発語が遅かった発達グレー息子。まだまだお喋りがまだ幼くて…しのくんは、発達障害グレーゾーンの男の子。発語が遅かったしのくんですが、もうすぐ5歳で、おしゃべりをたくさんするようになりました。しかし、まだまだ同じ年ごろの子どもと比べるとおしゃべりが幼いしのくんです。言葉の発達が実際の年齢の水準よりゆっくりなせいか、4歳になるまでは、「この子、何言ってるか分かんない」と、公園で一緒に遊んでくれるお兄ちゃんたちによく言われていました。Upload By keikoしのくんが、このお兄ちゃんたちの言葉で傷ついたかどうかは分かりませんが…少なくとも私は傷つきました(笑)でも、しのくんが何を言っているのか分からないのは事実なので、早くおしゃべりが上手になればいいなぁと思っていました。当時しのくんは、相手の発言や質問の理解が難しかったのと、意味が分かったとしても、答えるための言葉が見つからなかったため、簡単な質問にも答えることができませんでした。なので、家では、簡単な質問に答えられるように「お名前は?」とか、「しのくん何歳?」など練習しました。何度も同じ言葉を繰り返してしまうもうすぐ5歳になるしのくんは、ようやく簡単な質問にも答えられるようになったし、何を言っているのかも相手に伝わるようになってきました。ところが…やっぱり、同じ年ごろの子どもと比べるとまだまだおしゃべりが幼くて…しのくんは、言いたい言葉が見つからないときは、同じ言葉を何度も言ってしまいます。例えば、「しのくんは、うさぎさんが大好き」と言いたかったとします。ですが、「うさぎ」という言葉が出てこないときには、「しのくんなぁ、しのくんなぁ、あの、あの、あの…」と同じ言葉が続いてしまうのです。Upload By keiko思い出せたらいいのですが、思い出せないときは、ジェスチャーや、「耳がこんな長くて、ぴょんぴょん飛ぶやつ」など、なんとか伝えようとしてくれます。Upload By keikoこれが、家だったら最後までしのくんのペースで話を聞いてあげられるのですが…家族以外の人と話しているときだと、つい私がしのくんの言葉をさえぎって、先に答えを言ってしまいます。Upload By keiko私の中でさまざまな感情が渦巻いているのが原因だと思われます(何言ってるか分からないと言われたくないし、相手の時間を気にしてしまったり…)。でも最近、それが良くないんじゃないか?と思い始めました。しのくんが、相手に一生懸命伝えようとしているのに私が邪魔をしている気がしますし、話す力も奪っている気がしました。時と場合によりけりだと思いますが、できるだけしのくんのペースに合わせて、しのくんの邪魔にならないようサポートしていきたいなと思います。執筆/keiko(監修:初川先生より)しのくんの言葉のサポートについての葛藤や逡巡のエピソードをありがとうございます。はじめに出てきた「子ども同士のコミュニケーション」。この難しさに関しては多くの保護者の方も分かる分かると感じるのではないでしょうか。子ども同士のコミュニケーションは大人が改めて聞いてみると、なかなか“残酷な言葉”が飛び交っています。「何言ってるか分かんない」もそうですが、「(あなたのこと)きらい」や「やだ(一緒に遊びたくない、遊びに入れてあげない)」など。大人が聞くとグサッと刺さったり、ハラハラしたりする言葉が飛び交っています。ただ、それは、相手の子が特別冷たいからということではなく、子どもはお互いいろいろと未熟だからなのだろうと私は理解しています。表現がストレートすぎる。ただ、だからこそ、相手の言いたいことが分かりやすい面はあります。成長すると、婉曲表現や笑顔で遠回しに嘘(建前)を言うといったことがありますが、その前には、まずは発言の意味をしっかりと受け取る練習は必要で、そういう意味でストレートな表現は発達段階的にお互いに有効な面があります。ただ、お子さんによっては、字義通りにすべて受け取れるタイプのお子さんや傷つきやすい・思い悩みやすいお子さんもいるので、そのあたりは良く見ていただければと思います。後半に書かれたkeikoさんのサポートはどちらもとても良いと思いました。なかなか思い出せない言葉(例「うさぎ」)を、ほかの言葉で説明してもらって、それを何と呼ぶのか伝える。時間がかかるサポート法ですが、とても大事ですね。うさぎの特徴を相手に伝えて分かろうとしてもらう、いわばバイパスをかけるような方法をしのくんは練習しています。そして、この場合の主眼は「言葉を思い出す」にあると思います。家族以外との対話場面で、keikoさんがやや先回りして、しのくんが「きのうなぁ」と言った時点で相手に「水族館に行ってきたんです」と伝える。keikoさんは先回りしてよくないのではと感じられたようですが(その気づき自体、とても素敵です)、たしかに先回りして、言葉を思い出すまでの時間をショートカットしているとも見えます。ですが、私には、この場合はしのくんにとって「言葉を思い出す」よりも、「相手との会話を楽しむ」「会話の実践」に主眼がおかれる設定に変わったというように見えます。言葉を思い出したり、言いたいことにしっくりくる言葉を探したり、そういうことは大事ですが時間がかかり、言いたいことがあるのにするする伝えられないじれったさを感じることもおそらく多くなります。「水族館に行った」ということをフォローしてあげることで、しのくんにとって大事な「水族館に行ってどうだったかを知らせる」にエネルギーを注ぎやすくなります。おそらく話の相手には、水族館に行って楽しかったんだよ!とか、面白かった、すごかったなどそうした興奮を伝えたいのではと思うのです。子どもの発言としては「水族館に行った」にそれも含まれると感じているお子さんは多いです。「水族館に行った(=おもしろかった!の意味)」、だからこそ、気の利く大人は「そう、よかったわねぇ」や「あら、楽しかった?」と返すことが多いのだと思います。そこを感覚的にkeikoさんも分かっているから、先回りして言いたいことを取ってしまったと感じるのでしょう。でも、本来的には「楽しかった」「面白かった」などを(察してもらうのではなく)言えた方がいいです。そのあとの言葉がうまく出ずとも、「お母さんは楽しかったけど、しのくんはどうだった?」「魚がいっぱいいてびっくりしたね」「大きな魚がいたね」など、いくつか話しやすくするための呼び水となる言葉を伝えてもいいと思います。ときどきその中で「しのくんはどうだった?」とkeikoさんからインタビューすると、話しやすくなるのではと感じます。使う言葉のレパートリーを提示したうえで、話すことを実践してもらう、ということです。そういう意味で、keikoさんがご家庭でするサポート、実際の会話場面でのサポートそれぞれの目的を整理してみると、またそれぞれへの力点の置き方が明確になるように思います。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月14日いつもと違う!新学期は変化だらけ!発達障害のある子どもの中には、場所見知りや人見知りがある子どもがいると思いますが、新しいクラスになると、教室が変わって大丈夫かな?先生やお友達が変わって大丈夫かな?と新生活への期待よりは不安のほうが勝ってしまうことがあると思います。私も毎年新学期になる度にそのような不安を感じていました。Upload By みん少しでも不安を和らげるために…療育園ではそんな私たちのような親子の不安を、少しでも和らげてくれるさまざまな対応をして下さっていました。例えば新学期になると靴箱の場所が変わるので、その時点でパニックになってしまう子どももいます。療育園では、一人ひとり自分のマークがあるので靴箱に貼ってあったマークを新学期には先生が全て貼り直してくれています。子どもたちは自分のマークが貼ってある靴箱の場所を確認し、その後新しい教室の入り口でも自分のマークを確認してから入室することで、「今日からここが自分の靴箱や教室なのだ」と認識することができるのです。このような工夫によって、新しい場所でもなるべくスムーズに誘導できるようにしてくださっていました。また、担任の先生が全て変わらないように昨年担任だった先生のうち1人は引き続き担任になってくれるので、親と先生との間の引き継ぎもスムーズに行えます。新しい担任の先生の中に知っている先生が1人でもいるだけで親子共にとても安心できました。Upload By みんそれでも、新しい環境は子どもにとっては大変です。Pは年中から年長になるとき、前のクラスでお気に入りだった玩具がクラスが変わってからは使えなくなったことで、玩具を片づける扉の前で玩具を出すようにと先生に要求し、出してくれない場合は癇癪を起こしてしまうこともありました。私は先生に、前に遊んでいた玩具を出してもらうことは可能ではないか?と聞きました。すると先生は「できれば玩具を出してあげたいのですが、新しいクラスではP君の遊んでいる玩具を見て、自分も遊びたいと取りに来るお子さんもいます。それが原因でトラブルになってしまう可能性もあるので、申し訳ないですがP君には我慢してもらって、クラスに慣れるまでは今ある玩具や絵本で遊んでもらえたらと考えています。」と言われました。Upload By みん新学期に不安になるのはわが子だけではない!私はP自身が落ち着くことばかり考えてしまっていましたが、先生はクラス全体が落ち着いて過ごせるように考えたうえで対応してくださっていることが分かりました。クラスのみんなが落ち着くことがPも落ち着くことにもつながるんだと思いました。先生は前のクラスで使っていた玩具をPに諦めてもらうために、Pが好きそうな動物の絵本やカードなどを新しく増やして与えてくださっていました。そして私へも、連絡帳や電話で毎日の様子を伝えてくれて、私自身もマメに見学へ行きPの療育園での様子を見ることで安心することができました。新学期はいろんな困りごとが出てくる可能性が高いですが、たとえ困ったことがあっても本人の様子を観察し、どこまでなら我慢できるか?できないか?などを考えながら、一つひとつ対応して、それを積み重ねることでいつの間にか新しい環境にも慣れ、また新たにルーティンを作り出し、落ち着いて過ごせることもできるようになると思います。そしてわが子だけでなく同じクラスのお友達が落ち着いて過ごせる環境をつくるのも同じように大切だと思います。最初は大変なこともありますが、焦らずに対応できるようにしたいと思います。Upload By みん執筆/みん(監修:新美先生より)療育園での新学期の環境変化についての工夫を聞かせてくださいましてありがとうございます。新学期の環境変化は、自閉特性があるお子さんにとってストレスになるものです。クラスが変わっても、自分のマークが同じで、マークで自分のもの・場所が分かるという仕組みは低年齢のお子さんにとっても分かりやすいですね。療育園だけでなく通常の保育園でもどこでも誰でも、このようにマークを引き継ぐということをしてもらえるといいですね。今までOKだったことが、できなくなるということは本人にとっては混乱してしまうことです。このようなことがあることは当然なのですが、その場合も本人の理解度に合わせて視覚支援などを使って、新たなルールを説明してもらえると早く納得できるかもしれません。新学期の環境に慣れるまでは、園や学校では混乱したり我慢したりすることが続くので、しばらくは自宅での活動でゆとりを持てるよう意識するといいかもしれませんね。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月13日20代で「うつ病」の診断私が発達障害を自覚したのは30歳。それまでずっと生きづらさはあり、いろいろな精神症状を経験しました。20代前半、第二新卒で働いていたとき、気分の落ち込みと気力の低下、希死念慮がひどく、ほとんど寝たきりのようになってしまいました。それまで精神科にかかったことはなく、インターネットで調べた、うつ病の診断もできるというクリニック(内科だったと思います)に行ったところ、うつ病との診断が。抗うつ剤を処方されて1錠飲んだところ、興奮状態になり、頭痛、下痢、幻聴という副作用が出て、パニックを起こして救急車を呼んでしまいました。※発達障害の診断が下りたあとになってわかったのですが、発達障害者への抗うつ薬の投与は慎重にすべきという意見もあるようです。このときの医師は精神科医でなかったので、私の症状には適さない処方だったのかもしれません。10年以上前のことなので、詳細はあまり覚えていないのですが、そこから大学病院の精神科にかかるようになり、31歳で実家を出て関東を離れるまで、そこの精神科の先生を主治医としてずっと面談を続けていました。32歳で発達障害と二次障害の診断31歳で実家を離れて今の夫のもとで暮らし始めた私。しばらくは夫に世話してもらいながら静かに暮らしていたのですが、翌年の夏、改めて気分の落ち込みや神経過敏に悩まされるように。やはり再び精神科に通いたいと、近所の精神科医院(標榜は心療内科でした)に行って発達障害の自覚についても話したところ、高機能自閉症(現在の分類ではASDに該当します)の診断が降りるとともに、それによる二次障害としてのうつ傾向が指摘されました。手帳取得への動き先に精神障害者保健福祉手帳と障害年金を取得していた友人に上記の診断の話をすると「福祉ともつながれるし、メリットも多いからぜひ精神の手帳を取得するといい」と勧められて、まずは手帳を取得するために動くことになりました。主治医とソーシャルワーカーさんの意見を総合すると、まだ発達障害単体で精神障害者保健福祉手帳の申請は通りづらいとの判断でした。※これは2012年当時の宮崎県での状況です。地方によっても違うとのことでしたし、現在では発達障害単体でも通ることもあると思います。地域のソーシャルワーカーさんに相談してみるとよいと思います。そこで、二次障害としてずっとうつ傾向が続いているし、手帳申請時の書類上の「初診」にあたる診療(上記の20代でかかった内科医の診療)で「うつ病」の診断が出ているのにも矛盾しないということで、「うつ病」の診断で申請してくれることになりました。診断書の内容への工夫診断書の病名自体は「うつ病」なのですが、主治医は、二次障害のうつ傾向がよくなっても矛盾が起こらないように、症状のところに「易刺激性の亢進(感覚過敏傾向の表現)」「感情コントロールの困難(コミュニケーション障害の表現)」などといった表現を入れるなど、できる限りの工夫をしてくれたようです。主治医やソーシャルワーカーさんのおかげもあり、無事、障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)を取得することができました。手帳を取得して変わったこと何よりも経済的に助かるというのが、障害者手帳の最大のメリットです。自立支援医療制度を使って医療費が1割負担になるとか、交通機関によって運賃が割引になったりするのはとてもありがたいです。美術館などの施設も割引がある場合があります。同じく「うつ病」で同時に申請して取得した障害年金には本当に助かっています。人に自分の障害を説明するときに「私は実は障害者で、障害者手帳を持っているんです」と言えるので、説明がしやすくなりました。デメリットとしては、一つぐらいしか経験がありません。一度、タクシーで手帳での割引を使おうとしたときに差別的なことを言われて不快な思いをしたのです。私の住む自治体ではタクシーの割引金額はごくわずかだったので、その後は割引を利用しないことに決めました。障害者手帳は、自分にとって開示するメリットが大きいときに開示すればいいだけで、開示することにデメリットがあったりして隠しておきたいときには隠しておけるので、そこがありがたいなと思っています。発達障害があると症状のコントロールのために人より医療費がかかったり、特性のためになかなか思うような収入が得られなかったりと、経済的に苦労する人も多くいます。手帳はそこの負担を軽減してくれます。また、手帳を持っていると障害者雇用枠で就職・就労することもでき、働く場の選択肢も広がると思います。取得していない人は一度検討してみるのをお勧めしたいです。文/宇樹義子(監修・渡部先生より)精神保健福祉手帳の取得に際しては、心理面での抵抗もあったのではと想像しますが、決断されて本当に良かったと思います。今回のエピソードで紹介されている自立支援医療制度は、精神通院医療や薬にかかる費用の自己負担が、通常の3割から1割に軽減されるという大きなメリットがあります。その他の経済的なメリットとして、所得税や住民税、相続税の控除が受けられる、携帯電話料金の基本料金の割引きなどがあります。一方、タクシーで不快な経験をされたという、残念なお話もありました。福祉に携わる者として、障害理解、共生社会という考え方をもっと広めていかなくてはいけないのだなと、改めて考えさせられました。手帳の具体的なメリットをお話しいただき、取得を迷われている方にとっては、背中を押してくれるようなエピソードだったと思います。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月12日かるた大会の練習で泣く発達グレーの長男が以前通っていた保育園では、お正月にかるた大会がありました。当時長男は4歳になったばかり。長男はひらがなが読めるかも怪しい段階だったため、「かるたなんてできるの…?」と少し不安でした。とりあえず家庭で練習をしておこうと思い、私が読み手となってかるたを始めると…長男は最初はちんぷんかんぷんな様子で、やり方を教えてもなんだか分かっていない様子。私も始めのうち優しく教えていましたがいつまでたってもできなくて、長男はできない自分にイライラしながらべそをかき始め、私もだんだんイライラ。最後はギャンギャン泣きわめいて終了。かるたの練習をするたびにいつもそんな調子だったのでお互いに疲れてしまいました。かるた大会当日はもちろん上位の成績ではなかったけれど、3枚ほど取っていたので健闘を讃えたいと思います(笑)。Upload By 星河ばよ近所のお友達と遊んだ帰りに癇癪を起こす近所には同年代のお友達が多く、土日はよくお互いの家に行き来して遊んでいました。ですが、長男が年少~年長のころは帰るときが鬼門で。それまでは楽しく遊んでいたのに、「お友達が帰る」もしくは「自分が帰る」ことに気持ちを切り替えられず、癇癪を起こしていました。お友達のママさんパパさんは優しくなだめてくれましたが、私は申し訳ないやら、毎度変わらぬ長男の様子にイライラするやら。そのうち、お友達と遊ばせるのがなんとなく憂うつになっていました。「バイバイするのが寂しいのね」「また遊ぼうね」などと長男の気持ちをくんだ声かけをすればよかったかもしれませんが、当時の私はとにかく余裕がありませんでした。Upload By 星河ばよお友達と遊べなくて…長男が小学2~3年生になったころのこと。近所のお友達と遊ぶため外に出て行ったのですが、すぐに家に帰って来ました。長男はリビングに入ってくるなり、無言のままソファの隅に腰を下ろしました。理由はお友達と遊べなかったからだったのですが、長男なりに気持ちの切り替えを行なっていたようです。それからもお友達の家に行って断られたときは、家のソファの隅にしゃがみこむことが何度もありました。今までだったら癇癪を起こしていたかもしれませんが、気持ちの切り替えが少しずつできるようになってきたように感じました。Upload By 星河ばよ現在も癇癪はつづく…現在小6の長男。ゲームで負けても泣きわめかなくなり、お友達とバイバイするのもスムーズにできるようになりました。でも起床が少し遅れていつもの時刻に登校できないときは、あからさまに不機嫌をまき散らしてきます。「もう今日は学校行きたくない」ということもしょっちゅう。また、楽しみにしている予定が突然なくなったりするのにも耐えられないようで、心が暴走を始めます。まれに近くの物に当たったりもします。あらかじめ「急な予定変更があるかもしれない」ことを伝えることを心がけ、長男の心の持ち方に振り幅を持たせたいと思っています。執筆/星河ばよ(監修:鈴木先生より)私たちでも予定が急に変わったり、思い通りにいかなかったりすると不安になり、イライラするのと同じなのです。ただ、ASDの特性があると子どもでも大人でもその閾値(いきち)が低く程度が強いことがあります。自分の内側で納めきれずに衝動性も加わって自分の外側へ攻撃してしまうことがあるのです。我々はこれをASDによる易刺激性と診断しています。これは、アリピプラゾール(エビリファイ)のような抗精神病薬で調整は可能です。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月12日『子ども・若者白書』(平成26年版/内閣府)によると、日本の若者(13歳~29歳)は、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、スウェーデン、韓国といった諸外国に比べ、自己肯定感が低いというデータがあります。自分自身に満足していると答えた人の割合は、アメリカ(86.0%)、イギリス(83.1%)、フランス(82.7%)、ドイツ(80.9%)、スウェーデン(74.4%)、韓国(71.5%)に対し、日本はわずか45.8%にとどまりました。そこでサカイクでは、サッカークラブやコーチの関わりが子どもに与える影響について調査しました。令和4年度 全国学力・学習状況調査 調査結果資料【全国版/小学校】における設問に対し、東京都大田区で活動する大森FCの選手85名に回答してもらい比較したところ、全国調査に比べ、自己肯定感がとても高いという結果が出ました。「自分には、よいところがあると思いますか」への回答「当てはまる」「どちらかといえば、当てはまる」で79.3%出典:令和4年度 全国学力・学習状況調査 調査結果資料【全国版/小学校】同じ質問の大森FCの回答「当てはまる」「どちらかといえば、当てはまる」で100%、「どちらかといえば、当てはまらない」「当てはまらない」という回答は無かったなぜ、大森FCの子どもたちは、自己肯定感が高いのでしょうか?クラブの代表を務める小島直人氏と小学4年生のお子さんをお持ちの保護者2名に話を聞きました。(取材・文:鈴木智之写真提供:大森FC)写真提供:大森FCサカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■大森FCに子どもを通わせることになった理由本田さんうちの子は小学2年生の終わりに、大森FCに入りました。入会前に練習参加をしたところ、子どもがすぐに「このクラブに入りたい!」と言ったことがきっかけです。練習参加で緊張していたところ、周りの子が「どこから来たの?」「名前は?」などと聞いてくれて、すぐに仲間の輪に入れてくれたことがうれしかったようです。西川さんうちの子は小学3年生の4月に入りました。いくつかのクラブに練習参加したのですが、子どもが「このクラブがいい!」と即答でした。練習参加の後に、みんなで鬼ごっこをしたのが楽しかったそうです。私としても、子どもがすぐに打ち解けて、コーチもすごく良い雰囲気で鬼ごっこを見守っていたので、良さそうなクラブだなと思いました。小島代表大森FCは、以前からたくさんの子が練習参加に来てくれるクラブです。そのため、新しい子が来たときに「名前、なんて言うの?」といったように、話しかけることが伝統になっています。みんな、その経験を経てクラブに入っているので、自然とそうなっていくんですよね。コーチがそうしろと言っているわけではなく、みんなが仲間として受け入れる空間があります。それが自己肯定感の高さにつながるところはあるのかもしれません。練習参加した子が「練習後の鬼ごっこが楽しかった」と言ってくれていましたが、それも自然に発生するもので、サッカーのときもあればバスケットをすることもあります。練習が終わった後に、みんなで楽しく遊ぶのは、友達になれる時間なので、コーチは口を出さずに見守っています。サッカーする子どもを伸ばす親の心得「サカイク10か条」とは■大森FCに入って、子どもが変わった、成長したところは?本田さん試合中に声を出すことと、自分のことは自分でするようになってきました。うちの子の学区では、小学4年生から宿泊学習をするのですが、大森FCでは頻繁に合宿があるので、荷物の準備を自分でしたり、わからないことがあれば先生やコーチに聞くことが、自分からできるようになってきました。大森FCに入るまでは、困ったことがあっても恥ずかしくて大人に聞くことができなくて、気づいてもらうのを待つことが多かったのですが、困ったことがあったら、自分から主張して、コーチなり誰かに助けてもらうことができるようになりました。西川さん大森FCのコーチは、子どもを子ども扱いしないところがあります。当初、うちの子はそれを怖いと感じていました。保育園や学校の先生は、子どもを子ども扱いして、優しく接してくれることが多かったんです。大森FCに入って、子どもを子ども扱いせず、対等に扱ってくれることに、最初は戸惑っていました。「コーチが怖い」って。私としては、「どこが怖いの?」みたいな感じだったのですが(笑)。それが、徐々に「コーチは面白い」に変わってきました。いままでは優しい先生と接することが多くて、大森のコーチに対して身構えてしまったところがあったのですが、いまはどの学年のコーチとも楽しそうに接しています。トップチームの選手たちとも絡むことがあり、あるとき「トップチームの選手にジュースをおごってもらっちゃった」と、うれしそうに話していました。同世代だけでなく、幅広い世代の人たちと接する機会が多いことで、コミュニケーション能力が上がってきたと感じます。小島代表色々な大人と接することで、感性が磨かれることはあると思います。なので、なるべく同じコーチが連続して指導をしないようにしていて、いろんなコーチのいろんなアプローチの仕方を知ってほしいです。たとえば一人のコーチと合わないときは、私にでもいいし、他のコーチでも、ユースの監督でもいいので、誰かに相談できる環境があることが大事だと思っています。海外のビッグクラブには、食堂のおじさんや掃除のおばさんなど、気軽に相談できる人が身近にいます。大森FCでも、相談しやすい人をみつけてほしいと思っています。■自己肯定感の重要性について感じること西川さん自己肯定感とは、自分を自分で受けられることだと思います。自分のことを自分で認めることができないと、自分と違う人に対してアレルギーを持ってしまいますよね。自分を理解していると、自分と違いがある人に対しても、受け入れられるようになるのかなと思います。本田さん自己肯定感が強くないと、心の悩みが増えてくるのではないかと感じます。否定されることが多い環境だと、私なんてどうせ......、という考え方になってしまいがちです。自己肯定感があると、困難にぶつかったときのベースになるというか、自分を支えてくれる根本の自信になると思います。小島代表大森FCはサッカークラブですが、売り物にしているのは、生きがいや成長です。それは全スタッフと共有していて、子どもたちはサッカーが好きで上手くなりたいと思っています。サッカーはミスのスポーツなので、失敗するのは当たり前。大事なのは、その失敗を受け入れて、どう成長していくかです。そのプロセスがサッカーには詰まっていて、コーチたちもチャレンジを奨励するような接し方をしています。その繰り返しが、自己肯定感につながっていくのではないでしょうか。■生きがいと自己肯定感写真提供:大森FC大森FCの小島代表、保護者のみなさんに話をうかがっていると、「子どもを一人の人間として認め」「チャレンジをうながして、失敗しても良い」という雰囲気を作ることで、伸び伸びとサッカーに取り組み、その結果、成長していくというプロセスを感じました。小島代表は「サッカーを通じて、生きがいを与えたい」と言っていましたが、生きがいを感じることと自己肯定感を高めることは、とても密接な関係にあるのではないでしょうか。次回の記事では、自己肯定感をなくさないために、子どもたちと接する上で心がけていることについて紹介します。サッカーする子どもを伸ばす親の心得「サカイク10か条」とは
2023年04月11日SNSで話題のエッセー「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」がドラマ化!5月14日(日)より放送スタート!Upload By 発達ナビニュース中学2年生のときに起業家の父が突然死、高校1年生のときに母が心臓病で車いす生活、4歳下の弟はダウン症、そして認知症の祖母。作家・岸田奈美さんの自伝的エッセイを原作にした連続ドラマ「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」がNHK BSプレミアムドラマとして、2023年5月14日(日)22時より放送されます。岸田さんがつづる家族との日々は「楽しい」や「悲しい」などの一言では言い表せないほど情報過多。「弟が万引きを疑われ、母は赤べこになった」、「どん底まで落ちたら、世界規模で輝いた」など、「大変であろう」と誰もが思う出来事を、コミカルな文章で記したブログがインターネットで拡散され、「笑えて泣ける」と多くの人の心をゆさぶりました。今回の連続ドラマでは、岸田さんが紡いだエッセーに、ご家族や関係者への取材によるエピソードや、独自の視点での脚色を加え、全10話で放送されます。主人公「岸本七実」役は、映画界で数々の賞に輝く河合優実さん。母役に坂井真紀さん、父役に錦戸亮さん。ダウン症の弟役には、オーディションを経て新人の吉田葵さん、そして祖母役は美保純さんが演じます。知的障害、身体障害、認知症、親との死別…。もしかしたら、どの家族にも、岸田家と同じようにさまざまなエピソードがあるのかもしれません。笑って泣いて、じんわりと心があたたかくなる、ある一家の日々の物語。日曜日の夜、ドラマを見ながらあらためて「家族」について考えてみるのもいいかもしれません。【放送予定】2023年5月14日(日)スタート<全10話>毎週日曜 夜10:00~10:50(BSプレミアム・BS4K)※クリックすると、発達ナビのサイトからドラマ「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」のサイトに遷移します。アール・ブリュット ゼン&ナウ Vol.3「ただよう記憶の世界」東京都渋谷公園通りギャラリーにて2023年4月22日(土)~6月25日(日)開催Upload By 発達ナビニュースアートを通してダイバーシティの理解促進や包容力のある共生社会の実現に寄与するため、さまざまな作品の展示などにより、一人ひとりの多様な創造性や新たな価値観に人々が触れる機会を創出する東京都渋谷公園通りギャラリー。「アール・ブリュット ゼン&ナウ」は、国内外のアール・ブリュットの動向において、長く活躍を続ける作家と、近年発表の場を広げつつある作家を、さまざまな角度から紹介する展覧会シリーズです。3回目の開催となる今回は、国内作家5名を取り上げ、日々の食事や訪れた場所など、視覚や味覚など身体の感覚の記憶から生まれた作品を、「作家のあるひと時の記憶の世界」として紹介。作家たちのさまざまな感覚の記憶から生まれた作品は、具体的な形となって表現されていたり、抽象的な形に姿を変えたものも。弁当や乗り物、「どこかで見かけたような気が?」と想像力をかき立てるような、さまざまなモチーフから生まれた表現を楽しむことができます。さらに、出品作品のなかには、べニヤ板やカレンダーの紙、CDなどを用いた作品も。身の周りにある素材が作家の表現へと変化した姿も見どころです。「ただよう記憶の世界」と題された今回の展示会では、会場を歩きただよいながら鑑賞できるような空間づくりも特徴的です。作品は、カーブや直線、多角形のようなさまざまな形からなる壁を立て、いろいろな方法で展示。壁の曲線に沿って歩いてみたり、宙に浮いたような作品をのぞき込んだり、頭上に浮かんだ作品を見上げたりと、鑑賞者は好きなように楽しむことができます。作家たちの「記憶の世界」に触れながら、私たち自身がそれぞれにもつ遠い記憶を思い起こさせる展覧会「ただよう記憶の世界」。今ここにない時間をただようような記憶の旅に、足を運んでみてはいかがでしょう。<詳細>会期:2023年4月22日(土)~6月25日(日)会場:東京都渋谷公園通りギャラリー 展示室 1、2開館時間:11時~19時休館日:月曜日入場料:無料出展作家:後藤友康、小林一緒、東本憲子、戸來貴規、松原日光※クリックすると、発達ナビのサイトから「アール・ブリュット ゼン&ナウ Vol.3ただよう記憶の世界」の公式サイトに遷移します。誰にもやさしく、かっこいいーー裏表も前後もなく着られる服「裏表のない世界」シリーズ。フェリシモの「オールライト研究所」から発売Upload By 発達ナビニュース株式会社フェリシモは『マイノリティデザイン』の著者・澤田智洋さんを「ゆる研究員」とする「オールライト研究所」を設立。誰もがもつ弱みや苦手やコンプレックスを「そのままでいい、そのままで楽しい」 と思えるための商品開発をスタートしました。その第1弾「裏表のない世界」では、裏表も前後もなく着られるトップス、パンツ、靴下の3商品を開発し、2023年2月14日(火)よりWEBにて販売を開始。綿100%で肌にやさしい素材が使われたトップスとパンツは、袖口・衿ぐり・すそなどの細部に工 夫が凝らされ、裏と表、前後ろが気にならない仕立てを実現しています。肌にあたるとチクチクして苦手な方も多い「タグ」は、どう着ても隠れるポケットの内側に配置され、肌にあたらないよう工夫されています。かかともつま先の縫い目もなくしたフィット感抜群の靴下は、裏返りや、左右逆、かかとのずれを発生させずストレスフリーな履き心地を実現。編み終わりの糸の始末を一つひとつ手作業で行うことで裏表のない仕様に徹底しました。同幅ボーダーの編み地が、さりげないおしゃれを演出してくれます。開発にあたり、全盲や筋ジストロフィーの方、知的障害のある子どもがいる家族をはじめ、さまざまな年齢や性別の方にアドバイザーとして試着をしてもらい、改良を重ねた商品です。よく裏表を間違えてしまう方や、視覚障がいのある方、介護の必要な方や高齢者にも使いやすく、それでいておしゃれに着こなせるアイテム。裏表逆の洗濯物を裏返す手間も不要なのもうれしいポイントです。【商品詳細】裏表前後ろのないシリーズ・シルケット加工できれい見えポケットTシャツの会・まるっとダブルガーゼパンツ <ブラック><グリーン>・すっきりフィット靴下の会 <ブラック><グリーン>※クリックすると、発達ナビのサイトから「オールライト研究所」の公式サイトに遷移します。読み書き配慮設立シンポジウム「本田秀夫先生と考える、読み書き困難、読み書き配慮」2023年4月22日(土)開催Upload By 発達ナビニュース2023年4月22日(土)に、一般社団法人読み書き配慮が主催する設立シンポジウムが開催されます。読むこと、書くこと、計算することなど、知的な遅れはなくても、学習に困難を示す子どもたちがいます。昨年暮れに公表された文科省の調べによれば、通常学級に在籍するなかで学習面に著しい困難を持つ児童生徒の割合は6.5%とされています。適切な配慮が速やかに行われ、一人ひとりの子どもたちが、学びの現場で確実に生きる力を育んでいくことが望まれていますが、「具体的な対応の仕方が分からない」という現場の声が昨今多く寄せられるようになってきました。今回の設立シンポジウムでは、「本田秀夫先生と考える、読み書き困難、読み書き配慮」と題し、学習障害に焦点を絞った基調講演を信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授の本田秀夫先生が登壇。基調講演をもとに、学校、医療、学術のそれぞれの分野で活躍する方々と、実際に合理的配慮を受けてきた当事者である現役の大学生も交えてのシンポジウムが行われます。学習障害の発見と適切な配慮には、学校の力だけにとどまらず、医療や福祉の手も借りながら社会全体で対応を行き渡らせていく必要があります。今回のシンポジウムが学びの扉をたたく子どもたちを応援するきっかけになるかもしれません。学習面に著しい困難を持つ児童の具体的な対応を知りたい学校現場の方、当事者やご家族、支援者など、さまざまな立場の方におすすめのイベントです。<詳細>日時:2023年4月22日(土)14:00〜16:00会場:京王プレッソイン日本橋茅場町A会議室/ オンライン配信参加費:5500円定員:会場参加40名、オンライン参加100名出演本田秀夫先生(信州大学/基調講演)、河野俊寛先生(北陸大学・読み書き配慮理事)、菊田有祐さん(合理的配慮で育った慶應義塾大学3年生)、篠塚幸二先生(新宿区立西戸山小学校校長/ファシリテーター)申し込みはこちらから※クリックすると、発達ナビのサイトからpeatixの「読み書き配慮設立シンポジウム」チケット申し込みページに遷移します。障害者アーティストの絵画作品を展示「アート村シーズンギャラリー」作品展「花・華展」4月28日まで開催中Upload By 発達ナビニュース株式会社パソナハートフルでは、季節に合わせた絵画を展示する「アート村シーズンギャラリー」にて“花”をテーマにした作品14点を展示する作品展「花・華展」がPASONA SQUARE(東京・南青山)にて2023年4月28日(金)までの期間限定で開催中です。パソナハートフルは1992年、「才能に障害はない」をコンセプトに、障害のある人による“アート” (芸術活動)に着目し、アートでの就労分野の拡大を目的に「アート村」を設立。2004年からは絵を描くことを仕事とする「アーティスト社員」を採用し、現在25名が個性あふれる作品の創作活動に取り組んでいます。本作品展では、アーティスト社員として活躍する障害のあるアーティストが、彼らの感性でイキイキと描いた絵画を季節ごとにテーマを変え展示する「アート村シーズンギャラリー」にて、「花」をテーマにした春を感じる華やかな作品14点を展示中。会場では、障害のある社員がつくる保存料や人口着色料を使用しないパンやお菓子のほか、プリザーブドフラワーや陶器、ステーショナリーグッズなども販売されています。鮮やかに彩られた作品を楽しみにお出かけされてはいかがでしょうか。<詳細>会期:2023年3月6日(月)~4月28日(金)会場:東京都港区南青山3-1-30PASONA SQUARE 2階 「アート村シーズンギャラリー」開館時間:9時30分~18時休館日:土日祝入場料:無料アクセス:東京メトロ 表参道駅 A4出口より徒歩5分東京メトロ 外苑前駅 1a出口より徒歩4分東京メトロ 青山一丁目駅 1番出口より徒歩13分※クリックすると、発達ナビのサイトから「アート村シーズンギャラリー作品展花・華展」の公式サイトに遷移します。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2023年04月11日見通し不安に関する悩みは、発達段階や特性で千差万別丸山さとこさんの中学1年生の息子・コウ君には自閉スペクトラム症(ASD)とADHDがあります。コウ君が不安からパニックを起こしてしまう原因は、イベントや初めての場所などの『非日常的な状況』よりも、むしろ日常の中に多く存在していたそうです。成長につれて変化してきた見通しにまつわる「困りごと」の中身についても、教えていただきました。自閉スペクトラム症(ASD)のある宇樹義子さん。実は、高校時代までは「見通し不安」による困りごとはあまり感じなかったと言います。自分でスケジュール管理をしなければならない大学・社会人になってから、困ってしまう場面がぐっと増えてきたそうです。苦しかったころの思い出と、さまざまな工夫を重ねて困難を乗り越えてきた過程を書いていただきました。吉田いらこさんの小学6年生の長女・ゆいちゃんには、軽度知的障害、自閉スペクトラム症(ASD)、場面緘黙の診断が下りています。不安をとても強く感じる特性があり、多くの子どもにとって楽しみなイベントである遠足や校外学習などの学校行事が近づいてくると、とても気が重くなってしまうそうです。どうしたらゆいちゃんの不安を軽減できるのか、吉田さんが実際に活用しているという方法をご紹介くださいました。星河ばよさんの息子さんは発達障害グレ―ゾーンの小学5年生。未就学児のころは特に、ちょっとしたお出かけから食事の献立にいたるまで、前もって伝えていた予定が変わることが苦手で、よく癇癪を起こしていたそうです。「見通し」が崩れることで不安が高まり、癇癪につながってしまうタイプのお子さんとの関わり方について、臨床心理士の初川先生からのアドバイスも必見です!さいごに今回の「見通し不安」特集では、発達ナビライターさんからさまざまな体験談をお寄せいただきました。「うちの子と似ているかも!」「わが子もこんなふうに感じているのかな」「同じように対応方法を工夫してみよう」などと参考になるエピソードも多かったのではないでしょうか。わが子の癇癪やパニックも、「見通し不安」からくるものなのかも…と考えられると、関わり方にも少し余裕が持てるかもしれませんね。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月10日「こだわり」なのかも分からないUpload By カタバミまちゃは今特別支援学級に通う小学1年生。自閉スペクトラム症と知的障害があります。小さなころのまちゃにこだわりがあったのか思い出しても分かりません。希望が通らなくてもほとんど癇癪はなく、反応も薄く、大人しい子どもでした。私はまちゃの反応を増やしたくて、まちゃが喜びそうなことは進んで叶えていたと思います。年少のときに幼稚園の先生から「私たちを頼らずなんでも自分でやろうとします。全くしゃべりません」と言われました。そして年長のときに療育園の先生からは「何かをやってほしいときにもできるだけしゃべらずに伝えようとします。まちゃくんにとって言葉は最終手段のようです」と言われました。「水ちょうだい」など、家では言えていたことも幼稚園や療育園ではしゃべってないようでした。今考えるとこれは「できるだけしゃべりたくない」と言うまちゃのこだわりだったのかもしれませんが、このときには分かりませんでした。ただ食事だけはどんどん偏食が強くなり「こだわりだらけだな」と良く感じていました。特別支援学級への登校はこだわりだらけUpload By カタバミまちゃは小学生になると特別支援学級に入り、私は4月から片道20分ほどの道のりを毎朝一緒に登校することになりました。登校途中、軒下にメダカのいる大きな甕(かめ)を置いているお宅がありますが、まちゃは必ずそれをのぞき込んで「メダカ」と言います。それから綺麗で大きなマンションの脇に歩道と並行して細いじゃり道があるのですが、まちゃは必ずそこを通りたがります。そのあと30cmほどの高さのコンクリートの塀で囲われている駐車場がありますが、そこは必ず登って歩きます。気に入っているえん石の箇所もあり、そこも必ず踏んで通ります。少しの増減はありますが、まちゃのお気に入りは全体的に増えてきています。こだわりで困る点Upload By カタバミ家を出るのが少し遅れたとき、私はまちゃに「たまにはそこをのぞかなくても良いんじゃない?」とメダカの甕(かめ)をのぞかせなかったことがありました。まちゃは「ウワーン!」と怒って道路に寝そべり、再び歩き出すまでに時間もかかりましたし、登校中ずっと不機嫌でした。それから細いじゃり道の入り口でなぜか30秒ほど止まるようになりました。何もせずに立ってじゃり道を見つめます。おしゃれなマンションの扉にガラスが埋め込んであり、まちゃはそこをのぞこうとしましたが、人の家をのぞくことは良くないので止めると、まちゃは怒って道に座って頭を伏せるようなポーズでしばらく動きませんでした。学校に着くとのんびりと靴を履き替えながら下駄箱でボーッと数分間、校庭を眺めながら寝そべって動かなくなります。どれも時間がかかりますし、朝、ほかに通る方にも迷惑になるのではないかと心配になります。頑張るまちゃと見守ってくださる方々Upload By カタバミ登校のときのこだわりは日に日に増えて、登校にかかる時間は20分から30分になりました。朝まちゃの担任の先生に登校中のこだわりが多いことを話すと「大人でもそういうこだわりって実はありますよね。私にもあります。それに私にはまちゃくんのこだわりは許容範囲内です。今は寝転がっていますが、教室に入ってからの行動は早くて着替えなど朝の準備も時間内に終わっていますよ」と言ってくれました。特別支援学級の中でもまちゃの家はたぶん1番遠いのですが、まちゃは今のところ学校への行き渋りは全くありません。それからマンションの扉のガラスをのぞくのはダメだということを1度注意したときにはひどく怒りましたが次からはのぞかなくなりました。どうしてもダメなことは止めますが、登校途中のメダカやじゃり道やえん石が、まちゃが学校に行く力になってくれているのなら、これからもできるだけ付き合っていきたいと思います。執筆/カタバミ(監修:新美先生より)自閉スペクトラム症のある方のこだわり行動は奥が深いです。お決まりのルーティンで行動することで、いつもと同じ安心を得られるので、それをして自分も周囲の人も特に困らないルーティンであれば尊重していただければよいでしょう。ただ、ときにはそのルーティン行動をすることで、他者に迷惑をかけたり、自分にとって危険だったり、時間がかかりすぎるなどしてかえって自分が苦しくなるような行動になる場合は、対策を考えていく必要もあります(ここでは省きます)。教えていただいたエピソードは、ほんの少し登校時間が長くなるものの許容できる範囲なようなので、まちゃくんにとっては大事なルーティンなのだと見守っていただいているのですね。学校に行くのはそれなりの気合が必要なので、学校に行く道のりでおきまりのルーティンにこだわることで、自分のコンディションを整えて安心して登校できているのかもしれませんね。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月09日6歳でADHD(注意欠如・多動症)の診断、小学校入学後はトラブルだらけで…「通級指導教室」を勧められわが家の小6息子は6歳のころにADHD(注意欠如・多動症)の診断を受けました。息子は小さな子どもやお年寄りに優しい面もありますが、一度思い込んだら考えをなかなか変えられない、プライドが高い、人の目を気にして先回りしすぎてしまう、気が散りやすく興味があることがあると、そちらに気を取られてしまう…など困った一面もありました。小学校は通常学級に入学しましたが、息子はクラスに適応できずに授業中に教室を抜け出すように。5月終わりから6月ごろには通常学級に在籍はしているけれど、先生たちのご厚意で特別支援学級で授業をたびたび受けるようになりました。私は「このまま特別支援学級に移籍させたほうが良いかもしれない…」と考え、教育センターの担当の方に相談しましたが、息子のIQでは特別支援学級への移籍は難しいとのことでした。そこで担当の方に勧められたのが「通級指導教室」でした。私は早速夫にもそのことを相談しましたが、夫の意見は…。Upload By ユーザー体験談夫が通級指導教室に大反対!通級指導教室に通うことを提案すると夫は大反対!理由は「授業から抜け出したら周りの子どもたちから変に思われるし、イジメの対象になる」とのことでした。通級指導教室に行くとなると、週1回2時間を別の学校へと通うことになるため、クラスにいないことになります。「なんでいないの?」とクラスメイトも疑い始めるのではないか、それが原因でいじめになるのではないかと夫は心配していました。また、息子は3ヶ所の放課後等デイサービスにも通っていたので夫としてはそれだけで十分だと、とにかく通常学級の子どもたちと違う行動をすることで浮いてしまうのが不安だったようです。通級指導教室が別の学校にあるので、その時間には送迎をしないといけなく、共働きのわが家にできるのかという不安もありました。当時、私は下の子が生まれて育児休暇中のタイミングだったので、とりあえずやってみようと夫には伝え、復職後のことはそのときまた考えようと伝えました。Upload By ユーザー体験談夫説得のためにみんなで通級指導教室の見学へ。夫の心境は…納得しない夫をどうにか説得しようと、夏休み前の7月ごろに夫と息子の3人で通級指導教室の見学に行きました。先生方に話を聞くと「通級指導教室は人気で簡単には入れない」「たくさんの子どもが来ている」などのことを教えてくれました。そして、息子のようなタイプの子どもは、低学年のころは多動気味だが、学年と共に落ち着いて高学年には多動部分は収まる傾向があると聞きました。とはいえ今は課題が多いので、低学年のうちに得意なことを伸ばして、自信をつけていくことが重要になってくるかもしれないと話してくれました。また通級指導教室に通うことにより、自校への要望を通級指導教室の先生から話してもらえることや、何かあったときの居場所がつくれるので本人の生活もしやすいということも分かりました。先生のお話を聞いて、通級指導教室に通うの特別なことではないこと、多くの子どもが来ていること、なにより息子が楽しそうに体験をしている姿を見て夫も納得したようです。息子の障害についても「自分も同じような子どもだった」と言い、認めてこなかった夫。自分がどうにかやってきたからこそ、息子に関しても同じようにどうにかなると思っていたようです。自分の経験があるからこそ、あえて特別なことをするのは反対をしていました。しかし、今は時代が違うことや、いろいろな支援があることを伝えました。実際の息子の様子を見てもらうことで、夫自身が思う以上に息子には課題が多いとも認識したようです。Upload By ユーザー体験談通級指導教室に通うようになった息子。クラスメイトの反応は?その後、秋ごろから通級指導教室に通うようになった息子。朝から行くので、クラスを抜けていくというより、遅刻して登校をしてくるという感じだったので、さほど違和感や影響はありませんでしたが、担任の先生にお願いして息子がその時間にいないことをクラスメイトに説明してもらいました。クラスメイトは「ふ~ん」といった感じで受けいれてくれて、息子が帰ってくると「おかえり~」、途中で抜けるときは「いってらっしゃい」と声をかけて送り出してくれています。「人と違うことをする」ということでイジメを想像しがちですが、そう考えるのは大人だけで、子どもたちは柔軟に受け入れてくれました。通級指導教室を理由にいじめられたりからかわれたことは一度もなく、むしろみんな息子を応援してくれています。Upload By ユーザー体験談私立中学に決めた息子の進路。子どもを導いていくために小学校の経験を踏まえて、中学は私立中学に行くことに決めました。通級指導教室に行ったことで、やはり息子にはある程度の特別支援がまだ必要であると感じ、少人数指導の私立を選びました。今はいろいろな進路があり、学校のスタイルもさまざまです。私たち親世代の一律教育のような考えは捨て、常に新しい情報を得て子どものために適した進路へ導いていけたらと思っています。私立中学に行くことで出てくる問題もあるかもしれませんが、その都度問題に立ち向かい親子で解決していきたいと思います。イラスト/吉田いらこエピソード参考/カプゴジラ(監修:鈴木先生より)私立中学へ行けるようなIQのお子さんであっても、ASDで音過敏のある方や視線恐怖のような不安のある方などは特別支援学級を利用していることもあります。一般に特別支援学級は知的クラスと情緒クラスがあり、比較的IQの低いお子さんは前者を、IQが普通か高くても自閉スペクトラム症などのあるお子さんは後者を選んでいます。私立中学へ行っても残念ながらいじめなどはない、と言えないのが現状です。ただ、教師の異動がないため、さほど環境の変化のないことがいいところです。ADHDは薬物治療で改善しうるので、きちんと診断して治すことが重要となります。今回のように実際に学校などへ行って現場を見ることが一番重要です。偏見をなくして分からないことは遠慮なく学校や教育委員会に相談すればいいと思います。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月08日発達ナビ大賞へのご応募ありがとうございました!新学期が始まり、環境の変化で不安定になっているお子さんもいらっしゃる時期かと思います。特にこの春、小学校に入学した新1年生の保護者の方々は、これまでお子さんの就学先についてたくさん悩み、いまも不安を感じていらっしゃるのではないでしょうか。就学先選びについて、多くの方からお寄せいただいたエピソードの中から、印象的だった5つのエピソードを発達ナビ編集部が選びました。どんな就学先を選んだのか、気になるアンケート結果も発表いたします。また、あわせてお読みいただきたいコラムもご紹介します!※LITALICO発達ナビ「みんなのアンケート」にてご応募をいただいたエピソードについては上記より遷移し、ご覧いただけます通常学級、通級利用、特別支援学級…進学先はどこを選んでいる?今回発達ナビでは、お子さんの就学先として選んだ進路についてアンケートを取りました。Upload By 発達ナビ編集部結果は通常学級(通級含む)が50%、特別支援学級が40%、特別支援学校が5%、フリースクール2%、その他2%となりました。以前発達ナビニュースでも取り上げましたが、「通常学級在籍の小中学生の8.8%に発達の特性がある」という2022年の文部科学省の調査結果が示す通り、発達に特性がある多くの子どもたちが、通常学級(通級含む)に在籍している状況が分かりました。続いて、お子さんの就学先選びについてお寄せいただいたエピソードをご紹介していきます。違和感を感じるも、学区の小学校に特別支援学級がなく通常学級に進学…現在中1の息子のことです。幼稚園での様子を見ていて「ちょっとほかの子どもと違う?」と感じるところがありましたが、幼稚園の先生に何も言われなかったのと、学区の小学校に特別支援学級がなかったので、学区の小学校の通常学級に入りました。小2の冬に不登校になったことから、小3のときにWISCを受けました。その結果から通級を勧められて週1回通級を利用するようになりました。小5になるときに弟が入学し、学校には特別支援学級ができました。その年のコロナ休校明けに再び不登校になりました。弟も兄を追うように不登校になったのでメンタルクリニックを受診。二人とも「診断をつけるならASD」とのことでした。その後、特別支援学級に抵抗のなかった弟を校内で転籍させました。兄は特別支援学級ができた当初「あそこは保育園」と言っていましたが、卒業間際、弟が過ごす特別支援学級を見て「おれも初めからこのクラスならよかった」と言いました。違和感を無視しないで、学区を越えてでも入学のときから特別支援学級に入れた方がよかったのかな、と考えさせられる出来事でした。(ひろとしさん、通常学級)ご長男・ご次男共に不登校を経験し、ご長男については「就学時から学区を越えて特別支援学級に入れたほうが良かったのかも…」と思っていらっしゃるひろとしさん。特別支援学級の設置状況は地域によって大きく異なり、特別支援学級がないという学校も多く存在しています。そして、たとえ就学予定の学校に特別支援学級があったとしても、ひろとしさんのお子さんのように、子ども自身が途中からの転籍を拒む場合もあり、在籍クラスをどうするか決断するのは難しいものです。発達ナビに寄せられた会員のみなさんの体験談コラムから、学校の環境が合わず、発達障害のある息子さんがストレスから体調を崩してしまったことがきっかけで、息子さんの特性を受け止め、しっかりと向き合うようになったというエピソードをご紹介します。誰にも正解は分からないものですが、問題にしっかりと向き合い前へ進んでいらっしゃる様子に、励まされる方も多いのではないでしょうか。おとなしい子は「通常学級」判定!?入学後登校渋りに長男…通常学級入学、1ヵ月で登校渋り。通級に行きはじめて、小3まで順調に見えたものの、小4になってすぐ不登校。特別支援学級に移って、登校できるようになり、表情も良くなってきました。次男…入学時から特別支援学級で、課題はあるものの順調に成長しているようです。大人があまり困らないおとなしい子は、通常学級判定になってしまう。通常学級で一度傷ついてしまうと、その後まっすぐ成長するのが難しい。学校と支援の話をするのにも、幼少期から、医療福祉その他繋がりを持つことが大切だと思いました。いろいろあった長男は、今もいろいろありますが、本当にたくさんの方に支えられて、今は特別支援学級で頑張っています。(ゆみこさん、特別支援学級)大人にとって手のかからない子どもは、困っていることに気づかれにくいという話をよく耳にします。今は医療や福祉の支援に繋がり、特別支援学級で頑張っているというゆみこさんの息子さん。発達ナビライター・吉田いらこさんの娘ゆいちゃんも、おとなしいタイプで、小学5年生になるまで障害に気づかなかったそうです。吉田さんの「療育に早く繋げられなかった」という後悔、そして周囲の「どうして気づかなかったの?」という何気ない声に傷ついたというエピソードに寄せられた、臨床心理士の初川先生からの温かなアドバイスも、ぜひご覧ください。多動ありの新1年生。情緒学級がなく通常学級(通級)に就学で不安…4月から小1です。多動です。情緒学級のない地域。就学相談では、知的障害なしという事で通常学級を勧められましたが、なんとか通級をお願いしました。就学校の校長先生からは、子どもの様子を見て保護者付き添いをと言われました。4月から私も一緒に通います。今年に入ってから内服も始めましたが余計に酷くなる一方で、行きしぶりもあり…特別支援学級を強く希望すれば良かったです(療育の先生や医師からは通級を勧められて、それで何とかなると思ってしまって)。不安しかありません。不登校になる気しかしません。(AAAさん、通常学級(通級))今まさに大きな不安を抱えていらっしゃるAAAさん。ついこの前まで保育園・幼稚園に通っていた子どもが、小学校の通常学級でやっていけるのか…とても心配になりますね。発達ナビライターの荒木まち子さんも、発達障害のある娘さんの小学校入学と引越し・妊娠の時期が重なり、思うように身動きが取れない状況になってしまったと言います。当時のことを振り返り、つらいこと、大変なことがさまざま重なった中、23年の子育てのご経験から今感じることをコラムに書いてくださいました。また、つらいとき心の支えになった仲間の存在も大きかったと言います。荒木さんの「いま子育てに悩み苦しんでいる保護者さんにも、ぜひまず『動いてみてほしい』」というメッセージが、心に沁みます!就学準備は年中から。入学までほぼ月一回小学校に!年中から通い始めた児童福祉センターの療育(併行通園)で、動くなら早い方が良いと言われ、講演会などに積極的に参加しましたね。年長に上がる前の2月には、通う予定の小学校へ連絡を入れ、行事などが落ち着く6月くらいから校長先生にお会いして面談しました。幸い、特別支援に力を入れている小学校なのもあり、参観日の見学や行事の参加など積極的に声をかけていただき、入学までにほぼ月イチで息子も連れて小学校へ行ってました。言葉が遅いなどがあり、当初から特別支援学級希望ではあったのですが、授業参観の時にとりあえず通常学級も…と思ったのですが、教室に近づくにつれ息子の拒否が凄かったので、あぁ、やっぱりね…と思ったものです。そんな息子も、4年生から増えた交流授業(理科と時々体育)に楽しんで参加するようになっています。そろそろ、中学をどうするか頭を抱える時期になってきました…。(あきっちさん、特別支援学級)お子さんが年中のころから、綿密な準備を進められたあきっちさん。就学予定だった小学校が、特別支援教育に力を入れている学校ということで、とても協力的だったのですね。学校での息子さんの様子を実際に確認できたことも、就学先決定のポイントだったのではと思います。また、そろそろ中学校の進学先について考える時期とのこと。連載ライターSAKURAさんの娘さんは、小学校では特別支援学級に在籍していましたが、中学校でも特別支援学級に…とは、当初あまり考えていなかったそうです。しかし、娘さん本人に中学校から在籍クラスをどうするか聞いてみると、意外な答えが…?ぜひご参考になさってみてください。将来は「特別支援学級の先生」になりたい!小学校は、通常学級に在籍しての入学。入学してから、皆と動きが同じにできず…。先生の勧めで検査し、アスペルガーと診断。さらには聴覚過敏症や偏食も。低学年のころは言葉で伝えるのが難しく、教室のガヤガヤ感が耐えられず暴れると先生2人がかりで連れ出される始末。イヤーマフが本当に役に立ちました。特別支援学級の先生の勧めで2学期から特別支援学級に通級すると、少人数で静かな環境が本人には合っていたのか、授業も集中できるし、分からない部分は少人数の良いところで、細かく教えてもらうことができ、通常学級よりも進んで教わっていました。あまりにも進行速度が違うと、調節するためにご褒美時間(内緒のお茶会やDVD鑑賞)がありました。特別支援学級の先生は、発達障害児がどこにつまづきやすいのかを分かっていて、掛け算九九をパソコンやCDで目と耳を使って早めに教えてくれたり、コンパスの使い方を早めに教えてくれたりと、至れり尽くせりでした。おかげさまで、小、中と不登校もなく来れました。高校も無事に合格し、将来は特別支援学級の先生になりたいって言ってます。(しのっぺさん、通常学級(通級))しのっぺさん、息子さんの高校合格おめでとうございます!自分に合った少人数の落ち着いた環境で学べたことで、不登校もなく学校に通うことができ、将来の夢は『特別支援学級の先生』とのこと、素晴らしいですね!すべての子どもたちがしのっぺさんの息子さんのように、自分に合った環境でのびのびと学んでいける世の中になることを願ってやみません。発達ナビライター鈴木希望さんの息子さんは、不登校を経験した後、特別支援学級に転籍したことで、再び学校に楽しく通うことができるようになりました。改めて自分に合った環境で学ぶことの重要さを感じます。おわりに発達の気になる子どもの就学先については、就学時には子ども自身の意思が確認できない場合も多く、保護者が決断しなくてはならないことから、誰しも大いに悩むことだと思います。たくさん調べ、悩んだ末に選んだ道が果たして正しかったのか?正解は分かりませんが、大切なのは、学校や医療機関、支援者と連携する体制を作ること、そして状況の変化に臨機応変に対応できるようにしておくことではないでしょうか。大賞に選ばれた5人の方々には、人気エッセイ本をプレゼントいたします。どうぞお楽しみに!発達ナビでは、これからもさまざまな企画をしていきたいと思っています。次回の発達ナビ大賞もどうぞご期待ください!コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月08日小学3年生ごろから勉強についていけなくなったゆいは小さいころからおとなしい性格で、親や先生の指示も理解して行動できる子どもだったので、特に発達について心配だと感じたことはありませんでした。イヤイヤ期なども多分、一般的なものだったと思います。その証拠に、当時の私は母子手帳に『育児の不安:なし』と記入しています。ただ、人見知りが強い子どもだな、程度にしか感じていませんでした。低学年当時はまだ勉強が簡単なので周りについていくことができていたのですが、小学3年生あたりから、だんだんと成績が落ち始めていきました。ゆいが持ち帰ったテストを見ると、苦手な問題は考えた形跡がなく、白紙になっていました。この点は先生からも指摘を受けましたが、ゆいはどうやら最初からまったく取り組んでいないのです。それを見て、私は怠けていると感じ、腹立たしく思いました。Upload By 吉田いらこやる気がなさそうな娘に、母はイライラ…『やる気がない』というのは、ゆいが宿題をしているときに横で見ていても感じました。ゆいは分からない問題にさしかかるとフリーズしてしまうのです。無言で鉛筆が止まり、そのまま時間がながれていきます。私が「どこが分からないの?」と聞いても、ゆいは固まったままです。多分、どこが分からないのか説明することもできないくらい分からなかったのだと思います。そんなゆいに勉強を教えていると、私はどうしてこんな簡単なことが分からないのだとイライラしてきてしまいました。そして自分でも分かるくらいに教えている口調がだんだん冷たくなっていってしまい、最終的にゆいがポロポロ涙を流してしまいました。Upload By 吉田いらこ今振り返ると、ゆいにとって問題が難しすぎたということもありますが、私もどうやって教えればゆいが理解できるのかが分からず、教えながらイライラしていました。そうしているうちに勉強の時間がつらくなってしまったことも、ゆいの勉強に対する意欲がなくなってしまった原因ではと思います。小4のとき、ついに成績表で1が…。そして、軽度知的障害があることが判明そしてとうとう小学4年生の2学期終わりに、3段階の成績表で1がつきました。このままではゆいも私もつらいと感じ、プロに任せることにしました。個別指導塾に申し込みをしたのです。塾では1学年下の問題をじっくり教えていただいています。その後、小学5年生のときに軽度知的障害の診断がおりて特別支援学級のお世話になるようになり、学校でもゆいに合った簡単な内容で指導してもらえるようになりました。成績評価も通常学級の進度に合わせるのではなく、特別支援学級で学んでいることの成績として採点していただいています。Upload By 吉田いらこ特別支援学級で学ぶ現在は…現在のゆいは当時を振り返って「3段階の成績表で1がつくのは職員会議ものらしいよ。私ってヤバかったよね」と自嘲しますが、これくらい軽く言えるようになってよかったなと思います。あのまま通常学級でついていくのが難しいままだと、もっとつらい思いをさせてしまっていたかもしれません。小学5年生のときに障害の診断が下りてから、小学校での目標は『楽しく学校に通う』に決めました。特別支援学級の力を借りて、なんとか勉強のつらさを減らすことができたのではと感じます。中学校ではどのようなことが起こるか分かりませんが、本人の負担を減らしつつも周囲とうまくやっていく方法を親子で見つけていけたらなと思っています。執筆/吉田いらこ(監修:新美先生より)知的な面での困難さがあると、学校での一斉学習では大変さがでてくるかもしれません。初めのうちは、勉強を嫌がる態度で現れてくることも多いので、一見すると「なまけている」「さぼっている」「やる気がない」といったようにとらえられてしまうことも多いです。子どもは、学校という場で、怠ける・さぼるということはほぼめったにないので、学業に手がついていない様子が見られたら、分からないのか、やり方がお子さんに合っていないのか、心のゆとりがなくなっているのか…なにか理由があるかもしれないと探してみるといいですね。吉田さんの娘さんのエピソードを聞かせていただきありがとうございます。知的障害があると分かるまでは、親子ともども困惑したり、大変な日々だったかと思います。でもその後お子さんに合った学習をされていることで、お子さんも自分の大変だった時期を冷静に振り返ってコメントができるぐらいになっているのはとても素敵です。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月07日自己肯定感が高い広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)のある娘広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)のある娘は、4月から中学1年生になりました。これは娘が小4~小6のときのお話です。娘は小さいころから自己肯定感が高く、「自分はできる!」という気持ちが強い子どもでした。私たち夫婦は、娘に発達障害があると分かってから、自分に自信をなくしたり、他人と比べて落ち込んだりしないように、育ててきました。「発達障害があっても、引け目を感じることがない」「あなたには、あなたの良さがある」と声をかけていました。Upload By SAKURA元々、特性上周りをみないところがあるので、自分と他人を比べることはなく、純粋な性格が影響してか、自己評価の高い子どもになりました。しかし、成長するにつれ、この接し方が、悪い方に影響するようになってきました。耳から聞いたことを、覚えておくのが苦手。娘は、情報を耳で聞き、頭で処理する力が弱いという特性があります。そのため、口頭で指示を出しても、記憶に定着せず、すぐに忘れてしまうことが頻繁にあります。Upload By SAKURA言われたことを思い出した瞬間、「またやっちゃった!」「なんで私はこうなの!?」と過剰に反省し、自分を責めることをするのですが…Upload By SAKURAその反省は長く続かず、数分後に同じミスを繰り返したりします。視覚から記憶するため、メモを提案するものの・・・私は視覚優先な娘に対して、「メモをとってみたら?」と何度もアドバイスをしましたが・・・Upload By SAKURAその度に娘は、「大丈夫!私、ちゃんと覚えておけるから!」と言い、メモをとることをしませんでした。私が指示を紙に書き、見せるということをしようと思えばできたのですが、ちょうどこのときは、娘の思春期&反抗期が激しかった時期で…発達外来で、先生から「自立力を伸ばすために、あーさんに決めさせてください。その結果、起きたことも自分の責任だと思ってもらいましょう」とアドバイスされたこともあって、私は、自分が手助けすることはせず、メモをとることを娘に強制することもしませんでした。Upload By SAKURAメモを取らないことで負の無限ループに…なんとかメモを取り入れてほしいという思っていた私は、無駄かもしれないと思いつつ、メモの良さ、便利さなどを話したのですが…Upload By SAKURA娘の考えを変えることはできませんでした。娘は長い期間、聞く→忘れる→激しく反省する→アドバイス→無視→聞く→忘れる…という流れを何度も繰り返しました。Upload By SAKURAその間私は、何度もイライラし、なんで!?と、娘の特性そのものを責めそうになりました。過剰に反省しながらも、自己肯定感の高い娘。「私ならそんなに自分を追い詰めるほどの失敗したら、自信がなくなるけどな・・・」と、自己肯定感が低すぎる私は、娘の行動がまったく理解できませんでした。Upload By SAKURAいつまで私はこのことを娘に言い続けなければならないのか…モヤモヤした日々が続きましたが、とうとうある日、メモをとるようになったのです!そのお話はまた別のコラムで書けたらと思います。Upload By SAKURA執筆/SAKURA(監修:鈴木先生より)自己肯定感の低い神経発達症のお子さんが多い中、親御さんに「あなたの良さがある」と育てられた娘さんは幸せだと思います。一般的にはASDのお子さんは視覚優位と言われていますが、聞いたことを忘れるのは言語性が高くないか不注意が多いかのどちらかが多いです。詳しく知りたい場合はIQテストやADHDのチェックをすることで分かることも多いので専門の医師に相談することをおすすめします。ADHDの場合はメモしてもそれすら見ないことが多く、周りから責められて自尊心が低下していきます。せっかく自己肯定感が高く育ってもASD以外の併存疾患で負のループに陥ってしまうお子さんもいますので、気になる場合は主治医に相談をしてみましょう。無限のループも原因が分かれば無限でなくなり、出口が見えてくるはずです。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月05日児童発達支援施設フォレストキッズ(運営:合同会社EverGreen、本社:愛知県名古屋市、代表:撹上 理恵)は、2023年4月16日(日)に名古屋市・吹上ホールにて発達障害・グレーゾーン児、ギフテッド児童とその保護者様に向けて「2024年春入学対策 小学校入学のための進路相談会」を開催いたします。発達障害児教育の専門家・撹上 雅彦氏、食育専門家・撹上 理恵氏を迎え、来春の小学校進学を控える発達障害・グレーゾーン児、ギフテッド児童などの個性あるお子様方に、最適な環境を準備するためのポイントをお伝えします。参加費は無料です。【イベント申込ページ】 2024年春入学対策 小学校入学のための進路相談会■発達障害・グレーゾーン児、ギフテッド児童の進路選択の難しさとは?児童発達支援施設フォレストキッズでは、毎年春になると、翌春に小学校進学を控えるお子様の保護者様から、進路選択に関するご相談をいただきます。「小学校進学時の進路選択」といわれても、多くの方にはピンとこないかもしれませんが、発達障害を持つお子様と、診断はおりていないもののその可能性が高いお子様(グレーゾーン児)、そして突出した才能を持つギフテッド児童は、その成長発達のアンバランスさから、一般のクラス(普通級)に通うべきか、障害のある児童のための少人数クラス(特別支援学級)に通うべきか、あるいはそうした児童のための専門の学校(特別支援学校)に通うべきかを迷うことがあります。しかし、そうしたお子様は少数派のため、実際にそれぞれの環境に通っている人のリアルな声を聞ける機会は少ないことから、保護者様は「何を基準に我が子の学習・成長の環境を選択していくべきか」と大きな不安を抱えていることが多いのです。そのため、フォレストキッズでは積極的に利用者様のご相談に乗ってまいりましたが、この度、専門家2名と当社スタッフであり特別支援学級の担任を5年間務めた宮田による、施設利用者様以外も参加可能な進路相談会を開催することにいたしました。当社顧問であり発達障害児教育の専門家である撹上 雅彦からは、「就学時検診では問題ないと言われて普通級に入ったが、その後支援学級に移ることになった事例」「IQ157の天才児ですら、環境にうまく適応できず、不登校になってしまった事例」など、お子様に合った環境を選択することの大切さを、事例を通じてお話しいたします。当社代表であり食育専門家である撹上 理恵からは、発達障害・グレーゾーン児の多くが食の好みに偏りがあることから、「給食との付き合い方」についてお話しいたします。当社スタッフ宮田からは、元支援学級担任という経験をもとにした進路選択のポイントを解説させていただきます。当社は発達障害・グレーゾーン児・ギフテッド児童などの個性ある子供たちの才能と可能性を開花させることに、幅広い領域で取り組んでおり、その活動の一環として、本会を企画いたしました。■「2024年春入学対策 小学校入学のための進路相談会」について【開催概要】イベント名: 「2024年春入学対策 小学校入学のための進路相談会」開催日時 : 2023年4月16日(日)10:00~11:30場所 : 吹上ホール9階展望ホール(愛知県名古屋市千種区吹上2-6-3)参加費 : 無料定員 : 100名主催 : 児童発達支援施設フォレストキッズ詳細 : 【プログラム】10:00~10:05 開会・来賓挨拶 前豊橋市長・佐原 光一様10:05~10:25 トークセッション(1)「元支援学級担任による進路選択のポイント解説」10:25~10:45 トークセッション(2)「環境にうまく馴染めず、実際に起きたこと」10:45~10:55 トークセッション(3)「栄養アドバイザーによる給食との付き合い方」10:55~11:25 質疑応答11:25~11:30 閉会・各種ご案内※プログラムの内容は予告なく変更となる可能性がございます。【お申し込み方法】イベント詳細ページ( )より必要事項を記入しお申し込みください。■トークセッション登壇者撹上 雅彦発達障害児教育専門家フォレストグループ顧問・フォレスト個別指導塾塾長群馬大学教育学部 障害児教育専攻卒。2014年に小学生の長男が自閉症スペクトラム(ASD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)、知的障害の一歩手前の広汎性発達障害であることが判明し、20年以上経営した学習塾を閉鎖。障害児教育の専攻経験も踏まえ、大阪医大LDセンターで研修を受けて学習アプローチを学び直し、発達障害向け放課後等デイサービスと個性ある子のための個別指導塾、児童発達支援施設をオープンする。小学校低学年で漢字が書けなかった長男は、小学校在学中に英検3級に合格し、私立大学付属中学校に合格。自らの実体験に基づいた的確な指導には多くの保護者からも定評がある。著書『かくあげ先生の 発達障害・グレーゾーン 子育て 新ベストテクニック54』はAmazon・楽天ブックスの児童福祉部門にてNo.1を獲得。発達障害児教育専門家・撹上 雅彦撹上 理恵フォレストグループ代表発達障害児向け教育事業グループの代表として、放課後等デイサービスを5事業所、児童発達支援、個性ある子のための個別指導塾、算数オリンピックをめざす子のための塾を運営。小学生の長男が広汎性発達障害と判明後、専門機関の指導により栄養療法を実践。医療関係者向けオーソモレキュラー療法や医師主催の栄養療法を学び、食事の栄養バランスの変更で体質や行動を大きく改善させる。オーソモレキュラー協会代表の溝口 徹医師著『発達障害は食事でよくなる』(青春出版社刊)では、改善事例として紹介され、グループ内でも栄養的アプローチを適用した改善実績がある。食育専門家・撹上 理恵■児童発達支援施設フォレストキッズについてフォレストキッズは、発達障害を抱える我が息子への想いがきっかけで誕生した児童発達支援施設です。療育の質はもちろん、ご家庭での接し方や食事面など、きめ細やかな部分までサポートしています。また、フォレストキッズでは決まったカリキュラムはなく、教材も個々の課題に合わせて手作りしています。一人ひとりの個性に着目し、お子さんに合わせた「オーダーメイド」の療育プログラムをつくり上げています。運営企業は合同会社EverGreenです。児童発達支援施設フォレストキッズ■合同会社EverGreenについて【会社概要】社名 : 合同会社EverGreen本社所在地: 〒461-0004 愛知県名古屋市千種区池下1ー4ー15 川辺318ビル5A代表取締役: 撹上 理恵事業内容 : 児童発達支援施設および個性ある子のための個別指導塾の運営設立 : 2019年6月HP : 児童発達支援施設フォレストキッズ( )フォレスト個別指導塾( ) 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年04月04日「自信がある人」と「自信がない人」では、仕事の成功や良好な人間関係など人生のあらゆる面において、手に入れられるものに大きな差が生じてしまうようです。みなさん、「あのとき自信をもって行動していれば違う結果になったかも……」と後悔していることはありませんか?今回は、「自信に満ちた子どもの育て方」について、親が心がけるべきポイントを解説していきます。「自信のある人」は大きな目標に立ち向かえる!「自信がある子」と聞くと、「自慢ばかりする子」「ほかの子どもを見下す子」などマイナスなイメージをもつ人もいるかもしれません。しかし、いまの時代における「自信」とは、自己肯定感と同じくらい重視されているようです。では、子どもがもつ「自信」とは、具体的にどのようなものなのでしょう。『12歳までに「自信ぐせ」をつける お母さんの習慣』(CCCメディアハウス)の著者で、「こどもみらい塾」塾長の楠本佳子氏は、「自分は何でもできる!」といったうぬぼれ的なものではなく、やる前から無理だと諦めずに、何事も失敗を恐れず取り組む力こそが「正しい自信」だと述べています。そんな「正しい自信」をもつ子どもは、成功と失敗を繰り返しながら、「こうやったらもっとうまくできるようになるかな?」「もっと効率的にできるようになるかな?」と考えながら行動するようになるのだそう。また、「自信の有無は、子どもの幸福と目標の達成を左右する」と述べるのは、ハーバード大学教育学博士のレベッカ・ローランド氏。ローランド氏によると、自信のある人は、自分の能力全般を信頼しているので、大きな目標に立ち向かうことができるのだそう。そして何より、「失敗しても立ち直れる」と信じているとのこと。失敗してももう一度チャレンジするか、また失敗してしまうことを恐れて諦めるか――。どちらがより飛躍できるかは明らかです。成果は関係ない!子どもには「たくさんの経験」を『里山資本主義』(KADOKAWA)の著者で日本総合研究所主席研究員の藻谷浩介氏によると、子どもたちに対して「すぐに成果や結果を出すこと」を求めてしまうのは酷であり、長期的な視点で見るとデメリットのほうが大きいのだそう。藻谷氏は、「『半世紀後の彼らの実りある人生』という成果のためには、いまは成果に関係ない実経験こそ大切にすべき」だとして、幼少期における実体験の大切さを説いています。必要なのは、困難にぶつかった時にも怯まない気持ちや、折れない心だ。そうした心は、自分が本来もっている、無理に引き出さずとも出てくる力に対する、セルフリスペクトから生まれる。そしてそのようなセルフリスペクトは、幼少時より自分で失敗し、その失敗を自分なりに考えて克服した経験を積み重ねてこそ培われる。(引用元:FQ Kids Learning 2020 spring issue,『身体感覚・美的感覚・社会性を育む 子ども自然体験』, 株式会社アクセスインターナショナル.)※太字は編集部が施したなるほど、幼少期の子どもには経験が大切なのですね。では、親は具体的にどのようなサポートをすればいいのでしょうか。「自信がある子の親が心がけていること」について、次に詳しく見てきます。「自信がある子」の親が心がけている3つのこと1.「小さな成功体験」を重ねられるようにサポートする子どもに自信をつけさせる最も効果的な方法は、小さな目標を設定してクリアする「成功体験」を積ませること。カリスマ保育士としてメディアでも活躍中のてぃ先生は、自身のYouTubeチャンネルで「『誰かに勝つ』ことではなく、『自分に勝つ』ことこそが、失うことのない本当の自信につながる」と述べています。それは、「人に勝つことで得られる自信」というものは案外脆く、他人に負けた途端に「もうやりたくない」と背を向けてしまうようになるから。一方、自分が掲げた目標をクリアして、「自分に勝った」経験を繰り返すことは、他人の行動や言動に左右されない揺るぎない自信になるのだと、てぃ先生は言います。学習塾・花まる学習会主宰の高濱正伸氏もまた、「小さい成功体験を積み重ねた子は、社会に出てから頑張り抜く底力をもっている」と述べています。日常生活のなかで小さな課題をクリアしたときの親のほめ言葉は、子どもの自信を強固なものにするのだそう。そして小さな達成感を積み上げることで、やがて自ら大きな課題を設定できるのです。たとえば「お手伝いしたい!」と言う子どもに対して、「忙しいのになあ」「余計に時間や手間がかかっちゃう」と面倒に感じることもありますよね。しかしそんなときは、「この子の自信が育つチャンス!」と思考のスイッチを切り替えてみませんか?家族カウンセラーの宮本まき子氏は、「できっこない、無理、と却下するのではなく、『どうやったら可能か』をとっさに判断するのが親の知恵」だと話します。切りやすい野菜をほんの少しだけ切るなど、たった一切れでも「自分で料理した」達成感をもてると、その子の自信につながります。また目標を設定する際は、あくまでも本人が達成できるであろうところに調整することが大事です。てぃ先生は、「小さな子どもの場合、目標を決めることやハードルの高さの調整もまだ上手にできないので、大人がサポートしてあげて」とアドバイス。そして目標をクリアできたら「できたね!」「すごい!」とほめてあげることを忘れずに。2. 子どもの能力を伸ばす「リッチトーク」をする子どもの自信を育むためには、親子の会話も重要な役割を果たします。前出のローランド氏が提唱する「リッチトーク(豊かな会話)」は、子どもの自信を育むのに有効な会話術です。その原則となるのは、「A(Adaptive)= 臨機応変」「B(Back-and-forth)= 双方向」「C(Child-driven)= 子ども主導」であること。具体的には、「子どもの願望や欲求に柔軟に応じること」「お互いに積極的に会話すること」「子どもの目標・関心・欲求から会話を始めること」に重点を置いて会話することで、子どもの意欲や創造性、自己肯定感、そして自信が高まり、さらには親子の絆も深まるというわけです。また、会話のなかで子どもをほめるときに注意しなければならないのは、「よく観察してほめる」こと。子どもがもともとできることや、偶然にできてしまったようなことは、ほめてはいけないのだそう。「うぬぼれ的な『間違った自信』につながります」と楠本氏が指摘するように、あくまでも子どもが努力したことや頑張ったことに着目してあげましょう。「お母さん(お父さん)がきちんと見てくれている」と感じられると、自己肯定感もアップします。そしてもうひとつ、「他人と比べない」ことも大事です。「〇〇ちゃんみたいに上手にできたらいいね」「△△くんよりも速く走れたね」というように、まわりの友だちと比べるのはNG。比べるのなら以前の自分。「昨日よりも上手に描けたね」などと、いままでできなかったことができたらほめてあげましょう。3. 親が「ポジティブな口ぐせ」を意識する最後に、親御さん自身に気をつけてほしいのが「口ぐせ」です。高濱氏は、「物事を始めるときに、子どもが『できない』『やりたくない』と否定から入るのは、失敗することを恐れているから」と指摘します。これは、いつも親から結果ばかり求められたり、「本当にできるの?」と不安をあおられたり、失敗したら「だから無理だって言ったじゃない」と呆れらたりすることが影響しています。もちろんいつでも前向きで、ポジティブに考えられることばかりではありません。時にはネガティブ思考にとらわれたり、子どもが傷つかないためにあえて慎重になるよう促したりすることもあるでしょう。しかし、高濱氏によると、度重なる親のネガティブな発言が、子どもに「私のことを信じてくれていないのかな」「僕には期待してくれていないのかな」と思い込ませることにもつながるとのこと。子どもには、できるかぎりポジティブな声かけをしていきましょう。「大丈夫」「あなたならできるよ」「失敗したらもう一度チャレンジしよう」と声に出すことで、親もまた「うちの子なら大丈夫」と安心して見守ることができるのではないでしょうか。***「自信を身につける」といっても、簡単なことではありません。日々の暮らし方やまわりの人間関係、そして親子の会話など、さまざまな要素が積み重なり、本人の成長の過程で育まれていくものです。いつかお子さん自身が大きな目標を見つけたとき、自信をもってチャレンジできるように、いまからできることをサポートしていきたいですね。(参考)マナトピ|子どもに「正しい自信」をつける方法とは?12歳までに「自信ぐせ」をつけようYAHOO!ニュース|成功するのは「実力ある子」より「自信がある子」。自信を育む“親の声かけ”レベッカ・ローランド(2022),『自分でできる子に育つ最高の言葉かけ』, SBクリエイティブ.FQ Kids Learning 2020 spring issue,『身体感覚・美的感覚・社会性を育む 子ども自然体験』, 株式会社アクセスインターナショナル.YouTube|あの子はなぜ堂々としているのか?自信に満ちた子どもの親がしていること高濱正伸(2012),『伸び続ける子が育つ お母さんの習慣』, 青春出版社.PHPのびのび子育て 2021年3月特別増刊号, PHP研究所.幻冬舎GOLD ONLINE|わが子と何を話すべき?ハーバード大学講師が教える「子どもの能力を伸ばす会話」
2023年04月04日「生活費がなくなったから貸して」「保険証がない」一人暮らしをしている発達障害息子発達障害の専門家が出会った子どもや大人、その保護者の抱えていたリアルな「困った!」をもとに、対応策などをドキュメントタッチで解説します。今回は、自閉スペクトラム症(ASD)と軽度知的障害のある社会人のケースです。会社に勤めて一人暮らしをしているのですが、保護者の悩みは尽きなくて…。Upload By 専門家体験談Upload By 専門家体験談Upload By 専門家体験談マンガ/カタバミ解説:支援制度の特徴を理解し利用を検討、外部との接点を増やすことも大切今回は、自閉スペクトラム症(ASD)と軽度知的障害があり一人暮らしをしているわが子を心配する保護者のエピソードをもとにマンガ化してお届けしました。このケースのように、就労し一人暮らしをしている場合、「自立してくれてうれしいけれど、何かあるたびに親を頼るのでこれからのことを考えると心配」という保護者の方もいらっしゃるかもしれません。特に、お金の管理や手続き関係、重要物の紛失などはサポートが必要な場面もあるでしょう。ここでは3つの支援を簡単にご紹介します。1.社会福祉協議会の日常生活自立支援事業今回のマンガでご紹介した制度です。社会福祉協議会に連絡し、相談・打ち合わせ、支援計画の作成などを行い、契約・サービス開始となります。日常的なお金の出し入れ、契約手続き、通帳やハンコの預かりなどの支援を受けられます。2.自立生活援助自立生活援助は、2018年4月より新たに創設されました。障害のある人が一人暮らしを始めたときに、定期的な巡回訪問などを受けながら生活や健康、必要な手続きなどについて助言や支援を受けられるサービスです。まずは市町村の福祉窓口に相談します。標準利用期間は1年間ですが、さらにサービスが必要な場合は、市町村審査会の個別審査を経て、複数回の更新が認められます。3.成年後見制度障害者や高齢者など判断能力の乏しい人の法律行為や契約をサポートする制度です。すでに判断能力が不十分な場合の法定後見と、判断能力が不十分な状態になったときに備える任意後見があります。どのような制度があるのかあらかじめ知っておくことが大切です。また、地域とのつながりを増やすために、余暇活動に参加する、民生委員に早めに相談する、など外部との接点を増やしておくことをおすすめします。厚生労働省|日常生活自立支援事業コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月03日療育手帳の判定結果は「中度」知的障害、落胆して泣いた自閉スペクトラム症のある息子は、1歳ごろから「なんだか怪しい…」と感じる行動をすることが多かった。母である私は、息子が3歳になるとすぐ、療育手帳(障害者手帳)を申請した。療育手帳は、3歳をすぎないと申請できなかったからだ。療育手帳の申請は児童相談所が窓口だった。Upload By 立石美津子息子は児童相談所で検査を受けた。結果は3度(中度)の判定で「4度(軽度)ではないんだ」とショックを受けた。障害児向けの福祉サービスを受けるため、療育手帳が欲しくて自ら出向いたのにも関わらず…。児童相談所からの帰り道、駅まで泣きながら歩いたことを思い出す。1ヶ月後、療育手帳が郵送されてきた。交通機関の割引制度を利用するには、手帳を提示する必要があったが、当時の私はものすごく抵抗があったので、しばらく使うことができなかった。東京都の場合、療育手帳(愛の手帳)は知的障害の重さで4つの度数に分かれている。最重度1度…知能指数19以下重度2度…知能指数20~34中度3度…知能指数35~49軽度4度…知能指数50~75参考:対象者(愛の手帳Q&A)|東京都福祉保健局軽度の目安が、IQ75未満の自治体もある。IQ70〜75が、療育手帳がもらえるギリギリの、ボーダーラインで、IQが70〜75より高く、日常生活の能力に問題がない場合は、療育手帳の認定基準に満たないので、療育手帳はもらえない。療育手帳がもらえるかもらえないかの境界は、自治体によって異なる。療育手帳交付のボーダーラインは、IQ70が基準の自治体もあれば、IQ75が基準の自治体もある。療育手帳の再判定、結果は変わらず「3度」で中度の知的障害だった息子が18歳になり、療育手帳の成人更新をすることになった。結果は今までと同じ3度だった。少しホッとする。福祉サービスが今までと変わらず受けられるからだ。児童相談所からの帰り道、駅まで泣きながら歩いた昔と比べると、自分も随分変わったものだ。療育手帳を持っていても使うのに抵抗があった昔に比べると、持っていくのを忘れたら家に取りに戻るくらい変化した。タクシーに息子と乗ったとき「障害者手帳持っているんですけれど、持ってくるの忘れてしまいました。でも障割にしてくれますか?」と図々しく聞くくらいだ。親として成長したのか、諦めたのか、悟ったのか…。Upload By 立石美津子特別支援学校高等部時代、学校のママたちとランチした。あるママ友が呟いた。「療育手帳の成人更新で3度が4度になっちゃった~(=軽度になったこと)『3度が4度に上がりました』と担任に話したら、『そうでしたか…』複雑な表情をされて、こちらも複雑な気持ちになったよ~。」「あるあるだよね。」そんな会話が交わされる。愛の手帳が3度から4度(中度→軽度)になって本来喜ばしいことなのだろうが、それによって利用できなくなる福祉制度があるからだ。私が住んでいる自治体では、“緊急介護人制度”というのがあって、愛の手帳(療育手帳)が1度から3度だとこれを利用できる。しかし、4度だと利用できなくなる。ほかにも、一般企業の障害者雇用枠では、療育手帳の1度や2度だと、ダブルカウントされる。つまり1人雇うと2人分とカウントされるのだ。手帳の判定が変わるのは、親と嬉しくもあり、利用できる福祉サービスが減るのではと不安になることもあり、複雑な気持ちになるものだ。そして、それくらい親と一心同体になってくれる特別支援学校高等部の先生方はありがたい存在だった。「残念だ」とは決して口には出さないが、表情から、わが子のことを深く考えてくれいることは読み取れるから。障害区分認定は?療育手帳の成人更新とは別に、19歳になったら、区分認定も受けた。これは知能指数による判定ではなく、日常生活するのにどれくらい困難があるかを示す度数である。療育手帳(愛の手帳)は「1・2・3・4」と数字が上がるほど軽度ということだが、区分認定は「1・2・3・4・5・6」とあり、数字が上がるほど重く、福祉サービスは手厚くなる。逆なのだ。ややこしい!!Upload By 立石美津子当時、ママ友との会話はもっぱら…「成人更新で療育手帳は何度になった?」「区分指定は何度?」だった。成人を前にやらなくてはいけない申請も多く、何しろいろいろ難しい。経験者としていえるのは、17歳になる前くらいから、いろいろ調べておくとよいということだ。執筆/立石美津子(監修・鈴木先生より)療育手帳のボーダーラインはいつも疑問に思います。IQ69と71で何が違うのか?自治体で差がないように医師の診断書を添えて70以上でももらえるようなシステムがいいのではないかと常々思っています。IQ49と51でも同様です。中にはIQ51でも中等度の知的発達症にしてくれる児童相談所の方もおられます。そのためには、いかに生活で困っているかを保護者が児童相談所に伝えられるかどうかにかかっているようです。発達障がいは以前、軽度発達障がいと言われていました。障がいに軽度も重度もないことからスペクトラムという領域という意味の言葉が用いられ、軽度という言葉は診断名から消えました。知的発達症もいずれ軽度や重度の枠がなくなってスペクトラムとなり、みんな同じ福祉サービスが受けられる時代が来ればいいですね。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月02日「あるような、ないような…?」小さかったころのコウのこだわりUpload By 丸山さとこ自閉スペクトラム症(ASD)の特性として主にあげられるものに、『対人関係や社会的なやりとりの困難さ』と『こだわり』があります。ですが、ASDがある息子コウについて改めて振り返ってみると、特定の大きなこだわりはパッと思いつきません。夫に聞いてみると、「こだわりは何かあった気がするんだけど、コレっていうのは思い出せないな…?」と首を傾げていたので、やはり印象に残るほどの大きなこだわりはなかったのかもしれません。にもかかわらず、なぜか私も夫も「こだわりはなかった」「こだわりに関して手を焼いたことはない」とは言えませんでした。『こだわりに関して何かあったはず』という感覚ははっきりしていたからです。具体的なエピソードは思い出せないのに『何かあった感』だけが心に残りモヤモヤしていると、うっすらと記憶がよみがえってきました。コウのこだわりで手を焼かないために、私と夫は可能な範囲で「ルーティーンになったら困ること」を避けていたのです。コウは、小学校低学年のころまでは特に『コウの中でルールとして定まったこと』へのこだわりが強くありました。それは大体において地味でささやかなものだったため、私と夫の記憶から抜け落ちやすかったのかもしれません。けれど、「当時の私と夫を振り回すには十分な『こだわり』だったな~!」と思います。ルールへのこだわりが強かったコウでした例えば、コウが保育園児のときのことです。水遊びのために靴をサンダルに履き替えさせようとしたら、靴を脱がせる段階で「くつをはかなきゃいけないんだよ~!」と泣いて抵抗され、暴れるコウを相手に汗だくになったことがありました。Upload By 丸山さとこそんな彼を取り押さえながら「サンダルに履き替える途中だから!水遊び用の靴にしよう!!」と言ったところで「『水遊びのときは必ず水遊び用の靴に履き替えないとパニックになるヤバイ前例』をつくってしまったのでは?」と気づいて、私はゾ~ッとしました。その程度には「コウの中でこだわりやルーティーンが新しく決まってしまうこと」に慎重になっていたのだな…と、今思い返して改めて気がつきました。改めて思い返さないと『慎重になっていたこと』に気づかないくらい、当時の私と夫にとって『コウのこだわりが強化されないように気をつけて過ごすこと』は当たり前だったのだと思います。『些細だけれど生活の中で困るこだわり』を避けるために気をつけていたことの一つに、『同じ道を通らない』というものがありました。同じ道を通っていると、それがルーティーンとして定着することがあります。例えば、いつも保育園への最短ルートを通っていたのですが、工事やコウが苦手なクモの巣を避けるためなどルートを変更しようとすると、コウは「保育園に行くのはこっちだよ」と言い中々動きませんでした。工事中の道に対しては看板を読み上げてコウに伝えたところ、ルートの変更を受け入れてくれました。『看板の指示に従うルール』がルーティンより優先されたのかもしれません。また、ルーティーンの変更を余儀なくさせるほど強かったクモの巣への恐怖心に対しては、コウが自ら『図鑑で知識を得る』という方法で解決してくれました。Upload By 丸山さとこある日、クモの巣をじーっと見つめていたコウは、「クモの巣はたて糸とよこ糸で性質が違う。よこ糸はくっつくけどたて糸はくっつかない。クモはたて糸の上だけを歩くので、自分の巣にくっつくことなく動くことができる」と言ってクモの巣の横を通過しました。看板や図鑑などの文字や絵図による知識は、コウにとって信頼できるものなのだな…と感じた出来事でした。こだわりで生活上困らないために心がけていたことそうして「いつものルートへのこだわりが出ると困ることもあるのだな」と気づいてからは、ときどき別の道を通って登園するようにしました。いろいろなルートを通ることにより、コウが「ほかの道でも大丈夫」と知ってくれたらいいなと思ったからです。また、コウにとって心地よいことや安心できることを探しつつ、その種類を増やすべく新しい物や行動を取り入れたり提案したりするようにしていました。こだわりの対象以外に『心地よいことや安心できること』が増えると、コウも楽なのではないか?と考えたからです。そうして選択肢や変化を取り入れようとしていた私でしたが、同時に『選択肢を絞ることや変化が少ないこと』はコウにとって安心につながるのだということは覚えておくようにしていました。Upload By 丸山さとこそれを特に強く意識させられた出来事がありました。コウが小学4年生のころ塾の説明会に親子で参加したときのことです。講師の方から「勉強をすると選択肢がたくさんになるね。勉強をしないと少なくなる。どちらがいいと思う?」と聞かれたコウは、「勉強をしない方がいいです」と答えました。「選択肢が多いのは不安だから、『これしかない』って方が安心できます」と言うのです。その理由を聞いて、私は「なるほど…コウらしいな」と納得しました。「選択肢を広げることは、コウの負担を減らすこともあれば増やしてしまうこともあるのだな」と改めて思った出来事でした。また、こだわりに関しては「大きく困らないこだわりはそのままにしておく」という方針も持っていました。例えば、前述の『クモの巣を見ると始まるコウの解説』はクモの巣を怖がらなくなってからもしばらく続きましたが、「解説を聞くだけでOKならいいか」と思い、毎日「そうだね」と相槌を打っていました。コウがクモの巣という存在を受け入れるのに必要な時間だったのか、単に飽きるまでの時間だったのか…3ヶ月ほど続いたころ、そのクモの巣解説の儀式はスーッと消えていきました。Upload By 丸山さとこ「大きく困らないこだわりであれば安心のもとになるからいいのかな?」と考えて長い間続けたルーティンには、『お弁当の中身を変えない』というものもありました。コウのお弁当は、長い間「特定のメーカーの特定の1商品のミートボール・たまごやき・ブロッコリー・菜飯のおむすび」からほとんど変わっていません。自宅で食べられるものが少し増えてからは違うおかずを入れたこともありましたが、食べたり食べられなかったりしているうちに自宅でも食べられなくなることがありました。Upload By 丸山さとこコウにとって、園や学校行事でお弁当を食べるときは、遠足や運動会など『日常ではない特別なイベント』が行われているときです。そんな日は『いつも通りのお弁当』があることが何かしら安心につながるのかもしれません。当時のコウが何を考え何を感じていたのかは分かりませんが、「多分、残さず食べられるお弁当がコウにとってはよいお弁当なんだろうな」と思い、変化のないお弁当をつくるようにしました。中学生になった現在はウインナーもハンバーグも唐揚げも野菜炒めもムシャムシャ食べるコウですが、今でも定番のおかずは飽きないと言います。そんな風にこれまであれこれと対応を考えたり試行錯誤をしたりしてきた私ですが、大体の『コウの困りごと』に対しては、伝家の宝刀『成長を待とう』で見守ることにしています。「いやいや、これは見守ってる場合じゃなくない!?」ということも多々ありますが、できる限りの対応をしたあとは、もう見守るしかないことがほとんどだなと感じます。Upload By 丸山さとこ医師やスクールカウンセラーに相談をしても「本人の成長を待つしかないですね…」「前頭葉の発達待ちですね…」と返ってくることは多く、実際にそうなのだろうなと思いつつ薄目でコウを見守ることはしばしばです。これからも環境を整えたり周囲に相談したりしつつ、『こだわり』などのコウの凸凹と付き合っていけたらいいなと思っています。執筆/丸山さとこ(監修:藤井先生より)丸山さとこさんが、コウさんのこだわりと強化しないように、試行錯誤された様子がとてもよく伝わってきました。薄目で見守るという表現、とても良いですね。お子さんのペースを大切に、そのときを待つしかないといことはよくあります。こだわりを緩められるように対応できるところはしながら、あとは待つのみです。両目を大きく見開いて見ることでいろいろ気にして、焦りからお子さんのペースよりも先回りの、声かけ、手をかけることより、ときを待つのはもどかしいと感じる部分もあるかもしれません。遠回りに思えるかもしれませんが、お子さんの育ちを信じて待つ、とても大切ですね。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月01日株式会社 博報堂アイ・スタジオ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 兼 CEO 兼 CCO:川又 昌弘、以下、博報堂アイ・スタジオ)は、「チャリティー年賀状」2022年度の取り組みから、支援金662,000円を、学校外教育の機会を保障し貧困の連鎖を断つことに取り組んでいる公益社団法人チャンス・フォー・チルドレンへ寄附させていただきました。この支援金額は、先に実施した「チャリティー年賀状 全国学生デザインコンテスト 2023」の入選作品を年賀状のオンライン注文サービス「スマホで年賀状」「ネットで年賀状」にて販売し、ご利用1枚あたり10円を支援金として算出したものです。支援金は今後、経済的な理由で学校外教育を受けることが難しい経済困窮世帯の子どもたちが学習塾や習い事などで利用できる「スタディクーポン」の費用として活用いただきます。チャリティー年賀状ロゴ博報堂アイ・スタジオがこの取り組みを開始した2011年からこれまでの支援金の総額は、11,192,280円となりました。今後も、デザインの力で人と人のつながりを深め、社会課題解決に近づけられるよう取り組み、社会構造改善に向けた活動を支えることでこれまで以上に世の中や暮らしが良くなることを目指し活動してまいります。◎チャリティー年賀状 Webサイト: ■「チャリティー年賀状 全国学生デザインコンテスト」について全国の学校や学生を対象に実施している年賀はがきのデザインを募集するコンテストです。毎年テーマを掲げ作品を募り、募集期間終了後に審査を行い、入選作品を「チャリティー年賀状」として商品化。株式会社CONNECTITが運営する、スマートフォンやパソコンで年賀状の作成から宛名書き、印刷、投函までできる「スマホで年賀状」と「ネットで年賀状」に提供し販売いただきます。そして、1枚のご利用につき10円を支援金として社会課題解決に向け取り組んでいらっしゃる団体へ寄附させていただくと同時に、コンテストへ応募くださる学生を応援する取り組みです。■「スマホで年賀状」と「ネットで年賀状」について株式会社CONNECTITが運営する、年賀状のオンライン注文サービスです。デザインの作成からお年玉付年賀はがきへの印刷、配送までワンストップで行うことができます。印刷されたはがきのお届け先は、ご自宅以外にお相手先様への直接お届けもご選択いただけます。アプリ版「スマホで年賀状」は2012年版から2022年版の11年間で累計600万ダウンロードを達成。スマホひとつでカンタンに作れる点が支持されており、購入者の8割強が女性、中でも特にママ層からの人気が高い年賀状作成アプリの決定版です。■株式会社CONNECTITについて株式会社CONNECTITはリアルコミュニケーションとデジタルコミュニケーションを連動させたサービス提供を専門とした、デジタルコンテンツ及びサービス制作会社です。ママや家族のより便利で快適な暮らしを、ITを通じてサポートするべく、生活者に寄り添った様々な事業開発・運営を行っています。━━ 会社概要 ━━【名称】 株式会社CONNECTIT(コネクティット)【所在地】 〒150-6136東京都渋谷区渋谷2丁目24番12号 渋谷スクランブルスクエア36階【URL】 【代表者】 代表取締役社長 飯野 法志【設立年月】2014年7月【資本金】 1,000万円【活動内容】「スマホで年賀状」「ネットで年賀状」「コンビニで年賀状」の運営業務■公益社団法人チャンス・フォー・チルドレンについてチャンス・フォー・チルドレンは、国内の子どもの貧困・教育格差解消を目的に活動する公益社団法人です。経済的な理由で学校外教育を受けることができない経済困窮世帯の子どもに、学習塾や習い事などで利用できる“スタディクーポン”を提供しています。クーポンの提供と同時に、大学生ボランティアが定期的な面談(電話・オンライン等)を行い、学習・進路相談やクーポン利用に関するアドバイスを行い、子どもたちをサポートしています。━━ 法人概要 ━━【名称】 公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン(Chance for Children,Inc.)【所在地】 仙台事務局: 宮城県仙台市青葉区本町1丁目13番24号 錦ビル7階東京事務局: 東京都墨田区太平1丁目11番6号 そのだビル2階関西事務局: 兵庫県西宮市甲風園1丁目3番12号 カミヤビル3階【URL】 【代表者】 今井 悠介 奥野 慧【設立年月】2011年6月20日:一般社団法人チャンス・フォー・チルドレン設立2014年1月6日 :内閣総理大臣より認定を受け、公益社団法人となる【活動内容】経済的な困難を抱える子どもたちへの、塾や習い事、体験活動等で利用できるスタディクーポンの提供■博報堂アイ・スタジオについて博報堂アイ・スタジオは、オウンドメディアを中心に、データを起点としたマルチタッチポイントでの顧客体験(CX)設計とUIデザイン、企画制作、テック活用、システム開発、PDCAマネジメント運用までをクロスボーダーで提供することで、クライアント企業の「ブランド創造」と「顧客創造」に貢献するデジタル領域のスペシャリスト集団です。また、蓄積したノウハウからイノベーションを吹き込み最適なクリエイティブを提供する研究開発と新たなビジネスを生む自社事業にも積極的に取り組んでいます。━━ 会社概要 ━━【社名】 株式会社 博報堂アイ・スタジオ【所在地】 〒100-0006東京都千代田区有楽町1丁目10番1号 有楽町ビルヂング5階【URL】 【広報Fb】 【代表者】 代表取締役社長 兼 CEO 兼 CCO 川又 昌弘【設立年月】2000年6月【資本金】 2億6,000万円【事業内容】インタラクティブ・クリエイティブ業務、システム開発業務、CRM業務 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年03月30日「できた日記」は、子どもの自己肯定感UP&自信回復にオススメ!Upload By 楽々かあさんこんにちは。『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』ほか、著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。春は何かと子どもの成長を感じるイベントが多い季節ですね。そんなとき、「できた日記」を始めてみるのはいかがでしょう。「できた日記」は、文字通り、その子の「できたことだけ」を記録する、うちのアイデア子育てツールです。特に、学校生活などでは失敗が多くて何かと自信をなくしがちな子どもや、ネガティブな情報ばかりを見つめて落ち込みがちな子どもなどにオススメです(もちろん、それ以外のお子さんや成人の方にも!)。ここではうちの例で「できた日記」のことを、詳しく紹介していきますね。まず、私が「できた日記」のアイデアを思いついたワケをお話します。現在高校生の長男が小学校に入学したばかりのころ、集団生活の中でうまくいかないことが多く、成功体験が少なくて私たち親子はすっかり自信をなくしていました。その後、長男に発達障害の診断がつき、私はそれまでの怒ってばかりだった自分の育児を見直し、少しでもできたことをほめ、学校側にも理解をお願いし、長男はある程度落ち着いていきました。それでも、長男の自信回復には十分ではなく、ちょっとしたことで泣いたり、スグに投げ出したり、心折れたり…。子育てでは「子どもの自己肯定感を育むのが大事」と分かってはいるものの、「できるようになったことも増えたし、毎日こんなにほめているのに、なんでなかなか自信がつかないの?」と、私は不思議に思っていました。そんな中、ピンと来たのが「コトバは消えていっちゃう」という長男自身の言葉。実は「人の話を聞いてない」などと注意されがちな長男は、耳からの情報が入りにくく、せっかくほめても聞いてなかったり、聞いてもスグに忘れてしまうのです。加えて、長期の記憶力が強く、連想ゲームのようにちょっとしたきっかけで自分の失敗体験を繰り返し思い出し、いつまでも落ち込んでしまっていました。でも、長男は目からの情報は入りやすく、例えば、気をつけてほしいことなどは、何度も小言を言うよりも張り紙をしたり、ノートに図を交えて筆談で説明したりすれば、ずっと理解しやすかったのです。そこで、長男の「できた!」体験や親のほめ言葉など、その子にとってプラスになるいい情報も、消えないように「見えるカタチ」で残したら自信につながるのではないかと思い、できたことだけを記録する「できた日記」のアイデアが浮かびました。するとこれが大正解!発達障害の診断のない次男・長女にも「お兄ちゃんばっかりズルい!」と自分たちにもつくってほしいとせがまれ、うちの子たちに大人気の子育てツールが誕生しました。「できた日記」つくり方のコツUpload By 楽々かあさん「できた日記」は、ただでさえ忙しい子育ての合間につくるので、”日記”とありますが毎日記録しなくてもまったく構いません。私は大抵、撮りためた写真整理のついでに一気に制作・更新していました。複数写真をピックアップして印刷する場合はA4普通紙にインデックスプリントすると手軽。クラウド保存の写真は「〇〇のできた」フォルダなどに分けておくと、そのまま共有することもできます。また、最初から凝ったものにすると更新のハードルが上がってしまうので、テキトーでOK。完成度や出来映えで親の愛情を測る必要はありませんから、わが子に「あなたの成長や頑張りを、ちゃんと見ているよ」って伝われば十分です。決まった形式もないので、スクラップブックのほか、コルクボードやフォトフレーム、壁や冷蔵庫への掲示、交換日記やメッセージアプリなど、各ご家庭の都合に合わせて手軽に取り組めそうなものを自由な発想で活用していただければと思います。うちでは基本の「できた日記」はスクラップブックで子どもたちに1人1冊ずつつくりましたが、家族限定SNSや、壁デコ、A4ファイルなどを活用した簡単バージョンの「できた日記」もあります。おうちで「できた日記」にチャレンジしてみるときの、基本のつくり方のコツは…「できた日記」で特に大事なのは、その子にとって”いい情報”だけをピックアップすること(ココさえ当てはまれば、どんなカタチでも「できた日記」です)。"いい情報”とは、例えば…・子どもの「できた!」体験(自転車に乗れた、料理をつくれたなど)・好きなこと、お気に入りのモノ(アート作品、〇〇コレクションなど)・成長の記録(服やおもちゃの変遷、読書歴など)・初めての経験や挑戦、行動範囲の広がり(一人でできた買い物のレシート、バスの乗車券など)・人とのプラスの関わり(家族との日常、友達からのお手紙、先生のほめ言葉の添削など)・すごく頑張ったこと、毎日頑張っていること(苦手な行事への参加、いつも続けていることなど)…などの写真や、実物の切り抜き、コピーなどの"証拠"を集めて、スクラップブックなどに貼って「見えるカタチ」にします。このとき、「〇〇できたね」「いっぱい練習したね」「よく頑張ったね」などのほめメッセージを添えるとさらにGood!(ただし、「次は〇〇にも挑戦しよう」「〇〇もできるといいね」…なんて、うっかり欲張らないこと)また、中高生の子などへの手軽な「できた日記」として、いつも使っているメッセージアプリなどで、”いい情報”をできるだけ多めに投稿して、親子間や家族グループで共有するように心がけるだけでも、その子の心の支えや励みになると思います(特に受験期など)。Upload By 楽々かあさん「できた日記」と通常のアルバムとの違いは、【〇〇のできた!】や【〇〇の記録】などの「カテゴリー別」にページを分けること。例えば…【自転車のできた!】三輪車・ストライダーに乗れた→補助輪つき自転車に乗れた→補助輪が取れた→自転車で〇〇に行けた→自転車で一人旅した…など、乳幼児期から思春期まで、自転車に関する「できた!」を同じページに集めて貼る。こうすると、その子のその部分に関する成長が一目瞭然に。カテゴリー別で分ける目的は「自分自身と比較しやすくするため」です。なぜなら、親がどんなにほめても、子どもが成長するにつれ、自分と周りの子たちとを比較するようになってくると、自分のできないことや苦手なことばかりが気になって、自信をなくしてしまうことがあるからです(親だって、周りの同じ年頃のお子さんと比べると「あれ?うちの子だけ〜ができないのかな」とか、「〇〇ちゃんは、もうそんなことが自分でできるんだ…」なんて、不安になることもあるでしょう)。でも、「できた日記」で1年前、5年前の自分自身とのタテ軸で比較すれば、周りがどうであれ、”自分なり”の成長が見えるように実感できます。「できた日記」を作ったら、扉つきの立派な本棚に大事にしまわずに、その辺に無造作に置いておくのがオススメです。子どもが自分のタイミングでいつでも手に取れるように、リビングや子ども部屋のいつも目に入る場所にさり気なくあるといいでしょう。簡単バージョンの場合も、例えば…【料理のできた!】→キッチンの収納棚や冷蔵庫に、マスキングテープで直接写真を貼る【おもちゃの記録】→おもちゃの収納棚にミニアルバムを一緒に入れておく…など、その「できた!」に関係した場所で、いつも目に入るようにするといいと思います。日常生活の中に「できた日記」がさり気なく存在していると、いつでもどんなときも、例え親に余裕がないときだって、子どもの心に寄り添ってくれます。そして、子どもが落ち込んだときや自分を勇気づけたいときなどに、何度も繰り返し「できた!」体験を思い出し、見直すことができるでしょう。うちの子たちも、学校でイヤなことがあったり、なんとなく元気が出なかったりするときなどに、何度も「できた日記」を手にとって、自分の「できた!」を振り返って成長を実感し、気持ちを立て直したり、心を落ち着けたりしていました。「できた日記」を続けていると…「できた日記」は子どもの自己肯定感UP&自信回復のための子育てツールですが、もう一つ、続けていると親にもいいことがあるかもしれません。それは、自然なかたちで親の肯定的な目線を自分で育てるペアレント・トレーニングにもなるということ。「できた日記」を気長に続けていると、わが子の「できた探し」が上手になってくると思います。日常生活の中で「あ、ラクガキに夢中になってる。シャッターチャンス!」とか、「あれ、ちょっと字がうまくなったかも。保存しとこ」とか…。子どもの小さな「できた!」や、毎日の当たり前のような頑張り、ささやかな成長などに気づきやすくなるんです。そうすると、次第に「できないことより、できたことのほうにフォーカスする」という、ものの見方のくせがついてくるので、子どものことを肯定的に見る練習になるだけでなく、親が自分自身にも温かい目を向けられるようにもなると思います。子育ては長期戦ですから、「いつでもどんなときでもポジティブに」とはいかないこともありますよね。特に、学校ではうまく行かないことが多い子どもや、思春期の子どもなどとは、親子のコミュニケーションに悩まれることもあるでしょう。それでも、今に至るまでの、その子の小さな頑張りや成長の積み重ねと、それを支えて見守り続けてきた親の目線があることを、「できた日記」はちゃんと見ていてくれますからね。文とイラスト、写真提供:大場美鈴(楽々かあさん)(監修:初川先生より)「できた日記」、素晴らしい手立てですね。長男くんの言っていた通り、(話した)言葉は消えてしまいます。そして、何かで苦戦すると芋づる式にうまくいかなかった記憶がずるずると思い出されてしまうことがあります。「できた」ことだけを記録する、手軽に手に取れる場所に置く、気合いを入れてつくると疲れてしまうから簡単なものでもよい。こうしたコツをシェアしていただけると、「やってみようかな」と試してみたくなりますね。幼いときは特にちょっとしたことができただけで、すごい!とほめられてきますが、年齢を重ねるにつれ、できて当たり前とみなしてしまうことが増えがちで、ほめポイントも分かりづらくなります。大人が小さな目盛りで子どもの成長を見つけてほめることができるか、それが結構大事なことです。「できたほうのことにフォーカスする」という見方のくせをつける。大人がこつこつと身につけていきたいことですね。大場美鈴(著),『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』あさ出版, 2020.6.27コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年03月30日「世界自閉症啓発デー」とはUpload By 発達ナビニュース2007年の国連総会で、毎年4月2日を「世界自閉症啓発デー」とすることが定められました。国連加盟国では、自閉症(自閉スペクトラム症/ASD)についての理解が進むように意識啓発の取り組みを行うよう求められています。日本では、4月2日から4月8日は発達障害啓発週間となっています。自閉症(自閉スペクトラム症)についての認知は、日本でもここ最近高まってきています。しかし、今もなお偏ったイメージを持っていたり、正確ではない情報が存在しています。自閉症(自閉スペクトラム症)の研究は現在も続いていますが、はっきりとした原因はまだ特定されていません。何らかの脳機能の障害であると考えられており、しつけや愛情不足など育て方が直接の原因ではないといわれています。自閉症(自閉スペクトラム症)のある子どもは、さまざまなこだわりを持っていることが多いです。また、感覚過敏や感覚鈍麻などの特性がある場合も多くあります。そのため、育てにくさを感じたり、適切な接し方が難しいと感じる保護者も少なくありません。しかし周囲の自閉症(自閉スペクトラム症)についての理解や支援が十分であれば、自閉症(自閉スペクトラム症)があっても住みやすい環境で、その人らしく充実した生活をすることができます。「世界自閉症啓発デー」は、この社会で、多くの人が自閉症(自閉スペクトラム症)への理解を深めることで、自閉症(自閉スペクトラム症)のある人を含めたすべての人が過ごしやすい世界を実現していくための日です。「世界自閉症啓発デー」には、シンボルカラーがあります。「癒やし」や「希望」などを表すブルーが、その色です。毎年4月2日は、ナイアガラの滝やピラミッドなど、世界中のさまざまなランドマークが青に染められ、また青い服を身に着けるなどの青をテーマにした啓発イベントが各国で行われます。日本でも、東京タワーやスカイツリーをはじめ、各地のシンボルとなっている建物などが、例年、青く染め上げられています。SNSを「ブルー」にそめよう!Warm Blue2023キャンペーンUpload By 発達ナビニュース4月2日には、シンボルカラーである「青い」ものを身に着けたり、ブルーにデコレーションした施設などの写真をSNSに投稿してみませんか?以下のハッシュタグをつけてぜひ投稿してください。#自閉症啓発デー #WB_2023 #2023TT #LIUB #発達ナビ投稿したブルーの写真やメッセージは、下記のSNSアカウントなどでシェアされる予定です。東京都自閉症協会twitter東京都自閉症協会facebook Blueギャラリー | 東京都自閉症協会発達ナビ連載陣にも「青」をテーマにイラストを描きおろしてもらい、SNSで発信中です。青いイラストとともに、みなさんのメッセージを添えて、ぜひシェアをしてください。多くの人たちにメッセージを伝えてみてほしいと思います!4月2日、さまざまなイベントが開催!2023年4月2日は、オンラインで、さまざまなブルーアクションを紹介する生配信が企画されています。日本各地の当事者団体や賛同する企業などの取り組みに注目です!日時:2023年4月2日17:30配信スタート(予定)司会:不破ふわお、東海林杏朱ゲスト:東ちづる、天道清貴ほか2023も企業や自治体、当事者団体、自閉症のある仲間たちなど、さまざまな参加を予定しております。また今年はウクライナ・ヘルソンの自閉症のあるご家族の団体が、世界自閉症啓発デーに向けて動画を寄せてくださったそうです。ぜひご覧ください。参考:ウクライナから届いた動画| 東京都自閉症協会参考:東京都自閉症協会コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年03月29日初めての模試!申し込み日もリマインダで!昨年の10月の終わりのことです。学校からもらった年間スケジュールを見て、そろそろ模試があるころだと知っていた私は、娘に「11月に入ったらすぐ模試があるはずだから、学校からのメールに気を付けて。期日までに申し込みしておいてね。できる?」と言いました。娘は「おっけー」と軽い返事。娘の在籍している通信制高校は、試験の日だけでなく申し込みや検定料の支払い日などもメールでリマインダしてくれるので、忘れることはないでしょう。私も娘に任せることにしました。しかし…できていなかった模試の申し込み11月の最終週、その模試がある1週間前に、学校から私宛にも「今度の週末模試があるよ」とリマインダが来ました。それで念のため、娘に「模試の申し込みをした?」と聞いたら「したよー!」とのこと。よかったよかった、自分で申し込みできたのね、WEBって便利だなあ、と思ったのですが…「した」というのは「作業をした」ということで、「完遂した」という意味ではなかったのです…!「したよ!」と言ったのは嘘じゃないけど...模試の3日前にふっと自分の手が空いたので、車で送迎するため模試の場所を確認しておこうと、娘に「模試はどこであるの?」と聞いたのですが、なんと娘「分かんない。聞いてない」と言うじゃないですか!?いやいや、そんなはずはないでしょう、あと3日ですよ?娘宛のメールを確認したら模試の申し込み完了のメールが来てなかった、それでどうも申し込みができてないようだと気がついたのでした。模試の3日前に!Upload By 寺島ヒロ以前から、分からないところがあるとそこでストップしてしまうという特性がしばしば見られていたのですが、そこに見事にはまってしまった感じでした。フォームはリロードしたら有効期限が切れてしまい、これまで記入していた文字もリセットされてしまいました。「スクロールを忘れる」という謎模試の1つや2つ受けなくても構わないのですが、こういうことがなぜ起こるのか、本人に意識してもらわなければいけないと思いました。そこで、娘と一緒にどこで失敗したのかを確認することにしました。もう一度申し込みフォームを立ち上げ直して丁寧に見ていくと、フォームの最後に「受験票を受け取って申し込み完了となります」と書いてあり、受験票を受け取れる場所が模試を受ける会場であることも、電話番号も記載されていました。どうも娘は最初に表示される範囲しか読んでおらず、スクロールしたら現れる部分を見逃していたようです。紙であれば、物理的にまだ読んでいないところがあると分かるのでしょうが、WEB上だと、読んだ部分だけで「意味が通らないな?」と思っても、「まだ何かあるんじゃないか」と考えて探してみるということができなかったのですね。問題はスクロールではなく「放置癖」結局、模試の方は、すぐフォームに記載されていた番号に電話をし、受験票を発行してもらうことにして、無事受けることができました。しかし、問題はスクロールをしない、することを思いつかなかったことよりも、分からないものを放置するということです。「もういいや!」と思い決めて放置するのならまだいいのですが、「分からない、面倒くさい、頭が疲れてきた、あとでやろう」と思って忘れてしまうので、やるつもりだったのにできなかったと本人も落ち込みます。Upload By 寺島ヒロ分からないことがあったらすぐ行動!しかし、今回のことでいっちゃんも少し懲りたらしく、「分からないことは放置しない!お母さんに聞く!お母さんが寝ているときはお兄ちゃんに聞く!お兄ちゃんも寝ていたら先生にDM!」と心がけを新たに宣言しました。とても根深い問題なので、なかなかすぐに直すというわけにはいきませんが、少しずつでも完遂力を身につけてくれるといいなと思います。執筆/寺島ヒロ(監修:新美先生より)エピソードを聞かせていただきましてありがとうございます。スケジュール・進捗管理や、各種申し込み手続きのようなことは、身につけるのに苦労するスキルですね。寺島さんのエピソードでお伺いしたように、中高生の年代にサポートしながら自分で経験し、試行錯誤しながら身につけていけることは理想ですね。基本的には本人にまかせながら、困ったらヘルプを出すということも練習してやっていけるのもいいですね。ただ、周りがいくら心配しても、本人がある程度危機感を感じないと、かえっていろいろ言われると抵抗するかもしれません。エピソードのように、単位や受験などに関わるような出来事は本人が危機感を感じるのにちょうどよいきっかけになりやすいです。また反抗期で親だとサポートしにくい場合など、状況によっては学校の先生や支援者など家族以外にもサポートしてもらうこともよいかもしれません。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年03月29日「授業中や食事中に立ち歩いてしまう」自閉スペクトラム症(ASD)と注意欠如・多動症(ADHD)のある小学1年生発達障害の専門家が出会った子どもたちや、その保護者の抱えていたリアルな「困った!」をもとに、対応策などをドキュメントタッチで解説します。今回は、「授業中や食事中に立ち歩いてしまう」自閉スペクトラム症(ASD)と注意欠如・多動症(ADHD)のある小学1年生の子どものエピソードです。Upload By 専門家体験談Upload By 専門家体験談Upload By 専門家体験談マンガ/taeko解説:「座ること」が目的になっていませんか?大切な4つのポイントーー言語聴覚士今回は、自閉スペクトラム症(ASD)と注意欠如・多動症(ADHD)のある小学生のエピソードをもとにマンガ化してお届けしました。小学校に入学して、「授業中や給食中に立ち歩いてしまう」というお悩みはよく聞かれます。先生から面談などで話を聞き、どうすればいいのか悩まる保護者の方もいらっしゃることと思います。ここで意識したいのは、目的と手段です。座ることが目標や目的になってしまうと、座ったことでそれが達成されてしまい、その先がないために子ども自身もどうすれば良いのか分からなくなることが少なくありません。ポイント1.座ることは目標・目的ではなく手段であることを、保護者も意識してみるポイント2.「~をする」ために座るということが明確にして子どもに伝え、座る必要性があることを学ばせるポイント3.環境によって立ち歩いてしまう理由が異なるため、子どもの発達特性を踏まえて対策を考える子どもが数秒でも「座れている」場面に注目することで、気づきがうまれることも。ポイント4.専門家や学校の先生に相談する際は、事前に普段の子どもの様子を撮影し持参する相談の場で一緒に映像で子どもの様子を確認することで、具体的な手立てを考えやすくなる。今回は、4つのポイントをご紹介しました。ご家庭でのお子さんとの関わりや、専門家に相談する際の参考にしてみてください。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年03月28日心療内科とは?精神科とは?心療内科とは、何かしらのストレスが背景にある心や体の不調を診ることを専門とする診療科です。精神疾患の中には、症状として頭痛や吐き気、めまいなどの体調不良が現れるものがあります。しかしその不調の原因が精神的なものと分からないまま対処しても、なかなか症状が改善しないことがあります。また、身体疾患でも、症状が悪化したり経過が長引いたりすることに、精神的な要因が大きく関わるものもあります。そんなとき、症状の原因となる精神的なストレスに、カウンセリングなどを通してケアも同時に行うのが心療内科です。心と体の関係を考えながら、体の不調をケアしてくれるのが心療内科なのです。参考:心療内科(心療内科)|厚生労働省e-ヘルスネット精神科は精神疾患の診断と治療を専門的に行います。厚生労働省が認定した国家資格の医師資格を持ち、精神疾患や精神障害、神経症、心身症などの診断と治療を行う場所です。主な治療の内容としては、薬物療法や心理社会的治療、精神療法などを行います。以前は、統合失調症 やうつ病が精神科受診の代表でしたが、最近では認知症や依存症、発達障害などでかかる人も増えてきました。参考:精神科医(せいしんかい)|厚生労働省e-ヘルスネットQ:心療内科と精神科に違いはあるの?行く目安や病院の選び方で大切なことは?ストレスが背景となる不調があるときには、精神科への受診をイメージする方も多いと思います。心療内科と精神科とは何が違うのか気になる方もいらっしゃるかもしれませんが、心療内科と精神科の診察の対象となる病気は、現時点では明確な区別はありません。ただ、心療内科には「内科」とついていることからも分かるように「身体症状」に対する対症療法などの経験が豊富な医師が多いようです。ストレスが背景となる不調がある場合、心と体の様子を見ながら時間をかけて治療することが多くあります。心療内科、精神科いずれの場合も医師との相性を重視し、「自分にとっての良医」を探すことが大切です。そのための一つの指針として薬の「飲み心地」について話し合えるかどうかが重要です。不安なことや、悩みがある場合、気軽に相談できる病院を選べるとよいでしょう。Upload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホンQ:頭痛や吐き気などが続いています。このような身近な症状でも心療内科や精神科を受診してもいいのでしょうか頭痛、倦怠感、吐き気などの体の不調が続くのはストレスが背景にあるかもしれません。ストレスが招く体の不調には以下のようなものがあります。・頭痛・倦怠感・めまい・不眠・過呼吸・食欲減退、過食・吐き気・胃痛、腹痛、下痢・動悸・咳、ぜん息発作・発汗・抜毛など身近な症状が多く並びます。このような不調が続く場合、その背景には以下のような疾患が隠れている可能性があるのです。Upload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホンQ:心療内科や精神科の受診対象となる病気や障害は?Upload By マンガで分かる発達障害のキホンうつ病は気分障害の一つで、一日中気分が落ち込んでいたり、何をしても楽しめないなどの精神症状と、不眠、食欲減退、疲れやすいなどの身体症状が現れます。統合失調症は、脳のさまざまな動きがまとまりづらくなり、幻覚や妄想などの症状が起こる病気です。幻覚や妄想は本人には現実のように感じてしまうので、病気が原因だと自分自身で気づくことが難しいといわれています。うつ病の中でも、心の不調が体の不調に隠れてしまっているものが「仮面うつ病」と呼ばれています。主な症状は吐き気や腹痛、倦怠感、動悸などです。身体症状なので、精神科や心療内科ではなく内科、産婦人科などで診察を受けても異常が見つからず「単に調子が悪いだけ」と誤診されてしまうこともあります。過敏性腸症候群(IBS)は腹痛や下痢、便秘といった腸の不調が見られる病気です。日常生活への支障は痛みによる不快感だけではありません。急におなかが痛くなってトイレへ駆け込む、出勤前にトイレから出られなくなる日が多いなど、学校や仕事に影響が出ることもあります。【参考】機能性消化管疾患心療ガイドライン2014|日本消化器病学会自律神経とは、体のバランスを整える神経です。その自律神経のバランスが崩れることにより起こる倦怠感、不眠、めまい、頭痛、動悸、食欲不振などさまざまな症状の総称を自律神経失調症といいます。なお、自律神経失調症は正式な病名ではありません。参考:自律神経失調症(じりつしんけいしっちょうしょう)|厚生労働省e-ヘルスネット突然息苦しさを感じ、呼吸が乱れ、息が入ってこないように感じるのが過換気症候群(過呼吸)の特徴です。動悸や胸の圧迫感のほか、手足のしびれや筋肉のけいれんを感じることもあります。突然息苦しさや動悸、冷や汗、恐怖感などを感じてパニック状態になる症状が起き、「またパニックが起こるかもしれない」と感じ、そのせいで社会生活に支障の出ている状態をパニック障害といいます。不安感が原因で外出ができず、学校や会社へ行くことができなくなることもあります。食事をうけつけなくなる「拒食症(神経性食欲不振症)」と、無謀な食べ方を繰り返す「過食症(神経性過食症)」。この両方を合わせて摂食障害と呼びます。どちらもやせ願望や肥満恐怖をもち、心身両面からの専門的治療が必要になってきます。バセドウ病に伴う動悸や発汗などの身体症状やイライラなどの症状が精神症状と間違えられることがあります。バセドウ病の確定診断と治療は、内分泌内科で行われます。脳そのものの病気や脳血管障害などの理由により、認知機能の低下が起き日常生活全般に支障が出てくる状態を指します。代表的な種類とてしてアルツハイマー型認知症などがあります。なお、認知症の診断には、頭部CTスキャンなどの検査が必要であるため、検査装置を備えた医療機関を受診する必要があります。特定の物質や行動ややめたくてもやめられず、日々の健康や人間関係、仕事などに悪影響や支障が起きている状態のことです。アルコール、ニコチン、薬物などが原因の物質依存症とギャンブルなどが原因の行動嗜癖(こうどうしへき)、うつ病、統合失調症を始め、仮面うつ病、過敏性腸症候群(IBS)、自律神経失調症、換気症候群(過呼吸)、パニック障害、摂食障害、などがあります。最近は認知症、依存症、発達障害なども増えてきましたなどがあります。生まれつきに見られる脳の働き方の違いで、行動面や情緒面の特徴が幼児期からみられます。自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)、限局性学習症(学習障害)、チック症、吃音などが含まれます。心療内科や精神科における治療の流れ心療内科や精神科ではカウンセリングを含めた診察、検査を経てそれぞれの症状に合わせた治療を行います。まずは医師に現状を伝えます。病歴や症状、薬を飲んでいるかなどはもちろん、原因になりそうなストレスや家族との関係、生育歴などを話します。もし同じ病状でほかの病院にかかっていた場合はそれも話しておくと良いでしょう。うまくまとめて話せないことも多いため、受診前に簡単に話す内容をまとめてメモしておくとスムーズです。話しているうちに人間関係や仕事の相談をしたくなる気持ちも出てくるかもしれません。ですが、心療内科の医師は体の不調の原因を探るために話を聞いています。悩みを聞いて答えを探してほしいという場合は、カウンセリングルームを利用するという方法もあります。じっくりと話を聞いてもらえ、一緒に考えてくれますが、健康保険が適用されません。問診のあとは体の不調の原因や程度を探るため、必要に応じて血液検査、心電図などが行われます。心理状態や性格を知るために、心理検査(心理テスト)をすることもあります。簡単な質問に答える検査のほか、カードに描かれた模様を見て何に見えるかを答えるロールシャッハテストなど、あいまいな質問で深層心理を探る検査が行われることもあります。心療内科や精神科診療にはどのくらい費用がかかる?心療内科や精神科へ行こうと思ったとき、気になるのは費用ではないでしょうか。内科と違って問診(カウンセリング)の分の時間もかかるので、高額なイメージはあるかもしれません。カウンセリングルームとは違って医療機関では健康保険が適用されます。そのため驚くような額にはなりません。ただし医療機関の診療では、初診以外は何十分も時間をとれるわけではないことも憶えておく必要があります。病院によりますが、保険適用になるため、初診で払う費用の目安は2500円~5000円程度のことが多いようです。症状によっては薬や検査代が別途かかることもあります。臨床心理士によるカウンセリングを行っている場合など、別途予約料が必要なところもあります。予約の要不要を含めて、行く前に病院のシステムを調べておくと安心です。心療内科の対象となる病気には、自己負担が1割となる「自立支援医療制度」が適用されるものもあります。利用には医師の診断書と市町村での申請が必要で、市町村や都市に指定された「指定自立支援医療機関」でなければ適用されませんが、大半の心療内科や精神科の医療機関は指定を受けています。治療に時間と費用がかかる場合は、制度の適用について医師に相談してみると良いでしょう。参考:自立支援医療(精神通院医療)の概要|厚生労働省「自分にとっての良医」を探すことが大切心療内科や精神科は、ストレスが原因と考えられる多様な症状に対応してくれます。費用もほかの診療科とそれほど変わらず、特に高額ではありません。症状の中には自覚しづらいものも多くあるので、気になる症状があれば、一人で抱え込まずに一度心療内科や精神科へ行ってみるのも良いでしょう。ストレスの内容や症状について話すことで、客観的に自分を見つめることもできます。ストレスが背景にある不調や病気などは、心と体の様子を見ながら時間をかけて治療することが多いため、医師との相性を重視し、「自分にとっての良医」を探すことが大切です。あわせて普段からストレスをためないような生活を送ることも重要です。ストレスは多くの病気の引き金になります。学校や仕事、人間関係など、ストレスと無縁に生きることはできませんが、できる限りため込まず上手に発散できると良いですね。イラスト/taekoコラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年03月28日こんにちは。HugMugフレンズの海老原です。我が家は今年受験生の中学3年生の長女小学4年生の長男幼稚園、年長の次男の3人の子供達がいます。今回は、我が家の子供達の習い事について書きたいと思います。スピード重視!納得できるまで体験をし、子供がやる気なうちに入会わたしは、納得するまで興味のあるものは体験をし親と子供のやる気の温度差が違わない事を確認し入会させました◎子供も素直なので興味のあるものや、すきなことには真剣で集中して楽しんでいたので体験中に、ほぼここだな。とかここ違うな。と分かっていたので興味のあったものに関しては何回か体験をさせました。やるのは子供なのでやる気がないなら、やらない方がいい。と始める前に白黒つけ、子供と話し合い決めました。継続の秘訣は目標を作る!親はそれを全力でサポート!どんなに辛くてもやると決めたら目標を持って続けること。途中で投げ出さないと約束できたら全力でサポートする。そう伝えてます。自分の発言と行動に責任を持ちなさい。といつも言っていて気分で、やめたい。行きたくない。と言う日もありましたが...続けて結果を出す辛さや努力し結果を出した喜びはまず続けないと絶対にダメだよ。と伝えてます。歳の差兄弟も一緒に通える空手娘が小学1年生の時に空手を始めました。小学生になったら何か習い事をさせよう。と考えていて...娘が興味を持った、体を動かすチア、バレエ、新体操、英会話と体験を申し込み参加させるも集中力が続かない。途中でギブアップ...そんな時に、チラシが入っていた空手教室へ体験の申し込みをしたのが始まりでした。1ヶ月の体験をし、ここだ!と思い娘がやる気なうちに入会させました。空手のおすすめポイント!・先生がちゃんと叱り、褒めてくれる・スイッチの入り切りがはっきりとしている・礼に始まり礼で終わる。礼儀作法を身につける・上級の子が指導し、下の子が学ぶ関係性・空手の初段以上を持っていると受験など内申書にプラス初段以上を取得していると、高校入試の特色化選抜に内申として書けるのと大会で成績を上げていれば、特待生として推薦で高校、大学と進学できます。就職では、警備会社や銀行などから内定をもらえると将来的にも長く続けられる習い事だと思っています。姿勢がよくなり、小さい頃から礼儀作法を身につけることができるところが個人的に1番のおすすめpointです◎目標に向かって努力する姿に心からやって良かった娘も入会当初から目標にしていた黒帯の初段を取得しました。黒帯になると自分の名前を好きな色で刺繍できるので黒帯になった時は大喜びでした。小学4年生の長男は兄弟と一緒の空手教室の他にもう一つ違う空手教室に通っています。形も組手も優勝したい!そう言われ兄弟と同じ空手教室では形を学びもう一つの教室では、全国クラスの高校生に混ざって組手を学んでいます。真っ白な白帯から緑帯になり形、組手では共に準優勝娘の空手に一緒に連れて行くうちに興味を示しやる気になり、長男が入会。次男も同じような流れでした。小学生になったらと思っていましたが泣きながら「やりたい!」と言われ本人がやる気なら。と先生と話し合い2ヶ月の体験をさせ年中の時に入会兄よりも早くに黒帯になりたい!と先日の昇段審査で黄帯になり今はかなりやる気みたいです。笑空手には、組手と形があり道着以外に揃えるものがこの一式このセットを我が家は3つやはり習い事はお金がかかるのが現実。正直、スポーツは月謝だけで済まないことが多く大会や昇段審査、認定料などもあり体験の時点でこれからかかる費用やスケジュールなども含めて夫婦会議をしました。わたしは、ここも大切な習い事を始めるポイントだと思っています。コロナ禍にジュニアオーケストラに入団しチェロを専攻コロナ禍での、小学校入学だった長男音楽の授業がなくなったのをきっかけに「音楽がやりたい。ピアノ教室に通いたい!」と言われ体験へ週1回のレッスンで月4回の体験を終えた時先生との相性が合わなかったみたいで...「ピアノやらない。違う音楽にする」と半泣きで。笑しばらくして学校からチラシを持って帰りクリスマスコンサートに行きチェロの演奏会に参加したのがきっかけで小学2年生の時に入団となりました。初心者クラスのレッスンを3回受けて息子がやりたい!と言うのでこの時点で長男は空手と公文をやっていて正直、遊ぶ暇もなく大変だよ!と思ったのもありオケに入団となればコンサートもあるし家族のスケジュールもあり...一度他の習い事のスケジュールも確認し家族会議をしました。音楽を習い事にすることは賛成でした。コロナ禍でYouTubeで見ていた西方正輝さんの演奏に憧れていた息子「どうしても、やりたいと!」何回も説得されたのが1番大きいかな。「空手も公文もチェロも全部頑張る!」と毎週レッスンを楽しみにしています。「チェロを弾いていると楽しくて、幸せな気持ちになるんだよ。」そう息子が言った一言がとても印象的でした。息子の中で帰宅したら直ぐに、集中して問題を毎日解く公文思いっきり体を動かす空手大好きな音楽を奏でるチェロと心と体のバランスが取れているのかもしれません。チェロのおすすめポイント!弦楽器を触れる機会って中々ないし楽譜が読めなくても初心者でも始められるところは個人的におすすめです◎音楽を通じて新しい友達もできすきを習い事にできて良かった。今はそう思っています。学習習慣を身につけるのに最適な公文わたしは、子供2人が公文に通っていたのもあり次男も小学1年生になったら絶対に通わせたいと思っています。公文をおすすめするポイントわたしの個人的意見ですが、おすすめポイントは...1. 自分から学習する姿勢が身につく2. 毎日コツコツ繰り返し問題を解き計算力がつく3. 入室、退室とメールでお知らせしてくれ安心4. 先生との面談もあり教室での様子などが分かる公文に行き、本当にびっくりするぐらい計算力が高くなりそこは本当に公文に感謝しています。入室、退室と携帯に連絡が来るのでわたしは、冬時期の暗くなる時間が早い時はお迎えは途中まで行っていました。これは大助かりでした◎時計を近くに置いてよーいスタート!と掛け声をかけやる気を出させる我が家では帰宅したら、まず直ぐに公文をやらせています。時間が経つと、ついダラダラとしたり後回しにしてやる気がなくなってしまい始まるまでに時間がかかってしまうので...公文が終わったら、おやつタイム!と決めて必ず近くに時計を置き「よーい、スタート!」と掛け声をかけ、何分でできるか。と息子のやる気を出しています。公文から塾に変えたタイミング小学校5年生の時に娘を塾に変えました。文章問題、時間、図形、単位が苦手計算問題は得意だけど、それ以外が苦手に。家でドリルなどを購入し、やっていましたがどうしても怒ってしまい...親が教えるより先生が教える方がお互いいいと思い塾に変えました。高学年になり、苦手をそのままにすると中学校になり大変になるので個人的には、長男も高学年になるタイミングで一度検討しようと思っています。「話し合い最後は、子供自身が必ず決める」長女は、塾と空手と部活長男は、公文と空手教室2つとオケ次男は空手わたしから、やりなさい。と言ったことはなく子供達が自分達で決めた習い事兄弟の間にも、憧れや負けない!という気持ちがあるみたいで...長男は長女の後を追い越せ追いつけと頑張っていて次男は長男に憧れ、頑張っている姿を見て正直、送迎や付きっきりの習い事の時間などもあり大変ですが、子供のやる気や頑張る姿が誇らしく、日々の活力だと思っています♡娘が長男の勉強を教えてくれ長男が次男に空手の形や組手を教えてくれわたしも助かっています。先輩ママから親がサポートできるのは中学生まで。だから全力でサポートし一緒に楽しんでください!そう言われた言葉があり、習い事などで可能性を広げている姿を間近で全力で応援したいと思うようになりました。習い事を通じてわたしも新しいママ友ができたり子供達と楽しんでいます。これから習い事を始めようか悩んでいる人の参考に少しでもなれば嬉しいです♡
2023年03月28日山万株式会社(本社:東京都中央区日本橋小網町6番1号、代表取締役:嶋田 哲夫、以下「山万」)が千葉県佐倉市ユーカリが丘(1)で開発を行うニュータウンにおいて、山万グループの社会福祉法人ユーカリ優都会(理事長:嶋田 哲夫、以下「ユーカリ優都会」)は、運営する学童保育併設型グループホーム「ユーカリ優都ぴあ」に2023年3月より、市内の学童保育所に先駆けて、施設内にWi-Fi設備を整備し、学童保育所に通う子どもが利用できるようにいたしました。約3000坪のケアガーデンよりユーカリ優都ぴあを望む山万は共働きの進展に伴い、子どもが小学校に進学するタイミングで仕事と家庭の両立が難しくなる社会的な課題である「小1の壁」を、ユーカリが丘でいち早く解消し、親世代が安心して働き続けることのできる環境を整備するために、「ユーカリ優都ぴあ」を開設すると共に、山万グループ各社と連携してニュータウン内の学童保育所の指定管理者と運営を行っております。「ユーカリ優都ぴあ」は山万グループが開発する「福祉の街(2)」に2007年8月、首都圏初の学童保育・グループホーム併設型施設として開所しました。近年は核家族化の進展に伴い世代間交流の機会が減少しております。そこで「ユーカリ優都ぴあ」においては、祖父母世代には大家族的に子どもと交流する空間を設け、明日が待ち遠しくなるような生き甲斐を創出すること、さらに子世代には健全に心身が成長する場を設けるだけでなく、超高齢社会において年長者との生活を経験した人材として成長することをコンセプトに、学童保育所に通う子どもとグループホームに入所する高齢者がひとつ屋根の下で共に生活することのできる学童保育・グループホーム併設型施設としました。グループホーム入居者と児童がふれあう様子普段の学童の様子また「ユーカリ優都ぴあ」内の学童保育施設では自主性を重んじており、大人が見守る環境の中で子どもたちは自分でその時間をどう過ごすかを決め、必要があれば子ども同士で話し合いルールを作ります。季節ごとの花が咲く約3,000坪のケアガーデン「みんなの庭」(3)で遊び、グループホームの入所者と触れ合う子どもや、段ボール工作に取り組む子どもなど、優都ぴあに通う子どもたちにとっての「第2の家」となっています。2019年に開始された「GIGAスクール構想」により、小学校におけるICT教育が一般的となり、児童一人ひとりにタブレットが配布され、タブレットを使ってインターネット通信を利用した学習が始まっております。そうした時流の中、学童保育所へ通う児童にとっての「第2の家」として、より自由な自主学習を後押しするため「ユーカリ優都ぴあ」は佐倉市の学童保育所に先駆けてWi-Fi環境を導入しました。学童利用児童の中で、以前よりIT分野へ興味を持っていた児童が、卒業制作として自分がこれまで過ごした「ユーカリ優都ぴあ」の紹介動画を作成することを希望していました。そこでWi-Fi通信環境を整備したことで、タブレットやパソコン、スマートフォンを利用して、動画編集のやり方などを自分たちで調べ、子ども達が意見を全員で出し合いながら、施設の紹介動画を作成する光景が見られるようになりました。今後も山万グループは、時代に合わせた施設整備と先進的なサービスを提供することで、すべての親世代が安心して働き続けることのできる地域づくりに取り組んでまいります。1)「ユーカリが丘」1971年に開発が開始された、千葉県佐倉市に立地する総開発面積約250ha(計画総人口約3万人)のニュータウンで、山万株式会社が開発を手掛けています。「自然と都市機能が調和した新・環境都市」を目指し、京成本線ユーカリが丘駅周辺の住宅・商業一帯の超高層立体開発と、新交通システム「山万ユーカリが丘線」の各駅徒歩10分圏内に展開される一戸建ての平面開発を行っています。(2023年2月末現在人口:18,880人、世帯数:7,891世帯)2)「福祉の街」ユーカリが丘北部約15haの敷地に医療・福祉機能に加え多世代交流の場を設けたエリアのこと。単なる老人村とせず、野菜・果物の収穫など利用者の持てる可能性を発見し、自らの存在感と自信を取り戻せるよう援助しながら、楽しさや幸福感の方向へ気持ちの転換を図る「ダイバージョナルセラピー」を推進しています。また、今後は広域福祉の拠点として、教育施設や在宅介護のベースとしての機能整備を図っていきます。3)「約3000坪のケアガーデン『みんなの庭』」約10,000m2の庭の中に「五感で楽しむ庭」「在宅復帰ケアを楽しむ庭」「みんなに開かれた庭」をコンセプトに、特定の決まった療法ではなく、意味のあるレクリエーションを一人ひとりが幸福感を持てるように導く「ダイバージョナルセラピー」を実践できるよう設計されています。四季折々の花や樹木、果実を、五感をテーマにした「キッチンガーデン(味覚)」「フィーリングガーデン(嗅覚)」「フラワーガーデン(視覚)」「プラクティスガーデン(触覚)」「コンタクトガーデン(聴覚)」へ200種類以上配置し、花壇は車いす利用者も花を植えられる高さに配置しています。福祉施設利用者にとっての在宅復帰トレーニングの場だけでなく、学童に通う子供たちや地域の皆様の憩いの場、学びの場として親しまれています。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年03月28日過去の自分と重なった後輩ママさんUpload By ぼさ子2023年が明けたころ、私の住む地域にも次年度小学校入学予定のお子さんに向けて入学決定通知書が届けられました。そして間もなく療育の先生から「ほぺろう君と同じ学校に入学する事が決定したお子さんを育てるお母さんがいるのですが、その方とお話してくれませんか?」という依頼が。過去に私も、身近に同じ境遇の方がいなくて「誰か先輩を紹介してほしい」と療育先にお願いした経験があったので、私でお役に立てるなら…と引き受けさせていただきました。お会いしたママさん(以下、後輩ママさん)のお子さんもほぺろうと同じく自閉スペクトラム症の診断。後輩ママさんの「私は今まで同じ境遇の人に会ったことがなかったんです」という言葉にハッとさせられました。この後輩ママさんは過去の私だと。不安感・疎外感…。「頑張らなきゃ」と感情を押し殺して毎日を乗り越える育児。自分と重なるほかの人に会ったことで「本当はいろんな感情があったんだよな…」とあふれてくるものがありました。私の居住地ではまだペアレント・メンターなどの地域内での繋がりが整備されていないので、後輩ママさんの依頼を受けたとき「よくぞ勇気を出して誰か紹介してほしいと相談してくれた」と思いました。同じ地域の先輩だからこそできる話Upload By ぼさ子後輩ママさんは進学についての不安を持っている様子で、主にほぺろうが通う特別支援学校のことや準備についての話をさせていただきました。大半の子どもたちとは違う進路に行くことによる情報の少なさ・不安感を一年前の私も抱えていたよなぁ…としみじみ。この日は、以前に私もお世話になった先輩ママさんも同席してくださっていたので、一緒に「この特別支援学校で準備する物、放課後等デイサービス、移動支援サービス、病院、この地域での療育手帳の使い方」などなどの情報を伝えました。私が話した内容はすべて かつて先輩ママさんから聞いた話の受け売りですが、過去の私は先輩ママさんにすごく救われたので同じ話をせずにはいられませんでした。先輩ママさんからもらった大切なものUpload By ぼさ子過去、それまで同じ境遇の方に会ったことのなかった私が初めて先輩ママさんにお会いしたとき、育児についてや地域ならではの情報を聞けたことももちろんすごくためになったのですが、一番良かったと思えたのが「先輩ママさんの表情を見られたこと」。このとき、先輩ママさんが不幸そうな顔をしていたら今の私とは違っていたでしょう。お子さんはほぺろうと状況が似ていたので大変な思いもたくさんしてきただろうと容易に想像できましたが、先輩ママさんの穏やかな空気から「ああ、この人は今 幸せなんだな…」と希望をもらえたことを憶えています。私は今でもここが自分のターニングポイントだったと思っています。今回後輩ママさんとお話したとき、同じ進路の子どもを持つ親として私もそんな空気感を出せていたらいいな~なんてチョッピリ意識してしまいました。後輩もいつか先輩へ。つながるバトンUpload By ぼさ子ほぺろうの人生はまだまだこれからだし、障害児育児の先輩と言うには早い私(むしろまだまだ後輩)ですが、今回自分の経験を誰かの役に立てるという機会をいただけたのは、私でも少しは成長した?次のステージに立てた?そして何より、ほぺろうの存在が意味のあるものになったという気がして感慨深かったです。闇の中にいる感覚だった時代の自分に「そんな日が来るよ」と教えてあげたい。月日を経ながら先輩ママさんと後輩ママさん両方と接することができて「これはバトンなんだ」と感じました。最後に、新しい進路を行くお子さんたち、ご入園ご入学おめでとうございます!そして ここまで頑張って育ててきた親御さんたちを褒め称えたい!みなさんにとって希望いっぱいの未来になりますように。Upload By ぼさ子執筆/ぼさ子(監修:初川先生より)特別支援学校に通う子どもを持つ先輩ママとして後輩ママさんとお話をされたのですね。情報の少なさもそうですが、保護者としての心がまえやありようについてのモデルとして、以前ぼさ子さんが助けられたように、今度はぼさ子さんが助ける側になる。ただ助けるというだけではなく、ご自身のこの1年を振り返り、ほぺろうくんやぼさ子さんの成長を感じる機会でもあり、以前お話を聞いた先輩ママの素敵だった笑顔を思い出す。なんと素敵な循環だろう、なんと素敵な機会・ご縁なのだろうと思います。いい意味での「持ちつ持たれつ」が機能しているように感じました。「あのころは私も不安だった」「後輩ママさんは過去の私だ」。日々子育てでみなさん奮闘されていることと思いますが、立ち止まって振り返ってみると、実は結構たくましく成長していたりしますよね。不安の内容や質も以前とは変わっていたり。いろいろな意味で、とても素敵なメンター経験になられたことと思います。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年03月28日ベンキュージャパン株式会社(本社:東京都千代田区、以下 BenQ)は、MindDuoシリーズ新製品として「MindDuo 2」を3月27日(月)に楽天市場、自社HP上で発売いたします。当社HP : 楽天市場: MindDuo 2新学期を控えているこの時期に、多くのご家庭で子どもの学習環境の準備を始めています。時代の変化に従ってオンライン学習やデジタル端末を長時間使用する機会が増える一方、明るさが不足している環境で使用を続け、子どもの眼精疲労が増えているケースが多くみられます。BenQが今回発表する、十分な明るさとデザイン性を兼ね備えた「MindDuo 2」は、グッドデザイン賞の受賞経験があるデザイナーの小池和也氏がデザインを手掛けました。多機能ながらそれぞれの操作がシンプルで子どもでもわかるように、そして成長して子どもの好みが変わっても使い続けられるようなデザインを目指しました。視力低下の一因になるデスクライトの光源を、直接目に触れさせられないように設計された「MindDuo 2」。日本のJIS AA標準規格を超える明るさ、そして柔らかい光で長時間の学習でも目への負担を軽減します。さらに、より集中して学習ができるよう白色光の読書モードとタブレットやパソコンで気になる眩しさを抑える暖色光のスクリーン閲覧モードと2種類のスマート照明モードを搭載しています。どのくらいの明るさが適切であるかが可視化された明るさのインジケーターで確認しながら、7つの色温度と21段階の明るさでお好みの加減に調節できます。BenQは、アイケアを第一に今後も健康的な学習および業務環境の実現に寄与していきます。■「MindDuo 2」の主な特長<BenQ独自に開発した光学設計>MindDuo 2 ランプヘッド独自の埋め込み式設計で、光源をランプの筐体に隠し、遮光効果を実現し、目への負担を減らすことができます。さらに、ランプヘッドにダブル反射設計を採用して広く照らすことで、JIS AA標準規格を超える明るく且つ均一な光を実現しています。これにより、快適な作業環境を実現することができます。<子どもに適した多種多様な機能を搭載>子どもの使用イメージ子どもがデスクライトを使用するさまざまなシーンを考慮して機能が搭載されています。赤外線人感センサーは、子どもが座った後に自動的にランプが点灯して3分間使用されない場合は、自動的に消灯する便利で省エネな機能です。さらに2種類のスマート照明モードがあり、使用用途に合わせて自動で最適な光を提供します。スクリーン閲覧モードは、中央の光源を調整し、デジタル端末の画面が反射しないように目への負担を軽減します。読書モードは、充分な均一の光で子どもの読書に必要な明るさを満たします。また、明るさインジケーターで程度を確認しながら7つの色温度と21段階の明るさでお好みの加減にも調節できます。<プロダクトデザイナー 小池和也氏によるデザイン>プロダクトデザイナー 小池和也氏MindDuo 2はプロダクトデザイナーの小池和也氏によってデザインされました。2012年にデザインスタジオ「Doogdesign.」を設立後、日用品、家具、家電などのプロダクトデザインを中心に企業や国内外のプロジェクトに携わってきました。グッドデザイン賞やiFデザイン賞などの受賞歴があります。<多数の国際認証を取得し、子どもに安心>国際認証を取得MindDuo 2は世界各国で販売するため、アメリカやEUなど先進国を中心に安全認証を取得しています。EUのブルーライトカット標準認証に合格し、ブルーライトを軽減した優しい光で目への負担を軽減します。またアメリカのIEEE PAR 1789の認証を取得し、フリッカー安全基準に基づき光源リスクに問題ないと認められました。EUの人体電磁放射認証に合格し、電磁波の影響も心配ありません。その他、国際的なSGSなどの多数の認証も取得し、安心して使用できるデスクライトです。■「MindDuo 2」及び「MindDuoシリーズ」製品仕様表製品仕様表■BenQについて2021年度 4Kプロジェクター アジア太平洋地域 マーケットシェアNo.1BenQ Corporationは、1984年の設立以来、「Bringing Enjoyment and Quality to Life」をコーポレートビジョンとして掲げ、生活に楽しさとクオリティをお届けすべく、最新のテクノロジーとライフスタイルを結びつけるユニークな製品を生み出してまいりました。現在ではライフスタイル、ビジネス、ヘルスケア、教育という4つの事業領域にフォーカスし、お客さまの生活にとって大切なコト(さまざまな出来事や場面)をさらに輝かせる価値のあるモノ(製品やサービス)のご提供を続けています。■お客さまお問合せ先ベンキュージャパン テクニカルサポートセンターTEL : 0570-015-533E-mail: support@benq.jp 月曜から金曜 9:30~17:00 土日祝日・当社指定日を除く※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、当面の間、時間短縮とさせていただいております。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年03月27日納得してくれたはずなのに、なんで……。コメント欄でも多くの意見をにぎわせた作品「孫の発表会に来たがる義母」。特に1家庭2人までという人数制限がある息子の小学校の発表会に来た義母の言動に、読者から怒りの声が多数寄せられています。この記事を機に一気読みしてみるのはいかがですか?<「孫の発表会に来たがる義母」あらすじ>夫と小学1年生の息子と3人で仲良く暮らしている妻。しかし、妻は義母のやり過ぎた行動に悩んでいました。そして、息子の発表会でちょっとしたいざこざが起き……。 発表会当日。義母は颯爽と現れて…息子の小学校の「学習発表会」では、コロナウイルスの影響で人数制限があり、観ることができるのは1家庭2人まで。夫婦で観に行きたい妻ですが、譲らない義母。さらに夫は義母の肩を持ちます。 しかし、息子の要望もあり、夫婦で発表会を観に行くことに。 待ちにまった、学習発表会当日。義母が小学校に現れて……!? ※マスクは省略して描いています。 「やっぱりどうしても観たくて〜」と言う義母。さらに「知らないフリしてこっそり入れば大丈夫よ」とありえない提案まで。 その後「発表時間も受付時間も学年によって違うのに、どうして義母は現れることができたのだろう?」と疑問が生まれた妻。 夫のほうを向くと、目を逸らし「来ちゃったもんはしょうがないよな」と怪しさ満点。しかし、妻は「発表会間際に揉めたくない」と問い詰めたい気持ちを押し殺しました。 学校の先生に嘘をつく義母そして、義母は学校の先生に話しかけ……。 徒歩圏内に住んでいるにも関わらず、「遠方から来た」と言う義母。さらには「2人までというのを知らなくて」「ちょっとだけ入らせていただくわけにはいけませんか?」と嘘を重ねます。 自分が観たいがために学校のルールを破る義母。他の家族も学校のルールを守って来られなかった人もいたでしょう。あまりに図々しさにあきれてしまいますよね。 困り果てる先生。周囲からは…義母の無理難題なお願いに、困った先生は……。 先生は「こっそり入ってください」と言ってくれましたが、うしろで見ていた他の保護者たちからはヒソヒソ声が。 何度も義母に対して「1家族2人まで」と伝えていた妻ですが、周囲から同じ家族として批判的な目で見られている状態はいたたまれないですね。 このように義母の勝手な言動に対して、読者から多くの声が寄せられました。 息子やママが仲間はずれにされる可能性もあるのに…●「ルールも守れない非常識な親の子どもだと判断した保護者の中に息子の友だちの親とか居たら、その親づたいで「遊ばないで」「関わらないで」となれば息子が学校で孤立やいじめを受けてもおかしくない時代です。息子を守るためにも「お義母さんは会場の外でお待ちいただくか、お帰りください。母親として譲れません。」と言って旦那を引きずって会場に入って閉め出すかな……私なら。 ●この義母、奥さんの今後の人付き合いはもちろん、孫が「お前の婆ちゃん、ウソついてズルした」と虐められる可能性も考えないのかと。(以下省略) ●(前略)このときはいいかもしれないけど、 ママさんは今後もずっと人間関係を作っていくのに、ずっといろいろ言われるようになっちゃう。嘘までついて。それがバレたときはどうするのでしょうか。自分の子どもにも最低限のルールを守ってもらいたいのに、これじゃ示しがつかない。 妻は義母が来るのを必死に止めていましたが、コメントのように、周りから見れば妻も義母も一緒の家族として捉えられてしまい「非常識な人」と認識されてしまう可能性もありますよね。 義母には自分の言動で、子どもや妻の今後の生活に影響するかもしれないと意識を持ってほしいですよね。 はっきり言わないと、今後の生活に支障がでる!●私も先生に「そんな特別扱い必要ないです。何度も説明しているし、皆さん同じ条件で来ています」って断るし、「折角遠くから来ていただいたのなら」とか配慮してくれるようなら「遠方というのも嘘です」って言う。今後も同じことされかねないし、そんなことする義母と、子どもの通う学校の先生や父母とどちらを優先するかっていったら断然後者。心の中でどう思ってようと申し出を受け入れちゃったら、周りにしてみれば主人公もグルで 非常識一家と思われる。 ●一番後ろに並んじゃえば誤魔化しきれなくなって帰ってくれないかな〜(中略)次からは義母も旦那も呼ばなくて良いんじゃないですか? ●私だったら先生に向かって「特別扱いしなくて大丈夫です、すみません」って言うな。影で言われるのはお母さんと息子なわけで、それを理解してない旦那と義母はハッキリ言ってしまわないと。 妻と息子の今後の生活のためにも、先生にはっきり言ったほうがいいという意見が多数。また、ここではっきり言っておかないと、義母も同じことを繰り返すかもしれませんね。夫のお母さんだからと気が引ける気持ちもわかりますが、息子が気兼ねなく楽しく小学校生活を6年間送るためにも、ここはママがはっきり言ってしまうのも手ですよね。ですが、本来は夫が中間に立って「ダメなものはダメ」と言ってほしい気持ちもあります……。 このようにコメント欄には、義母の非常識な言動へのアドバイスなどがたくさん寄せられました! 『孫の発表会に来たがる義母』ベビーカレンダーでは完結しているお話なので、一気読みが可能です!ぜひ読んで、皆さんのご意見も聞かせてくださいね!
2023年03月27日発達障害のある子どもの不登校。特性のふまえ方は?不登校の小中学生は年々増加傾向にあります。発達障害のある子どもの場合、「学校」という枠組みや「標準」とよばれるようなものにフィットしづらい傾向があり、困りごとを抱えている中で不登校につながることがあります。そこでLITALICO発達ナビでは2023年1月に「発達障害のある子の不登校サポートセミナー」を開催し、臨床心理士・公認心理師であり、東京都内でスクールカウンセラーも務めていらっしゃる初川久美子先生に、不登校サポートに関してお話いただきました。このコラムでは不登校生セミナーでの講演から一部を紹介し、さらにあらたな質問と回答を加え「発達障害のある子どもの特性のふまえ方、自宅での過ごし方、学習のすすめ方」を中心にご紹介します。子どもが「学校に行きたくない」と言い出したときは、子ども自身がさんざん悩みに悩んだ結果のうえで、それでもどうにもならなかったから出している「SOS」であり、問題を解決するよりも先に、まず休養をとることが最優先と考えましょう。保護者の方自身も悩み、サポートしていくうちに疲れてしまうという声も多く耳にします。大人自身が不安な気持ちを信頼できる人に話したり、今や将来への情報を集めてみる(想像より選択肢は多く不安が少し解消されるかもしれません)、そして保護者が自分自身を休める時間をつくることが大切です。発達障害のある子どもの場合、「学校」という枠組みや「標準」とよばれるようなものにフィットしづらい傾向があります。能力として「できる/できない」以前に、学校生活を送るだけで消耗しやすい状態になりやすく、自分自身のコンディションによって思うような行動ができずに困りごとを抱えてしまうことも多く、不登校や行き渋りにつながることがあります。では、発達障害のある子どもの特性のふまえ方はどう考えたらよいのでしょうか。発達障害には主に3つのグループがあります。Upload By 発達障害のキホンしかし、「自閉スペクトラム症のある子どもの不登校には○○をしたら正解」「ADHDのある子どもの不登校は、このようにサポートしたらうまくいく」「学習障害のある子どもの不登校の対応はこれ」などといった、型の決まった解決方法というものは、残念ながら存在しません。発達障害は、その子の一部分でしかないため、お子さんの状態は「特性によるもの、性格によるもの、環境によるもの」などさまざまです。そのため特性にだけ焦点をあてて対応するのではなく、特性による対応は「大まかな方針」として考えるとよいと思います。では、以下でそれぞれの特性のふまえ方の例をご紹介します。例1、ルーティンがあるほうがよいかルーティンを取り入れられるのであれば、家での過ごし方の”大まかなスケジュール”をお子さんとの話し合いで決めてもよいと思います。例えば「午前中は本を読んで、ゲームは午後からにしよう」「1日1ページは漢字ドリルをやろう」など。また、何をしていいかわからないと困ってしまい「ルーティンがあったほうが過ごしやすい」というお子さんもいるので、その場合は何かルーティンがあることで、「今日も一日中何もしなかった」「つまらなかった」などとなることを防ぐことができるかもしれません。例2、学校を休むことに罪悪感が強い場合学校に行くのはつらいけれど、休むことへの罪悪感が強いお子さんもいます。その場合は、学校との関わり方を模索するとよいでしょう。詳しくはこちらのコラムをご覧ください。例3、どこでどう過ごすか「家で静かに過ごすだけなのは苦痛」というお子さんもいらっしゃると思います。例えば「放課後の校庭開放に行ってみよう」「放課後は友達と遊ぼう」「朝など、保護者と一緒にジョギングしよう」など、少し広い場所などで活動する時間をつくるとよい場合があります。自治体の適応指導教室の利用を考えてもいいかもしれません。例4、最低限、守ることを決めたほうがよい場合自分がやりたいことに対して制御できないというお子さんもいると思います。保護者の方もこのままではルールがなし崩しになってしまって危険と感じるようなとき、最低限のルールを決めることは必要だと思います。例えば「ゲームを始めると歯止めが利かず、いつまでもやり続けてしまう」などの場合は「ゲームの終わりの時間を決める」「夜はゲームをしない」「寝る時間を決める」「夕食は家族と一緒に食べる」など、(すべてを制限するのではなく)ルールを厳選して持つことが必要かもしれません。ここからは、子どもが不登校になったとき保護者はどうしたらよいのか、学校との連携についてなど寄せられた質問に初川先生に具体例を交えてご回答いただきます。Q.不登校になり家でゲームをずっとやっている息子。依存症にならないか心配【質問】不登校の小4の息子(自閉スペクトラム症/ADHD)がいます。ゲームが大好きで延々やっていても楽しそうです。無制限で徹夜でやりたがります。それでも許可してよいのでしょうか。依存にならないか心配です【回答】許可しない方がいいと思います。息子さんの特性的な面を考えると、ゲームのような楽しいものから離れづらい(自らおしまいにすることが苦手な)面があるのではと感じます。子どもは、好きなものには飛びつきやすく、生活リズムや体調管理、そして家族との生活(一人で生きているわけではない)を考慮して自らの行動をコントロールすることについては、まだまだ未熟、未発達な面があります。そういった意味で、家庭としてルールは設定してあげたほうがよい場合があります。息子さんの場合はそうだと思います。その設定の仕方はお子さんの特性や状態と家庭の考え方によるとは思います。終わりの時間を定めるだけにするか、始まりの時間も定めるか(不登校のお子さんのご家庭でよくあるのは「ゲームは午後から」や「ゲームは学校が終わった時間から」ですね)、食事は家族と一緒に取ることも追加するか、そのあたりはお子さんとも話し合ってご家庭の方針でと思います。不登校なり始めの際に、「学校に行っていないのだから、ゲームは禁止」とされるご家庭があると思います。また、「学校を休んでいるなら、寝ているか勉強しているか、あるいはお手伝いするかのどれかじゃないとだめ」と考える保護者の方もいらっしゃるように感じます。学校に行けないことの罰として、お子さんの好きなものを取り上げてしまうような対応をすると、お子さんは学校に行けないのもよくないと分かっているのに、さらに家でも苦しい状況に陥ってしまいます。また、休みはじめは疲れ切っていたり、好きなことすらやる気が湧かないような状態のこともあります。そういう場合は、お子さんの好きな活動や遊びをする時間をうまく取り入れていくことはとても意味のある大事なことになります。子どもは遊びから元気をもらう場合が多くあります。ただ、だからといって、際限なくさせるというのはまた違う話です。結果としてお子さんが一時的に昼夜逆転になることは多くのケースでありますが、昼夜逆転を引き起こすような設定をする(際限なく動画やゲームを許可する)のはちょっと違うと感じます。お子さんが落ち着いて話せそうなときに、生活のルールについて話し合うことは大切です。ただ、それがあまりにも細かすぎるとそこにもお子さんが疲弊してしまうので、ざっくりとしたルール(消灯時間やゲーム・動画の終わり時間を定めるなど)でよいように感じます。Upload By 発達障害のキホンQ.ルーティンがあるほうが安心して過ごせるようだが、時間の感覚が苦手な場合、どうしたらいい?【質問】子どもは「ルーティン」は好きなのですが、 時間感覚に少し苦手があるのか、 時間で決めるとうまくいかない場合が多く、親子共に困ることがあります。 時間感覚に少し苦手な場合のルーティンづくりのコツがありましたら教えていただけると幸いです【回答】ここはぜひご本人とも話し合っていただきたいのですが、時間管理を細かく決めすぎるとせっかくの過ごしやすいはずのルーティンがそうではなくなってしまいます。まずは親子で工夫を考えていただければと思います。私は基本的には時間は決めすぎない方がよいと思っていて、日によって多少ずれるのは自然なことだと思います(コンディションがいいからたくさん何かをやる日もあれば、やる気がどうにも出なくて少しゆるく過ごしたくなる日もあるのは自然です)。そういう意味で、帳尻を合わせるところをむしろ考えたらよいのではと思います。夕食は何時から(多少幅を持たせておいた方が苦しくはならないと思います)、寝る時間は何時といったざっくりさ。あるいは、午前中の間にこれとこれをする、くらいのざっくりさ。本人とどこで帳尻を合わせるか、つまり、優先順位の高い時間のルールはどこかを定めるという話し合いをぜひしていただければと思います。保護者が声をかけるのはその決めたところだけでいいのか、そのほかもリマインダーとして声をかけてほしいのか、そのあたりも相談できるといいと思います。ルーティンによって安心がもらえるタイプの方は、ぜひルーティンによって心穏やかに過ごせることを受け取ってほしいと思うので、だからこそルーティンに振り回されないことが大事になります。また、大人になってゆくことを考えると、ルーティンと自分自身のコンディションとを考慮できるようになっていくことも大事なことにはなります。例えば今日は疲れているから今日はこれはやらない、という多少の臨機応変さです。今そこまでできずとも、ゆくゆくそうした臨機応変を入れても大丈夫なだけの余白は残しておきたいという意味で、ゆるめのルーティンを一緒に検討しておくという準備が今からできるのではと思います。Upload By 発達障害のキホンQ.発達障害があり、服薬をしている娘が最近になりこだわりも増え毎日学校に遅刻。薬の増量をお願いしたほうがいい?思春期特有のパワー不足?【質問】自閉スペクトラム症(ASD)とADHDがあり、服薬をしている小学6年生の娘がいます。最近、こだわりも増え、学校に行きたくないと言い出し、理由は自分でも分からないと言いますが、毎日遅刻して登校しています。薬の増量をお願いするのか、思春期でよく起こるパワー不足による不登校が起きているのか、どうやって判断をしたらいいでしょうか?【回答】まずは、遅刻してでも毎日通っているのは娘さんはとても頑張っているのだと感じます。娘さんに限らず、学校に行きたくないと感じる子どもは、その理由をしっかりと語れることはあまり多くありません。学校あるいはそのほかの場面で、何らか苦戦している・つらいことがあると理解しておきましょう。自閉スペクトラム症とADHDがあるとのことですが、その場合、学校生活や集団生活ではさまざまに困難があることが考えられます。予期せぬ展開に戸惑ったり、注意集中が困難で頑張ろうとしているのに気がそれてしまったり。クラスの仲間との関係も気になるところです。そして小6だと授業がとても難しく、進みも速いかもしれません。遅刻によって参加できない授業があると、飛び飛びに受講することとなり、都度戸惑っている可能性もあります。授業はまだ参加さえしていれば過ごしやすいと感じるものの、休み時間をどう過ごしたらいいか分からない、誰かと一緒にいたいのにひとりぼっちになる。こうしたことが学校のつらさの要因になっているお子さんもいます。このように、さまざまな可能性が考えられます。まずは、担任の先生に、娘さんが学校で過ごしているときの様子(授業場面、生活場面、人間関係についてなど)を聞いてみるのがよいのではないでしょうか。また、娘さんにも学校で楽しい時間や授業があるか、困っていることはないかなど聞いてみるといいと思います。思春期になると、学習がどんどん難しくなり、ある程度の意欲がないとつらくなりやすいです。自分のことも多少客観視できるようになる中で、学校という環境(学習、友達、先生などさまざまありますが)にしっくりくるかどうかというところに自覚的になってくる面があります(これは成長の一つとも考えられます)。「思春期でよく起こるパワー不足による不登校」が何を指すのか私には分かりませんが、ともあれ、型にはめすぎることなく、お子さん本人がどう困っているのか、意欲などのコンディションはどうかなどを多角的に見ていただければと思います。親が学校に行ってほしい思いが強く、それが子どもにも伝わっている場合だと、子どもが学校の何がどうつらいのかをより一層言いづらくなることもあります。言ったところで反論されることが目に見えると言わないでおく子どももいます。思春期だとそうした面が強く出ることもあるので、そういう場合は親子で話し合うというよりも、担任の先生やスクールカウンセラー、養護の先生など、お子さん本人が話しやすい相手と話をするセッティングを取ることも工夫として考えられます。そして、もう一つ考えておきたいのは、本人がうまく言葉で説明できずとも、何となく学校が嫌だと感じている場合に、そこに無理に行かせることがよいことかということです。(本人にとっては)耐え難い環境に身を置いてどんないいことがあるのだろうか…と考えてしまいます。もちろんそれがゼロ(全く登校しない)か100(朝から最後までずっと登校している)かという話ではないので、無理なく、学習やさまざまな活動にそれなりに参加できる登校スタイルはどんなものかを考えてみるのは一つ大事なことかもしれません。場合によっては、登校することと併せて、自治体の適応指導教室や教育相談室、あるいはフリースクールの併用なども検討してもいいでしょう。学校のことに限らず、本人にとって意欲的に取り組めること、好きなこと、楽しめることなども同じように一度振り返っておくとよいでしょう。意欲を削がれる局面が多すぎると、好きなことすら楽しめなくなり、いよいよ調子が悪くなってしまうこともあります。薬については、主治医の先生にご相談をと思います。いかなる薬も、薬で得られることは限定的です。よく言われるのは、イイコになる薬や学校に行けるようになる薬はないということです。ご自身のコントロールの範疇を超えてイライラが止まらない、集中が難しい…そうした場合に服薬の検討が入るのだと理解しています。娘さんにとって学校がどんな場所か、どんなふうだったらもっといやすい場所になるか。学習に取り組みやすいか。そうした本人の心と、それを取り巻く外枠との調整をまずご検討いただければと思います。Upload By 発達障害のキホンQ.不登校の息子は自分の気持ちを表現するのが苦手、思春期で接し方も難しい。関わり方のコツは?【質問】中学1年生の息子は、二学期から不登校です。自分の訴えが中々うまく表現できません。また、思春期、反抗期ということもあり、関わりが難しいです。約束事も少なく厳選していますが、守るのが難しいです。関わり方にコツがあれば教えてください。【回答】話すのが得意な子どももいれば苦手な子どももいます。自分の思いがなかなかうまく伝えられないのは本人にとってもつらかろうと思います。伝えたいこと、分かってほしいことはあっても、うまくそこがうまく表現できないと苛立ち、あきらめなどの気持ちがわいてきてしまうかもしれません。そんな中で、不登校があり、家の中でも守るべき約束事があり…保護者の方へ反抗が向くのは自然な流れのようにも感じます。そういう意味では、無理に語らせるというよりも、まずは他愛もない話がお互い窮屈でなくできる関係でいることが大事かなと思います。昔からよく言われることではありますが、話をするときは同じ方向を向いている方が話しやすいです。面と向かって座ると実は話しにくいのです。散歩をしながら、一緒に料理をしながら。そのほか、何もしない時間を一緒に味わうこともとても良きことなので、おすすめは釣りです。ともあれ、同じ方向を見て、話しても話さなくてもいい時間で、その中で散歩なら目についたものを話す、料理だったら一緒に作業をする。釣りなら釣り糸を眺める。大人は、状況を前に進めるために話をして聞き出したり説得したりしたくなってしまいますが、そうではない時間を大切にしていく。親と話すのは、学校どうするの?勉強どうするの?だけになってしまうと、ますます話さなくなるだろうことは想像できると思うのですが、だからこそ、逆説的にただ一緒に過ごす。そんな時間を大切にしていくことが大事なのではと感じます。Upload By 発達障害のキホンQ.きょうだいそろって不登校。対応の注意点やアドバイスは?【質問】中学2年生の娘と、小学4年生の息子が不登校です。姉弟そろって不登校の場合の注意点やアドバイスなどもあればお聞きしたいです。【回答】きょうだい揃って不登校だと保護者の方のご心配や焦りはいかほどかと思います。きょうだいで徒党を組んで保護者の決めたルールを壊しにかかったり、どちらかが何かに意欲的に取り組もうとするともう一人の方が足を引っ張ろうとしたり、そうした難しさがあるのではと想像します。家の生活上のルールに関しては、2人からとやかく言われたとしても、守るべき線がある場合はどうにか守っていただきたいと思います。一度緩めてしまうとそこを立て直すのはなかなか難しいだろうと感じます。また、娘さんと息子さんの不登校の理由や学校の状況はそれぞれ違うはずです。おそらく、学習に関しての得意不得意や同世代の人間関係の築き方も違う。好きなものや楽しめることも(同じものもあるかもしれませんが)違うことがあるはずです。2人は不登校という広い括りでは似ていますが、違う状況にあると思います。2人がそれぞれ自分の人生を歩めるように、それぞれと話す時間を設けたり、「あなたのいいところはこういうところだね」「こういうことをしているときのあなたはとてもいい表情をしているよ」とそれぞれに伝えていったり。そうして、それぞれが自分のことを自分のこととして考えられるように支えることができたらよさそうだと感じます。きょうだいでお互いがお互いに重ねて理解したり、片方がこうだから自分も…と考えてしまったり、2人の中でそうしたときもあるにしても、そうでない時間や場面を大切にしていただけたらと思います。Upload By 発達障害のキホンQ.小5息子の休んだ分の勉強のフォローはどうしたらいい?無理にやらせないほうがいい?【質問】小学5年生の息子(自閉スペクトラム症)が11月から行き渋りが始まり、午前中の途中から登校しています。勉強が分からない、授業がつまらないと言うので、休んだ分家で勉強のフォローをしようと思うのですが、あまりやりたがりません。今は無理に勉強させないほうがよいのでしょうか?【回答】午前中の途中から登校しているとのこと、本人にとって良きペースであれば何よりです。小学5年生の勉強は難しいですね。授業を毎回出ていても難しいと感じるお子さんが増え始めるのが小学4年生の後半以降だなと感じるので、小学5年生はなおのこと難しいと思います。授業が飛び飛びになると、より一層難しく感じられる(抜けた分を想像しながら聞かないといけない)のはありそうですね。ただ、その前からもしかしたらつまずきがあり、1日6時間分の授業を受けることがつらいから朝から学校行く元気が湧かない…というお子さんもいるようにも感じます。「勉強が分からないなら、その分を家でフォローしたらいいのでは」とおっしゃるのは、ごもっともだと思います。分からない授業を聞くのは「つまらない」ので授業が分かるようにしよう。ただ、それがうまくいくのは、そこにコミットして解決してまで学校の授業に参加したいという強い気持ちがある場合だけだろうなと感じます。また、家で保護者と学習をする際には、保護者が一生懸命になるあまり、子どもと喧嘩になることが多いように感じます。小学校高学年以降の親子での学習は、保護者が熱くなりすぎないよう注意も必要です。「無理に勉強させて」いいことはあまりありません。「勉強したくなったら一緒にやるよ、分からないところは教えるよ」くらいのスタンスでいいように思います。ここから先はお子さんの学習意欲にもよりますが、親子で喧嘩しながら勉強したいとは思わないけれど、少しは取り組んでみたいと思うなら、通信教材の活用や、今は動画で単元ごとに配信されているものもあります。そういうものを使って取り組んでみる。分からないところは保護者やあるいは担任の先生に聞くということができるといいでしょう。今まさに授業でやっている内容につまずきがある場合に、その前の内容からつまずいていたらそちらの復習が先になるでしょう。小数のかけ算でつまずいているなら、まず簡単なかけ算からやって、「そうだった」「できるできる」を取り戻しながら取り組めるといいでしょう。昔のドリルや問題集をやってみたり、ネットで無料の問題もシェアされています。学校から配布されているタブレットにもタブレットで回答できるドリルが入っている場合もあります。本人に合っていて、やってみたいと思うものをやってみてもいいかもしれません。あまり多くはないですが、勉強は保護者や学校の先生ではない、勉強を教えてくれる専門の人に教わりたいと思うお子さんもいます。塾や家庭教師の先生とだとできる場合もあるので、そうしたことも検討してみてもいいかもしれません。さまざま書いてきましたが、大事なのは本人がどうしたいかです。こうしたいという気持ちがあれば、それに合わせてさまざま提案することはできると思います。ただ、何もしたくないというときはそれを尊重するのも1つです。午前中の途中から登校することの、本人にとっての良さはなんでしょうか。誰かと会える、給食が食べられる、休み時間遊べる、勉強ができる、放課後に遊ぶ約束ができる、家でゲームができる。いろいろあると思いますが、それと登校スタイルと、そして学習と。負荷がかかりすぎず、それなりにどれも得られるバランスを探っていただければと思います。そしてそのバランスはときどき変わってくると思います。一度決めたやり方にとらわれすぎず、本人の気持ちとコンディションに合わせて、適宜変更を加えながら進めていただければと思います。Upload By 発達障害のキホンQ.長期化した不登校。親はどこまで関わっていいもの?【質問】不登校が長期になってきた場合の家での過ごし方(中学生)どこまで親が関わればいいのか知りたいです【回答】中学生で、しかも長期にわたると生活リズムを一定に保つことも難しいことが多くなります。多くの子どもたちが学校で過ごす時間帯、明るい時間帯にたとえ家であっても心穏やかに過ごすことが(自覚の有無は人それぞれですが)つらく感じられたり、家族が寝静まった夜中だと過ごしやすい気がしたり。日中動かないがゆえに自然と眠くなることも少なく、寝ようと思ってもあまりすぐに寝つけなくなっていたり。ネット上などに友達がいる場合は、そうした仲間たちがネットに集まるのが夜間であることも多く、生活時間帯が後ろ倒しになりやすいです。ネットやスマホは○時までとルールを定めたり、あるいは家庭全体夜間はWi-fiを切ったりなどさまざま工夫される保護者の方もいらっしゃいます。そうしたルールや枠組みでうまくいく場合はそれでいいと思いますが、そこで喧嘩したり、ぎすぎすしたりといったこともよくある話ではあります。どこで折り合いをつけるかはケースバイケースだと感じます(単にそうしたものを取り上げるだけだと、お子さんにとって心のよりどころも失うことになる可能性もあるので、ゼロか100かというよりも、折り合いのつけ方なのだと感じます)。ただ、家族として同じ家で生活をしているので、お子さんの過ごし方が目に余ると保護者としてイライラしてくるのも自然なことだと思います。そういう意味でも、お子さんと家での過ごし方や学習の仕方、あるいは家庭以外での過ごし方(学校に部分登校できるか、適応指導教室やフリースクールに通えるか、相談機関に通えるか)を話し合い、大方の過ごし方について決めて、そこが維持されていればそれ以上は口は出さないという線を決めたいところです。実際のところでいえば、「高校に(は)行きたい」と考えているお子さんが多く、中学3年生の春夏ごろから高校の見学や説明会に出向くなど動き始めるお子さんは結構います。逆に言うと、そこまでは動きが見られない場合も多いです。動き出す時期のために、進路情報を保護者が集めておく(集めた情報を本人に知らせるかどうかは慎重にと思います。機が熟すのを待つほうがいい気がします)ことなどをしておきましょう。中学3年の秋以降は志望校に合わせた準備に取り組むこともよく見られます。どのような高校の種類があり、お子さんにはどんな学校が合っていそうかということは、担任の先生や進路の先生、地域のそうした情報に詳しい適応指導教室や教育支援センター、教育相談室などで聞いてみるのもいいと思います。情報は集めつつも、あくまでも本人が通いたいという意志を見せた学校に進学すること、そのために何校か見学すること。保護者はその手伝いをするということ。それを本人にも折々に伝えていただければと思います。Upload By 発達障害のキホン発達障害のある子どもの不登校。特性はおおまかな指針であり、大切なのは子どもの状態に合わせた対応発達障害がある子どもが不登校になったとき、その子どもの特性に焦点をあてて解決の糸口を探ることは多くあると思います。しかし、発達障害はその子どもの一部にしかすぎず、特性だけに焦点をあてても状況がよくならないことも多くあります。特性のふまえ方を大まかな指針として、それぞれのお子さんの特性、性格、環境、こころの状態などを見ながら対応しましょう。そして何より、子どもも保護者も学校の先生も途中で疲れ切ってしまわないように持続可能なペースでサポートしていくことが大切です。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年03月26日6歳でADHDの診断。保育園時代は問題行動が目立っていた息子わが家の小6息子は6歳のころにADHDの診断を受けました。保育園時代は気が散りやすく、集団行動が苦手で、自分の興味がないことは一切やりませんでした。また行動はゆっくりなので、活動の集合に間に合わなかったり、給食の準備に時間がかかり周りの子を待たせてしまっていました。年長になると、周りの子どもたちが成長したこともあり、余計に息子の問題行動が目立ってくるようになり、クラス内にダンボールハウスを作り、その中で過ごすことが増えました。息子にとってそこは安心できる場所だったようです。息子が年長のころのある日のことです。夫のスマホに1通の連絡が来ました。相手は息子の通う幼稚園の年少クラスのAちゃんのお父さんでした。Upload By ユーザー体験談連絡画面には「うちの娘が保育園で息子さんに叩かれたと言っています。一体どういうことでしょうか」と書かれており、何も聞いていなかった私たち夫婦は驚愕!なにかトラブルになってカッとなった息子がAちゃんを叩いてしまったのかもしれない…と思ったので、謝罪の言葉とともに「息子にはADHDの特性があり、カッとなりやすいところがある」「専門機関(療育センター)を受診していて、保育園と合わせて児童発達支援に通っている」ことを伝えました。もちろん、叩いてしまったこちらが悪いのは当たり前なのですが、それでもAちゃんのお父さんの怒りは収まらず…「そんなこと関係なく、小さい子に手を出すなんて信じられない!」と取り合ってくれません。翌日私は保育園の先生に一連のことを電話で相談しました。先生の話によると、どうやら息子と同級生が二人で神経衰弱をしていた際、Aちゃんは対戦相手の子を勝たせたかったのか「あのカードはあれだよ」などと教えていたということが分かりました。そこには保育園の先生もいたのでAちゃんに対して「やめようね」と注意はしていたようなのですが、何度伝えても聞き入れず、頭に来た息子が手を出してしまい、Aちゃんが泣いてしまったとのことでした。Upload By ユーザー体験談保育園の先生からAちゃん一家にこの件に対しての説明はなかったようで、家に帰ったAちゃんから叩かれたことだけ聞いたAちゃんのお父さんが連絡をしてきたことが分かりました。その日、保育園からもこの流れをAちゃんのお父さんに説明をしてくれたようで、Aちゃんにも非があったとその後謝罪の連絡がありました。とはいえ、手を出したのはこちらなので、保育園の行事で顔を合わせた際に謝罪をしてその場は収まりました。Upload By ユーザー体験談小学生になって他害はますますひどく…どうしたらいい?「どんな理由があるにせよ手を出したほうが悪い」と息子には言い続けて、手を出したときはすぐ相手に私が謝罪し、その姿を息子に見せました。そんな私を見て息子は泣いて謝りましたが、本人に通じていたのかどうかは正直分かりません。特性からくる衝動性もあると思うので、本人の努力だけではどうにもならないことがあることは私も理解しているつもりです。小学校に入った後も、カッとなってしまうと手を出すことはおさまらず、気に入らないことがあると叩いてしまう場面がありました。1年生のときには、トラブルになった6年生の眼鏡を壊してしまったこともありました。他害に悩み、主治医に相談をして、1年生の秋から服薬を始めました。私は息子をトラブルが起きやすいような場面に遭遇させないために、一人で公園に行かせるようなことしないなど、、手を出すような場面を作らないような環境設定に努めていました。ペアレントトレーニングを受けて対処法を学んだことも大きかったです。服薬や環境整備の甲斐があり、だんだんと他害はなくなりました。手が出ることはなくなりましたが、その分物に当たるようになって困っていましたが、担任の先生は「それも成長なので大目に見てあげてくださいね」と仰ってくれました。6年生になった今でもゲームがうまくいかなかったり、カッとすると物を投げてしまうこともありますが、それは許容範囲として、軽く注意することくらいで留めています。少しずつですが、息子も成長していることを日々感じています。今後も根気よく息子と向き合っていきたいと思っています。Upload By ユーザー体験談イラスト/SAKURAエピソード提供/カプゴジラ(監修:鈴木先生より)思い通りにいかないとカッとなりやすく人や物にあたる他害や自分の頭などを叩く自傷行為はADHDからではなく、自閉スペクトラム症の易刺激性などからくるものもあります。今後、自閉スペクトラム症の診断を受けた場合、ADHDの治療薬以外に抗精神病薬のアリピプラゾールなどを併用することで改善していくことがあります。これからの人生を考えると、場面づくりや根気だけではいずれ限界があるので、そのときは神経発達症を専門にやっている医師と相談するのが得策です。あなたのエピソードもコラムになるかも?体験談募集中!保護者の方が日々子育てをする中で「こんなトラブルがあった」「こんなハプニングがあった」など悩みはつきないと思います。そんな発達ナビユーザーのみなさんの「困った」エピソードを募集しています。テーマは新たに「パートナー(夫婦関係)」「進学、受験」などを追加しました!その他「祖父母や親戚関係(帰省含)」「ゲーム」「不器用」「ママ友・保護者」「ご近所トラブル」「自傷」「学習」「不登校」なども引き続き募集中です。パートナーなどとの意見の相違、受験や進学での予期せぬトラブル、反抗期による親との言い争い、癇癪を起こして自分の頭を叩く、地団太を踏むなどの自傷行為…読み書きや計算の困りはもちろん、授業を落ち着いて受けられないなどの学習の悩み…行き渋りや不登校などの悩み…いろいろなお悩みエピソード、お待ちしております。お寄せいただいたエピソードの中から数作品、発達ナビの連載ライターさんにコラムとしてコミックマンガエッセイ化していただき、発達ナビで公開いたします!あるあるのエピソードからヒヤリとしたエピソード、SNSなどではなかなか言えないような家族やママ友とのトラブルまで。いろいろなエピソードをぜひ教えてください。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年03月25日私の娘は可愛くない
あり子のワーママ奮闘記
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