2017年2月28日 17:00
失読症とはどんな障害?ディスレクシアとの違いは?文字が読めなくなる原因や詳しい症状、治療法を解説!
失読症とは?どんな障害?
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失読症は、脳の損傷によって言語・記憶・行為・学習・注意など認知機能に障害が起こるいわゆる「高次脳機能障害」の一つとして分類されています。もう少し詳細に説明すると、失読症は、高次脳機能障害の分類の中で代表的な障害として知られている失語症の中の一つです。
この失語症では、「話す」「聞く」「読む」「書く」4つの言語機能の1つあるいは複数に影響が生じますが、中でも「読む」機能に障害が現れるものを失読症と呼びます。
つまり失読症とは、脳梗塞や脳卒中、脳出血などによって脳の中の言語をつかさどる領域が損傷することで、文字や文章を正しく認識したり理解したりする能力が損なわれてしまう障害のことを指します。
失読症は、脳の病気の中でも脳梗塞の後遺症として現れることが多いといわれています。これは、脳内の「脳梗塞を起こしやすい部分」と「視覚に関する領域」が重なっているためです。
失読症は多くの場合、左脳の後頭葉から側頭葉が損傷した場合に引き起こされます。
言語能力は、左脳がつかさどっており、後頭葉から側頭葉は視覚情報を扱う領域です。
そのため、左脳のこの領域が損傷してしまうと視覚情報を言語と結び付けられなくなり、その結果文字がうまく読めなくなるというメカニズムです。
脳梗塞はこの側頭葉から後頭葉で起きることが多いため、失読症の原因となることが多いのです。
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参考:土本亜理子『純粋失読』2002年、三輪書店
失読症の症状とは?
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失読症の人は、文字が読み取りづらく、語句や行を抜かしたり、逆さ読みをしたり、音読が苦手な傾向があります。また、平仮名と漢字の両方の読む機能が侵されたり、平仮名の読みの障害の方が漢字より強く現れるようなケースも報告されています。このような読みの障害の多様性は、病変部位や病変の大きさの違いによって左右されると考えられています。
以下では具体的な症状をいくつかご紹介します。
■文字がにじむ・ぼやける
水に浸したように文字がにじんで見える、目が悪い状態のように文字が二重になる、あるいはぼやけて見えたりします。