今年で25回目を迎える「横浜ダンスコレクション」。今年のプログラムでは、2017年の同コレクションのコンペティションIで審査員賞を受賞した黒須育海が率いる「ブッシュマン」が世界初演となる新作「けむりでできたぞう」を上演。黒須育海に新作披露への意気込み、そして横浜ダンスコレクションの意義について話を聞いた。【チケット情報はこちら】まず今回の新作「けむりでできたぞう」について。「動物の象は、重くて大きくて、ものや人を運んだりする。どこか哀しいイメージで、僕の中で、人間に使われているという印象がすごく強いんですよね。一方で煙は象とは真逆の軽くてフワフワしたイメージ。『重いけど軽い。軽いけど重い』――そんなイメージでこのタイトルをつけました。コンセプトとしては、いままで自分が作ってきた作品は、人間の欲望や本質、感情的なものを元に、そこから広げていったものが多いんですが、今回はもう一歩、“外”の視点を取り入れて、社会問題だったり小説などから情報を取り入れて作っていきました」2015年には横浜ダンスコレクションで、香取直登との共作でシビウ国際演劇祭賞、Touchpoint Art Foundation賞をW受賞。そして2017年には単独で審査員賞に輝いたが、黒須にとって横浜ダンスコレクションは多くの若いダンサーにとってそうであるように「ひとつの大きな目標」であったと同時に、もうひとつ、ある強い思いを抱いていたという。「当時、僕は常勤の教員をしていたんですが、若いダンサーにとって、ダンスというのはフリーターなどで何とか生活しながら続けていくものという認識があって…、でもそうじゃないだろうって思いをずっと持っていたんです。日本でダンスをする方法として、ちゃんと働きながらでも続けていけるということを結果を出して示したいという思いがありました」まさに結果でもって、新たな道を切り拓いたわけだが、改めて黒須は横浜ダンスコレクションを「その時代、その年ごとに合った新しいダンスが発掘されていく場」であると語り「日本だけでなく海外からも多くのダンサーが参加して、新しい時代のダンスを味わうことができる。自分も含めて新たな作品を作り続けて、提示していくことが大事だなと思っています」と意気込みを口にする。2018年からは近藤良平率いる「コンドルズ」に参加するなど、精力的に活動の場を広げているが「コンドルズへの参加は刺激の極みですね。個性の塊、刺激の塊の中でダンサーとしてだけでなく舞台に立つ人間、表現者として勉強させてもらっています」と声を弾ませる。一方で、自らが率いる「ブッシュマン」は「日本のコンテンポラリーはもっといろいろな作品があっていいと思います。コンドルズのようなみんなに愛される作品は勿論大好きな僕ですが、ブッシュマンでは独特な世界観と異形な身体を発信していきたいと思います」と語る。新たな才能の発掘と共に黒須のパフォーマンスにもぜひ注目したい。「けむりでできたぞう」は2月10日、2月11日、横浜にぎわい座 のげシャーレにて上演。取材・文:黒豆直樹
2020年02月07日映画『羊とオオカミの恋と殺人』(12月9日公開)の公開初日舞台挨拶が29日に都内で行われ、杉野遥亮、福原遥、江野沢愛美、朝倉加葉子監督が登場した。同作は、スプラッター・ラブコメディ漫画『穴殺人』(作:裸村)の実写化作品。大学受験に失敗し予備校もやめ引きこもる黒須(杉野遥亮)は、首吊り自殺を図るも失敗し、弾みで空いてしまった壁の穴から美人で清楚な隣人・宮市さん(福原遥)の生活を覗くことが生き甲斐になる。しかし、ある日彼女が部屋で行っている凄惨な殺人行為を目撃し声をあげてしまい、気づかれた黒須はつい宮市に愛を告白、彼女と付き合うことになる。杉野は福原について「共演するのは2度目。人見知りはしましたけど、2回目なので、信頼がすごいあった」と振り返る。「勝手にさせてもらっていたというか。そういった意味では安心してやっていました」と感謝すると、福原も「今回は結構杉野くんと意見を交換しながら話せたのが嬉しかったですし、本当に私も支えてもらっていたというか。すごい安心感があって、一緒にできてよかったです」と互いに信頼感を見せた。また殺人鬼役を演じた福原について、江野沢は「普段かわいらしい感じなんですけど、お芝居に入ったときに目の鋭い感じが伝わってきて、殺人鬼でした」と称賛し、福原は「嬉しいです。そんな目してました?」と問いかける。杉野も「絶対的な信頼を置いてましたよ。遥ちゃんの目を見て芝居をしていれば正解。自分の中にも確固たる何かが生まれてくると思ってました」と語った。「信じられないでしょうが、私〇〇なんです」というトークテーマに対し、杉野は「こう見えて、がさつなんですよ。世間的なイメージで、清潔感があると思われてるのかなと思って」と発言の意図を明かす。「ズボラなところがけっこうあって、お風呂からあがったらパンツもはかずにうろうろするとか、部屋のなかでコートとかかけずにそこらへんに置いちゃうとか」と明かすと、キャスト陣も会場も驚き、杉野は「ドン引きじゃないですか」と苦笑する。しかし、「洗濯はちゃんとしますよ。洗濯男子なんで」と、花王「アタックZERO」のCMをアピールしていた。
2019年11月29日