけの天使」は4月8日(月)深夜25時59分~日本テレビでオンエア。(放送予定だった『ホットロード』は後日改めて放送)(笠緒)
2019年04月08日3月26日、ショーケンの愛称で親しまれた、俳優で歌手の萩原健一さんが都内の病院で亡くなった。享年68。新元号発表を目前にして、昭和を代表するスターがまた1人逝ってしまったのだ。萩原さんは11年から8年間も消化管間質腫瘍(GIST)との闘いを続けていた。10万人に1~2人しか発症しない、希少がんの1つで日本人では胃に発生することが多いという。3回の結婚と離婚のほかにも多くの女性と恋に落ちてきた萩原さんの最期を看取ったのは、妻でモデルの冨田リカさん(57、本名・萩原理加)だった。萩原さんとリカさんが出会ったのは’09年10月、月刊誌『美ST』の対談だ。その後、萩原さんが猛アプローチして’11年2月に入籍。しかし、その直後にGISTが発見され、結婚生活のほとんどが闘病生活となったが、2人はその事実を限られた友人たちにしか明かしていなかったのだ。本誌が萩原さんとリカさんをインタビューしたのは結婚5年目の’15年11月。当時、萩原さんは14年ぶりの連続ドラマ『鴨川食堂』の撮影に臨んでおり、演技論も熱く語り続けた。その元気な姿からは、まさかがんと闘っているとは想像もできなかった。だがインタビュー前に萩原さんがポツリともらした言葉は印象的だった。「夫婦で取材に応じるのは、今回が最初だけど、きっと次はないんじゃないかな」自分の命がもう長くはないことも悟っていたのだろうか。萩原さんのその言葉どおり、“最初で最後の夫婦インタビュー”となってしまったのだ。“永遠の不良少年”とも呼ばれた萩原さんだったが、取材中は終始穏やかで、少し前にシンガポールに移住したことも教えてくれた。《実はいまは、2人で相談して拠点を東南アジアに移しているんです。1年ぐらい前からかな。今後もしばらくは、仕事がないときは海外で過ごすことになると思います》(本誌’15年12月8日号・以下同)現地生活のすばらしさについて夫妻は口々に語っていた。萩原「日本では、ずっと闘ってきて本当に嵐のような人生だった気がするんだよ。それがね、アジアの家では、買い物をしてカフェでお茶を飲んで、家に帰ったら、家内の作ったごはんを食べて……。これがね、本当に幸せなんだ」リカ「確かに海外にいるほうが、気持ちが楽になるのか、(主人の)表情も、笑ったり、泣いたりと豊かになります」スター・萩原健一が、リカさんといっしょに見つけたのは、“ささやかだが人間らしい幸せ”だったのだ。リカさんは、萩原さんにその生活を続けさせるために全力を尽くしていたのだろう。彼女は繰り返し、“人間として幸せになってほしい”と、語っていた。《萩原の妻を務めるのは並大抵のことではなく、一日一日が真剣勝負で……。主人も俳優として最終章をむかえました。俳優は幸せなどを削って、作品に身を投じている人もいるそうで、主人もそうだったと思います。ただ私の幸せは、“人間・萩原敬三(※本名)”が幸せになることで、主人が笑顔で仕事をしてくれることが何よりもうれしいんです。》インタビューで萩原さんは目を潤ませながらリカさんへの感謝の言葉をはっきりと口にしていた。「……僕は家内と出会っていなければ死んでいたんじゃないかな。彼女と結婚して本当に人生が変わったんだ……」それから3年、萩原さんの容体が急変したのは今年3月25日。病院に救急搬送されたが、翌日に帰らぬ人となった。夫婦最期の病室についてリカさんはこうコメントしている。《本人の強い意向により、病のことは公表せずに参りました。最期は、とても穏やかで安らかに、ゆっくりゆっくり、眠る様に息をひきとりました》“病気のことなどで騒がれず、俳優として毅然と逝きたい”という美学を理解してくれた妻に看取られた萩原さん。だがリカさんにはまだ安息の日々は訪れていないようだ。弔意を伝えた編集部にリカさんからはこんなメッセージが寄せられた。《主人に最期の花道を歩かせることが私の最期の役目です。だからまだ気を抜くことはできません》たとえ逝去後であっても俳優・萩原健一の姿を汚させない……、“夫の花道”を追求し続ける妻の姿に、天国の萩原さんは、あの日のように目を潤ませていることだろう。
2019年04月02日萩原健一さんが消化管間質腫瘍のため、3月26日に亡くなった。68歳だった。各メディアによると萩原さんは11年から闘病していたが、本人の意向で病名を公表していなかったという。「67年に若干17歳でザ・テンプターズのボーカルとしてデビューした萩原さんは、俳優業に進出。『太陽にほえろ!』『傷だらけの天使』『前略おふくろ様」(すべて日本テレビ系)といった名作ドラマで一躍大スターとなりました。晩年も09年の映画「TAJOMARU」で日本映画批評家大賞・審査員特別男優賞を受賞。昨年には22年ぶりの新曲をリリースし、大きな話題に。ミュージシャンとしても個性派俳優としても、多くのファンを魅了してきました」(芸能関係者)そのいっぽう私生活は破天荒そのもので、“永遠の不良”と呼ばれることも。交通事故や恐喝騒動、4度の結婚で世間を賑わした。何より話題となったのが83年、大麻所持で逮捕されたことだった。人気俳優として活躍するさなかだったため、非難の声が殺到。実はその際に頼りにしたのが瀬戸内寂聴さん(96)だった。萩原さんは判決が出た翌日に「寂庵」へと向かい、剃髪。各地で2週間に及ぶ厳しい修行をした後、「監獄より辛かったけど、想像もしない世界で、いままでできなかった体験をした」とまっすぐな瞳で語ったという。そんな萩原さんに寂聴さんは「寂照」という名前を与えた。もともとテレビドラマの原作者と主演俳優として出会った2人だが、以来親交を深めていった。生前の萩原さんは、寂聴さんを“お母さん”と呼ぶほど慕っていたという。03年に萩原さんは、13年ぶりにライブツアーを開催。そのキッカケも寂聴さんだった。本誌03年11月25日号で、萩原さんはこう感謝の思いを語っていた。「やるきっかけになったのは、お世話になった瀬戸内先生がもう80歳を過ぎてるじゃない?いまのうち何かご恩返しをと思ったら『コンサートしてよ』というんだよね」萩原さんは10年に還暦を迎えた際も、寂聴さんからの言葉を明かしている。「瀬戸内先生ともよく話したけど、躓いて絶望感に包まれても、決して自分を嫌いにならないことだよね。自分を愛せない人間を他人が愛してくれるわけないからね。そんなことを心がけて、過ごしていきたい」(「女性自身」10年1月26日号)そんな萩原さんのことを寂聴さんは、我が子のように可愛がっていた。本誌10年9月7日号では「いろいろな事件を起こすたびにハラハラさせられますけど、“出来の悪い子供ほど可愛い”っていうでしょう」としたうえで、こう話していた。「彼は母性本能をくすぐるんです。何かあると私のところに“お母さ?ん”と電話してくるのですけど、どんなに悪いことをしても憎めない。男には、しっかりしていて頼れるタイプと、なんだかちっとも頼りにならないタイプがいるでしょう。ショーケンは頼りにならないタイプで、なんだか見捨てられない」本物の親子のような仲だった2人。“一人息子”を無くした寂聴さんの心痛は想像に難くない。
2019年03月29日ショーケンの愛称で親しまれた俳優で歌手の萩原健一さんが26日に消化管間質腫瘍(GIST=ジスト)のため亡くなったことを、28日に所属事務所が発表した。68歳だった。俳優・歌手として日本の芸能界に輝かしい功績を残した萩原さんだが、プライベートでは3度の離婚を経験。さらには4度も逮捕されるなど、破天荒な生涯だった。そんな萩原さんの“素顔”に密着した番組が話題になっていた。「09年9月放送のドキュメント番組『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)で、『ショーケンという「孤独」』と題して密着していました。ショーケンさんはカメラの前で本音をさらけ出しており、『彼があそこまで自分をさらけ出した番組はなかなかない』と業界からも注目を集めていました」(芸能記者)萩原さんは恐喝事件で逮捕され、05年6月に懲役1年6カ月・執行猶予3年の有罪判決を受け活動休止。番組では、復帰に向けて始動する萩原さんに密着していた。「白いスーツを着こなしてスーパーへ買い物に行き、1日1食の自炊生活。親戚の家に行くと叱責され、映画『TAKJOMARU』(09年公開)では役作りに苦悩する姿などがカメラに収められていました。当時は独身だったこともあり、孤独感をにじませていました。しかしその後、11年に妻でモデルの冨田リカさん(57)と結婚。ショーケンさんは明るくなったといわれるようになりました。今回、彼は愛する冨田さんに看取られて天国へと旅立ちました。最後は孤独じゃなかったのです」(前出・芸能記者)最愛の妻と過ごしたことで、萩原さんの心から孤独感はぬぐい去られていたはずだ。
2019年03月29日俳優の萩原健一さん(本名:萩原敬三さん、享年68)が3月26日、都内の病院で亡くなっていたことが分かった。病名はGIST(消化官間質腫瘍)で11年からひそかに闘病生活を送っていたが、本人の強い希望で公表を控えていたという。実は、萩原さんは闘病中だった15年12月、妻でモデルの富田リカさん(57)と本誌のインタビューに答えている。萩原さんは終始リカさんに感謝しきりで、《僕は家内と出会っていなかれば死んでいたんじゃないかな。彼女と結婚して本当に人生が変わったんだ》と話していた。2人は09年10月、月刊誌『美ST』(光文社)での対談がきっかけで出会った。萩原さんの猛アプローチで交際が始まり、11年2月に入籍。萩原さんにとっては4度目の結婚だった。本誌のインタビュー当時は結婚5年目で、夫婦円満ぶりがうかがえた。また本誌では10年ごろから東南アジアに拠点を移したことを告白。インタビューの最後には、萩原さんは顔をほころばせながらこう語った。《何事も決めつけることはせずに、これからも家内といっしょに生きていきたい。(中略)人生ってそれでいいんだよな》余生は愛する妻と過ごしたい。そう願った萩原さんはリカさんに見守られながら天国へと旅立ったという――。
2019年03月28日大ヒット映画『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督が、今夏公開に向けて新作を製作中であることが9日、明らかになった。撮影は昨年、わずか9日間で終了し、現在は編集作業が進められている。220万人以上の動員、興行収入31億円を突破し、第42回日本アカデミー賞の計8部門で優秀賞、国内外で63もの賞に輝いた『カメラを止めるな!』。上田監督にとっては長編デビュー作となり、3月8日には日本テレビで地上波初放送された。新作は、彩の国ビジュアルプラザの支援で製作。上田監督のほか、『カメ止め』の助監督を務めた中泉裕矢、同じく『カメ止め』でスチールを担当した浅沼直也も監督として参加した。この3人は、2015年に製作されたオムニバス映画『4/猫 ねこぶんのよん』で各話の監督を務めた間柄だ。今のところタイトルは未定で、上田監督のオリジナル脚本(共同脚本:中泉・浅沼両監督)。キャストやストーリーなどは明かされていないが、「三角関係」「復讐」「カメ」が「映画のカギを握る3つの重要なキーワード」で、『カメ止め』を超える「ネタバレ厳禁の濃厚な時間」に仕上がるという。
2019年03月09日「金曜ロードSHOW!」でTV初放送が発表されていた上田慎一郎監督作『カメラを止めるな!』。この度、放送日が3月8日(金)に決定、完全ノーカットで放送する。37分ワンカット・ゾンビサバイバル『カメラを止めるな!』。製作費300万円の超低予算インディーズ映画として、都内のミニシアター2館で上映がスタートした本作だが、口コミにより瞬く間に広がり、興行収入は30億円を突破、累計350館以上で上映されるなど社会現象を巻き起こし、まさかの大ヒットを記録。また、日本アカデミー賞優秀賞を8部門受賞したほか、海外でも話題となり、世界を席巻した。今回本作放送中には、副音声で上田監督と濱津隆之、真魚、しゅはまはるみ、秋山ゆずきが映画の解説を生で実況中継する模様も楽しめる。撮影の裏話やマル秘エピソードなど、生解説の様子はTwitter(@kinro_ntv)、Facebook(@kinro.ntv)、YouTube(日テレ公式チャンネル)、ニコニコ生放送でライブ配信予定。こちらも要チェックだ。なお、映画天国では上田監督長編作品『お米とおっぱい。』もテレビ初放送される。<上田慎一郎監督コメント>なんと「カメラを止めるな!」が金曜ロードSHOW!で放送されることになりました!まさかまさかの早くも地上波ということで、新たな方々に作品が届くことを本当に嬉しく思っております。この映画はお子さんからおじいちゃん、おばあちゃんまで笑って楽しめるゾンビ映画…なのか!?になっております。ぜひ見てください!金曜ロードSHOW!『カメラを止めるな!』は3月8日(金)21時~日本テレビにて放送。映画天国『お米とおっぱい。』は3月12日(火)1時59分~日本テレビ(関東ローカル)にてテレビ初放送。(cinemacafe.net)■関連作品:カメラを止めるな! 2018年6月23日より全国にて公開©ENBUゼミナール
2019年02月09日