2019年10月30日 15:50
「やせ型高齢者ほど認知症なりやすい」は本当か、研究者語る根拠
肥満体型より、スリムな人のほうが健康的……と思ったら大間違い!なんと、やせている人のほうが認知機能の低下をはじめとして、さまざまな病気を招くリスクが増大するという調査結果が報告されたーー。
《やせている高齢者ほど、認知症になりやすいーー》
今年7月に公表された驚きのデータが話題を呼んでいる。
研究は、山梨大学のほか40の大学・研究機関が参加する「日本老年学的評価研究機構」(東京・台東区)が実施したもの。愛知県に住む65歳以上の高齢者3,696人を対象に、’10年から約6年間追跡調査したところ、338人が認知症を発症したが、発症率は太っている人のほうが低かったというのだ。調査に携わった山梨大学大学院の横道洋司准教授は次のように話す。
「生活習慣病のなかでも、糖尿病は認知症のリスクを高めているということはすでに確証が取れていました。ところが、肥満度を表す体格指数のBMI(体重を身長の2乗で割った数値)が18.5未満のやせ型の高齢者ほど、認知症にかかるリスクが高いということがわかりました」
100人・1年あたりの認知症発症率を見ると、高肥満度(BMI30以上)の人ほど発症率が低かったというのだ。