「声が似ているんですよね。目をつむって聞いていると、百恵さんを彷彿とさせる。なんとも言えない湿り気、シャドウというか、陰影があるというか……」作詞家・阿木燿子さん(73)は、百恵さん(59)の長男・祐太朗(34)について、目を細めながらこう語ってくれた。近松門左衛門の代表作をフラメンコの音楽と踊りで表現した舞踊劇『Ay曽根崎心中』が12月12日から、新国立劇場で始まる。プロデュースと作詞を阿木さん、夫の宇崎竜童さん(72)が音楽監督として作曲を手がけるこの公演は今年で18年目になる。祐太朗は14年に初参加。今年は阿木・宇崎夫妻が作詞作曲した、新曲の『菩提樹』も劇中で歌うことが決まった。「それにしても、本当に不思議ですよね。気が付いたら親子2代にお世話になることになって……」と阿木さんは続ける。百恵さんは現役時代、阿木燿子作詞・宇崎竜童作曲で大ヒットを連発。宇崎夫妻の作品は、百恵さんが国民的歌手へと上りつめる“道しるべ”でもあった。出会いから42年が経ったいまでも、年に1~2回は4人で食事に行く仲が続いている三浦夫妻と宇崎夫妻。百恵さんは「覚悟が決まった人」だと、阿木さんは言う。「息子さんお2人が、お父さんお母さんと同じ道を歩まれることについて、どう思われたんですか?」と阿木さんが聞いたとき、百恵さんはこう答えたそうだ。「好きなことをすれば良いと思っていました。もう私のときとは時代が違うので、この世界のことはよく分からないし、何にも手助けできないんです。私ができることは、家族にご飯を作ることくらいなんですよ」引退から38年――。来年1月の誕生日には還暦を迎える百恵さんだが、ずっと変わらず大切にしてきたものがある。それは、「主婦こそ天職!」という誇りだ。「あれだけの大スターだった人が普通の主婦に徹しているんです。『国立の家を売ろうかって、夫婦で真剣に話し合ったこともあったんですよ』と、百恵さんがさりげなくおっしゃったことがあって」友和と百恵さんが国立に家を建てたのは88年。90年代半ばになって友和の両親を呼び寄せ二世帯住宅に改築したが、その後、友和の仕事が激減。過去のインタビューで、友和は当時の思いをこう語っている。《そんなときでも、ウチの妻は腹が据わっていました。十万円なら十万円の生活、千円なら千円の生活をするだけだ、と言って》(『婦人公論』14年11月22日号)「百恵さんが1本CMに出れば済む話だと思うんですが、そんな発想すら出てこないこと自体、すごいことでしょう。かつての山口百恵は絶対に出てこない。あんなに潔い人ってそういないと思います。その息子さんと一緒に仕事をさせていただける。私たちにとっては、奇跡の二乗という思いです」公演が終わったら、4人で食事会をしたいと、阿木さんは微笑んだ。2組の夫婦の絆は深まるばかりだ──。
2018年11月09日CCCメディアハウスは1月15日、Pen 2015年2/1号「しあわせな結婚。」特集を発売した。○読めば「しあわせな結婚。」が見えてくる一冊同誌は今回、人類にとって永遠の謎である"結婚"をテーマに、リアルなデータやさまざまなカップルの体験談、結婚のプロフェッショナルたちの提言などから「しあわせな結婚」の姿を分析。「未婚・既婚を問わず、すべての男女にささげる大特集となっており、読めば『しあわせな結婚』が見えてくる(!?)」とのこと。特集では、結婚の最前線を知るべく『ゼクシィ プレミア』編集部を直撃。また、結婚44年目を迎えた作詞家の阿木耀子・ミュージシャンの宇崎竜童夫妻など、今をときめく夫婦から"理想の結婚の姿"を学び、さらに、5回の結婚と離婚を重ねた経験をもつ「ビッグダディ」こと林下清志さんが、ユニークな結婚観や家庭論を語っている。そのほか、女優の杉本彩さんやタレントの大久保佳代子さんといった経験豊富な女性陣からは、「ちょっと言わせて!」と男性たちへのメッセージも紹介されている。価格は、税別で602円(デジタル版は500円)。購入、詳細は「Pen Magazine」のサイトから。
2015年01月19日