連載記事:今日からしつけをやめてみた
「ごめんなさいは?」あやまらない我が子に泣きそうになる…しつけって必要ですか?【今日からしつけをやめてみた 第1回】
■「ごめんなさい」の言葉の前に「なんだかイヤ」の感情を大切に
マンガ・イラスト/あらいぴろよ
――先生は「りんごの木」でたくさんの子どもたちと過ごされていますよね。しつけが必要とされるような場面では、どうされているのですか?
柴田先生:例えば「ごめんなさい」ね。相手が泣いちゃった、だから「ごめんなさい」をいわせる。これは大人の終止符の打ち方ですよね。
大人は効率良く、さっさと片付けたいと思う。でも、子どもというのは効率を考えないし、さっさと片付けられないものなのね。
――私も子どもがケンカしたときは「ごめん」をいわせて、早くいざこざを終わらせたいと思ってました…。
柴田先生:りんごの木では、子どものペースを保証したいから「ごめんなさい」は強要していないんですね。
2~3歳の子は、今自分が持っている気持ちと「ごめんなさい」の言葉がまだ結びついていない。「なんだかイヤだった」という気持ちと、相手が泣いちゃって「困った」という気持ちはあるけれど、そうした気持ちから「ごめんなさい」という言葉を出そうとは思わないんですね。
――そうか、なんて言葉にしたらいいかまだ分からないんですね。
柴田先生:そうです。分かっていないんですね。でもここで、あなたが今感じている気持ちが「ごめんなさい」という言葉なんだ、ということは大人として伝えてあげたい。そんなときはこう伝えます。
「痛かったね~。
ごめんなさいだね~。ごめんね」って私がいうんです。
そうすると「ああ、この気持ちはごめんねっていえばいいんだ」と子どもは分かっていく。
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――「ごめんねといいなさい」と強要するんじゃなくて、気持ちと言葉を大人がつないであげるんですね。
柴田先生:そうです。気持ちに言葉がついていくのであって、言葉で処理すべきことではない。これは「ありがとう」もそう。「ありがとう」「ごめんなさい」はとても大事な言葉ですね。
だからこそ、子どもがたっぷり育ってから、言葉と気持ちがくっついたときでいいと思うんですよ。