漢方医学では生薬として活用されている(写真:アフロ)
寒さが日ごとに厳しくなる季節。肩こり、肌荒れをはじめ“冷え”からくるトラブルに悩む人が増えてくる。特に今年はいつまでも暑いと思っていたら、途端に冷え込む日があるなど、「寒暖差に体が追いつかない」と、悲鳴を上げる人も多い。
「東洋医学では、血のめぐりが悪くなった状態を瘀血(おけつ)といいます。瘀血が続くと、冷えや肩こりだけでなく、肌の状態も悪化します。『顔色がよくない』と感じたら、それは体が冷えて、毛細血管が衰えているサイン。すぐに体の中から温めることが大切です」
そう語るのは、薬剤師・国際中医師の大久保愛先生だ。
大久保先生は、日本人で初めて国際中医美容師の資格を取得、漢方カウンセラーとして、年間2千人以上に体質改善のアドバイスを行っている。
「毛細血管の衰えを放置してはいけません。人間の体に張りめぐらされている血管のうち、約9割が毛細血管です。血管には全身のすみずみまで血液をめぐらせ、酸素や栄養、免疫物質、ホルモンなどを届ける通路の役割があります。
また、毛細血管は『壁細胞』と『内皮細胞』の二層になっています。加齢とともに毛細血管が老化すると、この二層の間に隙間ができて、リンパ管が水分や老廃物を回収できなくなり、血流も低下します。