本人の側でも、はじめのうちは、自分が意識する以上に細かく上司に報告しながら業務を進めた方が、予期せぬトラブルが避けやすくなるでしょう。
自分に与えられた仕事を実行する上で、口頭の指示だけでは理解するのが難しかったり、メモを取ろうとしても、何をメモしていいのかわからなくなったりして、戸惑ってしまいがちです。
・指示は一つ一つ明確簡潔に、文書や図での補助も適宜活用する
・携帯やデジカメを使い、担当業務内容を画像で記録していく
など、仕事の内容を確認・理解しやすい方法や環境をつくっていくことが重要です。
自閉症の人は、他人の表情から気持ちを読み取ったり、場の暗黙の空気を踏まえた上で発言することが得意ではない場合があります。
職場でのコミュニケーションに齟齬が生じていると思われた場合は、会議等の場の位置づけや目的を整理したり、個別に他人から見た印象や気をつけると良いことを周囲の人がインプットしてあげると良いでしょう。また本人も、そうしたインプットを重ねながら、「自分がこの発言をしたら周りはどう思うかな?」と周りの人の気持ちをより意識して発言するように練習していきましょう。自閉症の人は、急な環境の変化が苦手な傾向があります。
急な追加業務や残業に対応しようとすると戸惑ってしまったり、感覚過敏のため周囲の音などが気になって落ち着いて仕事ができなくなることもあります。
また、配置転換や人事異動に強いストレスを感じることもあります。
事前に予定の見通しを立てやすくなるよう、職場の環境調整ができないか上司や同僚に相談してみましょう。どうしても異動などをしなくてはいけないときは、必要なサポートについて事前に相談しておくとよいでしょう。
一人で抱え込まず専門機関に相談を
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10132112030
自閉症の人が就業する場合、多少の困難はもちろんつきものです。ですが一人で抱え込まずに、周りの人のサポートを受けることが問題解決のためには大切です。就労支援をはじめ、ジョブコーチなど、公的な支援を受けることもできます。
また、専門家に相談するのもよいでしょう。大人の場合、以下のような専門機関で相談することもできます。
・発達障害者支援センター
・障害者就業・生活支援センター
・精神保健福祉センター
・相談支援事業所など
自閉症のことの職場に報告した場合でも、職場や周囲に偏見が無理解があれば、職場で差別・虐待を受けてしまう可能性もゼロではありません。