「カワイイわね〜」と話しかけられた途端に泣き出してしまう、久々に会うじぃじ、ばぁばが抱っこしようとすると大泣きしてしまう…。そんな赤ちゃんの人見知りに困ってしまったことはありませんか?
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それまでは、誰にでもニコニコと笑顔を見せていたのに、あるときから泣くようになってしまう“人見知り”。
今回は、人見知りがどうして起こるのか、その理由やいつからはじまるのか、どう対応すればよいのかなど“人見知り”をしてしまう時期を笑顔でやり過ごすための情報をご紹介します。
赤ちゃんの人見知りとは?
人見知りとは、ママやパパなどもっとも身近な人以外に拒否反応を示してしまう状態を指しています。赤ちゃんの人見知りは、成長の証としても考えられる発達段階のひとつでもあります。
はじまる時期や人見知りをしなくなるタイミングは子どもによってさまざまなため、対応方法をママやパパが知っておき、適切な対処をしてあげるようにしましょう。
■人見知りをしない子もいる
赤ちゃんにとっての人見知りは大切な発達段階のひとつでもありますが、なかにはまったく人見知りをしない子もいます。
“小さい頃から多くの人と触れ合ってきたから”“大家族だから”などの理由が挙げられることもありますが、人見知りをしない理由はハッキリとはわかっていません。
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人見知りをしないことだけで、“発達が遅れている”という判断はできません。「ママやパパがいてくれる」「守ってもらえている」という安心感を人一倍感じやすいことが人見知りをしない理由になっているかもしれません。
「うちの子は、なかなか人見知りがはじまらない」と悩む必要はないので、「いつか、突然はじまるかもしれない」と見守ってあげるようにしましょう。
人見知りはいつからはじまる?
多くの赤ちゃんが通る道である「人見知り」。個人差があるものの、一般的にいつから人見知りはあるのではないでしょうか。
■生後6ヶ月から1歳頃に人見知りが始まるケースが多いよう
早いと6ヶ月頃から人見知りがはじまる赤ちゃんもいます。その頃から“記憶”する力が発達してくるため、見慣れた人の顔と知らない人の顔を見分けられるようになってくるためです。
ただ、この頃には、まだ記憶力は低く、見慣れた人でもマスクをしていたり、メガネをかけていたりすると知らない人と認識してしまうことがあります。
9〜12ヶ月頃になると、多くの赤ちゃんに人見知りの現象が見られるようになってくるといわれています。
はじめて行く場所や慣れないところに出かけると泣いてしまう場所見知りをするケースもあるため、この時期のお出かけには“いつものおもちゃ”などを持っていき安心できる環境を整えてあげられるようにするのがおすすめです。
■生後3〜4ヶ月でも人見知りはあるのか
生後3〜4ヶ月といえば、首すわりもしっかりしてきて段々と表情も豊かになってくる頃です。この頃には、周りの大人の表情を真似する様子も見られるようになってきます。
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この時期に見慣れた大人以外を見たり抱っこされたりすると泣いてしまったとしても“人見知り”以外の理由があるケースも多く見られます。
生後3〜4ヶ月の赤ちゃんに人見知りのような現象が見られたら、抱っこが不安定になっていないか、暑かったり寒かったりしないかなどをチェックしてみるようにしましょう。
■ある日突然人見知りがはじまることも
人見知りは、昨日まで大丈夫だったのに今日になって急にはじまった、というケースも多く見られます。
赤ちゃんの心のなかでは徐々に成長が進んでいるものの、それが“人見知り”として目に見える形に現れると“突然人見知りがはじまった”ように見えることがあるためです。
突然人見知りがはじまるとママやパパは驚いてしまうかもしれませんが、「人見知りがはじまったんだな」と温かく見守ってあげられるよう、大きく構えておきましょう。
人見知りの原因
人見知りをする原因は、大きくわけて“視力の発達”と“心・記憶の成長”の2つがあります。ママやパパの顔を判断できるようになる視力と離れるのが怖いという気持ちが育つことで人見知りをするようになっていくのです。
■視力の発達
赤ちゃんは視力をほとんどもたずに生まれてきます。生後すぐは0.02程度の視力しかなく、6歳頃にかけて成長していきます。人見知りの始まる生後6〜12ヶ月頃には、抱っこをしてくれている大人の顔を見分けられるくらいに視力が発達してくるため、顔を見分けられるようになってきます。
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“いつも見ている顔”と“見慣れない顔”が視力の発達とともにわかるようになってくることも人見知りの原因となっているのです。
■心・記憶の成長
見知らぬ人が怖いという心の成長や記憶力の発達も人見知りの原因となります。見慣れた顔を見知らぬ顔を見分けられる記憶力がついてくると、見慣れた顔でないと怖いという心=気持ちが芽生えてくるようになり、人見知りへとつながっていきます。
赤ちゃんが人見知りしているときの対応術
赤ちゃんの人見知りには、ママもパパもやきもきしてしまいますよね。せっかく話しかけてきてくれた人やじぃじ・ばぁばをはじめ、赤ちゃんが人見知りした相手に対する対応術もご紹介します。
■赤ちゃんには安心できるよう声をかける
人見知りは、見慣れない顔に驚いたり、不安を感じていたりすることで起こります。泣いてしまったことに焦って「ほら笑って、笑って」「おかしいなぁ、どうしたの?」と声をかけてしまうと余計に赤ちゃんが泣き止まなくなってしまうことも。
ママやパパなど見慣れた人の顔が見えるようにして、「大丈夫だよ、怖くないよ」と安心できるような声かけをしてあげましょう。
なかなか泣きやまないときには、ママやパパなど赤ちゃんが見慣れている人が抱っこするようにして、落ち着くまで待ってあげるようにしてみましょう。
■赤ちゃんが人見知りをしてしまう相手への対処法
・パパに人見知りする場合
パパに対しても人見知りをしてしまう赤ちゃんもいます。ママからパパに抱っこを代わると泣いてしまい、パパにとっては大きなショックとなるかもしれません。
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それでもママの次に身近な大人はパパです。お腹のなかにいた頃からパパの声は聞こえているため、泣いてしまっても落ち着いてゆっくりと揺らしてあげながら「大丈夫、パパだよ」と声をかけてあげるよう、パパに教えてあげましょう。
「視力や心が発達してきた証拠で、パパが嫌いになったわけではない」ことを伝えてあげるのもおすすめです。
・祖父母に人見知りする場合
普段一緒に生活をしていないと祖父母であるじぃじ・ばぁばに人見知りしてしまう赤ちゃんは多くいます。成長の証とはいえ、ママやパパにとってはちょっと気まずくなってしまうもの。
祖父母に人見知りしてしまうときには、「人見知りするくらい成長してきたんですね」と赤ちゃんの成長を一緒に喜べるような声かけをしたり、「次に会うときには見慣れた顔になるように」と写真を撮らせてもらって、普段から赤ちゃんに写真を見せられるようにしたりといった配慮の姿勢を見せることで乗り切りましょう。
・ママ・パパのお友だちに人見知りする場合
ママやパパのお友だちと会ったときに人見知りしてしまうときには「ごめんね、人見知りする時期なの」と素直に伝えて、ママやパパが抱っこをしている状態で顔を見せるようにしましょう。
「人の顔が見分けられるようになってくると人見知りするようになってくるんだって」などと人見知りの原因なども伝えると、子どものいないお友だちでも「赤ちゃんに嫌われているわけではないんだ」と安心してもらえます。
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・知らない人に人見知りする場合
赤ちゃんを連れていると、さまざまな場所で知らない人から声をかけられることも多くなります。
そんなときに、人見知りして泣いてしまったり、抱っこをしているママやパパの胸に顔を埋めてしまったりすることがありますが、そんなときには「人見知りしていて」と伝えるようにしましょう。
人見知りする時期は多くの赤ちゃんにあり、成長の証でもあるため、悪いことではありません。
「せっかく話しかけてくれたのに」、と心苦しくなってしまうときには、ママやパパが笑顔で受け答えをするようにして誠意をもって対応できていればOKと考えるようにしましょう。
人見知りは直すべき?
人見知りは、いつかはしなくなっていくものです。なかには、恥ずかしがり屋なタイプで小学生以上になっても人見知りをしてしまう子もいますが、それはその子の性格なので無理やり直す必要はありません。
「人見知りは誰にでもあること」と割り切って対応していくのが1番です。赤ちゃんが人見知りしているときにも、ママやパパは笑顔で挨拶をしている姿を見せたり、赤ちゃんが安心できるようにケアしたりしてあげることで、「どうしていけばいいのか」が赤ちゃんにもわかるようになり、人見知りせずに過ごせるようになっていきます。
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「子は親の背中を見て育つ」という言葉もありますが、無理やり人見知りを直そうとするのではなく、自然と周りの人との付き合い方が身につくようにママやパパが見本となる行動をとるようにしましょう。
赤ちゃんが人見知りをするようになると、ママやパパにとってはちょっと困ってしまう場面もでてきてしまうかもしれませんが、人見知りは成長の証です。対応術を身につけておき、笑顔でやり過ごすようにしていきましょう!
<参考>
『乳幼児発達心理学』大平勝馬編著/建帛社/平成15年10月15日第13刷発行
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