社会人になって3年目のころ、トイレで用を足すと血が出ることが続きました。最初は「切れてしまったのかな? まぁそのうち治るだろう」と気ラクに考え放置していたのですが、日に日に出血量が多くなっていったのです……。出血が治まらず病院へ病院に行こうか市販薬を買おうか迷っていたのですが、ある日とうとう便器の水が真っ赤になるほどの出血が! 市販薬では心もとないと思い、病院へ行くことにしました。とはいえ、何科に行けばいいのか悩んだ私。痔は内科で見てもらえるのか、消化器内科でいいのか? いろいろ調べた結果、駅の看板で見ていた「肛門クリニック」なら間違いないだろうと、そちらで見てもらうことにしました。気ラクに受診したら思いがけない状況に「ちょっと見てもらって塗り薬が出て終わりだろう」と軽い気持ちでいたところ、医師は「あ、これは!」という反応でした。診察だけでは終わらず、「時間があるなら今日やろう」とのことで、そのまま大腸の内視鏡検査をすることに。2Lほどの下剤を2時間くらいかけて飲むのですが、苦手な風味だったので一緒に出された飴がとてもありがたかったです。飴の甘さで中和しつつ、なんとか飲み干しました。内視鏡の診断結果は「潰瘍性大腸炎(大腸の粘膜に潰瘍ができる大腸の炎症性疾患 )」。国から難病指定されている病気です。元首相の持病とのことで名が知られていますが、当時は初めて聞く病名でした。医師から病気についての冊子をもらい、医療費助成についての説明などを受けましたが、想定外の状況すぎて頭がついていきません。短期間で治る病気ではないとのことで、薬も次の通院日分まで毎日3食分と大量に出ました。大量の薬を前に…今まで大きな病気になることなく、薬もあまり飲む機会がなかったので、この量は自分が重病人になった気がしてかなりショックだったことを覚えています。幸い自分の病状は、直腸型という腸の炎症部位が限定されたタイプだったので日常生活にそれほど影響はありませんでした。それでも粘液が肛門近くに下りてくるせいで何度も便意を催し、仕事を中断してトイレに駆け込むことに。職場の一部の人には病気の旨を伝えていたのですが、知らない人には「やたらトイレの近い人だ」と思われていたことでしょう。食事制限もありませんでしたが、炭酸飲料や辛い物を飲食した後は、少し病状が悪くなっていた気がします。今まで意識していませんでしたが、腸に刺激のあるなしが顕著にわかって勉強になりました。まとめそれから10年以上たった今では、寒い時期に少し粘液が出るくらいで寛解状態ですが、いまだに発症原因は不明です。家族にも同じ病気の人はいないし、本当にいきなり症状が出たという状況でした。何事も他人事ではないと実感し、体に気をつかおうと思わされた一件です。定期的に大腸内視鏡検査を受けるきっかけになっているので、悪いことだけではなかったなと思っています。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/里村仁志先生(里村クリニック院長)消化器疾患が専門。2003年 獨協医科大学医学部卒業、2005年獨協医科大学第1外科、2016年さいたま赤十字病院外科を経て、現在に至る。文/きいろ著者/ウーマンカレンダー編集室40歳を過ぎて心と体の変化に戸惑い、悩むオトナ女子を応援するメディア「ウーマンカレンダー」の編集室です。オトナ女子がおこなっているコスパ良し!時短!ズボラでもできる!リアルなアンチエイジング情報をお届け。医師解説の記事も満載!
2024年04月19日トイレで大きいほうをすると、血のような赤いものが付くと気付きました。場所が場所だけに、病院を受診するのも気が引けた私でしたが、覚悟を決めて病院へ行ってよかったと思った体験談です。これは…血!?40歳を過ぎたある日、トイレで「便に血が付いているかもしれない」と気が付きました。血はほんのわずかで、よく見ないとわからない程度。それから注意するようにしましたが、血らしき付着の頻度も月に1回ほどです。「たぶん慢性的な便秘のせいだろう」と特に気にせず、そのまま過ごしていました。しかし、次第に血が付着した便の回数は増えていき、排便痛や生理がない日にも血液らしきものが付くようになっていました。それから2年後、ようやく病院に行ったほうがよいと思い始めたのです。大腸がん検診の結果はしかし、「恥ずかしい!」という気持ちが勝り、早々に決心はにぶります。どうしたものかと考えた末に、大腸がん検診を受けてみることにしました。便に血液が付着しているかがわかる検査なので、家で済ませられます。早速、検査キットを近所の小さな病院でもらい、すぐに便を取って持っていきました。検査の結果は陽性。先生から「痔はありませんか?」と聞かれましたが、心当たりはありません。その病院では詳しい検査ができなかったので、内視鏡検査ができる総合病院に行くことになりました。「結局、おしりを人に見せることになるのか……」と、がっかりしたことを覚えています。大腸内視鏡検査の結果は大腸内視鏡検査は、朝から始まりました。まず下剤を飲んで、腸を空にする必要があるのです。2Lの液体を2時間ほどかけて飲んでいきます。何人か同じ時間に始めた人たちと、トイレに行ったり来たりしていました。私は腸の動きが悪いらしく、なかなかすっきりしません。他の方たちは次々と検査室へ進み、順番は最後になっていました。そして、いよいよ内視鏡検査が始まりました。内視鏡は、小型のカメラで直接映像を見ながら異常を見つけたり治療したりする医療器具です。横になって体を少し丸くした状態でおこないました。初めての体験にとても緊張……。麻酔をかけて寝ている間に検査することもできたのですが、私は無麻酔を選びました。その結果、直腸に2cm以上の大腸ポリープ(大腸にできる「いぼ」のような隆起性の病変)があることがわかったのです。その場で切除のお願いをして、検査は終わりました。結果を待つ1週間はとても長く感じられました。病理検査の結果は「腺腫(せんしゅ:大腸内視鏡検査中に最も多く発見されるポリープで腫瘍)」。良性腫瘍で、がんではありませんでした。検査の際にポリープを取り切れているので「翌年に経過観察の検査を受ければよい」とのこと。とりあえず胸をなで下ろしました。まとめ考えてみると、もう少し早く病院へ行けばよかったと反省しています。腺腫は悪いものではありませんが、がんになることもあるそうです。気になってからすでに2年経過していたので、もう少しそのままにしておいたら大変なことになっていたかもしれません。痛みも特になかったので、検査でしかわからなかったと思います。勇気を出して病院へ行って正解でした。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/里村仁志先生(里村クリニック院長)消化器疾患が専門。2003年 獨協医科大学医学部卒業、2005年獨協医科大学第1外科、2016年さいたま赤十字病院外科を経て、現在に至る。文/木鈴しのイラスト/マメ美著者/ウーマンカレンダー編集室40歳を過ぎて心と体の変化に戸惑い、悩むオトナ女子を応援するメディア「ウーマンカレンダー」の編集室です。オトナ女子がおこなっているコスパ良し!時短!ズボラでもできる!リアルなアンチエイジング情報をお届け。医師解説の記事も満載!
2024年02月27日ある日、トイレに向かうと突然の「血便」。大変な病気なのではと心配になりますが、一方で痔と思い込む人も多いそうです。痔の場合と、そうでない場合はどこに違いがあるのでしょうか。消化器内科・内視鏡内科医師の里村仁志先生に聞きました。答えてくれたのは…里村クリニック院長里村仁志先生消化器疾患が専門。2003年獨協医科大学医学部卒業、2005年獨協医科大学第1外科、2016年さいたま赤十字病院外科を経て、現在に至る。★関連記事:女性は40代から急増!「死亡原因第1位」なのに早期発見で完治率が高い「がん」とは?【医師監修】そもそも血便とは? どうして出るの?そもそも血便はどうして出るのでしょうか。「血便は臓器からの出血が便と混じって出てくるものです。血便とひと口に言っても、出血している部分によって様子が違ってきます。大きくは3種類あります。鮮血便(鮮やかな赤色の血)→肛門や直腸などおしりの出口から近い場所での出血暗赤色便→どす黒い赤色。大腸の感染症やがんなどによる炎症の出血タール便(黒色便)→胃や十二指腸からの出血血便が出たら、色や様子をチェックしておき、医師に伝えてください」(里村先生)。血便から考えられる病気とは血便が出たら、どんな病気が考えられるのでしょうか。「多くは痔かポリープなのですが、主に以下のような病気が考えられます。痔→鮮血便。肛門から少量~多量に出血。直腸ポリープ、直腸がん→鮮血便。肛門から少量出血。結腸がん、感染性大腸炎、虚血性腸炎→暗赤色便。大腸から少量~多量に出血注意すべきなのは、痔の出血と直腸からの出血が同じ鮮血便で、間違えやすいということです」(里村先生)痔と大腸がんの見分け方は?「痔は肛門の周囲に痛みがあるのが特徴です。また、いぼ痔の場合は排便時に飛び出してきます。大腸がんは、ステージⅠの早期までは自覚症状がほとんどありません。痛みがないのに血便が出るときは、大腸がんとは特定できませんが何らかの腸疾患の可能性があります」(里村先生)。血便が出たらどうする?肛門科か消化器内科を必ず受診を血便が出たらどうすれば良いのでしょうか。「肛門に痛みがある場合は痔の可能性が高いですが、自己判断せず、肛門科または消化器科のある内科を受診しましょう。万が一、大腸がんと診断されたとしても、大腸がんは早期に治療すれば『治りやすいがん』の一つです。がんが粘膜下層の浅い部分にとどまっている早期がんなら、治療後の5年生存率は9割以上で、ほぼ完治が見込めます。ですから、大腸がんは早期発見が何より重要です。早期発見には『便潜血検査』が最も有効です。大腸がんは40代から罹患率が増え、女性がかかるがんのうち、死亡原因が1位となっています。年に1回の簡単な検査ですから、必ず受けるようにしてほしいと思います」(里村先生)。まとめ血便=痔という思い込みが、大きな病気を見逃すことになるかもしれません。血便が出たら即受診、そして年に1回の「便潜血検査」を受けて自分の体をしっかり守っていきましょう。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。取材・文/mido(49歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重顎が悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。著者/監修/里村 仁志 先生里村クリニック院長(埼玉県さいたま市南区大谷口5320-1)。消化器疾患が専門。2003年 獨協医科大学医学部卒業、2005年獨協医科大学第1外科、2016年さいたま赤十字病院外科を経て、現在に至る。
2023年08月17日日本人の2人に1人がかかり、3人に1人の死亡原因となっている「がん」。40代、50代になるとさまざまな体調不良が出てきて、ふと「がんかも……?」とよぎることもあるのではないでしょうか。皆さんは女性がかかるがんのうち、死亡原因の1位となっているものをご存じですか? 消化器内科・内視鏡内科医師の里村仁志先生に聞きました。答えてくれたのは…里村クリニック院長里村仁志先生消化器疾患が専門。2003年 獨協医科大学医学部卒業、2005年獨協医科大学第1外科、2016年さいたま赤十字病院外科を経て、現在に至る。★関連記事:「もしかして新型コロナ?」体調不良とおなかの違和感がずっと続いて… #大腸がんらしい 140代から罹患率が上昇するがん国立がん研究センターがん対策情報センターの資料(2015年)を見てみましょう。これは、大腸がんにおける女性の年齢階級別罹患率です。40代から少しずつ増加していることがわかります。女性がかかるがんといえば、「乳がん」が思い浮かびますが、死亡原因では「大腸がん」が1位となっています。「かかるがんでは乳がんが1位なのですが、死亡原因となると大腸がんが1位です。乳がんは触診でわかるので早期発見しやすいのですが、大腸は体内を検査しないと診断できないのも原因の一つでしょう。男性の場合は肺がん、胃がんが高い死亡原因となりますが、女性は喫煙や飲酒がそれほど多くないことが一般的なので、大腸がんが上位になっていると思われます。また、一般的に40代を過ぎると太りやすくなる女性が増えますが、大腸がんは肥満も原因の一つとされています。肥満に至るまでの運動不足や食習慣が大腸がんを誘引していると考えられます」(里村先生)。コーヒーが予防に「この20年で大腸がんによる死亡数は1.5倍に拡大していて、生活習慣の欧米化(高脂肪・低繊維食)が関与していると考えられています。予防としては食習慣の改善、運動習慣など他の病気への対策と変わりはないのですが、女性に関してはコーヒーの飲用に効果があるという研究結果があります」(里村先生)大腸がんとは?それでは、大腸がんとはどんな病気なのでしょうか。「大腸(結腸・直腸)に発生するがんのことを指します。良性のポリープががん化するものと、正常な粘膜から直接発生するものの2種類があります。約85%はポリープががん化するものです。ステージ0、ステージⅠの早期ではほとんど自覚症状がありません。しかし、進行すると血便(便に血が混じる)下血(腸からの出血により赤または赤黒い便が出る、便の表面に血液が付着する)下痢と便秘の繰り返し便が細くなるといった症状が見られるようになります」(里村先生)進行すると全身に転移「大腸の粘膜に発生した大腸がんは次第に大腸の壁に深く侵入し、やがて大腸の壁の外まで広がり腹腔内に散らばったり、あるいは、大腸の壁の中のリンパ液や血液の流れに乗って、リンパ節や肝臓、肺など別の臓器に転移したりします。転移が死亡原因となります」(里村先生)。大腸がんの早期発見の方法は?年1回の「便潜血検査」が有効早期ではほとんど自覚症状がないとなると、どのように発見できるのでしょうか。「現在、大腸がんの早期発見で最も有効な手段は『便潜血検査』です。健康診断や人間ドックに組み込まれていると思いますが、年に1回、40代を過ぎたら必ず受けてほしい検査です。 普通は便の中に血液は混ざっていないため陰性ですが、血液があると陽性になります。肉眼ではわからない、便に潜む血液を調べることができます。早期治療でほぼ完治大腸がんは早期に治療すれば『治りやすいがん』の一つです。がんが粘膜下層の浅い部分にとどまっている早期がんなら、治療後の5年生存率は9割以上で、ほぼ完治が見込めます。しかも、早期なら負担の軽い内視鏡治療で済みます」(里村先生)「便潜血検査」が陽性=「がん」ではない「便潜血検査」で陽性と診断されたらどんな病気の可能性があるのでしょうか。「検査で陽性が出ても、大腸がんの可能性は数%。ポリープか痔であることがほとんどです。検査で陽性が出た場合、主に以下の病気の可能性があります。ポリープ痔憩室(腸粘膜にできる袋状のもの)潰瘍性大腸炎クローン病細菌性腸炎大腸がんなど検査で陽性が出たら放置せず、必ず精密検査を受けましょう」(里村先生)。陽性反応が出たら必ず精密検査を受けて「一般的な精密検査は、全大腸内視鏡検査または大腸CT検査です。全大腸内視鏡検査とは、いわゆる大腸カメラです。腸を空にした状態で、肛門から直径1cmほどの内視鏡を挿入して、大腸の内部を調べます。ポリープがあればそのまま切除することも可能です」(里村先生)。まとめ大腸がんと聞くと不治の病と思っていましたが、早期発見、早期治療をおこなえば完治できるといいます。一番大切なのは年に1度の「便潜血検査」。これまでさぼっていたという人も、40代になったら必ず受けるようにしたいですね。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。取材・文/mido(49歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重顎が悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。著者/監修/里村 仁志 先生里村クリニック院長(埼玉県さいたま市南区大谷口5320-1)。消化器疾患が専門。2003年 獨協医科大学医学部卒業、2005年獨協医科大学第1外科、2016年さいたま赤十字病院外科を経て、現在に至る。
2023年08月10日2020年5月に大腸がんが発覚した、おさしみ1番さんの体験を描いたマンガを紹介します。腸閉塞の手術を終えてそのまま入院したおさしみ1番さん。夜はナースコールの音にしばしば目覚めながら次の日になり……。★最初から読む:「もしかして新型コロナ?」体調不良とおなかの違和感がずっと続いて… #大腸がんらしい 1今回は腸閉塞の処置による入院です。腫瘍が大きくなって腸内を圧迫していたので、腫瘍の隙間からワイヤーを通し、「ステント」と呼ばれる金属でできた網目状の筒のような形をしているものを腸内に入れ、狭くなっている部分を押し広げる処置をしました。「ステント」は初めからから筒状に開いているのではなく、徐々に開くそう。ちなみに、おなかは切らずに、肛門から内視鏡を入れておこなった処置なので、内科扱いになるらしいです。手術翌日、採血と血圧チェックをしながら「1回目の便が出たらチェックをするので呼んでください」と看護師さんに言われました。「何も食べていないし、出ないと思いますよ」と言ったのですが、出るらしくとりあえずトイレへ。不思議なもので、ずっと点滴だけでも座れば便は出るものなんですね。便チェックに対する気持ちはもう平気だったのですが、トイレが終わって拭いたあとが想定外でした。血便! これが、血便かっ……!女性なので血には慣れているはずなのですが、本当に真っ赤な血でびっくりしました。内臓を切っているから血が出るのは当たり前なのですが、衝撃でした……。次回、入院中につらかったことについてお話しします。※大腸カメラは大腸内視鏡検査ともいいます。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/里村仁志先生(里村クリニック院長)消化器疾患が専門。2003年 獨協医科大学医学部卒業、2005年獨協医科大学第1外科、2016年さいたま赤十字病院外科を経て、現在に至る。著者/おさしみ1番(38歳)2020年5月、それまで自分の人生には無縁だと思っていたガンになる。病気の自分に向き合いつつ、楽しいこと・体に良いことを探し求める日々をブログにて更新中。4歳と7歳の姉妹に翻弄されて今を生き抜く38歳。Instagram:@osashimi111
2022年04月09日ある日、トイレに向かうと突然の「血便」。大変な病気なのではと心配になりますが、一方で痔と思い込む人も多いそうです。痔の場合と、そうでない場合はどこに違いがあるのでしょうか。消化器内科・内視鏡内科医師の里村仁志先生に聞きました。答えてくれたのは…里村クリニック院長里村仁志先生消化器疾患が専門。2003年獨協医科大学医学部卒業、2005年獨協医科大学第1外科、2016年さいたま赤十字病院外科を経て、現在に至る。★前回:女性は40代から急増!「死亡原因第1位」なのに早期発見で完治率が高い「がん」とは?そもそも血便とは? どうして出るの?そもそも血便はどうして出るのでしょうか。「血便は臓器からの出血が便と混じって出てくるものです。血便とひと口に言っても、出血している部分によって様子が違ってきます。大きくは3種類あります。鮮血便(鮮やかな赤色の血)→肛門や直腸などおしりの出口から近い場所での出血暗赤色便→どす黒い赤色。大腸の感染症やがんなどによる炎症の出血タール便(黒色便)→胃や十二指腸からの出血血便が出たら、色や様子をチェックしておき、医師に伝えてください」(里村先生)。血便から考えられる病気とは血便が出たら、どんな病気が考えられるのでしょうか。「多くは痔かポリープなのですが、主に以下のような病気が考えられます。痔→鮮血便。肛門から少量~多量に出血。直腸ポリープ、直腸がん→鮮血便。肛門から少量出血。結腸がん、感染性大腸炎、虚血性腸炎→暗赤色便。大腸から少量~多量に出血注意すべきなのは、痔の出血と直腸からの出血が同じ鮮血便で、間違えやすいということです」(里村先生)痔と大腸がんの見分け方は?「痔は肛門の周囲に痛みがあるのが特徴です。また、いぼ痔の場合は排便時に飛び出してきます。大腸がんは、ステージⅠの早期までは自覚症状がほとんどありません。痛みがないのに血便が出るときは、大腸がんとは特定できませんが何らかの腸疾患の可能性があります」(里村先生)。血便が出たらどうする?肛門科か消化器内科を必ず受診を血便が出たらどうすれば良いのでしょうか。「肛門に痛みがある場合は痔の可能性が高いですが、自己判断せず、肛門科または消化器科のある内科を受診しましょう。万が一、大腸がんと診断されたとしても、大腸がんは早期に治療すれば『治りやすいがん』の一つです。がんが粘膜下層の浅い部分にとどまっている早期がんなら、治療後の5年生存率は9割以上で、ほぼ完治が見込めます。ですから、大腸がんは早期発見が何より重要です。早期発見には『便潜血検査』が最も有効です。大腸がんは40代から罹患率が増え、女性がかかるがんのうち、死亡原因が1位となっています。年に1回の簡単な検査ですから、必ず受けるようにしてほしいと思います」(里村先生)。まとめ血便=痔という思い込みが、大きな病気を見逃すことになるかもしれません。血便が出たら即受診、そして年に1回の「便潜血検査」を受けて自分の体をしっかり守っていきましょう。取材・文/mido(49歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重顎が悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。著者/監修/里村仁志先生里村クリニック院長(埼玉県さいたま市南区大谷口5320-1)。消化器疾患が専門。2003年 獨協医科大学医学部卒業、2005年獨協医科大学第1外科、2016年さいたま赤十字病院外科を経て、現在に至る。
2022年03月30日3歳の娘さんが感染症にかかり、大変な思いをしたママの体験談です。血便などの症状で娘さんを苦しめたのは、あの感染症だったそうです。発症から合併症を起こし、回復するまでの体験談です。娘が3歳9カ月のとき、O157(腸管出血性大腸菌)に感染しました。テレビのニュースなどでよく耳にする感染症ですが、私はO157の恐ろしさを思い知らされることとなったのです。娘の闘病の体験談と、そのとき学んだことを紹介します。 血便が! 腸重積の疑いで大学病院に搬送翌朝、小児科でノロウイルス・ロタウイルスの検査をしましたが、結果は陰性。一度帰宅しましたが、夕方ついに真っ赤な血便が……! すぐに小児科を再受診すると、先生から「腸重積だと思うから、すぐに大学病院に行ってください」との言葉がありました。 腸重積とは腸管が重なってしまった状態のことで、早めに対応しないと危険なのだそうです。大学病院に転院になり、すぐに重なった腸管を元に戻すため、お尻にバルーンを入れる手術をすることになりました。3日間の入院を言い渡されましたが、術後は娘がだいぶラクそうになったので私は安心しきっていました。 O157が検出! そして血尿…!しかしその2日後、看護師さんが血相を変えて病室にきたのです。そこで告げられたのは、検便の結果、O157が検出されたとの言葉でした。私はただ驚くばかりでしたが、そこからすぐに保健所の訪問が始まりました。 同居家族全員の検便がおこなわれましたが、娘以外は全員が陰性。2週間分の食事の聞き取りがありましたが、原因は特定できませんでした。そしてさらに2日経ったころ、娘の体にさらなる異変が! 尿検査のためトイレに行かせると、クランベリーのような色の血尿が出たのです。 合併症を発症し転院!娘は元気に回復しましたが、3年経った現在も合併症の経過観察で通院を続けています。娘がO157に感染し、私は初めてその感染症の恐ろしさを知りました。今では、こまめに手を洗う・肉と野菜のまな板を分ける・調理する箸と食べる箸を分けるなどの対策を続けています。もっと感染症の知識をつけて予防をしていきたいと思っています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKOイラストレーター/まっふ 著者:河津明香2男1女の母。旅行代理店勤務をしながらの育児を経て、フリーランスのライターへ転身。現在は発達障害の長男のサポートをおこないながら、旅行・育児・生活雑貨などの記事を中心に執筆。
2021年06月21日娘が3歳9カ月のとき、O157(腸管出血性大腸菌)に感染しました。テレビのニュースなどでよく耳にする感染症ですが、私はO157の恐ろしさを思い知らされることとなったのです。娘の闘病の体験談と、そのとき学んだことを紹介します。 血便が! 腸重積の疑いで大学病院に搬送翌朝、小児科でノロウイルス・ロタウイルスの検査をしましたが、結果は陰性。一度帰宅しましたが、夕方ついに真っ赤な血便が……! すぐに小児科を再受診すると、先生から「腸重積だと思うから、すぐに大学病院に行ってください」との言葉がありました。 腸重積とは腸管が重なってしまった状態のことで、早めに対応しないと危険なのだそうです。大学病院に転院になり、すぐに重なった腸管を元に戻すため、お尻にバルーンを入れる手術をすることになりました。3日間の入院を言い渡されましたが、術後は娘がだいぶラクそうになったので私は安心しきっていました。 O157が検出! そして血尿…!しかしその2日後、看護師さんが血相を変えて病室にきたのです。そこで告げられたのは、検便の結果、O157が検出されたとの言葉でした。私はただ驚くばかりでしたが、そこからすぐに保健所の訪問が始まりました。 同居家族全員の検便がおこなわれましたが、娘以外は全員が陰性。2週間分の食事の聞き取りがありましたが、原因は特定できませんでした。そしてさらに2日経ったころ、娘の体にさらなる異変が! 尿検査のためトイレに行かせると、クランベリーのような色の血尿が出たのです。 合併症を発症し転院!娘は元気に回復しましたが、3年経った現在も合併症の経過観察で通院を続けています。娘がO157に感染し、私は初めてその感染症の恐ろしさを知りました。今では、こまめに手を洗う・肉と野菜のまな板を分ける・調理する箸と食べる箸を分けるなどの対策を続けています。もっと感染症の知識をつけて予防をしていきたいと思っています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKOイラストレーター/まっふ 著者:河津明香2男1女の母。旅行代理店勤務をしながらの育児を経て、フリーランスのライターへ転身。現在は発達障害の長男のサポートをおこないながら、旅行・育児・生活雑貨などの記事を中心に執筆。
2020年06月21日娘が3歳9カ月のとき、O157(腸管出血性大腸菌)に感染しました。テレビのニュースなどでよく耳にする感染症ですが、私はO157の恐ろしさを思い知らされることとなったのです。娘の闘病の体験談と、そのとき学んだことを紹介します。 血便が! 腸重積の疑いで大学病院に搬送翌朝、小児科でノロウイルス・ロタウイルスの検査をしましたが、結果は陰性。一度帰宅しましたが、夕方ついに真っ赤な血便が……! すぐに小児科を再受診すると、先生から「腸重積だと思うから、すぐに大学病院に行ってください」との言葉がありました。 腸重積とは腸管が重なってしまった状態のことで、早めに対応しないと危険なのだそうです。大学病院に転院になり、すぐに重なった腸管を元に戻すため、お尻にバルーンを入れる手術をすることになりました。3日間の入院を言い渡されましたが、術後は娘がだいぶラクそうになったので私は安心しきっていました。 O157が検出! そして血尿…!しかしその2日後、看護師さんが血相を変えて病室にきたのです。そこで告げられたのは、検便の結果、O157が検出されたとの言葉でした。私はただ驚くばかりでしたが、そこからすぐに保健所の訪問が始まりました。 同居家族全員の検便がおこなわれましたが、娘以外は全員が陰性。2週間分の食事の聞き取りがありましたが、原因は特定できませんでした。そしてさらに2日経ったころ、娘の体にさらなる異変が! 尿検査のためトイレに行かせると、クランベリーのような色の血尿が出たのです。 合併症を発症し転院!娘は元気に回復しましたが、3年経った現在も合併症の経過観察で通院を続けています。娘がO157に感染し、私は初めてその感染症の恐ろしさを知りました。今では、こまめに手を洗う・肉と野菜のまな板を分ける・調理する箸と食べる箸を分けるなどの対策を続けています。もっと感染症の知識をつけて予防をしていきたいと思っています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO 著者:河津明香2男1女の母。旅行代理店勤務をしながらの育児を経て、フリーランスのライターへ転身。現在は発達障害の長男のサポートをおこないながら、旅行・育児・生活雑貨などの記事を中心に執筆。
2020年06月21日こんにちは。5歳の双子と、1歳の末っ子の三姉妹育児をしている田仲ぱんだです。これは1年前の話です。ある日の夕方、次女のきゃえたんが、うんちを何度もおもらしをしました。■とまらないお漏らしに「何かがおかしい!」もうこのころには、すでにトイレトレーニングも終えていて、きちんとトイレに行くことができた娘。「こんなに何度もうんちを漏らしておかしいな…」と思っていました。よくよく見ると、どうやらうんちが勝手に漏れ出て、自分で止めたり我慢したりというコントロールができない状態のようでした。トイレに座らせて様子を見ると…最初は液状のうんちだったものが、やがて血のみが流れるように。しかも量は生理の2日目ぐらい、たっぷり流れてくるのです。■「血便」で検索したら、不安がさらに高まっていく…これは普通じゃないと思い、スマホで「子ども 血便」と調べると「腸重積」や「潰瘍性胃腸炎」など、こわい病名が出てくるではありませんか…。そして娘が「おなかが痛い」と言い出し、私も自分で判断しきれなくなって、ちょうど近所の診療所が午後7時から9時までの夜間当番医だったので行くことにしました。そんなこんなで総合病院の夜間救急に行くことになり…■出血の原因、それはまさかの病名だった…18時半に症状が出始め病院に行き、さまざまな検査をして、終わったのが23時。診療所に紹介状を出してもらってまで大きい病院に来て判明した病名が「便秘」だったと知ったときの脱力感たるや…。いや、よかったんですけどね! こわい病気じゃなくて。先生によれば「かたくなった便がなんらかの理由で大腸のどこかを傷つけているのではないか?」ということでした。本人が「痛い」というのも便秘のため…。実際、翌日には出血も止まり、普通に便を出すことが出来るようになりました。「病院に行くのは翌朝でもよかったかなぁ」と、ふと考えましたが、おそらくそれは便秘だとわかった後だからこそなのだと思います。まさか便秘で下血なんて思いもしませんでしたから…。※この体験記に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。
2019年03月25日