中国風で絢爛豪華!ミンマン帝陵の崇恩殿 photo:ひさほゆうベトナム中部、ハノイからもホーチミンからも飛行機に乗って約1時間で行けちゃうアクセス良好な街フエ!ベトナム最後の王朝、阮(グエン)朝が栄えたこの街には、バラエティに富んだ建造物が多数残されています。 きらびやかな王宮、フランス統治時代に作られた西欧風のカイディン帝陵 (お墓)、中国式の装飾が美しいミンマン帝陵などを見ていると、様々な国に支配されながらも独自の文化を作り上げてきたベトナムの歴史そのものを感じることができることでしょう。かつてユネスコの事務局長だったアマドゥ・マハタール・ムボウ氏はフエを「賞賛すべき建築上のポエムである」と語ったそうです。それでは、そんなフエで外せない観光スポットを5つご紹介致します! 1. 阮朝王宮王宮正門 photo:世界遺産イェーイ!フエ市内にある阮朝の王宮は、中国北京の故宮の4分の3の縮尺で作ったと言われています。約600m四方の城壁に囲まれた王宮内にフラッグタワー、大和殿などの遺跡があります。ベトナム戦争で破壊されたものが多いですが、王宮正門などは補修が施され現在もその姿を残しています!フラッグ・タワー photo:世界遺産イェーイ!王宮のシンボル的存在フラッグ・タワー!1,809年に建てられた高さ17.5mの見張り台です。フエの市内はフォーン川を挟んで旧市街と新市街に分かれ、王宮は旧市街に、街の中心やホテルは新市街にあります。旧市街と新市街は歩ける距離なので、王宮はぷらっと観光できますよ! フエの郊外にも阮朝の歴史を感じる観光スポットが点在しています! 2. トゥドゥック帝陵photo:世界遺産イェーイ!阮朝の皇帝の中で最も在位が長かった第4代皇帝トゥドゥックの帝陵。帝陵とは皇帝のお墓のことですが、実はトゥドゥック帝はこちらには埋葬されておらず、現在も埋葬場所が分かっていません。トゥドゥック帝陵は中国式に作られているので中庭があるのが特徴です。大きな蓮の池があり、皇帝は王宮から船に乗ってここまで来たともいわれています。 3. カイディン帝陵photo:世界遺産イェーイ!こちらは西欧風の建築様式のカイディン帝陵です。1,920年から20年かけて作られたヨーロッパ風の建築が特徴。外見も西洋風で斬新なのですが、内部も素敵!天上や壁が陶磁器やガラスの破片でステンドグラスのように飾られていて見事なのです。中国風の役人の石像 photo:世界遺産イェーイ!建物はヨーロッパ風ですが石像は中国風だったりと見ていて飽きません!こちらに埋葬されているカイディン帝は新しいもの好き、派手好きだったそうで、このような西洋、東洋の面白いものを取り入れたお墓を造ったそうです。 4. ミンマン帝陵photo:世界遺産イェーイ!トゥドゥック帝陵と同様中国風に作られているミンマン帝陵。中国式の中庭や池があります。ミンマン帝は役人の登用試験を採用するなど賢帝と言われていました。皇帝と皇后の位牌のある建物「崇恩殿」の内部は赤や金色でゴージャス!ぜひ中に入ってみましょう。 5. ティエンムー寺photo:ひさほゆう別名「天女の寺」と呼ばれているティエンムー寺。お寺のシンボル高さ21.24mの七層八角形のトゥニャン塔が、フォーン川に面してそびえ立っています。またベトナム戦争中に住職が政府に抗議して焼身自殺したことでも有名で、その住職がホーチミンまで乗った車が展示されています。こちらのページでご紹介した帝陵などは市内から少々遠くに点在しているので、効率よく回るにはツアーがオススメ!私たちが参加したツアーは朝8時~16時30分、英語ガイドとランチ込みでした。トゥドック帝陵↓カイディン帝陵↓ミンマン帝陵↓王宮↓ティエンムー寺この5つをバスでまわって最後にフォーン川をボートに乗って戻りました。ちょっと忙しいのでゆっくり時間をかけてみたい方にはタクシーチャーターなんかもオススメです! フエ名物ブン・ボー・フエphoto:世界遺産イェーイ!フエに来たら絶対に食べたいのが「ブン・ボー・フエ」。コクのあるスープに米でできた麺「ブン」が入っています。ハノイのフォーと比べると、ちょっとこってり目なのが美味しいんです。「ボー」は牛肉なので、ゴージャスに柔らかい牛肉がたっぷりなのも嬉しい! フォーン川のほとりで橋のライトアップを楽しもうphoto:世界遺産イェーイ!フォーン川にかかるチェンティエン橋は夜になるとこのようにライトアップされます!ライトの色がピンク、青、黄色と変化するのでしばらく見ていても楽しいです!フォーン川沿いには市場もあるので、夜涼しくなってからショッピングや食べ歩きもできますよ! フエからショートトリップ!世界遺産フォンニャ洞窟photo:ひさほゆうフエから北西に約200kmのところにあるフォンニャ洞窟。船に乗って洞窟内をみてまわることができる世界遺産です。フエからは早朝から夜までの1日ツアーで行くことになり少々ハードですが、フエとはまた趣が違った洞窟探検も楽しいです! 世界遺産豆知識!■フエの歴史的建造物群 (文化遺産)登録:1993年登録基準:「建築技術」1802年から1945年まで続いたベトナム最後の王朝、阮(グエン)朝の都フエ。王宮や寺院などの歴史的建造物群が古都の風情を醸し出し、華やかな文化の面影を残しています。・フエへのアクセス日本からホーチミンまで直行便で約6時間。ホーチミンからフエまで飛行機で約1時間。 ※記事中の情報は、全て2016年6月現在のものです。(参考文献:『すべてがわかる 世界遺産大事典 世界遺産検定公式テキスト』、『きほんを知る世界遺産44 世界遺産検定4級公式テキスト』、『地球の歩き方』、『るるぶ』】 4年間世界遺産巡りの旅をした夫婦「世界遺産イェーイ!」のコラム
2016年07月02日フエは、南北に細長いベトナムのちょうど真ん中あたりにある都市です。1802年から1945年にかけて、ベトナム最後の王朝「グエン朝」の都が置かれていました。ベトナムといえばおびただしい数のバイクの群れや騒音が思い起こされますが、フエは古都らしい、しっとりとした趣をたたえる静かな街です。王宮や皇帝廟、寺院などが世界遺産に登録されています。ベトナムは千年以上に渡って中国の支配下にあったため、その政治形態や文化面などにおいて強い影響を受けています。旧市街の中心にある王宮は、北京の故宮を模して4分の3のサイズで建造されました。王宮は一辺が約2.2kmの、正方形の城壁に囲まれています。王宮門(午門)をくぐると目の前には正殿である太和殿がそびえます。故宮の迫力に比べると小ぶりではありますが、確かに面影が感じられます。さらに先に進んでいくと……、いくつか新築の建物がある以外は草原が広がっていました。実は1960年代のベトナム戦争によって主要な建物は破壊されていたのです。これが戦争というものか、と言葉を失ってしまいました。ベトナムは19世紀半ば以降フランスの支配下にあったことから、フエでも食文化や建築物にその名残が見られます。中国やフランスの影響を受けた華やかな王朝文化を経た一方で、戦争の足跡を残す街。ハノイともホーチミンとも異なる空気感を持つこの古都を、またいつか訪問したいと思っています。○世界遺産データフエの歴史的建造物群(文化遺産)。ベトナム。1993年登録。○筆者プロフィール: 本田 陽子(ほんだ ようこ)「世界遺産検定」を主催する世界遺産アカデミーの研究員。大学卒業後、大手広告代理店、情報通信社の大連(中国)事務所等を経て現職。全国各地の大学や企業、生涯学習センターなどで世界遺産の講義を行っている。○世界遺産検定とは?世界遺産の背景にある歴史、文化、自然等の理解を深め、学んだことを社会に還元していくことを目指した検定。有名な観光地のほとんどは世界遺産になっているため、旅の知識としても役立つと幅広い世代に人気。主催:世界遺産アカデミー開催月:3月・7月・9月・12月(年4回)開催地:全国主要都市受検料:4級2,670円、3級3,900円、2級5,040円、1級9,250円、マイスター1万8,510円、3・4級併願6,060円、2・3級併願8,220円解答形式:マークシート(マイスターのみ論述)申し込み方法:インターネット又は郵便局での申し込みその他詳細は世界遺産検定公式WEBサイトにて
2016年02月22日富士通とFujitsu Vietnamは3月10日、ベトナム社会主義共和国フエ省で、住民が現地で目視測定し、スマートフォン・アプリで通報した情報を、スマートフォンのGPS情報、通報時刻とともに富士通のデータセンターに集約し、同国フエ省農業農村開発局の防災・減災活動に活用する、住民参加型防災システムの有効性調査に着手したと発表した。2社は、農業農村開発局とともに、2015年12月まで調査を行い、従来型のセンサーや屋外カメラを利用した場合の測定結果と比較し、有効性を検証する。また、ベトナム社会主義共和国の過去2年間のTwitter情報のデータマイニングにより、当時のつぶやきの内容と、実際発生した災害場所・日時との関連性の分析も並行して実施する。富士通と富士通ベトナムは調査で使用するスマートフォンアプリと、データ蓄積、集計、災害発生予測分析を行う情報集約基盤、災害情報Webサイト、およびTwitter情報の分析環境を提供する。今回の調査では、「住民による河川水位と雨量の測定」「データセンターでの測定情報の蓄積、集計、編集」「住民・農業農村開発局間のコミュニケーション」が実施される。具体的には、フエ省の住民から選定された防災員6名が、各区内の河川水位計測地点で1日2回、雨量計測地点で1日4回、目視測定し、スマートフォンに装備された相互通報アプリケーションの現場報告画面から、測定値とスマートフォンで撮影した現場写真、コメントを報告する。この時、同アプリによりスマートフォンの位置と測定時刻も自動的に通知される。河川水位計測地点と雨量計測地点には、目視測定可能な測定盤などが設置されており、容易に測定可能。また、集中豪雨などの場合には、1時間ごとに集計する。防災員から通知された情報は、富士通のデータセンター内に蓄積され、リアルタイムでフエ省の地図上へのマッピングと、水位変化の速度がわかるようグラフとして、農業農村開発局に提供される。農業農村開発局の防災担当者はWebブラウザからこれらの情報を監視し、河川水位や雨量の変化を把握することで、避難指示に活用する。フエ省の防災員と農業農村開発局の間では、スマートフォンの相互通報アプリケーションを利用してコミュニケーションできる。特に、被災時の効果的なコミュニケーションを実現するため、相互通報アプリケーションには、防災員用の状況確認機能や、農業農村開発局用の通知機能などが装備されている。
2015年03月11日