学習指導要領の改訂で学校教育が変わる 第41回 2030年の世界を創るチェンジメーカーをめざす
専門家・プロ:藤田由美子
今回は、つくば市が取り組んでいるICT教育、プログラミング教育、英語教育を紹介します。
ICTを活用して21世紀型スキルをはぐくむ
茨城県つくば市は、「つくばスタイル科」を創設し、21世紀型スキルを育成しようとしています。21世紀型スキルには、コンピュータ活用能力や情報活用能力が含まれています。さらに、21世紀型スキルである協働力、創造力、市民性もICTの活用で身につけることができるととらえ、ICTの「C」に7つの意味をもたせ、「つくば7Cスタディ」と名づけました。この取組みは、2018年キッズデザイン賞*の奨励賞を受賞しました。
※キッズデザイン賞……NPO法人キッズデザイン協議会が主催する顕彰制度。子どもにとって優れた製品・空間・サービス・活動・研究を顕彰している。
「つくば7Cスタディ」の内容は以下のとおり。
「つくば7Cスタディ」(出典「つくばスタイル科」単元プラン集)
ICTを使って主体的・対話的で深い学びを実現
つくば市立みどりの学園義務教育学校(小中一貫校)では、「つくば7Cスタディ」に基づいて以下のようなICT教育を行なっています。
教室には無線LANが設置され、一人1台タブレット端末が配置されています。
(1)タブレットを活用した主体的な体験活動
タブレットを使って写真や動画を撮影したりして取材し、文字書き込み機能を使って課題を見つけます。また、協働学習ツールを使って、プレゼンテーション用のスライドを作成します。
(2)課題解決を通じた対話的な学び
課題を解決するために自分のタブレットに意見を書き込み、電子黒板に投影します。また、デジタル思考ツールを使って、タブレットに書き込んだ内容を電子黒板に映し、クラスで情報を共有します。
(3)課題を追究する探究的で深い学び
学校で解決できない問題は、他校、地域、研究所の研究員などとテレビ会議で話し合います。
(4)一人ひとりに応じた主体的な学び
つくば教育クラウド*には1年生から9年生(小学1年生から中学3年生)までの国語、社会、算数、理科、数学、英語の問題などが搭載され、児童生徒は、家庭からアクセスして、自分のペースで学習することができます。※つくば教育クラウド……インターネット上の教育用クラウドサーバーに学習コンテンツを置き、学校や自宅からアクセスし、学習できる。
学習履歴も保存されるので、どれくらい自宅で学習したかも把握することができる。