オリエント時計から、JIS規格のスキューバ潜水用防水機能を備えた機械式ダイバーズウオッチ「オリエント M-FORCE 200m」が登場した。3モデルをラインナップしており、税別価格はいずれも30,000円。オリエント M-FORCEシリーズは、1997年から発売されているスポーツウオッチ。M-FORCE(メカニカル・フォース)という名前の通り、ケースの厚みを強調したデザインの機械式時計として人気がある。新モデルの「オリエント M-FORCE 200m」は、1997年発売の初代M-FORCE「EX00」を現代風にアレンジし、復刻した日本製の機械式ダイバーズウオッチだ(手巻き付き自動巻き)。JIS規格のスキューバ潜水用200m防水や、特殊構造による衝撃吸収性はそのまま、文字板やベゼルにビビッドなカラーを採用し、視認性と存在感を高めた。マット仕上げのダイヤルと色分けされたパワーリザーブインジケーターは、初代M-FORCE「EX00」のデザインを踏襲している。そのほか、潜水中でも操作しやすい立体的なデザインの回転ベゼル、暗い中でも時刻を見やすいように時分針の形状を変更、4時位置に配置されたりゅうずなどがポイント。ラインナップは、文字板カラーがブラックの「WV0181EL」、ブルーの「WV0191EL」、オレンジの「WV0201EL」という3モデル。共通の仕様は、ケース素材がステンレススチール(一部グレー色めっき)、ケースサイズが縦52×横45×厚さ13.6mm、風防がサファイアガラス、耐磁性能が耐磁1種、防水性能が200m、駆動時間が40時間以上(最大巻き上げ時)となっている。
2015年06月19日2015年4月28日に打ち上げられた無人補給船「プラグリェースM-27M」は、ロケットからの分離直後に原因不明の問題に襲われ、制御不能に陥った。プラグリェースM-27Mには国際宇宙ステーションに補給するための物資が搭載されていたが、復旧できずにドッキングを断念、そのまま高度を落とし、5月8日に地球の大気圏に再突入して消滅した。プラグリェースM-27Mは、いったいなぜ制御不能に陥ったのだろうか。この連載の第1回では、事故の簡単な経緯と、今後の影響について紹介した。また第2回、第3回では、事故が発生した4月28日から、大気圏に再突入して消滅するまでの経緯について紹介した。そして第4回ででは、その5月31日までに発表されていた今後の打ち上げ予定や、事故調査の進み具合について紹介した。第5回となる今回は、ついに明らかにされた事故調査結果について見ていきたい。○サユース2.1aとプラグリェースM-27Mの組み合わせが失敗を呼んだロシア連邦宇宙庁(ロスコースマス)は6月1日に、事故原因を特定したと発表した。事故の際に得られたデータや、また実機を使った地上での試験の結果、プラグリェースM-27Mと、それを打ち上げたサユース2.1aロケットの第3段機体とが結合した状態における動特性に問題があったことがわかったという。この動特性の問題というのは、おそらく共振のことを指していると思われる。あらゆる物体は振動しやすい固有の振動数(固有振動数)を持っており、それと同じ、もしくは近い振動数を外部から加えると、その物体は自発的に振動を始める。これを共振という。たとえば、ギターの音が鳴ったり、冷蔵庫の上に置いた電子レンジが震えだしたりといったことは、すべてこの共振が関係している。つまり、ロケットの第3段とプラグリェースM-27Mが結合した状態において、何らかの理由で振動が始まり、それが両者が結合された状態での固有振動数と一致していたこと、またその振動を止めることができなかったことから振動が増幅され、その結果両者は異常な分離に至ったと考えられる。ロケットと補給船の結合部は、頑丈には造られてはいるものの、最終的には分離しなければならないため、他の部分と比べると脆い。たとえば振動によって機体が大きく揺さぶられたとすれば、まずこの結合部が壊れ、引きちぎられるようにして両者が分離したであろうことは想像に難くない。それによりプラグリェースM-27Mの機体が損傷を受け、制御不能に陥ったと思われる。またロスコースマスの発表文では、サユース2.1aロケットとプラグリェースM-M補給船の開発において、今回のような事故が起こる可能性を、十分に考慮していなかったとも述べられている。なお、サユース2.1aと他の宇宙機との組み合わせでは、この振動問題は起きなかったとされる。なぜ振動が発生し、最終的に異常分離に至ったのかについても、今回の発表では明らかにされていないが、大きく2つが考えられる。ひとつは、機体の構造そのもので起こる振動によるもので、なおかつそれが姿勢制御システムなどで制御できなかった、あるいは姿勢制御システムがかえって振動を増幅してしまったことが考えられる。有名な例ではM-3SIIロケットの8号機が挙げられる。このときは、ロケットの能力の限界に近い質量の衛星を載せて打ち上げたことから振動が発生し、なおかつTVC(ロケット噴射の向きを変える機構)がそれを吸収し切れなかったばかりか、逆に振動を大きくするように働いてしまった(これを連成振動という)。このためTVCの燃料がなくなり、その後正常に飛行できなくなった結果、打ち上げは失敗に終わった。もうひとつは、液体燃料を使うロケットで起きやすい「ポゴ振動」と呼ばれる現象だ。液体ロケットの場合、エンジン内の圧力や推進剤の流量の変動に起因して、ロケット全体が縦に振動する現象が起こることが知られており、もしこの振動が、そのロケットの持つ固有振動数と一致すれば、共振により振動は増幅され、搭載している衛星に損傷を与えたり、場合によってはロケットそのものが破壊されることさえある。このポゴという名前は、1950年代に米国で流行した「ポゴ・スティック」(日本ではホッピング)という玩具に由来している。ポゴ・スティックは取っ手と足場のある棒で、下部にバネが仕込まれており、それに乗って飛び跳ねると上下に大きくジャンプすることができるという玩具だ。この動きが縦振動するロケットに似ていることが名前の由来となった。ポゴ振動はどのような液体ロケットでも起こりうることで、たとえば過去には、アポロを月まで打ち上げたサターンVロケットでこの問題が起き、解決のためにフォン・ブラウンらが奔走したことが知られている。また一般的に、ポゴはロケット・エンジンの燃焼が終了する際に起こることが多く、第3段の燃焼終了直後に異常分離した、という今回の事故と状況は一致する。○実はロケットと補給船は比較的新しい機体だったところで、サユース・ロケットもプラグリェース補給船も、何十年も前から使われている機体にもかかわらず、どうして今になってこうした問題が起きたのか、と思われる方は多いだろう。確かに、サユースという名前のロケットの原型は1950年代に、プラグリェースという名前の無人補給船も、その初代の機体は1970年代から使われている。ただ、これはあくまで名前が同じだけであり、今回事故を起こしたサユース2.1aとプラグリェースM-Mという機体は、どちらもつい最近になって開発されたばかりの機体であった。サユース2.1aロケットは2004年に初の試験打ち上げが行われ、本格的な運用が始まったのは2006年からと、比較的新しいロケットである。従来のサユース・ロケットと比べると、ロケット・エンジンや搭載機器、質量などに違いがある。特に、今回問題が起きた第3段機体には大きく手が加えられており、従来と比べて特性が大きく変わっていることは間違いない。また、今回失敗したのと同じプラグリェースM-M型の補給船も、2008年に初めて打ち上げられたばかりのまだ比較的新しい宇宙機で、こちらも従来のプラグリェース補給船から改良されており、搭載機器や質量などに違いがある。なお、同様の改良は後にサユース宇宙船にも適用され、そうして開発されたサユースTMA-M宇宙船は2010年から運用が始まっている。油井宇宙飛行士らが乗るのは、この新しいサユースTMA-Mの17号機だ。また従来、プラグリェースM-Mを含むすべてのプラグリェース補給船の打ち上げは、旧型のサユースUロケットが担っており、プラグリェースM-M型をサユース2.1aによって打ち上げたのは、2014年10月29日が初めてのことで、今回がまだ2回目にすぎなかった。1回目の飛行では偶然にも問題は発生しなかったものの、2回目の今回になってついに出現した、というわけだ。ロシアは現在、旧型機から新型機のサユース2シリーズへの切り替えを進めている最中で、人工衛星の打ち上げについてはすでに代替が完了している。またプラグリェース補給船の打ち上げも、しばらくはサユースUとサユース2.1aの両方を並行して使用することで、様子を見ながら切り替えていく方針を採っている。そして露払いが完了すれば、現在は旧型のサユースFGで打ち上げられている有人のサユースTMA-M宇宙船もまた、ゆくゆくはサユース2.1aで打ち上げられる予定となっている。もしサユースTMA-Mの打ち上げで今回のようなことが起きていれば、ミッション中止はおろか、宇宙飛行士の命が失われる事態になっていたかもしれない。プラグリェースの打ち上げの段階で今回の欠陥が判明したことは、不幸中の幸いであったということになる。○信頼性を取り戻せるかしかし、本当に不幸中の幸いとなるかどうかは、これからのロシアの動きによって変わるだろう。ロスコースマスの発表では、サユース2.1aロケットとプラグリェースM-M補給船の開発において、今回のような事故が起こる可能性を十分に考慮していなかったとしている。ロケットや宇宙船などが設計通りに飛ぶかどうかは、実際に飛ばしてみなければわからない部分があるのは確かである。しかし、今回の場合、地上での実験で再現ができたこと、またその結果が1か月という比較的短期間で発表できるほどであったということは、今回の事故が再現性の高い事象、見つけやすい欠陥であったことを示している。つまり開発時にしっかり試験や検査をしてさえいれば、その時点で欠陥が見つかっていた可能性は高い。しかしロスコースマスが「開発時に考慮していなかった」と発表文で述べていることから、事前の試験や検査の一部が省略されたか、無視されていたということになる。信頼性は試験や検査でしか保証することはできない。今回の事故が、本当に試験や検査を軽視、無視したために起きたのかどうかは、今出ている情報だけでは確実なことは言えないが、しかし最近のロシアの宇宙開発では、そうした手順を無視した結果、打ち上げ失敗や衛星の故障といった問題が多々起きている。その都度、品質管理の見直しをはじめ、さまざまな対策を取ることが発表されてきたが、今のところそれらは一向に成果を見せておらず、つい最近も、それらの対策が履行されていないという事実が明らかになったばかりだ。ロシアの宇宙産業がこうした体質そのものを改善することができなければ、ふたたび今回のような事故が起こる可能性は残り続けることになるだろう。
2015年06月18日アジア最大の短編映画の祭典『ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2015』が6月15日に最終日を迎え授賞式が開催。イラン映画『キミのモノ』がグランプリを獲得した。その他の写真今年で17回目を迎える同映画祭は6月4日より渋谷、原宿、表参道、二子玉川、横浜などで12日間の日程で開催されてきた。コンペティション部門は作家の冲方丁、俳優で映画監督の奥田瑛二、映画作家の河瀬直美、俳優の要潤、女優の藤原紀香、韓国の人気俳優チョン・ウソンという豪華メンバーが審査員を務め、期間中に上映された85作品(応募総数は4559作品!)の中から、“インターナショナル部門”、“アジア インターナショナル部門”、“ジャパン部門”の優秀作品を選定。その3作品からさらに、グランプリが選ばれた。『キミのモノ』は手に入ることのない物を自分の物だと主張するふたりの少年の姿を描いた作品で、テヘランで映画制作を学んだイラン人監督のレザ・ファヒミ監督にとっては2作目のショートフィルムとなる。“アジア インターナショナル部門”に続き、最優秀賞にあたるグランプリの受賞を知らされたファヒミ監督は満面の笑みを浮かべ「夢を見ているよう。この作品に携わり、協力してくれたみなさん、そして子供たちに感謝したいです。撮影を行った7日間、私たちは子供の視線で世界を見ていました」と喜びと感謝を口にした。なお同作は来年の米アカデミー賞の短編部門のノミネート選考対象となる。審査員6名はいずれも子供の視点で現実を描いた同作を激賞。藤原は子供の所有欲を描きつつ「大人になっても所有や侵略が世界の平和を脅かしている。メッセージをダイレクトに感じました」と語り、海外映画祭常連の河瀬も「世界の縮図に思えて、刺激的で勉強させてもらいました」とうなずいた。“インターナショナル部門”優秀賞はチュニジア出身のロットフィ・アコー監督の『父親』、“ジャパン部門”優秀賞(東京都知事賞)は沖縄出身の岸本司監督の『こころ、おどる-Kerama Blue-』に贈られた。授賞式には音楽をテーマにした“ミュージックShort部門”にGLAYやKABA-BOONも来場。ネット上の投票でネスレアミューズ映画祭のアワードを受賞した園田俊郎監督がネスレ日本の支援を受けて制作した『恋する占女リータ!』もこの場でお披露目され、主演の浅見れいな、大和田健介、IVANらによる舞台あいさつも行われるなど、多彩なゲストに声援が送られた。取材・文・写真:黒豆 直樹
2015年06月17日2015年4月28日に打ち上げられた無人補給船「プラグリェースM-27M」は、ロケットからの分離直後に原因不明の問題に襲われ、制御不能に陥った。プラグリェースM-27Mには国際宇宙ステーションに補給するための物資が搭載されていたが、復旧できずにドッキングを断念、そのまま高度を落とし、5月8日に地球の大気圏に再突入して消滅した。プラグリェースM-27Mは、いったいなぜ制御不能に陥ったのだろうか。この連載の第1回では、事故の簡単な経緯と、今後の影響について紹介した。また第2回、第3回では、事故が発生した4月28日から、大気圏に再突入して消滅するまでの経緯について紹介した。第4回となる今回は、今後の予定や事故調査の進み具合について、現時点でわかっている最新の情報を紹介したい。○事故による今後の打ち上げへの影響ロシア連邦宇宙庁(ロスコースマス)は5月12日に記者会見を開き、今回の事故を受けて、今後のISSへの宇宙飛行士や補給物資の打ち上げ予定を、すべて延期すると発表した。プラグリェースM-27Mの事故前の予定では、まず5月15日に、現在ISSに滞在しているアントーン・シュカープリラフ(露)、サマンサ・クリストフォレッティ(欧)、テリー・ヴァーツ(米)宇宙飛行士の3人を乗せたサユースTMA-15M宇宙船が地球に帰還し、続いて5月26日には、新たにISSのクルーとなる、アレーク・カノネーンカ(露)、油井亀美也(日)、チェル・リングリン(米)宇宙飛行士の3人を乗せたサユースTMA-17Mが打ち上げられることになっていた。また、プラグリェースM-27Mの次号機となるプラグリェースM-28Mの打ち上げは8月ごろに設定されていた。しかし、ロスコースマスはこれをすべて変更し、まずサユースTMA-15Mの帰還を6月上旬まで延期し、サユースTMA-17Mの打ち上げも7月下旬まで延期するという。一方、プラグリェースM-28Mの打ち上げは、7月上旬に繰り上がることになった。これは、有人のサユースTMA-17Mよりも先に無人の補給船を打ち上げることで、安全性を確認すると共に、プラグリェースM-27Mで補給できなかった物資を、いくらかでも送り届けることを意図したものだろう。同機の打ち上げ準備は、今回の事故前からすでに行われており、打ち上げを1か月繰り上げることに問題はないという。それ以降の飛行計画については明らかにされていないが、今回の延期に合わせて、打ち上げや帰還は軒並み遅れることになるだろう。ただ、今現在もISSには宇宙飛行士が滞在しており、彼らの健康なども考えると、すべての予定が2か月遅れることはないと思われる。例えば油井飛行士ら第44/45次長期滞在員のミッション日数を予定より短くするなどして調整することになるだろう。ただ、注意しなければならないのは、あくまでこれは事故調査と、ロケットなり補給船なりへの対策が順調に進んだ場合での話であり、もし調査と対策に手間取ることがあれば、打ち上げ再開はさらに遅れ、油井飛行士らの飛行や、今後のISSの運用予定にもさらに大きな影響が出ることになろう。また、ISS関連の打ち上げ以外への影響も出ている。今回の事故がなければ、5月15日にプラグリェースM-27Mを打ち上げのと同じ、サユース2.1aロケットを使った偵察衛星の打ち上げが予定されていたが、タス通信が5月12日に報じたところによれば、2週間ほど延期されるという。これは今回の事故の原因が、ロケット側にあった可能性が否定できないということを示している。なお、同型のロケットは、欧州のアリアンスペース社もロシアから輸入して運用しているが、今回の事故による影響については特に発表は行われていない。油井飛行士らの打ち上げなど、今後の予定については、また新しい情報が発表され次第、本連載の中で紹介したい。○始まった事故調査ロスコースマスは5月12日に開かれた記者会見の中で、その時点までに判明している事柄を明らかにした。それによると、まず計画では、ロケットの離昇から524.97秒後に、第3段ロケット・エンジンの燃焼を停止させる指令が出され、528.27秒後にプラウリェースM-27Mを分離することになっていた。しかし実際には526.716秒後、つまり予定より1.5秒ほど早く「異常な分離」が起きたことが判明したという。この異常な分離がどういうものかについては不明だ。また、軌道を観測したところ、プラグリェースM-27Mは遠地点高度が予定よりも40kmほど高い軌道に、一方のロケットの第3段は遠地点高度が20kmほど低い軌道に入っていたという。また、ロケットの第3段エンジンの燃焼終了後に、ロケットの第3段の燃料と酸化剤の両方のタンクが、減圧していたこともわかったという。これはおそらく穴が開いたり、破裂したりして生じたものであるとされる。タス通信は5月13日付けで、少なくとも爆発したわけではないだろうとする専門家の見解を報じている。これは異常が発生した時点ですでにロケットの推進剤は空であったことから、爆発が起こるのに必要な要素が存在しないためだ。現時点では、これらの事実がどのように関連しているのかまでは明らかにされていない。たとえば、まずプラグリェースM-27Mに何らかの問題が起き、早期の分離とタンクの破裂を引き起こした可能性もあれば、逆にタンクが破裂したことで早期に分離された可能性など、さまざまなシナリオが考えられる。タス通信は、「失敗の原因を知るためには、さらに詳細な調査が必要である」とする、ロスコースマスのイーガリ・カマローフ長官の発言を報じている。ロスコースマスでは、プラグリェースM-27Mやサユース2.1aを製造した企業などと協力し、5月13日からより詳細な調査に入っている。その結果は当初、5月22日までには発表したいとしていたが、タス通信は22日、調査期間が延長されることになったと報じている。データが不足しており、まだ結論が出せないためだという。タス通信は5月14日にも、「原因を断定するにはデータが不十分だ」という関係者の発言を報じており、調査が難航している様子が伺える。(続く)
2015年06月03日「エイチ&エム(H&M)」が、2015年秋、日本初となるメンズストアを大阪 戎橋にオープンすることを発表。今回のH&Mメンズストアは、地下1階~3階までの合計4フロア構成になっており、H&Mのメンズコレクションのフルコンセプトが集約。通常のH&M Manの他、ハイストリートトレンドを反映したDIVIDEDライン、機能性とファッション性を持ち合わせるスポーツウェアや、アンダーウエアやアクセサリー等、また関西では初の入荷となる、こだわりとトレンド性が反映されているTRENDライン、クオリティを重視しシルエットにこだわったドレスウエアも登場する。また、H&M EBISUBASHIはレディースのみの店舗となる。「エイチ&エム(H&M)」は2008 年に日本で初の店舗を銀座に出店して以来、日本全国に店舗展開を進め、2015年4月29日現在、国内に50店舗しており、今年のその他の出店に関しては、秋にH&M KANAZAWAを予定している。【店舗概要】H&M EBISUBASHI MEN’S(エイチ&エム 戎橋 メンズ)所在地:〒542-0085 大阪府大阪市中央区心斎橋筋2-4-9売り場面積:約1,000㎡店舗構成:4フロア営業時間:未定取り扱いコンセプト:H&M MAN, H&M MAN TREND, DIVIDED , L.O.G.G., MODERN CLASSICc ,H&M SPORTS, H&M BASIC, アクセサリー、アンダーウエア元の記事を読む
2015年05月29日コルグは、同社の伝説的ミュージックワークステーション「M1」を完全再現したiPad用モバイルデジタルシンセサイザーアプリ「KORG iM1 for iPad」を発売した。価格は3,600円だが、6月30日までは発売記念特別価格2,400円にて販売。同アプリでは、同社が1988年に発売したミュージック・ワークステーション「M1」に搭載されたM1ピアノ、M1オルガンなど数々のサウンドを、iPadでプレイし楽しめるもの。PCMは、オリジナルM1のライブラリーを搭載。また、ハードウェア部はオリジナル設計時の回路図を解析し、細部のパラメーターまでソフトウェアで完全再現されている。さらに、シンセ・パートにはフィルター・レゾナンスやVDAモジュレーションが新たに追加され、エフェクト・パートも合計18系統にパワー・アップされている。なお、画面をなぞるだけで直感的に演奏できる「カオシレーター・モード」も装備しており、アプリ内課金によりサウンドプログラムの拡張パックも用意するほか、KORG Gadget、KORG Legacy Collection、M1実機などとの連携もサポートする。
2015年05月29日ファミリーマートは5月24日、企画集団「おたんじょうびかい」とフジテレビ「IPPONグランプリ」がコラボレーションした「IPPONグランプリアイスバー」(税込108円)を発売する。同商品では、世の中に"おもしろ"を増やしていく企画集団「おたんじょうびかい」と、お笑いタレント・松本人志さんがチェアマンを務めるフジテレビの芸人大喜利王決定戦「IPPONグランプリ」がコラボレーション。形状は、棒アイス型となっており、番組の黄色と黒のデザインをイメージしたチョコバナナ味を採用。バナナ味のカキ氷をチョコアイスで包み、中にはチョコソースを入れた。キャッチコピーは「おいしく一本、答えでイッポン」。スティックの持つ部分に"お題"が書かれており、アイスを食べ進めていくと棒の反対側に"回答"が現れる(全12種類)。パッケージは、スティック部分が透明になっているため、お題が見えるようになっている。IPPONグランプリ (C)FUJI TELEVISIONおたんじょうびかい (C)OTANJOUBIKAI
2015年05月22日オリンパスは5月21日、「OLYMPUS OM-D E-M1&フォーサーズレンズ プレミアムキャンペーン」を開始した。対象製品を購入のうえ、ユーザー登録をした応募者に、もれなくバッテリーホルダーなどをプレゼントする。期間は8月21日まで。同社のミラーレスカメラ「OM-D」シリーズにおけるフラッグシップ機「OLYMPUS OM-D E-M1」、およびフォーサーズレンズ「ZUIKO DIGITAL LENS」を購入し、ユーザー登録をした後に応募した人が対象。OLYMPUS OM-D E-M1の購入者には専用のパワーバッテリーホルダー「HLD-7」、ZUIKO DIGITAL LENSの購入者にはフォーサーズ規格のレンズ群をマイクロフォーサーズ規格のボディに装着するのに使うマウントアダプター「MMF-3」をプレゼントする。対象製品は以下のとおり。■OLYMPUS OM-D E-M1シルバーボディ BCL-1580セットブラックボディ BCL-1580セットブラックボディ 12-40mmF2.8レンズキットブラックボディ 12-50mm EZレンズキット■ZUIKO DIGITAL LENSZUIKO DIGITAL ED 14-35mm F2.0 SWDZUIKO DIGITAL ED 35-100mm F2.0ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2.0 MacroZUIKO DIGITAL ED 150mm F2.0
2015年05月21日カメラ記者クラブは5月20日、「カメラグランプリ2015」の選考結果を発表した。カメラグランプリは国内の写真・カメラ専門誌の担当記者で構成するカメラ記者クラブが主催し、1年間に発売されたカメラの中から優れた製品を選ぶアワード。今回はキヤノンの製品が大賞を含む3つの賞を受賞した。カメラグランプリ2015の「大賞」に選ばれたのは、キヤノンの「EOS 7D Mark II」。オールクロス65点AFセンサー、10コマ/秒の高速連写性能など最上位モデル「EOS-1D X」クラスの技術を投入したことなどが高く評価された。「EOS 7D Mark II」は「あなたが選ぶベストカメラ賞」にも選出され、ダブル受賞となった。「レンズ賞」に輝いたのは、キヤノンの「EF11-24mm F4L USM」。選考理由には、11mmという世界最広角を、魚眼レンズのような歪みを伴うことなく実現したことなどが挙げられた。「カメラ記者クラブ賞」は、オリンパスの「OM-D E-M5 Mark II」、パナソニックの「LUMIX DMC-CM1」、ライトロの「LYTRO ILLUM」の3製品が受賞した。
2015年05月21日アルティマは、IoT/M2Mソリューションの実現に向け、「IoT/M2M向けメッシュネットワーク・ソリューション」の提供を開始したと発表した。同ソリューションでは、同社がこれまで技術商社として蓄えてきたノウハウとパートナーリレーションを活用することで、センサ端末からクラウドでの見える化までを一括で提案することを可能とする。具体的には、LAN側の信頼性面で、IEEE802.15.4e準拠の低消費電力2.4GHzメッシュネットワークとして、リニアテクノロジー(ダスト・ネットワークス)の「スマートメッシュ」Mote(子機)モジュールを採用。WAN側には同じくリニア(ダスト)の「スマートメッシュ」Manager(親機)モジュールとSierra Wirelessの3Gモジュール「SL8084T」を搭載したコアとの共同開発品「たんぽぽ ASURA」Dustモデルならびにコンピューテックス製M2M組込みCPU モジュール「CM-DUST」を採用。さらに、インターネットまたは、VPN接続へのモバイルネットワークには、NTTPCコミュニケーションズのMVNO回線を利用し、最終的にクラウドでのモニタリングには各通信機器に対応したプラットフォームを活用できる仕組みとしているという。なおアルティマでは、こうした環境を構築するにあたって、必要なデバイス/システムとともに、各種無線認証サポートをテュフラインランドジャパンと協業して行うほか、技術サポートまで含めたトータルソリューションとして提案していくとしている。
2015年05月19日インターネットイニシアティブ(IIJ)は5月13日、M2M専用のデータ通信サービス「IIJモバイルM2Mアクセスサービス」のラインアップに、KDDIのau 4G LTEエリアに対応した「タイプK」を追加したと発表した。IIJモバイルM2Mアクセスサービスは、M2M用途に特化したアクセス回線として、M2Mデバイス用のSIMカードを提供するモバイルデータ通信サービス。これまで同サービスでは、NTTドコモのLTE/3Gエリアに対応したアクセス回線として「タイプD」を提供してきたが、このたびラインアップに「タイプK」が加わり、アクセス回線の選択肢が広がることで、エリアや用途に応じて複数キャリアを補完的に利用することが可能となる。また、「タイプD」と「タイプK」のデータ通信量を合算してシェアすることで、回線コストを節約することができる。「タイプK」の通信エリアはau 4G LTE提供エリアで、SIMの種類はマイクロSIM/nanoSIM。SMS機能は標準提供となっており、国際ローミングは不可。連携サービスはIIJモバイル大規模プライベートゲートウェイサービスとIIJモバイルBiz+サービスとなっている。料金プラン(税別)は、通信可能な時間帯は「プランA」が22時~翌日6時まで、「プランB」が24時間、通信制限は「プランA」なし、「プランB」あり(上り下り最大200Kbps)、初期費用はいずれも3万円/契約、登録手数料はいずれも3000円/回線で、月額費用は「プランA」が300円/回線、「プランB」が460円/回線となっている。新たに追加された「インターネット接続オプション」では、インターネットへアクセス可能な共通アカウントを提供し、パブリッククラウド環境への通信を可能とする。本オプションは、「タイプD」、「タイプK」のどちらの回線でも利用可能だ。「インターネット接続オプション」では、インターネット接続時に付与されるアドレスがプライベートIPアドレス(NAT)、オプションの対象は1回線ごとに付与される。最低利用期間は1カ月で、対象プランはプランA(22時~翌日6時まで高速通信が可能)、プランB(24時間、下り最大200kbpsで継続通信が可能)。アカウントは共通アカウントで、国際ローミングは不可能。料金(税別)は、初期費用が0円、月額費用が200円/回線となっている。
2015年05月18日2015年4月28日に打ち上げられた無人補給船「プラグリェースM-27M」は、ロケットからの分離直後に原因不明の問題に襲われ、制御不能に陥った。プラグリェースM-27Mには国際宇宙ステーションに補給するための物資が搭載されていたが、復旧できずにドッキングを断念、そのまま高度を落とし、5月8日に地球の大気圏に再突入して消滅した。プラグリェースM-27Mは、いったいなぜ制御不能に陥ったのだろうか。この連載の第1回では、事故の簡単な経緯と、今後の影響について紹介した。第2回となる今回は、事故の経緯について、打ち上げ当日の出来事に絞り、もう少し詳しく見ていきたい。○問題発生プラグリェースM-27Mはモスクワ時間2015年4月28日10時9分(日本時間2015年4月28日16時9分、以下同)、サユース2.1aロケットに搭載され、カザフスタン共和国にあるバイカヌール宇宙基地の31/6発射台から離昇した。無事に打ち上げられたかに見えたプラグリェースM-27Mに、何らかの問題が起きたことがわかったのは、打ち上げから約9分後の、ロケットから分離された直後のことだった。プラグリェース補給船はロケットからの分離後、太陽電池パドルと展開式のアンテナを開くことになっており、またその結果は地上へ知らされることになっている。だが、送られてきたデータからは、太陽電池が開いたことは確認できたものの、クールスと呼ばれるシステムで使われる6基のアンテナのうち、2基の展開しか確認できなかった。クールスは国際宇宙ステーション(ISS)に自動で接近し、ドッキングを行うことができるシステムで、接近速度を測ったり、ISSとの相対角度を測ったりするために6基のアンテナを使う。これらのアンテナは打ち上げ時には折り畳まれており、ロケットから分離された後に開くようになっている。また一部のアンテナは、ISSとのドッキング前に収容されることにもなっている。当初プラグリェースM-27Mは、打ち上げから約6時間後にISSに到着する予定だったが、この問題が起きたことで延期され、2日間かかる飛行計画に変更された。実は過去にも、プラグリェース補給船や、またよく似た設計のサユース宇宙船で、アンテナが展開しないという問題が何度か起きていたが、あとになって展開に成功し、問題なくドッキングできたことがあった。また、アンテナのうちいくつかが展開していない状態でもドッキングする術がないわけではなかった。したがって、まだ絶望視するような状況ではないと思われた。NASAやロシア連邦宇宙庁(ロスコスモス)は、この時点ではまだ、問題さえ解決すれば4月30日には到着できるだろうという見通しを述べていた。だが実のところ、このときすでに、モスクワ郊外にあるミッション管制センター、通称ツープ(TsUP)は、より悪い状況に陥っていることを認識していた。プラグリェースM-27Mからのテレメトリー(宇宙機や搭載機器の状態を示す信号)は途切れ途切れにしか届いておらず、またプラグリェースM-27Mに搭載されているコンピューターがクラッシュしていることが確認された。さらに、センサーの数値から、2系統ある推進システムのうち一方の圧力が出ていないことも確認されていた。また、ツープに勤めている人物が後に明かしたところによると、このとき、プラグリェースM-27Mが乗っている軌道を測ったところ、地表から最も遠くなる地点(遠地点)が、計画より約40kmも高いことが判明していたという。事故への対処に当たっていた調査チームはこの時点で、サユース2.1aロケット側の問題を疑ったそうだが、ロケットを製造したRKTsプラグリェース社の職員は「ロケットの飛行は正常であり、測定の方が間違っている」と見解を述べ、その根拠となるデータも提示していたという。だが、プラグリェースM-27Mが軌道を2周した後になって態度を変え、そのデータは実際の測定値ではなく計画値であったことを認め、さらにテレメトリーが不足しており、補給船とロケットの分離すら、直接には確認できていないことも認めたという。11時30分(17時30分)には、軌道上の物体を追跡している米戦略軍(USSTRATCOM)・宇宙統合機能構成部隊(JFCC SPACE)・統合宇宙運用センター(JSpOC)は、プラグリェースM-27Mと、ロケットの第3段と思われる物体の軌道のデータを発表した。その数値は計画値とは大きく異なるものであった。これは観測初期に起こりがちな測定誤差であり、後に訂正されているが、その差に違いはあれど、計画値と異なる軌道に乗っていたことだけは確かだった。○回転していたプラグリェースM-27M打ち上げから約1時間半後の11時44分(17時44分)、プラグリェースM-27Mは地球を一周し、再びロシアの管制センターとの通信が可能な範囲に入った。だが、相変わらずテレメトリーは途切れがちで、地上からの指示も受け付けない状態だった。そのまま軌道2周目は終わり、3周目に入ってもそれは続いた。打ち上げから約6時間半後の14時44分(20時44分)、ロシアの地上局がプラグリェースM-27Mと通信できる4度目の機会が訪れた際、途切れがちのテレメトリーから、プラグリェースM-27Mのコンピューターがエラーを認識しており、また角速度センサーや姿勢制御システムが稼動していないことが確認された。さらに、何らかの理由で、推進剤が大量に減っていることも確認されている。さらに、船の搭載カメラが撮影した映像データを受信することにも成功した。だが、そこには地球と宇宙空間が目まぐるしく交互に映る様子が収められており、プラグリェースM-27Mがおよそ4秒で1回転という速度で回転していることが判明した。もちろん、プラグリェース補給船がこのような回転をすることは、通常ではありえないことだった。ツープはすぐさま、この回転を止めるための指令をプラグリェースM-27Mに送った。だが、その直後に地上と通信できる範囲から飛び去ってしまったため、回転が止まったかどうかがわかるのは、さらに地球をもう1周し、ロシアの地上局との通信ができる範囲に入ってくるのを待つ必要があった。16時17分(22時17分)、5度目となる通信の機会が訪れた。しかし、回転が止まったか否か以前に、プラグリェースM-27Mからの通信自体が途絶えていた。モスクワ時間で4月28日中に通信ができる機会はこれが最後で、次の機会は約11時間後まで待たねばならなかった。(続く)
2015年05月13日オリンパスは5月12日、「OM-D E-M5 Mark II Limited Edition Kit」を発表した。ミラーレス一眼カメラ「OM-D E-M5 Mark II」にチタニウムのボディカラーを採用した特別モデルだ。6月下旬に7,000セット限定で発売する。価格はオープンで、推定市場価格は税別170,000円前後だ。OM-D E-M5 Mark II Limited Edition Kitは、特別モデルの「OM-D E-M5 Mark II」と交換レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II」、プレミアム本革ストラップ、オーナーズカード、プレミアム本革カードケースがセットになった限定キット。2015年2月の「CP+2015」で参考展示されていたチタンカラーのモデルが実際に発売されることになった形だ。セットのOM-D E-M5 Mark IIには、1994年に発売されたフィルムカメラ「OM-3Ti」をイメージしたチタニウムカラーを施している。付属するオーナーズカードには、限定キットであることを証明する通し番号と、OMシリーズの開発者である米谷美久氏のメッセージを記載。本革ストラップは、チタニウムカラーに合うよう、細やかに色合いを調合したものを採用している。
2015年05月12日2015年4月28日、カザフスタン共和国にあるバイカヌール宇宙基地から、無人補給船「プラグリェースM-27M」を積んだ「サユース2.1a」ロケットが打ち上げられた。プラグリェースM-27Mには国際宇宙ステーション(ISS)に補給するための物資が満載されており、打ち上げから約6時間後にISSにドッキングする計画だった。だが、地球をまわる軌道に到達した直後、プラグリェースM-27Mに何らかの問題が発生し、制御不能に陥った。ISSにドッキングすることは叶わず、このまま軌道を下げ、5月8日前後に地球の大気圏に落ちる予定だ。○プラグリェース「プラグリェース」補給船は、宇宙ステーションに補給物資を輸送するために開発された無人の補給船である。船の基本的な構造は、有人宇宙船「サユース」を基にしているが、人を乗せたり、地球に帰還させたりすることを考えていないため、生命維持システムや、大気圏への再突入に耐える能力などは省略され、その分物資をより多く載せられるようになっている。プラグリェース補給船の1号機は1978年に打ち上げられ、当時ソヴィエト連邦が運用していた「サリュート6」に物資を輸送し、その後も「サリュート7」や「ミール」といったソ連の宇宙ステーションに向けて打ち上げられ、2000年からは「国際宇宙ステーション」(ISS)へも物資を運んでいる。今回のプラグリェースM-27Mは、ISSに向けて打ち上げられたものとしては59機目、1978年の1号機から数えると通産150機目となるプラグリェース補給船であった。また、打ち上げたロケットの側面には、対ドイツ戦勝70周年を記念したロゴも入れられていた。しかし、その記念すべき飛行は、一転して悲劇となった。○ロスト・イン・スペースプラグリェースM-27Mを載せた「サユース2.1a」ロケットは、カザフスタン時間2015年4月28日13時9分(日本時間2015年4月28日16時9分)、カザフスタン共和国にあるバイカヌール宇宙基地の31/6発射台から離昇した。プラグリェースM-27Mには、ISSに補給するための水や食料、日用品、燃料や酸素など、2357kgの物資が搭載されていた。当初、ロケットは順調に飛行し、予定通りの軌道にプラグリェースM-27Mを乗せ、打ち上げは成功したかに思われた。しかしその直後、プラグリェースM-27Mに装備されているいくつかのアンテナが展開しないという問題が報告された。もともとの予定では、プラグリェースM-27Mは打ち上げから約6時間後にISSに到着する予定だったが、この問題により2日後へと延期された。ところが実際は、アンテナの問題がかすんで見えるほど、もっと悪い状況に陥っていた。まず地上とプラグリェースM-27Mとの通信が断片的にしか取れず、船の状態がどうなっているか十分に把握できない状態にあった。やがて、その断片的な情報から、エンジンなどのシステムが壊れていること、そして、通常ではありえない向きと速度で回転をしていることが判明した。回転を止めるべく指令が送られたが反応はなく、その後通信も完全に途絶えた。プラグリェースM-27Mは完全に制御不能の状態に陥り、ISSとのドッキングは断念された。その後も機能回復に向けた努力が続けられているが、補給船は依然として沈黙を続けている。現在プラグリェースM-27Mは、大気との抵抗で徐々に高度を下げており、このままいくと、5月8日前後に地球の大気圏に再突入すると予測されている。○ISSへの衝突や地上への落下の可能性はプラグリェースM-27Mは制御不能の状態にあるとはいっても、暴走しているわけではなく、また軌道の高度が低いこともあって数日で地球の大気圏に落ちるため、ISSや、他の衛星に衝突するといった危険性はない。ただ、大気圏再突入後に、地表に破片が落下する可能性はゼロとはいえない。プラグリェースは有人のサユース宇宙船とは違い、大気圏再突入時の熱で燃え尽きるように造られているが、例えばチタン製のタンクなど、燃えにくい素材の部品が落下する可能性はある。また、通常であれば、ほぼ確実に燃え尽きるような角度で、なおかつ人家のない南太平洋上に落下するように制御して再突入が行われるが、制御不能の状態ではそれができない。地表の約70%が海であることや、陸地の中で人口密集地はまばらであることなどを考えると、破片が燃え残り、なおかつそれが人が住んでいるところに降ってくる可能性は、まずないと言ってよいが、それでも注意するのに越したことはない。衛星がまわる軌道がどのように減衰していくかは、大気の状態や、衛星の姿勢などによって変わってくる。しかし、大気の状態は太陽の活動などの関係しており、時々刻々と変わっているため、いつ、どこで大気圏に再突入するか、正確に予測することは難しい。○ISSの運用への影響はプラグリェースM-27MがISSに物資を送り届けられなくなったことで、最も心配されるのはISSに滞在している宇宙飛行士たちへの影響だろう。ISSは自給自足ができないため、定期的に物資を補給しなければならない。これについて、米国の宇宙開発ニュース・サイトである『Spaceflight now』は、「最低4か月間は正常な運用が可能なだけの量が蓄えてある」と報じている。また、宇宙航空研究開発機構(JAXA)も「数か月間は通常通り、食べる量を減らしたりなどの制限をすることなく、運用できるだけの量があると聞いている」としており、当面は問題なさそうである。ただ、今後打ち上げられる他の補給船にとっては、失敗が許されないということになる。6月には米スペースX社のドラゴン補給船運用7号機が、8月には日本の「こうのとり」5号機が打ち上げられる予定だが、これらも失敗することがあれば、ISSの運用はいよいよ危うくなる。○今後のサユース宇宙船やプラグリェース補給船の打ち上げへの影響は今回の事故でもうひとつ心配されるのは、今後のサユース宇宙船やプラグリェース補給船の打ち上げへの影響だろう。現時点ではISS内の物資は十分にあるものの、プラグリェース補給船の飛行停止が続くようなら、いずれは不足するものも生じてくるだろうから、一日でも早い飛行再開が望まれる。また5月27日には、JAXA所属の油井亀美也宇宙飛行士ら3人が乗ったサユースTMA-17M宇宙船の打ち上げが予定されている。今のところ打ち上げを延期するという話はないが、今回の事故の原因が判明し、対策が行われるまでは当然打ち上げはできないため、延期される可能性は十分にあるだろう。最初の事故の調査結果は、5月13日以降に発表される予定だが、5月5日現在、事故の原因は、ロケットの第3段にあったという見方が濃厚だ。今回プラグリェースM-27Mを打ち上げたサユース2.1aロケットと、サユースTMA-17Mを打ち上げるサユースFGロケットとは、同じ部分もあれば、異なる部分もある。今回の事故の原因がロケットの側にあったのであれば、それがロケットのどの部分で起きたのかが、延期するか否かを決めるにあたって重要となろう。参考までに、2011年8月24日にプラグリェースM-12Mがロケットの打ち上げ失敗によって墜落した際には、次のプラグリェースM-13Mが打ち上げられるまでに3か月がかかっている。このときの失敗の原因はロケット側の技術的な問題にあった。もし今回も同様にロケットの技術的な問題が原因であれば、打ち上げ再開までには数カ月かかると見てよいだろう。ちなみに5月15日には、今回プラグリェースM-27Mを打ち上げたのと同じ、サユース2.1aロケットが、軍事衛星を載せて打ち上げられる予定となっている。これも延期されるのか、されるとしたらどれぐらいの期間か、といった点も注目される。次回では、事故の経緯をもう少し詳しく紹介すると共に、その原因について推測してみたい。
2015年05月07日マウスコンピューターは30日、新デザインとなるスティック型PC「m-Stick」のファン付きモデル「MS-PS01F」を発売した。直販サイトでの参考価格は28,000円(送料込み/税込み)。m-Stickシリーズは、スティック型PCの先駆けとも言える製品。初代モデルの登場時は即完売に近く、なかなか購入できない状態が続いてた(現在は解消されている)。ラインナップとしては、ストレージが32GB eMMCの「m-Stick NH1」、64GB eMMCの「m-Stick MS-NH1-64G」、法人専用(特定用途専用)の「MS-NH1-EMBD」がある。今回の「m-Stick MS-PS01F」は2015年4月1日に発表済みで、4月下旬の発売予定となっていたものだが、このたび正式に発売となった。主な仕様は、CPUがIntel Atom Z3735F(1.33GHz)、メモリがDDR3L 2GB、ストレージが32GB eMMC、グラフィックスがIntel HD Graphics(CPU内蔵)、OSがWindows 8.1 with Bing 32bit版。本体にはHDMI出力端子を備え、液晶ディスプレイやテレビのHDMI入力端子に接続し、PCとして利用する。通信機能はIEEE802.11b/g/n対応無線LANとBluetooth 4.0+LE、インタフェースは一般的なUSB 2.0(Type-A)ポートとmicroSD/microSDHC/microSDXCメモリーカードリーダーを搭載する。本体サイズはW125×D37.6×H14mm(端子部は含まず)、重量は約61g。付属品は、USB-ACアダプタ、電源供給用USBケーブル、HDMI延長ケーブルなど。
2015年04月30日ローランドは、ダンス・ミュージックに特化した同社ブランド「AIRAシリーズ」の新ラインナップとして、モジュラー型シンセサイザー「SYSTEM-1m」とモジュラー型エフェクター「TORCIDO」「BITRAZER」「DEMORA」「SCOOPER」の全5製品を5月より順次発売する。価格はいずれもオープン。今回発売される製品群は、シンセサイザー黎明期にあたる1960~70年代に主流だったモジュラー型シンセのパッチング(音の構成要素を個々のモジュールに分け、それをケーブルでつなぎ合わせて音づくりをする手法)による音づくりの楽しさを気軽に体感できるもの。このパッチングによる音づくりが再び見直されている近年の流れを受け、同社は最新の音声信号処理技術を生かしたシンセサイザー、およびエフェクターを約30年振りに開発したという。「SYSTEM-1m」は、オールインワンタイプのシンセサイザーながら、パッチングの楽しさを気軽に体験できるシンセサイザー。モジュラーシンセの設置フォーマットとして広がっているユーロラックや19インチのラックに対応したほか、机上でも使えるデザインを採用。さらに、パッチング用のコントロール端子にはそれぞれLEDを設け、機能別にLEDの色を変えるなど、エントリーユーザーにもわかりやすいパネルデザインとした。また、ローランド歴代のシンセサイザーをソフトウェアとして本体内にインストールし、パソコンを使わずに演奏することが可能。同製品に内蔵されるシンセサイザーと、インストールしたソフトウェア・シンセサイザーは、瞬時に切り替えて使用することができ、パッチングでその音をコントロールすることもできる。一方、音づくりの幅を広げるモジュラー型エフェクターは、ディストーション「TORCIDO」、クラッシャー「BITRAZER」、ディレイ「DEMORA」、スキャッター「SCOOPER」の計4製品。いずれも「SYSTEM-1m」同様、ユーロラック・スタイルのみならず、机上でも使える汎用的なスタイルを採用した。エディターで調整可能なサブ・モジュールを内部に搭載し、パッチングでCV(Control Voltage)による外部コントロールも可能となっている。なお、同社は現在、70年代に発売されたモジュラーシンセ「SYSTEM-700」「SYSTEM-100m」をベースとしたユーロラック対応の新製品「SYSTEM-500」の開発を進めているとのこと。発売は2015年後半になる見込み。
2015年04月24日M/M(Paris)は1992年に活動をスタートして以来、実にさまざまなブランドとの仕事をしている。アー・ペー・セー(A.P.C.)やルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)、ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)などのファッションブランドをはじめ、マドンナのアルバムジャケットやビョークのミュージックビデオを手がけるなど、ここでは書ききれないほどの幅広い活動を続けている。なぜ彼らはパリを拠点にしているのか。 「パリを拠点しているのは、すごくクリエイティブに向いている場所だからだと思うから。大きすぎないし、小さすぎない。視覚的にもおもしろい街なので、すごくいいインスピレーションをくれる場所なんだ。あとは単純にフランス人だから自分の国の方が落ち着くのかも」と話すマティアスは、元々、生物学を学んでおり、小さい頃からアーティストになろうとは特に思っていなかったという。ただ、絵を描くことは好きだったようで、自分の部屋で小さな展覧会を開き、彼の両親を招待したという微笑ましいエピソードも教えてくれた。その後、「流れに身を任せた(笑)」と名門、パリ国立高等美術学校に入学し、後のビジネスパートナーとなるミカエル・アムザラグと運命の出会いを果たす。そしてマティアスとミカエルはグラフィックスタジオとして「M/M(Paris)」を立ち上げた。アート、ファッション、エンターテイメントと縦横無尽に活動するからこそ、彼らの肩書きをひと言でまとめるのは難しいが、マティアスに今ならどんな肩書きがふさわしいか、尋ねてみた。「いつもぴったりと合う肩書きを見つけるのが難しいかな。特にグラフィックデザイナーとしてやってきているわけでもないし。だから、ユニット名も名前の頭文字をとって『M/M(Paris)』にしている。私たちは、物(作品)を作るのではなく、アイディアをプロデュースしているからね」とマティアス。また、ジャンルの垣根を超えた様々なプロジェクトに対するアプローチ方法も、特に振り分けておらず、同じ姿勢で挑むようにしているという。ヨウジヤマモトやのほか、福島発のアートマガジン『X MAGAZINE』のロゴ、パルコの広告キャンペーンなど、日本に関わる多くの仕事もこれまでに携わってきた2人。約10年前に初めて来日してから何度も日本に訪れているというが、そんな日本からも多くのインスピレーションを毎回得ているという。「日本で好きなものはたくさんあるけど、私たちを初めて日本に招待してくれたアート・ディレクターの浅葉克己さんのことは尊敬しているし、感謝している。彼はバランスのとれた素晴らしい方だと思うよ」。M/M(Paris)がロゴを手がけたという『X MAGAINE』は、福島出身の八木沢俊樹が、東日本大震災に対する文化支援的な意味合いで、2013年に立ち上げたプロジェクト。M/M(Paris)をかねてから敬愛していた八木沢がメールを通じて直接オファーしたことで、コラボレーションすることになったという。「どんな困難な状況であっても生きることに対する信念が感じられるのは、世界中を見ても日本しかないと思う。東日本大震災や原発の問題からも、復興に向けて力を合わせる姿は本当に素晴らしい。だからこそ、福島発のアートマガジン『X MAGAZINE』でロゴを手がけたことは、微力ながら協力できたと思っているよ」。グラフィックデザイン全盛期ともいえる1990年代に、視覚的に理解し合える“タイポグラフィ”を用い、そのミステリアスで暗号性のあるデザインでクリエイティブな表現方法を生み出したM/M(Paris)。そんな彼らがこれまでの20年にどのような道を歩んできたのか?その答えは、展覧会で見つけ出してほしい。【展覧会場法】M/M(PARIS)SUGOROKU DE L’OIE会期:4月20日18:00まで会場:パルコミュージアム住所:東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷パルコ・パート1・3FTEL:03-3477-5873--【前編】「過去20年間のポスター作品からゲームのように紐解く、M/M(Paris)の軌跡」を読む。
2015年04月17日フランスを拠点に活動するクリエイティブデュオ、M/M(Paris)のポスター展「M/M(PARIS)SUGOROKU DE L’OIE(エムエムパリス スゴロク ドゥロア)」が4月20日まで、渋谷のパルコミュージアムにて開催中だ。2008年に行われた展覧会「The Theatre Posters」以来となる本展は、日本の“すごろく”に似たフランスの伝統的ボードゲーム「LE JEU DE L’OIE」を題材に、これまでに制作したポスターをマス目に見立てて展示するという、ユニークな内容。会場内はまるで迷路のように入り組んだ回廊で構成されている。どうしてこのようなポスター展を日本で行うことに決めたのか?今回、本展の開催に合わせて来日していたM/M(Paris)のマティアス・オグスティニアックに話を聞いた。2014年秋冬シーズンから、パルコの広告を手がけている「M/M(Paris)」だが、今回パルコで展覧会を行うことにしたのは「他よりもさまざまなトレンドがミックスされている場所なので、展示会のテーマにもふさわしいと思ったから」だそう。「展示会場も螺旋のようなレイアウトにし、ポスターもフランスのボードゲームである『LE JEU DE L’OIE』のマス数である、“63”に合わせてフランスからアーカイブの63枚の厳選されたポスターを運んできた」という言葉通り、まさにマティアスが話す“テリトリーがあってルールがある、ゲームのような感覚の展覧会”が創り上げられていた。ところで、どうしてマティアスは日本の「すごろく」を知っていたのだろうか。「もちろん、リサーチして見つけたんだよ。やったことはないけれど、だいたい、同じようなゲームが各国1つずつ存在するもの。それで『すごろく』が『LE JEU DE L’OIE』と同じような気がしたので、それらの名前を混ぜ合わせた展示会名にしたんだ」。展覧会の構成をゲーム仕立てにした理由について、「ゲームのように駒を進めていくようにするなかで、自分たちが決めたことがどのような運命を歩むことにつながったのか、ということを表現している。20年続けてきたポスター作りのアーカイブを並べることで、それを伝えることにもなる」と話す。つまり、ゲームというものは、サイコロを振ることでさまざまな人生が決まる。次にどんな目が出るか予想できないように、これまでM/M(Paris)が経験した出会いもまた偶然。彼らのクリエイションとゲームとを重ねる展示方法が、彼らの作品特有の神秘性や暗号性を現わしている。まさに「すごろく」のボードを彷彿とさせるレイアウトの展示会場では1996年に芸術センター「Le Theatre de Lorient」とのコラボレーションで制作したポスター作品「Brancusi contre Etats-Unis」から2014年に公開した最新作まで、順を追って展示している。その中には、M/M(Paris)がタッグを組むことが多いフォトグラファー、イネス・ ヴァン・ラムスウィールド&ヴィノード・ マタディンとのコラボレーション作品で、俳優のビル・マーレイをコラージュのように見せた「Opening Parenthese」、カール・ラガーフェルド、ビョークが登場するビジュアルなど、アーティストやクリエイターとの共同作品も展示。彼らのこれまでの“軌跡”とも呼べるマス目に見立てたポスターを、来場者が“コマ”を進むように1枚ずつ観ていく、ユニークな体験ができる会場になっている。--後編はM/M(Paris)と日本との繋がりについて。
2015年04月17日U-1 グランプリ運営組織委員会は5月2日~6日までの5日間、東京都江東区有明で、全国のうどんが大集結した「U-1 グランプリ in 東京」を開催する。また、「うどん文化をとりまくご当地グルメ博」も同時開催となる。○うどん食文化をとりまく各種ご当地グルメが集結「U-1グランプリ」は、2013年より開催している人気イベント。うどんやだし、食材などの関連業界や生産者の交流・活性化を促進し、地域社会に貢献するほか、世界が注目する"クールジャパン"と"おもてなし" の国内外への発信、食育への貢献を目的としている。2014年に開催した東京大会は、入場者数20万人と大きな盛り上がりを見せたという。2015年大会はさらにパワーアップし、うどんのみならずうどん食文化をとりまく各種ご当地グルメも集結。家族連れでも、一人でも1日中楽しめる、イべントになるという。期間中のうどんの売上数と来場客や審査員の評価でグランプリや優秀賞を決定。グランプリに選ばれたうどんは、コラボ商品を販売する権利が与えられる。開催日時は、5月2日~6日 11時~20時(最終日のみ~18時、ラストオーダー30分前)。開催場所は、イーストプロムナード・石と光の広場(東京都江東区有明3-7)。※情報は掲載時のもの
2015年04月08日三菱電機は、数値制御装置(CNC)の新製品として、普及性の高いグローバルスタンダードモデル「M800Sシリーズ」「M80シリーズ」を発売した。2014年12月に発売したグローバルフラッグシップモデル「M800Wシリーズ」に続き、製品ラインアップの拡充を通じて、多様化する機械制御ニーズに対応する。M800SシリーズおよびM80シリーズは、独自開発のCNC専用CPUを搭載し処理性能を高め、CNCの基本性能である微小線分処理能力とPLC(プログラマブルロジックコントローラ)演算処理能力を従来比1.6倍に向上した。CNCと駆動系ドライブユニット間の光通信ネットワークを高速化。サーボ指令・制御周期が従来比2倍となり、CNCシステム全体の応答性が改善し、工作機械の生産性を向上する。なお、M800Sシリーズの旋盤向けは最大8系統32軸8主軸の多軸多系統機制御に対応。旋削加工とセンタタップ加工を同時に可能とした「主軸重畳制御」によりアイドルタイムを削減する。ロボットや搬送装置など周辺機器との接続を容易にするフィールドネットワーク(CC-Link、EtherNet/IP、PROFIBUS-DP)に対応し、自動化システム構築を支援する。また、加工状況やアラーム履歴をMESインタフェース機能により上位システムのデータベースへ自動配信。稼働データ管理に基づく生産管理の強化・予防保全を実現する。加えて、表示器・キーボードを一新し、エスカッション(取付け部)では9.5mm(従来約20.0mm)の薄さを実現。10.4型以上の表示器にはタッチパネル方式を標準採用し、スマートフォン感覚の操作が可能となっている。
2015年03月24日京都府向日市寺戸町の京都向日町競輪場で、京都激辛商店街主催の「激辛グルメ日本一決定戦(KARA-1グランプリ)」が行われる。開催日は3月28日、9時30分から16時30分。○合計72ブースが参加同イベントは、来場者の投票によりグランプリが決定される「辛くて旨い=辛旨(からうま)」ナンバーワンを決める大会。2012年に街おこし事業の一環としてスタートし、今年で4回目を迎える。Cafe-Bar&Music Smile(京都府)が出品する「ギャー油トマトクリームパスタ」、おいでや(兵庫県)の「心臓麻痺たこ焼き2015ver.」、CAFE FROG(滋賀県)「激旨ホットチリドッグ」、御料理処青木(愛知県)「牛たんカレーライス」、ゆめ鳥(三重県)「悪魔からあげ」、のりまきのすけ(大阪府)から「激辛スンドゥプチゲ」などのメニューが出品される。そのほか、ステージでは出店店舗や、メーカー、激辛同盟市町村によるPRのほか、小松哲也さん、ひでやんず、ツキシンさんなどによるライブパフォーマンスも実施。また、スマートフォンを持つ来場者全員が参加できる「辛口おみくじアプリ」を使用した「大大凶ゲーム」も開催。大大凶が出た来場者にはプレゼントも用意されているとのこと。
2015年03月24日富士通、沖電気工業(OKI)、日本大学(日大)、北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)は3月20日、M2M技術を活用した住宅・公共施設などのスマートコミュニティにおけるエネルギーマネジメントの実証実験の結果を発表した。これは2013年7月から2015年1月まで、4者が関東から関西、北陸までの広域にわたる住宅(戸建、集合住宅)、小規模店舗、学校の計27施設に対して28種類800個以上のデバイスを接続し実施したもの。実験の結果、クラウド環境から様々な機器の情報を取得、制御できる環境を前提に、学校を中心とした住宅1000戸のコミュニティを想定した場合、約20%のエネルギーが削減可能なことをシミュレーションにより確認した。また、同実証実験ではさまざまなセンサーや機器のネットワーク接続を実施し、分野によって異なる通信インターフェースの機器を効率よく接続するアーキテクチャを開発。このアーキテクチャは建物内で機器を接続するゲートウェイそれらを集約するクラウド上のミドルウェアで構成されており、クラウド上のアプリケーションから建物内の機器を制御可能にする。建物内におけるネットワーク障害やデバイス障害を検出する機能の一部が備わっているため、利用者だけではなく、運用保守向けのM2Mプラットフォームとして活用することもできるという。。同アーキテクチャは、ITU-Tにおける国際標準Y.2070として標準化され、M2Mプラットフォームの障害検出機能については、デバイス、ネットワーク機器などの機能要件のガイドラインをベンダー各社の協力のもと作成し、情報通信技術委員会の技術レポートTR-1057として2015年3月に発行される。実験ではさらに、HEMSなどの普及により数量増大が見込まれる920MHz無線対応システム間における電波干渉を軽減する技術を開発し、住宅におけるデバイスとゲートウェイ間の通信技術として920MHz無線の有効性も検証したとのこと。4社は今後、実験成果を標準化文書、技術レポートとして発行し、シミュレーターの一部はフリーウェアとして広く公開していくとしている。
2015年03月20日ユニットコムは12日、NVIDIAのノートPC向け最新GPU、GeForce GTX 960M / 950M / 940Mを搭載した15.6型ノートPC新製品を発表した。各グラフィックスを搭載した3製品を用意し、いずれの製品にも通常モデルと即納モデルの2モデルを用意。同社が運営する「パソコン工房」などで販売し、価格は92,980円から(税別、以下同)。GeForce GTX 960M搭載モデルの主な仕様は、CPUがIntel Core i7-4720HQ(2.6GHz)、チップセットがMobile Intel HM87 Express、メモリが8GB、ストレージが1TB SATA HDD、グラフィックスがNVIDIA GeForce GTX 960M 2GB、液晶が15.6型ワイド(1,920×1,080ドット)、光学ドライブがDVDスーパーマルチなど。OSはWindows 8.1 64bitもしくはWindows 7 Professional 64bitを選択可能。この構成で、価格は通常モデルが122,980円、即納モデルが129,980円。GeForce GTX 950M搭載モデルの主な仕様は、CPUがIntel Core i7-4710MQ(2.5GHz)、チップセットがMobile Intel HM86 Express、メモリが8GB、ストレージが1TB SATA HDD、グラフィックスがNVIDIA GeForce GTX 950M 2GB、液晶が15.6型ワイド(1,920×1,080ドット)、光学ドライブがDVDスーパーマルチなど。OSは、同じくWindows 8.1 64bitもしくはWindows 7 Professional 64bitを選択可能。この構成で、価格は通常モデルが112,980円、即納モデルが119,980円。GeForce GTX 940M搭載モデルの主な仕様は、CPUがIntel Core i5-4210M(2.6GHz)、チップセットがMobile Intel HM86 Express、メモリが4GB、ストレージが500GB SATA HDD、グラフィックスがNVIDIA GeForce GTX 940M 2GB、液晶が15.6型ワイド(1,920×1,080ドット)、光学ドライブがDVDスーパーマルチなど。OSは、上記2モデル同様Windows 8.1 64bitもしくはWindows 7 Professional 64bitを選択できる。この構成で、価格は通常モデル/即納モデルともに92,980円。
2015年03月12日フックアップ、DJ-Tech社製スクラッチDJミキサー「DIF-1S」にDJソフト対応のMIDIキューを装備した「DIF-1M」を発売する。発売日は3月6日。価格は税別3万7,000円。同製品は、「DIF-1S」の基本性能をそのままに、DJソフトウェア「Traktor Pro」と「Srato DJ」に対応したMIDI機能(LOOP/TRACK、SHIFT、CUEのコントロール)を追加したモデル。交換フェーダーとして最も多くのシェアを誇るAudio Innovate社製の非接触型VCAフェーダー「Mini innoFADER」が標準搭載されており、高い安定性と滑らかなクロスフェーダー操作を実現するとのこと。さらに、コンパクトなボディーに豊富な入力端子を装備。多彩なアナログソースはもちろん、タイムコードモードによりDVS(Digital Vinyl System)とも併用が行える。なお、各種DJに対応したソフトマッピングファイルは、ダウンロードにより提供されるということだ。
2015年03月04日エプソン販売は2月26日、インクジェットプリントによるフォトコンテスト「エプソンフォトグランプリ 2014」の審査結果を発表した。「ネイチャー部門」のグランプリは吉川秀徳氏の「春雪舞う」、「ヒューマンライフ部門」のグランプリはむらうちかつお氏の「若者」が受賞した。両氏にはそれぞれグランプリ賞金100万円が贈られる。また、「チャレンジ部門」の優秀賞には山本弘氏の「年に負けない」、「ファミリースナップ部門」の大賞には牟田啓三氏の「歳月」、「中学・高校写真部部門」の優秀賞には山口県立下松高等学校 美術部の「ブルーサマーJK」が選出された。エプソンフォトグランプリはインクジェットプリンターで印刷した写真を対象としたコンテスト。2006年から開催され、今回で9回目を数える。今回の応募総数は19,176作品に上った。また、3月13日から26日の期間、「エプソンフォトグランプリ 2014 受賞作品展」が東京・新宿のエプソンイメージングギャラリー エプサイトで開催される。
2015年02月27日ベンキュージャパンは27日、1mの距離から64型の画面を投写できる短焦点ワイドDLPプロジェクタ「MW621ST」を発表した。3月6日から発売し、価格はオープン、店頭予想価格は89,800円。解像度はWXGA(1,280×800ドット)で、輝度は3,000ルーメン、コントラスト比は1,300:1、1.2倍の光学ズームを持つ。映像入力インタフェースは、D-Sub、ビデオコンポジット、Sビデオ、HDMIが1系統ずつ、音声入力はラインとミニジャックが1系統ずつ。対応解像度は、PCからのD-Sub入力時が640×480ドット~1,600×1,200ドット。HDMI入力時は、640×480ドット~1,920×1,080ドット(フルHD)。本体に10Wスピーカーを内蔵しており、映像出力としてD-Sub×1系統を搭載する。本体にはUSBポートも備え、USBメモリに保存した画像をスライドショー形式で投写可能だ。対応する画像形式は、JPEG、GIF、BMP、TIFF、PNGとなっており、動画はサポートしていない。テキサス・インスツルメンツ社の色彩深度を向上させる技術「BrilliantColor」を採用し、自然の風景などに多い中間色の再現性を高めている。また、オプションの3D専用メガネを使うことによって、DLP Link方式の3D映像を視聴可能。画面サイズは40型~100型で、投写距離は60型が約0.93m~1.125m、80型が約1.25m~1.5m、100型が約1.563~1.875mとなっている。ランプ寿命の目安は、標準モードで約4,500時間、エコノミーモードで約6,000時間、スマートエコモードで約6,500時間、ランプセーブモードで約10,000時間。本体サイズはW287.3×D232.6×H114.4mm、重量は約2.6kg。リモコンが付属し、本体の設置は前面投写、天井前面投写、リア投写、天井リア投写に対応する。
2015年02月27日オリンパスイメージングは2月24日、ミラーレス一眼カメラ「OM-D E-M1」の新ファームウェア Ver.3.0の提供を開始した。9コマ/秒の連写を可能とするなど、動体撮影性能を向上させている。OM-D E-M1のファームウェア Ver.3.0における新機能は次の通り。連写HモードでC-AF連写中のAF追従に対応連写Hモードで最大9コマ/秒が可能に (従来は連写Lモードで6.5コマ/秒)OI.Share Ver.2.5 に対応し、ムービー撮影時のライブビュー表示が可能になお、オリンパスイメージング 代表取締役社長 小川治男氏はCP+2015における講演で今回のバージョンアップについて触れ、「フラッグシップに位置付けているOM-D E-M1では、常に最高の技術をユーザーに提供していくため、これからもファームアップを繰り返していきたい」との考えを表明している。
2015年02月24日●4K液晶とGeForce GTX 980Mを搭載したハイエンドゲーミングノート1月23日、マウスコンピューターのゲーミングPCブランド「G-Tune」から、第2世代MaxwellのノートPC向けGPU「GeForce GTX 980M」を搭載した、15.6型ノートPC「NEXTGEAR-NOTE i5900」シリーズが発売された。GTX 980Mといえば、NVIDIAの現行のシングルGPUラインナップにおいて、最上位に位置するグラフィックスチップだ。これだけでもゲーマーにとっては注目に値する製品だが、同シリーズはさらに解像度4K(3840×2160)の液晶ディスプレイまでも搭載。ハイエンドゲーミングノートと呼ぶにふさわしいシリーズとなっている。今回はシリーズの中でも、最も充実した装備を誇るプラチナモデル「NEXTGEAR-NOTE i5900PA1」を紹介しよう。なおプラチナモデルとはいっても、ほかのモデルとの違いはメモリの容量とストレージの2点のみだ。ブロンズやシルバーなどを選んでも4K液晶ディスプレイとGeForce GTX 980Mは利用できるので、実際に購入する際はその点を考慮してモデルを選択しよう。○3840×2160の高解像度液晶と圧倒的な3Dグラフィックス性能「NEXTGEAR-NOTE i5900PA1」は、QFHD(3840×2160)解像度、いわゆる4K液晶ディスプレイを搭載した15.6型のゲーミングノートPCだ。高精細なその画面は、ユーザーにドット感を意識させることなく非常に滑らかだ。ディスプレイの表面はノングレア処理が施されているため映り込みも少ない。この4K液晶でのPCの動作を支えているのが、CPUやGPUなどの搭載パーツ。CPUには"Haswell Refresh"世代の4コアCPUとなるインテルのCore i7-4720HQを採用。定格動作クロックは2.60GHzだが、ターボ・ブースト機能によって最大3.60GHz付近までクロックが上昇し、高速処理を行ってくれる。映像を支えるGPUは、NVIDIAの第2世代Maxwell最上位モデル「GeForce GTX 980M」。圧倒的なワットパフォーマンスで話題になった第2世代Maxwellだけに、デスクトップPCに引けを取らない処理能力と長いバッテリー駆動時間を両立させてくれるだろう。なおCPUに内蔵されているグラフィックス「インテル HD グラフィックス 4600」も同時に利用される。Webブラウジングや事務処理系ソフト、軽めのゲームなどの動作中は、映像処理系にあまり負荷がかからない。このような場合にハイエンドGPUを動かすと多くのバッテリーを消費してしまうため、GeForce GTX 980Mを使わずにCPU内蔵グラフィックスで処理を行うというわけだ。ストレージはSSDとHDDのデュアルドライブ構成となり、システムドライブに採用されているのは512GBのSSD「Plextor PX-G512M6e」だ。このSSDの特徴は、M.2インタフェースを利用してPCI-Expressに接続されていることにある。現在ストレージ接続に利用されている主要インタフェースはSATA3.0。しかしSSDの速度向上に伴い、SATA3.0では性能を引き出せなくなってきている。だがM.2コネクタによってPCI-Expressに接続すれば、そんなボトルネックもなくなり、SSDの性能をフルに引き出せるというわけだ。データドライブ用のHDDは1TBとなり、Western Digital製が採用されている。計1.5GBの容量があれば当面容量に問題はないだろう。メモリはDDR3L-SODIMMとなり8GB×4枚、計32GBの大容量を誇る。通信デバイスはいずれもRealtek製となり、ギガビットLAN、IEEE802.11 b/g/n対応無線LAN、そしてBluetooth V4.0を搭載している。○金属のヘアライン加工が美しいブラックの天板とパームレスト筐体はG-Tuneのイメージカラーであるブラック。天板やパームレスト部はアルミ製となっており、ヘアライン加工が美しい。本体裏面はプラスチックの一枚板で、内部の熱を排気するための数多くのスリットが確認できる。本体寸法はW385×D275×H29mm(折り畳み時)となっており、ハイエンドパーツにより内部の熱対策が難しいため厚くなりがちなゲーミングノートにしては控えめな厚さだ。本体質量も約2.5kgに抑えられているので、必要に応じて外に持ち運ぶことも可能だろう。インタフェースは本体背面および左右側面それぞれに配置されている。背面左側には電源コネクタとe-SATA/USB 3.0兼用端子を搭載。USBハブをつないだり、ストレージを管理したいときに利用すると便利だろう。左側面は手前からMini Displayport×2、USB 3.0×1、HDMI×1が配置されている。本体の液晶ディスプレイを含め計4画面のマルチディスプレイ環境を構築することも可能だ。右側面は手前からライン出力、マイク入力、ヘッドフォン出力、SD/MMCカードリーダー、USB 3.0×2、ギガビットLAN端子、ケンジントンロックを搭載。SIMカードスロットも確認できるが、残念ながらこちらは使用できないようだ。本体手前には端子はないが、電源やnum lock、HDDアクセスなどを確認できるLEDランプが搭載されている。またディスプレイ上部にはステレオデジタルマイクと200万画素のWebカメラが用意されており、すぐにでもビデオチャットを利用可能だ。電源アダプタはさすがに大振りで、出力は19V/9.5A、180W、サイズはW167×D83×H35mm。持ち運びの際は、このアダプタをどうやって収納するかがポイントとなりそうだ。○テンキーを備えたフルキーボードには白色LEDを内蔵キーボードはテンキー付きとなり、最近では定番となってきたアイソレーションタイプを採用。カーソルキー周辺を除けば、それほど変則的な配列もなく、押し間違うことは少なそうだ。また「W」「A」「S」「D」キーに矢印の刻印があり、ゲーミングモデルらしさが垣間見える。タッチパッドは周囲から若干掘り下げた位置に搭載。パームレスト部がアルミ製なので、温度や触り心地で判別は簡単だろう。ボタンの押下感はキーボードに近い。クリック感が少なくふかふかとした感触を備えており、誤ってダブルクリックする心配もないだろう。液晶ディスプレイと本体をつなぐヒンジ部の左右にはステレオスピーカーが内蔵されており、ゲーム音声をしっかり再生可能。テンキー右上には電源ボタンがあり、電源投入時は青色のLEDが輝く。なおキーボードの内側には白色LEDが搭載されており、暗い場所でも容易にキーを確認可能。消費電力を抑えたいときは、付属のユーティリティ「CONTROL CENTER」から、明るさを下げたりOFFにしたりすることも可能だ。またキーボードにマクロを登録したり、特定のキーを無効にしたりできる「FLEXIKEY」や、タッチパッドの動作を設定できる「Synaptics TouchPad」、スピーカーからの出力をサラウンド化させたりできる「Sound Blaster X-Fi MB3」などのアプリケーションをプリインストール。自分好みのPC環境を作り上げることができる。●M.2 SSDの追加も可能な「NEXTGEAR-NOTE i5900PA1」の内部○「NEXTGEAR-NOTE i5900PA1」の内部を確認。実は拡張も可能!?せっかくなので、本体内部の様子を確認してみることにしよう。底面のネジをすべて外し、裏ぶたを固定しているツメをゆっくり外していく。ふたを開いてまず目に付くのが、パームレストの左部分に配置された大型のバッテリーだ。続いて、本体左側に配置されたCPUと、右奥で2つのファンによって冷却されているGeForce GTX 980Mが目に留まる。またGPUファン付近にはRealtekのIEEE802.11 b/g/nおよびBluetooth V4.0準拠の無線モジュールも確認できる。使用できないといわれていたSIMカードスロットには、一応スロットがしっかりと実装されている。もしかしたらなんらかの機能が実現できるかもしれないので、腕に覚えのある方は利用してみるのもいいだろう。ただしマウスコンピューターの保証外となるので、試す際は自己責任でお願いしたい。パームレスト右下のスペースにはSSDとHDDが収納されており、M.2コネクタには1基の空きがある。取り付け用の金具も用意されているので、非公式だが自分でSSDの追加や交換を行うこともできそうだ。マザーボードの表に取り付けられたメモリは4枚中2枚のみ。試用機では動作電圧1.35Vで動くDDR3L-1600メモリの8GBモジュールが採用されていた。搭載されているSSDは、PlextorのPX-G512M6e。PCI-Express接続によって、SATA3.0規格の帯域制限による速度の頭打ちがないため、600MB/sを超えるシーケンシャル読み書きを実現可能だ。HDDはWestern DigitalのWD10JPVX。1TBの容量があるため、速度を重視する必要のないデータファイルは、こちらに保存しておくといいだろう。○ベンチマークで「NEXTGEAR-NOTE i5900PA1」の性能をチェック!それでは、各種ベンチマークテストで本機の性能を見ていこう。まずはWindowsシステム評価ツール「WinSAT」でのWindowsエクスペリエンス インデックス スコア測定の結果から。グラフィックスの2項目はCPU内蔵グラフィックスを利用した数値となっているため、GeForce GTX 980Mの性能はこのあとのゲームベンチで確認してほしい。プロセッサ/メモリ/ストレージについては文句の付けようがない。特にプライマリディスクの"8.3"は、今まではRAID構成でもなければ目にすることのできなかったスコアだ。加えて、「PCMark8」にて総合的なパフォーマンスを測ってみよう。こちらの結果も満足のいくもので、ホームやオフィス用途では、高いCPU処理能力とディスプレイ解像度によって素早い作業が可能だ。こちらのベンチマークでもCasual GamingはCPU内蔵グラフィックスによって計測されているため、総合スコアは少々落ちている。なお、NVIDIAコントロールパネルから設定を行えばGeForce GTX 980Mを使用するように設定することも可能だが、はっきりいって電力のムダなので、通常はCPU内蔵グラフィックスに処理を任せたほうがいい。「CINEBENCH R15」で見るCPUの処理能力は、並みのデスクトップ向けCPUよりもよっぽど優秀だ。テスト結果だけ確認すると、デスクトップPCだと思ってしまう人も多いことだろう。○GeForce GTX 980Mは4K液晶のネイティブ解像度をどこまで動かせるか?次に、NVIDIA GeForce GTX 980Mが備える3Dグラフィックス処理能力をチェックしていこう。まずはFuturemarkの3Dグラフィックス向け定番ベンチマーク「3DMark」のFire Strikeにて総合性能を確認。Graphics Score"9662"というスコアは、1世代前のデスクトップ向けハイエンドGPU「GeForce GTX 780」と同程度のスコアとなり、第2世代MaxwellがいかにノートPCに向いたアーキテクチャなのかがよくわかる。さすがにUltraの結果は厳しいが、これ以上を望むのは贅沢というものだろう。続いてゲームのベンチマークテストを試そう。まずは指輪物語をモチーフにしたアクションRPG「ミドルアース:シャドウ・オブ・モルドール」 のベンチマークだ。設定を上げるごとにテクスチャ容量が大きくなり、負荷が増大するタイトルだが、フルHD(1920×1080)までの解像度ならば余裕で平均FPS 60以上をたたき出すことができた。最新の3Dアクションタイトルがこれだけ動くのだから、やはりすごい。とはいえ、4K解像度はやはりまだまだ厳しい。今はまだゲームで利用できる解像度ではなさそうだ。昨年末に拡張パック「蒼天のイシュガルド」の詳細が発表され話題になった国産MMORPGタイトル「ファイナルファンタジーXIV」のベンチマーク、キャラクター編も試してみよう。こちらのベンチマークでは、4K解像度でも"快適"と、なんとか遊べそうなスコアが確認できた。インタフェースのサイズの問題などもあるため、実際のゲームで利用するかどうかは別だが、少し古めのタイトルであれば4Kでも動作可能であることがわかったのは収穫だ。最後に、念のため「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト Ver.1.10」を動作させておこう。結果としては、すでに各解像度、設定ともにほとんど数値が変わらなかった。これ以上スコアを上げるとしたら、CPUの進化を待つしかなさそうだ。○高精細デスクトップを利用できるハイスペックゲーミングノートGPUにGeForce GTX 980Mを搭載するという、ゲーマー垂涎のハイスペックノート「NEXTGEAR-NOTE i5900PA1」。そしてその3Dグラフィックス処理能力を最大限に活かすため、CPUにCore i7、メモリ32GB、さらに大容量512GBのPCI-Express接続SSDも搭載。それでもまだ飽き足らず、4K液晶ディスプレイまで搭載してしまった本機は、まさにゲーマー向けの"全部入り"ノートPCといって過言ではない。この性能は、ゲームだけでなく映像・音声・写真などの編集などでも強力な性能を発揮してくれることだろう。また、ちょっとPCに詳しい人にとっては、内部に増設の余地があるのもうれしいところ(ただし自己責任での対応となるので、その点はご留意を)。この冬発売した注目のゲームタイトルをノートPCで遊びたい人はもちろんのこと、4K解像度を活かした画像・映像処理を行う人にとっても、注目すべき一台といえるだろう。※ここで紹介した各パーツは、今回試用した機種のものです。出荷時にメーカー、型番などが変わる可能性もあります。ご了承ください。○標準スペック上記スペックは、あくまで構成の一例だ。BTOを駆使して、ぜひ自分好みの一台を作ってみてほしい。価格・構成については、2015/2/16(記事作成日)現在の情報です。最新情報についてはマウスコンピューターのサイトにてご確認ください。
2015年02月17日M-AUDIOは、プロレベルのパフォーマンスと快適さを提供する新たなモニタリングヘッドフォン「M40」および「M50」を発表した。価格は、M40が59.99ドル、M50は79.99ドル。2015年1月ごろ発売予定。「M50」は50mmドライバを搭載したオーバーイヤーモニタリングヘッドフォン。 付け心地の良さを追求したノイズアイソレーションオーバーイヤーデザインで、長時間のスタジオモニタリングにも適する。ワイドレンジな28~20kHzの再生周波数帯域は、ソースやジャンルを選ばず音楽を聴くことができる。レザークッションヘッドバンドおよびイヤーキャップにより長時間でも快適に使用可能で、1.8mの取り外し可能なケーブル、および1/4インチアダプタが付属する。一方、「M40」は40mmドライバを搭載したオンイヤーモニタリングヘッドフォン。36~20kHzの再生周波数帯域を実現した。M50同等のレザークッションヘッドバンドおよびイヤーキャップにより長時間でも快適に使用でき、1.8mの取り外し可能なケーブルが付属する。
2015年02月16日●Cortex-M7の命令セットはCortex-M4と同じ2014年9月にARMはCortex-M7を発表し、早速AtmelとFreescale、STMicroelectronicsがライセンスを受けたことを発表したのは既報の通り。加えて11月にはSpansionもライセンスを取得しており、恐らくすでにCortex-M4のライセンスを受けているメーカーのほとんどはこれに追従するのではないかと思われる。そのCortex-M7、内部構造が2014年に行われたARM TechConで発表されているので、これを紹介しつつ、今後のMCUの動向についてちょっと考察してみたいと思う。○内部構造Cortex-M7そのものの命令セットはCortex-M4と完全に一緒である(Photo01)。恐らく次のARM v8Mが発表されるまで、これは変わりそうに無い。逆に言えば既存のCortex-M0~Cortex-M4のコードはそのまま完全に互換に動作することが保障されているわけでもあるが、ただし最適化に関してはちょっと話が面倒なことになりそうだ(これは後述)。さて、そのCortex-M7の内部構造はこんな具合である(Photo02)。直接比較できる図ではないが、Cortex-M4と比較した場合に、このレベルでの大きな違いは、当初からCacheとTCMが(オプション扱いながら)用意されていることだ。こちらにもちょっとあるが、Cortex-M7プロセッサは5 CoreMark/MHzの性能とされており、なので90nm世代で200MHz、40nm世代で400MHz、28nm世代では800MHzを狙えるという見積もりになっており、何をどうやってもEmbedded Flashでは絶対に追いつかないし、QuadSPIの外部Flashでも間に合いそうにない。なので命令キャッシュに加え、L2としても利用できるTCMの利用はまぁ必然になるのは当然であろう。さてそのパイプライン構造がこちら(Photo04)。ALU×2、Load/Store×1、MAC×1の4命令同時実行が可能で、さらにFPUがオプションで利用される。ただDec #2というかIssue unitはそこまでの命令幅はないと思われる。Cortex-M4の性能との比較で考えると、Issue unitは2命令の同時発行で、FPUが加わってもこれは変わらないものと思われる。これを3命令以上にしようとすると、命令Fetchの帯域もさることながらData Fetchの帯域も同時に増やさないとバランスが悪くなるし、一般論として3命令のIn-Order Superscalarがどこまで有効なのかは疑問で、そろそろOut-of-orderの実装が欲しくなるが、そこまでいくとMCUの枠をはみ出している気がする。バランスを考えれば2命令のIn-orderは悪くない選択だろう。これに組み合わされるのがTCM(Photo05)である。TCMそのものはCortex-M世代でもオプションでは使えた(最初に登場したのはARM9の世代で、ARM926EJ-Sあたりが実装を始めた走りだったと記憶している)はずだが、Cortex-M7ではこれを積極的に実装に利用している。Photo02を見直していただくと判るが、Instruction TCMはオプション扱いだが、Data TCMは標準装備扱いになっており、しかもわざわざTCM Arbitoration I/Fを標準装備しているあたりが従来と大きく異なるところだ。Instruction TCMがオプションなのは、Instruction Cacheを実装する方法も取れるからで、どちらを使うかはメーカーの好みで選べる事になる(両方実装するのは不可能ではないが、構造的には意味がなさそうだ)。TCMはメモリアドレス的にはAXI経由で接続される外部メモリと連続する空間にmappingできる(ので、アプリケーションから見るとどちらも同一の空間として扱える)が、外部I/Fは異なっており、専用のDMA Channelに繋がっているのが判る(Photo06)。これはどういうケースかというと、そもそもTCMはSRAMなどと比べてもずっとエリアサイズが大きくなるので、あまり大容量にするのはコストへのインパクトが大きい。そこでTCMの容量はそこそこにしておき、外部に専用SRAMを装備してDMAで繋ぐ、といった逃げ方が考えられる。実際Data TCMが32bit Block×2の構成になっているのは、Dual Bank的な使い方を想定していると考えられる。あるBankをCPUがアクセスしている間に、もう片方のデータを外部SRAMに退避、あるいは外部SRAMからデータを取り込みといった使い方で、この際にはDMAで高速転送を掛けるという形だ。Instruction TCMの方は(Photo02にもちらっと出てきているが)、Flash Accelerator的な使い方が主になるだろう。さてそれではキャッシュは? というとこんな感じ(Photo07)。サイズは最大64KBで、MCU向けとしては最大級ではあるが、下手なアプリケーションプロセッサ並みという性能を考えると、もう少し大きく取れても良い様な気もする。ちなみにTCMとCacheの使い分けとしては、トータルとしてどれだけ大きなメモリ量を扱うか次第である。TCMの場合、その領域はNon-Cachableであり、かつ入れ替えなどのメカニズムは用意されない。だからこそアクセス時間が一定のものとして扱えるという話であるが、逆に言えばTCMの容量より大きいデータやプログラムを扱うのは著しく困難になる。キャッシュの場合は当然Hit/Missに応じてアクセス時間が変わる一方、かなり大きなプログラム/データであっても相応の効果が期待できる。つまるところはどっちを狙うかという話で、原理的に両立は難しい(というか、両方装備しても構わないけど無駄が多い)。なので後はアプリケーション要件(リアルタイム性を狙う製品か、アプリケーション性能を狙う製品か)に応じて構成を選ぶ形になる。話を戻すと、D-CacheのControllerの方は、AXI Master以外にAHBのPeripheral Portも搭載されている(Photo08)。これは、大量のデータを扱う場合などに便利である。特にストリーミングデータを連続して処理、なんて場合にいちいちデバイス→メモリ→CPUコア→メモリなんて形でデータの移動を行っていると、こうしたデータの転送に要する時間が馬鹿にならない。ところがAHBP経由で直接データをD-Cacheに流し込み(この際にMemoryへのWritebackは行わない)、そのままMACユニットで処理、必要ならその結果を再びAHBP経由でデバイスに送り返すなんて事も可能であろう(この際もWritebackは行わない)。この動作は、あるメモリ領域をNon-shared cacheable memoryに指定しておくことで可能になるようだ。AHBPの話をしたついでに、システム構成について説明しておく。最小構成のCortex-M7ベースMCUはこんな形で構成できる(Photo09)。とりあえず余分なものが一切入らない分、シンプルではある。周辺回路はこの場合、AHBP経由でぶら下がる形になる。ただ、これだとInstruction TCMの容量を超えるサイズのプログラムでは急速に性能が低下するというか、Flash Memoryのサイズを相当小さくしておかないと、TCMが占めるエリアサイズが肥大しかねない。そこでこれを超えそうな場合はFlash Acceleratorを外部に接続することで、性能の低下をなるべく抑える必要がある(Photo10)。逆に拡張性やアプリケーション性能を重視するのであれば、むしろPhoto11の様にAXIを使って多くの周辺回路やFlashなどを繋ぐようにしたほうが楽である。このあたりは各メーカーの判断によるわけだが、例えばSTMicroelectronicsの「STM32F7」の場合はPhoto11の方式を選んだ様だ(Photo12)。もう一度コアに話を戻すと、設計時点で省電力に向けた設計もかなり盛り込まれている(Photo13)ほか、ECCの強化とLock Stepの対応が当初からなされているのは流石と言える(Photo14)。●Cortex-M7はCortex-M4に比べてどの程度性能が改善されるのか?○最適化技法まだ実際のプロセッサが世の中に出ていない状態ではあるが、すでにCortex-M7に向けたプログラミングマニュアルがリリースされている。最適化にというよりもコード移植に関しては、たとえばこちらのApplication Noteが参考になる。とはいっても、先に述べた通り基本的にはCortex-M4までとCortex-M7はバイナリ互換だから、既存のプログラムが動かないというケースはほとんど無い。もちろんMCUだから、実際にはI/O空間やら周辺回路やらの違いに起因する問題はあるが、それは別の議論なのでここでは措いておく。先のApplication Noteによれば、Cortex-M4までとCortex-M7の違いはまずFPUにあるとしている。Cortex-M4はFPv4だがCortex-M7はFPv5に準拠しており、新たな命令が追加されて性能が改善しているとする。また、整数演算命令に関してはタイミングをDelay loopで調整している場合、コードの変更が必要。Cortex-M7では、起動時にIVT(Initial Vector Table)が0x00000000である必要がないので、IVTはVector Table Offset Registerから取得するように変更すべき。Cortex-M7ではメモリが複数のバスに分散して配置される必要があり、またメモリのLoad/Storeが他の命令と並行に実行される可能性があるので、メモリアクセスの整合性を取るBarrier命令(DMB/DSB/ISB)を積極的に利用して整合性を取る必要が出る場合がある。Cortex-M4までに用意されていたBit bandingの機能はCortex-M7には搭載されていないので、これを利用している場合はコードの変更が必要。Flash Patchの機能もCortex-M7には無いので、(非常に稀ではあるが)利用している場合は変更が必要。Cortex-M3/M4ではAuxilary Control Register経由でWrite BufferやMulti-cycle instruction interruptionをDisableに出来たが、Cortex-M7ではその機能が無くなった。Cortex-M3/M4ではCCR(Configuration and Control Register)にDouble word stack alignmentのDisable/Enableの機能があったが、Cortex-M7では64bitバスになった関係で常にDouble word alignmentになり、Disableにすることはできなくなった。といった細かな違いはあるが、概ね既存のコードはそのまま動くとする。では性能改善は? というと、例えばLoad/Store UnitがALUと並行して動くようになったから、Cortex-M4ではPhoto15の様にLoad/StoreとALUをInterleaveで実施するように記述することで性能が改善するとしている。またMAC Unitに関しても、浮動小数点演算のサポートや1サイクルでのMAC演算が追加され(Photo16)、随分DSPに近くなった。特にMAC演算に関しては、Cortex-M4が加算・乗算それぞれ2cycleずつで、しかも同時には発行できなかったのに対し、Cortex-M7では1cycleで乗加算をまとめて実行できるようになっており、大幅に性能が改善しているとする(Photo17)。ただ、命令のスループットが4倍になったからといって、I/OのThroughputはそこまでは上がらない訳だが、それでも主要なMAC Unitを使う演算で2倍の性能を出せる(Photo18)のは、常時Load/Store Unitが稼動することで見かけ上従来の2倍の帯域が利用できるからということと考えて良いと思う。●今後はCortex-M7の活用がMCUのトレンドに!?○今後のMCUの方向性さて、ここからはちょっと与太話になってゆくので、そのつもりでお読みいただきたい。Cortex-M7のエリアサイズは(もちろんプロセスによるのだが)どの程度か、という数字は今もってARMからも発表されていない。何しろサンプルにしろ製造しているのはSTMicroelectronicsのSTM32F7のみで、そのSTM32F7も遅れている(こちらの記事では今年第1四半期中にNucleoを出す予定という話だったが、どうも遅れている様で、早くて5月位になりそうらしい)状態ではまだ具体的な指針も出しようがないのだろう。流石にこの規模の製品で、しかも90nm前後だと、ARMがPOPを出したりすることもないから、ある程度製品が揃うまで(NDAベースの資料はともかく公式には)出てこないと思われる。今のところ唯一ヒントになりそうなのは、STM32F7の発表会の際に示されたFloor Planの写真(Photo19)である。この中のCPUコア以外の部分を色分けしたのがこちら(Photo20)で、ラフに言って1MB Flashの2倍ほどの面積を占めているのが判る。さて比較対象だが、適当なものがなかったので、英語版のWikipediaのARM Cortex-Mの項目にリンクされている「STM32F100C4T6B」の写真を使わせていただくことにした(Photo21)。Wikipediaの説明では16KB Flashの構成とあるが、このSTM32F1ファミリーは130nmのembedded Flashプロセスを利用し、最大128KBのFlash Memoryと8KBのSRAMという構成で、ダイをいちいち16KBにあわせて作り直しているわけではないので、ダイそのものは最大構成で製造され、ここから必要な容量だけが有効になっていると思われる。それを加味してエリアの推定を行ったのがPhoto22である。ラフに言えば、Cortex-M3のダイサイズは、128KB Flashの半分、つまりFlash 64KB程度ということになる。Cortex-M7の推定エリアサイズは1MB Flashの2倍近いから、2MB分。なので、両者のエリアサイズを比較する、Cortex-M7のエリアサイズはCortex-M3の32倍という恐ろしい推定になる。もっともこの推定は、embedded Flashの寸法がノードごとに同じ寸法で縮小された場合の計算である。実際には同社のembedded Flashは130nmで0.16μm2が90nmでは0.076μm2とプロセスノード比をやや上回る比率で縮小されており(Photo23)、これを勘案するとほぼ30倍というところだろうか。随分差があるように思われるだろうが、STM32F7の構成が先のPhoto11に近い事を考えると、そう不思議ではない。Photo12にある8-Layerのmulti-AHB bus matrixもCPUコア部の中に入っていると考えられるためだ。この分を抜くと、いいとこ20倍程度だろう。しかもCortex-M7コアには4KBのCacheとFPUユニットも搭載されている(これもCPUコア部の中に含まれている)から、これを抜いて純粋にCortex-M3とCortex-M7の整数演算部だけを比較するとまぁ10倍というあたりではないかと思う。さて、大雑把に推定が出来たところで、ちょっと実データを見て見たい。下の表はCortex-M3/M4の実装データをまとめたものである。何故かCortex-M3は28HPMがある一方で130/180nmの数字がなく、Cortex-M4は逆に180nmから始まってるあたりが不思議というか面白いのだが、概ねプロセスノードに従った比率でサイズが変化するCortex-M4のエリアサイズはCortex-M3の概ね2倍という数字になっていることが判ると思う。ここから考えて、Cortex-M7のエリアサイズはCortex-M4の5倍程度で、90LPで0.9平方mm、40LPで0.2平方mm、28HPMで0.1平方mmというあたりに落ち着くのではないかと思われる。本命が40LP以降ならこれは十分許容できるエリアサイズであろう。さて、ちょっと話が飛ぶのだが、昨今の半導体プロセスを見ると、現時点では40nmが一番低価格(300mmウェハ1枚あたり3000ドル程度)だが、今年中に28nmプロセスが最低価格になりそうという勢いである。これはTSMC/Globalfoundries/Samsungあたりが設備の減価償却を終え、その分価格が下がったことと、Yieldが上がったこと、それと低価格なプロセスが開発されたことなどによる。どうやって低価格化したかというと、HKMG(High-K/Metal Gate)を省いたプロセスを用意したことだ。Mobile向けなどの1~2GHz以上で動くデバイス向けには、それなりに高速動作するトランジスタが必要で、すると絶縁膜を厚くできないから、リークを抑えるためにHKMGが必要になる。ところがMCUなどのデバイスは1GHzを超えることはないから、トランジスタは遅くてもよく、であれば単に絶縁膜を厚くすれば高価なHKMGを利用する必要はない。実際UMCやSMICはこうした低価格オプションをすでにラインアップしており、TSMCも28ULPに同様のオプションを用意しようとしている。ということで、仮に300mmウェハ(面積は70,650平方mm)を3000ドルで製造できるとすると、100平方mmあたりの製造コストは概ね4.2ドルほどになる。実際はウェハの端っこは使えなかったりするから、多少無駄が出ることを考えて、100平方mmあたり5ドルと試算することにしたい。さて、では今10mm×10mmで100平方mmのダイを製造するとする。このダイのコストはいくらか? というと、実は5ドルではなく、約5.1ドルになる。何でかといえば、図1の様には配置できないからだ。いや配置はできるのだが、製品が作れない。ここには、ダイシング(ウェハからダイを切り出す作業)の際の切り代が含まれていないからだ。このダイシングの最大手は国内のディスコだが、条件にもよるのだが概ね切り代として100μmほどの寸法が必要である。なので、実際には図2の様に10.1mm×10.1mmになる訳で、その分0.1ドルほど価格が上がることになる。もちろん100平方mmものダイサイズならスマートフォン向けのアプリケーションプロセッサなどのアプリケーションの範疇なので、ここで0.1ドルあがるのはそれほど問題ではない。ところがMCUの場合、ダイサイズが数十平方mm台はおろか、数平方mm台で済んでしまう場合すらあることだ。とりあえずPad Limit(外に配線を引き出すために必要なPad部を取るために最低限必要な面積)は無視して、ダイサイズと製造コスト、およびエリア利用率(ウェハの何%を実際にダイとして利用したか)をまとめたのがグラフ1である。実はコストそのものは、ダイサイズが0.1平方mmでも1平方mmでもさして違わない(0.01ドル/0.06ドル)事が判る。コストが0.1ドルになるのは2平方mm、0.2ドルになるのは4平方mmからである。つまり、むやみやたらに小さくしても原価が下がるとは限らないことだ。ということで、再びCortex-M7のエリアサイズの話に戻る。先ほどのPhoto20を例に取ると、アナログ回路部はプロセスを微細化しても小さくならない事が多い。これらは何しろ受動部品であり、例えばコンデンサは体積で容量が違うから、プロセス微細化にあわせて底面積を小さくするためには高さをその分増す必要がある。ただこれは現実には結構難しく、結局底面積は殆ど代わらない。これはインダクタンス(コイル)や抵抗でも同じことで、なのでプロセス微細化の恩恵は受けない。ところがそれ以外の部分、つまりCPUコアやSRAM、Flash Memoryなどは全部微細化に応じて寸法が小さくなる。先ほどのCortex-M3/4/7の寸法の比率が正しいとすれば、Photo20におけるCPUパイプライン部の面積は90nmで凡そ0.9平方mm。FPUやらキャッシュやらmulti-AHB bus matrixやらを全部含んだ面積は2.7平方mm、ダイサイズ全体としては6平方mmあたりではないかと想像される。うちアナログ部は1割の0.6平方mmといったところか。さて、ではこれを仮に40nmに微細化するとどうなるか? というと、アナログの0.6平方mmはそのままだが、残る5.4平方mmは1.1平方mm程度にまで縮小されてしまう。アナログをあわせても2平方mmに達しないという予測が立つわけだ。ましてやこれを28nmにもってたらどうなるか…というと、アナログとあわせても1.1平方mm程度に収まってしまう計算になる。そろそろ、効率が悪いというか、「もう少し機能を追加してダイサイズ増やしてもいいんじゃないか?」という領域に入ってきているのがお分かりいただけよう。ましてや、先ほど無視したPad Limitの話が出てくると話はさらに困難になる。Photo21で、ダイの周囲に結構大きな丸い端子が見えているのが判ると思うが、これが外部に信号線を引っ張り出すためのPadと呼ばれる領域である。MCUでもある程度のピン数が必要な場合は、外周にこのための領域をきちんと確保する必要がある。問題は、これを小さくするとむしろコストが上がることだ。こちらは後工程でリード線を貼り付ける作業を行う場所だから、これが小さいと難易度が上がってしまい、下手をするとダイコストよりもパッケージコストが高くつきかねない。手頃な価格にパッケージコストを抑えるためにはある程度のダイサイズが必要であり、今の試算だとSTM32F7をそのまま40nmに持ち込むとやや割高になりかねない。もう少しTCMを増量するとかFlashの容量を増やすなどの形でダイサイズを大きくしたほうが経済合理性に適うだろう。実はこの経済合理性の壁が、Cortex-M7が今後主流になってゆくだろうと想像される最大の理由である。先のテーブルで、Cortex-M3の28nm HPMを利用したエリアサイズが僅か0.01平方mmであることを示した(これそのものはARMが示している数字である)。つまり正方形だと100μm×100μm、ダイシングの切り代と同じ幅という事になってしまう。いくら周辺機器やメモリをてんこ盛りにするといっても、CPUパワーが無ければそうしたものは宝の持ち腐れになってしまうわけで、Cortex-M7はそれなりにエリアサイズを食うという意味でも、周辺回路や大容量メモリを使い切る性能があるという意味でも、こうした最先端プロセスに適した製品だという訳だ。トランジスタコストを考えれば、古いプロセスを使い続けるよりも先端プロセスに移行したほうが安くなるのは明白であり、となると130nm~90nmにいつまでも留まるというのは価格競争力の低下に繋がるからこれもありえない。先にSpansionがCortex-M7ベースのFM7を40nmプロセスで製造するという話をこちらでご紹介したが、動機は同じ事と思われる。実際、40nmやその先の28nmに移行するMCUはCortex-M7を利用した先端製品に留まり、既存のCortex-M3/M4のほとんどは90nm世代に留まりそうだ。技術的可能性で言えば65/55nmプロセスというアイディアもあるはずだが、いくつかのMCUベンダーに聞いた限りでは65nmに移行するという計画は現状持ち合わせていないそうだ。実はここまで書いてこなかったもう1つのアイディアがある。それはマルチプロセッサ(MP)化だ。実はMCUとマルチプロセッサはそれほど相性が悪くない。例えば複数の処理を決められた時間で必ずこなす、という(MCUにはよくありがちな)作業を、タイマー割り込みなど使いながらうまくハンドリングするのは結構大変である。ところが複数の処理を別々のコアに割り当ててしまえば、それぞれの処理のレスポンス時間が正確に見積もりできるので、システム構築が非常に楽になる。実際そうしたコンセプトのマルチコアMCUもあるし、ARMベースでもNXPの「LPC4300」の様なCortex-M4/M0の製品が存在する。これだとコアの数だけエリアサイズを食うから、微細化したプロセスには丁度手頃なソリューションである。にも関わらずこの方法が普及しない最大の理由は、現在のARM v7-Mにはマルチプロセッサのための標準サポートが含まれていないためだ。NXPの製品にしても、現在は同社独自の方法でコア間の同期や通信を行っており、折角のARMのエコシステムの利点を損なっている。解決法は簡単で、ARMがMP拡張を施せば済むのだが、冒頭に触れたとおりARM TechCon 2014の折にIan Ferguson氏にこれを確認したところ「Lock Stepはともかく、MPはCortex-Rシリーズの領分で、Cortex-Mでは今のところサポートの予定は無い」と明確に断言されてしまった。そんなわけで、当面はCortex-M7が40nm以降のMCU市場を牽引してゆくことになると思われる。あるいは今年中にはひょっとしてARM v8-Mが発表され、そこにMP対応が入ったりするのかもしれないが、そのあたりまではまだ正確に見通すのは難しい。この節の冒頭に述べた通り、この段落は基本的に与太話である。どの辺が与太話かといえば、エリアサイズの推定のあたりが非常にラフすぎる&大胆に推定しまくりの計算だからであるが、桁のレベルでは間違ってないとは思っているので、その程度の精度だと理解していただければ幸いである。
2015年02月16日