人によっては、わずらわしく感じてしまうこともある汗は、ニオイが気になる人と気にならない人がいるといわれています。その原因は何なのか、また、汗にはどのような役割があって、どのような仕組みで発汗しているのかについて紹介します。
汗が持つ役割とは
汗はニオイの原因ともなると考えられていることもあり、「出ないほうがよいのに」と考えてしまう人もいるかもしれません。しかし、汗は体温を調整するのに役立ち、なくてはならないものといわれています。とくにエクリン腺は、全身にたくさんあり、主成分も水なので体温調整に重要な汗腺と考えられています。
汗をかく仕組み
体温が高くなっているときには、熱を放出するために皮膚血流を増やし、汗腺への水分補給量を上げて汗をかきます。このように、神経性に汗腺の機能を高めて発汗し、体温を調整することができるのはヒトのみとされていいて、他の動物はパンディングと呼ばれる、浅い呼吸をたくさん行い呼吸器から水を蒸発させる方法で体温を調整するといわれています。
また、体温を調節するのに活躍している汗腺はエクリン腺というもので、体に200〜500万個ほどあると考えられています。個数に300万個もの差があるのは、エクリン腺が妊娠28週ころから生後2年半までの間にエクリン腺が完成するとされ、その間の環境によって汗腺の数が変わるといわれているからです。