2017年3月31日 10:00
急性脳症はウイルスが原因?意識障害などの症状・治療や社会的サポートについて紹介します。
急性脳症とは
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=28174007001
急性脳症は主にウイルス感染症に感染したのをきっかけに、急激に脳に浮腫(むくみ)が生じ、意識レベルが低下する疾患のことをいいます。
病原となるウイルスに感染し、ウイルスに対して過剰な免疫反応が全身の血管に炎症をおこすことにより、意識障害、けいれん、嘔吐、血圧・呼吸の変化などが起こります。
ウイルスは身近なインフルエンザウイルスや、突発性発疹を引き起こすヒトヘルペスウイルス、急性胃腸炎を引き起こすロタウイルスなどが主な病原となっています。突発性発疹や急性胃腸炎は乳幼児や子どもに多く発症する疾患ということもあって、急性脳症は生後6ヶ月~1歳代に多く発症します。
実は急性脳症という名称は正式な学術用語としては使われていません。したがって、何らかのウイルスに感染し急性脳症を起こした場合は「けいれん重積型(二相性)急性脳症」か「急性壊死性脳症」などの症候群の名称、または「インフルエンザ脳症」など病原ウイルスに関連した名称で診断されます。
病原体による分類と臨床・病理・画像所見による症候群分類があるため診断名に違いはありますが、どのウイルスにかかっても「けいれん重積型(二相性)急性脳症」または「急性壊死性脳症」「可逆性脳梁(かぎゃくせいのうりょう)膨大部病変を有する軽症脳炎・脳症」などの病理がみられるため、分類には大きな違いはありません。
これら3つの病理は画像所見などが異なりますが、症状には特異的な違いは見られません。ですので、下記では急性脳症の症状や原因などをまとめて紹介していきたいと思います。
http://www.development.m.u-tokyo.ac.jp/Acute%20Encephalopathy/H22_AcuteEncephalopathy.pdf
参考:急性脳症の全国実態調査 |水口 雅(東京大学大学院医学系研究科 発達医科学 教授)
http://www.nanbyou.or.jp/entry/4513
参考:痙攣重積型(二相性)急性脳症|難病情報センター
http://www.nanbyou.or.jp/entry/3196
参考:重症・難治性急性脳症|難病情報センター
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ojjscn1969/40/2/40_2_117/_pdf
参考:『急性脳症の分類とけいれん重積型』|水口 雅(東京大学大学院医学系研究科 発達医科学 教授)