<ドクターズインタビュー>
睡眠中に叫んだり暴れたりする症状がみられるレム睡眠行動障害という疾患があります。疾患の特徴やその治療法について東京女子医科大学病院睡眠科の鈴木真由美先生にお話をうかがいました。【鈴木真由美先生】
東京女子医科大学病院睡眠科
レム睡眠行動障害とは?
睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠の2種類があります。レム睡眠のときには身体の筋肉が弛緩してまったく動きません。もしそこで起こされたとしても、いわゆる金縛りの状態になっているのがレム睡眠です。
ところが、レム睡眠行動障害(REM sleep behavior disorder; RBD)の場合には、その時見ている夢の内容に応じて、身体を動かしたり大声を出したりします。夢の内容はほとんどが悪夢で、たとえば大量の虫や象に襲われるなど非現実的な夢や、泥棒に襲われたり、昔の上司との口論など現実に近いものもあります。
レム睡眠行動障害は、年の単位で症状が出現してくることが多いです。
まず、悪夢を見るようになり、その後夢の内容に応じて声を出すようになり、そのうちに夢と一致して手や足を動かす(多くは夢の相手と戦ったり、追い払うしぐさをする)