古希(70歳)、傘寿(80歳)を過ぎてもなお、年に複数本の映画やドラマに出演し、日本映画界に欠かせない存在感を放つ八千草薫(82歳)と樹木希林(70歳)が揃って「VOGUE JAPAN Women of the Year 2013」を受賞。11月26日(火)の授賞式に出席した。各分野で活躍する女性を称える同賞だが、今年は受賞者の9人中に4人が女優となった。27歳にして高い演技力で高い評価を集める満島ひかり、モデルとして活躍し、今年ハリウッド大作『ウルヴァリン:SAMURAI』で女優デビューを果たした福島リラと共に八千草さん、樹木さんという2人のベテラン女優が選出された。八千草さんは現在公開中の『くじけないで』に今年亡くなった実在の詩人・柴田トヨさん役で主演しているほか、アカデミー賞「外国語映画部門」の日本代表の『舟を編む』、ドラマ「最高の離婚」などに出演し存在感を発揮した。受賞に際し「若い人ばかりの中で少々照れますが」と言いつつ、「『VOGUE』は若い頃から読んでました」とも。今年1年を「次から次へと仕事が来て、ありがたいのですが少し疲れました」とふり返り、「若いときと違って頑張らず、いまを生きていければいいかなと思います」と来年に向けた抱負を口にした。八千草さんが落ち着いた着物姿で登場したのと対照的に、樹木さんは色鮮やかな花柄のワンピースで来場。今年3月に日本アカデミー賞「最優秀主演女優賞」を受賞した際、スピーチにおいて、“全身がん”であることを告白したが、この1年を「療養の1年でした」と述懐。体調については「ずっと同じ。いいんじゃない?悪くはないので」と語った。一見、対照的な2人だが、昨年公開の映画『ツナグ』で一緒のシーンはないものの共演を果たしており、この日も肩を並べて笑顔で報道陣の取材に応じた。樹木さんは体調管理について問われ「整形と化粧ですかね?」とユーモアたっぷりに答え、さらに「皇潤です(笑)」と八千草さんがCM出演する健康食品の商品名を挙げ、笑いを誘う一幕も。会場に展示されている「レクサス」のスーパーカー「LFA]のボディに“女性として輝く秘訣”を書くようにと求められると、八千草さんは「いつも楽しく」、樹木さんは「相手を照らし、その反射でチョッと光る」と書き込んだ。(黒豆直樹(cinema名義))
2013年11月27日今年、最も輝いた女性たちを表彰する「VOGUE JAPAN Women of the Year 2013」の授賞式が11月26日(火)、都内で開催され、樹木希林に八千草薫、満島ひかり、タレントの大久保佳代子、壇蜜ら受賞者が一堂に会した。スタイルや生き方、美において読者をインスパイアした各分野で活躍する女性を表彰するもので、今年で9回目を迎える「VOGUE JAPAN Women of the Year」。女優の樹木希林、八千草薫、満島ひかりに、今年『ウルヴァリン:SAMURAI』で女優デビューを果たした福島リラ、タレントの大久保佳代子に壇蜜、モデルのCHIHARU、東京五輪招致のプレゼンテーションを行い注目を集めたアスリートの佐藤真海、アーティストのスプツニ子!の9名が受賞した。ドラマ「Woman」では強く生きるシングルマザーを映画『夏の終り』では抗しきれない愛に生きる女性を演じるなど多彩な役柄で高い評価を受けた満島さん。テレビと映画の仕事の合間を縫って出演した舞台の仕事に触れ「今年は3本の舞台に出て充実した1年でした。お客さんの前でお芝居することで学びもあり、ライブを味わいました」とニッコリ。この日はドレスではなくカジュアルで活動的で力強い印象をもたらすショートパンツ姿だったが、輝く女性に贈られる賞を受賞したとあって「もうすぐ28ですが、女性に生まれたことをもっと大切に、化粧やファッションにももっと興味を持って楽しくやっていきたい!」と女性ならではの魅力のアップを誓っていた。八千草さんは「若い人の中で少々照れくさいですが…ありがたく思います」と受賞の喜びを語る。樹木さんは「70になって、ひとつずつ持っているものを削いで、省略する――そんな時間になっているのですが、にもかかわらずこのような賞をいただき戸惑っています」と語る。五輪招致のプレゼンテーションでの活躍で注目を浴びた佐藤さんだが、競技者としても今年7月の世界選手権で銅メダルに輝くなど充実の1年となった。「普段はOLアスリートなので場違いで…」と緊張気味に笑っていたが「女性として外からも中からも輝いていけたら」と挨拶した。大久保さんは「普段やっていることからかなり遠い」と受賞に戸惑いを覚えているようだが、それでもしっかりとドレスアップして登場。展示されている「レクサス」のスーパーカー「LFA」のボディにメッセージを書くように求められると「程欲(ほどよく)」と記入。「ほどほどに欲をもって」と女性として輝く秘訣を明かした。壇蜜さんは「良くも悪くもみなさんの世界をにぎやかすことができた、そのご褒美としてここにいると思っています。みなさんあっての壇蜜です」とファンや仕事の関係者への感謝を口にしていた。各界から選ばれた今年もっとも輝きを放った9名に会場からは温かい拍手が送られていた。(黒豆直樹(cinema名義))
2013年11月26日満島真之介、佐々木希が出演する映画『風俗行ったら人生変わったwww』が間もなく公開になる。タイトルは刺激的だが、とてもユニークなラブストーリーに仕上がっている。そこで満島と佐々木に本作の観賞ポイントを語ってもらった。その他の画像本作は心優しい風俗嬢に恋した童貞青年の胸中をユーモラスに綴ったラブストーリー。満島が主人公の遼太郎を、佐々木が風俗嬢のかよを演じている。繰り返すが本作のタイトルは刺激的だ。しかし、満島は完成した脚本を読んで「驚きしかなかった」と振り返る。「一般の人が思っている童貞や風俗嬢、吃音を持っている人のイメージを完全に覆していて驚きましたし、男女の成長を描いた脚本になっていたので、読み終わった後にはすごく腑に落ちましたね」。脚本と監督を手がけたのは飯塚健。映像だけでなく演劇も手がけており、キャラクターをしっかりと掘り下げる監督だ。佐々木は「原作には描かれていなかった“かよの過去”が脚本にはちゃんと描かれていたので演じる上でもとても想像しやすかったですし、何よりうれしかった」と笑顔を見せる。現場でも監督と俳優が密に話し合って撮影が進められたようだ。「監督はすごく波長の合う人だから、自分が素直でいられるんですよね。撮影中はキャスト・スタッフのひらめきがカタチになっていったので、“ひらめき”にフタをしないでいることができた現場でした」(満島)。「過去と現在のシーンを一連の流れの中で撮ったり、監督の空間の捉え方はとても独特なんです。だから撮影に行く前も、撮影中もずっとかよのことを考えてましたね。でも最後の方は監督の目を見るだけで『あ、これは違うんだな』ってわかるようになった。本当に大きいものを得たな、という気がします」(佐々木)。本作で遼太郎とかよは“店”を通じて出会うが、多くの恋人たちと同じように一緒に食事をして、お互いを理解しようと試み、不要な想像で気をもみながら、様々な局面を乗り越えて、自身の感情を表に出していく。満島は「遼太郎は吃音に悩んでいてゆっくり喋ることしか出来ないけど、そのことが、かよを安心させる。自分がコンプレックスだと思っていることが相手にとってはプラスかもしれない。そんな瞬間がこの映画にはたくさん描かれています」と言い、佐々木は「タイトルで少し引いてしまう人もいるかもしれないけど、観るときっと考え方も変わると思う」と語る。ふたりが「とても純粋なラブストーリー」だと分析する本作。少し風変わりな出会いをしたふたりの普遍的な恋のドラマを観客はどう楽しむのか? 公開が楽しみだ。『風俗行ったら人生変わったwww』ネット先行配信中11月9日(土)より109シネマズほか全国ロードショー
2013年11月08日10月25日、東京芸術劇場・シアターイーストにてL’Equipe(レキップ) vol.1『秋のソナタ』が開幕。世界中にたくさんのファンをもつスウェーデンの監督・演出家、イングマール・ベルイマンの名作映画を舞台化する試みで、佐藤オリエと満島ひかりのふたり芝居。開幕前日のゲネプロに潜入した。『秋のソナタ』チケット情報ノルウェーの田舎町にある静かな牧師館。ここで夫と暮らすエヴァ(満島)は、7年間会っていなかった母親を招待する。国際的に活躍するピアニストの母・シャルロッテ(佐藤)は、長年共に暮らした恋人を亡くしたばかりだった。再会を喜び合うふたりだが、もうひとりの娘・重病のヘレナがいることを知り苛立つ母。次第にエヴァと母親の思いがむき出しになっていく……。寒い地方の質素な牧師館をあらわすように、舞台上には大きなガラス窓とドア、そしてたくさんのろうそくが置かれたミニテーブル。中央には白い布で覆われた大きな物体が。暗闇にぼんやりと薄明りが見えると、奥からエヴァを演じる満島がゆっくりと歩いてくる。黒く地味なワンピースに厚手のタイツ。ひっつめ髪でいかにも静かに暮らしている様子が伺える。彼女が真ん中の布をめくるとそこは大きなテーブル。落ち着いた声音の満島自身のナレーションは、母に宛てた手紙を読み上げる。すると、そこに佐藤演じる母・シャルロッテが。エヴァとは対照的な鮮やかな緑のツーピース、ヒールのある靴に赤い口紅。一気に劇場の空気が変わり、明るいけれどもどこか空疎な言葉がシャルロッテの口から次々に出てくる。お互いの気持ちを探りながら表面では再会を喜び合うふたりの声音・表情にぐっとひきつけられる客席。舞台上にたったふたり。エヴァが世界的なピアニストである母の前で緊張しながらたどたどしくピアノを弾く場面はとくに印象に残る。無音でふたりのレベルの差を、それによって巻き起こるふたりの胸の中の嵐を見せつける演出。やがて深夜、お互いの思いをぶちまけるシーンではまさにふたりの女優ががっぷりと組み合い、火花を散らしあう姿に、恐れすら感じた。1時間半の芝居の間、満島が演じるエヴァは数えきれないほど母親に「ママ」と呼びかける。愛しているのに愛されない、愛と憎しみが同居した悲痛な「ママ」が耳に残って離れない。劇場を出て外の寒さが頬を突き刺すとき、観客は再びあの母娘に思いを馳せる。公演は10月25日(金)から11月3日(日・祝)まで。チケット発売中。取材・文:釣木文恵
2013年10月25日映画やドラマなどの映像配信サービス「ひかりTV」が初めて制作したオリジナルドラマ「24時間女優」が、10月25日(金)よりビデオ・オン・デマンドで配信されることが決定。夏帆や橋本愛といった若手実力派女優たちが、気鋭の映像監督とそれぞれタッグを組み、わずか24時間で1本の短編ドラマを撮影する。ドラマ「24時間女優」は、毎回キャスティングが異なる女優と監督が、「待つ女」という与えられたテーマに沿って、24時間以内に短編ドラマを撮りきるという、かつてない試みだ。女優たちが現場に入ってから撮影終了するまでに完全密着したメイキング・ドキュメンタリー(前編)と、完成した約8分の短編ドラマ(後編)の2部構成とし、ドラマだけではなく、限られたわずかな時間の中で苦悩しながら役に入り込む、彼女たちの素顔も垣間見ることができる。初回は、『箱入り息子の恋』など数多くの映画やテレビドラマで活躍する夏帆と、『男子高校生の日常』『アフロ田中』の松井大悟監督が初タッグ。そして、第2回は長澤まさみ&岡田将生主演の『潔く柔く きよくやわく』に出演する波瑠、第3回は『シャニダールの花』『中学生円山』など話題作への出演が続く刈谷友衣子、第4回以降にはNHK「あまちゃん」でさらにブレイクした橋本愛ほか、いまをときめく若手女優が続く。「おはようございます」から「お疲れさまでした」まで、一瞬たりとも気が抜けない異色ドラマとその舞台裏。彼女たちが「待つ女」でどんな素顔を見せてくれるのか、楽しみだ。「24時間女優」(全8回)は10月25日(金)より「ひかりTV」のビデオサービスおよびテレビサービスにて配信。第1回~第8回の前編は無料。第1回前編を無料で先行配信中。(上原礼子(cinema名義))
2013年10月17日堺雅人と満島ひかりが初の夫婦役に挑戦し話題を集めた、トヨタのハイブリッド車をテーマにした新たなキャンペーン「TOYOTOWN(トヨタウン)」シリーズのTV-CM。このたび、阿部寛、西尾由佳理を起用した新CM「TOYOTOWN・郵便配達」篇が、本日(10月1日)よりオンエアされる。この「TOYOTOWN」シリーズは、15年前に植えられた世界初の「ハイブリッド」という樹の周りに生まれた「TOYOTOWN」という街を舞台に、トヨタのCMに出演している様々な人物たちの物語が展開する。街に新たに引っ越してきた夫婦役を演じる堺さんと満島さん、街の中心にそびえる“ハイブリッドの樹”を演じる樹木希林らをメインキャストに、豪華な顔ぶれが登場し、不思議な世界観が描かれる。“ジーンズ姿の市長“として木村拓哉(SMAP)も登場し、ますます注目を集める本シリーズに今回、新たに阿部さんと西尾さんが住人として加わることに。阿部さんは自転車と革鞄という昔ながらのスタイルに身を包んだ街の郵便配達員として、西尾さんは街のトヨタのお店に勤める店員として登場する。今回のストーリーは、これまで以上にコミカル。自転車というエコな乗り物で仕事に励む阿部さんが、ある日、トヨタのお店で「プリウスPHV」に出会うことから始まる。西尾さんが「プリウスPHVはリッター61キロ。“プリウス61(ロクイチ)”と覚えてください」と説明すると、何かに気付いた阿部さんは愕然と膝をつく。そして、彼の首の後ろには「61」と記されたプレートが…。実は、阿部さん演じる郵便配達員は、PHVと同様に、電気を充電する「61号」と呼ばれるアンドロイドだった、というもの。『テルマエ・ロマエ』で古代ローマ人を演じるなど多彩なキャラクターを演じてきた阿部さんだが、今回の出演について「いままでいろいろな役柄を演じさせていただきましたけど、たぶん、アンドロイドというのは初めてじゃないかな、と思います」と明かす。さらに、本シリーズのテーマである“ハイブリッド”にちなんで、阿部さん自身は何と何のハイブリッドなのか?と聞いてみると、「僕の仕事は、常に何かしらの“役”に“自分”を投影すること。そういう意味では、(役者そのものが)ハイブリッドな仕事と言えるのかもしれません。いままでの自分と過去の歴代の偉人だとか、融合するという意味で、いろいろな役を演じてきましたね。今回は、アンドロイドという異色の役ですけれど、(役とのハイブリッドを)楽しんでやっています」と役者道についても語ってくれた。新TV-CM「TOYOTOWN・郵便配達」篇は全国にてオンエア中。(text:cinemacafe.net)
2013年10月01日スティーヴン・ソダーバーグ監督の最新作にして、“最後の”劇場映画『サイド・エフェクト』で、薬の副作用に翻弄される女性を演じたルーニー・マーラ。さらに、出演作が続く、元祖“ドラゴン・タトゥーの女”のノオミ・ラパス、そして日本人女優では満島ひかり。作品ごとに役柄を切り替えるだけでなく、1本の映画の中でさえ、まるで違った“顔”を魅せる彼女たちに注目した。現在公開中の『サイド・エフェクト』では、最愛の夫・マーティン(チャニング・テイタム)がインサイダー取引の罪で収監されたことで、うつ病を再発してしまう女性・エミリーを演じたルーニー。だが、ある薬の副作用によって起きた殺人事件が、薬を処方した精神科医・バンクス(ジュード・ロウ)や、エミリーの以前の主治医・シーバート(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)をも巻き込み、それぞれの人生の歯車を狂わせていく。一見、可憐でキュートなルックスのルーニーは、本作では、病いのせいなのか、薬の副作用か、感情の不安定さだけでなく、時には相手を惑わすかのような大胆な振る舞いを見せる。鬼才ソダーバーグが惚れ込んだだけあり、シーンによっても、対峙する相手によっても表情や仕草がまるで違い、“魔性”という言葉だけでは物足りないほどの妖しさを放っている。また、『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』で世界的に注目を集め、今やハリウッドでも引く手あまたのノオミも、作品ごとにガラリと印象を変える女優の1人だ。レイチェル・マクアダムス共演、ブライアン・デ・パルマ監督作『パッション』(10月4日公開)も控えており、10月26日公開の『デッドマン・ダウン』は『ミレニアム』を手がけたニールス・アルデン・オプレブ監督のハリウッドデビュー作にあたる。『デッドマン・ダウン』でノオミは、妻子を惨殺された犯罪組織のヒットマン、ヴィクター(コリン・ファレル)と出会う、交通事故で一生消せない傷を負った女性ベアトリスに扮した。互いに“復讐”という共通の目的を持つ二人は、お互いの胸の内を隠したまま、恋に落ちていく……。恋といえば、瀬戸内寂聴の私小説の映画化『夏の終り』(公開中)で、年上の男と年下の男の間で揺れる女性を熱演した満島さんも印象的だ。放送中のTVドラマ「Woman」とはまったく逆ともいえる役柄で、その演技力を実証している。知子(満島さん)は、一回り上の作家・慎吾(小林薫)の愛人として、週の半分を同じ家で夫婦のように暮らし、8年の月日が過ぎていた。ある日、かつて夫と子どもを捨てて駆け落ちした涼太(綾野剛)と再会したことで、涼太のもとにも通い始めるように。不倫とはいえ平穏を感じる恋か、身を焦がすほど情熱的な恋か。満島さんがそれぞれの場面で見せる“女の業”は、心のままに生き、何者にも染まらない女の真の性(さが)を思わせている。スクリーンの中であらゆる“顔”を見せる、確かな演技力を持った彼女たちは、世の男性ばかりか、多くの女性たちも魅了する。『サイド・エフェクト』はTOHOシネマズ みゆき座ほか全国にて公開中。(上原礼子(cinema名義))■関連作品:夏の終り 2013年8月31日より有楽町スバル座ほか全国にて公開(C) 2012年映画「夏の終り」製作委員会サイド・エフェクト 2013年9月6日より、TOHOシネマズみゆき座ほか全国にて公開(C) 2013 Happy Pill Distribution, LLC. All rights reserved.
2013年09月07日8月10日(土)公開の、ブラッド・ピット主演作『ワールド・ウォーZ』で、主人公ジェリー・レインの愛娘レイチェルとコニーの日本語吹替版声優に、注目の子役、鈴木梨央と佐藤芽が抜擢された。その他の画像本作は、人間を凶暴化させる“謎のウイルス”の発生により人類滅亡の危機にさらされた世界で、元国連捜査官のジェリーが、世界を救うべき使命と、愛する家族を守りたいという思いの間で葛藤する姿が描かれる。長女・レイチェルを演じる鈴木は、大河ドラマ『八重の桜』で八重の少女時代や、放映中のドラマ『Woman』で満島ひかり演じる青柳小春の娘・望海を熱演するなど、演技派子役として注目を集めている。次女・コニーを演じる佐藤は、2011年にクレラップのCM“お姉ちゃんと勝負篇”に出演しその愛らしさが話題になった。2人は「セリフを合わせるのが難しかった」と話すも、ジェリーのようなお父さんを「カッコイイ!」と大絶賛。また、「(レイチェルも)私も少しこわがりなので、そこは似ている」(鈴木)、「(コニーと似ているところは)おねえちゃんとなかよしのところ!」(佐藤)と語るなど、それぞれの役に自分を重ね合わせた部分もあったようだ。ブラッド・ピットの日本語版声優としてお馴染みで、本作でもジェリーの声を務める堀内賢雄は、「この作品のテーマは家族。レイチェルやコニーの演技も含め、レイン一家の演技の絆はバッチリ」とアピール。先日、ジェリーの妻で娘たちの母カリン役の声優に、女優・篠原涼子が抜擢されたことも話題となったが、吹替版で見られる“家族”の絆にも注目だ。『ワールド・ウォーZ』8月10日(土)TOHOシネマズ 日劇ほか全国ロードショー
2013年07月26日女流作家、尼僧として活躍する瀬戸内寂聴が自身の不倫体験を元に描き、女流文学賞を受賞した著書「夏の終り」(新潮文庫刊)が、『莫逆家族 バクギャクファミーリア』の熊切和嘉監督により映画化される。このほど満島ひかり、綾野剛らを収めた本作のビジュアルが到着した。妻子ある年上の男性・慎吾(小林薫)と同棲する主人公・知子(満島ひかり)、そこにある日彼女の元を訪ねてきた年下の男・涼太(綾野剛)の三角関係が描かれる。不倫相手の慎吾との平穏な生活に満足していると思っていた知子だが、かつて夫と子供を捨てて駆け落ちした男・涼太の出現により、微妙に狂い始める生活。知子は慎吾との生活を続けながら、涼太と再び関係をもってしまい…。今回、解禁となったのは満島さん扮する知子が慎吾に寄り添うかたちで肩に寄りかかっている。小林さんは優しく支えるように肩を貸しているように見えるが、奥には年下の男・涼太を演じる綾野さんの姿が!2人から少し距離を置いて、どこか切ない表情で知子を見つめる。まさに年上の男と年下の男との三角関係が確認できる。寛容さとずるさを併せ持つ年上の男、女を求め嫉妬と孤独に苦しむ年下の男。そして自身の女の業に苦悩しながらも一途に独自の愛を生きようとする女性。この三角関係がどのように絡んでいくのだろうか。公開を楽しみに待ちたい。『夏の終り』は8月31日(土)、有楽町スバル座ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:夏の終り 2013年8月31日より有楽町スバル座ほか全国にて公開(C) 2012年映画「夏の終り」製作委員会
2013年04月12日映画『北のカナリアたち』の阪本順治監督が10月16日(火)、東京・銀座のApple Store銀座店で行われたトークイベントに出席。自らの映画づくりのルーツから本作の撮影についてまでたっぷりと語った。子供時代を過ごした生家の真向かいが、本作の配給会社でもある東映の映画館だったという阪本監督。「近所のよしみでいつもタダで入れてもらったし、映写室を覗いたりしてた。任侠映画の看板が変わるのをいつも見てました。これがが松竹の映画館だったら、僕は『どついたるねん』(’89)でデビューせず、アットホームな映画を作ってたかも。今回、東映の60周年映画を託されることになるとは…縁を感じるし意表を突かれました」とふり返る。小学4年生で8ミリ映画を撮影し、中学で映研、高校では文化祭で自主映画を制作。大学に進んだのち、石井聰互(現・岳龍)監督のプロダクションで美術スタッフなどを経験し、映画監督としてデビューを果たした。「30歳で監督になると決めてて、周りに『(助監督を)辞めます』と言ってたんです。わずかにためた貯金でボクシングという題材を選んで、赤井(英和/主演)くんを口説きました」と懐かしそうに語る。この作品が高い評価を浴び、一躍注目を浴びることになったが「天狗になってました」と述懐。「東京で僕が顔を振ると鼻の先が大阪でぶつかるって言われました(笑)。一緒に付いてきたスタッフに叱られ、殴られたこともありました」と意外な一面を明かした。デビュー作品、それに続く作品で原田芳雄、麿赤兒、若山富三郎など邦画界の重鎮たちと仕事を共にしたが「怖いもの知らずだったし、撮影所への憧れもあって、自分の演出が通じるかというスリルを感じる大御所の方にどんどん声を掛けてました。いま思うと若気の至りです」と少し照れに語る。本作は湊かなえの小説を原案に、ひとりの女教師と彼女の6人の生徒らの間に起きたある事件の真実が20年もの時を経て明らかになっていく。21作品目の監督作で、吉永小百合を主演に迎えることになったが「僕は(邦画の)黄金期のスターの方々への純粋な憧れを持ってる。ましてや吉永さんですからね。自分にやれるものではないと思ってました。何で僕の名前が(監督として)挙がったのか?いまだに怖くて聞けないんですよ」と畏敬の念を込めて吉永さんへの特別な思いを語る。撮影現場での吉永さんについては「みなさんが思っているように清楚で可憐なイメージは一緒に仕事をさせていただいても変わらないんですが、それに加えて勇ましい方だなと思いました。決断するときや吹雪の中でスタンバイしているときの虚無僧のように耐える姿もそう。あの勇ましい感じは、少しずつ培われてきたものではなく、『キューポラのある町』(’62)の頃から持ってる根っこの変わらない部分なのかなと思います」と印象を明かした。吉永さん以外にも撮影監督の木村大作や生徒役の松田龍平、森山未來、満島ひかり、小池栄子らとは初めて仕事を共にしたが、「今回に限らず、自分にやれるのか?という恐れがあった方が面白い。恐れがあるからこそ強く出ていける」と常に新たな挑戦を続ける自らのスタイルを説明。「キャスティングに関しても、台本のイメージは大事だけど、ピッタリなのは嫌なんです。適材適所を目指し過ぎるとつまらなくなる。吉永さんはこれまでずっと主演をやられてきて、どんな俳優が目の前に現れても芝居を返してきた。そんな吉永さんに対し、彼ら(※生徒役のキャスト)は、自分らしさを出してやってくれたし、吉永さんと一緒にいる中で自分でも見えなかった部分が出てきたんだと思います」と満足そうに頷いた。『北のカナリアたち』は11月3日(祝)より公開。■関連作品:北のカナリアたち 2012年11月3日より全国にて公開© 2012『北のカナリアたち』製作委員会
2012年10月16日「告白」などで知られるベストセラー作家・湊かなえの小説を原作に、吉永小百合を主演に迎えて贈る東映創立60周年記念作品『北のカナリアたち』。北の大地での過酷な撮影の最中に、シネマコンプレックス「MOVIX」のためだけに収録された貴重な特別映像がシネマカフェに一足早く到着!湊かなえの短編集「往復書簡」(幻冬舎文庫)に収録の一遍「二十年後の宿題」を原案に、ひとりの女性教師と6人の教え子たちの運命の再会、20年前に起きたある事件の真相を描き出す。主演の吉永さんを始め、森山未來、満島ひかり、勝地涼、宮﨑あおい、小池栄子、松田龍平など豪華なキャスト陣の共演でも話題の本作。吉永さんのコメント、さらに20年前の生徒役の子供たち6人が歌う「MOVIX」のテーマソングをバックに、本作の劇中映像と未公開メイキングシーンで構成されたこの映像。子供たちによる牧歌的なメロディの美しいコーラスと、そこに映し出される劇中のサスペンスフルな映像のコラボレーションは何とも形容しがたい緊張感がある。映像冒頭のほのぼのとした雰囲気に油断していると、森山さんや満島さんらが演じる20年後の子供たちのこれまで抱えてきた葛藤や不安が次々に映し出され、観るものを釘付けにする。しかし、何よりも驚かされるのが映像の冒頭から流れるこの子供たちの“天使の歌声”。本作でも重要な役割を果たすこの歌声は、3,100人の中から選ばれた子供たちによるものなんだとか。“日本最後の秘境”と言われる利尻・礼文島で、天使たちの歌声はどのように響き渡るのか?まずは、こちらの映像から注目の特別映像をチェック!『北のカナリアたち』は11月3日(土)より全国にて公開。※こちらの特別コラボ映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:北のカナリアたち 2012年11月3日より全国にて公開© 2012『北のカナリアたち』製作委員会
2012年09月14日森山未來と満島ひかりが共演するミュージカル『100万回生きたねこ』の制作発表会見が8月14日行われ、森山と満島と共に、演出・振付・美術を手がけるインバル・ピントとアブシャロム・ポラックが登壇した。『100万回生きたねこ』チケット情報佐野洋子のベストセラー絵本『100万回生きたねこ』を基に、2013年1月にミュージカルとして上演する本作。1996年に『DORA~100万回生きたねこ』のタイトルで上演されたものをリメイクする。今回は、イスラエルでの活動をベースに世界で活躍しているインバル・ピントとアブシャロム・ポラックが、原作絵本の圧倒的な美しさに共鳴し、演出・振付・美術を担当。また、戯曲は演劇界で注目を集めている若き劇作家、FUKAIPRODUCE羽衣の糸井幸之介、鉄割アルバトロスケットの戌井昭人、柿喰う客の中屋敷法仁の3名が執筆し、これを東京芸術劇場の芸術監督・野田秀樹の監修により1本の戯曲にまとめる。森山はタイトルロールの100万回生き返るトラ猫を、満島はトラ猫が初めて愛する白猫を演じる。会見で森山は「みなさんがイメージするミュージカルではないかもしれませんが、間違いなく楽しんでもらえる作品になると思う」と自信を見せる。ミュージカル初挑戦の満島は「小さいころからこの絵本が大好きで、何度も読んだ記憶があります。(出演者として)こういう形でこの絵本にまた出会えたのは嬉しいです」と本作に参加できる喜びを語った。既に4度目の共演となるふたり。お互いの印象を訊かれると森山は「映画、ドラマ、ストレートの芝居、ミュージカルを一緒にやる人は初めて!すごく信頼している人です」と話し、「本の中では“100万回生きた”とは言わない“死んだんだ”と言うんですよ。最後に、白猫と一緒にやっと死ぬことができる。どういう風に満島に殺してもらえるのか楽しみ」と期待を寄せる。これを受けて満島は「最近森山さんの顔が変わったなって思うんですよ。最初に出会った頃と違うんですね。久しぶりに会ったら素敵な男性になられていて。舞台は大先輩なので頼っていきたい。最終的には白猫になってこうできる感じになれればいいな」と抱きかかえるゼスチャーを交えつつ抱負を語った。既にワークショップを行っているアブシャロム・ポラックは「とても大きなチャレンジになると思っています。インバルと私は科学者がとても難しい実験を試みるような立場にあると思います。作品を創るレシピはまだ決まっていませんが、素晴らしい俳優とダンサー、ミュージシャンたちと一緒に創った作品をご覧いただいて、(観客を)あっと驚かせたい」とコメント。インバル・ピントは「原作を初めて読んだ時、感銘を受けました。この絵本の中には人生の中で非常に重要なメッセージが書いてあります。愛が何よりも大切であり、愛にたどり着くことが大切であると。直感を大事にして創っていきたい」と語った。公演は2013年1月8日(火)から27日(日)まで東京芸術劇場・プレイハウスにて上演。その後、大阪、北九州、広島で巡演する。チケットは9月1日(土)より一般発売開始。
2012年08月15日2011年春に上演された『鎌塚氏、放り投げる』は、シャープで知的な笑いの波状攻撃に加え、三宅弘城演じる“万能執事・鎌塚アカシ”というニュースターを生み出し、劇作・演出の倉持裕が新境地を開いた記念すべき作品。その第2弾『鎌塚氏、すくい上げる』が今夏上演される。7月下旬の某日、稽古場を訪ねた。M&OPlaysプロデュース「鎌塚氏、すくい上げる」 チケット情報空間を不可思議かつ自在に使いこなすことに定評のある倉持が、今回選んだ舞台は豪華客船だ。完璧なる執事・アカシは主人・由利松公爵より、船上で行われる長男モトキ(田中圭)と花房家公爵令嬢センリ(満島ひかり)の見合いを成功させよとの命を受け、レッドジンジャー号に乗り込む。待ち受けていたのは、政略結婚を嫌うセンリが女中ミカゲ(市川実和子)に無理やり協力させた“作戦”や、打算と恨みで見合いを壊そうとする堂田男爵夫人タヅル(広岡由里子)と執事スミキチ(玉置孝匡)の陰謀、そして船長・丸地(今野浩喜)と船員・烏田(六角精児)のワケありな雰囲気、など不穏なことばかり。出演者8人の個性が、奇抜なキャラクターと溶け合い輝きを放つ。一見自信満々ながら実は非力でひ弱なモトキ坊ちゃんを田中が伸びやかに演じれば、満島が見るからに跳ねっ返りのセンリ嬢を虚実の境目が見えない暴走演技で応える。アカシに憧れるミカゲの切なさ、色っぽさを醸し出す市川も好サポート。前回から続投の広岡&玉置は、さすがの安定感で丁々発止の掛け合いせりふを操り毒のある笑いを振りまく。兄弟に見えなくもない六角と今野の、ぶっきらぼうながら息ピッタリのやりとりが作品に新たな風を吹き込む。そして、なんと言っても三宅演じるアカシが良い。ご主人からの難題を次々にクリアするスーパー執事を、抜群の身体性から繰り出すアクロバティックな演技、マンガかと思うほど変貌する表情、芸人顔負けの勘の良さで、戯曲の笑いを次々に具現化していく。倉持は、そんな魅力的な出演者に感情から動きまで実に繊細な指示を手渡しながら、同時にオモシロぜりふをその場で考えて差し込むという余力を見せ、演出ぶりからは開幕までに作品がさらに進化する可能性大と見て取れた。加えて豪華客船の甲板を模した舞台装置は360度回転し、変わりゆく舞台上の景色が物語を加速させるのだ。『鎌塚氏、放り投げる』にはタイトルに因んだ、ヨーロッパ映画のように小粋なラストシーンが用意されていたが、今回も終幕に小さな「奇跡」が起こる。センスの良い会話の妙に笑い、アクションシーンにハラハラし、誰もが幸福になれるラストに酔う。劇場での上質な時間を、是非味わって欲しい。公演は8月9日(木)から26日(日)まで東京・本多劇場にて上演。その後、名古屋、大阪、島根で公演を行う。取材・文:尾上そら
2012年08月06日刊行から35年経ついまも、多くの人に愛されている佐野洋子の絵本『100万回生きたねこ』。この作品が来春、ミュージカルとして上演される。脚本は新進気鋭の劇作家、中屋敷法仁、戌井昭人、糸井幸之介の3人が手がけ、野田秀樹の監修により1本の戯曲にまとめる。演出は革新的なコンテンポラリーダンスを生み出すイスラエルの振付家、インバル・ピントとアヴシャロム・ポラック。この斬新な組み合わせによるステージで主人公のトラ猫を演じる森山未來、そしてトラ猫が初めて愛する白猫を演じる満島ひかりのふたりに話を訊いた。「インバルとアブシャロムが関わるという時点で、一般的に想像するようないわゆるミュージカルとは全く異なった作品になると思います」と語る森山。初めてミュージカルに挑戦する満島に対しては「彼女自身が面白いから、それだけで舞台は成立するはず」と信頼を置く。元々この絵本が好きだったという満島は「新しいことがたくさんあるからどこまでできるのか不安もあるけれど、未來くんとは、心で通いあうよりも先に身体で芝居をやりあえる関係だと思っているので、ワクワクします」と笑顔をみせる。森山と満島は2009年の舞台『ネジと紙幣』をはじめとして、ドラマや映画で度々共演している。「舞台の稽古のとき、不安でいっぱいだった私に『満島、まだみんなに信頼されてねえなあ、まあがんばれよ』ってからかうように声をかけてくれて、何かがふっきれて楽になりました」と満島が語れば、森山も「映画の撮影の合間にお互い『あのときのあの演技はあまりよくなかった』と言い合って、翌日言いすぎたなとお互い反省したり」と当時を振り返って楽しげに話す。森山にどのような舞台にしていきたいかと問うと「この作品は声がこの高さまで出ればいいとか、身体がこれだけ動いたらいいというものではなく、もっと感覚に正直にその場で表現していけるかが大事になると思う。その部分に関しては満島さんの方が先輩です」と話す。ミュージカルというジャンルにひきずられることなく、まっすぐなスタンスでこの作品に対峙しようとしているようだ。対して満島は「森山さんは、いわば身体の先輩ですからね(笑)。私が頼りきったままで終わるかもしれないけれど、実は『あんなところを引き出してやろう』とたくらんでいる部分もあるんです。すてきな白猫になって、トラ猫を深く愛せたらと思います」。ふたりの掛け合いを見ているだけで新たな関係性が生まれそうな予感だが、それを伝えると「気付いたらハブとマングースみたいになっているかもしれない」と森山が笑った。公演は2013年1月8日(火)から27日(日)まで東京芸術劇場・プレイハウスにて上演。その後、大阪、北九州、広島で巡演する。取材・文:釣木文恵
2012年07月10日女流作家・尼僧として活躍する瀬戸内寂聴が自身の不倫体験を元に描き、女流文学賞受賞作を受賞した代表作「夏の終り」(新潮文庫刊)が、『莫逆家族 バクギャクファミーリア』の熊切和嘉監督により同名映画化!満島ひかりが主演を務めることが発表された。1963年に発表されて以来、100万部を超えるロングセラーとなっている同作。妻子ある年上の男性・慎吾と同棲する主人公・知子と、ある日彼女の元を訪ねてきた年下の男・涼太との三角関係が描かれる。不倫相手の慎吾との平穏な生活に満足していると思っていた知子だが、かつて夫と子供を捨てて駆け落ちした男・涼太の出現により、微妙に狂い始める生活。知子は慎吾との生活を続けながら、涼太と再び関係をもってしまい…。妻子ある不遇な作家との長年にわたる愛の生活に疲れ果て、年下の男との激しい愛欲にも満たされない。自身の女の業に苦悩しながらも、一途に独自の愛を生きようとするという難役に抜擢されたのが満島さん。6月5日にクランクインを迎えたが、「色っぽく、濃厚な脚本に出会いました。緊張しています。難しい、アァ、難しいと感じながらも、熊切監督の『良いっすねー』を聞いて終わる一つ一つのシーンが、どんどん愛しくなる毎日です。ほんと、映画っておもしろいです」とその言葉の端々に充足感があふれ出る。満島さん扮する知子を巡る2人の男性には、この2人。知子を愛し優しく見守りながらも、妻とも別れられない、年上の男の寛容さとずるさを併せ持つ男・慎吾を演じるのは小林薫。熊切監督からのオファーを二つ返事で引き受けたという小林さんだが、当時の心境については「また、金がないんだろうな~って」と余裕のジョーク。一方、知子を求め嫉妬と孤独に苦しむ年下の男・涼太を演じるのは、話題作への出演が続く若手俳優・綾野剛。「熊切和嘉監督との初組み、満島ひかりさん、小林薫さんとの共演に興奮を隠せません。また古き良き場所での撮影。鼠の心臓から象の心臓へと心のささくれが落ち着きます」と興奮の胸の内を明かす。今回の映画化について、瀬戸内寂聴さんご本人からは「映画やテレビにも度々なりました。今度はすべての配役が若返っています。どんなにフレッシュな夏を見せてくれるか楽しみです。この映画作りに関った方々、また観て下さる全ての方々に、心からありがとうと申しあげます」という期待と感謝の心こもるコメントが寄せられた。撮影は、兵庫県の古きよき建物が残る加古川などで撮影中で、今月25日(月)にクランクアップ予定。「花ざかりの女“知子”を、のびやかに生きていたい」という満島さんの新境地となる演技、2人の男と1人の女のコラージュに期待したい。『夏の終り』は2013年、全国にて公開。■関連作品:夏の終り 2013年、全国にて公開
2012年06月20日日本映画が少なかった今年のカンヌだが、「ある視点」部門で、若松孝二監督の『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』が上映され、若松監督と井浦新、満島真之介が喝采を浴びた。作家・三島由紀夫を演じた井浦さんは、同部門で上映された『空気人形』以来、4年ぶりのカンヌとなる。「とても感慨深いです。4年前は、僕を役者の世界に引っ張ってくださった是枝監督に、そして今回は若松監督に連れてきていただいた。若松監督は『お前は役者の道に突き進め』と背中を押してくれた監督です。特別な思いがします。いわば役者として生みの親と、育ての親のおふたりの映画で、カンヌに来ることができるなんて」と、カンヌへの特別な思いを語った。若松監督は海外プレスから、多くのインタビューを受けた。「海外の記者のほとんどから『なぜいま、三島由紀夫か?』と聞かれた。連合赤軍の映画(『実録・連合赤軍あさま山荘への道程』)をやったら、三島さんも描かなければならない。左翼も右翼もあまり関係なくて、あの頃の若者はみんな声をあげていた。両方とも日本を憂いていて、体を張って何かを変えたいという思いがあったと思うんです。腹を切ろうなんて、現代では絶対出来ないこと。僕には出来ないことだから、映画にしたかった。自分でやれるなら、映画なんて撮ってないですよ」と語った。満島真之介さんは、満島ひかりさんの実弟。仲がとても良いというお姉さんへどう伝えるかという質問に「レッドカーペットは気持ち良かったよ、と言いたいです(笑)。芝居というより、どういう風に生きて、死んでいくのかを常に考えているような姉弟なので、帰ったらゆっくり報告したい」と答えた。上映後にはフランス人女性が若松監督に駆け寄り、「美しい映画をありがとう」と涙ながらに感激を伝える姿も。若松監督の描く三島と若者たちの姿は、カンヌに強い印象を残した。『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』は6月2日(土)より全国にて公開。(text:Ayako Ishizu)特集:第65回カンヌ国際映画祭■関連作品:第65回カンヌ国際映画祭 [映画祭]11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち 2012年6月2日より全国にて公開■関連記事:【カンヌレポート】ミヒャエル・ハネケ、2本連続でパルム・ドール受賞!【カンヌレポート】ロバート・パティンソン、ホテルにこもりきりの撮影裏話明かす【カンヌレポート】ザック・エフロン、ニコールとの恋に「全く年の差感じなかった」【カンヌレポート】クリステン・スチュワート、15歳の妻を演じた難しさ明かす【カンヌレポート】『愛と誠』の和製“愛”、海を越えスタンディング・オベーション!
2012年05月29日前向きになれる歌詞とパワフルな歌声がイイ!!アニメ『ONE PIECE』は、ストーリーに加えてワクワク感が高まるオープニング曲、余韻に浸れるエンディング曲なども魅力的。そこで女性603名に「聞くだけで元気が出る!?これぞ『ONE PIECE』のアニメ・映画の主題歌」を聞いてみました。>>男性編も見るQ.聞くだけで元気が出る!?これぞ『ONE PIECE』のアニメ・映画の主題歌は?(複数回答)1位『ウィーアー!』きただにひろし18.9%2位『Believe』Folder512.9%3位『Share The World』東方神起11.6%4位『fanfare』Mr.Children9.4%5位『ウィーアー!』東方神起9.0%■きただにひろしさんの『ウィーアー!』は元気が出る!!・「The『ONE PIECE』!!という曲。聞くだけで大海原に出て困難を乗り越えていくルフィたちの姿が思い浮かぶ」(27歳/通信/秘書・アシスタント職)・「『ONE PIECE』に一番合っている曲だし、元気が出る歌詞」(25歳/医療・福祉/専門職)・「『ONE PIECE』の歌といえば、これだと思う。定番中の定番だから元気が出る」(23歳/小売店/専門職)・「やっぱり初代オープニング曲が一番印象深かった」(27歳/機械・精密機器/事務系専門職)・「『ONE PIECE』の歌って感じの元気な歌」(25歳/医療・福祉/専門職)■『Believe』は元気が出る!!・「アニメを見ていたときのオープニング曲なので。なんだかとても懐かしくなる」(23歳/商社・卸/営業職)・「元気が出るアップテンポな曲だから」(27歳/学校・教育関連/事務系専門職)・「オープニングのイントロが好き」(29歳/情報・IT/販売職・サービス系)・「明るくて前向きな歌だから」(26歳/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)■『Share The World』は元気が出る!!・「『やっていこうや!!』というノリの歌詞が好きだから」(23歳/金融・証券/事務系専門職)・「ほんとにかっこいい。テンションが上がるので、毎朝通勤で聞く音楽の一つです」(26歳/情報・IT/技術職)・「世界を股に掛け活躍するイメージがわいてくるから」(37歳/自動車関連/技術職)■『fanfare』は元気が出る!!・「映画とよく合っていたと思う。ついつい口ずさんでしまう」(29歳/金属・鉄鋼・化学/秘書・アシスタント職)・「聞くだけで涙が出そうになる!」(36歳/金融・証券/事務系専門職)■東方神起の『ウィーアー!』は元気が出る!!・「すごく元気が出るし、聞くだけで『ONE PIECE』が思い浮かぶ!!」(23歳/金属・鉄鋼・化学/事務系専門職)・「本当に元気が出ます。私の中では定番になっています」(23歳/医療・福祉/営業職)■番外編:この主題歌も元気が出る!!・『またね』DREAMS COME TRUE:「離れていても、仲間としていつかまた会えそうな気がするから好き」(29歳/金融・証券/秘書・アシスタント職)・『Fight Together』安室奈美恵:「歌詞もメロディも最高!ライブでも盛り上がっていました!!」(26歳/医薬品・化粧品/販売職・サービス系)・『sailing day』BUMP OF CHICKEN:「PVにルフィらしき麦わらの人がいっぱい出てきて面白いし、何よりテンションが上がる!」(25歳/アパレル・繊維/販売職・サービス系)・『ウィーゴー!』きただにひろし:「さまざまなことを乗り越えて成長したルフィたちの曲だから」(26歳/生保・損保/専門職)・『サヤエンドウ』NEWS:「盛り上がり方や、アドベンチャー感がいい」(29歳/生保・損保/事務系専門職)総評定番中の定番として見事1位を獲得したのは、きただにひろしさんが歌う『ウィーアー!』。パワフルな歌声を聞いていると、大海原を駆け巡るルフィたちの姿が目に浮かびます。初代主題歌なのでリアルタイムで夢中になって見ていたという人も多いのでは。2位は2代目オープニング曲、『Believe』がランクイン。ポップでテンポの速いイントロを聞くと、自然とテンションが上がりますよね。現在女優として活躍している満島ひかりさんもメンバーだったFolder5が歌っていました。女性からの人気が高い東方神起が歌う主題歌は2曲選ばれました。3位の『Share The World』は、前向きな歌詞がルフィたちへの応援歌のようでした。5位『ウィーアー!』は、パワフルなきただにさんとは違う、東方神起ならではの伸びやかな歌声が特徴になっています。同じく女性に人気のアーティスト、Mr.Childrenが歌う『fanfare』は4位。原作者の尾田栄一郎さんが製作総指揮を務めた劇場版アニメ『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』の主題歌です。初代、2代目の主題歌に思い入れのある人が多く、1位、2位を獲得しました。その他、注目は2曲もランクインさせた東方神起。きただにひろしさんが歌う『ウィーアー!』のアンサーソング『ウィーゴー!』のような、彼らならではのアンサーソングも聞いてみたいですね。(文・飯塚雪/C-side)調査時期:2012年1月13日~1月18日調査対象:マイナビ ニュース会員調査数:女性603名(その他と回答した19.4%を除く)調査方法:インターネットログイン式アンケート■関連リンク【ランキング女性編】ドライブで聞きたいアニソン【ランキング女性編】『ONE PIECE』の世界へ行ったらやってみたいこと【ランキング女性編】尾田栄一郎さんに描いてほしいマンガのジャンル完全版(画像などあり)を見る
2012年03月09日吉永小百合が厳しい寒さの北海道で映画撮影1月13日、女優の吉永小百合が東映創立60周年記念映画「北のカナリアたち」の撮影のため寒さ厳しい北海道、礼文島で2日間の撮影をした。氷点下11度という厳しい寒さの中、撮影したのは、吉永演じる先生が、20年前に天使の歌声を持っていた教え子6人と時を経て思い出の島の学校で再会するというシーンだ。成長した教え子たちを抱きしめたい大人になったかつての教え子たち6人は、それぞれ見事に空白の20年の歳月を演じ、映画.コムによると吉永は「みんなかわいくて、役ではなく私、個人としてもハグしたくなります。俳優をやっていなかったらこんな素敵な教え子たちに出会えなかった。お芝居もみんな20年の歳月をきちっと作って、それを埋めて表現するのを目の当たりして、逆に学ぶことも多かったです」と、感慨深げに話したという。そして6人との合唱の練習のシーンでは、皆が可愛くて仕事ではなく、個人として抱きしめたくなったという。新しいジャンルの映画になるのでは?吉永は、「北のカナリアたち」は現在と過去が交互に出てくるシナリオになっている。明日への新しい第一歩を踏み出していく(再生に向かう)ような新しいジャンルの映画になるのではと本作への深い思い語った。20年後の生徒たちを演じる役者たち吉永が絶賛した生徒役の6人は、森山未來、満島ひかり、勝地涼、宮崎あおい、小池栄子、松田龍平が演じている。ストーリーは利尻、礼文島を主要舞台としたサスペンス映画20年前に起きた事故がきっかけで、島を出た小学校教師の(吉永)が、教え子の一人が事件を起こしたことを知り、かつての教え子たちに会う旅に出る……。(映画.コムより)元の記事を読む
2012年01月18日阪本順治監督、吉永小百合主演で贈る壮大な運命の物語『北のカナリアたち』。マイナス11度で強風が吹き荒れる真冬の寒さの中、1月12日(木)と13日(金)、日本最北の島・礼文島で本作の撮影が行われ、吉永さんを始め、森山未來、満島ひかり、勝地涼、宮崎あおい、小池栄子、松田龍平ら豪華キャストが集合し、クライマックスとなる再会のシーンの撮影を敢行した。湊かなえの「往復書簡」(幻冬舎刊)に収録されている「二十年後の宿題」を原案に、一人の女性教師と6人の教え子たちの運命の再会、20年前に起きたある事件の真相を描く本作。名カメラマン・木村大作の撮影のもと、体感温度がマイナス30度にもなる厳しい真冬と、初夏の二期にわたりロケーションが敢行されている。地元の人たちがここ数年で一番寒いと口を揃えて言うこの日、礼文島に撮影のため建てられた岬小学校分校の教室内で撮影は行われた。ある事件でバラバラになった女性教師(吉永さん)と6人の教え子たちが20年の時を経て、思い出の学校で再会するというクライマックスシーンが撮影された。「『よーい、スタート』で仲のいい雰囲気を作るのではなくて、それ以前の台本に書かれていない20年間を含めて、彼らは一堂に会してお互い喜びあってほしかった」と言う阪本監督の指揮のもと、何度も入念なリハーサルを経て撮影が行われた。吉永さんは撮影をふり返り「昨晩、合唱の練習があって指揮をする私を6人がまっすぐ見てくれた、もうそれだけで胸がいっぱいになって泣きそうになりました。みんな可愛くて、役ではなく私個人としてもハグしたくなります。俳優をやっていなかったらこんな素敵な教え子たちに出会えなかった。お芝居もみんな20年の歳月をきちっと作って、それを埋めて表現するのを目の当たりして、逆に学ぶことも多かったです」と6人との共演の喜びを口にした。極寒の中での演技は負担も多いことが予想されるが、森山さんは「家でダラダラしていたら、この自然に負けてしまうような気がしたので、少し早めにこちらに入って島を北から南まで歩き回りました。信人という役は、辛い過去があるけどたくましい人物。島を歩いたおかげで、その役作りに役立ちました」と万全の体制で臨んだ様子。満島さんは「島に入った日に、子役の6人に会いましたが、ここにいるみんなを見ると、あの子たちの20年後を見ているようで不思議です。でも、吉永さんはずっと、はる先生にしか見えない。黒板の前に立っている姿もお似合いです」と一同の再会を喜んだ。昨年行われた製作発表では、大先輩である吉永さんとの共演に対して緊張も見せていた“教え子”たちだったが、勝地さんは「札幌での共演シーンでは突然の大雪で、メガネも曇るし、吉永さんが見えないくらいでした。すごく緊張していたのですが、話しかけたときの表情がすごく温かくて、自然と話せました」。宮崎さんも「吉永さんとのシーンは、監督から『目を見ないでお芝居してほしい』と言われていて、本当は目を見て気持ちを共有したいんだけど、それができない。その葛藤がありましたが、昨日、歌の練習で先生の目を見れて、涙が出るくらい幸せでした。また、共演シーンでカットがかかった後に、吉永さんがハグしてくれて。寒い現場ですが、暖かい現場です」と吉永さんとの撮影エピソードを笑顔で明かした。造船所で働く七重役の小池さんは溶接のシーンにも挑んだが、「趣味『溶接』って書きたいぐらい楽しい練習でした(笑)。寒い冬景色の中、巨大な船でバチバチと火花が散るところは迫力あるシーンになっていると思います」とのこと。吉永さんとの共演については「先生を目の前にすると甘えられて、自然と演技ができました」と言う。松田さんは「今回、20年後の役ということで、その時間をどう生きてきたか台本を読んで想像して来たんですが、実際にこちらに来てみると、想像していたものと全然、違っていた。役作りをする条件が揃っている贅沢な現場です」と充実した表情を見せた。そして最後に、吉永さんは「空白の20年間を6人の方々が見事に表現して下さっている。監督や多くのスタッフとは初めてですが、心が通い合っている良い現場です。これをずっと続けていきたいですが、ここにいる6人は冬ロケだけなので、それがちょっと残念ですね。ただ、夏はちびっ子たちが来ます。20年前の子供たちのところは第1幕、現在の若者6人のところが第2幕、映画を観終わったら第3幕が始まるような感じで、明日に向かって新しい第一歩を踏み出していくような新しいジャンルの映画になると思います」と本作への手応えを語った。写真からも暖かい現場の様子が伝わってくるが、果たしてどのようなクライマックスシーンに仕上がっているのか?『北のカナリアたち』は今秋以降、全国にて公開。■関連作品:北のカナリアたち 2012年秋、全国にて公開■関連記事:東映60周年、吉永小百合主演作に“黄門さま”、『あぶ刑事』コンビ、宮崎あおいら出演吉永小百合、主演最新作が決定!原案は「告白」の湊かなえ
2012年01月17日映画『スマグラー おまえの未来を運べ』が10月22日(土)に公開初日を迎え、主演の妻夫木聡を始め永瀬正敏、松雪泰子、満島ひかり、安藤政信、阿部力、我修院達也、石井克人監督が都内で行われた舞台挨拶に登壇した。「闇金ウシジマくん」で知られる人気漫画家・真鍋昌平の初期の作品を映画化した本作。借金を背負って闇の運送屋の一員として働くことになった青年が、やくざやチャイニーズ・マフィアも絡んだ抗争に巻き込まれていくさまを描く。この日は初回上映前の舞台挨拶ということで朝9時半からスタート。妻夫木さんは「初日ってこんなに早いものでしたっけ?何かどんどん早くなってますね」とボヤきつつも劇場に足を運んだ観客への感謝を述べた。石井監督は自らの作品であるにもかかわらず「前半は面白いので…」と中途半端に作品をアピール。妻夫木さんから「全部面白いでしょ!」としっかりとツッコミが入り、会場は笑いに包まれた。劇中、闇の運送屋やマフィアなど危険な生業に手を染める者たちが続々登場するが、これまで危険な仕事を経験したことは?と尋ねられた永瀬さんは「若い頃、アジアを回っていろんな国の映画に参加していた頃、警官だと思ってた人が実はゲリラで、一緒に車に乗ってる監督がマグナム(銃)を抱えていたということがありました」と驚きのエピソードを披露。一方、安藤さんは「小学生の頃に車にはねられて…」と語り、すかさず妻夫木さんから「それ、危険な目に遭ったというよりもうはねられてるじゃん(笑)!」と突っ込まれていた。また、女性陣2人に劇中の登場人物の男たちの誰とならパートナーを組みたいか?と尋ねると、松雪さんは「冷静で仕事もキッチリしてる」と永瀬さん演じる運送屋のリーダーのジョーを選択。これには永瀬さんも「嬉しいです」とガッツポーズを見せた。満島さんが選んだのは、運送屋のメンバーのひとりで我修院さん演じるジジイ。「ふざけてても温かい心を持ってる人がパートナーだったらいいなと思います」と笑顔を見せた。妻夫木さんはこれから映画を観る観客を前に「気に入ってもらえると思う!」と自信のコメント。「来週は三谷組の作品(『ステキな金縛り』)があるので、今週がっつり取っとかないと」と猛アピールし、会場は笑いに包まれた。『スマグラー おまえの未来を運べ』は全国にて公開中。■関連作品:ステキな金縛り 2011年10月29日より全国東宝系にて公開© 2011フジテレビ 東宝スマグラーおまえの未来を運べ 2011年10月22日より全国にて公開© 真鍋昌平・講談社/2011「スマグラーおまえの未来を運べ」製作委員会■関連記事:安藤政信インタビュー10代20代を経ていま、感じる「生の感覚」高額の運送バイトの実態は…『スマグラー』手ぬぐいを5名様にプレゼント「三谷幸喜映画祭」に深津絵里、綾瀬はるか、妻夫木、佐藤浩市ら14名がズラリ鈴木えみ、人生初ゴスロリ衣裳に「上がりました!」三谷幸喜が贈る、“笑えて泣ける”『ステキな金縛り』試写会に20組40名様ご招待
2011年10月22日先日より公開中の3D時代劇『一命』。本作で市川海老蔵演じる主人公・津雲半四郎の娘婿であり、劇中で描かれる“事件”のきっかけを作ることになる千々岩求女(もとめ)を演じた瑛太のインタビュー映像と、撮影現場での様子を捉えた貴重なメイキング映像が到着した。井伊家の庭先での切腹を願い出る浪人・半四郎の姿を通じて、武士として生きることの不条理、残酷さを鮮烈に描き出す本作。半四郎の行動の裏には、井伊家と求女との間に起こった悲劇があった――。求女は妻の美穂(満島ひかり)や生まれたばかりの赤ん坊を何より大切に考える男。面目やプライドなどをかなぐり捨てても家族を守るためにある決断と行動に出るが、それが思わぬ悲劇を生むことになる。瑛太さん自身、結婚し第一子も生まれ新しい家族を手に入れたばかり。求女について「武士という身分を捨ててまで家族を守りたいというのは、僕自身にもある思い」と共感を明かすと共に「改めて、家族を大事にしなきゃと思えたり、こうして当たり前に生活できることがすごく幸せなんだなと感じてもらえたら嬉しい」と役に込めた思いを語る。到着したメイキング映像には息子役の赤ん坊を抱っこする瑛太さんの姿も。すっかり“パパ”の顔つきで、満面の笑みを浮かべて慣れた様子で赤ん坊をあやしている。さらに、求女の最大の見せ場である白装束をまとっての切腹シーンに関して、瑛太さんは「映画全体を通してずっと緊張感があったけど、あのシーンを撮っているときはキャラクター(求女)同様に血迷ったというか、客観的に見ている自分がいなくなった」と述懐する。「これにて腹を切らせていただく――」とまさに鬼気迫る表情で申し出る求女。普段の瑛太さんのクールなイメージとはまた違った表情を見せてくれるが、あの熱のこもった演技はまさに求女になりきった中で生み出されたもののよう。「不思議な時間がありました」と感慨深げにそのときをふり返った。偶然ではあるが、瑛太さんのみならず海老蔵さん、満島さんという主要キャスト3人はいずれもここ最近、結婚や子供の誕生で新たな家族に恵まれており、家族への愛を強く描き出す本作にまさにピッタリだったと言えるのかも。己を捨てても大切な人を守ろうとする男の全身からあふれる“愛”を感じてほしい。『一命』は全国にて公開中。※こちらの特別映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:一命 2011年10月15日より全国にて公開© 2011映画「一命」製作委員会■関連記事:満島ひかり、撮影現場で海老蔵と新婚生活について語り合う『一命』市川海老蔵×三池崇史監督映画×歌舞伎の才が生み出した「侍」三池監督&満島ひかりが赤ちゃんを前にしての海老蔵の素顔を暴露!海老蔵、ファンに謝罪「新たな気持ちでの精進」誓うと共に家族への思い語るキャスト&監督登壇『一命』舞台挨拶付き完成披露試写会に10組20名様ご招待
2011年10月21日映画『一命』が10月15日(土)に公開を迎え、三池崇史監督と瑛太、満島ひかりが都内劇場で舞台挨拶に登壇。この日は欠席となった主演の市川海老蔵からは登壇陣に手紙が届けられ、それぞれ“海老蔵談義”に花を咲かせた。滝口康彦の「一命」(講談社文庫刊)の一篇「異聞浪人記」を原作に、武家屋敷での切腹を申し出たひとりの浪人の姿から、武家社会の不条理や残酷さを描き出す。海老蔵さんは名古屋での歌舞伎公演のため、残念ながら初日舞台挨拶は欠席となったが、初日に劇場に足を運んだ観客に感謝を伝えると共に、監督、瑛太さん、満島さんそれぞれに宛てた手紙をしたためた。三池監督は晴れの日の主演不在について「名古屋で暴れて来れないというわけではないんですよね(笑)?」と軽口で客席の笑いを誘う。海老蔵さんからの手紙には「愛と刺激を与えて下さりありがとうございます」とあり、これには「出来過ぎだね。いないくせにいいとこ持ってきますよね」と嬉しそうな笑みがこぼれた。瑛太さんは「瑛太くんの熱さにはやけどしそうでした。次は敵役とかで競演したいですね」と書かれた手紙を受け取り「嬉しいですね」とニッコリ。現場での海老蔵さんについて「少しずつ距離を縮めるのではなく、いきなり目の前1センチまで来てくれる感じで、この人には全て見せてもいいという“父性”を感じさせた」とふり返った。海老蔵さん演じる半四郎の娘の美穂を演じた満島さんは艶やかな着物姿で登場。「美穂、本当にふがいない父親で申し訳ない」という“父”の詫び状に「どう取ったらいいんでしょうか(笑)?いろんな意味にとれますね」と困惑した様子を見せた。海老蔵さんとの現場での初対面を「海老蔵さんが半四郎の衣裳のまま自転車に乗って、京の街に繰り出していくところで『初めまして』と挨拶しました」と明かし、「見ていて爽快で、いろんな意味で楽しい方でした。やんちゃなところもありますが、心の中に縮こまって座っている寂しん坊の少年が見えて、人間味のある人だなと思いました」とその魅力を語った。現場では「ちょうど家族を持ったばかりのときで、海老蔵さんもそうだったので一緒にそういう話をしました」と互いに新婚生活について話をしたことも明かした。本作はフランス、ドイツを始め41か国での公開も決定。三池監督は世界中の観客の目に触れることへの喜びを語ると共に「日本人にしか作れない作品」と胸を張った。『一命』は全国にて公開中。■関連作品:一命 2011年10月15日より全国にて公開© 2011映画「一命」製作委員会■関連記事:『一命』市川海老蔵×三池崇史監督映画×歌舞伎の才が生み出した「侍」三池監督&満島ひかりが赤ちゃんを前にしての海老蔵の素顔を暴露!海老蔵、ファンに謝罪「新たな気持ちでの精進」誓うと共に家族への思い語るキャスト&監督登壇『一命』舞台挨拶付き完成披露試写会に10組20名様ご招待満島ひかりの“初”母親姿が解禁!泣く赤ん坊のために海老蔵が歌舞伎を披露!
2011年10月17日「市川海老蔵という生き物」――。インタビューの最中に彼の隣に座る三池崇史監督がふと発した表現に思わず頷いた。これこそが11代、300年以上にわたって脈々と受け継がれてきた成田屋の名跡を背負う男の存在感なのか。役柄について、現場について、三池監督について飄々と、そして意外なほど多弁に語るが、ひとつひとつの言葉がずっしりとした重みをもって心を突き刺してくる。まるで映画の中で彼が演じた津雲半四郎のように。まもなく公開となる映画『一命』。武士の面目を背負うがゆえに人として、親として大切なものを喪った主人公の悲哀を彼はどんな思いで表現したのか?三池監督の才能と愛情は「ブルーチーズの味」(海老蔵さん)現場での海老蔵さんの様子を語る三池監督の表情は、演出家というよりも初めて間近に触れた歌舞伎役者に興味津々のファンに近い。映画を観終えたいち観客のように目を輝かせながら感想を語る。「映画と違うんだとびっくりしたのは、歌舞伎役者というものは“貯めていくもの”なんだということ。映画は消費していくもの。撮ったら終わりでフィルムが残るだけ。同じシーンをやることは二度とないけど、(歌舞伎は)凄まじい数がある古典などを演じるだけでなく、後世に伝えていかなくてはいけない。そこは根本的に違う。だから(海老蔵さんは)1週間あったらすぐ半四郎に戻りますよ。役どころとしては、真剣に生きる場所をなくしてしまった人に、真剣に取り組まなくちゃいけない。しかも、最後に井伊家に乗り込んで…というシーンがあるので、『そこがお芝居として計算が立つのか?』という思いもありました。でも、ひとつひとつをああだこうだと考えて映画のために芝居をするというよりも、その場に立って、目の前にこの相手がいるとこういう芝居になる、という演じ方を見せてくれた。この2つ(計算とその場の感性での演技は)矛盾してるんだけど、すごく不思議な感覚でした。それでいて、自分のことより共演者に興味津々なんですよ(笑)。『役所広司さんってなんでああいう芝居できるの?』とか『瑛太くんって自然でいいよね』と。要はテストで相手をよく見てる。それだけの余裕があるんでしょうね」。一方の海老蔵さんも三池監督の演出力に心酔した様子。三池組の心地よさ、何より現場をひとつにまとめる三池監督が持つ“吸引力”をこう語る。「監督の存在が空気を作ってる。スタッフを含め、三池さんに惚れた人たちが現場にいるんですよ。だから監督があえて言わなくても、現場の人間が無意識に動いていて見事だなと思いました。それで監督がたまに口を開くと、僕ら歌舞伎役者には想像できないものが出てくる。リアルを超えたリアルに、さらに様式美がかかっているようなことを言い出すんです。血がドロドロとしているのに、それを最終的に美しいと思わせるような…。この間、歌舞伎をやらせてもらったんですが、三池さんが僕の中で活きてるんですよ。『三池さんならどう考えるかな?どうやるかな?』ってね。僕がそういう風に思う人は、いままでほとんどいなかった。才能と愛情のかたまりがブルーチーズのようにいい感じで腐食して(笑)。ブルーチーズって忘れられない味でしょ?そういう何とも言えない世界観を持ってらっしゃるなと思います」。「侍とは何か?それは僕には分からない」(三池監督)これまで歌舞伎の中でも幾度となく侍役を演じてきた海老蔵さん。本作で演じた半四郎を含め「本音と建前」という言葉で、侍という存在を演じる面白さを明かしてくれた。「『こうあるべきだ。このように生きなくてはいけない』という守るべきルールがあるけど、人間として生きる上でそれは必ずしも腑に落ちない。でも、それを口に出せないで本音と建前に葛藤し『我が苦しみはここにある』というところがドラマとしての侍の面白さでしょう。今回の半四郎も主君のお家がなくなって浪人になるけど、侍魂というものは常にある。一方で家庭ができて、子供が生まれ、さらに娘が子を産み人間としての喜びを初めて知った――人間としての本音がそこでできたわけですね。そこで葛藤し、喜びを覚えつつも満たされようとするところで全てを失ってしまう。しかも娘婿は流行りの狂言切腹で死んでしまう。『何でだ?』という思いを抱えて井伊家に乗り込んで『どこがあなたの本音なんだ?』と、自分が武士として考えるものを照らし合わせに行くわけです。それは“確認”なんて生易しいものではなく、『おれたちは何なんだ?』、『本当に武士として正しいのか?人間としてどうなんだ?』、『それが武士の生き方か?人間として幸せなのか?』と。そこが面白さですね」。三池監督にとっては『十三人の刺客』に続く本格時代劇となるが、「侍とは何か?それは僕には分からない」と語る。その真意は?「女の人を描くのと同じ感覚かな。僕の映画は女性の登場人物が極端に少ない。僕には女の人のことは分かんないから、分かったように女優に女の人について演出をするのは変でしょ?それと似たようなもので『侍とはこういうものだ』と理解する必要もないし、できない。分からないからやってみる、作ってみるしかないんです。『理解を超えたもの』というのは僕の中で最高のリスペクト。逆に『あなたのことを分かってます。侍ってこうですよね?』という人が撮ったら小さくなっちゃう気がする。『侍って何でしょう?』というスタンスが必要なんですよね。それは撮った後も変わらないですね」。スクリーンで初めて見せる父親の愛、悲哀現場での海老蔵さんは、共演者に興味津々だったという監督の証言を先に紹介したが、実際、映画やTVを主戦場とする現代劇の俳優陣からは普段の舞台とは違った刺激を受けたようだ。「瑛太くんは爽やかな好青年というイメージでしたが、メチャクチャ熱いんですよ。面と向かって『負けませんから。負けたくないんです』という感じで『おぉ、何だろうこの熱さは』って(笑)。素晴らしいのは“ふつう”でいられる感度。歌舞伎をやっていると、非日常に対する対応が多い。TVや映画は日常を切り出すわけで、その日常のふとした瞬間の0.01秒の間が瑛太くんからは見えるんです。僕にはそれはないですね。『この間でそれを表現するんだ?面白いな。でもこれを歌舞伎でやったらどうなるんだ?一秒はかかるな』とか考えてました。満島さんは女優独特というか、すごく入り込むんです。普通、そういう女優さんは近寄りがたい空気を持っていますが、彼女は意外と大丈夫。器量が大きいんでしょうね。入り込む人は前日や1週間前から入ってるからそういう壁があるし、ベールが掛かっているものだけど、彼女はそれをふとした瞬間に解いて、人とコミュニケーションを取ったり、場の空気を考える余裕を持ってる。若いのにすごいなと思います」。劇中、満島さん演じる娘の美穂、瑛太さん扮する娘婿の求女を温かく見守り、2人の間に生まれた孫を深く愛する半四郎。海老蔵さん自身が一児の父親となったのは映画の完成後だが、父親を演じることについて、こんな話を語ってくれた。「(孫役の赤ちゃんを)抱くと泣いちゃうんですよね(苦笑)。でも本当のお母さんが抱くと泣き止む。でも、いまになって考えると、自分の子も自分が抱くと泣き止むんですよ。(半四郎は親ではなく)おじいちゃんだから、泣いてもいいのかな、不正解ではなかったなと思っています(笑)。実際に父親じゃないのに父親を演じることについてはよく聞かれます。歌舞伎で『寺子屋』という話があって、主君のために自分の子を身代りに殺して差し出すんですが、先輩たちは『自分に子供がいないとできない。気持ち分からないぞ』とおっしゃる。逆に酒を飲んで酔っ払う演技は実は酒を飲まない人の方がうまいということもある。ということは、子供がいないからこそ表現できる子供への愛もあるのではないか?と思うんです」。真実とフィクション、現代と過去――そのはざまに立つ男の“覚悟”が垣間見える。改めて、父親になった海老蔵さんが父の愛の深さ、悲哀を新たにスクリーンで、舞台上で表現する姿を見てみたい気がするが…。まずは『一命』で“父”海老蔵の愛と葛藤、それを受け止めた三池監督が作り出した世界観をじっくりと感じてほしい。(photo/text:Naoki Kurozu)■関連作品:十三人の刺客 2010年9月25日より全国東宝系にて公開© 2010「十三人の刺客」製作委員会一命 2011年10月15日より全国にて公開© 2011映画「一命」製作委員会■関連記事:三池監督&満島ひかりが赤ちゃんを前にしての海老蔵の素顔を暴露!海老蔵、ファンに謝罪「新たな気持ちでの精進」誓うと共に家族への思い語るキャスト&監督登壇『一命』舞台挨拶付き完成披露試写会に10組20名様ご招待満島ひかりの“初”母親姿が解禁!泣く赤ん坊のために海老蔵が歌舞伎を披露!【カンヌレポート番外編】カンヌに華をそえる!スターたちのファッションチェック
2011年10月12日三池崇史監督が主催し、自らプレゼンターを務める「三池崇史監督presents 大人だけの空間」にて10月5日(水)、三池監督の最新作『一命』の試写会を開催。上映前に監督と満島ひかりがトークライヴを行なった。半世紀前の小林正樹監督による名作『切腹』の原作でもある滝口康彦の小説「異聞浪人記」(講談社文庫刊)の中の一篇を新たに映画化した本作。願い出た浪人・津雲半四郎が語る衝撃的な真実を通じて、武士として生きることの悲哀、残酷さを描き出す。三池監督は作品について「いろいろありまして…、“一命”を懸けて作りました」と苦笑を浮かべつつアピール。満島さんは、市川海老蔵演じる半四郎の娘・美穂を演じているが、監督は「映画史上こんな不幸なヒロインがいたか(笑)?」と紹介し会場の笑いを誘った。キャストに話が及ぶと、三池監督も満島さんも主演の海老蔵さんを絶賛。監督はこれから映画を観る観客に向けて「いま、(頭の中で)思っている海老蔵と映画を観終わった後で感覚が絶対に変わります」と約束。個人的な意見と断りを入れつつ「こんな芝居をやる奴はプライベートで何やってもいいと思う(笑)」と過激な言い回しでその演技力を称えた。満島さんは「あんな一瞬でプライベートと本番の切り替えができる俳優さんは初めて見た。この人の体にみなぎっている純粋なものが(映画の中に)あふれている」と驚きと称賛を口にした。一方で、「(満島さんの息子役の)赤ちゃんが6時間くらい泣いていたけど、海老蔵さんが抱くと泣くんです。『おれには赤ちゃんは抱けない!』って言ってました」と撮影現場でのエピソードの暴露も。ご存知の通り、本作撮影後に海老蔵さんは“パパ”になったが監督は「こないだ会ったとき『昨日、おむつ替えたんですよ』、『(赤ちゃんは)かわいいですよ』と言ってた」と撮影時からの“変身”ぶりを明かした。さらに、監督の“矛先”は満島さんに。先日開催された完成披露試写会の舞台挨拶で、「一命を懸けて守りたいものは?」という質問に満島さんが「自分の本能」と答えたことに触れ「女の人は強いし動物的。“残す”という感覚が男よりも強い」と解説。「幸せですか?」という監督からの突然の問いに満島さんは「幸せです。おかげさまで」とニッコリ。すかさず監督から「演じていると幸薄そうに見えるのに…」とツッコミが入り、会場は笑いに包まれた。『一命』は10月15日(土)より全国にて公開。■関連作品:一命 2011年10月15日より全国にて公開© 2011映画「一命」製作委員会■関連記事:海老蔵、ファンに謝罪「新たな気持ちでの精進」誓うと共に家族への思い語るキャスト&監督登壇『一命』舞台挨拶付き完成披露試写会に10組20名様ご招待満島ひかりの“初”母親姿が解禁!泣く赤ん坊のために海老蔵が歌舞伎を披露!【カンヌレポート番外編】カンヌに華をそえる!スターたちのファッションチェック【カンヌレポート7】瑛太、初カンヌに緊張監督は時代劇に3D起用理由を説明
2011年10月05日映画監督の登竜門として数多くの才能を輩出してきた「PFFぴあフィルムフェスティバル」の各賞を発表する「PFFアワード2011」表彰式が9月30日(金)、東京・京橋の東京国立近代美術館フィルムセンターで行われた。33回目を迎える今回は602本の応募作品から、17本の入選作品を選出。その中から北川仁監督の『ダムライフ』が栄えあるグランプリを受賞した。虐げられたイエスマンの主人公が感情の“ダム”を決壊させ、暴走する姿をひりひりと描き出した同作。審査員を務めた塚本晋也監督は「他の作品とはまったく違うオリジナリティがあった。映画に対する自分なりの文体、話法を持っているし、主人公の心の闇をあえて客観的に描くことで、より浮き彫りにしている」と評した。今回、審査員を務めたのは塚本監督をはじめ、瀬々敬久監督、女優の南果歩、俳優の瑛太、映画プロデューサーの阿部秀司の5名。審査は例年以上に白熱したといい「各賞とも僅差だった」(塚本監督)。南さんは「審査はとにかく緊張しましたが、こうやって映画監督が生まれてくるんだという瞬間を目撃することができた」と満足そう。瑛太さんは「審査員をやるからには、思ったことや感じたことをハッキリ言おうと思った。大切にしたのは直感。『こういうのが見たかった』という新しいアイディアがある作品を選んだ。いつか映画作りを一緒にできたらいいなと思います」と若き才能にエールを送った。一方で、「どんな作品と出会えるのか楽しみにしていたが、正直みんな似通った雰囲気で『あれ?』と思った部分も。いろんな制約があると思うが、どれも身近な世界を描いたものばかりだった気がする」(塚本監督)、「もっと自由にいろんなジャンルに挑戦してほしい」(阿部プロデューサー)と苦言が飛び出す場面も。現在の日本映画界を取り巻く厳しい状況を踏まえつつ、今後を支える受賞者たちを鼓舞した。受賞結果は以下の通り。『川の底からこんにちは』、『あぜ道のダンディ』などに出演する俳優・森岡龍がメガホンをとった『ニュータウンの青春』が優れたエンターテイメント性に対して贈られるエンターテイメント賞を受賞した。グランプリを受賞した『ダムライフ』は10月22日(土)から開幕する第24回東京国際映画祭「日本映画・ある視点」部門に招待上映される。■「PFFアワード2011」受賞結果グランプリ『ダムライフ』(北川仁監督/29歳/東京都出身)準グランプリ『春夏秋冬くるぐる』(日原進太郎監督/31歳/大阪府出身)審査員特別賞『TAITO』(緑朗監督/27歳/愛知県出身)審査員特別賞『パッション』(南部充俊監督/34歳/神奈川県出身)審査員特別賞『僕らの未来』(飯塚花笑監督/20歳/群馬県出身)エンターテイメント賞『ニュータウンの青春』(森岡龍監督/23歳/東京都出身)映画ファン賞『チルドレン』(武田真悟監督/24歳/愛知県出身)■関連作品:川の底からこんにちは 2010年5月1日よりユーロスペースほか全国にて順次公開あぜ道のダンディ 2011年6月18日よりテアトル新宿ほか全国にて公開© 2011「あぜ道のダンディ」製作委員会■関連記事:光石研が32年ぶりの主役に!『あぜ道のダンディ』試写会に20組40名様ご招待木村佳乃、涙のブルーリボン生田斗真は「ほかの人がやらないことやりたい」と決意満島ひかり「モテキ」発売イベントで弟・真之介をちゃっかりPR満島ひかりインタビュー「“生っぽい”モノを目指したい」満島ひかりが白ずくめ防菌服で“中の下の人生”を歌い上げる特別映像が到着
2011年09月30日市川海老蔵主演の映画『一命』の完成披露試写会が9月26日(月)、都内で開催され、海老蔵さんをはじめ共演の瑛太、満島ひかり、三池崇史監督が出席。7月の復帰公演をのぞいて、久々に公の場に姿を見せた海老蔵さんは、ファンに対して一連の騒動に対する謝罪すると共に今後の精進を誓った。『切腹』というタイトルでかつて映画化された「異聞浪人記」(講談社文庫刊)の一編を三池監督が3Dで再び映画化。武士として生きることの悲哀、武士道の残酷さを描き出す。タキシード姿で登場した海老蔵さんに、熱心なファンからは「11代目!」、「成田屋」と掛け声が飛ぶ。7月の復帰公演の際に記者会見などは行われなかったこともあり、海老蔵さんが公演以外でファンや報道陣の前に姿を現すのは、昨年の暴行を受けた事件の際の記者会見以来。「三池監督の下でスタッフ・キャストがひとつになって作った映画」と作品について語ると共に「私事ですが…」と前置きして、「みなさんに心配をおかけいたしまして申し訳ございませんでした。多くのご叱咤と声援をいただき感謝しております。新たな気持ちで精進していく覚悟です」と語った。瑛太さん演じる千々岩求女のある凄惨なシーンが、カンヌ国際映画祭で上映された際も注目を集めたが、瑛太さんは「席を立たれる方もいたようで…。メガネを外していただければボンヤリしていいんじゃないかと」と語ったが、三池監督から「ちゃんと見て!」とお声がかかると慌てて「そうですね。ちゃんと見てください」と呼びかけ、会場の笑いを誘った。満島さんは時代劇初挑戦となったが「所作が大変でした」とふり返る。「初日の撮影で監督から『もう少しIQを上げて』と言われました(苦笑)。裁縫のシーンがあり、祖母の家に行って縫う練習をしました」と苦労を明かした。映画になぞらえて「命を懸けて守りたいものは?」という質問に三池監督は「大阪で暮らす年取った父親と母親」、満島さんは「生まれながらに持っている本能」と回答。瑛太さんと海老蔵さんは、それぞれ撮影と前後して第一子に恵まれたが、「家族です」(瑛太さん)、「ありきたりですが家族と歌舞伎」(海老蔵さん)と答え、会場からは温かい拍手がわき起こった。『一命』は10月15日(土)より全国にて公開。■関連作品:一命 2011年10月15日より全国にて公開© 2011映画「一命」製作委員会■関連記事:キャスト&監督登壇『一命』舞台挨拶付き完成披露試写会に10組20名様ご招待満島ひかりの“初”母親姿が解禁!泣く赤ん坊のために海老蔵が歌舞伎を披露!【カンヌレポート番外編】カンヌに華をそえる!スターたちのファッションチェック【カンヌレポート7】瑛太、初カンヌに緊張監督は時代劇に3D起用理由を説明海老蔵&瑛太出演の『一命』カンヌ出品!ブラピ主演作ほか強敵とコンペで激突
2011年09月26日映画『ラビット・ホラー3D』が9月17日(土)に公開。都内劇場にて主演の満島ひかりと澁谷武尊が舞台挨拶を行った。ジャパニーズホラーの旗手・清水崇が送り出す本作。ある姉弟が3D映画を鑑賞中にスクリーンから飛び出してきたぬいぐるみを受け取ったことから、奇妙な異世界へといざなわれていく。観終わったばかりの観客を前に満島さんは「とてもいい気持ちで初日を迎えることができました」とニッコリ。みなさんの童心に届いたら嬉しいです」と語りかけた。元々、ホラー映画は大の苦手だったという満島さんだが「ホラーでしか描けないファンタジー要素があったし、(カメラマンの)クリストファー・ドイルに撮ってほしかった」と語る。さらに、弟役を演じた澁谷くんを絶賛。「この人は本当にすごい!めげそうになったら武尊くんの顔を見てました。気が付いてないと思うけど、清水監督が『よーい』と言うと武尊くんの口から吐息が漏れるんです。それが『ダメかもしれないけどやる、おれ…』って感じで大好き」と“弟”への愛を語った。その澁谷くんは「撮ってるときは怖いと思わなかったけど、(完成した作品を)観たら、自分が出てるのに怖かった」と述懐。またホラー映画に出たいか?と尋ねられると、2人とも顔を見合わせ「うーん」と思案顔。澁谷くんが「こんな感じの映画ならまたやりたい」と言うと、満島さんは笑いつつ「私は…難しい。武尊くんと一緒なら」と語っていた。ちなみにこの日は清水監督は欠席。現在、ハリウッドで新作を撮影中ということだが、満島さんは「ロサンゼルスに行っちゃおうか?出ちゃう?」と澁谷くんを焚きつけてハリウッドデビューの機会をうかがっていた。『ラビット・ホラー3D』は全国にて公開中。特集「“涼む”映画でこの暑さ、乗り切る?」■関連作品:ラビット・ホラー3D 2011年9月17日より全国にて公開© 「ラビット・ホラー」製作委員会2011■関連記事:満島ひかりインタビュー 恐怖と涙のホラー初挑戦でたどり着いた境地【シネマモード】『ラビット・ホラー3D』クリストファー・ドイル インタビュー渡辺直美、バニー姿で1分半踊り狂う!紳助関連の質問はスタッフがシャットアウトヴェネチア、モントリオールにトロント…世界の映画祭での邦画の奮闘に期待!シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第17回)あなたのベスト“ホラー”映画は?
2011年09月18日25歳の女優を指すのに適切かどうか分からないが、満島ひかりには“怪演”という言葉がしっくりくる。コミカルなヒロインから観る者の共感を得難いアクの強い役柄まで、人格ごと入れ替わったかのような変身を遂げ、その全てで強烈な感情をさらけ出す。そんな彼女が清水崇監督の『ラビット・ホラー3D』でホラー映画に初挑戦!いったいどんな“恐怖”を見せてくれるのか?といやがうえにも期待が高まるが、実は本人曰く「ホラーは苦手」。そのくせ「私って血しぶきが、似合いますよね?」と嬉しそうに笑みを浮かべるなど“ホラー適性”をしっかりと自覚している。失声症のヒロインとしての恐怖体験を通じて彼女は何を感じ、何を表現したのか――?「怖いけど見たくなる」不思議な物語本作の撮影中、清水監督を前に「『呪怨』とか信じられない!何であんなの観るの?」と言っていたほどホラーが苦手という満島さんだが、ならばなぜ怖いと分かりきっている清水監督の最新作に出演するに至ったのか?「脚本を読んで、グッとくるものがあった」とは本人の弁。「特に日本のホラー映画は、じめじめした感じが怖くて苦手なんですが(苦笑)、この作品には、子供の頃に読んだ奇妙な絵本や熱が高いときに見た夢のような、そんな不思議な物語が描かれていて、白昼夢のような映画になるのなら面白そうだなと思ったんです。お化けはダメなんですけど、人間の想像で起こりうる、もしかしたら想像ではないかもしれないと思えるような不思議なことには、心惹かれるんです。怖くても見たくなるんです(笑)。それから、登場人物が少ないのも面白いなあと思いました。ほとんどが『恐怖の国』に迷い込んだ姉と弟の話で。その分、感覚的な場面でも集中して観てもらえるかな、と」。そして撮影のさなか、ひとりのスタッフとの出会いが満島さんに強い刺激を与えることになる。今回、撮影監督を担当したのは『恋する惑星』などウォン・カーウァイ作品でおなじみの世界的カメラマン、クリストファー・ドイル。彼との仕事の“衝撃”を満島さんはこう語る。「映画のラスト近くでらせん階段を上る場面があるんですが、上を見上げたキリコ(満島さん)の口からよだれが垂れているのがきれいで、とても印象に残っています。クリスの映す画はとにかく美しい。人間には血が通っていて、体内には水が流れているんだってことに気づかされます。本番中もライティングが面白いんです。『何でこんなことするの?』、『どうしてこんなに時間かけるの?』って思うんですけど、光をあてられてみるとこれまで経験したものと全然違うんです。らせん階段の場面では、点滅する光が鼓動を打っているように見える。光で“生き物”を表現しているんですよ、きっと。ライティングやそれが生み出す影に、感情を揺さぶられました」。声が出せないことで「研ぎ澄まされた」翻って彼女自身について。“満島ひかり+ホラー”と聞いて、彼女の大絶叫シーンを思い浮かべる人も多いかもしれないが、本作で彼女が演じたキリコは、失声症で声が出せない。これまで強く感情を露わにする役柄が多かったが、今回は感情を相手にぶつけられずに内面に恐怖を貯めていくような演技を見せている。「これまでの作品でも、感情をぶつけているものだけだとは思っていないですが、確かに開放するというのは多かったです。ためて、ためて、解放する。“皮”をむかなくちゃいけないような役柄が多かったのは、ありますね。この物語のキリコは言葉を発しないから、ほかの部分がぐんと研ぎ澄まされていく感覚があって、それがとても心地よくって。ただ私自身よく『感覚、感覚』と口にするんですが、この映画の話の流れや撮影はシンプルではなかったので、頭の中で細かくきちんと整理することが必要でした。本番中はすごく研ぎ澄まされているんですけど、それ以外のときは考えて、考えて、と変な感じで」。まさに、毎回全く違う人格を表現する女優ならではの“感覚”といったところだが、「研ぎ澄まされる」ということを彼女はこんな言葉で表現してくれた。「以前舞台をやったとき、のどがつぶれて声が出なくなったことがあったんです。小さな劇場だったのですが、本番ではどうにか空気みたいな声でセリフを届けたんです、そのときに『お芝居ってこんなに心が動くんだ』、お芝居なのに『こんなに自分の心が痛くなったり悲しくなったりするものなんだ』ってはじめて感じて。声が出なくなったことでほかのところが、感覚がいつもより動くのを感じられたんです。今作でも、自分で『研ぎ澄まそう』とはしていなくても、声を発しないのを補うように、ほかの感覚が長けてくることを日々感じていました。例えば目をつむって歩いてみると、真っくらで何も見えなくてものすごく音がおおきく聞こえてきたり――そういう感覚です」。「そんな感じってどんな感じだよ(笑)!」と自らにツッコミを入れつつも、ひたすらに考え、そして感覚で本番に臨むという彼女の表現の神髄がそこにあるのかもしれない。さて、冒頭「血しぶきが似合う」という彼女自身の言葉を紹介したが、決してホラー映画を“許容”したわけではなさそう。「はじめは『ウサギじゃーん』って感じでただのかわいい着ぐるみだと思っていましたが、最終的には『ウサギ、怖い』って…。ある場面でウサギの新生児を持たなきゃいけなくて、何かもう泣きそうになって…我慢できずに泣きました。美しい作品ですがやりたくない場面は結構ありましたよね(苦笑)」。絶叫なき恐怖を体感してほしい。(photo/text:Naoki Kurozu)特集「“涼む”映画でこの暑さ、乗り切る?」■関連作品:ラビット・ホラー3D 2011年9月17日より全国にて公開© 「ラビット・ホラー」製作委員会2011■関連記事:【シネマモード】『ラビット・ホラー3D』クリストファー・ドイル インタビュー渡辺直美、バニー姿で1分半踊り狂う!紳助関連の質問はスタッフがシャットアウトヴェネチア、モントリオールにトロント…世界の映画祭での邦画の奮闘に期待!シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第17回)あなたのベスト“ホラー”映画は?『呪怨』の真っ白な少年が舞台に乱入満島ひかりは怖くて「あんなの観られない!」
2011年09月14日「久々に、日本のお家芸的ホラーが戻ってきた」、まさにそんな感じでした。『呪怨』シリーズで、日本のみならず世界を恐怖におののかせた清水崇監督の新作、『ラビット・ホラー3D』。不気味な世界へといやおうなく引きずりこまれていくような奥行き感と、目の前に恐怖が“飛び出してくる”映像を実現した3D技術で、新たな恐怖の可能性を生み出すという革新を取り入れながらも、日本の怪談的なテイストは決して忘れない。新しさと伝統のバランスをとりながら、ジャパニーズ・ホラーを別のステージへと押し上げた、そんな作品です。今回は、最新の3D映像を駆使していますから、スクリーンの中の世界と自分のいる現実との境目が曖昧になっていく恐ろしさも話題となっていますが、ホラーには欠かせない「美」の存在が顕著です。もともとホラーに美は不可欠な要素。それは、美女でもいいし、純粋な美しい心でもいい。美しいものが脅かされたり、崩壊したりするのを見るのは、誰にとっても恐ろしいものです。そんな深層心理を利用しているのでしょう。『ラビット・ホラー3D』に登場する美の筆頭は、映像。アジア映画にはまったことがある人なら、おなじみのクリストファー・ドイルが撮影監督を担当していると聞けば、期待は高まることでしょう。本作は、童話「不思議の国のアリス」や「人魚姫」をモチーフに取り入れ、遊園地を恐怖空間として選んだダーク・ファンタジーでもあります。『恋する惑星』『花様年華』『HERO』など、さまざまなジャンルで活躍してきたドイルにとっても新境地。これについて、彼はこう話しています。「僕はホラーをほとんど観ないから、ホラー映画の“しきたり”というものは分からない。いま世の中に出ている多くの映画も、ほとんど観ないから理解できない。こういう無関心さは、ある種の“イノセンス(純粋さ)”にもなると僕は感じていて、だからこそもっと“原始的なレベル”で映画の目的とかプロセスとか構造のことを考えることができるのだと思う。だから僕が描くものは“魂からきている”というか、直感的で敏感で、もしかしたら観客の感覚と同じように単純でまっすぐかもしれない」。新ジャンルでも気負うことなく、“らしさ”を存分に発揮させた彼について、清水監督はこうふり返ります。「常にこのシーンはこう撮りたいという独自のアイディアやセンスを持つ感覚的な奴なんです。だからこそ、あらかじめ撮り方をきっちり決めるより、ある程度任せたほうがいい画が撮れるのですが、好き放題・野放しにすると内容上必要なショットが撮れなくなって、映画自体が変わってしまう。時には現場に監督が2人いるような混乱に陥りながら、クリスとのセッションにはかなり時間と労力をとられました。勿論その分、ダーク・ファンタジーの要素を取り入れようとした僕の意図を理解して、思いがけない綺麗な画を撮ってくれました」。また、アソシエイトプロデューサーの谷澤伸幸氏によれば、「ドイルの初3D映像ということで、期待をすると同時に、どういった映像表現に落とし込むのか読めない部分もありましたが、撮影現場では清水監督が見事にドイルの光に対する感性や、意外性に満ちた発想を積極的に受け入れた結果、仕上がった3D映像は、ダークで詩情が息づくものとなりました。更に彼の独特でセクシーなカメラワークが、奥行きのある3D映像表現で活きていると思います」とのこと。ドイルの自由すぎる感覚には、ずいぶんひやりとさせられたとも話す監督とプロデューサーですが、その分、仕事は面白く、満足いく結果になったとのこと。満足という意味では、私たち観客にしてみても同じこと。日本を舞台とし、馴染みのある風景が映し出されていたとしても、異次元世界への入り口であるホラー映画にはドイルのような“外からの視点”は欠かせないものだと痛感します。「“訪問者”というものは物事を新しい視点から見ることができる。僕はこの世界の素晴らしさを、映画を通して伝えるという機会に恵まれているけれど、“観光客”とは違う。僕は、映画に携わっているタイや中国や日本の友人たちとは違う目と直感で物事を見る。でも、彼らが自分たちの物語やニーズを共有したいときには、同じように僕も自分の物語を伝えたいと思う。日本の制作スタッフの信頼があるからこそ、今回の映画は僕の望むべき姿となり、みなさんに伝えることができるんだ」。ドイルが見た日本は、ホラーというジャンルを通して、不気味な美しさを放っています。見たことがあるようで、いつもとどこかが違う風景を見ることは、私たちに知らなかった日本の美しさを認識させてくれると同時に、どこかに違和感を覚えさせるという不思議な感覚も与えてくれます。実は、そんな「おや?」という小さな歪が作品を観るうちに蓄積されていき、いつしか恐怖心と共鳴していく。視覚から忍び寄る不気味さが、作品の完成度にも大きく関わってくるホラーだからこそ、ドイルが作り出す映像美の力がこれまでにない輝きを放っています。そんな新鮮な恐怖感覚を体感できる『ラビット・ホラー3D』、早く目撃したくはないですか?(text:June Makiguchi)特集「“涼む”映画でこの暑さ、乗り切る?」■関連作品:ラビット・ホラー3D 2011年9月17日より全国にて公開© 「ラビット・ホラー」製作委員会2011■関連記事:渡辺直美、バニー姿で1分半踊り狂う!紳助関連の質問はスタッフがシャットアウトヴェネチア、モントリオールにトロント…世界の映画祭での邦画の奮闘に期待!シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第17回)あなたのベスト“ホラー”映画は?『呪怨』の真っ白な少年が舞台に乱入満島ひかりは怖くて「あんなの観られない!」満島ひかりほか登壇『ラビット・ホラー3D』完成披露試写会に10組20名様ご招待
2011年09月09日『呪怨』シリーズを手がけた清水崇監督が3D技術を駆使して描いた『ラビット・ホラー3D』の公開記念イベントが25日に秋葉原にあるAKIBAシアターで行なわれ、“全国のうさぎ年”を代表して渡辺直美が登場した。その他の写真本作は、3D映画を観た姉弟が、不可解な出来事に巻き込まれていく様を描いたホラー作品。弟を守るべく謎に立ち向かう主人公に満島ひかりが、父親役に香川照之、重要な役で大森南朋、緒川たまきらも出演している。ウサギの着ぐるみがヒロインを恐怖に突き落とすというストーリーにちなんで、年女(1987年生まれ)の渡辺直美は、バニーガール姿で登場。お馴染みのビヨンセダンスを1分半披露したあとに会見に臨んだ。渡辺は「ホラーは本当に苦手で、唯一、観た『呪怨』があまりにも恐くて、それから怖い映画は観ないようにしてました」とコメントし、「この映画は、目茶苦茶怖くて超ヤバかった。今までにない恐怖感で、可愛いイメージのあるウサギが嫌いになりました。もぅウサギは見たくない」と告白。また、司会者から「清水監督が渡辺直美のファン」だと聞くと、「え、マジで、初耳。私も(満島)ひかりさんみたいな感じで、ホラー系にも挑戦したい!」と意欲を見せ、 (本作は)映像が鮮明で、終わったかなと思ってもまた“ドンッ”とくるラストの衝撃がすごい。つかめそうなくらい怖いものが目の前に出て来る3D映像をぜひ劇場で体験してください」とPRした。『ラビット・ホラー3D』9月17日(土)全国ロードショー
2011年08月26日