娘は6歳ですが、粉薬が大の苦手です。拒否反応なのか、「苦い」と思い込みすぎているのか、はたまた、ただのわがままなのかはわかりませんが、粉薬、とりわけ抗生物質などの苦い薬を飲むと、吐き戻してしまいます。ゼリー状のオブラートなど、薬剤師さんにアドバイスをいただいた方法も試しましたが、味わってしまうからなのか逆効果でした。■錠剤なら飲める娘、しかしお医者さんは…飲む度にこみあげる嘔吐感を、毎回顔を真っ赤にして耐える娘。2回に1度は実際に嘔吐してしまい、薬の効果はわからぬまま…。本当に体が拒否しているのか、それとも甘えているだけなのかわからず、どうすることもできないままに、アイスやゼリーなどに混ぜながらだましだまし飲ませていました。ただ、苦手な座薬すら、粉薬を飲むくらいならと、受け入れるほどだったので、本当に粉薬が無理なのかもしれません。次第に娘は、病院に行くのを拒むようになりました。よくよく聞いてみると、薬を飲まないといけないのが、病院に行きたくない一番の理由のようでした。でも、このままではよくならないし、いつもの小児科では錠剤で処方してもらえない…一体どうしたら…娘の気分を変える意味と、もしかしたら錠剤が処方してもらえるかもという淡い期待を抱いて、いつもと違う小児科に行ってみることにしました。■事態は好転! 希望の光が見えた瞬間そこでは、問診票に「希望の薬は?」という欄があり、「シロップ、粉薬、錠剤」のいずれかに〇を付けることができました。「もしかしたら、錠剤を処方してもらえるかもしれない…!」と、希望が見えてきました。診察になり、処方箋の相談のときに、薬の形態について医師に相談してみました。すると、そうして無事に錠剤で薬を処方してもらった娘。薬局で処方してもらった小さな錠剤を確認して、すごくうれしそうにしていました。これまで吐き戻したり、時間がかかったりして、大変で憂鬱(ゆううつ)な時間だった薬時間が、錠剤になっただけですごく楽になりました。しかし、また別の病院で、以前錠剤で処方していただいたものと同じ粉薬が処方されてしまいました。そこで、錠剤での処方をお願いしてみると、年齢のことと、「薬局に置いてないから」と言われてしまったことがあります。そこで思い切って、「お隣の薬局には置いてないかもしれませんが、わが家がいつも利用している薬局には置いてあるので、そちらでもらってはだめですか?」と聞いてみました(我ながらやっかいな親…)。そうしたら「わかりました…」とすんなり錠剤で処方箋を書いてくれたこともあります。医者側からすると面倒臭い親だったのかもしれません。でも、せっかく処方してもらった薬でも飲めなかったら意味がないと思います。だから、根気よく質問して、ちゃんと飲めるタイプのものを処方してもらう方がいいのではないかと思っています。ただ、錠剤は小さいお子さまには誤嚥(ごえん)の危険もあるため、錠剤への切り替えはある程度の年齢になり、病院の先生との相談しながら慎重にすべきだし、親もよく見守る必要があります。でも本当に粉薬で困っているお子さまは、医師に相談し、しっかり飲み込みの練習をした上で切り替えることもひとつの手だと思います。うちの娘は、錠剤を飲めるようになってからはというものの、病院も嫌がらず行くようになりましたし、薬を飲むことを渋ることもなくなりました。むしろ、「錠剤飲める私、おっとなー♪」といわんばかりに、いつも得意げに見せびらかしながら飲んでいます(笑)※この体験記に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。薬の形や効果などについてはかかりつけの医師にご相談ください。また薬の飲み方については、薬局や薬剤師などにご相談ください。
2019年02月15日■息子から主治医の先生に直談判赤ちゃんのころから薬に苦戦した記憶がない息子。先生の判断でシロップから粉薬になるときも難なくクリアしていました。「小学校高学年になるまではずっと粉薬かな」と疑いもしなかったら、ある日、息子が自ら「錠剤にしてください!」と先生に直談判! びっくりしました。私が錠剤を飲んでるの見て、やってみたくなったのかな?■薬を飲んで、誇らしげな姿がかわいい!私的には「まだ錠剤なんて早いんじゃ…」と思っていたのですが、子どもが言い出したコトだからやらせてみようと思い、出してもらいました。私の心配をよそに錠剤も楽々クリア! 「すごいでしょ!?」なんて誇らしげでした(かわいい)その姿を見てうれしいのと同時になんだか一抹の寂しさが。こうやって微々たるものですが、成長した感動と親の手元から離れていくさみしさ。親って本当に面倒くさい生き物だなってつくづく思います(笑)
2019年02月01日「すこし頭が痛い……」と思うと、すぐに頭痛薬を飲んでしまっていませんか?その頭痛から解放されるには、薬に頼るのをやめて、習慣から見直す必要があるのです!「子育て、職場での人間関係、ホルモンバランスの変化……複雑な環境で生活する女性はストレスがかかりやすく、慢性頭痛がひどくなる人が増えているんです」そう語るのは、慢性痛に詳しい横浜市立大学附属市民総合医療センター・ペインクリニック診療教授で、『慢性痛は治ります!』(さくら舎)などの著書もある北原雅樹先生。3人に1人の日本人が、悩まされているという慢性頭痛。とくに、頭がズキズキと痛む「片頭痛」を持つ人の80%は女性だというが、北原先生はこう警鐘を鳴らす。「『片頭痛にいつも悩まされて……』という患者さんのなかには、じつは片頭痛に当てはまらない方も少なくありません。死につながるような脳の病いが隠れていたり、市販の頭痛薬を飲み続けて、症状が悪化したりしている方もいます。一口に“頭痛”といっても、じつはその種類はさまざま。正しい原因を知らなければ、痛みを和らげることはできません」(北原先生・以下同)そもそも片頭痛とは、何らかの理由で脳の血管をとりまく神経が刺激され、炎症が広がるために起こる頭痛のことだ。そこでまず、北原先生の解説をもとに、あなたを悩ます頭痛の種類の見分け方を知ろう。「まず、頭痛には大きく分けて、“一次性頭痛”と“二次性頭痛”があります。とくに疾患がないのに起きるのが、一次性頭痛。片頭痛もこれに当てはまります。いっぽう、二次性頭痛とは、脳腫瘍や、くも膜下出血など、何か疾患があって起きる頭痛のことをいいます」多くの女性が抱えていても、なんとか我慢しているのが一次性頭痛だが、ときには何もできなくなるほど痛むことも……。このような慢性頭痛を、セルフケアで緩和する方法はあるのか。「一次性頭痛は、社会的、心理的ストレスや、体のゆがみやコリなど、いくつかの原因が絡み合って起きている場合が多い。日常生活では、それらを緩和するための、次の4つを実行してみましょう。多くのケア法に、『血管性頭痛(片頭痛)』、『緊張性頭痛』どちらのタイプにも効き目があると思います。月に10回以上、頭痛薬を服用している『薬物乱用性頭痛』の人は薬を1カ月断ってから試してみてください」【1】頭痛の原因となる筋肉をマッサージしよう「トリガーポイントとは、痛みを引き起こす原因となっている部位のこと。とくに緊張性頭痛の場合は、胸鎖乳突筋や肩甲挙筋、僧帽筋などのコリが一因となっている場合があります。このポイントを指でほぐしていきます」【2】週末の“寝だめ”はNG「睡眠は、心身のメンテナンスをする時間です。睡眠不足だと、体の緊張もストレスほぐれませんから、頭痛も和らぎません。最低でも6時間半~7時間半の睡眠を確保しましょう。また、週末に寝だめをすると、かえって生活のリズムを崩し、頭痛の一因となるので注意が必要です」【3】タンパク質をしっかりとる「女性や高齢者のなかには、肉や魚を控えた結果、極端なタンパク質不足に陥っている人がいます。全身の細胞はタンパク質でできているので、タンパク質をとらないと慢性頭痛は解消できないのです。1日に必要なタンパク質は、体重1キログラムあたり1グラム。牛肉100グラムに含まれるタンパク質は約20グラムですから、肉や卵、大豆、乳製品からバランスよく補うこと」【4】たばこ、寝酒はやめる「ニコチンの作用で脳の血管が収縮し、頭痛の原因になります。また、主婦の方に意外と多いのが“寝酒”。寝付けないから、お酒を飲んで寝るというのはやめましょう。体内でアルコールを分解するとアセトアルデヒドになり、交感神経が活発になるので、結果的によい睡眠が得られません。肥満気味の方は、就寝中に呼吸が止まる“睡眠時無呼吸症候群”を悪化させる一因にもなります」市販の頭痛薬に頼らず、セルフケアで頭痛を緩和していこう!
2019年01月24日「あれ?前と同じ薬を同じ日数分もらったのに、金額が違う……」きっかけは薬局で高脂血症の薬を毎月処方してもらっている本誌記者のこんな疑問からだった。先月はクリニック近くのA薬局で、今月は自宅近くのB薬局に処方箋を持っていったところ、B薬局の会計のほうが160円高いことに気づいた。計算間違いかとB薬局で聞いてみると、薬剤師から、「ここは『地域支援体制加算』と『後発医薬品調剤体制加算』の適用薬局なので、その差額です」と説明を受けた。まったく同じ処方箋なのに、薬局によって支払額が違うの?「みなさん、薬をもらうと、必ず『調剤明細書』を受け取ります。薬価はどこの薬局も同じですが、差が出るのは、『調剤技術料』と『薬学管理料』の項目。ここが立地や窓口でのやりとりなどによって異なり、調剤にかかる点数、すなわち支払額の差となっているのです」医療保険に詳しいファイナンシャルプランナーの内藤眞弓さんはそう解説する。この調剤明細書をよく見ると、じつは気づかないうちに加算されている点数が多々あるという。そこで内藤さんが調剤明細書でわかる、損しないための「薬局選び」のポイントを教えてくれた。■病院の前にある薬局は安い!「ふだん、クリニックも総合病院もひとまとめに病院と呼びますが、健康保険上では、ベッド数20床以上の病院とそれ未満の診療所に分かれます。『調剤基本料2』となっていれば、病院の前にある薬局(門前薬局)。『調剤基本料1』は町の薬局。クリニックの前にあっても町の薬局扱いです。『1』のほうが『2』より50円以上割増しに(以下、金額はすべて3割負担の患者が支払う実費)。厚労省は、患者が身近な薬局で気軽に相談できることを目指しています。門前薬局は常に病院の患者が来るため、報酬が抑えられているのです」(内藤さん・以下同)■ジェネリック薬をたくさん処方している薬局は高い!「『後発医薬品調剤体制加算』の項目がある薬局は、取り扱い薬のうち、ジェネリック薬を75%以上処方していることを指します。割合に応じて、ほかの薬局より50円以上高くなります」医療費負担を抑えたい厚労省が、安価なジェネリック薬を多く販売する薬局へ与えるご褒美ということだろうか……。■おくすり手帳を忘れると加算!毎回おくすり手帳を持たずに薬局に行き「大丈夫です。次は持参してください」と、薬剤師に言われた経験がある人も多いだろう。「『大丈夫』というのは、持参しなくても処方はできますという意味。調剤明細書に『手帳なし』と書かれ、40円が請求されています」以前はおくすり手帳を作るのに費用負担があったが、いまはタダ。毎回持参しなくては損するばかり。■夜間・休日対応の薬局は高い!「明細に『地域支援体制加算』という記載がある薬局は、ほかより110円高くなります。これは夜間や休日にも薬剤師が調剤してくれる薬局などに適用されます」土日に処方してもらえるのは助かるが、その薬局に平日昼間にしか行かないというのなら、毎回110円はもったいないかも。薬局によって異なる負担額。手元にある調剤明細書を一度じっくり見直してみては?
2019年01月19日いよいよ本格的な冬の到来。子育て中の親のみなさんは、風邪やインフルエンザ対策として子どもに予防接種や手洗いうがいの徹底、お部屋の湿度管理、除菌など忙しくされているのではないでしょうか?しかし、あらゆる対策を施しても、学校や幼稚園など集団で過ごしている子どもたちはどうしても感染してしまいますよね。「混雑した小児科を受診するより、内科で受診したほうが早く済むかしら……」「坑インフルエンザウイルス薬や抗菌剤ってどのように処方されているの?」など、みなさんも疑問を抱いたことがあるはず。今回は、そんな「小児科についての疑問」や「小児科から一般内科への移行年齢と処方薬」についてのお話です。■ 小児科は0歳児から成人まですべての患者が対象!0歳児のころから予防接種や定期健診を始め、お世話になることが多い小児科。tkc-taka / PIXTA(ピクスタ)小児とは一般的に15歳くらいまでを指すそうですが、子どもの風邪や肌荒れ、心身症まで診てくれるなどの守備範囲の広さから、小児科は親にとっては強~い味方。筆者としてはなるべく長くお世話になりたいくらいですが、子どもが成長すると「小児科は小さい子どもが多いから、なんとなく恥ずかしい」などという感情が芽生え、一般内科に移行する子どもが多いようです。しかし、小児科について定められた年齢制限はないそう。実は筆者も、子どもの予防接種ついでに30代にして小児科を受診した経験があります。小児病棟には、高校生や成人の患者さんが入院することも珍しくはなく、0歳児から成人まですべての患者が対象と考えていいようです。Graphs / PIXTA(ピクスタ)■ 小児科医と一般内科医でまったく違う”移行期間”小児科受診に定められた対象年齢はないということは分かりましたが、”小児科から一般内科への移行期間の目安”について、医師たちはどう考えているのでしょうか。「株式会社アンテリオ」は、過去1か月間に小児患者(15歳以下)を10名以上診療した医師を対象に「小児患者の受診」について調査を実施しました。小児科から一般内科への移行時期の目安となる年齢についてのアンケート結果を見てみると……、最も多い回答は、一般内科医は「12歳(中学校入学)ごろ」、小児科医は「15歳(高等学校入学)ごろ」となりました。なんと小児科医と一般内科医では、移行期間の目安に3歳もの差があることが判明!両者の回答を見てみると移行期間は12歳~18歳頃と幅広く、一般内科への移行は親やお子さんが判断されても問題はないようにうかがえます。kou / PIXTA(ピクスタ)■ 薬の処方方針は年齢によって違う?次に、小児科医の坑インフルエンザウイルス薬の処方方針を見てみましょう。”1歳未満の新生児・乳児に対してはほとんど処方しない”と回答した医師が17%いるものの、ほとんどの医師がどの年齢の患者に対しても坑インフルエンザウイルス薬を投与しているという実態が明らかになりました。6歳まではドライシロップ(粉薬)が多く処方されていますが、6歳を超えると薬の選択肢が増え、10歳以上になると吸入薬が約6割。tkc-taka / PIXTA(ピクスタ)年齢に合った剤型が処方されているようです。更に、厚生労働省で適正使用を求められている”抗菌剤”の使用について見てみると、かぜ症候群(主に上気道症状、発熱等)に対する抗菌剤の使用については、小児科では「ほとんど処方しない」とする医師の割合が85%。その一方で、一般内科では「積極的に処方する」と「患者側の希望により処方する」とする医師数を合計すると半数にのぼることがわかりました。抗菌剤は中耳炎や気管支炎、肺炎、扁桃炎など細菌による病気を早く治すためや、重い病気から命を救ってくれるものでもありますが、普通の「かぜ」であればウイルスが原因のため効きません。普通のかぜのときに予防のために抗生物質を飲むことは、体内の菌のバランスが壊れ耐性菌(抗生物質が効かない菌)ができてしまうこともあるのです。中耳炎に対しては、ペニシリン系抗菌剤を使う医師の割合が、一般内科よりも小児科の方が高いため、小児科医師の抗菌剤の適正使用に前向きな姿勢がうかがえました。tadamichi / PIXTA(ピクスタ)いかがでしたか?子どもの場合は細菌感染なのかウイルス感染なのか判断が難しい場合があります。抗生剤が処方された場合は、用法と容量、内服日数を必ず守り、飲みきるようにする。そして自己判断による抗生剤の内服や、中途半端な抗生剤の使用の中止はお子さんの将来にとってよくありません。薬の処方について不明な点は、診察の際に質問されることをオススメいたします。【参考】※小児患者の受診に関する調査小児科医師が考える「小児科卒業」の目安は15歳医療従事者への簡易Web調査「TenQuick」で調査※小児科医へのよくある質問-大分大学医学部※「抗微生物薬適正使用の手引き 第一版(ダイジェスト版)」を作成しました-厚生労働省
2018年12月22日忘年会シーズンには薬膳の鍋をフードサービス事業を展開する株式会社コンフィデンスは、同社が運営する薬膳スープ春雨専門店「頂マーラータン(イタダキマーラータン)」で、薬膳海老トマト鍋の提供を12月8日から開始した。同店では、漢方薬として使われている薬膳を主に使用して、デトックス効果や整腸作用を高めたメニューを提供している。薬膳海老トマト鍋は、同店の冬の定番となるトマト系の薬膳スープ。トマトにガーリックシュリンプをあわせ辛さもないため、老若男女問わず食べられるスープである。もちろん、辛さの調節は可能だ。鍋のシメには、ご飯を加えて“リゾット風”や、中華麺を加えた“トマトラーメン”を楽しむことができる。タンパク質、リコピンたっぷりの海老トマト鍋海老は脂質が少なくタンパク質を摂取しやすいため、免疫力の向上や疲労回復効果などが期待できる。また海老には、ビタミンEが多く含まれており、抗酸化作用や血管を広げる作用があるとされている。トマトの赤い色素には、抗酸化作用が高いリコピンが多く含まれており、美肌に高い効能があるとされている。ビタミンやミネラルもバランス良く含んでおり、美容のためにも積極的に摂取したい野菜だ。海老とトマトの鍋は、味の相性が良いことだけではなく、美容と健康にも良い組み合わせだ。忘年会で疲れた胃・腸・肌を癒やしたい人に、オススメの一品である。同メニューは、2019年2月末までの提供を予定している。(画像はプレスリリースより)【参考】※プレスリリース株式会社コンフィデンス※東京の春雨・火鍋なら“頂マーラータン”
2018年12月11日和漢素材などがおしゃれにディスプレイされた明るい店内品川駅高輪口より徒歩4分の場所にある「10ZEN」。薬膳レストランということもあり、さまざまな和漢素材がディスプレイされているインテリアが特徴です。一人でも楽しむことができるカウンターや、女子会、家族との会食などにおすすめの半個室を完備。店内も広々しており、気兼ねすることなく薬膳料理の香りに包まれながら、食事をゆっくり楽しむことができます。ニホンドウ漢方ミュージアムに「10ZEN」がオープン2003年に品川に「ニホンドウ漢方ミュージアム」がオープン。さらに翌年2004年に「10ZEN」が同施設内にオープンした事で、「見て・食べて・学んで楽しむ」というミュージアムのテーマが完成し、漢方を五感で体験できる施設になりました。平日のランチタイムでは近隣で働くOLでいっぱい。美活男子にも人気。ランチ時は、ご飯とサラダバーはおかわり自由。特にサラダバーは、ナッツやスーパーフードのくこの実など様々な働きのある和漢素材がたくさん置いてあるので、自分好みのトッピングができるのも魅力です。スッキリしたい方には「薬膳鍋 デトックスセット」看板メニューの「薬膳鍋 デトックスセット」は、烏骨鶏塩スープと、これをベースにシナモンや花椒などの和漢素材を合わせ、少しピリッとした辛みをつけた烏骨鶏赤辛スープの2種類が楽しめる、「10ZEN」ならではの薬膳鍋。デトックスしたい人はもちろん、季節の変わり目で疲労がたまりがちな方、元気をつけたい方にもぴったり。その時期ならではの旬野菜もたっぷり味わえるので、日頃野菜不足が気になる方にもおすすめです。和漢素材たっぷりの薬膳鍋で、日頃の疲れをスッキリさせましょう。潤いが欲しい方におすすめの「薬膳鍋 美肌セット」「薬膳鍋 美肌セット」は、最高級ランクの活すっぽんをじっくり時間をかけて煮込んだすっぽん塩スープと、黒胡麻豆乳スープ(暖かい時期は白味噌豆乳)、2種類のスープが楽しめます。肌に嬉しいコラーゲンたっぷりの鶏手羽、体力を付け胃腸を元気にする名古屋コーチンなどが使われており、肌荒れや肌の乾燥をケアしたい方などにおすすめです。何度訪れても満足して楽しめる薬膳レストラン10ZENは定番のメニューに加え、季節によってメニューを変更しています。夏は冷房による冷えや夏バテを解消するメニューを展開、秋や冬は美容と温活に着目したメニューを展開するなど、さまざまな飽きのこないメニューを楽しむことができるのもうれしい。10ZENでは「食べ物は命の情報」の考えから「食=巡る、満る、美と健康」をコンセプトに食材と和漢素材の力を融合させて、美と健康を届けています。JR京浜東北線また京浜急行「品川駅」高輪口(西口)から 徒歩4分ほどの場所にあります。駅からすぐなので、仕事などで体が疲れた時などぶらりと立ち寄れるのも◎。スポット情報スポット名:薬膳レストラン10ZEN 品川店住所:東京都港区高輪3-25-29 ニホンドウ漢方ミュージアム 1F電話番号:03-6277-0146
2018年11月12日子どもの体調が悪いときは、機嫌も悪いことが多いです。そんなときに子どもに薬を飲ませるのは、親にとって負担なことの1つ。でも、薬を飲んでくれないことには、なかなか良くならないし…。そこで、パパママ世代に子どもの薬について聞いてみました。Q.お子さまに薬を飲ませる時、困った経験ある?1.ある 77.5%2.ない 22.5%困った経験がある人が80%近くということで、ほとんどのパパママが子どもに薬を飲ませることに手を焼いているようです。困ったときにどんなワザで乗り切ったのかを聞いてみましょう。■苦い薬を飲むときの対処法は?やはり苦い薬が嫌いな子どもが多いようです。苦い薬への対処法は甘いものと一緒に飲むこと。飲むものによっては、より薬が苦くなってしまう、効果が薄れしまうなど、相性の良いものと良くないものがあるので、事前に薬剤師に相談してみるのもおすすめです。「子どもが保育園のときに、粉末状のお薬が飲み込めず苦労しました。粒の薬は抵抗ないようです。『ラムネだよ』という一言が効果アリでした」(栃木県 40代男性)「薬局で処方箋をもらったあと、子どもが一緒にいるときにはゼリーオブラートの味を選ばせて購入しました。もも、ぶどう、りんご、いちご、チョコレートなどいろいろな種類を使いました。それでも実際に飲むときには苦しそうでしたが、飲んでくれないということはなく、大変助かりました」(東京都 40代女性)「粉薬を飲ませるとき。苦いし、飲んだあとも口に残っているし、とにかく苦手みたいでした。カプセルの中に入れても、飲むタイミングがわからないみたいで、結局ゼリーでごまかして飲ませていました」(千葉県 30代女性)「ものすごく苦い薬がありました。薬剤師さんから、『ハーゲンダッツのような高い濃厚なアイスクリームに混ぜて飲ませるといいですよ』と言われました」(福島県 40代女性)「子どもは、クラリスという抗生剤が苦くて大嫌いです。何かと混ぜたり、口の中に少しでも何かが残っていたりすると強い苦味を感じるそうです。飲む前に歯磨きとうがいを念入りにさせてから飲ませるようにしています」(神奈川県 40代女性)「気管支炎でアトピー持ちの長男は、日頃から薬のお世話になっているせいか、上手に飲みます。一方、元気な次男はごっくんができず…。ゼリーやアイスに混ぜてもダメでした。でも、カレーに混ぜたら気づかず食べました! 薬との相性は悪そうですが…」(滋賀県 30代女性)「小さい頃はスプーンに薬を乗せて、練乳に隠して舐めさせていました」(長崎県 40代女性)■薬嫌いの子どもに悩んだ人たちの体験談苦い味だけでなく、甘いシロップが苦手な子どももいます。また粉が飲めても錠剤が飲めない子も…。ひとりひとり苦手なものは違うからこそ、親の苦労もそれだけ多くなるようです。「子ども3人が苦手な薬や飲み方もそれぞれ違ったので大変でした。こんなところにも個性が出るから、子育ては薬ひとつとっても苦労します」(神奈川県 40代女性)「シロップの甘さが嫌いみたいで、粉の苦いのもダメ。ゼリーで包むのも苦手で困りました」(岩手県 30代女性)「液体も粉も錠剤もすべて苦労しました。いまは錠剤を使っているのですが、なかなか飲み込めず舌の上にずっと残っている状態。そのうち気持ち悪くなるのかオェオェ言っています」(千葉県 40代女性)「粉薬が苦手で、いつもシロップがあるかどうか聞くのが習慣でした」(山梨県 40代女性)■生後3ヶ月から始まった毎日の薬との戦い子どもが嫌がる姿は親にとってもつらいもの。でも、どうしても飲ませなければいけない時もあります。そんな親子でがんばった日々を振り返ってくれた人もいました。「難治性てんかんで生後3ヶ月から粉薬とシロップを飲ませてます。シロップはスポイトで流し込むのですが、0.1g単位で調整するので少しもこぼせないし、飲んでくれないと大変なことになるしで、毎晩本人も私も泣きながらでした。本当に薬の時間が憂鬱(ゆううつ)で仕方なかったです。いまは2歳8ヶ月になり、シロップは牛乳に混ぜて飲んでいます。ものすごく苦いですが、がんばって飲んでくれています」(神奈川県 30代女性)Q.お子さまに薬を飲ませる時、困った経験ある?アンケート回答数:6151件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ ※この体験記に記載された飲ませ方は、あくまでもアンケートに寄せられた体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。
2018年09月25日呼吸する壁は必見!身体に優しい食に徹底的にこだわったオーナーがオープンしたお店は、随所にこだわりがつまっています。緑が配されたナチュラルな外観に、手書きの白い店名が目印。店内の壁は、呼吸をする壁と呼ばれています。珪藻土とわらスサを混ぜて作った壁が呼吸する、天然の空気清浄機のような壁。湿度によっては、色が変わってみえることもある不思議な壁です。現代人に、薬膳を通して食のあり方を問いかける店名にある3つの漢字には、オーナーの思いが込められています。スパイスやハーブを表す「香」、おいしく食べるの「食」、もっと楽しく元気にの「楽」が合わさったオリジナルの名前。お店で提供されるカレーには、化学調味料や小麦粉を一切使わず、当帰の葉を贅沢に使用しています。独自に研究を続け、無農薬当帰の葉のパウダーを開発。並々ならぬこだわりが伺えます。つやつや野菜が食欲をそそる! 大人気カレーお店を代表するメニューが、「かくらカレー揚げ野菜トッピング」です。中国で古来より発展した中医学の考え方に基づき、胃の機能を補う食材と生薬が使用されています。つやつやに揚げられたブロッコリーやパプリカたちが美しく、食欲をそそる逸品。栄養満点のカレールーを雑穀米とともに味わえば、心も体も満たされるおいしさです。〆まで美味しい! 薬膳カレーでいただくラムしゃぶ効能だけでなく、味にもこだわった薬膳料理のなかでも人気なのが「薬膳カレー鍋ラム厚しゃぶしゃぶ」です。濃厚なブイヨンに生薬が溶け込んだ薬膳スープで、新鮮なラム肉をしゃぶしゃぶし、3種の特製タレでいただきます。お肉を楽しんだ後は、〆のチーズたっぷりドリア。肉や野菜の旨みが加わった秘伝スープでいただくドリアは、ここでしか食べられない格別な味です。栄養士と国際薬膳師のオーナーが生み出す薬膳料理現代の医学に基づく栄養士の資格を持ちながら、国際中医学薬膳師でもあるオーナーシェフ。完成するのに10年以上の年月を要したこだわりの薬膳カレーは、様々なメディアに取り上げられ話題となりました。カレーは無添加・完全手作りのため、その日に仕入れた野菜や果物の味によって日々変化します。香食楽が提案するおいしく身体にいいメニューを通して、身体に蓄積された毒素をデトックス。おいしいだけじゃない食体験ができるスポットとして注目です。中目黒駅より徒歩6分、祐天寺駅より徒歩8分のところにお店はあります。中目黒駅目黒銀座商店街内にあり、月曜日と火曜日が定休日です。1階16席、2階18席で、webでも予約が可能。おいしい薬膳に心身ともに元気をもらえます。スポット情報スポット名:香食楽住所:東京都目黒区上目黒2-42-13電話番号:03-3710-0299
2018年09月12日女性の健康と美容を薬膳で10月13日、東京都千代田区有楽町にある東京交通会館において、株式会社誠心堂薬局が「薬膳セミナー」を開催する。参加費は無料で、現在、申し込みを受け付けている。講師は中医師の辰巳洋氏。また、参加者には食に関するおみやげがプレゼントされることになっている。このセミナーは女性の健康と美容を、中国の伝統医学である中医学からの視点で考えるもので、生理痛や生理不順、冷え性、不妊症などの悩みに対する薬膳の基本が講義される。普段の食事に薬膳を取り入れよう少なくとも3000年の歴史がある中医学では、「薬食同源」の考えが重んじられ、身体の元となる食事「薬膳」で、病気の予防、または病気の治療が行われている。現代人にとっても活用すべき薬膳は、生理痛や生理不順、肌トラブルなどの対策にもなる。この日の講師の辰巳洋氏は、北京中医薬大学を卒業し、順天堂大学医学研究科で医学博士でもある。辰巳氏は「心身ともに元気な女性は綺麗」だと語り、この日は薬膳とはどういうものなのか、普段の食事での活用法、現在と未来の悩み対策などが講義される。日時: 10月13日(土) 10:00~12:00(開場9:40)場所: 東京交通会館 8階イセ食品株式会社内イベントスペース東京都千代田区有楽町2-10-1費用: 無料定員: 50名申込: 受付中(株式会社誠心堂薬局のサイトより引用)申し込み方法など、詳しい情報は以下リンク先の誠心堂薬局のサイトで確認を。(画像は株式会社誠心堂薬局のサイトより)【参考】※薬膳セミナー
2018年09月12日高血圧と診断されてから薬を飲んでいるけれど、なんだか体調がすぐれない……。それ、薬の副作用のせいかもしれません。「多くの患者さん、そして医師までもが、すべての薬には人体にとって“毒”である側面があることを見過ごしています。その結果、薬が原因で体調不良が生じる、という事例が増えているのです」こう話すのは、’12年に日本で初めて「薬やめる科」を開設した松田医院和漢堂院長の松田史彦先生。私たちが飲んでいる薬が、健康を害するきっかけになっている!?「やみくもにすべての薬を否定するつもりはありません。当然、緊急時の治療や短期間で痛みや苦痛を取り除くために必要な薬もあります。問題なのは、“長期間にわたって薬を飲み続ける”こと。このように処方されている薬の9割は、実際は必要のないものだと私は考えます」(松田先生・以下同)松田先生がまず問題視するのは、健康診断で基準値外となったことで要治療となり、薬が処方されるケースだという。「血圧、コレステロール、中性脂肪などがそうですが、基準値が頻繁に変わるため、それまで健康だった人がある日突然、基準値外とされ“異常”と診断されるケースが多くあります。たとえば、50年ほど前まで血圧は『年齢+90mmHg』までが正常とされていました。70歳で160mmHgは正常だったのです。ところが、’99年に正常値は『139/89mmHg以下』とされ、日本高血圧学会は理想値をほぼ年齢に関係なく『120/80mmHg未満』としたのです。コレステロール値も同様で、’97年に日本動脈硬化学会が『総コレステロール値220mg/dl』と正常値をそれまでのものから変更しました。しかし、更年期以降の女性はエストロゲンの減少した体が免疫力を上げるためにコレステロールを増やす必要があり、ある程度は数値が高くて当然なのです」これらの結果異常と診断されたことで薬の長期服用・多剤服用につながり、新たな弊害が生じるのだと松田先生は話す。「薬は症状に対して、たしかに作用はします。しかし、その作用を必要とするのは体の細胞の一部。それなのに薬は血液をめぐりながら全身で吸収されていきます。つまり、薬の成分がその働きを必要としない健康な細胞にも作用してしまうのです。長期間にわたってこれを続けていれば、体に異変が現れるのは当然です」
2018年07月26日「やみくもにすべての薬を否定するつもりはありません。当然、緊急時の治療や短期間で痛みや苦痛を取り除くために必要な薬もあります。問題なのは、“長期間にわたって薬を飲み続ける”こと。このように処方されている薬の9割は、実際は必要のないものだと私は考えます」そう語るのは、’12年に日本で初めて「薬やめる科」を開設した松田医院和漢堂院長の松田史彦先生。薬の長期服用・多剤服用が原因で体調不良が生じる、という事例が増えているという。「薬は症状に対して、たしかに作用はします。しかし、その作用を必要とするのは体の細胞の一部。それなのに薬は血液をめぐりながら全身で吸収されていきます。つまり、薬の成分がその働きを必要としない健康な細胞にも作用してしまうのです。長期間にわたってこれを続けていれば、体に異変が現れるのは当然です」(松田先生・以下同)松田先生の「薬やめる科」では、患者さんが減薬・断薬によって体調不良の悩みから解放されている。「何年もせきが止まらないと来院された高齢の女性で、血圧の薬として長期服用していたACE阻害薬(降圧剤)をやめたところ、せきが止まった例があります。ほかにも、足がつると来院された女性がカルシウム拮抗薬(降圧剤)をやめたらけいれんの症状が治まりました」薬の多剤服用は、それだけ体に副作用をおよぼすリスクが高まる。「多剤服用で特に深刻なのが、この20年間で患者数が約2.6倍に増えているうつ病です。抗うつ剤や睡眠薬は依存性が高く、減薬・断薬が非常に難しいので、悪循環に陥りかねないのです。パニック障害と神経症を併発していた40代の女性患者さんは、抗うつ薬をはじめ7種類の薬を常飲していました。代替療法、漢方などを利用して約1年かけて断薬し、健康な日常を取り戻せましたが、カウンセリングなど精神的サポートも不可欠でした」薬の9割はいらないと断言する松田先生だが、残りの1割、薬がどうしても必要とされるケースも当然ある。不用意にやめると禁断症状が出る薬もあれば、薬に精神的に依存している人の場合は、断薬でかえって不安が増して逆効果になることもある。あくまで本人が希望する場合に、徐々に薬を減らすことから始めていくことが大事だという。松田先生が提案する減薬・断薬へのステップは次のとおり。【1】薬について警鐘を鳴らしている本を読んでみる「まずは自分の飲んでいる薬に関心を持ってみましょう」【2】患者の不安、主張を受け止めてくれる医師を探す「薬をやめたいと伝えたとき、投薬治療以外の具体的な提案をしてくれるかどうかが、医師を見極めるうえでの目安となるでしょう」【3】薬の代わりにできることを探す「運動療法や栄養療法のほか“おばあちゃんの知恵袋”的な民間療法も有効なことがあります。自分に合った方法を継続することで、薬をやめても十分元気に暮らせます」現在何らかの薬を服用中という人は、まず自分の飲んでいる薬に関心を持つことから始めてみては。
2018年07月26日こんにちは。元添乗員ママライターのゆかりんごです。赤ちゃんや小さな子どもにお薬を飲ませることに苦労した経験 はありますか。筆者も子ども達が小さい頃に苦労した記憶があります。どんなに笑顔で対応しても、素早く飲ませようとしても、褒めておだてても、全身で「飲まない! 」とばかりに拒否されました。そこで、今回は赤ちゃんや小さな子どもへの薬の飲ませ方 についてご紹介します。乳幼児へ処方される主な飲み薬の種類・水薬(シロップ剤)赤ちゃんや小さい子どもに処方される機会の多い水薬ですが、甘い味がつけられています。服用前に軽く振って薬の成分を均一にします。スプーンやスポイトを使って服用させます。哺乳瓶を使っている場合は、哺乳瓶の乳首に薬を入れて飲ませても良いです。・粉薬(ドライシロップ剤、細粒薬、顆粒薬)子どもの体重によって量が調整できる粉薬は、乳幼児によく処方される薬です。苦みのある抗生物質に甘いコーティングがされているドライシロップもあります。また、溶かして飲んでも良い粉薬の場合、薬とは別にシロップを処方してもらうこともできます。しかし、苦かったり舌触りが嫌であったりで、苦戦しているママも多いようです。・錠剤一般的に5歳くらいから飲めるようになりますが、小さい子どもでも処方されることもあります。水なしで口の中で溶けるタイプや、少量の水で飲めるタイプ、普通の錠剤タイプなどがあります。筆者の娘も2歳になる前でしたが、処方されたことがあります。このときは錠剤が初めてでしたので、薬剤師に相談しました。砕いて粉状にもできるが、ラムネのようにボリボリ噛んで飲んで良いのとのことでした。試してみると、薬嫌いの娘が珍しくすんなりと飲んでくれました。また、粉薬が苦手な子どもの場合、年齢と種類によっては錠剤に変更してもらえることもあるようです。次に、実際、ママ達がどのような方法で飲ませていたか、成功談と失敗談をご紹介 します。赤ちゃん期と幼児期ではそれぞれに工夫があります。赤ちゃん期赤ちゃん期は比較的騙し騙しなんとか飲ませているママが多いようです。粉薬の場合は、数滴の水を混ぜて練って、小さなお団子状にすると良い です。与えるときは、清潔な指で頬の内側や上顎にこすりつけて飲ませます。「まだ授乳期だった頃は、授乳させるふりをしながら胸の横でお団子状にした薬を準備。頬の内側奥に指で素早く入れた瞬間に授乳させた。」(40代、2児の男の子ママ)離乳食が始まると、薬の種類によっては何かに混ぜて飲ませることもできるようになります。しかし、主食に混ぜてしまうと、失敗したときにしばらく離乳食を食べてくれなくなる可能性 もあります。「上の子の時は離乳食をもりもり食べていたので、薬もおかゆに混ぜて食べさせても平気だった。下の子にも同じようにしたら、吐き出してしまい、その後、しばらく離乳食全てを食べてくれなくなってしまった」(30代、男の子と女の子ママ)同じように、育児用ミルクに混ぜると、ミルク嫌いになってしまう危険性もある のでやめておきましょう。幼児期舌触りや味に好みが出て、さらに自己主張が激しくなってくると、騙し騙し飲ませていた方法が通用しなくなってきます。口に入れた瞬間に吐き出された経験 をしたママも多いと思います。また、粉薬の場合、子どもの体重に合わせるので、成長するに従って量が増えてきます。そこで、何かに混ぜてなんとか飲ませたという話もよく耳にします。「アイスに混ぜて飲ませても良いか薬剤師に尋ねたら、チョコアイスを勧めてくれた。冷たいと苦みも感じにくいと言われた。」(30代、2児のママ)ただ、一度に全ての薬を混ぜて飲ませようとすると、薬の味が強くなり嫌がられることも。また、失敗したときに、どのくらい 飲めたか分からなくなってしまい ます。混ぜるときは、少量ずつにしたほうが良い かもしれません。2歳くらいまで苦戦していても、そのまま粉薬を飲むようになったという声も聞かれます。説明すれば分かる年齢になってきていることも影響しているようです。「しっかり薬を飲んで治さないと、楽しみにしているお出かけに行けなくなる、と説明したら、嫌々ながらも飲んでくれるようになった」(30代、2児のママ)しかし、どんなに薬を飲まないといけないと説得しても、絶対に飲もうとしない こともあります。そんなとき、ママ達は強硬手段に出ることもあるようです。「何をどうしても飲まなかった。溶連菌の薬をなんとか飲ませたくて、仕方なく『鬼からの電話』を使ったらなんとか飲んでくれた」(30代、2児の女の子ママ)このように、心を鬼にしてなんとか飲ませようと苦戦 しているママもいました。混ぜてはいけないものもあるので要注意薬によっては混ぜて飲むと薬の吸収や効果に影響を与える こともあります。また、甘くコーティングされている薬と一緒に柑橘系のジュースを飲むと、コーティングが取れて余計に苦みを感じさせるものもあります。<特に気をつける飲み物>炭酸飲料スポーツドリンク酸味のある飲み物(オレンジジュースなど)牛乳(混ぜても良い場合と不可の場合とあり)「処方されるとき、何かに混ぜて飲ませても良いか尋ねた。オレンジジュースなどの酸味のあるものに混ぜると余計に苦く感じるので注意するように言われた」(30代、男の子と女の子ママ)何かに混ぜて飲ませる場合は、混ぜても良いものと不可なものを必ず薬剤師に確認 するようにして下さい。----------以上、いかがでしたか?薬は水でそのまま飲ませるのが一番良いですが、なかなか思うように飲んでくれないことがあります。無理矢理飲ませていて、薬嫌いになってしまう子どももいます。薬剤師と相談 しながら、子どもの負担を少なく薬を飲ませる方法を探してみて下さい。早く元気になりますよう に、私たち親の願いはその一つです。【参考リンク】・公益財団法人母子衛生研究会赤ちゃん&子育てインフォ「薬の上手な使い方・飲ませ方」()・朝日デジタル「子どもの薬の飲ませ方」(2017年10月23日)()・倉敷成人病センター薬剤科からのお知らせ記事「子どもへの薬の飲ませ方」()●ライター/ゆかりんご(元添乗員ママライター)●モデル/いちご姫
2018年05月16日発達障害への薬物療法は向き合い方がポイント!出典 : 発達障害の特性によって、家庭生活、学業、友人関係に支障をきたしてしまう…そんな子どもに対しては、さまざまな支援や医療的なケアを利用することができます。その中で、親として最も判断に迷うものに、薬物療法が挙げられるのではないでしょうか。薬物療法を始めても、「薬物療法が本当に良い決断なのか、子どものためになるのか」「副作用などでかえって子どもを苦しめてしまわないか」など、迷いや不安があるのは当然だと思います。薬物療法に対しては、さまざまな考え方や意見があります。中には判断に迷う情報もあるでしょう。そんな中大切なのは、不安な気持ちのまま薬物療法を進めるのではなく、疑問を解消して自分なりに「薬との向き合い方」を考えていくことです。そこで今回、「薬との向き合い方」を考えるうえで感じることの多い不安や疑問を、発達障害や子どもの薬物療法に詳しい、名古屋大学医学部親と子どもの心療科准教授の岡田俊先生にお聞きしました。その答えを一問一答形式でご紹介していきます。【Q.1】薬を飲むメリット・デメリットって?出典 : 前提として、発達障害を根治したり、その特性を消失させるような薬物療法はありません。薬物療法では、発達障害の特性の一部・発達障害のある子どもに伴うことの多い症状を軽減させることができます。例えば、注意欠如・多動性障害(ADHD)の子どもに見られる、不注意や多動性-衝動性が薬によって緩和されたり、自閉症スペクトラム障害(ASD)の子どもに多く見られる、かんしゃくやこだわりをやわらげたりすることに効果があります。これらの薬物療法の効果によって、その子の生きづらさが軽減されるだけでなく、親や教師がより適切なかかわりをしやすくなることもあるでしょう。薬に関する副作用や、それに伴う安全性への懸念は、多くの方が感じていると思います。ですが副作用は、どの薬にもあるものです。例えば、ADHD治療薬によって、いらだちが強まったり、こだわりが増強したりするほか、食欲の低下などの副作用が見られる子も少なくありません。また、ASDに対する抗精神病薬の使用で、眠気が増す、そわそわとした感じが出現する、月経不順、体重増加といった副作用が現れる子どももいます。あらかじめ子どもが飲む薬の副作用にはどんな症状が考えられ、万が一起きた時はどう対処すればよいのかを把握しておくことが大切です。以上のことを踏まえ、薬物療法においては、常にメリットとデメリットを天秤にかけて検討することが大切です。何を目標として薬物療法を受けるのかを、明確にしておく必要があります。発達障害の治療に関して、薬物療法が唯一の治療法ではありませんし、薬物療法によって改善しうる症状は、その子の抱える問題のほんのわずかな部分に過ぎません。・他の治療に比べて薬物療法を実施するメリットがあるのか・その他の治療と組み合わせることで相乗効果が得られるのか・薬物療法をいつまで続けるのかこの3点を中心に考えながら、薬物療法を進めることが重要です。【Q.2】薬物療法って、途中でやめられるの?出典 : 精神科の病気に用いられる薬には、一度服用すると、再発を予防するために薬物療法を続ける必要があることがあります。そのイメージが強いためか、発達障害の薬物療法でも「一度始めたらやめることができないのでは?」と考えている親御さんが少なくありません。確かに、子どもの様子を見て、薬の力が継続的に必要であれば薬物療法を続ければよいでしょう。しかし、薬物療法の標的となっていた症状がすでに改善しており、薬物療法を中止しても、概ねその状態が維持できるのであれば、薬物療法を続ける理由はありません。そのためにも、どんな症状を標的として薬物療法を開始したのかを明確にしておくことが、不要な薬物療法を漫然と継続しないためにも大切なのです。服薬を継続することのメリットやデメリットは、子どもであっても感じ取っているものです。親御さんの意見だけでなく、その子の服用感を大切にしながら、継続を検討していくとよいでしょう。【Q.3】薬物療法に対する意見が周囲と合わない時、どうすればいい?出典 : 薬物療法を巡って、子ども本人、親御さんにも迷いがある場合も少なくないのですから、ご家族の意見が一致しないことがあるのも当然のことです。自分の中でようやく決心に至ったのに、家族の意見で、また気持ちが揺れ動いてしまい、煩わしいと感じることもあるかもしれません。賛否を議論していても、何も決まりません。それよりも、現在の状況について、どのように考えているのか、服薬に際して何を期待し、何を心配しているのかを明確にすると、意外に対立点はないはずです。また、家族は薬物療法を開始したいという気持ちで一致しても、当の子ども自身が納得しないことがあります。あなたや周囲の大人がいかに困っているかを話して薬物療法の同意を取り付けようとする前に、子どもが薬に抵抗する理由を聞いてみると、「薬を飲むと自分が変わってしまうように感じる」「薬をのむと自分が病気であることを認め、どこか負けたように感じる」「とにかく特別なことはいやだ」など、その子ならではの理由があるものです。その背景には、発達障害をどのように受け止めているか、発達障害とともに育ちゆくことにどのような経験や思いを重ねているかなど、さまざまな認識が影響しています。薬を飲む・飲まない、ということから離れて、そういう思いの一つひとつを時間をかけて扱うことが大切でしょう。【Q.4】セカンドオピニオンを受けることも有効?出典 : セカンドオピニオンは、かつては「主治医の診断や治療方針に納得がいかないときに受ける」というような印象があり、患者の側も遠慮しがちに希望を申し出ていたところがありました。しかし、今日では、セカンドオピニオンは、安心して医療を受けてもらうため、医療側から見ても歓迎すべきプロセスとなっており、大学病院などでは重要な役割となっています。発達障害の診断は、その特性の程度により、どこから診断閾値を超えていると考えているか、医師によって若干異なることも考えられます。また、発達障害の場合、薬物療法を行うか否かは、診断の有無よりも、現在の状況を改善するためにどのような工夫が可能かという見立てによることが多いです。そのため、これまでの子どもの経過を最も知る主治医が適切な提案をできるとは思いますが、セカンドオピニオンで別の医師の意見を求めることも有益なことがあります。いずれにしても、発達障害の診療にあたる医療機関は限られています。そのため、通院中の医療機関に安心してかかるための工夫の一つとして、セカンドオピニオンも位置づけるとよいでしょう。【Q.5】子どもに対して、服薬をどう伝えればよい?出典 : まず、前提として、服薬の説明にしても、障害の告知にしても、親御さんのみで進めるのは避けましょう。障害の告知は、本来、その子の得意なところや苦手なところなど、子ども自身がさまざまな特性について自己理解を進めるうえで行われます。また、障害告知に関しては、単に障害名が伝えられるだけでは不十分です。その障害特性を踏まえて、直面している問題について可能な工夫を考えたり、新たな問題が生じても、そのことについて医師や学校の先生、家族と一緒に取り組んでいってもらえる安心感のある状況の中で行われたりする必要があります。薬物療法の提案も、その工夫の一つの方法として提案されることが大切です。服薬を説得するために告知をする、というのは、大きなマイナスの結果をもたらす可能性があります。もし、子どもへの伝え方が、1. その子どもが抱えている問題が現状では解決できない2. 解決できない理由はその子のもつ発達障害にある3. そのために薬物療法が必要であるこのような順序になると、「薬物療法を受け入れる=周囲とさまざまな問題を抱える発達障害特性がある」ということを、子どもに受け入れるように迫るということになり得ます。発達障害だから問題と直面せざるを得ないわけでも、発達障害だから服薬をしないといけないわけでもないのです。ですので、服薬のために障害を告知するというタイミングはよくありません。このノウハウは、医師がさまざまな経験のもと蓄積していますので、医師に任せて、親はどのようにそのプロセスに参加すべきか相談していくのがよいでしょう。出典 : その子どもの年齢や能力などを踏まえ、その子に応じた説明を行い、同意を得る必要があります。未成年の場合には、薬物療法の実施にあたり、保護者の同意(インフォームド・コンセント)が必要になりますが、親だけが納得していても子どもは服薬してくれませんし、同時に子どもの思いや決断も尊重する必要があります。そのために、その子の理解力に応じた説明を行い、同意(アセント)を得る必要があります。しかし、アセントを取得するにあたって、どのような説明を行うかは、医師の裁量に委ねられており、そこはその子の理解力を踏まえた医師としての力の見せ所ともいえる一方、そのような説明のもとに行われたアセントが本当に同意といえるかは悩ましいところでもあります。そのような説明と同意の現実をまず踏まえておくことが大切でしょう。その子の困りごとを整理し、その解決に薬物療法がどのように役立ちうるかと、薬物によって生じうる副作用を伝え、薬物療法を希望するかどうかについて子どもと話し合うことになります。その子の困りごとは、その子の視点からみた困りごとでなければなりません。「友達と仲良くなりたいと思っているのに、ちょっとしたことでキレてしまい、けんかになってしまう」「お母さんのことは好きなのに、早くしなさい、といわれるとかっとしてしまい、思わず物を投げてしまう」…これらのことに対して、本人ができる工夫、周囲ができる工夫など、いろいろあると思います。それらを行ってもうまくいかない時に、薬にも助けてもらうかどうかが話題になるわけです。薬には助けてもらうだけで、結局大切なのは本人の努力や工夫です。もし、薬物療法がとても有効であっても、薬ではなく、その子どもの頑張りを褒めてあげることが大切です。【Q.6】子どもの成長につれて、薬を拒否するようになったらどうする?出典 : 薬は対症療法にすぎませんから、その標的とした問題が解決すれば、中止を試みることになります。このような試みは、必ずしも医療主導とは限りません。ご本人やご家族の判断で、週末はやめてみた、長期休みなので飲まなかった、飲み忘れた日があったが問題なかった、など、いろいろなパターンがあります。一度、中止をしてみて、服薬を続けることのメリット、デメリットを再確認するのはよい方法です。服薬開始時点で、「何歳になったら卒業、薬に頼るのをやめよう」などという提案をされたという親御さんの話も聞きますが、このような表現は、薬を使用することが何かよくないことのような響きを持ってしまいます。本当に必要な薬であれば続けたらよいですし、現実には、そのような限界を設定しなくても、その年齢の前にやめてみようという試みが、ご本人やご家族からあることの方が多いものです。子どもが急に薬を飲むのを嫌だと言い出した、というケースもあります。その時には、なぜと問い詰めるより、その思いになったきっかけを確認することが大切でしょう。自意識が高まって「人と違うことはいやだ」と思うようになったのかもしれませんし、「何に対して自分は薬を飲んでいるんだろう」と思い、障害の受容をめぐって揺れ動いていることもあります。その場合、薬の服用については、本人の思いを尊重していったんやめてみることが多いです。ですがそのことよりも、そのような子どもの心の揺れ動きについて、診察のなかで扱うことが大切です。最後に、大切なことは、医師が服薬を薦め、子どもがそれに従う、という関係ではなく、薬物療法を含め、さまざまな話題を医師・親・子どもで一緒に考えていけるような関係性です。そのような関係性のもとでは、服薬をやめたいと思う、といったこともオープンに話し合えます。医師の処方通りに服用していないことがあるのは、医療全体にいえることです。しかし、抗うつ薬のように自己中断が離脱症状をもたらす薬もあります。「医者に通うこと=薬をもらうこと」ではない治療関係であれば、薬をめぐるオープンな話し合いができ、服薬の中止についても医師との相談のうえで、計画的にすすめていくことができるでしょう。まとめ出典 : 親としては、自分の子どもが一定期間にわたって薬を服用することに対し、どうしても不安やためらいを感じずにはいられないと思います。薬物療法の開始を決定した後でも、子ども本人にどう伝えるか、周囲とどのように意見をすりあわせていくかなど、さまざまな悩みが生まれることでしょう。あくまでも薬は対症療法の1つであり、メリットだけでなくデメリットもあります。薬を飲むことがどのような意味をもつのかを基準に考えることが重要です。また、薬を使うことは他の支援方法を諦めるということではなく、常に並行して考えていく必要があります。その子が発達障害とともに育つ、そして発達障害のある子を育むという歩みの中で、医療とどう付き合い、利用していくのか、こういった視点の中で、自分なりの薬に対する向き合い方を考えていきましょう。
2018年04月09日薬ってそもそも何だろう?出典 : 私たちは、誰もが心や体のバランスを崩すことがあり、そのためにつらい体験をすることがあります。病気やけがを治したり、心や体のバランスを取り戻したりするために「薬」が用いられることがあります。薬の歴史は古く、紀元前には、草や木の根、一部の動物や鉱物などが薬として使用されてきました。しかし薬は、適切な状態に対して使用されなければ、利益をもたらすことも害をもたらすこともあります。そこで、薬を使うことは、現在の患者さんの病状を正確に診断し、それに対して処方すること、すなわち医学の専門的領域として発展してきたのです。現代の日本では、主にヒトや動物の病気の診断・治療・予防に使うものを薬機法という法律で定め、医薬品と呼んでいます。今日の医薬品は、漢方薬のように植物や動物などの生薬により生産されているものもありますが、多くは化学的に合成された薬品です。製薬会社はさまざまな候補物質を作成し、薬理学的活性や動物実験などによって、その物質が「薬」の候補となり得るかどうかを調べています。そのなかで有効性と安全性の両面で優れていると考えられる物質が、開発候補となります。これは製薬会社が合成した候補の中のほんの一握りの物質であり、慎重な検討のもと、開発候補(治験薬)が選定されるのです。しかし、実際にヒトで安全であるのか、患者さんで有効であるのかは、明らかではありません。第Ⅰ相試験では、健康人を対象にして治験薬が投与され、その体内での動態や安全性が検証されます。これをクリアした場合に、第Ⅱ相試験が実施されます。この試験では、試験への参加同意の得られた比較的少数の患者さんに対して、治験薬の安全性とともに、投与量と効果の関係が検討されます。第Ⅲ相試験では、第Ⅱ相試験の結果を踏まえ、より大きな規模で有効性と安全性が調べられます。このとき、仮に患者さん100人に治験薬を使用したところ、80人に有効であったということがあっても、この薬が有効であるかどうかは分かりません。第Ⅱ相、第Ⅲ試験では、プラセボ、つまり治験薬とみかけは変わらず薬効成分のない薬との有効性と安全性を比較することが普通です。プラセボは有効成分がないのだから効果も副作用もないだろうと考えるでしょう。しかし、実際にはプラセボでも効果や副作用があるように感じることがあります。人のからだは不思議で、薬と信じて服用すると、その安心感から自然治癒力を引き出すことがあります。このような効果を「プラセボ効果」と言います。この「プラセボ効果」と「薬の候補の効果」を、医者も患者さんも分からないという条件の下で、有効性と安全性を調べ、プラセボに比べて薬の候補が有意な効果を認め、安全性にも問題が無い場合に薬の候補となるのです。最終的には、これらの臨床試験の結果を踏まえて、規制当局が薬として承認することになります。このようなステップを経て開発された新薬には特許があります。新しく合成した化学物質には「物質特許」がありますし、その効能・効果には「用途特許」があります。それ以外に、製造方法に与えられる「製法特許」、製剤上の新しい工夫に関する「製剤特許」です。原則6年間がたつと、物質特許と用途特許は切れて、後発医薬品、つまりジェネリック医薬品の生産が可能になります。ジェネリック医薬品は、先発医薬品と同じ薬効成分を有しており、服用後の血中濃度の変化が同等であることが求められています。しかし、製法特許や製剤特許は切れていないため、ジェネリック医薬品のメーカーにより製法は様々で、薬効成分以外の成分は異なっている場合もあります。したがって、先発医薬品とジェネリック医薬品が全く同じ、というのは事実ではないのですが、国全体としては医療費を抑制していくことが急務ですし、ジェネリック医薬品メーカーも、より質が高いジェネリック医薬品の提供や安全性情報の提供などに努めています。ドラッグストアなどで一般の人が自分の判断で使用することのできる一般用医薬品もあります。このなかには薬剤師からの指導、文書での情報提供の要否や努力義務によって、第1類、第2類、第3類などの指定があります。軽い身体不調に対して自分で手当てするというセルフメディケーションも現在推奨されている方法の一つです。しかし、この記事でこれからご紹介する向精神薬は、医療機関でしか処方できない医薬品がほとんどです。「薬が効く」ってどういうこと?出典 : 風邪を引いたら風邪薬を飲む、熱が出たら解熱剤を飲む、というのは、幼い頃から当たり前のようにやってきたことで、何の疑問も持たないでしょう。しかし、風邪薬を飲んだから病気が治ったのでしょうか?実際のメカニズムは、それほど単純ではありません。初期の風邪には、葛根湯を飲んで体を温めたり、免疫機能を高めたりすることがあります。これは、身体自体に備わっている風邪を治す機能を後押ししているのです。風邪で病院を受診し、抗生物質を処方されることもあるでしょう。最近では風邪に対してお決まりのように抗生剤を処方されることはなくなってきています。これは風邪の多くがウイルスによるもので、抗生物質は無効であるばかりか、抗生物質の効かない耐性菌を作ったり、腸内の細菌叢のバランスを崩してしまうからです。しかし、風邪をこじらせた場合には、細菌感染を合併していることが、採血の結果や咽頭ぬぐい液の培養によって確かめられることがあります。このような場合には、細菌を殺す(殺菌)あるいは細菌の増殖を抑える(静菌)ことを目的として抗生物質が処方されることがあります。これは原因療法といってもよいでしょう。原因療法とは異なり、症状を軽減する目的で薬が処方される場合もあります。それを対症療法といいます。対症療法というと、なにか原因を踏まえないつけ焼き刃の治療法のように聞こえるかもしれません。しかし、症状を緩和することで、日常生活の質が改善したり、別の治療的アプローチが有効に機能することがあるとしたら、対症療法も一つの治療法というべきでしょう。総合感冒薬(いわゆるかぜ薬)をみると、頭痛を軽減したり、鼻づまりを治したり、痰を出しやすくする一方、咳を止めたり、熱を下げたりする成分が入っています。これらは、風邪を治すというよりも対症療法として、その間の苦痛を軽減し、食事がとれたり、睡眠がとれることで体力の消耗を抑えることによって、身体の回復を助けようとする薬です。発達障害における薬の効き方出典 : 発達障害に対して薬物療法はしばしば行われることですが、発達障害自体を完全に治癒させる薬物療法はありません。発達障害における薬物療法は、対症療法であると言えます。注意欠如・多動症(ADHD)の中核的な症状である多動性—衝動性、不注意に対して、メチルフェニデート徐放錠(コンサータ®)、アトモキセチン(ストラテラ®)、グアンファシン徐放錠(インチュニブ®)が使用できます。それぞれの薬剤は、効果が出現するまでの時間や効果の強さ、効果がみられる時間の長さや副作用のプロフィールが異なっており、患者さんの状況や薬物への反応性に応じて使い分けられます。ADHD症状が軽減すると、全体を見渡して判断したり、順序立てた行動ができるようになったり、感情的になることが少なくなったりしますが、そのような思考や感情表出のパターンが本人にとっては新しい体験であったりします。また、保護者の方にとっても、「この子らしくない」とみえ、戸惑うこともあるでしょう。本当のその子らしさは、ADHDの症状が消えてみるとみえてくるものなのですが、それまでの間は戸惑いの方が大きいものです。日本では薬にまつわる否定的な表現も多くあります。薬に頼る、薬漬け、薬から卒業する、といった具合です。薬を使うことがネガティブに感じられ、本人や家族の努力不足であるかのような表現に聞こえる方もいるかもしれませんね。このような背景には、精神医学的な問題は、根性で立ち直るべき、といったような精神主義的な考え方があるのかもしれません。ADHDの治療においても、薬物療法か、薬物療法をしないかといった対比で語られがちです。ですが、これもそのような単純な図式では語れません。その子が行動上の問題を抱えているとき、望ましい行動を増やし、好ましくない行動を減らすためにはどうすればよいか、行動療法の考え方に基づいて最もよい対応を相談することが大切です。また、そのためのスキルを、ペアレント・トレーニングとして学ぶことも可能でしょう。また、学校や家庭で起こった現実的な困りごとについて、現実的な解決や調整を図ることも大切です。しかし、そのような行動変容を期待するとき、本人の動機付けを高めることも大切ですし、何よりも本人や家族が衝突ばかりを経験しており、疲弊しているようでは効果的な介入を期待できません。ADHDの子どもは小さな報酬に対して、脳の中の報酬系(快と感じる行動を選択しようとする脳の働き)が活性化されにくいと言われています。つまり、言葉で褒められただけでは行動が動機づけられにくく、食べ物やゲーム、お小遣いのようなわかりやすい報酬にしか反応しない傾向があるのです。しかし、メチルフェニデート徐放錠(コンサータ®)を服用すると、小さな報酬に対しても報酬系の活性化が見られるという研究結果が報告されています。このことは、行動療法を行う場合にも、これまでには動機づけられなかったような小さなフィードバックに対しても、子どもたちが動機づけられる可能性を示しています。薬物療法は行動療法と相乗的に効果をもたらす可能性があるといえます。また、自閉スペクトラム症(ASD)の易刺激性に対しては、リスペリドン(リスパダール®)やアリピプラゾール(エビリファイ®)といった抗精神病薬が使用されます。易刺激性とは、かんしゃく、人への攻撃的な言動、自傷、気分の変わりやすさとして観察される感情のコントロールの難しさです。しかし、易刺激性の精神医学的な意味は必ずしも明確ではありません。薬剤は、抑うつ症状や気分の波、衝動性、こだわり、感覚過敏などのさまざまな面で効果を示している可能性があります。他方、易刺激性の背後には、相手の気持ちや社会的文脈を読み取りにくい、見通しを持ちにくい、コミュニケーション障害といった認知特性や対処スキルの乏しさがあります。薬物療法の実施がその子の社会適応状況を一時的に改善したとしても、そのうえで認知特性に応じた支援やスキル獲得を目指した援助を実施する必要があります。どういう場合に子どもに薬物治療を行うの?出典 : 発達障害という診断を受けたからと言って薬物療法を受けなければならないわけではありません。発達障害自体を治癒する薬はなく、薬物療法が唯一の治療的アプローチでもありません。そうすると、薬物療法は、どういう子どもの状態が対象になるのか、ということが問題になります。子どもが抱えている問題について、さまざまな治療的アプローチを行った上でなおも残存する問題があり、薬物療法を実施することが、その子の問題の解決を促進すると考えられ、かつ、本人や家族がその治療を望む場合に、薬物療法が開始されることになります。実際に薬物療法を実施し、そのことによって期待される効果が得られるか、効果と副作用のバランスを見て、その治療がポジティブな結果をもたらすと考えられる場合に薬物療法は継続され、その治療が不利益の方が大きいと考えられた場合には、薬物療法は中止されることになります。薬物療法を継続された場合でも、問題が解決し、薬物療法を継続しなければならない理由がなくなってきたならば、薬物療法を中止することになるでしょう。薬物療法を開始する前に大切なことは、いま困っている問題がどのような背景であるのか、ということを見立てることです。たとえば、クラスのなかが騒がしく、いつも話し声が聞こえたり、たちあるく人がいる状況では、その子が不注意になってしまうのは当たり前のことです。その子が不注意だからといってADHD治療薬を使用しても十分な効果があるはずはありません。その状況が、学校や家庭などの複数の場面で発達水準に認められるという診断基準に立ち返り、本当にADHDといえるのかを検討する必要があります。発語がない自閉スペクトラム症の子どもがかんしゃくを起こしているならば、自分の思いが伝えられない状況で起こっているのか、こだわりが崩される状況の中で起こっているのかなどを確認し、コミュニケーション支援や周囲の対応や環境の作り方を考えることが先で、まず抗精神病薬を使えばいい、ということではありません。そのような見立てのためには、その状況について、親御さんや周囲の大人と医師が話し合いを行うことが大切ですし、その見立てを共有する中で、薬物療法の是非についても議論されるはずです。十分な見立てのないまま「問題行動」に対して薬物療法が実施されるとしたら、それはデメリットしかもたらさないでしょうし、漫然とした薬物療法が継続されることとなります。発達障害の治療に使われる代表的な薬出典 : の中核症状である多動性—衝動性、不注意を軽減する薬剤として、メチルフェニデート徐放錠(コンサータ®)、アトモキセチン(ストラテラ®)、グアンファシン徐放錠(インチュニブ®)が使用できます。メチルフェニデート徐放錠、アトモキセチンは、小児のみならず成人に使用可能ですが、現時点ではグアンファシン徐放錠は小児にのみ使用可能です。それぞれの薬剤は、効果が出現するまでの時間や効果の強さ、効果がみられる時間の長さや副作用の現れ方が異なっています。メチルフェニデート塩酸塩|PMDAアトモキセチン塩酸塩|PMDAグアンファシン|PMDA古くから発達障害に適応を有する薬剤として、ピモジド(オーラップ®)があります。添付文書によれば「小児の自閉性障害、精神遅滞に伴う下記の症状:動き、情動、意欲、対人関係等にみられる異常行動、睡眠、食事、排泄、言語等にみられる病的症状、常同症等がみられる精神症状」に有効とされており、これだけをみるとあたかも万能薬のようにみえてしまいます。ですが、当時と現在では適応症の決められ方が異なっており、この薬剤が他の抗精神病薬に比べて広範な効果を特別に示すとは考えられていません。この薬剤は、心電図のQT時間を延長させる作用があり、特に高用量では致死的な不整脈を起こすことがあります。そのため、最近では使用の機会が少なくなっています。自閉スペクトラム症に伴う易刺激性に使われる薬には、前述のとおりリスペリドン、アリピプラゾールがあります。使用する用量は低用量から中用量であり、鎮静を期待する量を使用することは好ましくありません。一般的には、うつ病や強迫症、その他の不安症に対して用いられる薬剤です。自閉スペクトラム症やADHDに抑うつ症状を伴うことがありますし、自閉スペクトラム症に強迫症状や社交不安などの不安症状を伴うこともあります。これらの症状に効果を示す可能性はありますが、逆にいらいらとした気持ちを高めたり、死にたい気持ちが高まることもありますので、注意が必要です。自閉スペクトラム症に伴う強迫症状には、抗精神病薬の方が有効なこともあります。気分の波やいらいら、感覚過敏などを伴う場合に使用されることがあります。気分安定薬の多くは抗てんかん薬としても使用されます。一般的に使用されるベンゾジアゼピン系の抗不安薬や睡眠薬は、脱抑制といって、興奮を強めたりすることがあるので、特に小児では避けられることが多い薬剤です。自閉スペクトラム症に伴う不眠には、メラトニンの有効性を示す報告が多くあります。メラトニンは覚醒と睡眠を切り替えて眠りをうながすホルモンです。日本では、メラトニン受容体に作用するラメルテオン(ロゼレム)が使用可能です。ベンゾジアゼピン系でない薬剤では、オレキシン受容体拮抗薬であるスボレキサント(ベルソムラ)が使用可能ですが、小児における有効性と安全性のデータが報告されていません。リスペリドン|PMDAピモジド|PMDAアリピプラゾール|PMDAラメルテオン|PMDAスボレキサント|PMDA発達障害の子どもへの薬物療法を行う際に気を付けたいこと出典 : 治療決定についての考え方は、昔と大きく変わってきました。以前は医師が専門的知識に従って治療方針を決定し、患者はそれに従うものでした。薬物療法についても、医師の指示通りに患者が薬を飲むかというコンプライアンス(服薬遵守)が問題とされてきました。近年では、医師は専門的知識に基づいて治療決定に必要な情報を提供し、患者がその方針を決定するものに変化し、その方針への積極性もアドヒアランスという言葉で表現されるようになっています。子どもの場合、法的には保護者が意思決定を行うことになりますが、保護者が決めた意思決定に子どもを従わせるというのは現実的にも不可能なことです。最近では、子どもにおいても自己決定を尊重し、子どもには子どもにわかる範囲の最大限の説明を行い、積極的な同意(アセント)を得ることが求められています。その子どもがわかる範囲というのは、その子の年齢だけでなく、知的な水準やそのパターンによっても異なってきます。病名や薬剤名を伝えるというよりも、その薬がどのような影響(効果、副作用、日常生活に期待される変化)をもたらし得るのか、実際にどのような薬剤(色、味、剤型など)なのか、いつまで服用するのか、など、わかりやすく説明し、子どもの意思を最大限尊重する必要があります。副作用のモニタリングも大切です。とはいえ、発達障害の診療に訪れる子どもは、すでに「お注射はされない」「お話だけ」などと説得されていることもありますし、検査が苦手な子も多く、専門医療機関が少ない現状の中で、子どもに嫌われたくないという医療機関側の思いも相まって、本来期待されるよりも少ないモニタリング頻度になっていることが多いでしょう。それらのモニタリングも含めて治療の枠組みとして説明しておくことが大切かもしれません。一方、モニタリングは採血や心電図など、本人の負担のある検査ばかりではなく、体重、脈拍、血圧、日々の様子など、さまざまな観察で行うべきものもあります。その点についても親御さんと医師で話し合っておく必要があります。まとめ発達障害の治療において、薬物療法だけですべてが解決することはありません。解決したい子どもの行動の成り立ちを医師と家族が一緒に見立て、環境調整や行動療法などと組み合わせることが大切です。いま何のために薬を飲んでいるのか、子どもと保護者、主治医が目的を共有し、その後の効果と副作用を見極めながら、薬物療法を継続していくか否か、意志決定していく必要があります。
2018年04月02日薬膳料理が流行って、お店に行ってみたり、自分でも作ってみたくなったり。でも、そもそも薬膳ってなんなのでしょうか?高麗ニンジンのような高価で手に入りにくい食材がないと成り立たないものなのでしょうか?実はそんなことはありません。薬膳に使われている食材は意外と身近で手に入るものばかり。本格薬膳のようにはいきませんが、自宅でプチ薬膳を楽しんで、健康効果を感じられたら、うれしいですね。「薬膳」というとハードルが高いけど、身近な食材でもOK!薬膳というと薬にもなる料理といったイメージですが、実際は薬というよりは、体に良い影響を与える食材で作った料理といったところです。実際の薬膳料理屋さんででてくるものは、体がポカポカするような効果があるものが多く、風味が独特で少し漢方薬っぽい感じがします 。味付けもとてもおいしく仕上がっているので、素人にはとても無理!!と思いがちですが、薬膳料理の中には、意外と身近な食材が使われているものなのです。味や総合的部分で専門店のようなものをつくるのは難しいですが、自宅でもできる、プチ薬膳、ご紹介していきます。「ショウガ」は薬膳によく使われる代表食材ショウガは非常に身近な食材でありながら、体を温める作用が非常につよく、抗菌作用などもあることから、薬膳に使用される定番の食材となっています。カレーに入れることで、薬膳カレーにすることもできますので、生のショウガはもちろん、乾燥生姜や、粉末状のショウガなど、使用しやすいものを常備しておいて、プチ薬膳を楽しみましょう、「ショウガ」による体温め効果ショウガには「ショウガオール」という体を温めてくれる成分が含まれています。これはショウガを加熱することでショウガに含まれている成分が変化して出来るもので、主に温かい状態で食べる料理にはぴったりです。カレーやスープ、クッキーなどのお菓子に入れてもよいですし、紅茶などの飲み物に入れてもよいでしょう。なんといっても汎用性があり、体を温めたいのであれば、最もおすすめな存在です。「クコの実」もわりと簡単に手に入る薬膳食材クコの実も薬膳の中では代表的な食材です。そして比較的手に入りやすく、最近は「ゴジベリー」などと呼ばれ、スーパーフルーツとして扱われています。クコの実は、そのまま食べることもできますので、中華のデザートなどの上にのってくることも多いです。そして、食べると独特の風味と味わいがあり、少し食べづらいと感じる人もいるかもしれません。そこで、粉末状のものを使用する、甘くしたものを食べる、お酒に入れたものを飲む、などなど、いろいろな方法で食されています。「クコの実」は“不老長寿”の効果があると言われた食材クコの実の健康効果は昔から高く評価されており、実際に多くのビタミンやポリフェノールといった、アンチエイジング効果すらある食材です。日本でも古くから珍重されており、クコの実を食べると不老長寿の効果があるなどと言われたこともあるくらいで、身分の高い人たちに珍重されてきました。近年では普通に手に入るようになってきましたので、少しずつ食卓に取り入れて、美容と健康の効果を摂取しましょう。食べやすい方法を選んで、美味しくいただくようにしましょうね。「にんにく」の健康効果も薬膳の一部にんにくは滋養強壮、疲労回復などといった健康効果があり、薬膳にも多く使用されています。唯一気になるのがその匂いでしょうか。もし、匂いが気になるようでしたら、一緒にリンゴを食べるのがおすすめです。生のリンゴに含まれる成分が、にんにくの臭みを緩和してくれます。さらにリンゴの食物繊維やビタミンCをはじめとしたよい成分を摂取できますので、とってもおすすめな食べ方です。薬膳料理のキットを買ってきても楽しめる最近では、薬膳料理用のキットも販売されています。参鶏湯をつくるためのキットや、薬膳によく使われる食材の乾物などが販売されているので、これを利用して、薬膳料理を気軽に楽しむ方法もあります。自宅で本格的な薬膳料理を楽しめるという魅力がありますので、ぜひ試してみてくださいね。身近な食材で、“プチ薬膳”を楽しもう!身近な食材を利用して、プチ薬膳を楽しみましょう。生姜やクコの実などを毎日の食卓にさりげなく取り入れ、健康的で、ひと味ちがった美味しさを堪能しましょう。おいしくて、健康にもよいとなれば、取り入れなければもったいないですよね。
2018年02月12日ADHDへの新薬インチュニブってどんな薬?出典 : インチュニブは、グアンファシン塩酸塩という薬の商品名で、小児用のADHD治療薬です。グアンファシンという成分が脳の情報伝達機能を助け、ADHDの多動性、不注意、衝動性の症状を改善する効果があります。日本で製造販売が承認され、販売が開始されたのは2017年5月ですが、アメリカ、イギリス、オーストラリアでは以前からADHDの治療薬として、コンサータ、ストラテラと共に使用されてきました。インチュニブは、患者の体重、症状、薬の効き方を踏まえて飲む量を決めるので、医師の処方が必要です。また、処方される年齢は6~17歳までと決められており、6歳未満、18歳以上の患者が使用した場合の安全性、有用性はまだ確認されていません(2017年12月現在)。従来の薬とは違う作用で働くため、ストラテラやコンサータでは効果を感じられなかったり、副作用などにより継続できなかった人への効果が期待されています。次の章からは、インチュニブが働く仕組み、用法・容量・副作用のリスクなど、インチュニブ使用を考える上で知っておきたい情報を解説していきます。インチュニブが働く仕組み出典 : この章では、インチュニブがADHDの症状に作用する仕組みをより詳しく解説します。ADHDの原因は解明されていませんが、脳の前頭前皮質という部分での情報伝達に問題があるとされています。中でも、シナプスという情報の送受信をする部位がうまく働かないことが原因の一つではないかと言われています。そのため、外から入ってきた情報をうまく取り込んだり処理をしたりするのが難しく、自分の注意や行動をコントロールできなくなると考えられています。そして「落ち着きがない」「注意が長続きしない」「衝動的に行動してしまう」といった”多動、不注意、衝動性”の症状としてあらわれます。ADHDのある人の中には、以下の図のように後シナプス(情報を受け取る側)に伝達された情報が漏れ出てしまい、神経伝達量が減少してしまっている場合があると考えられています。Upload By 発達障害のキホンインチュニブの役割は、後シナプスの情報の取りこぼしを減らすことです。インチュニブの主成分であるグアンファシンが、後シナプス中のアドレナリン受容体という物質を活性化させることで、シナプス内のHCNチャネルという穴を塞ぎ、入ってきた情報を漏れにくくさせます。Upload By 発達障害のキホンしたがって、より多くの情報を伝達できるようになり、覚えられる情報の量や、その持続力も高まります。その結果、多動、不注意、衝動性といった症状の改善に繋がるのです。インチュニブの用法・用量出典 : 前の章では、インチュニブがADHDの症状を改善させる仕組みを解説しましたが、その効果が適切に発揮されるためには、決められた用法用量を守ることが必要です。インチュニブは1日1回服用する薬です。飲む量は、医師が体質、症状、薬のきき方などをもとに決めます。飲む時間帯はなるべく決まっていたほうが良いでしょう。インチュニブと併用すると、効果が変わったり、副作用が出たりする薬や食品があります。もともと服用している薬がある場合や、インチュニブを服用しながら他の薬を服用することになった場合は、主治医に相談しましょう。以下がインチュニブとの併用に注意すべき薬などの一例ですので、確認してみてください。・バルプロ酸・中枢神経抑制剤・インチュニブの血中濃度を通常よりも上げる可能性のある薬(イトラコナゾール、リトナビル、クラリスロマイシン など)・インチュニブの血中濃度を通常よりも下げる可能性のある薬(リファンピシン、カルバマゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン など)・血圧を低下又は脈拍数を減少させる作用のある薬・アルコール参考:患者用小冊子│シャイアージャパンインチュニブの対象年齢は6歳~17歳です。6歳未満、18歳以上の年齢における有効性・安全性は確認されていません。インチュニブの副作用のリスクと対処法出典 : インチュニブには、いくつかの副作用が認められています。販売元であるシャイアージャパンによって国内での承認時に行われた臨床検査では74.8%に副作用が認められました。主なものは、傾眠(うとうとする)57.5%、血圧低下15.4%、頭痛 12.2%でした。インチュニブ服用時に特に起こりやすい副作用としては、低血圧、徐脈(心臓の拍動数が異常に減少する)、鎮静、傾眠があります。インチュニブの成分であるグアンファシンはもともと血圧を下げる薬として使われていたこともあり、服薬中の血圧の変化には注意が必要です。重大な副作用としては次のような事例が挙げられます。・低血圧(5%以上)、徐脈(5%以上)血圧の低下や、脈拍の低下により失神につながることがあります。インチュニブ服用中は血圧の変化に気を配りましょう。・房室ブロック(0.5%以上)徐脈の一種で、心臓がリズミカルに血流を送る働きに異変が生じることを言います。房室ブロックが悪化すると失神を起こすことがあります。・失神(頻度不明)低血圧、徐脈が悪化すると失神が起こることがあるので観察を十分に行い、めまいやふらつきなどの異常が認められた場合には主治医に相談しましょう。副作用を抑えるためには、適切な使用方法を継続することが重要です。特に、次の2つに注意しましょう。・毎日飲む毎日欠かさず飲むことで、効果が正しく出るだけでなく、副作用の防止にも関係します。グアンファシンは血圧を下げる働きがあるため、適切な量を安定したペースで飲まないと、前述の副作用が起こるリスクが高まるからです。万が一飲み忘れた場合は、主治医に相談しましょう。・服用を勝手にやめないいきなり服用を中断すると、一時的に血圧が上がったり、脈拍数が増加したりすることがあり、海外においては高血圧性脳症(急激な血圧上昇で頭痛、吐き気、けいれんなどが 生じること)に至った例が報告されています。その他、こまめな経過観察をして、少しでも気になることがあれば主治医に相談しましょう。参考:使用上の注意の解説 P.32│シャイアージャパン参考:『注意欠如・多動症-ADHD-の診断・治療ガイドライン 第4版 』(ADHDの診断・治療指針に関する研究会 齊藤万比古編/株式会社じほう) P.242インチュニブとコンサータ、ストラテラとの違い出典 : ここまで、インチュニブの基本的な情報を紹介してきました。この章では、インチュニブ発売前からADHDの治療薬として使われてきたコンサータ、ストラテラとの違いを説明します。脳内のドーパミンやノルアドレナリンが少ないとADHDの症状が出ると考えられていますが、インチュニブは、後シナプス(情報を受け取る側)に作用し、受け取った情報が流れ出ないように栓をする働きを助けます。一方、ストラテラとコンサータは、前シナプス(情報を送信する側)の働きを助け、前シナプスにこれらの神経伝達物質が再取り込みされてしまうことを防ぐ作用などがあります。つまり、従来のコンサータとストラテラは情報の送信を助け、インチュニブは受信を助けるという違いがあるのです。それぞれの薬は効き方や副作用が異なります。下の表を参考にしてみてください。Upload By 発達障害のキホンこれらの中でどの薬を処方するかは、本人の体質や症状、置かれた環境を総合的に判断して、最適な薬を医師が決めます。なお、一つの薬で効果がみられない場合でも、他の薬で効果がみられる場合もあります。ストラテラの解説記事で詳しく紹介しているのでご参照ください。まとめ出典 : インチュニブは、小児用のADHD治療薬の一つです。脳の情報処理を助け、多動性・不注意・衝動性の症状改善に効果があります。信号を送る側の神経伝達物質に作用していたストラテラ、コンサータとは違う作用機序をとるために、今までの薬物治療で効果を感じられなかった人の選択肢が広がることが期待されています。治療薬の選択肢が広がってきた一方で、薬物治療というのはあくまでも困りごとを解決するための一要素にすぎないということを忘れないでください。本人が自分の力で生きていくスキルを獲得する過程での補助的な役割として治療薬を利用しながら、適切な環境設定やSSTなどの取り組みも並行して行うとよいでしょう。参考:『注意欠如・多動症-ADHD-の診断・治療ガイドライン 第4版 』(ADHDの診断・治療指針に関する研究会 齊藤万比古編/株式会社じほう) P.242参考:患者用小冊子│シャイアージャパン参考:使用上の注意の解説│シャイアージャパン参考:添付文書│シオノギ製薬参考:インタビューフォーム│シャイアージャパン
2017年12月08日アレルギーにはどのような薬が効果的なのか、抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬の違いなどについて詳しく見てみましょう。アレルギーに効果のある薬とはアレルギーに対して一定の効果のある薬について詳しく解説します。近年増えてきた抗アレルギー薬かつて、アレルギーに対処する薬というのは、抗ヒスタミン薬のことを指すことが多かったようです。しかし、近年ではこれまでなかった抗アレルギー薬が使用されることが増えてきています。ヒスタミンとは、アレルギーによって炎症が発症したときに分泌されるメディエーターと呼ばれる生理活性物質のことをいいます。ヒスタミンは、体内で分泌されると血管が拡張されたり、血管の透過性が亢進(こうしん)されたり、気管支平滑筋の収縮を促したりする作用があるといわれています。これらの、作用を受けることによって末梢知覚神経が刺激され、かゆみや湿疹などを引き起こすとされています。抗アレルギー薬と抗ヒスタミン薬の違い抗アレルギー薬と抗ヒスタミン薬は、一見すると同じアレルギーに対しての対処薬と感じますが、それぞれの役割は違います。抗ヒスタミン薬とは抗ヒスタミン薬というのは、ヒスタミンの分泌によって引き起こされるさまざまな作用を抑制する効果が期待されます。抗ヒスタミン薬は、主にアレルギー性鼻炎アレルギー性結膜炎蕁麻疹(じんましん)などのアレルギーに処方されることが多いとされます。同じ抗ヒスタミン薬であっても、第一世代と第二世代に分類することができます。第一世代の抗ヒスタミン薬の特徴薬効の発現がとてもはやく即効性を期待することができる薬です。しかし、副作用として中枢神経への移行が非常にスムーズであることから、服用すると眠くなりやすいというデメリットがあります。さらに、抗コリン作用が強いことから機関誌の収縮の抑制作用が見られますが。気道分泌を抑制してしまう作用もあり、痰が出にくくなることがあるようです。第二世代の抗ヒスタミン薬の特徴中枢神経への移行性が弱いことから、眠くなりにくいという特徴があります。さらに、そのほかの抗アレルギー作用を持っていることも多く、抗アレルギー薬としても属している薬です。抗アレルギー薬抗アレルギー薬の条件としては、主に次の薬のことをいいます。メディエーター遊離抑制剤ヒスタミンH1受容体拮抗薬(第二世代抗ヒスタミン薬)トロンボキサンA2阻害・拮抗薬ロイコトリエン受容体拮抗薬、Th2サイトカイン阻害薬第二世代抗ヒスタミン薬やロイコトリエン受容体拮抗薬は、小児にも処方することができるアレルギー薬とされていますが、乳児に使用できる薬がないというデメリットがあります。主な抗アレルギー薬の種類と効能主な抗アレルギー薬について詳しく解説していきます。第二世代抗ヒスタミン薬アレロック顆粒クラリチンドライシロップザジテンドライシロップアレグラアレルオフゼスランそれぞれ、アレルギー作用を抑制する効果が期待できます。アレロック顆粒は2歳から、クラリチンドライシロップは3歳から服用が可能です。また、ザジテンドライシロップについては、かゆみを抑える作用が強いですが、眠くなりやすい作用があるとされています。ロイコトリエン受容体拮抗薬キプレス、オノンなどのロイコトリエン受容体拮抗薬は、気管支喘息に対する予防薬として服用されています。また、保険適応がされないものの、アレルギー性鼻炎や難治性の慢性蕁麻疹に効果が期待できるようです。薬の副作用について一般的な、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬の副作用として、眠気のどの渇きを感じてしまう副作用が多いといわれています。ただし、ここまでご紹介したように、近年では副作用が少ない薬も多く登場しています。即効性を期待する場合は、どうしても副作用に気をつけなければなりませんが、即効性が必要ない場合は、副作用の少ない薬を処方してもらうようにしましょう。薬の使用時の注意点特に、第一世代の抗ヒスタミン薬などは、即効性があるものの中枢神経への抑制作用が強いため、眠くなりやすいです。眠くなるだけであればいいのですが、時としてまれに脳炎になってしまうことがあるので注意が必要です。アメリカでは、第一世代の抗ヒスタミン薬は、乳幼児への投薬を禁止しています。乳幼児に対して、第一世代の抗ヒスタミン薬を投与する際には、医師への判断を仰ぎ、十分に注意しましょう。監修:大利昌久
2017年11月18日こんにちは。臨床心理士の今井千鶴子です。病院等で薬を処方されても、薬が苦手で嫌がってしまうお子さんもいると思います。「薬を飲ませようとすると泣いて嫌がる」「薬を飲ませても、吐き出してしまった」と困っているママもいるのではないでしょうか。そんな薬が苦手なお子さんの中には、“薬に対するマイナスのイメージ”が強い子もいます。たとえば、過去に薬が口に合わなかった経験、泣きながら無理に飲んだ経験、服用後吐いてしまった経験などによって、薬に対するマイナスイメージをもってしまうことがあります。残念なことに、薬に対するマイナスイメージをもてばもつほど、その後ますます薬が苦手になるという悪循環がうまれてしまいます。逆にいうと、薬のイメージがプラスに変わることで、薬への苦手意識が少なくなるお子さんもいます。そこで今回は、薬に対するイメージを少しでもマイナスからプラスへチェンジできるようなママやパパの関わり方 をご紹介します。●親がモデルを見せるお子さんに口調や行動をマネされ、驚くことはありませんか?子どもはママやパパの行動をよく見ています。ですから、もしママやパパが薬を飲む時は、「この薬を飲んだら元気になれるわ!」「あ〜、この薬、結構おいしい!!」など薬に対するプラスの言葉を意識しましょう(まずくても我慢です笑)。そうすると、お子さんは「薬を飲むと体調がよくなる」ことや「薬はまずいものではない」と思いやすくなります 。ちなみに、わが子は私が薬を飲んでいると「いいな〜、ママだけずるい」と羨ましがります(笑)。また、子ども自身が薬を飲む時も「がんばる!」とはりきっています。●絵本の力を借りる薬にまつわる絵本を読むのもオススメです。ポイントは、風邪の時に慌てて読むよりも、日頃から繰り返し読んでおくことです。たとえば、クレーア・レウェリンらの『くすりのみたくない』では、なぜ薬を飲むのかなどがわかりやすく説明されています。人は、“経験が少ないもの”、“よくわからないもの”に対して、不安を抱く ものです。まして体調がすぐれない時ならなおさらです。日頃から、「薬を飲んだらどうなるのか」「なぜ薬を飲む必要があるのか」が理解 できていれば、きっとお子さんも安心なはずです。また、深見春夫作『にがい おくすり のめるかな』など、薬が苦手な主人公がそれを克服するストーリーなどもオススメです。絵本の中の主人公ががんばる姿をみて、「わたしもがんばる!!」と勇気づけられる子も多いと思います。●飲み終わった後・風邪が治った後の言葉かけ薬が苦手なお子さんに服用させるのはそれだけで骨の折れることです。でも、飲ませて終わりではなく、飲み終わった後には“服用できたことに対してご褒美となるような言葉かけ”を意識しましょう。たとえば、私の場合は「かっこいいね!」「さすがだな〜」「薬が飲めたから、早くよくなるね」「治ったら、公園に遊びに行こうね!」などと声をかけています(お子さんによって嬉しくなる言葉は違うと思うので、アレンジしてくださいね)。さらに、風邪が治った時には、「がんばって薬を飲んだから、早くよくなったね」などと声をかけることも意識しています。このような言葉かけは“薬に対するプラスのイメージ”だけでなく、“薬を飲むことができた”というお子さんの自信にもつながると思います。もし、泣きながら薬を飲んだ時も、「がんばって飲めてすごいね」「これでよくなるね」などと声をかけてあげてくださいね。もちろん、お子さんによってはいくらママが言動を意識してもうまくいかないこともあるかもしれません。ただ、大なり小なりイメージの力は作用すると思いますので、意識してみることは大事だと思います。----------いかがでしたか?今回は、薬に対するイメージを少しでもマイナスからプラスへチェンジできるようなママやパパの関わり方をご紹介しました。悩めるママパパの参考になったら嬉しいです!参考文献クレーア・レウェリン(作)、マイク・ゴードン(絵)・北沢杏子(文)・林 千根(訳)くすり のみたくない深見春夫(作・絵)、小山博史(監)にがい おくすり のめるかな●ライター/今井千鶴子●モデル/藤本順子
2017年11月08日発達障害における薬物療法とは出典 : 発達障害の症状に対する治療法の一つとして、医師の判断によって薬が用いられることがあります。しかし、発達障害を根本治療する薬は現在ありません。そのため、発達障害で薬を処方する時は、発達障害の特性をなくすという目的ではなく、その症状を抑えることや二次障害を治すことが目的になっています。薬を処方することは医師にしかできません。薬によっては、医師の中でも限られた一部の医師にしか処方することが許されていないものもあります。また、発達障害だと診断されたら、必ず薬を服用するというわけではありません。医師の判断によって、必要に応じて薬を服用していくため、薬を処方されるタイミングで医師から薬に関する説明を受けることになります。発達障害のある人への支援で、お薬に期待されることは?出典 : この章では、発達障害のある人が、薬を服用することによってどのような効果が期待されるのかを紹介します。現在では、発達障害のある人への支援方法の一つとして、薬物療法はある程度の効果があると考えられています。しかし、服用する上で気をつけなくてはならないのは、発達障害における薬はすべて対症療法であることです。そのため、薬に期待されることは、発達障害そのものをなくすためのものではなく、発達障害の症状を和らげることになります。主な発達障害を例に、どういった症状に対して薬を服用していくのか見ていきましょう。◇自閉症スペクトラム自閉症スペクトラムを根本的に治療していく薬はありません。また、このあとで紹介するADHDの場合とも異なり、現在、自閉症スペクトラムの特徴である「社会性・対人関係の障害」 「コミュニケーションや言葉の発達の遅れ」「行動と興味の偏り」といった中核症状を直接軽くするような目的で薬が使われることはあまりありません。しかし、自閉症スペクトラムに伴う以下のような関連症状に対しては、薬の効果が期待されています。・かんしゃく・こだわり・不注意・多動性/衝動性・チック・抑うつ気分・睡眠障害など参考書籍:『精神科治療学Vol.30増刊号』(星和書店・2015)◇ADHDADHDでは、不注意・衝動性・多動性といったADHDに特徴的な症状そのものを緩和させることが期待されています。しかし、薬物療法でADHDを根本的に治療できるわけではなく、薬を服用しながら環境調整やソーシャルスキルトレーニングなどの療育を行っていくことで、困りごとを減らしていくことになります。ADHDにおける薬物療法は、「ADHDをなくす」ためではなく、「社会生活や学業での困りごとを解消する」ための手助けをしてくれるものだと考えるといいのかもしれません。発達障害のある人に処方されるお薬の種類出典 : 発達障害の症状に対して効果があるかもしれないと考えられている薬は多くあります。日本では未認可であっても、海外では認可されている薬や、ADHDで用いられる薬が他の精神疾患のある人に対して効果が見られるようなケースがあります。また日々、発達障害の薬は研究が行われており、オキシトシンなどさまざまな物質が薬として利用できないか調べられています。数多くの薬がありますが、人によって合う薬と合わない薬もあり、副作用などもあります。現在のところ、すべての人に必ず効果があるような薬はありません。そのため、薬物療法を進めるときは医師の判断のもと、その人の症状や状態を慎重に見ながら行うことになります。ここでは、自閉症スペクトラムやADHDの治療において認可されており、比較的用いられることの多い薬についてまとめました。◇自閉症スペクトラム小児の自閉症スペクトラムの易刺激性に対しては、リスパダール(リスペリドン)、エビリファイ(アリピプラゾール)といった薬が認可されています。易刺激性とは、自傷行為やかんしゃく、攻撃的になりやすいなどの性質のことです。これらの薬は、脳内の伝達物質のバランスを整える作用があります。◇ADHDADHDに対しては、中枢神経刺激薬であるコンサータ、非中枢神経刺激薬であるストラテラ、インチュニブが認可されています。それぞれの薬の詳細については関連記事を参照ください。参考:リスパダール錠|独立行政法人医薬品医療機器総合機構リスパダール患者向医薬品ガイド|特別行政法人医薬品医療機器総合機構参考:エビリファイ錠|独立行政法人医薬品医療機器総合機構エビリファイ患者向医薬品ガイド|特別行政法人医薬品医療機器総合機構また、コンサータと同じく中枢神経刺激薬であるリタリンは、昔は認可外ではありましたが、ADHDに処方される場合もありました。しかし、今ではADHDに処方されません。リタリンとコンサータの違いについては、以下の関連記事内で詳しくまとめてあります。発達障害のある人がお薬を服用するときの注意点は?出典 : 薬を服用するときには、「副作用があるのではないか」や「本当に効果があるのか」など多くの不安がつきまといます。そのような不安を解消するためにも、精神薬を服用する時には、医師と相談したり協力したりすることが必要不可欠です。薬の服用に関しては、具体的に以下のことに気をつけるといいでしょう。発達障害に処方される薬の多くは、対症療法を目的としたものです。そのため、服用する薬が具体的にどんな行動・症状を抑えるための薬なのかを知っておくことが大切です。主治医や薬剤師の方に薬について説明をしてもらったり、不明なことや不安なことは相談するとよいでしょう。また、副作用と、副作用が起きたときの対処法も事前に理解しておくとよいでしょう。発達障害に処方される薬の副作用として生じる症状のうち、早急に対処しなければいけないものはそれほど多くはありません。そのため、心配しすぎる必要はありませんが、急に発疹がでたり、呼吸が乱れたりしたときにどのような行動をとればいいのかは理解しておきましょう。薬の使い方を誤ると、重大な副作用が生じる可能性もあります。基本的に、医師の指示にしたがって服用するようにしましょう。症状が軽くなったからといって、個人の判断で勝手に量を減らしたり服用を中止したり、逆に薬が思った通りに効かなかったからといって、勝手に量を増やしたりしてはいけません。しかし副作用がひどい場合には、いったん服用を中止して医師に相談するようにしてください。精神薬は、効果に個人差があることも多く、最適な量についてもバラバラのため、様子を見ながらその都度修正していく必要があります。副作用が見られる場合もあります。どんな些細なことであっても、なにか気になることがあれば医師に報告し相談するようにしましょう。副作用として、次のような症状が見られることが多いため、このような症状に気を配っておくとよいかもしれません。・食欲不振/食欲減退・軽度な不眠症・体重減少・頭痛・腹痛など参考書籍:太田昌孝 永井洋子 武藤直子/著者『自閉症治療の到達点第2版』(日本文化科学社・2015)また、薬を服用するときに気になることに、薬をいつやめるべきかということがあります。児童精神科医の吉川徹先生は薬のやめどきについて発達ナビのコラムで以下のように述べています。常にやめることを考えながらお薬を使う、というのがおそらく正解であると思います。減薬や中止のチャンスを常にうかがっていないと漫然とお薬を使うことになってしまいます。・標的となっていた症状が改善してきたとき・環境との不適合が小さくなってきたと感じられるとき・他の支援がうまく回り始めたときなどが、お薬を減らす・やめるチャンスです。薬のやめどきについても、医師と相談しながら決めていくようにしましょう。上記や下記のコラムでは、薬のやめどき以外にも、発達障害と薬について詳しく紹介しているので参考にしてみてください。薬物療法と併せて療育的支援を行うことが大切出典 : 発達障害の症状は薬物療法によって軽減することがありますが、これは決して薬任せにすればいいというわけではありません。発達障害の治療においては、薬物療法のみを行うことはなく、薬物療法で症状が落ち着いている間に並行して教育的・療育的なアプローチをすることが重要です。例えば、ADHDの子どもに対して行われる療育には、ソーシャルスキルトレーニングやペアレントトレーニングなどがあります。ソーシャルスキルトレーニングは様々な特性をもつ本人が社会や生活での適切な行動をうまくできるようにトレーニングするもので、ペアレントトレーニングは保護者の方々が子どもとのより良いかかわり方を学びながら、日常の子育ての困りごとを解消し、楽しく子育てができるよう支援する保護者向けのプログラムです。また、自閉症スペクトラムのある人に対してはTEACCHと呼ばれるアメリカ発祥の当事者とその家族を対象とした生涯支援プログラムなどがあります。ここに挙げた以外にも、本人がより生活しやすいような環境を整備したり、本人にあったやり方を模索していったりすることも大切です。療育的支援の詳しい内容については、それぞれまとめてありますのでそちらを参照ください。医療費の助成について出典 : 発達障害の日々の困りごとを解消する手助けをしてくれる薬ですが、実際に服用するとなるとお金がかかることになります。薬の服用頻度や、薬の種類によって金額は異なるため、薬を服用するにあたって、一概にいくらかかるとは言うことができませんが、家計への負担を少しでも軽くするために、薬にかかる費用も含めた医療費を少しでも減らす方法についてまとめました。日本全国どこにいても、受けられる支援に自立支援医療があります。発達障害や精神疾患が原因で、精神科に通院する時にかかる費用の一部を国が負担する制度です。調剤、往診、デイケア、訪問看護が対象となっており、自己負担額が1割になります。しかし世帯の所得などに応じて、窓口負担額の上限金額が定められています。こちらの支援を受けるためには、区市町村の窓口から申請する必要があります。実際に申請するときの流れなどについては、こちらを参考にしてみてください。各地方団体では、それぞれが独自の支援を行っていることがあります。例えば、乳幼児にかかる医療費への助成であったり、自立支援医療での自己負担額をさらに軽減したりするような制度があります。これらの支援は、各地方自治体で受けられるサービスが異なります。また、申請方法についても異なるため、お住いの地方自治体のホームページを見たり、役所に足を運んだりしてみてください。また、医療費以外にも受けられる支援があります。受けられる支援の内容や申請方法に関する詳細はこちらにまとめられています。まとめ出典 : ここまで、発達障害のある人に処方されるお薬にまつわることをまとめてきました。発達障害の薬に限らず、すべての薬は、正しく利用できれば大きな味方になりますが、使い方を誤ると思わぬ副作用をもたらします。発達障害や精神疾患の薬は、風邪薬などに比べると、副作用のでる確率が高かったりと繊細で扱いにくい一面があります。また、効果が現れるかどうかも人によって差があります。そのため、普段以上に使い方を間違えないように注意したり「こんな些細なことを相談してもいいのかな」と思うようなことを含めて、すべて医師に相談するようにしましょう。薬に頼りっきりになることなく、薬で症状が落ち着いている間に療育を行ったり、少しでも本人が生活しやすいような環境を整えたりすることも大切です。
2017年10月20日ピルケースを持っていれば、職場や外出先で持ち運ぶのにとても便利です。また、ピルケースがあることで薬の整理がしやすく、常備薬が多い方には管理もしやすくておすすめです。近頃ではピルケースにも可愛いデザインのものが多く、安くて手軽にお求め頂けます。今回は便利かつ可愛いおすすめのピルケースをご紹介します。ピルケースの選び方1.使用日数と種類に適応したサイズピルケースには1日分の薬を入れられるコンパクトなモノから、1週間分の薬が入れられる大容量のモノまでサイズが幅広くあります。薬が何種類あり、何日間、何回分使用するのかを確認してピルケ-スを選ぶようにしましょう。2.管理しやすい形薬の種類が多くなると、何をいつ飲めばいいのか忘れてしまいがちです。そんな方にはコンパクトに収納ができて、仕切りの多い物を選ぶと保管がしやすいです。ケースの上にシールを貼って曜日や薬の名前を記入すればより管理もしやすくなります。3.ケースの素材バッグに入れて持ち運ぶ方はプラスチックやソフトケースのものがかさ張らず、持ち運びがしやすいです。ケース型だと面倒だと思う方には、ネックレスやキーホルダーにもなる、アルミのケースなども販売されているのでそちらがおすすめです。4.お子様がいる場合小さなお子様が誤って薬を飲んでしまうと大変です。誤飲事故件数はとても多いので、ピルケースを使ってしっかり保管していくことをおすすめします。蓋を押しながらでないと開けられないものや、蓋に細工が仕掛けてあるものを選んでトラブルを避けるようにしましょう。デザインがいろいろとあるピルケース【手のひらサイズピルケース】ピルケースと言うと、一般的には四角いプラスチックの容器を思い浮かべますが、手のひらに収まるコンパクトな丸形タイプのピルケースがデザイン性も高くオシャレに見えます。開け方も蓋を開いて開けるのではなく、蓋をスライドさせて開けるのでまるでタブレットを入れているように思えるデザインです。【小分けができるピルケース】大型のピルケースの中に、更に小分けができる小さなピルケースが収納されたデザインです。小さなピルケースはそれぞれカラーが違うので、整理もしやすくとても便利です。複数種類のサプリメントを飲んでいる方などにもおすすめです。以上のようにピルケースにはたくさんのサイズ、デザインがあり、用途に合わせた物を選ぶことで保管や管理が上手にできるので健康管理にも役立ちます。ここからは、使いやすさはもちろん、可愛くておすすめのピルケースをご紹介しますのでぜひ参考にしてみて下さい。1.持ち運びに便利!一週間分のポップでかわいいピルケース!飲み忘れのないように一週間分に分けて使う事ができます。ケースによって種類を分けられるのも嬉しいポイント!ケースに入っていると、衛生面からみても安心ですよね。とてもコンパクトで、ポーチの中にも入れられるので、持ち運びにもとても便利なピルケースです!2.上品でおしゃれなアンティーク風ピルケース!まるでアンティークかと思わせるようなかわいくて上品なデザイン。中は仕切りも付いているので、ごちゃ混ぜになるという心配もありません。プレゼントにも最適ですね。ポケットにも十分に入るサイズなので、ちょっと席を立った際に持ち運ぶこともできます。また、アクセサリーなどの小物を入れるのにも最適です。3.おしゃれでかわいいネックレスピルケース!その日に飲む分を入れて首からさげてしまう、かわいくておしゃれなネックレス型ピルケースです。ポーチや専用ケースを持ち歩かなくても、これさえあれば手ぶらで外出ができます!旅先で荷物を宿に置いて出かける事もあると思いますが、そんなときにも便利に使えます。4.開閉ラクラク♪衛生面もしっかりのピルケース!しっかりとした密閉ケースで衛生面も抜群。開閉もラクラクで、仕切りもあるため、飲み忘れ防止にもなります!持ち運びに便利なコンパクトサイズで、見た目もかわいく、ピアスなどの小物ケースとしても使えます。5.丸形でかわいい!使いやすさ抜群のピルケース!見た目はシンプルでかわいく、持ち運びにも便利なのが特徴です。錠剤では5個~10個ほどを入れることができ、数日間の旅行や合宿、宿泊が伴う研修などにも丁度いいですね!ワンタッチのフック式なので開閉も簡単にできます。6.ウキウキ♪愛着感のわくかわいいキャラクターピルケース!大好きなキャラクターデザインでケースにも愛着がわいてくる、とてもかわいいピルケースです。中身のサイズは少し大きめの薬も対応できるので、お薬の用途に合わせて持っておくのも便利ですね。タブレット型のお菓子が入っているようなケースで、人前でも躊躇なく出し入れすることができます。7.一目惚れ間違いなし!とってもかわいい花と猫のピルケース!プレゼントとしてもとても喜ばれそうな素敵なデザインの丸形ピルケースです。一目惚れしてしまう人も多いのではないでしょうか?中には3つの仕切があるので、複数の薬も分けることができ、使いやすさとしてもおすすめです。8.5つの仕切りでかわいい桜の花びら型ピルケース♪桜の花びらのデザインは、かわいくて見ているだけで癒しも与えてくれます。分けて入れることができるので、飲み忘れ防止にもなり、携帯するのにちょうどいいサイズです。常備薬以外のサプリメントや小物入れとしても使える便利なケースです。9.食べたくなるかわいさ!とってもキュートなマカロン風ピルケース!カラフルでつい食べてしまいたくなる、かわいいマカロン風のピルケースです。必要な分だけケースに入れて数日分常備したり、複数のサプリメントを色で分けて管理したりするのもいいですね。ポーチの中にこのケースがあるだけで、とても楽しい気持ちになれます。10.飲み忘れ防止の曜日管理機能付き!かわいいピルケース!薬は意識していないと、飲み忘れてしまうことが多々ありますよね。そんな方におすすなのが、こちらのピルケース。こちらは、1日1回蓋を開けて飲むことで、曜日が自動的に切り替わり教えてくれる優れモノなのです。衛生面も特許製品で心配ありません!衛生面だけじゃない!かわいいピルケースがやっぱり嬉しい!衛生面はもちろん大事ですが、やはり見た目のデザインにもこだわりたいですよね。常備薬の携帯ケースとして普通のモノを使うよりも、アンティークとしてや小物入れとしても使えるようなかわいいケースがいいですよね。今回ご紹介した10選のピルケースはいかがでしたか?ピルケースは種類も豊富なので、鞄やポーチと合わせてお好みのモノを選ぶのも楽しい選び方です♪生活雑貨のアイデアをもっと見る
2017年10月20日災害時に活用された事例などから、その必要性を重要視されているのがお薬手帳。1年半ほど前から制度が変わり、お薬手帳を持参していないと支払い金額が値上がりすることなどから、最近では持参派も増えているようです。そこで、パパママ世代にお薬手帳の活用方法について調査してみました。Q.お薬手帳、毎回持参してる?1.毎回持参している 61.5%2.時々持参している 20.8%3.持参していない 17.7%毎回持参しているという人が61.5%ともっとも多い結果になりました。時々持参している人と、持参していない人はほぼ同じくらいの割合。これから寒い時期になると、風邪などで子どもも薬を飲むことが増えますので、みんなの意見も聞いてみましょう。■病院に行くときには必ず持って行きます薬の飲みあわせだけでなく、色々聞かれる手間も省けたりもするので持参するという人が多数派。忘れないコツは、診察券といっしょに保管しておくことのようです。「母子手帳や診察券といっしょにひとまとめにして病院に持っていくので、忘れることはありません。薬の飲み合わせなど、確認するときに医師に見せるので毎回持ち歩きます」(福島県 30代女性)「必ず持って行きます。いちいち聞かれるより、薬剤師さんにお薬手帳を見てもらった方が確実だし、お互いに手間が省けると思う」(新潟県 30代女性)「子どものは必ず持って行きます。普段かかりつけの病院は、今までの飲み薬や塗り薬はカルテに残っているので、先生も分かっているけど、かかりつけではないところには、必ず持って行って見てもらってます」(広島県 40代女性)■アレルギーや持病がある人にはマストアイテムアレルギーや喘息など、持病でいつも飲んでいる薬がある人にとってはお薬手帳はマストアイテム。また、新しい病院へ行くときや引っ越ししたばかりのときにも大活躍してくれます。「アレルギーとかもあるので、飲んで大丈夫なのかどうか心配になるので。引っ越してから病院も変わったのでなおさら必需品になっています」(神奈川県 30代女性)「子どもが喘息を持っているので、必ず持っているようにしています」(愛媛県 30代女性)「薬局で出すのはもちろんですが、治りにくい症状でセカンドオピニオン的に病院を変えたときなどに医師に見せると、初めから違う薬を試してくれたりするので話が早いですよ」(千葉県 40代女性)■病院に行くときだけでなく常に持ち歩く人も妊婦さんがマタニティマークをしているのと同じように、特殊な病気を持つ人の場合、自分の意識がないときにはお薬手帳が病歴を証明する役割を果たしてくれます。「難病持ちということもあり、、毎日バッグに入れて持ち歩いています。交通事故やいざってときなどに使用していい薬と、使用してはいけない薬の区別や対処が早急な気がします」(千葉県 40代女性)Q.お薬手帳、毎回持参してる?アンケート回答数:10278件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2017年10月13日薬は箱の大きさや形、さらには期限がバラバラで収納に悩みますよね。とりあえず救急箱に入れてみても、箱の中がぐちゃぐちゃになって必要なときに取り出せないこともしばしば……。そこで今回は、救急箱を使わずに薬を使いやすく収納するアイデアをまとめました。みなさんもこれらのアイデアを参考に、薬を上手に収納してみてください!薬の収納を極めて使用しやすく!ミニマライフオーガナイザー香村薫さんが提案するのは、生活感の出やすい薬をおしゃれに、そして使用しやすく収納するアイデアです。ミニマライフオーガナイザー 香村 薫さんのアイデアをもっと見るポイントは、塗り薬・貼り薬と飲み薬に分けることなのだとか。塗り薬・貼り薬は入浴後に使用することが多く、また使用後は手を洗うことが多いため、洗面所に保管しておくのがよいそうです。一方、飲み薬を飲むときは水が必要になるので、キッチンに保管しておくのがよいそうです。そして、薬を箱から出して収納することもポイントのひとつです。箱から出してジッパー袋に入れておけば、コンパクトなスペースで収納することができます。ラベリングをして、どの袋にどの薬が入っているのかが一目でわかるようにしましょう。▼ミニマライフオーガナイザー香村薫さんのアイデアはこちら▼知って納得!3ステップで薬の収納を極める!箱へのこだわりをなくせば、薬の収納が楽になる!マスターライフオーガナイザー井手本亜希さんは、薬を引き出しの中に収納するというアイデアを提案されています。マスターライフオーガナイザー井手本亜希さんのアイデアをもっと見る救急箱に薬を収納している家庭も多いのではないでしょうか?しかし、これでは薬を取り出して使用するまでに時間がかかってしまいますよね。そこで、マスターライフオーガナイザー井手本亜希さんが思いついたのは薬を引き出しに収納するというアイデアです。よく使用するもの、ケガをしたときに一時的に使用するものというように、カテゴリ別に収納しておくと、使用するときに箱ごと取り出せるため便利なのだとか。この他、薬のみを密閉袋に入れて保管したり、塗り薬は立てて収納したりと、さまざまなアイデアを提案されています。ぜひ参考にしてみくださいね!▼マスターライフオーガナイザー井手本亜希さんのアイデアはこちら▼薬の収納で大切な3つのことガラスの小物入れで可愛く見せる収納♡通販で購入することができます!かさばる薬の収納には便利グッズを活用しよう整理収納アドバイザー井上知恵子さんは、市販のボックスやカードケースを使って薬をきれいに収納されています。整理収納アドバイザー 井上知恵子さんのアイデアをもっと見るまず大切なのは、「薬の収納=救急箱」の固定概念を捨てることだと整理収納アドバイザー井上知恵子さんはいいます。昔から薬は救急箱に収納するのが一般的ですが、これだと仕切りが細かすぎてうまく収納できなかったり、詰め込みすぎて蓋を閉められなかったりなどの問題が起こることもありますよね。そこで、整理収納アドバイザー井上知恵子さんが救急箱の代わりに使用したのは、仕切り付きのボックスです。すべての薬をまとめて収納するとかえって取り出しにくくなるため、内服薬・外用薬で分けています。さらに、使用頻度の高い薬はカードケースに収納しているのだそう。個別に分けることで探しやすくなる他、外出時に持ち出すこともできます。薬の収納に救急箱を使っている方は、より使い勝手のよいボックスの購入を検討してみてはいかがでしょうか?▼整理収納アドバイザー井上知恵子さんのアイデアはこちら▼意外とかさばる薬収納は100均グッズで簡単便利にアレンジしよう!薬をおしゃれなインテリアにして収納しようBPBさんは、まるでインテリアのようにおしゃれな方法で薬を収納されています。BPBさんのアイデアをもっと見るさんが使用しているのは、クリアガラスで作られたコルク瓶です。瓶の中に薬を入れて、薬の名称を書いたマスキングテープを貼り付ければOKです!棚の上に並べて置けば、こだわりの詰まったおしゃれな空間に早変わりします。使いやすいように、薬を1回分の錠数に切り分けておくのがBPBさん流です。フェイクグリーンやプレートなどで飾り付けし、よりすてきなインテリアに仕上げてみましょう♪▼BPBさんのアイデアはこちら▼毎日のお薬もオシャレなインテリアに♪ 100均アイテムで便利でかわいく魅せる❤️まとめ今回は、管理が大変な薬の収納アイデアをご紹介しました。「あとで整理しよう」と薬を適当な場所に保管し、使用したいときになって「どこに置いたっけ?」と忘れてしまうこともあるのではないでしょうか?あらかじめ収納場所を決めておけば、そういったストレスを感じることもありません。薬の収納についてお悩みの方は、これらのアイデアを参考にしてみてくださいね♪収納のアイデアをもっと見る生活の知恵のアイデアをもっと見る
2017年09月24日コンサータとはどんな薬?出典 : コンサータは、「メチルフェニデート塩酸塩」という成分の入った薬の販売名です。ADHDのある人に処方される飲み薬で、ADHDが原因であらわれる不注意、多動性、衝動性を改善させる効果があります。2007年に6歳から18歳未満の児童に対する治療薬として承認され、2013年には18歳以上の成人にも適応されるようになりました。これまでADHDに適応が認められている薬は「コンサータ」と「ストラテラ」のふたつだけでしたが、2017年5月には「インチュニブ」も追加され、現在は3つの薬がADHDに処方できるようになりました。いずれの薬も医師から処方されるものですので、処方箋なしでは入手できません。特にコンサータは流通規制がとられており、登録した医師だけが処方できるような厳しいシステムが整備されています。この背景には、かつてADHDのある人に処方されていたナルコレプシーの治療薬「リタリン」の乱用が社会問題となったことがあげられます。コンサータとリタリンは同じ成分で作られている薬なので、乱用を防ぐために厳しい枠組みがつくられました。なお、現在はリタリンにも流通規制委員会が設置されており、コンサータと同様にどちらの薬も正しく服用していれば乱用や依存などの心配はありません。リタリンが規制の対象となった経緯は、リタリンの解説記事をご覧ください。コンサータがADHDの症状を改善するしくみって?Upload By 発達障害のキホンADHDの原因は解明されていませんが、脳内の神経同士の連絡を助ける働きをもつ神経伝達物質が活発に働かないことも原因のひとつだと推測されています。ADHDに深くかかわると考えられている神経伝達物質は、「ドーパミン」と「ノルアドレナリン」で、コンサータはそのうちのひとつ「ドーパミン」に作用する薬です。ドーパミンは脳の報酬系とよばれる回路で作用する神経伝達物質で、行動を起こす際の動機付け、学習や作業などの目的のともなう行動を起こすことや、ワーキングメモリを働かせることなどで重要な役割を担っていると考えられています。「ドーパミン」が放出されると、ドーパミンを受け取る場所「ドーパミン受容体」に取り込まれます。このとき受容体に取り込まれなかったドーパミンは、再利用されるためにドーパミントランスポーターと呼ばれる再取り込み口から神経細胞に戻されます。しかし、ADHDのある人は、本来ならドーパミン受容体で取り込まれるはずのドーパミンが、再取り込み口から神経細胞に戻されてしまっているのではないかと考えられています。その結果として神経伝達がうまく機能せず、不注意や多動性といったADHDの特性としてあらわれてしまっているとみられています。コンサータは、このドーパミンが再取り込みされる働きを抑制して、ドーパミンが受容体にうまく結びつけるように助けることで、ADHDの症状を改善させるのです。Upload By 発達障害のキホン参考文献:榊原洋一, 高山恵子 / 著 『図解よくわかる大人のADHD[注意欠陥多動性障害・注意欠如多動症]』 2013年ナツメ社 / 刊(37ページ・63ページ)コンサータの用法・用量出典 : コンサータは錠剤の薬で、18mg、27mg、36mgの3種類があります。子どもも大人も18mgから服用をはじめ、その人の適量となるように必要に応じて増量していくようです。なお、18歳未満の子どもでは54mg、18歳以上では72mgが服用の上限です。医師が診断のもとで、その人にとって適正な量を処方するので、自分で増量して服用することはできません。コンサータは1日1回朝に服用します。服用時間が遅くなると夜眠れなくなってしまうことがあるため、午後には服用しないように気をつけましょう。コンサータ|独立行政法人医薬品医療機器総合機構コンサータはすぐに効果があらわれます出典 : コンサータは服用しはじめると、1週間以内にその効果があらわれます。服用すると薬効が12時間続き、不注意、多動性、衝動性を改善します。参考文献:榊原洋一, 高山恵子 / 著 『図解よくわかる大人のADHD[注意欠陥多動性障害・注意欠如多動症]』 2013年ナツメ社 / 刊コンサータの効果と安全性を確かめる試験が行われ、その効果と安全性がみとめられています。アメリカにあるヴァンダービルト大学のWolraich医師らがADHDのある6~12歳の子ども282人を対象にした試験を行い、すべての評価項目で症状改善がみられたことを2001年に報告しています。 ML, et al : Randomized, controlled trial of oros methylphenidate once a day in children with attention-deficit/hyperactivity disorder. Pediatrics, 108(4):883-892, 2001なお、薬の効き方には個人差が非常に大きいことが分かっています。ADHDと診断されるすべての人に効果があるわけではありません。6歳から12歳までのADHDのある子ども99人を対象に、カリフォルニア大学アーバイン校のSwanson博士らが、コンサータのもっとも適した量がどれくらいなのかを調査しました。その結果、最適な量は36mgがもっとも多かったものの、18~54mgまで幅広く分布していたことを2000年に明らかにしています。 J, Greenhill L, Pelham W, Wilens T, Wolraich M, Abikoff H et al. Initiating Concerta(TM) (OROS® methylphenidate HCl) qd in children with attention-deficit hyperactivity disorder. Journal of Clinical Research. 2000 Sep 14;3(59-76):59-76.また、病型によって適正な量がかわることを示唆する報告もあります。多動・衝動・不注意の症状が混じりあっている症状の混合型ADHD、もしくは不注意の症状が強くあらわれる不注意優勢型ADHDの5歳から16歳の子ども47人を対象にシカゴ大学のStein博士らが調査を行いました。この調査からは、混合型では54mg/日まで増量すればするほど効果が高くなった一方、不注意優勢型では18mg/日までで十分な効果があらわれ、それ以上に増量しても効果はあまり変わらなかったことを2003年に報告しています。 MA, et al: A dose-response study of OROS methylphenidate in children with attention-deficit/hyperactivity disorder. Pediatrics, 112(5):e404, 2003このように、薬の効き方や適正量には個人差があるため、その人にとって最大の効果をもたらす最小の量を、医師が診断の上で注意深く判断します。したがって、適正量を自分で判断せず医師に相談することが大切です。コンサータの副作用出典 : 日本でコンサータの安全性を調べる試験を行ったところ、子どもでは80.6%、大人では76.8%に何らかの副作用がみられました。子どもでもっとも多かった副作用は食欲減退42.1%で、次いで不眠18.5%、体重減少12%、頭痛8.3%、腹痛5.6%、悪心5.6%、チック15.1%、嘔吐3.7%でした。大人でも食欲減退39.7%がもっとも多い副作用でした。続いて、動悸21.7%、体重減少19.9%、不眠症18.0%、悪心16.5%、口渇14.7%、頭痛10.7%がおもな副作用として報告されています。なお、服用量の違いによって、副作用の出る頻度は変わりませんでした。副作用があらわれた場合には、すぐに医師に相談しましょう。コンサータ|独立行政法人医薬品医療機器総合機構副作用で多くみられた食欲不振や体重減少には、2つの対応策があるので参考にしてみてください。1つ目の対応策は、服用のタイミングを工夫することです。早朝や起床後すぐに服用することで朝食の食欲低下を防ぐほか、夕食時の食欲を回復させられるようです。2つ目は、食事量の調整です。朝食の食事量を増やすこと、もしくは夜食を追加することで、日中の食欲不振による食事量の減少を補います。なお、重大な副作用として次の5つがあげられています。いずれも非常にまれなもので、どのくらいの頻度で起こるかわかっていないものもあります。万が一、以下のような症状があらわれたときは、服用をすぐに中止して医師や薬剤師に相談しましょう。1. 剥脱性皮膚炎(0.1%)…広い範囲にわたって、皮膚が赤くなったり、盛り上がったり、強いかゆみなどの症状があらわれる2. 狭心症(頻度不明)3. 悪性症候群(頻度不明)…発熱、つよい筋肉の硬直、血液検査でCK(CPK)の上昇などがあらわれることがある4. 脳血管障害(血管炎、脳梗塞、脳出血、脳卒中)(頻度不明)5. 肝不全、肝機能障害)(頻度不明)コンサータ|独立行政法人医薬品医療機器総合機構中枢神経刺激薬はチックを悪化させるとの報告が複数あることから、コンサータはチックのある患者や、トゥレット症候群の患者または既往歴や家族歴のある患者に投与はできません。これまでの研究から、チックは悪化しないのではないかという議論があるものの、現在のところ結論は出ていません。ロチェスター大学のPalumbo博士らが、コンサータを服用することで、チックが悪化するかどうかを、5つの研究データをつかって解析しました。その結果、コンサータ、リタリン、ニセの薬ともにADHDとチックを併存している患者でのチック発症頻度は変わらなかったことを2004年に発表しています。 D., Spencer, T., Lynch, J.et al: Emergence of tics in children with ADHD: impact of once-daily OROS methylphenidate therapy. J. Child Adolesc.Psychopharmacol, 14: 185-194, 2004)コンサータを服用していてチック症状があらわれたら、医師に相談してください。なお、チック症については解説記事がありますのでぜひ参考にしてください。コンサータを含む中枢神経刺激薬は、心臓の血管に悪影響を及ぼし突然死のリスクをあげるとの懸念があることから、そのリスクが心配されていました。しかし、コンサータを服用している人が1年のうちに突然死となってしまう頻度は、10万人のうち0.2人ととても少ないことが分かっています。この数字は、18歳未満の一般人口の頻度1.3~8.5人とくらべても差がありません。ただし、心疾患がある場合には、必ず医師に相談するようにしましょう。参考文献:注意欠如・多動症-ADHD-の診断・治療ガイドライン第4版 ADHDの診断・治療指針に関する研究会齊藤万比古編株式会社じほう2016年212ページコンサータが成長ホルモンに与える影響にはさまざまな議論があるため、一定の見解は得られていないものの、これまでの研究から明らかになっていることをいくつかご紹介します。軽微な成長遅延があることが明らかになりましたが、コンサータが与える成長への影響はごくわずかです。コンサータを長期服用することでの影響を調べる研究では、成長についての調査も行われました。マサチューセッツ総合病院につとめるWilens医師らは、21ヶ月間服用した6歳から13歳の子ども178人を同年齢の子どもと比較したところ、身長は同年齢の児童と比べて-0.23cm(1年で-0.1cm)、体重は-1.23kg(1年では-0.54kg)の小さな遅れがあることを明らかにしました。なお、医師らがこの調査で得られたデータを解析したところ、コンサータが成長に与える影響は最小限であると考察しています。成長に影響を与えるのは、食事摂取量の減少によると考えられるため、服用によって食欲不振が生じた場合は注意深い観察が必要となります。 T, et al : ADHD treatment with once-daily OROS methylphenidate : final results from a long-term open-label study. J Am Acad Child Adolesc Psychiatry, 44(1):1015-1023, 2005さまざまな研究から、コンサータを服用することで一過性の成長遅延が認められるものの、その後は成長が追いつく可能性があると考えられています。ADHDのある人では、薬物投与にかかわらず思春期後期までは成長が遅れることが分かっている一方で、思春期後期にはその成長が追いつくことも示されています。児童では、コンサータを服用した初期の用量と投与日数によって成長遅延が生じてしまう可能性は否定できないとされています。そこで、児童でのコンサータ投与の場合には、特に休薬日の設定などを考える必要があります。参考文献:岡田俊、山下裕史朗/著『メチルフェニデート徐放錠を用いたADHDの薬物療法と心理社会的治療』(株式会社星和書店、2011年)44ページ中枢神経刺激薬は正しくない使い方をすると、薬をもっと服用したくなったり薬なしではいられなくなってしまったりすることがあります。しかし、コンサータの場合には、適切に使用していれば、このような依存状態になることはほとんどないと考えられています。その理由として、コンサータは乱用できないように砕けない錠剤でつくられているほか、徐々に薬剤が溶け出して効果が緩やかに続くようになっていることがあげられます。次に、流通規制委員会によってコンサータの流通状況が厳しく管理されていることから、乱用ができないようなしくみが整っています。したがって、適切な量を医師の指導のもとに服用することが非常に重要です。なお、依存についてはリタリンの解説記事でも詳しくご紹介しているので、参考になさってください。参考文献:注意欠如・多動症-ADHD-の診断・治療ガイドライン大4版 ADHDの診断・治療指針に関する研究会齊藤万比古編株式会社じほう2016年212ページコンサータとストラテラの違い出典 : の処方薬であるコンサータとストラテラは、効き方などが大きく違います。大まかな違いを表にしましたので参考にしてください。Upload By 発達障害のキホン参考書籍:榊原洋一、 高山恵子 / 著 『図解よくわかる大人のADHD[注意欠陥多動性障害・注意欠如多動症]』 (ナツメ社、2013年)65ページどちらもADHDの症状を改善する優れた薬と考えられていて、日本ではコンサータ、ストラテラともに薬物治療の第一選択薬として採用されています。本人の置かれた環境や体質などを医師が考慮したうえで、本人に最適だと考えられる薬が選ばれますが、日本のADHDガイドラインでは、併存症状で薬を判断しているようです。たとえば、素行症や反抗挑発性障害がある場合にはコンサータが優先され、不安症状、チック症、睡眠障害がある場合にはストラテラが優先されているようです。参考文献:注意欠如・多動症-ADHD-の診断・治療ガイドライン大4版 ADHDの診断・治療指針に関する研究会齊藤万比古編株式会社じほう2016年242ページなお、一方の薬で効果がみられない場合には、もう一方の薬で効果がみられることが多いことがわかっています。ストラテラの解説記事で、詳しくご紹介していますので参考になさってください。休薬についての考え方出典 : 休薬をどうとらえるかは国ごとに異なり、成長などの安全性を重視して休薬を推奨する国や、安全性に問題がない場合には有効性を重視し連日投与させる国などさまざまです。日本では、夏休みなどの長期間にわたるお休みには休薬をした方が良いと考えられています。これまでの研究から、休日に休薬できる患者と、休日であっても投与が必要な患者がいるようです。患者ごとに状況は異なることから、休薬するかどうかは医師と相談して決定することが必要です。 J., Ambrosini, P. J., Rapoport, J. L.:Treatment of attention-deficit-hyperactivity disorder. M. Engl. J.Med., 340 : 780-788, 1999)参考文献:岡田俊、山下裕史朗/著『メチルフェニデート徐放錠を用いたADHDの薬物療法と心理社会的治療』(株式会社星和書店、2011年)90~93ページまとめ出典 : この記事では、ADHDのある人に処方される薬「コンサータ」をご紹介しました。薬物治療には効果とともに副作用をともなうことがあります。そのため、この記事を読んでくださっている方のなかには、医師からコンサータの処方を提案され、薬物療法に不安を感じている方もいらっしゃるかもしれません。ADHDは薬を服用したからといって治るものではありません。環境を調整することや、声がけや周りの人の対応のしかたなどの取り組みも薬物治療と同じくらいとても大切です。特に、子どもの場合睡眠リズムの改善は最も重要なことです。薬物療法の前にやるべきことはたくさんあります。そのような取り組みを経てもなお、改善が乏しく、生活の困りごとが多くある場合は、薬物療法の出番だといえるでしょう。薬を服用することでADHDの症状を改善すると、日常生活の困りごとを少なくすることが期待できます。症状が緩和することで、本人が本来持っていた得意なことを生かしたり、伸ばしたりする良い機会になることも考えられます。さらに、ADHDのために失敗することが多く、自分を否定的に捉えがちになってしまうなどの二次障害を防ぐことも期待できるといわれています。コンサータを服用することについて不安や心配に思うことは、遠慮せずに医師に相談してください。
2017年08月31日薬膳スープ専門店Soup+株式会社Zen Styleが運営する「薬膳スープ専門店Soup+(スーププラス)」は、2017年8月9日(水)より『薬膳美肌マンゴースムージー ~黒タピオカ&フカヒレ入りコラーゲンジュレのせ~』の販売を開始した。食感は、夏にぴったりの「ひんやりシャリシャリ」としたもの。美味しく、美容と健康を手に入れよう。マンゴースムージーマンゴーは、体内の粗熱を下げると言われるフルーツ。同商品では、さらに、胃腸の機能を整える作用が期待出来る黒タピオカを使用しており、夏の体調にオススメの品だ。さらに、トッピングする陳皮(和漢パウダー)は健胃、生姜は体温調節に良いとされ、フカヒレには、コラーゲンが豊富に含まれている。Soup+(スーププラス)とは「 Soup+(スーププラス)」は、東京初の薬膳スープの専門店(同社調べ)。店舗でのテイクアウトだけでなく、イートインも可能だ。こだわりの無添加・無化調、厳選した素材を使用している。『薬膳美肌マンゴースムージー ~黒タピオカ&フカヒレ入りコラーゲンジュレのせ~』は、コラーゲンジュレ無し830円、コラーゲンジュレ入り1,030円となっている。いずれも税込み価格。(画像はプレスリリースより)【参考】※薬膳スープ専門店の本気の“薬膳スイーツ” 薬膳美肌マンゴースムージーを8月9日発売~暑さに優しい“ひんやりシャリシャリ”で美容と健康を~
2017年08月21日現在、口唇ヘルペスに有効とされる市販薬が販売されており、口唇ヘルペスに悩まされている人にとっては治療の幅が広がっているように思えますが、知っておかなければならないポイントがあります。口唇ヘルペスの市販薬について詳しく見ていきましょう。口唇ヘルペスとは口唇ヘルペスとは、唇や口の周囲に水ぶくれなどの症状を引き起こす皮膚の疾患です。単純ヘルペスウイルスというウイルスが原因で起こり、このウィルスの初感染時やすでに感染したことのある人が風邪・疲労などの際に再発することで起こると考えられています。直接接触すること以外にも、感染者が使用したタオルや食器などの物を通じて感染が拡大する可能性もあり、感染力が強いといわれています。抗体がない人や免疫力が低下している人は、感染しやすいといわれていますが、子供のうちに初めて感染すれば、症状が重くなりにくく、感染しても症状があらわれないこともあります。しかし、大人になって初感染した場合は、重症化するケースがあるため、注意が必要です。口唇ヘルペスを治療できる市販薬の種類口唇ヘルペスの治療に用いられる薬は、ウイルスの増殖を抑える働きのある抗ウイルス薬が一般的とされています。薬の入手方法としては、医師が発行した処方せんによる「処方薬」と、ドラッグストアなどで購入できる「市販薬(一般用医薬品)」の2パターンあります。病院に行けないとき気軽に購入できる市販薬以前は、口唇ヘルペスを発症した場合、医師に薬を処方してもらうか、病院に行けない場合、自然に治るのを待つしかありませんでした。しかし現在は口唇ヘルペスに有効とされる市販薬が登場しており、治療の選択の幅が広がっています。市販薬の場合、購入の際に処方せんが必要ないため、病院に行けないときなどに手軽に購入できるというメリットがあります。一般用医薬品は、消費者への情報提供の必要性の程度によって「第1類医薬品」「第2類医薬品」「第3類医薬品」の3段階に分けられますが、口唇ヘルペスの市販薬はそのうちの薬剤師対応により販売される「第1類医薬品」に属しています。軟膏やクリームなど塗り薬(外用薬)のみ現在のところ、市販薬として登場しているのは軟膏やクリームなどの外用薬のみで、以前に口唇ヘルペスと診断され、同じ症状があらわれた場合にのみ購入が限られています。そのため、初めて口唇ヘルペスになったケースでは使用はできないため、そのような場合で薬が欲しい場合は病院を受診しなければなりません。市販薬で再発を予防する方法口唇ヘルペスは、水ぶくれなどの症状が主とされていますが、その前に前駆期といわれる、症状が出そうな兆しが見られることがあります。具体的には、ピリピリ感やチクチク感といった皮膚の違和感、痛み、かゆみなどの症状で、これらはウイルスが活発に動いて増殖しているために起こると考えられています。そのため、このタイミングで増殖を抑えることができれば、症状の緩和や早期回復ができる可能性があります。市販薬は、初感染の場合には使用ができません。しかし、同じ症状をくり返す再発性の口唇ヘルペスに対しては使用を推奨されていますので、再発のサインを自覚したのに医療機関を受診することができない場合は、市販薬をうまく活用して早期治療をするのもひとつといえるでしょう。使用方法は薬によって異なりますが、1日1〜4回程度、患部へ適量を直接塗布するものが多く、水ぶくれがかさぶたとなり、幹部が乾燥すれば使用を止めるタイプがほとんどです。また、使用期間としては、約10日間が目安とされています。市販薬を使用する際の注意口唇ヘルペスは、水ぶくれだけでなく、湿疹のような症状や痛み、かゆみなどをともなう場合もあります。そのため、別の皮膚病に間違われるケースもあります。よく間違われる病気としては、唇の皮膚炎である口唇炎や毛穴に細菌が侵入し、炎症を起こすニキビなどです。口唇ヘルペスの初期は、これらの皮膚病との見分けがつきにくいため、見極めを間違うと、市販薬を使用しても治らないばかりか、別の病気を悪化させることにもなるので注意が必要です。また、逆のパターンとして、口唇炎やニキビを単純ヘルペスと思い込んで、それらの治療薬であるステロイドや抗菌薬を使用してしまうと、逆に口唇ヘルペスの症状を悪化させてしまう可能性があります。特に、ステロイドは症状を悪化させやすいため、自己判断での使用は控えましょう。監修:堀内祐紀
2017年04月30日背中ニキビの治療に薬が使われるのは一般的ですが、薬の種類によって効果が異なります。背中ニキビの治療に使う薬の効果と副作用背中ニキビに有効とされる薬は豊富です。その種類をあげて、その効果について解説していきます。抗生物質の効果と副作用通常の皮膚科でも一般的に処方される薬です。炎症した背中ニキビの原因菌であるアクネ菌をやっつけて、そのニキビを治すというものです。ニキビに有効とされる抗生物質は、リンコマイシン系抗生物質クリンダマイシンと、ニューキノロン系抗生物質ナジフロキサシンなどがあげられます。リンコマイシン系のほうが効果は強力ですが、その分の副作用がでやすいので注意が必要です。ニューキノロン系も副作用がでると考えられるのですが、医師や薬剤師などの指示に従って、適切に服用することを心がけましょう。詳しくは、『皮膚科で処方されるニキビ薬(1)抗生物質』 (をご覧ください。レチノイド製剤の効果と副作用表皮の顆粒細胞から角質細胞に変わるのを抑えて、角化異常を防止するという効果を持ちます。たとえるなら、毛穴周辺の肌を硬くせず、毛穴を小さくなるのを防いで、ニキビを抑えるというものです。抗生物質はアクネ菌をやっつけて、炎症したニキビの炎症を治療するのに対し、レチノイド製剤はニキビそのものを発生させないようにするという治療で、わかりやすくいえば、新しいニキビを起こさないようにするというものです。しかし、ピリピリとした刺激があり、発赤や乾燥肌などを起こすなどの副作用が存在しています。詳しくは、『皮膚科で処方されるニキビ薬(2)レチノイド製剤(ディフェリンゲル)』 (をご覧ください。硫黄製剤の効果と副作用硫黄はニキビの治療薬として古くから伝わっています。硫黄にはニキビに対する3つの効果があります。1つ目は殺菌作用で、ニキビの炎症を引き起こす要因となっているアクネ菌を減少させて除菌するという作用です。2つ目は角質の柔軟性で、角質を柔らかくして毛穴のつまりを防ぐというものです。3つ目は皮脂分泌を抑えて肌を乾燥させるというものです。しかし、肌の乾燥によって、肌のバリア機能の低下を招き、その結果、さまざまな皮膚症状が起きる可能性があります。詳しくは、『乾燥肌ってどんな肌? (乾燥肌の基礎知識』 (をご覧ください。実は硫黄製剤は大人ニキビに対して効果が期待できないどころか、悪化の要因になるという可能性があります。思春期ニキビの原因は皮脂が過剰に分泌されることにあるので、硫黄製剤は有効と考えられます。しかし、皮脂は肌を保護する役目を持っているので、肌の乾燥を防ぐために皮脂が過剰に分泌させるといわれているので、結果的に大人ニキビを悪化させる要因になるというわけです。詳しくは、『皮膚科で処方されるニキビ薬(3)硫黄製剤』 (をご覧ください。漢方製剤の効果漢方は東洋医学のひとつで、漢方によるニキビ治療に期待が高まっています。ニキビ治療に使われる漢方薬は、清上防風湯(セイジョウボウフウトウ)、桂枝茯苓丸加苡仁(ケイシブクリョウガンカヨクイニン)、荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ)、十味敗毒湯(ジュウミハイドクトウ)の4つです。詳しくは、『皮膚科で処方されるニキビ薬(4)漢方製剤』 (をご覧ください。ただし、漢方製剤だけではニキビが消える可能性は低いとされています。サリチル酸製剤の効果と副作用肌の角質層が硬くなるのを防いで、角栓の発生を抑えるという作用があるため、背中ニキビの初期症状の予防に期待が見込めるでしょう。若干ながら殺菌作用があるため、アクネ菌を減らすという効果もありますが、副作用があります。詳しくは、『皮膚科で処方されるニキビ薬(5)サリチル酸製剤』 (をご覧ください。過酸化ベンゾイル製剤の効果アメリカのニキビ治療では、過酸化ベンゾイル製剤が一般的に使われているといわれています。日本でも使われているのですが、アメリカほどではありません。その効果は強力な殺菌作用やピーリング効果、さらに乾燥を促進させる作用を持っています。詳しくは、『皮膚科で処方されるニキビ薬(6)過酸化ベンゾイル製剤』 (をご覧ください。背中ニキビ予防に効果的な化粧水や美容液の成分背中ニキビが重症化する前に皮膚科で診てもらうのが一番ですが、軽度の段階であれば予防は可能です。予防方法としておすすめなのがビタミンC誘導体の成分が入った化粧水や美容液を用いることです。ビタミンC誘導体は肌の浸透力が高く、背中ニキビの改善、もしくは予防につながるとされています。1日2回、朝と夜に使い分けることで効果は期待できるでしょう。詳しくは、『ニキビケアにおすすめ!ビタミンC誘導体とは?』 (をご覧ください。薬には副作用があるため注意が必要どの薬も副作用というのがあるので、医師や薬剤師の指示に従って、適切に使用するようにしましょう。監修:大久保真
2017年04月27日吹き出物用の市販薬と処方薬の違い吹き出物ができたときには、市販の薬を使う、病院処方の薬を使うという2つの方法が考えられます。市販の薬と処方薬とはどのような違いがあるのかを解説します。私たちが通常購入する市販薬には、吹き出物用の化粧品や医薬部外品があります。しかし、これらは吹き出物を予防することはできても、できてしまった吹き出物を治療することはできません。病院で処方される薬は、厚生労働省から吹き出物に対して有効性が確認されたものです。また、医師が処方するということは、それだけ効果はあるけれど、副作用もあるということです。医師が症状を診ながら処方してくれますし、副作用が出た場合にもすぐに対処してくれるので安心です。薬の効能吹き出物の薬には、吹き出物の症状によって効能や目的が違ってきます。皮脂の分泌を抑える吹き出物の原因のひとつである過剰な皮脂の分泌を抑えます。この効能は、主に硫黄が入った塗り薬に多く、男性や比較的若い年齢にできる吹き出物に効果をあらわします。腫れを抑える赤ニキビ、黄ニキビといった炎症を起こしている吹き出物に対して、熱や腫れを抑えます。吹き出物の痛みを落ち着かせたいときに効果をあらわします。あくまでも対処法であり、吹き出物の原因を取り除くものではありません。角質を柔らかくする吹き出物の原因のひとつである、毛穴の詰まりを改善します。ターンオーバーがうまくいかないときやホルモンのバランスが崩れるなど、大人ニキビと呼ばれる症状を緩和する効果が期待できます。殺菌する吹き出物は、アクネ菌の増殖によって、毒素が出るために炎症を起こします。アクネ菌を殺菌することで、化膿するといった吹き出物の悪化を防ぐ効果が期待できます。栄養を補給する吹き出物の原因となる皮脂の過剰分泌を抑えるために、ビタミンB2、ビタミンB6といった栄養を補給します。また、ターンオーバーを促進する効果もあるようです。吹き出物の薬の種類吹き出物の薬には、吹き出物の状態によって使われる成分が違ってきます。抗生物質吹き出物の原因となっているアクネ菌を殺菌する効果があります。とくに、炎症をともなう吹き出物の治療では最初に使われる薬となります。赤ニキビや黄ニキビなど、腫れ、膿を持って痛むときなどに処方されます。塗り薬と飲み薬があります。ただし、炎症を抑える効果だけなので、炎症が起こっていない白ニキビや黒ニキビには効果はありません。消炎効果に特化した薬なので、予防効果も期待できないとされています。レチノイド製剤角質が硬くなって、柔軟性を失うと毛穴が詰まって、角栓ができてしまいます。レチノイド製剤は、角質を柔らかくする効果があるとされています。吹き出物の原因そのものを抑えるという点で、新しい吹き出物の発生を予防することも期待できます。ただし、吹き出物の原因である角栓を予防する薬のため、炎症のある吹き出物には効果はないといわれています。硫黄(いおう)製剤殺菌、角質を柔らかくする、皮脂の分泌を抑えるの3つの面から吹き出物を治療する薬です。副作用が少ないので、市販の吹き出物用の薬にも含まれています。ニキビ全般の症状に使えますが、肌を乾燥させる副作用があるため、大人になって乾燥肌が原因でできる吹き出物には使わないほうがいいでしょう。サリチル酸製剤角質を柔らかくする効果があります。毛穴の皮脂を外に出やすくして、吹き出物の原因である角栓を発生させないようにします。初期の白ニキビや黒ニキビの段階で、一気に除去することが期待されます。ただし、角質を溶かすほどの成分ですから、敏感肌やすでに炎症を起こしている「赤ニキビ」「黄ニキビ」には向かないとされています。薬の使用上の注意点吹き出物で多く使われる治療薬は、ほとんど塗り薬です。これらの薬はすべて対症療法であり、根本的な治療ではないことを念頭に置いておかなくてはなりません。なぜなら、薬を塗るのを止めてしまえば、再発する可能性があるからです。病院で処方される薬は、効果が高いぶん、副作用も強くなる場合があります。副作用として多いのが皮膚の赤味ヒリヒリ感かゆみ皮がむけるといった症状です。しかし、これは副作用というよりも随伴症状といわれるもので、治療の効果が出ているからこそ現れる症状です。吹き出物の処方薬は、このように随伴症状が現れることが多く、定期的に医師からの経過観察が必要になってきます。随伴症状を和らげるためには、薬を塗る前に化粧水などで保湿してから使用する塗布する量を少なくするしばらく使用を控えるといった方法があります。いずれにしても、自分で判断せずに医師に相談するようにしましょう。市販の吹き出物用の薬は、手軽に使えるので愛用している人も多くいます。しかし、なかなか治らない症状がひどくなってきたくりかえし吹き出物が出るといった場合、やはり皮膚科を受診して処方薬を使うほうが、結果的に早く治療でき、安心できるようです。監修:スキンケア大学参画ドクター
2017年04月23日ストラテラとはどんな薬なの?出典 : ストラテラは不注意、多動性、衝動性といったADHDの症状を改善するために処方される薬です。現在ADHDの治療に承認されている薬は、ストラテラとコンサータの2つです。どちらの薬も医師から処方されるもので、薬局などで自分で買うことはできません。ストラテラは2003年にアメリカで発売開始されてから海外でも広く使用されており、日本では2009年に18歳未満の子どもに承認されました。さらに、2012年には18歳以上の成人にも承認が拡大され、幅広い年齢の人への処方が可能となっています。ただ、6歳未満の子どもへの安全性と有効性は確立されていません。ストラテラはアトモキセチン塩酸塩という成分の入った薬で、脳の前頭前野部分に多く存在する神経伝達物質「ノルアドレナリン」を活性化させる働きを持っています。脳の前頭前野部分は、順序だてた行動や、行動をコントロールする役割を果たしており、ADHDの人はこの部分に何らかの不具合があると推測されています。ストラテラはドーパミンの代謝も調節することで、症状を改善させると推測されています。また、ストラテラは薬物依存に関係する中枢神経系には作用しないために、薬への依存性は低いといわれています。参考書籍:ADHDの診断・治療指針に関する研究会、齊藤万比古編『注意欠如・多動症-ADHD-の診断・治療ガイドライン第4版』(株式会社じほう、2016年)240ページストラテラはどういった場合に処方されるの?出典 : 先ほど述べたとおり、ストラテラは医師の指導のもとで、本人の症状などにあった適正量が処方されます。自己判断で飲むのをやめたり、飲む量を変えたりすることはせず、医師の指示どおりに飲み続けることが大切です。それでは、どのような場合にストラテラが処方されるのでしょうか。アメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)に記載されているADHDの診断基準でADHDが重度と判断された場合には、治療初期から薬物療法を検討することが推奨されています。またたとえ重度でなくとも、環境調整などの薬物療法以外の治療をすすめているにもかかわらず、ADHD症状が改善されず本人も周りも日常生活に大きな困りごとが生じている場合にも薬物療法が検討されます。ただし、どのような場合であっても、ADHDの症状や日常生活の困りごとは個人差が非常に大きいことから、医師とよく相談することが重要です。参考書籍:ADHDの診断・治療指針に関する研究会、齊藤万比古編『注意欠如・多動症-ADHD-の診断・治療ガイドライン第4版』(株式会社じほう、2016年)226-228ページ参考書籍:日本精神神経学会/監修『DSM-5』(『精神疾患の診断と統計マニュアル』第5版)(医学書院、2014)ストラテラの用法・用量出典 : ストラテラは飲み薬で、現在カプセルと液体薬剤のどちらかが処方されます。カプセルは5mg・10mg・25mg・40mgの4種類あり、医師が処方した用量になるように組み合わせることが可能です。カプセル内の物質は刺激物のためカプセルを分解することは禁止されています。そこで、まだカプセルが飲めない子どもや、カプセルが飲みづらい人には、液体薬剤(内用液)0.4%を選べるようになっています。18歳未満の子どもと18歳以上の成人では処方量や処方回数が異なります。子どもには体重に基づき決定した1日分の用量を1日2回に分けて処方される一方、成人では体重に関係なく用量が決められ1日1回もしくは2回に分けて処方されます。また、子どもも成人も少量からの服用で治療がはじまります。どのように処方されるかは、医師が診断の上で判断しますので、かかりつけの医療機関で相談してください。出典:患者向医薬品ガイドストラテラ5mg・ストラテラ10mg・ストラテラ25mg・ストラテラ40mg|日本イーライリリー株式会社出典:患者向医薬品ガイドストラテラ内用液0.4%|日本イーライリリー株式会社ストラテラが効き始めるまでには時間がかかります出典 : 薬には飲んですぐ効果が現れるものと、効果が現れるまでに時間がかかるものがあります。ストラテラは後者のタイプで、毎日飲み続けることで効果があらわれる薬ですから、ADHD症状が改善するためには少し待つ必要があります。約2週間で不注意、多動性、衝動性の改善がみられるようになり、安定した効果が得られるまでには6~8週間かかると考えられています。なお、薬の効果があらわれれば、その効果は途切れることなく終日にわたって続くといわれています。参考書籍:榊原洋一、 高山恵子 / 著 『図解よくわかる大人のADHD[注意欠陥多動性障害・注意欠如多動症]』 (ナツメ社、2013年)65ページストラテラがADHD症状の改善に効果があることは、2009年に高橋道宏医師らが行った調査研究で明らかとなっています。調査は国内41医療機関で合計245人の日本人のADHDのある子ども(6歳以上18歳未満)を対象に行われました。この調査研究では、ストラテラを服用するグループと、ストラテラの薬成分(アトモキセチン塩酸塩)が入っていないニセの薬を服用するグループに分けられ、医師も子どももどちらがストラテラか分からないようにした上で実施されました。調査票を用いてADHD症状を点数化し、服用前と服用後の変化について調べた結果、ストラテラ(アトモキセチン塩酸塩1.8mg/kg)を服用したグループで総合点が11.6ポイント改善し、ストラテラがADHD症状の改善に有効であることが明らかとなりました。また、アメリカのマウントサイナイ医科大学のNewcorn JH医師らが2008年に発表したストラテラとコンサータの薬の効果を比較した研究では、ADHDに適応が認められている薬コンサータを服用しても効果のあらわれなかった6歳から16歳までのADHDのある子ども70人のうち、30人(43%)はストラテラを服用して効果があったことが報告されています。出典:Takahashi, M., et al. Journal of Child and Adolescent Psychopharmacology. August 2009, 19(4): 341-350 JH. et al.. Am J Psychiatry. 2008, 165(6):721-730ADHDの症状や、薬の効果の感じ方には個人差が大きいため、一概に「ストラテラを服用したからこのように改善した」ということはできません。しかし、実際に服用した人の体験談を見てみると、ゆるやかな症状改善を実感する人が多いようです。15歳、男児。混合型AD/HDで反抗挑戦性障害を併存する。家庭では朝起きが困難で親が何回起こしても起きない、起きても登校の身支度が遅く、遅刻することが多い。指示に従えず、反抗的態度が目立つ。アトモキセチンを1日0.5mg/kgより開始し、徐々に1.5 mg/kgまで漸増していったところ、1.2mg/kg頃から上記症状が軽減してきて、朝起きがスムーズになり、自分で起きることができるようになった。身支度ができるので、遅刻もしなくなった。有害事象は認められなかった。出典:酒井隆、宮本聖也、芳尾隆、諸川由実代/編『こころの治療薬ハンドブック第10版』(株式会社星和書店、2015)263ページストラテラの副作用出典 : への効果が報告されている一方でストラテラには副作用があることも分かっています。特に気をつけなければいけない副作用は、重大な副作用の肝機能障害・黄疸・肝不全・アナフィラキシーです。非常にまれなもので、先ほどご紹介した2009年に高橋道宏医師らが実施した試験でも、これらの副作用は報告されていません。しかし、どのくらいの頻度で起こるかは不明であるものの、服用する場合には念のため注意する必要があります。以下に副作用ごとの自覚症状をご紹介します。一般的には、記載された症状のうち複数の症状が同じ時期に起きるようですので、服用後に自覚症状が出た場合はすぐに服用を中止して、医師もしくは薬剤師に相談してください。・肝機能障害:からだがだるい、吐き気、嘔吐、食欲不振、かゆみ・黄疸:白目が黄色くなる、皮膚が黄色くなる、尿が褐色にな る・肝不全:吐き気、嘔吐、食欲不振、羽ばたくような手のふるえ・アナフィラキシー:からだがだるい、ふらつき、意識の低下、考えがまと まらない、ほてり、眼と口唇のまわりのはれ、しゃがれ声、息苦しい、息切れ、動悸、じんましん、判断力 の低下引用:患者向医薬品ガイドストラテラ5mg・ストラテラ10mg・ストラテラ25mg・ストラテラ40mg|日本イーライリリー株式会社重大な副作用ではないものの、ストラテラを服用すると起きやすい副作用もご紹介します。子どもを対象に行われたストラテラの安全性を確かめる試験では、頭痛(22.3%)、食欲減退(食欲がなくなる)(18.3%)、傾眠(眠気でうとうとしてしまう)(14.0%)、腹痛(12.2%)、悪心(吐き気)(9.7%)の副作用が報告されました。また、成人を対象にして行われた試験で報告された副作用は、悪心(吐き気)(46.9%)、食欲減退(食欲がなくなる)(20.9%)、傾眠(眠気でうとうとしてしまう) (16.6%)、口渇(口の渇き)(13.8%)、頭痛(10.5%)です。このような症状が出た場合でも、すぐに医師に相談しましょう。食欲がなくなる、吐き気や腹痛などといった消化器系の副作用を防ぐためには、食事直後に薬をのむなどの対策をとることが重要です。出典:注意欠陥/多動性障害治療剤(選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害剤)ストラテラ5mg・10mg・25mg・40mg添付文書|独立行政法人医薬品医療機器総合機構参考書籍:ADHDの診断・治療指針に関する研究会、齊藤万比古編『注意欠如・多動症-ADHD-の診断・治療ガイドライン第4版』(株式会社じほう、2016年)240-241ページ出典:Takahashi, M., et al. Journal of Child and Adolescent Psychopharmacology. August 2009, 19(4): 341-350なお、ストラテラを服用すると、自殺したくなる気持ちを生じる(自殺念慮)リスクが高まる可能性が心配されています。2008年にBangs医師らは過去に発表された複数の論文を横断的に調べて検証した研究を行っています。この研究では、ストラテラを服用した患者で、実際に自殺した例はなかったことが報告されました。ストラテラを服用したグループで自殺念慮が発症した率は0.37%、ストラテラの薬成分の入っていないニセの薬を服用したグループでは0%と、ストラテラを服用したグループで自殺念慮の発症率が高いことが分かりました。一方、実際に自殺をしてしまう危険率は両グループとも違いがなかったことも明らかとなっています。また、2016年にフロリダ大学のStephan博士らが行った最新の調査結果でも、他のADHD服用薬と比べてストラテラを服用している人の自殺リスクは高まらなかったことが報告されています。まれではあるもの、ストラテラを服薬した直後にはげしく興奮したり攻撃的になることが報告されているので、自殺念慮も含めて周囲の人はストラテラを服用する際には注意深く見守る必要があります。出典:Bangs, ME., et al.J Am Acad Child Adolesc Psychiatry, 2008, 47(2):209-218出典:Linden, S., et al., Pediatrics. May 2016、 137 (5) e20153199; DOI: 10.1542/peds.2015-3199参考書籍:杉山登志郎/著『発達障害の薬物療法―ASD・ADHD・複雑性PTSDへの少量処方―』(岩崎学術出版社、2015)99ページまた、ADHDの子どもがストラテラを服用する場合は、長期間にわたる服用への影響も心配になるかもしれません。しかし、ストラテラ服用後に身長と体重の伸びがゆるやかになる場合があるものの、成長へ与える影響は一時的なものであることが分かっています。2007年にアメリカのマサチューセッツ総合病院のSpencer医師らが、ストラテラを服用している北米人の子ども61人を5年間にわたって調査したところ、成長には影響がなかったことが報告されています。出典:Spencer, TJ. et al. J Child Adolesc Psychopharmacol.2007, 17(5):689-700ストラテラの値段出典 : ストラテラの薬価は厚生労働省が定めており、決定した薬価に基づいて医療機関で診療報酬が計算されます。今のところストラテラと同じ効果をもつ後発医薬品(ジェネリック薬)は承認されていないため、治療をすすめていく上で用量が増量される場合などには、経済的負担も大きくなることも考えられます。子どもへの医療費助成をしている自治体も多くあるので、お住まいの地域の自治体のホームページなどで確認してみると良いかもしれません。また、子どもや大人も利用できる自立支援医療制度(精神通院)を活用すると、通常であれば3割の自己負担が最大で1割に減額することも可能です。関連記事をぜひ参考になさってください。ストラテラカプセル 5mg1カプセル : 272.50円ストラテラカプセル10mg1カプセル : 324.70円ストラテラカプセル25mg1カプセル : 409.50円ストラテラカプセル40mg1カプセル : 461.20円ストラテラ内用液0.4%1mL : 209.20円引用:薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について(平成28年12月9日適用)|厚生労働省への薬物療法に期待できること出典 : 医師にストラテラでの治療をすすめられたとき、薬物療法をはじめることに悩む方も多いかもしれません。4章で副作用を説明したので、この章では薬物療法でどんなことが期待できるのかについて考えてみたいと思います。まず、薬物療法はADHDの症状を軽くすることだけが目的ではないということを知ってください。薬物療法をすすめることで、その子の成長を支えていくことが目的です。薬はADHDを治すものではなく、早い段階で服用したからといって将来の症状が軽くなるものでもありません。しかし、薬を服用してADHDの症状が改善すれば、日常生活での困りごとが少なくなります。その結果、これまで本人が困っていたことへの対処法を身につける機会が増えたり、新しいことを学びやすくなります。また、周りの人も「褒める」といったADHDのある人への好ましい声がけも実践しやすくなることも考えられます。ADHDのある人は、日常生活でさまざま困難が多く叱られることも多いため、「自分はだめなんだ」と自分自身を否定しがちです。ADHD症状が改善することで、スキルを身につけて困りごとを少なくすれば、本人にも自信がついて自尊心を高めることにもつながることも期待できます。また、忘れてはならない重要なことは、これらのことは薬物療法をしたからといって達成されるものではということです。薬物療法と同時に、環境調整をすることや、ペアレントトレーニングやソーシャルスキルトレーニングなどの薬物療法以外の取り組みも、ADHDの治療には非常に大切であることを覚えておきましょう。参考:Q32:発達障害の子どもの薬物療法について教えて下さい。|日本小児神経学会参考書籍:ADHDの診断・治療指針に関する研究会、齊藤万比古編『注意欠如・多動症-ADHD-の診断・治療ガイドライン第4版』(株式会社じほう、2016年)ストラテラはやめられるの?出典 : のある子どもでは、成長すると薬の必要がなくなる場合も多くなります。なぜなら、ADHDの症状は成長するにしたがって軽くなることが多いからです。ストラテラは薬への依存リスクが低いことから、減薬せずに中止することが可能です。しかし、どのように薬を終了していくかは、処方するときと同じように本人の様子を見ながら医師が判断します。したがって、自分の判断で薬の服用を中止することなく、医師に相談することが重要です。なお、日本を含めた海外の治療ガイドラインでは、子どもが薬物療法を必要としているか毎年確認することをすすめています。参考書籍:ADHDの診断・治療指針に関する研究会、齊藤万比古編『注意欠如・多動症-ADHD-の診断・治療ガイドライン第4版』(株式会社じほう、2016年)■経過幼少期から多動であり、幼稚園でもトラブルが絶えなかった。小学1年生になり、多動のみならずクラスメイトをたたくなどの衝動性や集中が続かないなどの理由から受診となり、ADHDと診断された。学校の環境調整を行い、母親がペアレント・トレーニングを受けるなど心理社会的治療が行われ、ADHD症状は軽快傾向にあった。しかし、小学3年になった頃からクラスメイトとの関係の悪化などから症状が悪化し、学校との連携を強化するも改善がみられないため、アトモキセチンを用いた薬物療法を開始した。次第に症状は改善し、小学高学年では特に問題がみられなかった。中学進学を前に薬物療法の終結を検討するも、中学入学という環境変化に伴う悪化を危惧し継続を望んだ。入学後も特に問題はなく、中学1年の2学期から減薬し、3学期には薬物療法を終結した。その後、定期的な通院は継続したが、問題はなく中学卒業を機にフォロー終了とした。■まとめ薬物療法の終結後は多少の症状の悪化はみられたが顕著ではなく、家族や学校の協力があり、本人ができる工夫を適宜治療者と相談しながら治療を継続した。フォローを終了する際、今後いつでも再診できることを付言しておくことも重要である。引用:ADHDの診断・治療指針に関する研究会、齊藤万比古編『注意欠如・多動症-ADHD-の診断・治療ガイドライン第4版』(株式会社じほう、2016年)235ページまとめ出典 : のある人に医師が処方する薬のひとつ、ストラテラを解説しました。薬物療法を開始するにあたっては、副作用への心配から不安が大きくなってしまうこともあるかもしれません。そんなときは、不安をひとりで抱えこまずに医療機関に相談することを考えてみてください。正しく知ることで不安が解消されるかもしれません。なお、医師だけでなく薬剤師も薬の相談に乗ってくれます。
2017年02月15日広汎性発達障害の娘(5歳)は、お薬が大キライ!「子どもに薬を飲ませる」ことに苦労した経験をお持ちの親御さんは多いのではないでしょうか。我が家の広汎性発達障害がある5歳の娘も、例外ではありません。3歳ごろまではどうしていたかというと…夫と協力し押さえつけて、スポイトを使って飲ませていました。Upload By SAKURA4歳を過ぎたら、苦い薬もなんとか飲めるように。でもその前に…4歳を過ぎる頃になると、説得が通じるようになり、無理矢理飲ませることはなくなりました。ただ、薬を飲む前に娘が必ずすることがあります。Upload By SAKURAUpload By SAKURAUpload By SAKURAUpload By SAKURAUpload By SAKURAUpload By SAKURA「目についたものを片付けて、えずく!」これが薬を飲む前の、娘のお決まりのルーティンです(笑)。この流れ、結構長く待つのが大変ですが、「飲んでくれるなら…」と娘のやり方に合わせています。
2016年12月28日