想像力が豊かに。4歳頃の心と体の発達、社会性子どもは4歳から6歳頃にほとんどの運動機能を一通り獲得すると言われています。心の発達とも相まって、周りから何も言われなくても、朝起きて着替えてトイレに行き、ごはんを食べるなど、自立が進んでいきます。友達とは言葉を使って気持ちを表現し、その中で団結したりけんかしたり仲直りしたりを繰り返して社会生活の基礎的な力を育てていきます。こうして小学校就学を迎えます。4歳頃になると、多くの子どもは体を思ったように動かす力がつくのと同時に想像力が豊かになり、自然の中にあるものや身近なもので遊ぶようになります。友達との関係は、同じ目的をもって行動したり、ただ楽しいだけでなく、不安や葛藤など複雑な気持ちも経験します。ただ歩く・走る・手足を動かすというだけでなく、全身のバランスのとり方がうまくなり、片方の足だけで立つ・跳ぶこともできるようになります。手先は、ひもを通す、はさみを扱うなど、より器用な動きができるようになり、絵を描いたり、粘土や空き箱などを組み合わせて、想像しながら作品作りもします。また、遊びながら声をかけるなどのように、並行して同時に2つの行動ができます。手足を使い、見たり触ったりしながら、水遊び、砂遊びをしたり、花を摘み、虫を観察するなど、自然の中にあるものや身近なものに興味が出てきます。大人から見ると、危ないと思う場面もあるかもしれませんが、自由な感性に任せて遊ぶことで、色彩感覚や身体感覚を育んでいくので、心配かもしれませんが安全に気をつけて見守っていきましょう。ますます語彙は増えていき、想像力も豊かになり、現実に起きたことと絵本で見たことなどを重ね合わせたりしながら、遊びの世界を広げていきます。また、おばけやこわい夢、一人になったときの不安感など、「こわい」という感情も芽生えていきます。友達と言葉を介して同じ想像の世界を繰り広げる、ごっこ遊びを行うようになってきます。自分は周りの人にどう見られているのか、という自意識が芽生えます。その中で、周りの人に褒められたり励まされたり、共感したりしながら、人の気持ちを理解するようになっていくでしょう。友達と一緒に遊ぶことが楽しくなるのと同時に、競争する気持ちも芽生えてけんかも多くなります。「悔しい」という感情を経験しながらも、友達が言うことに従ったり、あるいは自分の言うことを受け入れてもらったりします。こうして、ただ楽しいだけでなく、一緒に遊ぶ中で複雑な面白さを覚えていく時期でもあります。自立性が育つ。5歳頃の心と体の発達、社会性5歳頃になると生活に必要な身体能力はほぼ整い、自分の身の回りのことを大人に言われなくても一通りできるようになります。友達との関わり方も複雑になっていき、ただ楽しいだけでなく、競争心が生まれ、その中で切磋琢磨しながら育っていきます。5歳頃になると、大人が行う動きのほとんどができるようになります。鬼ごっこのような一定の制限やルールの中で体を動かすような遊び方ができます。手先の動きでは、ひもを結ぶ、雑巾を絞るといった生活に必要な細かい動作ができるようになり、さらに、包丁やのこぎりなど危険性が伴う道具を大人の助けを受けながら扱うことができるようになります。自主性や自立性が育ちます。身の回りのことができる身体能力がついたことで、食べる、着替える、トイレに行く、運ぶ、片づけるなど、朝起きてから夜寝るまでの行動がほとんど一人でもできるようになります。大人に指示されなくても、だいたいの一日の流れを分かって行動できます。自分のことだけでなく、相手の気持ちになって考えたりする感受性も身につけます。人の役に立ち褒められることが嬉しく、誇りをもってお手伝いをするようになります。友達と過ごす中で、自分の気持ちを伝えたり相手の気持ちを理解したりするために言葉によるコミュニケーションが重要になっていきます。ルールを理解して集団遊びをしたり、活動したりするときにそれぞれが「役割」をもっていることを理解して行動します。そのためにはルールを守る、約束を果たすことが大事だということも学び始めます。また、すぐに大人に頼らないで、子どもたちで解決しようとする様子が見られるようにもなります。こうして、社会生活に必要な基本的な力を身につけて、これまでは個々の成長だったものから、集団の中での成長へと変化していきます。就学前に何ができるようになる?6歳頃の心と体の発達、社会性自分が思ったように体を動かし、友達とのかかわりが生活の大事な部分を占めるようになる6歳。次第に社会的、科学的なことに興味を持つようになり、世界が広がっていきます。大人に甘えながらも、外へ向かって経験を積んでいくのが6歳代です。身体機能が成熟し、さらに体力もついてくることから、活発に動きまわります。ボールを蹴りながら走ったり、跳び箱のようにいくつもの連続した動作を組み合わせるような運動ができるようになります。手の動きはさらに細やかになり、頭でイメージしたものを描いたり、思考しながらダイナミックに表現していく楽しさを覚えていきます。特別に教えなくても、自分から文字を書いたり読んだりするようになります。ニュースなどの社会的な話題や、自然現象などにも興味を持ち始め、自分の好きなジャンルの図鑑を見たりするなど、学ぶことの面白さが芽生えていく頃です。自分と自分以外の人は違う、ということを意識し始め、周りの人の特徴や個性を感じとりながら関わるようになっていきます。子ども同士の集団的な遊び方が活発になります。遊びの中で役割が生まれ、より複雑なルールを自分たちで考えます。こうして、社会生活をしていくときに大事な自主性と強調性を獲得していき、就学へとつながっていきます。参考:保育所保育指針解説書|厚生労働省参考:<参考> 0歳児から2歳児の発達過程|東京都教育委員会参考:東京都こども医療ガイド|東京都福祉保健局4歳、5歳、6歳の発達チェックリストー運動・心と言葉・社会性の目安Upload By 発達障害のキホン参考:保育所保育指針解説書|厚生労働省発達に遅れや凸凹がある?通院の目安や、保護者ができること4~6歳頃になると、自己免疫力も高まり、頻繁に高熱を出すことも減ってくるでしょう。とはいえ、インフルエンザ、ヘルパンギーナ、溶連菌、麻疹、水ぼうそう、おたふく風邪、ウイルス性/細菌性胃腸炎などの感染力が強いウイルスや細菌には注意が必要です。身体機能的には、手洗い・うがい、体を清潔にすることは自分でできる年齢になってくるので、習慣化を心がけましょう。ただし、けいれんを繰り返す、急に意識がなくなる、手足が動かない、慢性の頭痛を繰り返す、一度できたことができなくなるなどの症状がみられる場合には、かかりつけの小児科医や病院を受診してください。参考:年代別・世代別の課題(その1)|厚生労働省(7ページ)参考:保育所における感染症対策ガイドライン(2018 年改訂版)|こども家庭庁参考:白河市 保健福祉部こども支援課発達の遅れや、言葉や発語が遅いと感じたときは、小児科医や地域の相談窓口で相談しましょう。また、5歳の前半に5歳児健診を行なっている自治体があります。気になることを相談するチャンスとなります。5歳児健診でチェックすること5歳児健診では、保健師などの専門家による問診をしながら、子どもの体の動かし方やコミュニケーションの様子、言葉の発達の様子などをみていきます。健診では次のような項目があります。・保健師による問診・身体計測・視力検査・医師・保健師・担当保育士による診察・集団遊びや工作などをさせて、様子を観察・個別の歯科衛生士による歯科相談、栄養士による栄養相談このほかにも、保育士、保健師、臨床心理師、教諭などによる個別の相談ができます。3歳児健診では特に問題ないと言われたけれど、5歳児健診で発達障害の可能性を指摘されることがあります。また、数字や文字を読んだり書いたりができるようになってくる年齢でもあるので、教育相談の場も設けられているのが、それまでの乳幼児健診とは違う点です。正式に診断できるのは就学後ですが、学習障害の可能性を指摘されることもあります。もし、子どもの発達で気になることがあったら、また、育てにくいと感じていることがあったら、健診時に保健師さんなどに相談してみるといいでしょう。また、健診が行われていなくても気になることがあれば、まずはかかりつけの小児科や病院で相談してください。また、地域の相談窓口に行ってみると、心理や医療の専門家に相談できるので、困っていることが解決される糸口が見つかるはずです。地域の相談窓口地域の相談窓口がどこにあるかは、5歳児健診の際や自治体の役所に問い合わせましょう。主な相談窓口としては次のような場があります。健診や発達相談などを行うセンターで、健康や保育に関するさまざまな相談窓口です。引っ越したばかりなど、どこに相談していいかわからない場合にも地域医療を紹介してくれる場にもなります。保健センターと同様に公的機関ですが、子どもの発達支援に特化した窓口となります。発達相談をしたのちに、児童発達支援センターでもっと具体的な子育てについての相談などができます。就学時健診とは別に、発達が遅れていると感じられる子どもの場合、就学先をどこにするのかを、地域の教育委員会と相談していくプロセスが就学相談です。子どもの様子や状況に合わせて、通常学級なのか、通級指導教室(地域によっては特別支援教室)や特別支援学級、特別支援学校なのか、地域の選択肢の中でどこに就学するのが良いかを、面談や診察、学校見学などの機会を重ねながら決定していきます。就学時健診のように自治体からお知らせが届くものではないので、保護者が直接、教育委員会に連絡して申し込むか、保育園・幼稚園を介して申し込む必要があります。参考:軽度発達障害児に対する気づきと支援のマニュアル|平成18年度 厚生労働科学研究「軽度発達障害児の発見と対応システム およびそのマニュアル開発に関する研究」4~6歳の発達の遅れが気になる子どもへの家庭でできる関わりとは発達の遅れが気になる子どもを育てるときに、保護者としては不安があるとともに、日々の生活の中で子どもにどう接していいかわからないといった困りごとがあります。下記は代表的な3つの困ることについて、どうしたらいいかのアドバイス例になります。1. 落ち着きがない家庭で、音や光の刺激が多いようだったら、改善しましょう。大きな音でテレビがつけっぱなしだったり、長時間、場面展開の早い動画を繰り返し見ていたりしているようなら、見たい番組が終わったらスイッチオフにする習慣をつけましょう。また、音量も適切かを確認しましょう。2. 癇癪を頻繁に起こす自己主張する力よりも自己抑制する力のほうがゆっくりと発達する傾向があります。このため、4~5歳頃は、自分がしたいことがあってそれを押さえられないというギャップから強い癇癪を起すことがあります。何回も何回も、「こうすればなんとかうまくいく」という経験を積んで、見通しをもてるようになることが大切です。また、予定が見通せるように、1日のスケジュールを伝えたり、これが終わったら次に何ができるのかということを伝えたりするといいでしょう。3.指示が伝わりにくい言葉の発達に合わせて、子どもが分かる言葉遣いで伝えましょう。また、聞こえてはいても話し言葉で伝わりづらく、絵や数字など視覚から分かるようであれば、カードやメモを使う方法もあります。また、「だめ」と叱られることが、子どもにとっては大人に反応されて「面白い」と感じることになってしまうことがあります。大人が禁止すればするほど、悪いことをしたがるような場合は、叱らずにしばらく無視しておくことも効果的です。見ないようにしたり、取り合わないようにしたりするうちに、子どもは「これでは気を引くことができない」と気づくとやめます。まとめ体が自在に動かせるだけでなく、体力がついていく4~6歳代。自分の身の回りのことは自発的にできて、遊びの幅も複雑さもぐんと成長します。小学校入学も視野に入ってくる分、発達が遅れているかもと気になる面も多くなるかもしれません。その子らしさを見守りながら、周りの人や地域の相談窓口をうまく活用していくことをお勧めします。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2023年07月27日もうすぐ夏休みがやってきます。夏休みは学校がないので、学習習慣が身についてない子は、勉強から距離をとりがち。保護者の立場としては、夏休みの終わりに課題を一気に片付けるよりも、毎日取り組む姿勢を身に付けてほしいもの。では、お子さんに「自ら学習する姿勢」を身につけてもらうには、どうすればいいのでしょうか?この悩みを解決するためのヒントを関西学院初等部教諭の森川正樹先生にうかがいました。『自学』を通じて、子どもたちの学ぶ力の向上に取り組む森川先生のアドバイス。後編では「勉強を習慣づけるための方法」をお届けします。(取材・文鈴木智之)<<前編:夏休みもコツコツ勉強するようにはどうすればいい?「小学生の究極の自学ノート図鑑」著者の森川先生がアドバイスサカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■勉強を「見える化」したり、イベントを作って親子で楽しむ勉強を習慣づけるための方法について、森川先生は「見える化すること」と言います。「一覧表を作り、たとえば自学をした日はそこにシールを貼ります。そうすることで、自分がどれだけやったかがひと目でわかりますよね。それを見た保護者が『これだけやって偉いね』と感心してあげることも大切です」ほかに「イベントを作ること」も、習慣化するための良い方法だそうです。「自学が3回できたら、お子さんが自学で使いたい本を保護者の方と一緒に買いに行くといったように、イベントを作って親子で面白がること。これは学習を継続する上で、効果があると思います」■勉強したらゲームをしていい、では勉強が苦痛な作業になってしまう反対に、やってはいけないのが「勉強を1時間したら、ゲームを1時間してもいい」といったような提案をすること。森川先生は「このやり方だと、勉強をゲームと対局のものととらえてしまいます。『楽しいゲームをするために、苦痛な勉強をしなければいけない』という考え方だと、勉強が学びではなく、作業になってしまいます」と注意を呼びかけます。「勉強も遊びもスポーツも同じカテゴリーにある『学び』で、対局にあるものではありません。遊びやスポーツからも、学べることはたくさんありますから」サッカーする子どもを伸ばす親の心得「サカイク10か条」とは■コツコツ勉強する習慣を身に付けるために大事な事保護者はお子さんに、毎日とは言わなくても「コツコツ勉強してほしい」と願うもの。森川先生は「勉強の適切な頻度は、お子さんによって違うので、見極めることが大事」と優しく語りかけます。「まずは毎日ではなくても、2日に1回や3日に1回できるようになってきたら、だんだん毎日にするのもいいですね。適切な頻度はお子様によるので、それを見極めるのも大切です。勉強を毎日強いることが、モチベーションになる子はいいのですが、そうではない子もいますからね」その上で、保護者が「毎日勉強してほしい!」と思うのであれば、進め方に工夫をすると良さそうです。「たとえば好きな図鑑を、机の前に座って20分読むでもいいと思います。ほかには、月曜日は自学をやって、火曜日はその続きをやる。水曜日は好きな本を読む。木曜日は苦手な計算ドリルをやってみよう。金曜日は親と一緒に料理を作るといったように、親子でワクワクするようなプログラムを作ってみてはいかがでしょうか」■学習の習慣をつけたい親がやりがちな失敗例学習の継続を妨げる、やりがちな失敗として、次のような例をあげます。「失敗しやすいのが、保護者がドリルを買ってきて『漢字が苦手なんだから、夜ご飯の前、毎日30分やりなさい』と、一方的に言ってやらせること。それをモチベーションにできる子はいいのですが、多くの子が『面倒くさいことがひとつ増えた』と感じてしまいます」そうなると、勉強ではなく作業になり、苦痛をやり過ごすための時間になってしまいます。本来の目的である学びにはつながりません。「それはなるべくやめて、親子で『作戦会議しよう』みたいにして、月曜日はこれ、火曜日をこれをやってみようと決めるのがおすすめです。そして2週間経ったら、作戦を練り直す時間を設けましょう。この曜日は他の習い事で時間がとれない、毎日だとしんどいので休憩も必要だねといった意見が出てくるので、「見直す時間」を持つといいと思います」親から子へ、一方的に「これをしなさい」と与えるのではなく、互いに話し合って決める「親子の約束」にすると、勉強に対するモチベーションも上がりそうです。「毎日やる習慣をつけるのであれば、現状を振り返って、定期的にフィードバックして改善していくこと。長い目で見ると、そのやり方が続きやすいのではないかと思います」■保護者もそれなりの覚悟を持つことさらに森川先生は「勉強を毎日やらせたいのであれば、保護者もそれなりの覚悟を持つべき」とアドバイスを送ります。「子どもを子ども扱いせず、『なぜ毎日勉強したほうがいいのか』を、論理的に説明することが大切です。『あなたのことを思って言っているよ』と口に出して、こういう理由で勉強が必要なんだと伝えてあげることですね」『子どもを子ども扱いしないこと』は、勉強に限らず、サッカーや日常生活においても、心のどこかにとどめておくと良さそうです。■スポーツやレジャーでの学びもある!夏休みは普段できないことを経験するチャンスいよいよ夏休みがやってきます。森川先生は来たる長期休暇に向けて、次のようなメッセージをくれました。「夏休みは、普段できない経験をする絶好のチャンス。机の前に座ってする勉強以外にも、スポーツやレジャーから気づくこと、学ぶことはたくさんあります。せっかくの夏休みなので、お子さんに『考えさせる経験』をたくさんさせてみてはいかがでしょうか」さらに、こう続けます。「たとえば料理が失敗してしまった。昆虫を上手く捕まえられずに、逃げられてしまったといった、小さな失敗をすることも必要です。失敗は体験からしか生まれません。そこには必ずなぜ? という理由や学びがあるので、AIでは代替できない、体験の貯金をさせることは、すごく大切なのかなと思います」夏休みは体験の貯金をするのにうってつけの時期。サッカーや勉強に加えて、様々な行事やイベントにチャレンジしてみましょう。森川正樹(もりかわまさき)関西学院初等部教諭平成32年版学校図書国語教科書編集委員教師塾「あまから」代表教師のためのセミナー「詳細辞典セミナー」講師日本シェアリングネイチャー協会ネイチャーゲームリーダー、日本キャンプ協会キャンプディレクター、日本自然保護協会自然観察指導員、CEEプロジェクトワイルドエデュケーター国語科の「書くこと指導」「言葉の指導」に力を注ぎ,「書きたくてたまらない子」を育てる実践が,朝日新聞,読売新聞,日本経済新聞,日本教育新聞などで取り上げられる。県内外で「国語科」「学級経営」などの教員研修,校内研修の講師をつとめる。社会教育活動では,「ネイチャーゲーム講座」「昆虫採集講座」などの講師もつとめる。★森川正樹の教師の笑顔向上ブログサッカーする子どもを伸ばす親の心得「サカイク10か条」とは
2023年07月20日もうすぐ夏休みがやってきます。夏休みは学校がないので、学習習慣が身についてない子は、勉強から距離をとりがち。保護者の立場としては、夏休みの終わりに課題を一気に片付けるよりも、毎日取り組む姿勢を身に付けてほしいもの。では、お子さんに「自ら学習する姿勢」を身につけてもらうには、どうすればいいのでしょうか?この悩みを解決するためのヒントを関西学院初等部教諭の森川正樹先生にうかがいました。『自学』を通じて、子どもたちの学ぶ力の向上に取り組む森川先生のアドバイスを、ぜひ参考にし、夏休みを過ごしてみてください。(取材・文鈴木智之)サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■「学び」を遊びにしてしまえば勉強に対して前のめりになる関西学院初等部教諭で『自学』を教育に取り入れている森川正樹先生は、自学ノートなどを通じて「自ら進んで学ぶ力」をつけるためのアプローチをしています。森川先生は「僕がしているのは、『学びの遊び化』です」と柔らかな口調で語ります。「学びを遊びにしてしまえば、子どもたちは勉強に対して、前のめりになるのではないか? と思い、自分で好きなテーマを決めて、見開き2ページにまとめる『自学』を始めました」自学の輪は全国に広がっており、子どもたちが作成した自学ノートが掲載された書籍が出版されるなど(昨年の自学コンテスト(小学館さんとの共催)では応募総数約1700作品)、日々の学習に取り入れるケースも増えてきています。「『自学』は見開き2ページにひとつのテーマをまとめる学習のことです。テーマは何でもOK。好きなサッカー選手でも恐竜でも生き物でも、スイーツでも宝石でも、興味があるものについて、まとめてみようという取り組みです」■これからの時代に必要なのは、調べればわかる知識ではなく情報をもとに考える力森川先生は自学の良さを「学びを俯瞰することができ、見開き2ページで自己完結できること」と言います。「自分の好きなこと、興味のあることに対して、本やインターネットから情報を集めて、見出しを作って項目を立てて、イラストなどで表現する過程に、様々な学びの要素が入っています。いまの時代、インターネットやAIの発達で『知っていること』の価値は減ってきています。調べればわかる知識ではなく、『この情報をもとに、どう判断するか』といった、考える力や取捨選択の力が大切になってきています」自学では、自分の感想を書くようにしているそうで、そうすることで「情報の書き写しではなく、考えることにもつながる」と言います。「例えば恐竜をテーマにした場合、『ティラノサウルスは肉食だとわかった』『足はあまり速くないと知って驚いた』など、自分の考えがとても大切なんです。最初は1行でもいいので、感想が入っていたら『これはあなたの自学だよ。すごいね』と褒めています」高学年にもなると、感想をたくさん書けるようになり、自分の考えをまとめて、文字で表現することに慣れてくるそうです。「子どもたちは自学のノートを、得意気に見せてくれます。その表情を見たときに、やらされている勉強ではなくて、自ら進んでやる学びになっているなと感じます。ノートを上手に書けるようになると、自己肯定感も上がっていくんですよね」サッカーする子どもを伸ばす親の心得「サカイク10か条」とは■保護者など身近な存在が感心してあげることで子どもは伸びる森川先生は「自学を通じて、最後までやりきる力がつくことで、学校の成績にも影響がある」と言います。「自学ノートに文字をていねいに書くことや、定規を使ってスペースを作り、その中に文字を入れて見やすくまとめることを身につけることで、学校の勉強にも良い影響があると思います」とはいえ、子どもに突然「自学をしなさい」と言っても、何をどうすればいいかわかりません。また、何のためにするのかがわからないので、やる気が出ないといったことになりがちです。そこで森川先生は「大切なのは、保護者や教師が、ちゃんと感心してあげること。身近に感心してくれる存在がいるといないのとでは、圧倒的に伸びが違うと感じています」とアドバイスを送ります。「大人の当たり前は子どもの当たり前ではないので、自学のノートを見て『定規できれいに線を引いて、タイトルを揃えて書けてすごいね』など、些細なことでもいいので、良いところをみつけて褒めてあげるといいと思います。その環境で育まれるお子さんは自己肯定感も高いので、落ち着いて勉強に取り組むことができるようにもなります」■保護者が一緒に取り組むのも大事、きれいに完成するとやる気が出ることもまた「親子で一緒に取り組むのも大事」と言います。「お父さん、お母さんが『あなたの好きなことについて教えてほしいから、ノートにまとめてみて?』と言うのもいいですよね。そして『夏休みの間、1,2週間に1つのペースで自学ノートを作ろう』など、やれる範囲で目標を立ててみましょう。低学年の子であれば、保護者の方が手伝ってあげるのもいいと思います」自学ノートの挫折ポイントは、ハサミで上手に切れない、線がまっすぐ引けないなど、技術的なことも多いそうです。保護者が手伝ってあげて、きれいに切れたり、ぴったり貼れたりするとやる気が出るので、助けてあげられるところはやってあげると良さそうです。「最初はどんな形でもいいので、完成品を作ってみてください。そこで『すごいね』『いいのができたね』と声をかけると、お子さんはニコっと笑顔になって、やる気が出てくるはずです」夏休みの自由研究など、テーマを自分で決められるものがあれば、自学ノートを作成するのもおすすめ。自学の書籍もたくさん出ているので、参考にしてみてはいかがでしょうか?きっと、学びの楽しさ、面白さに気づくことができるはずです。森川正樹(もりかわまさき)関西学院初等部教諭平成32年版学校図書国語教科書編集委員教師塾「あまから」代表教師のためのセミナー「詳細辞典セミナー」講師日本シェアリングネイチャー協会ネイチャーゲームリーダー、日本キャンプ協会キャンプディレクター、日本自然保護協会自然観察指導員、CEEプロジェクトワイルドエデュケーター国語科の「書くこと指導」「言葉の指導」に力を注ぎ,「書きたくてたまらない子」を育てる実践が,朝日新聞,読売新聞,日本経済新聞,日本教育新聞などで取り上げられる。県内外で「国語科」「学級経営」などの教員研修,校内研修の講師をつとめる。社会教育活動では,「ネイチャーゲーム講座」「昆虫採集講座」などの講師もつとめる。★森川正樹の教師の笑顔向上ブログサッカーする子どもを伸ばす親の心得「サカイク10か条」とは
2023年07月18日小学校入学後、困りごとが続出。特定の教科だけ特別支援学級に通うことに保育園のときから、ほかの子と少し違う…?というところがあった息子ですが、小学校は通常学級へ入学。しかし、そこからさまざまな困りごとが出てきてしまいました。息子の学校は登校後体操服に着替えて、そのまま一日過ごす決まりですが、息子は着替えませんでした。周りのお友達に「着替えた方がいいよ」と助言されても、なぜわざわざ着替える必要があるのか納得できない息子は、周りに合わせた行動がとれなかったのです。また、授業中手を挙げる大勢のお友達の「ハイ!ハイ!」の声や、休み時間の教室のざわざわした音が苦手で、耳を塞いでしゃがみ込んだり、それでも耐えられなくなると暴れてしまいました。体育の授業でドッジボールをやったとき、校庭の横を走る車に夢中だった息子(当時は、働く車が大好きでした)。ですが、ドッジボール中ですので、ぼんやり立っている息子は恰好の的です。当然ボールをぶつけられるのですが、すると息子は怒って相手の子に殴りかかってしまいました。そのほかにも机にぶつかった友達を「わざとやった!」と決めつけ、暴言を吐いたり追いかけ回したり…。家では、宿題で非常に苦労しました。つきっきりで教えて、終わるのが毎日夜8時過ぎなのです。そんなこともあり、先生の勧めでクリニックを受診し、検査を受けました。その結果、息子はアスペルガー症候群(現在の自閉スペクトラム症に含まれる)と診断されました。さらに聴覚過敏や偏食もあることもわかりました。保育園のときから感じていた「ほかの子と少し違う?」という違和感の原因が、やっとわかったと思いました。そして特別支援学級の先生が、「国語と算数だけ特別支援学級に通ってみたらどうでしょうか」と勧めてくださいました。おそらく、国語と算数の宿題に苦戦していたからだと思います。通常学級に在籍しながら、特定の教科だけ特別支援学級で受けるというやり方は、うちの学校では息子が初めてだったようですが、とてもありがたいものでした。※通常学級在籍の場合、個別の支援は「特別支援教室」もしくは「通級指導教室」で行われます。もしくは特別支援学級に在籍し、特定の科目を交流級にて受ける形をとります。この体験談のお子さまについては、学校の判断により、通常学級に在籍しながら一部の科目について特別支援学級で受けています。Upload By ユーザー体験談プロの技に感服!特別支援学級の先生の工夫は至れり尽くせり1年生の2学期から、息子は国語と算数の授業を特別支援学級で受けるようになりました。少人数で静かな環境が本人に合っていたのか、息子は特別支援学級の授業を集中して聞くことができました。そして特別支援学級の先生は、発達障害児がどこにつまずきやすいのかを分かっていて、教え方もさまざまな工夫をしてくれました。息子は国語が大嫌いでした。「わ」と「は」の違いが分からず、「、」や「。」の間の開け方や「ば」や「ぱ」などの濁点も見間違えてしまいます。それを指摘すると暴れてしまい困っていたのですが、特別支援学級の先生は、教科書読み上げのCDを使って、読み方を教えてくれました。すると、目で見るだけでは分かりづらかった違いを意識できるようになり、すんなり頭に入ったようでした。筆圧が弱く、フラフラ書きや文字のバランスが悪い息子の文字についても、十字線のあるマスの大きなノートを使い、「それぞれのマスには、どんな形が入るかな?」とクイズ方式で楽しみながら取り組んでくれました。Upload By ユーザー体験談息子は算数は好きで、足し算引き算は暗算していましたが、「=」を書き忘れる、また、「+」と「-」を見間違えることがあり、荒れることがありました。ただ、得意な科目のため通常よりも速く学習が進み、一年生の終わりころからは、掛け算のCDやパソコンを使うなど、視覚と聴覚の両方を使って教えてもらえました。息子に合ったやり方なので、ストレスなく覚えられたようです。また、コンパスの使い方も早めに練習してくれ、至れり尽くせりでした。息子はバツをつけられることに対して強く反応し興奮してしまうのですが、特別支援学級ではそんな息子のため、一番最初に合っているものを赤でマルにし、やり直して正解をもらうと、今度は息子の好きな色でマルがもらえるという工夫をしてくれました。この方法で少しずつ息子のイライラも軽減されました。一方、私は発達障害の本を図書館で借りてきて読みあさり、そこでイヤーマフを知りました。これを使用できればイライラが少しは軽減するかも!と思い、すぐに学校側に相談して使用許可を頂きました。何個か購入して本人が気に入ったものを使用するようになり、息子はずいぶんと楽になったようです。使わなかったイヤーマフは、同じような苦しみを味わうお子さんが1人でも減らせればと特別支援学級に寄付しました。こうして特別支援学級の先生のおかげで、息子は不登校になることもなく、無事中学生になりました。Upload By ユーザー体験談「俺は、恵まれた環境でここまでこれた」という息子の夢を応援したい中学生になってからも、小学校と同じように、国語、数学、そして英語の授業を特別支援学級で受けました。しかし、「板書ができないのはサボっているからだ」とある教科担任の先生から言われ、クラスでちょっとイジメにあってしまった息子は、一週間に1、2度休むようになってしまいました。私は傷ついた息子を何とかサポートできないかと、再度発達検査をして診断書をとり(ここでLDの診断がでました)、それを息子に関わる全ての教職員にコピーして渡しました。LDがあるから板書ができないと合理的配慮を求めたのですが、通常学級だとノートの提出があり、成績に関わると言われたため、中学2年生から特別支援学級に所属することになりました。このおかげで休みがちだった息子は不登校になることもなく、高校にも無事に合格したので、早めに判断して在籍学級を移ってよかったと思っています。中学卒業後は、特別支援学級がある高校が住んでいる地域になかったため、週3日通う通信制の高校を選択しました。出席日数で大学の指定校推薦が受けられなくなると息子の抱く「将来の夢」の実現が危ぶまれるため、あえて通信制高校にしたのです。息子の将来の夢は「特別支援学級の先生」です。実は息子は、父親を4歳で亡くしています。息子以外わが家はみんな女性ばかりです。特別支援学級の先生は、困ったとき力になってくれた身近な男性です。そして卒業するまでの6年間、勉強だけでなく、さまざまなことを教えてくれました。運動会の組体操、逆立ちの仕方。林間学校の飯盒炊飯の事前練習。修学旅行前には銭湯にも連れて行ってくれ、男風呂の経験もさせてくれました。息子は先生がとても大好きでした。きっと、うっすら覚えているかどうかの父親と重ねていたのかも知れませんね。Upload By ユーザー体験談息子は、自分と同じように困っている子どもたちをサポートしたいと言っています。「俺は、恵まれた環境でここまでこれた。障害を持っていても、諦めなくていいって、先生が教えてくれた。俺に関わった人達に感謝したい」勉強だけでなく、息子の人生に大きな、いい影響を与えてくださった特別支援学級の先生には感謝してもしきれません。イラスト/keikoエピソード提供/しのっぺ(監修:室伏先生より)特別支援学級へ通われることになった経緯、特別支援学級での学習の工夫などについて具体的に共有くださりありがとうございました。素晴らしい先生方に出会えて、息子さんに合う方法で学ぶことができたこと、本当によかったですね。私も息子さんの夢を応援したいと思います。学習障害のあるお子さんは個々の苦手に合わせた学習が必要ですが、通常学級の生徒の数では個々に合わせた支援は難しいです。このお子さんの通われていた学校では一部の授業だけを特別支援学級で受けるという柔軟な形をとってくださったとのことですが、どの地域でもそのような支援が受けられるわけではなく、悩まれている親御さんも多いことと思います。通級指導教室に通っているお子さんもいらっしゃいますが、頻度として十分ではないこと、学習障害への個別指導に対応してくださる先生がいらっしゃるかどうかに依存してしまうこと、テストや試験においての配慮は受けにくいこと、など課題はたくさんあります。学習障害で読みや書き、計算などに困難さはあるけれど、知的障害はない場合、特別支援学級に在籍することは難しいこともありますし、在籍できたとしても、困難さのない範囲の学習に支障をきたす可能性や、学習以外の生活の場面で必要以上の制限を受けてしまう可能性などがあります。困っているお子さん全員が、一人ひとりにあった柔軟な教育、配慮が受けられる社会になるといいですね。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年07月17日子どもなりに「勉強しなきゃ」とは思っているようです(笑)■効果があればいいけれどそれだけで成績はあがんないんだなぁ~(涙)期末テストは夏休み明けにあります。「期末テストがんばろう」という自分への戒めのために設定してるらしいんだけど、効果があるのかないのか(汗)。もうちょっと様子見かなー?
2023年07月15日親子で“怒り”の感情について考える絵本ーー『かいじゅうポポリは こうやっていかりをのりきった』「絵本作家とドクターでつくる、これからを生きる子どもたちのための絵本」シリーズの第2弾となる本書。第1弾では“不安・こわい”の気持ちを取り上げ、本作では“怒り”をテーマに、自分の気持ちと向き合い、バクハツせずに上手に怒りとつきあう方法を、ユーモアあふれる絵本を通じて学ぶことができます。著者は赤ちゃんが喜ぶさまざまな絵本を手がける絵本作家の新井洋行さん、監修には国立精神・神経医療研究センター病院精神保健研究所知的・発達障害研究部にて部長を務める児童精神科医の岡田俊先生がドクターとして参画しています。怒り=悪いこと、我慢しなくてはならないことというイメージがあるかもしれません。しかし本作では 「怒り」を捉え言語化するプロセスを、おこりんぼのかいじゅう・ポポリの視点を通して分かりやすく描かれています。子ども自身が、怒りを冷静かつフラットに捉えることができるのが本作の特徴です。子どもが怒っているとき、その背後にはさまざまな気持ちがあります。子どもは気持ちを伝えることが苦手であると本書には記されています。その伝えたい気持ちを言葉にできるようになれば、さまざまな局面を乗り越えられるようになるはずです。「おこりんぼさんの毎日が楽になる処方せん」のようなこの絵本。保護者の方もポポリになりきり、情感たっぷりに読み聞かせて子どもの笑顔を導き、親子の時間を楽しんではいかがでしょうか。絵本の時間を通じて、親も子どもの生きやすくなるヒントが手に入るかもしれません。平熱先生の〝共感〟続出ツイートが待望の書籍化ーー『「ここ塗ってね」と画用紙を指差したわたしの指を丁寧に塗りたくってくれる特別支援学校って最高じゃない?』平熱先生は、おもに知的障害がある子どもたちが通う特別支援学校で働く現役の先生。特別支援学校でのキャリアは10年近く、小学部・中学部・高等部とすべての学部を担任し、幅広い年齢やニーズの子どもたち、保護者と関わり続けてきた先生です。そんな平熱先生が、特別支援教育の基礎や基本、また、特別支援学校で働いている一人の先生として、もしくは一人の社会人として考えていることや思うことを投稿したいと考え、開設したのがTwitter。障害のある子どもたちや支える大人たちに向けたメッセージや、特別支援教育の現状をユーモアを交えてつぶやくツイートは、特別支援教育に関わる人だけではなく、さまざまな人々の共感を呼び、登録者数7万人超えという大人気アカウントに!本書は、平熱先生のツイートの中から、大人たちの「子育てのモヤモヤ」に〝なんとなく〟寄り添ってくれる101の言葉を厳選し書籍化。思わずクスッと笑ってしまうポップでキュートなイラストと書き下ろし解説と共に収録されています。発達が気になる子どもたちと学校生活を送る平熱先生が、大人たちに伝えたいメッセージが詰まっている本書は、春の授業、夏の授業、秋の授業、冬の授業と季節感を取り入れつつ4つのパートで構成。「誰でも」「どのページからでも」気軽に楽しく読める一冊です。暗闇という非日常で生まれた各界著名人17名との対話の記録ーー『暗闇ラジオ対話集―DIALOGUE RADIO IN THE DARK―』本書は2018年から放送されているラジオ番組「DIALOGUE RADIO ~in the Dark〜」初の書籍化です。バースセラピストであり、「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」のプロデューサーである志村季世恵さんが、真っ暗な暗闇の中にゲストを迎え、暗闇という「非日常」だからこそから繰り広げられる、心の垣根や壁が取り払われたゲストとの対話が人気のラジオ番組です。「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」は、純度100%暗闇の中を普段から目を使わない視覚障害者のアテンドと対話(ダイアログ)をしながら、参加者は音、匂い、温度、手触りなど視覚以外の感覚をフルに研ぎ澄ましながら、さまざまな体験をする暗闇のソーシャルエンターテイメント。TBS系日曜劇場「ラストマンー全盲の捜査官ー」の全盲所作監修を手がけたことでも注目を集めています。本書では、50回を超えるオンエアから厳選した17回分と、新たにアテンドである視覚障害があるスタッフたちとの対話も収録。ゲストは、脳科学者の茂木健一郎さん、俳優の別所哲也さん、狂言師の野村萬斎さん、歌手の一青窈さんや平原綾香さんや、医師にフレンチシェフ、上場企業の代表取締役までさまざまなジャンルで活躍する人々が登場。多角的な立場・視点から社会やコミュニケーションのあり方、人間の可能性などを語り合う内容です。暗闇という非日常で生まれた各界著名人17名との対話の記録には、さまざまなメッセージや明日へのヒント、新たな感覚の芽生えなど、大切な気づきがちりばめられているかもしれません。暗闇の中を歩くような感覚で1ページづつ読み進めてみてはいかがでしょうか。『これだけは知っておきたい!発達障害のある子とのかかわり方: 専門家から学ぶ保育の困りごと解決BOOK』ほかの子どもに手が出てしまう、かんしゃくが激しい、じっとしていられない、言葉が出にくいなど、このような困りごとがある子どもたちには特性に合わせたアプローチが必要なのかもしれません。医師、臨床心理士、作業療法士、言語聴覚士など、児童発達支援の専門家たちにより記された本書は、幼児教育、保育の現場で働く教諭や保育士を対象に、障害に対する理解を深め、障害のある子どもたちの保育に役立てることを目的に出版されました。第1章は、発達障害の医学的な定義や分類について解説し、障害と特性、さらに特性は重なり合うことを知ることの重要性が説かれています。第2章では、専門的な視点から、児童発達支援のアプローチについて理論やプログラム・トレーニングなどの基本を解説。第3章では、現場の保育士があげた子どもたちの主な課題を10項目選出し、それらの保育士の関わり方について、専門家からのアドバイスがまとめられています。発達障害の理解から実際の保育現場でのアプローチ方法まで記された本書は、保育士、幼稚園教諭はもちろん、特別支援学校の先生、学童保育や放課後等デイサービスのスタッフ、保護者など、障害がある子どもと関わるさまざまな人にとってハンドブックとなるような一冊です。夏休みの課題サポートにもーー『TEACCHプログラムに基づく自閉症・知的障害児・者のための自立課題アイデア集第2集: 目的別に選べる102例』本書は、自立課題による療育を始めたい支援者が「何から始めたらよいのか」「どうやってつくればよいのか」という疑問を解決できるよう「つくりかた」を重視した構成になっており、使い方の目安、視覚的構造化するための視点など、初めての自立課題制作でおさえておきたいポイントがまとめられた一冊です。本書では、自閉スペクトラム症や知的障害がある人が楽しく取り組めるよう、豊富なジャンルや形状で実際に導入されている自立課題を厳選し、102例掲載されています。自立課題づくりのような「制作が得意」という支援者にはさらにアイデアが膨らむヒントが、苦手というスタッフにも、初めの一歩を踏み出すヒントが豊富に掲載されています。初めての自立課題制作でおさえておきたいポイントが分かる本書は、自立課題づくりをこれから導入したい事業所や障害者の支援に関わる方におすすめの一冊です。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年07月15日無料の参加登録受付中!発達障害のあるお子さんやご家族へ届けたい、オンラインセミナーが7/22(土)と7/29(土)に開催決定Upload By 発達ナビアライアンス プログラム1学期を終えて、もうすぐ楽しい夏休み!でも、生活リズムが乱れないか…。しっかり宿題に取り組んでくれるのか…。ゲームばかりになってしまわないか…。楽しみな反面、心配なことや気になることもたくさんあるかもしれません。発達ナビではお子さんとそのご家族に、ご自宅で情報を得られる機会をお届けするために、オンラインセミナーを開催します。・日時:2023年7/22(土)9:30~16:20(予定)2023年7/29(土)9:30~15:40(予定)・参加費:無料・形式:Zoomウェビナー配信・参加方法:事前申込必須。下記ボタンよりお申し込みください・内容:専門家講演、未就学のお子さんを応援する企業によるセミナー※企画調整中のため、今後変更となる場合もございますオンラインセミナーの内容をご紹介Upload By 発達ナビアライアンス プログラムもうすぐ夏休み!お子さんは1学期を過ごしてみて、どのような気持ちで夏休みを迎えているのでしょうか。そして、生活リズムは崩れないだろうか…家族で過ごす時間が増えて、きょうだいげんかは増えないだろうか…宿題はしっかりやってくれるだろうか…などなど、保護者の方にとっては気になることがたくさんあるかもしれません。時間がたっぷりある夏休みだからこそ生じるお困りごとへの対応や、「休み」として親子で無理なく過ごすための方法について、普段から親子の悩みに寄り添っている小児科専門医の藤井先生にお話しいただきます。当日は視聴者のみなさんからの質疑応答タイムもご用意しています。ぜひご参加ください!講師:藤井 明子先生さくらキッズくりにっく院長/小児科専門医 /小児神経専門医/てんかん専門医東京女子医科大学大学院修了。東京女子医科大学病院、長崎県立子ども医療福祉センターで研鑽を積み、2019年より東京都世田谷区にあるさくらキッズくりにっくで発達外来を行っている。病気に限らず、子どものすべてを診るクリニックをめざし、お子さんだけでなく、親御さん子育ての悩みにも寄り添う診療を行っている。三人の子どもを育児中である。専門家特別講演は、日本生命保険相互会社の提供でお送りします。日本生命は、群れ全体が協力しあって子どもを育てるペンギンのように、子育ての壁や不安のない社会を、みんなで手を取り合ってつくっていきたいとの想いから、「NISSAYペンギンプロジェクト」を始動しました。HPやSNSでは、ほっこり学べる子育てあるあるマンガを発信しています。詳細は「NISSAY ペンギンプロジェクト」で検索ください。Upload By 発達ナビアライアンス プログラムUpload By 発達ナビアライアンス プログラム大好評企画、鳥取大学大学院教授で臨床心理士の井上雅彦先生によるトークライブを開催!お子さん自身が自分の成長を実感できる関わり方とは?具体的な褒め方やタイミングは?など、自己肯定感の育み方に着目して講演をお届け。さらに後半は、保護者のみなさんから寄せられた、自己肯定感にまつわる質問のQ&Aライブを、発達ナビ編集長・牟田とのセッションでお届けします。リアルタイムにチャットで質問ができ、その場で答えていただくので、ぜひご参加ください!講師:井上 雅彦先生鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授/LITALICO研究所 客員研究員応用行動分析学をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。Upload By 発達ナビアライアンス プログラム無学年式教材「すらら」が提供する、保護者向け人気講座「ほめビリティ講座」では、褒めるを中心に「行動分析学」による関わり方を実践。 思春期前期~中期で分類し、不安が強いお子さんには「認知行動療法」も取り入れて、親子の円滑なコミュニケーションへ導きます。セミナーでは、ゲームばかりのお子さんへの声かけ法を解説。さらに、今年からスタートした、1人で子育てを続ける孤独感や疑問点などを支える「ほめビ講座オンラインコミュニティ」の内容・やり取りも一部ご紹介します。『ペアトレ知識を行動に移したい方』必見です。Upload By 発達ナビアライアンス プログラム夏休み、おうち時間も増えるし有意義な時間を過ごさせてあげたい。好きなことがはっきりしているお子さんも、ゲームやネット、Youtubeばかりしているお子さんも、そこからどうやって世界を広げていけるのか、そんなお悩みに答えます。「夢中教室WOW!」はオンライン×マンツーマンで一人ひとりの「好き」を深め、自己肯定感を高める関わりを大切にするオンライン探求家庭教師です。これまで約200人のお子さんたちに伴走し自己肯定感を温めてきた経験をもとに、お子さん一人ひとりの中にある「好き」を素直に育むための大人の関わり方・声かけの仕方や、お子さんに関わる「第三の大人」の重要性、そして夢中教室の取り組みについて紹介していきます。YouTubeは、Google LLC の商標ですUpload By 発達ナビアライアンス プログラム遊びやゲームからの切り替えが苦手、失敗を嫌がってしまうなど、お子さんとの関わり方やルールづくりで悩んでいることはありませんか?本セミナーでは、家庭でのルールづくりを中心に、おうち時間を有意義に過ごすアドバイスをお伝えします。そもそもルール設定をする目的は?ルールを破ったときの接し方は?きょうだいへの配慮はどうする?などなど、 ルールをつくるだけでなく、実際の接し方やきょうだいとの関係についても解説! ぜひおうち時間の過ごし方に活かしてください。Upload By 発達ナビアライアンス プログラム時間がある夏休みに学習を進めたい、宿題をやり切りたいのに、集中して勉強してくれない…。 もしかしたらそれは、勉強する環境がお子さんに合っていないのかもしれません。お子さんが快適に、安心して学習に集中できる環境づくりのコツを、山陽学園大学の上地玲子先生が解説。 さらに、障害児教育の専門家と家具メーカーの共同開発によって生まれた、家庭で使える療育家具をご紹介します!Upload By 発達ナビアライアンス プログラムもうすぐ夏休み、家族でのお出かけのときに、お子さんのたくさんの「やった!」を見つけましょう!公園などでの遊具遊びには、お子さんが自己肯定感を育むポイントがたくさんあります。このプレゼンテーションでは、お子さんがどこで自己肯定感を育んでいるのかを「見極める」視点と、そのための「大人の関わり方」を解説します。Upload By 発達ナビアライアンス プログラムお子さんの行動が、発達のサインなのか、問題なのか、日々の子育ての中で迷うことはありませんか?本セミナーでは、幼児期の脳と心の発達からお子さんの行動について解説していきます。さらに、お子さんの発達に合わせて、どんな関わり方をすると、わが子の可能性を引き出せるのか、そのヒントもお伝えします。またご家庭だけで対応するのが難しいと感じた時に受けられるサポートについても解説していきます。Upload By 発達ナビアライアンス プログラムわが子は英語授業についていける?つまずいてやる気をなくすかも…。英語の授業は小学3年生から始まり、将来に役立つよう実践的なコミュニケーションを中心にしたものにシフトしており、内容は以前より難しくなっています。お子さんが自信をもって楽しみながら英語の授業を受けるには、安心できるおうちの中で、楽しく英語に触れさせてあげることが大切。でも、保護者自身が英語を教えるのはハードルが高いですよね。セミナーでは、英語に苦手意識がある保護者の方でも、無理なくお子さんの英語力を伸ばせる関わり方・環境のつくり方や「授業でつまずかないための備え」「楽しみながら将来使える英語力を習得」するためのヒントを、マンツーマン・Step by Stepアプローチを行う子ども専門オンライン英会話【リップルキッズパーク】が解説します。Upload By 発達ナビアライアンス プログラム発達が気になるお子さんの子育てをオンラインサポートする「発達ナビPLUS」。 本セミナーでは、発達ナビPLUSの監修者でもある公認心理師の菅佐原洋先生に、短時間の集中でしっかりと学習内容を覚える「1分間トレーニング」について解説いただきます。・勉強をした直後はできてもすぐ忘れてしまう・家庭学習をやりたがらない・勉強をしていてもすぐに集中が途切れてしまうなど、お子さんの勉強に関するお困りごとへの手立てについてお話しします。Upload By 発達ナビアライアンス プログラム発達に特性がある子の「好き」をのばし、力に変えることのできる習い事や保護者の関わりについて解説する、保護者向け勉強会です。ゲームや動画が大好きなお子さんが、実際に好きなことを力に変えた成長事例などを交えて、・子どもの「好き」を力にする親の関わり方や習い事って?・事例で分かる!「好き」を伸ばした子どものストーリー・将来に活きる力に変えるために今からできることは?など、保護者の関わり方のポイントや習い事の選び方、将来への活かし方についてご紹介します。Upload By 発達ナビアライアンス プログラム発達に特性があり、その特性や個性を活かした進路選びを考えているご家庭向けの勉強会。好きなことや得意なことを極めることで、お子さんの将来を拓く可能性を選ぶにはどんな中学・高校の選択肢があるのか、専門家が分かりやすく解説します。発達が気になるお子さんの子育てをオンラインサポートする「発達ナビPLUS」。本セミナーでは、発達ナビPLUSの監修者でもある公認心理師・緒方広海先生に、幼少期からできる思春期の二次障害への「予防」とその「対応」について解説いただきます。・こだわりが強く、将来うつ病などの二次障害になるのでは?・幼少期からできる「予防」って?・二次障害を発症した場合はどのように接すればいい?など、特性があるお子さんの二次障害に関するお困りごとへの手立てについてお話しします。・子どもの発達特性・個性を知る言葉の遅れやかんしゃくなど、お子さんの今の状態や困っていることを整理し、特性や個性を理解するための考え方について解説します。・ことば・コミュニケーションを育む関わり方を解説ことばやコミュニケーションの発達にはどのようなステップがあるのか。発達を促す関わり方について、具体的な事例を交えながらわかりやすく解説します。・子どもに合った療育施設や幼児教室の選び方お子さんの特性や発達段階に合った療育施設や幼児教室の選び方について紹介します。Upload By 発達ナビアライアンス プログラム不登校やひきこもりがちなお子さんがいるご家庭向けの勉強会です。復学や居場所など、学校に行かない選択をしたお子さんへのサポートや、中学以降の進路の選択肢について解説します。1.不登校支援の選択肢フリースクールや訪問教室など、不登校のお子さんへの支援の選択肢や選ぶ際のポイントを解説します。2.中学以降の進路の選択肢義務教育以降の高校進学の選択肢として、通信制・サポート校や高等専修学校、チャレンジスクールなど、不登校に理解のある進路を幅広く知ることができます。3.教育にまつわる準備教育資金やお子さんの自立後に必要になってくる費用など、現実的な準備についても解説します。参加者向けの楽しい企画も!発達が気になるお子さんの役に立つ商品を抽選でプレゼント!Upload By 発達ナビアライアンス プログラム切り替えが苦手・言葉の発達がゆっくり・お友達関係が気になるといったお子さんの発達に大切なのは「楽しい遊び」。でも、どう関わったらいいのか分からないこともあると思います。発達段階ごとの特徴や遊びの意味、親子の関わり方について、日本福祉大学の言語聴覚士・臨床心理士が解説したオンライン講座を、一部無料でプレゼントします!Upload By 発達ナビアライアンス プログラム発達支援に関する専門家(心理士・言語聴覚士・作業療法士・医師・大学教授など)が50名以上在籍している発達に特化したオンラインサービスです。解説動画・よみもの4,000件以上の相談実績をもとにしたリアルな困りへの豊富なアドバイス!さまざまなお悩み別に、5分~15分で分かる解説動画や60分程度のセミナー動画、よみもの(記事)にアクセスできます。教材・プログラム専門家監修のもと独自開発された7,000点以上の教材・プログラムがダウンロードし放題!ソーシャルスキルトレーニング、学習、感情コントロール、生活サポートなど、幅広く対応しています。※通常のご入会特典【専門家への相談チケット3枚分付与】はございませんたくさんの方のご参加を、心よりお待ちしております!
2023年07月11日最初は学校の先生に指摘されゆいが発達の検査を受けたきっかけは、小学4年生のころに担任の先生にすすめられたからです。それまでの私は、ゆいが勉強や新しい環境が苦手なことを、本気で個性の範疇だと考えていました。本人には「気にすることないよ、そんなこともあるよ」と言い、成長していけば「そのうち何とかなるだろう」と呑気に構えていたのです。そんな考えでいたところ、担任の先生に発達の検査をすすめられたので、頭を殴られたような衝撃でした。まるで「母親失格」と言われたように感じてしまいました。わが子がこんなにも困っていたのに、なんで私は呑気に構えていたのでしょう。猛省しましたが今までの時間は戻ってはきません。ここから私は「何かしなきゃ」と焦ることになります。Upload By 吉田いらこそして母は「検索魔」になるそこからは、インターネットで検索を繰り返す日々でした。そのときにLITALICO発達ナビにもたどり着きました。当時の私は子どもと向き合うよりもスマホとにらめっこしていた時間の方が長かったと思います。どんな福祉制度があるのか、ほかの人たちは子どもとどのような関わり方をし、子どもはどんな進路を選んだのか。社会に出てからはどうしているのか、40代、60代になったころは…。当時夫は単身赴任中で、いつでも連絡が取れる状況とはいえ全部を私一人で背負っている感覚になっていました。「別にそこまで気にするほどではない」というスタンスの夫に対して「この人は何も分かっていない」と腹が立ち、一人ですべてを決めて突っ走っていたと思います。Upload By 吉田いらこ発達障害のセミナーを受講してみたけれどもっと知識をつけなければとインターネットで検索を続けていたところ、発達障害のある子どもを育てる保護者向けのセミナーを見つけ受講しました。検索していたとき、知的障害に関するセミナーは見つけられなかったのですが、発達障害に関するセミナーはたくさん見つけることができました(それだけ需要が多いのかもしれないと感じました)。そのセミナーでは障害にまつわる特性の具体的な対処法を学ぶのではなく、受講者(保護者)の意識改革をメインにしているようでした。育児の最終目標は何か、そこに到達するには今までの考え方をどう変えていくか…といった話が続きます。ビジネスセミナーのように目的が明確で勉強になると思ったのですが、そこで「こういう育て方だから特性が出てしまったのだ」という話題が出て、その例がまるで自分に言われているような気がして落ち込み、1回で受講をやめてしまいました。Upload By 吉田いらこわが子の障害との向き合い方、答えは身近にあったセミナーを受講しては落ち込み、「夫は分かっていない」と腹を立て、「何かしなきゃ、何かしなきゃ」といつもせき立てられるような気持ちでいました。完全に子ども本人を置いてけぼりにしていました。そんなときに私の妹に言われたことがあります。「お姉ちゃんは先回りしすぎてゆいちゃんの可能性をつぶしているような気がするよ。もっと気楽に構えてもいいんじゃない?」第三者から見ると、私が最初に自分自身が気を抜きすぎていたことを恥じて、今度は逆に縛りをきつくしすぎているように感じたようです。私は数年先のゆいの進路を見すえすぎて、通える可能性のある学校をピックアップしたり、教科をチェックしたりしていました。ゆいはまだ中学校にも通っていないのに、本人の希望は全く無視をして…。そんな私の気持ちを妹が落ち着かせてくれた気がします。それからは、現在の状況も見つつ本人と相談しながら進路を探したりしています。あのころから4年たった今も模索中ですが、これから「ちょうどいいところ」を見つけていけたらと思っています。執筆/吉田いらこ(監修:新美先生より)自分の子どもに、いきなり何らかの「診断名」がついたとき、親としてびっくりしてしまい、何かできることがないかと焦ってしまうことはありますよね。インターネットで検索を始めると、キリがないぐらいさまざまな情報にあふれていて、何がわが子にとって適切な情報なのか取捨選択が難しいこともあります。セミナーなどを受講されるとは、吉田さんはとても勉強熱心ですね。わが子のためにできることは何があるのかという強い思いがあふれています。セミナーや学習会であっても必ずしも適切な内容でないこともあるし、また講師と受講者の相性やタイミングが合わなくて、かえって苦しくなったりつらくなったりすることもあるものです。いろいろな情報を集めよう、学ぼうという姿勢はとても素晴らしいと思いますが、聞いてみてなるほどと思い、元気になれる前向きになれる情報だけを受け取っていきましょう。吉田さんが、「答えは身近にあった」と書いていただいているように、まずは診断や検査結果を一つの観点として、お子さんが何をすると元気になり、笑顔になり、何をすると大変そうにしているかなとよく見ていきながら、お子さんのことを知っている専門家(医師など)に、具体的に相談していくというのも大切にしていくとよいと思います。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2023年07月10日夜尿症とは?おねしょとは違うの?子どもの夜尿症(おねしょ)は「5歳以上で、おねしょが1ヶ月に1回以上の頻度であり、それが3ヶ月以上続いている」ことが診断の定義となります。7歳児の約10%程度に夜尿症があると言われています。その後、自然と治ってくることが多いですが、0.5~数%の人は成人しても夜尿症の症状が続くことがあります。夜尿症は睡眠中に膀胱がいっぱいになっても尿意で目を覚ますことができない「覚醒障害」に加え、膀胱の容量が小さい、尿がたまると勝手に膀胱が収縮してしまうなどの「膀胱の働きの未熟さ」、夜間の尿量が多い「夜間多尿」の重なりなどが原因と言われており、保護者の育て方や子どもの性格などとは関係ありません。このコラムでは、・夜尿症の病院受診の目安、受診する科・夜尿症の治療法・おねしょをした子どもへの声掛け・宿泊学習対策・布団の後始末方法・発達障害と夜尿症の関連性など、夜尿症やおねしょにまつわるギモンから、対応方法まで専門家の先生のアドバイスを交えてご紹介します。【医師回答】夜尿症の受診基準は?何科に行った方がいい?子どもへの声掛け方法や発達障害との関係など夜尿症専門医が回答!ここからは夜尿症専門医の大友義之先生に夜尿症の原因や、家庭や学校での対応のコツについてお答えいただきます。(質問)小3の子どもがいますが、週に1回くらいおねしょをします。どのくらいの頻度でおねしょがあると病院を受診した方がよいのでしょうか。また、何科を受診すればよいのでしょうか。(回答)小3で週に1回の夜尿が続いているお子さんは10%ほどおられます。毎晩夜尿があるお子さんよりも自然治癒できる可能性が高いと思いますが、小児科のかかりつけ医にまずは相談してみましょう。ただし、昼間のちびりもあるようでしたら、急いで治療を考えた方が良いと思います。Upload By 発達障害のキホン(質問)夜尿症にはどのような治療法があるのでしょうか。薬などが処方されるのでしょうか?(回答)まずは、就寝2時間前には飲水量を200ml以内に抑えて、就寝前に必ずトイレでの排尿を励行することが必要です。夜間の尿量が多い7割の患者さんには抗利尿ホルモン薬(薬物治療)が有効です。それ以外の患者さんにはアラーム治療が有効です。Upload By 発達障害のキホン(質問)小学生になってもおねしょを頻繁にするので、よくないと思いつつもつい叱ってしまいます。どのような声をかければよいのでしょうか。(回答)夜尿を来すことはお子さんのせいではないので、叱るのは逆効果です。夜間の飲水制限が守れたこと、就寝前にちゃんと排尿していること、また、治療が行えていることを褒めるほうが効果的です。Upload By 発達障害のキホン(質問)おねしょの多い小4の息子がいます。もうすぐ学校で宿泊学習があるので心配です。家庭でできる対策が知りたいです。(回答)宿泊行事まで数ヶ月の余裕があるのであれば、抗利尿ホルモン薬の効果が期待されます。おそらくクラスに2~3名は夜尿が続いていると思いますし、担任は慣れているので、あらかじめ相談しておき、夜中に一旦起こしてもらう、もし失敗したときに周りに気づかれないようにサポートしてもらいましょう。また予備の下着や、可能であれば、尿吸収パットがついた下着を用意すると宜しいでしょう。Upload By 発達障害のキホン(質問)仕方ないと思っていても、夜中や忙しい朝におねしょの後始末をするのがストレスになってしまいます。良い対策方法などあれば知りたいです。(回答)紙パンツを装用し、さらに布団の上におねしょシーツを掛けて眠ってもらうのが良いでしょう。夜尿の頻度が減るまでは、「濡れて気づかせる」というやり方は逆効果です。Upload By 発達障害のキホン(質問)子どもに発達障害があります。小学生になってもおねしょが続いているのですが、発達障害のある子どもは夜尿症になりやすいのでしょうか?(回答)夜尿は、尿意や漏れてしまった場合の濡れた感覚で覚醒できないことが最大の問題です。従来は「眠りが深い」からと考えられてきましたが、昨今は、夜尿のある子どもはむしろ質の悪い睡眠がダラダラ続いていることが問題視されています。発達障害、特にADHDのある子どもは、そうでない子どもに比べて4~5倍夜尿の頻度が高いと言われています。理由としては、中枢神経系の問題で、通常尿意の認識能力の低さや未成熟さ、睡眠障害の併存などがある場合が多く見られることが挙げられます。またADHDがあると水分制限や就寝前の排尿、処方薬の内服の継続などが苦手だったり、睡眠障害などが原因でアラームの治療の効果が悪いこともしばしばあり、その場合ADHD自体の治療を積極的に行うことにより夜尿が速やかに改善する場合もあります。※夜尿があるからと言って必ずしも発達障害があるというわけではありません。Upload By 発達障害のキホン夜尿症、おねしょ、トイトレにまつわるコラム(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2023年07月09日不登校新聞×TikTokで「不登校生 動画選手権」開催へ一審査委員長として中川翔子さんも参加Upload By 発達ナビニュース1998年に不登校に関する新聞として創刊し、不登校に関わる問題や子どもの権利、また、親子が安心し未来に希望を持てるような情報を発信する『不登校新聞』と、若年層を含む幅広い世代に利用者がひろがり、世界中の動画を無料で楽しめるアプリ『TikTok』が連携し、「不登校生 動画選手権」を2023年7月1日(土)~7月31日(月)まで開催中です。「不登校生 動画選手権」は、不登校当事者のための全国大会です。参加資格は20歳未満で不登校を1日でも経験した個人またはグループ。本大会の運営が定義する不登校は「学校がつらい、行きたくないと思って学校を1度でも休んだ経験」です。動画のテーマは「学校へ行きたくない私から学校に行きたくない君へ」です。思いを述べる、絵を描く、風景を撮るなど表現方法はさまざま。応募は「#不登校生動画選手権」をつけて、TikTokに動画(1分以内)を投稿する方法を採用。その背景には、「この大会を通して、当事者同士で夏休み明けの不安な時期にエールを贈りあってもらいたい」という狙いがあるのだとか。表彰式は、2023年8月18日(金)に東京都現代美術館にて開催。最優秀賞、優秀賞などの賞状授与、受賞者へのインタビューを行う予定です。大会審査委員には、中川翔子さん、内田也哉子さんらが名を連ねています。ぜひこの機会に、動画を通じてご自身の思いや創造性をぶつけてみてはいかがでしょうか。応募について参加資格:20歳未満で不登校(※)を1日でも経験した個人、またはグループ※不登校の定義は「学校がつらい、行きたくないと思って学校を1度でも休んだ経験」(大会用定義)応募方法:「#不登校生動画選手権」をつけて、TikTokに動画(1分以内)を投稿※13歳未満の方は保護者が撮影し、保護者のアカウントにて投稿ください応募期間:2023年7月1日(土)~2023年7月31日(月)表彰式日時:2023年8月18日(金)14:00開始(開場13:30)会場:東京都現代美術館内容:最優秀賞、優秀賞などの賞状授与、受賞者へのインタビュー※クリックすると、発達ナビのサイトから「不登校生 動画選手権」のページに遷移します。一般公開WEBイベント「発達障害の”障害”は、社会のどこにあるのか?」2023年7月23日(日)開催ーーオールマイノリティ・プロジェクト共催の注目イベントUpload By 発達ナビニュース一般公開WEBイベント「発達障害の”障害”は、社会のどこにあるのか?」が、筑波大学ダボットプロジェクトとオールマイノリティ・プロジェクトの共催により2023年7月23日(日)に開催されます。このイベントでは、SDGsの理念である「誰一人取り残さない」社会に向けて、本当の意味での「障害の社会モデル」に立ち返り話し合いが行われます。発達障害の”障害”を、社会構造上生じる社会的障壁ととらえると、その障壁は社会のどこにあるのでしょうか。今回のイベントでは、とくに青年期・成人期にフォーカスし、発達障害と社会的障害の壁について、ディスカッションが行われます。また、マイノリティである発達障害のある人の社会的孤立・孤独を防ぐために、私たちが取り組めることについても考えていきます。当日は、オールマイノリティ・プロジェクト代表で千葉大学子どものこころの発達教育研究センターの大島郁葉教授による基調講演「発達障害のある人の社会的孤立・孤独とマイクロアグレッション」に続き、「ここがヘンだよ、大学や社会」として、大学をテーマに発達障害のある当事者と支援者の模擬対話セッションを行います。その模擬対話セッションや事前アンケート、参加者からの当日のチャットなどを踏まえた上で、4名のパネリストによるディスカッションを進めていきます。当事者やご家族はもちろん、青年期・成人期の発達障害者支援に関心のある皆さんにおすすめのイベントです。開催日時:<リアルタイム:当日参加>2023年7月23日(日)13:00~16:30※12:50開場予定。前後することがあります<見逃し配信>2023年7月23日以降設定完了次第~2023年8月23日(水)23:55開催方法:ウェビナー形式(Web会議システムZoom)参加費:無料対象者:青年期・成人期の発達障害者支援に関心のある方ならどなたでもアクセシビリティ対応:情報保障などのアクセシビリティ対応が必要な参加者の方は、2023年7月9日(日)までにお申し込みください共催:筑波大学ダボットプロジェクトオールマイノリティ・プロジェクト協力:筑波大学ヒューマンエンパワーメント推進局京都大学高等教育アクセシビリティプラットフォーム※クリックすると、発達ナビのサイトからpeatixの「発達障害の”障害”は、社会のどこにあるのか?」チケット申し込みページに遷移します。多様な人が使いやすいノート作りのノウハウに教員のアイデアを詰め込んで――帝塚山小学校オリジナルノートを共同開発Upload By 発達ナビニュース昭和5年創業、年間2千万冊以上のノートを製造する大栗紙工株式会社は、奈良県にある帝塚山小学校と共同で、自学自習用の「帝塚山ノート」を開発しました。同校では、子どもの学力向上のためには自ら興味関心を持って取り組むことが大切という思いから、進んで書きたくなる自学自習用のノートを作ることを起案。そんな折、大栗紙工株式会社の「mahora(まほら)ノート」を新聞紙面で知ったことが共同開発のきっかけでした。まほらノートは、発達障害当事者およそ100名の声を集めて開発された同社のオリジナルブランドです。「光の反射を抑えた中紙」「識別しやすい罫線」「シンプルなデザイン」が特徴です。白いノートが当たり前だと思われがちですが、「白色の紙がまぶしい」「罫線がわかりにくい」などが原因で書くことが苦手な人がいます。まほらノート開発には、少数派であってもそれぞれに抱える困りごとを解消したいという想いが込められています。まほらノートのノウハウを生かしつつ、同校教員のアイデアを詰め込んで、約1年間試行錯誤して完成したのが帝塚山小学校オリジナルの「帝塚山ノート」です。年齢に合わせて考えた自由につづりやすい罫線や、目にやさしい紙の色などに工夫が加えられており、自ら調べて発表する探求学習に意欲的に取り組む児童が増加傾向にあるそうです。まほらノートはオンラインストアで全国より購入可能です。発達障害がある子どもも含めて、誰にとっても使いやすいノートとなっています。夏休みの絵日記や日々の学習に、目に優しいノートを取り入れてみてはいかがでしょうか。帝塚山小学校の取り組みはこちら※クリックすると、発達ナビのサイトから「大栗紙工株式会社 まほらノート」の公式サイトに遷移します。限られた色の世界に広がる、限りのない表現――「モノクローム描くこと」東京都渋谷公園通りギャラリーにて2023年7月22日(土)~9月24日(日)まで開催Upload By 発達ナビニュースアートを通して、一人ひとりの多様な創造性や新たな価値観に人々が触れる機会を創出する東京都渋谷公園通りギャラリーでは、2023年7月22日(土)~9月24日(日)の期間にて「モノクローム描くこと」展が開催されます。「モノクローム描くこと」展では、モノクロームの限られた色の中で描かれる独自の世界観に注目し、描くことの本質を探ることをテーマに、7名の作家による絵画や立体など67点の作品が紹介されています。本展の見どころは、白黒のモノクロームが描き出す豊かな創造の世界です。国内外で多くの発表歴をもつ作家から、独自に創作を続けてきた近年の作家まで、7名の作り手によるモノクロームの独創的な表現による多数の作品を鑑賞できます。作品の色を白黒のモノクロームに限ることで、作家一人ひとりが描き出す独自の世界観がより際立って見えてくるのではないでしょうか。また、オーソドックスな描画材である木炭、ペン、墨汁のほか、紙の版で刷られる版画や針金の立体など、さまざまな画材や素材を用いて表現された作品の数々も見どころです。モノクロームという条件を絞ることで強いコントラストをもって見えてくる作品の新たな魅力、そして、「限られた色の世界に広がる、限りのない表現の世界」を、展覧会に足を運びご自身で体感してみてはいかがでしょうか。<詳細>会期:2023年7月22日(土)~9月24日(日)会場:東京都渋谷公園通りギャラリー 展示室 1、2開館時間:11:00~19:00休館日:月曜日(9月18日を除く)、9月19日(火)入場料:無料出展作家:岡元俊雄、高橋和彦、たぬきだ shin、西岡弘治、平瀬敏裕、堀口好輝、吉川敏明※クリックすると、発達ナビのサイトから「モノクローム描くこと」展の公式サイトに遷移します。日本No.1の子ども動画クリエイターを決めるコンテスト「全国小中学生動画コンテスト FULMA Creator Awards 2023」作品募集中!Upload By 発達ナビニュース子ども向け動画制作スクールを運営するFULMA株式会社では、次世代を担う小学生・中学生から才能溢れるクリエイターを発掘、育成し、子どもと社会をつなぐ、小中学生向け動画制作コンテスト「FULMA Creator Awards(フルマクリエイターアワード)」を開催。2023年6月1日(木)~9月2日(土)まで動画作品を募集しています。参加資格は、応募者または応募チームメンバー全員が、小学生または中学生であること。対象は3分以内の動画作品で、作品はアニメ・イラスト、ゲーム実況、コメディ寸劇、CG、商品紹介、ショートフィルムやミュージックビデオなど、ジャンルを問わず自由な発想で制作可能です。審査は「考える力」「伝える力」「つくる力」の3つの項目からなり、特に優秀な10作品は11月11日(土)に日本科学未来館(東京都江東区)で開催される最終審査会にて表彰されます。今回で第2回目となる同コンテスト。2023年のキャッチコピーは「ここは、君のための舞台だ」です。このキャッチコピーには「今の君だからこそ、心から感じる『思い』や『好き』、『やりたい!』といった感情を動画で表現してほしい」という想いが込められているそうです。今年の夏休みは、小中学生の今だからこそ表現できる動画制作にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。参加資格:応募者または応募チームメンバー全員が、小学生または中学生であること※ただし動画出演者はこの限りではありません。募集作品:企画・撮影・編集等、小中学生で制作した動画作品(3分以内)審査手順:1.中間審査(9月中)※非公開2.最終審査会11月11日(土)※一般観覧可能、オンライン配信予定募集期間:2023年6月1日(木)~2023年9月2日(土)表彰式日時:2023年11月11日(土)14:00~17:30 (予定)会場:日本科学未来館7階未来館ホール(住所:東京都江東区青海2-3-6)※クリックすると、発達ナビのサイトから「全国小中学生動画コンテスト FULMA Creator Awards 2023」の公式サイトに遷移します。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2023年07月08日オンライン大学進学塾を経営する株式会社ポラリス(本社:大阪市中央区、代表:吉村 暢浩)が、子供の教育に不安を感じているという保護者からの相談が増えていることから、夏休みに向けて保護者向けのオンライン個別相談会を2023年7月14日から7月31日まで開催します。ポラリスアカデミアの講師陣【農村地域、遠隔地などの教育格差が深刻化】現在、親ガチャが話題となっており、共通テストでも想起させる問題が出題されました。親ガチャとは、生まれもった容姿や能力、暮らしている地域によって人生が大きく左右されるという認識に立ち、「生まれてくる子供は親を選べない」ことをスマホゲームの「ガチャ」に例えての表現です。その親ガチャにより教育の格差が広がっています。教育格差については経済的な面に話題が集中していますが、実は都市部と地方、農村地域、遠隔地などの教育格差が深刻化しています。また、教育機関へのアクセスの不均衡や、学校の質の違いが地域間で存在します。特に、農村地域や遠隔地などの地理的に不利な場所では、過疎化の進行により社会教育施設や学習塾が維持できず、学びの場が急速に失われつつあります。【背景は指導人材不足や住民環境】全国を対象にオンライン大学進学塾を行う当社では、地方に住まれている保護者からのオンライン相談数が増えており、個別相談の3件に2件が地方にお住まいの保護者となっています。その背景には、教育環境が整っていない、情報交換など相談できるママ友がいないという状況があります。子供に勉強してもらうにはどうしたらいいかという全国共通の相談が多いですが、中には地方ならではの「塾はあるけど先生が高齢で頼りない」「偏差値の高い大学卒の講師がいないので心配です」という相談などがあります。当社では受験生の母親を対象にしたコーチング事業を行っており、そのノウハウを活かし、保護者向けの個別相談を行っています。1回60分間、勉強内容に関する事実確認、問題点の特定、解決策のアイデアを出し合います。【地方の受験生は不利だと思われがちですがあきらめないでほしい】「親の私が合格のためにできることを知りたい」という子供と二人三脚で勉強に取り組みたいという保護者が増えてきた中で、特に地方にお住まいの場合には相談できる人がいないのではないか、と考え当社は個別相談会を開始するに至りました。相談会に参加した保護者からは、「田舎には志望校を卒業した先生がいない、オンラインで相談できる先生がいてよかった」「首都圏の学校に通学している人とは学習の選択肢の幅も大きく変わります、オンラインで相談できることは本当に助かります」といった声をいただいています。代表の吉村は、「地方の受験生は不利だと思われがちですがインターネットを活用したり学校の先生に相談したりと工夫次第でなんとかなります。地方出身だからといって、志望校をあきらめたりしないでください。」と話しています。《保護者向け、オンライン夏の個別相談会》日時 : 2023年7月14日~7月31日料金 : 無料場所 : Zoom開催申し込み方法 : 定員 : 先着20名受験勉強や参考書選び、子供に対する声かけや関わり方、志望校選び、受かる夏休みの過ごし方、などの相談に対応させていただきます。【会社概要】会社名 : 株式会社ポラリス代表 : 吉村 暢浩本社 : 〒542-0076 大阪市中央区難波5-1-60なんばスカイオ27階WeWork内事業内容: 受験コンサルティング・コーチング事業URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年07月07日発達に遅れがあるとは思ってもいなかった0~3歳までの長男Upload By プクティ長男は生後1ヶ月で首が座ったり、5ヶ月でハイハイを始めたりと、体重も大きめ成長も早めな健康児でした。言葉も1歳になってから単語が次々と出てきて、気づけば2語文を話すようになり、2歳になると3語文をすらすらとしゃべっていたので、このときは特に発達に遅れがあるとは夫も私も全く思いませんでした。それに1歳半健診や3歳児健診のときも、何か発達について指摘されることもありませんでした。Upload By プクティ3歳で幼稚園入園、初めての集団生活。ところが…生まれてからずっと自宅保育で育てていた長男も3歳になり、いよいよ幼稚園へ通うことになりました。このままスムーズに幼稚園生活が送れる、そう思っていたのですが…。Upload By プクティ入園当初は登園を渋ったり、制服を嫌がったりしていた長男でしたが、徐々に慣れてくれて問題なく登園できるようになりました。幼稚園ではどのように生活しているのか気になっていましたが、入園から1ヶ月たったころに保育参観があり、幼稚園での長男の様子を見られることになりました。当日はとても楽しみに園へ向かったのですが、そこには目を疑う光景がありました。入園して最初の保育参観で目にした光景は…Upload By プクティそこには椅子に座らず、上履きも履かず、床に寝そべる長男の姿がありました。ほかの子どもはきちんと先生の言うことを聞いて歌ったり踊ったり、製作したり。長男はどれにも参加することはなく、ときには教室を出て行ってしまう場面もありました。その姿を見てショックではありましたが、このときはまだ入園してすぐでしたし、保育園へ行っていない長男には初めての集団行動、さらには早生まれということもあるので、これから徐々に慣れていってくれるだろうとあまり重く考えてはいませんでした。保護者面談で告げられた、予想外の言葉そして、1年目の園生活も後半にさしかかったころ、保護者面談の機会がありました。長男がどのくらい園で成長しているのか先生に聞くのを楽しみにしていたのですが、先生から伝えられたのは思いもよらない言葉でした。それは…入園当初から長男の様子は変わっていないということ、そして発達支援センターに連絡をして療育に通ってほしいということでした。Upload By プクティこのとき初めて長男に発達の遅れがある可能性を知り、その後発達支援センターや療育医療センターへ通った結果、長男に知的発達症があることが発覚したのでした。知的発達症と分かってからもいろんな問題や出来事がありましたが、徐々に成長もしている長男。そんなわが家のエピソードをお届けできたらと思います!執筆/プクティ(監修:室伏先生より)知的発達症と診断されるまでの長男さんのご様子とプクティさんのお気持ちを共有してくださり、ありがとうございました。予想していない検査結果、診断で、受け止められるまでの葛藤やご不安があったことと思います。お母さま、お父さまというのはさすがで、お子さんの伝えたいこと、想いを汲み取るのがお上手ですし、お子さんも言葉で伝えられないことをジェスチャーなども駆使して上手に伝えてくれることもあるので、ご家族との間ではコミュニケーションに困っていないことも多く、ご家庭で気がつくことは難しい場合もあるかと思います。言語の発達については、1歳~1歳半ごろまでに単語の発語がみられ、2歳ごろには2語文が出てきます。このころまでに、簡単な指示に従う、「〇〇どれ?」の問いに指差しで答える、身体のパーツの名称を理解する、などができるようになります。3歳では、3語文が出てくる、自分の名前が言える、大小や長短などの形容詞や色の理解ができる、などが可能となってきます。4歳では、同じ年代のお子さんと言葉でのやりとりができるようになってきたり、数概念(3こちょうだい、などの指示に応じられる)の理解も進んできます。5歳になると、じゃんけんなどの簡単なルールが理解できるようになったり、左右の理解、ひらがなの読みなどが進んできます。個人差もありますし、年齢が進むにつれて遅れが目立ってくることもあり、健診では指摘されないこともあります。ご不安や違和感を感じられたら、まずは園の先生にお話を聞いてみるでもよいでしょうし、発達相談の窓口へも気負わずにご相談いただけるとよいかと思います。今後もプクティさんからのエピソード、楽しみにしております。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年07月06日家庭教師業のオリジナル・エデュケーション(神奈川県横浜市、代表:牧 静)は、長年母子の関わり合いを見てきた経験と専門的に習得したコーチング技術によって、子供の不登校に悩む母親を対象としたコーチングサービス「母親向け不登校受験30分間無料相談」を2023年7月10日に提供開始いたします。不登校をマイナスに考えない、子供の個性や将来を見すえた前向きになれる指導が好評です。オリジナル・エデュケーション代表 牧 静【不登校をきっかけに、子供より深刻なのは親のメンタル】文部科学省「2021年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」では全国小中学校の不登校の子供の数が24万人を超え、過去最高の増加率を示しました。それを受けたNPO法人登校拒否・不登校を考える全国ネットワークの緊急アンケートでは、不登校の子供のうち7割が「不登校になって心が安定した」と答えています。一方、不登校の子供を抱える親のうち65%が「自分を責めた」54%が「自信が無くなった」と答えています。不登校により精神的に深刻なのは、実は子供より親のほうだったという結果となりました。※文部科学省「2021年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査 ※NPO法人登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク緊急アンケート 【子供の不登校に悩む母親を支える活動が活発化】このことから現在、不登校に悩む親を支える活動が全国的に活発化しています。3年間満席状態という「行列のできる家庭教師」牧 静(まき しず)のもとにも、近年不登校の子供の母親から相談が目立つようになってきました。「自分の育て方が間違っていたのではないか?」「子供の将来が不安で眠れない」「母親が家にいなくてはならなくなり生活に支障が出てきた」「どうしても自分を責めて、もっと頑張らなきゃって考えてしまう」など。講師歴15年これまでのべ3,000人以上の小中学生を指導しており、多数の母子関係を見てきた牧は、母親の不安感が子供に連鎖することが不登校の原因の一つであると結論。学習指導だけでは問題解決につながらないと、自らコーチングを専門的に学びました。その技術を使い母親コーチングを行ったところ、子供の偏差値が急にあがり始めました。これは母親の自信や自己肯定感が高まることで親子関係が改善し、子供の学習効果が飛躍的にアップした結果となります。このことからオリジナル・エデュケーションでは、不登校の子供をかかえるお母さんを対象とした「母親向け不登校受験コーチング」を本格的に提供開始しました。提供開始からわずか3カ月で、体験版動画へのお申込みが60件。マンツーマンコーチングは20万円という高額にもかかわらず、10件のご成約がありました。【不登校はデメリットではない!母親向け不登校受験コーチング】牧の母親コーチングは、通常1回60分を6回行います。そのなかで不登校の子供を学校に行かせることを問題解決とするのではなく、母親の自己肯定感を取り戻すことを優先します。これを受けた母親とその子供は、不登校を続けながら自宅学習だけで難関私立中学に見事合格。その後、自分で志望した学校ということもあり、徐々に登校できるようになっています。不登校のまま難関中学受験を合格した子供のお母さんの声「不登校は私たちにとってマイナスのイメージしかなく、どうしたらよいか悩んでいたのですが、不登校を進路の大きな方向転換だと教えていただき、希望が見えました」「子供の成長は長いスパンで見てよいのだと教わりました」オリジナル・エデュケーションでは、2023年7月10日から「母親向け不登校受験30分間無料相談」の提供を開始します。代表の声「不登校はデメリットではありません」「お母さんの価値観と子供の価値観の中に勉強の重要性がしっかり落とし込めれば、子供は自然に勉強するようになります」【新サービス「母親向け不登校受験30分無料相談」】お子様が不登校でお悩みのお母さんを対象に「行列のできる家庭教師」牧 静がオンラインで30分無料相談を承ります。オリジナル・エデュケーションのホームページもしくはお電話にてお申込みください。《無料相談窓口》オリジナル・エデュケーション= または 090-3531-6458【会社概要】会社名 : オリジナル・エデュケーション代表 : 牧 静事業内容: 家庭教師および母親向け不登校受験コーチングURL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年07月05日イッツ・コミュニケーションズ株式会社(本社:東京都世田谷区 代表取締役社長:金井 美惠 以下、イッツコム)は、地域の社会インフラを担う企業として豊かな地域社会の実現を目指し、お子さまの“学び”をサポートする事業に取り組んでいます。その一環として、夏休みのお子さまを対象にした“学び”のイベント『イッツコムサマーミッション』を開催いたします。本イベントは、宇宙をテーマにした体験プログラムで、株式会社日本旅行(本社:東京都中央区 代表取締役社長:小谷野悦光)と連携し企画いたしました。宇宙飛行士の仕事やロケットの役割などについて学ぶ「宇宙教室」、宇宙で生き残るためには何が必要かをクイズ形式で学ぶ「月生存ゲーム」、ロケットが飛ぶ原理を学びながら工作する「フィルムケースロケット」などのプログラムを用意しています。なお、「フィルムケースロケット」や「月観察ワークシート」は持ち帰り可能ですので、夏休みの自由研究にも活用いただけます。イッツコムでは昨年度、“学び”をサポートする実施検証として、オンライン学習教材「デキタス」*とオンライン学習利用における通信環境に関する困りごとを解決する「快適メッシュWi-Fi」や「Webフィルタリング」などのイッツコムのサービスとを組み合わせた学習パックのモニター検証を行いました。今後も、様々なアプローチで地域社会における“学び”分野に貢献していきたいと考えています。*デキタス・・・城南進学研究社(本社:神奈川県川崎市 代表取締役社長:下村勝己)が開発した小中学生用オンライン学習教材。インターネットに接続されたPCやタブレットがあれば、専用機器は不要。学校で使用している教科書を選択することで、学校ごとに異なる学習内容に対応。学習記録などの管理機能も搭載。■ 【イベント概要】[イベント名] 宇宙を楽しく学ぶ イッツコムサマーミッション2023[日時] 8月7日(月) 1回目10:30~13:00、 2回目14:30~17:00[場所] PLAZA HALL by iTSCOM(横浜市青葉区美しが丘1-1-2 たまプラーザ テラス ゲートプラザ2階)[対象] 小学校1年生~4年生 ※1,2年生は保護者同伴推奨[定員] 1,2回目 各回 定員35名[参加料] 3,800円/人[内容]1.宇宙教室2.月生存ゲーム3.フィルムケースロケット4.月観察ワークシート配布[応募方法] チケット販売サイト(peatix)よりお申し込みください [応募期間] 2023年7月4日(火)11:00~2023年8月3日(木)23:55[協力] 株式会社日本旅行_____________________________________◆イッツ・コミュニケーションズ株式会社について代表者: 代表取締役社長 金井 美惠所在地: 東京都世田谷区用賀4-10-1 世田谷ビジネススクエアタワー22F株主: 東急株式会社会社設立: 1983年3月2日 / 開局: 1987年10月2日資本金: 52億9千4百万円接続世帯数: 約99万世帯(2023年5月末現在)事業内容:放送法による一般放送事業(有線テレビジョン放送事業)電気通信事業法による電気通信事業 ほかサービスエリア:東京都 渋谷区・目黒区・世田谷区・大田区・町田市川崎市 高津区・中原区・宮前区横浜市 青葉区・都筑区・港北区・緑区サービスサイト : コーポレートサイト : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年07月04日長期のお休みは「大変だけどありがたい」もの!?Upload By 丸山さとこ息子のコウが小学生になったときから中学生の今まで、私は在宅で仕事をしています。そのため、コウは夏休みなど長期休暇の間は学童などを利用せず概ね家で過ごしています。「ねーお母さん」「あのさー、この間さー」「〇〇食べていい?」が延々と続くため、仕事がはかどるとは言い難い状況になりますが、私はコウが長期休暇に入ると「楽だな~!」と感じます。理由は簡単で、夏休み中は『明日の支度』と『毎日提出する宿題』がなくなるからです。ASDとADHDがある息子のコウはコンディション次第で宿題にかかる時間がかなり変わります。早いときは5~10分で終わるプリントが、長いときには2~4時間かかったりします。長くかかるときは、気が散ってずっとおしゃべりをしていたり音楽を聞いたりしているときもあれば、ただボンヤリと固まっているときもあります。プリントに一本線を引いては机に突っ伏し、消しゴムを握っては溜息をつき…なんてこともあります。そんな彼が『毎日の宿題』を安定してこなすのはなかなか大変で、たった1枚のプリントを相手に親子で燃え尽きる日もたくさんあります。Upload By 丸山さとこそんな風に日々宿題に振り回されがちなコウと私ですが、夏休み中はコンディションのよいときにだけ宿題を進めればよいので、「それだけでも助かるな~!」と感じます。コンディションがよいからといって自分から夏休みの宿題をサクサク進めるということはほとんどありませんが、親が近くで様子を見たり手を貸したりすれば進むだけでかなり助かります。Upload By 丸山さとこまた、夏休み中は学校から宿題の一覧表が配布されるため、『宿題のためのノートやプリントを持ち帰り忘れた』場合もすぐに気づけるのもありがたいです。コウは連絡帳の書き忘れや持ち帰り忘れが多いため、普段は宿題が出ているのかどうかすら分からない状況になりがちです。宿題の一覧表があると『宿題の範囲・提出期限』がハッキリ分かるため、親からの確認やフォローも行いやすくなります。生活リズムや宿題の大まかな計画は決めつつ、ゆるゆると…このように、私とコウにとって夏休みなど長期休暇のいいところは『時間の融通がきくところ』なのですが、それはともすれば時間管理のルーズさという困った要素にもなりかねません。ですので、食事時間や就寝時間などの基本的な生活リズムや『いつまでにどのくらい宿題を進めるか』などの大まかな計画は決めることを大切にして、可能な範囲でゆるゆると夏休みを過ごしていこうと思っています。Upload By 丸山さとこ執筆/丸山さとこ(監修:井上先生より)在宅ワークの親にとって長い夏休みは子どもといる時間が増えるため、互いにストレスがたまることもあるでしょう。一方、子どもさんにとっての長期休暇は日ごろの学校ルーティンから解放される意義ある時間です。ただ予定がないと不安になったり、優先順位がつけられなくなってしまうので、時間的余裕が生まれるメリットを活用しつつ生活時間の中で子どもの体調に合わせたスケジュールを工夫したり、日ごろはできないお手伝いや調理などを学ぶ機会にするのはとてもよいことだと思います。また親御さんのストレスを軽減し自立できるようにするためには、子どもさんが1人で取り組めるような活動や空間を用意することも重要でしょう。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年07月04日3歳児の発達の目安は?わが子の多動の原因は?ADHDの可能性がある?3歳ごろの子どもは、基本的な運動動作が一通りできるようになり、生活習慣の自立も進みます。ことばによるやり取りもできるようになり、社会性も育ってきて、徐々にお友達と関わりながら遊ぶことも増えてきます。3歳になって、幼稚園に入園するなど初めての集団生活を経験することになり、わが子とほかの子どもの様子を比べて「わが子は多動かもしれない…」「もしかして、ADHDの可能性がある?」と気になる方もいらっしゃるかもしれません。このコラムでは、・3歳児の多動の原因・多動と発達障害の関連性・困ったときの相談先などをご紹介し、多動にまつわる保護者のお悩みや困りごとなど専門家の先生にアドバイスいただきます。【小児科医に聞く】3歳児の「多動」に関する悩みーー落ち着きがない、集団行動が苦手、発達障害との関係は?医師が回答(質問)3歳の子どもがじっとしていられず、外でもすぐ走り出してしまいます。落ち着きがなく、幼稚園に入れるのか不安です。多動は、もう少ししたら落ち着くのでしょうか?(回答)3歳だと、自宅など家族がいる場面では落ち着きがないように見えても、幼稚園や保育園などでは落ち着いて過ごせているお子さんもいます。しかし、家でも外でも落ち着きがない場合には、心配かと思います。多動が落ち着く時期は、お子さんによってもさまざまです。多動の原因は、さまざまな要因が組み合わさっていることがあります。注意欠如・多動症(ADHD)などの脳の発達・機能の異常が関与していることがあります。ADHDに自閉スペクトラム症や知的障害が併存していることによる場合もあります。また、家庭環境の不安定さ、過度のストレスがかかったなどの環境要因が関連することもあります。言葉の遅れがあり、落ち着きがない場合には、言葉の発達に伴って落ち着いてくることもあります。言葉が遅れていないが、落ち着きがない場合には、いろいろな物事に興味が移り変わりやすく、多動が長く続くこともありますが、小学校の中学年以降には多動は落ち着いてくると言われています。幼稚園や保育園での集団生活で、お集まりのときにじっとしていられないなどがある場合には、発達支援センターやかかりつけ医に相談することをおすすめします。Upload By 発達障害のキホン(質問)幼稚園の年少(3歳児)の子どもが、落ち着きがなく、指示も通らず、集団行動ができません。どのくらいの程度の多動の場合、発達障害の可能性が考えられるのでしょうか?医師に診てもらったほうがいいのでしょうか。(回答)まだ3歳ですとADHDなどの発達障害の可能性があるかどうかは、判断がつけられません。じっとしていられない、静かにすべきところで静かにすることができない、気持ちのコントロールがつきにくく癇癪が激しい、物の扱いが乱暴、動きが多く目が離すことができないなどの様子から、ADHDの疑いがあるということで、専門機関に相談されることがあります。入学前でも、家や園でも落ち着きがなく、日常生活や園生活に支障がある場合には、専門機関に相談することをおすすめしています。Upload By 発達障害のキホン(質問)子どもがじっとしていないので、買い物や外食にも行けません。子どもの発達のことを相談できる人もおらず、不安です。(回答)じっとしていないと、買い物も外食にも行きにくいですね。多動が激しい場合、外出先で注意ばかりで疲れてしまうというお声を聞くこともよくあります。外出先でお子さんがじっとして待つのが難しく、負担がかかる場合には、お子さんが園などに行っている時間内に用事を済ませるのも良いでしょう。一緒に行かざるをえない時には、○分買い物をします、など見通しを立ててから出かけ、少しでも待てたら、待てたねと、できていることに注目して声をかけましょう。しかし、まだ3歳ですと、待つのも難しいときも多々あるかと思います。買い物や外食が、親子一緒に必ず行かなければならないものなのか、お子さん・親御さんに負担がかかるものではないかを振り返ってみましょう。声かけなど工夫しても、お子さんが落ち着かず、対応について困る場合には、幼稚園・保育園の先生、保健センター、かかりつけ医、地域の発達支援センターなどに相談すると良いでしょう。Upload By 発達障害のキホン多動にまつわるコラムコラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年07月03日中学生になったウッシーヤは問題続出いまからおよそ13年前の、次男ウッシーヤが中学生のときのエピソードです。わが家は家系的に第二次成長期がゆっくりおとずれるようで、だいたい高校以降です。現在は大柄なウッシーヤも、中学1年生のころは小柄なほうでした。中学生になったウッシーヤは、まだ指しゃぶりもあり、学力は小学3年生レベルのまま足ぶみが続いており、周囲との差が開いていく一方でした。Upload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイウッシーヤは中学1年生の秋に、学校を揺るがす大事件を起こしてしまいました。私は、子育てが悪いのでは、もっと厳しくしつけるべきだったのでは、と思い悩み自分を責めていました。担任と校長先生を交えて相談した結果、専門家の力を借りるのがいいだろうということに決まりました。学校から紹介された教育センターの専門家と面談したところ、「アスペルガー症候群(※今でいう自閉スペクトラム症)かもしれない」と告げられました。驚きつつも、いただいた資料を読むと心あたりのある症状が90パーセント以上ありました。さらに資料を取り寄せて読みこむと、ウッシーヤにはほかにも発達凸凹の特性があることが分かってきました。さらに、わが家のほかの子どもたちにも発達凸凹の特性があることに気がつきました。ずいぶん気づくのが遅れましたが、当時は情報や支援が現在ほど充実していませんでした。特に夫ラクマはかなりショックを受け、発達障害の可能性があると知ってから3日間、一睡もせず資料を読んでいました。しかも、その間中泣いているのです。資料にある内容があまりにもわが家の子どもたちに当てはまる上に、子どもたちを追い込んで学校や職場でトラブルが絶えないのは父親である自分の責任だと強く感じていたのでした。周囲の友人たちからは「ラクマ家で誰か不幸があったのか?」と心配されたほどでした。でも私はこれまでの問題の原因がはっきりと分かり、しかもこれが子育てが悪いためではないと知ってホッとしました。Upload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ専門家からの告知で子育ての方向転換教育センターでの面談から3ヶ月ほど待って、ようやく発達外来を受診することができました。なにごとにもマメな性格のラクマは、これまでのいきさつをパソコンでまとめて病院に提出しました。すると担当医から「ウッシーヤ君は本当に発達障害なのかは分からない」と言われ、ものすごく驚きました。しかし、担当医は続けて「診断は出せると思うが、(検査などで)時間はかかる。(診断が出れば)お子さんの状況によっては薬の処方も可能になる」と説明しました。いま思えば、当時の担当医もまだ発達障害に関する知識が乏しかったのだと思います。のちに調べてみると、たしかに発達障害はその原因やメカニズムが医学的にまだ不明な部分も多いこと、診断が難しいこと、さまざまな要因があり、必ずしも遺伝するものではないことなどが分かってきました。病院での診察を終え、自宅に戻って夫婦でこれからのことを話し合いました。結果として医療のみではなく、何か別の方法も探してみようということになりました。というのは、ほぼ同じころ、仕事上の悩みを抱えていた長女ニャーイを心療内科に連れていったところ、「うつ病」と診断されました。薬を処方され、その後半年間、休職して自宅療養しましたが、処方された薬が合わなかったのか、何度か命の危険すら感じることもありました。すでに成人したニャーイにこれほど薬が合わないなら、まだ中学生のウッシーヤはどうなるのかという不安があったのです。Upload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイウッシーヤには資料で見つけた工夫を重ねました。その中で一番うまくいっていまも使っているのが、わが家で「ボード」と呼んでいる工夫です。マグネット式のボードとカードを用意して、やるべきことを書いて並べて、やり終えるとひっくり返します。すると「できた!」という文字が現れます。勉強で使うファイルは教科ごとに色分けしたり、学習机は引き出しにプレートを貼ったりして、中身がすぐに分かるように工夫しました。また書店をまわってグレーゾーン向けの参考書を購入して、ウッシーヤに使わせてみました。すると、少しずつ理解が進むようになりました。グレーゾーン向けの参考書は例えば、一番つまずいていた繰り上がりの計算の考え方が視覚的に分かりやすく説明されていたりしました。また、私の同僚のアメリカ人教師から「文章を読むときはモノサシを当てて読むといい」と教わりました。実際やってみると、とてもうまくいきました。Upload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイそのうち家庭内での工夫だけではなく、専門家からの支援が必要だと感じるようになりました。同じ市内に発達障害のある人の支援に関して実績のある療育施設を見つけ、ウッシーヤの発達相談で通っていたのですが、そのうちに夫婦でペアレント・トレーニング(ペアトレ)を受講することになりました。そのころ、子育ての一番の悩みは、ウッシーヤの動きが極端に遅いことでした。お風呂やトイレに入ると何時間でも出てこないし、アニメを見たり、生き物の観察をやり始めると何時間もやめませんでした。ペアトレでは、アニメ視聴をやめさせて次の動きを促すことをテーマにしてトレーニングを行いました。具体的な声かけの仕方から、注目の集め方、相手との距離、そのくり返し方など、かんたんな台本を作って、実際にやってみるのです。とくに重要なのが「まるで外国人になったみたいに、なるべくオーバーにほめましょう」ということでした。わが家の子どもたちはみな中学生以上で、すでに成人している子どもや大人なみの体格になっている子どもがほとんどなのに、オーバーにほめるなんて恥ずかしいと思いました。でもトレーナーさんは「お子さんをほめるんじゃないですよ。行動をほめるんですよ」とアドバイスしてくれました。私はそれならできるかもと思い、自宅にもどってやってみました。すると末っ子のウッシーヤは効果がすぐ現れました。すでに成人したほかの子どもたちにもやってみましたが、やはり効果があり、とても驚きました。Upload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイこの工夫は、一番動きのにぶい次男に向けて行うことが多かったので、問題のあまりないほかの子どもたちが怒りだしました。「できない子をほめるのはおかしい。子育てが間違っている。弟をダメにしたのは親の教育が悪いせいだ」という主張です。そこで私と夫はペアトレの資料を引っ張り出してきて、なるべく丁寧に説明しました。ペアトレは結果が出るのに時間はかかるかもしれないが国際的に実績のあるトレーニングであることを伝えていきました。発達凸凹の子育ては、当事者に対する工夫だけでなく、周囲の人々の理解を得るための説明も同じくらい大切なのだと実感しました。ペアトレが少しずつ結果を出してきたので、続いてストレス・マネジメント講座を受講しました。これで発達凸凹の子育てと家庭生活と仕事のバランスをうまくとる工夫ができました。Upload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ家庭内で工夫を重ねるうちに、学校でも同じ工夫を行えば効果はもっとあがるだろうということに気がつきました。ちょうどそのとき、子どもたちの通うインターナショナル系のフリースクールで教師を募集したので応募し、採用されました。学校の職員研修でペアトレを提案すると採用されたので、わが家が受けたトレーニングを全スタッフで受講することができました。そのため家庭内で行なっている工夫を学校に紹介しやすくなりました。家庭と学校で連動して行なった工夫のくわしい内容は、別の話題のときにご紹介します。Upload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ小学校高学年から親子で行っていたボランティア活動などの社会体験を、もっと就労を意識したものに変えていきました。ウッシーヤが野菜を育てたいと言うと、知人の農家に頼んで、収穫体験をさせてもらいました。将来は動物園で働きたいと聞くと豆記者として動物園を取材しました。本人がアルバイトをしたがると、知人に頼んで草刈りや洗車のアルバイトを一緒にしました。これらの社会体験は主に夫が同行してくれました。その後、私の母のすすめで母が勤務する保育園で、夏休みに次女リスミーとウッシーヤの2人がボランティア体験をしました。初回は次女リスミーとウッシーヤの2人で参加しました。ところが、ウッシーヤはよほど楽しかったようで、残りの休み期間の間中、ボランティアに通いつめました。しかも、ウッシーヤは通うほどにますます保育園での活動にはまりました。その後は長期休暇のたびに10年間も同じ保育園に通いつめるようになりました。執筆/ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ(監修:井上先生より)発達障害に気づかれたあと、ご夫婦でそのことについて学ばれ、子どもさんと一緒にさまざまな工夫や活動をされてきたことは、親御さんにとっても子どもさんにとってもとても得難い体験となっているのではないでしょうか。特に、ボランティア体験をお父さんと一緒に何種類も行われたことはすごいことだと思います。将来の就労に向かって実際に体験したことはお子さんにとって大きな財産になると思います。またきょうだいに対して納得できるような丁寧な説明も、大切だと思います。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年07月01日漢方薬の「抑肝散」とは?神経発達症(発達障害)のある子どもにも処方される?自閉スペクトラム症には、イライラや過敏、癇癪など、その特性から生じる症状があります。これらを抑えるためには、環境を調整することが大切ですが、それでも難しい場合には、薬が用いられることがあります。抑肝散の「肝」は「怒り」を意味します。このことからも想像できるように、抑肝散は神経の高ぶりを抑える効果があるといわれている漢方薬です。神経の高ぶりを抑えることで、不眠の改善にも効果があります。もともと子どもの夜泣きに使われていたことで知られていますが、現在では大人の精神的な症状に対しても使われています。抑肝散は、神経が高ぶりやイライラを伴う不眠症、子どもの夜泣き、神経過敏などの精神症状に対して処方されます。筋肉の緊張を緩める働きもあるため、けいれんや手足の震え、ひきつけなどへの適応もあります。また、抑肝散によく似た名前の漢方薬に、「抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)」があります。これは、抑肝散にチンピ(陳皮)とハンゲ(半夏)という成分を加えたもので、胃腸にやさしく、長期服用しやすいのが特徴です。抑肝散の特徴、効能、効果抑肝散は、複数の漢方の生薬を配合した漢方薬です。ブクリョウ、ビャクジュツ(またはソウジュツ)、センキュウ、チョウトウコウ、トウキ、サイコ、カンゾウが配合されています。「抑肝散加陳皮半夏」は、これにハンゲを加えたものです。抑肝散には神経の高ぶりなどを抑えて、筋肉の「つっぱり」「こわばり」などを緩める効果があります。それにより心と体の状態を良いものにしていきます。・イライラ感・不眠などの精神神経症状・手足のふるえ、けいれん・子どもの夜なき、ひきつけ「疳」が強いと言われる子どもに用いられることが多く、腹直筋が緊張していることも使用の目安となります。抑肝散は乳幼児や子ども向けの漢方薬となりますが、神経症、不眠症、さらには認知症や統合失調症、躁うつ病、てんかん、パーキンソン病など、さまざまな精神・神経疾患の補助薬として処方されています。抑肝散を服用すると、脳内の神経伝達物質であるグルタミン酸の働きが抑えられるため、神経を落ち着かせてくれます。セロトニン受容体への作用もあり、攻撃行動や不安を改善して心身を穏やかな状態にします。また、サイコには熱や炎症をさまし、腹直筋など筋肉の緊張をゆるめる作用が、カンゾウには筋肉の緊張を緩める作用があります。このように、本来は神経痛や不眠症、子どもの夜泣きなどの改善に用いられていました。しかし、現在では怒りっぽい、興奮しやすいといった認知症の周辺症状への改善効果があることが認められており、認知症に対しても処方されています。抑肝散の用法、容量は?病院で処方してもらえるの?抑肝散は、市販薬として販売されているので薬局で購入できますが、病院でも処方されます。通常、成人ですと1日分の7.5gを2~3回に分けて経口服用します。年齢や体重、症状により適宜増減が必要です。薬の形状は、錠剤、顆粒、内服液があります。飲むタイミングは、食前と食間が基本です。抑肝散に限らず、漢方薬は、食前か食間に服用します。食事の約30分前や空腹時に飲むようにしましょう。しかし、空腹時に胃もたれなどの症状が起こるようでしたら、飲むタイミングを医師や薬剤師に相談し、タイミングを変えるとよいでしょう。一般的に漢方薬の服用量は、成人と比較して、・7歳以上15歳未満:3分の2・4歳以上7歳未満は2分の1・2歳以上4歳未満は3分の1・2歳未満で4分の1以下と規定されています。年齢のほか、体重から量を換算する場合があります。また、病院で処方される場合は、症状や経過を見て量を調整することもあります。自分で増減せず、医師に相談しましょう。また、漢方薬独特の匂いや苦みがありますので、感覚過敏のある自閉スペクトラム症の子どもの場合、長期服用が困難なことがあります。感覚過敏でなくても、子どもにとっては飲みにくい匂いや臭みがあるので、飲み方に工夫が必要です。次のような方法をためすとよいでしょう。・細かくつぶしてココアや溶かしたチョコレートにまぜる・1歳以上ならはちみつに混ぜる(1歳未満の子どもは、「乳児はちみつボツリヌス症」)を発症する恐れがあるため、摂取することはできません)・薬を飲むためのゼリーオブラートに包んで飲む・水に溶かして製氷機で凍らせてから口にふくむ・アイスに混ぜ込んで食べる抑肝散に副作用はあるの?副作用としては、発疹などの過敏症や、食欲不振・胃部不快感・吐き気といった消化器の症状、倦怠感などがあらわれることもあります。重い副作用はまれにしかないと言われていますが、配合されているカンゾウ(甘草)を大量に服用すると、むくみや血圧上昇などの副反応が起きる(偽アルドステロン症)場合があります。カンゾウはほかの漢方薬にも配合されていますので、複数の漢方薬を服用している場合も、注意が必要です。重大な副作用としては、「偽アルドステロン症」のほか、次の4つが挙げられます。・心不全(息苦しさ、動悸、疲れやすいなど)・横紋筋融解症(手足のしびれ、痙攣、力が入らないなど)・間質性肺炎(から咳、息苦しさなど)・肝臓の重い症状(怠さ、食欲不振、吐き気、発熱など)これらの重い副作用は、頻度は高くありませんが、万が一、体の不調を感じたり、このような副作用の恐れがあると感じたりしたときは、服用をすぐに中止して医師や薬剤師に相談しましょう。抑肝散はどのくらいで効果が表れる?即効性が期待できる漢方薬ではありませんので、ある程度の効果が実感できるまでには時間を要します。そのため、2~3ヶ月は継続的に服用するのがよいとされています。しかし、1ヶ月ほど服用しても症状がよくならないときは、医師や薬剤師に相談するとよいでしょう。抑肝散は自閉症スペクトラム症をはじめとした神経発達症の症状の改善に処方されますここでは、子どもの癇癪やイライラ、過敏などの症状にも効果がある漢方薬、抑肝散についてご紹介してきました。自閉スペクトラム症を根本的に治療する薬はありませんが、その特性からあらわれる癇癪やイライラなど、情緒面や行動面の症状をやわらげることはできます。漢方薬である抑肝散の服用もその1つです。抑肝散の歴史は古く、今から500年以上も前の中国の古典には「母子同服」といって、母子が同時に抑肝散を服用することで母子ともに気の高まりを鎮める効果があると記載されています。また、自閉スペクトラム症をはじめとする神経発達症の症状の改善には、環境の調整や、声かけの仕方・関わり方を変えるなどの取り組みもとても大切です。薬の服用と併せてほかの取り組みも行うことが大切だと言えるでしょう。漢方薬は、年齢や体重、症状によって服用する量を調整したり、服用する期間を決めたりします。効果がある薬には、副作用もつきものです。医師や薬剤師に相談し、一人ひとりに合わせて用いるようにしましょう。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月30日産院ではスヤスヤとよく寝ていた息子、退院したら豹変!?想像以上に大変だった新生児期。予定日より5日ほど早く産まれてきた息子。入院中、病室では全く泣くことなく良く眠る赤ちゃんでした。寝息も聞こえないくらい静かだったので、息をしてるか何度も確認していたのをよく覚えています。そして完全母子別室の産院だったので、授乳時以外は助産師さんがほとんどお世話してくれて、夜もぐっすり眠ることができました。ベッドに寝ているだけで、高級レストランのような食事が運ばれ、赤ちゃんはスヤスヤとよく眠り、母親としてやることは授乳だけ…。まるで天国のような入院生活でした(笑)。そんな入院中、唯一の不安は授乳でした。今思えば息子の吸啜(きゅうてつ)力も少し弱かったのと、私も初めての育児だったこともあり、30分以上かけて授乳しても体重を計り比べてみると1グラムも増えていないことがほとんどでした。しかしここでも、母乳が足りない分はミルクを足してくれる産院だったので、入院中に息子のお世話に大変さを感じることはあまりありませんでした(フラグ)。Upload By 海乃けだまいざ退院してくると、息子は入院中とは別人のように豹変しました(早すぎるフラグ回収)。産院では授乳の終わりと共に、抱っこだけでスヤスヤと寝ていたのに(むしろ授乳中に寝ていた。笑)、退院した途端に抱っこで歩きながらでないと寝なくなりました。しかも背中スイッチも装備され、産後ボロボロの身体でなんとか抱っこして寝かしつけても、布団に下ろすと目を開ける…(恐怖)。あの手この手でやっと布団に寝かせても、膝がパキッとなるだけで簡単に目を開ける敏感過ぎる息子。この終わりのないループを幾度となく繰り返し…気づくと次の授乳時間が迫っていました(白目)。Upload By 海乃けだま息子が寝ない間、気晴らしに見ていたのがスマホでした。当時の私の脳内は息子のお世話で育児一色だったので、自然と育児関連の記事を見るようになりました。少しでも気になることがあれば、スマホですぐに検索するようになっていました。そしてその習慣がいつしか産後のホルモンバランスと睡眠不足も相まって、思考をだんだんとネガティブにしていき…スマホの息抜き時間はいつの間にか“検索魔”となっていったのでした。真夜中の薄暗い部屋で調べれば調べるほどだんだんと怖くなり、さらに眠れなくなる…という悪循環でした(検索魔、本当良くないですよね。汗)。運動面の発達がゆっくりなのは少し気になっていたけれど、特性に気づかずに見逃していた日々…。1ヶ月健診を終え、保健センターの親子イベントにも参加するようになりました。そこで出会った息子と同学年の親子と仲良くなり、よく遊ぶようになりました。とはいいつつも、まだまだ家の中での生活が長かったので、あいかわらず膝が「パキッ」となるだけで起きる敏感な息子を起こさないよう忍びのような生活を続けていました。3~4ヶ月になるころにはだんだんと起きている時間も増えてきて、“検索魔”になる時間もとれなくなっていました。母子手帳の3~4ヶ月ごろの記録ページに「あやすと良く笑いますか?」という項目があるのに、息子が“あまり笑わない赤ちゃん”ということが少し気になってはいましたが、全く笑わないということはなかったため「こんなもんかな…」とスルーしていました(いや今検索してー)。そしてこれは下の子が産まれてから気づいたのですが、息子は赤ちゃんのころから物音に敏感なところがある反面、音のする方を気にして見ようとしたり、追視することがほとんどありませんでした。ママ友とは定期的に会っていて、子どもたちの成長・そのときの困りごとなど話し合っていました。離乳食が進まないことや、スプーンの持たせ方など話していましたが、息子はスプーン以前に手がベタベタするのを極度に嫌がり、手づかみ食べすらしていませんでした。このころから少しずつママ友との悩みがズレ始めていたように思います。8~9ヶ月あたりを過ぎたころ、少しずつ周りの子どもたちよりも息子の運動面の発達が遅れていることが目立つようになってきました。ハイハイやつかまり立ちする子どもが出てくる中、息子はお座りの一点張りでした。正確には、お座りの姿勢から動けない…の表現が正しいかもしれません。息子はそれまで寝返りをすることが一度もなく、自分でお座りの姿勢までもっていくことができなかったのです。私がお座りの状態にさせて、後ろに倒れてしまったときは起き上がれないので(寝返りをしないので)、泣いて私を呼ぶという状態でした。運動面の遅れを感じながらも、個人差だろうと安易に考え息子のペースでハイハイしてくれるのを待っていました。Upload By 海乃けだま集団健診で声をかけられるものの、様子見にしてしまった私…ちょうど息子が1歳になろうとするころは、バタバタしていてママ友と遊ぶ機会も減っていました。そんなとき、集団健診の時期がやってきました。相変わらずハイハイはできないものの、このころには息子も寝返りを習得していたため、お座りの姿勢まで自分で持っていくことができるようになっていました。健診の時間がちょうどお昼寝時間とかぶっていたこともあり、健診にきていたほかの子どもたちも泣いていたり、歩き回っていたりと、割といろんなお母さんたちが大変そうにしていました。そんな中、まだ歩けない息子は私が抱っこすると大人しく抱っこされていたため、特段大変とは思いませんでした(このときそう思ってしまったことが後々に響くとは知らずに…)。ほかの子どもたちが健診を終えて帰って行き、息子が呼ばれたのは最後の方でした。案の定お昼寝できずに不機嫌な息子は、発達検査のテストはほぼできませんでした。健診のころには今思えば分かりやすく特性が出ていた息子。手先の感覚が過敏で手づかみ食べをせず、一粒でもご飯粒が手につこうものなら、全力で手をブンブン振って払おうとするので、食後はそこらじゅうに米粒が飛び散っていました。また、机に置かれた「おしぼり」もすごく嫌がり、一切触ろうとしませんでした(“おしぼりの防波堤”を作っておけば、それ以上手を出してくることもなかったので、外食の際には重宝していました。笑)。そしてあまり笑わない・目が合いにくい、名前を呼んでも振り向かない・運動面もゆっくりでハイハイをしようとしない…指差しもしない。とにかく反応が少なかった息子なので、保健師さんも言葉を濁しつつ「育てにくいと思ったことはないですか?」と聞いてきましたが、私は初めての息子の育児で「こんなもんやろ」と思い込んでしまっていたのと、呼ばれるまでの間に私よりもっと大変そうな親御さんがたくさんいると感じていたので、こんな私が大変だなんて言えないと気持ちに蓋をしてしまったのです。そして…保健師さんの様子観察の提案に対する私の言葉は「大丈夫です」でした(あぁーーー…←心の叫び)。Upload By 海乃けだま今まで可愛いと思っていた行動が特性だった⁉︎メンタルはどん底に…1歳1ヶ月を過ぎたころ、息子はついにハイハイを習得し徐々に表情も豊かになっていました。このころに気に入っていた遊びは、表裏柄の違う薄っぺらい布や、葉っぱなどを目のすぐ横でヒラヒラとさせることでした。ある程度勉強した今ならすぐに、「同じ行動を繰り返す」という、ASDの特性の一つ「常同行動」では?とピンときますが、当時はただただ「ニコニコしながら布などを振る」その謎の行動が可愛くて仕方ありませんでした(親バカ炸裂)。Upload By 海乃けだまようやく新居への引っ越しも落ち着いたころ、ママ友と久々に会うことになりました。たった2~3ヶ月会わないだけでママ友の子どもは喃語から単語を少し話すようになっており、母親のお話に対して“はい/いいえ”の意思をしっかり示していました。このころの息子はと言うと、名前を呼んでも10回に1回振り向くかどうか、単語はおろか母親である私でも解読不可能な喃語パラダイスでした。未だに指差しもなく、欲しいものがあるときは「あー!!」とぐずるスタイルでした。それでも産まれてから片時も離れず、1日中一緒に過ごしていたので、指差しや発語がなくてもだいたいの息子の要求は汲み取れていました。…が、さすがに無知な私もこのころから「…あれ…なんか息子、ちょっと様子が違うかも…?」と思うようになりました。そう感じてからは児童館へ行っても、スーパーへ行っても、公園に行っても、同じ月齢の子どもを無意識に見ては、息子との差を比べてしまっていました。ただただ「息子と同じくらいの発達の子どもはいないか」と、自分を安心させたい気持ちだけでした。しかし…どこへ行っても息子ほど反応が少ない子どもはいませんでした。私の疑問の気持ちは確信に変わっていきました。それでも息子の時間は過ぎてゆく…1歳半健診を待てずに発達相談したあの日。次のステップへ進むために。真っ暗闇の出口の見えないトンネルに息子と2人きりでとり残されている心境でした。「妊娠中の食べ物がよくなかった?」「産むときに何かあったんじゃ…」「私の育て方が下手なせいで…」答えなんてないのに、自問自答を繰り返していました。発達障害は母体の環境や親の育て方は関係ないと言われていますが、自分を責めずにはいられませんでした。食事も喉を通らなくなり、1週間で3キロ痩せました。少しでも暇があれば発達障害について調べるようになり、“特性があったけど発達障害ではなかった”という記事を見つけては、ほんのひととき安堵するも、また目の前の息子を見ているとやっぱり発達障害があるんじゃないか…と育児が楽しめなくなっていた自分がいました。モヤモヤした気持ちのまま息子と過ごしていましたが、発達障害のことを調べていくうちに“早期療育”の文字が目に入りました。息子の貴重な幼少期、「少しでも早く環境を整えてあげたい!!」と1週間後に迫っていた1歳半健診を待てず、気づくと発達相談の予約窓口へ連絡をしていました。発達相談の日、保健センターの発達相談員さんに新版K式発達検査を実施してもらった結果、息子の発達年齢は「10ヶ月程度」と言われました。息子はそのとき1歳10ヶ月でした。頭によぎるのは、夜寝なかった乳児時代の息子、ヒラヒラと布を揺らして喜んでいた1歳のころ…あのときから行動に移していれば、息子にもっと早く療育を受けさせてあげられたのに…後悔ばかりが募っていました。Upload By 海乃けだま後ろばかり見ていた私でしたが、「とにかく息子のために今できることをできる限りやるしかない!」と夫と共に病院へ行き、療育先を探しに行きました。正直なところ今でも「息子にASDがなかったら、どんな子どもになったんだろう」と思わない日はありません。でもそんなとき、超楽天家な夫は「息子は息子やん!おもろいやん!」と私のネガティブな気持ちを軽く吹き飛ばしてくれます(吹き飛ばない日も多々あります(笑))。Upload By 海乃けだま私自身、息子が発達障害かもしれないと落ち込んでいたとき、藁にもすがる思いで見ていた発達障害に関する記事に背中を押してもらいました。この私の体験談が、誰かのお役に立てれば幸いです。執筆/海乃けだま(監修:室伏先生より)けだまさん、発達障害かもと思われたきっかけや、療育へ繋がるまでのエピソードを具体的に共有していただき、ありがとうございました。もっと早く療育を受けさせてあげられれば、と後悔があると書いてくださっていますが、1歳半健診よりも前に発達相談窓口にご連絡されたとのことで、とても早い段階で発達相談や療育につながれたのではないかと思います。もちろんお子様、ご家族が直面しているお困りの内容にもよりますが、3歳児健診で指摘されたり、就学前の段階で園の先生からご相談があったり、ということを契機に医療や療育につながる方が多いように思います。就学後や、成人になってから診断を受けられる方も少なくありません。自閉スペクトラム症の場合、1歳のお誕生日を迎える前の段階では、夜泣きや癇癪が強い、逆にとてもおとなしい、人見知りをしない、あまり笑わない・目が合いにくい、名前を呼んでも振り向かないなどの徴候が見られることもありますが、受診をしていただいてもその時点での診断は難しく、コミュニケーションの発達(言語発達だけでなく非言語的なコミュニケーションも含みます)、遊び方の発達、情緒の発達、感覚の偏りなどを見て、総合的に判断していくことが多いです。発達障害であるかどうかについて判断がつきにくい時期であっても、発達に関して不安な点があれば、ぜひ発達相談や受診を考えてみていただきたいと思います。けだまさんは、発達相談につながるまで、ママ友とも悩みごとを共有できないままに、お一人で悩まれたり、自分を責めてしまったりと、おつらかったですね。時間のかかる寝かしつけや、手の感覚過敏などもあり、育児も本当に大変だったことと思います。発達に関して相談することは、勇気のいることかもしれませんが、早期に療育機関につながりやすくなったり、関わり方のアドバイスをお伝えできたり、睡眠の困難さに対しては必要に応じて薬物治療を検討できたり(成人で使用される睡眠薬とは異なり、眠るためのホルモンを調整するようなお薬があります)と、いろいろメリットがあると思います。自閉スペクトラム症は関わり方が原因で発症するものでは決してありませんが、家庭でできる療育的な関わりにより、言語や社会性の発達を促すことも期待できます。1歳半健診では、言葉が出ているか、アイコンタクトや模倣、表情などの非言語的なコミュニケーションが育っているか、などを確認していますが、短時間の診察になりますし、個人差もあるため、多少のおくれがあっても指摘されないこともあります(3歳児健診も同様です)。健診で指摘がなくても、不安や違和感を感じた時点で相談を検討していただければと思います。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月30日睡眠障害とは?服薬で治るの?不眠症・過眠症・睡眠時随伴症など睡眠にかかわる病気を総じて睡眠障害といいます。なかでも多いのが不眠症です。夜寝つきが悪い、夜中に目覚めてしまう、熟睡できないなど症状はさまざまで、日中の活動に影響が出ることがあります。不眠の原因はストレスなどの心理的原因や、病気による身体的原因など多岐にわたりますが、睡眠環境や生活習慣を見直すことで改善される場合も多くあります。よい睡眠環境は、明るさ、音、温度がポイントです。寝るときの部屋の明かりは、なるべく暗くしましょう。明るいままだと、心身をリラックスさせるのに必要なメラトニンの分泌が抑制されてしまいます。真っ暗な環境が苦手なときは、豆電球や間接照明をつけるのもおすすめです。また、朝日が原因で早く目覚めてしまうときは、遮光カーテンを利用するといいでしょう。睡眠中でも音は脳に届くので、快眠のためには静かな環境づくりを心がけましょう。テレビの音や人の話し声が聞こえると、眠りが浅くなることも。静かな環境づくりがむずかしいときは、耳栓をするのも一つの方法です。暑すぎたり寒すぎたりするのも、快眠の妨げになります。寝具を調整したり、エアコンのタイマー機能を活用したりして工夫しましょう。寝床でスマートフォンを使うと脳が興奮状態になり、寝つきが悪くなると言われています。また、睡眠の質を下げないためには、食事は寝る2時間前には終えましょう。コーヒーや日本茶、チョコレートなど、カフェインを多く含むものは、夕方以降は摂らないことも大切です。環境や生活習慣を見直しても、なかなか改善されない場合、薬による治療を行うことがあります。睡眠障害で処方される薬は、大きく3種類に分けられます。1つ目は「ベンゾジアゼピン受容体作動薬」。これは、脳の興奮を抑える物質の働きをうながして脳を休ませます。非ベンゾジアゼピン系睡眠薬の「ルネスタ」、ベンゾジアゼピン系睡眠薬の「ハルシオン」「レンドルミン」などがあり、短時間で効果を実感しやすいのが特徴です。一方、依存性が出やすかったり、服用を続けると薬が効きにくくなったりすることもあります。以下のような薬が発売されたこともあり最近はあまり用いられなくなりました。2つ目は「メラトニン受容体作動薬」。1日の睡眠・覚醒サイクルを司っている視交叉上核に存在するメラトニン受容体(MT1/MT2)を刺激し、睡眠と覚醒のリズムを整え、自然な眠りをうながします。依存性は低いですが、即効性もありません。神経発達症に伴う入眠困難がある子どもに処方される「メラトベル」、大人に処方される「ロゼレム」や「ラメルテオン(ジェネリック)」があります。なお、メラトベルは体内で作られるメラトニンそのものです。メラトニンは視交叉上核のMT1及びMT2受容体を活性化することで視交叉上核にある体内時計の神経活動を調節し、睡眠の誘導作用を示すと考えられています。3つ目は「オレキシン受容体拮抗薬」。起きている状態を保つ脳内物質であるオレキシンの働きを抑えることで、寝つきを良くし、夜間の眠りをサポートします。即効性があるのに依存性は従来のものよりも低いのがメリットですが、頭痛や眠気が残ったり、悪夢を見たりすることがあります。3種類のなかでは、新しいタイプの薬です。「ベルソムラ」「デエビゴ」があります。今回は、このなかの「デエビゴ」について紹介します。睡眠薬「デエビゴ」とは?デエビゴは不眠症を改善するための薬です。入眠困難、中途覚醒、睡眠維持困難などの症状があるときに処方されます。不眠症の薬として処方される「ベンゾジアゼピン受容体作動薬」と比較すると、デエビゴは長期間服用しても効果が持続し、依存性も低いとされています。デエビゴは保険適用されていますが、小児には処方されません。睡眠と覚醒には、オレキシンという脳内の神経物質が深く関係しています。日中はオレキシンが増加するので起きている状態を保つことができ、夜間は減少するのでスーッと眠りにつけるのです。寝つきが悪い、中途覚醒してしまうというときは、なんらかの原因で、夜でもオレキシンの働きが活発になっていると考えられます。デエビゴは、有効成分であるレンボレキサントがオレキシンの働きを邪魔し、自然と眠れるように作用します。デエビゴには、2.5mg、5mg、10mg錠の3種類があります。飲み始めるときは5mgを1日1回、就寝前に服用します。併用する薬によっては効果が強まることがあるため、医師と必ず相談してください。また、肝臓に影響が出やすいので、肝機能障害がある人も医師と相談してください。デエビゴは即効性があるので、服用後30分後ぐらいから眠気が出てきます。そのため、就寝の準備が整ってから服用しましょう。デエビゴの副作用って?デエビゴの代表的な副作用として、眠気があります。効き方に個人差があるので、人によっては効果が出すぎてしまい、翌日に眠気や倦怠感が残ってしまうことがあります。薬の影響で眠気が出ているときは、注意力や集中力が低下することもあります。自動車の運転など、危険が伴う機械の操作は避けましょう。副作用が出たときは、医師と相談して薬の量を調整したり、服用時間を早めるなどの対応が必要となるでしょう。デエビゴは比較的依存性の低い薬ですが、定期的に医師の診察を受け、睡眠障害の症状が改善したときは薬の量を調整することも大切です。小児科医に聞く「デエビゴ」「子どもの睡眠」Q&Aここでは、小児科医の鈴木直光先生に、睡眠障害の薬「デエビゴ 」の話を中心に、子どもの睡眠についての質問にお答えいただきます。(質問)寝つきが悪くて困っており、デエビゴを処方されました。効き目が強すぎて、朝起きられないのではないかと心配しています。(回答)数十年前まで睡眠薬の主流であったベンゾジアゼピン系の薬のなかには、眠気を誘う作用が強いものがあったので、翌朝起きられなかったり、翌日も強い眠気を感じたりすることもありました。デエビゴは、それらとは効き方が異なります。なお、デエビゴは成人の不眠症治療薬なので、成人以上の不眠症状(寝つきが悪い、眠りが浅い、何度も目が覚める)がある人に処方されることが多く、子どもには処方されません。Upload By 発達障害のキホン(質問)デエビゴを処方されましたが、効き目はどのぐらい続くのでしょうか。大切な会議や打ち合わせのときに眠くなったりしないか心配です。(回答)デエビゴは服用してから8時間程度で効果は薄れるので、日中の活動にはあまり影響が出ないとされています。しかし、薬の効き目には個人差があるので、翌日に眠気が残ったり、ふらつきが出たりする人もいるでしょう。服用してみて、翌日も眠気が強いと感じたら、医師に相談して量を調整したり、薬の種類を変えたりするといいでしょう。日中ボーっとする原因の一つに睡眠時無呼吸症候群という疾患もあります。肥満の方で入眠中の無呼吸が頻回にあると日中眠気が襲ってきます。肥満の方は単に薬の副作用だけを考えずにこういった疾患も考慮して耳鼻科医にも相談してみましょう。Upload By 発達障害のキホン(質問)ADHDがあり、毎日薬を飲んでいます。最近、中途覚醒することが多く、疲れがとれないので睡眠薬を処方してもらおうかと考えています。飲み合わせで注意することがあれば教えてください。(回答)ADHD治療薬の一つであるインチュニブは眠気が強くなる副作用があります。そのためデエビゴと併用すると、必要以上に眠気が強くなってしまうことがあります。インチュニブに限らず、薬は併用すると、ほかの薬の効果を強めたり、弱めたりすることがあります。また飲み合わせによって副作用が出ることもあります。ほかに薬を飲んでいるときは、必ず医師に相談してください。Upload By 発達障害のキホン(質問)神経発達症がある子ども(10歳)がいます。寝つけないことが多いうえ、夜中に目を覚ましてしまうこともしばしばあります。デエビゴを飲んでも大丈夫でしょうか?(回答)デエビゴは成人用の不眠症治療薬のため、お子さんには処方されません。神経発達症があるお子さまの不眠症には、メラトベルが処方されることが多いと思います。メラトベルは、睡眠ホルモンともいわれるメラトニンと同じものを薬にしたものです。睡眠と覚醒のリズムを整え、自然な睡眠を促す働きがあります。神経発達症があるお子さまには、保険適用で処方されます。SSRIとの併用は禁忌です。お子さまの不眠を改善するには、日中にたくさん活動することが有効です。脳も体も疲れれば、ぐっすり眠ることができます。Upload By 発達障害のキホン(質問)子どもがなかなか寝ずに困っています。夜眠れず、昼間眠くなってしまうようで、本人も困っていますが、なるべく薬に頼りたくありません。どうすればいいでしょうか。(回答)睡眠環境を整えましょう。寝るときは部屋の明かりを暗くし、大きな音がしない静かな環境で、暑すぎない、寒すぎない温度に調整してください。決して寝床でゲームやスマートフォンを使わないこと。目から入る光が脳を刺激してしまい、快適に眠ることができません。寝つくまでに何かを読むなら、紙の本での読書がおすすめです。Upload By 発達障害のキホンデエビゴなどの睡眠障害の薬治療は医師とよく相談を寝つきが悪い、夜中に目覚めてしまう、熟睡できないなどの症状があるときは、まず睡眠環境を見直しましょう。暗く静かな寝室で、快適な温度にすることで、心地よく眠ることができます。寝床でスマートフォンやゲームをするのは、寝つきが悪くなるのでやめましょう。それでも快眠できないときは、薬で治療する方法もあります。最近は、眠くなりすぎない薬もあります。医師とよく相談して治療しましょう。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月29日3歳児の言葉の発達の目安は?言葉の遅れの原因は?3歳ごろの子どもは、理解できる言葉の数も増え、あいさつや2語文以上の会話ができるようになってきます。また、周囲の大人へ「なぜ」「どうして」と質問を繰り返し、言葉のやり取りを通じてさらに表現力が豊かになってくる時期です。このコラムでは、子どもが3歳になって言葉の遅れが気になる保護者の方に、3歳児の言葉の発達の目安や、発語の遅れの原因、言葉やコミュニケーションを育むかかわり方など専門家の先生のアドバイスを交えてご紹介します。【小児科医に聞く】「3歳でしゃべらない」「言葉でなくクレーンで要求する」「知的障害や自閉スペクトラム症の可能性はあるの?」3歳児の言葉の発達について、医師が回答(質問)3歳になってもしゃべりません。3歳ごろになると、どのくらい言葉が出るものですか?また、しゃべらない原因について、どのようなことが考えられるのでしょうか。(回答)3歳になると、三語文が出て、自分の名前や年齢や色などが言え、簡単な会話ができるようになります。言葉の遅れの原因はさまざまですが、聴覚障害(難聴)や発達障害(自閉スペクトラム症や注意欠陥多動性障害)、知的障害、環境要因などがあります。大きい音でも反応が鈍い、テレビの音を大きくしたがるなど耳の聞こえが気になる場合には、聞こえの検査を受ける必要があります。3歳で全く発語がない場合には、言葉の理解もできていないのかを知るために、新版K式発達検査、遠城寺式発達検査などを受けます。Upload By 発達障害のキホン(質問)3歳になる子どもがまだ話しません。取って欲しいものがあると、親の手をもってクレーンで要求します。どんなふうにしたら言葉や、コミュ二ケーションの方法を増やしてあげられるでしょうか。家庭ではどのように対応をしてあげたらいいのかアドバイスが欲しいです。(回答)クレーンもお子さんにとっては物を取って欲しいという意志を表示するための、コミュニケーション手段です。親御さんの手を取って、欲しい物の場所まで連れていく様子があったときに、「〇〇が欲しいんだね」とお子さんが伝えたいであろう意志を言葉にして代わりに表現すると良いでしょう。Upload By 発達障害のキホン(質問)3歳になってもいくつか単語を言うだけです。時々テレビで見たフレーズを繰り返すことはあります。知的障害や自閉症などの可能性はありますか?発達検査を受けたほうがいいのでしょうか。(回答)自閉スペクトラム症や、知的障害の場合には、言葉の遅れを認めることがあります。3歳児健診で相談してみるのも一つの方法です。かかりつけの小児科、地域の子育て支援センター、地域の療育センターで相談してみると良いでしょう。発達検査は、お子さんの発達の強みや課題を明らかにするために活用されます。検査はさまざまありますが、3歳で言葉の遅れが疑われている場合、新版K式発達検査、遠城寺式発達検査を行うことが多いです。言葉の発語だけでなく、言葉を理解しているかという認知面、物を手先で操作できるかなど微細運動、粗大運動、社会性などについて、評価します。検査を受けることで、お子さんの発達の現状を把握し、苦手さの確認と、必要な支援の内容が分かります。Upload By 発達障害のキホン(質問)3歳の子どもが、まだ単語を数語話すだけです。療育に通ったほうがいいでしょうか?通いたい場合はどのようにすればいいのか知りたいです。(回答)療育に通うメリットは、お子さんへの直接的言葉かけの働きかけの場面が増えること、お子さんへの関わり方を親御さんが知ることができることでしょう。しかし、療育を複数箇所通って、お子さんも親御さんも自宅に帰ったときには疲れ過ぎてしまう方も見受けられます。お子さんも親御さんも負担ない範囲で、継続的に通われることをおすすめしています。通いたい場合には、かかりつけ医師や、地域の療育センターに相談してみましょう。児童発達支援施設に通う場合には、受給者証が必要になるので、主治医に意見書を発行してもらうと良いでしょう。Upload By 発達障害のキホン発語にまつわるコラムコラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月29日こんにちはHugMugフレンズの海老原です。子供達3人の修学旅行、宿泊学習、お泊まり保育夏休みは習い事のサマーキャンプ、合宿とパッキングが夏休みまで続いている我が家。3COINSで購入したJTBとコラボした旅行グッズがかなりおすすめなので紹介します♡旅行グッズでJTBとコラボなら間違いない!とこちらのシリーズは沢山購入したので小物収納編もよかったら読んでみてください♡【3COINS】旅行バッグの中を整理整頓!JTBコラボの旅行グッズがおすすめこんなに入るの!?優秀な大容量衣類圧縮バッグ【JTB】衣類圧縮バッグ大¥550大サイズは薄手のTシャツが20枚/トレーナー6枚が収納できる目安。【JTB】衣類圧縮バッグ小¥330小サイズは薄手のTシャツが10枚/トレーナー3枚が収納できる目安。今回は、2泊3日の息子の宿泊学習用でパッキングしました。シンプルで考え尽くされたデザインでぎゅぎゅっと荷物を圧縮!このままでも十分に入るのですがファスナーを開けると大きめのマチで大容量が入るようになります。これだけマチがあれば、家族分まとめて入れたりでき助かります◎薄くてコンパクトなので嵩張ることもなく収納できるのもお気に入りです♡下着も圧縮できるランジェリー用圧縮バッグ【JTB】ランジェリー用圧縮バッグ¥330ブラ4枚、ショーツが4枚が収納できる目安。下着用の圧縮バッグって珍しくてサイズも丁度良くこういうの欲しかったよね!と娘と即決でした♡衣類圧縮バッグと重ねても嵩張らないのと旅行バッグの中で統一感が出るもお気に入り◎B4サイズが入る用途多用な大容量ポーチ【JTB】大容量ポーチ¥330部屋着や予備の服、上着などを収納しても良いし使い方が沢山ある。優秀なポーチ♡わたしは、普段からこちらのポーチは愛用していて靴下や着替えを入れたり子供のおもちゃを持ち歩くのに大活躍!サイズB4のスケッチブックも余裕で入ります◎旅行グッズでJTBとコラボなら間違いない!とこちらのシリーズは沢山購入したので次回は小物収納編でまた紹介します♡小物収納編はこちらから【3COINS】旅行バッグの中を整理整頓!JTBコラボの旅行グッズがおすすめ
2023年06月29日小学校からの呼び出し太郎は4歳のころに自閉スペクトラム症の診断を受けている。太郎は学校への行き渋りをまったくみせない。学校でのストレスについて話をしない。ストレスを分かっていない、だから話せないと表現したほうが近いのかもしれない。なので学校からの呼び出しには毎回驚いた。Upload By まゆん呼び出し場所は、毎回学校の保健室。学校の保健室の場所を保護者の中で私が1番把握しているのではと思うくらいだった。電話があれば仕事も早退し太郎のもとへ駆けつけた。太郎が小学生のころの職場も今の職場も、太郎について理解があり子育て世代も多かったため急な早退も快く許可してくださっていた。それでもやはりチームワークが求められる職業であるため、誰かにしわ寄せがあること対して申し訳ない気持ちが毎回あった。しかし太郎を心配する気持ちの方がはるかに大きく、職場に迷惑をかけているという気持ちをいつも振り切っていた。今回はいったい何があったのだろう、身体的な不調か、それとも精神的な不調か…そんなことを考えながら迎えに行っていた。保健室に着くと、保健室の先生が気づいて太郎に声をかけた。「太郎ちゃん、お母さんだよ」。そして太郎の表情を見て、「あ、お母さんが来たらちょっと表情が良くなったねえ、うれしいね」そんな声かけにうれしさと切なさをおぼえた。Upload By まゆん私は太郎に話しかけた。「太郎どうしたの?今も吐きそう?大丈夫?」。太郎は元気のない声で「分からない」、続けて「暑かった」そう答えた。Upload By まゆん毎回同じ。自分の体調不良の表現が難しいのか「分からない」と答える。あとはひどく苦手な暑さについてだけ答えが返ってくる。小児科を受診暑さと、何らかのストレスが重なったときに太郎は嘔吐をすることが多いと私は気づいた。例えば音楽会の前、運動会の前、とにかく団体行動の行事の前にこの体調不良がおきた。保育園時代から何回もあった。そうはいっても身体的に本当に病が潜んでいる可能性もあるため、それを否定する意味でも小児科を受診した。かかりつけの先生は太郎の特性を理解してくださっていた。私から見た太郎の様子や学校行事のことを説明すると「ふむふむ」とうなずきながら聴診器やペンライトを使用しての触診を始めた。先生は太郎に「うんうん、大丈夫、悪いところはないからね、太郎ちゃんちょっと疲れてるのかな」とあたたかく声をかけてくださっていた。身体的な所見に異常がないと分かると私も安心するし、病院を受診することで太郎もなんとなく気持ちのリセットができているように見えた。それからも、太郎は学校を休もうとはしなかった。もちろん私からは休むことの選択肢もあることを伝えていた。家では食事もおいしそうに食べていて吐き気や嘔吐もないため、太郎の「学校に行く」という意志と体調面を担任の先生に伝え、通学させていた。Upload By まゆんこの症状は保育園の年中から始まり、中学2年生になった今でも続いている。ただ、回数は小学6年生のころから減ってきていて、年に1回ほどになっている。こういう出来事を何回も繰り返し、乗り越えて、また繰り返しの太郎。太郎の真面目さ、前向きさにはいつも感心している。太郎は小学校中学年からかかりつけの先生が変わりました(先生が引退されたため)。かかりつけ医が変更になったときはそれはとても不安でしたし、特性を理解してもらえるように私からポイントを先生に伝えていました。紹介状も持っていってたのでそちらでも伝わっていたとは思います。太郎も主治医が代わったことや病院が変わったこと、環境の変化に敏感になっており「ここどこ?」「なにするの?」などきょろきょろと挙動不審になったり先生の前でも固まったりと緊張をしていましたが、今では笑顔も出るくらいになっています。私の説明や太郎の特性を受け入れて、「ふむふむ」と話を聞いてくださった先生にはありがたい気持ちでいっぱいです。保護者がわが子の特性や傾向を理解すること、それを周りに伝えられることが、先生にとっても私たちにとっても重要になってくると今までの経験から感じています。チームをつくるという感じでしょうか…。執筆/まゆん(監修:鈴木先生より)嘔吐の症状が続いている場合、自閉スペクトラム症だけが原因とはまず考えられないため、私のクリニックでは一度検査をされることをおすすめしています。一般的には、発熱せずに周期的に嘔吐する場合は周期性嘔吐症、いわゆる自家中毒と考えられています。ほかの病気を否定するために、脳波・CT・採血などさまざまな検査を行うこともあります。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月28日3歳のときに精神運動発達遅滞の診断を受けた息子。義父母とは、子育てについて言い争いも…わが家の長男は、3歳のときに精神運動発達遅滞の診断を受けました。真面目で切り替えが苦手な長男は、見通し不安があると泣いてパニックになってしまいます。「これは泣くかもしれないな」と思う場面については、事前に本人に説明するようにしていますが、私の話した内容が理解できなかったり、話していた以上のことがあると、パニックになって泣き出してしまいます。私は、泣いて本人の気がおさまるならいいと思ってはいるのですが、かなりの大声で泣くので、「家や車の中ならいいけれど、学校ではなるべく我慢したほうがいいよ。嫌なときはその場から逃げるようにしよう」と伝えています。Upload By ユーザー体験談わが家と義実家は同じ県内にあり、長男が小学校に入る前はGW、連休、お盆休み、年末年始と、毎月とまではいきませんが頻繁に帰省していました。義父母は周りから「優しい義両親でいいね」と言われるような評判のいいタイプですが、私からみた義父母は悪い人ではありませんが、良い人でもありません。二人とも人当たりはいいのですが、こちらが話したことを理解してくれているのか怪しく、知った風を装うことが多々あります。義父母とは、長男の子育てについて言い争いをしたこともありました。このような義父母ですので、いつかトラブルが起こるだろうと感じていました。そしてそれは、現実になってしまいました。祖父の「泣くならもう来るな!」で長男はさらにパニックに!長男が8歳の夏、義実家へ帰省しました。ちょうど数年前に亡くなった夫の友人の命日が近かったため、夫はお墓参りに行きたいとのこと。お墓周辺はやぶ蚊がとても多いため、夫と私のみでお墓参りをし、子どもたち(長男と4歳下の長女)は義父母に預かってもらうことにしました。しょっちゅう帰省しているので、問題ないだろうと思ったのが間違いでした。午前中でお墓参りも終わり、ファストフード店でお昼ごはんでも買って帰ろうと夫の実家に電話をしました。長男が電話口に出てくれた際、「●●で、▲▲セットを買っていくね」と伝えました。長男は「ん?」と言ったので、うまく伝わらなかったのかなと思い、数回同じことを伝えました。長男には聴覚過敏があり、電話に耳を当てて聞いたり、話したりするのが苦手です。ですので、大きな声で何度も言うとパニックになってしまうかもしれないと考え、数回繰り返したのち、電話を切りました。私は、義父母が横で電話を聞いている様子だったので、フォローしてくれるだろうと思って電話を切りました。しかし、しばらくして帰宅した私たちが見たのは、大声で泣きわめき大パニックを起こした長男の姿だったのです。Upload By ユーザー体験談義父母は、息子が電話の内容を理解できず不安になっていたところに、「お昼ごはんを買ってくるって」と伝えただけだったそうです。これに対し長男は、『●●のお店って言っていたけど…』『いろいろ聞き取れなくて分からないところがある…』とパニックになって泣いてしまったようなのです。長男がここまで泣いているのを見るのは赤ちゃん時代以来であろう義父母。あまりにもうるさくてびっくりしたとは思いますが、ここで火に油を注いでしまいました。義父「男の子なのに泣くな!」「泣くならもう来るな!」義母は義父を止めるわけでもなく、義父の言葉でさらにパニックになった長男に対してもなにもフォローしなかったそうです…。長男からすると、義父には怒られ、義母は見ているだけで助けてくれなかったという構図となり、余計に困り果て、大声で泣き続けてしまったのです。私は、子どもたちも連れて墓参りに行くべきだったと猛省しました。Upload By ユーザー体験談「行ってはいけないから」と帰省できなくなった長男。義父からは謝罪の手紙が届き…その後、長男はもう帰省はしないと言い出しました。「ママは、自宅や車の中では泣いてもいいって言ってくれた。でもジジはダメって言ったから、僕は行かない」「泣いちゃうから、行ってはいけないから」そう言う長男がかわいそうで、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。Upload By ユーザー体験談それからは、夫と下の子だけが帰省し、行っても1時間~3時間程度しか滞在せずにすぐ帰ってくるようになりました。そしてある日、義父から長男宛てに手紙が届きました。それは謝罪の手紙でした。『ゴメンネ。また遊びに来てね』これを読んでからさらに数ヶ月後、やっと長男も帰省できるようになりました。この帰省トラブルは防げるものだったと、私自身反省しています。今は、帰省中に子どもたちを置いて出掛けないよう徹底しています。長男も一緒にいてと懇願してきますので、大丈夫だよと伝えています。この件で長男は傷ついてしまいましたが、長男には自分自身を好きでいてほしいと心から願っています。自分を認めてくれる人もいることを知ってほしいです。長男が知っている世界は、今はまだ家や学校、義実家だけ。でも、これからもっと視野を広げ、一歩踏み出せたら、新しい世界があることを知ってほしいです。そうすれば、長男ももう少し生きやすくなるのかなと思っています。イラスト/taekoエピソード参考/セバスチャン・ベッテル(監修:鈴木先生より)聴覚過敏のある方などは、子どもの泣き声を嫌がることも多いでしょう。それがたとえ孫であろうとも。子どもは泣くのが仕事の一つですから泣くのは仕方ないことです。義父はあとになって反省して長男に謝罪の手紙を書いたことは大変素晴らしいことです。直接言いづらいことを手紙にしたためて伝えることで長男に義父の気持ちが伝わったのだと思います。今やメールの時代ですが、メールの形式的な字体よりも本人が直接書いた字の方が温かみはあります。謝罪だけでなく感謝の言葉も手紙にしたためて送ってあげると良いと思います。メールは消されますが、手紙は形として残っていますから。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月28日場面緘黙の診断が出た後、学校では…次女は2年生のときに場面緘黙の診断を受けています。4年生までの担任の先生方は、みなさん場面緘黙について知らなかったので、その都度私の方からお伝えしていました。Upload By まりまり学年が変わるたびに一からの対応で、先生にどこまでお願いしていいのか、私が考え過ぎているだけなのか、でも次女は困っているし…と、いろいろ気をつかうことが多かったです。支援センターでのことを担任の先生に言ってみた次女が4年生になったとき、学校で変わらず話せない次女を心配して、初めて地域の支援センターに相談に行きました。そのときに、支援センターの相談員の方からも、友達とコミュニケーションが取れない次女に対して、「自分から話しかけることが大事」というようなアドバイスがありました。しかし、話したくても話せないことに対する葛藤などを、学校の担任の先生にお話してみました。このとき先生は、できない次女を責めたり、鼓舞したりするのではなく、日ごろの次女のクラスでの様子を見て「どうしてもできない」ということを理解してくれていたように思います。Upload By まりまり私の方から提案してみた先生は、次女の大変さを理解してくれていたけど、先生の方でもどう支援していったら良いかというのは悩んでいました。私としても、学校での次女の困りごとに対して、どうして良いか分からないことが多かったです。そこで、特別支援学級の先生であれば、場面緘黙の支援に関する知識があるのではないか?と思い、特別支援学級に転籍するのはどうか、担任の先生に提案してみました。先生の返答は…現状では、次女は話せないけどクラス内でできることはやれているからということで、「特別支援学級…という感じではないかもしれません」ということでした。Upload By まりまりまた、特別支援学級は少人数制ではあるけれど、交流学級などで児童の入れ替わりもあり、わりと騒がしい環境になってしまうため、次女にはあまり向かないのではないかということでした。次女のような子どもが、学校で支援を受けるのはなかなか難しいのか…と残念に思っていたところ…。ことばの教室そこで私が急に思い出したのが「ことばの教室」でした。次女の学校にあるかどうかも分からなかったけど、場面緘黙に関する本を読んだときに、場面緘黙のある子どもが通える場所のひとつとして紹介されていたのを見たことがあったからです。Upload By まりまり先生に聞いたところ、なんと次女の通う学校でも1、2年前から通級指導教室として「ことばの教室」が始まっているとのことでした!場面緘黙の子どもも「ことばの教室」に通う対象になることを先生にお伝えしたところ、「ことばの教室」は個別での指導のため、次女にはそちらの方が向いているかもしれないとのお話。私自身もそう思ったので、「ことばの教室」の利用を申し込む流れとなりました。なかなか学校での支援に繋がらなかった次女のように静かに困っている子どもに対しては、支援の手がなかなか伸びにくい現状があると思います。そんな中、折に触れて見えにくい次女の困り感を先生に相談していたこと、先生がクラス内での次女の様子をよく見て理解してくれていたことで、「ことばの教室」への申し込みに至ったのかなと思いました。Upload By まりまり執筆/まりまり(監修:初川先生より)場面緘黙のお子さんの困っている状況や気持ちはなかなか見えづらいですね。多くの場合、本人たちも話せるものなら話したいと思っているけれど、どうしても声(言葉)が出ない、話そうとすると硬直してしまう等の状況に見舞われる場合があります。また、気合いでなんとかなるものと思われ、鼓舞されたり、逆に、一人が好きな子どもと思われてそっとされすぎてしまったり、いろいろと本人らの思いとは違う方向にいくこともあります。まりまりさんの次女さんはことばの教室に通級することになったのですね。ことばの教室に通うお子さんは主には言語障害をお持ちの方となるため、地域によっては場面緘黙だけの理由で入ることは難しいかもしれません。特別支援学級も当初検討されたとのことですが、おそらく知的障害の特別支援学級のことであったのかなと推測します。その場合、知的な遅れがあることが前提となるため、次女さんには合わない(担任の先生の見取りで今の教室でできることがたくさんあると)と判断されたのでしょうか。特別支援学級にはもう1つ種類があり、「自閉症・情緒障害」の特別支援学級ですと場面緘黙はあてはまります(この場合、情緒障害というのは、主に場面緘黙のことを指します)。ただ、通級にしても、特別支援学級に移るにしても、お子さんの希望も大切です。場面緘黙のお子さんだと、教室では話さないけれど、一緒に遊ぶのはできるし、そこが学校生活の支えになっているお子さんもいます。お子さんにとってどこで学ぶのがよさそうか、本人や保護者の希望など、多角的に検討することが大切です。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月27日特別支援学校か、地域の小学校か…悩みに悩んだダウン症息子の就学先以前、きいちゃんが小学校の入学式直前に逃亡し、肝心の式では大泣きをして、私は「就学先を間違えてしまったのではないか…」と、悩んでしまったというコラムを書きました。地域の小学校の特別支援教室に入学し、手厚いサポート体制にうれしい驚き!きいちゃんは、就学相談では特別支援学校判定でした。そのため、「無事に特別支援学級に馴染んでくれるのだろうか…」「もし、馴染めなくて先生にご迷惑をかけたり、不登校になったりしたらどうしよう…」場合によっては、次年度は特別支援学校に転校しなければいけないかもと、実際に通い始める前は不安でいっぱいでした。入学した特別支援学級は当時、2クラスあり全員で8人。きいちゃんはダウン症という障害ですが、いろいろな障害がある子どもたちが在籍していました。中には、「どうして君がいるの?」という、私からは定型発達にしか見えないクラスメートもいました。入学して驚いたのは、きいちゃんが通う特別支援学級は生徒8人に対して担任の先生が2人なのですが、「SA(スタディアシスタント)」という担任以外にも生徒を補助する先生もいらしたことです。そのSAの先生が3人、担任が2人と合計5人の先生で8人の生徒をみていくスタイルでした。これはうれしい驚きでした。特別支援学校の手厚さ(生徒2人に対し先生が1人つく)は知っていましたが、その体制とそんなに変わらないのではないかと思いました。(注:ここら辺はもしかしたら、通う学校や地域によって変わるのかもしれません。)そして、きいちゃんの学校生活は案外早く知ることができました。入学して2週間後に早速、授業参観があったのです。きいちゃんは落ち着いて席についているかな…と心配しながら教室に入ると、なんとSAの先生に抱っこされて椅子に座っているきいちゃんが…!!!Upload By 星きのこ授業中に隣の席の子と大合唱&脱走!きいちゃんが落ち着いて椅子に座れないからどうやらその体制で授業をして下さっているみたいでした。(先生申し訳ありません…!)そして授業が進んでいくと…隣の席の女の子が、いきなり大声をあげました。なかなか落ち着く様子はありません。それはいいのですが、それに呼応するようにきいちゃんも大きな声を出し、2人で大合唱!!Upload By 星きのこそして、その女の子がいきなり教室を脱走しました。すると何を思ったか、きいちゃんも一緒に脱走…!!Upload By 星きのこ幸いすぐに先生方が連れ戻してくださいましたが、早速やらかしているきいちゃんに、私はドキドキでした。その後は授業の工作も無事に進み、上手にできた桜のちぎり絵を「ほらっ」と誇らしげに私に見せてくれました。Upload By 星きのこダウン症がある息子にとって安心して過ごせる場所にきいちゃんの問題行動はいろいろありましたが(汗)、その都度、先生方がカバーしてくださり、きいちゃん自身はのびのびと授業を楽しんでいました。きいちゃんだけではなく、ほかのお子さんも同じように、先生方が一生懸命に子どもたちをサポートしてくださっている様子が分かり、とてもありがたかったです。そして、小学校に入学して一番意外だったのは、保育園時代は教室の中に入りたがらなかったり、ポツンと孤立してしまい寂しそうな姿を見せることが多かったきいちゃんが、とても楽しく学校に通ってくれるようになったことです。きいちゃんの通う特別支援学級のクラスでは、年は違いながらもみんな仲がよく、とても団結しています。とくに上級生の男の子が、きいちゃんともう一人の新入生を可愛がってくれてとてもありがたかったです。先生方も、子どもたちの小さな成長を見逃さず、共に喜び、励まし、応援してくださっています。本当にありがたい限りです。きいちゃん自身も「ここは僕がいていい場所なんだ」と、とても安心して過ごせる場所になっているように見えます。全て先生方の献身の上になりたっていますが…(汗)さて、そんなきいちゃんが2年生ではどうなったかというと…?その話は、またの機会に書ければと思います。執筆/星きのこ(監修:鈴木先生より)私の外来でも、診察の為に子どもの患者さんを抱っこすることはよくあります。今回のエピソードについては、クラスの雰囲気もよいということですし、抱っこまでしなくても近くで寄り添ってあげることで一人で座っていられた可能性もありそうですね。学校やクラス内の環境がいいとみんなでサポートし合うようになりますので、先生だけではなく、年上のお兄さんやお姉さんが面倒を見てくれるという場面も増えてくるのではないでしょうか。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月27日わが家の3人の子どもたちをご紹介!Upload By 安田ふくこはじめまして。3人の男子&夫と暮らしてます、安田ふくこです。これまで、ブログやSNSで子どもたちの発達のことや日々の様子を記録していましたが、これから発達ナビでも、過去や現在のことをコラムで書けたらと思っています。まずは、わが家の子どもたちをご紹介します!・長男ハル(高校1年生、ASD・ADHDの診断)・次男ツトム(小学6年生、ADHD・ASDの診断)・三男ケイ(小学3年生、診断なし)長男ハルが診断を受けたのは、小学4年生のときです。赤ちゃんのころは、よく笑って泣いて、とても表情豊かな子どもでした!幼少期はとにかく多動!!私はハルを連れては日用品の買い物もまともにできず、早々に宅配サービスの利用に切り替えました…。言葉は2歳半くらいから発達してきましたが、しゃべる内容が分かりづらく、おっとりマイペースでコチラの話もあまり伝わらない…意思の疎通にとっても苦労した記憶があります。でも、基本は人との争いが非常にニガテな、とても優しい男の子でした。中学時代はバスケ部に所属しました(原則運動部に所属しなければならない中学でした)。でも、その「人と競い合うことがニガテ」なところは変わらず…。たくさんのことに葛藤していましたが、引退まで頑張り抜きました。今でも日課としていた4kmのジョギングや筋トレを、毎日欠かさずやっております。高校1年生の現在は、とにかく自分のルーティンがハッキリしていてそれを崩されるのがイヤみたいです!前述したジョギングや筋トレの時間をはじめ、自分で決めた勉強の時間、通学ルートなど…。環境が変わったり、予定外なことに遭遇したり、変更を要求されるとプチパニックに…(汗)。よく言えば自分が決めたことを貫くってことですが、『ときと場合』や『周囲との折り合い』についても、もうそろそろ考えられるようになると良いなと思います!一方、小学6年生の次男ツトムは、年長さんのころに診断を受けました。小さなころから現在に至るまでとにかく興味のあることが多く、ハマるとそれしか見えなくなる!呼びかけの声もほとんど聞こえなくなってしまいます。小学生になったころからずっと今も、ツトムがハマっているのは自然(虫、植物など)に関することや、宇宙、地理、国名、鉱石、菌など、種類もさまざま!親の私も分からないことだらけで…質問に答えられないこともしばしばです。それから兄ハルを上回るほどに、ゲームも大好きなので、ゲームやりたさに急いで走って帰ってきてコケてしまったり、ゲームの世界が始まれば、周囲の声かけが聞こえなくなったり…。時間を守れずに、パパに叱られることもよくあります。高学年となり、今はずいぶん切り替えられるようにもなってきましたが、どうしても頭の中は好きなことが占めるので、それ以外をするのが苦痛でたまりません。なので『集団行動』が基本の学校という場所で、よくツラくなってるなと思うことが多くありました…。Upload By 安田ふくこ発達障害のある長男と次男。診断名は同じでも、特性の現れ方は全く違っていて・・・長男ハルと次男ツトムは2人とも、「自閉スペクトラム症(ASD)とADHD」と診断名こそ同じですが、母の私からみていても、おもてに現れる特性が大分違います!それについて私自身も、興味を持ってみております。医学的なことは素人なのでよく分からないのですが、母親の私の視点からみていると、長男はどちらかといえば「ASD」、次男は「ADHD」っ気が強いんじゃないかな?と思っています。(以前、子どもたちの主治医に、ASDとADHDの特性の違いについてたずねたことがあるのですが、あまり詳しい説明を聞くことはできず。わが家の子どもたちに見られる特性が、ASDとADHDのどちらに由来するものなのかは、よく分からないままとなっています…。)Upload By 安田ふくこ今後のコラムで、ハルやツトムの幼少期に現れていた発達の特性、私が日々子どもたちに接している中で感じること、また反抗期ならではの困りごとなども書いていけたらと思います。大きくなっても騒がし…いやにぎやかな毎日ですが…みなさんどうぞよろしくお願いいたします!執筆/安田ふくこ(監修:新美先生より)安田さんはじめまして。個性豊かなごきょうだいのご紹介を読ませていただき、これからのコラムが楽しみになりました。息子さんたちは、それぞれに「自閉スペクトラム症とADHD」という同じ2つの診断名がでているけれど、それぞれおもてに出ている特性が異なっているのですね。これはとてもよくあることで、そもそも「自閉スペクトラム症」という1つの同じ診断名でさえ、特性の現れ方はさまざまです。また自閉スペクトラム症とADHDが合併していることも多いのですが、こだわりが強いと言われる自閉スペクトラム症とこだわらない・引きずらないことが1つの特徴でもあるADHDという一見真逆にも思われる特性が1人の中に共存しているのですから、特性の現れ方は人それぞれ多彩です。また年齢によって前面に目立ってくる特性が変化していくこともよくあります。安田さんの今回の記事からは、確かに長男さんの「自分の決めたことを貫く」というのはどちらかというと自閉的、次男さんの「興味が多彩」というところはADHD的に見えるところかもしれません。自閉特性なのかADHD特性なのかということは、考えているとけっこう面白くて話のネタにもなりますが、いろんな要素が影響することで一概には言いにくいところもあり、いずれにしてもご本人を理解する考え方の切り口の一つにしていくとよいかとは思います。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月26日姿勢維持のサポートグッズを試すもうまくいかず…ゆきみ(以下、ーー):小学2年生、自閉スペクトラム症のある長男けんとは、姿勢維持が苦手。食事のときは、まっすぐな姿勢で食べていられることが多いのですが、それ以外のときは椅子に座ると姿勢が悪くなってしまいます。特別支援学級での授業を見学させていただくと、机に伏せてしまったり、座面に膝をのせてエビぞりのような姿勢をとったり、あぐらをかいたり…と、まっすぐに座れている時間がとても少なかったのです。通っている学校の交流級での授業は、姿勢維持を大事にされているようで、サポートをしてくださる先生が、2~3分間に1回くらいの頻度で姿勢を正していました。Upload By ゆきみ学校から「姿勢の維持が難しいです」と何度も指摘があり、インターネットや本で調べて、いくつかのサポートグッズや対策方法を試してみました。骨盤サポートクッションを購入したり、椅子の足に「踏む感覚」を得られるゴムひものようなものを張ってみたり、小さなツブツブのついたバランスクッションを敷いてみたりしました。今もそれらを愛用していますが、それでも姿勢を維持するのが難しい現状です。さらに何かやれることはあると思いますか?何をどうしたらいいのか、もう分かりません。Upload By ゆきみ100%ではなくても…まずは環境調整をしてみましょう野田先生:すでにいろいろ試されたようなので、一周まわっている前提でお答えさせていただきます。姿勢が崩れやすい理由や背景はさまざまです。例えば、・人間には筋肉の緊張をとらえるセンサーがあり、ある程度、適切な筋肉の張りを自動的に保てるようになっているのですが、張りを保つのに努力が必要で、疲れやすい人がいる。・感覚的に姿勢が崩れていることに気づきにくい人がいる。・椅子と机の高さがあっていないなど、適切な大きさや形の道具を使えていない場合がある。・学習レベルが合っていない場合がある。難しくて分からない、つまらない、だと姿勢を保ちにくい。・多動性や衝動性が高く、じっとしているのが難しかったり、ちょっとした刺激で動いてしまったりする。など。姿勢が崩れることにはお子さまなりの理由があることを理解し、対応方法を考えることが大切です。アプローチの方法としては…・椅子や机の高さが身体に合っているか、確認する。・環境調整という意味でいうと、椅子に滑り止めシートを敷くと、頑張らなくても腰が椅子の前の方に滑りにくくなり、姿勢維持が楽になることがある。(クッションを使用する場合、クッションが滑るようならクッションの下に敷き、身体が滑るようならクッションの上に敷く)・感覚を求める傾向がある場合、足元に人工芝などの感覚刺激を入れられるものを置いてみると、感覚が入り落ち着く子どももいる。・合理的に立ってもいい時間をつくる。例えば授業中、答案用紙を教室の後ろや廊下に貼り、答え合わせをしに席を立つ時間をあえてつくることで、立つことへの感覚を満たすことができるのです。ほかにも、机上の勉強の前にトランポリンなどで5分ほど身体を動かすと、椅子に座れる時間が長くなるお子さんもいらっしゃいます。Upload By ゆきみ環境調整によって、無理のない形で座れる状況をつくり、適応的な形で身体を動かせる機会や環境をつくることが大切です。100%ではなくても、うまく場面を選んで姿勢を変えられればいいですね。すぐにできるように、というより…ーー:低緊張などで姿勢を維持するのが苦手な方は、今後もずっとこのままなのですか?野田先生:もともと筋肉の張りが緩めという可能性もありますが、「思春期に入り身体が大きくなって筋肉がついた」、「スポーツを始めた」など、身体の発達、経験でも変わってきますので必ずしも現状から変わらないわけではありません。Upload By ゆきみーー:身体を動かすことが大切なんですね?野田先生:手押し相撲、つなひき、手押し車、座りながらキャッチボール、マットを登るなどの遊びの中で体幹を使う場面を増やしてあげると、支えがしっかりしてくる可能性もあります。ただし、姿勢を保つための身体の変化には時間がかかります。「すぐにできるように」というよりも、特性を理解したうえで、「将来的には身体の成長やスポーツの経験などで少しずつ身体が変化することで、もしかしたら今よりも楽に姿勢維持ができるようになるかもしれない」と頭に入れながら、今は環境調整や遊びなどできるところから取り組まれたらいいと思います。ーー:ごはんのときだけ姿勢が崩れにくいのは理由があるのでしょうか?野田先生:活動の種類に応じたモチベーションの違いが関連しているのかもしれませんね。また、人は自然とその人にとっての合理的な動作や姿勢をとることが多いです。けんとさんの場合、ごはんを食べるときの道具の使い方や口にもってくる動作が、姿勢を保つことにフィットしているのかもしれませんね。対談を終えて対談後、家では滑り止めシートを試してみました。様子を見ていると骨盤サポートクッションからお尻がずり落ちている印象だったので、上側に敷くことに。以前よりズリズリ前にいかなくなり、姿勢をまっすぐできる時間が長くなった気がします。ほかにも身体を動かしてから勉強をしてみたり、途中で身体を動かす時間をつくるようにしています。最近、自ら椅子の前にバランスボールを持ってきて、足をのせてビョンビョンさせているときがあります。もしかしたら好みの感覚なのかもしれません。Upload By ゆきみけんとは人の話を聞くことが苦手です。学校の授業では「聞く」ことが多く、モチベーションを保つことが難しいのかなと思います。最近はテストのときや、書写で字をキレイに書く場面では、自ら姿勢をキレイにしてやり始めることがあるそうなので、持久力はないけれど「やらないといけないときはやる」と思うようになってきたのかもしれません。身体の使い方を遊びの中で身につけていくことで、天気がいい日はアスレチックのある公園へ行くようにしています。先生からの教えを胸に、「すぐできるように」というより、「いつかできるように…」という気持ちでやっていこうと思います。執筆/ゆきみコラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月26日小学校では、板書ができないのでノートは真っ白Upload By スガカズ発達障害のある次男は4月から通常学級の中学校に進学しました。私は次男が小学校のときから、次男の学習面に対する心配がありました。なぜなら書字に対してかなり苦手意識があり、学校ではノートをとらないからです。読字も本人が嫌がるため、学校の教科書以外で本を読む機会はほとんどありません。プリントやテストなどは本人の調子がよいときには取り組むことができますが、白紙の解答用紙を見続けると、やはり心配になります。文字(漢字)を見ながら正確に書き写すことはできるのですが、「目の往復運動が疲れる、書き間違いを直したくない、文字の読み書きをする必要性を本人が感じていない」などの理由から、家庭でも書字を含んだ学習は難しいです。1日の中で、机に向かうことができる時間は10分~20分。宿題という「きっかけ」があるから机に向かう訳ですが、想定以上の時間がかかると、途端に機嫌が悪くなり、続行は難しいです。そのため一度習った漢字は定着せず、ぼんやり理解している状態で授業がどんどん進んでいきます。そして、それは国語だけではなくほかの教科でも同じようなことが言えます。小6では、本人のレベルに合わせた宿題を、先生の了承をいただいた上で取り組ませていました。Upload By スガカズ中学校選び、特別支援教室に入室する準備、合理的配慮の準備Upload By スガカズ中学校では学習の難易度がグッと上がりますし、自立を求められるため、発達障害のある子どもが小学校のときと同様の配慮をしてもらうことは難しいとよく耳にします。そのため私は、「次男の中学校生活が、楽しいものでありますように」と願いながら、1年間進学の準備をしてきました。配慮を得るためにはまず「できるだけ本人の特性に合った学校を選んだほうがよいのではないか?」と考えました。近隣に、特別支援教室の拠点校(A校)がありました。そこは、1学年あたりの生徒数が100人以下の学校で、1学年あたり2〜3クラスで構成されています。そのため、環境がガラリと変わる中学校生活の中で、比較的落ち着いて過ごすことができるのではと思いました。また、特別支援教室の職員室があり、巡回していたとしても週2日は先生がいるようでした。何かトラブルがあった際に本人の居場所を確保しやすそうですし、私自身も特別支援教室に連絡をしやすそうだと思いました。中学校卒業後の進路についても、拠点校であれば発達障害のある子どもがどのような進路を選んだのか前例が聞きやすいのかもしれないと思いました。実は、次男本人はもともと、別の中学校(B校)に行きたいと言っていました。ですが、生徒数が多く、生徒への目が行き届いているのか首をかしげる噂も多いです。また、なぜその中学校がいいのか尋ねると、次男がその中学校に行きたい理由が「何人かの友達に誘われているから」といったものでした。私が頭を悩ませていると、同じ小学校に通う息子の親友(発達に凸凹がある男の子)のママも、私が希望するA校に子どもを通わせたがっていることを知りました。そこで、親友のママと話し合い、次男と親友が同じ中学校に通うように働きかけました。ただ、いくら環境が本人に合っていそうでも、本人自身が納得していないと、中学校で何か問題にぶちあたった際に親子の信頼関係にひびがはいってしまうかもしれません。「オレは違う中学校に行きたかったのに、お母さんに勝手に決められた」と言われたら私は何も言い返せなくなると思います。まず私は、A校とB校の特徴を次男に説明することにしました。また、私自身が中学校生活を送った際の経験も話しました。小6のころには次男自身、「自分は発達障害がある」ことを理解していたからなのか、意外にも私の話に耳を傾けてくれました。私の話を聞いてしばらくして、次男は「親友がA校に通うのならいいよ」と言いました。親友も同様に「次男もA校に通うならオレも通いたい」と言いました。こうして、無事に拠点校である中学校(A校)に決まりました。小学校で特別支援教室に入るときと同様に、準備をしました。説明会、体験、判定会議などを経て、無事に12月初旬に特別支援教室の入室許可を得ることができました。ただ、その時点でA校(通常学級)からは中学校の決定通知書が来ていなかったので、本当に通えるのか分からず、12月末に通知書が届くまでは心が落ち着きませんでした。療育センターの小児精神科医に相談しました。WISCのほかに読み書きスクリーニング検査、言語療育(読み書きトレーニング)も通いました。読み書きスクリーニング検査の結果と過去の経験をもとに支援の内容を簡易的な書面にしました(具体的すぎたり、長い文章だと通常学級の先生にとって負担になるのではないか。また、細かく指摘することで、私自身も思うようにいかなかったときに学校に不信感を抱いてしまうのではないかと思ったため、あえて簡易的にしました)。また、医師から学習障害の診断書もいただき、事前に学校に相談することにしました。中学校の先生と事前面談通常学級で過ごすために事前に次男の特性の共有と、可能ならば合理的配慮をお願いしたいと思い、入学式の前(4月頭)に面談をさせてもらうことになりました。事前面談で、小学校に就学してから今まで受けた検査の結果、診断書、特別支援教室の連絡シート、個人で書き起こした書面を持参し、過去の体験を交えて共有しました。・上下関係があると感じるような高圧的な関わり方は避けてほしいこと・自分のイヤな気持ちや、行動の理由を言葉に説明することが苦手で、クールダウンが必要なので、トラブルがあった際には、時間をおいて可能であればあとで聞き出してほしいこと・本人自身、怒ってしまう性格を中学校生活できちんと直したいと思っているので、それについては頭に留めて(仮に怒ってしまったとしても、本人が怒りたくて怒っているわけではない)いただきたいこと・小学校では、文字を書かないが耳で聞いて授業の内容を概ね理解できていたこと・板書をしていなくても注意しないでほしいこと・板書が難しい場合、黒板の内容を写真で撮りたいこと・課題は可能であれば取り組ませるが、現時点では難しそうなので、基本的には静観してほしいことUpload By スガカズ通常学級の先生(のちに、次男の担任の先生だと判明)と、特別支援教室の先生(主任と次男の担当の先生)と4人で面談ができ、情報共有や理解を円滑に行うことができました。また、配慮についても了承していただけました。わが家の場合はスムーズにいったけれど…Upload By スガカズ中学校との事前面談が終わってから、安堵の思いで「事前面談で理解してもらえた」ことを他者に共有したことがあります。その際に改めて感じたこととしては「地域や学校によって対応がまちまち」であること…。次男の中学校は拠点校なので話が進めやすかったのも理由の一つかもしれませんが、拠点校といっても、別の地域では理解してもらえなかったというお話も伺いました。私たちは子どもたちの環境を模索しますが、普段(子どもが学校に通っている間)は遠くから見守っている側です。教育現場では、「だれもが平等に教育をうける権利がある」としながらも、人手不足や自治体の予算など、さまざまな理由から実現が難しいというお話もうかがいます(合理的配慮を受けることが難しい環境があることも耳にします)。わが子を思って同様に行動したはずなのに、同じように支援が受けられないことはやはり同じ親としてはつらいものがあります。次男よりも若い子どもたちのうち、1人でも多くのお子さんの学校生活が、楽しいものでありますようにと願わずにはいられません。執筆/スガカズ(監修:新美先生より)中学校への進学に際しての準備について詳しく教えてくださりありがとうございます。思春期真っただ中の中学生は、自分のことは自分で決めるということを尊重していくことが大事です。とは言え小学校から中学校へは環境が大きく変わり、子どもにとっては中学校は未知の世界です。保護者として必要な情報収集をして、中学の環境の選択に際して本人に、進学先のメリットデメリットや、小学校との違いを本人がイメージしやすいように説明することで、本人が理解して納得して自己選択するというプロセスがとても大切になりますね。スガカズさんが記事でご紹介いただいたように、大人が良かれと思って勝手に進学先を決めずに、丁寧に説明して、ご本人が納得して中学を決められたのは良かったですね。理解のある担任に恵まれたことも事前の情報収集が功を奏した結果と思われました。記事の末尾のご意見のように、地域差や学校間差(人による違いも含めて)は残念ながらよく聞きます。それでも、こういう合理的配慮があると、このようにスムーズに生活できたという好事例を公表していただき、実績が積み重なることで、どこの学校でも、どこの地域でも、よいやり方を取り入れていこうという風潮がどんどん広まることにつながると信じています。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月25日Upload By べっこうあめアマミ学校見学って何?学校見学とは、名前の通り、子どもの就学先として検討している学校に見学に行くことです。親だけで行くこともありますし、学校側から許可をもらえば、子どもも一緒に行くこともできます。実際にその学校で生活を送っている子どもたちを見ることで、自分の子どもがその中に入って生活したときにどのような感じになるのか、学校生活をイメージしやすくなります。どうして学校見学に行くといいの?Upload By べっこうあめアマミ私には、知的障害を伴う自閉スペクトラム症がある息子がいます。息子の場合は最初から通常学級への就学は難しいと思っていたので、私は就学先を検討するために、息子が年中になった年の夏ごろから学校見学に行きました。自宅がある学区の内外問わず、通えそうな範囲の小学校や特別支援学校の見学に、行けるだけ行きました。子どもが年中の時期に学校見学というと、早すぎると思われるかもしれません。しかし私の周りの障害がある子どもを育てる保護者たちの間では、年中の年で学校見学に行くのは珍しいことではありませんでした。子どもがこれからの長い期間を過ごすことになる就学先選びです。ゴールとなる就学のタイミングは決まっているのですから、できるだけ早く動き、より深く検討する時間を増やしたいと思うのは、自然な気持ちではないでしょうか。発達に課題があったり、障害があったりするお子さんが就学先を選ぶ際には、学校見学とは別に、就学相談を受けることになると思います。しかし、就学相談はあくまで相談。もちろん、関わる方たちは専門家ですが、用意した書類と親からの聞き取り、その場での発達検査や行動観察、といった、切り取られた場面での判断です。そのため、就学相談と並行して学校見学にも行き、自分の子どもが生活していく上で適した学校を、保護者自身が見定めていくことには、大きな意味があるのです。学校見学ってどうやって申し込むの?Upload By べっこうあめアマミ学校見学の形態は、地域によって異なります。「学校公開」という形で設定された日に、特に事前の申し込みなく自由に出入りできる場合もありますし、事前に学校に相談し、個別で見学日を設定してもらう必要がある場合もあります。私が地域の小学校の学校公開に行ったときは、ちょうどその学校の授業参観日で偶然居合わせた特別支援学級のお子さんの保護者の方に、学校の様子などいろいろとお話を聞くこともできました。逆に、学校見学として個別に予約して訪問した場合は、担当の先生に案内してもらいながら、いろいろと詳しくお話を聞くことができるかもしれません。私が特別支援学校を見学した際はこのパターンで、校内を丁寧に案内してもらいながら、たくさん質問させていただきました。学校公開だとしても、休み時間のタイミングに先生に声をかけることはできますし、せっかく学校に出向いたのなら、ぜひ不明点や気になったことなど、聞いてみると良いと思います。見学に行くならぜひ夫婦一緒に!子どもの発達や将来に対して共通認識を持とうUpload By べっこうあめアマミ私は、息子の就学先を検討するにあたって、特に大事にしていたことがあります。それは、自分1人で抱え込まず、夫を積極的に巻き込んでいくことです。子どもの人生を左右するかもしれない大事な選択ですから、私だけで決めるのは責任が重すぎます。そして、これからの息子の学校生活で難所に遭遇したときなども、夫婦で一緒に考えていけるように、私も夫もどちらも心から納得した形で就学先を選びたかったのです。そのため、学校見学は、夫にも一緒に来てもらいました。スケジュール上一緒に行けなかった学校は別日になりましたが、有力候補として考えていた学校は、どちらも一度は見に行くようにしました。そして、見学後に双方が感じたことを話し合ったのです。私の視点では気がつかなかったことを、夫が指摘してくれたこともありましたし、その逆もありました。実際に学校を見てくることで、夫も「この教室に息子がいることにミスマッチ感はないか」という、シビアではありますが、具体的な想像ができたようです。夫婦で学校見学に行ったことは、子どもの現在の発達状況を客観的に見つめるだけではなく、就学、そして将来に向けての共通認識も持てた、良い機会だったと思っています。学校見学はいつでもできるわけではない!気になる人は日程チェックを学校見学の時期は地域によりさまざまです。しかし、だいたい夏休み前の6月、7月ころと、夏休み後の秋ごろに開催している学校が多いのではないかと思います。せっかくの貴重な機会を逃さないように、少しでも気になるのであれば、すぐに学校のホームページなどで日程のチェックをすることをおすすめします。学校を見学しただけで、その学校に行かなければならなくなるわけではありませんし、ぜひ気軽な気持ちで見に行ってみて下さい。執筆/べっこうあめアマミ(監修:新美先生より)就学前の学校見学のご経験について詳しく聞かせていただきありがとうございます。保育園・幼稚園と小学校とでは、環境ががらりと大きく変わります。十分に準備をして就学を迎えたいものです。べっこうあめアマミさんがおっしゃっているように、年中さんごろから就学に向けた検討を始められると余裕があり安心ですね。まだ1年以上先なら、成長・発達があるかもしれないからもう少し待ってみたいという考えもあるかもしれません。ですが、年少・年中時点で気になる特性は、同じ環境の園にいるうちに慣れて目立たなくなったとしても、大きな環境変化を伴う就学後に再び前面に現れてくることがあります。年中時点で気になることがある場合、お子さんにあった環境選びについて広く情報を集めて、適した環境が選べるように動き始めるのに早くはないと私も思っています。また、べっこうあめアマミさんがおっしゃるように、就学に関わるさまざまは、できる限り両親で共有していけるといいですね。視点が異なり、ときには意見が食い違うこともあるかもしれませんが、実際にお子さんがさまざまな環境で呈する姿をいっしょに見ていくことで、就学に向けての考えをすり合わせていきやすくなるといいですね。学校見学や就学相談の仕組みについては、自治体ごとに異なるところもあるかもしれません。一斉の見学日が決まっている学校もあれば、個別に見学する学校もあると思います。詳しくはお住まいの地域でお尋ねいただければと思います。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月23日うちの家族、個性の塊です
夫婦・子育ていまむかし
めまぐるしいけど愛おしい、空回り母ちゃんの日々