続けてよかった!「ポイント手帳」Upload By 楽々かあさんこんにちは。『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』ほか、著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。うちでは「ポイント手帳」と独自に呼んでいる手帳を作って、毎年子ども3人にそれぞれ渡し、子育てに積極活用してきました。一番長く使っている長男(高1)の使用歴はかれこれ12年ほど。これは、私が「発達障害」という言葉を知る以前の、長男が幼稚園時代から続けている子育ての工夫です。当時の長男は、苦手なことやできないことが多くて、自信をなくしがちでした。そこで彼が、苦手なことに少しでも挑戦できたり、誰かのために我慢できたりしたことや、毎日の当たり前のように思える小さながんばりに対しても、ごほうびやお小遣いと交換できるポイントシステムを導入したのです。子どもの望ましい行動に対して、ポイントやシールを与える方法は「トークン・エコノミー」といって、発達障害のある子の子育てに有効な方法のようですが、うちではグレーゾーンの次男や長女にも、すっかり定着しています。また、発達障害のある子に限らず、一般の子育てや、大人のモチベーションUPの方法として活用している方もいるようです。この12年間、「ポイント手帳」は、子どもたちの「できた!」を少しずつ増やしてくれ、また、私も子育ての場面で何かと助けられてきたので、今では「続けてよかった」と実感しています。では、具体的に、うちの「ポイント手帳」のシステムを、詳しく紹介したいと思います。うちの「ポイント手帳」のシステムとは…?Upload By 楽々かあさんうちでは、子ども3人にそれぞれ、スケジュール・ダイアリー形式の手帳を毎年用意し、「ポイント手帳」として使っています。そして、子どもの成長に合わせて、その機能と役割も進化していきました。小さなころは、好きなキャラクターやごほうびシールを貼って、欲しいものと物々交換。「シールが〇枚たまったら、〇〇ジャーの食玩ミニプラ」「シール〇枚につき、ガチャ1回」などと、交換枚数を決めていました。また、行きたい場所や食べたいもの(外食)などとの交換条件をその都度設定して書き込んでいたので、子どもとの「お約束ノート」としての役割も。小学生のころは、「1ポイント=〇円」と、レートを設定して、歩合制のお小遣いに換算。貯まったポイントは、必要なときにその都度現金に換金するので、いくら使ったかを記録する、「お小遣い帳」の役割に。また、シールを貼るだけでなく、「to do リスト」や「目標設定」、親のほめコメントなどの書き込みもしていました。中高生の現在は、お小遣いは「キホンのお仕事さえしていれば、毎月25日に基本給を加算」のお給料制+「別途加算されるポイント」の歩合制の組み合わせ。そのため、ポイント手帳は「給与明細」のような役割となり、数字ばかりの少々味気ないものに…。また、ポイントの換金も、電子マネーのチャージや(親の)カード払いなど、キャッシュレスで渡すことも最近は増えてきました。(ちなみに、ポイントで得たお小遣いの使い道は、「母は一切口を出さない。自己判断・自己責任で何を買っても良い」というルールです)Upload By 楽々かあさん「何に対して、どれぐらいのポイント(報酬)を与えるか」は、子どもの成長とその時の課題のハードルの高さに合わせて、その都度子どもたちと相談・交渉しながら「妥当なライン」を決めてきました。ときには、本人からの「賃上げ要求」も…。そして、双方が納得し妥結できたことは、あとから基準がブレないように「ポイント換算表」にして、壁に貼ります(上の写真は、現在の2021年版)。このポイント換算の内容や換金レートも、子どもの成長に合わせて変遷してきましたが、長男が小学生時代の、毎日の宿題をこなしたり、学校に行って帰ってくるだけでもハードルが高かった時期には、おおむね以下のようなことに対して、それぞれ妥当なポイントを設定していました。【基本ポイント】「宿題をする」などの小学生の毎日の基本的なお仕事(1日ごとに付与)【お手伝い】「料理」「皿洗い」「片付け」「洗濯たたみ」などの、簡単なお手伝い。【特別手当て】本人にとって登校がしんどい時期(新学年や行事の前後、学期の終わりなど)は、「学校に行って帰ってきた」だけでも特別加算。【目標達成ポイント】「漢字を一行だけ丁寧に書く」「宿題を◯時までに終わらせる」など、自分で決めた目標を達成できた時。【ガマンポイント】苦手な給食のメニューや、気のすすまない学校行事への参加など。ポイント数は登校前に事前相談(本人にとってハードルが高いことほど高ポイント)。「嫌なことがあったけどスルーできた」「ケンカしたけど謝れた」なども、事後に本人からの自己申告でポイントがつくことも。また、取りかかる前から気が遠のきそうな、夏休み・冬休みの膨大な宿題などには、付与ポイントごとに色分けしたふせんを、課題やワークの1ページごとに貼って、別途換算表を作ることも(下の写真は、2021年夏休み版)。Upload By 楽々かあさん…このように、子ども目線でポイント換算を設定すると、やる気があるときの更なるモチベーションUPになるのは勿論、子どもが積極的に取り組めないことでも、とにかく「イヤだ!」の一点張りではなく、大抵のことには親子の話し合いの余地が生まれるので、私も子育てのあらゆる場面で非常に助かりました。「ポイント手帳」を12年間、使い続けてみて…Upload By 楽々かあさん「ポイント手帳」を12年間使い続けてきた子どもたちの成長を観察すると、いつの間にか、できることが増えた気がします。小さなころから続けることで、宿題などの毎日の学習習慣や、歯磨きなどの基本的な生活習慣を定着することができたり、学校行事に穏便に参加したりできるようにもなりました。身につくまで少し時間はかかりましたが、今では、子どもたちが毎日自分で簡単な朝食を作ってくれたりと、私も家事負担が減って助かっています。また、新しいことに挑戦する背中を押したり、自分のやりたいことのために貯めたポイントをドーンと使ったり…と、子どもたちの経験値を増やす手助けもできました。家庭で基本的な金銭管理スキルや金銭感覚を育てたり、お金のしくみや給与システムなどを疑似体験できて、近い将来の自立のためにもやっててよかったと実感しています。もちろん、「ポイント手帳」だけで全てがうまくいく訳ではありません(どうしてもイヤなこと・無理なこと・できないことだってあります)。でも、子どもがうまくいかないときや、失敗して落ち込んでいるときも、今までの「できた」「がんばった」記録が励ましてくれました。また、子どもを「お小遣いやごほうびで釣り続けてもいいの?」と、気にされる方もいるでしょう。うちの場合は、本人にとってハードルの高いことも、最初はポイント目当てでもいいから何度か挑戦できると、そのこと自体に少しずつ慣れていくので、だんだんと取り組みのハードルが下がって、報酬がなくても次第にできるようになりました。また、相談・交渉しつつ、本人の意思を反映させながら運用してきたので、成長と共に、単なる「報酬目当て」から、「自分のために」と、外側から与えられるものから、内側から自発的に取り組むものへと、動機づけが移っていったようにも思います。出典 : 「ポイント手帳」は、どんな子にも応用できますが、特に集団教育の中では失敗や叱責体験が多くなりがちな子が、自信をつけながら経験を増やすためには良い方法ではないか、と私は思っています。また、合理的な考え方の持ち主や、視覚化してほめられることが嬉しいタイプのお子さんは、手帳に報酬を数値化することで納得しやすく、日々の自分の頑張りが目に見える記録として残るので励みになるでしょう。一方で「好きなこと・興味があることなら頑張れる子」は、「好きじゃないこと・興味がないこと」には、なかなか意欲が湧かず、積極的になれないこともあるかもしれません。それから、今のその子にとって苦手なことやハードルの高いことを要求されたときや、疲れているとき、やる気が出ないときなどに、「みんな、やってるから」や「とにかく、がんばろう」「やればできる!」などの精神論・根性論では、なかなか心に響かず、主体的に動けないこともあります。でも、大人だって、好きなこと・やりたいことだけで仕事が成り立っている方は、ごくわずかではないでしょうか。現実的には、毎日の退屈なルーチンワークや、苦手なことやハードルの高いこと、あんまり前向きにはなれないけど責任上自分がせざるを得ないこと…などに対しても、「報酬があるからこそ、なんとかがんばっている」という方も多いはず。うちの「ポイント手帳」は、それと同じように、子どもの「一見、やって当たり前のように思える、日々の小さながんばり」に対しても報酬を設定し、少しずつできることを増やしながら、子どものやる気や自主性を育てるのに役立ったように思います。そして、手帳に記録が残っていくことで、子どもが大きくなってからも、「あなたがいつもがんばっていたことを、ずっと、ちゃんと見てましたよ」という、親からのメッセージも目に見える形で一緒に伝えられたら…と思っています。文:大場美鈴(楽々かあさん)(監修者・井上先生より)「トークンエコノミー」「ポイント制」については、「ポイントがないとしなくなるのではないか」「ご褒美で釣るなんて」といった批判や誤解をうけることがあります。ですが、大場さんが書いておられるように、本人が苦手なことについて、目標を保護者と一緒に共有し、達成したらともに喜ぶというコミュニケーションの活性化にも一役かっているのではないでしょうか。達成した課題については、話し合って次の課題にポイントを付与するように移行したり、そのときの困難な状態に応じて適応方法やポイントの数値を変えながら進めていったことが長期に続けられるコツでもあったのではないかと思われます。この方法を取り入れることで、お子さんにとっては、ポイントを得たときと実際にご褒美をもらうときに2回、褒められる場面ができます。また、保護者にとってもお子さんの頑張ったことやできたことを可視化することができることで、ポジティブな関わりが自然と増えるのではないかと思います。ぜひ参考にしてほしい取り組みですね。
2021年10月07日ピアノ指導者お役立ち レッスン手帳2022 【マンスリー&ウィークリー】 / ピアノ指導者お役立ち レッスン手帳2022スリム 【マンスリー】ピアノ指導者へのアンケートをもとに開発した、指導者専用手帳です。表紙絵柄は選べる2種類。さらにダウンロード限定デザインもあり、気分や季節によって着せ替えができます。2022年版は2017年以降、各年で一番ダウンロード数の多かった人気デザイン4種類が再登場します!取り外して使える「レッスン予定表」のほか、「イベント計画表」「テキスト購入予定表」最大で108人まで管理できる「生徒情報」や「入会問い合わせ」「年齢早見表」など、教室管理に便利な内容になっています。4期がわかる作曲家年表や作曲家の誕生日など、音楽専門家に必要な情報も満載!ピアノ指導者お役立ち レッスン手帳2022 【マンスリー&ウィークリー】【マンスリー&ウィークリー】は、カレンダータイプのマンスリーページとバーチカルタイプ(横書き)のウィークリーページがあり、たっぷり書き込めます。ご自身やご家族のスケジュール管理のほか、翌週のレッスンに必要なことをメモしておくなど、幅広くご活用いただけます。■2021年12月~2023年3月対応■日曜始まり■3色ペンが入るペンホルダーと2色のしおり紐付き※法改正にともない祝日・休日が変更になることがあります。(2021年9月現在)定価:1,870円(10%税込)仕様:A5判/208ページ発売日:2021年10月19日ISBN:978-4-636-10077-8商品コード:GTP01100111 amazonにてご予約受付中! : ピアノ指導者お役立ち レッスン手帳2022スリム 【マンスリー】スリム(マンスリー)はカレンダータイプのスケジュール管理ページと、ノートとして使えるフリーページが多いのが特徴。手軽に持ち運べる薄さが魅力です。■2021年12月~2023年3月対応■日曜始まり■3色ペンが入るペンホルダーとしおり紐付き※法改正にともない祝日・休日が変更になることがあります。(2021年9月現在)定価:1,210円(10%税込)仕様:A5判/80ページ発売日:2021年10月19日ISBN:978-4-636-10078-5商品コード:GTP01100112 amazonにてご予約受付中! : ☆ピアノ指導者お役立ち レッスン手帳2022特設ページピアノ指導者お役立ち レッスン手帳2022 : お求めは、全国ヤマハ特約楽器店・書店または弊社オンラインショップ >まで。【本商品に関するお問い合わせ】(株)ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス ミュージックメディア部問い合わせフォーム: 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2021年10月06日「ほぼ日手帳」から、高橋留美子による漫画作品『犬夜叉』とのコラボレーションアイテムが登場。2021年10月1日(金)より、ほぼ日の直営店(TOBICHI東京/京都)、渋谷パルコの「ほぼ日カルチャん」、ロフト、書店などで発売される。「ほぼ日手帳」×『犬夜叉』多彩なコラボレーションアイテムが登場『あつまれ どうぶつの森』や『MOTHER』シリーズ、漫画家・松本大洋など、多彩なコラボレーションがラインナップする「ほぼ日手帳2022」。その中でも特に注目したいのが、今回紹介する『犬夜叉』とのコラボレーション。一つ一つに漫画の世界観を巧みに落とし込んだ、豊富なバリエーションのアイテムが展開される。カラーイラストを大胆にプリントした手帳カバー本コラボレーションを代表するアイテムとなるのが、高橋留美子のカラーイラストを大胆にプリントした手帳カバーと手帳のセット。付属のカバー・オン・カバーを本体カバーに重ねることで、たなびく雲の中に犬夜叉と殺生丸の姿が浮かび上がるというギミックがポイントだ。しおりの先には勾玉のチャームをあしらうなど、細かい部分にも作品の世界観が反映されている。ホログラム加工を施した週間手帳「weeks」コンパクトな週間手帳「weeks」は、表紙に主人公の犬夜叉と旅を共にする仲間たち、裏表紙に異母兄・殺生丸をデザイン。また、使うたびにキラキラと光るホログラム加工が手帳全体に施されている。下敷きやスタンプセット、一筆箋もこのほか、作品の和の世界を思わせる渋めのカラーに仕上げた下敷き、キャラクターと吹き出しを漫画風にデザインしたスタンプのセット、キャラクターの“まなざし”と胸にグッとくる“エピソード”に着目した縦横2種類の一筆箋、コミック32巻「血の河」のワンシーンを切り取ったギミックカードなど、ファン垂涎のアイテムの数々が揃っている。商品情報「ほぼ日手帳」×『犬夜叉』発売日:2021年10月1日(金)取扱店舗:ほぼ日の直営店(TOBICHI東京/京都)、ほぼ日カルチャん(渋谷パルコ)、ほぼ日ストア、ロフト、書店<展開アイテム>■犬夜叉「継承者」オリジナルサイズ用カバー(A6)、カズンサイズ用カバー(A5)犬夜叉「継承者」オリジナル・A6サイズ(1日1ページ)手帳+カバーセット 6,380円カズン・A5サイズ(1日1ページ)手帳+カバーセット 9,680円■犬夜叉「INUYASHA」週間手帳 weeks 2,860円■犬夜叉/ほぼ日の下敷き オリジナルサイズ用 440円/カズンサイズ用 660円/下敷き weeks用 528円■犬夜叉/スタンプセット キャラクターズ 2,420円■犬夜叉/クリアふせんセット 冥加 550円■犬夜叉/スライダーケースセット(冥道/風穴) 880円■犬夜叉/一筆箋(縦) まなざし 660円■犬夜叉/一筆箋(横) エピソード 660円■犬夜叉/ギミックカード あの世とこの世の境 880円©︎ 高橋留美子/小学館
2021年10月01日「ほぼ日手帳」から、絵本作家エリック・カールの代表作『はらぺこあおむし』とのコラボレーションアイテムが登場。2021年10月1日(金)より全国のロフトで発売される。「ほぼ日手帳」×『はらぺこあおむし』鮮やかで大胆な色使いの絵と、穴の開いた仕掛け絵本という個性的なアイデア、そしてシンプルでわかりやすいストーリーをもって、出版以来世界中で愛され続ける大ヒット絵本『はらぺこあおむし』。両者にとって初のコラボレーションとなる今回、「ほぼ日手帳」はその絵の魅力を存分に活かした全7種類のアイテムを提案する。「ほぼ日手帳」オリジナルサイズの手帳カバー中でも特に注目したいのは、表紙にりんごとあおむし、裏表紙にあおむしが大好きなフルーツを描いた「ほぼ日手帳」オリジナルサイズ(A6、1日1ページ)のカバー「おなかがぺっこぺこ」。カラフルな表紙とは対照的に、ペンを入れて手帳を留めるバタフライストッパーとカバーの内側はシックなブラックに。大人も使える落ち着きのあるデザインに仕上がっている。週間手帳「weeks」は2種類のデザインでまた、携帯しやすいコンパクトサイズの週間手帳「weeks」には、あおむしがちょうちょになるまでの成長を描いた「おおきくなーれ」と、グラフィカルなデザインの「だーれだ?」の2種類のデザインがラインナップ。専用下敷きやメモ帳、ハンドタオルもこのほか、「ほぼ日手帳」のそれぞれのサイズに合わせた専用下敷き、155枚の用紙を1冊にまとめた文庫本サイズの分厚いメモ帳「ほぼ日ペーパー(ズ)」、あおむしとエリック・カールのサインをデザインしたハンドタオルなど、バリエーション豊かなアイテムが用意されている。商品情報「ほぼ日手帳2022」×『はらぺこあおむし』発売日:2021年10月1日(金)取扱店舗:全国のロフト、ロフトネットストア<展開アイテム>■「ほぼ日手帳」オリジナル手帳カバー はらぺこあおむし「おなかがぺっこぺこ」素材:ポリエステルサイズ:W117×H165mm 厚さ20mm 87g価格:オリジナルサイズ(A6、1日1ページ)手帳カバー+本体セット 6,380円■「ほぼ日手帳」weeks(週間手帳) はらぺこあおむし「おおきくなーれ」/「だーれだ?」素材:紙サイズ:W94×H188mm 厚み10mm価格:週間タイプ 共に2,640円■「ほぼ日手帳」はらぺこあおむし 下敷き「オリジナルサイズ用」/「weeksサイズ用」価格:「オリジナル用」462円、「weeksサイズ用」550円■ほぼ日ペーパー(ズ) はらぺこあおむし表紙素材:ユポ紙(マットPP)サイズ:W105×H150mm 厚さ16mm価格:550円■やさしいタオル はらぺこあおむし ハンド素材:綿97% ポリウレタン3%サイズ:W290×H290mm価格:1,100円TM & © PRH
2021年10月01日全品200円!安くて旨い居酒屋、実は…Upload By 桑山 知之名古屋市千種区にある歓楽街・今池。ディープスポットとして知られる町で、今年2月、明山さんは居酒屋「せんべろ元気」をオープンさせた。冷奴や枝豆といった定番メニューから、油淋鶏や唐揚げ、串カツといった本格料理まで、すべて200円という破格で提供している。もちろん、生ビールやハイボールなどの酒類も200円。「安くて旨い」と評判は上々だ。Upload By 桑山 知之それもそのはず。メニューは値段こそ安いが、同級生が経営する製麺所や食品会社、岐阜県海津市の有名串カツ店などから取り寄せた一級品を提供している。「まともにやったら回らない」。今池で生まれ育った明山さんの人脈があってこその価格設定である。飲み屋街の一角で、ありそうでなかった「昼から飲める」「安くて旨い」店。呑兵衛ならだれもがふらりと入りたくなる。実は、就労継続支援B型の事業所だ。義理ではダメ「福祉に甘えない」場所に明山さんには全盲の祖父がいた。鍼やマッサージの仕事で自立もしていたが、一歩外に一緒に出れば、周りからかわいそうな目で見られることが多かった。子どもながらに社会の偏見に対し、常に違和感を覚えていたことが、障害者福祉の世界に飛び込んだきっかけだった。2002年に福祉の専門学校を卒業後、愛知県内の社会福祉法人に就職し、4年ほど勤務した。2006年に子どもの放課後等デイサービスを運営する「ぜによ」に入社し、2019年4月からは代表を務めている。「児童デイサービス元気」の名称で3カ所のデイサービスを運営しながら、明山さんが重視している「自立のための教育」の一環として何かできないか模索し続けてきた。Upload By 桑山 知之「障害があろうとなかろうと、ちゃんと同じラインに立ったうえでやらなければいけないんじゃないかなと。福祉だからお店来てくれって、お店をやる以上は違うと思うんです」(明山さん)社会福祉法人に勤めていた際、作業所の利用者が山で切ってきた木を使って椅子や机を作っても、結局は安いものしか買ってもらえなかった。言わば「情け」でというのがほとんどだった。「福祉に甘えてはいけない」という思いが沸々と沸き上がった。Upload By 桑山 知之デイの先輩が働く姿が刺激に居酒屋「せんべろ元気」は新型コロナウイルスの影響を受け、営業時間や酒類の提供など不安定な要素もあるが、オープンから約半年が経ちじわじわと地元住民らから支持を集めている。店には現在、2人が働いている。そのうちの1人は、知的障害がある男性(20)。放課後等デイサービスに通っていた小学2年のころから彼が口にしていた「いつかラーメン屋で働きたい」という夢に向け、この店で修行中だ。Upload By 桑山 知之「今まで一緒にデイサービスで遊んでいた先輩がこうやって一生懸命働いているのは、めちゃくちゃ刺激になるんです。金銭教育、お金の使い方も学んで、働くとどうやってお金がもらえるのかという見本が目の前にある。毎年秋に施設で『ショップ元気』という、作ってきた製品を利用者が自ら販売の擬似体験をするイベントがあるんですけど、その進化版をやっているんです」(明山さん)就労継続支援B型とは、障害のある方が一般企業への就職が不安、あるいは困難な場合に、雇用契約を結ばないで軽作業などの就労訓練をおこなうことが可能な福祉サービスのことを言います。作業の対価である「工賃」をもらいながら、 障害や体調にあわせて自分のペースで働くことができます。参考:就労継続支援B型とは?作業内容や工賃の額、対象者、利用手続きなどを解説します | 仕事ナビかわいそうだから、頑張っているからといった“義理”ではいけない。福祉に甘えず、本当にその子が働ける姿を見てもらう。明山さんは、就労の場として接客などの経験を積ませながら、飲食業をはじめとするサービス業の関係者を招き、子どもたちの就職も後押ししていきたいと考えている。Upload By 桑山 知之「同居していた祖父は、鍼灸師として自立していたんです。福祉だからお客さんが来ていたわけではなくて、きっと人一倍の努力をしてお客さんを掴んでいたというか。だから、福祉というフィルターを通さずに社会で通用する人材を輩出していきたいですし、福祉と社会の垣根を取っ払っていくことが僕の使命です」(明山さん)取材・文:桑山知之取材協力:若者支援ネットワーク研究会in東海(監修・井上先生より)就労継続支援B型で地域で飲食店をされる場合、地域の方や同業者の理解や協力を得ることに対しては目に見えないご努力があったのかと思います。体調面から、夕方から夜にかけての方が働きやすいという方もいらっしゃることから、選択肢の広げ方としてはユニークな試みだと思います。地域の人たちの交流の場、生きづらさのある方同士の交流の場になっていくといいですね。出張の際にはぜひ行かせていただきたいです。Upload By 桑山 知之平成元年愛知県名古屋市生まれ。慶應義塾大学経済学部在学中からフリーライターとして活動。2013年に東海テレビ入社後、東京支社営業部を経て、報道部で記者/ディレクター。2018年から公共キャンペーンのプロデューサーとして「いま、テレビの現場から。」や「見えない障害と生きる。」、「この距離を忘れない。」といったドキュメンタリーCMを制作。主な受賞歴は、日本民間放送連盟賞CM部門最優秀賞、ACC TOKYO CREATIVITY AWARDSゴールド、JAA広告賞 消費者が選んだ広告コンクール経済産業大臣賞、ギャラクシー賞CM部門優秀賞、広告電通賞SDGs特別賞など。
2021年09月30日母子の健康を守ってくれる母子健康手帳。母子健康手帳の機能などについて、助産師の高杉さんがお話ししてくれました。母子健康手帳をフル活用し、妊娠中や育児中に役立てましょう。 ママと子どもの健康状態や成長を記録する「母子健康手帳(通称:母子手帳)」。日本では、妊娠・出産と切っても切れない存在の母子健康手帳ですが、実は日本独自のシステムで、この1冊で妊娠中のママや胎児、新生児から6歳までの健康管理ができる世界に誇れるものなのです。では、母子健康手帳の受け取り方法や母子健康手帳はどのようなものなのかをみていきましょう。 妊娠したら母子健康手帳をもらいましょう妊娠がわかったら病院で妊娠の診断を受けましょう。今は妊娠検査薬で簡単に妊娠判定ができますが、病院で妊娠していることを確認してもらってから母子健康手帳をもらいに行きます。住んでいる市区町村に妊娠届を提出すると、母子健康手帳が発行されます。お子さん1人につき1冊なので、双子ちゃんだったら2冊になりますね。 母子健康手帳にはなんの記録ができるの!?母子健康手帳は、戦後の1948年に生まれました。当時は育児用ミルクの配給が記録されていたと言います。母子健康手帳はママと子どもの記録の場所です。ママの既往歴や現在の健康状態、妊娠経過について記録するところや、おなかにいる赤ちゃんの健康状態や発育状況を記録するところがあります。また、出産の状況や産後のママの体のことや子どもの様子なども記録するところがあります。病院を退院したあとも、子どもの定期健診や予防接種の接種状況を記録できますし、子どもが就学するまでの間の記録の場所になるので大切にしましょう。 定期的に妊婦健診を受け産院に記録してもらい、ママも母子健康手帳に記録していくことで、母子健康手帳の役割である、妊娠・出産・産後と母子を継続的に見守る仕組みができるのです。そのお陰で、母子健康手帳の普及とともに、日本における乳児死亡率は減少してきました。また、妊娠中のママの気持ちを書くところもあります。子どもが大きくなったときに、ママはこんな気持ちであなたが生まれてくるのを待っていたのよと一緒にお話ししてあげると子どももきっとうれしい気持ちになります。ぜひ、ママの気持ちを書き留めてあげてくださいね。 なお、乳児死亡率の高い発展途上国では、妊娠、出産、産後に母子の健康を継続的に見守ることのできる日本のような仕組みを作るためにも母子健康手帳の普及が進んできています。日本独自のシステムが今や国境を越えて世界のママやお子さんたちを救っているなんてすごいと思いませんか?! 母子健康手帳には実は妊娠・子育て情報も満載!?母子健康手帳は妊娠・出産の状況、産後の経過や子どもの就学までの様子がすべて1冊に記録できるようになっている日本独自のシステムですが、母子健康手帳の良さは記録ができることだけではありません。「妊婦さんの過ごし方や妊娠中・産後の食事」「新生児期から6歳までの年齢別育児のしおり」「子どもの事故防止」「乳幼児の食事」「離乳食の進め方」「予防接種」また「子育て支援制度」など、これらの情報がすべてわかりやすく記載されています。このように、母子健康手帳は記録するためだけではなくて、妊娠中のママのことや、生まれてからの子どものことや子育てのことなど大切な情報もわかりやすくつまっているのでしっかり活用しましょう。 世界に誇る日本の“母子健康手帳”、しっかり活用して大切にしましょう。そして、妊娠中は必ず持ち歩くようにしましょう。妊娠経過が一目瞭然なので外出先で何かあっても安心です。ママと赤ちゃんの最初の絆。たくさん活用して、生まれてくるワクワクを楽しみましょう。 監修者・著者:助産師 高杉絵理大分県の大学にて看護師・助産師・保健師の資格を取得後、総合周産期母子医療センターにて産科やNICUに勤務。結婚を機に上京してからは、もっと育児が楽しくなるようにママや赤ちゃんにいつも身近に寄りそっていたいとの思いより、地域での助産師活動を開始する。 現在は、世田谷区の行政や病院で働きながら、開業助産師として地域での講座やイベントを開催し子育て支援活動を幅広く行っている。また、ベビーカレンダーにおいても、妊娠・出産・育児を楽しめるように、ママたちが読みやすく分かりやすい記事を心がけ執筆中。
2021年09月28日株式会社テレホンリース(本社:愛知県名古屋市中区)が通販サイト「ラスタバナナダイレクト」にて「手帳型ケース Ribbon Belt」の販売を開始しました。サフィアーノ調の生地を採用しており、少しザラザラした手触りで手に優しくフィットし持ちやすい手帳ケースです。光沢も筋模様が入ることにより落ち着いた見た目になっており、高級感のある質感が特徴的です。また、リボンベルトが付いており大人かわいい仕上がりとなっております!製品概要製品名:手帳型ケース Ribbon Belt参考価格:2,780円〜(税込)iPhone13mini : iPhone13 : iPhone13Pro : iPhone13Pro Max : 製品特徴・エレガントで落ち着いた印象を与える、細かい模様が型押しされているサフィアーノ調の生地を採用・着脱のしやすい、しなやかTPU素材のソフトケース・背面を折り曲げて横置きの視聴スタンドとして使用可能・カードポケット×2とお札や名刺などが入るフリーポケット付き・フリップをしっかり固定するマグネット式ベルト・身だしなみチェックができる鏡付き◆販売チャネル全国家電量販店、スーパーマーケット、携帯電話ショップ、雑貨専門店、インターネットショッピングモール、自社インターネットショップ◆ネットショップ販売ページ「ラスタバナナダイレクト」ネット直販 「ラスタバナナ」Amazon.co.jp 「ラスタバナナの飾り屋」楽天市場店 「ラスタバナナの飾り屋」Yahoo!ショッピング店 「ラスタバナナの飾り屋」au Payマーケット店 アプリからの購入で50%OFF!現在、リリース記念として、アプリをダウンロードのうえ、会員登録すると使える「50%OFFクーポン」配信中!iPhone 13シリーズのアクセサリーでもご利用いただけます!期間:2021/09/08〜2021/10/31利用条件:877円以上のお買い物(送料除く)※一部商品は割引対象外となります予めご了承ください利用回数:お一人様1回まで利用方法:会計時に表示される「クーポンコードの入力」欄にコードを入力※既に会員の方もご利用いただけます。アプリのダウンロードはこちら フォローして最新情報をチェック【ラスタバナナ公式Instagram】 【ラスタバナナ公式Twitter】 【飾りニャ ラスタバナナYoutubeチャンネル】 ※記載されている会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。◇商品に関して〒460-0001 名古屋市中区三の丸1-13-1株式会社テレホンリース info2@rastabanana.com ◇リリースに関して〒113-0033 文京区本郷3-12-9株式会社テレホンリース 東京営業本部 y.iida@rastabanana.com 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2021年09月23日思わずほっこりとしてしまうようなおしゃれアイテムが集まるスリーコインズ。今回はそんなスリコの10月はじまり手帳をご紹介していきますよ…!早い子はもうGETしているおしゃれアイテムなので、ぜひチェックしてみてくださいね♡スリコの手帳がおしゃれすぎ…♡出典: Instagram今回ご紹介していくアイテムはこちら…!「B6サイズポケット付き手帳」です。韓国っぽさ抜群のおしゃれなデザインの手帳ですが、なんとこれ330円でGETできちゃうんですよ…!中はどんなデザインになっているのかチェックしていきましょう♪イヤープランを記入したり♡出典: Instagram最初にイヤープランを記入するページがあります♡祝日もきちんと色が変わっているので分かりやすいですよね…!一年の予定をきちんと立てたい!という人にもピッタリです。月ごとの予定把握もできる♡出典: Instagram月ごとの予定把握だってできちゃいますよ♪シンプルなデザインになっていて広く記入できるのがポイント。かわいいデザインとのギャップにやられちゃいます♡週ごとの予定だって細かく書けます♡出典: Instagramさらにさらに、週ごとの予定も把握できちゃいますよ…!大きく書けるページになっているので、デコレーションなどをしてかわいくしてもいいですね♡毎日たくさんやることがあって書ききれない!という人にもおすすめ。方眼ページもある…!出典: Instagramなんとなんと、方眼ページもありますよ。自由にいろいろ書くことができるので、メモなどにも使えちゃいます。サイズはB6サイズなので持ち運びにも邪魔になりません。スリーコインズの手帳、買うしかないでしょ♡スリコの手帳は超おしゃれで使いやすい優秀アイテム♡まだGETしていない人はスリコに急いでくださいね…!本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。※こちらの記事ではHITOMI【3COINS公式アカウント】(@3coins_hitomi)様の投稿をご紹介しております。記事内の情報は執筆時のものになります。価格変更や、販売終了の可能性もございますので、ご了承くださいませ。また、店舗ごとに在庫が異なるため、お立ち寄りの店舗へお問い合わせください。"
2021年09月17日学童文具・生活雑貨メーカーのクツワ株式会社(大阪府東大阪市)が長年展開する、大人の女性に向けた工夫がいっぱいの「クツワ手帳」から2022年度版が発売しました。2022年「クツワ機能手帳」忙しい毎日を過ごす大人の女性は、ライフスタイルも様々です。1人でも多くの女性に、ぴったりと感じてもらえるよう、20種類のオリジナルレイアウトをご用意。豊富なラインナップから目的別に選んで使えるので、無理なく続けやすいと大変好評で、親子2世代で使っていますというお声も沢山届いています。クツワ手帳は全てフルカラー印刷で見やすく、見たいページをサッと開けるインデックス付き。文具メーカーならではの機能面へのこだわりが、長く人気の秘密です。カラフルで綺麗な色使いは、明るい気持ちで1年間お使いただけます。●これがおすすめ1毎年人気の薄型スリム手帳から、「カラーインデックス手帳B6スリム 薄型」(編集タイプC-9)が新登場。より薄型で軽く、でもサイズは大きく書きやすい手帳…という理想を実現させた待望の新型です。特に本体重量が約80gと、一般的なスマホの半分程度の軽さでストレスフリーな使い心地です。ぜひお手に取ってお確かめください。「カラーインデックス手帳B6スリム 薄型」●これがおすすめ2ToDoチェックの「やることリスト」で予定を確認!マルチタスクで忙しく働く女性には「虹色手帳(R) やること A5」(編集タイプB-4)がピッタリです。やることリスト(ToDoリスト)とスケジュール管理を組みあわせた、とても珍しいレイアウトの手帳です。1日に14個のチェックBOX付きで、オン・オフどちらの“やること”もたっぷり書けて管理がしやすく、かつ済んだことも振り返りやすいからやり忘れをなくします。そして虹色のカラーデザインは、手帳を開くたびに明るい気持ちで使える優しい色のグラデーション。黒ペン1色で書きこんでも見やすくて可愛いと好評です。「虹色手帳(R) やること A5」●これがおすすめ3いつでも気軽にお金の管理ができると評判!「家計簿付き手帳 A6」(編集タイプM-1)。家計簿が苦手な私でも1年間続けられた!…とリピーターがとても多い27年目のロングセラー商品です。毎日持ち歩いて隙間時間にさっと記入できるから、忙しい人や、めんどくさがりな人にもおすすめです。「家計簿付き手帳 A6」▼アンケートのリアルな意見を反映するから使いやすいロングセラーのクツワの手帳ではアンケートを実施、今年も4000通以上のご意見をいただきました。そんなお客様からのたくさんのご意見を元に毎年少しずつ改良を重ねることで、長年愛される手帳をお届けしています。2022年ラインナップ価格(税込)●カラーインデックス手帳B6スリム 薄型:1,210円●虹色手帳(R) やること A5 :2,178円●家計簿付き手帳 A6 :1,760円「クツワ機能手帳」の詳細はこちら▼ 【会社概要】名称 : クツワ株式会社所在地: 〒577-0013 大阪府東大阪市長田中3丁目6-40代表 : 代表取締役社長 寺浦 浩之設立 : 1935年6月資本金: 3,000万円HP : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年09月16日ポール & ジョー(PAUL & JOE)のステーショナリー・ライン「ポール & ジョー ラ・パペトリー」から、2022年版手帳が登場。“バーバパパ×クリザンテーム柄”など新作手帳めくるたびにページの色や柄が変化する「オールカラーダイアリー」の2022年版には、バリエーション豊かな6種類の表紙がラインナップ。中でも注目は、フランスの絵本「バーバパパ」とのコラボレーションによる表紙だ。ポール & ジョーを象徴する西洋菊モチーフ「クリザンテーム」と共に、ほのぼのとした表情のバーバパパが描かれている。新柄は、朝顔や着物をモチーフにした翡翠色の「モーニンググローリー」や、アネモネを木版画風に表現した「アネモ二」など。また、上品なホワイトベースの「クリザンテーム」や、人気の猫モチーフである「ヌネット」や「水墨画ネコ」といったデザインの新色も揃う。中面フォーマットは、マンスリーとウィークリー・レフトの2種類。「クリザンテーム」や「ヌネット」といった定番柄や新柄が全ページにわたって広がっている。”卓上カレンダー“にもなるスケジュール帳2022年版から新登場となるのが、マークスのロングセラー「ノートブックカレンダー」の派生形マグネットタイプのポール & ジョーデザイン。A5サイズでノートのように持ち歩けるほか、フラップ部分を折り返して自立させれば、卓上カレンダーとしても活用できる。表紙は「クリザンテーム 」と「ヌネット」の2種類。中面のスケジュールページ&メモページにも「クリザンテーム」柄などをあしらっている。猫型のスケジュールステッカーが付いてくるのも、嬉しいポイントだ。【詳細】ポール & ジョー ラ・パペトリー 2022年版手帳販売店舗:マークスの直営店、全国の取扱店、マークス公式オンラインストア「オンライン・マークス」※店舗によって発売日が異なる。■2021年8月下旬発売・ウィークリー・レフト B6正寸 12月始まり 2,420円仕様:塩ビ製カバー・マンスリー B6正寸 12月始まり 1,650円仕様:表紙カバーがけ+クリア塩ビ製カバー■2021年9月9日(木)より順次・ノートブックカレンダー・マグネット A5正寸 1月始まり 1,980円仕様:紙貼マグネットカバー・Wリング綴じ・スケジュールステッカー付き
2021年09月13日2020年(社会人3年目)の春。コロナ禍の娘コロナ禍で外出の機会が減ったことで娘は、普段からよく利用していたSNSにさらにのめり込むようになりました。このころSNS上は、ギスギスとした書き込みも増えているように感じました。影響を受けやすいところがある娘は、そんなネガティブな投稿を見ないように、自らSNSから離れる努力を何度かしていました。でも、どうしても“見てしまう”ことがやめられず、よくイライラしたり落ち込んだりしていたのです。また緊急事態宣言のステイホーム期間中、SNSで共通の趣味を通して知り合った人から、娘に頻繁に連絡が来るようになりました。娘の勤め先は勤務形態がシフト制になり出勤日数は減っていましたが、それでも頻繁なメールや出勤前日の長電話は、少しずつ娘の負担になっていきました。Upload By 荒木まち子2020年夏、娘は体調を崩し…娘は体調を崩しました。不調の原因は何だと思うか本人に訊ねると「いろいろ重なってると思うけど、一番の原因はSNS上のトラブルだと思う」とのことでした。彼女は不眠や倦怠感を訴え、趣味にも関心がなくなり無気力になりました。そして仕事中にフラッシュバックを起こし、ジョブコーチから体調が戻るまで休職することをすすめられました。過去にも娘は入社1年目のときにも体調を崩し、会社を一定期間休んだことがありました。そのとき娘は、過去にお世話になった支援者や出身校の先生、学生時代に通っていた放課後デイサーサービスなどを訪ね、いろいろな人に相談をしました。支援者の方々がカンファレンスの場を設け、チームで娘を支えてくれたこともあり、娘はそのときは何とか復活することができました。でもコロナ禍では、なかなかそうはいきません。以前のように出歩くことが難しいため家にいる時間が多く、話し相手はもっぱら私でした。予定のない日は昼まで寝ている → 夜眠れない → 朝起きられない…娘の生活のリズムは徐々に崩れていきました。症状が悪化会社を休んでいる間、娘は不調の大きな原因であるSNSを一切見ませんでした。趣味にも打ち込めない。唯一、他人とのつながりだったネットも遮断。行くところもすることもない。会社に通っていないので話し相手は母親である私だけ。時間と体力が有り余る娘の相手を一日中するのは、それはそれは大変でした。気分のアップダウンも大きく、楽しそうに話していたかと思えば、急に落ち込んだりする娘に振り回され、私は対応に手を焼きました。「会社や仕事が嫌いなわけではない。けれど体調を崩して会社を早退してしまうことが申し訳ないと感じている。かといって以前のようにフルタイムで働く自信がない」娘には嘔吐や希死念慮の症状も出始めました。長引く娘の休職に心身ともに限界を迎えてしまった私それまでは私は、“家を娘にとって居心地の良い場所にしよう”と努めていました。娘の話し相手になったり、平常を心掛けて接したり。ときには娘の気持ちが上がるように、意識して盛り上げるような発言をしたり。でも娘の休職が長引くにつれて私にも疲れが出始め、会社とのやり取りや支援者との連絡、娘の体調・経過記録をつける作業が徐々につらくなっていきました。入社1年目のときに構築された娘を支えるチーム体制があるのにも関わらず、娘が自ら支援者に相談しようとしないことにも歯がゆさを感じました。「娘は、受動型でもともと自分から行動を起こすタイプじゃない」「不調の大きな原因が仕事上のことではなくプライベートなことだったので支援者に相談しづらかったのかもしれない」「コロナ禍で以前ほど身動きが取れないから仕方ない」私はなるだけポジティブになろうと自分を鼓舞しました。でも、だんだん「どうして娘は私にしか相談しないのか」「支援者に直接会うことはできなくても電話やメールでも相談はできるはず」「家には娘以外の家族もいる。私が娘だけにつきっきりになるわけにはいかない」「学生なら“あと何年間で卒業”といった終わりがある。でも卒業後の人生はずっと続く。この状態は一体いつまで続くのか」と思うようになり気分がふさぐようになりました。そして娘が休職して1ヶ月ほどが過ぎたころから、私は何もする気が起きなくなってきました。娘の経過観察の記録も、病院のつきそいも、娘の話し相手になるもの嫌になってしまったのです。実際嫌になってやめてしまったのか、疲れ果ててできなくなってしまったのか、その辺りの記憶は曖昧です。記憶が抜けているということは、当時の私は相当まいっていたのでしょう。私は支援者の方々に「疲れて果ててしまいました」と連絡をしました。動いてくれた支援者の方々。そして…それからは、卒業校の先生と基幹相談支援センターの支援員さんが娘の対応をしてくれるようになりました。娘の卒業した高等特別支援学校は、卒業後3年間は就労定着支援を担うことになっていました。(4年目以降は地域や民間の就労定着支援事業所に移行する)娘はこの年ちょうど卒業3年目で学校の支援が受けられる最後の年度でした。3年の間に娘を知る先生の多くが別の学校に異動になっていましたが、幸いにも娘と相性が合う先生がまだ学校に勤務していました。支援者の皆さんはかつて構築したチーム体制で、娘のケアにあたってくださいました。それまで私が段取りしていた娘との面談も、私を通さず直接本人やり取りをしてくれるようになりました。しばらくすると娘自身も私の変化に気がつき始め「家が居心地悪い」と言うようになりました。そしてコロナの感染対策に注意を払いながら、支援者に相談に行くようになりました。一方で私も、支援者との面談を行い『暫定6ヶ月』という休職期間を、ただ漫然と過ごすだけではなく、娘が前向きになれるような見通しや目標を“失敗した場合のフォローも考慮しつつ”考え始めました。それが『グループホーム入居』に向けた取り組みでした。その具体的な内容はまた別の機会に書いていこうと思います。執筆/荒木まち子(監修:三木先生より)このケースで一番ポイントになっているのは、娘さんが「家が居心地が悪い」とちゃんと思えたこと、言えたこと、そして自分から解決のためのアクション(支援者に相談するために出かける)が取れたことです。自分自身で何がしんどいか分かること、それを解決するために人に頼るという選択肢が取れたことは娘さんの武器ですね。
2021年09月07日独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構では「令和3年度障害者雇用支援月間における絵画・写真コンテスト」を開催し、この度、厚生労働大臣賞4作品、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長賞4作品、同機構理事長奨励賞72作品が選出されました。これらの作品を紹介する展示会を、下記の通り開催いたします。情熱のこもった力強い作品の数々をぜひご覧ください。令和2年度の展示風景(東京会場)【開催名称】令和3年度障害者雇用支援月間「絵画コンテスト 働くすがた~今そして未来~」「写真コンテスト 職場で輝く障害者~今その瞬間~」入賞作品展示会(東京会場)【概要】9月は障害者雇用支援月間です。当機構では、障害者雇用への理解と関心を深めていただくため、毎年、働くことや仕事に関係する内容の絵画及び障害のある方が働いている姿を撮った写真を障害のある児童・生徒をはじめ広く募集し、その優秀作品をもとに障害者雇用支援月間のポスターを作成、掲示しています。【展示内容】厚生労働大臣賞、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長賞同機構理事長奨励賞 入賞240作品(今年度並びに過去2年間の入賞作品)【開催概要】開催期間:令和3年9月13日(月)から9月17日(金)まで5日間開催時間:午前10時~午後6時(最終日は午後4時まで)開催会場:丸の内MY PLAZA 1階アトリウム所在地 :東京都千代田区丸の内2丁目1番1号 明治安田生命ビル東京での展示会の後、以下の会場で令和3年度入賞作品の展示会を行います。■大阪開催期間:9月27日(月)~29日(水)開催時間:午前9時~午後5時(最終日は午後3時まで)開催会場:大阪市役所 正面玄関ホール所在地 :大阪府大阪市北区中之島1-3-20■福岡開催期間:10月5日(火)~8(金)開催時間:5日は午後0時から午後5時まで、6日、7日は午前9時から午後5時まで8日は午前9時から午後3時まで開催会場:福岡市役所 1階多目的スペース所在地 :福岡県福岡市中央区天神1-8-1■札幌開催期間:10月28日(木)~30日(土)開催時間:28日は午後1時~午後8時まで 29日は午前9時~午後8時まで30日は午前9時~午後7時まで開催会場:札幌駅前通地下広場 憩いの空間所在地 :北海道札幌市中央区大通西3丁目■愛知開催期間:11月18日(木)~20日(土)開催時間:18、19日は午前10時~午後5時まで20日は午前9時~午後3時まで開催会場:ナディアパーク 2F アトリウム所在地 :愛知県名古屋市中区栄3-18-1【主催】厚生労働省、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構【後援】内閣府、文部科学省、東京都教育委員会、NHK東京会場:東京労働局大阪会場:大阪労働局、大阪市福岡会場:福岡労働局、福岡市、福岡県教育委員会札幌会場:北海道労働局、札幌市愛知会場:愛知労働局、愛知県■独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構当機構は、高年齢者の雇用の確保、障害者の職業的自立の推進、求職者をはじめとする労働者の職業能力の開発及び向上のために総合的な支援を行っています。<機構の概要> 【厚生労働大臣賞受賞作品を原画としたポスター】令和3年度絵画コンテスト小学校の部 受賞作品をもとに作成したポスター令和3年度絵画コンテスト中学校の部 受賞作品をもとに作成したポスター令和3年度絵画コンテスト高校・一般の部 受賞作品をもとに作成したポスター令和3年度写真コンテスト 受賞作品をもとに作成したポスター 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年09月07日12歳から路上で靴磨き「あなたの靴に魂を…」Upload By 桑山 知之革好きの家庭に育った市原さん。母親がブーツを磨いているのを見て興味を持った。3歳のころから母子家庭で、母親は2人の子どもを養うために仕事を掛け持ちし、帰りはいつも遅かった。妹と母親の帰りを待つ間、市原さんは決まって母親の靴を磨いていたという。「寂しい思いもしたんですけど、お母さんの靴を磨いて、帰ってきたらすごく褒めてくれるというのが嬉しくて。そこで愛情に飢えていた分、褒められたときに愛情が満足したというか。その気持ちを覚えてから、野球のグローブとかスパイクもやり始まりましたね」(市原さん)小学4年のとある日の夜、テレビの特集を見て靴磨きという仕事があることを知った。中学1年から名古屋の高架下の路上で、通行人相手に靴磨きを始めた。「あなたの靴に魂を込めさせてください」とホワイトボードを掲げ、プロではないからと代金は取らなかった。中学時代は陸上部に所属。学校ではうまくなじめなかった。いじめにも遭った。そんなときは決まって、歯ブラシとスパイクを持って教室を抜け出し、体育館の裏でひたすらスパイクを磨いていた。なぜ生きづらいのかが、分からなかった。Upload By 桑山 知之パニックを機に発達障害が判明強みを靴磨きで岐阜市内の通信制の高校に進学し、週2日学校に通った。スーパーや居酒屋、ラーメン屋など、人間関係がうまくいかずアルバイト先を転々としながら、路上で靴磨きを続けていた。高校2年のとき、パニック障害に陥ってしまう。「休み時間に(クラスメートたちが)キャッキャしているのがすごくうるさくて耐えられなくて、暴れちゃって。ガラス割ったりとか、机ぶん投げたりとか。でも分からないんですよ、自分がなぜ暴れているのか。でも体が勝手に動いちゃって。先生4人がかりで押さえられて、僕には何が起きたのか分からない、何をしていたのかあまり覚えていない」(市原さん)Upload By 桑山 知之感覚過敏で周りの音や匂いに敏感なほか、人に見られることが特に気になった。医師からADHDとASDという診断を受けた。うつ病とパニック障害も併発していた。当初は布団から出ることができないほどだったが、母親に支えてもらいながら精神科に通院。約2年かけて日常生活ができるまでに回復した。そのときも、ひたすら靴を磨いていたという。やっと分かった「生きづらさの正体」と向き合うことで、自分の道が見つかった。持ち前の集中力と記憶力が、靴磨きで活かせる。発達障害の特性が、強みに生まれ変わった瞬間だった。高校卒業後、路上で靴磨きを続けていた市原さん。2017年12月、名古屋で有名な靴磨き専門店の主人に声をかけられ、弟子入りを決意した。朝5時半に起き、8時には出勤。深夜まで修業は続いた。帰宅後も一人、寝る間も惜しんで靴と向き合い続けた。発達障害の特性が、市原さんを支えていた。「命を削ってでも磨け」。師匠から教わった言葉だ。初デートで履いた靴、結婚式で履いた靴、亡くなった夫の靴――。客が持ち寄るそれぞれの靴には、さまざまな思いが詰まっている。「半端な気持ちではできない」と、どれだけ靴に魂を込められるのかに、強くこだわりを見せる。命を削ってでも…靴磨きに懸けた人生Upload By 桑山 知之岐阜県関市に今年4月、靴磨き専門店「LEON」をオープンさせた。岐阜県内で唯一の専門店だ。汚れ落としで使うクリームはすべて、知り合いの農家から直接仕入れたハチミツやオレンジなどを調合して手作り。靴を磨くのに使うネル布は、「感覚が変わってしまうから」と学生時代の体操服の切れ端を今も使用している。障害者手帳2級。今も不安で手の震えや動悸などの症状が出ることもある。やらないと気が済まない性格から、中途半端な出来栄えでは一切眠れない。「靴を見れば、その人の性格がわかる」。その技術に魅了された全国各地のファンから郵送での依頼を受け、60足以上を磨く日もある。「発達障害があるからこそ見える世界や、できることがあるんじゃないかなと。でも、普通の親は普通に育てようとして、その個性をつぶしているんじゃないかと思うんですよ。どんどん大人になって、個性がなくなっていく。最低限の礼儀礼節以外、僕のお母さんは制御しませんでした。あえてでしょうね。止めなかった。暴れたりもしましたけど、理由を聞いて何も怒らなかった。僕を自由にさせてやりたかったんだと思います」(市原さん)Upload By 桑山 知之心も磨く職人に「僕にとって障害はギフト」完全予約制で、客と話をしながら靴を磨くスタイルのため、60分間という時間を確保。それでいて相場の半額の2000円という破格の安さだ。取材に際し、筆者もローファーを持ち込んだ。「桑山さん、サイズが合ってないですね。ゆるいんじゃないですか?」靴の使い方から性格まで、すぐに見破られてしまった。「主婦の方だったら旦那さんの悩みごととか。障害のある方は、どういう風に乗り越えてきたか聞かれたりします。完全予約制にしないとそういう風にできないんです。お客さんと会話して、お客さんの心も磨くのが靴磨きですから」(市原さん)現在、弟子を10人以上抱えている市原さん。岐阜県内の放課後等デイサービスなどで発達障害のある子どもたちにも、靴磨きを教えているという。Upload By 桑山 知之「僕にとって障害はギフトだと思っています。神様から贈られたというか、障害者って落ち込む必要はなくて。僕だってもし靴磨きと出合わなかったら、ずっとバイトを転々としていたと思います。そこに時間が掛かる人もいるかもしれないし、意外と近くにあったりする場合も多いかもしれません。例えばすごく掃除にこだわる人もいますけど、それを職業にすればいいと思うんです。私生活の一部が、僕は靴磨きだったので。何をモノにして認めてもらえるか。その中でずっと続けていたのが靴磨きだったんです。まさか職人になるとは思っていませんでしたけど……偶然ですけど、必然だったのかなって思います」(市原さん)Upload By 桑山 知之平成元年愛知県名古屋市生まれ。慶應義塾大学経済学部在学中からフリーライターとして活動。2013年に東海テレビ入社後、東京支社営業部を経て、報道部で記者/ディレクター。2018年から公共キャンペーンのプロデューサーとして「いま、テレビの現場から。」や「見えない障害と生きる。」、「この距離を忘れない。」といったドキュメンタリーCMを制作。主な受賞歴は、日本民間放送連盟賞CM部門最優秀賞、ACC TOKYO CREATIVITY AWARDSゴールド、JAA広告賞 消費者が選んだ広告コンクール経済産業大臣賞、ギャラクシー賞CM部門優秀賞、広告電通賞SDGs特別賞など。取材・文:桑山知之取材協力:若者支援ネットワーク研究会in東海監修:三木崇弘(児童精神科医)
2021年08月31日「ほぼ日手帳」から、2022年に向けた新作手帳「ほぼ日手帳 2022」が登場。2021年9月1日(水)より、東京と京都の直営店「TOBICHI」や全国のロフトなどで順次発売される。「ほぼ日手帳 2022」犬夜叉やあつ森、松本大洋など多彩なコラボデザイン高橋留美子の人気漫画『犬夜叉』とのコラボレーション2022年も多彩なバリエーションがラインナップする「ほぼ日手帳」。中でも特に注目したいのが、高橋留美子による人気漫画『犬夜叉』とのコラボレーション。繊細なタッチのカラーイラストをプリントしたり、ホログラム加工を施したりと、迫力あるデザインに仕上げている。オリジナル、カズンは、付属のクリアカバーを装着することで、主人公の犬夜叉と異母兄・殺生丸の姿が浮かび上がるというギミックや、物語のキーモチーフである勾玉があしらわれたしおりもポイントだ。また、手帳とセットで使用したい下敷きや、漫画の魅力的な一コマを使用した一筆箋、スタンプなど、ほぼ日オリジナルの文房具も併せて展開される。『あつまれ どうぶつの森』島で暮らす楽しさを1枚の絵に凝縮注目のコラボレーションは、「ほぼ日手帳」と縁の深いゲームの世界にも発展。人気のNintendo Switch用ゲームソフト『あつまれ どうぶつの森』とのコラボレーションでは、仲間たちと過ごす島での暮らしの楽しさを、ギュッと1枚の絵に凝縮。日々のスケジュール作りをより楽しくしてくれる、スケジュールシール(2枚1組)も付属している。定番『MOTHER』シリーズには1作目のデザインが初登場定番となっている『MOTHER』シリーズには、シリーズ第1作『MOTHER』のファミコンカセットをモチーフにした「BEGINNINGS」が初登場。今も色あせない名作のアイコニックなデザインを大胆に落とし込んだ一冊だ。また、『MOTHER3』のキャラクターが勢揃いする「CAST(MOTHER3)」、キャラクターを革の凹凸で表現したweeksカバーの「CAST(MOTHER2/Leather ver.)」、『MOTHER2』に登場する2つの顔を持つ街のマップを両面にプリントした「フォーサイド/ムーンサイド」と、豊富なデザインが揃っている。漫画家・松本大洋が描き下ろす神田の風景さらに、「ほぼ日手帳」を作る株式会社ほぼ日が東京・神田へ引っ越したことに因んで生まれた企画の一つとして、漫画家・松本大洋が描き下ろした神田の風景をデザインした手帳カバーも登場。御茶ノ水にあるアーチ橋「聖橋」の上から見た景色、しなやかで躍動感あふれる白いねこ、そして赤い電車のコントラストが印象的な作品を、手帳の全面にプリントしたファン垂涎のデザインとなっている。ソール・ライターやキャンディストリッパー、マリアケントのデザインもこのほか、ポーター(PORTER)とのコラボレーションによるボンディング生地のバッグ型手帳カバー、2年目となるキャンディストリッパー(Candy Stripper)とのコラボレーション「Sweet Bunny」、世界的な人気を誇るファンシーツイードのメーカー、マリアケント(MALHIA KENT)の華やかなファブリックを使ったジッパーズタイプの手帳カバーなど、多彩なアイテムが用意されている。商品情報「ほぼ日手帳2022」発売日:2021年9月1日(水) 11:00より順次発売※商品により発売日が異なる。取り扱い店舗:直営店「TOBICHI(東京/京都)」、渋谷パルコ「ほぼ日カルチャん」、ほぼ日手帳公式サイト、全国のロフト、Amazonなど
2021年08月28日心理検査は思ったより問題数が多かった!?はじめての診察の後、日を改めて今度は「心理検査」を受けました。Upload By 寺島ヒロ心理検査とは知能水準や発達水準、パーソナリティを評価するための検査。筆記テストや、スタッフさんとの言葉のやり取り、数字の読み上げなどいくつもの項目を記録し、総合的に判断するそう。今回いっちゃんは、ウェクスラー式知能検査(WISC-Ⅳ)と、人格テストを受けました。人格テストは、前回の診察の後にもらった自己チェックシートなどを参考に、専門スタッフとの面談で行われました。内容は「内緒」なのですが…いっちゃんに感想を聞いたら、こんなことを言っていました。「問題がいっぱいあって、『もう飽きたーっ』て何度も思ったけど頑張ったよ!」「クイズみたいなのは、すぐ分かるのと考えてもわからないのがあった。絵の問題は全部できたと思う」「数の問題はダメだった。自分でもびっくりするぐらい覚えてなかった!」う~ん、なんというか、予想通りです。いっちゃんは得意不得意がはっきりしている子どもだと普段から感じていたので、ちゃんとその辺の傾向をあぶりだしてくれるテストなんだなという印象を持ちました。Upload By 寺島ヒロちなみに、心理検査を受けた日のお会計は2,000円ほど。国民健康保険がきいて3割負担だったので、保険なしだと6,000円程度なのかな?と思います。また、心理検査の結果を紙面で後日もらったところ、文書作成料として3,600円かかりました。文書の作成料は医療機関によってかなり差があるようです。心理検査で分かったことさて、2週間ほど経って心理検査の結果が出たというので再度来院しました。担当医師には「予想通りというか、かなり顕著に(ASDの)傾向が出ました。低いところでもそこそこの数字が出ているので、日常生活では困ることはあまりないかもしれません。当面は睡眠が1番の問題かと思われます」と、言われました。また、性格傾向についても説明を受け…いっちゃんは「すっげー!当たってるうー!」と感心していました。占いじゃないんですけど(笑)そして気になる診断は…?診断については、「必要があるのであれば発達障害の診断はすぐ出せると思いますが、困りごとが睡眠だけと受け取られる書面になると不都合が出るかもしれない。少し様子を見てから出しましょうか」ということで、しばらく定期的に通いながら、本人の困りごとや心配ごとを細かく調べてからということになりました。Upload By 寺島ヒロ※なお、今回ご紹介したのはあくまでいっちゃんが受診したときの話で、必ずしもこの順番、内容になるとは限りません。
2021年07月27日障害のある作家たちの異彩を発信する展覧会「HERALBONY GALLERY in Tokyo -3rd Anniversary Art Exhibition- 」7月19日(月)から渋谷で期間限定開催!Upload By 発達ナビニュース障害のある作家たちの異彩を発信する展覧会「HERALBONY GALLERY in Tokyo -3rd Anniversary Art Exhibition- 」が2021年7月19日(月)~25日(日)の期間、渋谷スペイン坂の多目的スペース「no-ma」にて開催されます。主催のヘラルボニーは、福祉実験ユニット。障害という言葉の裏にある先入観やこれまでの常識を超え、福祉を起点に新たな文化を作り出し続けています。7月24日に設立3周年を迎えることを記念し、今回の展覧会を開催。展示では三重県にある障害のあるアーティストの支援等をする、特定非営利活動法人 希望の園に所属する作家、森啓輔の原画作品展示、ヘラルボニーの取り組みと活動の展示、ヘラルボニーが手掛けるアートライフブランド「HERALBONY」の出店があります。入場は無料。※7月22日~15:00、23日~14:00、7月24日~14:00は、チケット購入に限り来場可能アーティストが放つ「異彩」との出会いがここにある。3周年記念イベントとして、チケット制の有料イベントも開催します。2021年7月22日(木)、23日(金)はスペシャルイベントとして、常設展示のほか、ヘラルボニー代表や特定非営利活動法人 希望の園理事長のあいさつ、コンテンポラリーダンサーによるダンスパフォーマンスなどがあります。設立3周年、当日となる7月24日(土)にはヘラルボニーの「異彩」との出会いとこれまでの3年間、そして今後の展望をテーマに、創業メンバーによるトークイベントを開催します。(尚、緊急事態宣言発出に伴い、イベントの縮小及び一部内容を変更があります。詳しくは、公式ページからご確認ください。)【作品募集のお知らせ】「2021パラアートTOKYO」第8回国際交流展、受付は8月14日(土)までUpload By 発達ナビニュース「パラアート TOKYO」は、世界中から障害のある人による芸術作品を集めて、公益財団法人 日本チャリティ協会が開催する国際交流展。「才能は障がいを超え、国境を越える 」というスローガンのもと、障害のある人の芸術作品(パラアート)の感性、才能価値を世界へ発信しています。「2021パラアートTOKYO」第8回国際交流展の開催が決定し、作品を募集しています。期間は2021年8月14日(土)まで。世界にひとつしかない作品を応募してみませんか。【募集対象】国内外を問わず、障害のある方が制作した平面(書・絵画等)作品。子どもの部:10歳~17歳 / 大人の部:18歳以上【受付】2021年8月14日(土)まで Eメールinfo@paraart.jpまたは郵送【お問合せ先】(公財)日本チャリティ協会「2021 パラアートTOKYO」実行委員会事務局住所:〒160-0004 東京都新宿区四谷 1-19 アーバン四谷 4 階TEL :03-3341-0803FAX :03-3359-7964E-mail: info@paraart.jp昨年開催した「2020 パラアートTOKYO」の全ての作品は、オンラインギャラリーで観ることができます。こちらもぜひご覧ください。発達障害のある人の困りごとにやさしく寄り添う「mahora」ノートが第30回日本文具大賞のデザイン部門、優秀賞を受賞!Upload By 発達ナビニュース「mahora」ノートは、発達障害がある100人の声を聞き、大栗紙工株式会社が一般社団法人UnBalance(アンバランス)と共に開発したノートです。お子さんがノートを使っているとき、なんだか書きにくそうだなと感じることはありませんか?視覚が敏感な場合、白い紙からの反射がまぶしく感じることがあります。特性によっては、罫線が見分けにくいために気づいたら書いている行がかわってしまっていたりすることも…。このような発達障害のある人たちが日ごろノートを使うときに感じているさまざまな困りごとの声から、「mahora」ノートは「光の反射を抑えたやさしい色の中紙」「見分けやすいオリジナルの罫線」「シンプルなデザイン」を採用。老舗ノートメーカーならではの高い技術により丈夫で書き心地よく、目にやさしいノートがうまれました。その機能とデザインで、「みんなが使いやすいノート」として、第30回日本文具大賞でデザイン部門優秀賞を受賞。既存のノートがなんだか使いにくいなと感じているすべての人におすすめのノートです。「書きにくい」が「心地いい」に。カラーとサイズ、全24種類から選べる「mahora」ノートは、以下WEBサイトから購入することができます。京都障害児教育研究センターによる夏季研究集会、8月1日(土)オンラインで開催。特別支援学校や特別支援学級の実践報告、ゲスト講師による講演から障害児教育について考えよう。Upload By 発達ナビニュース京都障害児教育研究センター(障教研センター)が8月1日(土) 10:00~15:40にオンライン学習会を開催します。内容は、実践報告とゲスト講師による講演。特別支援学校、特別支援学級の実践報告では、教育現場で大切にしたいことを考えます。講演で講師をつとめるのは、自閉症児の授業づくりについて研究、各地で講演をする三木裕和さんと、「書く」ことと子どもの育ちについて研究する川地亜弥子さん。発達の視点から子どもをみることを学ぶ講演です。支援者向けの内容ですが、どなたでも参加できるオンライン学習会です。〈詳細〉【日時・場所】2021年8月1日(日)10:00~15:40(途中入場・途中退場可)オンライン(Zoomを用いて行います)【対象】どなたでもご参加ください【講師】三木裕和さん(元鳥取大学地域学部)川地亜弥子さん(神戸大学大学院人間発達環境学研究科)【料金】1,000円(税込)【お問い合わせ先】mail : sho-ken@kyoto-fuko.comtel: 075-751-1645京都府教育会館障教研センター事務局LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年07月18日2015年12月に訪れた出会い縁あって私は『今、意思決定支援について考える-知的障がいをもつ子どもの 10人の親の意思決定支援』<発行PandA―J大門・明石塾(現・ネットワークかみひこうき)>という冊子のイラストを担当させていただきました。社会福祉士の編集長は…?初めて聞いた言葉『福祉オンブズマン』打ち合わせのため編集長のNさんの事務所兼ご自宅にお伺いしたときのことです。Upload By 荒木まち子社会福祉士は精神保健福祉士、介護福祉士と並ぶ国家資格です。医療・福祉・教育・行政機関等において日常生活を営むのに問題がある人からの相談に対して助言や指導、援助を行なう専門職で、社会福祉協議会や社会福祉施設、病院、地域包括支援センター等でのソーシャルワークを行っています。具体的には、在宅・施設で生活している人々の相談に応じたり、必要なアドバイスや利用可能な制度・サービスの紹介、サービスの利用調整や関係者間の連絡など、相談者を支えて抱える課題を解決するためにさまざまな仕事をしています。社会福祉士の概要について| 厚生労働省住民に代わって福祉サービス活動を調査、または、福祉サービスに関する苦情等の処理にあたっている機関です。保健福祉サービスに関する利用者又は利用希望者からの苦情を、中立で公正な第三者の機関を通して迅速に処理することを目指しています。そして利用者等の権利及び利益を保護し、保健福祉サービスの質を落とさないように努力するとともに公正で信頼される保健福祉行政を推進するという目的をもって設置されています。福祉オンブズマン制度 | 小金井市私の知らなかった本をたくさん見せていただくUpload By 荒木まち子Nさんに見せていただいたのは読んだことがない本ばかりでした。私はそれまで“障害について説明した本”や“障害児育児の書籍”は読んだことはありましたが、“支援者と当事者の関係”や“保護者と成人した障害児(者)との関係についての本”、“支援者向けに書かれた本”などはあまり目にしたことがありませんでした。大切なのは『人』社会福祉士や福祉オンブズマンが携わる相談は「高齢者介護」「児童福祉」「生活困窮者」など福祉分野の全てが対象で、障害児・者に限ったものではありません。多岐にわたる障害の特性や対応を理解するための労力を惜しまず、当事者の権利養護のための取り組みをしてくださっているNさん。お話をするにつれ、Nさんが相談者の悩みに真摯に向き合い、熱意を持って問題解決の為に取り組んでくださっていることがひしひしと伝わってきました。いくら制度が改善されても、立派な施設ができたとしても、やはり大切なのは“人”なのだと思います。将来、娘が一人暮らしやグループホームで暮らし始めたとき、もし困ったことに直面したとしてもNさんのような心強い味方が身近にいたらきっと安心して暮らせるだろうと、このとき私は感じたのでした。先駆的な活動2015年といえばこの発達ナビサイトもまだオープンしていないころです。娘は当時高校生でわが家はまだ社会福祉士や福祉オンブズマンはとは無縁な時期でした。でもその当時から子育ての先輩や支援者の方々は『意思決定支援』や『後見人制度』についての学び合い、先駆的な活動をされてきました。意思決定支援リーフレット(神奈川県)成年後見登記制度 Q&A - 法務省親として自分ができることを考える今後、保護者と行政、施設職員、法曹界の人々、民間企業や市民後見人、成年後見支援者の繋がりが深まり、障害者の権利擁護についての協働の取り組みはさらに活発化していくことでしょう。障害のある子どもの保護者として私自身もこれから『何ができるのか』『何をするべきなのか』をしっかりと考えていこうと思っています。おまけUpload By 荒木まち子LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年07月17日家庭と保育園・幼稚園で知っておきたい『発達障害お悩み解決ブック』シリーズ発達障害と一言で言ってもその特性は実にさまざま。『発達障害お悩み解決ブック』ではそれぞれ発達障害の特性別に5冊の書籍にしました。①「ASD 自閉スペクトラム症」②「ADHD 注意欠如・多動症」③「吃音・チック・トゥレット症候群」④「DCD 発達性協調運動障害」⑤「知的障害」どの本も家庭、保育園・幼稚園などでの『こんなときどうする?』と悩んでしまうようなシーンを具体的なエピソードを交えて紹介しており、エピソード→専門家への相談→相談まとめ→安心・解決のアドバイスと段階を踏んで説明。すぐに実践できそうな工夫がたくさん示されています。日常生活で困りを抱えている保護者の方はもちろん、保育園・幼稚園の先生などにも読んでいただきたい一冊です。ものしりだけど、興味や遊びが独特。不安になりやすくて初めてのことが極端に苦手など、ちょっと変わってるな、ほかの子と違うなという不思議な子どもたち。その行動の背景にはASD(自閉スペクトラム症)が隠れているかもしれません。「すぐ手が出てしまう」「指示を聞けない」「じっとしていられない」「おしゃべりが止まらない」「集中力が続かない」など周りの大人を困惑させてしまう子どもたち。保護者や先生もついつい怒ったり叱ったりしてしまいがちですが…ちょっと待ってください。もしかしたらADHDという特性があるのかもしれません。「ぼ、ぼ、ぼく」のように言葉に詰まりスムーズに話せない。目をぱちぱちさせたり鼻を鳴らしたり不思議なクセが目立つ。幼児期にこうした吃音やチック症状が現れることは珍しくありません。大人はつい注意したり心配をしてしまいますが、実はその対応は逆効果なのです。体の動きがぎこちなく極端にスポーツが苦手だったり、不器用なため工作や道具を使うことが苦手だったり、その子たちにはもしかしたら発達障害のひとつであるDCD(発達性協調運動障害)があるのかもしれません。言葉がなかなか出てこない、会話が成り立たない、同じ年の子が当たり前に身につけられることができなかったり…知的なハンディをもつ子が自分のペースで生きていく力を身につけていくためには家族はもちろん、園の先生や地域の大人がスクラムを組み、みんなで応援していく体制を築くことが不可欠です。特別支援教育の実践に役立つ『周りが変われば子どもは変わる! 発達に課題を感じる子どもの可能性を伸ばすために』小学校教諭、教育委員会指導主事、学校管理職、大学教授を経て、現在3つの大学の非常勤講師や教職アドバイザーとして勤務している著者・齋藤澄子氏が「子どもに変わって欲しければ、まず周りが変わっていきましょう、周りを変えていきましょう」と発想の転換を提案している本書。単著となっていますが、発達に課題を感じる子どもの保護者と元学級担任の二人が経験に基づきそれぞれの立場から子どもへの思いや支援の仕方などを書いています。実際の場面における子どもへの対処などを事例を通して述べているので説得力も抜群です。発達の課題を感じる子どもの指導や支援に行き詰ったり、悩み疲れている多くの保護者や先生に読んでいただきたい一冊です。答えを導くための支援の手立てにーー『特別支援学級担任の仕事術100』特別支援学級担任の『仕事術』にターゲットを絞って書かれている本書。特別支援学級の理想や理念、「きれいごと」だけではなく、実務的に困っている先生方が問題解決を図りやすいように100の『仕事術』が示されています。特別支援学級に在籍する子どもたちの多様性、障害の特性だけではなく年齢、学年、性別、学級の人数、人間関係などを含めてどのような教育活動をしていくのかを考えていくのが特別支援学級担任の仕事です。これを教育課程、教科指導、教科指導以外、授業づくり、特別活動の仕事術、子ども理解、学級経営、特別支援学級ならではの仕事術、と8章に分け、それぞれ実践実例を挙げ子どもの実態に寄り添いながら分かりやすく紹介しています。特別支援学級に関わる先生はもちろん、ご家庭でも参考になる支援方法がたくさん載っているので特別支援学級に通っている子どもを持つ保護者の方にもオススメの一冊です。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年07月04日障害者手帳は3種類Upload By 立石美津子発達障害者手帳、これがあったらどんなにいいかと思いますが、残念ながら存在しません。障害があることを証明する手帳は次の3つのみです。・身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳つまり、知的障害を伴わない、あるいは軽度の発達障害の人のための “発達障害者手帳”というものは存在しないのです。発達障害がある場合、精神障害者保健福祉手帳の対象として分類されています。厚労省精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準について障害者手帳があると就活でも活用できる従業員が一定数以上の規模の事業主は、従業員に占める身体障害者・知的障害者・精神障害者の割合を「法定雇用率」以上にする義務があります。(障害者雇用促進法43条第1項)民間企業の法定雇用率は2.3%です。従業員を43.5人以上雇用している事業主は、障害者を1人以上雇用する必要があります。一般枠で企業就労するのが難しい場合、障害者雇用枠で就労することができますが、その際に障害があることを証明する手帳が必須となります。しかし…・視覚障害、聴覚障害、上肢下肢の欠損、体幹障害による歩行困難など身体障害がなければ、身体障害者手帳の対象とはなりません。・(自治体によって異なりますが)東京都の場合、知能指数が76以上だったら療育手帳の対象とはなりません。愛の手帳について | 東京都保健福祉局精神障害があると認めたくない保護者もいる一定の知能指数のため療育手帳対象に該当しない、身体障害もないため身体障害者手帳の該当にならないとなると…残るのは“精神障害者保健福祉手帳”となります。すると、「うちの子は発達障害。精神障害ではない!」と憤る親御さんを見かけたことがあります。これに対して私は心の中で「いやいや、そうじゃないのよ。知的障害のない発達障害児が、障害者雇用促進法のもと、法定雇用率でカウントされて企業就労するには、なんらかの障害者手帳が必要。今の制度上では、知的障害のない発達障害児は精神障害者保健福祉手帳が必要となるのに」と呟きました。知的障害がなくても療育手帳の対象になる地域も発達障害のある人は知的障害がなくても、社会生活を送るにあたって多くの困難を伴います。社会生活での困難と言う面では、知的障害、精神障害、身体障害がある人と同じだと言えます。そのため、知能指数が療育手帳の範疇以上の人に対しても、療育手帳を発行している自治体もあるようです。全国的にこれが広まればよいと感じます。Upload By 立石美津子自己申告制日本の福祉は自己申告制です。親がわが子の障害に気づいて積極的に動くことで取得できます。精神障害者保健福祉手帳について紹介しましたが、こちらが取得できない場合もあると思います。たとえ障害者手帳の対象とならなかったとしても、障害福祉サービス受給者証をとって、福祉とつながっている人だということを示す方法もあります。「精神障害者保健福祉手帳が必要?わが子には精神障害はないのに!」と憤るのではなく、福祉サービス、制度を活用することで、わが子の将来の選択肢を広げられるかもしれません。精神障害者保健福祉手帳で雇用枠での就労を目指したり、受給者証で福祉サービスを活用したり、支援者につながる機会を増やすことが、わが子を守ることにつながるのではないかと思います。
2021年07月01日「頑張れ、フツウになれ」死を考えていた学生時代Upload By 桑山 知之2019年5月、ドキュメンタリーCM『見えない障害と生きる。』の取材で、筆者は初めて神山さんと出会った。「学校の先生が文字読めないなんて、悟られたくない。悟られちゃいけない」「どうやって死のう、ばっかり考えてましたね。『頑張れ頑張れ、フツウになれフツウになれ』って言われ続けると、そういうふうにならざるを得ない」彼は、文字が読めない教師。にこやかな表情とは裏腹に、これまで経験してきた生きづらさが言葉の節々からにじみ出ていた。岐阜市で生まれ育った、すぐに熱を出してしまう、体の弱い男の子。自分は文字が読めないと知ったのは、小学2年の道徳の授業だった。B4見開きのプリントの文章を読み、感想を書くという課題で、一時間経って読めたのはわずか3~4行だけだった。「ぼくはみんなと違う」――。それからは、どう叱られずに一日を過ごすかが神山少年の課題となった。教科書が丸々覚えられるようにと、3歳上の姉が音読してオープンリールのテープに吹き込んでくれ、擦り切れるまで聴いて授業に臨んだこともあった。それも小学校高学年になると、文量が増えて立ち行かなくなってしまう。Upload By 桑山 知之「先生たちにも『あいつはどうしようもないやつだ』って言われて。『学校に来る価値のない人間』とか『教室に入るな』とか、そういった言葉は日常茶飯事で。先生がそういう風にみんなの前で叱って、つるし上げたりすると、クラスの雰囲気もそうなって、いじめられました。みんなにバカにされていました」(神山さん)神山さんの母親は、端的に言えば世間体を気にしていたという。学校で何かがあると自宅に電話が入り、家に帰れば「あんたなんか産まなきゃよかった」「あんたのせいで近所も歩けない」と罵られた。中学、高校も含めて学生時代は「どうやって死のうか」とずっと考えていた神山さん。紆余曲折を経て選んだ道は、陸上自衛隊。活字とは縁遠い職業だった。つらい思いは自分で最後に…決断、そして教師へUpload By 桑山 知之18歳の神山青年は、2等陸士として京都・宇治市にある駐屯地にいた。誰も自分のことを知らないところへ行って、人生を再出発させる。体力に自信がある神山さんにとって、文字を使わないこの仕事はまさに天職だった。2年ほど過ごし、自衛隊の中で成人式をやってくれることになった。「上官が『今までの20年間をしっかりと振り返って、今後どう生きていくか人生設計を立てなさい』と話をしてくれて、考える時間もくださって。そこで、自分のようにあんなにつらい思いをするのは自分で最後にしよう、そういう教育者になりたいな、自分がそういう教育を変えていけるようにしたいなと思ったんです」(神山さん)Upload By 桑山 知之すぐに上官と相談して、夜間の短大に通い始めた。朝6時に起きて夕方まで訓練をやったあと、大学に行き、帰ってくるのはいつも23~24時だった。それでも、「同じ苦しみを抱えている子たちを放っておけない」という一心で頑張れた。そして23歳の頃、教員採用試験に合格した。しかし、教え子に対しては、なかなか自分の苦手さを伝えられずにいたという。「教科書は前日に丸暗記して、読んでいるフリをしていました。技術科の教師だったので、技術科の教科書と、自分が担任するクラスの道徳の授業ですね。行頭の文字とかキーワードだけで、そのあとの文章が出るように覚えたり。丸々暗記しようと思うと大変ですけど、段落の頭でその段落が思い出せるように、ブロックで覚えるのを毎授業やってました」(神山さん)27歳で知った自分はディスレクシアUpload By 桑山 知之自己の学習障害を隠したまま、神山さんは通常学級を6年間受け持った。そんなとき、NHKのとある番組でアメリカの小学校のことが報じられていた。それがディスレクシア(識字障害)だった。「そこではディスレクシアとかいう言葉は使われていなかったですね。読み障害とかそういう感じ。でもアメリカは移民の国なので、そういう子たちのプログラムで教育は保障できるっていう。その子たちの特性はこうです、というもの全部が自分に当てはまるから、本当に驚きました」(神山さん)その後、神山先生は特別支援学級を受け持つようになる。テレビでディスレクシアを知って「自分の中でつっかえていたものが取れた」ため、自分の苦手なこともすべてオープンに話した。劣等感を抱えている子どもたちの心に寄り添うことができた。Upload By 桑山 知之特別支援学級を5年間受け持ったあと、特別支援学校で17年間にわたり勤務。そして、主幹教諭という立場で3年間、岐阜市内の小中高などを回っていろんなアドバイスや支援をおこなった。いつしか神山さんの存在は全国各地で知られるようになり、講演依頼が絶えないほどになった。現在は、岐阜市内の小学校の用務員をやりながら、子どもたちや保護者らの相談を受けている。「日本の教育って無意識に人との比較をしてしまっているんですよね。人との比較で自分を評価することを学んでしまっているんです。それよりも、過去の自分と比べる方が自然かなって。もっと言えば、『あなたはそのままでいいんだよ』ではなくて、『あなたはあなただからいいんだよ』って僕は言いたいです」(神山さん)Upload By 桑山 知之平成元年愛知県名古屋市生まれ。慶應義塾大学経済学部在学中からフリーライターとして活動。2013年に東海テレビ入社後、東京支社営業部を経て、報道部で記者/ディレクター。2018年から公共キャンペーンのプロデューサーとして「いま、テレビの現場から。」や「見えない障害と生きる。」、「この距離を忘れない。」といったドキュメンタリーCMを制作。主な受賞歴は、日本民間放送連盟賞CM部門最優秀賞、ACC TOKYO CREATIVITY AWARDSゴールド、JAA広告賞 消費者が選んだ広告コンクール経済産業大臣賞、ギャラクシー賞CM部門優秀賞、広告電通賞SDGs特別賞など。取材・文:桑山知之取材協力:若者支援ネットワーク研究会in東海
2021年06月23日「できるけど疲れる」ことがたくさんある筆者が吉川先生を知ったのは、2018年11月にNHK総合で放送された『発達障害って何だろうスペシャル』だった。千原ジュニアさんや南沢奈央さんらをMCに据え、スタジオには小島慶子さんのほか、筆者がテレビ取材もさせていただいた“トリプル発達障害”の漫画家・沖田×華さんも出演。そこでの吉川先生の発言に、思わず膝を打った。「発達障害のある方に関して『何かができるかできないか』っていうことだけで見ると、見誤るんですね。『できる』と『できない』の間に『できるけど疲れる』ことがたくさんある」(吉川先生番組内で)誤解を恐れずに言えば、吉川先生はちょっと異質的な存在だ。元々教員になりたかったが、学校教員の文化が自分に合わないことに高校時代に気づき、子どもの精神科医という道を選んだ。大学教員などを経て「自分は研究者向きではない」と感じたといい、現在では多くの発達障害当事者や養育者に支持されている。Upload By 桑山 知之「“正確さを犠牲にした分かりやすさ”っていうのを意識しているんです。専門の研究者って、正確さを大事にしなきゃいけない立場ですよね。正確さを犠牲にできないじゃないですか。でも僕は研究者ではないから、『誤解を招きかねないけど分かりやすい』ということがいくらか許される立場なんです。研究者になってしまうとできない表現や書き方ができるというのが、研究者ではない医者の特権かなと」(吉川先生)確かに、前述の「できるけど疲れる」ことがたくさんあるというのは、それに当てはまらないケースがあるのも事実だ。しかしながら、発達障害の苦しみを理解するうえでは非常に分かりやすい表現だといえる。福祉や法律といったあらゆる領域をまたいでいるからこその見識の深さを、自身は「ひとつの領域を突き詰めるというのがあんまりできなくて……」と謙遜する。Upload By 桑山 知之この子、発達障害かも?まずは「人手集め」から我が子にADHDや自閉症スペクトラム障害のような特性がみられた場合、多くの養育者はまず子どものことを理解しようと、発達障害の知識を蓄えることからスタートしてしまいがちだ。しかし、吉川先生によれば、まず「人手をできる限りたくさん集める」ことが入口として一番“無難”だという。「人手が足りないときに知識だけ集めたり、トレーニングだけ受けたりすると、わりとややこしいことになるんですよね。例えばこの子に何か新しいことを好きになってもらおうとすると、ちょっと演出しないと難しいよって。お母さんが歯磨きをしたあとに、すぐに僕もやる!ってなる子は歯磨きを覚えさせるのも難しくないんだけど、真似っこしたい気持ちが弱い子に対しては歯磨きって楽しいんだよっていうか、何かひと手間ふた手間かけないと歯磨きが好きにならないし、できるようにならないかもしれない。だから今、この子の子育てで何かを好きにさせるためにもできるようになるためにも、もっと言うと虫歯にさせたり怪我をさせたりしないためにも、余分に人手が要りますよねっていうところを共通認識にしていくことが入口なんですよね」(吉川先生)Upload By 桑山 知之あくまで順序としては人手、すなわちマンパワーを集めることが最優先事項。それがひと段落したあと、知識や技術を身につけていく。そのためにも、家族以外からサポートを受けることが精神的な支えになるそうだ。一般的には母親が先に気づいて父親はあとからついてくることが多いが、夫婦間だけでなく祖父母世代との間でも「足並みが揃うまでに時間がかかる」ことは多い。「早い時期に関わる支援者はつい子どもの特性とか子どもに対する関わり方をどんどん伝えたくなるんですけど、それよりも先にどうやってお父さんと足並みを揃えるのか、おじいちゃんおばあちゃんへの説明をどうしようか、っていう相談に応じていただいたほうがいいと思います」(吉川先生)Upload By 桑山 知之「できたら褒める」は要注意「挑戦したら褒める」にシフトをドキュメンタリーCM『見えない障害と生きる。』を放送したのは2019年5月。発達障害は、ここ5年ほどの間に急速な認知が広がったように筆者は感じている。こうした中、人手を含めたリソースの供給などが追いついていないと吉川先生は話す。「社会の認め方もそうですけど、当事者やその身近な方の認め方も確実に変わってきているというのは、確実にそうですね。ただ、変わってきているのも、いいところも悪いところも両方あるかなって思っています。必要な方が援助にたどり着きやすくなったってことはあると思うんですが、急速に知識だけが広がってきたので、支援のためのリソースがまだ充分足りていない。文化の変化というか、そういう人たちがたくさんいるんだっていうのを含んだ“文化の成熟”っていうのも遅れているんじゃないかなと」(吉川先生)Upload By 桑山 知之吉川先生は、発達障害の有無にかかわらず子育てをする中でつい陥りがちなことがあると指摘する。それは、「できたら褒める」ということだ。「できたら褒められるっていうのを子どもが学びすぎると、大人が好きなのは完成と達成と勝利だけと思ってしまうんですよね。そうすると、どうせ達成できないから僕はやらない!ということになってしまう。発達障害のあるお子さんの中には、難しそうな課題は手を出さなくなる子が一定の割合でいるんです。どちらかというと、『挑戦したら褒める』作戦でいく方が、子どもを育てやすくなると思います」(吉川先生)Upload By 桑山 知之完成と達成にフォーカスするよりも、何かに取り掛かり始めたところで応援することに軸足を置いた方が育てやすいという。特に、きょうだいの中に発達障害と定型発達の子がいたり、知的障害のある子がいる場合、完成と達成を評価してしまうと他方への褒め方が見つからなくなる。それよりも、挑戦に対して「ナイストライ」「いいチャレンジだったね」と声を掛ける方が“辻褄が合いやすい”と吉川先生は話している。Upload By 桑山 知之平成元年愛知県名古屋市生まれ。慶應義塾大学経済学部在学中からフリーライターとして活動。2013年に東海テレビ入社後、東京支社営業部を経て、報道部で記者/ディレクター。2018年から公共キャンペーンのプロデューサーとして「いま、テレビの現場から。」や「見えない障害と生きる。」、「この距離を忘れない。」といったドキュメンタリーCMを制作。主な受賞歴は、日本民間放送連盟賞CM部門最優秀賞、ACC TOKYO CREATIVITY AWARDSゴールド、JAA広告賞 消費者が選んだ広告コンクール経済産業大臣賞、ギャラクシー賞CM部門優秀賞、広告電通賞SDGs特別賞など。取材・文:桑山知之取材協力:若者支援ネットワーク研究会in東海
2021年05月17日いじめで引きこもりに…「半分死んでいた」飲食関係の会社で働く父親と、元保育士の母親のもとで育った古橋さん。6歳上の姉とともに暮らしていた。中学1年の10月ごろから不登校になった。原因は、小学生時代から続いたいじめだった。「人がもうダメになって。小学校6年の終わりにいじめが始まったんです。小学校の人たちと縁が切れて、中学校に入ったら中学校で縁ができた人たちにもいじめられて……。あぁ、ちょっと無理、ってなって。自分の中で、引きこもりになるってことはすごくいけないことをしたっていう、人を殺すよりもいけないことをしたって考えていました。当時は、信号の赤を渡ったら地獄に落ちるぐらいの勢いで凹んでいたから。だからもう引きこもりになるってことは死ぬっていうか、半分死んでいるみたいな。生きてはいるけど。なんか死んではいないだけって感じで捉えていました」(古橋さん)Upload By 桑山 知之よく忘れ物をする子供だったという古橋さん。引きこもっている間に、自閉症スペクトラム障害だと診断を受けた。19歳の頃、鬱のため通院もしたが、なんとか苦しみを乗り越え、愛知県内にある通信制の高校や放送大学を卒業した。その後、就労支援のサービスを受け、エクセルやワードなどの資格を取得。2019年、晴れて貸し会議室などを運営・管理する会社にパートとして就職した。業界大手の一流企業だ。「その会社は時給社員っていう肩書きがある会社でした。社員だけどパートっていう、契約社員でも正社員でもなかった。営業の人が使う情報を入力して、資料を作成するような仕事ですね。そういったところでVBA(ビジュアルベーシック・フォー・アプリケーションズの略。Microsoft Officeに含まれるアプリケーションソフトの拡張機能のこと)を 使って、メールの下書きが自動で作れるようにしたりしていました」Upload By 桑山 知之襲い掛かった“コロナショック”就職から1年余りで週4日勤務、時給900円。手取り月収はおよそ7万円。決して裕福な生活こそできないが、それでも古橋さんは「正社員のような長時間労働は自分には難しいだろう」と、無理をせずに仕事に励んでいた。しかし、世界的なパンデミックの波が、古橋さんを襲った。「去年の春からコロナが流行って、不要不急の業務はやめるってことになって、お休みになったんです。それからずっと自宅待機になって、結局9月に退職しました。貸し会議の業界自体がお客さんを集めて運営するようなものなので……。人が集まれない状態ですから」(古橋さん)Upload By 桑山 知之「密を避ける」という時節柄、部屋に人が集まって会議をするという需要は激減した。自宅待機中、古橋さんは雇用調整助成金のおかげで給料のうち6割は支給されていたものの、「会社も運営が難しくなって人員を減らさないといけなくなり、その関係で切られた」という。現に、古橋さんと同じ立場であるパートは全員退職していた。「そりゃショックでしたよ。でも、しょうがないかなっていう思いが強かったですね。だってコロナの状況でしたし。なんでこうなったのかっていうのも、自分のせいじゃないってわかるし。じゃあ、就職活動頑張らなきゃなって」(古橋さん)Upload By 桑山 知之コロナと距離「自分を受け入れてほしい」元々は正社員志望だったという古橋さんだったが、飲食関係の中小企業で正社員として働く父親が朝から仕事に出て、翌日未明の2時や3時まで自宅に戻らない姿を見て、子どもながらに「これは無理だ」と悟った。社会情勢の影響を受けるのは経済面などで「弱い立場」の人間であることが多い。旧来の“当たり前の幸せ”すらまともに享受できない現代において、新型コロナウイルスは、こうした社会と市民との距離をはっきりと顕在化させているのではないかと筆者は思う。「いま、社会に望むことはあるか」との問いに、古橋さんはこう即答した。「そりゃあ自分を受け入れてほしいってことじゃないですか。社会に出て、パートナーを得て、家族ができて、成功できればなって。社会に受け入れられるっていうのは、僕はその2つだと思います」(古橋さん)社会との距離をあぶり出した、新型コロナウイルス。引きこもりで通信教育だったため友達作りの場が不足していた古橋さんは、親以外に相談相手がいない。取材中も「僕たちには相談相手が必要だ」としきりに話していた。古橋さんに愛情を注ぎ続けていた母親は、取材時にガンで入院中だった。その後、3月18日に息を引き取ったという。Upload By 桑山 知之Upload By 桑山 知之正しいからおもしろい行き着いた“適者生存”古橋さんは、去年11月から再び就労支援のサービスを受け始めた。幸い、以前も担当していたスタッフが在籍しており、また受け持つことになったそうだ。古橋さんがいま大切にしていること。それは「正しくないとおもしろくない」ということだ。「別に誰かに正しさを教えられたわけじゃないけど、自分の中でいつのまにか形成されたこだわりなんです。正しくないと楽しくないし、おもしろくないんです。正しくないよりは正しいことを楽しく感じますし」(古橋さん)Upload By 桑山 知之図書館に行っては歴史や社会、政治、自然科学といった専門書ばかりを読み漁る。その中で、ある言葉と出会った。いまの古橋さんの心を支えているという。「自分が最近好きな言葉が『適者生存』で。適しているから生き残るっていう意味らしいんですけど、実はそうじゃないんですよね。生物学の本に書いてあったんですけど、『生き残ってるのがすべて適者なんだ』って考え方なんです。適してないものは滅ぶんじゃなくて、すでに滅んでるんだって。だから、発達障害があるってことは環境に適していないっていうことではなくて、『生きているってことはすでに適している』っていう意味で適者なんだって」(古橋さん)Upload By 桑山 知之Upload By 桑山 知之平成元年愛知県名古屋市生まれ。慶應義塾大学経済学部在学中からフリーライターとして活動。2013年に東海テレビ入社後、東京支社営業部を経て、報道部で記者/ディレクター。2018年から公共キャンペーンのプロデューサーとして「いま、テレビの現場から。」や「見えない障害と生きる。」、「この距離を忘れない。」といったドキュメンタリーCMを制作。主な受賞歴は、日本民間放送連盟賞CM部門最優秀賞、ACC TOKYO CREATIVITY AWARDSゴールド、JAA広告賞 消費者が選んだ広告コンクール経済産業大臣賞、ギャラクシー賞CM部門優秀賞、広告電通賞SDGs特別賞など。取材・文:桑山知之取材協力:若者支援ネットワーク研究会in東海LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年04月25日音楽や映画などを中心としたエンタメ系のフリーライターとして活躍する吉田可奈さんは、仕事をしながら2人の姉弟を育てるパワフルなシングルマザー。しっかり者の姉 “みいちゃん”と知的障害を抱えた弟 “ぽんちゃん”との日々を綴ったエッセイ&マンガ『うちの子、へん?』(扶桑社刊)が今話題になっています。第1回では他の子との違いに気付いたきっかけや、障害を持つ子どもとの向き合い方について、第2回ではシングルで育てるためのさまざまな工夫や、実際に利用しているサポートなどについてお話を伺いました。そして、インタビューの締め括りとなる今回。子育てをする中で傷ついた言葉や救われた言葉、幸せに感じる瞬間について語っていただいています! 障害児を育てるママへの接し方は難しい-吉田さんとお話していると明るくさっぱり伝えてくださるのであまり悲壮感を感じないのですが、過去に言われて傷ついた言葉ってありますか? 吉田さん:エッセイにも書いたんですけど、母親に「いつ普通になるのかね」と言われた時は、すごく傷ついたというか、頭に来ましたね。「普通って何?」みたいな。あと、障害を持った子と触れ合ったことがない人たちに、遊んでいる姿を見て「そうは見えないのにね」「いつか喋れるようになるよ」と言われた時は、モヤモヤしました。 -障害のあるお子さんを持つママへの接し方って、傷つけるつもりでなくても傷つけてしまうこともあって、難しいと感じることがあります。 吉田さん:そうですよね。慰める気持ちや、相手を安心させようする優しい気持ちで言ってくれていることは分かっているんですよ。でも、実際にそういう言葉を聞くとやり切れない想いになってしまうんです。もし、身近にそういうママがいたとしたら、普通に話を聞いてあげるだけで十分だと思います。当事者にしか分からないことが多いし、変なアドバイスとかは逆撫でしてしまうことも多いと思うので。普通の会話の中で向こうが聞いてきたら答えるくらいで良いんじゃないでしょうか。 -障害の有無関係なく、人の家の子育てに口を出さないで!ってことですね。 吉田さん:まさに、簡潔に言うならそれです!障害って、うちの子みたいな言語障害にも知的障害がある場合とない場合があるし、自閉症やダウン症にもいろんな種類があって、本当に1人1人全然違うんですね。それなのに、「あの自閉症の子はこうしたからあなたもこうしてみたら?」とか、「あのダウン症の子、すごく書道が上手だからあなたも習わせてみたら?」とか言われると……。その人が良かれと思って言ってくれているのは分かるし、ありがたいとも思うんですが、どうしても素直に受け止められないんです。 -もし、障害児を育てているママ友がいて、すごく苦しんでいたとしたら、どうするのがベストなんでしょう? 吉田さん:何かママ自身がリフレッシュできることを考えてあげてみてはどうでしょうか。一緒にどこかに出かけたり、美味しいものを食べたりとか、そういうことが喜ばれるんじゃないかなと思います。あと、子どもたちを一緒に遊ばせてあげる。力の加減が分からないから強く掴んじゃったりすることもあるし、難しいんですけどね。そこはもちろん、ママが責任を持って制するようにして。全部理解して欲しいなんてワガママなことは言わないから、ある程度そういう子なんだというのを分かったうえで一緒に公園で遊んでくれたりするだけでも嬉しいものです。 障害を「逆手に取ろう」という言葉に救われた-なるほど。では、逆に救われた言葉や出来事はありますか? 吉田さん:同じマンションに住んでいた自閉症のお子さんを持つママに「うちの子に障害があるかもしれない」と伝えた時、「じゃあそれを逆手に取って遊ぼうよ」って言ってもらったことですね。知的障害者に交付される【愛の手帳】(※1)というものがあって、それを持っているとテーマパークでも列に並ばずに遊ばせながら待ち時間を過ごすことができたり、交通機関が割引になったり、旅行が格安で行けたりするんですよ。そういうのを使ってどんどん遊びに行こう!って。 ※1愛の手帳…東京都が知的障害者(児)に対する社会の理解と協力を深めるために交付している手帳。障害の程度によって、1度から4度に区分される。東京都以外では「療育手帳」が交付されている。 -すごく前向きな言葉で、励まされますね。 吉田さん:本当に、その言葉にはすごく救われました。今はちょっと遠いところに住んでいるのですが、今でも年に1回くらい会っていて、相変わらずすごく明るいし、勇気をもらえます。しかも、その自閉症の子は、知能指数(IQ)と日常生活の様子を見る障害の判定基準をクリアすることができて、最近手帳を返還したんですよ。そういうやり方もあるんだという前例を見せてくれることで、希望が持てました。私のところにも「実は誰にも言えなかったけどうちの子もそうなんです」とか、「今3歳で、障害があって絶望していたけど元気が出ました」とかDMが送られてきたりして、自分がこうやってぽんちゃんとのことを話すことで、安心してくれたりとか元気になってくれたりするのがすごく嬉しいです。 -先が見通せるって安心しますよね。 吉田さん:そうなんですよね。小学校に上がることすら怖いかもしれないけど、そこはぽんちゃんを見て、デイサービスに通わせれば日中ママは普通に働けるんだとか、そういうことを知って安心してもらえたら。極論的に言えば、健常児であってもこの先、何があるかわからないですよね。未来のことは誰にも分からないし、先のことを憂いて暗くなるよりも、今日はこれが楽しかったねって毎日楽しいことを積み重ねて10年過ごした方が絶対に良いと思うんです。 3人で入るお風呂がコミュニケーションの時間 -子育てする上でのこだわりや譲れない部分ってありますか? 吉田さん:ずっと大事にしていたのは、オン/オフをちゃんと切り替えることですね。お姉ちゃんが小学生のうちまでは、土日は仕事を入れないようにして必ず出かけていました。ちょっと遠出をしたりとか、泊まりがけで旅行に行ったりとか。2ヶ月に1回くらいは旅行に行っていたと思います。 -すごいパワフル。では、お子さんを育てている中で特に楽しい、幸せだなと感じる瞬間はどんな時ですか? 吉田さん:お姉ちゃんが今年で中学2年になるんですけど、すごく良い子に育ってくれていて。友だちみたいにAbemaの恋愛ドキュメンタリーを一緒に見たり、原宿に遊びに行ったりできて、すごく楽しいですね。ぽんちゃんも、そこに対して「やだ」とかが一切なくて、どこでも付いてきて楽しんでくれるんですよ。とにかくぽんちゃんはかわいいです(笑)。ビジュアルもかわいいし、言葉を発さないから生意気なことも言わないし、毎日かわいいね、かわいいねって言っています。あと、今でも毎日3人でお風呂に入っているんですけど、それが楽しくて。そこだけがちゃんとコミュニケーションがとれる時間というか、お風呂には携帯も持ち込まないしテレビもないから、その30分くらいはみんなでギャーギャー喋っています。成長するにつれてどんどん湯船が窮屈になってきているんですけどね(笑)。 -それは素敵ですね。最後に、2人にどんな子に育って欲しいですか? 吉田さん:今、本当に2人に対して不満がないんですよ。お姉ちゃんは中学生になって友人関係とかもいろいろ複雑になっていく年頃ですが、そういう中でも客観的に物を見て上手くサバイブしているので、それはそれで良いなと思っていて、ぽんちゃんもすごく人懐こいので、どこでも上手くやっていけるタイプだと思うんです。2人とも、そのまま楽しく毎日を過ごしていってくれたら良いなと思います。 3回にわたりお届けしてきた吉田可奈さんのインタビュー。知的障害を持つ子どもをシングルで育ててきた経緯や工夫、考え方などについて語っていただいきましたが、終始明るく前向きで、聞いているこちらが幸せな気分になり、元気をもらえました。きっと、この10年の間には大変な思いや出来事もあって、これから壁にぶつかることもあるかもしれませんが、しっかり者のお姉ちゃんと可愛いぽんちゃん、そしてパワフルなママの3人であれば、どんなことも負ける気がしませんね。同じ境遇のママや子育てに悩んでいるママも、吉田さん一家のポジティブな空気を感じて元気になっていただけたら幸いです! PROFILE:吉田可奈さんエンタメ系のフリーライターとして活動しているシングルマザー。13歳、10歳の子どもを子育て中。発達障害・知的障害の子どもに関する著書を出版している。
2021年04月18日音楽や映画などを中心としたエンタメ系のフリーライターとして活躍する吉田可奈さんは、仕事をしながら2人の姉弟を育てるパワフルなシングルマザー。しっかり者の姉 “みいちゃん”と知的障害を抱えた弟 “ぽんちゃん”との日々を綴ったエッセイ&マンガ『うちの子、へん?』(扶桑社刊)が今話題になっています。前回は、他の子との違いに気付いたきっかけや、障害を持つ子どもとの向き合い方についてお話を伺いました。 今回の記事では、シングルで育てるためのさまざまな工夫や、実際に利用しているサポートなどについて語っていただいています! じぃじとばぁばにお金を払ってサポートを依頼-シングルマザーで2人のお子さんを育てていて、さらに下の子に障害がある状態って大変だと思うのですが、実際に苦労したことなどありますか? 吉田さん:うちは本当に、運が良かったというか。シングルになると大体は経済面やサポートの面で苦労すると思うのですが、私の場合、1冊目に出した本『シングルマザー、家を買う』(扶桑社刊)にも書いたように、実家の目の前に良い物件を見つけて、両親のサポートを受けることができたんです。 -それが今住んでいらっしゃる家ですか? 吉田さん:はい。私が死んでも子どもたちが雨風をしのげる場所が欲しくて、離婚届を出したその足で不動産屋に行ったんです。そうしたら、運良くこの家に出会えて、30年ローンで購入しました。団地なんですけど、80平米もあって実家の目の前。その頃は年収が200万円くらいしかなかったのでローンを組むのは勇気が要ったのですが、当時の収入でも無理のない月額4万円の返済で契約したので、その後も経済的にかなり助かっています。 -ご両親のそばだとサポートしてもらいやすくて良いですね。 吉田さん:本当に、じぃじとばぁばには助けられていますね。私の仕事はライブレポートとかもあって週1〜2回は夜遅くなるので、そういう時はじぃじが家に来て泊まってくれたりとか、上手くサポートを受けて仕事ができています。コロナで緊急事態宣言が出てからは夜の仕事がほとんど無くなったので、だいぶラクになりましたけど。あと、うちの場合は完全に頼りきるのではなく、金銭が発生しているんですよ。年始に1年分としてある程度の金額を振り込んでいるんです。 -金銭が発生しているのは面白いですね。親しき仲にも礼儀あり、ということでしょうか。 吉田さん: どうしても食費など、子供を預けるのであれば発生する金額があります。それを振り込むことで、両親の負担が金銭面だけでも減るのであればと思い、年に1度、まとめて振り込むようになりました。 シングルでいることで逆にストレスフリーでいられる -じぃじとばぁばのサポートがあるとはいえ、やはり働きながら子育てするのは決してラクではないのでは? 吉田さん:今までシングルの状態でしか子育てしていないので、他とくらべて大変なのかどうかはよく分からないです。よく友だちかから旦那さんへの不満で「何もしてくれない」とか、「こういう扱いを受けている」とか聞くじゃないですか。うちの場合はそこに関しての悩みがひとつもないから、むしろすごくラクなんですよね(笑)。1人だったら自分でやるしかないし、期待する相手もいないじゃないですか。家事効率も完璧なんですよ。何時何分にご飯が炊けて、何時何分に風呂に入れて、何時何分に寝られて、何時何分から仕事ができて……という、完璧なタイムスケジュールで進められるんです。子どもたちも、上の子は中学生なので自由にやっているし、ぽんちゃんは「こうするよ」って言えば全部「はーい!」って素直にやってくれるし。やっぱり、同じくらいの年齢で同じくらいの思考を持った人が近くにいると、すごく面倒くさいんだろうなと思いますね(笑)。 -人にペースを乱されることがないっていうのは確かにストレスフリーですね。 吉田さん:そうそう。全然ラクです。 障害児手当と放課後デイケアサービスに助けられる毎日 -ほかにサポートなどを受けたりしていますか? 吉田さん:シングルマザーに【母子手当】(※1)が出るのはご存知の方も多いと思うのですが、あれって所得制限があって、たしか230万円を超えると貰えないんですよ。(母1人子ども1人の母子世帯で、一部支給額が支給される場合)普通にフルタイムで働いたらそんなの余裕で超えちゃうじゃないですか。私も離婚後1~2年くらいしかもらっていませんでしたし。ただ、私が受給してもらっている障害児手当【特別児童扶養手当】(※2)には助けられています。医師に診断書をいただき、審査に通れば受給できるのですが、結構知らない人が多いんです。障害の状況に応じて1級だと月5万円くらいと結構手厚いので、知的障害があるならすぐにでも調べて利用した方が良いと思います。 ※1母子手当(児童扶養手当)…離婚による母子世帯など、父又は母と生計を同じくしていない児童が育成される家庭の生活の安定と自立の促進のために支給される手当。※2特別児童扶養手当…精神又は身体に障害を有する児童を家庭で監護、養育している父母等に支給される手当。 -なるほど、そういうものを駆使すればシンママでもガッツリ働きながら育てられると。 吉田さん:そうですね。あとは、小学校に入ったら障害児向けの放課後デイサービスがあるので、それもおすすめです。うちは曜日別で2カ所に通わせているんですけど、そこが本当に手厚くて、小学校まで迎えに行ってくれて、18時過ぎになったら自宅まで送ってくれるんですよ。さらに土曜日でもイベントをやってくれたりするので、すごく助かっています。 -デイサービスを2カ所利用しているのはどうしてですか? 吉田さん:良さげなところを探したんですけど、保育園と一緒で空きがないと入れないんですよね。それに、入りたいところと入れるところが違っていたりもして。結局2カ所に通うことになってしまったのですが、今となってはそれが逆に良かったなと。 -空きがなかったからなんですね。でもなぜ、結果的に良かったと? 吉田さん:親だけが見ていると子どもの変化って分かりづらいけど、より多くの大人がぽんちゃんの存在を知って見てくれていることで、昨日の状態と今日の状態が違うことに気付けたりするんです。例えば、うちの子は金曜日だけ違うデイサービスに通わせているのですが、そこでは気づけなかったことに別の曜日で気付いたり、またはその逆があったりとか。私はそのデイサービスのことをめちゃくちゃ信頼しているんですけど、知的障害があって喋れないので、何があったとかも言えないじゃないですか。虐待などのニュースも日々ある中で、リスクを分散するというのはすごく大事だなと思います。 -病気の発見とかにもつながりそうですね。 吉田さん:うちの子は隠すことができないので、分かりやすいと言えば分かりやすいんですけどね。中には優しくて気を遣っちゃう子もいて、そうすると、嫌な目に遭っていても一切表情に出なかったりして、そういうところは気を付けてあげないといけないなと思います。あと、デイサービスに通わせてから、私は全然知らない人がぽんちゃんのことを知っていたりするんですよ(笑)。他の施設に通っている子のママに駅で声をかけられたりとか、郵便局に行ったら職員さんが「あ、ぽんちゃんだ」って声をかけてくれたりとか。結構いろんな場所に散歩に連れて行ってくれているみたいで、見守ってくれている大人が増えて、本当に助かっています。職員さんのお給料上げて欲しいくらい(笑)。 -なかなか昼間に出かけられないご家庭だと特に有難いですね。 吉田さん:本当に。1人で不安や大変さを抱え込む必要はないし、そういうサービスや支援に頼ることはすごく大事だと思いますよ。 働きながらシングルで障害のある子どもを育てるためのさまざまな工夫や、実際に助けられているという行政支援、民間サービスなどについて、メリット・デメリットも含め詳しく教えていただいた今回。次の記事では、子育てをする中で傷ついた言葉や救われた言葉、幸せに感じる瞬間について語ってもらいました。次回もお楽しみに! <第3回につづく>PROFILE:吉田可奈さんエンタメ系のフリーライターとして活動しているシングルマザー。13歳、10歳の子どもを子育て中。発達障害・知的障害の子どもに関する著書を出版している。
2021年04月17日3人の息子さんを育てる母親、TOPPU(@toppu_ayu)さん。発達障害を抱える長男との、『9年間』の出来事をTwitterにつづっています。投稿には、発達障害の当事者や関係者から反響が相次ぎました。母親がつづった長男との9年間ラストに胸が熱くなる「お子さんは、障がいを持っています」小学校の教育委員会から突然いわれた、そんなひと言に、母親は戸惑いを隠せなかったといいます。わらにもすがる思いでたどり着いた療育施設のスタッフからは、「もっと子供をよく見て。将来、犯罪者になるよ」といわれたこともあったそうです。そして、長男は小学3年生から『特別支援学級』へ行くことになります。※写真はイメージ小学校生活は、決して楽なものではありませんでした。友達と上手く関われず、人前に出ることが苦手だった長男は、行事のたびに「やらない。できない」といって泣いてばかり。長男だけでなく、次男や三男の世話もしながら家事や仕事に追われるうちに、母親の心は限界を迎えようとしていました。※写真はイメージ少しでも長男を理解するため、障がいについて学んでいったという、母親。そんな日々の中、唯一長男と一緒に楽しめたのは、走ることでした。中でも長男は『長距離走』が得意で、母親のこぐ自転車の横で走る姿は、とても生き生きとしていたそうです。そんなある日、長男はこんなことをいいます。「アイスホッケー、やってみたい」※写真はイメージ「チームプレーは難しいのでは」という不安を抱きつつも、アイスホッケーをやらせてみた母親。すると、長男はほかの子との交流こそないものの、黙々と競技に取り組み、チームの卒団までやり切ったのです。そして、小学校の卒業が間近となった日、息子さんは母親にこう告げます。「俺は、もう大丈夫」「俺は、もう大丈夫だから」もしかしたら長男は、「母親に心配をかけている」と感じていたのかもしれません。少しずつ成長する長男。中学校へ入ると、母親と相談した上で部活動は『陸上』を選びました。すると、小学生の頃のアイスホッケーや長距離走の経験が強みとなり、めきめきと頭角を現していきます。そして最後は、アンカーに選ばれるほどの活躍を見せたのでした。※写真はイメージ「進路は自分で決めて、陸上でさらに上を目指したい」「やらない。できない」といって泣いてばかりいた、長男の姿は、もうここにはありません。長男は、自分でやりたいことを見つけ、志望の高校へ見事合格を果たしたのです。長男のやりたいことを全力で応援し続けた、母親。例え障がいがあっても、息子さんは自分で大きな一歩を踏み出すまでに成長していたのでした。小学校の入学の知能検査で引っかかり、なんの知識もない私に「お子さんは障害を持ってます」と言い切った教育委員会の人が始まりで、「なんでそんな事いきなり?!」となって普通級で入学。初めての参観日で全然ついていけてない長男を見て、発達障害を学んでる人に話を聞きまくった9年前。→— TOPPU(´-ω-`)★ (@toppu_ayu) March 15, 2021 親子二人三脚で過ごした9年間の話には、多くの人が心を打たれ、このような声が上がっています。・「俺はもう大丈夫」という言葉に涙。息子さんも投稿者さんも、たくさんの苦労をしたのでしょうね。本当に尊敬します。・うちの子も、大変なことが多かったけれど周りを気遣える、優しい子に育ちました。読んでいて自分と重ねてしまい、涙が止まりません。・子育てをしていると、不安に押しつぶされそうになる時がありますが、我が子を信じて「やりたいことを伸ばしてあげたい」と思います。最後に投稿者さんは、「私たちだけの力ではなく、周りの人にたくさん助けてもらいました。相談に乗ってくれた周囲の人たちに心から感謝しています」と話しています。子育てをしていると、心がちぎれそうなほどつらい出来事や、先の見えない不安もあるでしょう。それでも、最後まで我が子を信じて見守り続け、子供が自分の足で歩いていけるようにすることが大切なのかもしれません。投稿全文はこちら小学校の入学の知能検査で引っかかり、なんの知識もない私に「お子さんは障害を持ってます」と言い切った教育委員会の人が始まりで、「なんでそんな事いきなり?!」となって普通級で入学。初めての参観日で全然ついていけてない長男を見て、発達障害を学んでる人に話を聞きまくった9年前。→— TOPPU(´-ω-`)★ (@toppu_ayu) March 15, 2021 たどり着いた療育者に「もっと子供をよく見て。将来、犯罪者になるよ」と言われて泣きながら担任に相談しに行った。コーディネーターの方も間に入り、発達検査を受けて、あれよあれよという間に診断もついた。病院と繋がり、色々な手続きを踏まえて3年生から特別支援学級在籍になった。→— TOPPU(´-ω-`)★ (@toppu_ayu) March 15, 2021 その間に三男は産まれ、次男も年子だから入学し、登校渋りがあって母子登校。仕事もしてたし、本当にボロボロだった。家の壁にはやる事を書いた紙を貼り宿題を見ながら家事もやり、帰宅した子供達と公園に行く日々。当然、友達とも上手く関われず行事の度に「やらないできない」で泣いてばかり。→— TOPPU(´-ω-`)★ (@toppu_ayu) March 15, 2021 人前が苦手な長男は運動会なんて出られたもんじゃなく、何度も担任と掛け合ったけど理解してもらえず、無理矢理参加した形になり、運動会の途中で脱走して探した事もある。発達検査は母子分離ができなく同室なのにできなくて、日にちや場所を変えて行ったりもしてきた。何をやるにも泣いてばかり→— TOPPU(´-ω-`)★ (@toppu_ayu) March 15, 2021 学校にも謝ってばっかり。公園では楽しそうに友達同士で遊ぶ子の側で、1人でボール投げたり自転車乗ったり。「ママついてきて」がいつまで続くのかな‥って思いながら。行事も苦痛、レクも苦痛。他の保護者と話すのさえ苦痛だった。息子をもっと知りたくて、私はとにかく障害の情報を学びまくった— TOPPU(´-ω-`)★ (@toppu_ayu) March 15, 2021 唯一、長男とやってたのは走る事だった。彼は長い距離を走らせたら生き生きしていたから、三男を後ろに乗せて自転車を漕ぎ、次男も自転車で長男は走っていた。その頃から少しずつ、彼は変わっていき、放課後デイサービスに通ったりして体を動かして遊ぶ事が増えた→— TOPPU(´-ω-`)★ (@toppu_ayu) March 15, 2021 唯一、長男とやってたのは走る事だった。彼は長い距離を走らせたら生き生きしていたから、三男を後ろに乗せて自転車を漕ぎ、次男も自転車で長男は走っていた。その頃から少しずつ、彼は変わっていき、放課後デイサービスに通ったりして体を動かして遊ぶ事が増えた→— TOPPU(´-ω-`)★ (@toppu_ayu) March 15, 2021 そんなにやりたいなら‥と思い、ダメなら辞めたらいいぐらいの気持ちでやらせたら卒団までやり切った。ただ、他の子との交流はあまりせず黙々と言われた事だけやってた感じで、それもまた親として不安に思う事があったけど。小学校の卒業間際、彼は「俺はもう大丈夫だから」と言ってくれた。→— TOPPU(´-ω-`)★ (@toppu_ayu) March 15, 2021 何が大丈夫なのかはわからないけど1つ大人になった様な気がした。中学入学後は、チームプレーの壁について話し合い、納得の上で陸上を選んだ。小学生の頃から積み上げてきた長距離がとても強みになり、記録を出し、駅伝にも選ばれて出場した。最後はアンカーもやらせてもらった。→— TOPPU(´-ω-`)★ (@toppu_ayu) March 15, 2021 中学校生活では全く勉強には力を入れず‥笑、親もやりたい事しか応援しなかった。そうしたら、進路は自分で決めて陸上で更に上を目指したいと目標を持った。有言実行、行きたい学校に合格し今日、卒業を迎えた。長い長い9年間。すごく成長できた9年間。自分で選び、自分で決める。→— TOPPU(´-ω-`)★ (@toppu_ayu) March 15, 2021 この先、挫折の壁は絶対やってくるけど自分で決めたから乗り越えられるだろう。頑張れ。卒業式を終えて、さっき友達と遊びに出かけました。あの泣き虫君が、楽しそうに。親の役目はお小遣いを渡す事のみです。笑笑何が言いたいかと言うと‥先の事は誰にも分からない。→— TOPPU(´-ω-`)★ (@toppu_ayu) March 15, 2021 「今」発達障害という言葉で、立ち止まってしまったり、悩み悲観的になっている方もたくさんいると思う。私もそうだったし、当時の苦しみは忘れられない。そして保護者や周りの方は物凄い努力と大変さを感じて生きていると思う。それはこの先も続くと思う。我が家も、ずっと。→— TOPPU(´-ω-`)★ (@toppu_ayu) March 15, 2021 でも、環境を整えて出来る事が増えたら成長できるんだなって、今、思えました。報われない努力はない。「地域の小学校は無理だよ」と途中で言われた長男。色んな事があるけど本人の可能性を大切にしたいなと思いました。そして、お疲れ様、わたしよく頑張った!頑張った!笑— TOPPU(´-ω-`)★ (@toppu_ayu) March 15, 2021 たくさんの方から励ましや共感の声を頂きありがとうございます✨本当は1人ひとりにお礼を伝えたい所ですが、ここでまとめてのお礼ですみません♀️私目線で書いた事、息子からしたら「美談でまとめるな!」と怒られそうです‥笑きっと彼は私が感じるよりたくさん辛い思いや悔しい思いをしてきたと→— TOPPU(´-ω-`)★ (@toppu_ayu) March 16, 2021 思います。親子なので醜い言い争いもしたし、理不尽な事も言ってしまってたと思います。ですが、みなさんから息子を褒めてもらえた事、嬉しいです4月から親元を離れますが、自信を持って送り出せそうです✨私も含め、今後も共に頑張りましょう‼︎本当にありがとうございました✨— TOPPU(´-ω-`)★ (@toppu_ayu) March 16, 2021 [文・構成/grape編集部]
2021年03月17日社会の常識を疑う…兄の自由帳に書かれた“謎の言葉”筆者がヘラルボニーという存在を初めて知ったのは、とある意見広告だった。2019年12月当時の背景としては、内閣府が「桜を見る会」の招待者名簿を廃棄した問題について、安倍晋三首相(当時)は、名簿をシュレッダーで廃棄した人物は「障害者雇用の職員で、短時間勤務だった」と答弁したのだった。そうした中、東京・霞が関の弁護士会館の前に掲示されたのがこの意見広告だ。「この国のいちばんの障害は、『障害者』という言葉だ。」Upload By 桑山 知之29歳、岩手県出身の一卵性双生児。4歳上に、重度自閉症と重度知的障害のある兄・翔太さん(33)を持つ。崇弥さんと文登さんは、保育園から小学校、中学校、高校までをともに岩手県で過ごし、その後は別々の道を歩んでいた。Upload By 桑山 知之文登さんは東北学院大学(宮城・仙台市)に進学後、大手ゼネコンに就職。一方、崇弥さんは東北芸術工科大学(山形市)の企画構想学科へと進学した。そこで放送作家を軸にマルチに活動する小山薫堂さんのゼミに所属。卒業展示では、社会の“常識”を疑う「常識展」を企画した。インドと日本の水を比べるものや、駅に花を植えることに心からの喜びを感じているホームレスなど、常識を問うさまざまな作品を並べた。その主軸こそが、自らの兄だった。「常識展っていうタイトルやアイデアの出発点も、兄貴がかわいそうではないという伝え方をしたいっていうところから入っているので。障害=かわいそう、とか、障害=欠落、というものをそうではないという世界観を提示したいって思って。だから兄貴を題材にすると決めて最初からスタートしていました。昔からそういうのを提示したい思いはありましたね」(崇弥さん)Upload By 桑山 知之現在の屋号「ヘラルボニー」。一度耳にしたら忘れない“謎の言葉”に出合ったのは、この卒業展示の制作のため実家を訪れたときだった。「兄貴の部屋の押し入れをバーッて探していたんですよ、いろんなものを。母親もよく残していたなと思うんですけど、何十冊も自由帳とか絵日記とかあって。けっこう絵日記も世界観がおもしろいものが多くて、これなんかフォントおもしろいですよね」(崇弥さん)Upload By 桑山 知之「障害者だって同じ人間なんだ」中学時代に母とすれ違いも2人が幼いころから、自閉症の兄とともに福祉団体に遊びに行くのが毎週末の決まり事だった。そこでは、自閉症に限らずダウン症や精神障害などさまざまな人が集っていた。2人にとっては、そこで“障害”というものはあまり関係なく接しているのが当たり前だった。ただ、小学4年のころに覚えた違和感を、文登さんは作文に綴っていた。「団体の人と土日一緒に出掛けていたときに、目線とか……同い年ぐらいの人が指を差して、僕らの兄の集団を笑っていたんです。それに対して腹が立って。小4ながらに自分の中で思ってた感情っていうものがけっこう多くあったんだろうなって。僕ら双子の中でのフツウの感覚と、社会側のフツウの感覚のズレみたいなものとか、単純に『兄をバカにすんなよ』っていう思いもそこに乗っかっているのかなと」(文登さん)Upload By 桑山 知之2人はやがて中学校に進学し、卓球部に所属した。兄は県内の特別支援学校へと進学。しかしここで、関係性は一度悪化してしまったという。「僕らの中学校は自閉症スペクトラムのことを『スぺ』って言ったりする子がいて、『お前、スぺの教室行けよ』みたいな。自閉症=欠落、スぺ=欠落みたいな風な使い方をするような中学校だったんです。試合の応援にも母親が兄貴をよく連れてきていたんですけど、僕もすごい兄貴が応援に来ることにアレルギーが起きるようになったんですね。それで母親に『兄貴連れてこないでよ』ってすごい言っていたんですけど、母親はしきりに『隠すことじゃないよ』って逆上するわけですよ」(崇弥さん)「自分たちの心の弱さから、小4のころはふざけんなよって言えても、中学ぐらいになって言えなくなってしまう自分もけっこういて。『スぺ』っていうものが蔓延して、スぺのきょうだいだって思われるのがすごく嫌になってしまった時期があって」(文登さん)Upload By 桑山 知之障害者の兄がいることは決して恥ずべきことではない。そんな思いから、部活を引退するまで母親は兄を連れて試合に応援へ駆けつけ続けたのではないかと2人は推測する。しかし、地元から200キロ離れた高校へ進学すると、自然にこの“すれ違い”はなくなった。「周りから言われることを避けるために、兄貴を迫害することによって自分を守っていた」と崇弥さんは振り返る。「中学時代も、兄貴のことを嫌いになったりとか、兄貴のことを大切に思ってない、ではないんですよね。兄貴のことはずーっと大切で、好きな状態はずっと今も思っていて。ただ、中学のころは防衛本能が働いていたっていうか……。高校に上がると、その当時の友達とかもいなくなったので、環境が変わったので普通に兄のことも言えるようになったんですよ。なので、自分で過ごしている環境ってすごく大事なんだろうなってホント感じますね」(崇弥さん)Upload By 桑山 知之子育てに正解はないという。「もしかすると正解は『ずっと連れて来るもの』って書かれるかもしれないけど…」としながら、きょうだいにはきょうだいの生活があり、親としてはその立場を考えるのもアリではないかと崇弥さんは語った。文登さんはそれを「逆張りだ」と笑いながら、親子で話し合う場の必要性を思案していた。前身ブランドからヘラルボニーができるまで崇弥さんは、小山薫堂さんが代表を務めるオレンジ・アンド・パートナーズという広告会社に4年半勤務した。かつて薫堂さんが住んでいた東京・赤坂のアパートも紹介してもらい、住んでいたという。社会人2年目の夏、岩手へ帰郷した際、衝撃を受けた。「岩手県にある『るんびにい美術館』(岩手・花巻市)っていう、それこそ知的障害のある作家が描いた作品が展示されている、社会福祉法人が運営している美術館がありまして。そこに行ったときにものすごい衝撃を受けて、これはおもしろい!っていう風に思ったんです。一発目に文登に電話をかけて、『なんかやろう!』って。何かを立ち上げようと」(崇弥さん)あの衝撃からちょうど1年後、2人はヘラルボニーの前身となるブランド『MUKU』を立ち上げた。ラッパーの晋平太さんを介して、『見えない障害と生きる。』にも出演したGOMESSさんに依頼し、楽曲も誕生した。見た人を惹きつけるプロダクトはすぐに話題となった。しかし一方で、崇弥さんはもどかしさを感じていたという。「当時は副業だったので、もっと全然いけるのに……っていつも思っていたんですよ。もっとコミットしたら絶対にいけるのに、でもこんなにリソースを割けないから悔しいなっていつも思っていて」(崇弥さん)Upload By 桑山 知之そこから2年後の2018年7月、謎の言葉「ヘラルボニー」を掲げた会社を設立した。翌年には経済誌『Forbes』が選ぶ「世界を変える30才未満の30人」に双子起業家として選ばれたほか、先述の意見広告でも一大ムーブメントを巻き起こした。建設現場の仮囲いを期間限定のミュージアムと捉えたプロジェクトも話題を呼んだ。そして何より、障害のある作家がつくるアートを生かした製品は、飛ぶ鳥を落とす勢いでファンを獲得し続けている。その大きな要因として、「着想の出発点」が違うからだと筆者は思う。「時代に後押しされているというのはものすごく感じます。もともとSDGsやりたいとかそういう思いで始めたわけでは全然ないけれども、社会側がSDGsっていう文脈を持ってきてくれているし、ダイバーシティやりたいって思ってダイバーシティって言ったこともないけれども、社会側がダイバーシティ&インクルージョンっていう文脈をウチに紐づけてくれるし。社会側が色んな文脈をウチの会社にありがたいことに紐づけてくれたっていうところがすごくある」(崇弥さん)「10年前やっていたら全然違う結果になっているだろうけれども、今っていう時代にやれているからこそっていうのもあるだろうなと。僕ら双子揃って運が良くて、いろんな方に恵まれているというか、自分たち双子としては大したことないんですけど、関わってくれている皆さんが本当に素晴らしい人が多いんです」(文登さん)Upload By 桑山 知之異彩放つ活躍数字で語れる会社に人気セレクトショップ『TOMORROWLAND』での製品販売や、吉本興業とのコラボブランド『DARE?』など、ヘラルボニーの躍進は止まらない。今年度の売り上げは1億円を超えるという。もちろん、アーティストへの還元も忘れない。「正直ホント数字面ではまだまだなんで。数字で語れる会社になれたらいいなってすごい思いますね。あそこは数字も素晴らしいよね、障害のある作家にもめっちゃ還元するよね、っていう会社になりたい」(崇弥さん)「今後の目標設定とかもすべて透明化させたいなと来期から思っていて。障害のある作家さんにどれぐらいバックしていて、これまでどれだけバックしてきたか、みたいなところとかも全部見える化して、それに対する社会的なインパクトとかもつくっていきたいなと」(文登さん)Upload By 桑山 知之兄・翔太さんは現在、岩手県奥州市にある就労継続支援施設(B型)「わかくさ」で、コーヒーのパック詰めや空き缶つぶしをしている。週に3回はグループホーム、残りは自宅で暮らしているという。きっと弟2人の“異彩を放つ”活躍を、誇らしく感じているだろう。Upload By 桑山 知之平成元年愛知県名古屋市生まれ。慶應義塾大学経済学部在学中からフリーライターとして活動。2013年に東海テレビ入社後、東京支社営業部を経て、報道部で記者/ディレクター。2018年から公共キャンペーンのプロデューサーとして「いま、テレビの現場から。」や「見えない障害と生きる。」、「この距離を忘れない。」といったドキュメンタリーCMを制作。主な受賞歴は、日本民間放送連盟賞CM部門最優秀賞、ACC TOKYO CREATIVITY AWARDSゴールド、JAA広告賞 消費者が選んだ広告コンクール経済産業大臣賞、ギャラクシー賞CM部門優秀賞、広告電通賞SDGs特別賞など。取材・文:桑山知之取材協力:若者支援ネットワーク研究会in東海LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年02月21日実現したいことを、既に叶ったかのように過去形で書くと、現実になるという話を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。こういった事を書くものは『願い事手帳』と呼ばれているそうです。婦人科・不妊症の漢方専門家の堀ママさんが、願い事手帳にまつわる、実際にあったお話しを紹介しています。 この投稿をInstagramで見る 堀ママ(@hori_mama_)がシェアした投稿 ※矢印をクリックすると、次の画像をご覧いただけます。願い事手帳がお気に入りで、過去に書いた願いも結構叶っていた相談者の方がいたそうです。しかし、本当に一番叶えたい願いとなると、もしかなわなかったら…なんていう不安から、なかなか書くことができなかったようです。実際にやっている方の中にも、そういった方もいるのではないでしょうか。赤ちゃんが欲しいというのは、努力ではなんともならない可能性もあるし、誰に見せるわけではなくても、少し躊躇ってしまう気持ちも分かります。そんな人に対して、堀ママさんは「欲しいものは欲しいんだから欲しいと思ったらいいの」と言っています。そして、「だって自分の気持ちに嘘ついても、自分が一番嘘だってわかってるでしょ。望んじゃいけないものなんてないわ」とも。確かに、心に留めておいても、欲しいという気持ちがなくなるわけではないですから、望むことに躊躇する必要はないですよね。堀ママさんの言葉に多くの方が、勇気をもらっているようです。願い事手帳は記録を振り返って、どれくらいのことが現実になっているのかを見るのも面白そうです。願いが叶う叶わないに関わらず、自分の願いを外に出す機会を作るのは楽しそうですね。気になった方は、ぜひ試してみてください。[文/AnyMama(エニママ)・構成/grape編集部]
2021年02月21日フツウの学生時代から一変就職先から告げられた「辞めてほしい」名古屋市で生まれた石橋さんは、義務教育を経て高校に進学した。成績がすこぶる優秀だったというわけではないが、勉学でつまずいたり、校内で問題を起こしてしまうようなタイプではなかったという。「学生時代を振り返ったんですけど、特になくて。例えば先生に呼び出されるようなタイプでもないですし、赤点を取っていたタイプでもなかったんです。何人かの友達に『学生時代、俺ってどうだった?』って聞いてみたんですけど、別に普通だって」(石橋さん)大学受験にも合格。「困っている人の役に立てれば」と、医療・福祉系の学部を選んだ。より広い視野で社会福祉を学ぼうと、セミナーに参加するため米・ハワイの大学まで足を運ぶなど、向学心はむしろ人一倍強かった。そんな石橋さんが異変に気付いたのは、愛知県内の病院に就職してからだった。「普通の人と比べると物覚えが遅いとか、向こうから指摘をされて。これだけミスもあるし、病院としては正直辞めてほしいっていう話がありました」(石橋さん)Upload By 桑山 知之「グレーゾーンかもしれない」就職後に自閉スペクトラム症の診断石橋さんの就職先は、病院にある「医療相談室」だった。ソーシャルワーカーとして、入院患者や家族の希望を聞き取るほか、家族間や金銭的な悩みなどにも応えるといった、あらゆる問題を調整する業務にあたっていた。複数の入院患者のことを同時並行で進めなければならず、またそれが次から次へと続くわけだが、石橋さんが受け持つ患者の数は先輩と比べて少なかったという。「先輩たちは10人とか15人を同時に担当していたんですが、僕は正直なところ5人でも回せていなかったんです。5人分の困りごと、例えばこの人はこれが困っている、家族さんの背景はこうで、この家族さんにはここの支援機関だとか。人によって別のところと話さなきゃいけないし、この人は市役所のこの部署と話さなきゃいけないしとか、同時にやっていくのが困難だったっていうのは確かにあります」(石橋さん)Upload By 桑山 知之そして就職から半年以上が経ったある日、石橋さんはパニック発作を起こした。「当時、僕がパニック発作って分からなくて、病院に行っても原因が分からなかったんです。それで、精神科に行ってみたら、それはパニック発作ですねって言われて。もしかしたら発達障害があるかもしれない、“グレーゾーン”かもしれないって」(石橋さん)「次に何をしなきゃいけないのか、複数が同時に来ると分かんなくなってしまう」という、自閉スペクトラム症の特性のひとつとされる「同時処理困難」があった石橋さん。困っている人の役に立ちたいと夢見た医療の道だったが、促されるような形で退職したのだった。Upload By 桑山 知之職場からの「キミがいなくなっても困らない」――ミスをまとめた書類も発達障害はグラデーション状に広がっており、白か黒かといったはっきりとした判別が難しい。むしろ中間部分である「グレーゾーン」の方が多いとも言われている。自身も当事者であるライター・姫野桂さんの著書『発達障害グレーゾーン』(扶桑社)などにもあるように、発達障害の傾向はあっても、診断までは出ないというケースは全国的にも多く見られている。今回インタビューに応じてくれた石橋さんは、精神科にかかった後、自閉スペクトラム症の診断こそ出たものの、日常生活では特に困難さがあるわけではなかった。自分のことを周囲にどのように理解してもらうかを悩んだ末、勤務先の病院にも、障害のことを思い切って打ち明けた。すると、衝撃的な言葉が返ってきた。「(勤務先の病院に)言われたのは『キミがいなくなっても病院は次の人が入ってくるんだから、病院としては困らない』と。日本全国で大学卒業する人が誰もいないんだったら別だけど、そんなことはない。毎年入ってくるんだから、キミがいなくなっても病院としては困らないって。使えないから切ればいいっていうのは理解できるんですけど…」(石橋さん)石橋さんを辞めさせるためなのか、勤務先では石橋さんの仕事上のミスや当時の状況を事細かに同僚が書き起こし、ファイルにまとめていた。「何度も同じミスがあり、すべてに他者の確認作業と修正が必要」「他の作業をしていると、やることが抜ける」「相手の置かれている状況が想定できない」――。石橋さんは、退職を選ばざるを得なかった。Upload By 桑山 知之誰も取りこぼしたくない実体験を通して知った弱者の気持ち現在、石橋さんは再び職に就くためにLITALICOワークスで就労移行支援を受けようとしている。そこには、昔からブレずに抱いている思いがある。「誰も取りこぼしたくないっていうのはありますね。社会的に不利に追い込まれてる人とか、そういう人が不利益を受けるんじゃなくて。ひとり親、障害者、高齢者、親がいないお子さん……。そういう人たちが不利な状況になりやすい社会にはしたくないなって思うので、そういう人たちも幸せを感じられるような世の中にしていきたいなっていうのは漠然とありますね」(石橋さん)かつての勤務先で自身の発達障害を打ち明けても相手にされず、辞めるよう促された過去。石橋さんの心の中で、より強い思いが湧き上がった。「そういったことを言われた経験を踏まえて思いましたね。弾き出されるときって、こんなに露骨に弾き出されるんだなって。実体験としてすごく思いました。だからこそ社会の中で誰ひとり取りこぼしたくないし、自分の力が役に立てる場所でやっていきたいです」(石橋さん)Upload By 桑山 知之平成元年愛知県名古屋市生まれ。慶應義塾大学経済学部在学中からフリーライターとして活動。2013年に東海テレビ入社後、東京支社営業部を経て、報道部で記者/ディレクター。2018年から公共キャンペーンのプロデューサーとして「いま、テレビの現場から。」や「見えない障害と生きる。」、「この距離を忘れない。」といったドキュメンタリーCMを制作。主な受賞歴は、日本民間放送連盟賞CM部門最優秀賞、ACC TOKYO CREATIVITY AWARDSゴールド、JAA広告賞 消費者が選んだ広告コンクール経済産業大臣賞、ギャラクシー賞CM部門優秀賞など。取材・文:桑山知之取材協力:若者支援ネットワーク研究会in東海LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年01月17日切り替えが苦手で集団行動が遅れがちUpload By スガカズ長男はWISC-IVの結果で処理速度が低いことがわかっています。また、注意散漫、過集中といった特性もあり、学校で次の行動に移るときに時間がかかります。なかなか次の行動に移れないとき(特に教室を移動する授業)は、クラスメイトや先生が声をかけてくれることがあるのだそうです。学校で見かけた長男とクラスメイトのトラブルUpload By スガカズ1年前のある日、私は当時小3だった次男の忘れ物を届けに学校へ行きました。すると廊下で小6の長男がクラスメイト2人となにやら揉めていました。クラスメイトに何か言われており手をひっぱられています。長男は何も言わず泣きそうになりながら拒んでいました。体操服に着替えていること、授業の始まりを知らせるチャイムが鳴っていたことから、「長男の行動が遅れているからクラスメイトが呼びに来たんだな」と理解しました。長男は次の行動に移るときに無理やり促されるのを嫌います。私はクラスメイトとのやりとりを見て「長男にとって大事な経験だ。今私が間に入るよりも、後で話を聞いてアドバイスした方が冷静に話し合える」と思い、後ろ姿を見つめていました。「病気(障害)だから仕方ない」長男の発言に腹を立て…Upload By スガカズ放課後、長男が帰ってきたので私は廊下でのやりとりについて聞きました。概ね私の予想通りで、体育館に行く途中で考えごとをしていたそうで動きが止まっていたそうです。長男がなかなか動こうとしないので、クラスメイトが「早く来て!」「遅い!」と強い口調で促していたそうです。「それは大変だったね。注意されていたとき、あなたはどんな気持ちになったの?」と聞くと、「オレは、できることとできないことの差がハッキリしている。だけどクラスの女子が無理やりオレをひっぱって連れて行こうとしたんだ」「オレ、病気だから行動がゆっくりでも仕方ないのに!」と怒り口調で答えました。私は長男が強めに促されてイヤだった気持ちは理解しますが、「仕方ない」という言葉に腹が立ち、思わず長男を叱ってしまいました。「障害だからいいでしょ」と許してもらおうとしたり、「仕方ない」からといって諦めたりするのは間違っていると思います。大事なのは、「障害に対して自分がどう向き合えばいいか」「言ってくれた相手とトラブルにならないためにどうしたらいいか」を考えて行動することだと言いました。このとき長男は「言われたのは自分の方なのに」と納得した様子ではありませんでした。どうすれば分かってもらえるのか?と考えたときに、長男に促す側の気持ちを体験してもらうことだと思いました。無視されたり開き直られたらどんな気持ちになる?Upload By スガカズUpload By スガカズその日の夜、きょうだいが全員そろったときに長男に話しかけられました。私は話しかけられていることを理解していましたがそれに反応せず、きょうだいの相手をしていました。何度も何度も話しかけていたのに長男は無視されたので、私に怒りました。怒っている長男に対して私は、「今、どんな気持ち?」と聞きました。子どもたちに話しかけられても対応できないときに「ごめんね」「ちょっと待ってね」「〇〇の後話きくね」と言うように私は気をつけていること、「〇〇だから仕方ないでしょ」という風に言ってないこと、もし「仕方ないでしょ」と言われたり無視されたらどんな気持ちになる?と長男に言いました。「…イヤな気持ちになる…」と長男は答えました。クラスメイトが声をかけてくれる(行動を促してくれる)のはありがたいことで、その行動に対して何も言わずに嫌がったり怒ったり「病気だから仕方ない」と言うのは間違っているともう一度言いました。Upload By スガカズその後聞いていなかったときや無意識で起こったことに「ごめん!」というセリフが出たり言葉で説明したりする場面が見られるように。私は素直に反応してくれたことが嬉しくて「気づいてもらえてお母さんうれしいよ」と言いました。もちろんすべてが好ましい反応にはなりませんが、気をつけようと思い言葉に出すことは、より良い生活を行うために必ず必要になってくることで、一歩前進したと言えます。中1の現在、できないことに対して「自分で解決策を考える」姿も…Upload By スガカズ中1になった現在は、どうしてもできないことに対して、考える場面も見られます。できない理由を言葉にして、私にお願いすることもあります。「どうしたらいいのか分からない」と、そのままにしてしまう場面も沢山ありますが、自分の障害を「仕方ない」と諦める前に、人に相談したり自分なりの案を試してほしいと思います。
2021年01月04日一人息子は発達障害夢はお寿司屋さん上口さんが30歳の頃、男の子を出産した。名前は悠樹くん。平成元年生まれで、偶然にも筆者と同い年だ。当時は今から30年以上前、今ほど発達障害への認知や理解は進んでおらず、典型的な症状でなければ見過ごされることが多かったという。今では発達性協調運動障害(DCD)という存在も知られるようになったが、悠樹くんが通っていた保育園では「手足の協調的な運動が難しい」と言われていた。段差に気付かず転んでしまうことは日常茶飯事で、穴に落ちてしまったり、保育園でのハサミを使った工作もとても苦労していた。しかし検診に連れていくとそれほど問題視はされず、「長い目で見ましょう」とあまり指摘されなかった。「ずっと親としては気になっていたんです。本を読んでみたり、発達障害者支援センターに相談に行ったりしてました。例えば、小学校に入ると集団登校ってありますよね。うちの子だけがどこかちょっと外れてるんですよ。ちょっと外れた動きをして、一生懸命高学年の人が手をつないでとか」(上口さん)Upload By 桑山 知之違和感を覚えながらも、しばらくやり過ごした。元々、底抜けに明るい子だった悠樹くんだったが、できないことが生活の中で多いことから、少しずつ暗くなっていった。学力こそ低くなかったものの、生きづらさを確かに抱えていたのだった。「小学5年のときに(診断を)受けました。あのときはもう混み合ってて、1年ぐらい待ってようやくWISCを受けて、ADHDとアスペルガーの混合型っていう、今だとまた違った診断名なんでしょうけど、その頃はそう診断されましたね」(上口さん)中でも特に辛かったのが発達性協調運動障害だという。近年その認知は徐々に広がっているが、これまでは「不器用」「運動音痴」という言葉で見過ごされてきたことが多い。悠樹くんにとってできないことも多々あったが、一方で悠樹くんは料理が大好きだった。家庭科の成績はいつも良く、時には上口さんに手料理を振舞った。悠樹くんの夢はお寿司屋さん。特に手先の技術を要する職業だった。Upload By 桑山 知之大学入学直後、拒食症に…上口さんによれば、中学ではいじめにも遭ったという悠樹くん。それでもなんとか高校へ進み、キャンパスライフを夢見て愛知県内の大学へと進学。一人暮らしを始めた。しかし、入学から1カ月後の5月には下宿先から一歩も出られなくなってしまった。「とにかく夢いっぱいだったので、スーパーでアルバイトもして、サークル活動もして。それで単位を取らないといけないじゃないですか。必修科目だとかいろんな履修登録をしないといけないんですね。それがうまくできなくて呆然となって、学校の中で自分一人でポツンといるような気持ちになって、それでもう学校も行けなくなって、バイトも辞めちゃって。結局、体重が30kg台になったときに、もう持たないと思って(悠樹くんを)家に連れて帰りました」(上口さん)Upload By 桑山 知之料理があれだけ大好きだった悠樹くんが、拒食症になってしまったのだった。「僕は何にも役に立ててない」と自分のことを責めもした。それでも程なくして、働く母親の上口さんを支えるため、「これからは僕が毎日夕飯をつくってあげる」と意気込んだ。その明るい性格から、買い物先の八百屋や近所の美容院の人からすぐに気に入られていたという。しばらくして余裕が生まれると、悠樹くんは自身が通っていた保育園でアルバイトを始めた。「うちの子はアルバイトをやってもすぐクビになるというか、なかなか合格しないんですよ。そうしたら、自分が行ってた保育園がおいでって言ってくださって。大学の中にある保育園なんですけど、そこで調理の経験をして、それをボランティアで半年ぐらいしてるうちに、今度は『僕、栄養士になりたい』って」(上口さん)Upload By 桑山 知之幸せな専門学校生活から一転、鬱に栄養士になるために名古屋・栄にある専門学校へ通い始めた悠樹くん。これまでと違い、同世代だけではなく少し年齢が上の“人生の先輩”がいたこともあり、「息子の人生の中で一番幸せだった」期間は1年以上続いたという。「初めて友達っていう存在がいっぱいできて。みんなで飲みに行って、今日まだ帰ってこない!って。親としてやっと普通の悩みっていうか。あれは嬉しかったですね。すごく楽しく過ごしていました。あのまま行けばよかったってすごく思います」(上口さん)クラスメイトには自身の発達障害についても打ち明け、周囲や先生は悠樹くんを受け入れてくれた。しかし、専門学校2年で実習が始まると、壁にぶち当たった。病院での厨房実習だった。運動障害によって真っ直ぐ歩けないため色んなものにぶつかった。手先が器用でなく、作業をすべてやり直しもした。きっと強迫観念もあったのだろう。「もう僕はできない、働けない」と落ち込み、悠樹くんは実習1日でドロップアウト。学校に行けなくなり、鬱状態に陥って自殺未遂を繰り返した。ベランダに飛び降りるための椅子が置いてあったり、紐が結び付けてあるなどした。夜中に自殺してしまうのではないかと、上口さんは悠樹くんの部屋の前で一夜を過ごしたこともあった。Upload By 桑山 知之「もう9年前ですね。その日は私が出張中で。だから私は現場にいなかったんですよね。(出張先は)京都だったので、何で日帰りしなかったのかなって思うんですけど、一泊しちゃったんです」(上口さん)2011年5月、悠樹くんは自宅マンションのベランダから飛び降りて自ら命を絶った。21歳だった。悠樹くんの携帯電話に残された遺書には、こう記されていた。「発達障害の人たちが生きやすい社会を願って」。Upload By 桑山 知之息子の自殺当事者が生きやすい世の中に「こんなことをお話ししていいのかわからないんですが、私はうちの子を育てながら『この子いつかいなくなる』って思ってたんですよ。電車の階段を落ちて骨折したり、自転車に乗ったら倒れちゃって病院で脳の検査とか、そんなことがしょっちゅうあったんです。『この子っていつまで一緒にいてくれるんだろう』って思ってました。だから、それが現実になったんだなって」(上口さん)悠樹くんの死後、「何かをやらないと潰れてしまう」と感じた上口さん。その中で、発達障害の当事者会に参加した。悠樹くんの話をすると周りは皆、親身に耳を傾けてくれた。県外にも足を運び、大阪でNPO法人「発達障害をもつ大人の会(DDAC)」広野ゆい代表(48)と出会った。Upload By 桑山 知之「広野さんの言葉で『自分が動いちゃいけない。自分と周りの環境があってその一番真ん中に自分がいなきゃいけない』っていうのがあって。引き寄せられて自分が動いたらいけないって言われて、なんかすごく救われたんですね。周りでいろんなことが起こるけれども、そこから動かないで距離を保ちましょうっていうことだと思うんですよね。私の場合は、悠樹の思い出との距離」(上口さん)当事者同士の交流が必要だと改めて感じた上口さん。実家を売り、駅近の物件を購入。こだわったのは、発達障害の当事者が集まりやすく、そして働きやすい居場所。「やめた方がいい」「無謀だ」と言われてもあきらめなかった。上口さんは2014年3月、ブックカフェ「Co-Necco」をオープンさせた。Upload By 桑山 知之「うちは職員も3分の1は障害のある方々で、発達障害や精神障害や身体障害などいろんな障害のある方々なんですね。最終的な目標は、障害者が対等に、それぞれの得意なことを生かした働き方っていうのかな、そんな職場をつくりたいですね」(上口さん)お店を開きたかったという悠樹くんの夢。上口さんが、悠樹くんの思いを形にして早6年半以上。定期的に開く交流会なども好評で、愛知県内だけでなく全国から“居場所”を求める客であふれる。決して無謀なことではなかった。「子どもを亡くす親って、何か子どものためにやりたいって思うもんなんです。そのときに、なんとなく当事者会が一番しっくり来た。自分も当事者ですからね、子どもを亡くしたっていう当事者ですから」(上口さん)Upload By 桑山 知之平成元年愛知県名古屋市生まれ。慶應義塾大学経済学部在学中からフリーライターとして活動。2013年に東海テレビ入社後、東京支社営業部を経て、報道部で記者/ディレクター。2018年から公共キャンペーンのプロデューサーとして「いま、テレビの現場から。」や「見えない障害と生きる。」、「この距離を忘れない。」といったドキュメンタリーCMを制作。主な受賞歴は、日本民間放送連盟賞CM部門最優秀賞、ACC TOKYO CREATIVITY AWARDSゴールド、JAA広告賞 消費者が選んだ広告コンクール経済産業大臣賞、ギャラクシー賞CM部門優秀賞など。取材・文:桑山知之取材協力:若者支援ネットワーク研究会in東海LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2020年12月06日