花粉問題対策事業者協議会はこのほど、来春の花粉飛散の本格シーズンを前に、同協議会の取り組みを紹介する「秋季フォーラム」を開催した。同イベントでは、日本医科大学武蔵小杉病院耳鼻咽喉科・松根彰志医師が「身近な花粉症対策の考え方」をテーマに発表した。花粉症・アレルギー性鼻炎とは、スギなどの花粉(季節性)、ダニ(通年性)の成分の一部を吸入することにより感作され、即時型アレルギー反応を介して、くしゃみ、鼻水、鼻づまり(3主徴)などの鼻症状が現れる。時には目のかゆみなどの目症状、のどのイガイガ感などの異常感を引き起こすことも。なお、原因は吸入抗原であり、卵白や乳製品などの食餌性アレルギー疾患とは異なるという。患者数は世界的に先進国を中心に増加傾向にあり、世界中で推定6億人の患者(世界人口は約70億人)がいるという。「鼻アレルギー診療ガイドライン 2013」によると、日本だけでも、1998年と比べて2008年は花粉症・アレルギー性鼻炎が増加傾向に。また、若い世代への影響が極めて大きいとのこと。花粉症・アレルギー性鼻炎による悪影響として、仕事能率の低下、成人睡眠時無呼吸、生活習慣病(高血圧、血管障害、糖尿病)の発症や増悪、治療抵抗性などがあげられる。また鼻呼吸障害により、小児睡眠時無呼吸、学校生活や学習効果への弊害などが起きるという。同ガイドラインによると、花粉症・アレルギー性鼻炎の治療法は大きく2つ(広義・狭義)に分けられる。広義の治療としては、患者とのコミュニケーション、花粉抗原の除去と回避がある。また、狭義の治療としては、薬物療法、アレルゲン免疫療法、手術療法があげられる。中でも免疫療法は、舌下免疫療法がスタートするなど注目を集めているという。これについて松根医師は、「複数の治療法を組み合わせて治療していくことが大事です」とコメントした。
2014年12月09日不眠症の解消にはさまざまな方法があります。今回は、そのうちの1つである認知行動療法をご紹介したいと思います。これは不眠の原因を理解し、その原因を断ち切るというもの。具体的にはどのような方法があるのでしょうか?不眠症の定義とは?今回は「不眠症の認知行動療法」を取り上げたいと思います。認知行動療法を説明する前に、まずは不眠症についてしっかり学習をしたいと思います。不眠症とはどのような状態のことを指すのでしょうか?この定義は非常に難しいと言われていますが、一般的には次の3つの存在があげられています。1.寝ても回復感がないなど、主観的に睡眠の質が悪い状態2.布団に入っていても眠れない状態が長く続く3.日中に眠くなる、または機能低下などがある当てはまるものはありましたか?悪循環を断ち切る不眠は以下の4つの機能が相互に作用している問題と考えられています。1.生理:交感神経系の亢進2.情動:布団に入るだけでネガティブな気持ちになる3.認知:今日も眠れないかもしれないと不安になる4.行動:不眠を解消するためにさまざまな試みをする1の交感神経の亢進は、多忙や体調不良など、ちょっとしたことで簡単に起こると言われています。それをきっかけに眠れなくなり、不眠を解消しようと焦っていろいろと行動を起こして、また眠れないと不安になるという悪循環に入ることがある、ということですね。この悪循環を断ち切ることが不眠の解消につながると考えられています。認知行動療法の紹介不眠症の認知行動療法にはさまざまな方法がありますが、そのいくつかをご紹介したいと思います。・睡眠制限法布団に入ったらすぐに眠れるように、あえて就寝時間を遅らせる。それによって睡眠効率をアップさせる。・刺激統制法寝室=睡眠のためのスペースと意識するため、寝るとき以外は寝室を使わないようにします。・リラクセーション呼吸法などのリラックスできる方法を日頃から練習・習得し、寝る前にも行うように習慣化します。ほかにもさまざまな方法があるようなので、気になる方は一度調べてみるとよいかもしれません。Photo by Rory MacLeod
2014年11月16日いつかは赤ちゃんが欲しい女性必読! “卵子を元気にする”栄養療法とは結婚・出産の高齢化により、“卵子の老化”を気にする女性が急増中。そこで注目されているのが、“卵子を元気にする”という「栄養療法(サプリメント療法)」です。不妊治療として取り入れ、40代で自然妊娠した例もあるというこの療法について、オルソ心療内科クリニック院長の藤森理子先生にお聞きしました。不妊だけでなく、つわりや赤ちゃんの夜泣きが軽減する効果も!?今後、出産を考えている女性は要チェックです!●血液検査で自分に足りない栄養素をチェック!――まずは、「栄養療法」が、どういうものかを教えてください。「簡単に言えば、詳しい血液検査をして足りない栄養素を調べ、それを補うことで心身の状態を整えていくという療法です。栄養バランスの偏り、ストレス、運動不足などの要因で、ほとんどの人はベストとは言えない体調になっていますから、食事を改善するだけでなく、サプリメントを処方して栄養状態をしっかり整えることで、元気な体に近づけるのです。また、体調不良は心の問題にも関係があります。私のクリニックでは、うつなど心の病気の方にも、栄養療法をお勧めしているんですよ」(オルソ心療内科クリニック院長 藤森理子先生、以下同)――栄養療法は不妊の改善にも役立つんですか?「卵管閉塞などの器質的な問題であれば難しいですが、婦人科の検査で特に異常は見当たらないのに、なかなか妊娠できない…というような方には、ぜひ試してもらいたい方法です。体外受精で授からなかったのに、栄養療法を実施して自然妊娠したという方もいらっしゃいます。栄養療法で卵子の老化を遅らせることは可能だと思いますし、別人の体にはなれなくても、その人の、その年齢でのベストの体にすることで、妊娠の確率を上げることができると考えています」●妊娠するために必要な4つの栄養素――妊娠しやすい体になるために重要な栄養素とは?「タンパク質の素になる『アミノ酸』『ビタミンB群』『鉄』『亜鉛』。この4つは特に重要です。不妊の方にかぎらず、栄養療法を受ける方にはほとんど処方する基本の栄養素です」*アミノ酸(タンパク質)…皮膚や筋肉などの材料であり、赤ちゃんの体を成長させるためにも、基本中の基本の栄養素。美容や健康のためにと意識して野菜を食べるあまり、タンパク質不足になり、逆効果になっている女性は多い。*ビタミンB群…エネルギーの代謝、皮膚や粘膜の維持、ストレスへの対抗などに必要。妊娠を望む女性や妊婦に推奨される「葉酸」も、ビタミンB群の一種。*鉄…血を作る材料で、子宮内の環境を整えるために非常に大切。一般的な健康診断ではわからない“隠れ貧血”の人も多い。不妊に悩む女性は「フェリチン」という値が低い場合があるので、詳しい血液検査が必要。*亜鉛…細胞分裂を正常に行い、成長を促進させる。女性ホルモンの作用を高める働きも。「このほか、不妊の場合ですと、細胞分化に関わり、粘膜を維持するビタミンA、ホルモンの材料になり、卵胞の状態を改善するDHEA(デヒドロエピアンドロステロン)も、ぜひ摂取してほしいですね。また、栄養素ではないのですが、私のクリニックでは胎盤エキスのプラセンタもお勧めしています。胎盤エキスには、“体の材料”が少しずつ全部入っていると言われており、先に挙げた基本の4つだけでなく、微量なものまですべてを摂取したいときに、とても便利です。更年期障害、母乳分泌不全症候群にはプラセンタ注射が保険適応になっていますし、30代、40代の女性はホルモンバランスが悪くなっている方が多いので、ホルモンバランスを整えてくれるプラセンタを取り入れるのもオススメです」●サプリメントは品質が重要――自分で効率良く栄養素を取り入れるには、どうしたらいいのでしょう?「食事からすべての栄養素をバランスよく摂るのは本当に大変なので、サプリメントを推奨しています。どんなサプリメントをどれだけ飲む必要があるかは個人によって差があるので、先にお話したとおり、血液検査で判断します」――市販されているサプリメントでもいいのですか?「もちろん、市販されているものでもいいのですが、質がとても大事です。安価なものですと、重量を増すために添加物が多く含まれている場合もありますし、表記されている分量の成分が入っていないこともあり得ます。実はパッケージに書かれている成分量って、出来上がったときに入っている量ではなく、作るときに入れた量なんです。生成方法によっては成分量に違いが出てくる可能性があります。多少、高価になりますが、クリニックで扱っているものなら質は確かですから、やはりきちんと処方されたサプリメントを摂ることをオススメします」――どのくらいの期間で結果が出るものでしょう?「疲労感の改善、肌や髪にツヤが出てくるなどであれば、1カ月ほどで変化を感じられる方が多いようです。また、その周期に排卵される卵子の質は、さかのぼって2~3カ月前の体の状態が影響すると言われていますから、卵子を元気にするという目的であれば、少なくとも3カ月~半年は続けていただきたいです。また、妊娠するためだけではなくて、妊娠後や出産後も栄養をしっかり摂ってほしいので、栄養療法は一時的にではなく、長く続けてほしいですね。赤ちゃんの成長のためにはもちろんですが、栄養状態が整っていれば、つわりが軽い、赤ちゃんの夜泣きが少なく育てやすくなるなどの傾向もありますから、お母さん自身のためにもなります」“卵子を元気にする”ためには、必要な栄養素を摂り、心身を整えることが必要不可欠。自己判断は間違う危険性もあるので、不妊に悩む人や、今後、出産を考えている人は、医師にきちんと診断してもらうのが近道のようです。藤森理子小児科、内科、精神科での経験を経て、「薬で症状に蓋をするのではない、根本的な治療を」と考えるようになり、カウンセリングや栄養療法を含めた独自のアプローチを積極的に行っている。現在、オルソ心療内科クリニック院長。2015年からは夫が院長を勤めるオルソ・マキシマス表参道クリニック院と合併し、二人三脚で、より一人ひとりに合った治療法を提供できるクリニックをめざす。<取材・文/島田彩子取材協力/オルソ心療内科クリニック院長 藤森理子>
2014年11月03日生理学研究所(NIPS)は1月29日、「突発性難聴」を発症した患者に、聞こえが悪くなった耳を積極的に活用するリハビリテーション療法で、聴力がより回復することを明らかにしたと発表した。成果は、NIPSの岡本秀彦特任准教授、同・柿木隆介教授らの研究チームによるもの。研究の詳細な内容は、1月29日付けで英オンライン総合学術誌「Scientific Reports」に掲載された。突発性難聴は急激に聴力が低下する原因不明の疾患で、日本における受療率は年間1万人当たり約3人で増大傾向が認められている。突発性難聴に対してどの治療法が有効かは判明しておらず、現在主流であるステロイド療法の有効性に関してさえ論争中だ。研究チームは、ヒトの脳活動を「脳磁計」で測定し、病気やリハビリテーションなどにより脳活動がどう変化するかを研究している。今回の研究では、突発性難聴患者に対して新しいリハビリテーション療法を行うことで、その有効性が確かめられた。突発性難聴になるとそれを発症した側の耳が聞こえにくくなるため、正常な耳ばかりを使い難聴の耳は使わなくなってしまう。そうすると、難聴の耳から入力を受けている脳の部位も活動を低下させてしまう。脳は使われないと、その機能がどんどん衰えてしまうのだ。そこで、今回の研究では突発性難聴患者の正常な耳を耳栓で塞いで聞こえにくくした上で、逆に難聴になった耳に音楽をたくさん聴かせるという「病側耳集中音響療法」で、難聴の耳とそれに対応する脳部位の神経活動の活性化が試みられた(画像1)。その結果、通常のステロイド療法に加え病側耳集中音響療法が行われた22名の突発性難聴患者の聴力は、ステロイド単独療法の31名の患者に比べて、よく回復したのである(画像2)。また、生体磁気計測装置「MEG(magnetoencephalography)」を使い、病側耳集中音響療法を受けた内の6名の脳における反応の記録も行われた。片方の耳に音を聞かせると通常反対側の脳活動の方がやや大きくなる(左右差=約0.2)が、入院時はこのような脳活動の左右差がないことが確認されたのである。しかしステロイド+病側耳集中音響療法が行われた後では、約3カ月で、健常人と同様の脳活動の左右差が認められるようになった(画像3)。病側耳集中音響療法により、難聴の耳に対応する脳部位が再活性化したのではないか、と考えられるという。岡本特任准教授は、「これまでは突発性難聴に対しては薬物療法を行い静かに過ごすことが推奨されてきました。しかし、むしろ聞こえにくくなった耳を積極的に使うことで、機能の回復を図るリハビリテーション療法が有効であること、また脳活動の回復にも繋がることを今回の研究により示すことができました。今後も、より効果的な治療法の開発に役立て行きたいと考えています」と話している。
2014年01月30日「グリーン・デイ」のボーカル、ビリー・ジョー・アームストロングが薬物乱用を理由にリハビリ入院した。今月21日(現地時間)に参加したハートラジオ・ミュージック・フェスティバルの舞台上でギターを叩きつけて演奏を中断させてしまったビリーは、今回の事件を受けてリハビリ施設に入る決断をしたようだ。同イベント全体が25分オーバーしていたことで、主催者側が45分と予定されていたグリーン・デイの持ち時間を30分に短縮したことに激怒したビリーは、ステージ上で「オレはジャスティン・ビーバーじゃないんだ、このクソ野郎どもめ!冗談もほどほどにしろよ!」と禁止ワードを連発したという。同バンドの代理人はその後、謝罪声明を発表しており、演奏が中断されたのはプロモーター側のせいではないと強調しているという。この事件を受けて、グリーン・デイは26日(水)にも日本発売予定の最新アルバム「UNO!」のプロモーション活動を自省している。
2012年09月25日NPO法人 腎臓サポート協会は、腎臓病の基礎知識や検査・治療方法、各種アドバイスなどを提供する「腎臓病なんでもサイト」にて、正しい食事療法とメニュー作りのコツを解説している。会員登録(無料)すると、食事療法の励行に便利な「栄養成分早わかり表」がプレゼントされるという。食事療法の目的は、腎臓病の進行を遅らせることと、体調を良好に保つことにあるという。腎臓の機能が低下していくにつれ、健康なときは何の問題もなく排せつされていたものがされにくくなり、体全体に悪い影響を及ぼすとのこと。同サイトでは、日々の食事作りに役立つレシピなどを提供。また、「食べたものを書きだすことから始めましょう」「塩分制限は正確な計量が肝心」「各食品に含まれるタンパク質の量を把握しておきましょう」などの食事療法の基本的な知識やポイントも紹介している。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月30日メドピアはこのほど、同社が運営する医師コミュニティサイト「MedPeer」で、「消化管閉塞(へいそく)がない場合の栄養療法」に関する調査を実施した。調査期間は5月9日~15日で、有効回答数は2,592件。「経口摂取困難な脳転移再発症例に対し、どのような栄養療法を行いますか?」という質問に対し、53%の医師が「胃瘻(いろう・PEG)造設」と回答。「管理しやすく誤嚥(ごえん)等少ない」「経鼻胃管は苦痛」「転院、自宅管理することを考えたら、PEGしかない」といったコメントがみられた。また、「経管栄養法」を選択した医師は30%で、「予後は限られているので、あえてPEGにする必要はない」「最も侵襲(しんしゅう)の少ない、そして合併症が少ないと思われる方法を選ぶ」といったコメントが寄せられた。さらに、「中心静脈栄養法(末梢(まっしょう)静脈栄養)」は6%、「その他」は11%。「長期の余命が期待できないのなら中心静脈栄養が良い」「積極的な治療の適応がない」といった意見がみられた。一方で、栄養補給自体に否定的なコメントもみられ、「予後とご家族の希望を考えて対処する」といった声も少なからずみられたという。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月28日ブライトライト専門店は、認知症の昼夜逆転や、夜間せん妄の改善に効果がある光療法を医療・介護分野へ周知・導入させるため、さまざまな学会や大会で積極的に展示活動を行っている。同社によると、光療法は強い光を照射して昼夜のメリハリをつけ夜に睡眠を集中させることで心身を安定させ、からだ全体の生体リズムを整える自然療法という。認知症そのものを治すことはできなくても、睡眠と覚醒のリズムを正常化することにより、夜間せん妄や異常行動を改善。本人と介護者の心身の負担が大幅に改善されることが報告されているとのこと。しかしこの光療法は、医療・介護の分野では十分に周知されていないという。実際に光療法を取り入れている医療・介護施設は極めて少なく、また、光療法について触れている介護関連の書籍も、ほぼ出版されていない状況とのこと。そこで同社は、認知症に関連する学会や大会で積極的に展示し、周知する努力を行っている。また、介護施設向けに、光療法を導入する指導書を作成。この指導書は同社サイトから誰でもダウンロードできる。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月14日メドピアは、同社が運営する医師コミュニティサイト「MedPeer」にて、「化学療法中の患者さんのインフルエンザワクチン」の調査を実施した。調査手法は、MedPeer会員医師を対象とした「ポスティング調査」と呼ばれるオープン回答型のインターネットリサーチ。調査期間は3月2日~3月8日で、有効回答数は 2,444件。「化学療法中の患者さんのインフルエンザワクチン接種」について、「好中球数が低値ならワクチンを見送り、正常値の場合に接種する」と回答した医師が34%となった。「患者さんの状態の良い時に行う」「化学療法の休薬期間に実施する」といったコメントがみられた。「好中球数に関係なくワクチンを接種する」は24%。「インフルエンザ感染の方がリスクが高いので、早めのワクチン接種を勧める」「不活化ワクチンであるので問題ない」という意見がある。「化学療法中はワクチンの接種を行わない」は21%。「思わぬ副作用が生じるかもしれない」「ワクチンの効果があまり期待できない」「化学療法導入前に済ませておくべき」といった声が多く、「罹患(りかん)してから抗インフルエンザ薬で対応する」というコメントもあった。「MedPeer」は医師の会員制コミュニティサイト。医師同士のディスカッション、情報交換を目的としており、その仕組みを利用して各種医師向けリサーチ調査が可能となっている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年04月12日