2020年2月20日 15:50
「いま8人に1人が慢性腎臓病」専門医が語る“病のサイン”
「いまや成人の8人に1人が『慢性腎臓病』にかかっている。これは、“国民病”といわれる糖尿病の患者より多いのです。しかも慢性腎臓病は、かなり症状が進行しないと自覚症状が現れません」
そう警鐘を鳴らすのは、東北大学大学院教授を務める腎臓専門医の上月正博先生だ。血液をろ過して、老廃物を体外に排出する機能を持つ腎臓。血液や骨の組成、そして血圧の維持にも関係しており、生命維持に欠かせない臓器だ。
「腎臓の機能が徐々に衰えていくことを慢性腎臓病と言います。罹患者は50代から少しずつ増加し、60代では15%、70代では30%、80代では50%があてはまるほど。しかも、慢性腎臓病で腎機能が低下してしまうと、通院治療での回復が見込めません。
結果、医療費負担の高い透析治療を行うことになってしまいます」
日本の透析患者数は、高齢化に伴って急増しており、現在は33万4,000人以上。症状に気づかず放置した結果、60代後半で透析になる人が多いという。慢性腎臓病になりやすいのは、どんな人なのか。
「高血圧、糖尿病、肥満やメタボなど、いわゆる生活習慣病にかかっている人。加えて喫煙者は、非喫煙者に比べて腎機能が早く低下します。