身近な果実でありながら、爽やかな香気によって気分にも格別の作用をもたらしてくれるレモン。5月病という言葉も聞かれるこの時期は、「これってプチ更年期症状?」と感じるような気持ちの沈み、食欲不振などに陥ることがありますが、そんな時にはレモンの味わいや香りが役立ってくれそうです。
あの傑作詩はレモンの心理的作用が重要キーレモンの心理的作用を如実に表しているといえば、高村光太郎の詩集『智恵子抄』の中の「レモン哀歌」という詩を思い出す方も多いのでは。
前略…
私の手からとつた一つのレモンを
あなたのきれいな歯ががりりと噛んだ
トパアズいろの香気が立つ
その数滴の天のものなるレモンの汁は
ぱつとあなたの意識を正常にした
…後略
心の病に見舞われた妻の智恵子が好んだレモン。甘みの一切ない、青苦さを秘めたレモンの酸味は、透明感のある刺激として光、明晰、清澄といった印象を喚起します。実際、レモンは細胞を健やかに導くビタミンC、疲労回復のクエン酸などが豊富で体内からも元気をチャージ。