子育て情報『「いじめじゃないよ、ふざけてただけ!」子どもたちの無邪気な言葉に、大人は何をどう伝える?』

2016年10月17日 15:00

「いじめじゃないよ、ふざけてただけ!」子どもたちの無邪気な言葉に、大人は何をどう伝える?

ことと、「いじめは絶対にいけない」という善悪の判断を子どもたちに分かってもらえるよう、いじめ防止の授業をしています。

NHKの番組に「いじめをノックアウト」というものがあります。私は許可をいただいてこの番組を題材にしながら、東京の小学校や児童館で多くの子ども達と一緒にいじめについて考えました。

その中に、『みずいろのマフラー』(著・くすのきしげのり・絵・松成真理子・童心社)という絵本が題材になっている回があります。

絵本の登場人物は、「ぼく」、「ヤンチ」、「ヨースケ」の3人です。ヨースケは力が弱くて、走るのが遅くて、算数が苦手。ぼくとヤンチが嫌な役を押し付けても、ヨースケは少し困った顔をしながらも言いなりになります。

ある日の学校からの帰り道、ぼくとヤンチがいつものようにヨースケが負けるまでジャンケンをし、ヨースケにランドセルを持たせているところをヨースケのお母さんに見つかってしまいました。


さあ、もしもあなたが「ぼく」だったら、ヨースケのお母さんになんと言いますか?
番組でナビゲーターを務める高橋みなみさんは、「ジャンケンしてただけですよ。って答えますね」と語っています。

私が子ども達に問いかけると、
「遊んでただけだよ」
「ジャンケンしてたんだよ!」
「ジャンケンでヨースケが負けたから、ランドセル持ってもらった」
と子どもたちは口々に答えます。

そこで私が「そうなんだ。じゃあその時のヨースケの気持ちはどうだっただろう?」とさらに尋ねると、子どもたちはこう言います。

「悲しかった」「いやだった」「やめてほしいと思った」

番組はさらに続き、今度は実在する男の子、いじられキャラの真也君の話になります。ものまねネタや一発芸をして、いつもクラスメートを楽しませる真也君。真也君自身も楽しそうに笑っていたと思ったのに、ある日突然、自ら命を絶ちました。


実は、“いじり”がエスカレートして、真也君に馬乗りになったり、ほほを叩いたり、パンツおろしをしたり、…クラスではそんなことが行われていたのです。子ども達も、この真実の話は、さすがに受け止めるのに少し勇気がいるようです。シーンと静まり返りました。

私は子ども達に語りかけます。
「このくらい、いいんじゃないの?」とか「ちょっとふざけただけ」とか「遊びのつもり」と思っていたことが、実は相手の心の限界を超えて、つらい、やめて、いやだと思っていることがあるんだよ。

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