連載記事:子どもとテレビの接し方を考えよう!
テレビと現実の違いを判断できる子に必要なこと(子どもとテレビの接し方を考えよう! Vol.3)
「ありのままの自分でいい」と認識することで、テレビと現実を区別できるようになる
とはいえ、テレビをはじめとする情報媒体が出す情報に踊らされた経験がまったくないという人はいないでしょう。現代人であれば、誰しも一度ぐらいは騙された経験があるはずです。
こうした情報媒体には、実際には皆が共通して持っていないようなものや概念といったものを、あたかも共有しているかのごとく見せてしまうという性質があります。そして、「多くの人々と何か1つのことを共通して持っている」という感覚は、現実の生活に充足感を持っていなかったり、心に寂しさを抱えたりしているような人間をあっさりと虜(とりこ)にする傾向が強いものです。
心理学的な一例を挙げると、
・自分の今のあり方にどこかで疑問を持ち、こんなはずじゃなかった感をくすぶらせている女性たちが韓流ドラマにハマる
・友だち関係がうまくいかない子どもがアイドルグループにハマる
・ストレスを溜めた男性たちがワールドカップの時だけ熱烈に応援運動をする
といった具合です。
ありのままの自分でいい、ときちんと感じていれば、子どもはこうした情報媒体からの同調圧力に引きずられることはありません。テレビの中で起きていることと現実の自分とは違っているけど、それでもいいんだとしっかりと感じることができるからです。
テレビが流行をけたたましく宣伝していても、それを冷静に受け止めて、「自分には関係ない」と判断することができますし、同じぐらいの年齢の子どもがテレビで脚光を浴びているのを見ても、自分もそうなりたいと盲目的に思い込むようなこともありません。
次回はいよいよ、皆さんがもっとも知りたいであろう「テレビの情報を鵜呑みにしない子に育てるにはどうしたらよいのか?」についてお話しします。
(子育ての達人)
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