2016年8月5日 11:00
発達障害の診断に行くとき親は子どもの「不安」にどう向き合う?
思春期の子どもが「病院に行こう」と言われたときの気持ち
Upload By ヨーコ
子どもに発達障害の疑いを感じたとき。知能検査を受けるために、私たち親は「一緒に病院へ行こう」とわが子に切り出さなければなりません。
思春期の子どもは「病院に行こう」と言われたとき、どのように感じるのでしょうか。
そう言われて断る子どもは、もしかしたら少ないかもしれません。
「私はおかしいのかもしれない」「どうして友達と仲良くできないのだろう?」「断るのは親に申し訳ない…」など、子どももいろいろ考えているのでしょう。
何も口にはしないかもしれませんが、病院に行く子どもの心の中は、大人が考えている以上に複雑です。
実際に、私の子どもが抱えていた2つの不安をお話します。
子どもは大人が思っている以上に、自分たちが「他の子とは何かが違う」ことに気づいています。
今は何でもインターネットで調べることができます。娘は、「今の自分はどういう状態なんだろう」「他にも私のように悩んでいる子はいるのだろうか」と、日々検索していたようです。
そのため娘は、「知能検査を受ける意図」も、だいたい理解していました。
ですが、その大切さや意義、検査で分かることが今後の生活や人生にどのように生かせるのか等は、分かっていなかったようです。
本来の知能検査は、ありのままの自分の得意・不得意を診断するものだと私は考えています。その結果をもとに、どうやって得意なところを伸ばし、不得意なところをカバーしていくかを周りの大人とともに考えるのです。
娘ははネットの情報で、知能検査は「テスト」とイメージしていた様子で、知能検査の意義を理解しないまま、「できなかったらダメなんだ」「分からなかったらどうしよう」と不安に思ってしまったのです。
たとえ大人でも、自分は発達障害なのかどうかについて病院で診断を求めたとき、いざその結果を見たらショックを受けるでしょう。
それが思春期の子どもとなれば、なおさらショックは大きいはずです。
子どもは発達障害についての知識もまだ断片的です。
例えば、アスペルガー症候群は、正しい知識や情報が浸透しないまま、「アスペ」という言葉がひとり歩きしています。この言葉はネットスラングにもなっていて、空気を読めない人や要領の悪い人に対しての蔑称になってしまっています。
私の子どもは、そんなふうに世の中で軽蔑されているアスペルガー症候群であると自分が診断されてしまったら、自分はこの先もずっと周りの家族や友達とうまく関われないんだと思い込んでしまったようです。