脳内科医が考えた「認知症を予防する8の字スクワット」
そこが8の字スクワットのいちばんのポイント。脳は“同じことの繰り返し”によって老化します。しっかり考えなければできない動作であることが大切なのです。それに加え、自分では見えにくい方向からタオルを反対の手に持ちかえる動作で、視覚系や空間認知力を高め、脳の側頭葉の内側にある海馬の働きも高めることができます。人の記憶力を司る海馬の機能が衰えると、数秒前の出来事といまのことが連続しなくなってしまいます。これが常態化するのが認知症の症状です。もともと海馬は怠けやすいので、積極的に使うことが大切です」
8の字スクワットは海馬の働きを活性化させる効果がてきめんで、もの忘れ防止につながるのだ。
「また両手両足を同時に使い、体の真ん中に重心を定めながら上下左右に動かすという作業は、日常的にはなかなかないもの。
こうした動作を行うことで、脳の反応スピードがよくなり、認知症の予防につながることはこれまでの治療でわかっています」
実際に、加藤先生の指導で8の字スクワットを実践した人からは《ちょっとしたもの忘れが改善された》という声と同時に、《慢性的な腰の痛みが軽減した》といった声も寄せられているとか。脳と足腰を若々しく保つ、健康寿命の近道とあれば、ぜひ取り入れたいところだ。