2022年11月18日 20:00
老化が進むメカニズムを徹底解説! アンチエイジング研究最前線
4、遺伝子のスイッチをON&OFF。エピゲノムを正常に保つ。
“エピゲノム”とは、どのDNAを働かせてどのDNAを休ませるかなどを決める仕組みのこと。DNAは生まれつき定まっているが、エピゲノムは環境などの影響を受けて、一生の間に変化する。全く同じDNAを持つ一卵性の双子でも、エピゲノムが異なればかかる病気に違いが出たり、シワやシミの数に差が出たりする。「エピゲノムが狂うこと自体が、老化の要因のひとつと考えられています。たとえばDNAがオーケストラ、エピゲノムが指揮者だとします。オーケストラは正常でも、指揮者がミスをすると曲がどんどん乱れてしまいますよね。
同じように、酸化や炎症でダメージを受けてエピゲノムが狂うとDNAが正常に働かなくなり、ガンをはじめ様々な病気を引き起こすことが分かってきました。現在はエピゲノムを調べることで病気のリスクを診断したり、エピゲノムの異常をリセットすることで病気を治療する研究が進められています」
根来秀行さん医師、医学博士。ハーバード大学医学部客員教授、ソルボンヌ大学医学部客員教授。新型コロナ感染症の新しい治療の仕組みを解明するなど、研究が注目を浴びる。