わたしは38歳のときに第二子を産みました。立派な高齢出産ですね。今でこそあまり珍しくなくなった高齢出産ですが、珍しくないからといってリスクがないわけでも、しんどくないわけでもありません。出産も育児もアラフォーの老身にはきつい。これは事実です。でもね、それでも産むことができれば、それだけでも幸運なのかもしれません。アラフォーの妊娠は、まさに授かり婚~高齢出産とリスク~今年40歳を迎える私の周りには、昨年からラストチャンスとばかりに30代のうちにと、子作りに励む女性が増えました。既婚、未婚に関係なく、です。「やっぱりひとりくらいは産んでおきたい」、「産まない。ファイナルアンサー?って聞かれたら、即答できない」、「妊娠できたら、結婚する」アラサーのみなさんは、40歳間際にもなって、こんな風にあがく姿をみっともないと思うでしょうか。でも、5年後、10年後、同じ状態にいないと言い切れますか?産むのか産まないのか、その前に、妊娠できるのかできないのか、もう相手は誰でも良いから、妊娠したい。たぶん、高齢出産の最大のリスクは、妊娠しなかったときに、産むことを諦められるのかという葛藤だと思います。だから20代のみなさんも、今から考えてみて欲しい。産まない人生を受け入れることができるかどうかを。キャリアも夢も捨てたくないけれど、出産はもっと捨てたくない~高齢出産とリスク~妊娠のせいで、キャリアも夢も諦めることになったら、旦那や子どものせいにするかもしれない。そうならないように、結婚、出産前にやりたいことをやりつくせたら、それが一番良いけれど、人生ってそんなにシンプルじゃありませんから。産むことを先延ばしにしてきたアラフォー女性たちが、キャリアも夢も手に入れて、なおも幸せを実感できないでいるというのは、それほどに出産が女性に大きな影響を与えているからでしょう。もう産まない、子どもはいらないと達観できるほど、誰もが強くはないのです。「いつかは、私も子どもが欲しい」と思っている人は多いと思いますが、そのいつかが確約されている未来はないことを知っておいた方が良い。高齢になるほど妊娠と出産のリスクが上がることは事実です。だからこそ、妊娠したときが産みどきと、腹をくくることも、時には必要だと思います。「じゃあ私のキャリアはどうするの」と思うかもしれないけれど、出産が人生の次のステップになることだってある。森田文菜さんがこちらのコラムで言っているように。東北大学大学院経済学研究科の「子ども人口時計」によると、このまま少子化が進むと2000年以内に日本人は絶滅するそうです。だから産めってことではもちろんないのだけど、迷うなら産むことをおすすめしたい。自分の子は文句なくかわいいとか、そんな綺麗ごとじゃなく、もっと自分のエゴの問題。出産を諦めることは、そんなに簡単ではないのだから。※参考: 日本の子供人口時計Photo by Pinterest
2014年02月16日35歳以上での出産である「高齢出産」。妊娠、分べん時においてリスクがあるとされているが、女性の高学歴化、晩婚化により、年々高齢出産の傾向にある。様々な覚悟をしながらも、実際に高齢出産に挑み、育児を続ける女性たちに、高齢出産ならではの苦労や感じることをたずねてみた。まずは実際に妊娠・分べん時にリスクを乗り越えたと答えた人の経験談から。「妊娠糖尿病になりかけたり、分べん時間が異常に長かったりと、高齢出産じゃなかったらこんなに苦労しなかったのかなと思った」(36歳会社員 0歳女児)。「2人目が39歳で高齢出産。28週で前期破水で入院し、34週での出産となった上に、陣痛中に逆子になるなどトラブルが続いた。産んだ後も身体が大変。1人目は何の問題もなかったので、明らかに年齢の差を感じた」(45歳パート 15歳女児・6歳男児)。一方、妊娠・分べん時は問題なく過ごせたものの、その後の育児では肉体的な困難を挙げる人がほとんどだった。「生後2カ月くらいの時に、抱っこによるけんしょう炎と腰痛に悩まされ、もっと若かったらこんなことで悩まなかったろうに……と思った」(39歳会社員 0歳男児)。「33歳と37歳で出産したが、男児のパワーについていくことに体力不足を感じたり、2人目の妊娠中はぜん息気味になり、1人目の時にはない衰えを感じた。年齢的にも体力的にも3人目はないと思った」(38歳主婦 5歳男児・1歳女児)。○日常生活でも感じる"年齢の差"やはり高齢での妊娠・出産は可能ではあっても、子育てには相応の体力が必要で、覚悟がいるようだ。また、日々の行動などで高齢出産を実感するという声もあった。「ベビーカーを乳母車と言ってしまうとき、年齢を感じる」(38歳会社員 1歳女児)。「自分自身は高齢出産ではなかったが、高齢出産の人はママ友に溶けこむのも大変そうだなと思うことがある。妙に距離を置かれて、"さん"付けで呼ばれていたり……」(37歳主婦 7歳・3歳男児)。確かに、子供が保育園や幼稚園、学校へ通って社会生活を送るようになると、保護者の年齢層の幅の広さに驚き、年齢を意識せざるを得ない機会が多くなる。高齢出産は無事に産んでからも闘い。その後も続く葛藤は年齢には関係ないものだが、子宝という恵みを噛みしめながら苦難を乗り切っていきたいものである。
2014年01月07日講談社は、『本当は怖い高齢出産妊婦の4人に1人が35歳以上の時代』(週刊現代編集部編)を、12月17日(首都圏基準)に全国の書店・オンラインブックストアで発売した。価格は971円。○東尾理子さんなど著名人も多数登場同書によると、現在35歳以上で出産する高齢出産の割合は、妊婦の4人に1人に当たるという。妊娠・出産年齢が上がるごとに流産や先天異常のリスクも増加すると言われ、胎児の異常有無の判定を目的として、妊娠中に実施する「出生前診断」が注目されている。同書は、「週刊現代」で連載された特集記事「高齢出産・不妊治療・出生前診断」を加筆再構成。「高齢出産は、本当のところはどうなのか?」「出生前診断って、具体的にどんなことをするのか?」など、高齢出産の本当のリスクや、出生前診断について詳細に紹介している。内容は、「出遅れ不妊に注意」「卵子の老化」「母体に迫る危険」「先天異常のリスク」「本当は多い男性不妊」「卵子提供の真実」「新型出生前検査で分かること」「命の選別という問題」「妊娠前検査とは」など。また、高齢出産・不妊治療を経験した著名人の体験談も多数掲載している。著名人は、東尾理子さん、ジャガー横田さん、野田聖子さん、ダイアモンドユカイさん(※)、太田光代さん、松野明美さんなどが登場する。また、産婦人科の最前線で活躍する医師が、女性に知ってほしい妊娠・出産の最新事情についても語っている。同社は、「妊娠・出産を考えている20代後半以上の女性」「特に高齢出産ゾーンにさしかかる35歳前後の女性」「妊娠・出産を考えている20代後半以上の女性や35歳前後の女性をパートナーに持つ男性や、娘に持つ親」に特に手にとって欲しいという。※ダイアモンドユカイさんの正式名称は、「ダイアモンド」「ユカイ」の間に六芒星が入る
2013年12月19日特約はメインの保険(主契約)を補うために開発されたオプションで、様々な生命保険に付加されています。何気なく入っていることが多い特約ですが、主契約よりも高い保険料を払ってしまっている場合もあります。そのような特約を整理して、保険料をコンパクトにするコツをご紹介します。1.死亡保障を厚くする特約は、ここをチェック!特約の種類は多種多様です。不慮の事故による万一の死亡や高度障害状態に備えるもの、医療や介護に備えるもの、特定の疾病や損傷の治療に備えるもの、所定の状態になったときに保険料の支払いが免除されるもの等があります。同じ名前の特約でも生命保険会社によって保障内容や給付条件等の細部に違いがありますが、ここでは大まかな保障内容を押さえておきましょう。万一のときの死亡保障を手厚くする特約には、次のようなものがあります。<死亡保障を手厚くする特約>(資料:著者作成)死亡保障を厚くする特約には定期保険特約、家族定期保険特約、収入保障特約(生活保障特約)、特定疾病(三大疾病)保障特約、終身保険特約があります。注意が必要なのは家族定期保険特約です。メインの保険(主契約)の被保険者が亡くなる等で保険契約が消滅した場合、家族の保障もなくなってしまいます。たとえば夫の保険に妻の家族定期保険特約を付加していた場合、夫が亡くなったときに妻の死亡保障も同時に消滅してしまうことになります。家族の健康状態が良好なうちに、家族を被保険者とした保険に入り直しておきましょう。特約のなかには、メインの保険(主契約)と同じような保障内容が存在するものもあります。「主契約の保障はそれほど魅力的ではないけれど、特約が付いているから継続している」という人は、その特約と同じような保障内容の別商品に単体で入った場合に保険料がいくらになるかの見積りをしてください。定期保険や収入保障保険等の掛け捨てタイプの死亡保険に関しては、高齢化等の影響で昔の保険よりも今の保険のほうが料率ベースで安くなっているものが増えていますよ。2.医療関連の特約と医療保険、どちらが得か入院、手術、通院などの病気、ケガの治療全般に備える特約には次のようなものがあります。<医療に備える特約>(資料:著者作成)医療関連の特約の場合、保険期間が10年、15年等の一定期間になっているものが多いです。この場合、更新のたびに保険料は上がりますし80歳、90歳といった所定の年齢になると継続ができなくなります。一部の保険会社で終身保障の医療関連特約を扱っているところもありますが、医療保障を終身で備えたいなら単体の医療保険に入るほうが賢明です。特約はあくまでも主契約に付帯するものです。高齢になって医療保障の特約のみでよいと思っても、主契約を解約してしまえば特約を継続することはできません。医療保障は特約で備えるよりも、医療保険(主契約)でカバーするほうが将来の見直しにも便利です。ちなみに、女性疾病入院特約を付けなくても疾病入院特約に入っていれば、女性特有の病気にかかったときに給付金を受け取れます。子宮筋腫などの女性特有の病気は女性疾病入院特約を付けないと保障されないと思っている方は多いですが、そんなことはありません。帝王切開で入院した場合も、疾病入院特約から給付金が支払われます。疾病入院特約に、入院給付金日額1万円で加入するよりも「疾病入院特約5,000円+女性疾病入院特約5,000円」または「疾病入院特約5,000円+がん入院特約5,000円」「疾病入院特約5,000円+成人病入院特約5,000円」のほうが保険料負担は軽くなります。特定疾患以外の保障は最低限あればいい、と考える場合に特約は活用するようにしてください。3.その他の特約についてその他、原因にかかわらず余命6ヵ月以内と判断された場合に死亡保険金の一部、または全部を生前に受け取れる「リビング・ニーズ特約」があります。これは保険料無料で付けられるものなので、しっかり付けておきましょう。保険料払込免除特約は「がん、脳卒中、急性心筋梗塞で所定の状態になった場合に以後の保険料の払い込みを免除する」となっているものが多いですが、この場合の所定の状態は「三大疾病保障保険」の給付要件と同じです。「上皮内新生物」と呼ばれる初期がんや60日以内に回復した脳卒中、急性心筋梗塞は対象になりませんので注意してください。また、三大疾病に加えて所定の要介護状態になった場合にも保険料を免除するものもありますが、保険料免除対象の範囲が広くなればなるほど特約保険料は高くなります。費用対効果を考えて選んでください。コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2013年04月25日女性のための健康生活ガイド「ジネコ」を運営するバズラボは、出産年齢の高齢化に伴い、新しいニーズへ対応するため、35~49歳の妊婦および産後ママのニーズを調査・研究する「F2妊婦研究会」を発足した。他企業からの参加も受け入れ、新たなサービス・商品開発を目指していくという。現在、出産数が減少傾向にあるなかで、35歳以上の女性による出産が増加している。これまではマタニティ市場は20~34歳が中心だったが、35歳以上の妊婦が増えたことで、マーケットの年齢分布は大きく変化。以前と求める情報や消費傾向は異なることが予想されている。同社は、不妊、妊娠、出産を中心とした口コミサイト「ジネコ」を運営しているが、ユーザーの年齢も30歳以上が91%。35歳以上の割合も高くなっているという。同社では「ジネコ」に寄せられた口コミから、30歳以降を対象とした妊婦雑誌に対するニーズを見いだし「マタニティジネコ」を発刊。好評を得たことから、今後もニーズを満たす商品やサービスを創出するため、「F2妊婦研究会」を発足した。同研究会の研究内容としては、「F2層妊婦の抱える問題、課題の抽出」「ニーズの調査、分析」「消費傾向の調査、分析」「他企業との共同研究、協同開発」などが予定されている。※F2層とは、年齢35~49歳の女性のこと【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月04日明治安田生命は、介護付有料老人ホームを運営する「サンビナス立川」を買収し、同社の子会社に統合したことを発表した。高齢化による介護ニーズの増大に対応するため、同社は、介護保障分野を死亡・年金・医療保障に次ぐ「第4の柱」として位置付け、介護関連サービスの商品販売の拡充を狙う。その一環として、介護付有料老人ホーム「サンビナス立川」の株式約90%を取得し買収、子会社化した。今後は、有料老人ホーム運営事業のほか、介護総合情報ポータルサイト「MY介護の広場」による情報提供、介護保険商品の検討・開発等をはじめ、介護に関するさまざまな保険商品の提供・充実を目指すとしている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年03月30日高齢者への「化粧の心理的効用」に着目資生堂は6月9日、高齢者施設にて有償で実施する「化粧療法プログラム」を開発し、今年度より事業化することを発表した。既に首都圏の11施設で開始しており、2012年度より全国展開を目指す。資生堂はこれまで、特別養護老人ホームや入院中の高齢者に対し、美容サービスや身だしなみセミナーを実施。病院側が「化粧の心理的効用」に着目し研究を行った結果、症状の緩和やQOL向上の効果が認められ、「化粧療法」として注目され、全国の病院や高齢者施設に広がった。現在、資生堂は、社員が無償で行う「資生堂ライフクオリティー ビューティーセミナー(SLQセミナー)」を積極的に展開、2010年度の開催実績は日本全国で延べ約3,000件、延べ約46,000名が参加したという。脳を活性化させる科学的知見に基づいた「化粧療法プログラム」「化粧療法プログラム」は、高齢者施設の要望に応じてビューティーセラピストが上記活動を実施することで高齢者のQOLを更に向上させる有償の美容サービス活動。「化粧療法プログラム」は、「お化粧教室」と「化粧療法講座」の2種のプログラムで展開する。●「お化粧教室」専門教育を受けたビューティーセラピスト(BT)が、高齢者のQOL向上の科学的根拠を取得した「化粧療法プログラム」を高齢者施設にて実施する化粧アクティビティ。(1回20,000円を開催施設にご負担いただきます。●「化粧療法講座」BTが高齢者施設スタッフに対し、「化粧療法プログラム」の理論と「お化粧教室」(簡易版)の実践を有料で教育する講座。3ヵ月後のフォロー講座も実施。(1回10,000円を開催施設にご負担いただきます。なお、これまで開催してきた「資生堂ライフクオリティー ビューティーセミナー(SLQセミナー)」は、高齢者福祉・障がい者施設を中心に新規での実施を主眼に、継続して展開していくという。元の記事を読む
2011年06月29日第一生命保険(株)のシンクタンク、(株)第一生命経済研究所は、全国の18~69歳の男女3,000名を対象に、「今後の生活に関するアンケート」を実施し、その結果を『ライフデザイン白書2011』としてまとめ、12月12日に刊行した。同研究所が、アンケート調査をもとに人々の生活実態や生活意識を時系列で分析したもので、今回が7回目、前回からは5年ぶりという。親子関係は重視へ、近所付き合いは希薄化へこの結果、家族では親子関係の推移を取り上げ、「子どもと余暇や休日を一緒に楽しんでいる」が、15年前と比べ父親(53.5%→68.4%)母親(68.9%→81.7%)ともに顕著な増加がみられたとのこと。地域社会では近所付き合いを取り上げ、全般に「親しくつき合っている」人が減少し、「あいさつをする程度」が増えている。特に郡部の「親しくつき合っている」の減少(45.5→33.0%)が顕著で、高齢化や過疎化から近所付き合いがしずらくなっているとみている。また消費では、こづかい額を取り上げ、2001年比で女性は2.2万円で変わらないものの、男性が4.1万円から3.7万円と大幅に減らされている実態だった。高齢期の生活では、介護サービスへの不安として、「サービスの利用料が高そうである」(47.9%)「満足のいくサービスが受けられるか不安である」(42.5%)などの回答が多かった。介護保険が始まって10年が過ぎたが、2001年と比べ介護に関して困ることや不安なことは、あまり改善されていないという。生活に役立つ内容を盛り込み、図表化でわかり易く同書には、生活に役立つ内容を盛り込むほか、図表を多く取り入れ用語解説を加えるなど、よりわかりやすく見やすい内容にしてあり、研究者、大学生のみならず、中高生における社会科・家庭科・ライフデザイン学科の学習教材としても最適な資料集とのこと。なお同書は、下記「ぎょうせいオンライン」サイトより購入が可能で、定価は 1,995円(税込み)となっている。
2010年12月17日高齢者福祉の研究助成日本興亜損害保険株式会社は4日、同社が1991年に設立した財団法人「日本興亜福祉財団」が行っている、高齢者福祉の研究助成事業の成果を冊子としてまとめ、発行したことを公表した。今回発行されるのは非売品の『ジェロントロジー研究報告 No.9』(B5判、149ページ)と題されるもので、2008年5月下旬から7月にかけて、全国の大学や研究所、高齢者福祉施設の現場関係者などを対象として行われた助成と、そのおよそ1年にわたる研究の結果がおさめられている。助成への応募は全部で51件あり、助成件数は16件。助成の総額は793万円で、平均助成金額は49万円であった。研究は共同のものが7件、個人研究が8件。※画像はイメージ身近で切実なテーマ個別の研究を見ると、目をひくものに富山福祉短期大学看護学科に所属する荒木晴美氏の共同研究「在宅療養者を介護している人の自分自身の終末期への思いへの影響」という切実なものがある。また山梨大学教育人間科学部に所属の岡林春雄氏による個人研究「認知症高齢者は、若者との関わりによってどのように変容するのか」など、全体的にきわめて興味深いテーマが並んだ。本格的な高齢化社会の中、誰もが身近に存在する問題への研究助成事業と言えるだろう。
2010年11月06日高齢者安否確認条例の制定に関して意見を募集大阪府池田市で高齢者が安全で安心に暮らせる社会を実現にむけて、高齢者の安否確認について新たに条例を制定します。池田市に住む方などを対象に、10月19日(火)から11月8日(月)までホームページや市役所で条例に関して意見を募集しています。条例の特徴として条件を満たせば、職員が高齢者の住居などに立ち入ることを認め、調査や質問を行うことが出来ます。池田市のホームページによると民生委員協議会等が高齢者の安否確認ができないと市長に報告した場合に おいて、特に必要があると考えられるときに、市の職員が立入調査ができると規定と条件を規定しています。高齢者の安否確認については一般的に、一定の年齢を超えた場合に健康保険や介護保険などの使用状況を確認する方法等が見当されています。また、立入りや調査を行う際に職員は身分証明書を携帯し、請求があった場合には提示しなければならないと規定しており、プライバシーに関しても一定の配慮がしてあります。
2010年10月23日岐阜県保険医協会が、県内の開業医を対象にアンケートしたところ、4割の医師が「患者の経済的な理由で治療を中断した経験があった」と回答したという。これは、毎日新聞が報じたもの。アンケートは、この8月に県内の病院・医科診療所・歯科診療所を営む医師計1444人に発送し、先月までに449人から回答を得たもので、この半年間に患者の経済的理由から治療を中断、または中止した事例の有無については、39.2%が「あった」と回答したという。なお歯科診療所だけに限ると、52.3%に達したとのことだ。医療費増加理由での検査・治療中断、がんでも!また、半年間に医療費増加を理由に検査や投薬・治療を断られたことがあるかとの問いには、39.2%が「あった」と回答、特に医科診療所は49.5%と半分に達している。治療を中断したのは、糖尿病や高血圧など慢性的な病気の患者が多かったが、中には前立腺がんなど、がん病名のケースが5件あったという。負担感の大きい医療費、この先どうする?医療費の収納に関し、半年間に患者一部負担金の未収金があったかについては、47.7%から「あった」と回答があり、病院に限っては、何と88.9%に至っているとのこと。こうした背景には、経済や雇用情勢の悪化、新薬の高額化などがあるとみられている。このことから協会では、「医師が満足のいく治療計画を立てられなくなっている」「今の窓口負担は重過ぎ。患者が医療から遠ざかると重症化するリスクは高くなる。安心して医療にかかれる体制作りが必要」と危機感を募らせている。実際問題、医療費の額は保険適用でも負担が大きくなっているのは現実のようで、高齢化社会の進む中、この先どういう解決策を見出すか、正に政治のリーダーシップが問われるところである。
2010年10月10日